説明

医薬組成物

【課題】FK506クラスの化合物;FK506クラスの溶媒としての8個までの炭素原子を含む生理学的に許容可能なアルカンジオール、エーテルジオールまたはジエーテルアルコール;不飽和脂肪アルコールおよび水を含む、乳剤の形の局所用組成物を提供すること。
【解決手段】FK506クラスの化合物;溶媒として生理学的に許容可能なアルカンジオール、エーテルジオールまたはジエーテルアルコール;不飽和脂肪アルコールおよび水を含む、乳剤の形の局所用組成物を提供することにより解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マクロライドを含む局所用医薬組成物および、特に、アスコマイシン、ラパマイシンまたはFK506クラスの化合物のようなマクロライドを含む製剤に関する。
【0002】
FK506は、ストレプトマイセス・ツクバエンシス(Streptomyces tsukubaensis) No 9993により製造される、既知のマクロライド系抗生物質である。それはまた有効な免疫抑制剤でもある。FK506の構造は、Merck Index第11版の追補にアイテムA5として記載されている。FK506の製造法は、EP184162に記載されている。
【0003】
FK506の基本構造および少なくとも一つの生物学的特性(例えば、免疫抑制特性)を残す、FK506の多くの誘導体、アンタゴニスト、アゴニストおよびアナログが現在知られている。これらの化合物は、多くの刊行物、例えば、EP184162、EP315978、EP323042、EP423714、EP427680、EP465426、EP474126、WO91/13889、WO91/19495、EP484936、EP532088、EP532089、EP569337、EP626385、WO93/5059等に記載されている。これらの化合物は、集合的にFK506クラスの化合物と呼ぶ。
【0004】
(例えば、EP315978およびEP474126から)FK506クラスの化合物は、炎症および過増殖性皮膚疾患および免疫学的媒介疾患の皮膚発現の局所用処置に非常に有用であることも知られている。
【0005】
FK506クラスの化合物およびこの化合物を溶解するための溶解剤および吸着促進剤を含む軟膏が、EP474126に記載されている。種々の有機溶媒が溶解剤および吸収促進剤として提案されている。しかしながら、EP474126に記載の組成物は、油基礎組成物であり、水を含まない。
【0006】
水を含む組成物が文献に報告され、FK506化合物はまた細懸濁液として製剤されている(EP484936)。
【0007】
驚くべきことに本発明により、FK506クラスの化合物を安定な乳剤として調剤できる。水性相を含むため、乳剤は油基礎組成物よりも閉塞性でなく、したがって多くの状況でより寛容性である。
【0008】
従って、一つの態様において、本発明は、FK506クラスの化合物;FK506クラスの溶媒としての8個までの炭素原子を含む生理学的に許容可能なアルカンジオール、エーテルジオールまたはジエーテルアルコール;不飽和脂肪アルコールおよび水を含む、乳剤の形の局所用組成物を提供する。
【0009】
この局所用組成物は有効であり、皮膚に非常に寛容性であり、適度から非常に安定である。
【0010】
本明細書において、“FK506クラスの化合物”は、FK506と同じ基本構造を有し、FK506の生物学的特性の少なくとも一つ(例えば、免疫抑制特性)を有する化合物である。本化合物は、遊離塩基形または薬学的に許容可能な酸付加、塩形であり得る。FK506クラスの化合物の例は、遊離塩基または酸付加形の式I
【化1】

〔式中、
とR、RとR、RとRの各隣接ペアは、独立して、(a)H原子のペアであるが、Rはまたアルキルであり得るかまたは(b)それらが結合している炭素原子との間に第2の結合を形成する;
はH、OH、保護OH基、ホルミルオキシ基またはアルコキシ基またはRはRと一緒になってオキソ基を形成する;
およびRは独立してHまたはOH;
10はH、アルキル基、1個またはそれ以上のOH基で置換されたアルキル基、アルケニル基、1個またはそれ以上のOH基で置換されたアルケニル基またはオキソ基で置換されたアルキル基;
はHまたはOH;
はH;または
およびXは一緒になってオキソ基または−CHO−;
はHまたはOH;
はH;または
およびYは一緒になってオキソ基、N−NR1112またはN−OR13
11およびR12は独立してH、アルキル基、アリール基またはトシル基;
13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は独立してHまたはアルキル基;
24は所望により置換されていてもよい、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含み得る環;
nは1、2または3;
またはY、Y、R10およびR23は、それらが結合している炭素原子と共に、飽和または不飽和5−または6−員で、窒素、硫黄および/または酸素を含有し、所望により、アルキル、OH、アルコキシ、ベンジル、−CHSe(C)および1個またはそれ以上のOH基で置換されていてもよいアルキルからなる群から選択される、1個またはそれ以上の基で置換されていてもよいヘテロ環である]
で示される化合物である。
【0011】
好ましくは、R24は(a)3,4−ジ−オキソ−シクロヘキシル基、(b)3-R20−4−R21−シクロヘキシル基(式中、R20はアルコキシ基または−OCHOCHCHOCH基およびR21はOH、−OCN、アルコキシ基、−OCHOCHCHOCH基、保護ヒドロキシ基、クロロ、ブロモ、ヨウド、メチルチオメトキシ、イソブタノイルオキシ、アミノオキザリルオキシ、アジド基、p−トリルオキシチオカルボニルオキシまたはR2526CHCOO−(式中、R25は所望により保護されていてもよいヒドロキシまたは所望により保護されていてもよいアミドおよびR26はHまたはメチル)またはR20とR21は一緒になってエポキシド環の酸素原子を形成する)または(c)所望により置換されていてもよい5−または6−員シクロアルキル基である。例えば、R24はメトキシメチル、所望により保護されていてもよいヒドロキシメチル、アシルオキシメチル(ここで、アシル部分は、所望により4級化されていてもよいジメチルアミノ基またはエステル化されていてもよいカルボキシ基)または1個またはそれ以上の保護されていてもよいアミノおよび/またはヒドロキシ基、またはアミノオキザリルオキシメチルで置換されているシクロペンチル基であり得る。好ましい例は、2−ホルミル−シクロペンチル基である。
【0012】
好適なアルキル基、アルケニル基、アリール基、保護基およびアシル基は、EP484936に定義されている。
【0013】
本発明の組成物で使用するマクロライドは、好ましくは免疫抑制特性を有する。マクロライドは、ラパマイシンまたは本明細書に参考として包含するWO95/16691の1頁の式Aの40位のヒドロキシが−OR(ここで、Rはヒドロキシアルキル、ヒドロアルコキシアルキル、アシルアミノアルキルおよびアミノアルキル)で置換されているO−置換誘導体;例えば、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシンおよび40−O−(2−アセトアミノエチル)−ラパマイシンであり得る。これらのO−置換誘導体は、好適な反応条件下でのラパマイシン(またはジヒドロまたはデオキソラパマイシン)と脱離基(例えば、RX(ここで、Rは、アルキル、アリルまたはベンジル部分のようなO−置換基として望ましい有機ラジカルおよびXはCClC(NH)OまたはCFSOのような脱離基))に結合した有機ラジカルとの反応により、製造し得る。条件は、XがCClC(NH)Oである場合、酸性または中性条件、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン酸またはそれらの対応するピリジニウムまたは置換ピリジニウム塩の存在下、またはXがCFSOである場合、ピリジン、置換ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンまたはペンタメチルピペリジンのような塩基の存在下であり得る。
【0014】
好ましい化合物は、WO94/09010に記載のような40−O−(2−ヒドロキシ)エチルラパマイシン(以後、化合物A)である。
【0015】
FK506クラスの好ましい化合物は、EP427680、例えば、実施例66a(また33−エピ−クロロ−33−デスオキシアスコマイシンとも呼ばれる)、(以後、化合物B)に記載されている。他の好ましいFK506クラスの化合物は、EP465426、EP569337およびEP626385、例えば、EP569337の実施例6dの化合物(化合物C)またはEP626385の実施例8の化合物(化合物D)に記載されている。
【0016】
FK506クラスの化合物を溶解できるアルカンジオール溶媒の例は、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ブチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)等である。エーテルジオール溶媒の例は、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等である。ジエーテルアルコール溶媒の例は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等である。好ましくは、溶媒はヘキシレングリコールである。溶媒は、好ましくは、乳剤の約5から約50%w/w、更に好ましくは5から20%w/wおよびより更に好ましくは5から10%w/wの量で存在する。
【0017】
乳剤の油相は、組成物の重量の約20から約80%w/w、更に好ましくは25から75%およびより更に好ましくは35から65%を成す。乳剤は、水中油型乳剤または油中水型乳剤であり得る。水中油型乳剤は、エマルジョンゲル(この場合、連続水性相をポリマー濃厚剤を使用して濃厚にし得る)またはクリームの形であり得る。
【0018】
乳剤の油相の一部を形成する不飽和脂肪アルコールは、好ましくはラノリンアルコールまたはC16からC18脂肪アルコール;更に好ましくはオレイルアルコール、またはエライジックアルコールであるが、オレイルアルコールが特に好ましい。本組成物は、好ましくは、FK506クラスの化合物の皮膚への吸収を促進するために充分な量、より好ましくは約2から約10%w/wおよびより更に好ましくは5から10%w/wの不飽和脂肪アルコールを含む。
【0019】
油相はまた通常局所用組成物に使用される他の液体油、濃厚剤および脂肪基材を含み得る。
【0020】
好適な液体油は、カプリル/カプリル酸トリグリセリドのような分画植物油から得た中鎖トリグリセリドを含む。このようなトリグリセリドの一つの例は、商品名Miglyol 812(約520の分子量、約1.448から1.450のn20および0.28から0.32Pasの粘性を有する)で商業的に入手可能である。液体油は、乳剤の約5から約60%w/w、および好ましくは5から15%w/wを構成し得る。
【0021】
好適な濃厚剤は、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、水素化ヒマシ油(Cutina HR)、黄蝋、白蝋、セチルエステル蝋、乳化蝋、微小結晶蝋等のような慣用の硬化物を含む。好ましくは、濃厚剤は乳剤の約2から約30%w/w、およびより好ましくは2から10%w/wを構成する。
【0022】
好適な脂肪族塩基は、中性蝋、ワセリン(石油ゼリー、Petrolatumとしてもまた商業的に入手可能)、濃厚パラフィン、羊毛蝋アルコール(商標EucerinumまたはEucerinの下に売られているような)、羊毛蝋誘導体、トリグリセリドワックス(商品名Softisan 378の下に売られているような)等を含む。
【0023】
本組成物は、また乳化組成物で通常のような好適な乳化剤を含み得る。このような乳化剤は、Fiedler, H.P.;1989;Lexikon der Hilfsstoffe fiedler Pharmazie, Kosmetic und angrenzende Gebiete, Editio Cantor, D-7960 Aulendorf, GermanyおよびHandbook of Pharmaceutical Excipients, A Joint Publication of the American Pharmaceutical Association, Wasington DC, USAおよびPharmaceutical Society of Greatn Britain, London, UK;1986のような標準テキストに記載されている。好適な乳化剤の例は:
【0024】
(a)プロピレングリコールジカプリル酸(商標Miglyol 840の下に商業的に入手可能)、プロピレングリコールジラウリル酸、プロピレングリコールヒドロキシステアリン酸、プロピレングリコールイソステアリン酸、プロピレングリコールラウリル酸、プロピレングリコールリシノール酸およびプロピレングリコールステアリン酸のようなプロピレングリコールモノ−およびジ−脂肪酸エステル;
(b)モノ−およびトリ−ラウリル、パルミチル、ステアリルおよびオレイルエステルのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。商業的に入手可能なエステルの例は、トゥイン(Fiedler, 1300−1304頁参照)の商品名の下に入手可能なものおよび特にトゥイン60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)およびトゥイン80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)である;
(c)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、既知のタイプおよびMyrj(Fiedler, 834および835頁参照)の商品名の下に商業的に入手可能なポリオキシエチレンステアリン酸エステルおよび特にMyrj 52(約1.1のD25、約40から44℃の融点および約16.9のHLB価を有する);
(d)商標名Pluronic、EmkalyxおよびPoloxamer(Fiedler, 959頁参照)の下に商業的に入手可能なようなポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびブロックコポリマーおよび特にPluronic F68(約52℃の融点および約6800から8975の分子量を有する)およびPoloxamer 188;
(e)ジオクチルスルホサクシネートまたはジ−[2−エチルヘキシル]−サクシネート;
(f)リン脂質および特にレシチン(Fiedler, 943および944頁参照);
(g)ラウリル硫酸ナトリウムおよびセチルステアリル硫酸ナトリウムのような脂肪アルコール硫酸の塩;
【0025】
(h)ソルビタンモノステアレートおよび商標Arlacel 60(約4.7のHLBおよび約53℃の融点を有する)およびSpan 80(約1のD25、約4.3のHLBおよび約950から1100cPの粘性を有する)の下に商業的に入手可能なソルビタンモノオレエートのようなソルビタン脂肪酸エステル;
(i)商標名Imwitor(Fiedler, 645頁参照)の下に商業的に入手可能なグリセリンモノステアレートおよび特にImwitor 960;
(j)少なくとも一つの遊離ヒドロキシル基を有するポリエチレングリコールグリセロールエーテルと脂肪族C−C22カルボン酸のエステル。例は、PEG−20グリセリンモノステアレートを含む;
(k)天然または水素化ヒマシ油とエチレンオキサイドの反応生産物および商標名Cremophorで入手可能なもの、例えばCremophor RH40(約50から60の鹸化価、<1の酸化価、約1.453から1.457のn60および約14から16のHLB価を有する)、Cremophor RH60(約40から50の鹸化価、<1の酸化価、約1.453から1.457のn60および約15から17のHLB価を有する)およびCremophor EL(約65から70の鹸化価、約2の酸化価、約1.471のn60および約1630の分子量を有する)。商品名Nikkol、Emulgin、MapegおよびIncrocasの下に入手可能な種々の界面活性剤もまた好適である(Fiedler参照);
(l)ステアリン酸;
(m)セチルアルコールおよび乳化蝋のような油および蝋基本乳化剤;
(n)商品名Labrafil M2130 CS(Fiedler, 707頁参照)の下に入手可能なもののようなポリオキシエチレングリセリド;
【0026】
(o)商品名BrijおよびCetomacrogolシリーズ(Fiedler, 222から224頁および284頁参照)の下に入手可能なポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;
(p)商品名Arlacel 481(約630の分子量および約4.5のHLB価を有する)の下に入手可能なもののようなグリセリンソルビタン脂肪酸エステル;および
(q)これらの混合物
を含む。
好ましくは、乳化剤は、ポリエチレングリコール(20)グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート(Arlacel 60)、ソルビタンモノオレエート(Span 60)、トゥイン60、トゥイン80、グリセリンモノステアレート(Imwitor 960)、ステアリン酸、セチルアルコール、羊毛蝋誘導体およびアルコールおよびLabrafil M2130 CSならびにこれらの混合物から選択される。乳剤が油中水型乳剤である場合、乳化剤は、好ましくは10から15のHLB価を有するものを選択する。乳剤が水中油型乳剤である場合、乳化剤は、好ましくは4から8のHLB価を有するものを選択する。好ましくは、乳化剤は、約1から約30%w/wおよび好ましくは10から25%w/wの量で存在する。
【0027】
ゲル化剤をまた添加し得、ゲル化乳剤を提供する。好適なゲル化剤は、商品名Carbopol(Fiedler, 254から256頁参照)の下に商業的に入手可能なもののような、カルボマー(ポリアクリル酸誘導体)である。Carbopol 974およびCarbopol 1342が好ましい。ゲル化剤は、0.2から2%w/w;更に好ましくは約1%w/wより少ない量で存在する。
【0028】
乳剤は、またベンジルアルコール、ブチル−ヒドロキシトルエン、アスコルビルパルミテート、ピロスルフィトナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル(例えば、商品名Parabenの下に商業的に入手可能)、p−ヒドロキシ安息香酸メチル(例えば、商品名Parabenの下に商業的に入手可能)、ソルビン酸およびトコフェロールのような防腐剤および抗酸化剤も含み得る。防腐剤および抗酸化剤は、細菌成育の防止に働き、好ましくは約0.01から約2.5w/wの量で存在する。pH修飾剤を、乳剤のpHを4から6の間にするために含み得るかまたは薬学的に許容可能な緩衝系の添加による。4から6の間のpHは、皮膚刺激を避けるために望ましい。
【0029】
乳剤の水性相は、乳剤の約20から約80%w/w、更に好ましくは25から75%およびより更に好ましくは35から65%を構成し得る。水性相は、好ましくは滅菌水の形である。
【0030】
FK506クラスの化合物は、好ましくは乳剤中に約0.01から約10%w/wの量、および更に好ましくは0.1から1%w/wの量で存在する。
【0031】
好ましくは、FK506クラスの化合物および不飽和脂肪アルコールは、重量比1:1000から5:1、好ましくは1:100から1:5で存在する。
【0032】
驚くべきことに本発明によれば、マクロライドが、化合物が懸濁液中にある場合、安定な医薬組成物に調剤できる。
【0033】
従って、他の態様において、本発明は、懸濁液中のマクロライドを含む局所用医薬組成物を提供する。
マクロライドなる用語は、上記の意味を有する。
医薬組成物は、固体形であり得るが、好ましくは局所用投与に好適な半固体形である。
本発明の懸濁液組成物は有効であり、皮膚に非常に寛容性であり、適度にあるいは非常に安定である。
懸濁液は、直径約5、例えば約10から約90ミクロンのマクロライドの粒子を含む。マクロライドの粒子は、既知の方法、例えば、挽いてまたは製粉して製造し得る。
懸濁液は、クリーム、無水軟膏、油中水型乳剤、水中油型乳剤、乳剤ゲルまたはゲルとして製造し得る。
【0034】
他の態様において、本発明は
a)5重量%までの量のマクロライド、
b)20重量%までの量の濃厚剤、
c)40重量%までの量の親水性成分、
d)全量5重量%までの量の1個またはそれ以上の有機酸、
e)全量5重量%までの量の1個またはそれ以上の安定化剤、
f)90重量%までの量の水
を含む水中油型乳剤ゲルの形の局所用組成物を提供する。
好適な濃厚剤前記の通りであり、パラフィン、蝋およびワセリンを含み得る。
【0035】
好適な親水性成分は、プロピレングリコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびオレイルアルコールのようなアルコールを含む。
本発明における使用を予期される好適な有機酸の例は、ソルビン酸を含む。酸は防腐剤として機能し、実質的な細菌成育防止に働く。
【0036】
他の態様において、本発明は、炎症性および過増殖性皮膚疾患および免疫学的媒介疾患の皮膚発症の処置の使用のための、前記の乳剤または懸濁液の形の局所用組成物を提供する。
他の態様において、本発明は、上記の局所用組成物を、必要とする患者の皮膚に投与することを含む、炎症性および過増殖性皮膚疾患および免疫学的媒介疾患の皮膚発症の処置法を提供する。
更に別の態様において、本発明はFK506クラスの化合物;FK506クラスの溶媒としての8個までの炭素原子を含む生理学的に許容可能なアルカンジオール、エーテルジオールまたはジエーテルアルコール;不飽和脂肪アルコールおよび水の、炎症性および過増殖性皮膚疾患および免疫学的媒介疾患の皮膚発症の処置に使用するための医薬の製造における使用を提供する。
【0037】
乳剤組成物は、FK506クラスの化合物を溶媒および不飽和脂肪アルコールに溶解し、油相を提供することにより得られ得る。所望により、液体油、脂肪基材および濃厚剤が油相に混合され得る。次いで、油相を水性相および必要により好適な乳化剤で乳化する。他の賦形剤は、慣用のように、好適な時に好適な相に添加し得る。
本出願人は、マクロライドが局所用組成物中で不安定であり得ることを発見している。この不安定性は、完全には理解されていない分解または転位経路によるものであると考えられる。広範な実験の後、出願人は、不飽和脂肪アルコールをマクロライド化合物の安定化に使用し得ることを発見した。
【0038】
更なる態様において、本発明は、医薬組成物においてマクロライドを安定化にする際の不飽和脂肪アルコールの使用を提供する。
他の態様において、本発明は、不飽和脂肪アルコールをマクロライドと混合することを含む、医薬組成物においてマクロライドを安定化する方法を提供する。
不飽和脂肪アルコールは、C−C22アルコールであり得、またはアルコールの混合物を含み得る。不飽和脂肪アルコールは、1個、2個または3個の二重結合を有し得る。好ましくは、不飽和脂肪アルコールは一つの二重結合を有し、シス配置である。オレイルアルコールが好ましい。安定化効果は、不飽和脂肪アルコール対活性剤の少なくとも約1:5、例えば1:2から1:1またはそれより大きい、例えば約5:1の重量比で観察し得る。
【0039】
本出願人は、不飽和脂肪アルコール、例えばオレイルアルコールが局所用医薬組成物におけるマクロライドの安定化に好適であることを発見した。局所用組成物の例は本明細書に記載する。
【0040】
不飽和脂肪アルコール、例えばオレイルアルコールは、少なくとも下記のような一つの部分を有するマクロライドの安定化に使用し得る:
【化2】

本出願人は、オレイルアルコールが、アスコマイシンおよびFK506クラスの化合物、例えば、FK506、アスコマイシンおよび33−エピ−クロロ−33−デスオキシアスコマイシンの安定化に有用であることを発見した。
【0041】
上記の局所用組成物は、炎症性および過増殖性皮膚疾患および免疫学的媒介疾患の皮膚発症の処置に有用である。このような疾患の例は、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎および更に湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性水腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、紅斑性狼瘡および円形脱毛症である。
【0042】
局所用組成物の利用性は、0.01から10%w/w(好ましくは、0.1から1%w/w)のFK506クラスの化合物を使用した、下記実施例12に記載の試験のような標準臨床試験で観察できる。利用性は、また、EP315978に記載のような標準動物モデルを使用して観察できる。
【0043】
投与すべきFK506クラスの化合物および組成物の正確な量は、種々の因子、例えば、処置の所望の持続期間およびFK506クラスの化合物の遊離割合に依存する。充分な結果が、大型哺乳類、例えばヒトで、処置すべき領域への0.01から10%w/w、好ましくは0.1から3%の濃度のFK506クラスの化合物の、一日1回または数回(例えば、一日2から5回)の局所投与で得られる。一般に、組成物は、皮膚の領域に1cm程小さくから1m程大きく投与し得る。FK506クラスの化合物の適当な皮膚塗布量は、0.1mg/cmから1mg/cmの範囲である。
【0044】
本発明の組成物は、皮膚に非常に寛容性である。本発明の組成物の使用において良好な皮膚通過および浸透割合が達成される。
下記実施例13、14および19に記載の組成物は、哺乳類、例えばヒトへの投与に好ましい乳剤組成物である。
【0045】
化合物(i)[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,−5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,−19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−(2−プロペニル)−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロン、
(ii)[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,−5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,−19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−エチル−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロン、および
(iii)[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,5R*,8S*,9E,12R*,−14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,−17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシメチルシクロペンチル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−エチル−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロンについて、一日一回の0.01から1%w/wの濃度の局所投与は、ヒトにおける慢性プラーク乾癬(chronic plaque psoriasis)の処置に有用である。これらの適用において、組成物は、超性能Clobetasol組成物(0.05%)と同程度、有効である。
【0046】
以下の実施例は、本発明の組成物を記載する。
実施例において、
“化合物1”は、化合物[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−(2−プロペニル)−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロンである。これは、FK506として良く知られている。
“化合物2”は、化合物[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,5R*,8S*,9E,12R*,−14R*,15S*,16R*,18S*,19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシメチルシクロペンチル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−エチル−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロンである。この化合物およびそれを製造するための方法は、EP465426に記載されている。
化合物“3”は、[3S−[3R*[E(1S*,3S*,4S*)],4S*,5R*,8S*,9E,12R*,14R*,15S*,16R*,18S*,−19S*,26aR*]]−5,6,8,11,12,13,14,15,16,17,18,19,24,25,26,26a−ヘキサデカヒドロ−5,19−ジヒドロキシ−3−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−シクロヘキシル)−1−メチルエテニル)]−14,16−ジメトキシ−4,10,12,18−テトラメチル−8−エチル−15,19−エポキシ−3H−ピリド[2,1−c][1,4]オキサアザシクロトリコシン−1,7,20,21(4H,23H)−テトロンである。この化合物は、アスコマイシンとして知られている。
【0047】
化合物A、化合物B、化合物Cおよび化合物Dは、それぞれ上記の意味を有する。
以下の実施例で使用する、安定なる用語は、それぞれの組成物を室温で4カ月またはそれ以上の期間貯蔵した場合、成分の分離が観察されないことを意味すると理解される。
【0048】
活性成分の化学分析は、UV検出を伴った逆相HPLCを使用して行う;λ=210nm。定量限界は、0.1重量%である。
組成物の寛容性は、インビボで、ブタ皮膚およびヒト皮膚で行う。可視評価を、投与後0.5、1、2および4時間後に行う。
【実施例】
【0049】
実施例1
水中油型乳剤を、以下の成分を含んで製造する(重量部):
化合物2 0.10
オレイルアルコール 10.00
ミグリオール812 10.00
ヘキシレングリコール 10.00
セチルアルコール 5.00
ステアリルアルコール 5.00
ベンジルアルコール 1.00
ソルビタンモノステアレート 2.00
トゥイン80 4.00
グリセリンモノステアレート 3.00
水 49.90
【0050】
この組成物は、化合物2、オレイルアルコール、ミグリオール812、ヘキシレングリコール、セチルアルコールおよびステアリルアルコールを互いに混合し、65℃で、全ての成分が溶解するまで加熱することにより製造する。次いで、Arlacel 60、トゥイン80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)およびグリセリンモノステアレートを油相に添加し、全ての成分が溶解するまで撹拌する。次いで、水を撹拌器およびホモジナイザーを含む容器中で加熱する。次いで、ベンジルアルコールを添加する。次いで、油相をゆっくり撹拌および均質化しながら、滴サイズが20μmより小さい均質乳剤が得られるまで添加する。次いで乳剤を室温に冷却する。乳剤は安定である。
【0051】
実施例2
水中油型乳剤を、以下の成分を含んで、実施例1と同様の方法で製造する(重量部):
化合物1 0.10
オレイルアルコール 10.00
Miglyol 812 10.00
ヘキシレングリコール 10.00
セチルアルコール 5.00
ステアリルアルコール 5.00
ベンジルアルコール 1.00
ソルビタンモノステアレート 2.00
トゥイン80 4.00
グリセリンモノステアレート 3.00
水 49.90
この乳剤は安定である。成分分離は観察されない。
【0052】
実施例3
油中水型乳剤を、水を油相にゆっくり添加する以外、実施例1と同様の方法で製造する。組成物は以下の成分を含む(重量部):
化合物2 0.10
オレイルアルコール 5.00
ヘキシレングリコール 5.00
黄蝋 3.00
ベンジルアルコール 1.00
Arlacel 481 7.00
白石油 15.00
濃厚パラフィン 5.00
水 58.4
MgSO・7HO 0.5
乳剤は安定である。
【0053】
実施例4
水中油型乳剤を、以下の成分を含んで、実施例1と同様の方法で製造する(重量部):
化合物2 0.10
オレイルアルコール 7.50
PEG−グリセリンモノステアレート 7.00
プロピレングリコール 10.00
セチルアルコール 6.00
グリセリンモノステアレート 4.00
パラフィン(濃厚) 10.00
白石油 15.50
ソルビン酸 0.01
水 39.89
【0054】
実施例5、6および7
水中油型乳剤を、以下の成分を含んで、実施例1と同様の方法で製造する(重量部):
【表1】

【0055】
実施例8から11
以下の乳剤を、実施例1と同様の方法で製造する。
【表2】

【0056】
実施例4から11の組成物は、安定である。
実施例12
単一センター、二重盲検定、偽薬−対照試験を行い、実施例4から7の化合物の、慢性プラーク乾癬における効果を測定する。18才以上で、慢性プラーク乾癬であって、慢性プラーク乾癬について全身的には1カ月間は、局所的には1週間は治療を受けていない10名の患者を選択する。−1日目、鱗状物をワセリン中に10%サリチル酸を含む局所用組成物で落とす。0日目、実施例4から7の組成物、商品名Dermovateの下に入手可能な0.05%Clobetasol組成物および偽薬を、剥脱プラークに、半密封条件下で投与し、24時間放置する。
患者に入浴を許可し、領域を穏やかに乾燥する。領域を、可視(紅斑)および触診(浸潤)で、0(無し)から3(重症)のスコアで評価する。この工程を、毎日10/11日まで繰り返す。
【0057】
累積スコアは表1および2に示す。
【表3】


【表4】

【0058】
実施例4から7の組成物について、不利な事象は見られないが、Dermovateを投与されている2名の患者で皮膚萎縮が観察される。しかしながら、実施例4から7の組成物は、少なくともDermovateと同程度有効である。
【0059】
実施例1から11に記載の組成物に使用されている活性剤は、化合物A、B、CまたはDに置換し得る。
【0060】
実施例13から16
水中油型乳剤を、以下の成分を含んで、実施例1と同様の方法で製造する。
【表5】

【0061】
実施例13から16の組成物は、ブタ皮膚およびヒト皮膚で非常に寛容性である。主分解生産物の検出は、組成物15および16で、70℃で72時間後0.1%(検出限界)である;オレイルアルコールをMiglyol 812に代え、主分解産物の検定は、0.5%に増加する。組成物の分離は、室温で4カ月貯蔵した後、観察されない。
【0062】
実施例17から19
1重量%活性剤を有する、水中油型乳剤組成物を製造する。
【表6】

【0063】
実施例17、18および19の乳剤は安定であり、成分の分離は見られない。この組成物はヒト皮膚において非常に寛容性であることが分かる。組成物を40℃で8週間貯蔵し、HPLCを使用して化学分析を行う。組成物17、18および19の主分解生産物の検出は、それぞれ1.1%、0.8%および0.4%である。
実施例13から19の組成物において、活性剤化合物Bを化合物A、化合物C、化合物D、化合物1、化合物2または化合物3に置換し得る。
【0064】
実施例20
水中油型乳剤組成物を、活性剤として化合物Cを使用してクリームとして製造する:
成分 量
重量%
化合物C 0.3
ヘキシレングリコール 10
オレイルアルコール 10
Miglyol 812 10
メチルパラベン 0.07
プロピルパラベン 0.03
セチルアルコール 5
グリセロールモノステアレート 10
水 100まで
クリームは安定であり、成分の分離は見られない。
【0065】
実施例21から30
懸濁組成物を、実施例21から30で製造する。
【0066】
実施例21
局所用懸濁組成物を、以下の成分を含んで製造する(重量部):
化合物1、2、3、A、B、CまたはD 0.10
石油ゼリー 99.9
この組成物は、化合物と他の賦形剤を互いに混合して製造する。
【0067】
実施例22
単一センター、二重盲検定、偽薬−対照試験を行い、実施例21の化合物の、慢性プラーク乾癬における効果を測定する。18才以上で、慢性プラーク乾癬であって、慢性プラーク乾癬について全身的には1カ月間は、局所的には1週間は治療を受けていない10名の患者を選択する。1日目、鱗状物をワセリン中に10%サリチル酸を含む局所用組成物で落とす。0日目、実施例21の組成物、商品名Dermovateの下に入手可能な0.05%Clobetasol組成物および偽薬を、剥脱プラークに、半密封条件下で投与し、24時間放置する。
患者に入浴を許可し、領域を穏やかに乾燥する。領域を、可視(紅斑)および触診(浸潤)で、0(無し)から3(重症)のスコアで評価する。この工程を、毎日10/11日まで繰り返す:乾癬がきれいになるのが観察される。
【0068】
実施例23
局所用懸濁組成物を、以下の成分を含んで、水中油型乳剤ゲルとして製造する(重量部):
化合物B 0.3
パラフィン(濃厚) 15
グリセロールモノステアレート 0.3
プロピレングリコール 10
Carbopol 974b 0.5
Carbopol 1342 0.5
NaOH 5% 2.5
ソルビン酸 0.1
水 70.8
組成物を、化合物および他の成分を互いに混合して製造する。組成物を95℃までの温度での24時間遠心の負荷条件に付す。HPLCを使用して、活性剤の分解は観察されない。
懸濁組成物を、実施例24から30で製造する。
【0069】
実施例24
量(g/100g)
化合物B 0.1
パラフィン(濃厚) 48
グリセロールモノステアレート 8
ペトロラタム、白 43.9
【0070】
実施例25
量(g/100g)
化合物B 0.1
パラフィン(薄) 20
ペトロラタム、白 71.9
蝋、微小結晶 8
【0071】
実施例26
量(g/100g)
パラフィン(濃厚) 30
セチルアルコール 5
ステアリルアルコール 5
ソルビタンモノステアレート 2
ポルソルベート80 4
(ポリヒドロキシエチレンソルビタンモノオレエート)
グリセロールモノステアレート 3
アスコルビルパルミテート 0.05
化合物B 0.1
ソルビン酸 0.1
プロピレングリコール 5
水 45.75
【0072】
実施例27
量(g/100g)
プロピレングリコール 10
パラフィン(濃厚) 15
化合物B 0.1
Carbopol 1342(ポリアクリル酸、 1
部分的に長鎖アルキルエステル)
メチルパラベン 0.07
プロピルパラベン 0.03
NaOH水性溶液5% 2.5
水 71.30
【0073】
実施例28
量(g/100g)
化合物B 0.1
Carbopol 947 1
NaOH水性溶液1N 2.5
水 96.4
【0074】
実施例29
量(g/100g)
化合物B 0.1
セチルステアリルアルコール 0.5
羊毛蝋アルコール 6
ペトロラタム、白 93.4
【0075】
実施例30
量(g/100g)
化合物B 0.1
セチルステアリルアルコール 0.25
羊毛蝋アルコール 3
ペトロラタム、白 46.65
水 50
【0076】
実施例24から30の懸濁組成物について、良好から非常に良好な安定性が観察される。懸濁液を、健康なボランティアに投与し、非常に寛容性であることが判明する。化合物Bは、実施例23から30に記載の組成物において、いずれも化合物1、2、3、A、CまたはDに置換し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラパマイシンまたは33−エピ−クロロ−33−デスオキシアスコマイシンを懸濁液中に含む、局所用医薬組成物。

【公開番号】特開2012−131827(P2012−131827A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−77545(P2012−77545)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【分割の表示】特願2007−47216(P2007−47216)の分割
【原出願日】平成7年10月26日(1995.10.26)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】