説明

半導体集積回路、情報処理システム

【課題】低速クロック信号と高速クロック信号とにより動作する情報処理システムにおいて、高速クロック信号により動作するノーマルモードへの移行時に、高速発振器から高速クロック信号が安定して生成されていることの検知の信頼性を高める。
【解決手段】低速クロック信号の所定クロック周期内に、高速クロック信号がいくつ生成されたかをカウンタでカウントする。低速クロック信号と同期して、カウント値と所定値とを比較し、高速クロック信号の周波数が所定周波数に達しているか判定する。発振が安定するにつれて周波数の変動が小さくなるため、前記判定が複数回にわたって肯定的は判定であると、高速発振器の発振が安定していると検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速クロック信号が高速発振器から安定して生成されていることを早期に検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
消費電力を小さくするために、高速クロック信号と低速クロック信号とを切り替えて動作する情報処理システムが現在広く利用されている。具体的には、この情報処理システムは、動作モードとして、ノーマルモードとスタンバイモードとを備えている。ノーマルモードとは、高速発振器の供給する高速クロック信号で動作するモードのことをいう。スタンバイモードとは、高速発振器が発振を停止して低速発振器の供給する低速クロック信号で動作するモードのことをいう。
【0003】
情報処理システムは、スタンバイモードからノーマルモードへと移行する際、高速発振器の発振が安定していること、つまり高速発振器が生成する高速クロック信号の振幅と周波数が安定していることを検知してからノーマルモードへの移行を完了する必要がある。なぜなら、高速発振器の発振が安定していないまま高速クロック信号で情報処理システムが動作すると、不安定な高速クロック信号が供給されるために情報処理システムが暴走する等の問題が起こるからである。
【0004】
そこで、従来においては、高速発振器の発振が安定するまでに生成される高速クロック信号の数を見積もっておき、高速発振器が十分な数の高速クロック信号を生成していれば発振が安定していると推定して上記検知を行っている。例えば、高速発振器が生成する高速クロック信号を、順次、カウンタに入力する。このカウンタが高速クロック信号の入力を所定数カウントすると、情報処理システムは、ノーマルモードへの移行を完了する。
【0005】
しかし、高速発振器の発振が安定するまでにどのように高速クロック信号が生成されるかは、高速発振器の製造バラツキ等のために、高速発振器それぞれで異なる。例えば発振が安定するまでの時間や、安定するまでの高速クロック信号の周波数の増加具合などが異なる。この他に、熱などの外的な要因などにより、高速発振器の発振が安定するのが通常よりも遅れる場合もありうる。
【0006】
そこで、下記の特許文献1では、生成される全ての高速クロック信号の数をカウントするのではなく、振幅が安定している高速クロック信号のみをカウントする技術が開示されている。具体的には、特許文献1では、所定のしきい値以上の振幅の信号を通過させる半導体を用いて、振幅がしきい値を上回った信号の数、つまり振幅が安定している高速クロック信号の数をカウントしている。
【特許文献1】特開平3−95606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1記載の技術は、検知の精度に信頼が持てないという問題を有している。なぜなら、特許文献1記載の技術では、高速クロック信号の周波数が安定していることまでは検知できないからである。すなわち、高速クロック信号を所定数カウントしたからといって、所定数のカウント時点で高速クロック信号の周波数が安定しているとは限らない。そのため、上記特許文献1記載の技術は、高速クロック信号の周波数が安定していないにもかかわらず、高速発振器の発振が安定していると誤って検知するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、高速発振器から高速クロック信号が安定して生成されていることの検知の信頼性を高めることを可能とする技術、具体的には信頼性の高い検知を行う半導体集積回路、および、前記検知の信頼性を高めた発振安定検知部を含む情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定部と、肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
クロック信号の周波数とは、要するに単位時間あたりに生成されるクロックパルスの数のことであるから、高速クロック信号の周波数が安定しているとは、つまり、高速クロック信号が所定時間内に所定数、生成されているということである。
上述の構成を備える半導体集積回路は、特に、発振周期判定部を備えることを特徴としており、所定時間内に生成される高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているかを発振周期判定部により判定する。所定の範囲内に収まっていれば、高速クロック信号が所定の周波数で生成されていることになる。したがって、上述の構成によると、高速クロック信号の周波数が安定していることを検知でき、従来と比べて検知の信頼性を向上させることができる。
【0011】
さらに、上述の構成について補足すると、高速クロック信号の数をカウントするための前記所定期間は、低速クロック信号の受信間隔に基づいて定まる。低速クロック信号は既に安定して低速発振器から生成されているので、低速クロック信号の受信間隔はほぼ一定である。そのため、本発明の場合、前記所定期間の長さをほぼ一定に保つことができる。そうすると、検知のたびに前記所定期間の長さが大きく変動することもないので、高速発振器の製造バラツキ等、高速発振器の発振のしかたに検知の精度が影響されない。
【0012】
また、上述のように、前記所定期間は、低速クロック信号のパルスの受信間隔に基づいて定まる。つまり、実際に受信した低速クロック信号の受信間隔に基づいて前記所定期間が決定されるので、前記所定期間を決定するために低速クロック信号の周波数およびクロック周期といった情報を取得したり保持したりする回路が不要になる。不要になった分、前記検知を行うための半導体集積回路を小型化し、また安価に製造できる。
【0013】
ところで、従来技術においては、発振がなかなか安定しない最悪のケースを想定して、高速クロック信号の数をカウントするカウンタのサイズをある程度余裕を持たせて大きくせざるを得ない。ここで、上記特許文献1記載の技術を用いると、振幅が安定している高速クロック信号のみをカウントするので、カウンタのサイズを小さくすることはできる。しかし、上記特許文献1記載の技術は、結局、高速クロック信号の入力が所定数カウントされると高速発振器の発振が安定していると推定して前記検知を行っている。そのため、高速発振器の製造バラツキや、発振がなかなか安定しない最悪のケース等を考慮してカウンタのサイズをある程度大きくせざるを得ないという問題は残ったままであり、半導体集積回路の小型化が難しい。
【0014】
そこで、上述の半導体集積回路は、具体的には、以下のように構成するとよい。
すなわち、前記発振周期判定部は、設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタと、前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定記憶部に記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行う発振周期比較器とを含むこととしてもよい。
【0015】
上記構成を備える本発明の場合、前記カウンタにおいてカウントすべき高速クロック信号の数は、前記所定期間の長さと、高速クロック信号が安定して生成されている時の高速クロック信号の周波数に基づいて定まる。高速発振器の発振が安定している時の高速クロック信号の周波数は、通常、既知である。したがって、本発明は、カウンタに必要なサイズが定まるので、上記特許文献1記載の技術のように製造バラツキ等を考慮して余裕を持たせてカウンタのサイズを大きくする必要がなく、小型化が容易となる。
【0016】
ここで、上述の構成は、以下のようにするとよい。
すなわち、前記発振周期比較器が行う前記判定とは、前記カウント値と前記設定値との差分が所定値以下であるか否かを判定することであり、前記信号出力部は、前記発振周期比較器により所定値以下と判定された場合に、前記安定検知信号を出力することとしてもよい。また、前記カウンタ数設定記憶部は、レジスタであることとしてもよい。
【0017】
上述の構成によると、発振周期比較器は、差分を取得して所定値と比較するという簡単な演算によって判定を行うことができるため、判定のために複雑な演算を行う回路が不要になる。そのため半導体集積回路を小型化できる。
ところで、生成される高速クロック信号の周波数は、高速発振器が発振を開始した後、安定時の高速クロック信号の所定周波数を超えたり下回ったりしながら、徐々に所定周波数へと収束していくものである。したがって、生成されてくる高速クロック信号の周波数が所定周波数に達したからといって、高速発振器の発振が安定しているとは限らない。
【0018】
また、特許文献1記載の技術では、既に高速発振器の発振が安定していたとしても、高速クロック信号の周波数が安定しているかは検知できず、カウンタで所定数のクロックパルスをカウントするまでは上記検知が行われない。そのため、高速クロック信号の周波数が安定していても、検知がなされるまでは、情報処理システムはノーマルモードに移行できず、不要に電力を消費するし、また高速クロック信号による動作の開始が遅れる。特に、頻繁にスタンバイモードとノーマルモードとを切り替えて情報処理システムが動作する場合、例えば間欠受信を行う無線通信装置などの場合は、不要に電力を消費することによる電池の寿命への悪影響や、不要な電力の消費に伴う発熱、そして処理開始の遅れなどは小さい方が望ましい。
【0019】
そこで、本発明は、以下のようにしてもよい。
すなわち、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、前記発振周期判定部により肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力部とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、前記信号出力部は、前記発振周期判定部による肯定的な判定がなされた回数が一定回数に達した場合に、安定検知信号の前記出力を行うこととしてもよい。
高速発振器が発振を開始すると、生成される高速クロック信号の周波数が所定周波数に徐々に収束していくので、上述の構成のように、所定周波数の高速クロック信号が生成されていると一定回数以上判定した場合に前記検知を行うことで、前記検知の信頼性をさらに高めることができる。なお、高速発振器の発振が安定するのに比較的時間がかかる場合は、所定回数を比較的大きくすればよい。すなわち、安定に要する時間に応じて、前記所定回数を柔軟に設定することが望ましい。
【0021】
また、上記構成を備える本発明の場合、発振周期判定部による判定を、所定数の低速クロック信号の受信の都度、行う。そのため、既に高速発振器の発振が安定していると、高速クロック信号の周波数が安定していることを早期に検知できる。すなわち、上述の構成によると、上記特許文献1記載の技術と比べて、前記検知を早期に行う可能性が高くなり、消費電力を小さくできるとともに、高速クロック信号による動作の開始を早期に行うことができる。
【0022】
上述の半導体集積回路は、具体的には、以下のように構成するとよい。
すなわち、前記発振周期判定部は、前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力する発振周期比較器を含み、前記信号出力部は、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号を受信して、その受信回数をカウントする一致回数カウンタと、判定回数値を記憶している判定回数設定記憶部と、前記一致回数カウンタでカウントされたカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている前記判定回数値とを比較し、前記一致回数カウンタのカウント値が前記判定回数値以上である場合に、安定検知信号の前記出力を行う発振安定判定器とを含むこととしてもよい。
【0023】
また、前記発振周期判定部は、設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタとを含み、前記発振周期比較器は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号が受信される都度、前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定記憶部に記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行い、肯定的な判定結果である場合に前記発振周期一致信号を出力することとしてもよい。
【0024】
このようにカウンタ等を用いることで、上述の半導体集積回路を簡易な構成で安価に製造することができる。
ところで、発振周期比較器が所定回数以上発振周期一致信号を出力することによって検知を行うこととすると、高速発振器の発振が不安定である期間が比較的長いか、通常より長引いた場合に、高速発振器の発振が安定していないにもかかわらず、高速発振器の発振が安定していると検知してしまう可能性が出てくる。すなわち、発振周期一致信号が所定回数出力されたからといって、高速発振器の発振が必ずしも安定しているとは限らない。
【0025】
そこで、上述の構成において、以下のように変形することもできる。
すなわち、前記発振周期判定部は、前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力し、前記所定の範囲内に収まっていないと判定すると発振周期不一致信号を出力する発振周期比較器を含み、前記信号出力部は、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号および前記発振周期不一致信号を受信し、受信した信号が前記発振周期一致信号であるか前記発振周期不一致信号であるかに応じて、保持しているカウント値を増減させる一致回数カウンタと、判定回数値を記憶している判定回数設定記憶部と、前記一致回数カウンタでカウントされているカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている判定回数値とを比較することにより安定検知信号の前記出力を制御する発振安定判定器とを含むこととしてもよい。
【0026】
上述の構成によると、高速発振器の発振が安定していない間は、発振周期比較器から発振周期一致信号や発振周期不一致信号が出力される。一致回数カウンタは、発振周期比較器から出力される信号に応じて、カウント値を増減させる。そのため、高速発振器の発振が不安定であれば、一致回数カウンタでカウントされているカウント値は増減を繰り返すことになる。そして、高速発振器の発振が安定してくると、発振周期一致信号が出力され続けるため、一致回数カウンタのカウント値は、増加または減少し続け、やがて発振安定判定器の比較により安定検知信号が出力される。つまり、上述の構成によると、高速発振器の発振が安定していないにもかかわらず高速発振器の発振が安定していると検知してしまうおそれを小さくすることができる。
【0027】
この場合において、具体的には、以下のようにするとよい。
すなわち、前記一致回数カウンタは、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号を受信するとカウントアップし、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期不一致信号を受信するとカウントダウンし、前記発振安定判定器は、前記一致回数カウンタでカウントされているカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている判定回数値とを比較し、前記カウント値が前記判定回数値に達した場合に安定検知信号の前記出力を行うこととしてもよい。
【0028】
また、この構成において、前記発振周期判定部は、設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタとを含み、前記発振周期比較器は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号が受信される都度、前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定レジスタに記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行い、肯定的な判定結果である場合に前記発振周期一致信号を出力し、否定的な判定結果である場合に前記発振周期不一致信号を出力することとしてもよい。
【0029】
これにより、半導体集積回路による検知の精度を高めることができる。
また、検知の精度をさらに向上させるために、本発明は、以下の構成としてもよい。
すなわち、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、前記所定期間において受信された前記高速クロック信号の数の履歴を記憶し、前記履歴に示される高速クロック信号の受信数それぞれが所定の条件を満たすか判定する発振安定判定部と、前記発振周期判定部および前記発振安定判定部が共に肯定的な判定を行った場合に安定検知信号を出力する信号出力部とを備えることを特徴とする。
【0030】
受信された前記高速クロック信号の数が前記所定の範囲内に収まっていれば、生成されている高速クロック信号の周波数が所定の範囲内に収まっていることとなる。しかし、前記所定の範囲内に収まっているとしても、生成されている高速クロック信号の周波数が安定しているとは限らず、周波数の変動が大きい場合がある。
これに対し、上記構成を備える半導体集積回路は、前記カウンタにおいて前記所定期間においてカウントされた高速クロック信号の数の履歴を記憶することで、カウントされたクロックパルス数の変動が大きいか小さいかを知ることができる。すなわち、上記構成によると、高速クロック信号の周波数が所定の範囲内に収まっていて、かつ、周波数の変動が大きいか小さいかを検知することができるので、安定検知の精度を従来よりさらに向上させ、さらに、早期に検知することができる。
【0031】
上述の構成において、発振安定判定部の判定は、以下のようにするとよい。
すなわち、前記発振安定判定部が行う前記判定とは、前記履歴に示される高速クロック信号の受信数それぞれの差分が所定値以下であるか否かを判定することである、としてもよい。
上記構成は、具体的には、以下のようにするとよい。
【0032】
すなわち、前記発振安定判定部は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定期間における前記高速クロック信号の受信数を履歴として記憶する高速クロック履歴記憶部と、前記高速クロック履歴部に記憶されている第1の記憶値と、検知の開始後であって前記第1の記憶値より以前に履歴として前記高速クロック履歴部に記憶された第2の記憶値との差分が所定値以下であるか判定する差分判定部とを含み、前記信号出力部は、前記差分判定部および前記発振周期判定部が共に肯定的な判定を行った場合に、安定検知信号を出力することとしてもよい。
【0033】
また、前記半導体集積回路は、前記所定期間において前記受信された前記高速クロック信号の数をカウントするカウンタを含み、前記高速クロック履歴記憶部は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定期間におけるカウンタのカウント値を取得して前記履歴として記憶することとしてもよい。
これにより、差分を計算して、計算した差分と所定値とを比較するという簡単な演算によって判定を行うことができるため、判定のために複雑な演算を行う回路が不要になる。そのため半導体集積回路を小型化できる。
【0034】
この他に、検知の精度をさらに向上させるには、本発明は、以下の構成としてもよい。
すなわち、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、前記受信された低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、前記発振周期判定部が肯定的な判定をするたびに、その肯定的な判定にかかる前記所定数の低速クロック信号を受信するまでに前記低速クロックカウンタにおいてカウントされたカウント値を取得して履歴として記憶する低速クロック履歴記憶部と、前記低速クロック履歴記憶部に記憶されているカウント値の履歴に基づいて、前記履歴に示される複数のカウント値のそれぞれが所定の条件を満たすか判定する判定部と、前記判定部による肯定的な判定がなされた回数が所定回数に達すると、安定検知信号を出力する信号出力部とを備えることを特徴とする。
【0035】
この構成において、具体的には、以下のように構成するとよい。
すなわち、前記判定部が行う前記判定とは、前記低速クロック履歴記憶部に記憶されている第1のカウント値と、前記第1のカウント値より以前に履歴として記憶された第2のカウント値との差分が所定値以下であるか否かを判定することであることとしてもよい。
高速発振器の発振が安定してくると、前記発振周期判定部は、前記判定を行うたび、連続して肯定的な判定をするようになる。したがって、低速クロック信号の数をカウントしておき、発振周期判定部が肯定的な判定をするたびにその数を履歴として記憶しておくと、高速発振器の発振が安定してくるにつれて、履歴として記憶されている低速クロック信号の、それぞれの差分が徐々に小さくなる。
【0036】
例えば、低速クロック信号の数を2つ履歴として記憶しておくと、高速クロック信号の発振が安定してくるにつれて、履歴として記憶される低速クロック信号の数それぞれの差分は1に近づく。
したがって、上記の構成を備える半導体集積回路は、低速クロック信号の数の履歴を記憶することにより、検知の精度を従来よりさらに向上させることができる。また、上記の構成では、低速クロック信号の数をカウントするための低速クロックカウンタを用意すればよいので、大きなサイズのカウンタは必要ではない。すなわち、上記構成によると、回路を小型化しつつ検知の精度を向上させることができる。
【0037】
ところで、情報処理システムの動作の安定性を向上させる他にも、情報処理システムの消費電力を小さくすることも重要である。
そこで、前記半導体集積回路は、さらに、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、判定開始値を記憶している発振安定タイミング記憶部と、前記低速クロックカウンタのカウント値が、前記発振安定タイミング記憶部に記憶されている前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止する起動タイミング制御部を備えることとしてもよい。
【0038】
なお、低速クロックの履歴に基づいて検知の精度を高める上記技術の場合、以下のようにするとよい。
すなわち、前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、前記半導体集積回路は、さらに、判定開始値を記憶している発振安定タイミング記憶部と、前記低速クロックカウンタのカウント値が、前記発振安定タイミング記憶部に記憶されている前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止する起動タイミング制御部を含むこととしてもよい。
【0039】
このように構成すると、検知を開始した後の、発振周期判定部の動作の開始時点を判定開始値により制御することができる。特に、高速発振器が発振を開始してから安定するまでのおおよその時間が判明している場合は、その時間の分だけ発振周期判定部の判定の開始を遅らせるよう判定開始値を調整することにより、発振周期判定部の動作時間を、上記起動タイミング制御部を備えない場合と比べて減らすことができる。つまり、高速発振器の発振開始の直後から発振周期判定部が判定を行う場合と比べて、半導体集積回路の消費電力をさらに小さくすることができる。ここで、消費電力をなるべく小さくしつつ、前記検知を早期に行うには、高速発振器が発振を開始してから安定するまでのおおよその時間の間に生成される低速クロック信号の数を、前記判定開始値とすることが望ましい。
【0040】
なお、以下のように構成することとしてもよい。
すなわち、前記半導体集積回路は、さらに、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、判定開始値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、起動タイミング比較器とを含み、前記発振安定タイミング記憶部は、前記発振周期判定部が肯定的な判定を行ったとき、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記判定開始値として記憶し、前記起動タイミング比較器は、前記発振安定タイミング記憶部に前記判定開始値が記憶されている場合、前記記憶されている前記判定開始値と前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値とを比較して、当該カウント値が前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記判定開始値に達した場合に前記抑止を解除することとしてもよい。
【0041】
ここで、低速クロックの履歴に基づいて検知の精度を高める上記技術の場合、以下のようにするとよい。
すなわち、前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、前記半導体集積回路は、さらに、判定開始値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、起動タイミング比較器とを含み、前記発振安定タイミング記憶部は、前記発振周期判定部が肯定的な判定を行ったとき、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記判定開始値として記憶し、前記起動タイミング比較器は、前記発振安定タイミング記憶部に前記判定開始値が記憶されている場合、前記記憶されている前記判定開始値と前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値とを比較して、当該カウント値が前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記判定開始値に達した場合に前記抑止を解除することとしてもよい。
【0042】
このように構成すると、半導体集積回路は、まず、実際に発振周期判定部が肯定的な判定をした際の低速クロックカウンタでカウントされている数を取得して判定開始値として記憶する。その記憶にかかる判定開始値を用いて発振周期判定部による判定の開始のタイミングを制御する。したがって、上記構成の半導体集積回路は、低消費電力化の点で最適な判定開始のタイミングを取得することができる。
【0043】
ところで、上記の技術では、前記検知を開始した後、発振周期判定部による判定の開始を遅らせることで低消費電力化を実現しているが、高速発振器の発振が時間の経過とともに徐々に安定していくという性質に着目すると、安定した時点の検出方法を工夫することで、さらに低消費電力化を実現することができる。
具体的には、前記半導体集積回路は、さらに、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、安定タイミング値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、前記信号出力部から前記出力される前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知信号受信部により安定検知信号を受信した場合に、前記安定検知信号の出力にかかる肯定的な判定が前記発振周期判定部によりなされた時の、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記安定タイミング値として前記発振安定タイミング記憶部に記憶させる発振安定待ち制御部とを含み、前記発振安定待ち制御部は、前記発振安定タイミング記憶部に前記安定タイミング値が記憶されている場合に前記検知が開始すると、前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値と前記発振安定タイミング記憶部で記憶されている前記安定タイミング値とを比較し、前記低速クロックカウンタの前記カウント値が前記安定タイミング値に達した場合に安定検知信号を出力することとしてもよい。
【0044】
ここで、低速クロックの履歴に基づいて検知の精度を高める上記技術の場合、以下のようにするとよい。
すなわち、前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、前記半導体集積回路は、さらに、安定タイミング値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、前記信号出力部から前記出力される前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知信号受信部により安定検知信号を受信した場合に、前記安定検知信号の出力にかかる肯定的な判定が前記発振周期判定部によりなされた時の、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記安定タイミング値として前記発振安定タイミング記憶部に記憶させる発振安定待ち制御部とを含み、前記発振安定待ち制御部は、前記発振安定タイミング記憶部に前記安定タイミング値が記憶されている場合に前記検知が開始すると、前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値と前記発振安定タイミング記憶部で記憶されている前記安定タイミング値とを比較し、前記低速クロックカウンタの前記カウント値が前記安定タイミング値に達した場合に安定検知信号を出力することとしてもよい。
【0045】
この構成によると、一度、信号出力部から安定検知信号が出力されると、出力時点で低速クロックカウンタにおいてカウントされていた数を記憶する。したがって、以後、再度検知が行われた時は、発振周期判定部による判定を行わずとも、つまり高速クロック信号を用いなくとも、低速クロック信号のみによって前記検知を行うことができる。すなわち、この構成では、発振周期判定部そのものを動作させずとも前記検知を行うことができ、さらに低消費電力化を実現することができる。
【0046】
ところで、上記検知が行われた後、すなわち高速クロック信号が安定して生成されていると検知された後であっても、高速発振器が外乱などの何らかの悪影響や故障を起こすと、高速クロック信号が安定して生成されなくなる。
そこで、前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記信号出力部から前記安定検知信号が出力されない場合に、発振異常検知信号を出力することとしてもよい。
【0047】
また、前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に否定的な判定がなされた場合に、発振異常検知信号を出力することとしてもよい。
【0048】
これにより、前記検知が行われた後であっても、検知を再開して、検知の再開時に高速クロック信号が安定して生成されていなければ発振異常検知信号を出力するので、高速クロック信号が安定して生成されていないことを、例えば情報処理システムなどに通知することができる。したがって、情報処理システムの暴走等を防止することができ、スタンバイモードからノーマルモードへの移行時のみに前記検知を行う場合と比べて、情報処理システムの動作の安定性を高めることができる。
【0049】
上述の半導体集積回路は、具体的には以下のように構成するとよい。
すなわち、前記発振周期モニタ部は、前記信号出力部から安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期判定部に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信すると、前記発振周期判定部による前記判定を抑止する抑止部と、前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期判定部に前記判定を再開させる判定制御部と、前記判定の再開時に、再開から前記所定時間内に前記検知信号受信部により安定検知信号を受信しない場合に、発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含むこととしてもよい。
【0050】
また、前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力された後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる処理を行う発振周期モニタ部を備え、前記発振周期モニタ部は、前記発振周期一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期一致信号を受信しない場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含むこととしてもよい。
【0051】
また、前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力された後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる処理を行う発振周期モニタ部を備え、前記発振周期モニタ部は、前記発振周期不一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期不一致信号を受信した場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含むこととしてもよい。
【0052】
また、前記発振周期判定部は、前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力する発振周期比較器を含み、前記発振周期モニタ部は、前記発振周期一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期一致信号を受信しない場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含むこととしてもよい。
【0053】
なお、検知の再開時において、発振周期判定部に判定を再開させている間は、半導体集積回路がその分、動作することになり、電力を消費することとなる。
そこで、前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、前記発振周期モニタ部は、前記信号出力部から安定検知信号を受信する検知信号受信部と、前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期判定部に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信すると、前記発振周期判定部による前記判定を抑止する抑止部と、前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期判定部に前記判定を再開させる判定制御部と、前記判定制御部による前記再開時における、前記発振周期判定部が前記判定を行うための前記所定期間の長さを決定する測定期間決定部と、前記測定期間決定部により決定された前記所定期間の長さに応じた設定値を前記カウンタ数設定記憶部に記憶させる設定値制御部と、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により安定検知信号を受信しない場合に、発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含み、前記判定制御部は、前記再開時に、前記測定期間決定部により決定された長さに従って前記発振周期判定部に前記判定を行わせることとしてもよい。
【0054】
これにより、判定の再開時に発振周期判定部を動作させる時間を、低消費電力化等の要請に応えて柔軟に、例えば短くしたり長くしたりすることが出来る。こうすると、検知の再開時において、発振周期判定部の動作時間を短くする等することができ、半導体集積回路の低消費電力化を図れる。
なお、上記の構成において、前記所定期間とは、前記低速クロック信号の1クロック周期であることとしてもよい。
【0055】
また、前記発振周期判定部の判定にかかる前記所定の範囲とは、前記高速クロック信号と前記低速クロック信号のクロック周波数の比の値に基づいた範囲であることとしてもよい。
また、前記カウンタ数設定レジスタに記憶される前記設定値は、前記高速クロック信号と前記低速クロック信号のクロック周波数の比の値に基づく値であることとしてもよい。
【0056】
こうすることで、高速クロック信号の数をカウントするためのカウンタのサイズを小さくすることができ、半導体集積回路を小型化することができる。
なお、上記構成は、具体的には、以下のような構成を備えることとしてもよい。
すなわち、前記半導体集積回路は、所定回路へ供給される高速クロック信号が安定しているか検知するものであり、前記半導体集積回路は、さらに、前記安定検知信号が前記出力されるまで前記高速クロック信号の前記所定回路への供給を遮断し、前記安定検知信号が前記出力されるとその遮断を解除する第1のクロックゲーティング回路と、前記安定検知信号が前記出力されるまでまで前記低速クロック信号および前記高速クロック信号を自回路へ供給し、前記安定検知信号が前記出力されるとその供給を遮断する第2のクロックゲーティング回路とを備え、前記信号出力部は、前記安定検知信号を、前記第1および第2のクロックゲーティング回路それぞれへ出力することとしてもよい。
【0057】
また、本発明は、動作モードとして、高速クロック信号で動作するノーマルモードと、低速クロック信号で動作するスタンバイモードとを備え、前記ノーマルモードと前記スタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムであって、前記情報処理システムは、前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの切替の開始時に、前記高速クロック信号が高速発振器から安定して生成されているか検知する半導体集積回路を備え、前記半導体集積回路が前記検知を行うと前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの移行を完了し、前記半導体集積回路は、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定部と、肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力部とを備えることを特徴とする情報処理システムでもある。
【0058】
また、本発明は、動作モードとして、高速クロック信号で動作するノーマルモードと、低速クロック信号で動作するスタンバイモードとを備え、前記ノーマルモードと前記スタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムであって、前記情報処理システムは、前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの切替の開始時に、前記高速クロック信号が高速発振器から安定して生成されているか検知する半導体集積回路を備え、前記半導体集積回路が前記検知を行うと前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの移行を完了し、前記半導体集積回路は、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、前記発振周期判定部により肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力部とを備えることを特徴とする情報処理システムでもある。
【0059】
また、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する発振安定検知方法であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信ステップと、前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定ステップと、肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力ステップとを含むことを特徴とする発振安定検知方法でもある。
【0060】
また、本発明は、高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する発振安定検知方法であって、周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定ステップと、前記発振周期判定ステップにより肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力ステップとを含むことを特徴とする発振安定検知方法でもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
1 実施の形態1
以下、本発明にかかる半導体集積回路について、図面を用いて説明する。
1.1 概要
本発明の半導体集積回路を含む情報処理システムの概要を簡単に説明する。
情報処理システムは、低速クロック信号(クロックパルス)を周期的に生成する低速発振器と、高速クロック信号(クロックパルス)を周期的に生成する高速発振器とを備えている。また、動作モードとして、ノーマルモードとスタンバイモードとを備え、ノーマルモードとスタンバイモードとを切り替えて動作する。
【0062】
情報処理システムは、ノーマルモードにおいては、高速クロック信号により動作する。スタンバイモードにおいては、高速発振器の発振が停止して低速クロック信号により動作する。また、スタンバイモードにおいては、一部の回路にクロック信号を供給しない。こうすることで、低消費電力を実現する。
情報処理システムは、スタンバイモードからノーマルモードへと動作モードを切り替える際、スタンバイモードでは高速発振器の発振が停止しているので、まず、高速発振器の発振を開始する。情報処理システムは、以下に説明する本発明の半導体集積回路を備えている。そして、高速発振器の発振が安定しているかを、この半導体集積回路で検知し、検知したら、ノーマルモードへの移行を完了する。
【0063】
ここで、ノーマルモードとスタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムにおいて、前記検知が行われた後の処理、すなわち、スタンバイモードからノーマルモードへの移行を完了させるための処理や、ノーマルモードからスタンバイモードへ移行するための処理等は、従来広く知られており、また本発明の主要な部分でもないため、説明を省略する。以下、どのようにして高速発振器の発振が安定しているかを検知する技術を中心に説明する。
【0064】
1.2 半導体集積回路の構成
図1は、本発明の半導体集積回路1の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、半導体集積回路1は、CPU10(Central Processing Unit)と、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、クロックゲーティング回路43と、発振周期判定部20と、発振安定判定部30とを含む。発振周期判定部20は、カウンタ数設定レジスタ21と、発振周期比較器22と、発振カウンタ23とを含む。発振安定判定部30は、一致回数カウンタ33と、判定回数設定レジスタ31と、発振安定判定器32とを含む。
【0065】
半導体集積回路1は、低速クロック信号S1と、高速クロック信号S2とを受信して検知を行う。なお、低速発振器は、発振が安定している時は周波数が32kHzの低速クロック信号S1を生成し、高速発振器は、発振が安定している時は周波数が20MHzの高速クロック信号S2を生成するよう設定されていることとする。すなわち、低速クロック信号S1の1周期時間内に、高速クロック信号S2のパルスは625個(20M/32k)生成される。
【0066】
なお、CPU10は、半導体集積回路1の外部にある構成要素であるとしてもよい。例えば、情報処理システムの動作を制御するCPUであり、半導体集積回路1による検知に基づいて、動作モードを制御する。
以下、各構成要素の機能、具体的構成、および、接続関係(どの構成要素と接続されているか)について説明する。
【0067】
1.2.1 クロックゲーティング回路41
クロックゲーティング回路41は、低速クロック信号S1の入力を受け付けて、低速クロックG信号S3の出力を制御する。また、発振周期比較器22と発振カウンタ23と発振安定判定器32と接続される。図に示すように、発振安定判定器32からの出力は反転してクロックゲーティング回路41に入力される。クロックゲーティング回路41は、発振安定判定器32からの発振安定検知信号S7の出力を反転させた信号と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0068】
クロックゲーティング回路41は、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されるまで、発振周期比較器22、発振カウンタ23、発振安定判定器32に低速クロックG信号S3を供給する。発振安定検知信号S7が出力されると、発振周期比較器22、発振カウンタ23、発振安定判定器32への低速クロックG信号S3の供給を停止する。
【0069】
1.2.2 クロックゲーティング回路42
クロックゲーティング回路42は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックG信号S4の出力を制御する。また、発振カウンタ23と発振安定判定器32と接続される。図示するように、発振安定判定器32からの出力は反転してクロックゲーティング回路42に入力される。クロックゲーティング回路42は、発振安定判定器32からの発振安定検知信号S7の出力を反転させた信号と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0070】
クロックゲーティング回路42は、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されるまで、発振カウンタ23に高速クロックG信号S4を供給する。発振安定検知信号S7が出力されると、発振カウンタ23への高速クロックG信号S4の供給を停止する。
1.2.3 クロックゲーティング回路43
クロックゲーティング回路43は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックS信号S5の出力を制御する。また、発振安定判定器32と、CPU10と接続される。
【0071】
クロックゲーティング回路43は、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されるまで、CPU10への高速クロックS信号S5の供給を停止する。発振安定検知信号S7が出力されると、CPU10へ高速クロックS信号S5を供給する。
【0072】
1.2.4 発振周期判定部20
発振周期判定部20は、高速クロック信号の周波数が所定の範囲内に入っているか判定する機能を有する。
以下、発振周期判定部20の具体的構成について説明する。
1.2.4.1 カウンタ数設定レジスタ21
カウンタ数設定レジスタ21は、発振周期比較器22と接続される。
【0073】
カウンタ数設定レジスタ21は、任意の値を設定できるレジスタである。なお、本実施形態では、高速クロック信号S2の周波数の設定値(20MHz)と、低速クロック信号S1の周波数の設定値(32kHz)との比の値である625を記憶していることとする。
1.2.4.2 カウンタ数設定レジスタ21の補足
なお、レジスタに設定する値は、比の値と同値にする必要はなく、近傍の値、つまりほぼ同値の値であってもよい。
【0074】
また、レジスタの値の設定は、予め半導体集積回路1の製造者や利用者によってなされていることとしてもよいし、高速発振器や低速発振器が発振するクロック信号の周波数の情報を外部から取得し、取得した情報に基づいて、設定にかかるレジスタの値を半導体集積回路1が算出して設定することとしてもよい。
1.2.4.3 発振カウンタ23
発振カウンタ23は、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、発振周期比較器22と接続される。
【0075】
発振カウンタ23は、クロックゲーティング回路42から高速クロックG信号S4を受信してカウントアップする。すなわち、受信した高速クロックG信号S4の数をカウントする。また、クロックゲーティング回路41から低速クロックG信号S3の入力を受け付けており、低速クロックG信号S3のエッジの立ち上がりを検出すると、カウントしているカウント値(高速クロックG信号S4の数)をクリア(消去)する。なお、エッジの立ち下がりを基準としてカウンタのカウント値をクリアすることとしてもよい。以下の説明においては、主としてエッジの立ち上がりを基準として各機能ブロックの動作を開始させることとして説明するが、エッジの立ち下がりを基準としてもよいことは言うまでもない。
【0076】
発振カウンタ23のサイズ、つまり発振カウンタ23がカウントすることができる数の大きさは、高速クロック信号S2の周波数の設定値と、低速クロック信号S1の周波数の設定値との比の値に基づいて決定される。本実施形態では、高速発振器が発振を開始した後、一時的に設定周波数を上回る周波数の高速クロック信号を生成することを考慮して、前記比の値よりも数%(例えば5%)程度大きい数をカウントできるカウンタを用いることとする。
【0077】
1.2.4.4 発振カウンタ23の補足
もちろん、カウンタのサイズは、これに限らず、高速発振器の発振のしかた(発振が安定するまでの周波数の変遷、発振が安定するまでの時間等)を考慮して、カウンタのサイズを決定することとしてもよい。例えば、高速発振器が所定周波数の高速クロック信号S2を生成する場合に、所定周波数を超えた(オーバーシュートした)信号が生成される割合、または、生成される可能性が比較的小さい場合は、カウンタのサイズに余裕を持たせなくともよい。
【0078】
1.2.4.5 発振周期比較器22
発振周期比較器22は、クロックゲーティング回路41、カウンタ数設定レジスタ21、発振カウンタ23、一致回数カウンタ33と接続される。
発振周期比較器22は、クロックゲーティング回路41から出力される低速クロックG信号S3に同期して動作する論理回路である。動作のタイミングにおいては、発振カウンタ23でカウントされている数と、カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値とを取得し、比較する。比較の結果、発振カウンタ23でカウントされている数と、前記カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値とが一致、またはその差が所定値以内であれば、発振周期一致信号S6を一致回数カウンタ33へ出力する。
【0079】
なお、本実施形態では、発振カウンタ23でカウントされている数と、前記カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値との差が、カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値の数%(例えば、2%)以内であれば、発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を出力することとする。
1.2.4.6 発振周期判定部20の補足
上述の説明では、発振周期比較器22は、発振カウンタ23でカウントされている数(以下、この補足において「カウント値」と言う)と、カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値(以下、この補足において「設定値」と言う)とを取得し、その差分が所定値以内であれば発振周期一致信号S6を出力することとして説明した。
【0080】
差分に限らず、この他にもカウント値と設定値とを用いて様々な比較方法により発振周期一致信号S6の出力を制御することとしてもよい。例えば、設定値を基準として、カウント値が所定の範囲内に入っている場合に発振周期比較器22は発振周期一致信号S6を出力することとしてもよい。具体的には、「設定値の97%<カウント値<設定値の103%」等の条件をカウント値が満たす場合などが考えられる。
【0081】
1.2.5 発振安定判定部30
発振安定判定部30は、高速発振器による高速クロック信号S2の生成が安定しているか判定する機能を有する。本実施形態では、生成される高速クロック信号S2の周波数が所定周波数に達した回数に基づいて前記判定を行う。
以下、発振安定判定部30の具体的構成について説明する。
【0082】
1.2.5.1 判定回数設定レジスタ31
判定回数設定レジスタ31は、発振安定判定器32と接続される。
判定回数設定レジスタ31は、任意の値を設定できるレジスタである。
1.2.5.2 判定回数設定レジスタ31の補足
なお、判定回数設定レジスタ31に設定する値は、高速発振器の発振のしかたを考慮して決定するとよい。すなわち、高速発振器が所定周波数の高速クロック信号を生成する場合に、所定周波数の信号の出力が安定するまでに比較的時間がかかる場合は、このレジスタに設定する値を大きく、また、比較的短時間で安定する場合は、このレジスタに設定する値を小さくするとよい。こうすることで、高速発振器の発振が安定していることを早期に検知することができる。
【0083】
1.2.5.3 一致回数カウンタ33
一致回数カウンタ33は、発振周期比較器22と、発振安定判定器32と接続される。
一致回数カウンタ33は、発振周期比較器22から出力される発振周期一致信号S6を受け付けており、発振周期一致信号S6のエッジの立ち上がりを検出してカウントアップする。すなわち、発振周期一致信号S6が出力された数をカウントする。
【0084】
また、一致回数カウンタ33は、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7の入力を受け付けている。発振安定検知信号S7のエッジの立ち上がりを検出すると、カウントした値をクリアする。
1.2.5.4 一致回数カウンタ33の補足
なお、一致回数カウンタ33のサイズは、判定回数設定レジスタ31に設定する値に応じて定まる。つまり、判定回数レジスタに設定する値と同程度の数をカウントできるようにする必要がある。ただし、判定回数設定レジスタ31に設定する値は、上述の通り、高速発振器の発振のしかたに応じて定めることが好ましいため、一致回数カウンタ33の大きさもまた同様に高速発振器次第で定まる。
【0085】
1.2.5.5 発振安定判定器32
発振安定判定器32は、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、クロックゲーティング回路43と、判定回数設定レジスタ31と、一致回数カウンタ33と接続されている。
発振安定判定器32は、クロックゲーティング回路41から出力される低速クロックG信号S3に同期して所定の比較を行う論理回路である。比較のタイミングにおいては、一致回数カウンタ33でカウントされているカウント値(すなわち、発振周期一致信号S6が出力された回数)と、判定回数設定レジスタ31に記憶されている値とを取得し、比較する。比較の結果、前記出力数と、前記判定回数レジスタに記憶されている値とが一致すると、発振安定検知信号S7を、クロックゲーティング回路41、クロックゲーティング回路42、クロックゲーティング回路43、一致回数カウンタ33に出力する。
【0086】
発振安定判定器32は、発振安定検知信号S7の出力を開始すると、情報処理システムがノーマルモードからスタンバイモードへと移行するまでの間、発振安定検知信号S7を出力し続ける。情報処理システムがスタンバイモードへと移行すると、発振安定判定器32は、発振安定検知信号S7の出力を停止する。例えば、情報処理システムのOS(Operating System)等のソフトウェアが、動作モードをスタンバイモードへと移行させる処理を行う場合に、これらのソフトウェアが、発振安定判定器32による発振安定検知信号S7の出力を停止させることとすることが考えられる。
【0087】
1.2.6 CPU10
CPU10は、クロックゲーティング回路43と接続される。
発振安定検知信号S7が発振安定判定器32から出力されると、CPU10には、クロックゲーティング回路43から高速クロックS信号S5が供給される。CPU10は、高速クロックS信号S5が供給されることで、高速クロック信号に基づいたタイミングで動作する。
【0088】
なお、上述の例の他に、発振安定検知信号S7によって一致回数カウンタ33の値がクリアされないようにし、情報処理システムがノーマルモードからスタンバイモードに移行する際、または、検知の開始時に、一致回数カウンタ33の値がクリアされることとしてもよい。
また、情報処理システムは、高速クロックS信号S5が出力されることが半導体集積回路1による検知の完了であるとみなして、スタンバイモードからノーマルモードへの移行の処理を完了させて高速クロック信号S2による動作を開始することとしてもよい。
【0089】
1.3 動作
次に、上述のように構成された半導体集積回路1の動作について説明する。
図2は、実施の形態1における半導体集積回路1の動作例を示す図である。
図2は、上から順に、高速クロック生成状況101と、発振周期比較器動作102と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、一致回数カウンタ値105と、判定回数設定レジスタ値106と、S7出力状況107と、時間108を示す。
【0090】
時間108は、低速クロック信号の周期の半分の時間ごとに、「t1」「t2」「t3」・・と、時間を示している。
高速クロック生成状況101は、高速発振器が発振を開始してからの高速クロック信号S2の生成状況を示す。同図では、高速発振器が生成する高速クロック信号S2の周波数を縦軸に、時間を横軸として示している。また、同図で「所定周波数」とは、高速発振器が生成すべき高速クロック信号S2の周波数に相当する。同図では、時間の経過とともに、徐々に高速発振器の発振が安定している様子が示されている。
【0091】
発振周期比較器動作102は、発振周期比較器22において、低速クロックG信号S3と同期して発振カウンタ23から取得したカウント値と、カウンタ数設定レジスタ21に設定されている値との比較を行っている発振周期比較器22の動作を示した図である。縦軸は、発振カウンタ23から取得したカウント値を示す。なお、同図では、カウンタ数設定レジスタ21に設定されている値を、設定値102aとして示す。また、発振周期比較器22は、発振カウンタ23から取得したカウント値が、設定値102aに示す値を含む所定の範囲内(例えば、上述のように設定値102aを中心として数%以内の範囲)であれば発振周期一致信号S6を出力するが、この所定の範囲を、同図において点線で示す。
【0092】
低速クロック生成状況103は、低速発振器が生成している低速クロック信号S1のパルス波形を示す。
S6出力状況104は、発振周期比較器22から出力される発振周期一致信号S6と、時間との関係を示す。
一致回数カウンタ値105は、一致回数カウンタ33でカウントされている値と、時間との関係を示す。
【0093】
判定回数設定レジスタ値106は、判定回数設定レジスタ31で記憶されている値と、時間との関係を示す。なお、この例では、判定回数設定レジスタ31には「4」が記憶されていることとする。なお、判定回数設定レジスタ31に記憶されている値は、検知の過程で変化しないこととする(ただし、検知の過程で変化させることとしてもよい。例えば、検知開始から所定時間が経過しても検知されない場合に、この判定回数設定レジスタ31に記憶されている値をソフトウェア等により動的に変化させることとしてもよい。判定回数設定レジスタ31の記憶値を増加させれば、検知の信頼性を高めることができ、記憶値を減少させれば、検知を早期に行うことができる)。
【0094】
S7出力状況107は、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7と、時間との関係を示す。
発振周期比較器22は、低速クロックG信号S3と同期して、発振カウンタ23でカウントされている値を取得する。その取得値と、カウンタ数設定レジスタ21に設定されている値(設定値102a)との差分が所定範囲内に入っているか判定する。判定の結果、所定範囲内であれば、発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を出力する(例えば、S6出力状況104において、t7〜t8の時間を参照)。
【0095】
発振周期比較器22が発振周期一致信号S6を出力すると、一致回数カウンタ33のカウント値がカウントアップする(例えば、一致回数カウンタ値105において、t7〜t8の時間を参照)。
その後、一致回数カウンタ33でカウントされている値が、判定回数設定レジスタ31に記憶されている値と一致すると、発振安定判定器32は、発振安定検知信号S7を出力する(一致回数カウンタ値105と、判定回数設定レジスタ値106と、S7出力状況107において、t15〜t16の時間を参照)。
【0096】
2 実施の形態2
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
2.1 概要
上記の技術を用いて、高速クロック信号が安定して生成されていることを半導体集積回路1が検知して、情報処理システムがスタンバイモードからノーマルモードへと移行したとする。しかし、ノーマルモードへ移行してから高速クロック信号の発振に異常が発生すると、情報処理システムが不安定になるおそれがある。そこで、この実施形態では、図3に示すように、発振周期モニタ回路50を備えることとしている。
【0097】
発振周期モニタ回路50は、半導体集積回路が前記検知を行った後で、高速発振器の発振が安定しているかを所定のタイミングになるごとに(例えば、周期的に)確認する。
2.2 構成
図3は、実施の形態2の半導体集積回路1bの構成を示す機能ブロック図である。
構成は図示したとおりである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0098】
図3に示すように、実施の形態1と大きく異なる点は、発振周期モニタ回路50を備える点である。
また、クロックゲーティング回路について、構成が実施の形態1と異なる点は、クロックゲーティング回路41、42、43の代わりにクロックゲーティング回路44、45、46が備わる点である。なお、カウンタ数設定レジスタ21、判定回数設定レジスタ31、一致回数カウンタ33の接続関係および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0099】
2.2.1 クロックゲーティング回路44
クロックゲーティング回路44は、低速クロック信号S1の入力を受け付けて、低速クロックG信号S3の出力を制御する。また、発振周期比較器22と発振カウンタ23と発振安定判定器32と発振周期モニタ回路50と接続される。クロックゲーティング回路44は、発振周期モニタ回路50から出力される発振安定検知EN信号S8と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0100】
クロックゲーティング回路44は、発振周期モニタ回路50から出力される発振安定検知EN信号S8を受け付ける。発振安定検知EN信号S8を受け付けている間、クロックゲーティング回路44は、低速クロックG信号S3を、発振周期比較器22、発振カウンタ23、発振安定判定器32へ供給する。発振安定検知EN信号S8が発振周期モニタ回路50から出力されない間、クロックゲーティング回路44は、発振周期比較器22等への低速クロックG信号S3の供給を停止する。
【0101】
2.2.2 クロックゲーティング回路45
クロックゲーティング回路45は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックG信号S4の出力を制御する。また、発振カウンタ23と発振周期モニタ回路50と接続される。クロックゲーティング回路45は、発振周期モニタ回路50から出力される発振安定検知EN信号S8と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0102】
クロックゲーティング回路45は、発振周期モニタ回路50から出力される発振安定検知EN信号S8を受け付ける。発振安定検知EN信号S8を受け付けている間、クロックゲーティング回路45は、高速クロックG信号S4を、発振カウンタ23へ供給する。発振安定検知EN信号S8が発振周期モニタ回路50から出力されない間、クロックゲーティング回路45は、発振カウンタ23への高速クロックG信号S4の供給を停止する。
【0103】
2.2.3 クロックゲーティング回路46
クロックゲーティング回路46は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックS信号S5の出力を制御する。また、発振安定判定器32と、CPU10と、発振周期モニタ回路50と接続される。図示するように、発振周期モニタ回路50が出力する発振異常検出信号S9は、反転してクロックゲーティング回路46に入力される。クロックゲーティング回路46は、発振周期モニタ回路50からの発振異常検出信号S9の出力を反転させた信号と、発振安定判定器32からの発振安定検知信号S7と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0104】
クロックゲーティング回路46は、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力され、かつ、発振周期モニタ回路50から発振異常検出信号S9が出力されない間、高速クロックS信号S5をCPU10へ供給する。
2.2.4 発振カウンタ23
実施の形態2の発振カウンタ23は、実施の形態1の説明におけるクロックゲーティング回路41とクロックゲーティング回路42を、それぞれクロックゲーティング回路44、クロックゲーティング回路45と読み替えたものと同様である。
【0105】
2.2.5 発振周期比較器22
発振周期比較器22は、実施の形態2では、クロックゲーティング回路41に代えてクロックゲーティング回路44と接続されている。さらに、発振周期比較器22は、発振周期モニタ回路50と接続されている。
また、発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を、一致回数カウンタ33の他に、発振周期モニタ回路50へも出力する。
【0106】
2.2.6 発振安定判定器32
発振安定判定器32は、実施の形態2では、クロックゲーティング回路41に代えてクロックゲーティング回路44と、クロックゲーティング回路43に代えてクロックゲーティング回路46と、さらに、発振周期モニタ回路50とに接続されている。
発振安定判定器32は、実施の形態2では、クロックゲーティング回路44から出力される低速クロックG信号S3に同期して動作する。
【0107】
また、発振安定判定器32は、発振安定検知信号S7を、クロックゲーティング回路46、さらに、発振周期モニタ回路50に出力する。
2.2.7 発振周期モニタ回路50
発振周期モニタ回路50は、クロックゲーティング回路44、クロックゲーティング回路45、クロックゲーティング回路46、発振周期比較器22、発振安定判定器32、CPU10と接続されている。
【0108】
2.2.7.1 発振周期モニタ回路50の概要
まず概要を説明すると、発振周期モニタ回路50は、高速発振器が発振を開始し、半導体集積回路1bが検知を開始してから発振安定判定器32が発振安定検知信号S7を出力するまで、クロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45に発振安定検知EN信号S8を出力する。こうすることで、発振周期判定部20および発振安定判定部30にクロック信号を供給して動作させる。
【0109】
その後、発振周期モニタ回路50は、発振安定判定部30の発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されると、発振安定検知EN信号S8の出力を止めることにより発振周期判定部20等へのクロック信号の供給を停止させる。クロック信号の供給停止後、再検知のタイミングになるごとに、発振周期モニタ回路50は、再び発振安定検知EN信号S8を出力して発振周期判定部20等にクロック信号を供給し、発振周期比較器22が発振周期一致信号S6を出力するか監視する。このときに発振周期一致信号S6が出力されないと、発振異常検出信号S9をCPU10およびクロックゲーティング回路46に出力する。こうすることで、CPU10に高速発振器の発振に異常が発生したことを通知するとともに、高速クロック信号がCPU10に供給されないようにすることができる。
【0110】
2.2.7.2 発振周期モニタ回路50の動作
ここで、発振周期モニタ回路50の動作について、図面を用いて詳しく説明する。
図4は、発振周期モニタ回路50の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、発振周期モニタ回路50は、半導体集積回路1bが検知を開始した後、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されるまで(ステップS221:NO)、クロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45に発振安定検知EN信号S8を供給する(ステップS222)。
【0111】
検知開始後、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されると(ステップS221:YES)、クロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45への発振安定検知EN信号S8の供給を停止する(ステップS223)。
その後、再検知のタイミングになるまで待機し(ステップS224:NO)、再検知のタイミングになると(ステップS224:YES)、発振安定検知EN信号S8を、低速クロック信号の所定クロック周期の間、出力する(ステップS225)。
【0112】
発振周期モニタ回路50は、発振安定検知EN信号S8の出力から所定時間内に発振周期比較器22から発振周期一致信号S6の出力があるか検知し(ステップS226)、発振周期一致信号S6の検知があれば(ステップS226:YES)、再度、上述のステップS224〜ステップS226の処理を繰り返す。
ステップS226において、発振周期一致信号S6の検知がなければ(ステップS226:NO)、発振異常検出信号S9をCPU10およびクロックゲーティング回路46へ出力する(ステップS227)。
【0113】
ここで、ステップS224、ステップS225について補足する。具体的には、発振周期モニタ回路50は、発振安定検知EN信号S8をどれくらいの時間だけ出力し、どのタイミングで再検知を行い、また、発振異常検知信号S9をいつ出力するかについて説明する。
本実施形態では、一例として、ステップS225において、発振周期モニタ回路50は、発振安定検知EN信号S8を、低速クロック信号S1の2クロック周期に相当する時間だけクロックゲーティング回路43、クロックゲーティング回路44に供給することとする。これは、発振カウンタ23のカウント値をクリアしてから発振カウンタ23にカウントを行わせて、発振周期比較器22に比較を行わせるためである。
【0114】
また、発振周期モニタ回路50は、低速クロックG信号S3(クロックパルス)のエッジの立ち上がりより前であって、そのパルスの1つ前に生成されたパルスのエッジの立ち下がりの後に発振安定検知EN信号S8の供給を開始することとする。ただし、発振安定検知EN信号S8のエッジの立ち上がりから低速クロックG信号S3のエッジの立ち上がりまでの時間の長さは、低速クロックG信号S3の1クロック周期の半分以下とする。
【0115】
また、発振周期モニタ回路50は、発振安定検知EN信号S8の出力を開始してから低速クロック信号S1の2クロック周期に相当する時間の間に(すなわち発振安定検知EN信号S8を出力している間に)、発振周期比較器22から発振周期一致信号S6が出力されなかった場合に、低速クロックG信号S3と同期して発振異常検出信号S9をCPU10等へ出力することとする。
【0116】
また、低速クロック信号S1の4クロック周期に相当する時間の長さを、発振周期モニタ回路50の再検知の1周期の時間の長さとし、発振周期モニタ回路50は、周期的に発振安定検知EN信号S8を出力することとする。
2.2.7.3 発振周期モニタ回路50の補足
なお、上述した発振安定検知EN信号S8の出力時間の長さや、発振安定検知EN信号S8の供給開始のタイミングや、発振異常検出信号S9の出力タイミングや発振周期モニタ回路50の再検知の周期は一例であり、これに限られない。
【0117】
まず、発振安定検知EN信号S8の出力時間の長さおよび出力タイミングについて補足する。
(発振安定検知EN信号S8の出力時間の長さ)
低速クロックG信号S3に基づいて動作する発振周期比較器22に比較を行わせる必要があるので、低速クロック信号S1がクロックゲーティング回路44に入力されるタイミングでは、発振周期モニタ回路50は、発振安定検知EN信号S8を出力している必要がある。ただし、発振安定検知EN信号S8を出力する時間の長さは、低速クロック信号S1の1クロック周期より短い時間であってもよい。なぜなら、発振周期比較器22が発振周期一致信号S6を出力するか否かは、要するに発振カウンタ23に高速クロックG信号S4を供給する時間と、カウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値とにより定まるからである。
【0118】
例えば、発振周期モニタ回路50は、発振カウンタ23のカウント値をクリアした後、低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間だけ発振安定検知EN信号S8を出力することとしてもよい。この場合、発振安定検知EN信号S8の出力の終わり際に、低速クロック信号S1のエッジの立ち上がりが重なるようにする。こうすると、発振カウンタ23には、低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間、高速クロックG信号S4が入力される。
【0119】
このような構成は、例えば、まず、発振安定検知EN信号S8の出力を制御して所定の時点で発振カウンタ23に低速クロックG信号S3を入力させてそのカウント値をクリアさせる。その後、低速クロック信号S1のエッジの立ち下がり時に発振安定検知EN信号S8の出力を開始し、直後のエッジの立ち上がり時に発振安定検知EN信号S8の出力を停止することで実現できる。なお、この場合、特に回路等を設けなくとも低速クロック信号S1のみでこの構成を実現できる。なお、ここでは、低速クロック信号S1の1クロックパルスのロー(LO)の期間とハイ(HI)の期間の長さがほぼ等しいものとしている。
【0120】
ここで、カウンタ数設定レジスタ21には、高速発振器の発振が安定している場合に低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間に生成される高速クロック信号の数を記憶させておく。なお、低速クロック信号S1の1クロックパルスのローとハイの期間の長さの比が判明していれば、その比に応じた値をカウンタ数設定レジスタ21に設定し、発振周期モニタ回路50は、低速クロック信号S1のエッジの立ち上がりと立ち下がりの間に発振安定検知EN信号S8を出力することも考えられる。
【0121】
こうすることで、高速発振器の発振が安定していれば、発振周期比較器22に発振周期一致信号S6を出力させることができる。すなわち、発振周期モニタ回路50は、再検知を行うことができる。もちろん、発振安定検知EN信号S8の出力時間は、低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間に限らない。
以上の説明から明らかな通り、スタンバイモードからノーマルモードへの移行時にカウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値と、発振周期モニタ回路50による再検知の際にカウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値とは、異なっていてもよい。再検知の際にカウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値は、発振周期モニタ回路50が発振周期判定部20に高速クロックG信号S4を供給する時間に応じて定まる。
【0122】
再検知を行うと、発振周期判定部20に低速クロックG信号S3や高速クロックG信号S4が供給されるため、その分電力を消費する。したがって、再検知の精度に悪影響が出ない程度に、再検知の際に発振周期モニタ回路50が発振安定検知EN信号S8をクロックゲーティング回路44、クロックゲーティング回路45に出力する時間を調整することが望ましい。
【0123】
なお、発振周期モニタ回路50による再検知の際、発振周期判定部20に高速クロックG信号S4を供給する時間に応じて、カウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値が決定するが、この値をカウンタ数設定レジスタ21に記憶させるタイミングは、さまざまなものが考えられる。例えば、上述のステップS223においてクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45への発振安定検知EN信号S8の供給を停止する際に、カウンタ数設定レジスタ21にこの値を記憶させることとすることが考えられる。
【0124】
また、再検知の際にカウンタ数設定レジスタ21に記憶させる値は、予め定められた所定値としてもよい。この場合、再検知の際にクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45に発振安定検知EN信号S8を供給する時間も定まる。カウンタ数設定レジスタ21に値を記憶させる処理や、発振安定検知EN信号S8をクロックゲーティング回路44等に供給する時間の長さを決定する処理等は、発振周期モニタ回路50が行うこととしてもよいし、その他の回路、またはソフトウェアにより行うこととしてもよい。
【0125】
また、発振周期モニタ回路50は、低速クロック信号S1の入力を、低速発振器から受け付けておくこととするとよい。こうすることで、低速クロック信号S1の発生のタイミングを発振周期モニタ回路50が取得することができる。また、この場合、低速クロック信号S1のエッジの立ち上がりと立ち下がり(すなわち、低速クロック信号S1のHI区間とLO区間)を用いると、発振周期モニタ回路50は、上述の低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間を容易に知得することができる。また、PLL(Phase-locked loop)回路等を用いれば、低速クロック信号S1の1クロック周期の2分の1の時間に限らず、発振周期モニタ回路50は、様々な時間を知得することができる。
【0126】
(発振安定検知EN信号S8の出力タイミング)
次に、発振異常検出信号S9の出力タイミングについて補足する。
上述の例に限らず、再検知によって低速クロックG信号S3が発振周期比較器22に入力されてから所定時間内に発振周期一致信号S6が発振周期比較器22から出力されなかった場合に、発振周期モニタ回路50は、発振異常検出信号S9を出力することとしてもよい。
【0127】
ここでいう前記所定時間は、発振周期比較器22が低速クロックG信号S3の入力を受けてから発振周期一致信号S6を出力するまでのタイムラグに相当する時間を考慮して決定する。すなわち、低速クロックG信号S3が発振周期比較器22に入力されてからタイムラグに相当する間は、発振周期一致信号S6は出力されないので、タイムラグよりも前記所定時間を長くする必要がある。
【0128】
なお、あまりにも前記所定時間を短くしすぎると、発振周期一致信号S6が出力されているにもかかわらず、その出力がなされる前に、発振周期一致信号S6の出力がなかったものとして発振周期モニタ回路50が発振異常検出信号S9を出力する可能性があるので、再検知の精度を考慮して前記所定時間を決定する必要がある。
(再検知のタイミング)
上述のように、実施の形態2では、半導体集積回路1bは、高速発振器の発振が安定したと検知した後、所定のタイミングになるごとに、発振周期モニタ回路50により再検知を行う。ここで、上述の例では周期的に再検知を行うこととしているが、再検知のタイミングはこれに限られない。
【0129】
例えば、情報処理システムがノーマルモードでの動作を開始した後、異常な動作が検知された場合に、ソフトウェア等の制御によって発振周期モニタ回路50に再検知を行わせるとよい。異常な動作とは、例えば、プログラムがエラーの発生により異常終了した場合などである。このようにすると、プログラムがバグ等により異常終了したのか、高速発振器の発振が不安定になったがために異常終了したのかを情報処理システムのユーザ等が知ることができる。
【0130】
(発振異常検出信号S9の出力後)
上述の例において、発振周期モニタ回路50が発振異常検出信号S9を出力した後は、発振周期モニタ回路50は動作を終了することとして説明したが、CPU10に発振異常検出信号S9が出力されるので、再度、高速発振器の発振が安定しているかの検知を半導体集積回路1bが行うこととしてもよい。例えば、発振周期モニタ回路50からCPU10へと発振異常検出信号S9が出力された後、CPU10は、発振異常検出信号S9を受けて、情報処理システムをスタンバイモードに移行させ、発振周期モニタ回路50に、図4の処理を開始させることとしてもよい。
【0131】
2.3 動作
上述のように構成された半導体集積回路1bの動作について説明する。
図5は、実施の形態2における半導体集積回路1bの動作例を示す図である。
図5は、上から順に、高速クロック生成状況201と、発振周期比較器動作102と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、S8出力状況125と、S9出力状況109と、時間108を示す。
【0132】
なお、実施の形態1の図2と同様の箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
高速クロック生成状況201は、高速発振器の発振が安定して情報処理システムがスタンバイモードからノーマルモードへ移行した後の、高速発振器による高速クロック信号S2の生成状況を示す。
S8出力状況125は、発振周期モニタ回路50から出力される発振安定検知EN信号S8と、時間との関係を示す。
【0133】
S9出力状況109は、発振周期モニタ回路50から出力される発振異常検出信号S9と、時間との関係を示す。
なお、同図では、発振周期モニタ回路50による再検知は、低速クロック信号S1の4クロック周期ごとに行われる。例えば、発振周期モニタ回路50は、t1〜t8までを1周期として再検知を行う。
【0134】
t1〜t8までの区間において、発振周期モニタ回路50は、t3の時点での低速クロック信号S1のエッジの立ち上がりより前に発振安定検知EN信号S8の出力を開始する。同図では、t2〜t3の間に出力を開始する。発振周期モニタ回路50は、低速クロック信号S1の2クロック周期に相当する時間、発振安定検知EN信号S8を出力し続ける(S8出力状況125において、t2〜t7の時間を参照)。
【0135】
発振カウンタ23は、t3の時点の低速クロック信号S1のエッジの立ち上がりを検出して、カウントしている数をクリアし、高速クロック信号S2のカウントを開始する。
発振周期比較器22は、比較の結果、発振周期一致信号S6を出力する(S6出力状況104において、t5〜t6の時間を参照)。
発振周期モニタ回路50は、発振周期一致信号S6が出力されると、発振異常検出信号S9を出力しない(S9出力状況109において、t7〜t9の時間を参照)。
【0136】
その後、t8〜t16の区間において、発振周期モニタ回路50は、再検知を行う。この場合、高速クロック信号S2が安定して生成されておらず、発振周期比較器22から発振周期一致信号S6が出力されていない(S6出力状況104において、t13〜t14の時間を参照)。
そのため、発振周期モニタ回路50は、発振異常検出信号S9を出力する(S9出力状況109において、t15以降の時間を参照)。
【0137】
3 実施の形態3
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
3.1 概要
図6は、実施の形態3の半導体集積回路1cの構成を示す機能ブロック図である。
以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0138】
実施の形態3では、実施の形態1と比較して、半導体集積回路1cが発振周期測定開始タイミング制御部60を備えている点が異なる。
また、半導体集積回路1cには、クロックゲーティング回路41に代えてクロックゲーティング回路44が、クロックゲーティング回路42に代えてクロックゲーティング回路45が備わる。
【0139】
なお、カウンタ数設定レジスタ21、判定回数設定レジスタ31、一致回数カウンタ33の接続関係および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
発振周期測定開始タイミング制御部60は、半導体集積回路1cが検知を開始した後、発振周期判定部20の発振周期比較器22が発振周期一致信号S6を出力するまでの低速クロック信号S1の数をカウントして記憶する。
【0140】
検知が行われた後、再び半導体集積回路1cが検知を行う際、発振周期測定開始タイミング制御部60は、記憶している数の分だけ低速クロック信号S1が半導体集積回路1cに入力されるまで、発振周期判定部20への低速クロック信号S1および高速クロック信号S2の供給を遅らせる。要するに、高速発振器が発振を開始してから、高速クロック信号S2の周波数が初めて所定周波数に達するまでの間(検知を開始してから、発振周期判定部20が発振周期一致信号S6を出力するまでの間に相当する時間)、発振周期判定部20を動作させないようにすることで、半導体集積回路1cの低消費電力化を実現する。
【0141】
3.2 構成
以下、具体的に説明する。
図6に示すように、発振周期測定開始タイミング制御部60は、低速クロックカウンタ61と、発振周期安定タイミング記憶回路62と、起動タイミング比較器63と、クロックゲーティング制御回路64とを含む。
【0142】
3.2.1 低速クロックカウンタ61
低速クロックカウンタ61は、低速クロック信号S1を受信する。また、起動タイミング比較器63と、発振周期安定タイミング記憶回路62と、発振安定判定器32と接続される。
低速クロックカウンタ61は、半導体集積回路1cが検知を開始した後、低速クロック信号S1を受信してカウントアップする。すなわち、低速クロック信号S1の数をカウントする。また、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7の入力を受け付けており、発振安定検知信号S7を検出すると、カウントした値をリセットする。
【0143】
3.2.2 発振周期安定タイミング記憶回路62
発振周期安定タイミング記憶回路62は、低速クロックカウンタ61と、起動タイミング比較器63と、発振周期比較器22と接続される。
発振周期安定タイミング記憶回路62は、発振周期比較器22から出力される発振周期一致信号S6の入力を受け付けている。発振周期一致信号S6のエッジの立ち上がりを検出すると、低速クロックカウンタ61でカウントされている値を取得して記憶する。
【0144】
なお、発振周期安定タイミング記憶回路62は、自回路に記憶されている値を、周期的にクリアすることとしてもよい。また、初めて半導体集積回路1cが検知を行う場合、発振周期安定タイミング記憶回路62には、例えば、予め「0」が記憶されていることとする。
3.2.3 起動タイミング比較器63
起動タイミング比較器63は、低速クロック信号S1の入力を受け付けている。また、低速クロックカウンタ61と、発振周期安定タイミング記憶回路62と、発振安定判定器32と、クロックゲーティング制御回路64と接続される。
【0145】
起動タイミング比較器63は、低速クロック信号S1に同期して動作し、発振周期安定タイミング記憶回路62に記憶されている値と、低速クロックカウンタ61でカウントされている値を比較する。比較の結果、一致、または比較した値の差分が所定値以内であると、起動タイミング一致信号S10の、クロックゲーティング制御回路64への出力を開始する。本実施形態では、起動タイミング比較器63は、発振周期安定タイミング記憶回路62に記憶されている値と、低速クロックカウンタ61でカウントされている値との差が1以内になると、起動タイミング一致信号S10の出力を開始することとする。
【0146】
また、起動タイミング比較器63は、発振安定検知信号S7の入力を受け付けており、発振安定検知信号S7が入力されると起動タイミング一致信号S10の出力を停止する。なお、起動タイミング一致信号S10の出力を止めるトリガを、発振安定検知信号S7の入力としたが、これに限らず、情報処理システムがスタンバイモードに移行する際に、起動タイミング一致信号S10の出力が停止することとしてもよい。
【0147】
3.2.4 クロックゲーティング制御回路64
クロックゲーティング制御回路64は、起動タイミング比較器63と、発振安定判定器32と、クロックゲーティング回路44と、クロックゲーティング回路45と接続される。起動タイミング比較器63からクロックゲーティング制御回路64へ出力される起動タイミング一致信号S10は、反転してクロックゲーティング制御回路64へと入力される。
【0148】
クロックゲーティング制御回路64は、起動タイミング一致信号S10の出力を反転させた信号と、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7とを受け付けるNOR回路である。NOR回路による論理演算の結果を、発振安定検知EN信号S8としてクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45へ出力する。すなわち、発振安定検知信号S7の出力がある場合、または、起動タイミング一致信号S10の出力がない場合、あるいはその両方の場合、クロックゲーティング制御回路64は、発振安定検知EN信号S8をクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45へ出力しない。発振安定検知信号S7の出力がなく、かつ、起動タイミング一致信号S10の出力がある場合に、クロックゲーティング制御回路64は、発振安定検知EN信号S8をクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45へ出力する。
【0149】
3.2.5 発振カウンタ23
発振カウンタ23は、実施の形態1の説明におけるクロックゲーティング回路41とクロックゲーティング回路42を、それぞれクロックゲーティング回路44、クロックゲーティング回路45と読み替えたものと同様である。
3.2.6 発振周期比較器22
発振周期比較器22は、実施の形態3では、クロックゲーティング回路41に代えてクロックゲーティング回路44と接続されている。さらに、発振周期比較器22は、発振周期安定タイミング記憶回路62と接続されている。
【0150】
発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を、一致回数カウンタ33の他に、発振周期安定タイミング記憶回路62へも出力する。
3.2.7 発振安定判定器32
発振安定判定器32は、実施の形態3では、クロックゲーティング回路44と、クロックゲーティング回路43と、クロックゲーティング制御回路64と、起動タイミング比較器63と、低速クロックカウンタ61と、一致回数カウンタ33に接続されている。
【0151】
発振安定判定器32は、実施の形態3では、クロックゲーティング回路44から出力される低速クロックG信号S3に同期して動作する。
また、発振安定判定器32は、発振安定検知信号S7を、クロックゲーティング回路43と、クロックゲーティング制御回路64と、起動タイミング比較器63と、低速クロックカウンタ61と、一致回数カウンタ33に出力する。
【0152】
3.2.8 クロックゲーティング回路44
クロックゲーティング回路44は、図示するように、低速クロック信号S1の入力を受け付けて、低速クロックG信号S3の出力を制御する。また、接続について実施の形態1のクロックゲーティング回路41と異なる点は、クロックゲーティング制御回路64と接続される点である。クロックゲーティング回路44は、発振安定検知EN信号S8と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0153】
3.2.9 クロックゲーティング回路45
クロックゲーティング回路45は、図示するように、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックG信号S4の出力を制御する。また、発振カウンタ23と、クロックゲーティング制御回路64と接続される。クロックゲーティング回路45は、発振安定検知EN信号S8と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0154】
3.3 動作
上述のように構成された半導体集積回路1cの動作について説明する。
図7は、実施の形態3における半導体集積回路1cの動作例を示す図である。
上から順に、高速クロック生成状況101と、発振周期比較器動作102と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、S7出力状況107と、低速クロックカウンタ値110と、発振周期安定タイミング記憶値111と、S10出力状況112と、S8出力状況113と、発振カウンタ動作状況114と、時間108を示す。
【0155】
なお、実施の形態1と同様の箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
低速クロックカウンタ値110は、低速クロックカウンタ61でカウントされている値と時間との関係を示す。
発振周期安定タイミング記憶値111は、発振周期安定タイミング記憶回路62の記憶している値と時間との関係を示す。
【0156】
S10出力状況112は、起動タイミング比較器63から出力される起動タイミング一致信号S10と、時間との関係を示す。
S8出力状況113は、クロックゲーティング制御回路64による発振安定検知EN信号S8の出力と、時間との関係を示す。
発振カウンタ動作状況114は、発振カウンタ23が動作しているか否かを時間と対応づけて示す。ここでいう動作とは、クロックゲーティング回路45に発振安定検知EN信号S8が供給されることで発振カウンタ23が高速クロックG信号S4のカウントを行っていることをいう。
【0157】
図7(a)は、半導体集積回路1cによる検知の1回目、または、発振周期安定タイミング記憶回路62の記憶値がクリアされた状態の動作例を示す。
この場合の動作例では、発振周期安定タイミング記憶回路62には、「0」が記憶されていることとする(発振周期安定タイミング記憶値111のt1〜t8の時間を参照)。発振周期安定タイミング記憶回路62の記憶値と、低速クロックカウンタ61のカウント値との差が1以内なので、起動タイミング比較器63は、起動タイミング一致信号S10を出力する。
【0158】
発振周期比較器22が発振周期一致信号S6を出力すると、発振周期安定タイミング記憶回路62は、低速クロックカウンタ61のカウント値を取得して記憶する(発振周期安定タイミング記憶値111のt7〜t8の時間を参照)。
その後、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されると(S7出力状況107のt15〜t16の時間を参照)、低速クロックカウンタ61は、カウント値をリセットし(低速クロックカウンタ値110のt15以降の時間を参照)、起動タイミング比較器63は、起動タイミング一致信号S10の出力を停止する(S10出力状況112のt15以降の時間を参照)。また、クロックゲーティング制御回路64は、クロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45への発振安定検知EN信号S8の供給を停止する(S8出力状況113のt15以降の時間を参照)。発振安定検知EN信号S8の供給の停止により、発振カウンタ23は、その動作を停止する(発振カウンタ動作状況114のt15以降の時間を参照)。
【0159】
続いて、2回目以降の検知について説明する。
図7(b)は、半導体集積回路1cによる検知の2回目以降の動作例を示す。
なお、上述のように、発振周期安定タイミング記憶回路62に記憶されている値と、低速クロックカウンタ61でカウントされている値との差が1以内になると、起動タイミング比較器63は、起動タイミング一致信号S10の出力を開始する。また、図7(a)で説明したように、発振周期安定タイミング記憶回路62には「4」が記憶されていることとする。
【0160】
検知の開始後、低速クロック信号S1の数を低速クロックカウンタ61がカウントし、カウントされている値と、発振周期安定タイミング記憶回路62に記憶されている値との差が1以内になると、起動タイミング比較器63は、起動タイミング一致信号S10の出力を開始する(低速クロックカウンタ値110と、発振周期安定タイミング記憶値111と、S10出力状況112のt25〜t26の時間を参照)。起動タイミング一致信号S10が起動タイミング比較器63から出力されると、クロックゲーティング制御回路64は、発振安定検知EN信号S8を、クロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45へ供給する(S8出力状況113のt25〜t26の時間を参照)。この供給により、発振カウンタ23は、動作を開始する(発振カウンタ動作状況114のt25〜t26の時間を参照)。
【0161】
その後、発振周期判定部20および発振安定判定部30が動作を開始し、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7が出力されると、クロックゲーティング制御回路64は、発振安定検知EN信号S8の供給を停止し、この供給の停止により発振カウンタ23の動作が停止する(S8出力状況113と、発振カウンタ動作状況114のt35〜t36の時間を参照)。
【0162】
4 実施の形態4
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
4.1 概要
図8は、実施の形態4の半導体集積回路1dの構成を示す機能ブロック図である。
以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0163】
実施の形態4では、実施の形態1と比較して、半導体集積回路1dが発振安定タイミング記憶部70を備えている点が異なる。
また、半導体集積回路1dには、クロックゲーティング回路41に代えてクロックゲーティング回路47が、クロックゲーティング回路42に代えてクロックゲーティング回路48が、クロックゲーティング回路43に代えてクロックゲーティング回路49が備わる。
【0164】
なお、カウンタ数設定レジスタ21、判定回数設定レジスタ31、一致回数カウンタ33の接続関係および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
発振安定タイミング記憶部70は、半導体集積回路1dが検知を開始した後、発振安定判定部30の発振安定判定器32が発振安定検知信号S7を出力するまでの間に生成される低速クロック信号S1の数をカウントして記憶する。
【0165】
検知が行われた後、再び半導体集積回路1dが検知を行う際、発振安定タイミング記憶部70は、発振周期判定部20や発振安定判定部30への低速クロックG信号S3や高速クロックG信号S4の供給を抑止する。また、発振安定タイミング記憶部70は、低速クロック信号S1のカウントを行い、カウント数が、記憶されている数に達すると、発振安定待ち解除信号S11をクロックゲーティング回路49へ出力する。クロックゲーティング回路49は、発振安定待ち解除信号S11を受け付けて、CPU10へ高速クロックS信号S5を出力する。
【0166】
要するに、実施の形態4の発明は、半導体集積回路1dがひとたび検知を行うと、次回以降の検知では、発振周期判定部20や発振安定判定部30にクロック信号を供給することなく検知を行うことを特徴とする。こうすることで、高速クロックG信号S4や低速クロックG信号S3が発振周期判定部20や発振安定判定部30に供給されないので、半導体集積回路1dの低消費電力化を実現することができる。
【0167】
なお、本実施形態では、低速クロック信号S1のみを用いて検知を行うため、発振安定検知にかかる消費電力を大幅に減らすことができる。
4.2 構成
以下、具体的に説明する。
図8に示すように、発振安定タイミング記憶部70は、低速クロックカウンタ71と、発振安定タイミング記憶回路72と、発振安定待ち制御回路73と、発振安定検知制御回路74とを含む。
【0168】
4.2.1 低速クロックカウンタ71
低速クロックカウンタ71は、低速クロック信号S1の入力を受け付けている。また、発振安定タイミング記憶回路72と、発振安定待ち制御回路73と接続される。
低速クロックカウンタ71は、半導体集積回路1dが検知を開始する際には、そのカウント値がリセットされている。例えば、情報処理システムがスタンバイモードからノーマルモードへと移行する移行開始を検知する所定の回路が、その検知時に低速クロックカウンタ71のカウント値をリセットすることとしてもよい。
【0169】
低速クロックカウンタ71は、半導体集積回路1dが検知を開始した後、低速クロック信号S1を受信してカウントアップする。すなわち、低速クロック信号S1の数をカウントする。
4.2.2 発振安定タイミング記憶回路72
発振安定タイミング記憶回路72は、低速クロックカウンタ71と、発振安定待ち制御回路73と、発振安定判定器32と接続される。
【0170】
発振安定タイミング記憶回路72は、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7の入力を受け付けている。発振安定検知信号S7のエッジの立ち上がりを検出すると、低速クロックカウンタ71でカウントされている値を取得して記憶する。なお、本実施形態では、発振安定タイミング記憶回路72は、初めに「0」を記憶していることとする。
【0171】
また、発振安定タイミング記憶回路72は、自回路に記憶されている値を、所定のタイミングになるごとに(例えば周期的に)クリアすることとしてもよい。
4.2.3 発振安定待ち制御回路73
発振安定待ち制御回路73は、低速クロック信号S1の入力を受け付けている。また、低速クロックカウンタ71と、発振安定タイミング記憶回路72と、発振安定判定器32と、クロックゲーティング回路49と接続される。
【0172】
発振安定待ち制御回路73は、低速クロック信号S1に同期して動作し、発振安定タイミング記憶回路72に記憶されている値と、低速クロックカウンタ71でカウントされている値とを比較し、一致、または比較した値の差分が所定値以内になると、発振安定待ち解除信号S11をクロックゲーティング回路49へ出力する。
また、発振安定待ち制御回路73は、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7を受け付けており、発振安定検知信号S7を受け付けると、発振安定待ち解除信号S11をクロックゲーティング回路49へ出力する。なお、本実施形態では、発振安定タイミング記憶回路72に記憶されている値と、低速クロックカウンタ71でカウントされている値とが一致した場合に発振安定待ち解除信号S11が出力されることとする。
【0173】
4.2.4 発振安定検知制御回路74
発振安定検知制御回路74は、発振安定判定器32と、クロックゲーティング回路47と、クロックゲーティング回路48と接続される。
発振安定検知制御回路74は、半導体集積回路1dの1回目の検知時、または発振安定タイミング記憶回路72の記憶値がクリアされた状態における検知時において、発振安定判定器32から出力される発振安定検知信号S7を受け付けており、発振安定検知信号S7を受け付けると、クロックゲーティング回路47およびクロックゲーティング回路48へ安定検知回路停止信号S12を出力する。なお、図示するように、クロックゲーティング回路47およびクロックゲーティング回路48へは、安定検知回路停止信号S12の出力が反転して入力される。
【0174】
なお、発振安定検知制御回路74は、発振安定判定器32から発振安定検知信号S7を受け付けているか否かを示す値をレジスタ等の記憶部に保持している。例えば、レジスタの値が「1」であれば発振安定検知信号S7を受け付けており、値が「0」であれば発振安定検知信号S7を受け付けていない状態を示すこととする。発振安定検知信号S7を受け付けている状態であれば、発振安定検知制御回路74は、安定検知回路停止信号S12を出力する。なお、このレジスタの値は、発振安定タイミング記憶回路72の記憶値がクリアされた場合、発振安定検知信号S7を受け付けていない状態を示すこととする。なお、1回目の検知時には、このレジスタの値は、発振安定検知信号S7を受け付けていない状態を示す。
【0175】
発振安定検知制御回路74は、発振安定検知信号S7を受け付けた状態であれば、安定検知回路停止信号S12を出力する。
4.2.5 クロックゲーティング回路47
クロックゲーティング回路47は、低速クロック信号S1の入力を受け付けて、低速クロックG信号S3の出力を制御する。また、接続について実施の形態1のクロックゲーティング回路41と異なる点は、発振安定検知制御回路74と接続されている点である。クロックゲーティング回路47は、安定検知回路停止信号S12の出力を反転させた信号と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0176】
4.2.6 クロックゲーティング回路48
クロックゲーティング回路48は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックG信号S4の出力を制御する。また、発振カウンタ23と、発振安定検知制御回路74と接続される。クロックゲーティング回路48は、安定検知回路停止信号S12の出力を反転させた信号と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0177】
4.2.7 クロックゲーティング回路49
クロックゲーティング回路49は、高速クロック信号S2の入力を受け付けて、高速クロックS信号S5の出力を制御する。また、発振安定待ち制御回路73と、CPU10と接続される。発振安定待ち制御回路73から発振安定待ち解除信号S11が出力されるまで、CPU10への高速クロックS信号S5の供給を停止する。クロックゲーティング回路49は、発振安定待ち解除信号S11と、高速クロック信号S2とを受け付けるAND回路である。
【0178】
4.3 動作
上述のように構成された半導体集積回路1dの動作について説明する。
図9は、実施の形態4における半導体集積回路1dの動作例を示す図である。
上から順に、高速クロック生成状況101と、発振周期比較器動作102と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、一致回数カウンタ値105と、判定回数設定レジスタ値106と、S7出力状況107と、低速クロックカウンタ値110bと、発振安定タイミング記憶値115と、S11出力状況116と、S12出力状況117と、時間108とを示す。
【0179】
なお、実施の形態1と同様の箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
低速クロックカウンタ値110bは、低速クロックカウンタ71でカウントされている値と時間との関係を示す。
発振安定タイミング記憶値115は、発振安定タイミング記憶回路72において記憶されている値と時間との関係を示す。
【0180】
S11出力状況116は、発振安定待ち制御回路73から出力される発振安定待ち解除信号S11と、時間との関係を示す。
S12出力状況117は、発振安定検知制御回路74から出力される安定検知回路停止信号S12と、時間との関係を示す。
図9(a)は、半導体集積回路1dによる検知の1回目または発振安定タイミング記憶回路72の記憶値がクリアされた状態における半導体集積回路1dの動作例を示す。
【0181】
この場合の動作例では、発振安定タイミング記憶回路72には、「0」が記憶されていることとする(発振安定タイミング記憶値115のt1以降の時間を参照)。
発振安定検知制御回路74からは安定検知回路停止信号S12が出力されておらず、そのため低速クロックG信号S3および高速クロックG信号S4が発振周期判定部20や発振安定判定部30に供給され、やがて発振安定判定器32が発振安定検知信号S7を出力する(S7出力状況107のt15〜t16の時間を参照)。
【0182】
発振安定検知信号S7が出力されると、発振安定タイミング記憶回路72は、低速クロックカウンタ71でカウントされている値を取得して記憶する(発振安定タイミング記憶値115のt15以降の時間を参照)。この例では、カウントされている値として「8」を取得して記憶する。また、発振安定待ち制御回路73は、発振安定検知信号S7を受け付けて、発振安定待ち解除信号S11を出力する(S11出力状況116のt15以降の時間を参照)。これにより、クロックゲーティング回路49からCPU10へと高速クロックS信号S5が供給される。また、発振安定検知制御回路74は、発振安定検知信号S7を受け付けて、安定検知回路停止信号S12を出力する(S12出力状況117のt15以降の時間を参照)。これにより、低速クロックG信号S3および高速クロックG信号S4の、発振周期判定部20や発振安定判定部30への供給が停止される。
【0183】
図9(b)は、半導体集積回路1dによる検知の2回目以降の動作例を示す。
なお、上述のように、発振安定タイミング記憶回路72に記憶されている値と、低速クロックカウンタ71でカウントされている値とが一致した場合に、発振安定待ち制御回路73は、発振安定待ち解除信号S11を出力することとする。
2回目以降の検知では、安定検知回路停止信号S12が出力されることにより、発振周期判定部20や発振安定判定部30に低速クロックG信号S3および高速クロックG信号S4が供給されない(S12出力状況117のt21以降の時間を参照)。そのため、発振周期一致信号S6や、発振安定検知信号S7は出力されず、また、一致回数カウンタ33はカウントアップを行わない(S6出力状況104と、一致回数カウンタ値105と、S7出力状況107のt21以降の時間を参照)。
【0184】
低速クロックカウンタ71でカウントされている値が発振安定タイミング記憶回路72で記憶されている値と一致すると、発振安定待ち制御回路73は、発振安定待ち解除信号S11を出力する(S11出力状況116のt35〜t36の時間を参照)。
5 実施の形態5
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
【0185】
5.1 概要
図10は、実施の形態5の半導体集積回路1eの構成を示す機能ブロック図である。
以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態5の半導体集積回路1eは、実施の形態1の発振安定判定部30とは異なる発振安定判定部80を備えている。
【0186】
実施の形態5にかかる発振安定判定部80は、要するに、高速クロック信号S2の周波数の変動が大きいか小さいかを判定し、変動が小さければ発振が安定しているとして検知を行う。つまり、高速クロック信号S2の周波数が所定周波数に達したからといって、必ずしも高速発振器の発振が安定しているとは限らず、周波数の変動が大きい場合があるが、本実施形態によると、周波数の変動が大きいか小さいかを判定できるので、検知の精度を向上させることができる。
【0187】
また、高速発振器の異常等の原因により高速クロック信号S2の周波数が所定周波数に達していない場合に、従来のようにクロックパルスの数を所定数以上カウントすることで検知が行われてしまうといった問題も、半導体集積回路1eは解決している。なぜなら、半導体集積回路1eは、所定周波数に達している高速クロック信号S2の変動に基づいて検知を行っている、つまり、高速クロック信号S2の周波数が所定周波数であることを前提にしているからである。
【0188】
具体的に高速クロック信号S2の周波数の変動の大きさを判定するために、発振安定判定部80は、高速クロック信号S2が発振カウンタ23でカウントされた値の履歴を記憶する。高速発振器の発振が安定していれば、履歴として記憶されている記憶値のそれぞれの差分は小さくなるはずである。この差分の大きさに基づいて、発振安定判定部80は、高速クロック信号S2の周波数が安定しているか判定する。
【0189】
5.2 構成
上記技術は、図10に示すように、以下のようにして実現される。
すなわち、発振安定判定部80は、第1発振カウンタ値記憶器81と、第2発振カウンタ値記憶器82と、差分判定設定レジスタ83と、差分比較器84と、判定回数設定レジスタ85と、発振安定判定器86とを含む。
【0190】
5.2.1 第1発振カウンタ値記憶器81
第1発振カウンタ値記憶器81は、クロックゲーティング回路41と、発振カウンタ23と、第2発振カウンタ値記憶器82と、差分比較器84と接続されている。
第1発振カウンタ値記憶器81は、低速クロックG信号S3に同期して動作し、発振カウンタ23のカウント値を取得して記憶する。なお、低速クロックG信号S3が発振カウンタ23に入力されてそのカウント値がリセットされる前に、第1発振カウンタ値記憶器81は発振カウンタ23のカウント値を取得して記憶するものとする。
【0191】
5.2.2 第2発振カウンタ値記憶器82
第2発振カウンタ値記憶器82は、クロックゲーティング回路41と、第1発振カウンタ値記憶器81と、差分比較器84と接続されている。
第2発振カウンタ値記憶器82は、低速クロックG信号S3に同期して動作し、第1発振カウンタ値記憶器81で記憶されている値を取得して記憶する。なお、第2発振カウンタ値記憶器82は、同期にかかる低速クロックG信号S3の1クロック周期前の信号に同期して第1発振カウンタ値記憶器81が発振カウンタ23から取得して記憶したカウント値を、第1発振カウンタ値記憶器81から取得する。すなわち、低速クロックG信号S3の1クロック周期前に第1発振カウンタ値記憶器81によって発振カウンタ23から取得された値を、第2発振カウンタ値記憶器82は記憶することとする。例えば、第1発振カウンタ値記憶器81と第2発振カウンタ値記憶器82とに低速クロックG信号S3がほぼ同時に入力されるとしても、第1低速クロックカウンタ値記憶器81が、低速クロックG信号S3を受け付けてから発振カウンタ23の値を取得するまでの時間を、バッファ等を論理回路に挿入することにより遅延させればよい。
【0192】
要するに、第1発振カウンタ値記憶器81と第2発振カウンタ値記憶器82とは、発振カウンタ23のカウント値の履歴を記憶している。
5.2.3 差分判定設定レジスタ83
差分判定設定レジスタ83は、差分比較器84と接続される。
差分判定設定レジスタ83は、任意の値を設定できるレジスタである。この値は、例えば、高速クロック信号S2と低速クロック信号S1の周波数の比の値(実施の形態1の例で言うと、625)の数%(例えば、約2%に相当する12)を基準の値とするとよい。なお、高速発振器の発振が安定している時の高速クロック信号S2の変動の大きさを考慮して、この基準の値を大きくしたり小さくしたりした値を差分判定設定レジスタ83に設定してもよい。例えば、上記変動が比較的小さい場合は、この基準の値をさらに小さくした値を差分判定設定レジスタ83に設定するとよい。
【0193】
5.2.4 差分比較器84
差分比較器84は、クロックゲーティング回路41と、第1発振カウンタ値記憶器81と、第2発振カウンタ値記憶器82と、差分判定設定レジスタ83と、発振安定判定器86と接続される。
差分比較器84は、低速クロックG信号S3に同期して動作し、第1発振カウンタ値記憶器81に記憶されている値と、第2発振カウンタ値記憶器82に記憶されている値とを比較して、比較した値の差分が、差分判定設定レジスタ83に記憶されている値以下であれば発振周期安定信号S13を発振安定判定器86へ出力する。なお、差分比較器84は、同期にかかる低速クロックG信号S3によって第1発振カウンタ値記憶器81の記憶値と第2発振カウンタ値記憶器82の記憶値とが更新されてから前記比較を行うこととする。
【0194】
5.2.5 判定回数設定レジスタ85
判定回数設定レジスタ85は、発振安定判定器86と接続される。
判定回数設定レジスタ85は、任意の値を設定できるレジスタである。本実施形態では、「2」を設定することとする。
5.2.6 発振安定判定器86
発振安定判定器86は、発振周期比較器22と、差分比較器84と、判定回数設定レジスタ85と、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、クロックゲーティング回路43と接続される。
【0195】
発振安定判定器86は、発振周期比較器22から出力される発振周期一致信号S6と、差分比較器84から出力される発振周期安定信号S13とを受け付けており、発振周期一致信号S6と発振周期安定信号S13とが同時に入力された回数が、判定回数設定レジスタに設定された値と一致すると、発振周期安定信号S13を出力する。
例えば、発振安定判定器86は、発振周期一致信号S6と発振周期安定信号S13を入力とするAND回路と、このAND回路を通過したパルスの数をカウントするカウンタとを含んでいる。発振安定判定器86は、前記カウンタのカウント値が判定回数設定レジスタ85に記憶されている値と一致すると、発振安定検知信号S7を、クロックゲーティング回路41、クロックゲーティング回路42、クロックゲーティング回路43に出力する。なお、このカウンタのカウント値は、情報処理システムがノーマルモードへと移行した際にクリアされることとする。
【0196】
5.2.7 クロックゲーティング回路41
クロックゲーティング回路41は、接続関係は実施の形態1と異なる。実施の形態5において、クロックゲーティング回路41は、図に示すように、発振周期比較器22と、発振カウンタ23と、第1発振カウンタ値記憶器81と、第2発振カウンタ値記憶器82と、差分比較器84と、発振安定判定器86と接続される。図に示すように、発振安定判定器86からの出力は反転してクロックゲーティング回路41に入力される。クロックゲーティング回路41は、発振安定判定器86からの発振安定検知信号S7の出力を反転させた信号と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0197】
5.2.8 その他
なお、クロックゲーティング回路42、クロックゲーティング回路43は、それぞれ実施の形態1で説明した各クロックゲーティング回路の説明において、発振安定判定器32を、発振安定判定器86と読み替えたものと同様である。
また、発振周期比較器22は、接続関係は実施の形態1とは異なる。図10に示すように、発振周期比較器22は、クロックゲーティング回路41と、カウンタ数設定レジスタ21と、発振カウンタ23と、発振安定判定器86と接続される。発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を、発振安定判定器86へ出力する。
【0198】
また、発振カウンタ23は、接続関係は実施の形態1とは異なる。図10に示すように、発振カウンタ23は、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、発振周期比較器22と、第1発振カウンタ値記憶器81と接続される。
また、カウンタ数設定レジスタ21は、実施の形態1と同様である。
このように構成することで、実施の形態1と比べて、高速クロック信号S2の周波数の変動を考慮して検知を行う分、検知の精度を向上させることができる。
【0199】
なお、上述の説明では、差分比較器84は、高速クロック信号S2が発振カウンタ23でカウントされた値の履歴を第1発振カウンタ値記憶器81および第2発振カウンタ値記憶器82により記憶しているが、発振カウンタ23のカウント値を記憶する記憶器の数は2つに限らない。
また、上述の説明では、差分比較器84は、第1発振カウンタ値記憶器81の記憶値と第2発振カウンタ値記憶器82の記憶値との差分に基づいて発振周期安定信号S13の出力を制御することとしている。したがって、減算の他に複雑な計算が必要とならないので、差分比較器84を簡単な構成で実現することができる。ここで、差分比較器84は、差分に限らず、その他の方法により発振周期安定信号S13の出力を制御することとしてもよい。例えば、第1発信カウンタ値記憶器81等の記憶器に記憶されている各記憶値に基づいて所定の演算を行い、演算結果に基づいて発振周期安定信号S13の出力を差分比較器84が制御することが考えられる。所定の演算とは、平均や分散や標準偏差等を算出することである。ここで、所定の演算とは、高速クロック信号S2の周波数のばらつきの度合を数値化できる演算であることが望ましい。例えば、第1発振カウンタ値記憶器81等に記憶されている記憶値の平均が所定範囲内(例えば、高速クロック信号S2と低速クロック信号S1の各周波数の比の値である625を中心とした範囲。中心から1%程度の範囲をとると、619以上631以下の範囲)であれば、差分比較器84により発振周期安定信号S13が出力されることとしてもよい。また、差分比較器84は、平均を求めずとも第1発信カウンタ値記憶器81等に記憶されている各記憶値の合計を所定値と比較することにより発振周期安定信号S13の出力を制御することとしてもよい。また、平均の他にも各記憶値の分散や標準偏差などを求めて、これら分散や標準偏差等に基づいて発振周期安定信号S13の出力を制御することとしてもよい。
【0200】
5.3 動作
上述のように構成された半導体集積回路1eの動作について説明する。
図11は、実施の形態5における半導体集積回路1eの動作例を示す図である。
上から順に、高速クロック生成状況101と、発振周期比較器動作102と、差分比較器動作118と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、S13出力状況119と、判定回数設定レジスタ値106bと、S7出力状況107bと、時間108を示す。
【0201】
なお、実施の形態1と同様の箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
差分比較器動作118は、第1発振カウンタ値記憶器81に記憶されている値と第2発振カウンタ値記憶器82に記憶されている値との差分値を、差分判定設定レジスタ83に記憶されている値と比較している差分比較器84の動作を示している。縦軸は、前記差分値を示す。同図では、差分判定設定レジスタ83に記憶されている値を記憶値118aとして点線で示す。
【0202】
S13出力状況119は、差分比較器84から出力される発振周期安定信号S13と、時間との関係を示す。
判定回数設定レジスタ値106bは、判定回数設定レジスタ85に記憶されている値と時間との関係を示す。なお、上述のように、判定回数設定レジスタ85には「2」が記憶されていることとする。
【0203】
S7出力状況107bは、発振安定判定器86から出力される発振安定検知信号S7と、時間との関係を示す。
同図に示すように、第1発振カウンタ値記憶器81に記憶されている値と第2発振カウンタ値記憶器82に記憶されている値の差分値が、記憶値118aに示される値以下であれば、差分比較器84は、発振周期安定信号S13を出力する(例えば、差分比較器動作118とS13出力状況119のt1〜t2の時間や、t13〜t14、t15〜t16の時間を参照)。
【0204】
発振周期一致信号S6と発振周期安定信号S13とが同時間帯に生成され、(S6出力状況104およびS13出力状況119のt13〜t16の時間を参照)、その回数が、判定回数設定レジスタ95に記憶されている値と一致すると、発振安定判定器86は、発振安定検知信号S7を出力する(S7出力状況107bのt15〜t16の時間を参照)。
【0205】
6 実施の形態6
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
6.1 概要
図12は、実施の形態6の半導体集積回路1fの構成を示す機能ブロック図である。
以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0206】
実施の形態6の半導体集積回路1fは、実施の形態1の発振安定判定部30とは異なる発振安定判定部90を備えている。
実施の形態6にかかる半導体集積回路1fは、要するに、高速クロック信号S2がほぼ所定周波数で生成され続けているかを判定して検知を行う。つまり、一時的に高速クロック信号S2の周波数が所定周波数に達したとしても、連続して所定周波数の高速クロック信号S2が生成されていなければ、半導体集積回路1fは、高速発振器の発振が安定していると検知しない。
【0207】
具体的には、発振安定判定部90は、低速クロックG信号S3をカウントする低速クロックカウンタ91を有しており、さらに、発振周期比較器22から発振周期一致信号S6が出力されたタイミングで、低速クロックカウンタ91のカウント値を取得する。この取得したカウント値は、履歴として複数記憶する。すなわち、高速クロック信号S2の周波数が所定周波数に達した時の低速クロックカウンタの値を履歴として記憶する。高速クロック信号S2の周波数が安定してくると、発振周期比較器22は、低速クロックG信号S3が入力されるたび、発振周期一致信号S6を出力するはずである。したがって、履歴として記憶されている低速クロックカウンタの値それぞれの差分を取ると、高速クロック信号S2の周波数が安定して、周波数の変動が小さくなるにつれて、その差分値が小さくなるはずである。この差分の大きさに基づいて、発振安定判定部90は、高速クロック信号S2の周波数が安定しているか判定する。
【0208】
なお、上述の構成では、低速クロックG信号S3に基づいて判定を行っているので、低速クロックカウンタ91のサイズは比較的小さくて済む。したがって、実施の形態6にかかる半導体集積回路1fは、小型化を実現しつつ、高速クロック信号S2の周波数の変動の大きさを判定して検知の精度を向上させることができる。
6.2 構成
上記技術は、図12に示すように、以下のようにして実現される。
【0209】
すなわち、発振安定判定部90は、低速クロックカウンタ91と、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と、第2低速クロックカウンタ値記憶器93と、差分計測器94と、判定回数設定レジスタ95と、発振安定判定器96とを含む。
6.2.1 低速クロックカウンタ91
低速クロックカウンタ91は、クロックゲーティング回路41と、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と、発振安定判定器96と接続される。
【0210】
低速クロックカウンタ91は、クロックゲーティング回路41からの低速クロックG信号S3を受け付けて、カウントアップする。
低速クロックカウンタ91は、発振安定判定器96から出力される発振安定検知信号S7を受け付けており、発振安定検知信号S7を受け付けると、カウント値をリセットする。
【0211】
6.2.2 第1低速クロックカウンタ値記憶器92
第1低速クロックカウンタ値記憶器92は、発振周期比較器22と、低速クロックカウンタ91と、第2低速クロックカウンタ値記憶器93と、差分計測器94と接続される。
第1低速クロックカウンタ値記憶器92は、発振周期比較器22から発振周期一致信号S6を受け付けており、発振周期一致信号S6を受け付けると、低速クロックカウンタ91でカウントされているカウント値を取得して記憶する。
【0212】
6.2.3 第2低速クロックカウンタ値記憶器93
第2低速クロックカウンタ値記憶器93は、発振周期比較器22と、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と、差分計測器94と接続される。
第2低速クロックカウンタ値記憶器93は、発振周期比較器22から発振周期一致信号S6を受け付けており、発振周期一致信号S6を受け付けると、第1低速クロックカウンタ値記憶器92に記憶されている値を取得して記憶する。なお、発振周期一致信号S6は、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と第2低速クロックカウンタ値記憶器93とに出力されるが、第2低速クロックカウンタ値記憶器93は、出力にかかる発振周期一致信号S6によって第1低速クロックカウンタ値記憶器92の記憶内容が更新される前に、その記憶内容を取得して記憶することとする。すなわち、発振周期一致信号S6が出力された時、第2低速クロックカウンタ値記憶器93は、ひとつ前の発振周期一致信号S6の出力の際に第1低速クロックカウンタ値記憶器92に記憶された値を取得して記憶する。例えば、発振周期一致信号S6が、第1低速クロックカウンタ値記憶器81および第2低速クロックカウンタ値記憶器93にほぼ同時に入力されるとしても、第1低速クロックカウンタ値記憶器81が低速クロックカウンタ91から値を取得するのを遅延させればよい。
【0213】
6.2.4 差分計測器94
差分計測器94は、クロックゲーティング回路41と、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と、第2低速クロックカウンタ値記憶器93と、発振安定判定器96と接続される。
差分計測器94は、クロックゲーティング回路41からの低速クロックG信号S3に同期して動作し、第1低速クロックカウンタ値記憶器92に記憶されている値と、第2低速クロックカウンタ値記憶器93に記憶されている値とを取得して比較し、取得した値の差分が所定値あるいは所定値以下であれば、発振周期安定信号S13を発振安定判定器96へ出力する。なお、実施の形態6では、上記差分が1であれば、差分計測器94は発振周期安定信号S13を出力することとする。
【0214】
つまり、差分計測器94は、発振周期一致信号S6が出力された時の、低速クロックカウンタ91のカウント値の履歴に基づいて発振周期安定信号S13の出力を制御する。
6.2.5 判定回数設定レジスタ95
判定回数設定レジスタ95は、発振安定判定器96と接続される。
判定回数設定レジスタ95は、任意の値を設定できるレジスタである。本実施形態では、「2」を記憶していることとする。
【0215】
6.2.6 発振安定判定器96
発振安定判定器96は、差分計測器94と、判定回数設定レジスタ95と、低速クロックカウンタ91と、クロックゲーティング回路41と、クロックゲーティング回路42と、クロックゲーティング回路43と接続される。
発振安定判定器96は、差分計測器94から出力される発振周期安定信号S13を受け付けている。判定回数設定レジスタ95に記憶されている値の回数分、発振周期安定信号S13を受け付けると、発振安定検知信号S7を、クロックゲーティング回路41、クロックゲーティング回路42、クロックゲーティング回路43、低速クロックカウンタ91へ出力する。
【0216】
例えば、発振安定判定器96は、発振周期安定信号S13を受け付けてカウントアップするカウンタを備え、そのカウンタのカウント値と、判定回数設定レジスタ95に記憶されている値とを比較して、一致したら発振安定検知信号S7を出力する。なお、このカウンタのカウント値は、情報処理システムがノーマルモードへの移行を完了した際にクリアされることとする。
【0217】
6.2.7 クロックゲーティング回路41
クロックゲーティング回路41は、接続関係は実施の形態1と異なる。実施の形態6において、クロックゲーティング回路41は、図に示すように、発振周期比較器22と、発振カウンタ23と、低速クロックカウンタ91と、差分計測器94と、発振安定判定器96と接続される。図に示すように、発振安定判定器96からの出力は反転してクロックゲーティング回路41に入力される。クロックゲーティング回路41は、発振安定判定器96からの発振安定検知信号S7の出力を反転させた信号と、低速クロック信号S1とを受け付けるAND回路である。
【0218】
6.2.8 その他
なお、クロックゲーティング回路42、クロックゲーティング回路43は、それぞれ実施の形態1で説明した各クロックゲーティング回路の説明において、発振安定判定器32を、発振安定判定器96と読み替えたものと同様である。
また、発振周期比較器22は、接続関係は実施の形態1とは異なる。図12に示すように、発振周期比較器22は、クロックゲーティング回路41と、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と、第2低速クロックカウンタ値記憶器93と、カウンタ数設定レジスタ21と、発振カウンタ23と接続される。発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6を、第1低速クロックカウンタ値記憶器92と第2低速クロックカウンタ値記憶器93へ出力する。
【0219】
また、発振カウンタ23とカウンタ数設定レジスタ21は、実施の形態1と同様である。
6.3 動作
上述のように構成された半導体集積回路1fの動作について説明する。
図13は、実施の形態6における半導体集積回路1fの動作例を示す図である。
【0220】
上から順に、高速クロック生成状況101と、発振周期比較器動作102と、低速クロック生成状況103と、S6出力状況104と、低速クロックカウンタ値110cと、第1低速クロックカウンタ値記憶器記憶値120と、第2低速クロックカウンタ値記憶器記憶値121と、差分計測器動作122と、S13出力状況119bと、判定回数設定レジスタ値106cと、S7出力状況107cと、時間108を示す。
【0221】
なお、実施の形態1と同様の箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
低速クロックカウンタ値110cは、低速クロックカウンタ91でカウントされている値と時間との関係を示す。
第1低速クロックカウンタ値記憶器記憶値120は、第1低速クロックカウンタ値記憶器92で記憶されている値と時間との関係を示す。
【0222】
第2低速クロックカウンタ値記憶器記憶値121は、第2低速クロックカウンタ値記憶器93で記憶されている値と時間との関係を示す。
差分計測器動作122は、差分計測器94が比較している第1低速クロックカウンタ値記憶器92に記憶されている値と第2低速クロックカウンタ値記憶器93に記憶されている値との差分値を示す。
【0223】
S13出力状況119bは、差分計測器94から出力される発振周期安定信号S13と、時間との関係を示す。
判定回数設定レジスタ値106cは、判定回数設定レジスタ95に記憶されている値を示す。上述のように、判定回数設定レジスタ95には「2」が記憶されていることとする。
【0224】
S7出力状況107cは、発振安定判定器96から出力される発振安定検知信号S7と、時間との関係を示す。
同図に示すように、発振周期一致信号S6が出力されるたびに、第2低速クロックカウンタ値記憶器93は、第1低速クロックカウンタ値記憶器92に記憶されている値を取得して記憶する。また、第1低速クロックカウンタ値記憶器92は、低速クロックカウンタ91がカウントしているカウント値を取得して記憶する(第1低速クロックカウンタ値記憶器記憶値120と第2低速クロックカウンタ値記憶器記憶値121のt11〜12等の時間を参照)。
【0225】
差分計測器94は、第1低速クロックカウンタ値記憶器92の記憶値と第2低速クロックカウンタ値記憶器93の記憶値との差分を計算し、差分が1になると、発振周期安定信号S13を発振安定判定器96へ出力する(S13出力状況119bのt13〜t14等の時間を参照)。
発振安定判定器96は、発振周期安定信号S13が出力された回数をカウントし、その数が、判定回数設定レジスタ95に記憶されている値に達すると、発振安定検知信号S7を出力する(S7出力状況107cのt15〜t16の時間を参照)。
【0226】
7 実施の形態7
以下、本発明の別の実施形態について説明する。
実施の形態7では、上述の実施の形態1〜6で説明した半導体集積回路を含む情報処理システムを説明する。なお、情報処理システムの一例として無線通信装置を挙げて説明するが、無線通信装置に限らない。上述した実施の形態1〜6の方法で高速発振器の発振が安定しているか検知する発振安定検知回路(例えば、発振周期判定部20と発振安定判定部30とを含む回路)を備えて動作する半導体集積回路と、高速発振器と、低速発振器とを備えていればどのような構成であってもよい。また、上記実施の形態1〜6に示した方法で前記検知を行う発振安定検知回路が、別チップとして備わっている情報処理システムであってもよい。
【0227】
7.1 構成
図14は、本発明の実施の形態7における無線通信装置1000の構成を示す機能ブロック図である。
図14に示すように、無線通信装置1000は、無線通信素子2と、無線回路11と、半導体集積回路7と、高速発振器14と、低速発振器15とを含む。
【0228】
無線通信素子2は、アンテナ3と、アンテナスイッチ4と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)5と、フィルタ回路6とを含む。アンテナスイッチ4、EEPROM5、フィルタ回路6には、電源供給部16から電力が供給されている。
7.1.1 アンテナ3
アンテナ3は、無線電波の送出および受信を行う。
【0229】
7.1.2 アンテナスイッチ4
アンテナスイッチ4は、通信電波の送信および受信を切り替えるスイッチである。すなわち、アンテナスイッチ4は、アンテナ3を、受信回路12と送信回路13とのいずれかと接続させる。
7.1.3 EEPROM5
EEPROM5には、受信回路12や送信回路13による無線通信に用いられる設定値(例えば、無線信号の周波数帯)などが記憶されている。
【0230】
7.1.4 フィルタ回路6
フィルタ回路6は、BPF(Band-Pass Filter)などを備え、無線送信信号や無線受信信号に対するフィルタ処理を行う。
7.1.5 発振安定検知回路9
半導体集積回路7は、CPU8と、発振安定検知回路9とを含む。
【0231】
発振安定検知回路9は、上述した実施の形態1〜6に示す方法で高速発振器14の発振が安定しているか検知する回路であり、発振が安定している高速クロックS信号S5を、CPU8や受信回路12や送信回路13などに出力する。
7.1.6 CPU8
CPU8は、発振安定検知回路9から供給される高速クロックS信号S5と、低速発振器15から入力される低速クロック信号S1とにより動作する。CPU8は、所定のプログラムに従って、無線通信装置1000の動作を制御する。
【0232】
CPU8は、受信回路12から受信データ信号S14を受け付けて所定の処理を行う。また、データを送信するために、送信回路13に送信データ信号S15を出力する。
7.1.7 受信回路12
無線回路11は、受信回路12と送信回路13とを含む。
受信回路12は、発振安定検知回路9から供給される高速クロックS信号S5を用いて動作し、無線信号の受信にかかる処理を行う。例えば、所望の周波数帯の無線信号があるかのキャリア検出や、無線通信素子2から出力された無線受信信号S16の復調処理等を行い、受信データを取り出して受信データ信号S14をCPU8へ出力する。
【0233】
7.1.8 送信回路13
送信回路13は、発振安定検知回路9から供給される高速クロックS信号S5を用いて動作し、無線通信装置1000から送信する無線信号の、送信にかかる処理を行う。CPU8から出力される送信データ信号S15の変調処理等を行い、無線送信信号S17を、フィルタ回路6を介してアンテナ3へ出力する。
【0234】
7.1.9 高速発振器14
高速発振器14は、高速クロック信号S2を、発振安定検知回路9に出力する。
7.1.10 低速発振器15
低速発振器15は、低速クロック信号S1を、CPU8および発振安定検知回路9に出力する。
【0235】
7.1.11 電源供給部16
電源供給部16は、電力を無線通信素子2、無線回路11、半導体集積回路7などに供給する。
7.2 動作
上述の無線通信装置1000の動作について説明する。
【0236】
図15は、無線通信装置1000の動作を示すフローチャートである。
無線通信装置1000は、起動すると、電源供給部16により電力を無線通信素子2等に供給する。電力の供給を開始すると、無線通信に必要な各種の設定を行う(ステップS501)。例えばEEPROM5の設定値が無線回路11の受信回路12や送信回路13に設定される。
【0237】
無線通信装置1000は、受信回路12により所望の周波数帯の無線信号が存在するかのキャリア検出を行う(ステップS502)。所望の周波数帯の無線信号が存在しなければ(ステップS502:NO)、スタンバイモードに移行する(ステップS505)。
ステップS502において、所望の周波数帯の無線信号が存在すれば(ステップS502:YES)、無線通信装置1000は、その無線信号に含まれる送信先アドレスを参照し、自装置のアドレスと比較して、自装置宛の無線信号であるか判定する(ステップS503)。自装置宛で無ければ(ステップS503:NO)、スタンバイモードに移行する(ステップS505)。
【0238】
ステップS503において、自装置宛の無線信号であれば(ステップS503:YES)、無線通信装置1000は、無線信号の受信処理を行う。受信回路は、無線受信信号S16として取り込んだ無線信号の受信処理を行って、受信データ信号S14をCPU8へ出力する。CPU8は、受信データ信号S14を受け付けて、所定の処理を行い、必要であれば送信データ信号S15を送信回路13へ出力する。送信回路13は、送信データ信号S15を受け付けると、アンテナスイッチ4が送信回路13側に切り替わった際に、無線送信信号S17をアンテナ3へ出力し、アンテナ3から無線電波が送出される(ステップS504)。無線通信を終えると、無線通信装置1000は、スタンバイモードに移行する(ステップS505)。
【0239】
無線通信装置1000がスタンバイモードに移行すると、CPU8は、高速発振器14の発振を停止させる。
その後、一定時間が経過すると、無線通信装置1000は、タイマ割り込み等によりノーマルモードへの復帰を開始する(ステップS506)。
無線通信装置1000は、ノーマルモードへの復帰開始時に、高速発振器14の発振が安定するまで待機し、発振安定検知回路9に、高速発振器14の発振が安定しているか検知させる(ステップS507)。
【0240】
発振安定検知回路9は、実施の形態1〜6に記載の方法により検知を行う。無線通信装置1000は、発振安定検知回路9が検知を行うまで待機し(ステップS508:NO)、検知がなされると(ステップS508:YES)、ノーマルモードへの移行を完了してステップS501の処理へと戻る。
7.3 まとめ
このように構成すると、検知を行うことにより、不安定なクロックで動作する危険を回避し、さらに、高速発振器の発振が安定しているか早期に検知できるため、高速発振器の発振安定待ちの時間を短くすることができる。これにより、消費電力を従来より小さくすることができる。また、バッテリ駆動で情報処理システムが動作する場合に、バッテリの寿命を長くすることができる。
【0241】
特に、周期的にノーマルモードとスタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムにおいて、高速発振器の安定発振を早期に精度良く検知することができ、これにより、動作の信頼性を高めつつ消費電力を小さくすることができる。例えば、間欠受信を繰り返す無線通信装置や、周期的に電力を供給して、操作が行われたかを確認する火災報知器、防犯装置、また、省電力の制御を行うノートパソコン、PDA等のモバイル端末などにも本発明を適用することができる。
【0242】
8 補足
以下、本発明のその他の変形例について説明する。
8.1 発振周期比較器22の変形例
上述の各実施の形態では、発振周期比較器22は、発振カウンタ23でカウントされている数と、カウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値とを比較して、一致またはその差が所定値以内であれば、発振周期一致信号S6を一致回数カウンタ33へ出力するものとして説明した。
【0243】
この他に、上述の実施の形態1〜4において、発振周期比較器22は、上記比較の結果、比較した値が一致またはその差が所定値以内であれば発振周期一致信号S6を出力し、比較した値の差分が所定値より大きい場合は、発振周期不一致信号S99を一致回数カウンタ33等へ出力することとしてもよい。さらに、この場合において、一致回数カウンタ33は、発振周期一致信号S6が入力されたらカウントアップし、発振周期不一致信号S99が入力されたらカウントダウンすることとする。
【0244】
このように変形した場合の半導体集積回路の動作について説明する。
図18は、変形例における半導体集積回路の動作例を示す図である。
なお、図18は、実施の形態1における発振周期比較器22を、上述のように変形した場合の動作例を示している。図2と同一の箇所については同一の参照符号を付して説明を省略する。なお、この動作例では、判定回数設定レジスタ31には「3」が設定されていることとする。
【0245】
図18においては、S6出力状況104の下に、S99出力状況126を示している。
S99出力状況126は、変形例における発振周期比較器22から出力される発振周期不一致信号S99と、時間との関係を示す。
図18に示すように、発振周期比較器22からは、発振周期一致信号S6または発振周期不一致信号S99のいずれかが出力される(S6出力状況104およびS99出力状況126の、t1以降の時間を参照)。
【0246】
そして、発振周期比較器22から発振周期不一致信号S99が出力されると、一致回数カウンタ33は、そのカウント値を1つ減ずる(一致回数カウンタ値105の、t9〜t10の時間を参照)。なお、カウント値が「0」の場合は、発振周期不一致信号S99が出力されてもカウント値は「0」のままとする。
このように一致回数カウンタ33の値が発振周期一致信号S6および発振周期不一致信号S99によって増加したり減少したりしながら、半導体集積回路は検知を行う。
【0247】
このように構成すると、高速発振器の発振が不安定な場合には一致回数カウンタ33のカウント値が増加したり減少したりするので、発振周期一致信号S6が所定回数カウントされるのを待つ場合と比べて、高速発振器の発振が不安定であるにもかかわらず検知が行われるおそれを小さくすることができる。
8.2 その他の変形例
以上のように本発明にかかる半導体集積回路について実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することもでき、本発明は上述の実施の形態で示した半導体集積回路に限られないことは勿論である。
(1)実施の形態2にかかる発振安定モニタ回路を、他の実施形態と組み合わせてもよい。例えば、実施の形態3の半導体集積回路に、発振安定モニタ回路51を加えた構成を、図16に示す。図16では、実施の形態3のクロックゲーティング回路43に代えて、クロックゲーティング回路46を備えている。
【0248】
図16に示すように、発振安定モニタ回路51は、クロックゲーティング制御回路64と、クロックゲーティング回路44と、クロックゲーティング回路45と、クロックゲーティング回路46と、CPU10と、発振周期比較器22と、発振安定判定器32と接続される。
このように構成した場合の、発振安定モニタ回路51の動作を説明する。
【0249】
図17は、発振周期モニタ回路51の動作を示すフローチャートである。なお、実施の形態2で図4を用いて説明した発振周期モニタ回路50の動作と異なるのは、図4のステップS222に代えて、図17ではステップS232を実行することである。なお、図4と同様の処理を行う箇所は、同一の参照符号を付して説明を省略する。
発振周期モニタ回路51は、半導体集積回路が検知を開始した後、ステップS221において、発振安定検知信号S7が出力されると(ステップS221:YES)、クロックゲーティング制御回路64からの発振安定検知EN信号S8の出力に応じて、クロックゲーティング回路41およびクロックゲーティング回路42に発振安定検知EN信号S8を出力する。すなわち、クロックゲーティング制御回路64から発振安定検知EN信号S8が出力されていれば、発振周期モニタ回路51は、発振安定検知EN信号S8を出力し、クロックゲーティング制御回路64から発振安定検知EN信号S8が出力されていなければ、発振周期モニタ回路51は、発振安定検知EN信号S8を出力しない(ステップS232)。
【0250】
なお、その他の各ステップで行われる処理は、図4に示したものと同様であるため説明を省略する。
なお、上述の例では、実施の形態3において発振周期モニタ回路を用いる場合を説明したが、実施の形態4等でも発振周期モニタ回路を用いてよい。要するに、検知を開始した後、クロックゲーティング回路44等への所定の信号の供給を、発振安定検知制御回路74や発振安定判定器86や発振安定判定器87等に代わって行い、発振安定検知信号S7の出力を受けて(ステップS221)、すなわち、検知が行われたことを受けて、発振周期判定部20や発振安定判定部30等にクロックが供給されないようにする。その後、再検知のタイミングで(ステップS224)、再度、発振周期判定部20にクロックが供給されるようにすればよい(ステップS225)。
(2)上述の構成では、例えば図1に示すように、発振周期判定部20が出力した発振周期一致信号S6の数が所定回数を超えたかを発振安定判定部30で判定して発振安定検知信号S7を出力することとしているが、本発明の半導体集積回路は、この構成に限らない。例えば、発振安定判定部30を備えず、発振周期比較器22が、発振カウンタ23の値とカウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値とを比較して、発振周期一致信号S6の代わりに発振安定検知信号S7を出力することとしてもよい。図19は、半導体集積回路1gの構成を示す機能ブロック図である。図19に示される半導体集積回路1gは、図1に示される半導体集積回路1と比較して、発振周期判定部30を備えていない点が大きく異なる。
【0251】
半導体集積回路1gにおいて、発振周期比較器22は、発振周期一致信号S6ではなく発振安定検知信号S7を出力する。接続関係については図示するとおりであるので説明を省略する。
(3)上述の構成では、発振周期判定部20は、低速クロック信号S1の1クロック周期ごとに、発振周期比較器22により比較を行って発振周期一致信号S6の出力を制御するものとして説明したが、低速クロック信号S1の1クロック周期ごとの比較に限らない。例えば、2クロック周期など、低速クロック信号S1の複数のクロック周期の間に受信された高速クロック信号S1の数を、発振周期比較器22がカウンタ数設定レジスタ21に記憶されている値と比較することで発振周期一致信号S6の出力を制御することとしてもよい。上述の構成は、例えばクロックゲーティング回路41と、発振周期比較器22等との間にプログラマブルカウンタ(分周器)を挿入することで、低速クロック信号S1の周波数を1/Nにした信号を、低速クロックG信号S3として発振周期比較器22等へ供給すれば実現できる。もちろん、この他の方法で実現してもよい。
【0252】
また、上述の構成では、発振周期判定部20は、低速クロックG信号S3を受信するごとに発振周期比較器22による比較を行っているが、低速クロックG信号S3を受信するごとに限らない。例えば、検知の開始後、任意のタイミングで所定時間だけ発振周期判定部20に低速クロックG信号S3および高速クロックG信号S4を供給することとしてもよい。すなわち、検知の開始後、低速クロック信号S1を本発明の半導体集積回路に供給し続けるのではなく、一定の時間だけ、間欠的に供給することとしてもよい。特に、検知の精度と低消費電力化に重点を置いて情報処理システムを設計したい場合に有効である。このような構成は、例えば、図3の例で説明すると、高速発振器が発振を開始して半導体集積回路1bが検知を開始した後、発振周期モニタ回路50が発振安定検知EN信号S8をクロックゲーティング回路44およびクロックゲーティング回路45へ出力せず、任意のタイミングで(例えば、タイマ割り込み等をきっかけにして)所定時間だけ発振安定検知EN信号S8の出力を行うことで実現できる。このようにすると、検知の開始後、発振周期判定部20等にクロックが供給され続けず、任意のタイミングで所定時間だけクロックが供給されるので、消費電力を小さくすることができる。
(4)上述した各ブロックおよび半導体集積回路は、典型的には、集積回路であるLSIとして実現される。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップされても良い。
【0253】
また、ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセスで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0254】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
(5)上記の情報処理システム、または情報処理システムを構成する各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレィユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又は前記ハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、情報処理システムまたは各装置は、その機能を達成する。ここで、コンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(6)上記の情報処理システムまたは各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(7)上記の情報処理システムまたは各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。前記ICカード又は前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカード又は前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカード又は前記モジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(8)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。
(9)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0255】
本発明の技術は、高速発振器が停止し低速発振器の供給する低速クロックで動作しているスタンバイモードから高速発振器の供給する高速クロック信号で動作するノーマルモードに移行する際に、高速発振器の発振安定を高い精度で安定し行い、さらに消費電力を極力抑制することができる半導体集積回路として有用である。また、低速発振器と高速発振器を搭載しているシステム全てに有用であり、特に消費電力を削減できることからバッテリ駆動のシステムにおいて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【図1】本発明の半導体集積回路1の構成を示す機能ブロック図。
【図2】実施の形態1における半導体集積回路の動作例を示す図。
【図3】実施の形態2の半導体集積回路1bの構成を示す機能ブロック図。
【図4】発振周期モニタ回路50の動作を示すフローチャート。
【図5】実施の形態2における半導体集積回路1bの動作例を示す図。
【図6】実施の形態3の半導体集積回路1cの構成を示す機能ブロック図。
【図7】実施の形態3における半導体集積回路1cの動作例を示す図。
【図8】実施の形態4の半導体集積回路1dの構成を示す機能ブロック図。
【図9】実施の形態4における半導体集積回路1dの動作例を示す図。
【図10】実施の形態5の半導体集積回路1eの構成を示す機能ブロック図。
【図11】実施の形態5における半導体集積回路1eの動作例を示す図である。
【図12】実施の形態6の半導体集積回路1fの構成を示す機能ブロック図。
【図13】実施の形態6における半導体集積回路1fの動作例を示す図。
【図14】本発明の実施の形態7における無線通信装置1000の構成を示す機能ブロック図。
【図15】無線通信装置1000の動作を示すフローチャート。
【図16】実施の形態3の半導体集積回路に、発振安定モニタ回路51を加えた構成を示す図。
【図17】発振周期モニタ回路51の動作を示すフローチャート。
【図18】変形例における半導体集積回路の動作例を示す図。
【図19】半導体集積回路1gの構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
【0257】
1 半導体集積回路
10 CPU
20 発振周期判定部
21 カウンタ数設定レジスタ
22 発振周期比較器
23 発振カウンタ
30 発振安定判定部
31 判定回数設定レジスタ
32 発振安定判定器
33 一致回数カウンタ
41 クロックゲーティング回路
42 クロックゲーティング回路
43 クロックゲーティング回路
44 クロックゲーティング回路
45 クロックゲーティング回路
46 クロックゲーティング回路
47 クロックゲーティング回路
48 クロックゲーティング回路
49 クロックゲーティング回路
50 発振周期モニタ回路
51 発振周期モニタ回路
60 発振周期測定開始タイミング制御部
61 低速クロックカウンタ
62 発振周期安定タイミング記憶回路
63 起動タイミング比較器
64 クロックゲーティング制御回路
70 発振安定タイミング記憶部
71 低速クロックカウンタ
72 発振安定タイミング記憶回路
73 発振安定待ち制御回路
74 発振安定検知制御回路
80 発振安定判定部
81 第1発振カウンタ値記憶器
82 第2発振カウンタ値記憶器
83 差分判定設定レジスタ
84 差分比較器
85 発振安定判定器
86 判定回数設定レジスタ
90 発振安定判定部
91 低速クロックカウンタ
92 第1低速クロックカウンタ値記憶器
93 第2低速クロックカウンタ値記憶器
94 差分計測器
95 発振安定判定器
96 判定回数設定レジスタ
2 無線通信素子
3 アンテナ
4 アンテナスイッチ
5 EEPROM
6 フィルタ回路
7 半導体集積回路
8 CPU
9 発振安定検知回路
11 無線回路
12 受信回路
13 送信回路
14 高速発振器
15 低速発振器
16 電源供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定部と、
肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力部とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】
前記発振周期判定部は、
設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、
前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタと、
前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定記憶部に記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行う発振周期比較器とを含む
ことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記発振周期比較器が行う前記判定とは、
前記カウント値と前記設定値との差分が所定値以下であるか否かを判定することであり、
前記信号出力部は、前記発振周期比較器により所定値以下と判定された場合に、前記安定検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記カウンタ数設定記憶部は、レジスタである
ことを特徴とする請求項3記載の半導体集積回路。
【請求項5】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記信号出力部から前記安定検知信号が出力されない場合に、発振異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項6】
前記発振周期モニタ部は、
前記信号出力部から安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期判定部に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信すると、前記発振周期判定部による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期判定部に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定の再開時に、再開から前記所定時間内に前記検知信号受信部により安定検知信号を受信しない場合に、発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含む
ことを特徴とする請求項5記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、
前記信号出力部から安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期判定部に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信すると、前記発振周期判定部による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期判定部に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定制御部による前記再開時における、前記発振周期判定部が前記判定を行うための前記所定期間の長さを決定する測定期間決定部と、
前記測定期間決定部により決定された前記所定期間の長さに応じた設定値を前記カウンタ数設定記憶部に記憶させる設定値制御部と、
前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により安定検知信号を受信しない場合に、発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含み、
前記判定制御部は、前記再開時に、前記測定期間決定部により決定された長さに従って前記発振周期判定部に前記判定を行わせる
ことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項8】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、
前記発振周期判定部により肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力部とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項9】
前記信号出力部は、
前記発振周期判定部による肯定的な判定がなされた回数が一定回数に達した場合に、安定検知信号の前記出力を行う
ことを特徴とする請求項8記載の半導体集積回路。
【請求項10】
前記発振周期判定部は、
前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力する発振周期比較器を含み、
前記信号出力部は、
前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号を受信して、その受信回数をカウントする一致回数カウンタと、
判定回数値を記憶している判定回数設定記憶部と、
前記一致回数カウンタでカウントされたカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている前記判定回数値とを比較し、前記一致回数カウンタのカウント値が前記判定回数値以上である場合に、安定検知信号の前記出力を行う発振安定判定器とを含む
ことを特徴とする請求項9記載の半導体集積回路。
【請求項11】
前記発振周期判定部は、
設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、
前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタとを含み、
前記発振周期比較器は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号が受信される都度、前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定記憶部に記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行い、肯定的な判定結果である場合に前記発振周期一致信号を出力する
ことを特徴とする請求項10記載の半導体集積回路。
【請求項12】
前記発振周期判定部は、
前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力し、前記所定の範囲内に収まっていないと判定すると発振周期不一致信号を出力する発振周期比較器を含み、
前記信号出力部は、
前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号および前記発振周期不一致信号を受信し、受信した信号が前記発振周期一致信号であるか前記発振周期不一致信号であるかに応じて、保持しているカウント値を増減させる一致回数カウンタと、
判定回数値を記憶している判定回数設定記憶部と、
前記一致回数カウンタでカウントされているカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている判定回数値とを比較することにより安定検知信号の前記出力を制御する発振安定判定器とを含む
ことを特徴とする請求項8記載の半導体集積回路。
【請求項13】
前記一致回数カウンタは、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期一致信号を受信するとカウントアップし、前記発振周期比較器から出力される前記発振周期不一致信号を受信するとカウントダウンし、
前記発振安定判定器は、前記一致回数カウンタでカウントされているカウント値と前記判定回数設定記憶部に記憶されている判定回数値とを比較し、前記カウント値が前記判定回数値に達した場合に安定検知信号の前記出力を行う
ことを特徴とする請求項12記載の半導体集積回路。
【請求項14】
前記発振周期判定部は、
設定値を記憶しているカウンタ数設定記憶部と、
前記所定期間において前記受信された高速クロック信号の数をカウントするカウンタとを含み、
前記発振周期比較器は、前記受信部により前記所定数の低速クロック信号が受信される都度、前記カウンタによる前記所定期間におけるカウント値と前記カウンタ数設定レジスタに記憶されている前記設定値とに基づいて、前記所定の範囲内に収まっているかの前記判定を行い、肯定的な判定結果である場合に前記発振周期一致信号を出力し、否定的な判定結果である場合に前記発振周期不一致信号を出力する
ことを特徴とする請求項13記載の半導体集積回路。
【請求項15】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に否定的な判定がなされた場合に、発振異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項8から13のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項16】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力された後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる処理を行う発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、
前記発振周期一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期一致信号を受信しない場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含む
ことを特徴とする請求項10または11記載の半導体集積回路。
【請求項17】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力された後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる処理を行う発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、
前記発振周期不一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期不一致信号を受信した場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含む
ことを特徴とする請求項12から14のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項18】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、
前記所定期間において受信された前記高速クロック信号の数の履歴を記憶し、前記履歴に示される高速クロック信号の受信数それぞれが所定の条件を満たすか判定する発振安定判定部と、
前記発振周期判定部および前記発振安定判定部が共に肯定的な判定を行った場合に安定検知信号を出力する信号出力部とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項19】
前記発振安定判定部が行う前記判定とは、前記履歴に示される高速クロック信号の受信数それぞれの差分が所定値以下であるか否かを判定することである
ことを特徴とする請求項18記載の半導体集積回路。
【請求項20】
前記発振安定判定部は、
前記受信部により前記所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定期間における前記高速クロック信号の受信数を履歴として記憶する高速クロック履歴記憶部と、
前記高速クロック履歴部に記憶されている第1の記憶値と、検知の開始後であって前記第1の記憶値より以前に履歴として前記高速クロック履歴部に記憶された第2の記憶値との差分が所定値以下であるか判定する差分判定部とを含み、
前記信号出力部は、前記差分判定部および前記発振周期判定部が共に肯定的な判定を行った場合に、安定検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項19記載の半導体集積回路。
【請求項21】
前記半導体集積回路は、
前記所定期間において前記受信された前記高速クロック信号の数をカウントするカウンタを含み、
前記高速クロック履歴記憶部は、
前記受信部により前記所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定期間におけるカウンタのカウント値を取得して前記履歴として記憶する
ことを特徴とする請求項20記載の半導体集積回路。
【請求項22】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に否定的な判定がなされた場合に、発振異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項18から21のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項23】
前記発振周期判定部は、前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力する発振周期比較器を含み、
前記発振周期モニタ部は、
前記発振周期一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期一致信号を受信しない場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含む
ことを特徴とする請求項22記載の半導体集積回路。
【請求項24】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する半導体集積回路であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、
前記受信された低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、
前記発振周期判定部が肯定的な判定をするたびに、その肯定的な判定にかかる前記所定数の低速クロック信号を受信するまでに前記低速クロックカウンタにおいてカウントされたカウント値を取得して履歴として記憶する低速クロック履歴記憶部と、
前記低速クロック履歴記憶部に記憶されているカウント値の履歴に基づいて、前記履歴に示される複数のカウント値のそれぞれが所定の条件を満たすか判定する判定部と、
前記判定部による肯定的な判定がなされた回数が所定回数に達すると、安定検知信号を出力する信号出力部とを備える
ことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項25】
前記判定部が行う前記判定とは、前記低速クロック履歴記憶部に記憶されている第1のカウント値と、前記第1のカウント値より以前に履歴として記憶された第2のカウント値との差分が所定値以下であるか否かを判定することである
ことを特徴とする請求項24記載の半導体集積回路。
【請求項26】
前記半導体集積回路は、さらに、検知を開始して前記安定検知信号が前記信号出力部から出力されると前記発振周期判定部による前記判定を抑止し、その後、所定のタイミングに従って前記発振周期判定部による前記判定を再開させる発振周期モニタ部を備え、
前記発振周期モニタ部は、前記判定の再開時に否定的な判定がなされた場合に、発振異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項24または請求項25のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項27】
前記発振周期判定部は、前記所定の範囲内に収まっていると判定すると発振周期一致信号を出力する発振周期比較器を含み、
前記発振周期モニタ部は、
前記発振周期一致信号および前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知を開始した後、前記安定検知信号を前記検知信号受信部により受信するまで前記発振周期比較器に前記判定を行わせ、前記安定検知信号を受信した後は前記発振周期比較器による前記判定を抑止する抑止部と、
前記抑止の開始後、前記所定のタイミングにおいて、一定期間、前記抑止部による前記抑止を解除して前記発振周期比較器に前記判定を再開させる判定制御部と、
前記判定の再開時に、再開から所定時間内に前記検知信号受信部により前記発振周期比較器から前記発振周期一致信号を受信しない場合に発振異常検知信号を出力する異常検知出力部とを含む
ことを特徴とする請求項26記載の半導体集積回路。
【請求項28】
前記半導体集積回路は、さらに、
前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、
判定開始値を記憶している発振安定タイミング記憶部と、
前記低速クロックカウンタのカウント値が、前記発振安定タイミング記憶部に記憶されている前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止する起動タイミング制御部を備える
ことを特徴とする請求項1から23のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項29】
前記半導体集積回路は、さらに、
前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、
判定開始値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、
起動タイミング比較器とを含み、
前記発振安定タイミング記憶部は、前記発振周期判定部が肯定的な判定を行ったとき、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記判定開始値として記憶し、
前記起動タイミング比較器は、前記発振安定タイミング記憶部に前記判定開始値が記憶されている場合、前記記憶されている前記判定開始値と前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値とを比較して、当該カウント値が前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記判定開始値に達した場合に前記抑止を解除する
ことを特徴とする請求項1から23のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項30】
前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、
前記半導体集積回路は、さらに、
判定開始値を記憶している発振安定タイミング記憶部と、
前記低速クロックカウンタのカウント値が、前記発振安定タイミング記憶部に記憶されている前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止する起動タイミング制御部を含む
ことを特徴とする請求項24から請求項27のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項31】
前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、
前記半導体集積回路は、さらに、
判定開始値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、
起動タイミング比較器とを含み、
前記発振安定タイミング記憶部は、前記発振周期判定部が肯定的な判定を行ったとき、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記判定開始値として記憶し、
前記起動タイミング比較器は、前記発振安定タイミング記憶部に前記判定開始値が記憶されている場合、前記記憶されている前記判定開始値と前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値とを比較して、当該カウント値が前記判定開始値に達するまで前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記判定開始値に達した場合に前記抑止を解除する
ことを特徴とする請求項24から請求項27のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項32】
前記半導体集積回路は、さらに、
前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントする低速クロックカウンタと、
安定タイミング値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、
前記信号出力部から前記出力される前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知信号受信部により安定検知信号を受信した場合に、前記安定検知信号の出力にかかる肯定的な判定が前記発振周期判定部によりなされた時の、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記安定タイミング値として前記発振安定タイミング記憶部に記憶させる発振安定待ち制御部とを含み、
前記発振安定待ち制御部は、
前記発振安定タイミング記憶部に前記安定タイミング値が記憶されている場合に前記検知が開始すると、前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値と前記発振安定タイミング記憶部で記憶されている前記安定タイミング値とを比較し、前記低速クロックカウンタの前記カウント値が前記安定タイミング値に達した場合に安定検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項1から23のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項33】
前記低速クロックカウンタは、前記検知の開始にかかる所定時点以降に前記受信部により受信された前記低速クロック信号の数をカウントし、
前記半導体集積回路は、さらに、
安定タイミング値を記憶する発振安定タイミング記憶部と、
前記信号出力部から前記出力される前記安定検知信号を受信する検知信号受信部と、
前記検知信号受信部により安定検知信号を受信した場合に、前記安定検知信号の出力にかかる肯定的な判定が前記発振周期判定部によりなされた時の、その判定にかかる前記所定数の低速クロック信号の受信時に前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値を取得して前記安定タイミング値として前記発振安定タイミング記憶部に記憶させる発振安定待ち制御部とを含み、
前記発振安定待ち制御部は、
前記発振安定タイミング記憶部に前記安定タイミング値が記憶されている場合に前記検知が開始すると、前記発振周期判定部による前記判定の開始を抑止し、前記低速クロックカウンタでカウントされているカウント値と前記発振安定タイミング記憶部で記憶されている前記安定タイミング値とを比較し、前記低速クロックカウンタの前記カウント値が前記安定タイミング値に達した場合に安定検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項24から請求項27のうちいずれか1項記載の半導体集積回路。
【請求項34】
前記発振周期判定部の判定にかかる前記所定期間とは、前記低速クロック信号の1クロック周期である
ことを特徴とする請求項1から33のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項35】
前記発振周期判定部の判定にかかる前記所定の範囲とは、前記高速クロック信号と前記低速クロック信号のクロック周波数の比の値に基づいた範囲である
ことを特徴とする請求項1から33のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項36】
前記カウンタ数設定レジスタに記憶される前記設定値は、前記高速クロック信号と前記低速クロック信号のクロック周波数の比の値に基づく値である
ことを特徴とする請求項2、11、14のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項37】
前記半導体集積回路は、所定回路へ供給される高速クロック信号が安定しているか検知するものであり、
前記半導体集積回路は、さらに、
前記安定検知信号が前記出力されるまで前記高速クロック信号の前記所定回路への供給を遮断し、前記安定検知信号が前記出力されるとその遮断を解除する第1のクロックゲーティング回路と、
前記安定検知信号が前記出力されるまでまで前記低速クロック信号および前記高速クロック信号を自回路へ供給し、前記安定検知信号が前記出力されるとその供給を遮断する第2のクロックゲーティング回路とを備え、
前記信号出力部は、前記安定検知信号を、前記第1および第2のクロックゲーティング回路それぞれへ出力する
ことを特徴とする請求項1から35のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路。
【請求項38】
動作モードとして、高速クロック信号で動作するノーマルモードと、低速クロック信号で動作するスタンバイモードとを備え、前記ノーマルモードと前記スタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの切替の開始時に、前記高速クロック信号が高速発振器から安定して生成されているか検知する半導体集積回路を備え、前記半導体集積回路が前記検知を行うと前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの移行を完了し、
前記半導体集積回路は、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定部と、
肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力部とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項39】
動作モードとして、高速クロック信号で動作するノーマルモードと、低速クロック信号で動作するスタンバイモードとを備え、前記ノーマルモードと前記スタンバイモードとを切り替えて動作する情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの切替の開始時に、前記高速クロック信号が高速発振器から安定して生成されているか検知する半導体集積回路を備え、前記半導体集積回路が前記検知を行うと前記スタンバイモードから前記ノーマルモードへの移行を完了し、
前記半導体集積回路は、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信部と、
前記受信部により所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定部と、
前記発振周期判定部により肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力部とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項40】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する発振安定検知方法であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信ステップと、
前記低速クロック信号の受信間隔に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が、所定の範囲内に収まっているか判定する発振周期判定ステップと、
肯定的な判定がなされた場合に、安定検知信号を出力する信号出力ステップとを含むことを特徴とする発振安定検知方法。
【請求項41】
高速クロック信号が安定して生成されていることを検知する発振安定検知方法であって、
周期的に低速クロック信号および高速クロック信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより所定数の低速クロック信号を受信する都度、前記所定数の低速クロック信号の受信期間に基づいた所定期間において前記受信部により受信された前記高速クロック信号の数が所定の範囲内に収まっているか否か判定する発振周期判定ステップと、
前記発振周期判定ステップにより肯定的な判定がなされた回数に基づいて、安定検知信号の出力を制御する信号出力ステップとを含む
ことを特徴とする発振安定検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−299731(P2008−299731A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147048(P2007−147048)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】