説明

医薬組成物

【課題】抗ヒスタミン作用を主作用とする抗アレルギー薬の副作用(眠気など)を示さず、鼻炎(アレルギー性鼻炎症状など)及び鼻漏に対して、優れた抑制効果のある医薬組成物を提供する。
【解決手段】本発明の医薬組成物は、有効成分として、メディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクスなど)と抗コリン薬(ベラドンナ総アルカロイドなど)を含有する。医薬組成物は、鼻炎及び鼻漏に対する予防治療薬(アレルギー性鼻炎及びかぜなどの鼻炎症状改善薬)として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレルギー性鼻炎などの鼻炎症状を強力に改善する医薬組成物に関する。より詳細には、抗ヒスタミン作用に起因する睡眠鎮静作用を有せず、アレルギー性鼻炎などの鼻炎症状に対して、即効かつ強力な改善を示す医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アレルギー性鼻炎などのI型アレルギー疾患は、即時相反応と遅発相反応の2相性反応を示すことが知られている。このI型アレルギー疾患における即時相反応は花粉などの抗原惹起直後にくしゃみ、鼻漏、鼻閉を誘発する。一方で遅発相反応は抗原惹起数時間後に再度発現する鼻閉を特徴とする。「鼻アレルギー診断ガイドライン2005年版」,(株)ライフサイエンス(非特許文献1)には、アレルギー性鼻炎などによるくしゃみ、鼻漏、鼻閉の治療のために、通常、抗ヒスタミン薬もしくは抗ヒスタミン作用を主作用とする抗アレルギー薬が処方されている。しかしながら、非特許文献1に記載のように、抗ヒスタミン薬や抗ヒスタミン作用を主作用とする抗アレルギー薬は中枢抑制作用を有するものが多く、眠気などの副作用を高頻度で発現することが報告されている。
【0003】
一方、副作用の眠気の原因となる抗ヒスタミン作用を有しない抗アレルギー薬として、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制するアンレキサノクスなどのメディエーター遊離抑制薬が使用されている。しかし、非特許文献1に記載のように、この遊離抑制薬は、即効性に乏しく、比較的に抑制効果が弱いため、花粉症では初期治療などの予防的な使用や、通年性アレルギー性鼻炎においては軽症治療での使用が推奨されている。
【0004】
アンレキサノクスなどのメディエーター遊離抑制薬を含む製薬に関し、特開2003−55221号公報(特許文献1)には、アンレキサノクスとキサンチン類(カフェイン、テオフィリンなど)とを含み、光に対する安定性が改善された組成物(特に水性組成物)が開示されている。
【0005】
特開2000−95675号公報(特許文献2)には、副交感神経遮断薬、抗ヒスタミン薬、交感神経興奮薬、抗アレルギー薬、抗炎症薬及び消炎酵素から選択される鼻炎治療薬を含有する口中溶解型又は咀嚼型の鼻炎治療用固形内服医薬組成物が開示されている。この文献には、さらにカフェインを含んでいてもよいことも記載されている。さらに、抗ヒスタミン薬としてのマレイン酸クロルフェニラミンと、交感神経興奮薬としての塩酸フェニルプロパノールアミンと、副交感神経遮断薬としてのベラドンナ総アルカロイドと、無水カフェインとを含む製剤例が記載され、マレイン酸クロルフェニラミンを指標成分とする溶出試験で薬物が迅速に溶出することも記載されている。
【0006】
特開2001−233765号公報(特許文献3)には、解熱鎮痛成分としてのイブプロフェン、抗ヒスタミン成分、鎮咳成分(リン酸コデインなど)、気管支拡張成分(塩酸メチルエフェドリンなど)及びヨウ化イソプロパミドを含有する感冒薬が開示されている。この文献には、抗ヒスタミン成分として、マレイン酸クロルフェニラミンなどの他、アンレキサノクスが例示され、ヨウ化イソプロパミドは、抗コリン薬として知られている成分であるが、鼻汁分泌抑制成分(鼻水止め成分)として配合されることも記載されている。さらに、感冒薬は、抗コリン薬(ベラドンナ(総)アルカロイドなど)、中枢神経興奮成分(カフェイン類など)、ビタミン成分、去痰成分などを配合してもよいことも記載されている。しかし、前記のように、抗ヒスタミン成分を含むため、副作用として眠気が生じる。なお、抗ヒスタミン成分としてアンレキサノクスが例示されているが、アンレキサノクスには抗ヒスタミン作用がない。
【0007】
しかし、メディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクスなど)と抗コリン薬とを組み合わせた製剤、ならびにその薬理活性については知られていない。
【特許文献1】特開2003−55221号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2000−95675号公報(特許請求の範囲、実施例1及び試験例1)
【特許文献3】特開2001−233765号公報(特許請求の範囲、段落[0008][0009][0013])
【非特許文献1】「鼻アレルギー診断ガイドライン 2005年版」,(株)ライフサイエンス
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、抗ヒスタミン作用による副作用がなく、高い抗アレルギー作用を示す医薬組成物、又はアレルギー性鼻炎などの鼻炎治療薬及び鼻漏症状の治療薬を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、抗ヒスタミン作用に起因する眠気などの中枢抑制作用がなく、鼻炎(アレルギー性鼻炎など)に対して即効かつ強力に治療効果を示す医薬組成物、又はアレルギー性鼻炎などの鼻炎治療薬及び鼻漏症状の治療薬を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、メディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクスなど)及び抗コリン薬(ベラドンナ総アルカロイドなど)を有効成分とする医薬組成物が、抗ヒスタミン作用に起因する眠気の副作用を呈することなく、即効かつ強力に(特に相乗的に)アレルギー性鼻炎などの鼻炎症状を抑制できること、そのため、鼻炎(アレルギー性鼻炎など)の治療(経口薬物治療など)に有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の医薬組成物は、メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬を有効成分として含む。メディエーター遊離抑制薬は、例えば、アンレキサノクス又はその塩であってもよい。また、抗コリン薬は、例えば、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、アトロピン、ホマトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ダツラエキス、ヨウ化イソプロパミド、臭化メチルベナクチジウム及び臭化プロパンテリン又はその塩からなる群から選ばれた少なくとも一種であってもよい。
【0012】
本発明の医薬組成物は、鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎、かぜ症候群における鼻炎症状)に対する予防治療薬として有用である。例えば、本発明の医薬組成物は、鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎など)の症状を有効に抑制するため、アレルギー性鼻炎などの鼻炎治療薬として予防的かつ頓服的に使用できる。また、前記医薬組成物は、かぜ症候群、特にかぜ症候群における鼻炎症状の改善に対しても有用であり、鼻漏症状(例えば、鼻炎症状における鼻漏症状など)に対する予防治療薬としても有用である。
【0013】
なお、本明細書中、医薬組成物に関し、「メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬を含む(又は含有する)」とは、メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬の双方の成分を含有する形態、メディエーター遊離抑制薬を含む製剤と抗コリン薬を含む製剤とを組み合わせた形態(キット、セット)の双方を意味する。また、本明細書では、「医薬組成物」を「医薬製剤」と同義に用いる場合がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の医薬組成物(アレルギー性鼻炎の予防治療薬など)は、メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬を有効成分として含むので、鼻炎(アレルギー性鼻炎症状など)又は鼻漏に対して、優れた治療効果を有する。しかも、本発明の医薬組成物は、抗ヒスタミン薬もしくは抗ヒスタミン作用を主作用とする抗アレルギー薬の処方に起因する副作用、例えば、高頻度に発生する抗ヒスタミン作用に起因する眠気などの中枢抑制作用を有しない。そのため、安全性及び患者の生活の質(QOL)を顕著に改善できる。また、本発明の医薬組成物はメディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬の配合による相乗作用から、鼻炎症状及び鼻漏症状を即効かつ強力に抑制する。そのため、中等症以上の鼻炎症状及び鼻漏症状に対しても十分な治療効果が得られる。また、抗ヒスタミン作用に起因する眠気の副作用を呈しないことに加えて、相乗効果により低用量化が可能になり、医療経済性の向上、味の改善及び/又は服用性の向上によりさらにQOLの改善が望める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において、メディエーター遊離抑制薬としては、I型アレルギー反応に基づくケミカルメディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン)の生成遊離抑制作用を有し、抗ヒスタミン作用が少ない(特に抗ヒスタミン作用のない)活性成分、例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナスト、イブジラスト、タザノラスト、ペミロラストカリウムなどの他、これらの塩が例示できる。塩としては、無機酸(塩酸、硝酸、硫酸など)、有機酸(酢酸、フマル酸、マレイン酸など)、無機塩基(アンモニア、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属など)、有機塩基(アルキルアミンなど)との塩が例示できる。これらの遊離抑制薬は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0016】
これらの遊離抑制薬のうち、トラニラスト、アンレキサノクス、ペミロラストカリウムが実用的に好ましい。特に、メディエーター遊離抑制薬は、前記遊離抑制作用及び抗ロイコトリエン作用に基づく抗喘息作用及び抗アレルギー作用を有する成分、例えば、アンレキサノクスであるのが好ましい。アンレキサノクスは、フリー体もしくは塩(塩酸塩、硝酸塩、フマル酸塩)であってもよい。好ましいアンレキサノクスはフリー体である。
【0017】
メディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクス又はその塩など)の有効量は、フリー体として、経口投与において1日あたりの用量0.1〜1000mg、好ましくは0.5〜500mg(例えば、1〜300mg)、さらに好ましくは10〜300mg(例えば、25〜250mg)、特に50〜200mg(例えば、75〜150mg)程度である。
【0018】
メディエーター遊離抑制薬は眠気の副作用がない利点がある一方で、遅効性であることや比較的に効果が弱いことが欠点とされ、花粉症の予防的な初期治療や通年性アレルギー性鼻炎に対しては軽症治療のみに使用が推奨されている。しかし、メディエーター遊離抑制薬を抗コリン薬と組み合わせると、抗ヒスタミン作用に起因する眠気の副作用を呈しないことに加えて、相乗的に鼻炎症状(例えば、鼻漏症状を伴う鼻炎症状など)及び鼻漏症状を改善する。従って、中等症状以上の鼻炎症状にも高い治療効果が得られ、メディエーター遊離抑制薬の適用範囲を拡げることができる。
【0019】
抗コリン薬としては、副交感神経遮断薬、例えば、天然アルカロイド類(ベラドンナ、ロート、ダツラ、ヒヨスなどに含まれる植物アルカロイド、例えば、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、アトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ダツラエキスなど);スコポラミン誘導体(メチル硫酸N−メチルスコポラミン、臭化ブチルスコポラミンなど)、アトロピン誘導体(メチルアトロピンなど)などの天然アルカロイド誘導体;アンプロトロピン、アジフェニン、ジシクロミン;プロパンセリン、メサンセリン、オキシフェノニウム;トリへキシフェニジル、レポドバ;ホマトロピン、オイカトロピン、トロピカミド、メチルアトロピン、シクロペントレート;ヨウ化イソプロパミド、臭化メチルベナクチジウム、臭化プロパンテリン、臭化メチルアニソトロピン、塩酸パパベリン、ヨウ化オキサピウム、臭化バレタメート、塩酸ピペリドレート、臭化ブトロピウム、トレピブトン、塩化トロスピウム、エトミドリン、臭化チメピジウム、臭化チキジウム、臭化プリフィニウム、臭化エチルピペタナート、ヨウ化チエモニウム、塩酸ジシクロベリン、フロプロピオン、臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウムなどの他、これらの塩(薬学的に許容可能な塩)などが例示できる。塩としては、無機酸(塩酸、硝酸、硫酸など)、有機酸(酢酸、フマル酸、マレイン酸など)、無機塩基(アンモニア、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属など)、有機塩基(アルキルアミンなど)との塩が例示できる。抗コリン薬(天然アルカロイド類など)は、光学活性体(d−体、l−体など)、dl−体(ラセミ体)などであってもよい。これらの抗コリン薬は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0020】
これらの抗コリン薬のうち、天然アルカロイド類(ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、アトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ダツラエキスなど)、ヨウ化イソプロパミド、臭化メチルベナクチジウム、臭化プロパンテリン又はそれらの塩などが実用的に好ましい。特に、天然アルカロイド(ベラドンナ総アルカロイドなど)、ヨウ化イソプロパミドが好ましい。
【0021】
抗コリン薬の有効量は、種類に応じて広い範囲、例えば、経口投与において1日あたりの用量として、0.01〜200mg、好ましくは0.1〜150mg、さらに好ましくは0.2〜100mg程度の範囲から選択できる。より具体的には、経口投与において1日あたりの用量として、ベラドンナ総アルカロイドでは、例えば、0.01〜10mg(例えば、0.03〜5mg)、好ましくは0.05〜2mg、特に0.1〜1mg(例えば、0.2〜0.6mg)程度である。ベラドンナエキス及びロートエキスでは、例えば、5〜200mg、好ましくは10〜100mg程度、アトロピン、ホマトロピン及びスコポラミンでは、例えば、0.1〜2.0mg、好ましくは0.3〜1.0mg程度、ダツラエキスでは、例えば、0.1〜2.0mg、好ましくは0.3〜1.0mg程度、ヨウ化イソプロパミドでは、例えば、1〜50mg、好ましくは2〜10mg程度、臭化メチルベナクチジウム及び臭化プロパンテリンでは、例えば、5〜200mg、好ましくは10〜100mg程度である。
【0022】
本発明の医薬組成物において、メディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクスなど)と抗コリン薬との配合比は、例えば、抗コリン薬1重量部に対してメディエーター遊離抑制薬(アンレキサノクスなど)0.00025〜1000重量部(例えば、0.0025〜500重量部)、好ましくは0.01〜400重量部(例えば、0.1〜350重量部)、さらに好ましくは1〜300重量部(例えば、5〜300重量部)程度であり、通常、10〜350重量部(例えば、50〜300重量部)程度であってもよい。
【0023】
医薬組成物は、他の活性成分を含んでいてもよい。活性成分としては、例えば、解熱鎮痛薬又は解熱鎮痛消炎薬、抗炎症薬、鎮咳薬、去痰薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、気管支拡張薬、制酸薬又は粘膜保護薬、抗アレルギー薬、交感神経興奮薬又はα受容体刺激薬、消炎酵素薬、中枢神経興奮薬、生薬、健胃薬、消化薬、ビタミン類、ミネラル類などが例示できる。
【0024】
これらの活性成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、本発明の医薬組成物は、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、気管支拡張薬、キサンチン類から選択された少なくとも一種(例えば、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、及び気管支拡張薬の成分、又はキサンチン類、若しくは上記全ての成分)を含まなくてもよい。また、本発明の医薬組成物は、抗ヒスタミン作用を有する薬剤(抗ヒスタミン薬など)を含まなくても、鼻炎症状、鼻漏症状に対して高い治療効果を示す。
【0025】
本発明の医薬組成物(医薬製剤)は、種々の投与製剤、例えば、固形製剤、半固形製剤、液状製剤などであってもよい。固形製剤は、錠剤、丸剤、細粒又は顆粒剤、散剤、カプセル剤、チュアブル錠などであってもよく、固形製剤はフィルムコーティング錠(糖衣錠)などのフィルムコーティング剤であってもよい。半固形製剤は、クリーム剤、ゼリー剤、軟膏剤、ゲル剤、パップ剤などであってもよい。また、液状製剤は、液剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドリンク剤などであってもよい。さらに、医薬組成物は、経口または非経口投与製剤であってもよい。経口投与製剤(内用剤など)は、前記固形製剤や液状製剤であってもよく、非経口投与製剤は、外用剤、例えば、スプレー剤、液剤などの形態の点鼻剤や点眼剤であってもよく、経皮投与剤(軟膏剤、クリーム剤、貼付剤など)であってもよい。
【0026】
本発明の医薬組成物(医薬製剤)は担体成分又は添加剤を用いて調製できる。固形製剤において、担体成分又は添加剤としては、通常、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが使用される。賦形剤としては、例えば、D−マンニトール、D−ソルビトール、エリスリトール、キシリトールなどの糖アルコール、乳糖、ブドウ糖、果糖、白糖、粉末還元麦芽糖水アメなどの糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、デキストリン、βーシクロデキストリン、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素、沈降性炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、乳酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、タルク、カオリンなどが例示できる。結合剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン共重合体(コポリビドン)、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、白糖などが例示できる。崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)、クロスポビドン、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン、アルギン酸、ベントナイトなどが例示できる。
【0027】
他の担体成分又は添加剤としては、滑沢剤(ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウなど);抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸など);保存剤(パラオキシ安息香酸エステル類など);着色剤(ウコン抽出液、リボフラビン、カロチン液、タール色素、カラメル、酸化チタン、ベンガラなど);矯味剤(アスパルテームなどの甘味料、アスコルビン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップなど);界面活性剤(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステル(モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類、ショ糖脂肪酸エステルなど);流動化剤(軽質無水ケイ酸、タルク、含水二酸化ケイ素など);可塑剤(クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、セタノールなど);甘味剤又は矯味剤(ショ糖、マンニトール、D−ソルビトール、キシリトール、アスパルテームなどの天然又は合成甘味剤);着香剤又は香料(メントールなど);色素、清涼化剤、防腐剤又は保存剤、吸着剤、湿潤剤、帯電防止剤などが挙げられる。
【0028】
コーティング製剤(例えば、コーティング錠)において、コーティング基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体、マクロゴールなどの水溶性基剤、エチルセルロースなどの水不溶性基剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタクリル酸コポリマー、アクリル酸コポリマー、カルボキシビニルポリマーなどの腸溶性基剤、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテートなどの胃溶性基剤、アラビアゴム、プルラン、カルナウバロウ、セラック、マクロゴール類、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウムなどが例示できる。これらのコーティング基剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。また、コーティング層は一層又は複数層に形成してもよい。好ましいコーティング基剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン系重合体(ポビドン、コポリビドンなど)である。コーティング剤は、さらに必要に応じて、充填剤、滑沢剤、隠蔽剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0029】
固形製剤は慣用の方法で製造できる。前記活性成分(メディエーター遊離抑制薬、抗コリン薬など)と担体成分とを混合して粉剤を調製してもよく、通常、活性成分と担体成分とを造粒し、必要により造粒物を整粒して粒剤(細粒剤又は顆粒剤)を調製するか、又は造粒物を含む混合物(特に、造粒物と担体成分との混合物)を打錠することにより裸錠を調製できる。カプセル剤は前記粒剤をカプセルに充填することにより調製できる。
【0030】
造粒は、慣用の方法、例えば、撹拌造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、乾式造粒法などで行うことができる。好ましい造粒法は流動層造粒法である。造粒においては、活性成分と担体成分とを、結合剤を含む溶液を用いて造粒する場合が多く、例えば、活性成分と担体成分との流動層に結合剤を含む溶液を噴霧することにより造粒できる。コーティング製剤は、フィルムコーティング機を用いて、コーティング基剤を含有するコーティング剤を未コーティング製剤(素顆粒、素錠など)に噴霧することにより得ることができる。
【0031】
液状製剤において、担体成分としては、水性媒体(精製水、エタノール含有精製水など)、アルコール類(エタノール、グリセリンなど)、水溶性高分子などが利用できる。担体成分としては、精製水、エタノール含有精製水などを用いる場合が多い。半固形製剤の担体成分としては、油性基剤(植物油などの脂質、ワセリン、流動パラフィンなど)、親水性基剤(乳剤性基剤)などが利用できる。また、液状製剤及び半固形製剤において、添加剤としては、崩壊助剤、抗酸化剤又は酸化防止剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、溶解補助剤、増粘剤、pH調整剤又は緩衝剤、防腐剤又は保存剤(パラベン類など)、殺菌剤又は抗菌剤、帯電防止剤、矯味剤又はマスキング剤(例えば、甘味剤など)、清涼化剤、着色剤又は色素、矯臭剤又は香料などが挙げられる。
【0032】
液状製剤は、各成分を担体成分に溶解又は分散させ、必要により濾過又は滅菌処理し、所定の容器に充填することにより調製できる。半固形製剤も慣用の方法、例えば、各成分と担体成分とを混合し、必要により滅菌処理し、所定の容器に充填したり、基材に塗布することにより調製できる。
【0033】
本発明の医薬組成物(医薬製剤)は、メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬のうち、(1)2つの成分を含む製剤(又は製剤を収容又は包装する包装形態)、又は(2)各成分をそれぞれ含む2つの製剤(又は2つの製剤をそれぞれ個別に収容又は包装する包装形態)であってもよい。
【0034】
本発明の医薬組成物及び医薬製剤は、哺乳類(ヒト、犬、猫、豚、馬、牛、ウサギ、ラットなど)、鳥類などに適用でき、ヒトに投与するのに適している。本発明の組成物及び製剤の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与経路などに応じて選択できる。
【0035】
本発明の組成物及び製剤は、1日当たり1回又は複数回(例えば、2〜6回)に分けて投与できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の医薬組成物は、抗ヒスタミン作用に起因する眠気などの副作用を示すことなく、鼻炎症状及び鼻漏症状の治療に有用である。特に、鼻漏症状、例えば、鼻炎(アレルギー性鼻炎など)による鼻漏症状を極めて強力に抑制するため、鼻漏を伴う鼻炎(アレルギー性鼻炎、かぜ症候群の鼻炎症状)の治療又は予防に適している。そのため、本発明の医薬組成物は、鼻炎症状改善薬及び鼻漏症状改善薬として使用できる。
【実施例】
【0037】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0038】
実施例1(錠剤)
アンレキサノクス600g、乳糖1377.6g、コーンスターチ240gを流動層造粒機(パウレック(株)製「MP−10」)を用い、ベラドンナ総アルカロイド(2.4g)を溶解したヒドロキシプロピルセルロース溶液(HPC−L固形分72g)を噴霧して、常法により造粒を行った。造粒末(2292g)を整粒(パワーミル:昭和化学機械(株)製「P−3型」)し、その整粒末1910gに対して、ECG505を80g、ステアリン酸マグネシウムを10g添加して混合(タンブラー混合機:昭和化学機械(株)製「TM−15型」)し、打錠末とした。この打錠末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所(株)製「コレクト19K」)を用いて打錠し200mg/錠の素錠を製した。
【0039】
実施例2(散剤)
アンレキサノクス250g、マンニトール219g、結晶セルロース100g、コーンスターチ100g、ECG505 100gを、バーチカルグラニュレーター(パウレック(株)製)に仕込み、ベラドンナ総アルカロイド(1g)を溶解したヒドロキシプロピルセルロース溶液(HPC−L固形分30g)を添加して、常法により攪拌造粒を行った。そして、湿式整粒(パワーミル:昭和化学機械(株)製「P−3型」)し、流動層乾燥機(パウレック(株)製「MP−10」)を用いて乾燥した。その後、整粒(パワーミル:昭和化学機械(株)製「P−3型」)し、篩過し散剤を製した。
【0040】
実施例3(顆粒剤)
アンレキサノクス250g、マンニトール219g、結晶セルロース100g、コーンスターチ100g、ECG505 100gを、バーチカルグラニュレーター(パウレック(株)製)に仕込み、ベラドンナ総アルカロイド(1g)を溶解したヒドロキシプロピルセルロース溶液(HPC−L固形分30g)を添加して、常法により攪拌造粒を行った。そして押し出し造粒(ドームグラン:不二パウダル(株)製)および製球(マルメライザー:不二パウダル(株)製)を行い、流動層乾燥機(パウレック(株)製「MP−10」)を用いて乾燥し、篩過を行うことで顆粒剤を製した。
【0041】
試験例1:トルエンジイソシアネート(toluene 2,4-diisocyanate、以下、TDIと記す)誘発モルモット鼻漏誘発試験
1.試験材料および方法
1.1.被験物質、媒体および試薬
アンレキサノクス(武田薬品工業(株)製)およびベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業(株)製)は、いずれも試験施設の被験物質保管室の保管庫で冷蔵・遮光の条件下で保管したものを使用した。
【0042】
媒体は、メトローズ60 SH−50(以下、HPMC:信越化学工業(株)製)および注射用水((株)大塚製薬工場製)で調製した。すなわち、媒体(0.5%HPMC)を、必要量のHPMCを電子天秤(メトラー・トレド(株)製「PM2500」)で秤量後、注射用水で0.5w/v%濃度となるように撹拌溶解させて調製した。HPMCは試験施設の被験物質保管室の保管庫内に、また、注射用水については試験施設の被験物質保管室にいずれも室温の条件下で保管した。
【0043】
TDI(東京化成工業(株))、酢酸エチル(和光純薬工業(株))を用いた。購入後は、試験施設の被験物質保管室の保管庫内に、TDIは冷蔵で、酢酸エチルは室温・遮光で保管した。
【0044】
1.2.投与検体の調製
媒体(0.5%HPMC)の調製は、必要量のHPMCを秤量(電子天秤:PM2500、メトラー・トレド(株))後、注射用水で0.5w/v%濃度となるように撹拌溶解させた。調製後の0.5%HPMCは、被験物質保管室の保管庫内に冷蔵の条件下で保管し、調製後8日以内に使用した。
【0045】
アンレキサノクス(武田薬品工業(株)製)およびベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業(株)製)の調製は、いずれも必要量を電子天秤(メトラー・トレド(株)製「AT250」)で秤量後、徐々に0.5%HPMCを加えて懸濁し、目的濃度に調整した。なお、アンレキサノクスおよびベラドンナ総アルカロイドの併用投与用検体は、それぞれ2倍の濃度の懸濁液を調製し、1:1の重量割合で混和した。
【0046】
試薬(TDI溶液)の調製は、必要量のTDI(東京化成工業(株)製)を電子天秤(メトラー・トレド(株)製「AT250」)で秤量後、酢酸エチル(和光純薬工業(株)製)で所定濃度となるように溶解させた。
【0047】
なお、いずれの検体についても調製は用時とし、残余投与検体については、廃棄した。
【0048】
1.3.試験動物および飼育条件
動物は、アレルギー性鼻炎モデルの動物として汎用されている3週齢のKwl:Hartley雄モルモット(SPF:(株)紀和実験動物研究所)を入手した。
【0049】
入手した動物は5日間の検疫期間、その後28または29日間の馴化期間を設けた。この間に体重測定(電子天秤:PG2002−S、メトラー・トレド(株))を6回および一般状態の観察を毎日行って検疫および馴化とし、体重推移および一般状態に異常の認められない動物を群分けして用いた。
【0050】
1.4.群分け方法
群分け日に体重を層別に分けた後、無作為抽出法により各群の平均体重および平均鼻汁量がほぼ等しくなるように行った。なお、群分け後の残余動物は群分け日に、測定用の動物は、測定終了後にジエチルエーテル麻酔下で腹大動脈から放血致死させた後に廃棄処分した。
【0051】
1.5.個体識別
入手日に油性インクで耳に検疫・馴化動物番号を記入することにより識別した。群分け後には油性インクによる色素塗布法を用いて識別した。各ケージには、検疫・馴化期間中は試験番号、入手年月日、検疫・馴化動物番号を記入したラベルを、群分け後は試験番号、被験物質名、動物番号を記入し、群ごとに色分けしたラベルを取り付けた。
【0052】
2.試験方法
2.1.感作および誘発
感作は、馴化5日目に開始(感作1日)し、動物の両鼻前庭に、10%TDI溶液に浸した細軸綿棒を10秒間接触させて塗布し、この操作を1日1回、5日間繰り返し行った。
【0053】
誘発は、感作26日および感作32日に、誘発用TDI溶液に浸した細軸面棒を両鼻前庭へ10秒間接触させることで鼻汁漏出を誘発させた。誘発開始より15分間に漏出した鼻汁をティッシュペーパーに吸収させ、密栓マイクロチューブに入れて重量を測定した。鼻汁量の算出方法は、あらかじめ秤量しておいたガーゼおよびチューブの重量を差し引いて行った。なお、感作32日の誘発前日から全ての動物について18時間以上絶食した。
【0054】
2.2.一般状態観察および体重測定
感作期間中、毎日、1回/日(午前7時〜午後1時)の頻度で一般状態の観察を行い、感作1日、8日、15日、22日、26日、31日および32日に体重測定を実施した。
【0055】
2.3.投与
被験物質の投与は、フィーディングチューブを取り付けたポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒を用いて、臨床適用経路に準じて経口投与を行った。投与液量は、投与日に近い体重を基に5mL/kgで算出し、最終誘発日の午前9時〜15時の間の誘発60分前に1回投与した。
【0056】
試薬(TDI溶液)の投与は、鼻前庭に細軸綿棒を10秒間接触させて鼻腔より投与した。
【0057】
3.統計学的方法及び結果
鼻汁量についてVehicle群の平均値および標準誤差を算出した後、Vehicle群平均値に対する、被験薬物投与群1〜3群の各個体鼻汁量の抑制率(%)を算出した。さらに、被験薬物投与群1〜3群の抑制率(%)の平均値および標準誤差(mean±s.e.)を算出した。有意差検定は被験薬物投与群1と被験薬物投与群3との2群及び被験薬物投与群2と被験薬物投与群3との2群間比較を行った。すなわち、等分散性についてF検定を有意水準5%で行い、有意であればAspin-Welchのt検定を、有意でなければStudentのt検定を有意水準10%(*),5%(**),1%(***)(両側)で行った。
【0058】
試験例での群構成および動物匹数とともに、結果を表及び図に示す。なお、図1には、TDI誘発によるモルモット鼻漏反応に対する被験薬物投与群1〜3の抑制率(%)を平均値±標準偏差で示している。
【0059】
【表1】

【0060】
表及び図から明らかなように、被験薬物投与群1(アンレキサノクス単独群)もしくは被験薬物投与群2(ベラドンナ総アルカロイド群)と比較し、被験薬物投与群3(アンレキサノクスとベラドンナ総アルカロイドの併用群)において有意に鼻漏反応に対する抑制作用を増強することが見出された。加えて、被験薬物投与群3(アンレキサノクスとベラドンナ総アルカロイド併用群)の鼻漏反応抑制の程度は、被験薬物投与群1(アンレキサノクス単独群)もしくは被験薬物投与群2(ベラドンナ総アルカロイド群)と比較して相乗的な抑制作用を示すことから極めて強力であり、ほぼ完全に鼻漏反応を抑制することが示された。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は試験例1の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディエーター遊離抑制薬及び抗コリン薬を含む医薬組成物。
【請求項2】
メディエーター遊離抑制薬がアンレキサノクス又はその塩である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
抗コリン薬が、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、アトロピン、ホマトロピン、スコポラミン、ロートエキス、ダツラエキス、ヨウ化イソプロパミド、臭化メチルベナクチジウム及び臭化プロパンテリン又はその塩からなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
鼻炎に対する予防治療薬である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
アレルギー性鼻炎に対する予防治療薬である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
かぜ症候群における鼻炎症状に対する予防治療薬である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
鼻漏症状に対する予防治療薬である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2010−100550(P2010−100550A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272212(P2008−272212)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】