説明

化粧板

【課題】 模様のグラデーション感が良好な化粧板を提供する
【解決手段】 化粧板10は、化粧面をなす基板層2と、化粧面2aに設けた着色塗料層3と、着色塗料層3上に、直接、模様を印刷した模様層4と、着色塗料層3及び模様層4を覆う透明なクリア層5と、を備える。基板層2及び着色塗料層3のうち少なくとも着色塗料層3は、模様層4の印刷に用いるインクの溶剤が浸透する材質で構成されてなり、模様層4は、そのエッジ部分4eににじみが生じて、模様4mの色調が、エッジ部分4eでグラデーション状に変化してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材などからなる基板層の化粧面に、木目模様などの模様を形成した化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧板及びその製造方法として様々な手法が知られている。例えば、特許文献1には、木材等の基板の表面に、下地着色塗料層、透明塗料層、木目模様印刷層を設けた化粧板及びその製造方法が記載されている。そして、その透明塗料層としては、透明なサンディングシーラーを用いることが記載されている(請求項2,3参照)。
この特許文献1の化粧板では、下地着色塗料層の上面に透明塗料層を設けてあるので、下地着色塗料層の剥離を押さえると共に、導管孔などによる木肌模様を浮き出させて立体感を与えることができること、及び、透明塗料層の上面に木目模様印刷層を設けてあるので、透明塗料層を介して下に木肌模様、上に木目模様が存在させることができるので、構成される木目模様全体が極めて立体的となり、自然味のある木目模様が得られる実益を有することが記載されている(特許文献1の効果欄参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−218801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、木目模様の化粧板においては、さらに天然の木材の模様に近い(木材の模様らしい)意匠の化粧板が求められている。
ところで、天然素材の木材では、各部において、例えば、木目における夏目(色の薄い部分)と冬目(色の濃い部分)との境界部分において、その色調が階段状に変化することは通常あり得ず、徐々に移り変わるグラデーションをなしている。
【0005】
しかるに、このような木目模様を印刷で得る場合には、原版における木目模様のエッジに対応する部分で、色調が階段状に変化した状態になりがちである。また、インクジェットによる印刷で、木目模様のエッジ部分のグラデーションを表現する場合には、インクドットの粗密の変化、あるいはインクドットの大きさの変化により、グラデーションを表現することになるが、個々のインクドットの周縁が明確に残ることにならざるを得ない。
特許文献1の化粧板などでは、木目模様印刷層の下層に、透明なサンディングシーラーによる透明塗料層を形成しているため、木目模様に用いるインクの溶剤が下層にしみ込まず、原版を転写したインクの層、あるいはインクジェットにより吹き付けられたインクドットが、ほとんど拡がることなく透明塗料層(サンディングシーラ)上に、木目印刷塗料層として形成されるからであると推察される。
なお、化粧板としては、化粧面を木材(無垢材あるいは突き板)で構成したもののほか、合板等の基材層の表面に紙あるいは樹脂シートを貼り付けたものもある。
また、木目模様に限らず、幾何学模様、抽象模様(抽象柄)を形成する場合にも、模様のエッジ部分の色調を、グラデーションとしたい場合もある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、木目模様などの模様のグラデーション感が良好な化粧板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その解決手段は、化粧面をなす基板層と、上記化粧面に設けた着色塗料層と、上記着色塗料層上に、直接、模様を印刷した模様層と、上記着色塗料層及び上記模様層を覆う透明なクリア層と、を備え、上記基板層及び上記着色塗料層のうち少なくとも上記着色塗料層は、上記模様層の印刷に用いるインクの溶剤が浸透する材質で構成されてなり、上記模様層は、そのエッジ部分ににじみが生じて、上記模様の色調が、上記エッジ部分でグラデーション状に変化してなる化粧板である。
【0008】
本発明の化粧板では、溶剤浸透性を有する着色塗料層上に直接、模様層を印刷形成している。このため、模様層をなす色成分(顔料、染料)は、塗料(インク)に含まれる溶剤(水、有機溶剤)と共に、着色塗料層にあるいは着色塗料層及び基板層に浸透し拡がる(特に、基板層の木目に沿って拡がりやすい。)。そして、印刷した模様(原版を転写した直後のインクの平面形状、あるいはインクジェットなどにより吹き付けた直後のインクドットの平面形状)に対し、本件の化粧板に形成される模様層は、模様のエッジ部分において、インクが自然に拡がってにじみ、その色調が模様層からその周囲の模様層を形成しない部分に向けて、グラデーション状に自然に移り変わる模様を呈する。模様のグラデーション感が良好な化粧板とすることが出来る。
【0009】
なお、化粧板は、化粧面をなす基板層を有するものである。この化粧板の基板層としては、基材層をなす合板の表面に形成され、化粧面(表面)をなす突き板や紙、樹脂シートなどが該当するほか、無垢材そのものも該当する。なお、この場合、基材層と基板層とが兼用される。
また、着色塗料層としては、基板層に存在する導管孔などで構成される凹部を残す目はじき塗装(オープンポア塗装、セミオープンポア塗装)による着色塗料層としても、目止め塗装(クローズドポア塗装)による着色塗料層としても良い。
加えてこの着色塗料層としては、模様層の印刷に用いる塗料(インク)の溶剤の染み込み(吸い込み)を防ぐシーラ効果を有さない塗料を用いて形成するのが好ましく、例えば、着色剤として顔料や染料を用いた、水性エマルジョン塗料、水性ディスパージョン塗料などの水性塗料で形成したものが挙げられる。
【0010】
また、模様層の模様としては、木目模様が挙げられるほか、幾何学模様や、抽象模様(抽象柄)とすることもできる。
さらに、模様層としては、着色剤として顔料や染料を含む、水性エマルジョン塗料や水性ディスパージョン塗料などの水性塗料を塗布して形成したものが挙げられる。
【0011】
なお、着色塗料層、模様層の塗料に用いる着色剤としては、顔料や染料を適宜選択して用いることができる。顔料としては、例えば、酸化チタン・硫化亜鉛・亜鉛華・鉛白・リトポン・カーボンブラック・油煙・紺青・フタロシアニンブルー・群青・カーミンFB・黄鉛・亜鉛黄・ハンザイエロー・オーカー・ベンガラなどが挙げられる。また、染料としては、例えば、不溶性含有金属アゾ染料・均染性染料・耐縮充性染料・酸性媒染染料・金属錯塩酸性染料・m−フェレンジアミン誘導体・直接染料・反応染料・ナフトール染料などが挙げられる。
また、着色塗料層、模様層に用いる塗料には、着色剤のほか、塗布作業性の向上あるいは貯蔵時の安定性・品質維持等のために、消泡剤・分散剤・色別れ防止剤・沈殿防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
着色塗料層、模様層に用いる塗料としては、水性塗料及び油性塗料のいずれも用いることができる。水性塗料としては、樹脂系水性塗料及び分散剤系水性塗料が挙げられる。
これらの水性塗料に用いる溶媒としては、水及び親水性溶媒を用いることができる。親水性溶媒としては、例えば、アルコール類、エチレングリコールやその誘導体、グリセリンやその誘導体、プロピレングリコールやその誘導体等から選択される1種または2種以上の組合せを使用することができる。さらに、樹脂系水性塗料に用いる樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂シリコン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂、あるいはこれらの変性樹脂、こららの2種以上の組合せが挙げられる。また、この樹脂系水性塗料としては、溶解型、エマルジョン型、ディスパージョン型の水性塗料が挙げられる。
一方、油性塗料に用いる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸メチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、さらには各種の脂肪族炭化水素、グリコールエーテル類等から選択される1種または2種以上の組合せが挙げられる。さらに、油性塗料に用いる樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂シリコン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂、あるいはこれらの変性樹脂、こららの2種以上の組合せが挙げられる。
【0012】
さらに、クリア層としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂及びフッ素樹脂、並びにこれらの樹脂の変性樹脂を挙げることができ、また、これらの樹脂を2種以上組み合わせて用いることもできる。さらにこれらの樹脂は、いわゆるラッカータイプとして用いることも、硬化剤と組み合わせて用いることもできる。硬化剤としては、例えばメラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリエポキシ化合物、ブロック化されたポリイソシアネート化合物などを挙げることができる。さらにクリア層として、活性エネルギー線硬化性樹脂を用いても良い。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和基を含有するモノマ、オリゴマ、ポリマ等が挙げられる。上述の活性エネルギー線硬化性樹脂は、通常、光重合開始剤と共に使用される。
【0013】
そこでさらに、上述の化粧板であって、前記着色塗料層は、前記基板層が有する色調の不均一を表面側から視認しうる程度に透明な透明着色塗料層である化粧板とすると良い。
【0014】
この化粧板では、下層である基板層の色調の不均一が、化粧板の表面側から視認できる。このため、木目模様層で形成した模様と相俟って、化粧板にさらに自然な意匠を付与できる。しかも、基板層の色調の不均一による模様は、個々の基板層に固有であることから、同じ意匠の化粧板を形成することが出来ず、従って、同じ化粧板を並べても互いに異なる意匠となり、より自然な外観(意匠)を呈する化粧板とすることが出来る。
【0015】
さらに、上述の化粧板であって、前記着色塗料層は、着色塗料を塗布した後に拭き取ってなるワイピング着色塗料層を含む化粧板とすると良い。
【0016】
この化粧板では、着色塗料層にワイピング着色塗料層を含んでいるので、さらに化粧板におけるグラデーション感及び不均一感が良好となる。基板層(例えば天然の木質突き板)が有する、材質が徐々に変化する移り変わりや急激に変化する不均一が、ワイピング着色によって、より明瞭になるためと考えられる。
【0017】
さらに、上述の化粧板であって、前記着色塗料層は、前記化粧面の色調を補う補色塗料層を含む化粧板とすると良い。
【0018】
この化粧板では、着色塗料層に補色塗料層を含んでいるので、さらに化粧板におけるグラデーション感が良好となる。着色層(模様層の浸透する厚み)が厚くなるので、模様層をなす色成分の拡がりが良好となるためと考えられる。
【0019】
さらに、上述の化粧板であって、前記基板層に捨塗層を形成することなく、前記着色塗料層を形成してなる化粧板とすると良い。
【0020】
この化粧板では、捨塗層を形成することなく、着色塗料層を含んでいるので、さらに化粧板におけるグラデーション感が良好となる。捨塗層には、基板層(例えば、天然の木質突き板)が有する、材質が徐々に変化する移り変わりを、目立たなくする働きがあるため、捨塗層を設けない方が、グラデーション感を向上させうると考えられる。
【0021】
上述のいずれかに記載の化粧板であって、前記基板層は、木材からなり、前記模様層は、前記模様として木目模様を印刷した木目模様層である化粧板とすると良い。
【0022】
この化粧板では、基板層が木材(突き板あるいは無垢材)からなり、模様層として木目模様を印刷した木目模様層を有している。即ち、印刷した木目模様に対し、本件の化粧板に形成される木目模様層は、木目模様のエッジ部分において、インクが自然に拡がってにじみ、その色調が木目模様層からその周囲の木目模様層を形成しない部分に向けて、グラデーション状に自然に移り変わる模様を呈している。このため、特に自然の木目に近い木目模様の外観を有する、木目模様のグラデーション感が良好な化粧板となる。
【0023】
さらにこの化粧板において、着色塗料層として、下地となる基板層の木目などの色の違いによる模様が表面側から視認できない不透明着色塗料層としても良い。逆に、下地となる基板層の木目などの色の違いによる模様が表面側から視認できる透明着色塗料層としても良い。
【0024】
下地となる基板層の木材には、木目のうち夏目と冬目との間に色の違いが生じるだけでなく、その他にも、木材の場所的な色の違い(色の不均一)が生じる場合がある。例えば、カラマツなどの辺材において青変菌による青く変色した部分が生じる場合、チークなどおいてシリカ等の無機物の沈着による斑点状や縞状の白色部分が生じる場合、スギにおいてフェノール性物質による帯状の黒芯が有る場合、ケヤキやスギにおいて、源平材のように心材部分と辺材部分との色調の相違が生じる場合、などが挙げられる。また、明確な変色は存在しなくとも、木材は天然物であるから、夏目部分同士や冬目部分同士で比較しても、相互に色調の相違が有る場合も存在する。
【0025】
従来は、このような色の不均一は、化粧板に用いる基板層の色調の均一性を阻害するものとされていた。このため、このような不均一を生じる木材を基板層に用いるのを避けたり、脱色、着色等の処理を行って、色調の不均一を無くすあるいは見えなくする場合があった。
しかし、この色調の不均一は、個々の木材に固有の模様として、より自然な木目模様の化粧板の意匠を得るのに有用である。
そこで、着色塗料層として、このような、木材の場所的な色の違いを、表面側から視認できる程度に着色した透明着色塗料層を用いるのが好ましい。基板層の有する個々の色の不均一性が化粧板に現れて、より自然な木目模様の意匠として看取できるからである。
【0026】
さらに、上述の化粧板であって、前記基板層は、前記化粧面に、導管孔で構成される凹部を有してなり、前記着色塗料層は、上記凹部を残す目はじき塗装により形成されてなる化粧板とすると良い。
【0027】
この化粧板では、目はじき塗装(オープンポア塗装あるいはセミオープンポア塗装)により、導管孔で構成される凹部を残している。このため、クリア層の厚みが、凹部とそれ以外の部分とで変化して、クリア層の厚みの違いによって生じる模様も生じさせることができ、さらに、化粧板に自然な意匠を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本実施形態にかかる化粧板の拡大した断面構造を示す説明図である。
【図2】(a)は実施例1にかかる化粧板10の、(b)は比較例1にかかる化粧板KBの木目模様の意匠を示す写真である。
【図3】実施例1及び1比較例1にかかる化粧板KBの表面の様子を観察した写真である。
【図4】実施例1にかかり、突き板2上に着色塗料層3を形成した被印刷板に、インクジェット法によりインクを散点状に印刷した場合を示し、(ア)は印刷後(クリア層未形成)の化粧板の拡大写真、(イ)はインク着弾部を示す説明図、(ウ)はインク着弾直後のインクの状態を示す説明図、(エ)はインク着弾から0.1秒経過後のインクの状態を示す説明図、(オ)はインク着弾から0.2秒経過後のインクの状態を示す説明図である。
【図5】比較例1にかかり、突き板上に着色塗料層及び透明塗料層(サンディングシーラ)を形成した被印刷板に、インクジェット法によりインクを散点状に印刷した場合を示し、(ア)は印刷後(クリア層未形成)の化粧板の拡大写真、(イ)はインク着弾部を示す説明図、(ウ)はインク着弾直後のインクの状態を示す説明図、(エ)はインク着弾から0.1秒経過後のインクの状態を示す説明図、(オ)はインク着弾から0.2秒経過後のインクの状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のうち実施例1にかかる化粧板10は、図1及び図2(a)に示すように、合板9の化粧面に木目模様を印刷で加えた化粧合板である。このうち、合板9は、ラワン合板からなる基材層1の表面に、基板層である突き板2を有する。この突き板2の表面である化粧面2a上には、着色塗料層3,木目模様層4,クリア層5を塗装してなる。
【0030】
なお、突き板2は、ブナからなり、その化粧面2aには、導管孔から構成される凹部2bを有する。また、この突き板2は、化粧面2aにおいて、全体の色調が均一でなく、木目(夏目と冬目)による色変化のみならず、一部に、節部(生節、死節)、髄線、バークポケット(樹皮傷跡)、ガムポケット(樹脂痕)などによる変色部分を含んでいる。従って、この合板9は、同じ合板9同士を比較しても、突き板2が有する木目の模様の違いのみならず、上述の変色部分の存否や違いにより、全体として、互いに異なる模様を呈している。
【0031】
この突き板2の化粧面2aを、サンダー掛けにより下地調整した後、色材である顔料及びウレタンディスパージョン/アクリルエマルジョン樹脂を水/親水性溶剤に分散させた着色塗料(ナトコ社製、フローラ)を、スポンジロールコータ及び掻き取りロールを用いて化粧面2aに塗布(ワイピング着色)して、化粧面2aに存在する導管孔から構成される凹部2b内を含めて、透明でかつ着色された着色塗料層3(ワイピング着色塗料層3a)を形成する。これにより、凹部2bの形状が明瞭な木肌に見えるようになる。
なお、着色塗料層3の形成にあたり、これを1層のワイピング着色塗料層3aで形成するのではなく、複数層としても良い。補色のため、異なる色の着色塗料をロールコータ等を用いて塗布する補色塗装による補色塗料層3bをさらに行って、複数層に重ねて塗布しても良い(実施例3,4参照)。また、着色塗料層3を補色塗料層3bのみによって形成しても良い(実施例5,6参照)。
【0032】
なお、着色塗料層3は、突き板2が有する色調の不均一を表面側から視認しうる程度に透明な透明着色塗料層としてある。
このため、本実施例の化粧板10では、下層である突き板2の色調の不均一が、化粧板10の表面側から視認できる。
また着色塗料層3は、前述した顔料を含む着色塗料から構成されているので、次述する木目模様層4を形成するインクの溶剤が浸透する。加えて、突き板2自身にもインクの溶剤が浸透する。
さらに、着色塗料層3(ワイピング着色塗料層3a)は、凹部2bを残す、目はじき塗装(オープンポア塗装)となっている。
【0033】
次いで、木目模様層4を形成する。具体的には、顔料/分散剤を水/親水性溶剤で分散した顔料系インク(ミマキ社製)を、インクジェット法により、着色塗料層3上に所定の模様に印刷して、木目模様4mをなす木目模様層4を形成する。
なお、印刷法としては、インクジェット法のほか、各種の印刷法、例えば、グラビア印刷法などの印刷法を採用することもできる。
【0034】
印刷されたインク中の溶剤は、はじかれることなく、着色塗料層3さらには突き板2にも浸透し移動する。これに伴って、このインクに含まれていた顔料/分散剤も、移動、浸透する。このため、印刷した模様、つまり、インクジェット法により吹き付けた直後のインクドットの平面形状(あるいは、原版から転写した直後のインクの平面形状)に対し、形成される木目模様層4は、模様のエッジ部分において、インクが自然に拡がってにじみ、その色調が木目模様層4からその周囲の木目模様層4を形成しない部分に向けて、グラデーション状に自然に移り変わる模様を呈することになる。
【0035】
さらに、クリア層5を形成する。具体的には、木目模様層3を形成した後、シリカ粉末及びアクリル樹脂からなるUVクリア塗料をロールコータ等で塗布し、紫外線で硬化させて、クリア層5を形成する。
なお、複数回のクリア塗料の塗布及び硬化を行って、クリア層5を得ても良い。
【0036】
かくして、この化粧板10では、印刷した木目模様の形状に比して、エッジ部分4eににじみが生じて、木目模様4mの色調が、エッジ部分4eでグラデーション状に変化したものとなる。これにより、より自然の木目に近い木目模様の外観を有する化粧板10とすることが出来る。
【0037】
しかも、前述したように、化粧板10では、下層である突き板2の色調の不均一を、化粧板10の表面側から視認できる。このため、木目模様層4で形成した木目模様と相俟って、化粧板10にさらに自然な模様を付与したものとなる。しかも、突き板2の色調の不均一による模様は、個々の突き板2に固有であることから、同じ模様の化粧板10を形成することが出来ないことになる。従って、同じ化粧板10を並べても互いに異なる模様となり、より自然な外観(意匠)を呈する化粧板10とすることが出来る。
【0038】
さらに、前述のように、突き板2は、化粧面2aに、導管孔で構成される凹部2bを有している。これに対し、着色塗料層3を、凹部2bを残す目はじき塗装(オープンポア塗装あるいはセミオープンポア塗装。本例では、オープンポア塗装。)により形成している。
このため、クリア層5の厚みが、凹部2bとそれ以外の部分とで変化して、クリア層5の厚みの違いによって生じる模様も生じさせることができ、さらに、化粧板10に自然な意匠を付与することができている。
なお、着色塗料を塗布して着色塗料層3を形成するに先立って、突き板2の化粧面2aにUV樹脂からなる透明塗料(シーラ)を塗布浸透させる、いわゆる捨て塗りを行って、図1に破線で示すように化粧面2a内に捨塗層7を形成しておいても良い(次述する実施例2,4,6参照)。但し、この場合には、着色塗料層3には、同様に木目模様層4を形成するインクの溶剤が浸透するが、突き板2内にインクの溶剤が浸透し難くなる。
【0039】
同様に、他の実施例2〜6にかかる化粧板20,30,40,50,60(図1参照)も製作した。
このうち、実施例2の化粧板20は、実施例1の化粧板10の製造において、ワイピング着色塗料層3a(着色塗料層3)の形成に先立って、捨塗層7(図1において破線で示す)を加えたものである。
また、実施例3の化粧板30は、実施例1の化粧板10の製造において、ワイピング着色の後に補色塗装を行って、ワイピング着色塗料層3a及び補色塗料層3bの2層からなる着色塗料層3を形成したものである。なお、補色着色層3bは、ワイピング着色塗料と同じく、ウレタンディスパージョン/アクリルエマルジョン樹脂を水/親水性溶剤に分散させた着色塗料(ナトコ社製、フローラ)を、ナチュラルロールコータで塗布し乾燥して形成した。
さらに、実施例4の化粧板40は、実施例3の化粧板30の製造において、ワイピング着色塗料層3a(着色塗料層3)の形成に先立って、捨塗層7を形成したものである。
実施例5の化粧板50は、実施例1の化粧板10の製造において、ワイピング着色着色層3aの形成に代えて、補色塗装を行って、補色塗料層3bのみからなる着色塗料層3を形成したものである。
さらに、実施例6の化粧板60は、実施例5の化粧板50の製造において、補色塗料層3b(着色塗料層3)の形成に先立って、捨塗層7を形成したものである。
【0040】
加えて、比較例1〜3にかかる化粧板も製作した。
このうち、比較例1の化粧板KBは、実施例1の化粧板10の製造において、ワイピング着色塗料層3a(着色塗料層3)の形成の後で、木目模様層4の形成に先立って、サンディングシーラによる透明塗料層(図示しない)を形成し、着色塗料層3への木目印刷の際のインクのにじみを抑制したものである(図2(b)参照)。即ち、比較例1の化粧板は、実施例1の化粧板10に比べ、着色塗料層3と木目模様層4との間に、サンディングシーラによる透明塗料層を有する点でのみ異なる。なお、サンディングシーラは、クリア層と同等のUV樹脂からなる透明塗料をナチュラルロールコータで塗布し、紫外線で硬化させて形成した。
【0041】
また、比較例2の化粧板は、実施例6の化粧板60に比し、木目模様層4の形成に先立って、サンディングシーラによる透明塗料層を形成した点でのみ異なる。同様に、比較例3の化粧板は、実施例5の化粧板50に比べ、同じくサンディングシーラによる透明塗料層を形成した点でのみ異なる。
【0042】
上述した実施例1〜6の化粧板10〜60、及び比較例1〜3の化粧板について、その構成を、表1に纏めて記載する。
【0043】
【表1】

【0044】
次いで、実施例1〜6にかかる化粧板10,20,30,40,50,60、及び、比較例1〜3にかかる化粧板KB等について、木目模様4m(木目模様層4)におけるグラデーション感の良否について検討した。
図2に示す実施例1の化粧板10の、及び比較例1の化粧板KBの木目模様4mについて、図3に、その一部を拡大して示す。なお、(b)欄は(a)欄の写真の4倍、(c)欄は(a)欄の写真の18倍の倍率で撮影したものである。
また、図4,図5は、それぞれ、突き板2上に着色塗料層3を形成した被印刷板に、インクジェット法によりインクを散点状に印刷した場合に、インクがにじむ様子を示す説明図である。このうち、(ア)は印刷後(クリア層未形成)の化粧板の拡大写真(図3の(c)欄の写真)である。(イ)は(ア)の写真において、インク着弾部を示す説明図である。また、(ウ)はインク着弾直後のインクの状態を示す説明図、(エ)はインク着弾から0.1秒経過後のインクの状態を示す説明図、(オ)はインク着弾から0.2秒経過後のインクの状態を示す説明図である。
【0045】
これら図3,図5の各写真及び図を見れば容易に理解できるように、比較例1の化粧板KBでは、インクジェット法によって吹き付けられたインクドットが、着弾後ほとんど拡がらず、従ってにじむことなく、木目模様層4となることが判る。
前述したように、比較例1の化粧板KBでは、着色塗料層3の形成後、木目模様層4の形成に先立って、サンディングシーラによる透明塗料層を形成している。このため、木目模様層4となるインクの溶剤は、着弾後、着色塗料層3には浸透せず、従って、インクに含まれていた顔料/分散剤も、移動、浸透しない。かくして、インク着弾直後の形状をほぼ保ったまま、乾燥されて木目模様層4となるためであると解される。
このように、比較例1の化粧板KBでは、印刷で形成した木目模様層4の木目模様のエッジ部分が明確に残っており、木目模様4mにおけるグラデーション感は不良(表1において、×と表現)であった。
【0046】
一方、図3,図4の各写真及び図を見れば容易に理解できるように、実施例1の化粧板10では、比較例1とは異なり、インクジェット法によって吹き付けられたインクドットが、着弾直後から短時間で拡がり、従ってにじみを生じて、木目模様層4となることが判る。
この実施例1の化粧板10では、着色塗料層3の形成後、直接、木目模様層4を形成しており、比較例1と異なりサンディングシーラによる透明塗料層は形成していない。また、着色塗料層3も、インクの溶剤が浸透する材質(本例では、ウレタンディスパージョン/アクリルエマルジョン樹脂)で形成している。さらに、捨塗も行っておらず、突き板2にもインクの溶剤や色材等が容易に浸透する。このため、木目模様層4となるインクの溶剤は、着弾後、速やかに着色塗料層3に浸透し、これに伴って、インクに含まれていた顔料/分散剤も、移動、浸透する。かくして、にじみの生じた木目模様層4となる。
このように、実施例1の化粧板10では、印刷で形成した木目模様層4の木目模様のうち、エッジ部分がにじんで明確でなく、その色調が木目模様層4からその周囲の木目模様層4を形成しない部分に向けて、グラデーション状に自然に移り変わる模様を呈している。かくして、木目模様4mのグラデーション感は、特に良好(表1において、◎と表現)となった。
【0047】
同様に、実施例2〜6の化粧板20〜60についても、木目模様のグラデーション感を検査した。
なお、グラデーション感について、特に良好なものを◎とし、良好なものを○、不良なものを×とする3段階の評価を行った。
【0048】
各実施例1〜6及び比較例1〜3の結果を、表1に示す。これらの結果から、実施例1〜6の化粧板10〜60では、いずれも◎あるいは○となり、良好な木目模様のグラデーション感が得られることが判る。一方、前述したように、比較例1〜3の化粧板KB等では、木目模様4mにおけるグラデーション感は、いずれも不良となった。
【0049】
次いで、実施例1〜6にかかる化粧板10〜60、及び、比較例1〜3にかかる化粧板KB等について、化粧板10の模様の不均一感の良否について検討した。
前述したように、実施例1等及び比較例で用いた着色塗料層3は、いずれも、突き板2が有する色調の不均一を表面側から視認しうる程度に透明な透明着色塗料層としてある。
この化粧板10等では、下層である突き板2の色調の不均一が、化粧板10等の表面側から視認できる。このため、木目模様層4で形成した模様と相俟って、化粧板10等にさらに自然な意匠を付与できる。しかも、突き板2の色調の不均一による模様は、個々の突き板2に固有である、このことから、同じ意匠の化粧板を形成することが出来ず、従って、同じ化粧板を並べても互いに異なる模様となり、より自然な外観(意匠)を呈する化粧板10とすることが出来る。
さらに、このように、変色のある突き板2を利用できることから、従来、突き板2に使用するのを避けていた、変色のある(変色のあり得る)低位の木材を、逆に、不均一感を高めうる突き板として利用しうる。また、従来、変色した部分について、必要であった突き板についての脱色等の処理が、不要あるいは軽度化(簡単化)できる利点もある。
なお、この不均一感についても、特に良好なものを◎とし、良好なものを○、不良なものを×とする3段階の評価を行った。この結果についても、表1に示す。
【0050】
この評価結果によると、この不均一感について、実施例1〜6はいずれも、◎または○の評価であったのに対し、比較例1こそ○の評価であったが、比較例2,3はいずれも×の評価であった。
比較例2,3の評価が低い(×となった)理由は、木目模様層4の形成に先立って、この木目模様層をなす色成分が染み込みにくくなる透明塗料層(サンディングシーラ)を形成したために、グラデーション感、不均一感が共に低下したと考えられる。この点は、比較例2,3とは、透明塗料を備えない点でのみ異なる実施例5,6で、グラデーション感、不均一感が○となったことからも裏付けられる。一方、比較例1においては、透明塗料層(サンディングシーラ)を形成してはいるが、捨塗層を形成しない一方、ワイピング着色塗料層3aを形成しているので、不均一感において○の評価になったと考えられる。
【0051】
次いで、ワイピング着色塗料層3aの形成と、グラデーション感、不均一感への影響について、検討する。具体的には、ワイピング着色塗料層3aの有無のみが異なる実施例3,5,4,6の結果について、評価結果を、表2として再掲する。
【0052】
【表2】

【0053】
この表2の結果によれば、実施例3と5、実施例4と6を比較すると、着色塗料層3をワイピング着色塗料層3aを含むものとした実施例3,4の方が、グラデーション感及び不均一感において、より良好な結果が得られることがわかる。
天然の木質材である突き板2(基板層)が有している、材質が徐々に組成変化する移り変わり(グラデーション感)や急激な変化による不均一(不均一感)を、ワイピング着色塗料層3aの形成(実施例3,4)により明瞭にできるためであると考えられる。
なお、実施例2でもワイピング着色塗料層3aを設けているが、捨塗層7を設けた分、グラデーション感が低下したものと考えられる。また、比較例1でもワイピング着色塗料層3aを設けたが、実施例1に比べれば判るように、透明塗料層(サンディングシーラ)を設けたために、グラデーション感が低下したため、評価が低下している。
【0054】
さらに、補色塗料層3bを含む着色塗料層3の形成と、グラデーション感、不均一感への影響について、検討する。具体的には、補色塗料層3bの有無のみが異なる実施例1,3,2,4の結果について、評価結果を、表3として再掲する。
【0055】
【表3】

【0056】
この表3の結果によれば、実施例1,3の対比では差異がないが、実施例2,4の対比において、グラデーション感に差異が生じている。このことから、着色塗料層3を補色塗料層3bを含むものとすると、グラデーション感において、良好な効果を与えることがわかる。但し、同様な着色塗料層3でも、ワイピング着色塗料層3aによる効果に比べると、その効果の程度が低いと考えられる。というのも、捨塗層7を設けない実施例1,3では、補色塗料層3bの存否は、グラデーション感の評価に影響を与えていない。しかし、捨塗層7を設けた実施例2,4においては、補色塗料層3bを設けた実施例4の方が、グラデーション感が良好となったからである。
【0057】
次いで、捨塗りによる捨塗層7の形成と、グラデーション感、不均一感への影響について、検討する。具体的には、捨塗層7の有無のみが異なる実施例1〜6の結果について、評価結果を、表4として再掲する。
【0058】
【表4】

【0059】
この表4の結果によれば、実施例3,4及び実施例5,6の対比では差異がないが、実施例1,2の対比では、捨塗層7を形成した場合、グラデーション感が低下する差異が生じている。このことから、最初に化粧面2aに捨塗層7を形成しておくことは、良好なグラデーションを得るには、むしろ好ましくないことがわかる。
捨塗層7を設けると、着色塗料層の色材が染み込みにくくなり、天然の木質材である突き板2(基板層)が有している、材質が徐々に組成変化する移り変わりを、ワイピング着色塗料層3aの形成で、明瞭にし難くなるためであると考えられる。但し、捨塗層7の有無は、ワイピング着色塗料層3aによる効果に比べると、その効果の程度が低いと考えられる。というのも、補色塗料層3bを設けた実施例3,4,5,6は、捨塗層7の有無が、グラデーション感の評価に影響を与えていないからである。
【0060】
以上において、本発明を実施形態(実施例1〜6)に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、各実施例1〜6においては、着色塗料層3(ワイピング着色塗料層3a)として、顔料のほか、ウレタンディスパージョン/アクリルエマルジョン樹脂を水/親水性溶剤に分散させた着色塗料を用いた例を示した。しかし、その他の水性塗料、油性塗料からなる着色塗料を用いて形成した着色塗料層3でも良い。
また、木目模様層4の印刷において、顔料/分散剤を水/親水性溶剤で分散させた顔料系インクを用いた例を示した。しかし、その他、顔料に限らず、染料を用いても良いし、樹脂を含んだインクを用いて形成した木目模様層4を形成することもできる。
また、前述のように、着色塗料層3(ワイピング着色塗料層3a)を、突き板2の凹部2bを残す目はじき塗装により形成した例を示したが、目止め塗装(クローズドポア塗装)としても良い。
【符号の説明】
【0061】
10,20,30,40,50,60,KB 化粧板
9 合板
1 基材層
2 突き板(基板層)
2a 化粧面
2b 凹部(導管孔で構成される凹部)
3 着色塗料層(透明着色塗料層)
3a ワイピング着色塗料層(着色塗料層)
3b 補色塗料層(着色塗料層)
4 木目模様層(模様層)
4m 木目模様(模様)
4e (木目模様の)エッジ部分
5 クリア層
7 捨塗層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧面をなす基板層と、
上記化粧面に設けた着色塗料層と、
上記着色塗料層上に、直接、模様を印刷した模様層と、
上記着色塗料層及び上記模様層を覆う透明なクリア層と、を備え、
上記基板層及び上記着色塗料層のうち少なくとも上記着色塗料層は、上記模様層の印刷に用いるインクの溶剤が浸透する材質で構成されてなり、
上記模様層は、そのエッジ部分ににじみが生じて、上記模様の色調が、上記エッジ部分でグラデーション状に変化してなる
化粧板。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧板であって、
前記着色塗料層は、
前記基板層が有する色調の不均一を表面側から視認しうる程度に透明な透明着色塗料層である
化粧板。
【請求項3】
請求項1または請求項2化粧板であって、
前記着色塗料層は、
着色塗料を塗布した後に拭き取ってなるワイピング着色塗料層を含む
化粧板。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の化粧板であって、
前記着色塗料層は、
前記化粧面の色調を補う補色塗料層を含む
化粧板。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の化粧板であって、
前記基板層に捨塗層を形成することなく、前記着色塗料層を形成してなる
化粧板。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の化粧板であって、
前記基板層は、木材からなり、
前記模様層は、前記模様として木目模様を印刷した木目模様層である
化粧板。
【請求項7】
請求項6に記載の化粧板であって、
前記基板層は、前記化粧面に、導管孔で構成される凹部を有してなり、
前記着色塗料層は、上記凹部を残す目はじき塗装により形成されてなる
化粧板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−943(P2013−943A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132655(P2011−132655)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(392007566)ナトコ株式会社 (42)
【Fターム(参考)】