説明

医療用器具及びその製造方法

本発明は、減量、肥満症、及び例えばII型糖尿病のような潜在的な他の関連する健康上の問題の治療に用いられるデバイス116を含む医療用器具100に関するものである。デバイスは、胃腸管内の栄養物の吸収を阻害するために用いられ、即ち胃腸管の一部を迂回する。医療用器具は、可視化された下での経食道法のような最小侵襲性技法を使ってデバイスの移植を可能にする。デバイスは内視鏡のような医療用観察器械の作業チャネルを経由して又は医療用観察器械との組合せで移植され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2007年4月13日に出願された同時係属出願No.11/735372の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、肥満症及び例えばII型糖尿病のような潜在的な他の関連する健康上の問題の治療に用いられるデバイスを含む医療用器具に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在、肥満症及び関連する健康上の問題は米国及び他の先進工業国で増加中である。例えば、国立健康統計センターからの最新のデータは、米国の20歳以上の成人の30%つまり6千万人以上が肥満していることを示している。残念なことに、肥満症の増加率は成人に限定されることはなく、太り過ぎの若者の比率は1980年の3倍を超えている。例えば、6〜19歳の子供と少年少女の中の16%(900万人の若者)が太り過ぎと認められる。
【0004】
肥満症は、例えば、高血圧症、脂質異常症(例えば、高全コレステロール又は高レベルトリグリセライド)、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、冠状動脈性心臓病、脳梗塞、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸及び呼吸困難症、癌(例えば、子宮内膜癌及び乳癌)、及びその他不健康な作用を含む多くの健康問題の原因となる。例えば、ビー・エス・カンダース(Kanders, B.S.)他による、肥満症の治療におけるオプティファスト・プログラムに関連する減量の結果及び健康上の利益、肥満国際誌(Int J Obes)1989、13、頁131〜134を参照されたい。
【0005】
現在、肥満症を治療するための多くのデバイス及び方法があり、前記方法は、胆膵消化回避術(biliopancreatic diversion)、シラスティック・リング胃形成術(silastic ring gastroplasty)、空腸回腸バイパス、胃バイパス、ルーワイ胃バイパス(Roux-en-Y gastric bypass)、胃形成術、胃緊縛法、垂直遮断胃形成術(vertical banded gastroplasty)、及び段階的形成術のような外科手術を含んでいる。残念なことに、これらの形成術は、臓器の不全及び死さえのような侵襲的で複雑な形成術に結びついた深刻な合併症の可能性を含む多くの欠点を有している。
【0006】
他のそれほど深刻ではない合併症はダンピング症候群を含み得る。ダンピング症候群は、胃の内容物があまりにも急速に小さな腸の中に移るときに発生する。部分的に消化された食物は、小さな腸の中に過剰な流体を引き下ろして、吐き気、筋痙攣、下痢、発汗、失神、及び/又は動悸を引き起こす。ダンピング症候群は、通常、胃の一部を変更又は除去する外科手術を受けた人々による過剰な単糖又は精糖の消費の後に起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、関連技術に対する明確な利点を提供するデバイスを送出する医療用器具に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一部の実施形態による医療用器具の利点は、肥満症の治療及び潜在的な他の関連する健康上の問題の治療のためのデバイスであって、侵襲性がより低くまた伝統的な手術方法の合併症を最小限に抑え得るデバイスを提供することである。
【0009】
本発明の一部の実施形態による医療用器具の他の利点は、例えば内視鏡のような医療用観察器械を用いるデバイスの送出を可能にするその利点である。
【0010】
本発明の一部の実施形態による医療用器具のさらに他の利点は、曲がりくねった組織の全域にスリーブを完全に展開することを可能にするその能力である。
【0011】
本発明の一部の実施形態による医療用器具のさらに他の利点は、アンカーの配置位置を越えて延びることのない位置からスリーブの展開を可能にするその能力である。つまり、本器具は、スリーブの最も遠位の最終位置に近接する位置からスリーブの展開を可能にする。
【0012】
本発明の更なる特徴及び利点は、本説明で述べられるか又は本発明の実施によって確認され得る。本発明のこれらの特徴及び他の利点は、本明細書の説明及び請求項及び添付図面に特に示された構造によって実現されて獲得されるだろう。
【0013】
これらの及び他の利点を得るために及び本発明の目的に従って、具体化されて広く説明されたものとして、本発明の特定の実施形態による医療用器具は、送出管の近位端から遠位端まで延びる少なくとも一つの管腔を有する送出管とスリーブとを含んでいる。スリーブは、ほぼ完全に反転されて複数の管腔の一つの少なくとも一部の中に収容される。スリーブは、送出管の少なくとも一部分に取付けられたアンカー構成要素を有する。送出管は、それが医療用観察器械の作業チャネル内に挿入可能であるように大きさを決められる。シースが、送出管の少なくとも一部分の上に配置されてよい。
【0014】
他の様相では、本発明の特定の実施形態による医療用器具はフルオロポリマーからなるスリーブを含む。アンカー構成要素が、前記スリーブの少なくとも一部分に取付けられる。スリーブがほぼ完全に反転されて送出管の少なくとも一つの管腔内に収容される。勿論、送出管は、それが内視鏡の作業チャネル内に挿入可能であるように形成され得る。シースが、送出管の少なくとも一部分の上に配置されてよい。
【0015】
更に別の様相では、本発明の特定の実施形態による医療用器具は、少なくとも一つの管腔を有する送出管と、スリーブと、前記スリーブの少なくとも一部分に取付けられたアンカー構成要素とを含む。アンカー構成要素は送出管の遠位部に配置される。アンカー構成要素の少なくとも一部分がシースで覆われる。シースの少なくとも一部分の上にキャップが配置される。キャップは送出管の遠位端と該キャップの内側表面との間に空間を形成し、スリーブが空間の少なくとも一部に配置されるようになっている。やはり、送出管は、それが内視鏡の作業チャネル内に挿入可能であるように大きさを決められてよい。
【0016】
前述の概要と次の詳細な説明の両方が、例示的で説明的であって、請求された本発明のさらなる説明を提供することを意図されていることが理解されるべきである。
【0017】
添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、この明細書の一部に組み入れられてそれを構成し、本発明の実施形態を図解し、及び明細書とともに本発明の原理の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本発明の実施形態による医療用器具の断面図である。
【図1B】図1Aに示される器具の切断線I−I’に沿う横断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態による医療用器具の断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態による医療用器具の断面図である。
【図4A】本発明の他の実施形態による医療用器具の断面図である。
【図4B】図4Aの切断線IV−IV’に沿う横断面図である。
【図5A】本発明の他の実施形態による医療用器具の断面図である。
【図5B】図5Aの切断線V−V’に沿う横断面図である。
【図6A】本発明の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6B】図6Aの断面図である。
【図6C】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6D】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6E】図6Dに示されるアンカー構成要素の一部分の拡大断面図である。
【図6F】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6G】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6H】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6I】本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示す図である。
【図6J】図6Iに示されるアンカー構成要素の一部分の拡大断面図である。
【図6K】図6Iに示されるアンカー構成要素の一部分の拡大断面図である。
【図6L】本発明の他の実施形態による能動的及び受動的アンカー要素を示す図である。
【図7A】本発明の他の実施形態による医療用デバイスを示す図である。
【図7B】送出カテーテルにおける中心可視化マーカーを示す図である。
【図8】本発明の実施形態による展開フローチャートを示す図である。
【図9A】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9B】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9C】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9D】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9E】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9F】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図9G】本発明の実施形態による展開手順を示す図である。
【図10A】本発明の実施形態によるアンカー構成要素配置を示す図である。
【図10B】本発明の実施形態によるアンカー構成要素配置を示す図である。
【図10C】本発明の実施形態によるアンカー構成要素配置を示す図である。
【図10D】本発明の実施形態によるアンカー構成要素配置を示す図である。
【図11A】スリーブの遠位端部に取外し可能に取り付けられたスリーブ拘束セグメントを示す図である。
【図11B】スリーブの遠位端部に取外し可能に取り付けられたスリーブ拘束セグメントを示す図である。
【図11C】スリーブの遠位端部に取外し可能に取り付けられたスリーブ拘束セグメントを示す図である。
【図12A】曲折カップを有するアンカー構成要素を示すとともに、アンカー構成要素によって示される様々な形状も示す図である。
【図12B】曲折カップを有するアンカー構成要素を示すとともに、アンカー構成要素によって示される様々な形状も示す図である。
【図12C】曲折カップを有するアンカー構成要素を示すとともに、アンカー構成要素によって示される様々な形状も示す図である。
【図12D】曲折カップを有するアンカー構成要素を示すとともに、アンカー構成要素によって示される様々な形状も示す図である。
【図13A】別個のアンカー構成要素、及び共に取り付けられる別個の延長スリーブを示す図である。
【図13B】別個のアンカー構成要素、及び共に取り付けられた別個の延長スリーブを示す図である。
【図14】遠位ガイドワイヤ内腔及びガイドワイヤ出口ポートを有する送出カテーテルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、肥満症、減量、糖尿病、及び/又は肥満に結びついた他の健康上の問題を治療するためのデバイスを含む新規な医療用器具に関するものである。前記デバイスは、胃腸管内の栄養物の吸収を妨げる、即ち胃腸管の部分から栄養物を実質的に隔離するために用いられる。医療用器具は、可視化された経食道法のような最小侵襲技法を使ってデバイスの移植を可能にする。一例として、前記デバイスは、内視鏡のような医療用観察器械の作業チャネルを経由して、又は医療用観察器械との組合わせで移植され得る。例えば腹腔鏡外科手術法だけのような又は経食道技法との組合せのような、本技術分野で知られている移植の他の技法が本器具と共に用いられてもよい。
【0020】
一実施形態では、医療用器具は、デバイスと、前記デバイスの少なくとも一部を保持するように形成された送出管とを含んでいる。前記デバイスは、スリーブと、前記スリーブの少なくとも一部に取り付けられたアンカー構成要素とを含んでいる。アンカー構成要素は任意選択的であって、スリーブが他の取付機構を介して患者に取り付けられてよい。例えば、スリーブは、本技術分野で知られた様々な取付機構、例えば縫合、ステープル、接着剤、アンカー、フック、又はそれらの組合せ、及びその他同様のものによって患者の組織に直接的に取り付けられ得る。
【0021】
送出管は、アンカー構成要素及びスリーブを保持して送出するために用いられる。例えば、送出管は、アンカー構成要素を展開する部位にアンカー構成要素とスリーブとを供給することができる。送出管は、送出管の部分を貫通して延びる少なくとも一つの管腔を含んでいる。管腔は、送出管の全長を通して延びてよい。一実施形態では、送出管の外径は、約16mmから3mm以下の範囲、より好適にはそれは約7mmから5mmの範囲にある。
【0022】
複数の管腔の少なくとも一つが、スリーブの一部を保持するために用いられる。例えば、スリーブの一部は管腔の一部の内側に反転される。反転されるとは、少なくとも部分的に裏返しになること、即ち外側表面の少なくとも一部が内側表面になることとして定義される。送出管は、該送出管の端に配置されたコネクタを含むこともあり、前記コネクタは、スリーブの裏返しの工程で利用され得る例えば注射器又は他のデバイスのような医療用圧力源に対する着脱可能な接続を可能にするように形成されている。コネクタは、前記管腔と流体連通するように形成され得る。
【0023】
送出管は、該送出管の内側部分、又は外側部分、又は内側部分と外側部分との組合せに配置された複数の固定構成要素も含み得る。固定構成要素は、送出管の遠位部の近傍に好適に配置される。固定構成要素は、アンカー構成要素が送出管の軸線に沿って実質的に移動することを妨げるように形成されている。つまり、固定構成要素は、ストップとして用いられて、アンカー構成要素が前記ストップを長手方向、即ち送出管の近位端と遠位端との間の方向で通過する移動を実質的に妨げる、
【0024】
好適には、固定構成要素は、アンカー構成要素の該固定構成要素同士の間への配置を可能にするのに十分なほど遠く離間される。間隔は、約2cmから約10cm以上の範囲にあり得る。間隔及び固定構成要素の数量は、利用されるアンカー構成要素のタイプに依存する。固定構成要素は、送出管と同じ材料から構築され得る。好適には、固定構成要素は、熱可塑性樹脂を基盤にした材料又は他の適切な材料のような複合材料から構築される。加えて、これら固定構成要素は、遠位部の近傍において固定構成要素が送出管に一体になるヒュージングのような熱的工程により送出管に固定され得る。
【0025】
送出管は、該送出管を部分的に又は完全に通して延びる、異なる形状及びサイズの複数の管腔を含んでもよい。例えば、送出管は、該送出管の中を少なくとも部分的に延びる二本の管腔を含み得る。更に、送出管は、該送出管の中を少なくとも部分的に延びる円形の管腔と長円形の管腔を含み得る。一実施形態では、送出管は、略楕円形の管腔に近接して配置された略円形の管腔を含んでいる。
【0026】
送出管は、医療用観察器械の作業チャネルの内側に嵌装可能な最も外側の寸法を有するように大きさを決められている。作業チャネルは、医療用観察器械の内側の管腔であって、前記観察器械の近位端から遠位端に延びる管腔である。作業チャネルは、医療用観察器械の長さに沿う直線状でなくてよい。例えば、作業チャネルは、その長さを通して様々な角又は分岐を有してよく、また遠位端又は近位端で正確に終端されないこともある、つまりそれは、医療用観察器械の側面から分岐されるか又は斜めにされてよい。医療用観察器械は、内視鏡又は本技術分野で知られた他の適切な可視化器械であり得る。内視鏡の作業チャネルは、約10mm未満の範囲の内径を典型的に有している。好適な実施形態では、送出管の外径は約7mmから5mmの範囲にある。
【0027】
本発明の様々な実施形態による送出管を作り出すために複合構造を利用することができる。好適には、送出管は、良好なフープ強度を有する材料から及び/又はほぼ直径方向に調節可能ではない材料から構築される。送出管は、例えばフルオロポリマー材料及び同様のもののような熱可塑性プラスチック材料から構築され得る。例えば、前記材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ポリマー、パーフルオロアルコキシ(PFA)ポリマー、弗素化エチレンプロピレン(FEP)ポリマー、TFE‐PMVE共重合体、エチレンテトラフロオロエチレン(ETFE)ポリマー、エチレンクロロテトラフロオロエチレン(ECTFE)ポリマー、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)ポリマー、Pebax(登録商標)のようなポリエーテル・ブロック・アミドポリマー、及びそれらの組合せの少なくとも一つを含み得る。他の材料も送出管を構築するために用いられ、それらは例えばポリエステルエーテルケトン材料、ポリエーテルイミド(PEI)、テトラフロオロエチレンのポリマー、ヘキサフルオロプロピレン、及びビニリデンフルオライド、又はそれらの組合せである。送出管は、例えばPTFE、ePTFE、他のフルオロポリマー、ヒドロゲル、及び他の同等なもののような本技術分野で知られている材料又は被膜によって滑らかにされてもよい。
【0028】
加えて、送出管の製造に使用される材料のいくらかのものは、例えば送出管の押圧能力を可能にする縦剛性を高めるために補強される。したがって、送出管は、例えば繊維、ワイヤ、コイル、編組線、及び本技術分野で知られた同等のもののような材料で補強され得る。
【0029】
送出管は、アンカー構成要素の少なくとも一部及び/又は送出管のほぼ全体の外周を覆うシースを含んでもよい。好適には、前記シースは、固定構成要素の少なくとも一つの上に配置されたテーパー付き部分を有し、それにより送出管に外形を合わせる。シースは、本明細書で説明される送出管と同様の材料から構築され得る。好適には、シースは、Pebax(登録商標)のようなポリエーテル・ブロック・アミドから形成される。
【0030】
医療用観察器械と医療用器具とを取外し可能に結合するために、結合ユニットが医療用器具及び医療用観察器械と共に用いられてよい。一実施形態では、結合ユニットと医療用器具は横並び配置に構成され得る。結合ユニットは、医療用観察器械を医療用器具に取外し可能に結合するために、医療用観察器械の少なくとも一部分の上に配置された柔軟性及び/又は膨張性の材料から形成され得る。柔軟性及び/又は膨張性の材料は、例えば延伸ポリテトラフロオロエチレン(ePTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び同等のもののようなフルオロポリマーの如き熱可塑性プラスチック材料であり得る。勿論、結合ユニットを構築するために本技術分野で知られた他の材料も使用されてよい。
【0031】
結合ユニットの材料は、医療用観察器械及び医療用器具を受容するための少なくとも開放した領域を含むように形成され得る。例えば、結合ユニットは、医療用観察器械及び送出管を受容するための少なくとも二つの通路を有する靴下状の器具として形作られる。勿論、結合ユニットは、例えば工具等の追加の器具を受容するために多数の通路を含んでいてもよい。前記材料は、本技術分野で知られた複合材料、繊維、ワイヤ、コイル、編組線、及び同等のものによって補強されてもよい。
【0032】
スリーブは、例えば、胃の中に見出される消化前の食物、糜粥、胃腸内物質、胃液、及び同等のもののような摂取された物質を運ぶための導管である。スリーブは、摂取された物質及び/又は胆汁及び膵液のような消化液を胃腸管の少なくとも一部から少なくとも部分的に隔離することを可能にするようにデザインされている。例えば、スリーブは、胃腸管内の繊毛の少なくとも一部分からの糜粥の少なくとも部分的な隔離を可能にする。好適には、スリーブは、少なくとも部分的には圧縮可能な導管であり、前記圧縮可能な導管は、胃腸管の蠕動機構及び/又は他の輸送機構を実質的に妨げず、その結果摂取された物質の導管を通した輸送を可能にする。
【0033】
スリーブは、部分的に又は完全に反転されて送出管の管腔内に収容され得る。好適には、スリーブは、ほぼ完全に反転されて送出管の管腔の少なくとも一部の中に収容される。代わりに、スリーブは、送出管の一部分の上にほぼ完全に反転されてよい。反転されるとは、スリーブの少なくとも一部が裏返しにされることとして定義され、つまりスリーブの内側表面がスリーブの外側表面であるように反転されることである。
【0034】
スリーブは、医師が、例えばスリーブの方向及び位置等の適切な展開を決定することを可能にするために、又は代わりに所望の長さにスリーブを作ることを可能にするために標識を含み得る。標識が、非侵襲性可視化に役立つ放射線不透過性物質、又は本技術分野で知られた他の適切な可視化物質を含んでもよい。例えば、スリーブは、該スリーブの長さの少なくとも一部の中に取り入れられた放射線不透過物質の少なくとも一つの長手方向細片を有する。
【0035】
医師は、決定された必要性に応じて、肥満症及び/又は糖尿病の治療に適した長さにスリーブを作ることができる。例えば、スリーブは約2cmから1000cmの範囲の長さを有する。好適には、スリーブの長さは約50cmから200cmの範囲の長さである。
【0036】
スリーブは、例えば円形、長円形、楕円形、ひし形、正方形、及びそれらの組合せ等のいくつかの異なる幾何学的横断面形状を有するように設計され得る。加えて、スリーブはその長さに沿って細く、例えばテーパー付き形状を有してよい。例えば、スリーブのある場所における横断面はスリーブの他の場所における横断面より大であり得る。好適には、スリーブは円形横断面を有するように設計される。加えて、スリーブは、狭くされた又は拡大された横断面の局部的領域を含み得る。
【0037】
スリーブの外側寸法は、該スリーブが患者の内部胃腸管内に収まることを可能にするように好適に大きさを決められる。スリーブの外側寸法は、患者の胃腸管内で必要以上に大きく又は普通より小さくされてもよい、つまり最も外側の寸法、即ち外径は胃腸管の直径より大であるか又は小であってよい。好適には、円形断面を用いたときには、外径は約15mmから約50mmの範囲にあり、より好適には外径は約20mmから30mmの範囲にある。
【0038】
スリーブは、胃腸管の蠕動機構及び/又はスリーブの長さの下への他の輸送機構を可能にするような好適な大きさにされている。厚さは、蠕動機構又は他の機構による導管を通した摂取物質の輸送を可能にするように選択されている。好適には、スリーブの厚さは、約0.003mmから約2.6mmの範囲にあり、より好適にはそれは約0.02mmから約0.7mmの範囲にある。スリーブの厚さはスリーブの長さに沿って変化してもよく、例えばスリーブは、一端でより厚く反対側の端でより薄くてもよい。
【0039】
本技術分野で知られている複数の製造技法がスリーブを形成するために用いられ得る。例えば、これらの技法は、押し出しスリーブ又はそうでなければ成形スリーブの構成の形態を取ることができ、前記構成は、胃に存在する物質の小腸からの少なくとも部分的な隔離を可能にする機械的及び物理的特性を提供する。例えば、スリーブは、スリーブ内に取り込まれた物質の消化管環境からの少なくとも部分的な隔離を提供する。この隔離は、完全であるか不完全であり、及びスリーブが患者の中にある時間の経過と共に変化し、スリーブの長さに沿って変化し、及びそれらの組合せであり得る。好適には、隔離は、下にある小腸の一部の食物の吸収を少なくとも部分的に阻害するようにデザインされていて、そのことにより患者の減量を促進する。
【0040】
スリーブは、様々な分解性材料、高分子材料、合成物質又は天然物質、及びそれらの組合せを利用して全体的に又は部分的に構築されることが可能である。一部の実施形態では、スリーブは、可塑化システム及び/又はミクロ相不混和性システムのような混合物として混合された複合的構成要素から構成され得る。適切な反応性基が、成形スリーブ内に導入されたなら、熱硬化性又は化学的に架橋結合されたシステムとして一般に知られているものが、適切な硬化条件のもとで生成され得る。成形スリーブは、積層複合材又は繊維強化複合材の形で構成されることもあり得る。勿論、選択された構成物の、例えば分子量、ガラス転移温度、結晶化度、及び/又は架橋結合の程度のような特性は、スリーブの所望の特性に影響するだろう。スリーブは、例えばビタミン被覆物及び薬剤被覆物等のような様々な治療薬剤で被覆されることもある。ビタミン被覆物は、伝統的減量治療の患者に実施される治療上のビタミン治療を真似るか又は補うようにデザインされ得る。
【0041】
分解性材料は、ここで論じられるような生体吸収性材料及び生体消化性材料を含んでいる。生体消化性材料は、消化管において吸収できる状態への変換が可能か又は物質の通過を可能にするために少なくとも部分的な崩壊が可能な材料を含んでいる。生体吸収性材料は、次のモノマーの例、即ちグリコライド、d,l‐ラクチド、l‐ラクチド、d‐ラクチド、p‐ジオキサノン(1,4‐ジオキサン‐2‐オン)、トリメチレンカーボネイト(1,3‐ジオキサン‐2‐オン)、ε‐カプロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ‐バレロラクトン、1,4‐ジオキセパン‐2‐オン、及び1,5‐ジオキセパン‐2‐オンの一つ以上の変化する量から構成される生体吸収性のポリマー及びコポリマーを含んでいる。セグメント長さとして取り入れられるか又は人体から排泄され得るセグメント長さに分解され得るポリマーも、生体吸収性とみなされることが可能であり、前記ポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミノ酸、無水物、オルトエステル、ホスファジン、アミド、ウレタン、及びホスホエステルを含み得る。代替のコポリマーが、ブロックの、分割された、ランダムな、交互の、又は統計的ポリマーの構造特性を全体で又は部分で持ちうる。例えばどちらも人体内で酵素的に分解可能なエラスチン若しくはコラーゲンのような動物由来の生成物、又は化学的処理をとおして非吸収性にされた、例えばグルタルアルデヒドで架橋された牛の心膜のような動物由来の生成物は、スリーブ構造として又はスリーブ構造内で代わりに利用され得る。更なる可能性のあるスリーブの成分は、キトサン、アルギン酸塩、及び/又はヒアルロン酸のような自然物由来の又は自然物を改質した多糖類を含み得る。
【0042】
好適な実施形態では、スリーブは、ePTFEとFEPの複合材料から構築される。前記複合材料は、積層体の一方の側にFEP層を有し反対側にePTFEを有する。複合フィルムは次の特性、即ち、約0.002mmから約0.7mmの範囲の厚さであって、より好適には約0.02mmから約0.3mmの範囲の厚さを有する。約0.6MPaより大きいIPA泡立ち点、及び最も弱い方向における少なくとも約75MPaの引張強さを有する。より好適には、最も強い方向における約309MPaの引張強さも有する。好適な実施形態では、結果として得られたスリーブは、例えば糜粥、胆膵液、消化された食物、及び胃酸等のような胃腸部の流体に対して不透過性である。
【0043】
スリーブは、本技術分野で知られているように、連続またはバッチ工程で生産され得る。一実施形態では、複数のフィルム細片が、マンドレルの長さに沿う長手方向に配置され得る。複数の細片は、マンドレルの長さに沿って均等に離間されるか又は非均等に離間され、つまり細片は互いに部分的に重なるか又は重ならない。好適な実施形態では、細片は、FEPとePTFEとの複合フィルムであるが、本明細書に記載される他のスリーブ材料が利用されてよい。この実施形態では、フィルムのFEP側は、それが上を向くように又はマンドレルから離れるように配置され得る。
【0044】
長手方向に方向づけられたフィルムを有するマンドレルは、次に他の複合フィルムによって螺旋状に巻かれ得る。螺旋状に巻かれるフィルムは、先に用いられた複合フィルムと同一の材料であっても異なるタイプの材料であってもよい。FEPは、マンドレルの方へ下向きに方向付けられて、長手方向フィルムに接する。螺旋巻き機が、予め定められたピッチでフィルムをあてがうために用いられてよい。ピッチは、マンドレルの一回転あたりの前進量として規定される。長手方向及び螺旋巻き工程は一以上の回数繰り返され得る。
【0045】
フィルムを積層されたマンドレルは、次に例えば約250から400℃の範囲の温度、より好適には約300から340℃の範囲の温度に設定された空気対流炉のような炉の中に置かれ得る。それは、約15から60分の範囲の時間、より好適には約25から35分の範囲の時間炉内で加熱され得る。炉から出されたら、結果として得られたスリーブは室温まで冷やされる。代わりに、本技術分野で知られた他の適切な技法が、スリーブの製造に利用されてよい。
【0046】
次に、スリーブは、カップリング剤を使ってアンカー構成要素に取り付けられる。カップリング剤は、澱粉、シアノアクリレート、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、及び/又は例えばフルオロポリマー、ナイロン、パーフルオロアルコキシ(PFA)、ポリウレタン(PU)、弗素化エチレンプロピレン(FEP)、及び本技術分野で知られた他のもののような熱可塑性樹脂を含み得る。好適にはカップリング剤は、基準を満たした生体適合性を有しており、及び例えばテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル・コポリマー(TFE/PAVE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロメチルビニルエーテル・コポリマー(TFE/PMVE)、及びそれらの組合せのようなコポリマーから構成される。もちろん、ポリグリコール酸とトリメチレン・カーボネイト・モノマー(PGA/TMC)、ポリグリコール酸とポリ乳酸(PGA/PLA)、及びそれらの組合せのような生体吸収性材料が使用されてもよい。
【0047】
アンカー構成要素は、自己拡張型、バルーン拡張型、又は自己拡張型とバルーン拡張型を組合せたアンカー構成要素であり得る。一部の実施形態では、アンカー構成要素は、胃腸管の一部の内側の例えば幽門の前に又は幽門を横切って又は幽門の後にデバイスを少なくとも部分的に固定するために用いられる。他の固定場所も可能であり、例えばそれは、食道内、胃と食道の接続部、及び/又は小腸に配置され得る。例えば、アンカー構成要素は、幽門の前に、胃洞内に、幽門を横切って、十二指腸球部内に、小腸内に、又は他の適切な部位に配置され得る。
【0048】
アンカー構成要素は、柔軟で強い材料から好適に構築される。アンカー構成要素は、分解性の生体吸収性材料、生体消化性材料、ポリマー材料、金属材料、及びそれらの組合せから形成され得る。加えて、これらの材料は、例えばポリマー材料等のような他の材料によって補強及び/又は被覆され得る。被覆は、胃腸管の酸性の又は塩基性の作用を例えばePTFE等のような熱可塑性被覆によって減じるために選択され得る。
【0049】
アンカー構成要素は、本技術分野で知られているような一定の及び/又は変化する厚さを有する様々に異なる幾何学的構造形に形成され得る。前記幾何学的構造形は、例えば螺旋状巻回ステント、Z型ステント、テーパーステント、コイル状ステント、及びそれらの組合せ等のような多くの従来型のステント構造形を含み得る。さらに、アンカー構成要素は、一方の側にフランジを有し、反対側にコイル形状を有するようにデザインされ得る。好適には、アンカー構成要素は、テーパー構造形、即ち構成要素の一端が反対側の端より大きい寸法を有するテーパー構造形を有する。このテーパー構造形は、幽門に対して近位で又は遠位で良好な固定を提供することが考えられる。
【0050】
アンカー構成要素は、時間の経過と共に減成又は分解され得る。例えば、アンカー構成要素は、生体組織の酸性又は塩基性の環境への曝露とともに分解されるようにデザインされ得る。これらの構造形において、アンカー構成要素は、生体消化性材料及び/又は生体吸収性材料から構築され得る。生体消化性材料は、例えば鉄、アルミニュウム、及びクロマロイ(chromalloy)等のような、酸性又は塩基性で分解性の金属及び合金を含む。勿論、本技術分野で知られ時間の経過とともに分解する他の材料も、アンカー構成要素の製造で利用されてよい。
【0051】
一例として、生体吸収性の自己拡張型アンカー構成要素が、米国特許出願公報第2006/0025852号の教示として製造され得る。例えば、ほぼ管形状の一体の枠組みが利用され得る。一体の枠組み要素は、本明細書に記載されたような生体吸収性材料を含む。一実施形態では、前記材料は、ポリ(グリコライド)及びポリ(トリメチレンカーボネート)のトリブロックコポリマーにおける非混合の加水分解性ポリマーを含む。
【0052】
他の実施形態では、アンカー構成要素は、ニチノールのような超弾性材料から構築される。前記材料は、切断された管材料又はワイヤ材料から構成され得る。前記材料は、約0.01から1.5mm以上の範囲の厚さを有するように大きさを決められる。前記材料は、例えば、円、長円、正方形、三角形、リボン、及び多角形等の任意の横断面幾何形状を有し得る。
【0053】
アンカー構成要素は、本技術分野で知られた例えば管をレーザー切断することにより製造され得る。一実施形態では、アンカー構成要素は、例えばニチノールワイヤのようなワイヤから形成される。前記ワイヤは、治具上の様々に離間されたピンの周囲に配置される。前記ピンは、治具上で所望の幾何学的パターンに離間されている。前記ピンは、後に続く熱設定工程中にワイヤを所望の形状に保持するように働く。加えて、治具は、縦軸線に沿ってテーパーを付けられるか又は直線であってよい。好適には、治具はステンレス鋼の円筒から構築される。前記ワイヤは、様々なピンに巻き付けられてアンカー構成要素を形成する。前記ワイヤの各端部は、ワイヤの端部を保持するねじの頭部のような終端ユニットの下で終端される。
【0054】
ワイヤと治具は、形状設定温度にある例えば対流炉のような熱源の中に配置される。好適には、超弾性ニチノールワイヤを利用するときには、形状設定温度は、440℃から500℃の範囲にあり、より好適には460℃から480℃の範囲にある。超弾性ニチノールワイヤは、約10から40分の範囲の時間で、より好適には約15から20分の時間前記熱源の中に配置される。治具及びワイヤは、取り出されると、室温の水槽内に沈められる。治具が冷えて乾燥した後、アンカー構成要素は取り外され、余分なワイヤが切り取られてよい。
【0055】
ここで本発明の様々な実施形態への参照が詳細になされ、前記実施形態の例が添付の図面に示される。
【0056】
図1Aは、本発明の実施形態による医療用器具の断面を示している。図1Bは、図1Aに示される器具の切断線I−I’に沿う横断面を示している。
【0057】
図1A及び1Bを参照すると、医療用器具は参照符号100として全体的に描かれている。器具100は、固定構成要素104を有する送出管102を含んでいる。固定構成要素104は、アンカー構成要素106が送出管102の軸線に沿って実質的に移動することを阻むために用いられる。
【0058】
任意選択的に、バルーン108がアンカー構成要素106の少なくとも一部分の下に配置されてよい。バルーン108は、アンカー構成要素106の配置及び/又はアンカー構成要素106の拡張を支援するために用いられ得る。バルーン108が用いられる場合、送出管102は、本技術分野で知られた、バルーン108を膨張させるための追加の膨張口を有し、例えば送出管102は、バルーン108の少なくとも一部の下に膨張口を備える内腔を有してよい。
【0059】
この実施形態では、送出管102は、内視鏡(図示せず)の作業チャネル内に収まるように形成されており、その結果約10mm以下の範囲の直径を有する。代わりに、送出管102は結合ユニット(図示せず)内で内視鏡と横並び配置で収まるように形成されてもよい。送出管102は、アンカー構成要素106の少なくとも一部分及び/又は送出管102のほぼ全体を周囲から覆うシース110も含んでいる。好適には、シース110は拡大部111を有する。拡大部111は、アンカー構成要素106の少なくとも一部分の上に配置される。シース110は送出管102の遠位部117から張り出してもよい。つまり、シースは約2から4mm以上送出管102の遠位端を越えて延びてよい。シース110は、本明細書に記載される送出管102の材料に同様の材料から構築され得る。好適には、シース110は、Pebax(登録商標)材料のようなポリエーテル・ブロック・アミド材料から形成される。
【0060】
送出管102は、送出管102の近位端部121に結合されるコネクタ119も含んでよい。コネクタ119は、スリーブ116の裏返し工程で利用され得る注射器又は他の医療用加圧源への取外し可能な接続を可能にするように構築されている。コネクタ119は、本技術分野で知られているような送出管102の一つの又は両方の管腔と流体連通するように形成され得る。例えば、コネクタは、スリーブ116の展開時に用いられる膨張口112だけと流体連通するように形成され得る。加えて、シース110は、送出管102の近位端部の近くにハブ115を含んでもよい。ハブは、人間工学に基づくハンドルを含んでよく、前記ハンドルは、展開中にシース110を引っ込めるための、例えばシースを送出管102に沿って軸方向に滑動させるための、医療関係者の手の良好な配置を可能にする。
【0061】
図1Bに示されるように、送出管102は、近位端から遠位端まで延びる2本の管腔を有している。この実施形態では、第1管腔112は、スリーブ116の展開中に膨張口として用いられるように形成されている。第1管腔112は、略楕円形状である。スリーブ116の少なくとも一部分が、第2管腔114の一部分の中に配置される。第2管腔114はほぼ円形状に配置される。しかしながら、本明細書で論じられるように、第1管腔112又は第2管腔114のための他の幾何学形状が可能であるとともに、前記他の幾何学形状は本発明の一部である。スリーブ116は、第2管腔114の内側でほぼ完全に裏返しにされている。好適には、スリーブは圧縮機器によって半径方向にも圧縮される。
【0062】
図2は本発明の他の実施形態による医療用器具の断面を示している。
【0063】
図2を参照すると、医療用器具は参照符号200として全体的に描かれている。器具200は固定構成要素204を有する送出管202を含んでいる。固定構成要素204は、アンカー構成要素206が送出管202の軸線に沿って実質的に移動することを妨げるために用いられる。代わりに、アンカー構成要素206は、送出管202の内側部分に配置されてもよい。
【0064】
任意選択的に、バルーン208が、アンカー構成要素206の少なくとも一部分の下側に配置されてよい。バルーン208は、アンカー構成要素206の配置及び/又はアンカー構成要素206の拡張を支援するように用いられ得る。バルーン208が使用される場合、送出管202は、本技術分野で知られた、バルーン208を膨張させるための追加の膨張口を有する。例えば、送出管202は、バルーン208の少なくとも一部分の下に膨張口を備える内腔を有し得る。
【0065】
この実施形態では、送出管202は、内視鏡(図示せず)の作業チャネル内に収まるように形成され、その結果約10mm以下の範囲の直径を有する。代わりに、送出管202は、内視鏡と共に横並び配置されて結合ユニット(図示せず)内に収まるように形成されてよい。シース210が、アンカー構成要素206の少なくとも一部分及び/又は送出管202のほぼ全体を周囲から覆っている。好適には、シース210は拡大部211を有する。拡大部211は、アンカー構成要素206の少なくとも一部分の上に配置されている。シース210は送出管202の遠位部217から張り出してもよい。つまり、シース210は約2から4mm以上送出管202の遠位端を越えて延びてよい。シース210は、本明細書に記載される送出管102の材料に同様の材料から構築され得る。好適には、シース110は、Pebax(登録商標)材料のようなポリエーテル・ブロック・アミド材料から形成される。
【0066】
この実施形態では、送出管202は、該送出管を通して、つまり近位端から遠位端まで延びるただ一本の管腔212を有する。スリーブ214は、送出管202の管腔212の中でほぼ完全に裏返しにされて配置される。スリーブ214は、送出管202の管腔の中への挿入に先立って、任意選択的に半径方向に圧縮される。管腔212は、スリーブ214を所望の部位の中に裏返しにするための膨張口としても利用される。
【0067】
送出管202は、該送出管202の近位端部に結合されたコネクタ216も含んでよい。コネクタ216は、スリーブ214の裏返し工程で利用され得る注射器又は他のデバイスのような加圧源への取外し可能な接続を可能にするように構築されている。コネクタ216は、管腔212と流体連通するように形成されている。加えて、シース210はシース210の近位端の近くにハブ218も含んでよい。ハブ218は、人間工学に基づくハンドル(図示せず)を含んでよく、前記ハンドルは、展開中にシース210を引っ込めるための、例えばシースを送出管202に沿って軸方向に滑動させるための、医療関係者の手の良好な配置を可能にする。
【0068】
図3は、本発明の他の実施形態による医療用器具の断面を示している。
【0069】
図3を参照すると、医療用器具は参照符号300として全体的に描かれている。器具300は、固定構成要素304を有する送出管302を含んでおり、前記固定構成要素304は送出管302の遠位端部307の近くに配置されている。固定構成要素304は、アンカー構成要素306が、送出管302の軸線に沿って実質的に移動することを妨げるように用いられる。送出管302は、スリーブ310の展開時に膨張口として用いられ得る少なくとも一つの管腔308を含んでいる。送出管302は、内視鏡(図示せず)の作業チャネル内に収まるように形成され得る。コネクタ311が送出管の一部に配置されており、それは管腔308と流体連通するように形成されている。
【0070】
任意選択的に、バルーン312がアンカー構成要素306の少なくとも一部分の下に配置され得る。バルーン312は、アンカー構成要素306の配置及び/又はアンカー構成要素306の膨張を支援するために用いられ得る。バルーン312が用いられる場合、送出管302は、本技術分野で知られているようなバルーン312を膨張させるための追加の膨張口を有する。例えば、送出管302は、バルーン312の少なくとも一部分の下に膨張口を備える内腔を有してよい。
【0071】
シース314が、送出管302を周囲から覆っている。キャップ316が、送出管302の少なくとも遠位端部307の上に配置されている。代わりに、キャップ316は、シース314の一部分の上に又は下に配置されてよい。送出管302の遠位端部とキャップ316の内側表面との間に空間318が形成される。スリーブ310は、空間318の中に少なくとも部分的に配置され、及び/又は管腔308の一部分の内側で反転されている。
【0072】
キャップ316は、孔320を任意選択的に含んでおり、前記孔320においてスリーブ310の一部分が、孔320から外側に延びることができ、それによってスリーブ310の展開に先立ってスリーブ310の長さの調節を可能にする。つまり、スリーブ310は、孔320の外側で切り取られるべき該スリーブ310の少なくとも一部分を引き出すことによって、スリーブ310の予め定められた部分を例えば切り取ることにより除去することによって所望の治療長さに調節され得る。スリーブ310の切り取りは、器具300の患者の中への挿入に先立って実施され得る。
【0073】
図4Aは、本発明の他の実施形態による医療用器具の断面を示している。図4Bは、切断線IV〜IV’に沿う図4Aの横断面を示している。
【0074】
図4A及び4Bを参照すると、医療用器具は参照符号400として全体的に描かれている。器具400は、送出管402を含んでおり、前記送出管402は、該送出管402の近位端から遠位端まで延びる第1管腔404及び第2管腔406を有する。より詳しくは、第2管腔406は、図4Bに示されるように送出管の壁を通して延びていて、スリーブ408を展開するために用いられ得る。勿論、追加の管腔も利用され得る。スリーブ408は、アンカー構成要素410の一部分に取り付けられて、送出管402の少なくとも一部分の上に裏返しにされている。シース409が、裏返しにされたスリーブ408の少なくとも一部分の上に配置される。送出管402は、内視鏡(図示せず)の作業チャネル内に収まるように形成されるか、又はそれは、内視鏡との横並び配置で結合ユニット(図示せず)内に収まるように形成され得る。
【0075】
矢印424で示されるような押棒420の少なくとも横への運動を可能にするように押棒420が送出管402の中に配置される。押棒420は中空又は中実である。押棒420は、アンカー構成要素410の展開時に使用される。例えば、押棒420は、アンカー構成要素410を送出管402の遠位端の外に展開するために移動され得る。
【0076】
図5Aは、本発明の他の実施形態による医療用器具の断面を示している。図5Bは、図5Aの切断線V〜V’に沿う横断面を示している。
【0077】
図5A及び図5Bを参照すると、医療用器具が参照符号500として全体的に描かれている。器具500は、第1管腔504と第2管腔506とを有する送出管502を含んでいる。第1管腔504又は第2管腔506のいずれかが、裏返しにされたスリーブ508の一部分を保持するために用いられ得る。好適には、スリーブ508の少なくとも一部分が、その輪郭を縮減するために半径方向に圧縮される。スリーブ508はアンカー構成要素510の少なくとも一部分に取り付けられる。送出管502は、内視鏡(図示せず)の作業チャネル内に収まるように形成されるか、又は内視鏡との横並び配置で結合ユニット(図示せず)の中に収まるように形成され得る。送出管502は、本明細書で記載されるようなコネクタ(図示せず)を近位端部に含み得る。
【0078】
押棒514の少なくとも横への運動を可能にするように押棒514が送出管の管腔の中に配置される。押棒514は、中空又は中実であってよく、またそれはアンカー構成要素510を送出管502の端部から外に展開するときに用いられる。実施形態では、押棒514は、スリーブ508を展開するために用いられる膨張口511を含んでいる。
【0079】
図6A〜6Kは、本発明の様々な実施形態による様々なアンカー構成要素を示している。図6Lは、本発明の実施形態による能動的アンカー構成要素及び受動的アンカー構成要素を示している。
【0080】
図6A〜6Lを参照すると、アンカー構成要素は、スリーブに沿うならどこにでも取り付けられることによって、例えばスリーブの遠位端部又は近位端部の近くに取り付けられることによって、個々に用いられ得る。加えて、アンカー構成要素は、互いにモジュール構成要素として用いられることもあり、つまり一以上のアンカー構成要素がスリーブと共に用いられることがある。
【0081】
一例として図7Aを参照すると、図6Fのアンカー構成要素が、それ自身との組合せで用いられている。つまり図6Fの構成要素が、スリーブ706の第1部位702で用いられるとともに、図6Fの同じ構成要素が鏡像関係で第2部位704に配置される。この構造形では、第1部位702におけるアンカー構成要素が幽門の一方の側に配置されるのに対して、鏡像関係にある第2部位704におけるアンカー構成要素は幽門の中に又は幽門の反対側に配置され得る。勿論、他のアンカー構成要素構造形又は単一アンカー構成要素が用いられてよい。
【0082】
本明細書において先に説明されたように、アンカー構成要素は、自己拡張型、バルーン拡張型、又は自己拡張型とバルーン拡張型を組合せたアンカー構成要素であり得る。一部の実施形態では、アンカー構成要素は、胃腸管の一部の内側の例えば幽門の前に又は幽門を横切って又は幽門の後にデバイスを少なくとも部分的に固定するために用いられる。他の固定場所も可能であり、例えばそれは、食道内、胃と食道の接続部、小腸内、胃の中に配置され得る。例えば、アンカー構成要素は、幽門内に、胃洞内に、幽門を横切って、十二指腸球部内に、小腸内に、又は他の適切な部位に配置され得る。
【0083】
前述したとおり、アンカー構成要素は可撓性を有する強い材料から好適に構築される。アンカー構成要素は、分解性の生体吸収性材料、生体消化性材料、ポリマー材料、金属材料、及び/又はそれらの組合せから形成され得る。加えて、これらの材料は、例えばポリマー材料等のような他の材料によって補強及び/又は被覆され得る。被覆は、胃腸管の酸性の又は塩基性の作用を例えばePTFE等のようなポリマー被覆によって減じるために選択され得る。材料は本技術分野で知られた材料から選択され得る。例えば、材料は多くの異なる形状から形成され、例えばそれは管、ワイヤ、条、及び同等のものから切断され得る。
【0084】
図6Aは、本発明の実施形態によるアンカー構成要素を示している。図6Aを参照すると、単一のアンカー構成要素が参照符号600で全体的に描かれている。複数又は単一のアンカー構成要素が、スリーブ606の近位端部605にまたはその近くに取り付けられた例えばワイヤの材料604を使ってほぼ円周方向のパターン602を形成するように用いられ得る。この実施形態では、好適な材料はニチノールワイヤ材料であるが、パターン602は、切断された管、条、及び本技術分野で知られた同等のものから形成されてもよい。ワイヤは、約0.2から0.5mm以上の範囲の直径を有する。ここで図6Bを参照すると、材料604は、それがワイヤの次の巻きにほぼ隣接するようにスリーブの周囲に巻き付けられている。勿論、アンカー構成要素は、巻き数の増加にともなって例えばフープ強度のような強度を高めるだろう。好適には、2〜10巻き以上の材料604の巻回がスリーブ606の周囲にある。
【0085】
更に、全部のパターン602が図示されるような略円形のパターンである必要はない。閉端された円環(即ち、リング)がアンカー構成要素のパターンとして用いられてよいが、用途によっては他の非円形の形状が望ましいことがあることが銘記されるべきである。つまり、全部のパターンは、任意の幾何学的形状であってよく、例えばそれは、楕円形状、略矩形形状、略三角形形状、略八角形形状、及びアンカー構成要素の形状のための同等のものを生み出すことが望ましい。好適には、パターンは、約15mmから60mm以上の範囲の直径を有する略円周パターンである。さらに、特定の実施形態では、アンカー構成要素が弾力性を有するか又はいくつかの弾力性区画を有することが望ましいだろう。更なる実施形態では、アンカー構成要素が非弾力性であることが有利であるだろう。
【0086】
ここで図6Cを参照すると、複数の円形パターン608があり、前記複数の円形パターン608は該複数の円形パターン608の間の接続ブリッジ610によって分離されている。接続ブリッジ610は、その中に蓄積された長さを提供するために一以上の曲がりまたは他の手段を含むように構築され得る。ブリッジ610は、アンカー構成要素の曲げ弾性率及び本技術分野で知られた管腔内の足場の程度を変更するために用いられることが可能である。代わりに、接続ブリッジ610が無く、リングパターン608が互いに独立していることも可能である。
【0087】
図6Dは、本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示している。図6Eは、図6Eに示されるアンカー構成要素の分解図である。
【0088】
図6D及び図6Eを参照すると、Z型アンカー構成要素、例えばZステントが参照符号612で全体的に描かれている。アンカー構成要素612は、スリーブ614の外周囲において略波形又はジグザグパターンで形成されている。しかしながら、本技術分野で知られた他のパターンも用いられてよい。そこには複数の波形要素616が含まれており、前記波形要素の各々は頂点618、第2頂点620、及び第3頂点622を含んでいる。
【0089】
波形要素616の各々は高さ624と幅626を含んでいる。前記高さは、頂点618の半径の中心から隣接する頂点620の半径の中心まで垂直に測定されたものである。高さの範囲は、アンカー構成要素のサイズ、例えばデバイスの直径及び頂点の数、に依存している。好適には、頂点の合計数が6から18以上で、高さは約6から40mm以上の範囲にある。
【0090】
図6Fは、本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を描いている。図6Fを参照すると、螺旋状にテーパーを付けられたアンカー構成要素が参照符号630として全体的に描かれている。螺旋のピッチ角度は、約2度から40度の範囲にあり得る。アンカー構成要素は、略波形又はジグザグパターンでスリーブ632の外周の回りに形成されている。しかしながら、本技術分野で知られた他のパターンが使用されてもよい。アンカー構成要素は、複数の波形要素634を含んでいる。各波形要素634は、図6Eを参照しながら先に説明したような第1頂点、第2頂点、及び第3頂点を含んでいる。実施形態では、好適な材料はニチノールワイヤ材料であるが、波形要素は、切断された管、条、及び本技術分野で知られた同等のものから形成され得る。この実施形態では、前記ワイヤは約0.2mmから0.5mm以上の範囲の直径を有する。
【0091】
やはり、各波形要素634は高さ及び幅を有する。高さは、例えばデバイスの直径及び頂点の数のようなアンカー構成要素のサイズに依存し得る。頂点の合計数が6から18以上の範囲にある状態で、高さは約6mmから40mm以上の範囲にある。アンカー構成要素630の全般的な幾何学的形状は、テーパー付けされた形状を有しており、近位端部638における第1直径636が約40mmから約60mm以上の範囲であり、遠位端部642における第2直径640が約12mmから30mm以上の範囲にある。好適には、第1直径636は約36mmから約44mmまでの範囲にあって、第2直径640は約22mmから約30mmまでの範囲にある。
【0092】
より好適には、徐々に減少する直径を有するスリーブ632を円周方向で取り囲む3以上の列の波形要素があり、その結果テーパー付けされた螺旋パターンが形成される。円周方向の拡張を可能にする任意のパターンが、本発明の考えに適していることが分かる。接続ブリッジ(図示せず)が波形要素の列の間に用いられてよい。これらのブリッジは、その中に蓄積された長さを提供するために一以上の曲がり又は他の手段を含むように構築され得る。ブリッジは、ステントの曲げ弾性率及び本技術分野で知られた管腔内の足場の程度を変更するために用いられることが可能である。
【0093】
さらに、アンカー固定要素644が、波形要素の任意の部分に形成され得る。好適には、アンカー固定要素644は、波形要素の任意の頂点に形成される。アンカー固定要素644は、予め定められた場所への固定を助長するように好適にデザインされている。また、アンカー固定要素644は図6Lを参照して説明するように能動的または受動的のいずれかであり得る。この実施形態では、アンカー固定要素644は、受動的であって、アンカー構成要素630の近位端部及び遠位端部における波形要素の頂点に追加されている。これらのアンカー固定要素644は、所望の組織の中への固定を提供するために突出しており、それによりアンカー構成要素630の移動を防ぎそれを実質的に固定する。
【0094】
図6Gは、本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を描いている。図6Gを参照すると、第1アンカー構成要素が参照符号650として全体的に描かれており、第2アンカー構成要素が参照符号652として全体的に描かれている。実施形態では、第1及び第2アンカー構成要素を製造するのに好適な材料はニチノールワイヤ材料である。しかしながら、これらの構成要素は、切断された管、条、及び本技術分野で知られた同等のものから形成され得る。アンカー固定要素の好適な厚さは約0.2から0.5mm以上の範囲にある。
【0095】
第1アンカー構成要素650は、例えばほぼ平坦な星型パターンに配置されたZステントのようなZ型アンカー構成要素を例証する。より詳しくは、第1アンカー構成要素650は、水平面から約0度〜90度の範囲の角度であって、好適には約0度〜20度の範囲の角度に調節され得る。アンカー構成要素650は、スリーブ656の外周の回りに配置された例えばジグザグ要素のような複数の波形要素654を含んでいる。波形要素654は、図6Eを参照しながら先に説明したような高さ及び幅を有する。第2アンカー構成要素652は、図6D及び6Eを参照しながら先に説明したようなZ型のアンカー構成要素を例証する。第1及び第2アンカー構成要素は、約2mmから60mm以上の範囲の間隔によって分離され得る。好適な実施形態では、第1アンカー構成要素654は胃洞に配置され、第2アンカー構成要素652は、幽門の反対側の十二指腸球部内に配置される。図10A〜10Dに記載された他の場所も意図された。
【0096】
図6Hは、本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示している。図6Hを参照すると、アンカー構成要素が参照符号660として全体的に描かれている。好適には、アンカー構成要素660は第1アンカー要素662及び第2アンカー要素664を含んでいる。勿論、スリーブの長さに沿って3以上のアンカー要素が配置されてよく、例えば多数の要素がスリーブの長さに沿って配置されることで、より長い支持長さを提供する。アンカー構成要素660は円筒形状を有する。勿論、アンカー構成要素は、例えば円錐、テーパー状、平坦フランジ、及び同等のもののような多くの異なる幾何学的形状として形成されてよい。
【0097】
第1要素662と第2要素664との間の間隔は、固定される部分におけるスリーブの望ましい可撓性に合わせて調節されることが可能である。好適には、前記要素の間の間隔は約2mmから30mmを越える範囲にある。より好適には、前記間隔は約10mmから20mmの範囲にある。
【0098】
第1要素662は第1頂点668、第2頂点670、第3頂点672、及び第4頂点674を含んでおり、第2要素664も4つの頂点を含んでいる。頂点は、各要素に組み入れられた一以上のワイヤによって形成されている。この構造形では、ワイヤの直径は約0.2mmから0.5mm以上の範囲にある。ワイヤ端部676の一方は、スリーブ678の遠位方向を向くように方向付けられることにより、アンカー要素を形成する。アンカー要素はデバイスの移行を阻止するように構築されている。
【0099】
係留線680が、対向する頂点の間に配置されて、単一の回収用握り場所を準備する。例えば、係留線680を引っ張るとアンカー構成要素は取り外され得る。係留線680は、第1要素662が特大の除去管(図示せず)の中に引きこまれることができるように、対向する頂点同士の互いの方への引き寄せを引き起こす。好適な実施形態では、アンカー固定要素を形成するワイヤ端部は、係留線680によってデバイスが引っ張られたとき、該ワイヤ端部が組織から自然に外れるように、方向付けられている。複数の係留線を含むことも可能であり、例えば第2要素664が対向する頂点の間に係留線(図示せず)を有してもよい。
【0100】
図6Iは、本発明の他の実施形態によるアンカー構成要素を示している。図6Jは、図6Iに示されるアンカー構成要素の一部分の非展開構造形における拡大図である。図6Kは図6Iに示されるアンカー構成要素の一部分の展開構造形の際の拡大図である。
【0101】
図6I〜6Kを参照すると、アンカー構成要素が参照符号682として全体的に描かれている。アンカー構成要素682は、複数の波形要素684を含んでおり、各波形要素は、第1頂点686、第2頂点688、及び第3頂点690を含んでいる。波形要素684の各々は、図6Eを参照して先に説明したような高さ及び幅を含む。
【0102】
第2波形要素692が、柔軟な接続ブリッジ694によって波形要素684に接続されている。第2波形要素692は約2mmから10mm以上の範囲にある間隔によって分離されている。第2波形要素692は、それに隣接する波形要素684の鏡像である。アンカー構成要素は、可撓性、弾性、又は擬似弾性材料から好適に形成され、より好適には材料はニチノールである。実施形態では、アンカー構成要素は、約0.05mmから2mm以上の範囲の厚さを有する切断されたニチノール管から形成される。
【0103】
熱設定工程中に、隣接する波形要素は折り返されて、図6Kに示されるように他の波形要素の上に配置される。熱設定工程の後に結果として生じたアンカー構成要素は図6Iに示されるように二重壁を有する。スリーブ696がアンカー構成要素682の内側の壁に取り付けられる。
【0104】
アンカー構成要素682が本発明の送出管に装着されたとき、それは図6Jに示されるように広げられており、またシースによって半径方向に押しつぶされて拘束されている。シースからの展開及び解放の際に、スリーブ696に取り付けられていない方の波形要素が再び折りたたまれて図6I及び6Kに示されるような二重壁のアンカー構成要素682を形成する。二重壁は、送出輪郭を著しく損なうことなく有意義な半径方向のフープ強度を提供する。波形要素の他の幾何学的構造形も意図される。さらに、追加の隣接する波形要素も用いられ得る。例えば、波形要素の列の数がアンカー構成要素の全体的強度を高めるとき、波形要素の2以上の列があってよい。
【0105】
図6Lは、本発明の他の実施形態による能動的及び受動的アンカー固定要素を示している。図6Lを参照すると、アンカー構成要素が、能動的アンカー固定要素698と受動的アンカー固定要素699とを含んでいる。能動的アンカー固定要素は、生体組織の部分に少なくとも部分的に貫入するようにデザインされている。受動的アンカー固定要素は、生体組織の部分に貫入しないようにデザインされているが、生体組織の部分に係合するようにデザインされた部位を有する。能動的アンカー固定要素698と受動的アンカー固定要素699の任意の組合せ又は数が、本明細書に記載されたアンカー構成要素の任意のものとともに用いられてよい。
【0106】
能動的アンカー固定要素698は、生体組織の部分に部分的に貫入するために実質的に先の尖った部位、例えばアンカー構成要素のワイヤの終端された部位を含んでよい。好適には、能動的アンカー固定要素698は、それを患者の生体組織に取り付けるための方法を提供する逆棘状要素の形に形成される。能動的アンカー固定要素698は、アンカー構成要素の任意の部分に沿って形成され得る。好適には、能動的アンカー固定要素698は、図6Hに示されるようにアンカー構成要素の頂点に又はその近くに形成される。受動的アンカー固定要素699は、アンカー構成要素の突出部を含んでいる。受動的アンカー固定要素699はアンカー構成要素の任意の部分に沿って形成されてよい。好適には、受動的アンカー固定要素699は、図6Fに示されるようにアンカー構成要素の頂点に又はその近くに形成される。
【0107】
能動的及び/又は受動的要素は、デバイスの移動を阻止する機構を提供する。勿論、本技術分野で知られた他の形状が、固定機構を提供するために能動的及び/又は受動的アンカー固定要素の任意のものに利用されてよい。加えて、アンカー固定要素は、能動的及び受動的要素の任意の組合せを含み得る。
【0108】
図7Aは本発明の他の実施形態による医療用デバイスを示している。図7を参照すると、医療用デバイスは参照符号700として全体的に描かれている。医療用デバイスは第1アンカー構成要素702と第2アンカー構成要素704とを含んでいる。第1アンカー構成要素702及び第2アンカー構成要素704は図6Fを参照しながら説明される。第2アンカー構成要素704は、第1アンカー構成要素702から分離されると共に、それに対して上下逆に配置される。間隙は、約2mmから60mm以上の範囲にあり、より好適にはアンカー構成要素は約20mmから40mmの範囲の間隔で分離される。加えて、スリーブ706の長さに沿って長手方向に配置された放射線不透過性細片708が任意選択的にある。また、二つのアンカー構成要素702及び704の間の中間点に配置される任意選択の放射線不透過性マーカー710も示されている。幽門に対する移植された中心点位置を確認するためにこのマーカー710を使用できる。放射線不透過性マーカー710は、一つの又は複数のアンカー構成要素の任意の形態と共に使用されることができ、例えば十字形のような、又は円形、三角形、正方形、若しくは多角形等の形状のような追加の放射線不透過性又は可視化補助器712も含み得る。
【0109】
図7Bには、第1アンカー構成要素702及び第2アンカー構成要素704を収容する通常の送出カテーテル716の部分側面図が示されている。放射線不透過性マーカー714が二つのアンカー構成要素の間の中点に位置決めされている。放射線不透過性マーカー714は、一以上のアンカー構成要素をアンカーの展開の前に中心位置(例えば幽門)に正確に位置合わせすることを可能にする。図7Aと同様に、放射線不透過性マーカー714は、帯、十字形、又は例えば円形、三角形、正方形、若しくは多角形等の形状の形態を有してよい。
【0110】
図8は、本発明の他の実施形態による展開のフローチャートを示している。図9A〜9Gは、本発明の他の実施形態による展開工程を示している。図8及び図9A〜9Gを参照すると、フローチャート800は、本発明の実施形態によるデバイスの展開に用いられる典型的なステップを描写するために用いられる。先に論じたように、医療用器具はデバイス及び送出管を含んでいる。手術において医療用器具は包装材料から取り出される。包装材料は医療用器具の様々な最終使用者への輸送に対して無菌環境を典型的に提供する。
【0111】
ステップ802
ステップ802は、器具を所定の場所に前進させるステップを記述している。所定の場所は典型的には幽門の近傍に設けられる。例えば幽門の前、幽門を横切る、幽門の後、食道内、胃と食道との接続部、又は胃の中のような他の場所も可能である。例えば、アンカー構成要素は、幽門の前に、胃洞内に、幽門を横切って、十二指腸球部内に、小腸内に、又は他の適切な部位に配置され得る。
【0112】
器具は、医療用観察器械に対するほぼ隣接した様態で利用されるか、又は医療用観察器械の作業チャネルの内側に配置され得る。例えば、一実施形態では、器具は結合ユニットによって医療用観察器械に結合されて、医療用観察器械に対するほぼ隣接した構造形での器具の配置を提供する。より詳しくは、結合ユニットは、医療用観察器械を器具に対して例えば実質的に横並び構造形で取外し可能に結合する。器具は、ステップ802の前に又は後に結合ユニットに対して配置され得る。本技術分野で知られた他の適切な技法も可能である。
【0113】
器具は、医療用観察器械の例えば作業チャネルのような管腔内に配置されてもよい。医療用観察器械の作業チャネル内への配置は、ステップ802の前に又は後に実行され得る。好適な実施形態では、送出管の前縁は、例えば、オリンパスGIF‐X7Q160内視鏡(ペンシルベニア州、センターバレイ、オリンパスアメリカ社から入手可能)のような医療用観察器械の作業チャネルのアクセスポートに整列されて前記アクセスポートの中に挿入される。デバイスを含んでいる送出管は、デバイスの先端が内視鏡の観察端をわずかに越えて延びるまで前進せしめられる。
【0114】
ステップ804
ステップ804は、器具が所定の場所に前進した後に、圧力源を展開圧力に調節するステップを記述している。図9Aは、展開場所に配置された器具の断面図を示している。明瞭化のために前記断面図が医療用観察器械又は結合ユニットとは独立していることに注意すべきである。図9Aを参照すると、器具は参照符号900として全体的に描かれている。器具は、送出管902とアンカー構成要素904とを含んでおり、前記アンカー構成要素904は二つの固定構成要素906の間に配置されてシース908内に捕捉されている。明確に示されるように、スリーブ910は送出管902の管腔の内側で裏返しにされている。
【0115】
スリーブの展開は、送出管902に接続されている外部圧力源の調節によって開始される。外部圧力源は、液体、気体、又はそれらの組合せのような流体を含んでいる。好適には、前記流体はX線造影剤と生理食塩水との食塩水である。流体を収容した例えば潅流バッグ、注射器、又は同等のもののような加圧装置が、送出管のハブ端(図示せず)に取り付けられる。先に説明したように、加圧装置は、送出管と連通しているコネクタ又は他の取付機構に取り付けられ得る。次に、加圧装置の圧力は、弁が開放されて流体が放出される前に約200mmHgから300mmHg以上まで増大せしめられる。
【0116】
ステップ806
ステップ806は、スリーブを展開するステップを記述している。ここで図9Bを参照すると、流体を潅流バッグから放出するために弁が開放される。流体が管腔を介して送出管902の端部に到達すると、スリーブ910は送出管902の遠位部912から反転することにより展開される。反転工程は、X線透視又は本技術分野で知られた他の技法によって監視され得る。スリーブが展開するとき、潅流バッグ内の圧力は、手動ポンプを使ってブラダ側の中に追加の空気を加えることによって維持される。図9C及び9Dに示されるように、スリーブの展開は、完全な反転が完了して加圧された例えば造影剤溶液のような流体がスリーブを通って勢い良く流れてスリーブの反転が完了したことを知らせるまで継続する。反転することは、スリーブが曲がりくねった生体組織を通ることを可能にする一方で、スリーブの完全な展開を可能にする。また、反転は、幽門を大きくは越えないで延びる位置からのスリーブの展開も可能にする。つまり、器具は、スリーブの最も遠位の最後の場所に近接した場所からのスリーブの展開を可能にする。
【0117】
ステップ808及び810
ステップ808及び810は、アンカー構成要素を展開するために器具を位置決めするステップ及びアンカー構成要素を展開するステップを記述している。スリーブの展開後に、医療用観察器械の遠位端及び残りの器具構成要素は、アンカー構成要素を展開するための目標の固定位置に位置決めされる。目標の固定位置は、食道、胃と食道との接続部、胃、又は小腸であり得る。例えば、目標の固定位置は、幽門の前、胃洞、幽門を横切って、幽門の後、十二指腸球部、小腸、又はスリーブ及びアンカー構成要素の配置に適した他の部位であり得る。
【0118】
ここで図9E〜9Gを参照すると、アンカー構成要素904の展開が、シース908の縮退によって達成され、そのことにより例えば弾性自己拡張性ステントのようなアンカー構成要素904の展開を可能にする。シース908が完全に後退した後に、アンカー構成要素904は完全に展開される。他の実施形態では、アンカー構成要素を送出管の遠位端部から外へ滑動させて展開するために押棒が使用され得る。加えて、アンカー構成要素904を着座させる及び/又は展開するためにバルーンが利用されてよい。
【0119】
二以上のアンカー構成要素が使用されるとき、各アンカーを互いに独立に解放するために、別個の又は複合的な手段の使用が可能である。アンカー構成要素を独立に解放するために、縮退シース、束縛編み物、分割可能束縛シース、押棒、解放ピン、解放糸、又は本技術分野で周知の他の手段が、共に又は独立に利用され得る。シース材料を束縛すること、シースの製造方法、構成要素圧縮技法に関する詳細は、レオポルド他に対する米国特許第6352561号明細書及びソーントン他に対する米国特許第6551350号明細書に見出すことが可能である。
【0120】
ステップ812
アンカー構成要素が展開された後に、ステップ812において、正確な展開の確認及び医療用観察器械の除去が実施される。図9Gに示されるように、医療用観察器械及び送出管902及びシース908は除去される。正確な展開の確認は、例えば内視鏡による可視化、超音波による可視化、X線による可視化、及び同等のもののような本技術分野で知られた手段によって達成される。
【0121】
図10A〜10Dは、本発明の様々な実施形態によるアンカー及びスリーブの展開配置を示している。図10Aを参照すると、ステップ808の後で、器具は胃と食道との接続部1002まで後退させられ、そこでアンカー構成要素1004がステップ810に記述されるように展開される。図10Bを参照すると、器具は、幽門の前の例えば胃洞1006のような胃まで後退させられ、そこでアンカー構成要素1008がステップ810に記述されたように展開される。図10Cを参照すると、第1アンカー構成要素1010が、ステップ810を参照して説明されたように十二指腸球部内で展開され、次いで器具は後退させられて第2器具1012がステップ810に記述されたように胃洞において展開される。図10Dを参照すると、アンカー構成要素1014が十二指腸球部内で展開されている。
【0122】
スリーブ展開ステップ(前記ステップ806)に対する任意選択的追加が、反転スリーブの遠位端部を拘束するスリーブセグメントの使用を含んでいる。この拘束セグメントは、スリーブが完全に反転したとき、追い出されて射出される。図11Aに示されるように、反転スリーブ1102は、圧縮されて反転スリーブの遠位端部1106に取外し可能に取り付けられた拘束セグメント1104を有している。図11Bに示されるように、スリーブ1102の反転は拘束セグメント1104によって抑えられている。スリーブ内部の圧力が増大したとき、拘束セグメント1104は、スリーブ1102の遠位端部1106から追い出されて、スリーブ1102の完全な反転が完了する。拘束セグメント1104は、矢印1108によって示される方向に射出される。拘束セグメント1104は、生体吸収性材料を含む在来の移植可能材料を利用して製造され得る。(拘束が解放されたときの)急激な圧力低下に加えて(拘束セグメントを反転スリーブから追いたてるために必要な)増大した圧力を感知又は監視することができ、それによりスリーブの完全な反転の正のフィードバックが提供される。完全な反転のフィードバックの他の形態は、加圧媒体の体積の監視を含んでおり、又は射出されたスリーブ拘束物の感知によって可能である。
【0123】
(概ね図6Aで示される)アンカー構成要素は、リングのコンパクトな送出輪郭への折り畳みを容易にするために複数の曲折カップ又はヒンジを含み得る。曲折カップ1204を有するリングアンカー構成要素1202の斜視図及び側面図が図12A及び図12Bに示されている。(図12Cに示されるように)折り畳まれたとき、複数の曲折カップは整列されて、開口を形成する。整列されて開口1206を形成する二つの曲折カップ1204の部分図が図12Dに示される。カテーテルシャフト1208が開口1206の内部にある。曲折カップが、図12Dに示される方向から180度に方向付けられていたとすると、前記カップはカテーテルを締め付けて、リングアンカー及び/又はカテーテルの機能を損なう。アンカー構成要素は様々な独自の形状又は状態をとる又は有することができる。例えば、アンカー構成要素は、「送出」状態の第1形状、「展開」状態の第2形状、及び「回収」状態の第3形状を有し得る。例えば、図12Cは、折り畳まれて圧縮されて「送出」状態にあるリング状アンカー構成要素を描いている。図12Aは、「展開」又は拡張された状態にあるリング状アンカー構成要素を描いており、図12Eは、細長くされて「回収」状態にあるリング状アンカー構成要素を示している。図6A〜6Lに示されるアンカー構成要素のような代替のアンカー構成要素と共に、他のアンカー構成要素の構造形(リング形状に限定されない)は、一、二、又は三以上の独自の形状を取り得る。第3形状は、第1又は第2形状より小さな直径を有するようにデザインされ得る。一部の状況では、第3形状の直径が第1または第2形状より大であることが更に望ましいことがある。
【0124】
図6A〜6Lに示されるアンカー構成要素のような様々なアンカー構成要素は、長さ延長スリーブに次に取り付けられることが可能な別個の管状セグメントに接合されることが可能である。長さ延長スリーブ1306への取り付け前の、管状セグメント1304に取り付けられたアンカー構成要素1302が図13Aに示されている。長さ延長スリーブ1306への取り付け後の、管状セグメント1304に取り付けられたアンカー構成要素1304が図13Bに示されている。取付け領域1308も示されている。アンカー構成要素1302と管状セグメント1304と長さ延長スリーブ1306との間の取付けは本技術分野で周知の様々な接合方法を利用できる。そのような方法の例は、接着、熱可塑性溶着、スティッチ溶着、縫製、超音波溶着、及び締まりばめ等を含む。用いられる取付けは、永久的若しくは取外し可能であるか、又は必要に応じて時間と共に分解してよい。
【0125】
任意選択な送出方法では、スリーブ及びアンカー構成要素は、ガイドワイヤを使用して送出及び位置決めされ得る。一般的な送出カテーテル1402の部分図が図14に示されており、前記送出カテーテル1402はスリーブ及びアンカー構成要素を該送出カテーテル1402の遠位部1404内に収容している。ガイドワイヤ用の管腔が遠位部1404を通して延びて、送出カテーテル1402の中の近位へ延びている。ガイドワイヤの出口1406が送出カテーテルに配置されている。送出カテーテルの遠位部1404は、ガイドワイヤが出口1406から出るようにガイドワイヤ1408を通すことができる。送出カテーテルの遠位部内のガイドワイヤ管腔は、アンカー構成要素とアンカー構成要素拘束物との間のクリアランス又は間隙によって、又は本技術分野で周知の他の手段によって形成され得る。
【0126】
本発明の様々な実施形態において記載されたスリーブ要素に対する任意選択の構成要素として、スリーブがそれ自身の中に落ち込むのを防ぐために、抗座屈手段が創出され得る。抗座屈手段は、補強されたスリーブ部分若しくはスリーブ上の補剛された領域によって、又は剛性区域の導入若しくはスリーブの区域の導入によって創出され得る。
【0127】
本発明の様々な実施形態において記載されたアンカー構成要素は、アンカー構成要素の配置及び留置を助けるために用いられる一方向、多方向、又は両方向逆棘をさらに具備し得る。
【0128】

本発明の範囲を限定する意図なしに、次に示す例は、本発明の様々な実施形態がどのように作られ及び/又は使用されるかを説明している。
例1
この例は、本発明の一つの様相によるスリーブ及びアンカー構成要素の製造を例証する。一方の側にFEPの熱接着層を有するePTFEを含む実質的に無孔性の複合フィルムが用いられた。複合フィルムは、次に示す特性、即ち、約25mmの幅、約0.0025mmの厚さ、約0.6MPaより大きいイソプロピル・アルコール泡立ち点、及び例えば最強の方向の長さ方向における約309MPaの引張強さを有していた。
【0129】
約25mm幅の4枚のフィルム細片が長手方向に置かれ、約150cmの長さを有する直径25mmのマンドレルの周囲に均等に配置された。フィルムのFEP側は上に向けられてマンドレルから離れるように方向付けられた。仮接着テープが、4枚の縦方向フィルム細片の端をマンドレルに固定するために用いられた。
【0130】
長手方向に方向付けられたフィルムを有するマンドレルは、次に螺旋状巻回フィルムによって覆われた。螺旋状フィルムは長手方向の覆いに用いられたフィルムと同一のフィルムタイプであった。FEPは、下のマンドレルの方に向けられて、長手方向フィルムに接していた。約8mmのピッチを用いてフィルムをあてがうために螺旋巻き機が用いられた。用語のピッチは、マンドレルの一回転毎の前進量である。25mm幅フィルムでは、約8mmのピッチが約17mmのフィルムとフィルムの部分的重なりを生み出す。フィルムの一回の完全な通過が適用されて、フィルムの4層の厚さを有する重なり合った螺旋層という結果になった。フィルムの端は、円周様態でフィルムを巻回することによってマンドレルに固定された。長手方向の層を固定するために用いられた仮テープが取り除かれた。
【0131】
フィルム積層マンドレルは、次に約320℃に設定された空気対流炉の中に約30分間置かれた。複合スリーブは、次にマンドレルから取り外されて、直径約26mmで長さ約130cmの薄壁スリーブという結果になった。
【0132】
テーパー付きの螺旋構造形を有するアンカー構成要素は、フォート・ウェイン・メタルズ(Fort Wayne Metals)から部品No.1755−0207で取得された超弾性ニチノールワイヤから形成された。ニチノールワイヤは約0.51mm(0.02in)の直径を有していた。アンカー構成要素はテーパー付きの構造形を有して形成された。より詳しくは、アンカー構成要素の一端が約26mmの直径を有し、反対端が約40mmの直径を有していた。
【0133】
製造において、ニチノールワイヤは、温度設定工程中に該ワイヤをその所望の形状に保持するように働く巻回治具の周囲に引っ張られて巻かれた。治具は、一連の取付ピンを有するステンレス鋼の円筒から構築され、前記取付ピンの周囲にワイヤが巻回された。より詳しくは、テーパー付きの巻回治具は、約26mmの小直径と、40mmの大直径と、二つの前記直径を約4cmの長さで結ぶ中央のテーパーとを有していた。約1mmの直径を有するピンがテーパー付きの巻回治具から突き出ていた。ワイヤの端は、次の熱処理ステップ中にワイヤを所定の位置に保持するネジ頭の下で終端された。
【0134】
ワイヤ治具は次に約470℃の空気対流炉内に約15〜20分間置かれた。取り出されると、ワイヤパターンを有する成形治具は、ほぼ室温の水中で冷却された。治具が冷却されて乾燥された後、終端していたネジが緩められてワイヤが治具から外された。
【0135】
次いで、アンカー構成要素は、約80℃の20%硝酸溶液中に約30分間浸漬された。酸への浸漬の後に水洗いが続いた。次いで、アンカー構成要素のワイヤの端は、アリゾナ州、フラグスタッフ、ダブリュー・エル・ゴア社(W. L. Gore and Associates, Inc)から入手可能なePTFE CV−6縫合糸を使って、アンカー構成要素の隣接するワイヤ部分に固定された。
【0136】
完成したアンカー構成要素は、ワイヤから形成されたテーパー付きで波形の形状を有していた。アンカー構成要素は約4cmの長さと、約26mmの小直径と、約40mmの大直径とを有していた。アンカー構成要素の波形ワイヤには、一回転あたり合計6個の頂点が形成された。
【0137】
次いで、上からスリーブはそれをテーパー付きマンドレル上で引くことによって半径方向に拡大された。テーパー付きのアルミニュウムマンドレルは、直径約26mmの区域と反対側の直径約40mmの区域を有していた。26mm及び40mmの直径区域は、約4cmの長さのテーパー付き区域によって結び付けられていた。次に、テーパー付きアルミニュウムマンドレルは、炉内で約30分間約32℃まで加熱された。スリーブの一端において、約3.05mm(0.12in)のスリーブ材料をスリーブの側面から取り除くことによって二つの引きタブが形成された。約320℃まで加熱されたマンドレルを使って、スリーブは直径26mm区域の上に引っ張られて、次に直径40mm区域の上に引っ張られた。スリーブは、約1分間加熱されたマンドレルの所定の位置に放置されてから取り外された。スリーブをある長さまで切って整えた後、結果として得られたスリーブは、長さ約2cmの直径40mm端区域と、長さ約4cmのテーパー付き区域と、長さ約94cmの直径26mm区域を有していた。
【0138】
次に、テーパー付きアンカー構成要素が、スリーブのテーパー付き部分に接合された。この工程を助けるために、テーパー付きステンレス鋼円錐アダプタが製造された。円錐アダプタは、約26mmまで先細になる約40mmの外径と、約26mmの内径とを有していた。この円錐アダプタは約145cmの長さを有する約26mmマンドレル上に配置された。スリーブのテーパー付きが円錐アダプタのテーパー付き部分の上に配置されるように、スリーブの拡張されたテーパー端が約26mmマンドレル上に及び約40mm直径の円錐アダプタの上に配置された。次に、テーパー付きアンカー構成要素は、スリーブのテーパー付き部分の上に配置された。次に、FEP外側層を有する約9.7mm幅のePTFEテープが、アンカー構成要素のテーパー付き4cm部分に沿ってアンカー構成要素の外周に巻かれた。ePTFEテープは、約0.025mm(0.001in)の厚さ、約0.288g/30.48cm2(0.288g/12in2)(12in長さ×1in幅)未満の重量、及び1.97kg/cm(5.0kg/in)の最小平均破断強さを有していた。次に、FEP層が下に向けられてアンカー構成要素に接した。
【0139】
次に、マンドレル及び巻回されたアセンブリは、約320℃に設定された空気対流炉内に約30分間置かれた。スリーブ及びアンカー構成要素の冷却後に、それらはマンドレルから取り外され、スリーブは約50cmの長さに切り整えられた。アンカー構成要素を有するスリーブの端部も、アンカー構成要素の波形の次に来る細いホタテ貝形状に切り整えられた。
【0140】
形成されたスリーブは約0.01mmの壁厚さを有していた。形成されたスリーブは、非常に小さな圧縮フープ強度も示し、それは、ほぼゼロに近い圧縮外力によって容易に潰れた。スリーブの薄さ及び可撓性と組合せられた、形成されたスリーブのフルオロポリマー材料の平滑潤滑性は、送出管から裏返って反転するのを容易にもする。
【0141】
例2
この例は、例1のアンカー構成要素及びスリーブをこの例の展開管の中へ装填することを説明している。
【0142】
例1のスリーブは反転された、つまりスリーブの少なくとも一部分が部分的に裏返しにされた、即ちそこでは外側表面の少なくとも一部分が内側表面になった。より詳しくは、アンカー構成要素から最も遠く離れたスリーブの端がアンカー構成要素に押し通されることにより、スリーブの少なくとも一部分を反転させた。次に、スリーブはラジアル圧縮機(アリゾナ州、フェニックス、ブロックワイズ・エンジニアリング(Blockwise Engineering)のG型バルーン・ラッパー(Baloon Wrapper))を使って約1.5mmの圧密された直径まで半径方向に圧縮された。圧縮型は、約70℃、圧力約827.4KPaに設定された。スリーブは、圧縮工具を通した約50mmの縦方向ステップで半径方向に圧縮された。アンカー構成要素に最も近接したスリーブの端部が、約1.5mmの圧縮型を使って圧縮されて、約70℃の温度まで加熱された。
【0143】
送出管は、ポリエーテル・ブロック・アミドNo.72dペバックス(Pebax)(登録商標)管から作られた送出管へのスリーブ及びアンカー構成要素の圧密化及び装填を容易にするために用いられる。送出管は、約3.3mmの外径と約2.5mmの内径を有していた。送出管は、直径約0.1mmのステンレス鋼ワイヤ編組線によって補強されていた。送出管は、アンカー構成要素を縦方向に拘束するために二つの突起又は肩部を有していた。テーパー付けされた肩部は、それらの間の約5.7cmの間隔を有していた。近位肩部は約5.8mmの外径を有し、遠位肩部は約4.8mmの外径を有していた。二つの肩部は、圧縮部材としての収縮チューブを使って約220℃においてカテーテルシャフト上に融合された。
【0144】
一連の引き線が、アンカー構成要素の近位の自由ワイヤ頂点を通り抜けていた。次に、これら引き線はシースに通された。送出管は、シースの中に積み戻されて、送出管の外側にある引き線と位置決めされた。シースもやはりポリエーテル・ブロック・アミドNo.72dペバックス(Pebax)(登録商標)管から作られていた。シースは、約4mmまで先細にされた約6mmの内径を有していた。送出管はシースの中に積み戻された。次に、かしめられて圧密化されたスリーブの端部は送出管の遠位端部の中へ通された。
【0145】
引き線は張力をかけられて、アンカー構成要素を肩部の間に整列して保持する間にアンカー構成要素は圧密化された。半径方向圧縮型を使うことによって、アンカー構成要素は、シースの内径よりわずかに小さな直径まで圧密化された。次に、アンカー構成要素の引き線及び送出管は共に引っ張られて、圧縮されたアンカー構成要素と送出管とがシースの中に引き込まれた。次に、引き線が切断されて除去されることによりワイヤの頂点から前記線が取られた。
【0146】
次に、引きノブがシースの近位端部(使用者端)に取付けられた。デバイスの展開中に、この人間工学的ノブはシースの引戻しを助け、そのことがアンカー構成要素を自由にしてそれが自己拡張することを可能にする。加えて、コネクタが送出管の近位端部に追加された。
【0147】
例3
この例では、生体消化性アンカー構成要素が製造され、及び模擬された胃腸部環境内での長期に渡るそれぞれの重量の腐食減少量が詳しく調べられた。
【0148】
より詳しくは、3個の内径25.4mmのバルーン拡張型アンカー構成要素が構築された。アンカー構成要素の各々は異なる生体消化性ワイヤ材料を有していた。アルミニュウム(4043)溶接ワイヤ、クロマロイ(chromalloy)(4130)溶接ワイヤ、ステンレス鋼(308)溶接ワイヤが3個の異なるアンカー構成要素の製造に使用された。これら異なるワイヤは、溶接供給施設から容易に入手可能でありそして獲得された。3個の異なるワイヤの各々は約1.6mmの直径を有していた。
【0149】
アンカー構成要素の成形工程では、三つの異なるワイヤの各々がステンレス鋼のピン治具に巻き付けられた。ステンレス鋼ピン治具は約25.4mmの直径を有しており、また約100cmの長さであった。ステンレス鋼ピン治具は、各々が直径約1.52mmを有する複数のピンを有していた。複数のピンは、6個の頂点のジグザグパターンの単一リングを提供するように配置された。より詳しくは、6本のピンが第1列に配置されて、他の6本のピンが第1列の下側の第2列に配置されることによりジグザグパターンが形成された。治具の長さに沿うピンの中心と中心との間の距離は約19.1mmであった。ステンレス鋼ピン治具の周囲でワイヤの1本を巻回した後、アンカー構成要素は治具から取り外されて、ワイヤの端が切り整えられた。この工程が全ての3本のワイヤに対して繰り返されることにより、三種の異なる材料の三つの異なるアンカー構成要素が形成された。
【0150】
各アンカー構成要素は、メトラー(Mettler)天秤(AE104型、スイス)を使って重量が計測され、その重量が下の表Iに記録された。次に、アンカー構成要素の各々は、人の胃液を模擬した約50mlの溶液を収容する別個のガラス瓶の中に沈められた。前記50mlの溶液は、本技術分野で知られていて容易に入手可能なUSP29胃液模擬試験液に依って作られた。最初に、前記溶液は、USP29による要求事項である約1.2のpHを有していた。
【0151】
アンカー構成要素の各一つが、調査の過程を通して約37℃に維持されていた約50mlの溶液を収容した別個の瓶の中に置かれた。前記瓶は撹拌のため撹拌器上にも置かれ、また各瓶は、例えば水素ガス発生に対する通気を提供するための小孔を有する蓋を有していた。撹拌器は、ヤンケ・アンド・クンケル株式会社、IKAラボルテクニク(Janke & Kunkel GmbH & Co, IKA Labortechnik)によって製造された型名IKA−VIBRAX−VXR S1及び型番718308であった。
【0152】
アンカー構成要素の各々は水洗されて、次の手順で説明される日に重量を計測された。アンカー構成要素は、模擬胃液試験溶液から取り出されて、二つの別個の約150mlの脱イオン水槽内で水洗された。アンカー構成要素は、第1水槽内に置かれ、続いて直ちにそれは第2水槽内に置かれた。第2水洗の後、アンカー構成要素は約50mlのイソプロピル・アルコールの中に浸漬され、その試料は空気乾燥された。完全に乾燥されたとき、アンカー構成要素は重量を計測されてデータが以下の表Iに示されるように記録された。表Iに示されるように調査をとおしていろいろなときに発生する反応があったことを保証するために、溶液のpHも確認されて記録された。加えて、第2日から第14日における表記のアステリスクは、USP29模擬胃液試験液が、各アンカー構成要素を保持する各50ml瓶のために新鮮な溶液と交換された日を示している。次に、試料はその容器に戻されて、他の時間サイクルにかけられた。この記録プロセスは、新しい脱イオン水槽及びイソプロピル・アルコール槽を使用して各アンカー構成要素に対して繰り返された。調査結果は以下の表I及び表IIに示される。
【表1】

【表2】

【0153】
ここで表IIを参照すると、それはアンカー構成要素の各々及びそれらの重量減少の程度を要約しており、重量減少が調査の間中異なる速度で発生することが示される。加えて、アンカー構成要素の減損が調査の間中視覚的にも観察された。より詳しくは、アンカー構成要素における重量減少を表す腐食溝が観察された。加えて、腐食はアンカー構成要素の頂点の周囲で特に顕著であった。
【0154】
このデータから、アンカー構成要素の重量、質量、及び強度の減少は、材料の選択及びアンカー構成要素のそれぞれの置換反応、即ち金属+酸⇒金属塩+水素、及び/又は予めデザインされたより大きな表面積をより速い重量減少を促進する予め定められた部位にすること、即ちより大きな表面積を生み出すことによって、ほぼ調整可能である。それぞれの腐食機構反応は本技術分野で知られている。結果として、選択的腐食性材料及び露出表面積設計が、腐食をより受けやすい領域を提供するために用いられてよい。加えて、金属のアンカーは腐食に抵抗する又は腐食を遅らせるように処理されてよい。例えば、金属のアンカーは、アンカーの耐食性を高めるために稀硝酸を用いる酸浸漬が可能である。耐食性材料又はセグメントが、所望の成果を得るために、独立に又は選択的腐食性材料又はセグメントとの組合せで用いられることができる。
【0155】
試験方法
この節は、フィルムの引張強さの測定について記載している。最大引張力が、2714シリーズ・コード・ヤーン把持器付きのインストロン(Instron)型番5560引張試験機(マサチューセッツ州、カントン)を使って、10個の試料に対して測定されて平均化された。顎部の間隔は10.2cmであり、クロス・ヘッド速度は200mm/分であった。最大引張力の10個の測定値の平均が用いられた。10個の試料幅の平均値が計算された。ミツトヨ挟みゲージ型番547−400(日本、中津川)を使って厚さが測定された。厚さの10個の測定値の平均が用いられた。引張強さが、最大引張力及び試験された試料の横断面積の商として計算された。
【0156】
イソプロピル・アルコール(ユニバー(Univar)、カークランド、ワシントン州)の泡立ち点測定が、ASTM E128−99の一般的教示に従って実施された。前記テストは、直径約2.54cmの試験設備を使って実施された。圧力は約1.4kPa/秒で増大された。泡の第1の流れの出現に対応する圧力が泡立ち点として確認された。約0.6MPaより大きいイソプロピル・アルコールの泡立ち点は、試験機器の限界に起因して信頼できなかった。泡立ち点の値は5個の測定値の平均を表している。
【0157】
様々な変更及び変形が本発明の精神又は範囲から逸脱することなく可能であることは本技術分野に知識を有する者には明らかであろう。したがって、本発明の変更及び変形が添付された請求項の範囲及びそれらの均等物に入るのであれば、本発明は本発明の変更及び変形を含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブと、
前記スリーブの少なくとも一部分に取付けられた非円形のアンカー構成要素と、
管腔を有する送出管であって、前記スリーブがほぼ完全に反転されて該送出管の前記管腔内に収容されている送出管と、
を具備する医療用器具。
【請求項2】
前記送出管は、内視鏡の作業チャネルの内側に収まるように形成されている、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項3】
前記内視鏡の前記作業チャネルは約10mm以下の直径を有する、請求項2に記載の医療用器具。
【請求項4】
前記送出管の近位端部に取外し可能に結合されたコネクタを更に具備する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項5】
前記送出管の遠位端部に取外し可能に結合されたシースを更に具備する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項6】
前記アンカー構成要素はニッケルチタン合金を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項7】
前記アンカー構成要素は生体消化性材料を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項8】
前記アンカー構成要素はX線不透過材料を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項9】
前記アンカー構成要素はテーパー付き螺旋パターンを有する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項10】
前記アンカー構成要素は、受動的アンカー固定要素及び能動的アンカー固定要素の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項11】
前記アンカー構成要素は、熱可塑性材料によって少なくとも部分的に覆われている、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項12】
前記アンカー構成要素は、前記スリーブの外側表面上に配置されている、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項13】
前記アンカー構成要素は、生体吸収性材料を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項14】
前記送出管は、熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項15】
前記熱可塑性材料はナイロンを含む、請求項13に記載の医療用器具。
【請求項16】
前記ナイロンは、ポリエーテル・ブロック・アミドを含む、請求項13に記載の医療用器具。
【請求項17】
前記スリーブは、フルオロポリマーを含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項18】
前記フルオロポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項17に記載の医療用器具。
【請求項19】
前記ポリテトラフルオロエチレンは、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項18に記載の医療用器具。
【請求項20】
前記スリーブは、弗化エチレンプロピレンを含む、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項21】
前記スリーブは、テーパー付きの形状を有する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項22】
前記アンカーを拡張させることのできるバルーンを更に具備する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項23】
前記スリーブは長さの目盛を表す標識を備える、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項24】
前記スリーブはX線不透過材料を備える、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項25】
前記スリーブは前記送出管の管腔内で圧密化された構造形にある、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項26】
前記送出管は複数の管腔を有する、請求項1に記載の医療用器具。
【請求項27】
少なくとも一つの逆棘を更に具備する、請求項1に記載の医療用器具。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−517599(P2011−517599A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503999(P2011−503999)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/002229
【国際公開番号】WO2009/126294
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】