説明

半導体センサチップ及び半導体センシング装置

【解決手段】 ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップと、ソース電極と接続されたソース電極端子配線と、ドレイン電極と接続されたドレイン電極端子配線とを備え、電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が、電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、ソース電極端子配線のソース電極と接続されていない端部及びドレイン電極端子配線のドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように封止材により、又は基体と封止材とにより封止されている半導体センサチップ、及びこれを備える半導体センシング装置。
【効果】 センサ部分と計測器部分とを簡単に分離でき、センサ部分のディスポーザルを可能にする。また、液体分析に対する十分な防水性、防液性を備える実用性に優れた半導体センサチップ及び半導体センシング装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンセンシング、バイオセンシングに好適に用いることができ、バイオマイクロシステム、マイクロ化学分析システムに有効である半導体センサチップ、特に、液体分析に対して十分な防水性、防液性を備える実用性に優れた半導体センサチップ、及び半導体センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンセンシングシステム、バイオセンシングシステムは、食品製造・管理、環境計測等、広範な分野へ適用されている。イオン・バイオセンシングにおいては、一分子認識、一塩基認識等、イオン、分子レベルでのセンシングの要求がますます高まってきており、それを感知できるシステム、デバイスが必要となっている。更に、微量測定、多種同時測定のために、システム、デバイスの微細化・集積化かつオンチップ化が必要とされる。
【0003】
イオンセンシングデバイスとしては、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜/シリコン構造を有するイオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)が代表例として挙げられるが、従来のものは、pH測定のための参照電極は別途ガラス電極が用いられており、オンチップ化、微細化が図られていない。この場合、イオン感応膜であるシリコン窒化膜の膜厚が100〜200nm(ナノメータ)と厚いものが用いられている状況にある。
【0004】
一方、酵素、免疫、DNAセンシングにおいては、レーザースキャナを用いた蛍光・発光によるセンシングが主流となっており、最近では電気化学反応を用いた電流・電位検出も試みられるようになってきている。また、半導体検出においては、上記のISFETとの組み合わせによる酵素、免疫センサ作製の事例が僅かにある。これらセンサにおける基本的な検出スタンスは、反応部(電極部)の実効表面積を増大させ、かつ反応物質の量を増加させるといった、いわゆる量的な効果によって検出を可能とするものである。また、レーザースキャナを用いた検出や電気化学検出は集積化・微細化によって応答感度(強度、応答速度等)が減少する傾向があり問題点を抱えている。
【0005】
このように、従来技術では、オンチップ化、微細化、集積化といった要求を満たす上で難点があり、一分子、イオン認識・検出において最大限の効果を引き出すには抜本的な改良が必要となってくるものと考えられる。更に、イオンセンシングシステム、バイオセンシングシステムにおいては、例えば、センサ部分と共に、センサ部分により検出された電気信号を計測する計測器部分も液に接した状態を長時間維持して測定できる溶液中での測定を想定した半導体デバイスが特に必要となる。
【0006】
特に、半導体センシングにおいて今後大きな需要が見込まれる医療用の分野においては、安全衛生の観点からセンサ部分を洗浄して再利用する可能性は低い。にもかかわらず、従来の半導体センシングデバイスは、電子部品に水溶液等の液体を接触させることを前提として防水性、防液性の観点からセンサ部分と計測器部分とが容易に分離できないように一体化したものとなっており、センサ部分の交換作業は極めて煩雑で、使い捨ては現実的ではない。
【0007】
更に、センサ部分と計測器部分とを簡単に分離できるようにするには、このような防水性、防液性が要求される半導体センシング装置においては、センサ部分と計測器部分との接続部分の防水性、防液性も重要であり、センサ部分と計測器部分から簡単に取り外してセンサ部分をワンユースで交換するいわゆるディスポーザルにすると、その接続部から水分等が侵入するとデバイスの破壊につながるため強い密閉が必要になるが、外力によって特に破壊されやすい半導体センサにおいては、その強度に合わせた確実な密閉方法が求められる。
【0008】
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある。
【0009】
【特許文献1】特開2004−4007号公報
【非特許文献1】Daisuke Niwa 他2名, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.43, No.1A/B, 2004, pp.L105−107
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、センサ部分と計測器部分とを簡単に分離でき、センサ部分のディスポーザルを可能にし、液体分析に対する十分な防水性、防液性を備える実用性に優れた半導体センサチップ及び半導体センシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップと、上記ソース電極と接続されたソース電極端子配線と、上記ドレイン電極と接続されたドレイン電極端子配線とを備える半導体センサチップであって、上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、上記ソース電極端子配線のソース電極と接続されていない端部及び上記ドレイン電極端子配線のドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように封止材により、又は上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が設置される基体と封止材とにより封止されていることを特徴とする半導体センサチップ、及び
上記半導体センサチップを備える半導体センシング装置として、上記半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置を提供する。
【0012】
本発明の半導体センサチップは、計測器として機能する部分を有しておらず、センサ部分として必須の構成である電界効果型トランジスタチップ、並びにソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線を基本構成として備えるものである。従って、この半導体センサチップはセンサ部分のより実用的なディスポーザルが可能である。また、微小な精密部品である電界効果型トランジスタチップや、これに接続される微細なソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線を封止材により、又は電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が設置される基体と封止材とにより封止することにより、半導体センサチップが、その取り扱い上必要な十分な強度を備えるものになる。
【0013】
更に、本発明の半導体センサチップは、半導体センサチップにおいて、その機能上外部に露呈していることが必須である電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層と、半導体センサチップで検出された電気信号の計測器への導通路をなすソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の端部が外部に露呈したものであり、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の端部を電気信号入出力端子と接続することにより、センサ部分と計測器部分を備える半導体センシング装置が構成され、電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層上に、直接的な検出部として有機単分子膜を形成し、検出部を被検液と接触させることにより半導体センシングが可能となる。
【0014】
特に、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の露呈した端部と電気信号入出力端子とを異方性導電ゴムを介して接触させれば、異方性導電ゴムの導電性によって導通が確保できると共に、異方性導電ゴムの弾性により、高い密着性と、外力に弱い半導体センサチップを密着させるための押圧力に対する緩衝作用とが得られ、より確実かつ安定にセンサチップと計測器との導通が確保できる。
【0015】
また、本発明の半導体センサチップとして好適な第1の態様として、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、上記基体上に、上記ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及び上記ドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであって、上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに上記一及び他のリード細線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、上記ソース電極端子配線パターンのソース電極と接続されていない端部及び上記ドレイン電極端子配線パターンのドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように上記基体上面と封止材層との間に封止されていることを特徴とする半導体センサチップ、及び
この半導体センサチップを備える半導体センシング装置として、上記半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターン及びドレイン電極端子配線パターンの各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置を提供する。
【0016】
更に、本発明の半導体センサチップとして好適な第2の態様として、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、上記基体上に、上記ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及び上記ドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであって、上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに上記一及び他のリード細線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層が露呈するように上記基体上面と封止材層との間に封止されていると共に、上記基体の厚さ方向に貫通して上記ソース電極端子配線パターンに接続し、上記基体下面側で端部が露呈するソース電極端子配線パターンの延長配線、及び上記基体の厚さ方向に貫通して上記ドレイン電極端子配線パターンに接続し、上記基体下面側で端部が露呈するドレイン電極端子配線パターンの延長配線が配設されていることを特徴とする半導体センサチップ、及び
この半導体センサチップを備える半導体センシング装置として、上記半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターンの延長配線及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線の各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置を提供する。
【0017】
これら第1及び第2の態様においては、基体上に電界効果型トランジスタチップとソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線とが、固定されて封止されており、より高い強度を得ることができる。また、電界効果型ドランジスタチップが基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が配線パターンとして基体上に形成されていることから、封止材で封止する面がほぼ平らとなり、そのためこのような半導体センサチップにおいては、封止材による封止を、例えば紫外線硬化性樹脂組成物などを、スクリーン印刷等の手法で塗布して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させる方法を採用することができることから特に好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、センサ部分と計測器部分とを簡単に分離でき、センサ部分のディスポーザルを可能にする。また、液体分析に対する十分な防水性、防液性を備える実用性に優れた半導体センサチップ及び半導体センシング装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態及び実施例】
【0019】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の半導体センサチップは、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップと、上記ソース電極と接続されたソース電極端子配線と、上記ドレイン電極と接続されたドレイン電極端子配線とを備える半導体センサチップであり、上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、上記ソース電極端子配線のソース電極と接続されていない端部及び上記ドレイン電極端子配線のドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように封止材により、又は上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が設置される基体と封止材とにより封止されているものである。
【0020】
本発明の半導体センサチップの電界効果型トランジスタチップとしては、例えば、特開2004−4007号公報(特許文献1)や、Jpn. J. Appl. Phys., Vol.43, No.1A/B, 2004, pp.L105−107(非特許文献1)で本発明者らが報告した構成の電界効果型トランジスタが挙げられ、例えば、図1(A)に示されるような、シリコン基板20上にシリコン酸化物膜等からなるゲート絶縁層21、ソース電極22、ドレイン電極23を積層すると共に、ソース電極22及びソース電極23の各々の下方にチャンネル領域24,24を設け、被検物質の有無又はその量をソース電極22及びソース電極23の各々の下方に設けられたチャンネル領域24,24を介して各々の電極側で測定される表面電位変化により検出するように構成したものである。なお、図1中、25はフィールド酸化膜、26は保護用酸化膜である。
【0021】
このような電界効果型トランジスタを用いて半導体センシングを実施する場合、例えば、図1(B)に示されるように、上記したような電界効果型トランジスタのゲート絶縁層21上に直接的な検出部として有機単分子膜27を設けると共に、有機単分子膜27の近傍にゲート電極28を設け、このゲート電極28と、ソース電極22及びドレイン電極23とを電源及び電流計等の計器を介して接続した半導体センシング装置を構成し、被検液sを有機単分子膜27とゲート電極28との双方に接触させることによりセンシングが可能であるが、本発明の半導体センサチップは、このような半導体センシング装置のセンサ部分、即ち、電界効果型トランジスタと、ソース電極及びドレイン電極の各々に接続される配線の一部とを、計測器部分から計測器部分と着脱可能に分離した構成のものである。なお、図1(B)中、aは電流計、eは接地(アース)、pは直流電源である。
【0022】
本発明の半導体センサチップは、計測器(電源、測定計器などが含まれる)として機能する部分を有しておらず、センサ部分として必須の構成である電界効果型トランジスタチップ並びにソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線を基本構成として備えるものである。従って、この半導体センサチップはセンサ部分のより実用的なディスポーザルが可能である。また、微小な精密部品である電界効果型トランジスタチップや、これに接続される微細なソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線を封止材により、又は電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が設置される基体と封止材とにより封止することにより、半導体センサチップが、その取り扱い上必要な十分な強度を備えるものになる。
【0023】
更に、本発明の半導体センサチップは、半導体センサチップにおいて、その機能上外部に露呈していることが必須である電界効果型トランジスタのゲート絶縁層と、半導体センサチップで検出された電気信号の計測器への導通路をなすソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の端部が外部に露呈したものであり、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の端部を電気信号入出力端子と接続することにより、センサ部分と計測器部分を備える半導体センシング装置が構成され、電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層上に、直接的な検出部として有機単分子膜を形成し、検出部を被検液と接触させることにより半導体センシングが可能となる。
【0024】
次に、本発明の半導体センサチップとして好適な態様について図面を参照して更に詳しく説明する。
まず、本発明の半導体センサチップとして好適な第1の態様について説明する。この第1の態様は、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、基体上に、ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及びドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであり、電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに一及び他のリード細線が、電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、ソース電極端子配線パターンのソース電極と接続されていない端部及びドレイン電極端子配線パターンのドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように基体上面と封止材層との間に封止されているものである。
【0025】
図2〜5に、この第1の態様の具体的な実施例を示す。この半導体センサチップ1は、基体11上に、電界効果型トランジスタチップ2、ソース電極端子配線パターン32、ドレイン電極端子配線パターン33、リード細線(一のリード細線)42及びリード細線(他のリード細線)43が配設され、これらが封止材層5で基体11との間に封止された構造のものであり、この第1の態様は、液体に検出部を浸漬して用いるもの、検出部に液体を滴下して用いるもののいずれにも好適である。
【0026】
基体11は平板状の小片で、配線パターンの形成や、加工性等の観点からガラスエポキシ基板を好適に用いることができる。この基体11上には、電界効果型トランジスタチップ2を埋設するための、深さが電界効果型トランジスタチップ2の厚さ程度の凹陥部(ザグリ)12が形成されており、電界効果型トランジスタチップ2はこの凹陥部12にダイスボンディング等の手法により埋設される。
【0027】
本発明において、半導体センサチップの電界効果型トランジスタチップとしては、上述したようなものを用いることができるが、この例の半導体センサチップの場合、ソース電極22及びドレイン電極23は、図5に示されるように、各々電界効果型トランジスタチップ2の上面に延出されて電界効果型トランジスタチップ2の上面に形成した配線パターン(アルミ配線パターン)22a,23aの一端と接続され、更に、配線パターン(アルミ配線パターン)22a,23aの他端部は、リード細線42,43との接続部としてボンディングパット(アルミパット)22b,23bとして形成されて、これらにリード細線42,43が各々接続されている。なお、図2〜5中、20はシリコン基板、21はゲート絶縁層、24はチャンネル領域、25はフィールド酸化膜、26は保護用酸化膜である。
【0028】
また、基体11上にはソース電極端子配線パターン32及びドレイン電極端子配線パターン33が形成されている。この場合、ソース電極端子配線パターン32及びドレイン電極端子配線パターン33は、各々銅線パターン32a,33aをベースとし、この銅線パターン32a,33aの両端部上にはNi−P層32b,33bと金層32c,33cとが積層されている。このような配線パターンは、めっき等の従来公知の手法で形成可能である。そして、ソース電極端子配線パターン32及びドレイン電極端子配線パターン33の電界効果型トランジスタチップ2側の端部の金層32c,33cと前述のボンディングパット(アルミパット)22b,23bとの間にリード細線42,43が各々架橋されて両者が接続されている。このリード細線42,43の接続はワイヤーボンディングの手法により可能である。
【0029】
そして、電界効果型トランジスタチップ2、ソース電極端子配線パターン32、ドレイン電極端子配線パターン33及びリード細線42,43は、電界効果型トランジスタチップ2のゲート絶縁層21、ソース電極端子配線パターン32のリード細線(一のリード細線)42と接続されていない端部及びドレイン電極端子配線パターン32のリード細線(他のリード細線)43と接続されていない端部が露呈するように(これらの部分が封止されないように)基体11上面と封止材層5との間に封止され、封止されていないゲート絶縁層部分に後述するように検出部が形成され、また封止されていないソース電極端子配線パターン32及びドレイン電極端子配線パターン33の露呈した端部が、後述する計測器の電気信号入出力端子と接続される。
【0030】
また、このような半導体センサチップを用いることにより、半導体センサチップと、半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターン及びドレイン電極端子配線パターンの各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備する半導体センシング装置を構成することができる。この場合、半導体センサチップと計測器本体との接続には、接続部の防水性、防液性を得ることができる方法、例えば、Oリング等によるシーリングが適用でき、接続部の固定には、ネジやクランプが使用できる。
【0031】
特に、半導体センサチップのソース電極端子配線パターン及びドレイン電極端子配線パターンの各々の露呈部分と、計測器の電気信号入出力端子との接続に異方性導電ゴムを用いることが好適である。異方性導電ゴムを、ソース電極端子配線パターン及びドレイン電極端子配線パターンの露呈部分と、計測器の電気信号入出力端子とで挟持するようにして接続すれば、異方性導電ゴムの導電性によって導通が確保できると共に、異方性導電ゴムの弾性による高い密着性と、外力に弱い半導体センサチップを密着させて接続するための押圧力に対する緩衝作用とが得られ、より確実かつ安定なセンサチップと計測器との導通が確保できる。
【0032】
次に、本発明の半導体センサチップとして好適な第2の態様について説明する。
この第2の態様は、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、基体上に、ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及びドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであり、電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに一及び他のリード細線が、電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層が露呈するように基体上面と封止材層との間に封止されていると共に、基体の厚さ方向に貫通してソース電極端子配線パターンに接続し、基体下面側で端部が露呈するソース電極端子配線パターンの延長配線、及び基体の厚さ方向に貫通してドレイン電極端子配線パターンに接続し、基体下面側で端部が露呈するドレイン電極端子配線パターンの延長配線が配設されているものである。
【0033】
図6〜9に、この第2の態様の具体的な実施例を示す。この半導体センサチップ1は、基体11上に、電界効果型トランジスタチップ2、ソース電極端子配線パターン32,32、ドレイン電極端子配線パターン33,33、リード細線(一のリード細線)42,42、リード細線(他のリード細線)43,43が配設され、これらが封止材層5で基体11との間に封止された構造のものであり、この第2の態様は、特に、検出部に液体を滴下して用いるものとして好適である。
【0034】
基体11は平板状の小片で、配線パターンの形成や、加工性等の観点からガラスエポキシ基板を好適に用いることができる。この基体11上には、電界効果型トランジスタチップ2を埋設するための、深さが電界効果型トランジスタチップ2の厚さ程度の凹陥部(ザグリ)12が形成されており、この凹陥部12に電界効果型トランジスタチップ2がダイスボンディング等の手法により埋設される。
【0035】
本発明において、半導体センサチップの電界効果型トランジスタチップとしては、上述したようなものを用いることができるが、この例の半導体センサチップの場合、図7(B)に示されるように、電界効果型トランジスタチップ2上に、2つのゲート絶縁層21,21が形成されたものを示している。また、ソース電極22,22及びドレイン電極23,23は、各々電界効果型トランジスタチップ2の上面に延出されて電界効果型トランジスタチップ2の上面に形成した配線パターン(アルミ配線パターン)22a,22a,23a,23aの一端と接続され、更に、配線パターン(アルミ配線パターン)22a,22a,23a,23aの他端部は、リード細線42,42,43,43との接続部としてボンディングパット(アルミパット)22b,22b,23b,23bとして形成されて、これらにリード細線42,42,43,43が各々接続されている。なお、図6〜8中、20はシリコン基板、24はチャンネル領域、25はフィールド酸化膜、26は保護用酸化膜である。
【0036】
また、基体11上にはソース電極端子配線パターン32,32及びドレイン電極端子配線パターン33,33が形成されている。この場合、ソース電極端子配線パターン32,32及びドレイン電極端子配線パターン33,33は、銅線パターン32a,32a,33a,33aをベースとし、この銅線パターン32a,32a,33a,33a上にはNi−P層32b,32b,33b,33bと金層32c,32c,33c,33cとが積層されたものになっている。このような配線パターンは、めっき等の従来公知の手法で形成可能である。そして、ソース電極端子配線パターン32,32及びドレイン電極端子配線パターン33,33各々の電界効果型トランジスタチップ2側の端部の金層32c,32c,33c,33cと前述のボンディングパット(アルミパット)22b,22b,23b,23bとの間にリード細線42,42,43,43が各々接続されている。このリード細線の接続はワイヤーボンディングの手法により可能である。
【0037】
そして、電界効果型トランジスタチップ2、ソース電極端子配線パターン32,32、ドレイン電極端子配線パターン33,33及びリード細線42,42,43,43は、電界効果型トランジスタチップ2のゲート絶縁層21,21が露呈するように(この部分が封止されないように)基体11上面と封止材層5との間に封止され、封止されていないゲート絶縁層の部分に後述するように検出部が形成される。
【0038】
この第2の態様においては、基体11の厚さ方向に貫通してソース電極端子配線パターン32,32(銅線パターン32a,32a)の下面に接続し、基体11下面側で端部が露呈するソース電極端子配線パターンの延長配線321,321、及び基体11の厚さ方向に貫通してドレイン電極端子配線パターン33,33(銅線パターン33a,33a)の下面に接続し、基体11下面側で端部が露呈するドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331が配設されている。これらソース電極端子配線パターンの延長配線321,321及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331の各々の露呈した側の端部はパット状に形成されており、ソース電極端子配線パターンの延長配線321,321及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331の露呈した端部(パット状の端子)が、後述する計測器の電気信号入出力端子と接続される。
【0039】
また、このような半導体センサチップを用いることにより、半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターンの延長配線及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線の各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備する半導体センシング装置を構成することができる。この場合、半導体センサチップと計測器本体との接続には、接続部の防水性、防液性を得ることができる方法、例えば、Oリング等によるシーリングが適用でき、接続部の固定には、ネジやクランプが使用できる。
【0040】
特に、半導体センサチップのソース電極端子配線パターンの延長配線及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線の各々の露呈部分と、計測器の電気信号入出力端子との接続に異方性導電ゴムを用いることが好適である。異方性導電ゴムを、ソース電極端子配線パターンの延長配線及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線の露呈部分と、計測器の電気信号入出力端子とで挟持するようにして接続すれば、異方性導電ゴムの導電性によって導通が確保できると共に、異方性導電ゴムの弾性による高い密着性と、外力に弱い半導体センサチップを密着させて接続するための押圧力に対する緩衝作用が得られ、より確実かつ安定にセンサチップと計測器との導通が確保できる。
【0041】
具体的には、図8(C)に示されるように、半導体センサチップ1のソース電極端子配線パターンの延長配線321,321及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331と、これら各々に対向する位置に設けられた計測器7の電気信号入出力端子72,72,73,73との間に、異方性導電ゴム8,8,8,8を各々配置し、半導体センサチップ1と計測器7とを両側から押圧して、ソース電極端子配線パターンの延長配線321,321及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331と、異方性導電ゴム8,8,8,8と、電気信号入出力端子72,72,73,73とを各々密着させることにより半導体センサチップ1と計測器7とを導通させることができる。なお、図8(C)中、cは半導体センサチップ1と検出器7との押圧力を保持するクランプである。
【0042】
上述した第1及び第2の態様においては、電界効果型ドランジスタチップが基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が配線パターンとして基体上に形成されていることから、封止材で封止する面がほぼ平らである。そのためこのような半導体センサチップにおいては、封止材による封止を、例えば紫外線硬化性樹脂組成物などを、スクリーン印刷等の手法で塗布して紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させる方法を採用することができる。
【0043】
また、上述した第1及び第2の態様においては、検出部に液体を滴下する方法で半導体センサチップを用いる場合、封止材層上に液溜まり(ディッピングエリヤ)を形成することも好適である。
【0044】
具体的には、図6〜8に示されるように、ゲート絶縁層21,21の露呈部を囲む半導体センサチップ1の封止材層5上に、所定の容積の液溜まり91を形成するように、堰部材層61を積層することができる。特に、半導体センサチップ1と計測器7とを両側から押圧して配線パターン又は配線パターンの延長配線と電気信号入出力端子とを接続する場合、図8に示されるように、堰部材層61の封止材層5との間にゴム層62を設ければ、ソース電極端子配線パターンの延長配線321,321及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線331,331の端部と電気信号入出力端子72,72,73,73との接続の際の押圧力に対して、半導体センサデバイスへの衝撃緩衝機能を付与することが可能であることから特に好適である。
【0045】
更に、ゲート絶縁層21,21の露呈部を囲む半導体センサチップ1の封止材層5上に、被検液の流路となるように所定の容積のキャビティ92を形成することも好適である。
【0046】
具体的には、図9に示されるように、ゲート絶縁層21,21の露呈部を含む半導体センサチップ1の封止材層5上に、被検液の流路となる被検液の流入口63a及び排出口63bを有するキャビティ92を形成する蓋63を設ければ、被検液を半導体センサチップの検出部に連続的に流通させて接触させることができる。なお、この場合も、図9に示されるように、蓋63の封止材層5側にゴム層62を設ければ、上述した堰部材層と同様の衝撃緩衝機能を付与することが可能である。なお、図9中、図6〜8で示したものと同一の部位は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0047】
更に、本発明の半導体センサチップとしては、図10(A)及び(B)に示されるようなカテーテルタイプのものも好適である。この場合、電界効果型トランジスタチップ2と、ソース電極(図示省略)と接続されたソース電極端子配線320と、ドレイン電極(図示省略)と接続されたドレイン電極端子配線330とが、トランジスタチップ2のゲート絶縁層21、ソース電極端子配線320のソース電極(図示省略)と接続されていない端部及びドレイン電極端子配線320のドレイン電極(図示省略)と接続されていない端部が露呈するように封止材50により封止されている。なお、図10(A)及び(B)中、wはカテーテルの芯軸である。
【0048】
このようなカテーテルタイプの半導体センサチップの場合、電界効果型トランジスタとして、上述したようなものを用いることも可能であるが、ソース電極とソース電極配線、及びドレイン電極とドレイン電極配線の接続部をカテーテルの中心部に設けることが好ましいことから、電界効果型トランジスタのシリコン基板の厚さ方向に貫通して一端がソース電極に接続し、他端がシリコン基板下面側で露呈するソース電極貫通配線、及びシリコン基板の厚さ方向に貫通して一端がドレイン電極端子に接続し、他端がシリコン基板下面側で露呈するドレイン電極貫通配線を設けて、ソース電極のソース電極配線との接続部、及びドレイン電極のドレイン電極配線との接続部をシリコン基板の下面側に設けたものが好適である。
【0049】
このようなものとして、具体的には、図10(C)に示されるような、シリコン基板20の厚さ方向に貫通して一端がソース電極22下面に接続し、他端がシリコン基板20下面側で露呈するソース電極貫通配線220、及びシリコン基板20の厚さ方向に貫通して一端がドレイン電極23の下面に接続し、他端がシリコン基板20下面側で露呈するドレイン電極貫通配線230が配設されたものが挙げられる。なお、図10中、21はゲート絶縁層、24はチャンネル領域、26は保護用酸化膜である。
【0050】
このようなカテーテルタイプの半導体センサチップの場合、血管中を流れる血液中の成分変化をリアルタイムで迅速に計測することが可能であり、例えば、血中のpH、二酸化炭素濃度、酸素濃度の変化や特定の生体物質の増減などをリアルタイムで計測することが可能である。
【0051】
本発明の半導体センサチップを用いて半導体センシングを行う場合、図1(B)に示されるように、電界効果型トランジスタチップ2のゲート絶縁層21上に、直接的な検出部として有機単分子膜27を形成し、この検出部に被検液sを接触させてセンシングを行うことができる。なお、センシングの際には、ゲート電極28を被検液sと接触するように設ける。
【0052】
このように、電界効果型トランジスタを用いることによって、そのゲート絶縁層上に有機単分子膜を液面と接する箇所に局所的に形成し、これを直接的な検出部とするデバイスを構成し、表面上のイオン吸着・バイオ反応等に伴う表面電位変化を電気信号として計測することを基本原理とする半導体センシングを行うことができる。
【0053】
なお、この場合、上記有機単分子膜は、DNA、酵素、免疫等で修飾することができ、また、必要に応じてレポーター分子を用いることも可能である。
【0054】
有機単分子膜としては有機シラン単分子膜が好ましく、所用のパターニング手法によりパターニングして形成することができる。
【0055】
この有機シラン単分子膜に関しては、有機シラン分子を用い、公知の方法でゲート絶縁層上に気相化学反応又は液相反応によって形成し、有機シラン単分子膜はその最適化によって細密パッキングされた膜が形成される。
【0056】
この場合、有機シラン単分子膜としては、反応性の官能基、特にアミノ系の官能基(NH2−、−NH−、C55N−、C44N−等)又はカルボキシル系の官能基(−COOH等)を少なくとも1個含有する炭素数3〜20の直鎖状炭化水素基(アルキル基等)を有するアルコキシシランの単分子膜、非反応性の炭素数8〜20の直鎖アルキル基又はフッ素化アルキル基を有するアルコキシシランの単分子膜が挙げられる。
【0057】
この場合、アミノ系の官能基、カルボキシル系の官能基等の反応性官能基の導入は、このような官能基を有するアルコキシシランを用いるほか、このような官能基に置換可能な基、例えば−Br、−CN等のアミノ誘導基を有するアルコキシシランを用いて単分子膜を形成後、これらアミノ誘導基をアミノ基に置換する方法で導入することができる。
【0058】
なお、アルコキシシランとしては、密着性等の点でトリアルコキシシランが好ましく、またアルコキシ基としては炭素数1〜4のアルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0059】
上記アルコキシシランの具体例としては、NH2(CH23Si(OC253、CH3(CH217Si(OCH33、CF3(CF27(CH22Si(OCH33等が挙げられる。
【0060】
本発明によれば、センサチップと計測器とを容易に接続、分離できるので、計測器は継続的に使用し、安価なセンサチップをディスポーザルとすることができるので、医療用など、ワンユースが基本とされる分野において好適に使用できる。また、医療計測、環境測定、食品管理、生化学分析(DNA解析・タンパク解析・細胞解析・分泌物質の同定等)などに安全かつ衛生的に応用することができる。
【0061】
なお、上述した本発明の具体的態様においては、検出部が一つ又は二つのものを例に挙げて説明したが、検出部を同一シリコン基板上に更に多数形成してマルチ化することも可能である。また、本発明の半導体センサチップを用いてセンシングを実施する場合、ゲート電極を有機単分子膜近傍に設置することになるが、このゲート電極を半導体センサチップと予め一体化しておくこともでき、これによりセンサ部分とゲート電極のディスポーザルが可能となり、よりセンシングの作業性が向上することから好適である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】電解効果型トランジスタとこれを備える半導体センシング装置を示す図であり、(A)は電界効果型トランジスタを示す断面図、(B)は電界効果型トランジスタを用いた半導体センシング装置の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の半導体センサチップの第1の態様の一実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は封止材層で封止する前(封止材層を取り除いた状態)を示す平面図である。
【図3】図2の半導体センサチップの断面図であり、(A),(B)及び(C)は各々図2のA−A線、B−B線及びC−C線に沿った断面図である。
【図4】図2の半導体センサチップの断面図であり、(A),(B)及び(C)は各々図2のD−D線、E−E線及びF−F線に沿った断面図である。
【図5】図2の半導体センサチップの電界効果型トランジスタチップを示す図であり(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)のX−X線に沿った断面図である。
【図6】本発明の半導体センサチップの第2の態様の一実施例を示す平面図である。
【図7】図6の半導体センサチップの拡大図であり、(A)は図6のY部分の拡大平面図、(B)は(C)の封止材層で封止する前(封止材層を取り除いた状態)を示す平面図である。
【図8】図6の半導体センサチップ及びこれと計測器とを接続した状態を示す図であり、(A)は図6のZ−Z線に沿った断面図、(B)は(A)の電界効果型トランジスタチップの拡大断面図、(C)は(A)の半導体センサチップと計測器とを接続した状態を示す断面図である。
【図9】本発明の半導体センサチップの第2の態様の別の実施例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のZ−Z線に沿った断面図である。
【図10】本発明の他の態様の半導体センサチップ(カテーテルタイプの半導体センサチップ)を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のW−W線に沿った断面図、(C)は電界効果型トランジスタチップを示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 半導体センサチップ
11 基体
12 凹陥部
2 電界効果型トランジスタチップ
21 ゲート絶縁層
22 ソース電極
220 ソース電極貫通配線
23 ドレイン電極
230 ドレイン電極貫通配線
32 ソース電極端子配線パターン
320 ソース電極端子配線
321 ソース電極端子配線パターンの延長配線
33 ドレイン電極端子配線パターン
330 ドレイン電極端子配線
331 ドレイン電極端子配線パターンの延長配線
42 リード細線(一のリード細線)
43 リード細線(他のリード細線)
5 封止材層
50 封止材
61 堰部材層
62 ゴム層
63 蓋
7 計測器
72,73 電気信号入出力端子
8 異方性導電ゴム
91 液溜まり
92 キャビティ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップと、上記ソース電極と接続されたソース電極端子配線と、上記ドレイン電極と接続されたドレイン電極端子配線とを備える半導体センサチップであって、
上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、上記ソース電極端子配線のソース電極と接続されていない端部及び上記ドレイン電極端子配線のドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように封止材により、又は上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線が設置される基体と封止材とにより封止されていることを特徴とする半導体センサチップ。
【請求項2】
ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、上記基体上に、上記ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及び上記ドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであって、
上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに上記一及び他のリード細線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層、上記ソース電極端子配線パターンのソース電極と接続されていない端部及び上記ドレイン電極端子配線パターンのドレイン電極と接続されていない端部が露呈するように上記基体上面と封止材層との間に封止されていることを特徴とする請求項1記載の半導体センサチップ。
【請求項3】
ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極がシリコン基板上に集積された電界効果型トランジスタチップが、基体上に形成された凹陥部に埋設されると共に、上記基体上に、上記ソース電極と一のリード細線を介して接続されたソース電極端子配線パターン、及び上記ドレイン電極と他のリード細線を介して接続されたドレイン電極端子配線パターンが形成された半導体センサチップであって、
上記電界効果型トランジスタチップ、ソース電極端子配線パターン、ドレイン電極端子配線パターン並びに上記一及び他のリード細線が、上記電界効果型トランジスタチップのゲート絶縁層が露呈するように上記基体上面と封止材層との間に封止されていると共に、
上記基体の厚さ方向に貫通して上記ソース電極端子配線パターンに接続し、上記基体下面側で端部が露呈するソース電極端子配線パターンの延長配線、及び上記基体の厚さ方向に貫通して上記ドレイン電極端子配線パターンに接続し、上記基体下面側で端部が露呈するドレイン電極端子配線パターンの延長配線が配設されていることを特徴とする請求項1記載の半導体センサチップ。
【請求項4】
上記ゲート絶縁層上に、直接的な検出部として有機単分子膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体センサチップ。
【請求項5】
請求項1記載の半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線及びドレイン電極端子配線の各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置。
【請求項6】
請求項2記載の半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターン及びドレイン電極端子配線パターンの各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置。
【請求項7】
請求項3記載の半導体センサチップと、該半導体センサチップがそのソース電極端子配線パターンの延長配線及びドレイン電極端子配線パターンの延長配線の各々の露呈部分と直接又は異方性導電ゴムを介して着脱可能に接続される電気信号入出力端子を備え、上記半導体センサチップを接続してその電界効果型トランジスタチップにより検出された電気信号を計測する計測器とを具備することを特徴とする半導体センシング装置。
【請求項8】
上記ゲート絶縁層上に、直接的な検出部として有機単分子膜が形成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項記載の半導体センシング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−138761(P2006−138761A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329172(P2004−329172)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)