説明

医療情報管理システム、医療情報管理方法、および医療情報管理プログラム

【課題】重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せする。
【解決手段】情報処理装置100が、名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、記憶部の医療情報データベース350にて患者を跨って検索する処理と、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、テーブル336における前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理システム、医療情報管理方法、および医療情報管理プログラムに関するものであり、具体的には、重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関における治験/臨床研究/がん登録等の業務では、院内情報システムから対象患者を検索するための統合データベースが必要になる。しかしながら、異なる医療機関など複数のシステムから情報を抽出するため、同一患者が複数ヒットして正確な検索結果を算出することが困難であることが多い。このような課題は、例えば金融機関での口座管理や公的機関での年金記録などの情報管理の際にも生じ、通常、これらの個人データ間の同一性を見出すための処理、いわゆる「名寄せ」では、名前、生年月日、性別、住所等でデータを突合せしている。
【0003】
このような従来技術としては、例えば、漢字で記述された姓名をアルファベットに変換し、そのアルファベットを用いて同字異音および発音類似性の観点で類似姓名候補を自動生成するといった技術(特許文献1参照)が提案されている。
【0004】
また、所定のサービスを提供する事業者の顧客対応システムにおいて、特定の顧客に関連する契約情報をまとめて参照できるようにする名寄せシステム(特許文献2参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−289052号公報
【特許文献2】特開2009−151563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の辞書等を使った完全一致方式の名寄せ技術では、名寄せ精度に限界がある。特に、医師による診断時にカルテ記入も並行されるといった状況において、誤入力や入力不足が発生しやすい医療データについて、従来手法では効率的名寄せが不可能に近い。
【0007】
そこで、本発明の目的は、重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の医療情報管理システムは、医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶する記憶部と、名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理とを実行する演算部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の医療情報管理方法は、記憶部にて、医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶した情報処理装置が、名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理と、を実行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の医療情報管理プログラムは、記憶部にて、医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶した情報処理装置に、名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の医療情報管理システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態のWebサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図3】本実施形態のDBサーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】本実施形態の医療情報データベースの例を示す図である。
【図5】本実施形態のクレンジング項目マスタテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図6】本実施形態のクレンジング項目テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図7】本実施形態の名寄せパターンマスタテーブルのデータ構造例を示す図である。
【図8】本実施形態の名寄せ管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図9】本実施形態のマッチング処理のスコアリング表の例を示す図である。
【図10】本実施形態における医療情報管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。
【図11】本実施形態における医療情報管理方法の処理手順例2を示すフロー図である。
【図12】本実施形態における医療情報管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。
【図13】本実施形態の出力画面例1を示す図である。
【図14】本実施形態の出力画面例2を示す図である。
【図15】本実施形態のスコアの計算例1を示す図である。
【図16】本実施形態のスコアの計算例2を示す図である。
【図17】本実施形態のスコアの計算例3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の医療情報管理システム100を含むネットワーク構成例を示す図である。図1に示す医療情報管理システム100(以下、システム100)は、重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せするコンピュータである。システム100としては、例えば、Webサーバ10およびDBサーバ11というサーバ群を想定できる。勿論、単体のコンピュータがシステム100をなすとしてもよい。またネットワーク13には、システム100の他、ユーザ端末12が接続されている。このユーザ端末12は、システム100を利用するユーザが使用する情報処理端末となり、一般的なコンピュータとして備える機能、ハードウェア構成を具備している。これらネットワーク構成を、本実施形態では名寄せシステム1としている。
【0014】
次に、システム100を構成するWebサーバ10について説明する。図2は、Webサーバ10のハードウェア構成の例を示す図である。このWebサーバ10は、コンピュータ装置として当然備えるべきハードウェア構成として、ハードディスクドライブなど不揮発性の記憶装置で構成される記憶部201、この記憶部201に格納されたプログラム210をメモリ205に読み出すなどして実行する演算部200、ユーザからの指定を受け付けるマウス、キーボード等である入力部202、処理結果を表示させるディスプレイ装置などの出力部203、および、ネットワークと接続した他端末と通信を行う通信部204を備えている。また、前記記憶部201には、プログラム210の他に、認証情報データベース211が格納されている。前記プログラム210は、ユーザ認証機能を実装するプログラムであり、認証情報データベース211に格納されているユーザ認証用の情報(例:ID、パスワードのセット)と、ユーザ端末12から得た認証情報とを照合して本人認証を行うプログラムとなる。
【0015】
他方、Webサーバ10と共にシステム100を構成するのがDBサーバ11となる。図3は、DBサーバ11のハードウェア構成の例を示す図である。DBサーバ11は、コンピュータとして当然備えるべきハードウェア構成として、ハードディスクドライブなど不揮発性の記憶装置で構成される記憶部301、この記憶部301に格納されたプログラム310をメモリ305に読み出すなどして実行する演算部300、ユーザからの指定を受け付けるマウス、キーボード等である入力部302、処理結果を表示させるディスプレイ装置などの出力部303、および、ネットワークと接続した他端末と通信を行う通信部304などを備えている。また、前記記憶部301には、プログラム310の他に、クレンジングデータベース322、名寄せデータベース335、医療情報データベース350(=医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベース)、スコアリング表360らが格納されている。また前記クレンジングデータベース322はクレンジング項目マスタテーブル323、クレンジング項目テーブル324を含み、前記名寄せデータベース335は、名寄せパターンマスタテーブル336(=医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブル)、名寄せ管理テーブル337を含んでいる。こうしたデータベースやテーブルのデータ構造等については後述する。
【0016】
続いて、DBサーバ11が備える前記プログラム310の構成と実現する機能について説明する。プログラム310は、クレンジングプログラム320と、名寄せプログラム330とを含んでいる。クレンジングプログラム320は、クレンジング機能321を実装するプログラムとなる。
【0017】
このクレンジング機能321は、クレンジング項目マスタテーブル323からクレンジング対象のテーブル、カラム、クレンジング区分、クレンジング後のデータの格納先テーブル、カラムの情報を取得し、医療情報データベース350の該当テーブルよりクレンジング対象データを抽出し、取得したクレンジング区分に該当するクレンジング方法をクレンジング項目テーブル324より取得し、そのクレンジング方法で対象データのクレンジング処理を実施し、クレンジング後のデータで格納先のテーブル、カラムを更新するものとなる。
【0018】
また、名寄せプログラム330は、名寄せ処理機能332を実装するプログラムとなる。名寄せ処理機能332は、ユーザ端末12から名寄せ判定対象の患者や名寄せ項目に関する属性の指定を受ける。例えば、図13,14に示す画面1800、1900で、“入院/外来”、“性別”、“期間”、病名や処方薬、検査結果などの“キーワード”の指定を受け付ける。ここで指定を受けた属性が、例えば名寄せ管理テーブル337での名寄せ完了区分がクレンジング済み、というものであれば、名寄せ処理機能332は、名寄せ管理テーブル337にある処理区分が“クレンジング済み”に対応する患者IDを取得し、該当患者の医療情報を医療情報データベース350より取得する。また、名寄せ処理機能332は、ここで取得した該当患者群の各医療情報について、各名寄せパターンで名寄せ処理を実行するものとなる。
【0019】
上記名寄せ処理に際して名寄せ処理機能332は、名寄せパターンマスタテーブル336より名寄せパターンの情報を取得し、名寄せ対象の患者属性(ユーザ端末からの指定を受けた属性であり、例えば、名寄せ完了区分が「クレンジング済み」など)と、前記取得した名寄せパターンの情報(名寄せ項目カラムID、名寄せ項目等)を用いて、医療情報データベース350における該当テーブル、カラムのデータを該当患者について検索する。
【0020】
また名寄せ処理機能332は、ここで検索できたデータ=該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合(例:後述の算定手法により得る算定値)を各患者間で算定する。この一致割合の値を、スコアリング表360に当てはめてランク分けすることで、比較スコア(“A”〜“E”など)を得るとしてもよい。
【0021】
名寄せ処理機能332は、前記の算定で得た一致割合(ないし比較スコア)を、前記名寄せパターンマスタテーブル336における前記項目に関して必要な情報一致度(例:図7の名寄せパターンマスタテーブル336での判定基準)と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理(例:図14で該当患者のレコードに下線)」を実行する。また、名寄せ処理機能332は、前記患者ペアを構成する各患者に関して、前記医療情報データベース350での該当患者の患者基本情報テーブルにて、「名寄せ相手」の値としてペア相手の患者IDを互いに設定するとしてもよい。
【0022】
また名寄せ処理機能332は、こうした処理の後、名寄せ管理テーブル337の該当患者IDでの名寄せ完了区分の値を“名寄せ実行済み”に対応した値とし、更新日付の値をシステム日付に更新する。
【0023】
なお、前記名寄せ処理機能332は、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報が、血液型、遺伝子情報、確定病名、および処方薬剤名情報の少なくともいずれかである時、これら医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記名寄せパターンマスタテーブル336における前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であると特定する。
【0024】
また、前記名寄せID作成機能334は、名寄せ判定対象の項目群について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定の項目群が示す各項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベース350にて患者を跨って検索する処理を実行するとしてもよい。
【0025】
この場合、名寄せ処理機能332は、前記検索で得た各患者の前記各項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記名寄せパターンマスタテーブル336における前記各項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記情報一致度が所定値以上(例えば、図7の名寄せパターンマスタテーブル336での判定基準で“A”)に規定されている項目に関して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回り、なおかつ前記項目群のその他の項目に関しても、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する。
【0026】
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態の前記DBサーバ11が記憶部301におけるデータベースやテーブル類の構造について説明する。なお、記憶部301は、DBサーバ11自身の備える、或いはネットワーク経由で利用可能なハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置を想定できる。
【0027】
図4は、医療情報データベース350のデータ構成を示す図である。医療情報データベース350は、患者IDを含み、患者の氏名、生年月日、性別、住所、血液型、遺伝子型、処方歴などの医療情報を格納したデータベースとなる。図4にて示すように、医療情報データベース350における患者基本情報テーブル(table001)は、カラムとして患者ID、生年月日、性別、氏名(漢字・フリガナ)、確定病傷名、確定病傷IDC10(=コード)、血液型、遺伝子型、名寄せ相手、を備えて、各カラムに値が格納されている。
【0028】
また、医療情報データベース350における連絡先情報テーブル(table002)は、図4に示すように、カラムとして患者IDや住所、電話番号などを備えて、各カラムに値が格納されている。患者IDはキー項目であり、前記患者基本情報テーブルでの患者IDと一意に結びつけることができる。また、図10で示すクレンジング処理にてクレンジングされた後の郵便番号や電話番号のデータを格納する属性も存在する。
【0029】
また、医療情報データベース350における処方情報テーブル(table003)は、図4に示すように、カラムとして患者IDや、薬品コード、薬品名、処方開始日、処方終了日などを備えて、各カラムに値が格納されている。上記同様、患者IDはキー項目であり、前記患者基本情報テーブルや連絡先情報テーブルらの患者IDと一意に結びつけることができる。通番は患者ID毎の連番であり、患者IDと通番がキー項目となって、1つの患者IDに対して複数の処方情報を持つことが可能である。
【0030】
図5は、クレンジング項目マスタテーブル323のデータ構成を示す図であり、図6は、クレンジング項目テーブル324を示す図である。クレンジング項目マスタテーブル323は、クレンジング項目搭載テーブルID、クレンジング項目カラムID、クレンジング区分、クレンジング完了搭載テーブルID、クレンジング完了カラムIDから構成される。クレンジング項目搭載テーブルIDは、医療情報データベース350(のコピー)が含む例えば患者基本情報、連絡先情報、処方情報といった各テーブルを示すIDとなる。また、クレンジング項目カラムIDは該当テーブルのうちの処理対象となる、“氏名漢字”、“氏名フリガナ”などといったカラムを示すIDとなる。また、クレンジング完了搭載テーブルIDは、クレンジング後のデータを格納する先=医療情報データベース350(のコピー)における該当テーブルを示すIDとなる。クレンジング完了カラムIDは、クレンジング後のデータを格納する先=医療情報データベース350(のコピー)における該当テーブルのカラムを示すIDとなる。
【0031】
したがって前記クレンジングプログラム320は、クレンジング項目搭載テーブルID、クレンジング項目カラムIDで特定されるクレンジング対象のテーブル、カラムに対し、クレンジング区分で特定されるクレンジングを実施し、クレンジング完了搭載テーブルID、クレンジング完了カラムIDで特定されるテーブル、カラムにクレンジング後のデータを格納することとなる。また、クレンジング項目テーブル324は、前記各クレンジング区分のクレンジング内容が定義されたテーブルとなる。
【0032】
図7は、名寄せパターンマスタテーブル336のデータ構成を示す図である。名寄せパターンマスタテーブル336は、名寄せパターンID、名寄せパターン名、名寄せ項目カラムID、名寄せ対象の項目、および判定基準の各データから構成される。名寄せ項目カラムIDは、名寄せ後のデータを格納する先=医療情報データベース350(のコピー)における該当テーブルとカラムを示すIDとなる。
【0033】
図8は、名寄せ管理テーブル337のデータ構成例を示す図である。名寄せ管理テーブル337は、連番、患者ID、名寄せ完了区分(0:名寄せ未実施、1:クレンジング済、2:マッチング済)、および更新日時の各データで構成され、各患者IDの名寄せ処理の進捗度を名寄せ完了区分で管理するテーブルとなる。
【0034】
図9は、マッチング処理のスコアリング表360の例を示す図である。このスコアリング表360は、医療情報データベース350で検索し取得した名寄せ項目のデータを患者間で比較して得た点数を照合する点数表であり、比較項目毎の点数に応じた“A”〜“E”の比較スコアが定義されている。ユーザ側でこのスコアリング表360の比較スコアを変更可とすることにより、マッチング対象データの項目=名寄せ項目に合わせてマッチングの精度をチューニングすることも可能である。
【0035】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における医療情報管理方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する医療情報管理方法に対応する各種動作は、例えば、前記システム100を構成するWebサーバ10およびDBサーバ11の各演算部がメモリに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0036】
図10は、本実施形態の医療情報管理方法の処理手順例1を示すフローチャートである。この場合、まず、ユーザ端末12から認証要求(s101)されたWebサーバ10で、ユーザ認証機能210により、前記認証要求に含まれたユーザID、パスワードを認証情報データベース211で照合して本人認証を行う(s102)。また、前記ユーザ認証機能210は、本人認証の結果をユーザ端末12に返す(s103)。
【0037】
一方、ユーザ端末12は、本人認証成功の通知を受けて、画面遷移要求をWebサーバ10に送る(s104)。Webサーバ10では、図13、14等で示した画面のデータ(予め保持)を記憶部より読み出して返す(s105)。他方、ユーザ端末12は前記画面データを受信して画面遷移させ、前記画面での名寄せ要求をユーザから受けてこれをWebサーバ10に返すことになる(s106)。この時、図14の画面例で示すように、“名寄せ”の項目について「有」のラジオボタンをユーザが選択することで、ユーザ端末12からWebサーバ10に名寄せ要求が送られることとなる。
【0038】
この時、Webサーバ10は、前記画面で受けた、“入院/外来”、“性別”、“期間”、病名や処方薬、検査結果などの“キーワード”、といった名寄せ対象の属性を含む名寄せ要求=名寄せメッセージをDBサーバ11に送る(s107)。DBサーバ11ではこの要求を受けて、まずはクレンジングプログラム320によるクレンジング処理を開始する(s108)。
【0039】
続いて、DBサーバ11の演算部300が名寄せプログラム330を実行することで、前記ステップs108でのクレンジング処理結果を得て(s109)、名寄せ処理を実行する(s110)。この名寄せ処理の結果は、名寄せプログラム330が、ユーザ端末12に送信する(s111)。ユーザ端末12に送信される名寄せ処理結果は、図14で示す画面例における、「検索結果」のエリアにあるように異なる患者番号を有しながら同一人物であることを、例えば、テキスト等に下線を引いて示したものとなる。こうした名寄せ処理結果の表示形態は、ハイライト表示など他の形態であっても勿論問題ない。以上が、名寄せ処理の概要となる。
【0040】
−−−処理手順例2−−−
次に、名寄せ処理の全体フローチャートについて図11を用いて説明する。この場合、DBサーバ11の演算部300は名寄せプログラム330を実行することで、まず名寄せ管理テーブル337をメモリ305に読込み、各患者IDの名寄せ完了区分のデータを検索する(s201)。ここで名寄せ管理テーブル337に登録されている全患者IDについて、名寄せ完了区分が“2”=名寄せ完了済みであった場合(s202:YES)、演算部300は処理を完了させて、ユーザ端末12に画面1900(=名寄せ画面とする)のデータを送り、処理を終える(s203)。
【0041】
一方、前記ステップs202にて、各患者IDの名寄せ完了区分が“2”=完了済みでない場合(s202:NO)、前記演算部300はクレンジングプログラム320を実行することで、クレンジング項目マスタテーブル323を参照し、当該テーブルの記載に従って、クレンジング対象カラムを含んだ医療情報データベース350の該当テーブルを読込む(s204)。例えば、クレンジング項目マスタテーブル323で定義されたクレンジング項目カラムIDが、“table001_column1”であり、医療情報データベース350での基本情報のテーブルIDが“table001”であり、この基本情報のテーブルにおける「氏名フリガナ」のカラムIDが“column1”であった場合、前記演算部300は、クレンジング対象カラム“column1”を含んだ医療情報データベース350の該当テーブル“table001”を読込むことになる。
【0042】
また、前記演算部300は、前記クレンジング項目マスタテーブル323が規定するクレンジング区分に該当する内容で、前記テーブルの該当カラムのデータについてクレンジング処理を実施する(s205)。クレンジング区分に該当する内容とは、図6に示したクレンジング項目テーブル324での各クレンジング区分のクレンジング内容に相当する。例えばクレンジングID“01”は、全角文字を半角文字に統一する処理を指している。 前記ステップs205のクレンジング処理を実施後、前記演算部300は、名寄せ管理テーブル337における、該当患者IDの名寄せ完了区分のデータを、クレンジング済みを示す“1”に更新する(s206)。
【0043】
続いて、前記演算部300は、上記処理手順例1の前記ステップs108で受けた、“入院/外来”、“性別”、“期間”、病名や処方薬、検査結果などの“キーワード”、といった名寄せ対象の属性を含む名寄せ要求に応じて、名寄せ管理テーブル337で名寄せ完了区分が“クレンジング済み”を指す患者IDを取得し、該当患者IDに関して医療情報データベース350にて前記名寄せ要求が示す属性の項目=カラムに関してデータを取得する(s207)。また前記演算部300は、名寄せパターンマスタテーブル336にて定義された各名寄せパターンIDの内容に従って名寄せ処理を実施する(s208)。
【0044】
前記ステップs208の結果、ある患者Aについて、名寄せ処理で他の患者Bとマッチングした場合(s209:YES)、演算部300は、他の患者Bの患者IDを取得し、この患者IDを、医療情報データベース350の患者基本情報のテーブルにおける、前記患者Aの「名寄せ相手」カラムに設定する(s210)。また、演算部300は、該当患者ペアに関して、名寄せ管理テーブル337にて名寄せ完了区分を「名寄せ処理済み」の値に更新する。
【0045】
他方、前記ステップs208の結果、ある患者Aについて、名寄せ処理で他のいずれの患者ともマッチングしなかった場合(s209:NO)、演算部300は、該当患者ペアに関して、名寄せ管理テーブル337にて名寄せ完了区分を「名寄せ処理済み」の値に更新し(s211)、処理を前記ステップs202に戻す。
【0046】
上記の各ステップの処理を実行した結果、名寄せ管理テーブル337に登録されている全患者IDについて、名寄せ完了区分が“2”=名寄せ完了済みとなった場合(s202:YES)、演算部300はユーザ端末12に対して、名寄せされた患者ペアを示す情報を含んだ画面1900(=名寄せ画面とする)のデータを送信し、処理を終える(s203)。
【0047】
−−−処理手順例3−−−
図12は本実施形態における医療情報管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。続いて、上記処理手順例2におけるステップs208(名寄せ処理)での、比較スコア算定の処理について説明する。当該処理に際して演算部300は、名寄せ対象の患者属性と、名寄せパターンの情報(名寄せパターンマスタテーブル336での名寄せ項目カラムID、名寄せ項目等)を用いて、医療情報データベース350における該当テーブル、カラムのデータ=医療情報を該当患者について予め得ているとする。
【0048】
この場合、前記演算部300は、ある患者ペアについて予め得ている、氏名漢字、氏名フリガナ、遺伝子多型情報といった医療情報を記述している文字ないし数値について、両患者分の文字ないし数値の数をカウントし全文字数を得る(s301)。また、演算部300は、前記ペアの患者間で、前記医療情報の記述文字ないし記述数字のうち一致する数を一致文字数としてカウントする(s302)。演算部300は、前記ステップs301で得た全文字数で、前記ステップs302で得た一致文字数を除算し、100を乗算して情報一致度すなわち比較スコアを算定する(s303)。
【0049】
図15に示す算定例では、例えば、医療情報のうち“氏名漢字”のデータとして、「AB太郎」と「AB二郎」が、ある患者ペア(=同一人物かもしれない)について得られていた状況を示している。この場合、「AB太郎」と「AB二郎」の文字総数は、4+4で8文字となる。また、互いに一致する文字は、「AB太郎」と「AB二郎」のうち、それぞれ「A」、「B」、「郎」の3文字で、一致文字数は6文字となる。よって、情報一致度すなわち比較スコアは、“6/(4+4)”に100を乗じて、「75」と算定できる。同様に、氏名フリガナについても、「エイビイタロウ」と「エイビイジロウ」の文字総数は、7+7で14文字となる。また、互いに一致する文字は、「エイビイタロウ」と「エイビイジロウ」のうち、それぞれ「エ」、「イ」、「ビ」、「イ」、「ロ」、「ウ」の5文字で、一致文字数は10文字となる。よって、情報一致度すなわち比較スコアは、“10/(7+7)”に100を乗じて、「71」と算定できる。
【0050】
なお、一致度すなわち比較スコアを算定する医療情報が、遺伝子多型情報の場合も同様となる。図16に示す例では、上段の遺伝子多型情報はある患者(健常者)の塩基配列を示している。三つの塩基が一つのアミノ酸を構成し、ATG(アデニン―チミン―グアニン)の塩基の組み合わせはアミノ酸のメチオニン(M)を示す。下段の遺伝子多型情報は、アルツハイマー病症例の患者のものである。この遺伝子多型情報では、健常者における同じ部位(ATG)での塩基配列がNTGとなっている。NはA(アデニン)とT(チミン)を同時に認識している部分で、ATGのメチオニン(M)とTTGのロイシン(L)という二つのアミノ酸の存在を示しており、遺伝子の変異があることが分かる。
【0051】
こうした場合、「AGTGCCCTCATGGCCCTGG」と「AGTGCCCTCNTGGCCCTGG」の文字総数は、19+19で38文字となる。また、互いに一致する文字は、「A」、「N」を除いた18文字で、一致文字数は36文字となる。よって、情報一致度すなわち比較スコアは、“36/(19+19)”に100を乗じて、「95と算定できる。
【0052】
また、一致度すなわち比較スコアを算定する医療情報が、確定病名、処方薬剤名の場合も同様となる。確定病名、処方薬剤名の場合、通常、医療情報データベース350にはコード値で格納されることが多い。そこで図17に示す例では、こうしたコード値について、比較スコア算定を行っている。このコード値は、左端から右端へカテゴリが狭まるよう値が配置される。従って、患者間でコード値の一致をみる際には、この性質を利用して左端から一致した各箇所に対応した比較スコアを計算するものとする。例としては、左端1桁のみ一致した場合、比較スコアは“50”、左端から3桁まで一致した場合、比較スコアは“90”、全桁一致した場合、比較スコアは“100”とする。
【0053】
例えば、ある患者の医療情報たる確定病名として、「口唇の悪性新生物,外側上唇」のコード値“C00.0”、他の患者の医療情報たる確定病名として、「口唇の悪性新生物,外側下唇」のコード値“C00.1”が得られている場合、コード値“C00.0”と“C00.1”とで、一致するのは左端から3桁目までであるから、一致度すなわち比較スコアを90と算定する。
【0054】
同様に、ある患者の医療情報たる処方薬剤名として、「解熱鎮痛消炎剤」のコード値“14”、他の患者の医療情報たる処方薬剤名として、「サリチル酸系製剤;アスピリン等」のコード値“1143”が得られている場合、コード値“114”と“1143”とで、一致するのは左端から3桁目までであるから、一致度すなわち比較スコアを90と算定する。
【0055】
前記演算部300は、こうして算定した比較スコアを、前記スコアリング表360に当てはめてランク分けすることで、変換した比較スコア(“A”〜“E”など)を得るとしてもよい(s304)。演算部300は、前記の算定で得た各比較スコアを、名寄せパターンマスタテーブル336での判定基準の該当項目の各値と比較して、全て判定基準を上回る場合(s305:OK)、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する(s306)。演算部300は、ここで同一人物と特定した前記患者ペアを構成する各患者に関して、前記医療情報データベース350での該当患者の患者基本情報テーブルにて、「名寄せ相手」の値としてペア相手の患者IDを互いに設定するとしてもよい。他方、前記ステップs305で比較スコアが該当判定基準を下回った場合(s305:NG)、該当患者ペアは同一人物ではないとして、次なるペアの処理に遷移する(s301)。
【0056】
なお、図7の名寄せパターンマスタテーブル336での判定基準例に示すように、ある判定パターンについて、名寄せ判定対象の項目が複数あり、項目間で判定基準が異なる場合、判定基準が所定値以上(例えば、図7の名寄せパターンマスタテーブル336での判定基準で“A”)に規定されている項目に関して、前記算定した比較スコアが前記判定基準たる“A”を全て上回ることを必須とするとしてもよい。この場合、演算部300は、判定基準が“A”である項目について該当比較スコアすべてが判定基準を満たしており、なおかつ他の項目に関しても、前記比較スコアが判定基準を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であると判定する。
【0057】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0058】
こうした本実施形態によれば、重複登録された医療データを効率的かつ確実に患者毎に名寄せすることが可能となる。
【0059】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、医療情報管理システムをなす情報処理装置において、演算部が、前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報が、血液型、遺伝子情報、確定病名、および処方薬剤名情報の少なくともいずれかである時、これら医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理を実行する、としてもよい。
【0060】
また、前記演算部が、名寄せ判定対象の項目群について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定の項目群が示す各項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、前記検索で得た各患者の前記各項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記各項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記情報一致度が所定値以上に規定されている項目に関して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回り、なおかつ前記項目群のその他の項目に関しても、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理とを実行する、としてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 Webサーバ
11 DBサーバ
12 ユーザ端末
13 ネットワーク
14 施設内LAN
100 医療情報管理システム
200、300 演算部
201、301 記憶部
202、302 入力部
203、303 出力部
204、304 通信部
205、305 メモリ
210 ユーザ認証機能
211 認証情報データベース
310 認証プログラム
320 クレンジングプログラム
321 クレンジング機能
322 クレンジングデータベース
323 クレンジング項目マスタテーブル
324 クレンジング項目テーブル
330 名寄せプログラム
332 名寄せ処理機能
335 名寄せデータベース
336 名寄せパターンマスタテーブル
337 名寄せ管理テーブル
350 医療情報データベース
360 スコアリング表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶する記憶部と、
名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、
前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理とを実行する演算部と、
を備えることを特徴とする医療情報管理システム。
【請求項2】
前記演算部が、
前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報が、血液型、遺伝子情報、確定病名、および処方薬剤名情報の少なくともいずれかである時、これら医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理を実行するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の医療情報管理システム。
【請求項3】
前記演算部が、
名寄せ判定対象の項目群について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定の項目群が示す各項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、
前記検索で得た各患者の前記各項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記各項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記情報一致度が所定値以上に規定されている項目に関して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回り、なおかつ前記項目群のその他の項目に関しても、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理とを実行するものである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療情報管理システム。
【請求項4】
記憶部にて、医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶した情報処理装置が、
名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、
前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理と、
を実行することを特徴とする医療情報管理方法。
【請求項5】
記憶部にて、医療機関での受診者に関する医療情報が格納されたデータベースと、医療情報中での名寄せ判定対象の項目と該当項目に関して必要な情報一致度とを対応付けたテーブルと、を記憶した情報処理装置に、
名寄せ判定対象の項目について入力部にてユーザ指定を受け付けて、前記ユーザ指定が示す項目の医療情報を、前記記憶部の医療情報データベースにて患者を跨って検索する処理と、
前記検索で得た各患者の前記項目に関する医療情報について、該当医療情報を記述している文字ないし数値の一致割合を各患者間で算定し、この算定で得た一致割合を、前記テーブルにおける前記項目に関して必要な情報一致度と比較して、前記算定で得た一致割合が前記情報一致度を上回る場合に、該当患者ペアは同一人物であるとして該当患者の医療情報を対応付けて出力部に出力する処理と、
を実行させることを特徴とする医療情報管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−257854(P2011−257854A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130095(P2010−130095)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】