説明

医療用器支持具

【課題】吸入器(ネブライザー)などの医療用器を好みの位置に支持しておくことを可能とした医療用器支持具を提供する。
【解決手段】ベッドの立ち上り部位2に着脱自在形態で固定されるクリップである取付け体5と、この取付け体5に根元が固定されてなる医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体6と、フレキシブル棒体6の中間より前方側に設けられたフレキシブル棒体側支持部52と、取付け体5の内開閉操作部21の頂部(取付け体5側)に設けられた切り込み形態の取付け体側支持部53と、フレキシブル棒体側支持部52と取付け体側支持部53に張られて、フレキシブル棒体6の首下がり現象を抑止するための鎖球54を連結ピン56で繋いだ玉鎖からなる吊支持手段55とからなる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用吸入器などを先端側に保持して好みの位置に支持することができる医療用器支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベッドや布団にはさみ込んだ状態とするA字型の支持台と、この支持台の端方に立ち上げられるように設けられたフレキシブルな蛇腹管と、この蛇腹管の先端に開口を該蛇腹管の軸方向に向けかつ該軸方向に根元で一本のピンやボルトで該軸方向に対して縦回動可能に取付けられた、吸入器(医療用器)を保持するとともに着脱を容易にしたC字型のホルダー部とからなる医療用器支持具が知られている。(例えば特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−24444
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1の技術にあっては、自重+保持器具の重量によって首垂れ現象が起こらないようにするために硬い蛇腹管(フレキシブル棒体)としなければならないものであった。
すなわち、敷き布団縁ないしマットレス縁からどこにも支持されることなく蛇腹管(フレキシブル棒体)のみで該蛇腹管の自重、保持した医療用器の重量に耐えて、一定の位置に医療用器を保持しなければならないことになる。その場合の重量は蛇腹管のマットレス縁端との当接部位あるいはA字型の支持台の付け根部位に集中することになる。そのため、蛇腹管の曲がり難い硬さ(以下「曲がり硬さ」という。)をこれらの重量では曲がらない硬さとしなければならず、曲がり硬さが強いと力の弱い女性の看護師などでは曲げ位置決めが硬くて行い難いものとなり、大変操作性と使用感の悪いものになるという欠点を有するものであった。
特に最終の位置決め曲げ操作においては、蛇腹管(フレキシブル棒体)の先端側の少し戻り側を左手で握り抑え、先方側を右手で握り曲げ動かし調節することが多く、この短い距離の蛇腹管部分を非力な女性看護師でも容易にストレスを感じることなく曲げ動かすようにすることは課題となっている。
さらに、掛け布団に触れない状態での支持とするためには、蛇腹管を掛け布団以上の高さまで持ち上げるために立ち上げるための部位を有さなければならず、その立ち上げた部位から略水平に適当な曲がりを形成して患者の口や喉まで該蛇腹管を這わせなければならないものであるから、蛇腹管の長さが上がり部位と水平曲がり部位との長さが必要となるものであり、結果、長い蛇腹管が必要となり、より曲がり硬さの強いものにしなければならないものである。
支持台はその挟持安定性からいって、ボトムとマットレスの間に挟んで使用することが安定した使用形態である。
【0006】
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、その目的は、先端側の少し戻り側を左手で握り抑え、先方側を右手で握り曲げ動かし調節する操作にあって、この短い距離の蛇腹管部分を非力な女性看護師でも容易にストレスを感じることなく曲げ動かすことができる曲げ軟らかなフレキシブル棒体を備え、このフレキシブル棒体が自重+保持器具の重量によって首垂れ状態とはならない医療用器支持具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成となっている。
<請求項1記載の発明>
ベッドのヘッドボードあるいはサイドレールであるベッドの立ち上り部位の適宜な箇所に着脱自在形態で固定される取付け体と、
この取付け体に直接的にあるいは棒部材を介して根元が固定さるとともに先端側に器具を取付けて使用する、自在に曲げることができるフレキシブル棒体と、
このフレキシブル棒体の中間より前方側に設けられたフレキシブル棒体側支持部と、
前記取付け体側の前記フレキシブル棒体の根元よりも高い位置に設けられた取付け体側支持部と、
この取付け体側支持部と前記フレキシブル棒体側支持部に張られて、前記フレキシブル棒体の首下がり現象を抑止するための吊支持手段と、
この吊支持手段の張り長さを調節するための張り長さ調節部とからなることを特徴とする医療用器支持具である。
<請求項2記載の発明>
吊支持手段が鎖製部材、ロープ製部材あるいは面ファスナ部材であり、張り長さ調節部がフレキシブル棒体側支持部あるいは取付け体側支持部であるとともに、前記吊り支持手段が直接係わり合ってその長さを調節する部位であることを特徴とする請求項1記載の医療用器支持具である。
<請求項3記載の発明>
取付け体側支持部が略直交方向に2箇所設けてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の医療用器支持具である。
<請求項4記載の発明>
取付け体側支持部が取付け体とは別体であるとともに、該取付け体側支持部が取付け体側にあるいはフレキシブル棒体側に回転可能に設けられてなることを特徴とする請求項1、2、3いずれか記載の医療用器支持具である。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
「前記取付け体側の前記フレキシブル棒体の根元よりも高い位置に設けられた取付け体側支持部と、この取付け体側支持部と前記フレキシブル棒体側支持部に張られて、前記フレキシブル棒体の首下がり現象を抑止するための吊支持手段と、この吊支持手段の張り長さを調節するための張り長さ調節部と」という構成であるから、次に述べるような効果を奏する。
すなわち、フレキシブル棒体が曲げられてフレキシブル棒体側支持部と取付け体側支持部との距離が短くなっても、張り長さ調節部によって吊支持手段の張り長さを短くしてたるみのない張り状態(緊張状態)にして、張り状態とされた吊支持手段の吊作用によってフレキシブル棒体は首下がりが起きないように保持されるとともに、その曲げ状態も保持されるという効果を奏する。
これによって、医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体であっても、張り状態とされた吊支持手段によってフレキシブル棒体は首下がりが起きないように保持されるとともに、その曲げ状態も保持されるという医療用器支持具を実現する。
しかして、医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体は、先端側の少し戻り側を左手あるいは右手で握り抑え、先方側を右手あるいは左手で握り曲げ動かし調節する、この短い距離の蛇腹管部分を非力な女性看護師でも容易に曲げ動かすことができる軟らかさを実現しているものである。
<請求項2記載の発明の効果>
吊支持手段が鎖製部材、ロープ製部材あるいは面ファスナ部材であり、張り長さ調節部がフレキシブル棒体側支持部あるいは取付け体側支持部であるとともに、前記吊り支持手段が直接係わり合ってその長さを調節する部位であることを特徴とする請求項1記載の医療用器支持具であるので、請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、支持手段が巻き付け止める、通し止める、填め止める、通し縛るなど張り長さ調節部に直接係わり合う形態であるので、特別な長さ調節装置を必要としない、操作が簡単、低コスト、故障をしないものにできるという効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
取付け体側支持部が略直交方向に2箇所設けてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の医療用器支持具であるので、請求項1、2いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、取付け体の取付け向きが縦向きでも横向きでも、立ち状態にある側の取付け体側支持部に吊支持手段を取付けてフレキシブル棒体を吊支持できるので、取付け体の取付け易い向きに取付けて使用できるという効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
取付け体側支持部が取付け体とは別体であるとともに、該取付け体側支持部が取付け体側にあるいはフレキシブル棒体側に回転可能に設けられてなることを特徴とする請求項1、2、3いずれか記載の医療用器支持具であるので、請求項1、2、3いずれか記載の発明と同様な効果を奏するとともに、次のような効果を奏する。
すなわち、取付け体の取付け向きが縦向きでも横向きでも、取付け体側支持部を回して立ち状態とできるものであるので、取付け体を縦向きあるいは横向きのいずれにしても吊支持手段による緊張吊り支持を行えるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の斜視図およびプラスチック製吸入器を保持した状態の斜視図。
【図2】本発明の実施例1のガラス製吸入器およびガラス製吸入器を保持した状態の部分側面図。
【図3】本発明の実施例2の使用状態側面図。
【図4】本発明の実施例3の使用状態側面図および取付け体の部分正面図。
【図5】本発明の実施例4の使用状態側面図。
【図6】本発明の実施例5の取付け体を縦に取付けた状態の部分正面図。
【図7】本発明の実施例6の取付け体を縦に取付けた状態(上図)および横に取付けた状態(下図)の部分正面図。
【図8】本発明の実施例7の使用状態側面図。
【図9】本発明の実施例8の使用状態側面図。
【図10】本発明の実施例9の使用状態斜視図。
【図11】本発明の実施例10の使用状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に示す本発明の実施例を説明する。但し、本発明はそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0011】
図1、図2に示す本発明を実施するための実施例1において1は医療用器支持具であって、この医療用器支持具1はベッド(図示せず省略)のヘッドボードあるいはサイドレールであるベッドの立ち上り部位2に上方から被さるようにしてセットされてスプリング18によって、開閉支点部19を支点に締め付勢状態とされている内開閉操作部21の挟持部位である内挟持部3と外開閉操作部22の挟持部位である外挟持部4によって付勢挟持するとともに、該ベッドの立ち上り部位2に着脱自在形態で固定されるクリップである取付け体5と、この取付け体5の内挟持部3表面(内開閉操作部21表面でもよい)に直接的にあるいは棒部材を介して(図では直接的に)根元が固定されてなる、自在に曲げることができその曲げ状態が保持されるとともに、医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体6と、このフレキシブル棒体6の先端に設けられた、開閉支点部7を支点にして該フレキシブル棒体6の軸方向に開閉される一対の開閉挟持部位8a、8bにより吸入器を着脱自在形態で付勢挟持する医療用器保持手段10と、フレキシブル棒体6の中間より前方側に設けられたフレキシブル棒体側支持部52と、取付け体5の内開閉操作部21の頂部(取付け体5側)に設けられた切り込み形態(凹形態)の取付け体側支持部53(張り長さ調節部でもある)と、フレキシブル棒体側支持部52と取付け体側支持部53に張られて、フレキシブル棒体6の首下がり現象を抑止するための鎖球54を連結ピン56で繋いだ玉鎖からなる吊支持手段55とからなっている。
取付け体側支持部53は吊支持手段55のフレキシブル棒体側支持部52と取付け体側支持部53の張り長さを調節するための張り長さ調節部である。つまり、吊支持手段55の連結ピン56部分が取付け体側支持部53(張り長さ調節部)に着脱自在形態で入り取付け体側支持部53(張り長さ調節部)の凹幅より大きい鎖球54がストッパーとなって抜けないようにされるものであり、フレキシブル棒体6が曲げられフレキシブル棒体側支持部52とフレキシブル棒体6の根元との距離が短くなることによって吊支持手段55がたるんでしまった場合、吊支持手段55が緊張する部位の連結ピン56を取付け体側支持部53(張り長さ調節部)に入れることで、医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体6であっても、吊支持手段55の張り長さ調節によって首下がり状態が起きないように支持できるものである。
【0012】
吊支持手段55の吊り支持長さ調節自在機能によって、フレキシブル棒体6を医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのものにできるので、先端側の少し戻り側を左手あるいは右手で握り抑え、先方側を右手あるいは左手で握り曲げ動かし調節する、この短い距離のフレキシブル棒体部分を非力な女性看護師でも容易にストレスを感じることなく曲げ動かすことができる医療用器支持具1を実現しているものである。同時に、そのような軟らかさのフレキシブル棒体としながら、張り状態とされた吊支持手段55の調節された張りによってフレキシブル棒体6は首下がりが起きないように保持されるとともに、その曲げ状態も保持されることを実現しているものである。
取付け体側支持部53は外開閉操作部22側に設けてもよい。
「医療用器を保持した状態では首下がり状態になってしまう、あるいは医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体6」に、本発明のフレキシブル棒体は限定されるものではなく、医療用器を保持しない状態でも首下がり状態になってしまう軟らかさのフレキシブル棒体を使用しても、吊支持手段55の張り長さ調節によって首下がり状態が起きないように支持できるという意味である。
医療用器保持手段は挟持するクリップ形態のものに限定されるものではなく、例えば、医療用器を結束保持する形態のもの、つり下げ保持する形態のもの、填め保持するリング形態のものなど多様なものがある。
【0013】
図2に示すように、医療用器保持手段10は、フレキシブル棒体6の先端の雄ねじ(図示せず)にナット90により摩擦回転自在に固定された摩擦回転部17と、この摩擦回転部17から略直角に曲げられて延びた第1の指部91と、この第1の指部91の先端に形成された開閉挟持部位8aと、第1の指部91の中途に設けられた開閉支点部7と、この開閉支点部7で開閉動作可能に支持され設けられた第2の指部92と、この第2の指部の先端に形成された開閉挟持部位8bとからなっている。
医療用器保持手段10は、吸入器本体11の後方に向かって吸引ホース取付部12が突出する形態の吸入器13の、該吸入器本体11を開閉挟持部位8a、8bで挟持する場合にあって、前記吸引ホース取付部12が該医療用器保持手段10内に位置できるように前記開閉挟持部位8a、8bから開閉支点部7への距離が、該吸引ホース取付部12が収まる距離としている。15は吸入口15。
フレキシブル棒体6の医療用器保持手段10の取付けは樹脂板16と波形ワッシャー(図示せず)を挟んだ摩擦回転部17となっていて、医療用器保持手段10をフレキシブル棒体6の軸方向に対して直交形態で回して、開閉挟持部位8a、8bの向きを自在に変えることができるようになっている。
【0014】
次に、本発明の異なる実施例について説明する。なお、これら実施例の説明に当たって、前述した実施例と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例2】
【0015】
図3に示す本発明の実施例2において前記実施例1と主に異なる点は、取付け体を内挟持部3、外挟持部4の内開閉操作部21、外開閉操作部22を長目に形成してなる取付け体20とし、内開閉操作部21、外開閉操作部22の間に押し込み嵌めて該内挟持部3、外挟持部4の締め付け力を強くするとともに容易には開かないようにするためのプラスチック製部材、ゴム製部材、木製部材、金属性板部材をU字形に折り曲げ形成した形態などの挟持締付強化手段25を備え、フレキシブル棒体6の根元側から中途部位26が垂れ下らないように該フレキシブル棒体6の中途を吊形態で支持する、内開閉操作部21の上部から張られたコードからなる中途支持手段23を設け、吊支持手段を内開閉操作部21上部に取付けた付勢巻取りリールからなる張り長さ調節部46から引き出されたロープからなる吊支持手段47としてなる医療用器支持具27を形成した点にある。
張り長さ調節部46は筐体48と、この筐体48に内蔵された吊支持手段47を付勢巻き取る発条(図示せず)により付勢巻取り力を与えられたリール本体(図示せず)と、このリール本体の回転をフリー状態ではロックし、指で押し込むとロック解除するための圧縮コイルばね(図示せず)で押し出し付勢状態の非回転とされたロック解除ボタン49とからなっている。リール本体の内孔には複数のリール側歯が形成され、ロック解除ボタンの外周にはリール側歯に噛み合うボタン側歯が形成され、フリー状態では圧縮コイルばねによりロック解除ボタンは押し上げ状態とされてリール側歯にボタン側歯が噛み合いロック状態とされ、ロック解除ボタンを押し込むとボタン側歯は内に移動してリール側歯との噛み合いが解除されたリール本体回転フリー状態とされるようになっている。
張り長さ調節部はロック式の付勢巻取りリール以外の、例えば爪歯に爪をつっかえさせる手動巻き取り式のラチェット機構のものなどがある。
【0016】
取付け体20は内挟持部3、外挟持部4を付勢締め付け状態とするスプリングは弱くてよい、ないし無い状態とされ、よって、非力な女性看護師でも容易に取付け体20のベッドの立ち上り部位2への装着ができるとともに、挟持締付強化手段25を内開閉操作部21、外開閉操作部22の間に押し込み嵌めることのよって、強い締め付け挟持状態に固定できる。
【実施例3】
【0017】
図4に示す実施例3において前記実施例1と主に異なる点は、取付け体を内挟持部3、外挟持部4を長めの形態に形成するとともに、内挟持部3の下部にピン38(軸ピン)により回動自在にボルト30と蝶ナット31からなる挟持締付強化手段32を設け、外挟持部4の下部にボルト30が嵌るボルト嵌り溝33を設けてなる取付け体34とし、フレキシブル棒体6の根元側から中途部位26が下に下らないように該フレキシブル棒体6の中途を下ツッパリ棒形態で支持する、内挟持部3の下部に設けられた自在継ぎ手部位35から動き自在に下端を支持されてなるツッパリ棒部材からなる中途支持手段36を設け、取付け体側支持部(張り長さ調節部)を内開閉操作部21の上部にT字形態とし、その首部分をロープ巻きつけ部57とし、頂部にロープ入れ切り込み部58を形成してなる取付け体側支持部59(張り長さ調節部)とし、吊支持手段をロープからなる吊支持手段60としてなる医療用器支持具37を形成した点にある。
挟持締付強化手段32を外挟持部4から外した状態で、内挟持部3、外挟持部4でベッドの立ち上り部位2を挟むようにセットし、挟持締付強化手段32を回動させてボルト嵌り溝33にボルト30を嵌め蝶ナット31を締め付け回して、内挟持部3、外挟持部4を締め付けてベッドの立ち上り部位2の締め付け固定を強化する。
【実施例4】
【0018】
図5、図6に示す実施例4において前記実施例1と主に異なる点は、取付け体側支持部をフレキシブル棒体6の根元側に設けた支持軸61、この支持軸61に軸支されて回転する回転部62、この回転部62に貫通されたねじ孔(図示せず)に螺合されたボルト63、回転部62に棒体ないし板体からなる支持部本体64とからなる取付け体側支持部68とし、張り長さ調節部を支持部本体64の上部に設けられたフック形態ないし棒形態の張り長さ調節部65とし、吊支持手段を張り長さ調節部65に掛けることができるリング鎖からなる吊支持手段66としてなる医療用器支持具67を形成した点にある。
取付け体側支持部64は取付け体20側に設けられた形態である。
張り長さ調節部65へかける吊支持手段66のリングの位置を自在に選びかけることができ、よって、吊支持手段66のフレキシブル棒体側支持部52と張り長さ調節部65の長さを自在に調節することができる。
取付け体20を横向き(寝かせ形態)にして取付けた状態では、ボルト63を緩め支持部本体64を回し立て状態にしてボルト63を締め固定して使用することができる。
すなわち、取付け体20を横向き(寝かせ形態)で使用しても、縦むきで使用しても、吊支持手段66によるフレキシブル棒体6の吊り支持を実現するものである。
本実施例4の技術的思想は、取付け体側支持部の向きを変えればよいところにあるものであるから、取付け体側支持部を回して向きを変える以外に、例えば取付け体に棒状の取付け体側支持部を差し込み保持する差込保持部を2箇所直交向きで設ける形態である。
【実施例5】
【0019】
図7に示す実施例5において前記実施例1と主に異なる点は、取付け体20の側部から該取付け体20に対して直交の方向に延長するように形成された延長部69を設け、取付け体20の端部にフック形態ないし棒形態の張り長さ調節部70を設け、延長部69の端部にフック形態ないし棒形態の張り長さ調節部71を設け、吊支持手段を張り長さ調節部70、71に掛けることができるリング鎖からなる吊支持手段66としてなる医療用器支持具72を形成した点にある。
取付け体20が縦向き取付けの場合は張り長さ調節部70(図7上図)に吊支持手段66をかけ、取付け体20が横向き取付けの場合は張り長さ調節部71(図7下図)に吊支持手段66をかけて使用する。
【実施例6】
【0020】
図8に示す実施例6において前記実施例4と主に異なる点は、張り長さ調節部65を輪形態の張り長さ調節部75に変え、吊支持手段をパイプ部材76、このパイプ部材76にスライド自在に挿入されたスライド棒77とからなる吊支持手段80とし、張り長さ調節部をパイプ部材76の先端に設けられたフランジ部78、このフランジ部78に貫通されたねじ孔(図示せず)に螺合されたボルト79とからなる張り長さ調節部82としてなる医療用器支持具81を形成した点にある。
ボルト79をゆるめスライド棒77をスライドさせて張り長さを調節することができる。
ボルト79をゆるめた状態でフレキシブル棒体6の曲げ操作を行うと、自然にスライド棒77がその変化に合わせてスライド調節されるので、決めたところでボルト79を締める固定するという操作を行うことができる。
【実施例7】
【0021】
図9に示す実施例7において前記実施例4と主に異なる点は、取付け体側支持部68を外開閉操作部22に設けてなる医療用器支持具83を形成した点にある。
【実施例8】
【0022】
図10に示す実施例8において前記実施例1と主に異なる点は、吊支持手段を一方面の略全面をループ部材85とし、他方面の端方にフック部材86を設けてなる面ファスナバンドからなる吊支持手段87とし、張り長さ調節部を内開閉操作部21の上部に設けた吊り手段87を通すことができる輪形態の張り長さ調節部88とし、吊支持手段87を張り長さ調節部88に通し(潜らせ)通り抜けたフック部材86側を折り返して、吊支持手段87を張り状態としてフック部材86をループ部材85に係着接合して張り長さを固定する形態とした医療用器支持具89を形成した点にある。
吊支持手段87を張り長さ調節部88から抜き外すことなく、フック部材86のループ部材85への係着部分を変えるだけの操作で、吊支持手段87のゆるめと張りを簡単に素早く調節できるので、吊支持手段87がフレキシブル棒体6の曲げ操作の邪魔になることがなく、使用しやすいものである。
【実施例9】
【0023】
図11に示す実施例9において前記実施例1と主に異なる点は、医療用器保持手段10の第1の指部91および第2の指部92の開閉支点部7と開閉挟持部位8a、8bの間を5度から40度程(好ましくは15度から30度)の角度で曲げ形態(折り形態を含む)としたものである。図11のものの曲げ角度は20度。
このような構成とすることにより、医療用器保持手段10を摩擦回転部17で回すことにより保持した医療用器の保持角度を簡単に変え調節することができるとともに、フレキシブル棒体6の曲げ角度(特に先端側)を強くしなくてすむので、曲げ操作性および位置設定が楽に行えるという効果を奏するものである。
[付記]
従来のクリップは指部から開閉挟持部位までは真っ直ぐな形態であったために、位置合わせおよび保持した医療用器の角度の調節は全てフレキシブル棒体の曲げ操作によって行っていたため、操作性が悪いという欠点を有していた。
本付記発明は、従来技術の以上のような欠点に鑑みてなされたものであって、保持した医療用器の角度あわせを含む位置合が行いやすい操作性の医療用器支持具を提供することを目的としている。
<付記1の発明>
ベッドのヘッドボードあるいはサイドレールであるベッドの立ち上り部位の適宜な箇所に着脱自在形態で固定される取付け体と、この取付け体に直接的にあるいは棒部材を介して根元が固定さるとともに先端側に器具を取付けて使用する、自在に曲げることができるフレキシブル棒体と、
このフレキシブル棒体の先端に摩擦回転自在に固定された摩擦回転部、この摩擦回転部から略直角に曲げられて延びた第1の指部、この第1の指部の先端に形成された第1の開閉挟持部位と、この第1の指部の中途に設けられた開閉支点部と、この開閉支点部で開閉動作可能に支持され設けられた第2の指部と、この第2の指部の先端に形成された第2の開閉挟持部位とからなるとともに、開閉支点部と前記第1、第2の開閉挟持部位の間を5度から40度程の角度で曲げ形態としてなる医療用器保持手段とからなる医療用器支持具。

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は主に吸入器を使用する医療や介護産業で利用される。
【符号の説明】
【0025】
1:医療用器支持具、
2:ベッドの立ち上り部位、
3:内挟持部、
4:外挟持部、
5:取付け体、
6:フレキシブル棒体、
7:開閉支点部、
8a、8b:開閉挟持部位、
9:吸入器、
10:医療用器保持手段、
11:吸入器本体、
12:吸引ホース取付部、
13:吸入器、
14:吸入口、
15:吸入口、
16:樹脂板、
17:摩擦回転部、
18:スプリング、
19:開閉支点部、
20:取付け体、
21:内開閉操作部、
22:外開閉操作部、
23:中途支持手段、
25:挟持締付強化手段、
26:中途部位、
27:医療用器支持具、
30:ボルト、
31:蝶ナット、
32:挟持締付強化手段、
33:ボルト嵌り溝、
34:取付け体、
35:自在継ぎ手部位、
36:中途支持手段、
37:医療用器支持具、
38:ピン、
46:張り長さ調節部、
47:吊支持手段、
48:筐体、
49:ロック解除ボタン、
52:フレキシブル棒体側支持部、
53:取付け体側支持部(張り長さ調節部)、
54:鎖球、
55:吊支持手段、
56:連結ピン、
57:ロープ巻きつけ部、
58:ロープ入れ切り込み部、
59:取付け体側支持部(張り長さ調節部)、
60:吊支持手段、
61:支持軸、
62:回転部、
63:ボルト、
64:支持部本体、
65:張り長さ調節部、
66:吊支持手段、
67:医療用器支持具、
68:取付け体側支持部、
69:延長部、
70:張り長さ調節部、
71:張り長さ調節部、
72:医療用器支持具、
75:張り長さ調節部、
76:パイプ部材、
77:スライド棒、
78:フランジ部、
79:ボルト、
80:吊支持手段、
81:医療用器支持具、
82:張り長さ調節部、
83:医療用器支持具、
85:ループ部材、
86:フック部材、
87:吊支持手段、
88:張り長さ調節部、
89:医療用器支持具、
90:ナット、
91:第1の指部、
92:第2の指部。











【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドのヘッドボードあるいはサイドレールであるベッドの立ち上り部位の適宜な箇所に着脱自在形態で固定される取付け体と、
この取付け体に直接的にあるいは棒部材を介して根元が固定さるとともに先端側に器具を取付けて使用する、自在に曲げることができるフレキシブル棒体と、
このフレキシブル棒体の中間より前方側に設けられたフレキシブル棒体側支持部と、
前記取付け体側の前記フレキシブル棒体の根元よりも高い位置に設けられた取付け体側支持部と、
この取付け体側支持部と前記フレキシブル棒体側支持部に張られて、前記フレキシブル棒体の首下がり現象を抑止するための吊支持手段と、
この吊支持手段の張り長さを調節するための張り長さ調節部とからなることを特徴とする医療用器支持具。
【請求項2】
吊支持手段が鎖製部材、ロープ製部材あるいは面ファスナ部材であり、張り長さ調節部がフレキシブル棒体側支持部あるいは取付け体側支持部であるとともに、前記吊り支持手段が直接係わり合ってその長さを調節する部位であることを特徴とする請求項1記載の医療用器支持具。
【請求項3】
取付け体側支持部が略直交方向に2箇所設けてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の医療用器支持具。
【請求項4】
取付け体側支持部が取付け体とは別体であるとともに、該取付け体側支持部が取付け体側にあるいはフレキシブル棒体側に回転可能に設けられてなることを特徴とする請求項1、2、3いずれか記載の医療用器支持具。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−19645(P2011−19645A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166199(P2009−166199)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000212599)
【出願人】(509199225)
【Fターム(参考)】