半透明型カラー液晶ディスプレイにおいて色点を最適化する方法
本発明は、透過モードと反射モードにおいて、色点および白色点のバランスが改良され、最適化された、半透明型カラー液晶ディスプレイに関する。本発明では、選定色のサブ画素の光吸収度を意図的に増加させることを基本としている。光吸収度は、半透明板(800)上のサブ画素レベルの光吸収部分(803)の増加によって増大し、これにより、サブ画素の全体的な反射性および/または透過性が低下する。本発明のように光吸収度を選定することと、異なる厚さを有するカラーフィルタおよび/またはピンホールカラーフィルタの使用とを組み合わせても良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された彩度および白色点精度を有する半透明型液晶カラーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル型ディスプレイは、急速に成長を続けている技術分野である。液晶ディスプレイは、最も普及している例の一つであり、現在これらのディスプレイでは、急速に開発が進められている。
【0003】
半透明型液晶ディスプレイ(LCD)には、周囲光によって照射される反射特性、および内部バックライト配置によって照射される透過特性を得ることができるという特徴がある。そのようなディスプレイには、それらのディスプレイは、明るい白昼光の下でも暗い環境下でも、高い可読性を示すという利点がある。
【0004】
半透明特性は、液晶層とバックライトの間に配置される半透明板によって提供される。最も一般的な半透明板は、いわゆる「ホ―ルインミラー」型の半透明板であり、この半透明板は、基本的には、反射性部分および透過性部分(すなわちホール)を有する開孔ミラーである。通常、半透明板は、それらの反射/透過性によって分類され、例えば90/10半透明板は、90%の反射性表面と、10%の透過性表面とを有する。
【0005】
従って、半透明型ディスプレイは、バックライトをオフにした純粋な反射モード、またはバックライトをオンにした透過モードのいずれかで駆動することができる。しかしながら、バックライトがオンのときであっても、周囲光が使用される場合がある。そのような場合、透過光と反射光の組み合わせが使用され、表示される。
【0006】
大部分の半透明型液晶ディスプレイは、フルカラーディスプレイであり、従ってカラーフィルタを有する。通常の場合、カラーフィルタは、パターン化RGBフィルタ(赤、緑および青)であり、カラーパターンは、液晶素子内のサブ画素配置に対応する。RGBフィルタは、それらのフィルタが、一つの色(赤、緑または青)のみを透過し、残りの色を吸収するように追加される。このため、2つまたは3つのサブ画素からの光の組み合わせ(追加)によって、色調が形成される。当然のことながら、全ての3色を混合すると、白色光が形成される。カラーフィルタの吸収性能のため、フルカラーディスプレイにおいて、輝度は大きな問題である。
【0007】
従って、半透明型ディスプレイは、液晶層(LC層)、カラーフィルタおよび半透明板を用いて配置される。ディスプレイに照射され、LC層およびカラーフィルタを通過して進行する周囲光(半透明板を通過する光の割合を除く)は、半透明板によって反射され、LC層およびカラーフィルタを通って逆向きに戻る。透過モードでは、光は、バックライトで生じ、まず半透明板を通って進行し(すなわち、半透明板によって反射されなかった光の割合)、次にLC層およびカラーフィルタを通過する。実際には、バックライトで生じた光は、1回だけカラーフィルタを通過し、反射体で反射された周囲光は、カラーフィルタを2回通過するため、高いフィルタ効果が得られ、高い飽和色が得られる。
【0008】
そのため、通常の場合、半透明型ディスプレイの彩度は、透過モードと反射モードの間で異なることになる。さらに、通常反射モードで取り入れられる周囲光の色スペクトルは、透過モードで取り入れられるバックライトの色スペクトルとは異なるため、この問題は、さらに助長される。色の差が生じることによって、駆動モード間の平滑な移行が難しくなり、平滑な移行が不可能となる場合もある。また、通常白色点(すなわり、最も白色に近い光の知覚色と強度)は、透過モードと反射モードの間で異なっている。
【0009】
サブ画素が限られたコントラストを有するということにより、色バランスの問題は、さらに複雑なものとなる。換言すれば、サブ画素を完全にオフにすることができなくなる。従って、限られたコントラストは、彩度を低下させ、例えば、最も赤い色調が、ある量の緑および青の光によって劣化してしまう。
【0010】
そのため、半透明および反射駆動モードでの色飽和および白色点を向上させ、バランス化する必要がある。
【0011】
この問題を軽減する一つの方法は、半透明板の反射部分を完全には被覆しないカラーフィルタ(いわゆるピンホールカラーフィルタ)を使用することである。そのような解決策は、例えば欧州特許第1279996A2号に示されている。実際には、各サブ画素において、反射光は、カラーフィルタを2回通過したフィルタ部と、カラーフィルタを一度も通過していない未フィルタ化部とで構成される。反射光に未フィルタ化光を付加すると、飽和度が低下するため、カラーフィルタ被覆率の適当な選定によって、この飽和度を透過光の飽和度とバランス化させることができる。
【0012】
別の方法は、透過部分と反射部分において、厚さの異なるカラーフィルタ(いわゆるMT構造)を使用するものである。簡単に言えば、半透明板の透過性部分に相当する領域において、カラーフィルタの厚さを2倍にすることにより、周囲光と、バックライトから生じる光とが、同じ距離だけ進行するようになる。そのような解決策は、例えば欧州特許第1279966号に示されている。
【0013】
透過モードおよび反射モードでの白色点のバランス化のため使用されるさらに別の方策は、異なる色のサブ画素に異なる反射/透過比を適用するものである。例えば、透過性白色点は、僅かに黄色みがかっており、反射性白色点は、僅かに青みがかっている場合、青のサブ画素の反射/透過比が抑制される(すなわち透過性部分が増大する)。
【特許文献1】欧州特許第1279996号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、一方で白色点のバランス化および改良を行い、他方で彩度のバランス化および改良を行うことは、相互に関係はあるものの、2つの別の問題である。従って、ある特徴を最適化した場合、他の特徴が低下することが生じやすい。このように、全てのディスプレイ特性を完全に最適化するため、自由に調整することが可能な独立パラメータの形の、高い自由度が必要となっている。
【0015】
現在利用可能な方策では、この要求に合致させることはできない。従って、本発明の課題は、半透明型液晶ディスプレイにおいて、彩度および白色点を最適化し、バランス化するための別の方策を提供することである。また、一般的な要望として、実質的に余分ないかなるコストも生じないように、最適化を行う必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このように、本発明では、前述の要求を満足させる半透明型液晶ディスプレイを提供することを課題としている。この課題は、請求項1に記載の半透明型ディスプレイによって達成される。
【0017】
すなわち、本発明のある態様では、複数の別の色のサブ画素に一致するようパターン化されたカラーフィルタと、対応するサブ画素に対して整列されたサブ画素部分を有する半透明板と、を有する半透明型ディスプレイが提供される。半透明板において、異なる色に対応するサブ画素部分では、光吸収比が異なっている。すなわち、通常1または2以上の半透明板のサブ画素部分は、他の半透明板サブ画素部分に比べて、より多くの光を吸収する。
【0018】
従って、本発明のこの態様による半透明型ディスプレイでは、半透明板は、異なる色に対応するサブ画素に従って、局部的に変化する光吸収度を有する。実際には、個々の色の輝度は、白色点がバランス化されるように(すなわち、異なるサブ画素の色の間でバランス化されるように)選択することができる。
【0019】
当然のことながら、全ての材料は、ある程度の光を吸収する。この固有の吸収性は、ディスプレイには好ましくはなく、ディスプレイの光出力を最大にするため、通常は、できる限り低い吸収性を有する材料が選定される。一方、本発明では、半透明板に光吸収手段を導入することにより、ディスプレイの1または2以上の原色に対応するサブ画素の光吸収性を意図的に増大させることを基本としている。
【0020】
透過性部分または反射性部分の光吸収度は、調整することができる。これは、多くの異なる方法によって可能となる。光吸収度を向上させる一つの方法は、半透明コーティングによって、反射性および/または透過性部分を局部的に被覆することである。これは、例えば印刷技術を用いることにより、実施することができる。
【0021】
ただし、半透明板をパターン化する別の方法によって、対応するサブ画素の一部分だけを実質的に光吸収性にしても良い。例えば、反射性を抑制する必要があるサブ画素において、逆に、残りの反射性部分の一部を、実質的に光吸収性にしても良い。この場合、そのようなサブ画素では、非透過性領域の全体の反射性は、吸収部分の寸法に比例して低下する。このように、ある実施例では、半透明板は、光吸収性部分を有し、この部分は、少なくとも一つの色のサブ画素に配置される。この方法は、適用上多くの利点を有する。一つの利点は、反射性部分と吸収性部分の面積比を選択することにより、反射性を正確に制御することができることである。当然のことながら、この実施例を利用する別の方法では、残りの透過性部分に、光吸収性材料を配置することにより、透過性を制御することが可能となる。
【0022】
通常の場合、半透明型ディスプレイは、サブ画素を相互に分離するブラックマトリクスを有する。通常このマトリクスは、光吸収性材料の格子であり、半透明板上に配置される。このマトリクスは、少なくとも2つの目的で提供され、一つは、このマトリクスによって、サブ画素の色を明確に分離し、光クロストークを抑制すること、もう一つは、このマトリクスによって、反射コントラストを高めることである。ディスプレイが半透明板上に配置されたブラックマトリクスを担持する場合、ブラックマトリクス材料もまた、より高い光吸収度を有する必要のあるサブ画素の一部を被覆する。実際には、ブラックマトリクスの光吸収度を高める場合、同じ材料および同じ製造ステップが採用され、これにより製造工程が単純化される。このように、ある実施例では、ディスプレイは、さらに、ブラックマトリクスを有し、このブラックマトリクスは、サブ画素を相互に分離し、前記半透明板上に、高い光吸収度を有するサブ画素の吸収性部分と同じ材料で形成される。
【0023】
本願において、「色点」という概念は、各色の輝度および飽和度を示すパラメータとして使用される。当然のことながら、高い飽和度とは、光スペクトルが所望の波長のみを有するという意味において、色が「純粋」であることを表し、低い飽和度とは、光スペクトルが知覚色を劣化させる好ましくない波長を有することを表す。本願では、「白色点」という概念は、ディスプレイにおいて得られる最も白い色の輝度および白色度を表す場合と同様の意味で使用される。当然のことながら、白色点は、相互に白色光を形成する複数の色の色点の一次関数である(例えば、RGBカラーフィルタの場合、赤、緑、および青の色点の組み合わせ)。
【0024】
従って本発明は、半透明型ディスプレイにおいて、白色点および色点を調整する新しい方策を提供する。ただし、前述のように、半透明および反射モードでは、色点と白色点の間に複雑な相互関係が存在する。各色点/白色点は、彩度および白色度を向上するために最適化されるのみならず、透過および反射モードをバランス化して、異なる駆動モード間での平滑な移行ならびに組み合わせを可能にする必要がある。従って、異なる色のサブ画素の反射性を選択することに、ディスプレイ特性を向上させる他の方策を組み合わせることが有意である。
【0025】
このように、ある実施例では、半透明板の透過性部分と反射性部分の間の面積比は、異なる色のサブ画素間で異なっている。実際には、反射/透過比は、各色のサブ画素に対して、個別に調節される。例えば、透過モードにおいて、一つの色が特に明るい場合、反射/透過比を増大させる。これにより、透過モードでの輝度が抑制されると同時に、反射モードでの輝度が増大する。そのような増大が好ましくない場合、この増大は、本発明に係る対応するサブ画素の反射性を抑制することによって、相殺されても良い。このように、反射/透過比の調整と、非透過性半透明板部分の反射性の調整との組み合わせによって、透過モードおよび反射モードでの、色輝度の同時最適化が可能になる。
【0026】
また、異なる色のサブ画素の反射性を選定することと、カラーフィルタの調整とを組み合わせても良い。すなわち、ある実施例では、半透明板の透過性部分に対応するカラーフィルタの部分は、半透明板の反射性部分に対応するカラーフィルタの部分に比べて、より強いカラーフィルタ効果を有する。前述のように、これにより、反射モードと透過モード間での彩度のバランス化が容易となる。カラーフィルタの調整と各色のサブ画素の反射性の調整とを組み合わせることにより、色点および白色点をバランス化し、最適化する別の方策が提供される。
【0027】
例えば、異なるフィルタ化密度を有するカラーフィルタを使用した場合、異なるフィルタ化効果が得られる。ただし、多くの用途においては、代わりに厚さの異なるフィルタを使用することがより容易である。この場合、通常、より強いフィルタ効果が必要となる透過性部分を形成するホールが、余分なフィルタの厚さを調節する空洞を定形するため、カラーフィルタが直接半透明板上に配置されるという利点が得られる。これにより、液晶層と面する外側のフィルタ表面は、より均一になる。このように、ある実施例では、カラーフィルタは、直接半透明板上に配置され、半透明板の透過性部分に対応するカラーフィルタの部分は、半透明板の反射体表面に対応するカラーフィルタの部分より厚くなる。
【0028】
また、カラーフィルタの厚さ、さらにはカラーフィルタ効果は、異なる色の反射性部分とは異なるように選択することができる。従って、ある実施例では、異なる色のサブ画素間では、反射性部分に対応するカラーフィルタの厚さが異なっている。
【0029】
また、本発明による半透明板の非透過性部分の反射性を調整することに、ピンホールカラーフィルタ(すなわち、ホールを有し、入射周囲光の全体をフィルタ処理しないカラーフィルタであって、フィルタ処理された光と未フィルタ処理光とが組み合わされ、彩度の低下が生じるフィルタ)を組み合わせても良い。すなわち、ある実施例では、カラーフィルタは、そのカラーフィルタが、全てにおいてではないが、反射体表面の一部と対応するように配置される。全体的に吸収性部分を導入することによって、光吸収度が調整される場合、吸収性部分におけるカラーフィルタの存在は、ディスプレイ特性とは無関係であることは明らかである。ただし、この実施例では、カラーフィルタは、このカラーフィルタによって、フィルタ処理されずに反射された周囲光の一部を、そのままにするように配置される。従って、ピンホールカラーフィルタを有するサブ画素は、反射モードにおいて、未フィルタ処理光と、フィルタ処理光とを有する光スペクトルを表示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施例を、一例として添付した図面を参照して、以下に説明する。
【0031】
一例として添付した図1には、半透明型液晶ディスプレイ100の断面が示されている。広く知られているように、半透明型ディスプレイは、多くの異なる構成を有し、本例は、一例として示されているに過ぎない。ディスプレイ100は、前方基板111および後方基板110を有する。前方基板111の上部には、電極101がストリップパターン状に形成されており、この電極は、サブ画素の行(または列)を定形する。通常電極は、ITO(インジウムスズ酸化物)で構成され、密着絶縁層として機能するトップコート102で被覆される。トッポコート102上には、研磨層103が配置される。研磨層103は、例えば研磨されたポリイミドで構成される。
【0032】
後方基板110は、半透明板109を担持し、この半透明板は、通常の場合、後方基板110の反射特性および透過特性を決める反射性材料のパターン化層である。半透明板109は、構造化カラーフィルタ108で被覆され、このフィルタは、電極のパターンに対応したサブ画素パターンを有する。カラーフィルタ108は、その上に配置される行(または列)電極106が平滑表面となるように、半透明オーバーコートで被覆される。行電極106は、研磨層105で被覆され、この研磨層105は、研磨層103とともに、液晶層104が充填される空洞を形成する。
【0033】
さらにディスプレイは、光前方スタック112と、光後方スタック113(偏光器等)と、バックライト配置114とを有する。バックライト配置は、半透明板の透過性部分を透過する光を放射する機能を有する。
【0034】
本願の以下の記載は、カラーフィルタおよび半透明板を担持するディスプレイの部分に着目して説明する。通常、この部分が本発明の特徴的部分であるからである。当然のことながら、いかなる従来のまたは将来の方法によって、以下に示されていない部品が設計され、製作されても良い。
【0035】
次に図2には、本発明による半透明板のベース部を形成するガラスプレート201の上面図および断面図を示す。このため、ガラスプレート201は、黒色の光吸収性材料で被覆される。この材料は、例えば、印刷技術を用いて印刷されても良く、あるいはスピンコート法および後続のマスク露光現像法を用いて形成されても良く、ブラックマトリクス202と、被覆されていないフレーム204によってマトリクスから分離されたブラックアイランド203とからなるパターンが形成される。各フレーム204およびアイランド203は、相互にサブ画素領域を形成し、この領域では、未被覆フレームが、透過性部分を定形し、被覆されたアイランドが非透過性部分を定形する。その後、アイランドの一部に、反射性材料205の層が配置される。従って、反射性材料は、非透過性部分に反射性表面を形成する。この例では、サブ画素は、赤(R)、緑(G)および青(B)のサブ画素であり、これらが一緒になって、フルカラー画素206が形成される。実際の色は、この図には示されていないカラーフィルタによって提供される。この例では、青の画素の非透過性部分は、反射性材料で完全に被覆されており、この部分で最大の反射性が得られる。赤のサブ画素は、幾分反射性が抑制されており、緑のサブ画素は、2つの分離領域に分割された反射性表面を有し、これらの領域は、いずれも非透過性部分の約半分が被覆されている。
【0036】
図3には、透過モードにある画素206を示す。この場合、バックライトがオンにされ、周囲光は、ディスプレイに全く寄与しない。従って画素は、この図では白い部分に相当する透過性部分204からのみ発光する。これに対して黒い図分は、いかなる光も放射せず、そのため表示画像には寄与しない。一方図4には、反射モードにある画素を示す。この場合、バックライトはオフにされるが、周囲光が十分に強く、可視画像が形成される。すなわち周囲光は、反射性表面205によってのみ反射されるため、非透過性部分の一部のみが全体画像に影響を及ぼす。
【0037】
ディスプレイを一定の距離から眺めた場合、知覚画像は、各画素から放射される光全体によって形成され、領域がサブ画素に分割されていること、ならびに放射および非放射部分に分割されていることは、感知できなくなる。ただし、いかなる所与の環境においても、放射領域が広くなると、より多くの光が放射されるため、結果的に、表示画像はより明るくなる。
【0038】
図5には、図2に示した「アイランド型」とは異なる半透明板の構成を示す。図5に示す半透明板では、ガラスプレート501は、ブラックマトリクス502(図2参照)と、透過スリット509によって分離された光吸収性スリット503とを形成する光吸収性材料で被覆される。その後、これらの光吸収性スリットは、異なる幅を有するスリット形状の反射性材料505で被覆される。得られる透過状態および反射状態の外観は、それぞれ、図6および7に示されている。
【0039】
図8には、半透明板上に、非透過性部分の非反射性領域を配置する別の方法を示す。すなわち、図8には、ガラスプレート801上に直接配置された反射性材料802を有する、半透明板800の断面を示す。光吸収性材料803は、反射性材料とガラスプレートの間ではなく、反射体材料上に配置されている。この特定の半透明板800は、ストリップ状半透明板構造を有し、いかなるブラックマトリクスも担持していない。ただし、光吸収性材料は、反射体表面との間で、いかなる空間関係で配置されても良いこと、および本発明との組み合わせにおいて、いかなる半透明板配置を使用しても良いことに留意する必要がある
本発明を利用することの一般的な利点は、透過特性用のホールを製作するために、反射体が予め処理されており、追加の処理ステップが全く不要となることである。
【0040】
前述のように、カラーフィルタは、いわゆるピンホール構造を有しても良い。そのような半透明板900は、図9に示されている。この図において、参照符号901は、ガラスプレートを表し、参照符号902は、光吸収性部分を表し、参照符号904は、半透明板の反射性部分を表す。参照符号903および905は、色が異なる(すなわち、異なるサブ画素に対応する)カラーフィルタの部分を表す。カラーフィルタの部分903は、ホール906を有し、反射体によって反射した光は、フィルタ処理されないまま、このホールを通過することが可能であり、反射光の色は、非飽和となる。
【0041】
透過性白色点は、各色の反射/透過比を個々に選択することによって制御することができる。当然のことながら、反射/透過比が増加すると、透過モードにおいて、特定の色の輝度が低下する。しかしながら、そのような増加は、反射モードでのその色の輝度を高めるため、反射性白色点に対して補完的な効果を有する。ピンホールカラーフィルタを使用した場合、この補完的な効果は、非透過性部分での反射性領域の適当な選定によって相殺することができる。
【0042】
あるいは、図10に示すように、半透明板の透過性部分と非透過性部分において、カラーフィルタを異なる厚さとしても良い。図10に示す半透明板1000は、ガラスプレート1001と、光吸収性材料1002、1009と、反射体表面1005、1008と、カラーフィルタ1004、1006とを有する。この吸収性材料は、半透明板の非透過性部分全体を被覆し、一部のみが反射性材料によって被覆されている。カラーフィルタ1004、1006は、吸収性/反射性材料、およびガラスプレート1001上に、直接配置される。従ってカラーフィルタは、半透明板の透過性部分の間隙を塞いでいる。その結果、反射性部分よりも透過性部分において、フィルタ効果がより強くなる。また、吸収性材料1002は、2つのサブ画素で厚さが異なっており、左側のカラーフィルタ1004は、右側のカラーフィルタ1006よりも薄くなっている(右のサブ画素の厚さ1007と、左のサブ画素の厚さ1003の比較)。実際には、フィルタ効果は、透過性部分と非透過性部分のみならず、異なる色のサブ画素の非透過性部分同士でも異なっている。従って、カラーフィルタ厚さ(主として、反射光の飽和レベルに影響する)、さらには反射性材料の面積(主として、反射光の輝度に影響する)を調整することにより、反射色のバランス化および最適化が可能となる。また当然のことながら、一般に厚いカラーフィルタでは、透過光の彩度が高まる。
【0043】
パターン化された厚さ(すなわち、MT構造)を有するカラーフィルタは、同等の反射性彩度では、ピンホール型に比べて反射性が大きくなるという利点を有する。この大きな反射性を、白色点の最適化に利用することができる。
【0044】
図11には、色点を最適化するパラメータの想定される別の組み合わせを示す。前述の場合と同様に、図11の半透明板は、ガラスプレート1101と、光吸収性材料1102と、反射性材料1105と、カラーフィルタ1103とを有する。ただし、この例では、半透明板の反射/透過比は、異なる色のサブ画素毎に別個に選定される。従って、左のサブ画素は、右の画素の開口1006よりも径の大きな開口1004を有する。
【0045】
前述の方策は、いずれも、例えば印刷技術を用いて、提供することができる。これとは別にまたはこれに組み合わせて、マスク処理ステップを用いて、別のパターンを提供しても良い。次に(例えば、スピンコート法またはローラーコーティング法によって)、半透明板の全表面にわたって各材料が設置され、その後被除去領域が、マスクを通る電磁放射線で露光され、さらにエッチングされる。特に、吸収性材料が異なる厚さであることが好ましい場合、ハーフトーンマスクが使用される。そのようなマスクを用いた場合、異なる領域が異なる量の放射線で露光される。その後のエッチング処理において、受けた放射線量に相関して、表面が除去される。これにより、表面が異なる厚さの領域を有するように、パターン化を行うことが可能となる。
【0046】
ピンホールカラーフィルタを使用した場合、通常、透過モードと反射モード間の彩度バランスは、主としてピンホール配置によって決まる。ピンホールカラーフィルタには、これらのフィルタによって、反射性を低下させずに、より多目的な各色点の調整が可能になるという利点がある。しかしながら、ピンホールカラーフィルタは、通常の場合、アディティブ法(印刷処理技術等)を用いて製作することが難しい。実際には、一般のピンホールカラーフィルタには、スピンコート法またはローラーコーティング法および後続のマスク処理ステップのような、サブトラクティブパターン化法が必要となる。
【0047】
透過性部分および非透過性部分の厚さが異なるカラーフィルタ(いわゆる多重厚さフィルタ、MTフィルタ)を使用する場合、透過光と反射光の間の彩度バランスは、主として、カラーフィルタの厚さを選定することによって定められる。MTフィルタには、これらのフィルタが、印刷技術等のアディティブ法を用いて容易に提供されるという利点がある。印刷技術を用いる場合、必要な色素のほぼ100%が、カラーフィルタの製作に用いられる。サブトラクティブ法を使用した場合、色素のかなりの量が常に無駄になる。例えば、スピンコート法を用いた場合、約95%が廃棄され、ローラーコーティング法を使用した場青、約70%が廃棄される。カラーフィルタ製作の上で、色素は、主要コスト要因である。従って、MTフィルタは、ピンホールカラーフィルタに比べて実質的に安価となる。実際に、本発明をMTカラーフィルタと組み合わせることは、特に有意である。この組み合わせによって、対コスト効果のある構成が提供される。透過モードと反射モードの色点および白色点の最適化を分離することが可能になるためである。
【0048】
また本発明は、非透過性部分が完全に反射性ではないホールインミラー型半透明板の使用に基づくものである。反射性部分と非反射性部分の間の比は、反射光の白色点および色点が、バックライトから透過された光の白色点および色点とバランスされるように選定される。実際に、本発明は、反射白色点を調節する上で、便利で対コスト効果のある方法を提供する。
【0049】
しかしながら、色点を最適化する際の複雑な因子は、画素のコントラストには限界があることである。換言すれば、画素がオフ状態であっても、サブ画素は、ある量の光を透過/反射する。その結果、この光は、表示画像内に常に存在することになり、これにより他のサブ画素の色点が妨害され、これが非飽和になってしまう。結果的に、特定の色のサブ画素の反射性表面の寸法の変化が、事実上彩度に影響を及ぼすとともに、さらには反射光の色点にも影響を及ぼすことになる。反射性表面は、オフ状態にある画素が反射する光の量をも決めるためである。例えば、RGBディスプレイでは、赤色の光が好ましい場合、青色と緑色のサブ画素がオフにされる。しかしながら、コントラストが有限のため、青と緑のサブ画素によって、一部の光が追加され、これにより赤の光が非飽和にされる。ただし当然のことながら、青および/または緑のサブ画素の反射性表面が減少した場合、その段階に応じて、非飽和の影響が抑制される。
【0050】
本発明を構成する一つの方法は、半透明板に、反射性および透過性部分を配置することのみならず、光吸収性部分を配置することである。これにより、透過および反射モードにおいて、輝度を個別に制御することが可能となる。基本的に本発明は、既にパターン化された反射性材料のパターンを単に変更することによって、実施することができる。
【0051】
要約すると、本発明は、透過モードおよび反射モードにおける色点と白色点のバランスを改良し、最適化することの可能な半透明型カラー液晶ディスプレイに関する。本発明は、選定色のサブ画素の光吸収度を意図的に増大させることに基づくものである。光吸収度は、サブ画素レベルの光吸収部分803の介在によって、増大させることができる。さらにこの介在によって、サブ画素の全体的な反射性および/または透過性が低下する。本発明のように光吸収度を選定することと、異なる厚さを有するカラーフィルタおよび/またはピンホールカラーフィルタを使用することとを組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】半透明型液晶ディスプレイを示す図である。
【図2】異なる製造段階での、本発明による「アイランド型」半透明板の上面図および断面図である。
【図3】透過モードにある図2の半透明板を示す図である。
【図4】反射モードにある図2の半透明板を示す図である。
【図5】異なる製造段階での、本発明による「スリット型」半透明板の上面図および断面図である。
【図6】透過モードにある図5の半透明板を示す図である。
【図7】反射モードにある図5の半透明板を示す図である。
【図8】本発明による別の半透明板構造の断面図である。
【図9】ピンホール型カラーフィルタを用いたときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【図10】透過性部分と反射性部分において、および異なる色の反射性部分において、カラーフィルタが異なる厚さを有するときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【図11】異なる色のサブ画素間で、反射/透過比が異なるときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された彩度および白色点精度を有する半透明型液晶カラーディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル型ディスプレイは、急速に成長を続けている技術分野である。液晶ディスプレイは、最も普及している例の一つであり、現在これらのディスプレイでは、急速に開発が進められている。
【0003】
半透明型液晶ディスプレイ(LCD)には、周囲光によって照射される反射特性、および内部バックライト配置によって照射される透過特性を得ることができるという特徴がある。そのようなディスプレイには、それらのディスプレイは、明るい白昼光の下でも暗い環境下でも、高い可読性を示すという利点がある。
【0004】
半透明特性は、液晶層とバックライトの間に配置される半透明板によって提供される。最も一般的な半透明板は、いわゆる「ホ―ルインミラー」型の半透明板であり、この半透明板は、基本的には、反射性部分および透過性部分(すなわちホール)を有する開孔ミラーである。通常、半透明板は、それらの反射/透過性によって分類され、例えば90/10半透明板は、90%の反射性表面と、10%の透過性表面とを有する。
【0005】
従って、半透明型ディスプレイは、バックライトをオフにした純粋な反射モード、またはバックライトをオンにした透過モードのいずれかで駆動することができる。しかしながら、バックライトがオンのときであっても、周囲光が使用される場合がある。そのような場合、透過光と反射光の組み合わせが使用され、表示される。
【0006】
大部分の半透明型液晶ディスプレイは、フルカラーディスプレイであり、従ってカラーフィルタを有する。通常の場合、カラーフィルタは、パターン化RGBフィルタ(赤、緑および青)であり、カラーパターンは、液晶素子内のサブ画素配置に対応する。RGBフィルタは、それらのフィルタが、一つの色(赤、緑または青)のみを透過し、残りの色を吸収するように追加される。このため、2つまたは3つのサブ画素からの光の組み合わせ(追加)によって、色調が形成される。当然のことながら、全ての3色を混合すると、白色光が形成される。カラーフィルタの吸収性能のため、フルカラーディスプレイにおいて、輝度は大きな問題である。
【0007】
従って、半透明型ディスプレイは、液晶層(LC層)、カラーフィルタおよび半透明板を用いて配置される。ディスプレイに照射され、LC層およびカラーフィルタを通過して進行する周囲光(半透明板を通過する光の割合を除く)は、半透明板によって反射され、LC層およびカラーフィルタを通って逆向きに戻る。透過モードでは、光は、バックライトで生じ、まず半透明板を通って進行し(すなわち、半透明板によって反射されなかった光の割合)、次にLC層およびカラーフィルタを通過する。実際には、バックライトで生じた光は、1回だけカラーフィルタを通過し、反射体で反射された周囲光は、カラーフィルタを2回通過するため、高いフィルタ効果が得られ、高い飽和色が得られる。
【0008】
そのため、通常の場合、半透明型ディスプレイの彩度は、透過モードと反射モードの間で異なることになる。さらに、通常反射モードで取り入れられる周囲光の色スペクトルは、透過モードで取り入れられるバックライトの色スペクトルとは異なるため、この問題は、さらに助長される。色の差が生じることによって、駆動モード間の平滑な移行が難しくなり、平滑な移行が不可能となる場合もある。また、通常白色点(すなわり、最も白色に近い光の知覚色と強度)は、透過モードと反射モードの間で異なっている。
【0009】
サブ画素が限られたコントラストを有するということにより、色バランスの問題は、さらに複雑なものとなる。換言すれば、サブ画素を完全にオフにすることができなくなる。従って、限られたコントラストは、彩度を低下させ、例えば、最も赤い色調が、ある量の緑および青の光によって劣化してしまう。
【0010】
そのため、半透明および反射駆動モードでの色飽和および白色点を向上させ、バランス化する必要がある。
【0011】
この問題を軽減する一つの方法は、半透明板の反射部分を完全には被覆しないカラーフィルタ(いわゆるピンホールカラーフィルタ)を使用することである。そのような解決策は、例えば欧州特許第1279996A2号に示されている。実際には、各サブ画素において、反射光は、カラーフィルタを2回通過したフィルタ部と、カラーフィルタを一度も通過していない未フィルタ化部とで構成される。反射光に未フィルタ化光を付加すると、飽和度が低下するため、カラーフィルタ被覆率の適当な選定によって、この飽和度を透過光の飽和度とバランス化させることができる。
【0012】
別の方法は、透過部分と反射部分において、厚さの異なるカラーフィルタ(いわゆるMT構造)を使用するものである。簡単に言えば、半透明板の透過性部分に相当する領域において、カラーフィルタの厚さを2倍にすることにより、周囲光と、バックライトから生じる光とが、同じ距離だけ進行するようになる。そのような解決策は、例えば欧州特許第1279966号に示されている。
【0013】
透過モードおよび反射モードでの白色点のバランス化のため使用されるさらに別の方策は、異なる色のサブ画素に異なる反射/透過比を適用するものである。例えば、透過性白色点は、僅かに黄色みがかっており、反射性白色点は、僅かに青みがかっている場合、青のサブ画素の反射/透過比が抑制される(すなわち透過性部分が増大する)。
【特許文献1】欧州特許第1279996号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、一方で白色点のバランス化および改良を行い、他方で彩度のバランス化および改良を行うことは、相互に関係はあるものの、2つの別の問題である。従って、ある特徴を最適化した場合、他の特徴が低下することが生じやすい。このように、全てのディスプレイ特性を完全に最適化するため、自由に調整することが可能な独立パラメータの形の、高い自由度が必要となっている。
【0015】
現在利用可能な方策では、この要求に合致させることはできない。従って、本発明の課題は、半透明型液晶ディスプレイにおいて、彩度および白色点を最適化し、バランス化するための別の方策を提供することである。また、一般的な要望として、実質的に余分ないかなるコストも生じないように、最適化を行う必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このように、本発明では、前述の要求を満足させる半透明型液晶ディスプレイを提供することを課題としている。この課題は、請求項1に記載の半透明型ディスプレイによって達成される。
【0017】
すなわち、本発明のある態様では、複数の別の色のサブ画素に一致するようパターン化されたカラーフィルタと、対応するサブ画素に対して整列されたサブ画素部分を有する半透明板と、を有する半透明型ディスプレイが提供される。半透明板において、異なる色に対応するサブ画素部分では、光吸収比が異なっている。すなわち、通常1または2以上の半透明板のサブ画素部分は、他の半透明板サブ画素部分に比べて、より多くの光を吸収する。
【0018】
従って、本発明のこの態様による半透明型ディスプレイでは、半透明板は、異なる色に対応するサブ画素に従って、局部的に変化する光吸収度を有する。実際には、個々の色の輝度は、白色点がバランス化されるように(すなわち、異なるサブ画素の色の間でバランス化されるように)選択することができる。
【0019】
当然のことながら、全ての材料は、ある程度の光を吸収する。この固有の吸収性は、ディスプレイには好ましくはなく、ディスプレイの光出力を最大にするため、通常は、できる限り低い吸収性を有する材料が選定される。一方、本発明では、半透明板に光吸収手段を導入することにより、ディスプレイの1または2以上の原色に対応するサブ画素の光吸収性を意図的に増大させることを基本としている。
【0020】
透過性部分または反射性部分の光吸収度は、調整することができる。これは、多くの異なる方法によって可能となる。光吸収度を向上させる一つの方法は、半透明コーティングによって、反射性および/または透過性部分を局部的に被覆することである。これは、例えば印刷技術を用いることにより、実施することができる。
【0021】
ただし、半透明板をパターン化する別の方法によって、対応するサブ画素の一部分だけを実質的に光吸収性にしても良い。例えば、反射性を抑制する必要があるサブ画素において、逆に、残りの反射性部分の一部を、実質的に光吸収性にしても良い。この場合、そのようなサブ画素では、非透過性領域の全体の反射性は、吸収部分の寸法に比例して低下する。このように、ある実施例では、半透明板は、光吸収性部分を有し、この部分は、少なくとも一つの色のサブ画素に配置される。この方法は、適用上多くの利点を有する。一つの利点は、反射性部分と吸収性部分の面積比を選択することにより、反射性を正確に制御することができることである。当然のことながら、この実施例を利用する別の方法では、残りの透過性部分に、光吸収性材料を配置することにより、透過性を制御することが可能となる。
【0022】
通常の場合、半透明型ディスプレイは、サブ画素を相互に分離するブラックマトリクスを有する。通常このマトリクスは、光吸収性材料の格子であり、半透明板上に配置される。このマトリクスは、少なくとも2つの目的で提供され、一つは、このマトリクスによって、サブ画素の色を明確に分離し、光クロストークを抑制すること、もう一つは、このマトリクスによって、反射コントラストを高めることである。ディスプレイが半透明板上に配置されたブラックマトリクスを担持する場合、ブラックマトリクス材料もまた、より高い光吸収度を有する必要のあるサブ画素の一部を被覆する。実際には、ブラックマトリクスの光吸収度を高める場合、同じ材料および同じ製造ステップが採用され、これにより製造工程が単純化される。このように、ある実施例では、ディスプレイは、さらに、ブラックマトリクスを有し、このブラックマトリクスは、サブ画素を相互に分離し、前記半透明板上に、高い光吸収度を有するサブ画素の吸収性部分と同じ材料で形成される。
【0023】
本願において、「色点」という概念は、各色の輝度および飽和度を示すパラメータとして使用される。当然のことながら、高い飽和度とは、光スペクトルが所望の波長のみを有するという意味において、色が「純粋」であることを表し、低い飽和度とは、光スペクトルが知覚色を劣化させる好ましくない波長を有することを表す。本願では、「白色点」という概念は、ディスプレイにおいて得られる最も白い色の輝度および白色度を表す場合と同様の意味で使用される。当然のことながら、白色点は、相互に白色光を形成する複数の色の色点の一次関数である(例えば、RGBカラーフィルタの場合、赤、緑、および青の色点の組み合わせ)。
【0024】
従って本発明は、半透明型ディスプレイにおいて、白色点および色点を調整する新しい方策を提供する。ただし、前述のように、半透明および反射モードでは、色点と白色点の間に複雑な相互関係が存在する。各色点/白色点は、彩度および白色度を向上するために最適化されるのみならず、透過および反射モードをバランス化して、異なる駆動モード間での平滑な移行ならびに組み合わせを可能にする必要がある。従って、異なる色のサブ画素の反射性を選択することに、ディスプレイ特性を向上させる他の方策を組み合わせることが有意である。
【0025】
このように、ある実施例では、半透明板の透過性部分と反射性部分の間の面積比は、異なる色のサブ画素間で異なっている。実際には、反射/透過比は、各色のサブ画素に対して、個別に調節される。例えば、透過モードにおいて、一つの色が特に明るい場合、反射/透過比を増大させる。これにより、透過モードでの輝度が抑制されると同時に、反射モードでの輝度が増大する。そのような増大が好ましくない場合、この増大は、本発明に係る対応するサブ画素の反射性を抑制することによって、相殺されても良い。このように、反射/透過比の調整と、非透過性半透明板部分の反射性の調整との組み合わせによって、透過モードおよび反射モードでの、色輝度の同時最適化が可能になる。
【0026】
また、異なる色のサブ画素の反射性を選定することと、カラーフィルタの調整とを組み合わせても良い。すなわち、ある実施例では、半透明板の透過性部分に対応するカラーフィルタの部分は、半透明板の反射性部分に対応するカラーフィルタの部分に比べて、より強いカラーフィルタ効果を有する。前述のように、これにより、反射モードと透過モード間での彩度のバランス化が容易となる。カラーフィルタの調整と各色のサブ画素の反射性の調整とを組み合わせることにより、色点および白色点をバランス化し、最適化する別の方策が提供される。
【0027】
例えば、異なるフィルタ化密度を有するカラーフィルタを使用した場合、異なるフィルタ化効果が得られる。ただし、多くの用途においては、代わりに厚さの異なるフィルタを使用することがより容易である。この場合、通常、より強いフィルタ効果が必要となる透過性部分を形成するホールが、余分なフィルタの厚さを調節する空洞を定形するため、カラーフィルタが直接半透明板上に配置されるという利点が得られる。これにより、液晶層と面する外側のフィルタ表面は、より均一になる。このように、ある実施例では、カラーフィルタは、直接半透明板上に配置され、半透明板の透過性部分に対応するカラーフィルタの部分は、半透明板の反射体表面に対応するカラーフィルタの部分より厚くなる。
【0028】
また、カラーフィルタの厚さ、さらにはカラーフィルタ効果は、異なる色の反射性部分とは異なるように選択することができる。従って、ある実施例では、異なる色のサブ画素間では、反射性部分に対応するカラーフィルタの厚さが異なっている。
【0029】
また、本発明による半透明板の非透過性部分の反射性を調整することに、ピンホールカラーフィルタ(すなわち、ホールを有し、入射周囲光の全体をフィルタ処理しないカラーフィルタであって、フィルタ処理された光と未フィルタ処理光とが組み合わされ、彩度の低下が生じるフィルタ)を組み合わせても良い。すなわち、ある実施例では、カラーフィルタは、そのカラーフィルタが、全てにおいてではないが、反射体表面の一部と対応するように配置される。全体的に吸収性部分を導入することによって、光吸収度が調整される場合、吸収性部分におけるカラーフィルタの存在は、ディスプレイ特性とは無関係であることは明らかである。ただし、この実施例では、カラーフィルタは、このカラーフィルタによって、フィルタ処理されずに反射された周囲光の一部を、そのままにするように配置される。従って、ピンホールカラーフィルタを有するサブ画素は、反射モードにおいて、未フィルタ処理光と、フィルタ処理光とを有する光スペクトルを表示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施例を、一例として添付した図面を参照して、以下に説明する。
【0031】
一例として添付した図1には、半透明型液晶ディスプレイ100の断面が示されている。広く知られているように、半透明型ディスプレイは、多くの異なる構成を有し、本例は、一例として示されているに過ぎない。ディスプレイ100は、前方基板111および後方基板110を有する。前方基板111の上部には、電極101がストリップパターン状に形成されており、この電極は、サブ画素の行(または列)を定形する。通常電極は、ITO(インジウムスズ酸化物)で構成され、密着絶縁層として機能するトップコート102で被覆される。トッポコート102上には、研磨層103が配置される。研磨層103は、例えば研磨されたポリイミドで構成される。
【0032】
後方基板110は、半透明板109を担持し、この半透明板は、通常の場合、後方基板110の反射特性および透過特性を決める反射性材料のパターン化層である。半透明板109は、構造化カラーフィルタ108で被覆され、このフィルタは、電極のパターンに対応したサブ画素パターンを有する。カラーフィルタ108は、その上に配置される行(または列)電極106が平滑表面となるように、半透明オーバーコートで被覆される。行電極106は、研磨層105で被覆され、この研磨層105は、研磨層103とともに、液晶層104が充填される空洞を形成する。
【0033】
さらにディスプレイは、光前方スタック112と、光後方スタック113(偏光器等)と、バックライト配置114とを有する。バックライト配置は、半透明板の透過性部分を透過する光を放射する機能を有する。
【0034】
本願の以下の記載は、カラーフィルタおよび半透明板を担持するディスプレイの部分に着目して説明する。通常、この部分が本発明の特徴的部分であるからである。当然のことながら、いかなる従来のまたは将来の方法によって、以下に示されていない部品が設計され、製作されても良い。
【0035】
次に図2には、本発明による半透明板のベース部を形成するガラスプレート201の上面図および断面図を示す。このため、ガラスプレート201は、黒色の光吸収性材料で被覆される。この材料は、例えば、印刷技術を用いて印刷されても良く、あるいはスピンコート法および後続のマスク露光現像法を用いて形成されても良く、ブラックマトリクス202と、被覆されていないフレーム204によってマトリクスから分離されたブラックアイランド203とからなるパターンが形成される。各フレーム204およびアイランド203は、相互にサブ画素領域を形成し、この領域では、未被覆フレームが、透過性部分を定形し、被覆されたアイランドが非透過性部分を定形する。その後、アイランドの一部に、反射性材料205の層が配置される。従って、反射性材料は、非透過性部分に反射性表面を形成する。この例では、サブ画素は、赤(R)、緑(G)および青(B)のサブ画素であり、これらが一緒になって、フルカラー画素206が形成される。実際の色は、この図には示されていないカラーフィルタによって提供される。この例では、青の画素の非透過性部分は、反射性材料で完全に被覆されており、この部分で最大の反射性が得られる。赤のサブ画素は、幾分反射性が抑制されており、緑のサブ画素は、2つの分離領域に分割された反射性表面を有し、これらの領域は、いずれも非透過性部分の約半分が被覆されている。
【0036】
図3には、透過モードにある画素206を示す。この場合、バックライトがオンにされ、周囲光は、ディスプレイに全く寄与しない。従って画素は、この図では白い部分に相当する透過性部分204からのみ発光する。これに対して黒い図分は、いかなる光も放射せず、そのため表示画像には寄与しない。一方図4には、反射モードにある画素を示す。この場合、バックライトはオフにされるが、周囲光が十分に強く、可視画像が形成される。すなわち周囲光は、反射性表面205によってのみ反射されるため、非透過性部分の一部のみが全体画像に影響を及ぼす。
【0037】
ディスプレイを一定の距離から眺めた場合、知覚画像は、各画素から放射される光全体によって形成され、領域がサブ画素に分割されていること、ならびに放射および非放射部分に分割されていることは、感知できなくなる。ただし、いかなる所与の環境においても、放射領域が広くなると、より多くの光が放射されるため、結果的に、表示画像はより明るくなる。
【0038】
図5には、図2に示した「アイランド型」とは異なる半透明板の構成を示す。図5に示す半透明板では、ガラスプレート501は、ブラックマトリクス502(図2参照)と、透過スリット509によって分離された光吸収性スリット503とを形成する光吸収性材料で被覆される。その後、これらの光吸収性スリットは、異なる幅を有するスリット形状の反射性材料505で被覆される。得られる透過状態および反射状態の外観は、それぞれ、図6および7に示されている。
【0039】
図8には、半透明板上に、非透過性部分の非反射性領域を配置する別の方法を示す。すなわち、図8には、ガラスプレート801上に直接配置された反射性材料802を有する、半透明板800の断面を示す。光吸収性材料803は、反射性材料とガラスプレートの間ではなく、反射体材料上に配置されている。この特定の半透明板800は、ストリップ状半透明板構造を有し、いかなるブラックマトリクスも担持していない。ただし、光吸収性材料は、反射体表面との間で、いかなる空間関係で配置されても良いこと、および本発明との組み合わせにおいて、いかなる半透明板配置を使用しても良いことに留意する必要がある
本発明を利用することの一般的な利点は、透過特性用のホールを製作するために、反射体が予め処理されており、追加の処理ステップが全く不要となることである。
【0040】
前述のように、カラーフィルタは、いわゆるピンホール構造を有しても良い。そのような半透明板900は、図9に示されている。この図において、参照符号901は、ガラスプレートを表し、参照符号902は、光吸収性部分を表し、参照符号904は、半透明板の反射性部分を表す。参照符号903および905は、色が異なる(すなわち、異なるサブ画素に対応する)カラーフィルタの部分を表す。カラーフィルタの部分903は、ホール906を有し、反射体によって反射した光は、フィルタ処理されないまま、このホールを通過することが可能であり、反射光の色は、非飽和となる。
【0041】
透過性白色点は、各色の反射/透過比を個々に選択することによって制御することができる。当然のことながら、反射/透過比が増加すると、透過モードにおいて、特定の色の輝度が低下する。しかしながら、そのような増加は、反射モードでのその色の輝度を高めるため、反射性白色点に対して補完的な効果を有する。ピンホールカラーフィルタを使用した場合、この補完的な効果は、非透過性部分での反射性領域の適当な選定によって相殺することができる。
【0042】
あるいは、図10に示すように、半透明板の透過性部分と非透過性部分において、カラーフィルタを異なる厚さとしても良い。図10に示す半透明板1000は、ガラスプレート1001と、光吸収性材料1002、1009と、反射体表面1005、1008と、カラーフィルタ1004、1006とを有する。この吸収性材料は、半透明板の非透過性部分全体を被覆し、一部のみが反射性材料によって被覆されている。カラーフィルタ1004、1006は、吸収性/反射性材料、およびガラスプレート1001上に、直接配置される。従ってカラーフィルタは、半透明板の透過性部分の間隙を塞いでいる。その結果、反射性部分よりも透過性部分において、フィルタ効果がより強くなる。また、吸収性材料1002は、2つのサブ画素で厚さが異なっており、左側のカラーフィルタ1004は、右側のカラーフィルタ1006よりも薄くなっている(右のサブ画素の厚さ1007と、左のサブ画素の厚さ1003の比較)。実際には、フィルタ効果は、透過性部分と非透過性部分のみならず、異なる色のサブ画素の非透過性部分同士でも異なっている。従って、カラーフィルタ厚さ(主として、反射光の飽和レベルに影響する)、さらには反射性材料の面積(主として、反射光の輝度に影響する)を調整することにより、反射色のバランス化および最適化が可能となる。また当然のことながら、一般に厚いカラーフィルタでは、透過光の彩度が高まる。
【0043】
パターン化された厚さ(すなわち、MT構造)を有するカラーフィルタは、同等の反射性彩度では、ピンホール型に比べて反射性が大きくなるという利点を有する。この大きな反射性を、白色点の最適化に利用することができる。
【0044】
図11には、色点を最適化するパラメータの想定される別の組み合わせを示す。前述の場合と同様に、図11の半透明板は、ガラスプレート1101と、光吸収性材料1102と、反射性材料1105と、カラーフィルタ1103とを有する。ただし、この例では、半透明板の反射/透過比は、異なる色のサブ画素毎に別個に選定される。従って、左のサブ画素は、右の画素の開口1006よりも径の大きな開口1004を有する。
【0045】
前述の方策は、いずれも、例えば印刷技術を用いて、提供することができる。これとは別にまたはこれに組み合わせて、マスク処理ステップを用いて、別のパターンを提供しても良い。次に(例えば、スピンコート法またはローラーコーティング法によって)、半透明板の全表面にわたって各材料が設置され、その後被除去領域が、マスクを通る電磁放射線で露光され、さらにエッチングされる。特に、吸収性材料が異なる厚さであることが好ましい場合、ハーフトーンマスクが使用される。そのようなマスクを用いた場合、異なる領域が異なる量の放射線で露光される。その後のエッチング処理において、受けた放射線量に相関して、表面が除去される。これにより、表面が異なる厚さの領域を有するように、パターン化を行うことが可能となる。
【0046】
ピンホールカラーフィルタを使用した場合、通常、透過モードと反射モード間の彩度バランスは、主としてピンホール配置によって決まる。ピンホールカラーフィルタには、これらのフィルタによって、反射性を低下させずに、より多目的な各色点の調整が可能になるという利点がある。しかしながら、ピンホールカラーフィルタは、通常の場合、アディティブ法(印刷処理技術等)を用いて製作することが難しい。実際には、一般のピンホールカラーフィルタには、スピンコート法またはローラーコーティング法および後続のマスク処理ステップのような、サブトラクティブパターン化法が必要となる。
【0047】
透過性部分および非透過性部分の厚さが異なるカラーフィルタ(いわゆる多重厚さフィルタ、MTフィルタ)を使用する場合、透過光と反射光の間の彩度バランスは、主として、カラーフィルタの厚さを選定することによって定められる。MTフィルタには、これらのフィルタが、印刷技術等のアディティブ法を用いて容易に提供されるという利点がある。印刷技術を用いる場合、必要な色素のほぼ100%が、カラーフィルタの製作に用いられる。サブトラクティブ法を使用した場合、色素のかなりの量が常に無駄になる。例えば、スピンコート法を用いた場合、約95%が廃棄され、ローラーコーティング法を使用した場青、約70%が廃棄される。カラーフィルタ製作の上で、色素は、主要コスト要因である。従って、MTフィルタは、ピンホールカラーフィルタに比べて実質的に安価となる。実際に、本発明をMTカラーフィルタと組み合わせることは、特に有意である。この組み合わせによって、対コスト効果のある構成が提供される。透過モードと反射モードの色点および白色点の最適化を分離することが可能になるためである。
【0048】
また本発明は、非透過性部分が完全に反射性ではないホールインミラー型半透明板の使用に基づくものである。反射性部分と非反射性部分の間の比は、反射光の白色点および色点が、バックライトから透過された光の白色点および色点とバランスされるように選定される。実際に、本発明は、反射白色点を調節する上で、便利で対コスト効果のある方法を提供する。
【0049】
しかしながら、色点を最適化する際の複雑な因子は、画素のコントラストには限界があることである。換言すれば、画素がオフ状態であっても、サブ画素は、ある量の光を透過/反射する。その結果、この光は、表示画像内に常に存在することになり、これにより他のサブ画素の色点が妨害され、これが非飽和になってしまう。結果的に、特定の色のサブ画素の反射性表面の寸法の変化が、事実上彩度に影響を及ぼすとともに、さらには反射光の色点にも影響を及ぼすことになる。反射性表面は、オフ状態にある画素が反射する光の量をも決めるためである。例えば、RGBディスプレイでは、赤色の光が好ましい場合、青色と緑色のサブ画素がオフにされる。しかしながら、コントラストが有限のため、青と緑のサブ画素によって、一部の光が追加され、これにより赤の光が非飽和にされる。ただし当然のことながら、青および/または緑のサブ画素の反射性表面が減少した場合、その段階に応じて、非飽和の影響が抑制される。
【0050】
本発明を構成する一つの方法は、半透明板に、反射性および透過性部分を配置することのみならず、光吸収性部分を配置することである。これにより、透過および反射モードにおいて、輝度を個別に制御することが可能となる。基本的に本発明は、既にパターン化された反射性材料のパターンを単に変更することによって、実施することができる。
【0051】
要約すると、本発明は、透過モードおよび反射モードにおける色点と白色点のバランスを改良し、最適化することの可能な半透明型カラー液晶ディスプレイに関する。本発明は、選定色のサブ画素の光吸収度を意図的に増大させることに基づくものである。光吸収度は、サブ画素レベルの光吸収部分803の介在によって、増大させることができる。さらにこの介在によって、サブ画素の全体的な反射性および/または透過性が低下する。本発明のように光吸収度を選定することと、異なる厚さを有するカラーフィルタおよび/またはピンホールカラーフィルタを使用することとを組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】半透明型液晶ディスプレイを示す図である。
【図2】異なる製造段階での、本発明による「アイランド型」半透明板の上面図および断面図である。
【図3】透過モードにある図2の半透明板を示す図である。
【図4】反射モードにある図2の半透明板を示す図である。
【図5】異なる製造段階での、本発明による「スリット型」半透明板の上面図および断面図である。
【図6】透過モードにある図5の半透明板を示す図である。
【図7】反射モードにある図5の半透明板を示す図である。
【図8】本発明による別の半透明板構造の断面図である。
【図9】ピンホール型カラーフィルタを用いたときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【図10】透過性部分と反射性部分において、および異なる色の反射性部分において、カラーフィルタが異なる厚さを有するときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【図11】異なる色のサブ画素間で、反射/透過比が異なるときの、本発明による半透明板およびカラーフィルタの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半透明型液晶ディスプレイであって、
各々が異なる色に対応するサブ画素を有する複数の画素と、
前記サブ画素に対応するようにパターン化されたカラーフィルタと、
当該ディスプレイの対応するサブ画素に対して整列されたサブ画素部分を有し、光吸収手段を有する半透明板と、
を有し、
異なる色に対応するサブ画素部分は、相互に異なる光吸収比を有することを特徴とする半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項2】
前記半透明板は、少なくとも一つの色に対応するサブ画素部分に配置された、光吸収部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項3】
さらに、前記サブ画素を相互に分離するブラックマトリクスを有し、
該ブラックマトリクスは、前記半透明板上に形成され、前記光吸収部分と同じ材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項4】
各サブ画素部分は、透過性部分および反射性部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項5】
前記半透明板の透過性部分と反射性部分の面積比は、異なる色のサブ画素間では異なっていることを特徴とする請求項4に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項6】
前記半透明板の透過性部分に対応する前記カラーフィルタの第1の部分は、前記半透明板の反射性部分に対応する前記カラーフィルタの第2の部分よりも強いカラーフィルタ効果を有することを特徴とする請求項4に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項7】
前記カラーフィルタおよび前記半透明板は、相互に直接隣接するように配置され、前記カラーフィルタの前記第1の部分は、前記カラーフィルタの前記第2の部分よりも厚くなっていることを特徴とする請求項6に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項8】
反射性部分に対応する部分での前記カラーフィルタの前記厚さは、異なる色のサブ画素間では異なっていることを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項9】
前記カラーフィルタは、前記半透明板の前記反射性部分の一部に対応するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項1】
半透明型液晶ディスプレイであって、
各々が異なる色に対応するサブ画素を有する複数の画素と、
前記サブ画素に対応するようにパターン化されたカラーフィルタと、
当該ディスプレイの対応するサブ画素に対して整列されたサブ画素部分を有し、光吸収手段を有する半透明板と、
を有し、
異なる色に対応するサブ画素部分は、相互に異なる光吸収比を有することを特徴とする半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項2】
前記半透明板は、少なくとも一つの色に対応するサブ画素部分に配置された、光吸収部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項3】
さらに、前記サブ画素を相互に分離するブラックマトリクスを有し、
該ブラックマトリクスは、前記半透明板上に形成され、前記光吸収部分と同じ材料を含むことを特徴とする請求項2に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項4】
各サブ画素部分は、透過性部分および反射性部分を有することを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項5】
前記半透明板の透過性部分と反射性部分の面積比は、異なる色のサブ画素間では異なっていることを特徴とする請求項4に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項6】
前記半透明板の透過性部分に対応する前記カラーフィルタの第1の部分は、前記半透明板の反射性部分に対応する前記カラーフィルタの第2の部分よりも強いカラーフィルタ効果を有することを特徴とする請求項4に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項7】
前記カラーフィルタおよび前記半透明板は、相互に直接隣接するように配置され、前記カラーフィルタの前記第1の部分は、前記カラーフィルタの前記第2の部分よりも厚くなっていることを特徴とする請求項6に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項8】
反射性部分に対応する部分での前記カラーフィルタの前記厚さは、異なる色のサブ画素間では異なっていることを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【請求項9】
前記カラーフィルタは、前記半透明板の前記反射性部分の一部に対応するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半透明型液晶ディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−525709(P2007−525709A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500344(P2007−500344)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050663
【国際公開番号】WO2005/085942
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050663
【国際公開番号】WO2005/085942
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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