化粧評価プログラム、化粧評価方法および化粧評価装置
【課題】ユーザが自分自身の化粧結果を客観的に評価する。
【解決手段】撮像部11は、ユーザの操作に応じて、ユーザの顔の画像データを取得する。顔要素抽出部13は、この画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する。評価部15は、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する。この評価結果は出力部17から出力される。好ましくは、顔の画像を表示する際には顔の画像を左右反転する。
【解決手段】撮像部11は、ユーザの操作に応じて、ユーザの顔の画像データを取得する。顔要素抽出部13は、この画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する。評価部15は、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する。この評価結果は出力部17から出力される。好ましくは、顔の画像を表示する際には顔の画像を左右反転する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが自分自身の化粧結果を客観的に評価することができる化粧評価プログラム、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
専門家によりなされた化粧(メークアップ)は、化粧を受けた人の見た目を向上させ、社会における尊厳を増加させる。その結果、その人は自信を取り戻すことができる。
【0003】
しかし、自分自身がした化粧をチェックすることは、観察者と被観察者が同一人であることから、必ずしも容易ではない。このような場合、最も容易な方法は、自分がした化粧の評価に関して助言すなわち第三者の意見を求めることである。この方法には、次のような幾つかの問題がある。
【0004】
1.第三者の意見は首尾一貫したものであることが期待されるが、複数の評価者が関与する場合、その意見には主観的な評価基準が大きく影響し、現れがちとなる。
2.化粧をチェックして貰うための第三者がいつも見つかるとは限らない。
3.第三者の意見を受けることは、各自のある種のプライベートな事実を明らかにすることになるので、好ましくない場合もある。
【0005】
特許文献1には、判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、その者の顔の美形度や老化度を判定する方法および装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−334427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の従来技術は、その利用方法の一つとして「化粧の仕方について助言」することが挙げられている。
【0007】
しかし、これは化粧の前後の顔を撮像してこの処理を施した結果の出力画像を見比べることが開示されているのみで、特定の顔要素について化粧の評価やその仕方についての助言に関してはそれ以上の具体的な記述は見られない。
【0008】
本願発明は、このような背景において、ユーザが自分自身の化粧結果を客観的に評価することができる化粧評価プログラム、方法および装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による化粧評価プログラムおよび方法におけるステップは、取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出するステップと、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、評価結果を出力するステップとを含む。
【0010】
実際に撮影した顔の画像データに基づいて、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価することにより、客観的な評価結果が得られる。
【0011】
好ましくは、前記評価結果を出力するステップは、前記画像データの顔の画像を表示するステップと、表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力するステップとを含む。
【0012】
前記表示するステップは、好ましくは、顔の画像を左右反転するステップを含む。
【0013】
また、本発明による化粧評価装置は、取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する撮影手段と、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価手段と、評価結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の構成および作用効果については以下に詳細に説明する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の化粧評価装置によれば、ユーザは、自分がした化粧について第三者を依存することなく、客観的に評価した結果を得ることができる。また、その結果に基づいて、自分の化粧のくせを認識したり、化粧の仕方についての支援情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の化粧評価方法を実現するための化粧評価装置200の概略機能を表したブロック図である。
【0018】
化粧評価装置200は、顔の画像データを取得する撮像部11と、取得された画像データに基づいてその画像上で顔の各要素(パーツ)を抽出する顔要素抽出部13と、抽出された顔要素について、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価部15と、評価結果をユーザに知らしめるように出力する出力部17と、これらの各部をユーザが操作するための操作部19とを備える。本明細書において、「対となる要素」は典型的には眉毛や目のように1対の顔要素であるが、唇や鼻のような単一の顔要素の左半分と右半分についても含むものとする。
【0019】
撮像部11としては典型的にはデジタル画像データを得ることができるデジタルカメラを利用することができる。ある程度以上の解像度があれば携帯電話端末に付属したカメラでも足りる。出力部17の一例は、表示画面上に顔画像やテキスト情報を表示することができるLCD、有機EL、CRT等の表示装置である。その他、出力部17はスピーカなどの音声出力装置や振動装置等の他の出力装置を含んでもよい。操作部19は、ユーザが装置に対して指示やデータ等を入力するための、テンキー、キーボード、ポインティングデバイスなどを含む操作デバイスにより構成される。
【0020】
図2(a)(b)は、それぞれ、化粧評価装置200として利用可能な既存の装置例としての携帯電話端末200a、および、パーソナルコンピュータ(PC)200bを示している。いずれも、出力部17としての表示部204、操作部19としてのキー入力部205、および撮像部11としてのカメラ部213を備えている。このような既存のコンピュータ装置に本発明の化粧評価プログラムをインストールすることにより化粧評価装置が構成される。勿論、既存のコンピュータ装置を利用する代わりに、専用の化粧評価装置を構成してもよい。
【0021】
図3は、本実施の形態における化粧評価装置の内部の概略ハードウェア構成を示したブロック図である。
【0022】
化粧評価装置200は、バス215で相互に接続された、制御部201、通信部203、表示部204、キー入力部205、記憶部206、音声処理部210、この音声処理部210に接続されたスピーカ211、マイク212、およびカメラ部213を備えている。
【0023】
制御部201は、CPU等を含み、化粧評価装置200の各部を制御する。本実施の形態では、この制御部201が後述する各種の画像処理を行う画像処理部としても機能する。勿論、制御部201と独立した画像処理部を備えてもよい。
【0024】
通信部203は、本実施の形態において必須の構成要素ではないが、この化粧評価装置200が携帯電話端末で構成される場合、RF部、変調回路等を含み、アンテナ202を介して基地局との間で、通話およびメールやWEBデータ等のための無線通信を行う。その他、無線LANやBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信部であってもよい。本実施の形態では、顔の画像データはこの化粧評価装置200に備えられたカメラ部213から取得することを想定しているが、通信部203を介して外部から得られた画像データに対して化粧評価を行うことも可能である。
【0025】
表示部204およびキー入力部205は、それぞれ、図1の出力部17および操作部19に相当し、その構成および機能は上述したとおりである。
【0026】
記憶部206は、ROM,RAM,HDD等の記憶装置を含み、CPUが実行するOSや各種アプリケーション等のプログラムやデータを記憶する。ROMには、フラッシュメモリのような再書き込み可能な不揮発性メモリを含みうる。
【0027】
音声処理部210は、音声のエンコーダ、デコーダ、DA変換器、AD変換器等を含み、スピーカ211(イヤホン含む)に対する音声出力およびマイクからの音声入力を行う。
【0028】
カメラ部213は、図1の撮像部11に相当し、CMOS、CCD等の撮像素子を有し、撮像した被写体のデジタル画像データを得ることができる。
【0029】
以下、この化粧評価装置200の動作を説明する。
【0030】
化粧評価装置200は、典型的には、ユーザが自分自身の顔をカメラ部213で撮像することにより、自分自身がした化粧について、その結果を客観的に評価することができる。そのために、例えば、対となる顔要素同士の対称性や類似度を定量的に解析し、スコア(評価値)を算出し、ユーザに知らしめる。あるいは、非対称性や非類似度を、顔画像を表示した表示画面上に顔画像と併せて表示することができる。また、評価結果をテキストで表示することもできる。さらに、ユーザに対してその評価結果に応じて化粧に関する所定の助言等の支援情報を与えることもできる。
【0031】
この化粧評価装置は、化粧をしていない顔に対して適用されることにより化粧の方向性を提案することも可能である。
【0032】
非対称性については各種顔要素の輪郭を抽出して対比することにより検査することができる。非類似度については要素の全体の領域を複数のサブ領域に分割して、各サブ領域内の画像データ(画素データ)の色特性等(色の彩度、明度、色変化、色分布、色成分のヒストグラム等)を分析し、対比することにより検査することができる。
【0033】
図4は、撮像により得られた顔の画像に基づいて、各種の顔要素を抽出した後の当該要素の輪郭を模式的に表示したものである。このような要素画像はその元となる実際の顔画像に重ね合わせて示してもよいし、顔画像とは独立に表示してもよい。あるいは、重ね合わせるか独立に表示するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0034】
図4の例では、ここでの顔要素として、眉(眉毛)T、目E、鼻N、口(唇)L、さらには額H、頬Zを示している。眉毛や目のような左右1対の顔要素の左右の区別、あるいは、鼻や唇などの一つの要素の左右半分の区別のため、添字のlとrを付加している。額や頬の領域は他の顔要素が確定された後の残りの所定領域として定めることができる。
【0035】
なお、図4の要素画像およびその元となる顔画像は、撮像に得られた画像を左右反転したものである。通常、ユーザが化粧をする際には鏡を見ながら行う。周知のように鏡の映像は左右が反転するのに対し、カメラ撮影で得られ表示部に表示される画像は左右反転しない。したがって、図5(a)に示すように、鏡45に映った自身の顔と、自身の顔を撮影して得られた表示部204上の表示画像とは左右の関係が一致しない。(表示部204に現れているように、現実世界では右頬にほくろがあるユーザが映った鏡45の中のユーザについては左頬にほくろがある。)表示画面に表示された自身の顔に対して化粧の評価結果が重ねて表示されるような場合、表示画像と鏡45の中の映像との左右の関係が逆であるため、表示画像を参考にする際に混乱しかねない。また、化粧の際には自身の顔と向き合った表示画像とは、鏡の場合のように、同じ要素が左右の同じ側に存在することが望ましい。
【0036】
そこで、図5(b)に示すように、表示部204に表示される自身の顔画像は左右反転したものとする。これにより、鏡45の中の自身の顔と左右が一致する。例えば、図4において、添字lが付加された要素(または要素部分)は実際のユーザの左側要素の鏡像である。同様に、添字rが付加された要素(または要素部分)は実際のユーザの右側要素の鏡像である。
【0037】
なお、表示部204において反転されるのは撮影画像であり、重ねて表示されるテキスト情報などのイメージは反転されない。
【0038】
図6に、本実施の形態における化粧評価装置200の化粧評価処理の動作手順を示す。この処理は制御部201(図3)が、記憶部206に格納された化粧評価プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0039】
制御部は、まず、カメラ部でユーザの顔の撮影画像を取得する(S11)。この撮影行為はユーザの操作に従って行われる。
【0040】
撮影画像が取得されたら、制御部は、その画像を左右反転し、輪郭判定処理を行い、図4に示したように、抽出対象となる顔要素を抽出し、その輪郭を抽出する(S12)。輪郭の判定処理を的確に行うために、顔要素に応じて検出対象とする色を予め限定するようにしてもよい。例えば、眉毛は黒、唇は赤系統、というように、検出対象の色を決めておくようにすることができる。また、唇などでは使用する化粧材(口紅)の色に合わせて、検出対象の色をユーザが選択肢の中から指定可能とすることもできる。撮影画像の左右反転は、表示前であれば、この段階ではなく、より遅い段階であってもよい。(但し、左右反転前の画像から顔要素を抽出した場合には、顔画像の左右反転時に顔画像とともにその抽出画像も左右反転する。)ついで、予め定められた3ポイントA,B,Cを検出する(S13)。本実施の形態において、ポイントA,Bは両目の内側の端部であり、ポイントCは上唇の中央上端部である。
【0041】
これらの3ポイントA,B,Cの位置関係に基づいて、顔画像が傾いているか否かをチェックする(S14)。顔画像が傾いていれば、傾き補正処理を実行する(S15)。具体的には、顔画像上でポイントA,B,Cを検出し、線分ABがX軸(水平線)に一致するように画像を回転する。なお、その前提として、線分ABに対してポイントCが下側にあることを確認する。
【0042】
顔画像の傾きが補正された後、各種の顔要素について、非対称性および/または非類似領域を見つけ出すための対称性・類似性判定処理を適用する(S16)。そのために、まず、後続の対称性チェックのために顔の中心軸を検出する。この結果得られたデータに基づいて、その非対称性および/または非類似領域をユーザに知らしめる所定の出力処理を行う(S17)。
【0043】
非対称性および/または非類似領域をユーザに知らしめることにより、化粧の方向またはその修正の方向が暗黙的に示されるが、さらにユーザに対して積極的にそのような方向を提案するようにしてもよい。
【0044】
図7は、表示画面上に撮影された顔画像とともに、評価結果をテキストで表示した例を示している。この表示された顔画像72は上述したように左右反転されたものである。画面の一部(図では下側領域)に、化粧に関する助言をテキストで表示するテキスト表示領域71を設けている。各顔要素の抽出結果を顔画像に重ねて表示する場合には、後述するように、非対称性や非類似性が検出された顔要素の該当箇所を識別して表示するようにしてもよい。
【0045】
ステップS16における顔要素毎の評価は、次のような処理を用いて、領域間の差違や対称性を検出することにより行える。
【0046】
<領域折り返し対称性判定処理>
まず、領域折り返し対称性判定処理と名付けた処理について説明する。この処理は、対称性が問題となる顔要素について適用することができる。ここでも眉毛を例として説明するが、眉毛に限るものではない。また、単一の顔要素の1対の半分同士の間に適用してもよい。
【0047】
図8(a)は、左右の眉毛の撮影画像を模式的に示したものである。眉毛の類似性/対称性を確認するには、二つの眉毛領域(輪郭)の間の差分を検出し、画像上でどの部分が異なっている(非対称である)かを検出し、この結果をユーザに対して示す。
【0048】
そのために、図8(b)に示すように、顔画像上で、顔の垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねる。両顔要素が完全に左右対称であれば、両顔要素は完全に重なり合って一致する。
【0049】
完全な左右対称でなければ、図8(c)に示すように、両者が重なり合った共通部分とそこからはみ出したはみ出し部分が生じる。はみ出した部分は、その側の顔要素が他方の顔要素に照らして足りない不足分81と、他方のの顔要素から超過した超過分82とがある。
【0050】
図8の例では、左眉毛Tlの領域が右眉毛Trの領域に完全に包含される場合を示したが、実際には、一方が他方を完全に包含するのではなく、それぞれが他方からはみ出す部分を有する場合もある。図9はそのような場合の折り返しの説明図である。
【0051】
図9の例では、TlはTrに照らして不足分81と超過分83を有する。TrはTlに照らして超過分82と不足分84とを有する。図から分かるように一方の超過分は他方の不足分に対応する。ユーザは、例えば、不足分を化粧で補うか、または、可能な場合には超過分を除去することにより、当該顔要素が完全な左右対称となる。なお、はみ出し部分の実際の表示の態様は、不足分と超過分を区別して表示することが好ましい。
【0052】
化粧評価装置は、図10のような表示を行うことにより、ユーザに対して化粧の方向性を助言することができる。図10は図8に示した眉毛の評価結果に対応するものであり、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示したものである。すなわち、評価結果として不足分81および超過分82を画像として顔画像72に重ねて表示している。また、テキスト表示領域に、「左右のまゆが非対称です」等のテキストメッセージを表示出力している。図8では、顔全体の評価結果を出力する例を示したが、図10のように、所定の動作モードにおけるユーザの指示に応じて、一部の顔要素についてのみの評価結果を出力することもできる。そのためのユーザの指示は、例えばカーソル83で目的の顔要素を指示することにより行える。(各顔要素の位置(座標)はこの時点では既知である。)
【0053】
<位置的輪郭対称性判定処理>
次に、位置的輪郭対称性判定処理と名付けた処理について説明する。
【0054】
この処理は1対の顔要素についてそれらの輪郭に基づいて対称性を求めるものである。ここでも眉毛を例として説明するが、眉毛に限るものではない。また、1対の顔要素ではなく、1つの顔要素の1対の半分同士の間に適用してもよい。
(1)一つの顔要素の輪郭上のすべての画素の座標点の中から、複数の座標点を特徴点を取り出す。図11の眉毛の例では4つの特徴点T1,T2,T3,T4を抽出している。特徴点の条件は、X座標が最大の点、X座標が最小の点、およびY座標が最大の点およびY座標が最小の点の4点である。これらの点のいずれかは一致する場合もありうる。したがって、特徴点の個数は4個とは限らない。
【0055】
他方の顔要素についても同様に複数の特徴点T1,T2,T3,T4を求める。
(2)各顔要素について、その複数の特徴点T1,T2,T3,T4に基づいて、その中点(または重心点)Mを求める。このM点は、M点から他の各特徴点までのそれぞれの距離の和が最小となるような点として求めることができる。両顔要素の中点をMl,Mrとする。
(3)中点Ml,Mrの各々から垂直中心線までの距離をそれぞれQml,Qmrとして、対称性評価値Symmetry_Scoreを次式で求める。
Symmetry_Score=Abs(Qml-Qmr)/Max(Qml,Qmr)
ここに、Abs(Qml-Qmr)は距離Qmlと距離Qmrの差の絶対値であり、Max(Qml,Qmr)は距離Qmlと距離Qmrの大きい方を表す。この対称性評価値は0と1の間の数値である。距離Qmlと距離Qmrとが等しいとき、対称性評価値Symmetry_Scoreが0となり、完全な対称と判断される。この値は大きいほど対称性が低いことになる。
【0056】
<類似性判定処理>
次に、顔要素の類似性判定処理の一例を説明する。ここでは、カラーヒストグラムを利用した類似性判定処理を例として挙げる。カラーヒストグラムとは、各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分(例えばR,G,B)に色分解したときの各色成分の量の分布状態に相当する。通常、柱状グラフとして表すことができる。カラーヒストグラムによる類似性判定処理は、1対の顔要素(または顔要素部分)の領域について、両領域の色の分布に基づいて、両領域の類似度を求める。例えば、頬(ほお)領域の全体に亘ってファウンデーションが均一に塗られているかどうかを確かめるために、図12に示すように、カラーヒストグラムの類似性をチェックする。具体的には、領域を複数のサブ領域に分割し、非類似のサブ領域を検出して、画像上で類似度が所定値より小さい(換言すれば非類似度が所定値より大きい)サブ領域をユーザに示す。また、色(や濃度)の変化率を計算して、急峻な変化を検出することも可能である。具体的な処理手順は次のとおりである。
(1)検査対象となる1対の領域の各々を複数のサブ領域に分割する。
(2)各サブ領域についてカラーヒストグラムを求める。
(3)各サブ領域について、コサイン類似度によりカラーヒストグラムの類似性を求める。コサイン類似度とは、周知のように、ベクトル同士の類似度を測定するための指標である。二つのベクトルが作る角のコサイン値で表される。このコサイン値は、0と1の間の数値であり、二つのベクトルが完全に一致する(類似度が最高)時に最大値1となり、両ベクトルが直交する(類似度が最低)時に最小値0となる。ベクトルの長さは類似度には影響しない。1つの領域のカラーヒストグラムはV(R,G,B)というベクトルで表される。
(4)左顔要素の複数のサブ領域のコサイン類似度により構成されるベクトルVzlと、右顔要素の複数のサブ領域のコサイン類似度により構成されるベクトルVzrとのコサイン類似度cos(Vzl,Vzr)を求める。
【0057】
カラーヒストグラムの利用の仕方としては、各サブ領域のヒストグラム自体をグラフとして表示してもよいし、対応するサブ領域のコサイン類似度を数値(または数値がどの範囲の属するかにより決まるランク)として示してもよい。ランクは、例えばA,B,C,Dのようなグレードを表す符号で表すことができる。各サブ領域の表示に加えて、またはこれに代えて、左顔要素と右顔要素の間のコサイン類似度を数値(または数値がどの範囲の属するかにより決まるランク)として示してもよい。
【0058】
評価結果の出力の態様としては、図13に示すように、顔画像上で、左右の対応するサブ領域においてコサイン類似度の差分が所定値を越えるサブ領域91,92を強調して表示するようにしてもよい。任意の強調表示を行うことができる。強調表示の方法としては、そのサブ領域の枠表示、点滅、高輝度化、反転等が考えられる。
【0059】
また、図14に示すように、ユーザが表示画面上で、任意のサブ領域をカーソル83等で指示することにより、それらのヒストグラムを、例えば顔画像72の表示領域とともに(図では下側に)設けられた表示領域73に表示するようにしてもよい。
【0060】
その他、色の傾斜、色の濃さ(彩度)、明るさ(明度)等を評価して、その結果を顔画像に重ねて表示したり、テキスト情報を表示したりしてもよい。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、化粧前の評価結果に基づいて化粧を行ったり、化粧後の評価結果に基づいて化粧を修正したりすることができる。また、化粧を行った後に再度、評価処理を行って、その化粧の結果を確認することができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0063】
例えば、上記の構成では、カメラ部による撮影は静止画を想定した。しかし、処理速度の条件が満たされれば、いわゆるカメラスルー表示状態で得られる逐次の映像に対して逐次処理を実行して、化粧の進行過程においても評価結果を動的に更新表示するようにしてもよい。この場合、反転した顔画像の表示により、実質的に、表示部の表示画面が鏡の代わりとなりうる。のみならず、表示された顔表示に対して上述したような評価結果を画像やテキスト等で反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の化粧評価方法を実現するための化粧評価装置の概略機能を表したブロック図である。
【図2】本発明の化粧評価装置として利用可能な既存の装置例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における化粧評価装置の内部の概略ハードウェア構成を示したブロック図である。
【図4】撮像により得られた顔の画像に基づいて、各種の顔要素すなわち顔要素を抽出した後の当該要素の輪郭を模式的に表示した図である。
【図5】鏡に映った自身の顔と、自身の顔を撮影して得られた表示画像との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における化粧評価装置の化粧評価処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における領域折り返し対称性判定処理の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態における領域折り返し対称性判定処理の他の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の他の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における顔要素の特徴点等の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態における顔要素のカラーヒストグラムの説明図である。
【図13】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の更に他の例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
11…撮像部、13…顔要素抽出部、15…評価部、17…出力部、19…操作部、45…鏡、71…テキスト表示領域、72…顔画像、73…表示領域、81…不足分、82…超過分、83…カーソル、91,92…サブ領域、200…化粧評価装置、200a…携帯電話端末、200b…パーソナルコンピュータ(PC)、201…制御部、202…アンテナ、203…通信部、204…表示部、205…キー入力部、206…記憶部、213…カメラ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが自分自身の化粧結果を客観的に評価することができる化粧評価プログラム、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
専門家によりなされた化粧(メークアップ)は、化粧を受けた人の見た目を向上させ、社会における尊厳を増加させる。その結果、その人は自信を取り戻すことができる。
【0003】
しかし、自分自身がした化粧をチェックすることは、観察者と被観察者が同一人であることから、必ずしも容易ではない。このような場合、最も容易な方法は、自分がした化粧の評価に関して助言すなわち第三者の意見を求めることである。この方法には、次のような幾つかの問題がある。
【0004】
1.第三者の意見は首尾一貫したものであることが期待されるが、複数の評価者が関与する場合、その意見には主観的な評価基準が大きく影響し、現れがちとなる。
2.化粧をチェックして貰うための第三者がいつも見つかるとは限らない。
3.第三者の意見を受けることは、各自のある種のプライベートな事実を明らかにすることになるので、好ましくない場合もある。
【0005】
特許文献1には、判定対象の顔を撮像して得た顔画像に画像強調処理を施すことにより、その者の顔の美形度や老化度を判定する方法および装置が開示されている。
【特許文献1】特開2006−334427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の従来技術は、その利用方法の一つとして「化粧の仕方について助言」することが挙げられている。
【0007】
しかし、これは化粧の前後の顔を撮像してこの処理を施した結果の出力画像を見比べることが開示されているのみで、特定の顔要素について化粧の評価やその仕方についての助言に関してはそれ以上の具体的な記述は見られない。
【0008】
本願発明は、このような背景において、ユーザが自分自身の化粧結果を客観的に評価することができる化粧評価プログラム、方法および装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による化粧評価プログラムおよび方法におけるステップは、取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出するステップと、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、評価結果を出力するステップとを含む。
【0010】
実際に撮影した顔の画像データに基づいて、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価することにより、客観的な評価結果が得られる。
【0011】
好ましくは、前記評価結果を出力するステップは、前記画像データの顔の画像を表示するステップと、表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力するステップとを含む。
【0012】
前記表示するステップは、好ましくは、顔の画像を左右反転するステップを含む。
【0013】
また、本発明による化粧評価装置は、取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する撮影手段と、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価手段と、評価結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の他の構成および作用効果については以下に詳細に説明する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の化粧評価装置によれば、ユーザは、自分がした化粧について第三者を依存することなく、客観的に評価した結果を得ることができる。また、その結果に基づいて、自分の化粧のくせを認識したり、化粧の仕方についての支援情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の化粧評価方法を実現するための化粧評価装置200の概略機能を表したブロック図である。
【0018】
化粧評価装置200は、顔の画像データを取得する撮像部11と、取得された画像データに基づいてその画像上で顔の各要素(パーツ)を抽出する顔要素抽出部13と、抽出された顔要素について、対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価部15と、評価結果をユーザに知らしめるように出力する出力部17と、これらの各部をユーザが操作するための操作部19とを備える。本明細書において、「対となる要素」は典型的には眉毛や目のように1対の顔要素であるが、唇や鼻のような単一の顔要素の左半分と右半分についても含むものとする。
【0019】
撮像部11としては典型的にはデジタル画像データを得ることができるデジタルカメラを利用することができる。ある程度以上の解像度があれば携帯電話端末に付属したカメラでも足りる。出力部17の一例は、表示画面上に顔画像やテキスト情報を表示することができるLCD、有機EL、CRT等の表示装置である。その他、出力部17はスピーカなどの音声出力装置や振動装置等の他の出力装置を含んでもよい。操作部19は、ユーザが装置に対して指示やデータ等を入力するための、テンキー、キーボード、ポインティングデバイスなどを含む操作デバイスにより構成される。
【0020】
図2(a)(b)は、それぞれ、化粧評価装置200として利用可能な既存の装置例としての携帯電話端末200a、および、パーソナルコンピュータ(PC)200bを示している。いずれも、出力部17としての表示部204、操作部19としてのキー入力部205、および撮像部11としてのカメラ部213を備えている。このような既存のコンピュータ装置に本発明の化粧評価プログラムをインストールすることにより化粧評価装置が構成される。勿論、既存のコンピュータ装置を利用する代わりに、専用の化粧評価装置を構成してもよい。
【0021】
図3は、本実施の形態における化粧評価装置の内部の概略ハードウェア構成を示したブロック図である。
【0022】
化粧評価装置200は、バス215で相互に接続された、制御部201、通信部203、表示部204、キー入力部205、記憶部206、音声処理部210、この音声処理部210に接続されたスピーカ211、マイク212、およびカメラ部213を備えている。
【0023】
制御部201は、CPU等を含み、化粧評価装置200の各部を制御する。本実施の形態では、この制御部201が後述する各種の画像処理を行う画像処理部としても機能する。勿論、制御部201と独立した画像処理部を備えてもよい。
【0024】
通信部203は、本実施の形態において必須の構成要素ではないが、この化粧評価装置200が携帯電話端末で構成される場合、RF部、変調回路等を含み、アンテナ202を介して基地局との間で、通話およびメールやWEBデータ等のための無線通信を行う。その他、無線LANやBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信部であってもよい。本実施の形態では、顔の画像データはこの化粧評価装置200に備えられたカメラ部213から取得することを想定しているが、通信部203を介して外部から得られた画像データに対して化粧評価を行うことも可能である。
【0025】
表示部204およびキー入力部205は、それぞれ、図1の出力部17および操作部19に相当し、その構成および機能は上述したとおりである。
【0026】
記憶部206は、ROM,RAM,HDD等の記憶装置を含み、CPUが実行するOSや各種アプリケーション等のプログラムやデータを記憶する。ROMには、フラッシュメモリのような再書き込み可能な不揮発性メモリを含みうる。
【0027】
音声処理部210は、音声のエンコーダ、デコーダ、DA変換器、AD変換器等を含み、スピーカ211(イヤホン含む)に対する音声出力およびマイクからの音声入力を行う。
【0028】
カメラ部213は、図1の撮像部11に相当し、CMOS、CCD等の撮像素子を有し、撮像した被写体のデジタル画像データを得ることができる。
【0029】
以下、この化粧評価装置200の動作を説明する。
【0030】
化粧評価装置200は、典型的には、ユーザが自分自身の顔をカメラ部213で撮像することにより、自分自身がした化粧について、その結果を客観的に評価することができる。そのために、例えば、対となる顔要素同士の対称性や類似度を定量的に解析し、スコア(評価値)を算出し、ユーザに知らしめる。あるいは、非対称性や非類似度を、顔画像を表示した表示画面上に顔画像と併せて表示することができる。また、評価結果をテキストで表示することもできる。さらに、ユーザに対してその評価結果に応じて化粧に関する所定の助言等の支援情報を与えることもできる。
【0031】
この化粧評価装置は、化粧をしていない顔に対して適用されることにより化粧の方向性を提案することも可能である。
【0032】
非対称性については各種顔要素の輪郭を抽出して対比することにより検査することができる。非類似度については要素の全体の領域を複数のサブ領域に分割して、各サブ領域内の画像データ(画素データ)の色特性等(色の彩度、明度、色変化、色分布、色成分のヒストグラム等)を分析し、対比することにより検査することができる。
【0033】
図4は、撮像により得られた顔の画像に基づいて、各種の顔要素を抽出した後の当該要素の輪郭を模式的に表示したものである。このような要素画像はその元となる実際の顔画像に重ね合わせて示してもよいし、顔画像とは独立に表示してもよい。あるいは、重ね合わせるか独立に表示するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0034】
図4の例では、ここでの顔要素として、眉(眉毛)T、目E、鼻N、口(唇)L、さらには額H、頬Zを示している。眉毛や目のような左右1対の顔要素の左右の区別、あるいは、鼻や唇などの一つの要素の左右半分の区別のため、添字のlとrを付加している。額や頬の領域は他の顔要素が確定された後の残りの所定領域として定めることができる。
【0035】
なお、図4の要素画像およびその元となる顔画像は、撮像に得られた画像を左右反転したものである。通常、ユーザが化粧をする際には鏡を見ながら行う。周知のように鏡の映像は左右が反転するのに対し、カメラ撮影で得られ表示部に表示される画像は左右反転しない。したがって、図5(a)に示すように、鏡45に映った自身の顔と、自身の顔を撮影して得られた表示部204上の表示画像とは左右の関係が一致しない。(表示部204に現れているように、現実世界では右頬にほくろがあるユーザが映った鏡45の中のユーザについては左頬にほくろがある。)表示画面に表示された自身の顔に対して化粧の評価結果が重ねて表示されるような場合、表示画像と鏡45の中の映像との左右の関係が逆であるため、表示画像を参考にする際に混乱しかねない。また、化粧の際には自身の顔と向き合った表示画像とは、鏡の場合のように、同じ要素が左右の同じ側に存在することが望ましい。
【0036】
そこで、図5(b)に示すように、表示部204に表示される自身の顔画像は左右反転したものとする。これにより、鏡45の中の自身の顔と左右が一致する。例えば、図4において、添字lが付加された要素(または要素部分)は実際のユーザの左側要素の鏡像である。同様に、添字rが付加された要素(または要素部分)は実際のユーザの右側要素の鏡像である。
【0037】
なお、表示部204において反転されるのは撮影画像であり、重ねて表示されるテキスト情報などのイメージは反転されない。
【0038】
図6に、本実施の形態における化粧評価装置200の化粧評価処理の動作手順を示す。この処理は制御部201(図3)が、記憶部206に格納された化粧評価プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0039】
制御部は、まず、カメラ部でユーザの顔の撮影画像を取得する(S11)。この撮影行為はユーザの操作に従って行われる。
【0040】
撮影画像が取得されたら、制御部は、その画像を左右反転し、輪郭判定処理を行い、図4に示したように、抽出対象となる顔要素を抽出し、その輪郭を抽出する(S12)。輪郭の判定処理を的確に行うために、顔要素に応じて検出対象とする色を予め限定するようにしてもよい。例えば、眉毛は黒、唇は赤系統、というように、検出対象の色を決めておくようにすることができる。また、唇などでは使用する化粧材(口紅)の色に合わせて、検出対象の色をユーザが選択肢の中から指定可能とすることもできる。撮影画像の左右反転は、表示前であれば、この段階ではなく、より遅い段階であってもよい。(但し、左右反転前の画像から顔要素を抽出した場合には、顔画像の左右反転時に顔画像とともにその抽出画像も左右反転する。)ついで、予め定められた3ポイントA,B,Cを検出する(S13)。本実施の形態において、ポイントA,Bは両目の内側の端部であり、ポイントCは上唇の中央上端部である。
【0041】
これらの3ポイントA,B,Cの位置関係に基づいて、顔画像が傾いているか否かをチェックする(S14)。顔画像が傾いていれば、傾き補正処理を実行する(S15)。具体的には、顔画像上でポイントA,B,Cを検出し、線分ABがX軸(水平線)に一致するように画像を回転する。なお、その前提として、線分ABに対してポイントCが下側にあることを確認する。
【0042】
顔画像の傾きが補正された後、各種の顔要素について、非対称性および/または非類似領域を見つけ出すための対称性・類似性判定処理を適用する(S16)。そのために、まず、後続の対称性チェックのために顔の中心軸を検出する。この結果得られたデータに基づいて、その非対称性および/または非類似領域をユーザに知らしめる所定の出力処理を行う(S17)。
【0043】
非対称性および/または非類似領域をユーザに知らしめることにより、化粧の方向またはその修正の方向が暗黙的に示されるが、さらにユーザに対して積極的にそのような方向を提案するようにしてもよい。
【0044】
図7は、表示画面上に撮影された顔画像とともに、評価結果をテキストで表示した例を示している。この表示された顔画像72は上述したように左右反転されたものである。画面の一部(図では下側領域)に、化粧に関する助言をテキストで表示するテキスト表示領域71を設けている。各顔要素の抽出結果を顔画像に重ねて表示する場合には、後述するように、非対称性や非類似性が検出された顔要素の該当箇所を識別して表示するようにしてもよい。
【0045】
ステップS16における顔要素毎の評価は、次のような処理を用いて、領域間の差違や対称性を検出することにより行える。
【0046】
<領域折り返し対称性判定処理>
まず、領域折り返し対称性判定処理と名付けた処理について説明する。この処理は、対称性が問題となる顔要素について適用することができる。ここでも眉毛を例として説明するが、眉毛に限るものではない。また、単一の顔要素の1対の半分同士の間に適用してもよい。
【0047】
図8(a)は、左右の眉毛の撮影画像を模式的に示したものである。眉毛の類似性/対称性を確認するには、二つの眉毛領域(輪郭)の間の差分を検出し、画像上でどの部分が異なっている(非対称である)かを検出し、この結果をユーザに対して示す。
【0048】
そのために、図8(b)に示すように、顔画像上で、顔の垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねる。両顔要素が完全に左右対称であれば、両顔要素は完全に重なり合って一致する。
【0049】
完全な左右対称でなければ、図8(c)に示すように、両者が重なり合った共通部分とそこからはみ出したはみ出し部分が生じる。はみ出した部分は、その側の顔要素が他方の顔要素に照らして足りない不足分81と、他方のの顔要素から超過した超過分82とがある。
【0050】
図8の例では、左眉毛Tlの領域が右眉毛Trの領域に完全に包含される場合を示したが、実際には、一方が他方を完全に包含するのではなく、それぞれが他方からはみ出す部分を有する場合もある。図9はそのような場合の折り返しの説明図である。
【0051】
図9の例では、TlはTrに照らして不足分81と超過分83を有する。TrはTlに照らして超過分82と不足分84とを有する。図から分かるように一方の超過分は他方の不足分に対応する。ユーザは、例えば、不足分を化粧で補うか、または、可能な場合には超過分を除去することにより、当該顔要素が完全な左右対称となる。なお、はみ出し部分の実際の表示の態様は、不足分と超過分を区別して表示することが好ましい。
【0052】
化粧評価装置は、図10のような表示を行うことにより、ユーザに対して化粧の方向性を助言することができる。図10は図8に示した眉毛の評価結果に対応するものであり、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示したものである。すなわち、評価結果として不足分81および超過分82を画像として顔画像72に重ねて表示している。また、テキスト表示領域に、「左右のまゆが非対称です」等のテキストメッセージを表示出力している。図8では、顔全体の評価結果を出力する例を示したが、図10のように、所定の動作モードにおけるユーザの指示に応じて、一部の顔要素についてのみの評価結果を出力することもできる。そのためのユーザの指示は、例えばカーソル83で目的の顔要素を指示することにより行える。(各顔要素の位置(座標)はこの時点では既知である。)
【0053】
<位置的輪郭対称性判定処理>
次に、位置的輪郭対称性判定処理と名付けた処理について説明する。
【0054】
この処理は1対の顔要素についてそれらの輪郭に基づいて対称性を求めるものである。ここでも眉毛を例として説明するが、眉毛に限るものではない。また、1対の顔要素ではなく、1つの顔要素の1対の半分同士の間に適用してもよい。
(1)一つの顔要素の輪郭上のすべての画素の座標点の中から、複数の座標点を特徴点を取り出す。図11の眉毛の例では4つの特徴点T1,T2,T3,T4を抽出している。特徴点の条件は、X座標が最大の点、X座標が最小の点、およびY座標が最大の点およびY座標が最小の点の4点である。これらの点のいずれかは一致する場合もありうる。したがって、特徴点の個数は4個とは限らない。
【0055】
他方の顔要素についても同様に複数の特徴点T1,T2,T3,T4を求める。
(2)各顔要素について、その複数の特徴点T1,T2,T3,T4に基づいて、その中点(または重心点)Mを求める。このM点は、M点から他の各特徴点までのそれぞれの距離の和が最小となるような点として求めることができる。両顔要素の中点をMl,Mrとする。
(3)中点Ml,Mrの各々から垂直中心線までの距離をそれぞれQml,Qmrとして、対称性評価値Symmetry_Scoreを次式で求める。
Symmetry_Score=Abs(Qml-Qmr)/Max(Qml,Qmr)
ここに、Abs(Qml-Qmr)は距離Qmlと距離Qmrの差の絶対値であり、Max(Qml,Qmr)は距離Qmlと距離Qmrの大きい方を表す。この対称性評価値は0と1の間の数値である。距離Qmlと距離Qmrとが等しいとき、対称性評価値Symmetry_Scoreが0となり、完全な対称と判断される。この値は大きいほど対称性が低いことになる。
【0056】
<類似性判定処理>
次に、顔要素の類似性判定処理の一例を説明する。ここでは、カラーヒストグラムを利用した類似性判定処理を例として挙げる。カラーヒストグラムとは、各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分(例えばR,G,B)に色分解したときの各色成分の量の分布状態に相当する。通常、柱状グラフとして表すことができる。カラーヒストグラムによる類似性判定処理は、1対の顔要素(または顔要素部分)の領域について、両領域の色の分布に基づいて、両領域の類似度を求める。例えば、頬(ほお)領域の全体に亘ってファウンデーションが均一に塗られているかどうかを確かめるために、図12に示すように、カラーヒストグラムの類似性をチェックする。具体的には、領域を複数のサブ領域に分割し、非類似のサブ領域を検出して、画像上で類似度が所定値より小さい(換言すれば非類似度が所定値より大きい)サブ領域をユーザに示す。また、色(や濃度)の変化率を計算して、急峻な変化を検出することも可能である。具体的な処理手順は次のとおりである。
(1)検査対象となる1対の領域の各々を複数のサブ領域に分割する。
(2)各サブ領域についてカラーヒストグラムを求める。
(3)各サブ領域について、コサイン類似度によりカラーヒストグラムの類似性を求める。コサイン類似度とは、周知のように、ベクトル同士の類似度を測定するための指標である。二つのベクトルが作る角のコサイン値で表される。このコサイン値は、0と1の間の数値であり、二つのベクトルが完全に一致する(類似度が最高)時に最大値1となり、両ベクトルが直交する(類似度が最低)時に最小値0となる。ベクトルの長さは類似度には影響しない。1つの領域のカラーヒストグラムはV(R,G,B)というベクトルで表される。
(4)左顔要素の複数のサブ領域のコサイン類似度により構成されるベクトルVzlと、右顔要素の複数のサブ領域のコサイン類似度により構成されるベクトルVzrとのコサイン類似度cos(Vzl,Vzr)を求める。
【0057】
カラーヒストグラムの利用の仕方としては、各サブ領域のヒストグラム自体をグラフとして表示してもよいし、対応するサブ領域のコサイン類似度を数値(または数値がどの範囲の属するかにより決まるランク)として示してもよい。ランクは、例えばA,B,C,Dのようなグレードを表す符号で表すことができる。各サブ領域の表示に加えて、またはこれに代えて、左顔要素と右顔要素の間のコサイン類似度を数値(または数値がどの範囲の属するかにより決まるランク)として示してもよい。
【0058】
評価結果の出力の態様としては、図13に示すように、顔画像上で、左右の対応するサブ領域においてコサイン類似度の差分が所定値を越えるサブ領域91,92を強調して表示するようにしてもよい。任意の強調表示を行うことができる。強調表示の方法としては、そのサブ領域の枠表示、点滅、高輝度化、反転等が考えられる。
【0059】
また、図14に示すように、ユーザが表示画面上で、任意のサブ領域をカーソル83等で指示することにより、それらのヒストグラムを、例えば顔画像72の表示領域とともに(図では下側に)設けられた表示領域73に表示するようにしてもよい。
【0060】
その他、色の傾斜、色の濃さ(彩度)、明るさ(明度)等を評価して、その結果を顔画像に重ねて表示したり、テキスト情報を表示したりしてもよい。
【0061】
このように、本実施の形態によれば、化粧前の評価結果に基づいて化粧を行ったり、化粧後の評価結果に基づいて化粧を修正したりすることができる。また、化粧を行った後に再度、評価処理を行って、その化粧の結果を確認することができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0063】
例えば、上記の構成では、カメラ部による撮影は静止画を想定した。しかし、処理速度の条件が満たされれば、いわゆるカメラスルー表示状態で得られる逐次の映像に対して逐次処理を実行して、化粧の進行過程においても評価結果を動的に更新表示するようにしてもよい。この場合、反転した顔画像の表示により、実質的に、表示部の表示画面が鏡の代わりとなりうる。のみならず、表示された顔表示に対して上述したような評価結果を画像やテキスト等で反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の化粧評価方法を実現するための化粧評価装置の概略機能を表したブロック図である。
【図2】本発明の化粧評価装置として利用可能な既存の装置例を示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における化粧評価装置の内部の概略ハードウェア構成を示したブロック図である。
【図4】撮像により得られた顔の画像に基づいて、各種の顔要素すなわち顔要素を抽出した後の当該要素の輪郭を模式的に表示した図である。
【図5】鏡に映った自身の顔と、自身の顔を撮影して得られた表示画像との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における化粧評価装置の化粧評価処理の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における領域折り返し対称性判定処理の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態における領域折り返し対称性判定処理の他の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の他の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における顔要素の特徴点等の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態における顔要素のカラーヒストグラムの説明図である。
【図13】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の更に他の例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における評価結果の出力の態様の別の例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
11…撮像部、13…顔要素抽出部、15…評価部、17…出力部、19…操作部、45…鏡、71…テキスト表示領域、72…顔画像、73…表示領域、81…不足分、82…超過分、83…カーソル、91,92…サブ領域、200…化粧評価装置、200a…携帯電話端末、200b…パーソナルコンピュータ(PC)、201…制御部、202…アンテナ、203…通信部、204…表示部、205…キー入力部、206…記憶部、213…カメラ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出するステップと、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、
評価結果を出力するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする化粧評価プログラム。
【請求項2】
前記評価結果を出力するステップは、
前記画像データの顔の画像を表示するステップと、
表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力するステップと
を含む請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項3】
前記評価するステップの実行の前に、画像データにおける顔の傾きを検出し、補正するステップをさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項4】
前記評価するステップは、
画像データにおける顔の垂直中心線を求めるステップと、
顔の垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねるステップと
を備えた請求項2に記載の化粧評価プログラム。
【請求項5】
前記評価するステップは、前記検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示するステップをさらに備えた請求項4に記載の化粧評価プログラム。
【請求項6】
前記表示するステップは、顔の画像を左右反転するステップを含む請求項2または5に記載の化粧評価プログラム。
【請求項7】
前記検査対象の1対の顔要素の相互の類似度を算出するステップと、
算出された類似度を出力するステップと
をさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項8】
前記検査対象の1対の顔要素のそれぞれの領域を複数のサブ領域に分割するステップと、
各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分に色分解したときの各色成分の量の分布状態を求めるステップと、
その分布状態を出力するステップと
をさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項9】
顔の画像データを取得するステップと、
顔の各要素を抽出するステップと、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、
評価結果を出力するステップと
を備えたことを特徴とする化粧評価方法。
【請求項10】
取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する撮影手段と、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価手段と、
評価結果を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする化粧評価装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記画像データの顔の画像を表示するとともに、表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力する表示手段を有することを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項12】
前記評価手段は、前記評価を行う前に、画像データにおける顔の傾きを検出し、補正することを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項13】
前記評価手段は、画像データにおける顔の垂直中心線を求め、この垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねることを特徴とする請求項11に記載の化粧評価装置。
【請求項14】
前記表示手段は、前記検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示することを特徴とする請求項13に記載の化粧評価装置。
【請求項15】
前記表示手段は、顔の画像を左右反転することを特徴とする請求項11または14に記載の化粧評価装置。
【請求項16】
前記評価手段は、前記検査対象の1対の顔要素の相互の類似度を算出する手段を有し、
前記出力手段は、算出された類似度を出力する
ことを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項17】
前記評価手段は、前記検査対象の1対の顔要素のそれぞれの領域を複数のサブ領域に分割し、各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分に色分解したときの各色成分の量の分布状態を求める手段を有し、
前記出力手段はその分布状態を出力する
ことを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項1】
取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出するステップと、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、
評価結果を出力するステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする化粧評価プログラム。
【請求項2】
前記評価結果を出力するステップは、
前記画像データの顔の画像を表示するステップと、
表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力するステップと
を含む請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項3】
前記評価するステップの実行の前に、画像データにおける顔の傾きを検出し、補正するステップをさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項4】
前記評価するステップは、
画像データにおける顔の垂直中心線を求めるステップと、
顔の垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねるステップと
を備えた請求項2に記載の化粧評価プログラム。
【請求項5】
前記評価するステップは、前記検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示するステップをさらに備えた請求項4に記載の化粧評価プログラム。
【請求項6】
前記表示するステップは、顔の画像を左右反転するステップを含む請求項2または5に記載の化粧評価プログラム。
【請求項7】
前記検査対象の1対の顔要素の相互の類似度を算出するステップと、
算出された類似度を出力するステップと
をさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項8】
前記検査対象の1対の顔要素のそれぞれの領域を複数のサブ領域に分割するステップと、
各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分に色分解したときの各色成分の量の分布状態を求めるステップと、
その分布状態を出力するステップと
をさらに備えた請求項1に記載の化粧評価プログラム。
【請求項9】
顔の画像データを取得するステップと、
顔の各要素を抽出するステップと、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価するステップと、
評価結果を出力するステップと
を備えたことを特徴とする化粧評価方法。
【請求項10】
取得された顔の画像データに基づいて、顔の各要素を抽出する撮影手段と、
対となる要素同士の対称性および類似度の少なくとも一方を評価する評価手段と、
評価結果を出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする化粧評価装置。
【請求項11】
前記出力手段は、前記画像データの顔の画像を表示するとともに、表示された顔の画像を参照して前記評価結果を表示画面上に出力する表示手段を有することを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項12】
前記評価手段は、前記評価を行う前に、画像データにおける顔の傾きを検出し、補正することを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項13】
前記評価手段は、画像データにおける顔の垂直中心線を求め、この垂直中心線を基準として、検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねることを特徴とする請求項11に記載の化粧評価装置。
【請求項14】
前記表示手段は、前記検査対象の1対の顔要素の一方を折り返して他方の顔要素に重ねた際の両顔要素の不一致時のはみ出し部分を元の顔画像に重ねて表示することを特徴とする請求項13に記載の化粧評価装置。
【請求項15】
前記表示手段は、顔の画像を左右反転することを特徴とする請求項11または14に記載の化粧評価装置。
【請求項16】
前記評価手段は、前記検査対象の1対の顔要素の相互の類似度を算出する手段を有し、
前記出力手段は、算出された類似度を出力する
ことを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【請求項17】
前記評価手段は、前記検査対象の1対の顔要素のそれぞれの領域を複数のサブ領域に分割し、各サブ領域内の画像データに基づいてそのサブ領域内の画像部分の各画素の色を色成分に色分解したときの各色成分の量の分布状態を求める手段を有し、
前記出力手段はその分布状態を出力する
ことを特徴とする請求項10に記載の化粧評価装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図8】
【公開番号】特開2009−213751(P2009−213751A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62294(P2008−62294)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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