説明

医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップ、及び容器

本発明は、医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップと、そのようなクロージャーキャップを有する、医療用液体用の容器とに関する。本発明による、クロージャーキャップ1は医療用液体の無針注入用の第1のコネクタ2と、医療用液体の無針抜取り用の第2のコネクタ3とを備え、第1のコネクタ2は、連結されるべき第1の装置28、29の円錐状ステム26を、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部8を有する外向きの第1のコネクタ部4を有し、第2のコネクタ3は、連結されるべき第2の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部9を有する外向きの第2のコネクタ部5を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップに関し、詳細には、点滴、輸液、臨床栄養補給又は透析療法の分野で使用される液体を収容する容器用のクロージャーキャップに関する。さらに、本発明は、そのようなクロージャーキャップを有する医療用液体用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップを開示している。クロージャーキャップは、カバー部及びリム部、並びにカバー部に配置された第1のコネクタ及び第2のコネクタを有している。第1のコネクタは注入部として設計されている。第1のコネクタは、シールを形成するように(sealingly)無針注射器の円錐状ステムを収容する円錐状のくぼみ部を有する外向きのコネクタ部と、コネクタ部のくぼみ部を閉鎖するセルフシールメンブレンを有する内向きのクロージャー部とを備える。第2のコネクタは、抜取り部として設計され、円筒状のくぼみ部を有する外向きのコネクタ部と、コネクタ部のくぼみ部を閉鎖するセルフシールメンブレンを有する内向きのクロージャー部とを備える。クロージャーキャップは、注射針を使用する必要なく、第1のコネクタを介して液体を注入することを可能にし、一方で、第2のコネクタを使用して、クロージャーキャップに連結された容器から、点滴用のスパイク部を介して液体を抜き取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007005407号
【発明の概要】
【0004】
本発明によるクロージャーキャップは、クロージャーキャップに連結された容器、特に点滴容器に医療用液体を注入する第1のコネクタと、医療用液体をクロージャーキャップに連結された容器、特に点滴容器から抜き取る第2のコネクタとを備え、第1のコネクタは、連結されるべき第1の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部を有する、外向きの第1のコネクタ部を有し、第2のコネクタは、連結されるべき第2の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部を有する、外向きの第2のコネクタ部を有する。これにより、針無し又は点滴スパイク(infusion spike)無しの装置に、シールを形成するように各々連結することができる少なくとも2つのコネクタを有するクロージャーキャップを形成することが可能になる。針も点滴スパイクも有しない装置を双方のコネクタに連結することができるので、ユーザーの負傷のリスク、又はクロージャーキャップに連結された容器への損傷のリスクが大幅に軽減される。さらに、そのような連結部の密封性(tightness)が保証される。第1のコネクタ部及び/又は第2のコネクタ部は、ロック付きとして設計される場合、本発明によればこれは好ましいが、例えば患者の発作的な動き、又は引張荷重によって連結が不意に外れ、結果として患者及び/又は介護者が毒性の強い薬剤によって汚染される可能性があり、かつ抗生物質又は細胞増殖抑制剤等の高価な薬剤をおそらく廃棄しなければならなくなるような状況を防止することが更に可能である。
【0005】
原理的に、クロージャーキャップは任意の所望の容器に対して使用することができる。
クロージャーキャップは、好ましくは、点滴、輸液、臨床栄養補給又は透析療法において使用される医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップである。容器は、好ましくはボトル、特にプラスチックボトルとして設計される。プラスチックボトルは、好ましくはSBM(延伸ブロー成形)容器として設計される。
【0006】
有利な展開の形態では、第1のコネクタ部及び/又は第2のコネクタ部はルアーコネクタとして設計される。より低位のコネクタは、特に医療技術において使用される、標準化された円錐状連結部の構成部品であり、医療用装置の連結に使用される円錐状ステムと円錐状スリーブとを有している。第1のコネクタ部及び/又は第2のコネクタ部は双方とも、ロック不能ルアーコネクタ、又はロック可能ルアーコネクタ(「ルアーロックコネクタ」とも呼ばれる)として設計することができる。標準化のおかげで、第1のコネクタ部及び/又は第2のコネクタ部をルアーコネクタとして設計することにより、規定の連結機構が保証される。さらに、コネクタの普遍性が提供され、異なる国でコネクタの異なる変形形態が利用可能であるという状況が発生せず、適さない装置を連結した結果としての誤使用のリスクが減る。第1のコネクタ部及び/又は第2のコネクタ部は、好ましくはルアーロックコネクタとして設計され、それにより、連結されるべき装置との規定の連結ロックが可能となり、したがって、連結の安全性に対して、特に連結の意図しない外れに抗して貢献する。
【0007】
更なる有利な展開の形態によれば、第1のコネクタは第1のメンブレンと第1の穿孔要素とを備え、第1のメンブレンは第1のコネクタ部の円錐状のくぼみ部と穿孔要素との間に配置され、それにより、第1の装置を連結することによって、第1のメンブレンが第1の穿孔要素に対して押し当たり、穿孔される。メンブレンは、その閉鎖状態では液体がコネクタを通って移動するのを防止し、開口状態のときだけ液体の移動を可能にする。穿孔要素は、メンブレンの容易な規定の穿孔を可能とし、メンブレンが実際に開口することを保証する。メンブレンは、好ましくは、コネクタに連結されるべき装置が、連結中にメンブレンを開口するように設計され、かつ、そのように配置される。例えば、装置は、内部円錐状部を有するルアー雄コネクタを備えることができ、内部円錐状部は、連結中にメンブレンを穿孔し、この方法でメンブレンを開口する。第1のコネクタ部は、本発明によれば好ましいことに、ルアー雌コネクタとして、又はルアーロック雌コネクタとして対応して設計される。さらに、メンブレンは、好ましくは弾性体として設計され、それにより、装置を取り外すときに、メンブレンがその開始位置に戻り、この位置ではコネクタがメンブレンによって液密に閉鎖する。
【0008】
穿孔要素は、好ましくは先端を有する中空体として設計される。メンブレンは先端によって穿孔することができる。穿孔要素は中空体として設計されるので、穿孔要素を通した液体の移動が可能である。先端は、メンブレンの穿孔を容易にするように適度に鋭利にすることができる。
【0009】
更に有利な構成では、第2のコネクタは、第1のコネクタに対応するように、メンブレンと穿孔要素とを備える。第2のコネクタ部は、好ましくは、ルアー雌コネクタとして、又はルアーロック雌コネクタとして設計される。特に、同じメンブレン及び/又は同じ穿孔要素を、第1のコネクタと第2のコネクタとに使用することが可能であり、その結果として異なる部品の数が減り、したがって製造コストを下げることができる。さらに、第1のコネクタと第2のコネクタとを、全く同一となるように設計することができる。このことは、例えばレスキュー活動又は手術室において発生する可能性があるようなスピードが重視される状況において、誤りの頻度を実質的に最小限に抑えることができるという利点がある。なぜならば、どのコネクタが抜き取り用として意図されているか、及びどのコネクタが注入用として意図されているかに関して、もはや注意を払う必要がないからである。
【0010】
本発明による医療用液体用の容器は、本発明によるクロージャーキャップを備える。容器は、好ましくはボトルとして設計される。
【0011】
従属請求項には、本発明の更に有利な展開形態が記載される。
【0012】
本発明は、複数の図面によって図示される例示的な実施形態を参照して、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるクロージャーキャップの実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示されるクロージャーキャップの底面図である。
【図3】図1に示されるクロージャーキャップの側面図である。
【図4】図1に示されるクロージャーキャップの平面図である。
【図5】図4に示す断面線A−Aに沿って示される、クロージャーキャップの断面図である。
【図6】第1のコネクタに連結された注入器を伴う、図1に示すクロージャーキャップの斜視図である。
【図7】連結された注入器を伴う、図6に示すクロージャーキャップの、図4に示す断面線A−Aに対応する断面線に沿った断面図である。
【図8】第1のコネクタに連結されたチューブを伴う図1に示すクロージャーキャップの斜視図である。
【図9】連結されたトランスファーチューブを伴う、図6に示すクロージャーキャップの、図4に示す断面線A−Aに対応する断面線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図8は、本発明によるクロージャーキャップ1の実施形態を、様々な視点で、様々な装置が連結された状態で示している。
【0015】
クロージャーキャップ1は、医療用液体の容器用のクロージャーキャップとして設計され、医療用液体を注入する第1のコネクタ2と、医療用液体を抜き取る第2のコネクタ3とを備える。第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とは、クロージャーキャップ1のカバー領域19に配置される。さらに、クロージャーキャップ1は、カバー領域19を取り囲み、かつクロージャーキャップ1を容器の上に配置するように設計されるリム領域20を備える。この例示的な実施形態では、リム領域20は、より詳細には表されていないが、クロージャーキャップ1をSBMプラスチックボトル上に配置し、SBMプラスチックボトルと液密に、かつ菌密(germ-tight)/バクテリア密(bacteria-tight)に連結することが可能になるように設計される。図5を参照すると、この目的のためにリム領域は周辺溝21を備え、この周辺溝21と、ボトルの連結部の対応するウェブ、すなわちリムとを噛み合わせることができる。容器とクロージャーキャップ1との間の液密かつ菌密な連結は、例えば、溶接、プラギング(plugging)、スナップ留め、ねじ留め、オーバーモールド及び/又は接着結合等の様々な方法で生成することができる。
【0016】
図5と図7とを参照すると、第1のコネクタ2は、連結されるべき第1の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部8を有する、第1の外向きの(すなわち、連結されるべき容器から離れる方向へ向いた)コネクタ部4と、連結されるべき第2の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部9を有する、第2の外向きのコネクタ部5とを備える。この例示的な実施形態では、第1のコネクタ部4と第2のコネクタ部5との双方がルアーコネクタ、ここでは、ISO標準規格の594−2:1998、又はEN1707:1996に準拠するルアーロック雌コネクタとして設計されている。
【0017】
さらに、第1のコネクタ2は、第1のコネクタ部4と接合する第1のソケット13を有する第1のクロージャー部22を備え、内向きに向けられて、すなわち連結されるべき容器に面しており、第2のコネクタ3は、同様に第1のコネクタ部4と接合する第2のソケット14を有する第2のクロージャー部23を備え、内向きに向けられている。この例示的な実施形態では、第1のソケット13と第2のソケット14とは、実質的に円筒形であるように設計されている。第1のクロージャー部22と第2のクロージャー部23とは、カバー領域19の、連結されるべき容器の方を向いている側に位置づけられ、第1のコネクタ部4と第2のコネクタ部5とは、カバー領域19の、連結されるべき容器から遠ざかる方を向いている側に位置づけられる。
【0018】
第1のメンブレン6と第1の穿孔要素7とが、第1のソケット13の中に配置され、第2のメンブレン10と第2の穿孔要素11とが、第2のソケット14の中に配置される。これに関しては、図7又は図9を参照されたい(図5では、明確にするためにメンブレン6、10と穿孔要素7、11とは省略されている)。第1のメンブレン6は、第1のコネクタ部4の円錐状のくぼみ部8と第1の穿孔要素7との間に配置され、第2のメンブレン10は、第2のコネクタ部5の円錐状のくぼみ部9と第2の穿孔要素11との間に配置される。メンブレン6、7は、閉鎖状態では、2つのコネクタ2、3を通した液体の移動を妨げ、メンブレン6、10の開口状態では、コネクタ2、3を通した液体の移動が可能になる。メンブレン6、7は、メンブレンが開口位置から閉鎖位置へ自動的に推移し、したがって、コネクタを液密にかつ菌密に閉鎖することができるように、弾性材料から作られる。図7と図9とは、閉鎖状態、すなわち第1のコネクタ2を通した液体の移動が妨げられる状態の第1のメンブレン6と、第2のコネクタ3を通した液体の移動が保証される、開口状態の第2のメンブレン10とを示している。
【0019】
第1の穿孔要素7と第2の穿孔要素11とは、中心部に配置された中空の先端12を有する剛性の円盤状体として各々設計される。中空の先端は、穿孔要素7、11を通した液体の移動を保証する。先端12は、割り当てられたメンブレン6、10の下方に配置され、それぞれのメンブレン6又は10に対して、メンブレン6又は10がコネクタ側の圧力によって穿孔要素7、11に対して押し当てられ、このようにして開口されるような向きにされる。開口を容易にするように、穿孔要素7、11の先端12は鋭利にしてある。開口を容易にする更なる方策として、第1のメンブレン6と第2のメンブレン11とは中心部にスリットがある。
【0020】
第1のクロージャー部22の領域において、第1のコネクタは内向きの周辺フランジ15を有し、その背後で第1の穿孔要素7が第1のメンブレン6に確実に噛み合い、第1のメンブレン6に対して押し当たり、結果として第1のメンブレン6は、第1の穿孔要素7と第1のクロージャー部22によって形成される段部24との間に確実にクランプされる。ここで、第1の穿孔要素7によって加えられる圧力によって支持されるメンブレン6は、クロージャー部22の内壁に対してシールし、結果として、液体も菌も第1のコネクタ2のメンブレン6とクロージャー部22の内壁との間を、意に背いて通り抜けることができない。したがって、メンブレン6が開口しているときだけ液体の移動が生じることを保証する。それに対応して、第2のクロージャー部23の領域において、第2のコネクタは内向きの周辺フランジ16を有し、その背後で第2の穿孔要素11が第2のメンブレン10に確実に噛み合い、第2のメンブレン10に対して押し当たり、結果として第2のメンブレン10は、第2の穿孔要素11と第2のクロージャー部23によって形成される段部25との間に確実にクランプされる。第2の穿孔要素11によって加えられる圧力によって支持される第2のメンブレン10は、第2のクロージャー部23の内壁に対してシールし、結果として、液体は第2のコネクタ3のメンブレン10とクロージャー部23の内壁との間を、意に背いて通り抜けることができない。
【0021】
図5は、フランジ15、16を有しないクロージャーキャップ1を示している。コネクタ2、3と、カバー領域19と、リム領域20とは、いかなるアンダーカットも有せず、これにより、型から取り出すための複雑な機構なしで済ますことができるので、簡単かつコスト効率の良いクロージャーキャップ1の製造が可能になる。クロージャー部22、23のリムは、メンブレン6、10と穿孔要素7、11とが挿入された後にフランジが付けられ、結果として図7、図9に示すクロージャーキャップ1となる。
【0022】
第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とは、ルアーロック雄コネクタを有する装置を連結することによって、装置をそれぞれのコネクタ2、3にロックする過程で、ルアーロック雄コネクタの中空の内芯が、コネクタ2、3のそれぞれのメンブレン6、10を、穿孔要素7、11に対して押し当て、結果としてメンブレン6、10が開口するように設計される。穿孔点を穿孔するために加えられる力は、点滴スパイクを使用した従来の連結と比較して非常に小さい。その結果として、この連結は利用者にとって使いやすく、安全で、信頼性が高く、接触から保護されたものとなる。
【0023】
中空先端12の外径は、ルアーロック雄コネクタの内部円錐状部の内径に合わせて作られる。結果として、内部円錐状部を先端12の一部分に押し付けることができる。このことは、図7、図9において、例として描かれている。そこでは、無針注入器28と輸液チューブ29とが、中空の内部円錐状部26を備えるルアーロック雄コネクタ27を有し、第2のコネクタ3に連結されている。それぞれの装置28、29を連結した後、内部円錐状部26と穿孔要素11の先端12とを通した液体の移動が発生する。連結された装置が取り外された場合、メンブレン6、10は、その弾力性と復元力ゆえにそれらの最初の状態に戻り、コネクタ2、3を液密に再び閉鎖する。
【0024】
ルアーロックの雄ねじ山は別にして、第1のコネクタ2と第2のコネクタ3とは、実質的に回転対称であるように設計される。さらに、この例示的な実施形態では、メンブレン6、10と穿孔要素7、10とを含むコネクタ2とコネクタ3とは同一である。
【0025】
第1のコネクタ2は、破断部17によって液密にかつバクテリア密に閉鎖され、第2のコネクタ3は、第2の破断部18によって液密にかつバクテリア密に閉鎖される。破断部17、18はコネクタ2、3の使用に先立って、コネクタ2、3のいかなる汚染も防止し、内部の無菌性と完全性とを保証する。図5を参照すると、破断部17、18は、所定の破断点30を介してそれぞれのコネクタ2、3に連結されており、各々がタブ31、32を有し、該タブ31、32を介して破断部17、18をそれぞれのコネクタから手によって破断することができる。破断部17、18には、例えばくぼみ、又は隆起(embossing)の形態の矢印で、液体移動の方向を示すシンボルを設けることができる。そのようなシンボルにかかわらず、コネクタ2、3は、この例示的な実施形態では、双方向の液体移動用に設計されている。
【0026】
コネクタ2、3と、破断部17、18と、カバー領域19と、リム領域20とは、ここでは一体部品(one-part)として、特にプラスチックで作られた一体の射出成形品として設計される。コネクタ2、3と、カバー領域19と、リム領域20と、破断部17、18とは、この場合はポリプロピレンで作られる。代替的には、例えば、ポリエチレン(PE)又はHDPE(高密度PE)も適している。それぞれの穿孔要素7、11は同様に、プラスチック、例えばポリプロピレン(PP)又はポリカーボネート(PC)又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作られた射出成形品である。代替的には、穿孔要素7、11は、金属で作ることもできる。これは、メンブレン6、10にスリットがない場合に特に有利である。それぞれのメンブレン6、10は、弾性材料、例えば熱可塑性エラストマー(TPE)、又はポリイソプレンで作られたメンブレンである。代替的には、メンブレンはシリコン、クロロブチル又はブロモブチルからなることもできる。
【0027】
2つの同一のコネクタ2、3を有するクロージャーキャップ1を、例示的な実施形態において説明してきた。これは好ましい実施形態ではあるが、コネクタ2、3を互いと異なるように設計することが当然可能である。更なる代替形態としては、コネクタ部4、5のうちの一方又はコネクタ部4、5の双方は、ロック機能無しのルアーコネクタとして、特にルアー雌コネクタとして設計することができる。代替的には、第1のコネクタ部4及び/又は第2のコネクタ部5はルアー状コネクタ、例えば、大口径(large-bore)コネクタ、又は超大口径コネクタとしても更に設計することができる。大口径コネクタ、又は超大口径コネクタは、ルアーコネクタより高い流量を可能にし、したがって、例えば透析療法、又は泌尿器科若しくは関節鏡検査における溶剤流(flushing solution)の移送に有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップ(1)であって、医療用液体を注入する第1のコネクタ(2)と、医療用液体を抜き取る第2のコネクタ(3)とを備え、前記第1のコネクタ(2)は、連結されるべき第1の装置(28、29)の円錐状ステム(26)を、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部(8)を有する、外向きの第1のコネクタ部(4)を有し、前記第2のコネクタ(3)は、連結されるべき第2の装置の円錐状ステムを、シールを形成するように収容する円錐状のくぼみ部(9)を有する、外向きの第2のコネクタ部(5)を有する、医療用液体を収容する容器用のクロージャーキャップ。
【請求項2】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ部(4)及び/又は前記第2のコネクタ部(5)は、ルアーコネクタとして、好ましくはルアーロック雌コネクタとして設計される、請求項1に記載のクロージャーキャップ。
【請求項3】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ(2)は、第1のメンブレン(6)と第1の穿孔要素(7)とを有し、前記第1のメンブレン(6)は、前記第1のコネクタ部(4)の前記円錐状のくぼみ部(8)と前記穿孔要素(7)との間に配置され、それにより、前記第1の装置を連結することによって、前記第1のメンブレン(6)が前記第1の穿孔要素に(7)対して押し当たって該第1の穿孔要素(7)によって穿孔される、請求項1又は2に記載のクロージャーキャップ。
【請求項4】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第2のコネクタ(3)は、第2のメンブレン(10)と第2の穿孔要素(11)とを有し、前記第2のメンブレン(10)は、前記第2のコネクタ部(5)の前記円錐状のくぼみ部(9)と前記第2の穿孔要素(11)との間に配置され、それにより、前記第2の装置を連結することによって、前記第2のメンブレン(10)が前記第2の穿孔要素(11)に対して押し当たって該第2の穿孔要素(11)によって穿孔される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項5】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1の穿孔要素(7)は先端(12)を有する中空体として設計され、及び/又は、前記第2の穿孔要素(11)は先端(12)を有する中空体として設計される、請求項3又は4に記載のクロージャーキャップ。
【請求項6】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のメンブレン(6)及び/又は前記第2のメンブレン(10)にはスリットが入っている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項7】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ(2)は、前記第1のメンブレン(6)と前記第1の穿孔要素(7)とが挿入される第1のソケット(13)を有し、及び/又は、前記第2のコネクタ(3)は、前記第2のメンブレン(10)と前記第2の穿孔要素(11)とが挿入される第2のソケット(14)を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項8】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ(2)は第1のフランジ(15)を有し、該第1のフランジ(15)によって前記第1のメンブレン(6)と前記第1の穿孔要素(7)とが、前記第1のソケット(13)内で確実に固定され、及び/又は、前記第2のコネクタ(3)は第2のフランジ(16)を有し、該第2のフランジ(16)によって前記第2のメンブレン(10)と前記第2の穿孔要素(11)とが、前記第2のソケット(14)内で確実に固定される、請求項7に記載のクロージャーキャップ。
【請求項9】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ(2)に連結され、該第1のコネクタ(2)を液密に閉鎖する第1の破断部(17)及び/又は前記第2のコネクタ(3)に連結され、該第2のコネクタ(3)を液密に閉鎖する第2の破断部(18)を付加的に備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項10】
クロージャーキャップ(1)であって、カバー領域(19)とリム領域(20)とを付加的に備え、前記第1のコネクタ(2)と前記第2のコネクタ(3)とは、前記カバー領域(20)内に配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項11】
クロージャーキャップ(1)であって、前記第1のコネクタ(2)と、前記第2のコネクタ(3)と、適切な場合には、前記リム領域(19)及び前記カバー領域(20)と、適切な場合には、前記第1の破断部(17)及び前記第2の破断部(18)とは一体部品として、好ましくは一体的に設計される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のクロージャーキャップ(1)を備える、医療用液体用の容器。
【請求項13】
前記容器はボトルとして、好ましくはSBM(延伸ブロー成形)ボトルとして設計される、請求項12に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−519468(P2013−519468A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553286(P2012−553286)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052190
【国際公開番号】WO2011/101335
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(509063694)フレゼニウス カービ ドイチュラント ゲーエムベーハー (8)
【Fターム(参考)】