化粧品部材
【課題】容器の口元でマスカラ化粧料を掻き取ることなく、ユーザが任意に塗布具に付着させる内容物を調整できる化粧品部材を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも頚部を備える頂面を開口したジャー容器Cに対して装着が可能である装着部10と、櫛歯状の塗布部を有するコームブラシBを擦り付けることが可能な装着部10と一体となっている掻き取り調整部12とを備え、掻き取り調整部12は、コームブラシBの塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、コームブラシBに付着するマスカラ化粧料Mを掻き取ることが可能な面取部13を有している。
【解決手段】少なくとも頚部を備える頂面を開口したジャー容器Cに対して装着が可能である装着部10と、櫛歯状の塗布部を有するコームブラシBを擦り付けることが可能な装着部10と一体となっている掻き取り調整部12とを備え、掻き取り調整部12は、コームブラシBの塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、コームブラシBに付着するマスカラ化粧料Mを掻き取ることが可能な面取部13を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料塗布具を擦り付けることが可能な化粧品部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスカラ化粧料が充填されている容器には、開口部の経口が狭いボトルタイプのものが知られている。このボトルタイプの容器を使用して睫毛にマスカラ化粧料を塗布する場合、まずマスカラ化粧料が充填されているボトル容器に塗布具であるブラシを挿入し、ブラシにマスカラ化粧料を付着させた後にブラシを引き抜く。このとき、ボトル容器にはブラシにマスカラ化粧料が付着しすぎるのを防ぐ為にシゴキが備えられており、このシゴキでブラシを扱くことにより、ブラシについている余分なマスカラ化粧料を取り除くことができる。そして、ユーザは引き抜いたブラシに付着しているマスカラ化粧料を睫毛へ塗布するものである。
【0003】
このボトル容器に充填されているマスカラ化粧料を使用する場合の塗布具としては、支持棒の側面と先端に塗布部が形成されているタイプのブラシが多く用いられている。このタイプのブラシの場合、ユーザは主にブラシを横向きにして塗布具の側面の塗布部を使用するものである。
【0004】
そして、通常ユーザがマスカラ化粧料を睫毛へ塗布するときは鏡などを用いるが、ブラシを横向きにして使用する場合、ユーザの利き腕側とは反対側の睫毛にマスカラ化粧料を塗布するとき、鏡に映る視界を自身の指などで遮られることがある。故に、横向きにして使用するブラシはマスカラ化粧料を睫毛に塗布するブラシとしては使いづらいという難点があった。
【0005】
この横向きにして使用するブラシの難点を解決するためのブラシとしては、塗布具の支持棒の先端に長手方向に延びる塗布部が形成されたタイプのブラシがある。このブラシを用いてマスカラ化粧料を睫毛に塗布する場合、ブラシをたて向きで使用することになるので、ユーザは自身の指などで視界を遮られることがなく、横向きにして使用するブラシよりも使い勝手がよい。
【0006】
しかし、マスカラ化粧料を充填する容器がボトルタイプの場合、ボトル容器からブラシを引き抜くことでシゴキによってブラシの側面の塗布部に付着している余分なマスカラ化粧料を取り除くことはできても、容器の構造的にブラシの先端部分は扱くことは難しく、マスカラ化粧料が支持棒先端の塗布部に塊となって付着してしまっていた。
【0007】
このように、ブラシの先端部分にマスカラ化粧料が塊として残される不具合を解消するためには、ボトルタイプの容器以外に開口部の経口が広い容器にマスカラ化粧料を充填させる方法がある。そして、この開口部(頚部)の経口が広い容器としてはジャー容器(クリーム容器)などが考えられる。
そのジャー容器にシゴキを備えた例として下記特許文献1、2に記載の発明がある。
【0008】
この特許文献1、2には、広口の頚部の容器に掻き取り栓が備えられており、容器に充填されている内容物を塗布具に付着させた後、容器から塗布具を取り出すときにこの掻き取り部によって塗布具が扱かれることにより、塗布具に付着している余分な内容物を掻き取ることができる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−321271
【特許文献2】特開2005−152064
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1、2で開示されている発明についても、掻き取り栓によって塗布具の側面は扱くことはできるが、塗布具の先端に付着ている余計な内容物を扱くことはできない。
【0011】
また、ユーザはブラシの先端に扱き切れずに付着している余分なマスカラ化粧料の塊をボトル容器、ジャー容器、どちらの容器においてもその口元で掻き取ってからマスカラ化粧料を睫毛に塗布していた。しかし、そのように容器の口元でマスカラ化粧料の塊を掻き取ると、容器の口元がベタベタになり非常に汚くなってしまうという不具合があり、そのまま口元に付着したマスカラ化粧料を放置すると乾いて固化してしまい容器の蓋が閉めづらくなるという不具合が生じていた。
【0012】
さらに、ブラシを容器から引き抜くことで自動的にシゴキがブラシに付着した内容物を扱くことになるので、ユーザがマスカラ化粧料の付着量を任意に調整することは難しかった。
【0013】
そこで、本発明は、容器の口元でマスカラ化粧料を掻き取ることなく、ユーザが任意に塗布具に付着させる内容物を調整できる化粧品部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
少なくとも頚部を備える頂面を開口した容器に対して装着が可能である装着部と、櫛歯状の塗布部を有する化粧料塗布具を擦り付けることが可能な上記装着部と一体となっている掻き取り調整部とを備え、上記掻き取り調整部は、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を掻き取ることが可能な面取部を有していることを特徴としている。
【0015】
また、上記掻き取り調整部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り調整部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴としている。
【0016】
また、さらに掻き取り掃除部を備え、
上記掻き取り掃除部は、上記装着部と一体となっており、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能な形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することが可能な櫛歯状のスリット部を有していることを特徴としている。
【0017】
また、上記掻き取り掃除部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り掃除部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、容器開口部の内径方向に突き出している上記掻き取り調整部と所定間隔離れ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と該掻き取り掃除部に非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴としている。
【0018】
また、上記装着部は、環状形状であり、且つ、頚部を有する容器のその頚部と嵌合することが可能な形状であることを特徴としている。
【0019】
このような構成とすることで本発明は、化粧料塗布具を容器内部へ挿入させた後、掻き取り調整部又は掻き取り掃除部に擦り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本願発明の化粧品部材は、化粧料の内容物が付着している化粧料塗布具の塗布部を掻き取り調整部又は掻き取り掃除部に擦り付けることにより、化粧料塗布具を容器の口元に擦り付ける必要がなくなり、内容物が付着して容器の口元が汚れることがない。
また、この掻き取り調整部がボトルタイプの容器よりも開口部の経口が広いジャー容器等の頚部に備えられることで、ユーザは容器に充填されている化粧料の残量を目視で確認することができるので化粧料を最後まで使い切ることができると共に、塗布具に付着させる内容物の量を目視して調節することができる。さらに、掻き取り掃除部を備えることにより、使用し終わった後の化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することができるので化粧料塗布具を衛生的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る化粧品部材の斜視図である。
【図2】第1実施形態の化粧品部材の断面図である。
【図3】第1実施形態の化粧品部材が備える掻き取り調整部が有する面取部の変形例である。
【図4】第1実施形態の化粧品部材がジャー容器に装着されたときの斜視図である。
【図5】本発明の化粧品部材に使用する化粧料塗布具の例であるコームブラシの全体図である。
【図6】化粧料塗布具のコームブラシの先端部分を拡大した図である。
【図7】ジャー容器に装着された化粧品部材の掻き取り調整部でコームブラシに付着しているマスカラ化粧料を掻き取るとき態様を示している図である。
【図8】第2実施形態に係る化粧品部材の斜視図である。
【図9】第2実施形態の化粧品部材の断面図である。
【図10】第2実施形態の化粧品部材がジャー容器に装着されたときの斜視図である。
【図11】ジャー容器に装着された化粧品部材の掻き取り掃除部でコームブラシに付着しているマスカラ化粧料を掻き取るときの態様を示している図である。
【図12】掻き取り掃除部にコームブラシの先端が嵌合しているところの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には本発明の第1実施形態に係る化粧品部材100の斜視図を示しており、この化粧品部材100には装着部10、掻き取り調整部12が備えられている。また、図2には図1に示す化粧品部材100の断面図を示している。
【0024】
図1、図2に示す化粧品部材100の装着部10は環状形状となっており、図2に示す装着部10の内側10aの形状は、例えば、頂面を開口したジャー容器(クリーム容器)が備える頚部に嵌合が可能な形状となっている。
【0025】
掻き取り調整部12は化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能であり、化粧料塗布具に付着している化粧料を掻き取ることが可能な形状をしている面取部13を有している。
【0026】
この掻き取り調整部12は環状形状となっている装着部10の環の内側に位置し、環状形状の装着部10の環の内径側に突き出るように形成されている。そして、掻き取り調整部12が有する面取部13は、図1、図2に示すように、掻き取り調整部12の上面12a中程から、掻き取り調整部12の先端12cへ向かって掻き取り調整部12の下面12bへ下方傾斜するように形成されている。
【0027】
掻き取り調整部12の面取部13をこのような形状とすることで化粧料塗布具の塗布部を面取部13に擦り付けた場合に塗布部に付着している化粧料を効率的に掻き取ることができる効果を有するものである。
【0028】
また、面取部13の形状は、図1、図2に示した形状以外にも、例えば、図3に示すように掻き取り調整部12の下面12bの中程から先端12cへ向かって上面12aへ上方傾斜する形状としてもよい。このような形状とすることでも、図1、図2で示した面取部13の形状と同様の効果を得ることができる。
なお、面取部13の形状としては上述した形状以外にも、化粧料塗布具の塗布部に付着した化粧料を掻き取ることができる形状であればどんな形状でもよい。
【0029】
図4は、化粧品部材100をジャー容器Cに装着した場合の斜視図を示している。化粧品部材100は、頂面が開口しているジャー容器Cの頚部と図2に示した装着部10の内側10aが嵌合し、図4に示すようにジャー容器Cに装着されている。そして、図示するように化粧品部材100の掻き取り調整部12は、装着部10の内径側に突き出るように備えられているので、装着部10がジャー容器Cの頚部に勘合すると、掻き取り調整部12がジャー容器Cの開口部の内側に突き出すことになる。
また、化粧品部材100は、ジャー容器Cの頚部と装着部10が嵌合したままでもジャー容器Cは蓋を装着することが可能な形状となっている。
【0030】
図5、図6には、第1実施形態の化粧品部材100と後述する第2実施形態の化粧品部材200において使用する化粧料塗布具の例であるコームブラシBを示しており、図5にはコームブラシBの全体図を示し、図6には図5に示すコームブラシBの先端B’の拡大図を示している。
【0031】
図示するようにコームブラシBは、柄の先端に櫛歯状の塗布部が長手方向へ延びているタイプの化粧料塗布具である。そして、コームブラシBの柄の長さとしては、少なくともジャー容器Cの底部にコームブラシBの先端B’が接触しているときでもジャー容器Cの頂面より上方に柄が突出する程度の長さを有するものが好ましい。
【0032】
本願発明の化粧品部材100及び化粧品部材200においては、このようなコームブラシBを使用することで最も効果を得ることができるものである。
【0033】
図7は、ジャー容器Cに化粧品部材100を装着し、このジャー容器Cに充填されているマスカラ化粧料MをコームブラシBに付着させたあと、先端B’に付着した余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り調整部12で掻き取っている態様を示している。
図示するように、コームブラシBの先端B’を掻き取り調整部12に擦り付けることで余分なマスカラ化粧料Mを面取部13で掻き取ることができる。
【0034】
ここで、化粧品部材100における環状形状の装着部10の内径の直径としては、通常に使用されるコームブラシBが、化粧品部材100が備える掻き取り調整部12及び装着部10に接触することなく装着部10の内径へ挿入及び引き戻しが可能な程度の直径である。つまり、ジャー容器Cに化粧品部材100が装着されているときに、コームブラシBをジャー容器Cの内部へ挿入及びジャー容器Cの外部への引き戻しを行っても、コームブラシB及びコームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mが掻き取り調整部12や装着部10に接触することがない装着部10の内径の直径である。
【0035】
ただし、装着部10の内径の直径は上述した直径に限られるもではなく、装着するジャー容器Cの開口部の直径に比例して変化させてもよい。例えば、通常に使用されるコームブラシBが内部への挿入が不可能な直径の開口部を有するジャー容器Cの場合、装着部10の内径はそのジャー容器Cの開口部の直径と同じ直径としてもよい。その場合は、コームブラシBについても通常に使用されるものよりも小さいコームブラシBを使用することになる。
【0036】
ここまで説明してきたように化粧品部材100を用いることで、掻き取り調整部12の面取部13においてコームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取ることができるので、従来のようにジャー容器Cの口元でマスカラ化粧料Mを掻き取り、口元が汚れてしまうことがなくなる。
【0037】
また、掻き取り調整部12が装着部10の内側に備えられることで、面取部13において掻き取られた余分なマスカラ化粧料Mが面取部13から剥がれ落ちることがあっても、ジャー容器Cの内部に落下することになるので、ジャー容器Cの外面についてもマスカラ化粧料Mで汚すことがない。
【0038】
そして、ユーザは、面取部13を視認しながら効率的にコームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mの掻き取り作業を行うことが可能となるので、コームブラシBに付着させるマスカラ化粧料Mの量を任意に調節することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に本願発明の第2実施形態について説明する。
図8に示すのは、本発明の第2実施形態に係る化粧品部材200の斜視図である。化粧品部材200の構成としては、環状形状の装着部10とその装着部10の環の内側に位置し、内径側に突き出るように掻き取り調整部12が備えられている点は第1実施形態の化粧品部材100と同様であるが、化粧品部材200は、さらに掻き取り掃除部14を備えているものである。
そして、図9には、図8に示す化粧品部材200の断面図を示している。
【0040】
なお、化粧品部材200が備える掻き取り調整部12が有する面取部13の形状としては、第1実施形態において説明した化粧品部材100の面取部13と同様の形状とすればよい。つまり、図1、図2に示したように掻き取り調整部12の上面12a中程から、先端12cへ向かって下面12bへ下方傾斜するように形成されてもよいし、図3に示したように、掻き取り調整部12の下面12bの中程から先端12cへ向かって上面12aへ上方傾斜している形状としてもよい。つまり化粧料塗布具の塗布部に付着した化粧料を掻き取ることができる形状であればどんな形状でもよい。
【0041】
図8、図9に示す掻き取り掃除部14は、掻き取り調整部12の対角線上の装着部10に位置し、この装着部10の環の内径側に突き出るように化粧品部材200に備えられている。
【0042】
なお、掻き取り掃除部14は掻き取り調整部12の対角線上の装着部10に位置している必要は必ずしもなく、装着部10の環の内径側に突き出るように備えられており、掻き取り調整部12で図5、図6で説明したコームブラシBを擦り付けるときに、その動作の邪魔にならないくらいに所定間隔離れた位置に備えられていればよい。
【0043】
そして、掻き取り掃除部14は、コームブラシBの塗布部である、櫛歯状に形成されている先端B’に付着しているマスカラ化粧料Mを掻き取り、除去するためにスリット部15を有している。
【0044】
このスリット部15は、図8、図9に示すようにコームブラシBの先端B’の櫛歯と嵌合することが可能な櫛歯形状を有し、掻き取り調整部12の面取部13と同様に掻き取り掃除部14の上面14aの中程から先端14cへ向かって下面14bへ下方傾斜するように形成されている。
【0045】
スリット部15をこのような形状とすることで、コームブラシBの先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを、掻き取り掃除部14の櫛歯形状にて除去し、コームブラシBを掃除することができるものである。
【0046】
また、第2実施形態としての掻き取り掃除部14の形状としては図8、図9に図示して説明した形状に限られるものではなく、コームブラシBのように先端B’が櫛歯形状となっている塗布部を備えている化粧料塗布具の櫛歯の間に付着している化粧料を掻き取り、掃除できる形状であればよい。
【0047】
図9には化粧品部材200の断面図を示している。化粧品部材200の装着部10の内側10aの形状は化粧品部材100の内側10aと同様の形状となっており、つまりは、化粧品部材200においても、頂面を開口したジャー容器Cが備える頚部に装着が可能となっている。
【0048】
図10は、ジャー容器Cに化粧品部材200を嵌合した場合の斜視図を示している。化粧品部材200は、第1実施形態の化粧品部材100と同様に、帳面が開口しているジャー容器Cの頚部と装着部10の内側10aが嵌合するものである。そして、図示するように化粧品部材200の掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14は、装着部10の内径側に突き出るように備えられているので、装着部10がジャー容器Cの頚部に勘合されると、掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14がジャー容器Cの開口部の内側に突き出ることになるものである。
【0049】
また化粧品部材200は、ジャー容器Cの頚部と装着部10が嵌合したままでもジャー容器Cは蓋を装着することが可能な形状となっている。
【0050】
そして、化粧品部材200の装着部10の内径の直径としては、ジャー容器Cに化粧品部材200が装着されているときに、通常で使用されているコームブラシBをジャー容器Cの内部への挿入及びジャー容器Cの外部への引き戻しを行ってもコームブラシB及びコームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mが掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14、装着部10に接触することがない程度の直径であればよい。
【0051】
ただし、化粧品部材200の装着部10の内径の直径は、化粧品部材100と同様に、上述した直径に限られるもではなく、装着するジャー容器Cの開口部の直径に比例して変化させてもよい。
【0052】
図11は、ジャー容器Cに化粧品部材200を装着し、このジャー容器Cに充填されているマスカラ化粧料MをコームブラシBに付着させたあと、先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り掃除部14で掻き取っている態様を示している。
【0053】
図示するように、コームブラシBの先端B’を掻き取り掃除部14のスリット部15と嵌合させることで、先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り掃除部14は掻き取ることができ、コームブラシBの先端B’を掃除することができる。
【0054】
このように第2実施形態の化粧品部材200においては、コームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り調整部12の面取部13で掻き取ることができるので、ジャー容器Cの口元が汚れてしまうことがない。また、コームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mの量を面取部13で任意に調節することができる。
【0055】
さらに化粧品部材200では、掻き取り掃除部14においてコームブラシBの先端B’に付着して余分なマスカラ化粧料Mを掃除することができるので、ユーザはコームブラシBを使い終わった後、余分なマスカラ化粧料Mを先端B’のスリット部15に付着させたままにせずにすみ、衛生的にコームブラシBを保存することができる。
【0056】
また、掻き取り掃除部14においても装着部10の内側に備えられることで、スリット部15において掻き取られた余分なマスカラ化粧料Mが剥がれ落ちてもジャー容器Cの内部に落下することになるので、ジャー容器Cの外面をマスカラ化粧料Mで汚すことがない。
【0057】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施形態に限定されるべきものではない。
例えば、化粧品部材100及び化粧品部材200が備える装着部10は環状形状に限るものではなく、装着するジャー容器Cの開口部の形状に合わせて、四角形状や三角形状などの多角形状としてもよいし、ジャー容器の開口部にあわせた形状とすればよい。または、装着部10はジャー容器Cの頚部全体に装着されるものではなく、この頚部の一部に装着される形状としてもよい。
【0058】
また、装着部13はジャー容器Cの頚部だけに装着されるものではなく、図示は省略したが、例えば、ジャー容器Cの側面や底面に装着されるような形状としてもよい。その場合でも、掻き取り調整部12及び掻き取り掃除部14は、ジャー容器Cの開口部の内側に突き出るように備えられるようにする。
【符号の説明】
【0059】
10 装着部、10a 内側、12 掻き取り調整部、12a,14a 上面、12b,14b 下面、12c,14c 先端、13 面取部、14 掻き取り掃除部、15 スリット部、100,200 化粧品部材、C ジャー容器、B コームブラシ、B’ 先端、M マスカラ化粧料
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料塗布具を擦り付けることが可能な化粧品部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスカラ化粧料が充填されている容器には、開口部の経口が狭いボトルタイプのものが知られている。このボトルタイプの容器を使用して睫毛にマスカラ化粧料を塗布する場合、まずマスカラ化粧料が充填されているボトル容器に塗布具であるブラシを挿入し、ブラシにマスカラ化粧料を付着させた後にブラシを引き抜く。このとき、ボトル容器にはブラシにマスカラ化粧料が付着しすぎるのを防ぐ為にシゴキが備えられており、このシゴキでブラシを扱くことにより、ブラシについている余分なマスカラ化粧料を取り除くことができる。そして、ユーザは引き抜いたブラシに付着しているマスカラ化粧料を睫毛へ塗布するものである。
【0003】
このボトル容器に充填されているマスカラ化粧料を使用する場合の塗布具としては、支持棒の側面と先端に塗布部が形成されているタイプのブラシが多く用いられている。このタイプのブラシの場合、ユーザは主にブラシを横向きにして塗布具の側面の塗布部を使用するものである。
【0004】
そして、通常ユーザがマスカラ化粧料を睫毛へ塗布するときは鏡などを用いるが、ブラシを横向きにして使用する場合、ユーザの利き腕側とは反対側の睫毛にマスカラ化粧料を塗布するとき、鏡に映る視界を自身の指などで遮られることがある。故に、横向きにして使用するブラシはマスカラ化粧料を睫毛に塗布するブラシとしては使いづらいという難点があった。
【0005】
この横向きにして使用するブラシの難点を解決するためのブラシとしては、塗布具の支持棒の先端に長手方向に延びる塗布部が形成されたタイプのブラシがある。このブラシを用いてマスカラ化粧料を睫毛に塗布する場合、ブラシをたて向きで使用することになるので、ユーザは自身の指などで視界を遮られることがなく、横向きにして使用するブラシよりも使い勝手がよい。
【0006】
しかし、マスカラ化粧料を充填する容器がボトルタイプの場合、ボトル容器からブラシを引き抜くことでシゴキによってブラシの側面の塗布部に付着している余分なマスカラ化粧料を取り除くことはできても、容器の構造的にブラシの先端部分は扱くことは難しく、マスカラ化粧料が支持棒先端の塗布部に塊となって付着してしまっていた。
【0007】
このように、ブラシの先端部分にマスカラ化粧料が塊として残される不具合を解消するためには、ボトルタイプの容器以外に開口部の経口が広い容器にマスカラ化粧料を充填させる方法がある。そして、この開口部(頚部)の経口が広い容器としてはジャー容器(クリーム容器)などが考えられる。
そのジャー容器にシゴキを備えた例として下記特許文献1、2に記載の発明がある。
【0008】
この特許文献1、2には、広口の頚部の容器に掻き取り栓が備えられており、容器に充填されている内容物を塗布具に付着させた後、容器から塗布具を取り出すときにこの掻き取り部によって塗布具が扱かれることにより、塗布具に付着している余分な内容物を掻き取ることができる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−321271
【特許文献2】特開2005−152064
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1、2で開示されている発明についても、掻き取り栓によって塗布具の側面は扱くことはできるが、塗布具の先端に付着ている余計な内容物を扱くことはできない。
【0011】
また、ユーザはブラシの先端に扱き切れずに付着している余分なマスカラ化粧料の塊をボトル容器、ジャー容器、どちらの容器においてもその口元で掻き取ってからマスカラ化粧料を睫毛に塗布していた。しかし、そのように容器の口元でマスカラ化粧料の塊を掻き取ると、容器の口元がベタベタになり非常に汚くなってしまうという不具合があり、そのまま口元に付着したマスカラ化粧料を放置すると乾いて固化してしまい容器の蓋が閉めづらくなるという不具合が生じていた。
【0012】
さらに、ブラシを容器から引き抜くことで自動的にシゴキがブラシに付着した内容物を扱くことになるので、ユーザがマスカラ化粧料の付着量を任意に調整することは難しかった。
【0013】
そこで、本発明は、容器の口元でマスカラ化粧料を掻き取ることなく、ユーザが任意に塗布具に付着させる内容物を調整できる化粧品部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
少なくとも頚部を備える頂面を開口した容器に対して装着が可能である装着部と、櫛歯状の塗布部を有する化粧料塗布具を擦り付けることが可能な上記装着部と一体となっている掻き取り調整部とを備え、上記掻き取り調整部は、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を掻き取ることが可能な面取部を有していることを特徴としている。
【0015】
また、上記掻き取り調整部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り調整部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴としている。
【0016】
また、さらに掻き取り掃除部を備え、
上記掻き取り掃除部は、上記装着部と一体となっており、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能な形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することが可能な櫛歯状のスリット部を有していることを特徴としている。
【0017】
また、上記掻き取り掃除部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り掃除部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、容器開口部の内径方向に突き出している上記掻き取り調整部と所定間隔離れ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と該掻き取り掃除部に非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴としている。
【0018】
また、上記装着部は、環状形状であり、且つ、頚部を有する容器のその頚部と嵌合することが可能な形状であることを特徴としている。
【0019】
このような構成とすることで本発明は、化粧料塗布具を容器内部へ挿入させた後、掻き取り調整部又は掻き取り掃除部に擦り付けることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本願発明の化粧品部材は、化粧料の内容物が付着している化粧料塗布具の塗布部を掻き取り調整部又は掻き取り掃除部に擦り付けることにより、化粧料塗布具を容器の口元に擦り付ける必要がなくなり、内容物が付着して容器の口元が汚れることがない。
また、この掻き取り調整部がボトルタイプの容器よりも開口部の経口が広いジャー容器等の頚部に備えられることで、ユーザは容器に充填されている化粧料の残量を目視で確認することができるので化粧料を最後まで使い切ることができると共に、塗布具に付着させる内容物の量を目視して調節することができる。さらに、掻き取り掃除部を備えることにより、使用し終わった後の化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することができるので化粧料塗布具を衛生的に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る化粧品部材の斜視図である。
【図2】第1実施形態の化粧品部材の断面図である。
【図3】第1実施形態の化粧品部材が備える掻き取り調整部が有する面取部の変形例である。
【図4】第1実施形態の化粧品部材がジャー容器に装着されたときの斜視図である。
【図5】本発明の化粧品部材に使用する化粧料塗布具の例であるコームブラシの全体図である。
【図6】化粧料塗布具のコームブラシの先端部分を拡大した図である。
【図7】ジャー容器に装着された化粧品部材の掻き取り調整部でコームブラシに付着しているマスカラ化粧料を掻き取るとき態様を示している図である。
【図8】第2実施形態に係る化粧品部材の斜視図である。
【図9】第2実施形態の化粧品部材の断面図である。
【図10】第2実施形態の化粧品部材がジャー容器に装着されたときの斜視図である。
【図11】ジャー容器に装着された化粧品部材の掻き取り掃除部でコームブラシに付着しているマスカラ化粧料を掻き取るときの態様を示している図である。
【図12】掻き取り掃除部にコームブラシの先端が嵌合しているところの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一又は相当要素には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1には本発明の第1実施形態に係る化粧品部材100の斜視図を示しており、この化粧品部材100には装着部10、掻き取り調整部12が備えられている。また、図2には図1に示す化粧品部材100の断面図を示している。
【0024】
図1、図2に示す化粧品部材100の装着部10は環状形状となっており、図2に示す装着部10の内側10aの形状は、例えば、頂面を開口したジャー容器(クリーム容器)が備える頚部に嵌合が可能な形状となっている。
【0025】
掻き取り調整部12は化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能であり、化粧料塗布具に付着している化粧料を掻き取ることが可能な形状をしている面取部13を有している。
【0026】
この掻き取り調整部12は環状形状となっている装着部10の環の内側に位置し、環状形状の装着部10の環の内径側に突き出るように形成されている。そして、掻き取り調整部12が有する面取部13は、図1、図2に示すように、掻き取り調整部12の上面12a中程から、掻き取り調整部12の先端12cへ向かって掻き取り調整部12の下面12bへ下方傾斜するように形成されている。
【0027】
掻き取り調整部12の面取部13をこのような形状とすることで化粧料塗布具の塗布部を面取部13に擦り付けた場合に塗布部に付着している化粧料を効率的に掻き取ることができる効果を有するものである。
【0028】
また、面取部13の形状は、図1、図2に示した形状以外にも、例えば、図3に示すように掻き取り調整部12の下面12bの中程から先端12cへ向かって上面12aへ上方傾斜する形状としてもよい。このような形状とすることでも、図1、図2で示した面取部13の形状と同様の効果を得ることができる。
なお、面取部13の形状としては上述した形状以外にも、化粧料塗布具の塗布部に付着した化粧料を掻き取ることができる形状であればどんな形状でもよい。
【0029】
図4は、化粧品部材100をジャー容器Cに装着した場合の斜視図を示している。化粧品部材100は、頂面が開口しているジャー容器Cの頚部と図2に示した装着部10の内側10aが嵌合し、図4に示すようにジャー容器Cに装着されている。そして、図示するように化粧品部材100の掻き取り調整部12は、装着部10の内径側に突き出るように備えられているので、装着部10がジャー容器Cの頚部に勘合すると、掻き取り調整部12がジャー容器Cの開口部の内側に突き出すことになる。
また、化粧品部材100は、ジャー容器Cの頚部と装着部10が嵌合したままでもジャー容器Cは蓋を装着することが可能な形状となっている。
【0030】
図5、図6には、第1実施形態の化粧品部材100と後述する第2実施形態の化粧品部材200において使用する化粧料塗布具の例であるコームブラシBを示しており、図5にはコームブラシBの全体図を示し、図6には図5に示すコームブラシBの先端B’の拡大図を示している。
【0031】
図示するようにコームブラシBは、柄の先端に櫛歯状の塗布部が長手方向へ延びているタイプの化粧料塗布具である。そして、コームブラシBの柄の長さとしては、少なくともジャー容器Cの底部にコームブラシBの先端B’が接触しているときでもジャー容器Cの頂面より上方に柄が突出する程度の長さを有するものが好ましい。
【0032】
本願発明の化粧品部材100及び化粧品部材200においては、このようなコームブラシBを使用することで最も効果を得ることができるものである。
【0033】
図7は、ジャー容器Cに化粧品部材100を装着し、このジャー容器Cに充填されているマスカラ化粧料MをコームブラシBに付着させたあと、先端B’に付着した余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り調整部12で掻き取っている態様を示している。
図示するように、コームブラシBの先端B’を掻き取り調整部12に擦り付けることで余分なマスカラ化粧料Mを面取部13で掻き取ることができる。
【0034】
ここで、化粧品部材100における環状形状の装着部10の内径の直径としては、通常に使用されるコームブラシBが、化粧品部材100が備える掻き取り調整部12及び装着部10に接触することなく装着部10の内径へ挿入及び引き戻しが可能な程度の直径である。つまり、ジャー容器Cに化粧品部材100が装着されているときに、コームブラシBをジャー容器Cの内部へ挿入及びジャー容器Cの外部への引き戻しを行っても、コームブラシB及びコームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mが掻き取り調整部12や装着部10に接触することがない装着部10の内径の直径である。
【0035】
ただし、装着部10の内径の直径は上述した直径に限られるもではなく、装着するジャー容器Cの開口部の直径に比例して変化させてもよい。例えば、通常に使用されるコームブラシBが内部への挿入が不可能な直径の開口部を有するジャー容器Cの場合、装着部10の内径はそのジャー容器Cの開口部の直径と同じ直径としてもよい。その場合は、コームブラシBについても通常に使用されるものよりも小さいコームブラシBを使用することになる。
【0036】
ここまで説明してきたように化粧品部材100を用いることで、掻き取り調整部12の面取部13においてコームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取ることができるので、従来のようにジャー容器Cの口元でマスカラ化粧料Mを掻き取り、口元が汚れてしまうことがなくなる。
【0037】
また、掻き取り調整部12が装着部10の内側に備えられることで、面取部13において掻き取られた余分なマスカラ化粧料Mが面取部13から剥がれ落ちることがあっても、ジャー容器Cの内部に落下することになるので、ジャー容器Cの外面についてもマスカラ化粧料Mで汚すことがない。
【0038】
そして、ユーザは、面取部13を視認しながら効率的にコームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mの掻き取り作業を行うことが可能となるので、コームブラシBに付着させるマスカラ化粧料Mの量を任意に調節することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に本願発明の第2実施形態について説明する。
図8に示すのは、本発明の第2実施形態に係る化粧品部材200の斜視図である。化粧品部材200の構成としては、環状形状の装着部10とその装着部10の環の内側に位置し、内径側に突き出るように掻き取り調整部12が備えられている点は第1実施形態の化粧品部材100と同様であるが、化粧品部材200は、さらに掻き取り掃除部14を備えているものである。
そして、図9には、図8に示す化粧品部材200の断面図を示している。
【0040】
なお、化粧品部材200が備える掻き取り調整部12が有する面取部13の形状としては、第1実施形態において説明した化粧品部材100の面取部13と同様の形状とすればよい。つまり、図1、図2に示したように掻き取り調整部12の上面12a中程から、先端12cへ向かって下面12bへ下方傾斜するように形成されてもよいし、図3に示したように、掻き取り調整部12の下面12bの中程から先端12cへ向かって上面12aへ上方傾斜している形状としてもよい。つまり化粧料塗布具の塗布部に付着した化粧料を掻き取ることができる形状であればどんな形状でもよい。
【0041】
図8、図9に示す掻き取り掃除部14は、掻き取り調整部12の対角線上の装着部10に位置し、この装着部10の環の内径側に突き出るように化粧品部材200に備えられている。
【0042】
なお、掻き取り掃除部14は掻き取り調整部12の対角線上の装着部10に位置している必要は必ずしもなく、装着部10の環の内径側に突き出るように備えられており、掻き取り調整部12で図5、図6で説明したコームブラシBを擦り付けるときに、その動作の邪魔にならないくらいに所定間隔離れた位置に備えられていればよい。
【0043】
そして、掻き取り掃除部14は、コームブラシBの塗布部である、櫛歯状に形成されている先端B’に付着しているマスカラ化粧料Mを掻き取り、除去するためにスリット部15を有している。
【0044】
このスリット部15は、図8、図9に示すようにコームブラシBの先端B’の櫛歯と嵌合することが可能な櫛歯形状を有し、掻き取り調整部12の面取部13と同様に掻き取り掃除部14の上面14aの中程から先端14cへ向かって下面14bへ下方傾斜するように形成されている。
【0045】
スリット部15をこのような形状とすることで、コームブラシBの先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを、掻き取り掃除部14の櫛歯形状にて除去し、コームブラシBを掃除することができるものである。
【0046】
また、第2実施形態としての掻き取り掃除部14の形状としては図8、図9に図示して説明した形状に限られるものではなく、コームブラシBのように先端B’が櫛歯形状となっている塗布部を備えている化粧料塗布具の櫛歯の間に付着している化粧料を掻き取り、掃除できる形状であればよい。
【0047】
図9には化粧品部材200の断面図を示している。化粧品部材200の装着部10の内側10aの形状は化粧品部材100の内側10aと同様の形状となっており、つまりは、化粧品部材200においても、頂面を開口したジャー容器Cが備える頚部に装着が可能となっている。
【0048】
図10は、ジャー容器Cに化粧品部材200を嵌合した場合の斜視図を示している。化粧品部材200は、第1実施形態の化粧品部材100と同様に、帳面が開口しているジャー容器Cの頚部と装着部10の内側10aが嵌合するものである。そして、図示するように化粧品部材200の掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14は、装着部10の内径側に突き出るように備えられているので、装着部10がジャー容器Cの頚部に勘合されると、掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14がジャー容器Cの開口部の内側に突き出ることになるものである。
【0049】
また化粧品部材200は、ジャー容器Cの頚部と装着部10が嵌合したままでもジャー容器Cは蓋を装着することが可能な形状となっている。
【0050】
そして、化粧品部材200の装着部10の内径の直径としては、ジャー容器Cに化粧品部材200が装着されているときに、通常で使用されているコームブラシBをジャー容器Cの内部への挿入及びジャー容器Cの外部への引き戻しを行ってもコームブラシB及びコームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mが掻き取り調整部12、掻き取り掃除部14、装着部10に接触することがない程度の直径であればよい。
【0051】
ただし、化粧品部材200の装着部10の内径の直径は、化粧品部材100と同様に、上述した直径に限られるもではなく、装着するジャー容器Cの開口部の直径に比例して変化させてもよい。
【0052】
図11は、ジャー容器Cに化粧品部材200を装着し、このジャー容器Cに充填されているマスカラ化粧料MをコームブラシBに付着させたあと、先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り掃除部14で掻き取っている態様を示している。
【0053】
図示するように、コームブラシBの先端B’を掻き取り掃除部14のスリット部15と嵌合させることで、先端B’の櫛歯の間に付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り掃除部14は掻き取ることができ、コームブラシBの先端B’を掃除することができる。
【0054】
このように第2実施形態の化粧品部材200においては、コームブラシBに付着している余分なマスカラ化粧料Mを掻き取り調整部12の面取部13で掻き取ることができるので、ジャー容器Cの口元が汚れてしまうことがない。また、コームブラシBに付着しているマスカラ化粧料Mの量を面取部13で任意に調節することができる。
【0055】
さらに化粧品部材200では、掻き取り掃除部14においてコームブラシBの先端B’に付着して余分なマスカラ化粧料Mを掃除することができるので、ユーザはコームブラシBを使い終わった後、余分なマスカラ化粧料Mを先端B’のスリット部15に付着させたままにせずにすみ、衛生的にコームブラシBを保存することができる。
【0056】
また、掻き取り掃除部14においても装着部10の内側に備えられることで、スリット部15において掻き取られた余分なマスカラ化粧料Mが剥がれ落ちてもジャー容器Cの内部に落下することになるので、ジャー容器Cの外面をマスカラ化粧料Mで汚すことがない。
【0057】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施形態に限定されるべきものではない。
例えば、化粧品部材100及び化粧品部材200が備える装着部10は環状形状に限るものではなく、装着するジャー容器Cの開口部の形状に合わせて、四角形状や三角形状などの多角形状としてもよいし、ジャー容器の開口部にあわせた形状とすればよい。または、装着部10はジャー容器Cの頚部全体に装着されるものではなく、この頚部の一部に装着される形状としてもよい。
【0058】
また、装着部13はジャー容器Cの頚部だけに装着されるものではなく、図示は省略したが、例えば、ジャー容器Cの側面や底面に装着されるような形状としてもよい。その場合でも、掻き取り調整部12及び掻き取り掃除部14は、ジャー容器Cの開口部の内側に突き出るように備えられるようにする。
【符号の説明】
【0059】
10 装着部、10a 内側、12 掻き取り調整部、12a,14a 上面、12b,14b 下面、12c,14c 先端、13 面取部、14 掻き取り掃除部、15 スリット部、100,200 化粧品部材、C ジャー容器、B コームブラシ、B’ 先端、M マスカラ化粧料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも頚部を備える頂面を開口した容器に対して装着が可能である装着部と、
櫛歯状の塗布部を有する化粧料塗布具を擦り付けることが可能な上記装着部と一体となっている掻き取り調整部と、を備え、
上記掻き取り調整部は、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を掻き取ることが可能な面取部を有していることを特徴とする化粧品部材。
【請求項2】
上記掻き取り調整部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り調整部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴とする請求項1に記載の化粧品部材。
【請求項3】
さらに掻き取り掃除部を備え、
上記掻き取り掃除部は、上記装着部と一体となっており、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能な形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することが可能な櫛歯状のスリット部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧品部材。
【請求項4】
上記掻き取り掃除部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り掃除部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、容器開口部の内径方向に突き出している上記掻き取り調整部と所定間隔離れ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と該掻き取り掃除部に非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の化粧品部材。
【請求項5】
上記装着部は、環状形状であり、且つ、頚部を有する容器のその頚部と嵌合することが可能な形状であることを特徴とする請求項1か4いずれかに記載の化粧品部材。
【請求項1】
少なくとも頚部を備える頂面を開口した容器に対して装着が可能である装着部と、
櫛歯状の塗布部を有する化粧料塗布具を擦り付けることが可能な上記装着部と一体となっている掻き取り調整部と、を備え、
上記掻き取り調整部は、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることを可能とする形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を掻き取ることが可能な面取部を有していることを特徴とする化粧品部材。
【請求項2】
上記掻き取り調整部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り調整部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴とする請求項1に記載の化粧品部材。
【請求項3】
さらに掻き取り掃除部を備え、
上記掻き取り掃除部は、上記装着部と一体となっており、化粧料塗布具の塗布部を擦り付けることが可能な形状であり、化粧料塗布具に付着する化粧料を除去することが可能な櫛歯状のスリット部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧品部材。
【請求項4】
上記掻き取り掃除部は、上記装着部が帳面を開口した容器に装着されたとき、該掻き取り掃除部が容器開口部の内径方向に突き出し、且つ、容器開口部の内径方向に突き出している上記掻き取り調整部と所定間隔離れ、化粧料塗布具が該掻き取り調整部と該掻き取り掃除部に非接触となるように容器内部へ挿入及び引き戻し可能な空間が容器開口部の内径に形成される形状となることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の化粧品部材。
【請求項5】
上記装着部は、環状形状であり、且つ、頚部を有する容器のその頚部と嵌合することが可能な形状であることを特徴とする請求項1か4いずれかに記載の化粧品部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−207560(P2010−207560A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91540(P2009−91540)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]