説明

化粧鏡装置及び温水パネル

【課題】曇り止め防止対策が施された浴室用の化粧鏡装置を提供する。
【解決手段】
本発明による浴室用の化粧鏡装置は、浴室の壁に設置したプレート状の温水パネル(2)と、温水パネル上に配置した化粧鏡(4)とを具える。温水パネル(2)の温水路(7)の一端は、給湯用配管(8)に接続され、温水路の他端はバスタブ配管(9)に接続され、シャワーの使用中、給湯装置から供給される温水により前記化粧鏡(4)が加温される。このように構成することにより、入浴中に又はシャワーの使用中に多量の湯気が発生しても、化粧鏡が相当な温度まで昇温するので、化粧鏡が曇る不具合が解消される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浴室用の化粧鏡装置、特に湯気によりミラー面が曇るのが有効に防止された化粧鏡装置に関するものである。
また、本発明は、ミラー面を有する温水パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴室内では、入浴中に湯気が充満し、化粧鏡のミラー面が曇ってしまい、入浴者の身体を化粧鏡上に映し出すことができないのが実情であり、化粧鏡の曇り止め対策が強く要請されている。化粧鏡の曇り止め対策が施された化粧鏡として、化粧鏡を保持するパネルの内側空間内に給湯配管を配置した給湯装置が既知である(例えば、特許文献1参照)。この既知の給湯装置では、化粧鏡の裏面側に化粧鏡から離間して給湯配管が設置され、給湯配管からの放熱を利用して化粧鏡が加温されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−95844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した給湯装置では、化粧鏡の裏面側に化粧鏡に近接して給湯配管が配置されているため、給湯配管からの放熱により化粧鏡が加温され、ミラー面の結露や曇りが防止される。しかしながら、給湯配管は、化粧鏡から物理的に離間しているため、給湯配管からの放熱が化粧鏡に有効に伝達されず、化粧鏡が昇温しにくい欠点がある。また、給湯配管は、断面が円形のパイプであるため、化粧鏡に接触させるには限界があり、化粧鏡の結露を防止する上で十分な効果が得られないのが実情である。
【0005】
本発明の目的は、上述した欠点を解消し、浴室内の化粧鏡の結露や曇りを有効に防止した化粧鏡装置を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、ミラー付き温水パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による化粧鏡装置は、浴室内に配置される化粧鏡装置であって、浴室の壁に設置したプレート状の温水パネルと、温水パネル上に配置した化粧鏡とを具え、
前記温水パネルの温水路の一端は給湯用配管に接続され、その他端はバスタブ用配管に接続され、シャワーの使用中又は浴槽に温水を貯える間に、給湯装置から供給される温水により化粧鏡が加熱されることを特徴とする。
【0007】
浴室内の化粧鏡が曇る最大の原因は、化粧鏡の温度が湯気の温度よりも低いため結露により曇ることである。そこで、本発明では、化粧鏡を温水パネル上に支持し、温水パネルからの熱を利用して化粧鏡を昇温させる。本発明では、温水パネルの温水路の一端を給湯配管に接続し他端はバスタブ配管に接続する。このように構成すれば、給湯配管から供給される給湯水は温水パネルを経て浴槽内に排出され又はシャワーから排出されるので、浴槽内に温水を貯める間に又はシャワーの使用中に給湯配管から供給される温水により化粧鏡が加熱される。この結果、入浴時には、化粧鏡は温水の温度まで昇温し、シャワーから多量の湯気が発生しても或いは浴槽から発生した湯気が充満しても、化粧鏡が曇る不具合が解消される。
【0008】
本発明による温水パネルは、プレート状の温水パネルであって、ほぼ平坦な第1の面と第1の面と対向する第2の面とを有するプレート本体を具え、プレート本体の第1の面には化粧鏡が装着され、第2の面には温水路が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浴槽に温水を貯める間に又はシャワーの使用中に、化粧鏡が給湯配管から供給される温水により昇温するので、浴室内に多量の湯気が発生しても、化粧鏡の表面に結露が生ずる不具合が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1及び図2は本発明による化粧鏡装置及び温水パネルの一例を示す図であり、図1は線図的斜視図及び図2は浴室の壁に取付けられた状態を示す線図的断面図である。浴室内の壁1に温水パネル2を取り付ける。温水パネル2は、パネル本体3を有し、パネル本体3の前面3aはほぼ平坦な面として形成され、当該前面3aに化粧鏡4を装着する。化粧鏡4は、2つの保持部材5a及び5bによりパネル本体3に保持する。尚、化粧鏡4とパネル本体との間にシリコン系の接着剤を介在させてパネル本体の熱が化粧鏡4に伝導するように構成する。パネル本体3と浴室の壁1との間には断熱材6を介在させて、温水パネルの熱が浴室の壁に消散するのを防止する。
【0011】
図3は温水パネルの構成を示す図であり、図3Aは温水パネルの背面側の平面図であり、図3Bは温水パネルの断面図である。パネル本体3の背面3bに温水路7を形成する。温水路7の一端は給湯配管8に接続し、排出側はバスタブ配管9に接続する。温水パネル2の温水路7は、パネル本体3の背面に沿ってジッグザッグ状に延在する。従って、浴槽内に温水を貯める間に又は入浴者がシャワーを使用すると、給湯配管から供給される温水が温水パネル2の温水路7を循環し、バスタブを経て浴槽内又はシャワーから排出される。そして、温水が温水路7を循環する間に給湯の熱がパネル本体3を経て化粧鏡4に伝導し、化粧鏡4が加熱され、化粧鏡の温度は浴室内の温度以上に昇温することになる。この結果、浴室内に湯気が充満しても、化粧鏡は湯気の温度にほぼ等しかそれ以上の温度になるため、化粧鏡に結露が生ずる不具合が解消される。特に、浴槽内に温水を貯める間に給湯が化粧鏡を昇温させるため、入浴中に浴槽の湯気が浴室内に充満しても、化粧鏡が曇ることが防止される。さらに、温水パネルへの配管は、化粧鏡の背面側に位置し、入浴者には見えないため、浴室の壁が煩雑になることも回避される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による化粧鏡装置の一例を示す斜視図である。
【図2】温水パネル及び化粧鏡の装着状態を示す線図的断面図である。
【図3】温水パネルの温水路を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
1 浴室壁
2 温水パネル
3 パネル本体
4 化粧鏡
5a,5b 保持部材
6 断熱材
7 温水路
8 給湯配管
9 バスタブ配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に配置される化粧鏡装置であって、
浴室の壁に設置したプレート状の温水パネルと、温水パネル上に配置した化粧鏡とを具え、
前記温水パネルの温水路の一端は、給湯用配管に接続され、その他端はバスタブ配管に接続され、シャワーの使用中又は浴槽内に温水を貯える間に、給湯装置から供給される温水により前記化粧鏡が加熱されることを特徴とする化粧鏡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧鏡装置において、前記温水パネルは、プレート状のパネル本体と、パネル本体の一方の面に設けた温水路とを有し、パネル本体の温水路が設けられている面と反対側の面に化粧鏡が保持されていることを特徴とする化粧鏡装置。
【請求項3】
請求項2に記載の化粧鏡装置において、前記温水パネルと化粧鏡との間にシリコン系の接着剤を介在させ、温水パネルと化粧鏡との間で良好な熱伝導を行わせることを特徴とする化粧鏡装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の化粧鏡装置において、浴室の壁と温水パネルとの間に断熱材を介在させ、温水パネルから浴室の壁への熱放散を抑制したことを特徴とする化粧鏡装置。
【請求項5】
プレート状の温水パネルであって、ほぼ平坦な第1の面と第1の面と対向する第2の面とを有するプレート本体を具え、プレート本体の第1の面には化粧鏡が装着され、第2の面には温水路が形成されていることを特徴とする温水パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−142380(P2008−142380A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334368(P2006−334368)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(591221167)ミツマ技研株式会社 (17)
【Fターム(参考)】