半導体装置の製造方法、半導体装置の管理方法および半導体装置
【課題】簡易な方法により半導体装置に含まれる複数の半導体チップの情報を管理し、複数の半導体チップを備える半導体装置の管理を可能にする。
【解決手段】半導体製造装置102は、ROMを搭載した複数のROM付き半導体チップのパターンを持つROM付き半導体ウェハ104と、ROMなし半導体ウェハ106を作成する。また、半導体製造装置102は、ROMに、ROM付き半導体チップの個別認識情報を書き込む。組立装置108は、ROM付き半導体ウェハ104から取り出した半導体チップと、ROMなし半導体ウェハ106から取り出した半導体チップをリードフレーム118に実装する。実装の際に、組立装置108は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを製造システムサーバ112に送る。製造システムサーバ112は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【解決手段】半導体製造装置102は、ROMを搭載した複数のROM付き半導体チップのパターンを持つROM付き半導体ウェハ104と、ROMなし半導体ウェハ106を作成する。また、半導体製造装置102は、ROMに、ROM付き半導体チップの個別認識情報を書き込む。組立装置108は、ROM付き半導体ウェハ104から取り出した半導体チップと、ROMなし半導体ウェハ106から取り出した半導体チップをリードフレーム118に実装する。実装の際に、組立装置108は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを製造システムサーバ112に送る。製造システムサーバ112は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハを個々の半導体チップに切り離し、半導体装置に組み立てた後に、半導体装置に含まれる半導体チップ情報を外部から読み取ることのできる半導体装置、その製造方法、ならびに、その管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップを含む半導体装置の管理のため、半導体装置に半導体チップ情報を記録することで、半導体装置に追跡可能性(トレーサビリティ)をもたせることが行なわれている。半導体装置に組み立てた後に、製造条件や評価結果などの半導体チップ情報を読み取ることで、半導体装置の品質保証や不良解析を行なうことができる。
【0003】
特許文献1(特開2004−193189号公報)には、チップ識別コード(半導体ウェハの製造ロット番号、半導体ウェハ番号、半導体ウェア内における半導体チップの位置)およびパッケージ識別コード(リードフレーム識別コード、半導体チップがリードフレーム上に配置された位置)を連結して、製品識別コードとしてデータベースに保存しておき、パッケージに印字されたパッケージ識別コードの読み取り結果から製品識別コードを検索し、パッケージに含まれる半導体チップのチップ識別コード(ロット情報など)を取り出すことが記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2000−228341号公報)には、半導体集積回路の露光工程で、各チップの表面または裏面に半導体チップの個別管理情報(ロット番号、ウェハ番号、ウェハ内位置座標など)を露光装置を用いてパターン形成することにより書き込むことや、ダイソートテスタにレーザを装着し、各チップの表面または裏面に個別管理情報のほかダイソートテスタのテスト項目やテスト結果などのテスト情報をレーザビームを用いて書き込むこと、あるいは、個別管理情報を半導体チップ上に形成された書き換え可能な不揮発性メモリ(PROM;Programmable Read Only Memory)に記憶することが記載されている。特許文献2に記載の技術は、マイクロプロセッサなどの大規模半導体集積回路において、マスクROMと混載したPROMの入力端子からこれらの情報を書き込むことにより、故障解析におけるチップ識別のトレーサビリティを飛躍的に向上させることを可能にする。
【特許文献1】特開2004−193189号公報
【特許文献2】特開2000−228341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、半導体装置の生産の各工程において、半導体チップのウェハ識別情報、半導体チップのウェハ内位置情報、リードフレーム識別情報などを読み込んで、データベースに記憶し、最終的に半導体装置のパッケージに識別コードを印字するものである。
【0006】
『半導体チップの個別認識管理』と『リードフレームの個別認識管理』とを必要とするため、この技術における製造工程は複雑になる。
【0007】
このことを図1を参照して説明する。図1は、特許文献1に開示されている半導体装置の生産管理システムについて説明するための図である。
【0008】
まず、種々のプロセスにより、半導体ウェハ1に複数の半導体チップ3のパターンが形成される。パターンが形成された半導体ウェハ1は、前処理を施されたあと、ダイシングされる。
【0009】
ダイシング後の半導体ウェハ2から取り出された半導体チップ3’は、ダイボンド工程にて、半導体チップ形成用部材であるリードフレーム4に装着される。リードフレーム4に半導体チップ3’が装着される前に、リードフレーム4には、予めリードフレーム識別情報を表わすリードフレーム識別コード5が印字されている。
【0010】
ダイボンド工程にて、生産管理システムは、半導体ウェハ1に付されている製造ロット番号、半導体ウェハ番号、ウェハ内のチップ位置情報などのチップ識別コードを読み込む。また、生産管理システムは、リードフレームごとに、リードフレーム識別コード5を読み取るとともに、実装位置情報(半導体チップのリードフレーム上における位置)を取得する。そして、生産管理システムは、リードフレーム識別情報と実装位置情報とを連結し、パッケージ識別コード6としてデータ管理用計算機に記憶する。さらに、生産管理システムは、チップ識別コードとパッケージ識別コード6とを連結して製品識別コードとしてデータ管理用計算機に記憶する。
【0011】
半導体チップ3’がリードフレームに装着されたあと、リードフレーム4上にワイヤボンディングがなされる。ワイヤボンディング完了後、半導体チップのリード部となる部分を残して、半導体チップ3’は樹脂封止される。
【0012】
生産管理システムは、封止が完了し、ICチップ7のパッケージ面が確立された段階で、パッケージ識別コード6をICチップ7の裏面に印字する。パッケージ識別コード6が付されたあと、リードカットベント工程にて、ICチップ7から不要なリードフレームが取り除かれ、ICチップ7にバリ取りやフォーミング処理が施されて、半導体装置8が完成する。
【0013】
検査工程において、半導体装置8に付与されたパッケージ識別コード6を読み取り、対応する製品識別コードをデータ管理用計算機から検索することができる。
【0014】
このように、特許文献1に記載の技術では、リードフレーム識別コードをリードフレームに印字し、半導体チップを樹脂封止した後に、パッケージにパッケージ識別コード(リードフレーム識別コード、半導体チップがリードフレーム上に配置された位置)を印字するというように、常に識別コードを認識できるように、識別コードを常に表面に印字しておかなければならず、工程が複雑になる。特に、半導体装置に内蔵される半導体チップの数が増えるにつれ、個別認識する項目数が増えることになり、製造システムが複雑となる。
【0015】
また、この技術を用いた場合、本来不要であるパッケージ識別コードを管理する必要もある。
【0016】
特許文献2には、製造工程中におけるチップの個別管理情報およびテスト情報を直接すべてのチップに付与する技術が開示されている。この技術は、故障発生後チップに付与された情報を読み出し、適切な故障対策をとることが可能な半導体集積回路を提供することを目的としたものである。図2に、特許文献2に記載の半導体集積回路の構成を示す。シリコンウェハ21に含まれる各チップ22のデータ領域26に設けた不揮発性メモリには、チップの個別データ26bが格納されている。
【0017】
しかし、この方法には、管理対象のチップすべてに不揮発性メモリを設ける必要があるという問題がある。
【0018】
さらに、いずれの技術においても、複数の半導体チップを内蔵する半導体装置の場合、チップ数分の個別管理情報またはテスト情報を、半導体装置に付与する必要がある。したがって、内蔵されるチップ数に応じて、情報付与のためのパッケージ印字エリアあるいはメモリ領域が必要となる。
【0019】
本願発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、簡易な方法により半導体装置に含まれる複数の半導体チップの情報を管理し、複数の半導体チップを備える半導体装置の管理を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
1つの局面に係る本願発明は、半導体装置の製造方法であって、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップを製造するステップと、不揮発性メモリに第1の半導体チップの個別認識情報を記録するステップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップを製造するステップと、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録し、第1の半導体チップおよび第2の半導体チップを半導体装置に組み立てるステップとを備える。
【0021】
好ましくは、半導体装置に含まれる不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、半導体装置のパッケージに、読み出された第1の個別認識情報を印字するステップとをさらに備える。
【0022】
好ましくは、個別認識情報は、半導体チップの製造ロット番号と、ウェハ番号と、ウェハ内の位置座標とのいずれか1つを少なくとも含む。
【0023】
好ましくは、個別認識情報は、ウェハごとに区切られて管理されている半導体チップの製造ロット番号を含む。
【0024】
他の局面に係る本願発明は、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、読み出された第1の半導体チップの個別認識情報をサーバに記録された組み合わせ情報と照合し、第2の半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える。
【0025】
さらに他の局面に係る本願発明は、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、読み出された第1の半導体チップの個別認識情報に基づいて、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を半導体装置のパッケージに印字するステップと、パッケージに印字された個別認識情報を読み取るステップと、読み取られた個別認識情報および組み合わせ情報に基づいて、パッケージに印字されていない半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える。
【0026】
さらに他の局面に係る本願発明は、半導体装置であって、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップとを備え、第1の不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納する。
【0027】
好ましくは、第1の半導体チップおよび第2の半導体チップを封止する封止樹脂をさらに備える。
【0028】
好ましくは、半導体装置のパッケージには、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が印字されている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、不揮発性メモリを有する半導体チップから読み出した個別認識情報と、サーバに記憶されている、半導体装置に含まれる半導体チップについての組み合わせ情報とを利用することで、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報の読み取り結果から、個別認識情報が読み出された半導体チップとペアをなす半導体チップの個別認識情報を得ることができる。すなわち、本発明によれば、複数の半導体チップの追跡調査が可能になる。したがって、本発明によれば、複数の半導体チップの各々が不揮発性メモリを有さない場合でも、簡易な方法で、複数の半導体チップを備える半導体装置を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態として、本発明の基礎となる半導体装置の製造方法およびその追跡方法を説明する。
【0031】
まず、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図3を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0032】
第1の実施の形態に係る製造システムは、図3に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122とを備える。
【0033】
半導体製造装置102は、半導体ウェハに複数の半導体チップのパターンを形成し、ROM203を設置した複数のROM付き半導体チップ202のパターンを形成したROM付き半導体ウェハ104を製造する。また、半導体製造装置102は、半導体ウェハにROM203を設置していない複数のROMなし半導体チップ204のパターンを形成し、ROMなし半導体ウェハ106を製造する。なお、ここで、ROM203は、電気が供給されていないときにもデータを保持できる不揮発性メモリの一例である。ROM203のかわりに、PROM、フラッシュメモリなどを用いることもできる。
【0034】
また、半導体製造装置102は、各半導体チップを特定するための個別認識情報を登録する。具体的には、半導体製造装置102は、ROM付き半導体ウェハ104およびROM付き半導体チップ202に関する個別認識情報(ROMチップ情報114)をROM203に書き込む。
【0035】
本実施の形態では、半導体製造装置102は、個別認識情報として、製造ロット番号、半導体ウェハを識別するための半導体ウェハ番号、半導体ウェハ内における半導体チップの位置(以下、ウェハ内アドレスとよぶ)などの製造管理情報をROM203に書き込むものとする。これらの情報を管理することにより、半導体チップの製造条件や製造方法に関する情報をあとで取り出すことができる。
【0036】
ただし、製造管理情報の内容は上述のものに限られるわけではない。例えば、製造ロット番号、半導体ウェハ番号、ウェハ内アドレスのいずれか1つ、または、いずれか2つの組み合わせを、製造管理情報として用いてもよい。また、半導体製造装置102が、ロットをウェハごとに区切って管理する場合、製造ロット番号とは別に、半導体ウェハ番号を管理する必要がなく、管理項目を削減することができる。
【0037】
さらに、半導体製造装置102は、半導体ウェハを検査し、半導体ウェハの特性、半導体ウェハに含まれる半導体チップの性能などの情報を得る。そして、半導体製造装置102は、テスト項目およびその評価結果などの評価情報を、半導体ウェハ番号・ウェハ内アドレスなどの個別認識情報とともに製造システムサーバ110に記録する。
【0038】
組立装置108は、半導体ウェハをダイシングして、ROM付き半導体ウェハ104からROM付き半導体チップ202を取り出し、ROMなし半導体ウェハ106からROMなし半導体チップ204を取り出す。そして、組立装置108は、取り出した半導体チップをリードフレーム118に実装し、半導体装置に組み立てる。
【0039】
また、半導体チップの実装の際に、ROMチップ情報114および通常チップ情報116が組立装置108から出力され、出力されたROMチップ情報114および通常チップ情報116は製造システムサーバ110に送られる。なお、通常チップ情報116とは、ROMなし半導体ウェハ106およびROMなし半導体チップ204に関する個別認識情報である。
【0040】
製造システムサーバ110は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【0041】
パッケージング装置122は、半導体チップが組み込まれたリードフレーム118に樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0042】
図4を参照して、組立装置108による半導体チップの実装について、具体的に説明する。図4は、半導体チップの実装の具体例を示す図である。
【0043】
本実施例においては、図4に示すように、ROM付き半導体ウェハ104(ウェハAとする)上には、複数のROM付き半導体チップ202が形成されており、ROMなし半導体ウェハ106(ウェハBとする)上には、複数のROMなし半導体チップ204が形成されているものとする。各ROM付き半導体チップ202には、個別認識情報が書き込まれている。
【0044】
また、本実施の形態において、個別認識情報に含まれるウェハ内アドレスは、アルファベットと数字との組み合わせ(A02、B04など)で表わされるものとする。
【0045】
組立装置108は、リードフレーム118のチップ実装部分120aに、位置B06にあるROM付き半導体チップ202と位置F04にあるROMなし半導体チップ204とを実装する。組立装置108は、チップ実装部分120bや、チップ実装部分120cにも、同様に、半導体チップを実装する。
【0046】
なお、ここでは、1つのROM付き半導体チップ202と、1つのROMなし半導体チップ204とを実装する例を示したが、ROM付き半導体チップ202やROMなし半導体チップ204の数は、これに限られるものではない。例えば、1つのROM付き半導体チップ202と、2つ以上のROMなし半導体チップ204とが組み合わされて、半導体チップに実装される構成であってもよい。
【0047】
製造システムサーバ110でのデータ管理事例について、図5を参照して説明する。図5は、製造システムサーバ110が管理する、図4に示す実装例についての組み合わせリスト210を示した図である。
【0048】
組み合わせリスト210は、半導体装置の製造日と、半導体装置の製造ロット番号と、ROM付き半導体ウェハ104の半導体ウェハ番号(ウェハA識別No)と、リードフレーム118に組み込まれたROM付き半導体チップ202のウェハ内アドレス(ウェハAアドレス)と、ROMなし半導体ウェハ106の半導体ウェハ番号(ウェハB識別No)と、リードフレーム118に組み込まれたROMなし半導体チップ204のウェハ内アドレス(ウェハBアドレス)とを含む。
【0049】
組み合わせリスト210では、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とが組み合わせて管理されている。チップ実装部分120aに実装されたチップに関していうと、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」とが関連付けられている。
【0050】
第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図6を参照して説明する。図6は、半導体装置の製造時に第1の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示したフローチャートである。半導体装置の製造工程は、大きくは、前工程I、前工程II、後工程I、後工程II、後工程IIIに分けられる。以下、各工程について、図6を参照しつつ説明する。
【0051】
(前工程I)
ステップS101において、半導体製造装置102は、ROMなし半導体ウェハ106を製造する。
【0052】
ステップS103において、半導体製造装置102は、ROM付き半導体ウェハ104を製造する。また、半導体製造装置102は、ROM付き半導体チップ202のROM203に、ROM付き半導体チップ202の個別認識情報を書き込む。
【0053】
(前工程II)
続いて、半導体製造装置102は、ステップS105において、半導体ウェハを検査し、半導体ウェハの特性、半導体ウェハに含まれる半導体チップの性能などの情報を得て、テスト項目およびその評価結果などの評価情報を、製造システムサーバ110に記録する。
【0054】
(後工程I)
ステップS107において、組立装置108は、ROM付き半導体ウェハ104をダイシングし、ROM付き半導体ウェハ104からROM付き半導体チップ202を取り出す。また、組立装置108は、ROMなし半導体ウェハ106をダイシングし、ROM付き半導体ウェハ104からROMなし半導体チップ204を取り出す。
【0055】
(後工程II)
ステップS109において、組立装置108は、ステップS107において取り出されたROM付き半導体チップ202およびROMなし半導体チップ204とを、リードフレーム118に実装する。また、組立装置108は、半導体チップの実装の際に、ROMチップ情報114および通常チップ情報116を製造システムサーバ110に送る。ROMチップ情報114および通常チップ情報116を受け取った製造システムサーバ110は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【0056】
(後工程III)
ステップS111において、パッケージング装置122は、半導体チップにワイヤボンディングを行なう。また、パッケージング装置122は、半導体チップのリード部となる部分を残して、半導体チップを樹脂封止(モールド)する。さらに、パッケージング装置122は、端子のメッキ処理、端子加工などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0057】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第1の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図7を参照して説明する。図7は、第1の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0058】
第1の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310とを備える。
【0059】
ROM読取装置302は、半導体装置124に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0060】
図8を参照して、第1の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図8は、第1の実施の形態に係る管理システムが半導体装置の追跡時に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
ステップS201において、ROM読取装置302は、半導体装置124に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す。
【0062】
ステップS203において、照合装置304は、ステップS201においてROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0063】
ステップS205において、出力装置310は、照合装置304の読み出し結果を出力する。より具体的には、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。また、出力装置310は、読み出した個別認識情報あるいは出力した個別認識情報に基づいて、評価情報を出力してもよい。
【0064】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を、不揮発性メモリに記憶させておくため、個別認識情報をチップ表面などに印字しておく必要がない。よって、本発明によれば、半導体装置の製造方法が簡易となる。
【0065】
また、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を、その製造工程において不揮発性メモリに記憶するため、半導体チップ実装工程以降において、リードフレームに識別番号を付すなどのリードフレームの個別認識管理が不要となる。
【0066】
さらに、本実施の形態に係る半導体装置の管理方法では、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報と、不揮発性メモリを有さない半導体チップの個別認識情報とを組み合わせ情報として半導体チップ実装工程においてサーバに記録するため、半導体装置の追跡にあたって、全ての半導体チップに不揮発性メモリを備える必要がない。このように、本実施の形態に係る管理方法によれば、簡易な方法により、複数の半導体チップの個別認識情報を管理および追跡することができる。
【0067】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法および管理方法によれば、半導体装置に付与する個別管理情報量を抑えつつ、半導体装置に含まれる複数の半導体チップの製造工程における個別管理情報を追尾できるトレーサビリティシステムを達成することができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法および追跡方法に変形を加えた製造方法および追跡方法を説明する。
【0069】
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図9を参照して説明する。図9は、第2の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0070】
第2の実施の形態に係る製造システムは、図9に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122と、読出装置126と、印字装置128とを備える。
【0071】
半導体製造装置102、組立装置108、製造システムサーバ110、パッケージング装置122は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、ここでは、これらについての説明は繰り返さない。
【0072】
読出装置126は、半導体装置124中のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。
【0073】
印字装置128は、読出装置126が読み出したROMチップ情報114を半導体装置124のパッケージに印刷する。
【0074】
パッケージへの印字について、図10を参照して、具体的に説明する。図10は、第2の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【0075】
読出装置126は、半導体チップが実装された部品120に含まれるROM付き半導体チップ202のROM203からROM値を読出し、ROMチップ情報114を取得する。なお、読出装置126による読み出しの対象となる部品120は、パッケージ前のものであってもよいし、パッケージ後のものであってもよい。しかし、ここでは、読出装置126は、パッケージ後の部品120(つまり、半導体装置124)からROM値を読み出すものとする。図9に示すようにリードフレーム118に複数の部品が含まれている場合、部品を個別にしないとROM値が読み出せないためである。また、ここでは、半導体装置124は、半導体チップが実装された図4のチップ実装部分120aに対応するものであるとする。
【0076】
印字装置128は、読出装置126から、読出装置126が読み取ったROMチップ情報114を受け取り、半導体装置124のパッケージにROMチップ情報114を印字する。この場合、印字装置128は、半導体装置124に組み込まれたROM付き半導体チップ202のROMチップ情報114である、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」とを部品120に印字し、印字あり半導体装置130を作成する。
【0077】
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図11を参照して説明する。図11は、半導体装置の製造時に第2の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
ステップS301からステップS309までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS101からステップS109までの処理と同様である。
【0079】
ステップS311において、パッケージング装置122は、ステップS111と同様、半導体チップに樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0080】
ステップS313において、読出装置126は、ステップS311において製造された半導体装置124内のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。
【0081】
ステップS315において、印字装置128は、ステップS313において読み出されたROMチップ情報114を半導体装置124のパッケージに印字する。
【0082】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第2の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図12を参照して説明する。図12は、第2の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0083】
第2の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310と、パッケージ読取装置312とを備える。
【0084】
ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。パッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130のパッケージに印刷されている情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報、または、パッケージ読取装置312が読み取った情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0085】
照合装置304による情報の照合について、図13を参照して説明する。図13は、第2の実施の形態に係る情報の照合について説明するための模式図である。
【0086】
まず、ROM読取装置302あるいはパッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出す。ここで、印字あり装置130に含まれるROM付き半導体チップ202のウェハA識別NoはA080111−05であり、ウェハAアドレスはB06であるとする。
【0087】
照合装置304は、製造システムサーバ110の組み合わせリスト210の中から、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを検索する。この場合、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」との組が、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する組み合わせ情報112として抽出される。
【0088】
図14を参照して、第2の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図14は、半導体装置の追跡時に第2の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
ステップS401において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0090】
ステップS403において、ROM読取装置302は、ステップS401の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。第1の実施の形態では、ROM203から情報を読み出せることは前提としていたが、場合によっては、ROM203が破壊される等、半導体装置に異常が発生し、ROM203から読み出せない場合がある。第2の実施の形態では、このような場合を考慮に入れている。
【0091】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS403においてYes)、ステップS405において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0092】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS403においてNo)、ステップS407において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130のパッケージに印字された情報を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0093】
ステップS409において、パッケージ読取装置312は、パッケージから情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0094】
パッケージ読取装置312が、パッケージから情報を読み出せなかった場合(ステップS409においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0095】
パッケージ読取装置312が、パッケージから情報を読み出せた場合(ステップS409においてYes)、照合装置304は、ステップS411において、パッケージ読取装置312が読み取った個別認識情報に対応する組み合わせ情報をサーバから読み出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0096】
ステップS413において、出力装置310は、ステップS405あるいはステップS411の読み出し結果を出力する。より具体的には、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0097】
第2の実施の形態に係る半導体装置の管理方法では、第1の実施の形態と同様、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報と、不揮発性メモリを有さない半導体チップの個別認識情報とを組み合わせ情報としてサーバで管理しているため、半導体装置の追跡にあたって、全ての半導体チップに不揮発性メモリを備える必要がなく、簡易な方法により、複数の半導体チップの個別認識情報を管理および追跡できる。
【0098】
さらに、本実施の形態では、パッケージに不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を印字しているため、不揮発性メモリから情報を読み出せない場合にも、複数の半導体チップの個別認識情報の管理および追跡が可能である。実際に、半導体チップの個別認識情報を追跡する必要が出てくるのは、主に、不揮発性メモリが破壊される等、半導体装置に異常が発生した場合であり、この管理方法は有用である。
【0099】
なお、ROM203から情報を読み出す処理を省略することもできる。また、最初にパッケージから情報を読み出し、読出しに失敗した場合にROM203から情報を読み出すという構成にすることも可能である。
【0100】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態として、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法および追跡方法に変形を加えた製造方法および追跡方法を説明する。
【0101】
第3の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図15を参照して説明する。図15は、第3の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0102】
第3の実施の形態に係る製造システムは、図15に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122と、読出装置126#と、印字装置128#とを備える。
【0103】
半導体製造装置102、組立装置108、製造システムサーバ110、パッケージング装置122は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、ここでは、これらについての説明は繰り返さない。
【0104】
読出装置126#は、半導体装置124中のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報を読み出す。
【0105】
印字装置128#は、読出装置126#が読み出した組み合わせ情報112を半導体装置124のパッケージに印刷する。
【0106】
パッケージへの印字について、図16を参照して、具体的に説明する。図16は、第3の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【0107】
読出装置126#は、半導体チップが実装された部品120に含まれるROM付き半導体チップ202のROM203からROM値を読出し、ROMチップ情報114を取得する。なお、読出装置126による読み出しの対象となる部品120は、パッケージ前のものであってもよいし、パッケージ後のものであってもよい。しかし、ここでは、読出装置126は、パッケージ後の部品120(つまり、半導体装置124)からROM値を読み出すものとする。図15に示すようにリードフレーム118に複数の部品が含まれている場合、部品を個別にしないとROM値が読み出せないためである。また、ここでは、半導体装置124は、半導体チップが実装された図4のチップ実装部分120aに対応するものであるとする。
【0108】
また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報112を読み出す。この場合、図5に示すように、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」とを組み合わせた組み合わせ情報112が読み出される。
【0109】
印字装置128#は、読出装置126#から、読出装置126#が読み取った組み合わせ情報112を受け取り、半導体装置124のパッケージに組み合わせ情報112を印字し、印字あり半導体装置130#を作成する。
【0110】
第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図17を参照して説明する。図17は、半導体装置の製造時に第3の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0111】
ステップS501からステップS509までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS101からステップS109までの処理と同様である。
【0112】
ステップS511において、パッケージング装置122は、ステップS111と同様、半導体チップに樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0113】
ステップS513において、読出装置126#は、ステップS511において製造された半導体装置124内のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報112を読み出す。
【0114】
ステップS515において、印字装置128#は、ステップS513において読み出された組み合わせ情報112を半導体装置124のパッケージに印字する。
【0115】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第3の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図18を参照して説明する。図18は、第3の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0116】
第3の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310と、パッケージ読取装置312とを備える。
【0117】
ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。パッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130#のパッケージに印刷されている情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、パッケージ読取装置312の読取結果、あるいは、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0118】
照合装置304による情報の照合について、図19を参照して説明する。図19は、第3の実施の形態に係る情報の照合について説明するための概念図である。
【0119】
ウェハA識別NoがA080111−05であり、ウェハAアドレスがB06であるROM付き半導体チップ202と、ウェハB識別NoがB080110−02であり、ウェハBアドレスがF04であるROMなし半導体チップ204とを含む印字あり半導体装置130#の追跡について考える。
【0120】
まず、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出す。
【0121】
ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せた場合、照合装置304は、製造システムサーバ110の組み合わせリスト210の中から、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを検索する。この場合、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」との組が、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する組み合わせ情報112として抽出される。
【0122】
ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せなかった場合、パッケージ読取装置312により、パッケージに印字された情報を読み取ることになる。
【0123】
また、ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せたが、製造システムサーバ110から対応する組み合わせ情報112を読み出せない場合がある。例えば、製造システムサーバ110の故障や、組み合わせ情報112の消失などの場合である。この場合も、パッケージ読取装置312により、パッケージに印字された情報を読み取ることになる。
【0124】
図20を参照して、第3の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図20は、半導体装置の追跡時に第3の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
ステップS601において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0126】
ステップS603において、ROM読取装置302は、ステップ6401の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0127】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS603においてYes)、ステップS605において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す処理を行なう。
【0128】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS603においてNo)、ステップS607において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。ROM読取装置302は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0129】
ステップS609において、パッケージ読取装置312は、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せたかどうかを判断する。
【0130】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS609においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0131】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS609においてYes)、出力装置310は、ステップS613において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0132】
さて、照合装置304は、ステップS611において、照合装置304がステップS605において情報を読み出せたかどうかを判断する、
照合装置304が情報をよみだせなかった場合(ステップS611においてNo)、照合装置304は、ステップS615において、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0133】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS617においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0134】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS617においてYes)、出力装置310は、ステップS613において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0135】
また、出力装置310は、照合装置304が情報を読み出せた場合(ステップS611においてYes)、ステップS613において、ステップS611の読み出し結果を出力する。より具体的には、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0136】
なお、上述の処理において、ROM203から情報を読み出す処理を省略することもできる。また、最初にパッケージから情報を読み出し、読出しに失敗した場合にROM203から情報を読み出すという構成にすることも可能である。
【0137】
本実施の形態では、組み合わせ情報をパッケージに印字しているので、すべての個別認識情報を得るにあたり、サーバとの照合が不要である。パッケージから組み合わせ情報を読み出すだけで、すべての個別認識情報を得ることができる。
【0138】
[第3の実施の形態の変形例]
上述の第3の実施の形態では、パッケージ読取装置312は、ステップS609において組み合わせ情報112が読み出せたかを判断している。しかしながら、パッケージ読取装置312が、組み合わせ情報112ではなく、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が読み出せたかを判断するという構成も取れる。ここでは、そのような変形例について説明する。
【0139】
図21を参照して、第3の実施の形態の変形例に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図21は、半導体装置の追跡時に第3の実施の形態の変形例に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0140】
ステップS701において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0141】
ステップS703において、ROM読取装置302は、ステップS701の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0142】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS703においてYes)、ステップS705において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す処理を行なう。
【0143】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS703においてNo)、ステップS707において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された個別認識情報を読み取らせる命令を送る。ROM読取装置302は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0144】
ステップS709において、パッケージ読取装置312は、パッケージから少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0145】
パッケージ読取装置312が、パッケージから個別認識情報を全く読み出せなかった場合(ステップS709においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0146】
パッケージ読取装置312が、パッケージから少なくとも1つの個別認識情報を読み出せた場合(ステップS709においてYes)、照合装置304は、パッケージ読取装置312が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。
【0147】
照合装置304は、ステップS711において、照合装置304がステップS705において情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0148】
照合装置304が情報をよみだせなかった場合(ステップS711においてNo)、照合装置304は、ステップS715において、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0149】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS717においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0150】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS717においてYes)、出力装置310は、ステップS713において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0151】
また、出力装置310は、照合装置304が情報を読み出せた場合(ステップS711においてYes)、ステップS713において、ステップS711の読み出し結果を出力する。より具体的には、出力装置310は、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0152】
本変形例によれば、このように少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を取り出し、取り出した個別認識情報を照合して、取り出した個別認識情報を有する半導体チップとペアをなす半導体チップの個別認識情報を取り出すことができる。したがって、より確実に半導体装置に含まれる半導体チップの個別認識情報の追跡を行なうことができる。複数の個別認識情報が印字されているが、その一部しか読み出せなかった場合にも、半導体装置の個別認識情報を追跡できる。
【0153】
なお、このような読出しを行なう場合、パッケージに印字する個別認識情報は、組み合わせ情報112に限られず、少なくとも1つの個別認識情報がパッケージに印字されていればよい。印字される個別認識情報は、パッケージの印字領域などに応じて適宜定めればよい。この構成によれば、印字領域を節約できる。
【0154】
[その他]
以上の実施の形態における複数の半導体チップを、不揮発性メモリを有するIC(Integrated Circuit)および不揮発性メモリを有さないMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子とすることができる。すなわち、ROM付き半導体チップをIC,ROmなし半導体チップをMEMS素子とすることができる。
【0155】
この場合の管理の手順は次のとおりである。ICの不揮発性メモリにICの個別認識情報を記録しておき、ICの個別認識情報とMEMS素子の個別認識情報とを、組み合わせ情報として、サーバに記録する。ICの個別認識情報から組み合わせ情報を呼び出し、組み合わせ情報によって、不揮発性メモリを有さないMEMS素子の個別認識情報を取り出すことができる。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】特許文献1に開示されている半導体装置の生産管理システムについて説明するための図である。
【図2】特許文献2に記載の半導体集積回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図4】半導体チップの実装の具体例を示す図である。
【図5】図4に示す実装例についての組み合わせリスト210を示した図である。
【図6】半導体装置の製造時に第1の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態に係る管理システムが半導体装置の追跡時に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【図11】半導体装置の製造時に第2の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図13】第2の実施の形態に係る情報の照合について説明するための模式図である。
【図14】半導体装置の追跡時に第2の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図16】第3の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【図17】半導体装置の製造時に第3の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図19】第3の実施の形態に係る情報の照合について説明するための概念図である。
【図20】半導体装置の追跡時に第3の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】半導体装置の追跡時に第3の実施の形態の変形例に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
1 半導体ウェハ、2 ダイシング後の半導体ウェハ、3,3’ 半導体チップ、4 リードフレーム、5 リードフレーム識別コード、6 パッケージ識別コード、7 ICチップ、8 半導体装置、21 シリコンウェハ、22 チップ、26 データ領域、26b 個別データ、102 半導体製造装置、104 ROM付き半導体ウェハ、106 ROMなし半導体ウェハ、108 組立装置、110 製造システムサーバ、112 組み合わせ情報、114 ROMチップ情報、116 通常チップ情報、118 リードフレーム、120a,120b,120c チップ実装部分、120 部品、122 パッケージング装置、124 半導体装置、126,126# 読出装置、128,128# 印字装置、130,130# 印字あり半導体装置、202 ROM付き半導体チップ、204 ROMなし半導体チップ、210 組み合わせリスト、302 読取装置、304 照合装置、306 出力装置、310 出力装置、312 パッケージ読取装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハを個々の半導体チップに切り離し、半導体装置に組み立てた後に、半導体装置に含まれる半導体チップ情報を外部から読み取ることのできる半導体装置、その製造方法、ならびに、その管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップを含む半導体装置の管理のため、半導体装置に半導体チップ情報を記録することで、半導体装置に追跡可能性(トレーサビリティ)をもたせることが行なわれている。半導体装置に組み立てた後に、製造条件や評価結果などの半導体チップ情報を読み取ることで、半導体装置の品質保証や不良解析を行なうことができる。
【0003】
特許文献1(特開2004−193189号公報)には、チップ識別コード(半導体ウェハの製造ロット番号、半導体ウェハ番号、半導体ウェア内における半導体チップの位置)およびパッケージ識別コード(リードフレーム識別コード、半導体チップがリードフレーム上に配置された位置)を連結して、製品識別コードとしてデータベースに保存しておき、パッケージに印字されたパッケージ識別コードの読み取り結果から製品識別コードを検索し、パッケージに含まれる半導体チップのチップ識別コード(ロット情報など)を取り出すことが記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2000−228341号公報)には、半導体集積回路の露光工程で、各チップの表面または裏面に半導体チップの個別管理情報(ロット番号、ウェハ番号、ウェハ内位置座標など)を露光装置を用いてパターン形成することにより書き込むことや、ダイソートテスタにレーザを装着し、各チップの表面または裏面に個別管理情報のほかダイソートテスタのテスト項目やテスト結果などのテスト情報をレーザビームを用いて書き込むこと、あるいは、個別管理情報を半導体チップ上に形成された書き換え可能な不揮発性メモリ(PROM;Programmable Read Only Memory)に記憶することが記載されている。特許文献2に記載の技術は、マイクロプロセッサなどの大規模半導体集積回路において、マスクROMと混載したPROMの入力端子からこれらの情報を書き込むことにより、故障解析におけるチップ識別のトレーサビリティを飛躍的に向上させることを可能にする。
【特許文献1】特開2004−193189号公報
【特許文献2】特開2000−228341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、半導体装置の生産の各工程において、半導体チップのウェハ識別情報、半導体チップのウェハ内位置情報、リードフレーム識別情報などを読み込んで、データベースに記憶し、最終的に半導体装置のパッケージに識別コードを印字するものである。
【0006】
『半導体チップの個別認識管理』と『リードフレームの個別認識管理』とを必要とするため、この技術における製造工程は複雑になる。
【0007】
このことを図1を参照して説明する。図1は、特許文献1に開示されている半導体装置の生産管理システムについて説明するための図である。
【0008】
まず、種々のプロセスにより、半導体ウェハ1に複数の半導体チップ3のパターンが形成される。パターンが形成された半導体ウェハ1は、前処理を施されたあと、ダイシングされる。
【0009】
ダイシング後の半導体ウェハ2から取り出された半導体チップ3’は、ダイボンド工程にて、半導体チップ形成用部材であるリードフレーム4に装着される。リードフレーム4に半導体チップ3’が装着される前に、リードフレーム4には、予めリードフレーム識別情報を表わすリードフレーム識別コード5が印字されている。
【0010】
ダイボンド工程にて、生産管理システムは、半導体ウェハ1に付されている製造ロット番号、半導体ウェハ番号、ウェハ内のチップ位置情報などのチップ識別コードを読み込む。また、生産管理システムは、リードフレームごとに、リードフレーム識別コード5を読み取るとともに、実装位置情報(半導体チップのリードフレーム上における位置)を取得する。そして、生産管理システムは、リードフレーム識別情報と実装位置情報とを連結し、パッケージ識別コード6としてデータ管理用計算機に記憶する。さらに、生産管理システムは、チップ識別コードとパッケージ識別コード6とを連結して製品識別コードとしてデータ管理用計算機に記憶する。
【0011】
半導体チップ3’がリードフレームに装着されたあと、リードフレーム4上にワイヤボンディングがなされる。ワイヤボンディング完了後、半導体チップのリード部となる部分を残して、半導体チップ3’は樹脂封止される。
【0012】
生産管理システムは、封止が完了し、ICチップ7のパッケージ面が確立された段階で、パッケージ識別コード6をICチップ7の裏面に印字する。パッケージ識別コード6が付されたあと、リードカットベント工程にて、ICチップ7から不要なリードフレームが取り除かれ、ICチップ7にバリ取りやフォーミング処理が施されて、半導体装置8が完成する。
【0013】
検査工程において、半導体装置8に付与されたパッケージ識別コード6を読み取り、対応する製品識別コードをデータ管理用計算機から検索することができる。
【0014】
このように、特許文献1に記載の技術では、リードフレーム識別コードをリードフレームに印字し、半導体チップを樹脂封止した後に、パッケージにパッケージ識別コード(リードフレーム識別コード、半導体チップがリードフレーム上に配置された位置)を印字するというように、常に識別コードを認識できるように、識別コードを常に表面に印字しておかなければならず、工程が複雑になる。特に、半導体装置に内蔵される半導体チップの数が増えるにつれ、個別認識する項目数が増えることになり、製造システムが複雑となる。
【0015】
また、この技術を用いた場合、本来不要であるパッケージ識別コードを管理する必要もある。
【0016】
特許文献2には、製造工程中におけるチップの個別管理情報およびテスト情報を直接すべてのチップに付与する技術が開示されている。この技術は、故障発生後チップに付与された情報を読み出し、適切な故障対策をとることが可能な半導体集積回路を提供することを目的としたものである。図2に、特許文献2に記載の半導体集積回路の構成を示す。シリコンウェハ21に含まれる各チップ22のデータ領域26に設けた不揮発性メモリには、チップの個別データ26bが格納されている。
【0017】
しかし、この方法には、管理対象のチップすべてに不揮発性メモリを設ける必要があるという問題がある。
【0018】
さらに、いずれの技術においても、複数の半導体チップを内蔵する半導体装置の場合、チップ数分の個別管理情報またはテスト情報を、半導体装置に付与する必要がある。したがって、内蔵されるチップ数に応じて、情報付与のためのパッケージ印字エリアあるいはメモリ領域が必要となる。
【0019】
本願発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、簡易な方法により半導体装置に含まれる複数の半導体チップの情報を管理し、複数の半導体チップを備える半導体装置の管理を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
1つの局面に係る本願発明は、半導体装置の製造方法であって、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップを製造するステップと、不揮発性メモリに第1の半導体チップの個別認識情報を記録するステップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップを製造するステップと、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録し、第1の半導体チップおよび第2の半導体チップを半導体装置に組み立てるステップとを備える。
【0021】
好ましくは、半導体装置に含まれる不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、半導体装置のパッケージに、読み出された第1の個別認識情報を印字するステップとをさらに備える。
【0022】
好ましくは、個別認識情報は、半導体チップの製造ロット番号と、ウェハ番号と、ウェハ内の位置座標とのいずれか1つを少なくとも含む。
【0023】
好ましくは、個別認識情報は、ウェハごとに区切られて管理されている半導体チップの製造ロット番号を含む。
【0024】
他の局面に係る本願発明は、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、読み出された第1の半導体チップの個別認識情報をサーバに記録された組み合わせ情報と照合し、第2の半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える。
【0025】
さらに他の局面に係る本願発明は、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、第1の半導体チップの個別認識情報および第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、不揮発性メモリから第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、読み出された第1の半導体チップの個別認識情報に基づいて、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を半導体装置のパッケージに印字するステップと、パッケージに印字された個別認識情報を読み取るステップと、読み取られた個別認識情報および組み合わせ情報に基づいて、パッケージに印字されていない半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える。
【0026】
さらに他の局面に係る本願発明は、半導体装置であって、不揮発性メモリを有する第1の半導体チップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップとを備え、第1の不揮発性メモリは、第1の半導体チップの個別認識情報を格納する。
【0027】
好ましくは、第1の半導体チップおよび第2の半導体チップを封止する封止樹脂をさらに備える。
【0028】
好ましくは、半導体装置のパッケージには、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が印字されている。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、不揮発性メモリを有する半導体チップから読み出した個別認識情報と、サーバに記憶されている、半導体装置に含まれる半導体チップについての組み合わせ情報とを利用することで、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報の読み取り結果から、個別認識情報が読み出された半導体チップとペアをなす半導体チップの個別認識情報を得ることができる。すなわち、本発明によれば、複数の半導体チップの追跡調査が可能になる。したがって、本発明によれば、複数の半導体チップの各々が不揮発性メモリを有さない場合でも、簡易な方法で、複数の半導体チップを備える半導体装置を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態として、本発明の基礎となる半導体装置の製造方法およびその追跡方法を説明する。
【0031】
まず、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図3を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0032】
第1の実施の形態に係る製造システムは、図3に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122とを備える。
【0033】
半導体製造装置102は、半導体ウェハに複数の半導体チップのパターンを形成し、ROM203を設置した複数のROM付き半導体チップ202のパターンを形成したROM付き半導体ウェハ104を製造する。また、半導体製造装置102は、半導体ウェハにROM203を設置していない複数のROMなし半導体チップ204のパターンを形成し、ROMなし半導体ウェハ106を製造する。なお、ここで、ROM203は、電気が供給されていないときにもデータを保持できる不揮発性メモリの一例である。ROM203のかわりに、PROM、フラッシュメモリなどを用いることもできる。
【0034】
また、半導体製造装置102は、各半導体チップを特定するための個別認識情報を登録する。具体的には、半導体製造装置102は、ROM付き半導体ウェハ104およびROM付き半導体チップ202に関する個別認識情報(ROMチップ情報114)をROM203に書き込む。
【0035】
本実施の形態では、半導体製造装置102は、個別認識情報として、製造ロット番号、半導体ウェハを識別するための半導体ウェハ番号、半導体ウェハ内における半導体チップの位置(以下、ウェハ内アドレスとよぶ)などの製造管理情報をROM203に書き込むものとする。これらの情報を管理することにより、半導体チップの製造条件や製造方法に関する情報をあとで取り出すことができる。
【0036】
ただし、製造管理情報の内容は上述のものに限られるわけではない。例えば、製造ロット番号、半導体ウェハ番号、ウェハ内アドレスのいずれか1つ、または、いずれか2つの組み合わせを、製造管理情報として用いてもよい。また、半導体製造装置102が、ロットをウェハごとに区切って管理する場合、製造ロット番号とは別に、半導体ウェハ番号を管理する必要がなく、管理項目を削減することができる。
【0037】
さらに、半導体製造装置102は、半導体ウェハを検査し、半導体ウェハの特性、半導体ウェハに含まれる半導体チップの性能などの情報を得る。そして、半導体製造装置102は、テスト項目およびその評価結果などの評価情報を、半導体ウェハ番号・ウェハ内アドレスなどの個別認識情報とともに製造システムサーバ110に記録する。
【0038】
組立装置108は、半導体ウェハをダイシングして、ROM付き半導体ウェハ104からROM付き半導体チップ202を取り出し、ROMなし半導体ウェハ106からROMなし半導体チップ204を取り出す。そして、組立装置108は、取り出した半導体チップをリードフレーム118に実装し、半導体装置に組み立てる。
【0039】
また、半導体チップの実装の際に、ROMチップ情報114および通常チップ情報116が組立装置108から出力され、出力されたROMチップ情報114および通常チップ情報116は製造システムサーバ110に送られる。なお、通常チップ情報116とは、ROMなし半導体ウェハ106およびROMなし半導体チップ204に関する個別認識情報である。
【0040】
製造システムサーバ110は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【0041】
パッケージング装置122は、半導体チップが組み込まれたリードフレーム118に樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0042】
図4を参照して、組立装置108による半導体チップの実装について、具体的に説明する。図4は、半導体チップの実装の具体例を示す図である。
【0043】
本実施例においては、図4に示すように、ROM付き半導体ウェハ104(ウェハAとする)上には、複数のROM付き半導体チップ202が形成されており、ROMなし半導体ウェハ106(ウェハBとする)上には、複数のROMなし半導体チップ204が形成されているものとする。各ROM付き半導体チップ202には、個別認識情報が書き込まれている。
【0044】
また、本実施の形態において、個別認識情報に含まれるウェハ内アドレスは、アルファベットと数字との組み合わせ(A02、B04など)で表わされるものとする。
【0045】
組立装置108は、リードフレーム118のチップ実装部分120aに、位置B06にあるROM付き半導体チップ202と位置F04にあるROMなし半導体チップ204とを実装する。組立装置108は、チップ実装部分120bや、チップ実装部分120cにも、同様に、半導体チップを実装する。
【0046】
なお、ここでは、1つのROM付き半導体チップ202と、1つのROMなし半導体チップ204とを実装する例を示したが、ROM付き半導体チップ202やROMなし半導体チップ204の数は、これに限られるものではない。例えば、1つのROM付き半導体チップ202と、2つ以上のROMなし半導体チップ204とが組み合わされて、半導体チップに実装される構成であってもよい。
【0047】
製造システムサーバ110でのデータ管理事例について、図5を参照して説明する。図5は、製造システムサーバ110が管理する、図4に示す実装例についての組み合わせリスト210を示した図である。
【0048】
組み合わせリスト210は、半導体装置の製造日と、半導体装置の製造ロット番号と、ROM付き半導体ウェハ104の半導体ウェハ番号(ウェハA識別No)と、リードフレーム118に組み込まれたROM付き半導体チップ202のウェハ内アドレス(ウェハAアドレス)と、ROMなし半導体ウェハ106の半導体ウェハ番号(ウェハB識別No)と、リードフレーム118に組み込まれたROMなし半導体チップ204のウェハ内アドレス(ウェハBアドレス)とを含む。
【0049】
組み合わせリスト210では、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とが組み合わせて管理されている。チップ実装部分120aに実装されたチップに関していうと、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」とが関連付けられている。
【0050】
第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図6を参照して説明する。図6は、半導体装置の製造時に第1の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示したフローチャートである。半導体装置の製造工程は、大きくは、前工程I、前工程II、後工程I、後工程II、後工程IIIに分けられる。以下、各工程について、図6を参照しつつ説明する。
【0051】
(前工程I)
ステップS101において、半導体製造装置102は、ROMなし半導体ウェハ106を製造する。
【0052】
ステップS103において、半導体製造装置102は、ROM付き半導体ウェハ104を製造する。また、半導体製造装置102は、ROM付き半導体チップ202のROM203に、ROM付き半導体チップ202の個別認識情報を書き込む。
【0053】
(前工程II)
続いて、半導体製造装置102は、ステップS105において、半導体ウェハを検査し、半導体ウェハの特性、半導体ウェハに含まれる半導体チップの性能などの情報を得て、テスト項目およびその評価結果などの評価情報を、製造システムサーバ110に記録する。
【0054】
(後工程I)
ステップS107において、組立装置108は、ROM付き半導体ウェハ104をダイシングし、ROM付き半導体ウェハ104からROM付き半導体チップ202を取り出す。また、組立装置108は、ROMなし半導体ウェハ106をダイシングし、ROM付き半導体ウェハ104からROMなし半導体チップ204を取り出す。
【0055】
(後工程II)
ステップS109において、組立装置108は、ステップS107において取り出されたROM付き半導体チップ202およびROMなし半導体チップ204とを、リードフレーム118に実装する。また、組立装置108は、半導体チップの実装の際に、ROMチップ情報114および通常チップ情報116を製造システムサーバ110に送る。ROMチップ情報114および通常チップ情報116を受け取った製造システムサーバ110は、ROMチップ情報114と通常チップ情報116とを組み合わせて、組み合わせ情報112として格納する。
【0056】
(後工程III)
ステップS111において、パッケージング装置122は、半導体チップにワイヤボンディングを行なう。また、パッケージング装置122は、半導体チップのリード部となる部分を残して、半導体チップを樹脂封止(モールド)する。さらに、パッケージング装置122は、端子のメッキ処理、端子加工などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0057】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第1の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図7を参照して説明する。図7は、第1の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0058】
第1の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310とを備える。
【0059】
ROM読取装置302は、半導体装置124に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0060】
図8を参照して、第1の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図8は、第1の実施の形態に係る管理システムが半導体装置の追跡時に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
ステップS201において、ROM読取装置302は、半導体装置124に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す。
【0062】
ステップS203において、照合装置304は、ステップS201においてROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0063】
ステップS205において、出力装置310は、照合装置304の読み出し結果を出力する。より具体的には、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。また、出力装置310は、読み出した個別認識情報あるいは出力した個別認識情報に基づいて、評価情報を出力してもよい。
【0064】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を、不揮発性メモリに記憶させておくため、個別認識情報をチップ表面などに印字しておく必要がない。よって、本発明によれば、半導体装置の製造方法が簡易となる。
【0065】
また、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を、その製造工程において不揮発性メモリに記憶するため、半導体チップ実装工程以降において、リードフレームに識別番号を付すなどのリードフレームの個別認識管理が不要となる。
【0066】
さらに、本実施の形態に係る半導体装置の管理方法では、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報と、不揮発性メモリを有さない半導体チップの個別認識情報とを組み合わせ情報として半導体チップ実装工程においてサーバに記録するため、半導体装置の追跡にあたって、全ての半導体チップに不揮発性メモリを備える必要がない。このように、本実施の形態に係る管理方法によれば、簡易な方法により、複数の半導体チップの個別認識情報を管理および追跡することができる。
【0067】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法および管理方法によれば、半導体装置に付与する個別管理情報量を抑えつつ、半導体装置に含まれる複数の半導体チップの製造工程における個別管理情報を追尾できるトレーサビリティシステムを達成することができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法および追跡方法に変形を加えた製造方法および追跡方法を説明する。
【0069】
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図9を参照して説明する。図9は、第2の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0070】
第2の実施の形態に係る製造システムは、図9に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122と、読出装置126と、印字装置128とを備える。
【0071】
半導体製造装置102、組立装置108、製造システムサーバ110、パッケージング装置122は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、ここでは、これらについての説明は繰り返さない。
【0072】
読出装置126は、半導体装置124中のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。
【0073】
印字装置128は、読出装置126が読み出したROMチップ情報114を半導体装置124のパッケージに印刷する。
【0074】
パッケージへの印字について、図10を参照して、具体的に説明する。図10は、第2の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【0075】
読出装置126は、半導体チップが実装された部品120に含まれるROM付き半導体チップ202のROM203からROM値を読出し、ROMチップ情報114を取得する。なお、読出装置126による読み出しの対象となる部品120は、パッケージ前のものであってもよいし、パッケージ後のものであってもよい。しかし、ここでは、読出装置126は、パッケージ後の部品120(つまり、半導体装置124)からROM値を読み出すものとする。図9に示すようにリードフレーム118に複数の部品が含まれている場合、部品を個別にしないとROM値が読み出せないためである。また、ここでは、半導体装置124は、半導体チップが実装された図4のチップ実装部分120aに対応するものであるとする。
【0076】
印字装置128は、読出装置126から、読出装置126が読み取ったROMチップ情報114を受け取り、半導体装置124のパッケージにROMチップ情報114を印字する。この場合、印字装置128は、半導体装置124に組み込まれたROM付き半導体チップ202のROMチップ情報114である、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」とを部品120に印字し、印字あり半導体装置130を作成する。
【0077】
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図11を参照して説明する。図11は、半導体装置の製造時に第2の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0078】
ステップS301からステップS309までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS101からステップS109までの処理と同様である。
【0079】
ステップS311において、パッケージング装置122は、ステップS111と同様、半導体チップに樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0080】
ステップS313において、読出装置126は、ステップS311において製造された半導体装置124内のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。
【0081】
ステップS315において、印字装置128は、ステップS313において読み出されたROMチップ情報114を半導体装置124のパッケージに印字する。
【0082】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第2の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図12を参照して説明する。図12は、第2の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0083】
第2の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310と、パッケージ読取装置312とを備える。
【0084】
ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。パッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130のパッケージに印刷されている情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報、または、パッケージ読取装置312が読み取った情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0085】
照合装置304による情報の照合について、図13を参照して説明する。図13は、第2の実施の形態に係る情報の照合について説明するための模式図である。
【0086】
まず、ROM読取装置302あるいはパッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出す。ここで、印字あり装置130に含まれるROM付き半導体チップ202のウェハA識別NoはA080111−05であり、ウェハAアドレスはB06であるとする。
【0087】
照合装置304は、製造システムサーバ110の組み合わせリスト210の中から、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを検索する。この場合、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」との組が、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する組み合わせ情報112として抽出される。
【0088】
図14を参照して、第2の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図14は、半導体装置の追跡時に第2の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
ステップS401において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0090】
ステップS403において、ROM読取装置302は、ステップS401の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。第1の実施の形態では、ROM203から情報を読み出せることは前提としていたが、場合によっては、ROM203が破壊される等、半導体装置に異常が発生し、ROM203から読み出せない場合がある。第2の実施の形態では、このような場合を考慮に入れている。
【0091】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS403においてYes)、ステップS405において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0092】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS403においてNo)、ステップS407において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130のパッケージに印字された情報を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0093】
ステップS409において、パッケージ読取装置312は、パッケージから情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0094】
パッケージ読取装置312が、パッケージから情報を読み出せなかった場合(ステップS409においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0095】
パッケージ読取装置312が、パッケージから情報を読み出せた場合(ステップS409においてYes)、照合装置304は、ステップS411において、パッケージ読取装置312が読み取った個別認識情報に対応する組み合わせ情報をサーバから読み出す。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す。
【0096】
ステップS413において、出力装置310は、ステップS405あるいはステップS411の読み出し結果を出力する。より具体的には、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0097】
第2の実施の形態に係る半導体装置の管理方法では、第1の実施の形態と同様、不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報と、不揮発性メモリを有さない半導体チップの個別認識情報とを組み合わせ情報としてサーバで管理しているため、半導体装置の追跡にあたって、全ての半導体チップに不揮発性メモリを備える必要がなく、簡易な方法により、複数の半導体チップの個別認識情報を管理および追跡できる。
【0098】
さらに、本実施の形態では、パッケージに不揮発性メモリを有する半導体チップの個別認識情報を印字しているため、不揮発性メモリから情報を読み出せない場合にも、複数の半導体チップの個別認識情報の管理および追跡が可能である。実際に、半導体チップの個別認識情報を追跡する必要が出てくるのは、主に、不揮発性メモリが破壊される等、半導体装置に異常が発生した場合であり、この管理方法は有用である。
【0099】
なお、ROM203から情報を読み出す処理を省略することもできる。また、最初にパッケージから情報を読み出し、読出しに失敗した場合にROM203から情報を読み出すという構成にすることも可能である。
【0100】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態として、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法および追跡方法に変形を加えた製造方法および追跡方法を説明する。
【0101】
第3の実施の形態に係る半導体装置の製造システムについて、図15を参照して説明する。図15は、第3の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【0102】
第3の実施の形態に係る製造システムは、図15に示すとおり、半導体製造装置102と、組立装置108と、製造システムサーバ110と、パッケージング装置122と、読出装置126#と、印字装置128#とを備える。
【0103】
半導体製造装置102、組立装置108、製造システムサーバ110、パッケージング装置122は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、ここでは、これらについての説明は繰り返さない。
【0104】
読出装置126#は、半導体装置124中のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報を読み出す。
【0105】
印字装置128#は、読出装置126#が読み出した組み合わせ情報112を半導体装置124のパッケージに印刷する。
【0106】
パッケージへの印字について、図16を参照して、具体的に説明する。図16は、第3の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【0107】
読出装置126#は、半導体チップが実装された部品120に含まれるROM付き半導体チップ202のROM203からROM値を読出し、ROMチップ情報114を取得する。なお、読出装置126による読み出しの対象となる部品120は、パッケージ前のものであってもよいし、パッケージ後のものであってもよい。しかし、ここでは、読出装置126は、パッケージ後の部品120(つまり、半導体装置124)からROM値を読み出すものとする。図15に示すようにリードフレーム118に複数の部品が含まれている場合、部品を個別にしないとROM値が読み出せないためである。また、ここでは、半導体装置124は、半導体チップが実装された図4のチップ実装部分120aに対応するものであるとする。
【0108】
また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報112を読み出す。この場合、図5に示すように、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」とを組み合わせた組み合わせ情報112が読み出される。
【0109】
印字装置128#は、読出装置126#から、読出装置126#が読み取った組み合わせ情報112を受け取り、半導体装置124のパッケージに組み合わせ情報112を印字し、印字あり半導体装置130#を作成する。
【0110】
第3の実施の形態に係る半導体装置の製造方法について図17を参照して説明する。図17は、半導体装置の製造時に第3の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0111】
ステップS501からステップS509までの処理は、第1の実施の形態におけるステップS101からステップS109までの処理と同様である。
【0112】
ステップS511において、パッケージング装置122は、ステップS111と同様、半導体チップに樹脂封止などを行ない、半導体装置124を完成する。
【0113】
ステップS513において、読出装置126#は、ステップS511において製造された半導体装置124内のROM付き半導体チップ202のROM203から、ROMチップ情報114を読み出す。また、読出装置126#は、製造システムサーバ110に格納されたデータから、ROM203から読み出したROMチップ情報114に対応する組み合わせ情報112を読み出す。
【0114】
ステップS515において、印字装置128#は、ステップS513において読み出された組み合わせ情報112を半導体装置124のパッケージに印字する。
【0115】
ここからは、以上の製造方法で製造された半導体装置の追跡方法を説明する。第3の実施の形態に係る半導体装置の追跡方法について、図18を参照して説明する。図18は、第3の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【0116】
第3の実施の形態に係る管理システムは、ROM読取装置302と、照合装置304と、製造システムサーバ110と、出力装置310と、パッケージ読取装置312とを備える。
【0117】
ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203に格納されているROM付き半導体チップ202の個別認識情報を読み取る。パッケージ読取装置312は、印字あり半導体装置130#のパッケージに印刷されている情報を読み取る。製造システムサーバ110は、半導体チップの実装時に記録された組み合わせ情報112を格納している。照合装置304は、ROM読取装置302が読み取った個別認識情報を、組み合わせ情報112と照合することで、組み合わせ情報112から必要な情報を検索する。出力装置310は、パッケージ読取装置312の読取結果、あるいは、照合装置304による検索結果を外部に出力(例えば、画面表示や、音声出力)する。
【0118】
照合装置304による情報の照合について、図19を参照して説明する。図19は、第3の実施の形態に係る情報の照合について説明するための概念図である。
【0119】
ウェハA識別NoがA080111−05であり、ウェハAアドレスがB06であるROM付き半導体チップ202と、ウェハB識別NoがB080110−02であり、ウェハBアドレスがF04であるROMなし半導体チップ204とを含む印字あり半導体装置130#の追跡について考える。
【0120】
まず、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出す。
【0121】
ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せた場合、照合装置304は、製造システムサーバ110の組み合わせリスト210の中から、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを検索する。この場合、ウェハA識別No「A080111−05」と、ウェハAアドレス「B06」と、ウェハB識別No「B080110−02」と、ウェハBアドレス「F04」との組が、読み出されたウェハA識別NoおよびウェハAアドレスと一致する組み合わせ情報112として抽出される。
【0122】
ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せなかった場合、パッケージ読取装置312により、パッケージに印字された情報を読み取ることになる。
【0123】
また、ROM読取装置302が、印字あり半導体装置130#のROM203から、ウェハA識別NoおよびウェハAアドレスを読み出せたが、製造システムサーバ110から対応する組み合わせ情報112を読み出せない場合がある。例えば、製造システムサーバ110の故障や、組み合わせ情報112の消失などの場合である。この場合も、パッケージ読取装置312により、パッケージに印字された情報を読み取ることになる。
【0124】
図20を参照して、第3の実施の形態に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図20は、半導体装置の追跡時に第3の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
ステップS601において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0126】
ステップS603において、ROM読取装置302は、ステップ6401の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0127】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS603においてYes)、ステップS605において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す処理を行なう。
【0128】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS603においてNo)、ステップS607において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。ROM読取装置302は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0129】
ステップS609において、パッケージ読取装置312は、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せたかどうかを判断する。
【0130】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS609においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0131】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS609においてYes)、出力装置310は、ステップS613において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0132】
さて、照合装置304は、ステップS611において、照合装置304がステップS605において情報を読み出せたかどうかを判断する、
照合装置304が情報をよみだせなかった場合(ステップS611においてNo)、照合装置304は、ステップS615において、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0133】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS617においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0134】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS617においてYes)、出力装置310は、ステップS613において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0135】
また、出力装置310は、照合装置304が情報を読み出せた場合(ステップS611においてYes)、ステップS613において、ステップS611の読み出し結果を出力する。より具体的には、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0136】
なお、上述の処理において、ROM203から情報を読み出す処理を省略することもできる。また、最初にパッケージから情報を読み出し、読出しに失敗した場合にROM203から情報を読み出すという構成にすることも可能である。
【0137】
本実施の形態では、組み合わせ情報をパッケージに印字しているので、すべての個別認識情報を得るにあたり、サーバとの照合が不要である。パッケージから組み合わせ情報を読み出すだけで、すべての個別認識情報を得ることができる。
【0138】
[第3の実施の形態の変形例]
上述の第3の実施の形態では、パッケージ読取装置312は、ステップS609において組み合わせ情報112が読み出せたかを判断している。しかしながら、パッケージ読取装置312が、組み合わせ情報112ではなく、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が読み出せたかを判断するという構成も取れる。ここでは、そのような変形例について説明する。
【0139】
図21を参照して、第3の実施の形態の変形例に係る半導体装置の追跡処理の流れを説明する。図21は、半導体装置の追跡時に第3の実施の形態の変形例に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0140】
ステップS701において、ROM読取装置302は、印字あり半導体装置130#に含まれるROM203から、ROM203に格納されている個別認識情報を読み出す処理を行なう。
【0141】
ステップS703において、ROM読取装置302は、ステップS701の処理で、ROM203から情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0142】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せた場合(ステップS703においてYes)、ステップS705において、照合装置304は、ROM読取装置302が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。また、照合装置304は、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を組み合わせ情報112から取り出す処理を行なう。
【0143】
ROM読取装置302が、ROM203から情報を読み出せなかった場合(ステップS703においてNo)、ステップS707において、ROM読取装置302は、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された個別認識情報を読み取らせる命令を送る。ROM読取装置302は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0144】
ステップS709において、パッケージ読取装置312は、パッケージから少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0145】
パッケージ読取装置312が、パッケージから個別認識情報を全く読み出せなかった場合(ステップS709においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0146】
パッケージ読取装置312が、パッケージから少なくとも1つの個別認識情報を読み出せた場合(ステップS709においてYes)、照合装置304は、パッケージ読取装置312が読み出した個別認識情報に対応する組み合わせ情報112を製造システムサーバ110から読み出す処理を行なう。
【0147】
照合装置304は、ステップS711において、照合装置304がステップS705において情報を読み出せたかどうかを判断する。
【0148】
照合装置304が情報をよみだせなかった場合(ステップS711においてNo)、照合装置304は、ステップS715において、パッケージ読取装置312に、印字あり半導体装置130#のパッケージに印字された組み合わせ情報112を読み取らせる命令を送る。パッケージ読取装置312は、命令に従い、パッケージの情報を読み取る処理を実行する。
【0149】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せなかった場合(ステップS717においてNo)、半導体チップの個別認識情報を知ることができないので、管理システムは、処理を終了する。
【0150】
パッケージ読取装置312が、パッケージから組み合わせ情報112を読み出せた場合(ステップS717においてYes)、出力装置310は、ステップS713において、読み出された組み合わせ情報112を出力する。
【0151】
また、出力装置310は、照合装置304が情報を読み出せた場合(ステップS711においてYes)、ステップS713において、ステップS711の読み出し結果を出力する。より具体的には、出力装置310は、読み出された個別認識情報に対応する組み合わせ情報112、あるいは、読み取られた個別認識情報を有するROM付き半導体チップ202とペアをなすROMなし半導体チップ204の個別認識情報を出力する。
【0152】
本変形例によれば、このように少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を取り出し、取り出した個別認識情報を照合して、取り出した個別認識情報を有する半導体チップとペアをなす半導体チップの個別認識情報を取り出すことができる。したがって、より確実に半導体装置に含まれる半導体チップの個別認識情報の追跡を行なうことができる。複数の個別認識情報が印字されているが、その一部しか読み出せなかった場合にも、半導体装置の個別認識情報を追跡できる。
【0153】
なお、このような読出しを行なう場合、パッケージに印字する個別認識情報は、組み合わせ情報112に限られず、少なくとも1つの個別認識情報がパッケージに印字されていればよい。印字される個別認識情報は、パッケージの印字領域などに応じて適宜定めればよい。この構成によれば、印字領域を節約できる。
【0154】
[その他]
以上の実施の形態における複数の半導体チップを、不揮発性メモリを有するIC(Integrated Circuit)および不揮発性メモリを有さないMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子とすることができる。すなわち、ROM付き半導体チップをIC,ROmなし半導体チップをMEMS素子とすることができる。
【0155】
この場合の管理の手順は次のとおりである。ICの不揮発性メモリにICの個別認識情報を記録しておき、ICの個別認識情報とMEMS素子の個別認識情報とを、組み合わせ情報として、サーバに記録する。ICの個別認識情報から組み合わせ情報を呼び出し、組み合わせ情報によって、不揮発性メモリを有さないMEMS素子の個別認識情報を取り出すことができる。
【0156】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】特許文献1に開示されている半導体装置の生産管理システムについて説明するための図である。
【図2】特許文献2に記載の半導体集積回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図4】半導体チップの実装の具体例を示す図である。
【図5】図4に示す実装例についての組み合わせリスト210を示した図である。
【図6】半導体装置の製造時に第1の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図8】第1の実施の形態に係る管理システムが半導体装置の追跡時に行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図10】第2の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【図11】半導体装置の製造時に第2の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図13】第2の実施の形態に係る情報の照合について説明するための模式図である。
【図14】半導体装置の追跡時に第2の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態に係る製造システムを説明するための図である。
【図16】第3の実施の形態に係るパッケージへの印字について説明するための模式図である。
【図17】半導体装置の製造時に第3の実施の形態に係る製造システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態に係る管理システムによる、半導体装置の追跡方法の概要を説明するための図である。
【図19】第3の実施の形態に係る情報の照合について説明するための概念図である。
【図20】半導体装置の追跡時に第3の実施の形態に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】半導体装置の追跡時に第3の実施の形態の変形例に係る管理システムが行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
1 半導体ウェハ、2 ダイシング後の半導体ウェハ、3,3’ 半導体チップ、4 リードフレーム、5 リードフレーム識別コード、6 パッケージ識別コード、7 ICチップ、8 半導体装置、21 シリコンウェハ、22 チップ、26 データ領域、26b 個別データ、102 半導体製造装置、104 ROM付き半導体ウェハ、106 ROMなし半導体ウェハ、108 組立装置、110 製造システムサーバ、112 組み合わせ情報、114 ROMチップ情報、116 通常チップ情報、118 リードフレーム、120a,120b,120c チップ実装部分、120 部品、122 パッケージング装置、124 半導体装置、126,126# 読出装置、128,128# 印字装置、130,130# 印字あり半導体装置、202 ROM付き半導体チップ、204 ROMなし半導体チップ、210 組み合わせリスト、302 読取装置、304 照合装置、306 出力装置、310 出力装置、312 パッケージ読取装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップを製造するステップと、
前記不揮発性メモリに前記第1の半導体チップの個別認識情報を記録するステップと、
不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップを製造するステップと、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録し、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップを半導体装置に組み立てるステップとを備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体装置に含まれる前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
前記半導体装置のパッケージに、読み出された前記第1の個別認識情報を印字するステップとをさらに備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記個別認識情報は、前記半導体チップの製造ロット番号と、ウェハ番号と、ウェハ内の位置座標とのいずれか1つを少なくとも含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記個別認識情報は、ウェハごとに区切られて管理されている前記半導体チップの製造ロット番号を含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、
前記不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、
前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
読み出された前記第1の半導体チップの個別認識情報を前記サーバに記録された前記組み合わせ情報と照合し、前記第2の半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える、半導体装置の管理方法。
【請求項6】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、
前記不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、
前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
読み出された前記第1の半導体チップの個別認識情報に基づいて、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を半導体装置のパッケージに印字するステップと、
前記パッケージに印字された前記個別認識情報を読み取るステップと、
読み取られた前記個別認識情報および前記組み合わせ情報に基づいて、パッケージに印字されていない半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える、半導体装置の管理方法。
【請求項7】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップとを備え、
前記第1の不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納する、半導体装置。
【請求項8】
前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップを封止する封止樹脂をさらに備える請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体装置のパッケージには、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が印字されている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項1】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップを製造するステップと、
前記不揮発性メモリに前記第1の半導体チップの個別認識情報を記録するステップと、
不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップを製造するステップと、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録し、前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップを半導体装置に組み立てるステップとを備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記半導体装置に含まれる前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
前記半導体装置のパッケージに、読み出された前記第1の個別認識情報を印字するステップとをさらに備える、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記個別認識情報は、前記半導体チップの製造ロット番号と、ウェハ番号と、ウェハ内の位置座標とのいずれか1つを少なくとも含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記個別認識情報は、ウェハごとに区切られて管理されている前記半導体チップの製造ロット番号を含む、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、
前記不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、
前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
読み出された前記第1の半導体チップの個別認識情報を前記サーバに記録された前記組み合わせ情報と照合し、前記第2の半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える、半導体装置の管理方法。
【請求項6】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップおよび不揮発性メモリを有しない第2の半導体チップを備える半導体装置の管理方法であって、
前記不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納し、
前記第1の半導体チップの個別認識情報および前記第2の半導体チップの個別認識情報を組み合わせた組み合わせ情報をサーバに記録するステップと、
前記不揮発性メモリから前記第1の半導体チップの個別認識情報を読み出すステップと、
読み出された前記第1の半導体チップの個別認識情報に基づいて、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報を半導体装置のパッケージに印字するステップと、
前記パッケージに印字された前記個別認識情報を読み取るステップと、
読み取られた前記個別認識情報および前記組み合わせ情報に基づいて、パッケージに印字されていない半導体チップの個別認識情報を取得するステップとを備える、半導体装置の管理方法。
【請求項7】
不揮発性メモリを有する第1の半導体チップと、不揮発性メモリを有さない第2の半導体チップとを備え、
前記第1の不揮発性メモリは、前記第1の半導体チップの個別認識情報を格納する、半導体装置。
【請求項8】
前記第1の半導体チップおよび前記第2の半導体チップを封止する封止樹脂をさらに備える請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体装置のパッケージには、少なくとも1つの半導体チップの個別認識情報が印字されている、請求項7に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−272537(P2009−272537A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123432(P2008−123432)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
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