説明

医療用流体を受ける受容手段、外部機能手段および医療装置

本発明は、流体を受け入れる受容手段(100)であって、流入する流体の流体サージを少なくとも2つの部分流体サージに分割するよう構成され意図された少なくとも1つの流動調整体(1)を備えた流体サージ方向転換要素を備える受容手段に関する。さらに、本発明は、本発明に係る受容手段を備える外部機能手段および治療装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、医療用流体を受ける受容手段に関する。さらに、本発明は、請求項19に記載の外部機能手段と、請求項22に記載の医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術における様々な装置、例えば、治療装置などは、流体を一時的に受け入れる受容手段を備える。これらの受容手段は、一般に、装置の動作中に流体を充填させ、排出して再び空にすることを繰り返す。充填中と排出中に習慣的に発生する流動現象は、一般に、適切な構造的手段を用いることによって影響を受けている。これらの構造的手段の中には、容器壁ノズル、バッフル壁、および構造要素の、例えば、浸漬パイプ形状、ディフューザ形状などの幾何学的形状がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、流体の流れに影響を及ぼす手段を備え、医療用流体、特に血液を受け入れる別の受容手段を明確に記述することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する、1つまたは複数の医療用流体を受け入れる受容手段によって達成される。
【0005】
本発明に係る受容手段は、少なくとも1つの医療用流体が受容手段の内部に導入または供給され得る流入開口を備える。受容手段は、さらに、流入する流体の流体サージを方向転換させる少なくとも1つの流体サージ方向転換要素を備える。
【0006】
現在使用されている「流入開口」という表現は、流体が周辺部に対して開閉可能な受容手段の内部に流入、浸入または進入する、例えば、受容手段の片側、側面または側壁における、開口またはくぼみを示す。
【0007】
本発明の意味の範囲内における「流体」には、いかなる医療用液体および/またはいかなる医療用気体および/またはいかなる気液混合物(例えば、液体内の気泡、泡状物、特に、空気泡を含む血液、泡状血液)も包含される。特に、体外血液回路内部の血液であってもよい。
【0008】
「流体」は、この場合および以下において、医療用流体と同義であると理解されるべきである。
【0009】
「受容手段の内部」とは、完全または部分的に流体が充填されるとともに流体を受け入れることに適し、向けられている受容手段の容積または容量を示す。
【0010】
「流体サージ方向転換要素」とは、流体サージに影響を及ぼすこと、特に衝突する流体サージを方向転換させることに適した物体を指す。この物体は、流れによるフラッシングおよび/または被覆されるように構成された要素であってもよい。
【0011】
本発明の観点からは、流体サージ方向転換要素は、受容手段の内部に流入する流体サージを衝突させるか、または流体サージと接触させる目的で受容手段内部に設けられた流体接触要素であると理解することもできる。この接触は、流体サージが意図的に影響を受けるように、構造によって意図的にもたらされる。この接触は、流体サージの衝撃の減衰、流体サージの衝撃を伝播という点で打ち消すことを含んでもよい。特に、接触は、以下により詳細に述べるように、流体サージの少なくとも2つの追跡可能な部分流体サージまたは多数の小さな部分流体サージへの意図的な分割をさらに含んでもよい。
【0012】
したがって、本発明によれば、流体サージ方向転換要素は、流体サージを少なくとも2つの部分流に分割するように構成されるか、および/または設けられ、それに適した少なくとも1つの流動調整体を備える。その分割の後、部分流は、少なくとも一時的に物理的に分かれた状態で、すなわち、互いの接触なく存在する。
【0013】
「流体サージ」という表現は、受容手段に導入されるか、または流入する流体の量または体積を示す。
【0014】
流体サージは、連続的および/または一定の流体サージ(例えば、定速で流れる)であっても、特定の時点でおよび/または特定の有限の時間のみ受容手段に流入する流体サージであってもよい。
【0015】
流体サージは衝撃を伝播する可能性がある。流体サージは、上記の説明に係る流体サージ方向転換要素が設けられていない場合に受容手段に浸入すると、流入する流体(特に液体)、または別の流体(特に血液)が流入するよう意図された流体に乱流および/または気体の混入(特に空気の混入)をもたらすようなものとなる可能性がある。
【0016】
「部分流体サージ」という表現は、最初に受容手段に流入する流体サージを流動調整体によって分割することによって得られる部分流、または最初に浸入した全流体サージの部分体積を示す。部分流体サージは流体サージの割合を表す。
【0017】
流体サージを部分流体サージに分割することによって、有利には、望ましくない流動現象の発生が抑制され得る。
【0018】
本発明の有利な実施形態または展開は、各付随する請求項の主題である。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、流体サージを部分流体サージに分割した後に受容手段内部に残留し続ける、流動調整体によって得られた部分流体サージのすべての割合の合計が、流体サージ全体のほぼ100%になってもよい。このことは、部分流体サージのすべてが受容手段内に浸入し続けるか、または最初に受容手段内部に残留した状態のままであることを意味する。
【0020】
個々の部分流体サージの体積流量または流量の割合は、同じであっても互いに異なってもよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、流動調整体が、流体サージの流入領域、特に、体外血液処理用血液カセットの仮想弁の流出領域に配置されている。
【0022】
現在使用されている「仮想弁」という表現は、弁の機能を果たすアクタ(actor)(この場合、例えば、アクタ膜)が達するアクタ面を有する要素を示す。
【0023】
アクタ膜は、力、例えば圧力を加えられることによって一方向に移動、拡張、湾曲などを起こすように、製造することができる。その移動または拡張の結果、アクタ膜は、封止手段、例えばバーなどの要素に接触したり、その要素から離れたりすることができる。これにより、アクタ膜は、例えば、封止効果を引き起こしたり、高めたり、終わらせたり、低下させたりすることができる。
【0024】
アクタ膜に作用する力が打ち消されると、アクタ膜は、例えば基本位置、例えば非湾曲状態に復帰することができる。
【0025】
「流入領域」という表現は、流体サージが受容手段への流入または浸入の直後に存在する受容手段の領域を示す。流入領域は、この場合、流入開口との空間関係で受容手段の流入開口周囲側の領域を形成してもよく、この流入領域では、流入開口から流入する流体が受容手段内に広がって受容手段を満たし始める。
【0026】
さらに好ましい実施形態では、流動調整体は、流体の流入領域において流入開口の中心軸線または流入方向に対して中心位置(または中心領域)に配置されている。
【0027】
この場合、「中心軸線」とは、例えば、流入開口の断面の中心領域もしくは中心点または流入方向、例えば、円形断面を有する流入開口の円の中心など、に対して垂直な1本の軸線を示す。中心軸線は、流体サージが部分流体サージに分割される前の流体サージ全体の主要な流れの方向に平行に延びてもよい。
【0028】
「中心」または「中央部」という表現は、本発明では同義または置換可能に使用することができる。それらの表現は、構成要素を基準の系または基準の構成要素の中心領域または中央部にそれぞれ配置することを示すよう意図されている。中心配置とは、好ましくは、構成要素の幾何学的中心、例えば、断面の円の中心点が基準の構成要素の中心軸線または中心点上に配置されるように定義される。幾何学的中心、中心軸線または中心点は、通常の方法で、幾何学的にまたは近似によって決定することができる。
【0029】
現在使用されている「断面」という表現は、流入方向に垂直または流入方向に平行な断面を示すことができる。「断面」とは、本発明の考察の意味では、付加的な特徴にかかわらず、好ましくは最大直径または最大寸法の断面である。
【0030】
流入開口は、例えば、受容手段の片側、側面または側壁の表面内部または中心に配置されてもよい。しかしながら、受容手段の片側または限界の周辺領域に配置されてもよい。
【0031】
流入開口は、受容手段の片側の全長をほぼ横切って延びてもよい。これとは無関係に、流入開口は、受容手段の片側の全幅をほぼ横切って延びてもよい。したがって、流入開口は、様々な3次元形状を採用してもよい。
【0032】
しかしながら、好ましい態様では、流入開口は、受容手段の境界面のほぼ中心に設けられており、すなわち、流入開口の中心点(例えば、円形断面を有する流入開口の円の中心点)が、受容手段の側面の半分の長さの位置および/または半分の幅の位置に配置されている。
【0033】
流入開口は、円形または楕円形の断面を有してもよいが、同様に本発明の目的にふさわしいと思われる他のいかなる断面を有してもよい。
【0034】
さらに、同様にまたはそれぞれ異なるように構成された複数の流入開口が受容手段に設けられてもよい。それら流入開口の各形状は、流動学的に最適でかつ所望の目的にふさわしいように選択されてもよい。
【0035】
受容手段の1つまたは複数の側壁または側面に複数の流入開口が設けられる場合、流入開口の少なくとも1つが、本発明に従って、流体サージの流入領域に流体サージ方向転換要素または流動調整体を備えてもよい。
【0036】
流動調整体は、好ましくは対称形状を有する。流動調整体は、好ましくは、流入開口の中心軸線に対して対称の形状または配置を有する。
【0037】
この対称の形状または配置には、流動調整体の断面が、受容手段に導入される流体サージの流入方向に垂直な面において、流入開口の中心軸線に対して対称に配置されるか、または設けられる可能性が含まれる。好ましい態様では、対称性は、流体サージ要素により近い場所に設けられる。しかしながら、その手段全体が対称形であることは必ずしも必要ない。
【0038】
流動調整体は、概ね、浸入する流体サージまたはその大部分が衝突する前面または衝突面と、部分流体サージが合流し得る後面とを有してもよい。
【0039】
流動調整体の後方部分または下流部分における分割された部分流体サージの再合流は、本発明に含まれる。しかしながら、本発明は再合流に限定されるものではなく、換言すれば、再合流は、本発明のあらゆる実施形態の必須の効果ではない。
【0040】
流動調整体は、各部分流体サージが沿って流れ得る左右の側面をさらに有してもよい。
【0041】
対称形状を有する流動調整体は、左右側面の幾何学的形状または配置が流入開口の中心軸線に対して鏡面対称に設けられるように構成されてもよい。
【0042】
流動調整体の前後面の幾何学的形状も、同様に、流入開口の中心軸線に対して垂直な、すなわち、受容手段に浸入する流体サージの流れの方向に対して垂直な軸線に対して鏡面対称に構成されてもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0043】
例えば、流動調整体の断面が円形であってもよく、この場合、流動調整体それ自体が回転対称の形状を有する。
【0044】
代替例として、流動調整体の断面が楕円形状を有してもよく、この場合、流動調整体の左右側面が互いに対称に構成されるのみならず、流動調整体の前後面も互いに対称に構成される。
【0045】
流動調整体の断面が放物面形状、弓形形状またはその他の形状を有してもよい。
【0046】
流動調整体の断面が、流動調整体の高さまたは深さに沿って変化してもよい。例えば、断面積が流動調整体の高さとともに変わってもよく、例えば、流動調整体の断面積または直径が高さとともに減少、すなわち、より小さくなったり、縮小したりしてもよい。しかしながら、流動調整体の断面は、流動調整体の高さまたは深さに沿って一定のままであってもよい。
【0047】
断面積または直径は、それぞれの用途およびそれぞれ使用される流体に最適化された流体サージ方向転換を得るために、流動調整体の高さとともに減少と増加(またはその逆)を繰り返してもよい。
【0048】
流動調整体は、受容手段に最初に導入された流体サージを2つ以上の部分流体サージに細分するように構成されてもよい。
【0049】
流動調整体は、例えば、第3の流体サージを通過させるために中心領域に通路開口を備えてもよい。
【0050】
通路開口は、例えば、流動調整体の前面から後面まで延びてもよい。
【0051】
さらに好ましい実施形態では、流動調整体が、流入開口から流入開口または流路の直径の0.4倍〜2倍だけ間隔を置いて受容手段の流入領域に配置されている。
【0052】
この間隔は、好ましくは、流入開口、例えば、受容手段の側面または側壁の流入開口の入口と流動調整体の前面(例えば、流体サージまたは流体サージの主要な一衝突点から上流方向に最も遠い点)との間の距離を指してもよい。
【0053】
別の好ましい実施形態では、中心軸線に対して垂直な、または流体サージの流動調整体に対する主要な衝突方向に対して垂直な面における流動調整体の直径は、流入開口または流路の直径の0.4倍〜1.2倍であってもよい。
【0054】
この直径は、好ましくは、流動調整体の最大直径、例えば、図1に示すような楕円形断面を有する流動調整体の長い方の直径であってもよい。
【0055】
さらに好ましい実施形態では、流体サージ方向転換要素が、受容手段と材料結合で構成されるか、一体形成されている。
【0056】
流体サージ方向転換要素または流動調整体は、受容手段の製造中に受容手段と一緒に構成または形成されてもよい。この構成または形成は、例えば、受容手段の射出成形によって得られてもよい。受容手段は、例えば、射出成形された角柱状の室として構成されてもよい。
【0057】
受容手段は、カセット構成で、またはそのようなカセットの一部として構成されてもよい。例えば、外部機能手段または外部機能手段の一部であってもよい。受容手段は、好ましくは、材料結合によって外部機能手段に組み込まれてもよい。
【0058】
さらに好ましい実施形態では、受容手段は、流入開口において流入路に接続されている。あるいは、複数の流入路に接続されてもよい。接続路または流入路は、受容手段の下端に一体にまたは材料結合によって組み込まれてもよい。
【0059】
流入路は、閉じた通路、半開の通路、または導管であってもよい。外部機能手段に組み込まれてもよい。そのような通路やそのような導管は、外部機能手段の製造中に、例えば射出成形によって構成または形成されてもよい。
【0060】
さらに好ましい実施形態では、流入開口が、受容手段の内部に浸入した流体を流出させることができるように適し、向けられている。しかしながら、様々な(特定の場合には、さらにそれぞれ異なる)流入路および流出路または様々な(特定の場合には、さらにそれぞれ異なる)流出入路が設けられてもよい。
【0061】
このことは、例えば、受容手段の充填または排出中にできる限り完全な流体の入替えを達成するのに有利である。
【0062】
このことは、特に、受容手段が外部機能手段、例えば、血液カセットや血液処理カセットなどの一部であって、血液カセットの個々の構成要素の省スペースの配置が極めて重要であるか、必要であるか、または望ましい場合に有利である。
【0063】
受容手段に対して流入または流出する流体の流れの方向を調節するために、流入開口または流出開口の、例えば、まさにその開口、すなわち、流入開口または流出開口の通路表面に、1個または複数個のそれぞれ異なる、および/または様々にもしくはそれぞれ異なって構成されるかまたは設けられた突出部、くぼみ、流動要素、流動調整要素などが設けられてもよい。
【0064】
下方への排液(重力による排出)によって受容手段を完全に空にする目的で、排液路または流出路が受容手段の測地的最下点に配置されてもよい。
【0065】
排液路または流出路の周辺部において、受容手段の側壁が、受容手段内に存在する流体の外方への流れを容易にし得る一定の最小限の傾斜を有してもよい。これにより、有利には、不十分に垂直な向きを有する受容手段であっても空にすることができる。
【0066】
さらに、そのような配置の場合、有利には、流れの死角を減少させるか、防止することができる。
【0067】
別の好ましい実施形態では、受容手段が体外血液回路内に配置されている。
【0068】
流体サージ方向転換要素、特に血液サージ方向転換要素または血液サージ要素が、流れの減速の達成、乱流の発生および/または単針室内に存在する血液サージの方向転換、または血液サージの衝撃の打消しに適し、それを対象としてもよい。特に、同様の血液サージ方向転換要素が流動学的に最適化された形状を有してもよい。例えば、単針室の壁の周面の少なくとも一部分に接続された楕円柱または円柱の形状に構成されてもよい。
【0069】
血液サージ方向転換要素がなければ、仮想弁から流入する血液サージが、特定の場合には、奔流を起こす可能性がある。この奔流は、液面のハンチングもしくはスロッシング運動および/または発泡に至る可能性がある。血液サージ要素を用いると、血液サージ全体が2つのより小さな血液サージに分割されることによって、血液サージ全体の衝撃を打ち消すことができ、有利には、ハンチング運動、スロッシング運動および/または発泡を防止することができる。
【0070】
本発明の目的は、請求項19に記載の外部機能手段によっても達成される。本発明の受容手段によって達成可能な利点のすべては、本発明の外部機能手段の場合にも達成することができる。
【0071】
本発明の外部機能手段は、本発明に係る少なくとも1つの受容手段を備える。
【0072】
本発明の外部機能手段には、処理方法、特に体外血液処理方法に使用されることを対象としてもよい。本発明の意味の範囲内における処理方法には、医療方法、特に、透析方法などの血液処理方法、実験技術の方法、食品または薬品製造方法などが含まれる。
【0073】
好ましい実施形態では、本発明の外部機能手段が血液カセットとして構成されている。
【0074】
外部機能手段は、治療装置内または治療装置上での使用に向けられてもよい。
【0075】
外部機能手段は、少なくとも片面に被覆部材が設けられてもよい。
【0076】
「被覆部材」は、例えば、薄膜、膜などであってもよい。適切な被覆部材の例示の実施形態とその外部機能手段上での構成および配置は、例えば、本発明の出願人によって2009年3月10日に独国特許商標庁に出願され、「Abdichtungseinrichtung zum Abdichten eines Volumens einer medizinischen Behandlungsanordnung gegen ein weiteres Volumen sowie Anordnung und Verfahren(医療装置の容積を別の容積に対して封止する封止手段、装置および方法)」の名称を有し、関連する開示が参照により本明細書にすべて組み込まれている出願102009012632.5(代理人ファイルFM19A25)から採用されてもよい。
【0077】
外部機能手段の被覆部材は、好ましくは、流動調整体の上面、特に、流動調整体の上面に周辺に設けられた封止用バーに載るように配置されるか、設けられている。
【0078】
これにより、外部機能手段の、外部に対する液密封止を達成することが可能になり、流動調整体の上面がもう1つの支持点を提供することが可能になる。
【0079】
それと同時に、封止手段と流動調整体の上面との間の封止により、受容手段の内部に存在する流体を封じ込めることができ、流体が受容手段からその上面において外部機能手段の他の区画内および/または外部機能手段の外側に漏出しないようにすることができる。
【0080】
外部機能手段は、例えば、本発明の出願人によって2009年4月23日および2009年6月10日に独国特許商標庁に出願され、それぞれ「Externe Funktionseinrichtung,Blutbehandlungsvorrichtung zum Aufnehmen einer erfindungsgemassen externen Funktionseinrichtung,sowie Verfahren(外部機能手段、本発明に係る外部機能手段を受け入れる血液処理装置および方法)」の名称を有する出願102009018664.6(代理人ファイルFM19A27)および(09/33−d01;FM19A27DE)に記載されているような血液カセットとして構成されてもよい。これらの出願の関連する開示は、参照により本明細書にすべて組み込まれている。
【0081】
そのような外部機能手段は、使い捨ての構成要素や使い捨て品であってもよい。
【0082】
外部機能手段は、例えば、プラスチック材料からなってもよい。
【0083】
外部機能手段は、被覆手段、例えば、膜が溶着された硬質の射出成形品として構成されてもよい。
【0084】
本発明の目的は、請求項22記載の本発明の医療装置によっても達成される。本発明の受容手段によって達成可能な利点のすべては、本発明の医療装置の場合にも達成することができる。
【0085】
本発明の医療装置は、本発明に係る少なくとも1つの受容手段および/または本発明に係る少なくとも1つの外部機能手段を備えてもよい。
【0086】
医療装置は、上記に特定された処理方法に採用されてもよい。
【0087】
例えば、医療装置は、血液透析、血液濾過、血液透析濾過などの透析治療を行うための透析装置などの血液処理装置であってもよい。
【0088】
本発明は、有利には、受容手段に流入する流体流れや流体サージを静穏化することに適し、向けることができる。
【0089】
このことは、特に、受容手段が、流体を受容手段に導入または供給するチューブ、パイプ、通路または弁の断面よりも明確に大きい断面を有する場合に有利である。
【0090】
本発明の場合、有利には、流動する体積の範囲内と、気体充満空間側の自由表面(例えば、液面)または通路、受容手段および/またはさらなる内蔵要素などの流体濡れ面上の両方における、段部または断面変化部を通過する際に通常発生する乱流および/または不均一を防止することが可能である。
【0091】
有利には、流体が充填過程および/または排出過程中に流入または流出する際に通常生成される乱流も、本発明によって同様に低減または完全に防止することさえできる。
【0092】
本発明の場合、有利には、受容手段内部に流入またはすでに存在する流体内での、例えば、空気泡などの気泡の撹拌、導入または封入、および/または発泡を防止することが可能である。特に、有利には、受容手段の側壁の濡れ段階および側壁からの離脱段階での空気混入を低減または防止することが可能である。
【0093】
本発明に係る受容手段では、受容手段に浸入する流体サージを分割する結果、有利には、流体の液面のスロッシングおよび/または発泡のみならず、流れの衝突および/または望ましくないスロッシング流れおよび/または回転流を低減または防止することができる。
【0094】
液体表面でのスロッシング運動、うねりおよび/または渦の形成が低減されるか、出現しないので、例えば、液体の充填レベルの正確な測定を可能にしながら、さらなる気体接触および/または気体吸収を防止することが可能である。
【0095】
従来の受容手段用の内蔵型流動静穏化要素または構造と異なり、本発明では、有利には、センサ要素の機能可能性に対する障害を防止することができる。
【0096】
このことは、例えば、有利には、受容手段内に存在する流体に関する十分に正確な測定、例えば、流体の充填レベルのできる限り正確な測定などを実行可能にすることに貢献することができる。
【0097】
さらに、例えば、受容手段内に存在する流体の特性を測定する際に、気泡、空気泡または旋回流の発生によって引き起こされる歪曲された測定結果を取得する危険性や問題を回避することが可能である。
【0098】
従来技術の大型の装置や手段、例えば、通路のディフューザ形状(多くの場合、通路断面の10倍以上のディフューザ長さを必要とする)や、流入路、流出路、容器壁ノズルおよび/またはバッフル壁の浸漬パイプ形状などと異なり、本発明は、最小限に侵襲的で、小型であり、いかなる干渉も起こさないように構成された、外部機能手段内の受容手段として提供される。
【0099】
流体サージ方向転換要素は、有利には、その機能に必要な単一の構成要素、すなわち、流動調整体からなることができる。
【0100】
多くの場合、流体サージ方向転換要素は、有利には、独立した構成要素ではなく、追加費用、設置スペース、ジョイントおよび/またはデッドスペースのない、流入路の壁および/または受容手段の側壁に組み込まれた形状としての幾何学的形状に相当することができる。
【0101】
流動調整体は、有利には、後に流体と接触する必要がある金型インサート通過個所を有する追加のスライドおよび/または金型コアを必要とすることなく、射出成形技術によって単純および/または高コスト効率の方法で実現することができる。これにより、有利には、射出成形型の可動シームから受容手段の流体濡れ面へ不純物が導入されるのを防止することができる。
【0102】
流動調整体は、内蔵型流動静穏化要素のない、または本発明の流動調整体以外の内蔵型流動静穏化要素を有する受容手段と比較して、有利には、追加的に必要な構造上の高さ、追加の体積および/または追加の表面の必要性を低くして実現することができる。
【0103】
流動調整体の小さな表面および/または流動学的に好ましい構造は、さらに有利には、空気の導入、空気の付着、せん断速度および/または流れのデッドスペースを最小限に抑制して流動静穏化をもたらすことができる。
【0104】
さらに、流動調整体は、液面が流動調整体を概ねまだ包囲しているか解放するまさに濡れ段階と離脱段階においても利点をもたらすことができる。これにより、例えば、流体排出中に、流動調整体は、有利には、流動調整体に付着する少量で再現可能な量の流体を放出するだけでもよく、それにより、レベル測定および流体方法(流体の完全な入替え)に有利な効果を及ぼすことができる。
【0105】
流動調整体が小さな表面であること、鋭い縁および/もしくは中空空間がないこと、ならびに/または乱流形成および/もしくは発泡が少ないことは、有利には、流動調整体の高い血液適合性をもたらすことができる。
【0106】
空間の必要性が低い場合、流動調整体は、容器に通じる流入路および/または流出路の前に近接して配置されてもよい。有利には、例としてレベル、発泡、相境界および/または空気泡を検出する測定手段が、上方に配置される受容手段のレベル空間に干渉および/または内蔵要素なしに配置され、流体に実質的に無関係なこの空間を利用することができる。
【0107】
以下、本発明を添付の図面に基づいて説明する。図面では、同一の参照番号は同様または同一の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】第1の実施形態に係る本発明の受容手段の第1の状態における上面図である。
【図2】図1の本発明による受容手段の第2の状態における上面図である。
【図3】本発明に係る受容手段の縦断面図である。
【図4】別の例に係る本発明の受容手段の縦断面図である。
【図5】前面に被覆手段が設けられた、好ましい実施形態に係る本発明の機能手段の前面図である。
【図6】被覆手段が破壊的に切断された後に回し開けられた図5の外部機能手段を示す。
【図7】後面から見た図5および図6の外部機能手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0109】
図1は、充填段階における第1の実施形態の本発明の受容手段を示す。
【0110】
本発明の受容手段100は、内部Iに、流動調整体1を備える流体サージ方向転換要素を備える。
【0111】
流動調整体1は、受容手段100の流入路5と利用領域7との間の受容手段100の移行領域3内に配置されている。
【0112】
受容手段100の移行領域3により、流入路5の相対的に小さな流体断面と受容手段100の相対的に大きな断面との間の無理のない移行、例えば、受容手段100と流入路5とを一体に製造可能にすること、受容手段100が斜め向きに配置された場合でも受容手段100が自ら上手く排出すること、流入路5の受容手段への移行直後に流路閉鎖弁を組み込むことなどが可能になる。
【0113】
例えば、受容手段100内に存在する流体の充填レベルを検出する測定手段が移行領域3に設けられてもよい。そのような測定手段は、これらの検出目的に特に最適化されるように構成されてもよい。
【0114】
流動調整体1は、移行領域3の空間を利用するためにも移行領域3の内部に配置されていることが好ましい。
【0115】
受容手段100の利用領域7は、例えば、受容手段100の必要な空間と充填量との好ましい比率、受容手段100もしくは受容手段100内に存在する流体の充填量またはその他の量に関する好ましい測定能力(例えば、受容手段100内に存在する流体の透明度を用いて)、充填量に対して小さな濡れ面、良好な濡れおよび離脱挙動、流体の良好な排出性などの要求を満たしてもよい。
【0116】
流体サージ(図1にブロック体の矢印で示す)が流入開口9から受容手段100内に流入する。
【0117】
受容手段100に流入する流体サージは、流動調整体1の前面11に衝突し、2つの部分流体サージに分割される。部分流体サージは、右側面13と左側面15のそれぞれに沿って通過する。
【0118】
流動調整体1の後面17上で、部分流体サージが再び出会って合流する。
【0119】
図1の表示に従って、流動調整体1が楕円形断面を有してもよい。
【0120】
図1の表示によれば、流動調整体1は、流体サージの流入域においてほぼ対称的に配置されている。
【0121】
流動調整体1の幅と高さの両方(2方向矢印方向の流れの方向における広がり)の寸法決定は、流動調整体1に対して空間内の全方向においてできる限り最小の寸法を与えるように意図されてもよい。
【0122】
流動調整体1のこれらの最小限の寸法は、好ましいことに、受容手段100の有用な充填量が失われる可能性を確実に最小限にすること、および/または受容手段100の濡れたり濡れから解放されたりする表面を低減させることに貢献することができる。
【0123】
そのような表面の最小化は、いくつかの点で本発明に係る流体の装置に有利に働くことができる。すなわち、表面が小さいほど、有利には、小さな気泡の付着の可能性を少なくすることができる。表面が小さいほど、一般に、受容手段100の材料および/または受容手段内に存在する気体に対する流体の化学的および/または物理的反応性を低下させることができる。このことは、例えば、有利には、空気の少なさおよび異質な表面の少なさによって流入血液の適合性の向上および/または凝固傾向の抑制をもたらすことができる。
【0124】
表面が小さいほど、この表面に付着する残留量を少なくすることができるので、有利には、流体を最大充填量に関してより完全に受容手段100に流入させるとともに、より再現可能なように受容手段100から流出させることができる。充填レベルを用いた充填量の正確な測定を容易にすることができる。
【0125】
充填サイクルと排出サイクルとの間の流体の入替えが、有利には、より完全な方法で行われる。流体充填物の混合も、方法技術の点で求められる場合が多いが、特に、血液適合性の向上に関して、異質な表面上での血液付着の防止と血液滞留時間の低減によって達成することができる。
【0126】
流動調整体1の最小限の寸法は、実験によって決定されてもよく、流体および液面を静穏化するとともに受容手段100に流入する流体内での気体の生成と撹拌を最小限にする所望の効果が概ね定着され得るように選択されてもよい。
【0127】
最小可能寸法は、流入路5内の形状および/または平均流速、流入する流体の組成と粘度、流入路5、受容手段100および/または流動調整体1の側壁の材料と表面構造、移行領域3の形状、流動調整体1の受容手段100に対する結合の形状、流入する流体の拍動可能性と許容体積流量範囲、および/または流動調整体1に近い周辺部と幾分離れた周辺部(流入路5の断面の約10倍まで)における流体に対するあらゆる幾何学的影響要因にも依存することがある。
【0128】
所望の流動静穏化効果は、有利には、流動調整体1の驚くべき小さな寸法で、流入路5内の流れの中心断面よりも小さい寸法の範囲ですでに得ることができる。
【0129】
流動調整体1は、例えば、球や楕円体のように、その寸法のすべてが湾曲してもよい。流動調整体1をジョイントおよび/またはデッドスペースなしで受容手段100に結合する製造可能性、および/または受容手段100との一体的で低コストでの製造可能性を達成するため、流動調整体1は、特に好ましい実施形態では、空間内の二方向にのみ湾曲した流動調整用断面を有してもよい。例えば、好ましくは、図3および図4で以下のように表すようなほぼ角柱構造の形状を有する。
【0130】
受容手段100に最初に流入する流体サージが少なくとも2つの部分流体サージに分割されるために、流体サージの流動静穏化を行うことができる。他の解決策と比較して、有効な流動静穏化機構が、意図的なサージの自己打消しにより大きく基づくことができる。全体として、流動静穏化機構は、いくつかの流動学的効果の組合せに相当することができる。
【0131】
図1にも示すように、流体サージの流れの減速は、a)流動調整体1と移行領域3の壁、すなわち側壁との間の流入路5の通路を拡幅すること、および/またはb)流れを互いに逆方向に持続させるそれぞれ半分の量の少なくとも2本の同量の部分流または部分流体サージに細分すること、および/またはc)各部分流体サージを、一方では流動調整体1への付着による、他方では受容手段100のそれぞれの側壁への付着による逆方向の衝撃またはスピンをそれぞれ有する少なくとも2本のさらなる部分流体サージに細分すること、および/またはd)流動調整体1の遠い方の面、すなわち後面17で互いに出会って打ち消しあう対向する同量の流れとスピン衝撃、および/またはe)流動調整体1と受容手段100の側壁との間の流動調整体1の左右の領域で互いに出会って打ち消しあう対向する同量の流れの衝撃、および/またはf)それぞれ逆向きの流れの方向と回転方向をもつ多数の部分流または部分流体サージの間の摩擦効果による流れのエネルギーの消滅によって達成することができる。
【0132】
観測を行うことによって、サージ静穏化またはサージ打消しの配置を有する本発明の受容手段100が、他の点で(受容手段に対する衝撃などによって)導入される液面の乱れおよび/またはハンチングもしくはスロッシング振動に対してさえもさらなる静穏化効果を及ぼすことができるという結論が可能になる。
【0133】
流動調整体1は、円形、楕円形、放物面形状または弓形の断面を有してもよい。流動調整体1は、流入路5に対向する面および流入路5とは反対側の面に関して非対称の断面を有してもよい。
【0134】
右側面13と左側面15における対称的な幾何学形状が、衝撃分割プロセスおよび固有の衝撃打消しプロセスを正確に機能させるために必須であってもよい。
【0135】
流動調整体1の体積、構造上の高さの必要性および/または表面の最小化のためには、流動調整体1のほぼ横方向に楕円の形状が有利にも効果的であることが分かった。
【0136】
しかしながら、存在する流体によっては、流動調整体1の流入路5と対向する面の曲率と流動調整体1の流入路5とは反対側の面の曲率とを異ならせるようにすることが合理的である場合もある。
【0137】
図2は、流体が流動調整体1から離脱する直前の状態にある排出段階における本発明の受容手段100を示す。
【0138】
この場合、流入路5は流出路の機能を有する。
【0139】
図2から分かるように、流動調整体1の左右側の通路の最も狭い領域の前後で流出路の流れの断面を次第に拡幅することと組み合わせて、流動調整体1および/または残りの受容手段100を左右対称に実現することにより、主要流体の緻密領域が流動調整体1および/または受容手段100の側壁によって細い残留濡れの流体領域とできる限り長く接触状態を続けることに貢献することができる。この場合、最大可能量の残留液体が、流動調整体1の表面および受容手段100の側壁からの離脱が起こって残留膜が残る前に主要な流れとともに運び去られる。
【0140】
図3は、本発明に係る受容手段の一実施形態を縦断面図で示しており、この実施形態では、受容手段100、流入路5および流動調整体1が単体に射出成形されている。
【0141】
図示の実施形態では、流動調整体1は、空気の流れの死角および/または空気溜(nests)を防ぐために、端部側が対向壁19に接続されておらず、壁19に対して十分に大きな隙間21を有する。
【0142】
図4は、本受容手段100の別の実施形態を縦断面図で示しており、この実施形態では、装置全体が典型的なカセット構成で実現されている。
【0143】
そのようなカセット構成では、射出成形品の通路、例えば流入路5など、および/または室は、片面が開放するように実質的に実現されてもよい。半開放構造を有する平坦および/または均等に設計された被覆手段23、例えば、蓋や膜が、室および/または通路を外部Aに対して塞ぐ役割を果たしてもよい。膜クロージャを有する実施形態では、図4に示すように、膜が流動調整体1の端面25に溶着および/またはプレスによって直接接するように貼り付けられてもよい。そのような装置では、意図的に隙間を防ぐことができる。
【0144】
図5は、図5で見る表面に被覆手段23が設けられた本発明に係る外部機能手段の前面図を示す。
【0145】
この場合、外部機能手段は、例として、室、通路、弁などを有する血液処理カセット1000として構成されている。被覆手段23は、血液処理カセット1000の前面を被覆している。例として、被覆手段23は、膜状に実現されている。
【0146】
血液処理カセット1000は、少なくとも図5に示す前面によって血液処理装置(図5には図示せず)に連結され得る。
【0147】
血液処理カセット1000は、本発明に係る受容手段100を備える。
【0148】
受容手段100は、図5に示す前面図から後面まで図5の図面の面内に延出している。見る者から遠ざかる方向への受容手段100の壁19の延出は、外側へ放射する線によって示されている。流動調整体1は、その底部から図5の見る者に向かう方向に延出している。
【0149】
受容手段100は、流動調整体1を備える。図5において、特によく見える流動調整体1の要素は、端面25と、流動調整体1と壁19との間の、図面の面内でより奥の方に配置される鞍型接続領域12である。
【0150】
受容手段100は、その下端、すなわち流れ衝突領域に仮想弁27を備える。受容手段100内の流動調整体1は、仮想弁27を介して流れに衝突し、下方に配置される室(例えば、本発明の出願人によって2009年6月10日に独国特許商標庁に出願され、「Luftabscheider,externe Funktionseinrichtung,Blutkreislauf sowie Behandlungsvorrichtung(空気分離器、外部機能手段、血液回路および処置装置)」の名称を有し、関連する開示が参照により本明細書にすべて組み込まれている出願(09/34−d04DE;11FM19A33)に記載されている静脈血液室)からの血液が、被覆手段23とバー部分とによって形成された仮想弁27を介して受容手段100に流入する。
【0151】
図6は、被覆手段23が血液処理カセット1000の上下端で破壊的に切り開かれて右側に回し開けられている一方、血液処理カセット1000の左側の縁で目に見える状態の図5の血液処理カセット1000を示す。
【0152】
図6は、膜を切り開いた後により詳細に見えるようになった血液処理カセット1000内部の要素を示している。
【0153】
繰返しを避けるため、図5の説明のために上述された個々の要素の形状に対して参照がなされる。
【0154】
図7は、後面からの血液処理カセット1000を示す。血液処理カセット1000が血液処理装置に連結されているとき、血液処理カセット1000を取り外すための血液処理装置の扉を開く見る者が、この後面を見ることになる。
【0155】
血液処理カセット1000のさらなる詳細に関しては、その血液処理カセットを対象とする上述の名称の出願における詳細な説明に対して参照がなされ、これにより、その内容は本明細書にすべて組み込まれている。
【符号の説明】
【0156】
100 受容手段
1000 血液処理カセット
1 流動調整体
3 移行領域
5 流入路
7 利用領域
9 流入開口
11 流動調整体の前面
12 鞍型接続領域
13 流動調整体の右側面
15 流動調整体の左側面
17 流動調整体の後面
19 受容手段の壁
21 隙間
23 被覆手段
25 流動調整体の端面
27 流れ衝突領域の仮想弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体、特に血液を受ける受容手段(100)であって、
少なくとも1つの流体がサージ状に前記受容手段(100)の内部(I)に導入され得る少なくとも1つの流入開口(5)と、
前記流入する流体の流体サージを方向転換させる少なくとも1つの流体サージ方向転換要素と、
を備える受容手段において、
前記流体サージ方向転換要素が、前記流入する流体の前記流体サージを少なくとも2つの部分流体サージに分割する少なくとも1つの流動調整体(1)を備えることを特徴とする、受容手段。
【請求項2】
前記流動調整体(1)が前記流体サージの流入領域に配置されている、請求項1に記載の受容手段。
【請求項3】
前記流動調整体(1)が、前記流体の流入領域において前記流入開口の中心軸線に対して中心位置に配置されている、請求項2に記載の受容手段。
【請求項4】
前記流動調整体(1)が対称形状を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項5】
前記流動調整体(1)が円形断面を有する、請求項4に記載の受容手段。
【請求項6】
前記流動調整体(1)が楕円形断面を有する、請求項4に記載の受容手段。
【請求項7】
前記流動調整体(1)が放物面状断面を有する、請求項4に記載の受容手段。
【請求項8】
前記流動調整体(1)が弓形断面を有する、請求項4に記載の受容手段。
【請求項9】
前記流動調整体(1)が、前記受容手段(100)の前記流入領域において前記流入開口から前記流入開口の直径の0.4倍〜2倍の距離のところに配置されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項10】
前記流入開口の中心軸線に対して垂直な面における前記流動調整体(1)の直径が、前記流入開口の直径の0.4倍〜1.2倍である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項11】
前記流体サージ方向転換要素が前記受容手段(100)と材料結合で構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項12】
前記受容手段(100)が射出成形によって構成されている、請求項11に記載の受容手段。
【請求項13】
前記受容手段(100)が材料結合によって外部機能手段に組み込まれている、請求項11に記載の受容手段。
【請求項14】
前記外部機能手段の少なくとも片面に被覆手段(23)が設けられている、請求項12に記載の受容手段。
【請求項15】
前記被覆手段(23)が前記流動調整体(1)の上面に載っている、請求項14に記載の受容手段。
【請求項16】
前記受容手段(100)が、前記流入開口において流入路(5)に接続されているか、または接続可能な対応になっている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項17】
前記流入開口が、前記受容手段(100)の内部(I)から流体を流出させることに適し、向けられている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項18】
体外血液回路内に配置されている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の受容手段。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の受容手段(100)を備える、少なくとも1つの流体を処理する外部機能手段。
【請求項20】
血液カセットとして構成されている、請求項19に記載の外部機能手段。
【請求項21】
膜が溶着された硬質の射出成形品として構成されている、請求項19または20に記載の外部機能手段。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の受容手段(100)または請求項19〜21のいずれか一項に記載の外部機能手段を備える、少なくとも1つの流体を処理する医療装置。
【請求項23】
血液処理装置である、請求項22に記載の医療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−524557(P2012−524557A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506374(P2012−506374)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002294
【国際公開番号】WO2010/121740
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(597075904)フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (55)
【Fターム(参考)】