説明

医用画像観察装置およびその制御プログラム

【課題】検査オーダに応じて画像データを区分けする。
【解決手段】画像観察画面作成部4cは、画像区分判定部4bから供給された検査オーダ、および画像データの区分先を表す情報に基づいて、後に呼び出す画像を、所定の表示領域に表示することができる画像観察画面を予め作成する。画像呼び出し部4eは、操作者からの画像データ呼び出し要求に基づいて、医用画像保管装置から対応する画像データを呼び出し、呼び出した画像データを制御部4fに出力する。制御部4fは、呼び出し要求に含まれる患者IDや検査IDに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出し、読み出した画像観察画面のデータに登録されている画像リンク情報に基づいて、画像呼び出し部4eから出力された画像データを、予め決定してある所定の区分先に配置して表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像観察装置およびその制御プログラムに関し、特に、検査オーダに応じて画像データを区分けする医用画像観察装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置により収集された複数の画像データは、患者ごとに分類され、患者ごとの分類は更に検査ごとに分類されている。検査は画像のシリーズから成り立っており、シリーズには複数の画像が含まれている。このような構造で複数の画像データを分類すると、患者を頂点とし、その患者にある検査が実施され、その検査は画像のシリーズからなり、シリーズは複数の画像を含むことになる。
【0003】
これは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に従うものとされ、目的の画像を得るために有効な階層構造となっている。
【0004】
従来、画像データに対して任意の画像処理を施し、生成された画像データをキャプチャすると、新たに得られたキャプチャ画像データは、検査の新たなシリーズとして検査に登録され、保存されていた。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1には、キャプチャ画像を保存すべきシリーズを、画像処理条件(画像表示条件)などに従って区分けすることにより、効率的に画像データの検索および読影を行うことができる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−280598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、医療従事者は、様々な検査結果を参照しつつ、次の検査や治療の計画を立てることになるが、特許文献1の技術では、DICOMの規格に従うものとされており、実診断の過程に即したシステムになっていない課題があった。
【0008】
例えば、複数の医用画像診断装置を利用した放射線画像検査を実施した場合、「検査」や「シリーズ」という区分では、診断の過程を意識することができない。つまり、放射線画像検査のオーダを発行する病院情報システムや、画像診断を行うシステムでは、患者の診断状況が考慮されていないため、医師や技師は、読影や診断を効率的に行うことができない。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査オーダに応じて画像データを区分けすることが可能な医用画像観察装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明の特徴は、医用画像観察装置において、情報管理装置から検査オーダを取得する情報取得手段と、医用画像診断装置により収集される画像データを呼び出す画像呼び出し手段と、情報取得手段で取得された検査オーダに基づいて、画像データの区分先を判定する画像区分判定手段と、画像区分判定手段による判定結果に応じた画像観察画面を作成する画像観察画面作成手段と、画像観察画面作成手段により作成された画像観察画面を表示手段に表示させる制御手段とを備える。
【0011】
請求項5記載の発明の特徴は、制御プログラムにおいて、情報管理装置から検査オーダを取得する情報取得ステップと、医用画像診断装置により収集される画像データを呼び出す画像呼び出しステップと、情報取得ステップで取得された検査オーダに基づいて、画像データの区分先を判定する画像区分判定ステップと、画像区分判定ステップによる判定結果に応じた画像観察画面を作成する画像観察画面作成ステップと、画像観察画面作成ステップで作成された画像観察画面を表示手段に表示させる制御ステップとを医用画像観察装置が備えるコンピュータに実行させることである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検査オーダに応じて画像データを区分けすることにより、効率的に画像データの読影および診断を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用した医用画像区分システムの構成例を示す図である。
【図2】医用画像観察装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】画像観察画面の表示例を示す図である。
【図4】画像区分処理を説明するフローチャートである。
【図5】画像観察画面の表示例を示す図である。
【図6】画像観察画面の他の表示例を示す図である。
【図7】画像観察画面の他の表示例を示す図である。
【図8】画像呼び出し処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明を適用した医用画像区分システムの構成例を示す図である。
【0016】
図1に示す医用画像区分システムは、情報管理装置1、医用画像診断装置2、医用画像保管装置3、および医用画像観察装置4が図示せぬネットワークを介して接続されることによって構成される。
【0017】
情報管理装置1は、医療機関で取り扱われる情報を管理する装置であり、例えば、HIS(Hospital Information System)およびRIS(Radiology Information System)を含む。HISは、病院内の事務的な情報を統括的に管理する病院情報管理システムである。例えば、HISでは、会計や検査の予約、薬の処方、食事の管理などの情報が管理されている。RISは、放射線部門内における医療情報を統括的に管理する放射線部門情報管理システムである。例えば、RISでは、HISと連携し、放射線部門の患者登録、検査の予約、診断結果登録、薬品、フィルム等の情報や実際に行われた検査内容、その検査内容の治療実績等が管理されている。
【0018】
情報管理装置1は、操作者によって、患者情報やこれから行われる検査内容などの情報が入力された場合、入力された検査に関する情報を検査オーダとして医用画像診断装置2および医用画像観察装置4に供給する。
【0019】
検査オーダには、操作者によって入力される、「診断」の目的であることを表す情報、「治療」の目的であることを表す情報、「予後観察」の目的であることを表す情報、あるいは、CAG(Coronary Angiography)やPCI(Percutaneous Coronary Intervention)などの情報が含まれる。CAGは、治療行為を伴わない心臓カテーテル検査であって、「診断」が目的の検査オーダに該当し、PCIは、CAGの結果行われる心臓経皮的冠動脈形成術であって、「治療」が目的の検査オーダに該当する。
【0020】
また検査オーダには、この検査オーダに関連する過去に撮影された画像が存在する場合(例えば、2回目以降の検査オーダであり、過去に撮影された画像が存在する場合)、過去の画像が存在することを表す情報が付加される。
【0021】
医用画像診断装置2は、医療機関における、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、および超音波装置などで構成され、モダリティとも呼ばれる。
【0022】
医用画像診断装置2は、情報管理装置1から供給された検査オーダに基づいて、被検者を撮影した画像データを収集するとともに、収集した画像データを、医用画像保管装置3に転送する。
【0023】
また医用画像診断装置2は、操作者による指示に応じて、収集した画像データから2次的な画像データを生成し、生成した2次的な画像データを、医用画像保管装置3に転送する。2次的な画像データとは、例えば、治療目的で使用するために新たに生成した(複製した)画像データや、マルチフレームの中から1つのフレームを抽出して生成した特徴的な画像データなどである。
【0024】
さらに医用画像診断装置2は、操作者による指示に応じて、治療目的で使用するために生成した2次的な画像データを「治療画像」の画像区分に決定し、予後観察目的で使用するために生成した2次的な画像データを「予後観察画像」の画像区分に決定し、決定した画像区分先を表す情報、および生成した2次的な画像データを識別する情報を、検査オーダに含ませて医用画像観察装置4に通知する。
【0025】
医用画像保管装置3は、例えば、PACS(Picture Archiving Communication System)であり、医用画像診断装置2から転送されてきた画像データを保存および管理するシステムである。
【0026】
医用画像観察装置4は、一般的なワークステーションからなり、プログラムとこのプログラム処理に必要となるデータを記憶する主記憶装置(例えば、HDD(Hard Disc Drive))、プログラムおよびデータに基づいて演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などから構成される。
【0027】
医用画像観察装置4は、情報管理装置1から供給される検査オーダや、医用画像診断装置2から供給される、2次的な画像データの画像区分先を表す情報を含んだ検査オーダを取得し、取得した検査オーダに基づいて、医用画像保管装置3から呼び出す画像データの区分先を決定する。
【0028】
医用画像観察装置4は、決定した画像データの区分先に基づいて、医用画像保管装置3から呼び出した画像データを所定の表示領域に表示することができる画像観察画面を予め作成し、記憶(登録)する。
【0029】
医用画像観察装置4は、操作者により、患者IDや検査IDなどを表す情報が入力され、画像データの呼び出しが要求されると、医用画像保管装置3から対応する画像データを呼び出し、呼び出した画像を、予め登録した画像観察画面の所定の位置に配置して表示させる。
【0030】
すなわち、医用画像観察装置4では、呼び出す画像データの区分先を予め決定しておくことで、医用画像診断装置2で収集され、医用画像保管装置3に保管された画像データを呼び出す際に、医師や技師の業務内容に即した画像区分表示を行うことが可能となる。
【0031】
また医用画像観察装置4は、呼び出した画像データから2次的な画像データを生成し(呼び出した画像データが医用画像診断装置2で生成された2次的な画像データの場合には、3次的な画像データを生成し)、生成した2次的(3次的)な画像データの区分先を決定する。
【0032】
医用画像観察装置4は、決定した画像データの区分先に基づいて、既に登録してある画像観察画面を更新し、生成した2次的(3次的)な画像を画像観察画面の所定の位置に配置して表示させる。
【0033】
図2は、医用画像観察装置4の機能構成例を示すブロック図である。図2に示す機能部のうちの少なくとも一部は、医用画像観察装置4のCPUにより画像区分アプリケーションが実行されることによって実現される。
【0034】
情報取得部4aは、情報管理装置1から供給された検査オーダを取得する情報取得手段として機能する。取得した検査オーダは、画像区分判定部4bに出力される。
【0035】
また情報取得部4aは、医用画像診断装置2から供給された、2次的な画像データを識別する情報および画像区分先を表す情報を含んだ検査オーダを取得し、取得した情報を画像区分判定部4bに出力する。
【0036】
画像区分判定部4bは、情報取得部4aから出力された情報管理装置1の検査オーダから、後に呼び出す画像データの区分先を判定する画像区分判定手段として機能する。
【0037】
例えば、検査オーダに過去画像が存在することを表す情報が付加されている場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「治療画像」の区分先に決定される。一方、検査オーダに過去画像が存在することを表す情報が付加されていない場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「診断画像」の区分先に決定される。
【0038】
また例えば、検査オーダに診断目的であることを表す情報が含まれている場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「診断画像」の区分先に決定され、検査オーダに治療目的であることを表す情報が含まれている場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「治療画像」の区分先に決定される。
【0039】
また例えば、1回目の検査オーダである場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「診断画像」の区分先に決定され、2回目以降の検査オーダで、かつ、前回の検査オーダから所定期間内の検査オーダである場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「治療画像」の区分先に決定され、2回目以降の検査オーダで、かつ、前回の検査オーダから所定期間が経過した検査オーダである場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「予後観察画像」の区分先に決定される。
【0040】
また例えば、検査オーダにCAGの情報が含まれている場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「診断画像」の区分先に決定され、検査オーダにPCIの情報が含まれている場合には、その検査オーダにより収集され医用画像保管装置3に保管され、後に呼び出される画像データが「治療画像」の区分先に決定される。
【0041】
画像区分判定部4bは、情報取得部4aから供給された、医用画像診断装置2の検査オーダに含まれる画像識別情報および画像区分先を表す情報から、後に呼び出す画像データの区分先を決定する。つまり、医用画像診断装置2で2次的に生成される画像データの区分先は、情報管理装置1から供給される検査オーダに含まれる情報からでは判断することができないため、医用画像診断装置2から、2次的な画像データを識別する情報および画像区分先を表す情報を含んだ検査オーダが通知されることになっている。
【0042】
画像区分判定部4bは、検査オーダ、および決定した画像データの区分先を表す情報を画像観察画面作成部4cに供給する。
【0043】
画像観察画面作成部4cは、画像区分判定部4bから供給された検査オーダ、および画像データの区分先を表す情報に基づいて、医用画像保管装置3から呼び出す画像を、所定の表示領域に表示することができる画像観察画面を予め作成する画像観察画面作成手段として機能する。作成した画像観察画面のデータは、記憶部4dに出力され、そこに記憶される。この画像観察画面のデータには、決定された画像区分先に画像データを配置するための画像リンク情報が登録されている。
【0044】
また画像観察画面作成部4cは、画像区分判定部4bから供給された検査オーダ、および画像データの区分先を表す情報から、画像観察画面が既に作成され記憶部4dに記憶されていると判断した場合には、その内容を更新する。
【0045】
記憶部4dは、例えば、HDDからなり、画像観察画面作成部4cで作成された画像観察画面のデータを記憶する記憶手段として機能する。
【0046】
画像呼び出し部4eは、操作者により、患者IDや検査IDなどを表す情報が入力され、画像データの呼び出しが要求されると、医用画像保管装置3から対応する画像データを呼び出し、呼び出した画像データを、制御部4fに出力する。
【0047】
制御部4fは、呼び出し要求に含まれる患者IDまたは検査IDに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出し、読み出した画像観察画面のデータに登録されている画像リンク情報に基づいて、画像呼び出し部4eから出力された画像データを、予め決定してある所定の区分先(表示領域)に配置して表示装置に表示させる制御手段として機能する。
【0048】
例えば、制御部4fは、ひとつの画像区分をひとつのタブ(矩形など)で表し、複数の画像区分がある場合には、そのタブを重ね合わせたようなスタック表示となるように画面に配置する。
【0049】
図3は、画像観察画面Wの表示例を示す図である。
【0050】
図3に示す画像観察画面Wにおいて、「診断画像」の画像区分を表すタブT1、「治療画像」の画像区分を表すタブT2、「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3がスタック表示されており、図3の表示例では、「診断画像」の画像区分を表すタブT1がアクティブ表示となっている。これらのタブT1乃至T3は、表示させたいタブ上をクリックすることによって、切り替える(最上面に移動させる)ことが可能である。
【0051】
「診断画像」の画像区分を表すタブT1の表示領域には、X線画像、CT画像、および心電図など、診断目的で得られた各種の画像が表示される。
【0052】
「治療画像」の画像区分を表すタブT2の表示領域には、治療目的で得られた各種の画像が表示される。例えば、治療前の画像(診断で得られた画像から生成された2次的な画像)と治療後の画像が並べて表示される。
【0053】
「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3の表示領域には、予後観察目的で得られた各種の画像が表示される。例えば、治療終了時の画像(治療で得られた画像から生成された2次的または3次的な画像)と予後観察目的で得られた画像が並べて表示される。
【0054】
図3に示すような画像観察画面Wを表示させることにより、医師や技師は、業務内容に即した画像区分で画像を確認することができる。
【0055】
次に、図4のフローチャートを参照して、医用画像観察装置4が実行する画像区分処理について説明する。
【0056】
ステップS1において、情報取得部4aは、情報管理装置1または医用画像診断装置2から出力された情報を取得し、取得した情報を画像区分判定部4bに供給する。
【0057】
ステップS2において、画像区分判定部4bは、情報取得部4aから供給された情報が、情報管理装置1からの情報であるか否かを判定し、情報管理装置1からの情報であると判定した場合ステップS3に進む。
【0058】
ステップS3において、画像区分判定部4bは、情報管理装置1から供給された情報から、1回目の検査オーダであるか否かを判定し、すなわち、「診断」の目的であることを表す情報が検査オーダに含まれているか否かを判定し、1回目の検査オーダであると判定した場合、ステップS4に進む。
【0059】
ステップS4において、画像区分判定部4bは、検査オーダに基づいて医用画像診断装置2で収集され、医用画像保管装置3に保管される画像データを、「診断画像」の区分先に決定する。
【0060】
ステップS5において、画像観察画面作成部4cは、ステップS4の処理で決定された画像データの区分先を表す情報に基づいて、医用画像保管装置3から呼び出す画像を、所定の表示領域に表示することができる画像観察画面を新規に作成する。これにより、例えば、図5に示すように、「診断画像」の画像区分を表すタブT1のみが配置された画像観察画面Wが新規に作成される。なお、まだこの時点では、画像の呼び出しが行われていないため、タブT1には、画像が何も配置されていない。
【0061】
そして、画像観察画面作成部4cは、作成した画像観察画面のデータ、および、その画像観察画面上に画像を配置するための画像リンク情報を記憶部4dに記憶させる。
【0062】
一方、ステップS3において、画像区分判定部4bは、情報管理装置1から供給された情報から、2回目以降の検査オーダであると判定した場合、すなわち、過去に検査が行われたことを表す情報(例えば、前回の検査日時)または「治療」の目的であることを表す情報が検査オーダに含まれていると判定した場合、ステップS6に進む。
【0063】
ステップS6において、画像区分判定部4bは、検査オーダに含まれる過去の検査情報に基づいて、今回の検査オーダが、前回の検査オーダから所定期間内の検査オーダであるか否かを判定し、前回の検査オーダから所定期間内の検査オーダであると判定した場合、ステップS7に進む。
【0064】
ステップS7において、画像区分判定部4bは、検査オーダに基づいて医用画像診断装置2で収集され、医用画像保管装置3に保管される画像データを、「治療画像」の区分先に決定する。つまり、前回の検査オーダから所定期間内に発行された検査オーダは、「治療」が目的の検査オーダと判断される。
【0065】
ステップS8において、画像観察画面作成部4cは、検査オーダに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出し、ステップS7の処理で決定された画像データの区分先を表す情報に基づいて、その内容を更新する。
【0066】
これにより、例えば、図6に示すように、「診断画像」の画像区分を表すタブT1、および「治療画像」の画像区分を表すタブT2が配置された画像観察画面Wに更新される。なお、「診断画像」の画像区分を表すタブT1には、診断目的で得られた画像が配置されているものの、「治療画像」の画像区分を表すタブT2には、治療目的で得られた画像の呼び出しがまだ行われていないため、画像が何も配置されていない。
【0067】
そして、画像観察画面作成部4cは、更新した画像観察画面のデータおよび、その画像観察画面上に配置するための画像リンク情報を記憶部4dに記憶させる。
【0068】
一方、ステップS6において、画像区分判定部4bは、今回の検査オーダが、前回の検査オーダから所定期間を経過している検査オーダであると判定した場合、ステップS9に進む。
【0069】
ステップS9において、画像区分判定部4bは、検査オーダに基づいて医用画像診断装置2で収集され、医用画像保管装置3に保管される画像データを、「予後観察画像」の区分先に決定する。つまり、前回の検査オーダから所定期間が経過して発行された検査オーダは、「予後観察」が目的の検査オーダと判断される。
【0070】
ステップS10において、画像観察画面作成部4cは、検査オーダに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出し、ステップS9の処理で決定された画像データの区分先を表す情報に基づいて、その内容を更新する。
【0071】
これにより、例えば、図7に示すように、「診断画像」の画像区分を表すタブT1、「治療画像」の画像区分を表すタブT2、および「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3が配置された画像観察画面Wに更新される。なお、「診断画像」の画像区分を表すタブT1および「治療画像」の画像区分を表すタブT2には、それぞれ診断目的で得られた画像や治療目的で得られた画像が配置されているものの、「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3には、予後観察目的で得られた画像の呼び出しがまだ行われていないため、画像が何も配置されていない。
【0072】
ステップS2において、画像区分判定部4bは、情報取得部4aから供給された情報が、医用画像診断装置2からの情報であると判定した場合、ステップS11に進み、医用画像診断装置2から供給された情報である、検査オーダに含まれる画像識別情報および画像区分先を表す情報から、画像データの区分先を決定する。
【0073】
例えば、医用画像診断装置2から、「治療画像」の画像区分先を表す情報が供給された場合、医用画像診断装置2で生成され、医用画像保管装置3に保管される2次的な画像データを、「治療画像」の区分先に決定する。
【0074】
また例えば、医用画像診断装置2から、「予後観察画像」の画像区分先を表す情報が供給された場合、医用画像診断装置2で生成され、医用画像保管装置3に保管される2次的な画像データを、「予後観察画像」の区分先に決定する。
【0075】
ステップS12において、画像観察画面作成部4cは、検査オーダに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出し、ステップS11の処理で決定された画像データの区分先を表す情報に基づいて、その内容を更新する。
【0076】
これにより、例えば、図6または図7に示したような画像観察画面Wに更新される。なお、「治療画像」の画像区分を表すタブT2や「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3が既に作成されており、既に配置された画像が存在する場合には、そこに画像を配置するための画像リンク情報が更新される。
【0077】
以上のように、情報管理装置1から供給される検査オーダに含まれる情報に基づいて、画像データの区分先を予め決定しておくことにより、医用画像診断装置2で収集され医用画像保管装置3で保管される画像データを呼び出す際に、「診断画像」、「治療画像」、または「予後観察画像」の画像区分に分けて表示させることができる。
【0078】
また医用画像診断装置2から供給される検査オーダに含まれる情報に基づいて、医用画像診断装置2で生成され医用画像保管装置3で保管される2次的な画像データを呼び出す際に、「診断画像」、「治療画像」、または「予後観察画像」の画像区分に分けて表示させることができる。
【0079】
従って、医師や技師は、業務内容に即した画像区分で画像を確認することができ、所望の画像を容易に検索することが可能となる。また画像観察画面W上にタブT2またはタブT3がまだ作成されていない場合には、その患者の治療状況も容易に確認することができる。
【0080】
以上において、医用画像診断装置2は、画像区分先を表す情報、および生成した2次的な画像データを識別する情報を検査オーダに含ませて医用画像観察装置4に供給するようにしたが、これに限らず、画像区分先を表す情報、および生成した2次的な画像データを識別する情報のみを通知するようにしてもよい。
【0081】
次に、図8のフローチャートを参照して、医用画像観察装置4が実行する画像呼び出し処理について説明する。
【0082】
ステップS21において、画像呼び出し部4eは、操作者によって画像データの呼び出しが要求されると、その要求に含まれる患者IDや検査IDなどに基づいて、医用画像保管装置3から対応する画像データを呼び出す。
【0083】
ステップS22において、制御部4fは、画像データの呼び出し要求に含まれる患者IDや検査IDなどに基づいて、記憶部4dから対応する画像観察画面のデータを読み出す。
【0084】
ステップS23において、制御部4fは、ステップS21の処理で画像呼び出し部4eによって呼び出された画像データを、ステップS22の処理で読み出した画像観察画面のデータに含まれる画像リンク情報に基づいて、画像観察面上の所定の画像区分先に配置して表示装置に表示させる。
【0085】
これにより、例えば、図3、図6または図7に示したように、「診断画像」の画像区分を表すタブT1、「治療画像」の画像区分を表すタブT2、および「予後観察画像」の画像区分を表すタブT3を有する画像観察画面Wが表示装置に表示される。
【0086】
以上のように、患者、検査、シリーズ、および画像の画一的な従来の区分方法から、それぞれの患者の診断状況に即した情報を加味することで、複数存在する画像を、「診断画像」、「治療画像」、および「予後観察画像」のように診断過程に応じた区分方法で表示することが可能となる。従って、医師や技師は、業務内容に即した画像区分で画像を確認することができ、読影および診断の効率化を図ることができる。
【0087】
この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化したり、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせたりすることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0088】
1 情報管理装置
2 医用画像診断装置
3 医用画像保管装置
4 医用画像観察装置
4a 情報取得部
4b 画像区分判定部
4c 画像観察画面作成部
4d 記憶部
4e 画像呼び出し部
4f 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報管理装置から検査オーダを取得する情報取得手段と、
医用画像診断装置により収集される画像データを呼び出す画像呼び出し手段と、
前記情報取得手段で取得された前記検査オーダに基づいて、前記画像データの区分先を判定する画像区分判定手段と、
前記画像区分判定手段による判定結果に応じた画像観察画面を作成する画像観察画面作成手段と、
前記画像観察画面作成手段により作成された前記画像観察画面を表示手段に表示させる制御手段と
を備えることを特徴とする医用画像観察装置。
【請求項2】
前記画像観察画面のデータを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記画像観察画面のデータを読み出し、前記画像呼び出し手段により呼び出された前記画像データを、所定の区分先に配置して表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像観察装置。
【請求項3】
前記画像区分判定手段は、前記検査オーダに含まれる過去画像の有無、検査日時、診断目的であることを表す情報、および治療目的であることを表す情報の少なくともいずれか1つの情報に基づいて、前記画像データの区分先を判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用画像観察装置。
【請求項4】
前記画像データの区分先は、診断画像、治療画像、および予後観察画像である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の医用画像観察装置。
【請求項5】
情報管理装置から検査オーダを取得する情報取得ステップと、
医用画像診断装置により収集される画像データを呼び出す画像呼び出しステップと、
前記情報取得ステップで取得された前記検査オーダに基づいて、前記画像データの区分先を判定する画像区分判定ステップと、
前記画像区分判定ステップによる判定結果に応じた画像観察画面を作成する画像観察画面作成ステップと、
前記画像観察画面作成ステップで作成された前記画像観察画面を表示手段に表示させる制御ステップと
を医用画像観察装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−70370(P2011−70370A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220488(P2009−220488)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】