説明

卓上リーフベース、リーフベース本体、及びリーフ印刷物

【課題】 印刷に要するコストを節減する。
【解決手段】 リーフ印刷物65は、A4サイズの矩形であり、A5サイズに二分する中心線63に沿って、マイクロミシン目が形成されている。中心線63の付近には、中心線63に対して対称となる位置に、綴じ孔61が形成されている。さらに中心線63の両側には、切離し後のミシン目をカムフラージュするために、中心線の側に段差が繰り返し現れる模様の飾り罫線64が印刷される。中心線63により2分されるA5サイズの各面には、中心線63を上辺とするように、カレンダーの月表62が印刷されている。1枚のリーフ印刷物65をミシン目に沿って二分することにより得られる各月表62は、天面にリングバインダを有する卓上リーフベースの2本のリングに、差し替え可能に吊り下げることにより、卓上カレンダーとして使用に供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカレンダーなどのリーフ印刷物を交換可能に保持する卓上リーフベース、当該卓上リーフベースの製造に好適なリーフベース本体、及び前記卓上リーフベースへの使用に適したリーフ印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卓上リーフベースとして、側面視三角形の三角筒状体の頂部にリングが取り付けられ、綴じ孔のついたリーフ群をリングに吊り下げる形態のものが知られている。例えば特許文献1及び2には、リーフ群として1年分12枚のカレンダー月表を含んだものを、卓上リーフベースに吊り下げる形態の卓上カレンダーが開示されている。カレンダー月表は、表示した月が終了すると、終了月の月表の綴じ孔をリングに沿って滑らせることにより、正面側から背面側へとめくることができ、それにより、常に当月の月表を正面に表示することが可能となっている。
【0003】
1年分のリーフ群の使用が終了すると、卓上リーフベースはリーフ群とともに無用のものとなり、通常は廃棄される。このため、リーフ群だけでなく、卓上リーフベースも使い捨てを予定して、紙で制作されていた。仮に、卓上リーフベースを廃棄することなく継続的に使用するために、リーフ群のみを必要な折、例えば1年毎に交換しようとしても、従来の卓上リーフベースの構造では、リーフ群の交換のためにリングを一旦取り外す必要があり、ユーザが容易になし得るものではなかった。
【0004】
卓上リーフベースを継続使用可能とすることは、省資源の観点及びコスト節減の観点から望ましいことではある。しかし、そのためには、リーフ交換がユーザの手によって容易になし得るものでなければならない。一方、卓上リーフベースに一旦取り付けたリーフ群が、不用意に卓上リーフベースから脱落するものであってはならない。また、長期の使用に耐えるためには、卓上リーフベースを堅牢な構造とする必要がある。同時に、卓上リーフベースを例えばプラスチック(合成樹脂)など、低廉かつ耐久性に優れる材料によって形成することが望ましいと言えるが、コストを節減するには、成形加工が容易でなければならない。さらには、卓上カレンダーへの応用を想定すると、卓上カレンダーを営業目的の広告媒体として利用しようとするスポンサーによって、かかる卓上カレンダーが顧客ないし潜在的顧客に配布されることが予想される。この場合に、スポンサー毎に異なるスポンサーの名称、商標等が印刷されたり刻印されたりした卓上リーフベースを製造するのは、コスト高となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−055819号公報
【特許文献2】特開2008−100390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、リーフ群の差し替えが容易であり、一旦取り付けたリーフ群が不用意に脱落することがなく、長期の使用に耐えるよう堅牢な構造であり、かつ製造が容易であり、さらに、スポンサー名等の変更に低コストで対応し得る卓上リーフベースを提供することを目的とする。本発明はさらに、当該卓上リーフベースの製造に好適なリーフベース本体、及び前記卓上リーフベースへの使用に好適なリーフ印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、卓上リーフベースであって、リーフベース本体と、ファイルバインダとを備えるものである。リーフベース本体は、正面視略長方形ないし略台形かつ側面視略台形の中空略六面体から、正面壁と左右壁とに開口部が形成されることにより、当該開口部を収容物の出し入れ口とする容器が前記開口部の下方に形成されて成り、当該容器の底面壁と、それに連なる前記正面壁又は背面壁のいずれかの底部付近と、を構成する底板部が、着脱可能である。ファイルバインダは、開閉可能な複数のリングを有し、前記リーフベース本体の細長状の天面に沿って取り付けられている。
【0008】
この構成によれば、リーフベース本体の細長状の天面に沿って、ファイルバインダが取り付けられており、このファイルバインダが、開閉可能な複数のリングを有しているために、上端に複数個の綴じ孔を有するリーフ群、例えばカレンダーを構成する12枚の月表を、着脱容易に吊り下げることができる。また、ファイルバインダには、一旦閉じられたリングを閉じた状態に保持する保持機構が備わっているので、ファイルバインダに吊り下げられたリーフ群が不用意に外れることがない。それにより、例えば卓上カレンダーを営業目的の広告媒体として顧客に配布する業者、すなわちスポンサーは、卓上リーフベースを一旦配布すれば、その後は、年度ごとに翌年度の月表のセットのみを配布すれば足りる。
【0009】
リーフベース本体の下部は、容器を形成するように正面壁、左右壁、及び背面壁が連結しており、それによって、リーフベース本体の土台となる下部は変形し難い堅牢な構造となっている。さらに、リーフベース本体の底板部は着脱可能であり、底板部を除去したリーフベース本体の底部は開口している。このため、耐久性あるプラスチックを材料としてリーフベース本体を製造する際に、容易に成形加工することが可能である。しかも、リーフベース本体には開口部を収容物の出し入れ口とする容器が形成されているので、卓上リーフベースを例えば筆箱等の収納器具として利用することも可能となる。すなわち、堅牢な構造を生かして、卓上面の有効利用を図ることが可能となる。
【0010】
さらに、リーフベース本体の底板部は着脱可能であり、しかも、リーフベース本体の底面壁だけでなく正面壁又は背面壁の一部をも構成するので、当該正面壁又は背面壁の部分に、例えばスポンサーの名称あるいは広告を表示することにより、スポンサー毎に底板部のみを異ならせた卓上リーフベースを製造することが可能となる。底板部を除く残余の部分は同一に製造することが可能であるため、例えばスポンサー名の変更に低コストで対応できる卓上リーフベースを製造することが可能となる。また、底板部は、リーフベース本体の底面壁だけでなく、当該底面壁につづく正面壁又は背面壁の一部をも構成するものであるため、リーフベース本体に形成される容器に重量有る収容物を収容した場合に、撓み変形を起こし難い。従って、リーフベース本体に形成される容器が、底板部をも含めて堅牢なものとなる。すなわち底板部が、リーフベース本体に形成される容器を堅牢なものとすると同時に、卓上リーフベースをスポンサー名等の変更に低コストで対応可能なものとしている。
【0011】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る卓上リーフベースであって、前記リーフベース本体が、前記左右壁の内側表面に、前記底板部の左右端縁を受け入れて前後方向に案内する案内溝を有するものである。
【0012】
この構成によれば、リーフベース本体の左右壁の内側表面に設けられた案内溝に、底板部の左右端縁が案内されるので、底板部を前後に滑らせることにより容易に着脱することができる。また、装着されているときに収容物から受ける重量によって、底板部が容易に外れることなく、装着状態を維持することができる。すなわち、底板部を着脱可能としつつ、底板部を含んで形成される容器を堅牢なものとすることができる。
【0013】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1又は第2の態様に係る卓上リーフベースであって、前記正面壁が、前記開口部の上方にも残されているものである。
【0014】
この構成によれば、正面壁が開口部の下方だけでなく上方にも残されているので、ファイルバインダの複数のリングに吊り下げられたリーフ群が、開口部を挟んだ正面壁の上方部分と下方部分との双方によって安定的に支持される。
【0015】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1ないし第3の何れかの態様に係る卓上リーフベースであって、前記左右壁が、前記開口部の上方にも残されているものである。
【0016】
この構成によれば、左右壁が開口部の上方にも残されているので、この部分が、リーフベース本体の形状を一定に保持する補強リブとして機能する。すなわち、リーフベース本体の堅牢性がさらに向上する。
【0017】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1ないし第4の何れかの態様に係る卓上リーフベースであって、前記開口部が、前記正面壁から前記左右壁まで連結しているものである。
【0018】
この構成によれば、開口部が正面壁から左右壁まで連結しているので、開口部を通じた収容物の出し入れが容易である。
【0019】
本発明のうち第6の態様に係るものは、第5の態様に係る卓上リーフベースであって、前記開口部が、前記左右壁を前記背面壁に達するように横断しているものである。
【0020】
この構成によれば、開口部が、左右壁を背面壁に達するように横断しているので、開口部がさらに広くなる。このため、開口部を通じた収容物の出し入れがさらに容易となる。
【0021】
本発明のうち第7の態様に係るものは、第1ないし第6の何れかの態様に係る卓上リーフベースであって、前記底板部を外した前記リーフベース本体の内部に、自身と同一形状の別の卓上リーフベースを挿入して重ねることが可能なように、前記開口部の下方に位置する前記容器の前記左右壁が残余の部分よりも左右外方に張り出しているものである。
【0022】
この構成によれば、開口部の下方に位置する容器の左右壁が左右外方に張り出すことにより、底板部を外した卓上リーフベースのリーフベース本体が、他の卓上リーフベースの容器より上方の部分を底部から受け入れることが可能となっている。すなわち、底板部が着脱可能であることを利用して、卓上リーフベースを積み重ねることが可能となっており、多数の卓上リーフベースをコンパクトな状態で収納あるいは搬送することが可能となる。
【0023】
本発明のうち第8の態様に係るものは、第1ないし第7の何れかの態様に係る卓上リーフベースであって、前記底板部を外した前記リーフベース本体の内部に、自身と同一形状の別の卓上リーフベースを挿入して重ねることが可能なように、前記リーフベース本体が、正面視略台形であるものである。
【0024】
この構成によれば、リーフベース本体が正面視略台形であることにより、底板部を外した卓上リーフベースのリーフベース本体が、他の卓上リーフベースを底部から受け入れることが可能となっている。すなわち、底板部が着脱可能であることを利用して、卓上リーフベースを積み重ねることが可能となっており、多数の卓上リーフベースをコンパクトな状態で収納あるいは搬送することが可能となる。
【0025】
本発明のうち第9の態様に係るものは、第7または第8の態様に係る卓上リーフベースであって、前記底板部を外した前記リーフベース本体の内部に、自身と同一形状の別の卓上リーフベースを挿入して重ねたときに、前記別の卓上リーフベースの複数のリングが当接する部位に、当該複数のリングを逃す複数のスリットが、前記リーフベース本体の前記正面壁と前記背面壁との少なくとも一方壁に開口しているものである。
【0026】
この構成によれば、底板部を外した卓上リーフベースのリーフベース本体に、底面から別の卓上リーフベースを挿入したときに、リーフベース本体の正面壁と背面壁との少なくとも一方壁に開口する複数のスリットに、別の卓上リーフベースの複数のリングを逃がすことができる。それにより、卓上リーフベースを密に積み重ねることが可能となる。すなわち、多数の卓上リーフベースを、より一層コンパクトな状態で収納あるいは搬送することが可能となる。
【0027】
本発明のうち第10の態様に係るものは、第9の態様に係る卓上リーフベースであって、前記リーフベース本体の前記複数のスリットの各々の左右に隣接する部位に、前記正面壁と前記背面壁とをつなぐ板部材が設けられているものである。
【0028】
この構成によれば、正面壁と背面壁とをつなぐ板部材が設けられているので、この部分が、リーフベース本体の形状を一定に保持する補強リブとして機能する。すなわち、リーフベース本体の堅牢性が向上する。さらに、板部材が複数のスリットの各々の左右に隣接して設けられているので、底板部を外した卓上リーフベースのリーフベース本体に、底面から別の卓上リーフベースを挿入したときに、別の卓上リーフベースの複数のリングの左右の動きが、スリットの縁だけでなく板部材の表面で規制される。複数のリングへの当接面が広くなるので、当接による複数のリングの損傷を防止することができる。
【0029】
本発明のうち第11の態様に係るものは、第1ないし第10の何れかの態様に係る卓上リーフベースであって、前記ファイルバインダは、前記リーフベース本体の前記天面に沿って、当該天面と略同一幅で取り付けられる細長状の支持部をさらに有しているものである。また、前記複数のリングは前記支持部に開閉可能に支持されている。さらに、前記複数のリングの各々は、閉じたときに前記支持部からせり出して正面側及び背面側の上方に傾斜して伸びる直線状部分を有している。
【0030】
この構成によれば、ファイルバインダの細長状の支持部が、リーフベース本体の天面に沿って、この天面と略同一幅で取り付けられており、ファイルバインダの複数のリングの各々が、閉じたときに支持部からせり出して正面側及び背面側の上方に傾斜して伸びる直線状部分を有している。このために、例えば1年分12枚のカレンダー月表を有するリーフ群を綴じて吊り下げた場合に、これらの月表の一部が浮き上がることなく、いずれもが互いに密着した状態で保持される。
【0031】
本発明のうち第12の態様に係るものは、リーフベース本体であって、正面視略長方形ないし略台形かつ側面視略台形の中空略六面体から、正面壁と左右壁とに開口部が形成されることにより、当該開口部を収容物の出し入れ口とする容器が前記開口部の下方に形成されて成り、当該容器の底面壁と、それに連なる前記正面壁又は背面壁のいずれかの底部付近と、を構成する底板部が、着脱可能であるものである。
【0032】
この構成によるリーフベース本体は、本発明の第1の態様に係る卓上リーフベースが備えるリーフベース本体と同一の構造を有するので、当該卓上リーフベースの部品として、その製造に使用するのに好適である。
【0033】
本発明のうち第13の態様に係るものは、第12の態様に係るリーフベース本体であって、前記リーフベース本体の細長状の天面に沿った複数箇所に、ファイルバインダを締結するための貫通孔が形成されているものである。
【0034】
この構成によれば、リーフベース本体の細長状の天面に沿った複数箇所に、ファイルバインダを締結するための貫通孔が形成されているので、ファイルバインダの取り付けが容易である。
【0035】
本発明のうち第14の態様に係るものは、リーフ印刷物であって、長方形のシート状であり、全体を二分する中心線に沿って切り取り用のミシン目が形成されており、前記中心線に沿った複数部位の付近であって前記中心線に対して対称となる位置に、それぞれ綴じ孔が形成され、前記中心線の両側には前記中心線を上辺とするよう印刷が施されているものである。
【0036】
この構成によれば、ミシン目に沿ってリーフ印刷物を切り離し、例えば本発明の卓上リーフベースの複数のリングをリーフ印刷物の複数の綴じ孔にそれぞれ通すことにより、切り離されたリーフ印刷物を卓上リーフベースに差し替え可能に吊り下げて使用に供することができる。リーフ印刷物は、使用に供される大きさの2倍の大きさではあるが、2倍の大きさであっても略同一コストで印刷が可能である。それゆえ、所定枚数のリーフ印刷物を印刷するのに要するコストの節減を図ることができる。
【0037】
本発明のうち第15の態様に係るものは、第14の態様に係るリーフ印刷物であって、前記中心線の側に段差が繰り返し現れる模様の飾り罫線が、前記中心線の付近かつ両側に、前記中心線に沿って印刷されているものである。
【0038】
この構成によれば、ミシン目に沿ってリーフ印刷物を切り離した後に現れるミシン目の痕跡としての凹凸が、中心線の側に段差が繰り返し現れる模様の飾り罫線によってカムフラージュされることにより、視覚上目立たなくなる。
【0039】
本発明のうち第16の態様に係るものは、第14又は第15の態様に係るリーフ印刷物であって、 前記中心線により二分された一方半面及び他方半面の少なくとも一方の表裏の一方又は双方に、前記中心線を上辺とするカレンダーが印刷されているものである。
【0040】
この構成によれば、ミシン目に沿ってリーフ印刷物を切り離し、例えば本発明の卓上リーフベースに吊り下げることにより、月表を表示する卓上カレンダーとして使用に供することができる。
【0041】
本発明のうち第17の態様に係るものは、第16の態様に係るリーフ印刷物であって、 前記カレンダーが、前記一方半面の表裏の一方又は双方に印刷されており、前記一方半面及び他方半面のうちの残る表裏の面に広告が印刷されているものである。
【0042】
この構成によれば、カレンダーが印刷されたリーフ印刷物に、さらに広告が印刷されているので、例えば、カレンダーを印刷したリーフ印刷物を営業媒体としてユーザに提供するスポンサーは、リーフ印刷物の営業媒体としての意義を、印刷された広告を通じてさらに高めることができる。カレンダーが印刷された半面とは異なる半面に印刷された広告は、遺棄されることもあり得るが、切り離し前の状態でリーフ印刷物をユーザに届けることによって、切り離し前にユーザが広告に目を触れるようにすることが可能である。
【0043】
本発明のうち第18の態様に係るものは、第16の態様に係るリーフ印刷物であって、前記カレンダーが、表裏の一方面の、前記中心線により二分された一方半面及び他方半面の双方に、前記中心線を上辺とするように印刷されており、表裏の他方面には前記中心線を跨いで一体的に広告が印刷されているものである。
【0044】
この構成によれば、カレンダーが印刷されたリーフ印刷物に、さらに広告が印刷されているので、例えば、カレンダーを印刷したリーフ印刷物を営業媒体としてユーザに提供するスポンサーは、リーフ印刷物の営業媒体としての意義を、印刷された広告を通じてさらに高めることができる。カレンダーが印刷された表裏の一方面とは異なる他方面に、中心線を跨いで一体的に広告が印刷されているので、ユーザの注意を喚起することができ、広告効果を高めることができる。切り離し後には、広告は分断されるので意味をなさない場合もあるが、切り離し前の状態でリーフ印刷物をユーザに届けることによって、切り離し前にユーザが広告に目を触れるようにすることが可能である。
【0045】
本発明のうち第19の態様に係るものは、第16ないし第18の何れかの態様に係るリーフ印刷物であって、前記カレンダーが月表であり、当該月表は、日数字を配置する枠が6週分に相当する上下6段に設けられ、最下段の日数字が配置されない空白領域に広告が印刷されているものである。
【0046】
この構成によれば、年に希に生じる第6段の日数字の存在のために、リーフ印刷物の配布を受けたユーザは、第5段より下方の広告が印刷されている部分を切り捨てて使用に供する、ということができなくなる。このため、リーフ印刷物の配布によるスポンサーの営業の効果を有効ならしめることができる。
【0047】
本発明のうち第20の態様に係るものは、第16ないし第19の何れかの態様に係るリーフ印刷物であって、前記カレンダーが月表であり、当該月表は、下辺に沿って月数字と広告とが印刷されているものである。
【0048】
この構成によれば、下辺に沿って広告と共に印刷されている月数字の存在のために、リーフ印刷物の配布を受けたユーザは、広告が印刷されている下辺に沿った部分を切り捨てて使用に供する、ということができなくなる。このため、リーフ印刷物の配布によるスポンサーの営業の効果を有効ならしめることができる。
【発明の効果】
【0049】
以上のように本発明によれば、リーフ群の差し替えが容易であり、一旦取り付けたリーフ群が不用意に脱落することがなく、長期の使用に耐えるよう堅牢な構造であり、かつ製造が容易であり、さらに、スポンサー名等の変更に低コストで対応し得る卓上リーフベースが実現する。さらに本発明によれば、上記卓上リーフベースの製造に好適なリーフベース本体、及び前記卓上リーフベースへの使用に好適で、かつ製造コストを節減し得るリーフ印刷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態による卓上リーフベースの構成を示す斜視図である。
【図2】図1のリーフベース本体の底部付近の一部、及び底板部を示す部分斜視図である。
【図3】図1のA−A切断線に沿った卓上リーフベースの断面図である。
【図4】図1の卓上リーフベースを上方かつ、やや斜め右側から見た外観図である。
【図5】リングが開状態にあるときの図1のファイルバインダの断面図である。
【図6】リングが閉状態にあるときの図1のファイルバインダの断面図である。
【図7】図1の卓上リーフベースの使用形態を示す側面図である。
【図8】図1の卓上リーフベースの使用形態を示す斜視図である。
【図9】図1の卓上リーフベースを積み重ねた様子を示す斜視図である。
【図10】図1の卓上リーフベースを積み重ねた様子を示す背面図である。
【図11】図1の卓上リーフベースの製造工程を示す工程図である。
【図12】図8に例示した月表を製造する工程における中間生成物としてのリーフ印刷物を例示する平面図である。
【図13】飾り罫線の様々な例を示す平面図である。
【図14】図8に例示した月表を製造する過程で生成されるリーフ印刷物の別の例を示す斜視図である。
【図15】図8に例示した月表を製造する過程で生成されるリーフ印刷物のさらに別の例を示す平面図である。
【図16】本発明の別の実施の形態による卓上リーフベースの構成を示す斜視図である。
【図17】本発明のさらに別の実施の形態による卓上リーフベースの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、本発明の実施の形態による卓上リーフベースの構成を示す斜視図である。この卓上リーフベース101は、例えばカレンダーなどのリーフ群を交換可能に吊り下げることができるように構成されており、リーフベース本体50とファイルバインダ52とを有している。リーフベース本体50は、プラスチックを一体成型することにより製造されるもので、正面視略長方形かつ側面視略台形の中空略六面体から、正面壁と左右壁とに選択的に開口部が形成されて成る形状を有している。より具体的には、リーフベース本体50は、天面壁1、上部正面壁2、下部正面壁3、上部左右壁4、下部左右壁6、背面壁7、及び底板部54を有している。底板部54は、前後にスライドさせることにより着脱可能である。
【0052】
正面開口部15は、傾斜した正面壁から上部正面壁2及び下部正面壁3を残して、それらに挟まれた中間部を、あたかも切除することによって形成されている。同様に、左右開口部16は、ほぼ直立する左右壁から上部左右壁4及び下部左右壁6を残して、それらに挟まれた中間部を、あたかも切除することによって形成されている。正面開口部15及び左右開口部16の下方には、下部正面壁3、下部左右壁6、及び背面壁7が連結しており、それによって、リーフベース本体50の土台となる下部は変形し難い堅牢な構造となっている。同時にこの部分は、底板部54とともに、例えば筆記具等を収容する容器を形成している。正面開口部15及び左右開口部16は、この容器への収容物の出し入れ口として機能する。すなわち卓上リーフベース101は、リーフベース本体50の土台部分の堅牢な構造を生かして、卓上面の有効利用を図るものとなっている。また上部左右壁4は、リーフベース本体50に正面開口部15及び左右開口部16が存することによって、リーフベース本体50の上部が不測の荷重、例えばファイルバインダ52の操作に伴う不用意な荷重により変形するのを防止する補強リブとして機能する。
【0053】
リーフベース本体50の底部には、底面開口部17が形成されている。底面開口部17は、上記の中空六面体から底面壁及びこれに連なる正面壁の底部付近を、あたかも切除することによって形成されている。この底面開口部17を埋めるように、リーフベース本体50には、その一部を成す底板部54が着脱可能に取り付けられる。底板部54を除去したリーフベース本体50の底部は開口しているので、金型を用いてプラスチックを一体成型することにより、底板部54を除くリーフベース本体50を容易に製造することが可能となる。底板部54も同様に、プラスチックを一体成型することにより形成することが可能である。
【0054】
リーフベース本体50には、さらに、細長状の天面壁1の上面、すなわちリーフベース本体50の天面に沿うように、ファイルバインダ52が取り付けられている。ファイルバインダ52は、2本のリング21、細長状の支持部22、及び2個のカシメ(リベット)23を有している。支持部22は、天面壁1の上面に沿うように2個のカシメ23によってリーフベース本体50に固定されている。2本のリング21は、支持部22の長手方向に沿った2箇所において、支持部22に開閉可能に支持されている。支持部22の長手方向両端部に設けられている2個のレバー24を下方に押すことにより、2本のリング21の上部を前後に開くことができる。2本のリング21の一方又は双方を指でつまむことにより、一旦開いた2本のリング21を閉じることができる。2本のリング21は一旦閉じられると、レバー24が下方に押されること無しには容易には開かないように、支持部22の機構により閉状態が維持される。
【0055】
リーフベース本体50の左右端部は、下部左右壁6が残余の部分よりも左右外方に張り出している。より具体的には、上部左右壁4は、その外方表面が背面壁7の左右端面5と同一平面をなし、下部左右壁6は、その内方表面が背面壁7の左右端面5と同一平面をなしている。このことが、卓上リーフベース101のリーフベース本体50の底部から内部へ、別の卓上リーフベース101を挿入することにより、複数の卓上リーフベース101を積み重ねることを可能にしている。
【0056】
上部正面壁2には、別の卓上リーフベース101が挿入されたときに、挿入された卓上リーフベース101の2本のリング21を逃がして、深く挿入することを可能にするために、2本のスリット12が形成されている。各スリット12は、各リング21の直下に位置し、上下に伸びるように形成されている。リーフベース本体50の正面には正面開口部15が開口しているので、各スリット12は、上部正面壁2の下面に開口することにより正面開口部15に連通するように形成されている。下部左右壁6には、その底部付近であって、かつ背部付近に、前後に伸びる別のスリット9が形成されている。スリット9は、後述するように、底板部54の戻り止め機構を構成する。
【0057】
上部正面壁2には、さらに、その外側表面に、例えば「File Hanger(登録商標)」といった、卓上リーフベース101の製造者の出所表示あるいは広告が、印刷等により表示されている。正面壁の底部付近をなす底板部54の正面部分の外側表面には、卓上リーフベース101とともに、当該卓上リーフベース101に吊り下げるべきカレンダー等のリーフ群をユーザに提供するスポンサーの出所表示45あるいは広告が、印刷等により表示されている。
【0058】
図2は、リーフベース本体50の底部付近について、一部を削除して示す部分斜視図である。底板部54は、底面を成す底面壁42と、この底面壁42の正面側端部から背面側へ傾斜して起立する正面壁41とを有している。底板部54がリーフベース本体50に、その一部を成すように装着されたときに、底面壁42はリーフベース本体50の底面壁を構成し、正面壁41はリーフベース本体50の下部正面壁3に連続し、下部正面壁3とともにリーフベース本体50の下部の正面壁を構成する。
【0059】
リーフベース本体50の下部左右壁6の各々の内側表面の底部付近に、底板部54の底面壁42の左右端縁をそれぞれ受け入れて、当該左右端縁を前後方向に案内する案内溝8が形成されている。案内溝8は、下部左右壁6の前後方向の全幅にわたって形成されている。これにより、底面壁42の左右端部を案内溝8に挿入して、底板部54をリーフベース本体50の正面側から背面側へ押し込むことにより、底板部54をリーフベース本体50の一部を成すように装着することができ、逆の操作により取り外すことができる。底板部54がリーフベース本体50に装着されるときに、底板部54の正面壁41の左右端部がリーフベース本体50の下部左右壁6と干渉しないように、底板部54の正面壁41は、その左右端面が内側に後退している。図2の例では、正面壁41の左右端面は、底板部54がリーフベース本体50に装着されたときに、リーフベース本体50の下部左右壁6の内側表面と同一面となる位置に設定されている。
【0060】
リーフベース本体50に形成された容器は、文具等の軽量なものを収容する目的だけでなく、小銭入れとして多数の硬貨を収容するなど、重量のあるものを収容する目的で使用することもあり得る。底板部54が案内溝8に支持されるため、重量有る収容物を収容した場合であっても、底板部54が抜け落ちることを防ぐことができる。このことは特に、重量有る収容物を収容したままで卓上リーフベース101を持ち上げたときに有意義である。また、底板部54が正面壁41を有しているので、底板部54の剛性が高められる。このため、重量有る収容物を収容したときに、底板部54の中央部が下方へ沈み込むように底板部54が撓むことを抑制ないし緩和することができる。このことも特に、重量有る収容物を収容したままで卓上リーフベース101を持ち上げたときに有意義である。すなわち、底板部54が正面壁41を有することは、底板部54を堅牢なものとすると同時に、スポンサー毎に異なるスポンサー名などを表示することを可能にするものである。
【0061】
底板部54の左右端部の背部付近には、底板部54の戻り止め機構を構成する爪43が形成されている。爪43は、底板部54の背面側から前方へ向かうように伸び、かつ幾分左右外方に広がりつつ伸びるように形成されている。爪43は、適度な弾性を有しており、底板部54がリーフベース本体50に装着されるときには、左右内方に屈曲して案内溝8内に納まる。これにより、底板部54は爪43によって妨げられることなく、案内溝8に案内される。底板部54が背面壁7に当接するまで押し込められると、爪43は左右壁4に設けられたスリット9により、本来の形状に復帰してスリット9内に納まる。その結果、爪43の先端部がスリット9の正面側内壁面に当接することにより、リーフベース本体50への底板部54の装着状態が維持される。すなわち、爪43及びスリット9は、スナップ型の戻り止め機構を構成する。スリット9の外側から、例えばユーザが手に持つ筆記具の先端部、例えばメカニカルペンシルの芯、ボールペンの先端部などを用いて、爪43を押し込むことにより、戻り止め機能を解除することができる。戻り止め機構を解除しつつ底板部54を引き出すことにより、底板部54を取り外すことができる。卓上リーフベース101では、スリット9及び爪43を有する戻り止め機構は、左右双方に設けられているが、左右の一方にのみ設けても良い。戻り止め機構を左右の一方のみに設けることにより、片方の手のみで戻り止め機能を解除することができるので、底板部54の取り外しが一層容易となる。
【0062】
底板部54にはさらに、背部側端面から背部へ向かって突起する突起部44が設けられている。図2の例では、突起部44は背部側端面に沿って3箇所に設けられ、各箇所には1対の突起が形成されている。リーフベース本体50の背面壁7には、底板部54がリーフベース本体50に装着されたときに、突起部44を受け入れる貫通孔11が形成されている。貫通孔11は、突起部44に対応する部位に設けられる。図2の例では、貫通孔11は3箇所に設けられ、各箇所には、突起部44を構成する1対の突起に対応する1対の貫通孔が形成されている。底板部54がリーフベース本体50に装着されたときに、突起部44が貫通孔11に挿入されることにより、底板部54の上下方向の動きが規制される。このため、底板部54を底とする容器の内部に重量有る収容物を収容したときに、底板部54の中央部が下方へ沈み込むように底板部54が撓(たわ)むことを、さらに有効に防ぐことができる。底板部54の撓みを防止するために、案内溝8と同様の溝を背面壁7の内側表面に形成し、この溝が底面壁42の背面側端縁を受け入れるようにしても良い。それにより、さらに重量のある収容物を容器内に収容することが可能となる。
【0063】
図3は、図1のA−A切断線に沿った卓上リーフベース101の断面図である。図3は、卓上リーフベース101のうち、ファイルバインダ52が除去されており、リーフベース本体50のみを表している。図3に明瞭に示されるように、背面壁7の左右端面、上部左右壁4の外側表面、及び下部左右壁6の内側表面は同一平面を成している。これにより、底板部54を除去して、別の卓上リーフベース101を、リーフベース本体50の底部から内部に挿入することが可能となる。
【0064】
図3に例示するように、背面壁7にも、2本のリング21を逃がすための2本のスリット13が形成されている。上部正面壁2と背面壁7の双方に、スリット12、13がそれぞれ設けられることにより、一方にのみ設けられる場合と比べて、リーフベース本体50の内部に一層深く、別の卓上リーフベース101を挿入することが可能となる。2本のスリット13は、2本のスリット12(図1)に対向する位置に形成される。背面壁7には正面開口部51のような開口部が無いため、背面壁7に形成される2本のスリット13は、上部正面壁2のスリット12(図1)よりも下方に長く伸びたものとなっている。
【0065】
図3に示すように、リーフベース本体50の内部には、複数の補強リブ14が形成されている。補強リブ14は、上部左右壁4と同様の板部材であり、上部正面壁2と背面壁7の間をつなぐように形成され、さらに天面壁1にも連結されている。補強リブ14は、上部左右壁4とともに、リーフベース本体50をより堅牢なものとするために設けられる。図3に例示するように、補強リブ14は、スリット12、13の左右の内周面に表面が段差無く連結するように、スリット12、13の左右に隣接する部位に形成される。それにより、リーフベース本体50に、底面から別の卓上リーフベース101を挿入したときに、別の卓上リーフベース101のリング21の左右の動きが、スリット12,13の内周面だけでなく補強部材14の表面で規制される。リング21に当接する面が広くなるので、当接によるリング21の損傷を防止することができる。なお本発明は、上部正面壁2にのみスリット12を形成し、背面壁7にはスリット134を設けない形態を採ることも、逆に、背面壁7にのみスリット13を形成し、上部正面壁2にはスリット12を形成しない形態を採ることも可能である。
【0066】
リーフベース本体50の天面壁1には、その長手方向にそった2箇所に貫通孔18が形成されている。この貫通孔18に、ファイルバインダ52の支持部22に設けられた貫通孔とともに、カシメ23を差し込み、ポンチ等を用いてかしめることにより、ファイルバインダ52の支持部22が、天面壁1の上に固定される。カシメ23に代えて、貫通孔18にネジ込む形態のネジを用いて、支持部22を天面壁1に締結してもよい。また、ボルトを使用し、天面壁1の下面側に配置されるナットと共同して支持部22を天面壁1に締結しても良い。
【0067】
図4は、卓上リーフベース101を上方かつ、やや斜め右側から見た外観図である。図4が明瞭に示すように、2本のスリット12及び2本のスリット13は、いずれも2本のリング21の直下の部位に形成されている。ファイルバインダ52の細長状の支持部22の短手方向の幅は、天面壁1の上面の短手方向の幅と略同一に設定されている。支持部22の長手方向の両端部に設けられた2個のレバー24が、天面壁1の長手方向の端部からはみ出さないように、レバー24を含めた支持部22の全長が、天面壁1の長手方向の全長以下に設定されている。このため、リーフベース本体50の内部に別の卓上リーフベース101を挿入するときに、別の卓上リーフベース101のファイルバインダ52の支持部22が、リーフベース本体50と干渉することを回避することができる。さらに、支持部22の短手方向に沿ったレバー24の幅は、支持部22の残余の部分の幅を超えないように設定されている。それにより、2本のリング21に吊り下げられるリーフ群が、レバー24により跳ね上がることを回避することができる。支持部22の上面には、図4に例示するように、卓上リーフベース101の部品としてのファイルバインダ52の供給元の出所表示あるいは広告を、例えばエンボス加工により表示することが可能である。
【0068】
図5は、リング21が開状態にあるときのファイルバインダ52の断面図であり、図6は閉状態にあるときの同断面図である。ファイルバインダ52は、長手方向に配置された金属製の2本のリング21を固着させた細長い2枚の金属製の跳ね板26を噛み合わせて並行配置し、これらが空中分解しないように金属製のカバー25で包み込む構造を有している。すなわち支持部22は、レバー24の他に、2枚の跳ね板26及びカバー25を有している。金属製のレバー24は、てこの原理で支点(図示略)の周りに傾動するように構成されている。レバー24のうち、カバー25の長手方向の両端から露出する一端部(図4参照)を指で押下すると、図5に示す他端部が跳ね上がり、それにより2枚の跳ね板27の接合部を押し上げる。その結果、閉状態にある2本のリング21が同時に開状態へ変位する。開状態にある2本のリング21は、その一方又は双方を指で摘(つま)むことにより、同時に閉状態へ戻すことができる。閉状態に一旦移行した2本のリング21は、2枚の跳ね板27の弾性力により、閉状態に維持される。すなわち支持部22には、一旦閉じられた2本のリング21を閉じた状態に保持する保持機構が備わっている。ファイルバインダ52が有する以上の機構は、ルーズリーフ用ファイルバインダとして従来周知のものであるので、さらなる詳述は略する。なお、ファイルバインダ52として、レバー24を設けない形態を採ることも可能である。この場合には、閉状態にある2本のリング21の一方ないし双方を、ある程度の力を持って指で押し開くことにより、2本のリング21を同時に開状態に変位させることができる。
【0069】
2本のリング21の各々は、閉じたときに支持部22からせり出して、卓上リーフベース101の正面側及び背面側の上方に傾斜して伸びる直線状部分28を有している。直線状部分28は、吊り下げるべきリーフ群60の厚さと同等ないしそれを幾分超える長さに設定される。また、既述の通り、支持部22の短手方向の幅は、リーフベース本体50の天面壁1の上面の短手方向の幅と略同一に設定されている。このため、例えば12枚の月表を有するリーフ群60を2本のリングにより綴じて吊り下げた場合に、図7に示すように、これらのリーフ群60が、正面側及び背面側のリーフベース本体50の斜面に、きちんと馴染んで密着する。
【0070】
図8は、卓上リーフベース101の使用形態の一例を示す斜視図である。この例では、リーフ群60として12枚の月表62を含むカレンダーが使用されている。各月表62の上辺付近には、2本のリング21に対応する部位に、2個の綴じ孔61が形成されている。2個の綴じ孔61に2本のリング21をそれぞれ通すことにより、各月表62は、2本のリング21に吊り下げられる。底板部54が装着されたリーフベース本体50の下部には、容器が形成されているので、この容器に事務用品等の収容物70を収容することができる。収容物70を容器内へ投入したり、容器から取り出したりするときには、リーフベース本体50の正面に吊り下がっている月表62の全てを、指で上に跳ね上げることにより、正面開口部15(図1)を露出させると良い。そうすることにより、この正面開口部15を左右開口部16とともに、収容物70の出し入れ口として利用することができる。
【0071】
リーフベース本体50の正面に吊り下がる月表62は、正面開口部15を覆うこととなるので、月表62が紙製のシートで構成される場合には、長期の使用に伴い、月表62が正面開口部15へ入り込むように湾曲する場合がある。これを回避するために、月表62と同一寸法又は略同一寸法の適度な剛性を有する下敷69を、リーフベース本体50の正面に吊り下げておくのが望ましい。各月表62は、下敷き69の上に重なるように綴じられる。この下敷69は、例えば、適度な厚さを有するプラスチックのシートに、綴じ孔61を形成することにより得られる。
【0072】
図9は、底板部54を外した卓上リーフベース101を積み重ねた様子を示す斜視図である。また、図10は同背面図である。図9及び図10に明瞭に示されるように、スリット12,13(図4)を通して、リング21の一部が外部に逃げることにより、卓上リーフベース101を密に積み重ねることが可能となっている。これにより、製造された卓上リーフベース101を、コンパクトな形態で保管したり、製造したりすることが可能となる。
【0073】
図11は、卓上リーフベース101を製造する工程を例示する工程図である。卓上リーフベース101を製造するには、まず底板部54を除いたリーフベース本体50の部分を、金型を用いたプラスチック成型加工により製造する。それとは別個に、ファイルバインダ52を製造する。次に、カシメ23を用いて、既に述べた要領でファイルバインダ52をリーフベース本体50に締結する。以上の工程とは別個に、金型を用いたプラスチック成型加工により底板部54を製造する。底板部54の正面壁41には、卓上リーフベース101の納品先であるスポンサー毎に、異なる出所表示等が印刷される。あるいは、スポンサー毎に異なる金型を用いて、出所表示等を正面壁41にエンボス加工しても良い。製造後の卓上リーフベース101を保管したり、納品先であるスポンサーへ搬送したりする際には、図9及び図10に示したように、底板部54を外した卓上リーフベース101を多数積み重ねるのが、保管や搬送に要するスペースを節減する上で好ましい。底板部54は卓上リーフベース101と同梱しても良いし、別の包装に梱包しても良い。底板部5は、スライドさせることによって、リーフベース本体50の一部となるよう、容易に装着することができる。それにより卓上リーフベース101が完成する。この最後の工程は、例えばスポンサーによって行われる。
【0074】
図12は、図8に例示した月表62を製造する工程における中間生成物としてのリーフ印刷物を例示する平面図である。このリーフ印刷物65は、一例として全体がA4サイズの矩形であり、A5サイズに二分する中心線63に沿って、ミシン目が形成されている。リーフ印刷物65がミシン目に沿って切り離された後に、ミシン目に沿った凹凸が目立たないように、ミシン目は、いわゆるマイクロミシン目として形成されるのが望ましい。
【0075】
中心線63に沿った2箇所の部位の付近であって、中心線63に対して対称となる位置に、それぞれ綴じ孔61が形成されている。中心線63により2分されるA5サイズの各面には、中心線63を上辺とするように、印刷が施されている。図12の例では、各面はカレンダーの月表62となるように印刷されている。1枚のリーフ印刷物65をミシン目に沿って二分することにより、2枚の月表62が得られる。各月表62は、卓上リーフベース101の2本のリング21に、差し替え可能に吊り下げることにより、卓上カレンダーとして使用に供される。従って、リーフ印刷物65の4個の綴じ孔61は、卓上リーフベース101の2本のリング21に、各月表62を吊り下げるのに適した位置に形成される。
【0076】
リーフ印刷物65は、使用に供される月表62の大きさの2倍の大きさではあるが、2倍の大きさであっても印刷コストは略同一である。それゆえ、月表62の2倍の大きさのリーフ印刷物65をまず作成することにより、所定枚数の月表62を印刷するのに要するコストの節減を図ることができる。また、リーフ印刷物65を、切り離すことなくそのままでユーザの手元に届け、ユーザが各月表62へと切り離して使用に供することも可能である。厚みのあるものよりも、薄いものの方が郵便あるいは宅配便の料金が安く、しかも世界共通の定型サイズであるA4サイズであれば、特に料金が安くなるので、輸送コストが節減される。
【0077】
中心線63の付近であって、かつその両側には、中心線63に沿うように飾り罫線64を印刷するのが望ましい。飾り罫線64として、中心線63の側に段差が繰り返し現れる模様が選ばれる。中心線63に沿ってリーフ印刷物65を2枚に切り離した後に、各月表62の上辺にミシン目の痕跡として現れる凹凸が、中心線の側に段差が繰り返し現れる模様の飾り罫線64によってカムフラージュされることにより、視覚上目立たなくなる。
【0078】
各月表62は、日数字を配置する枠72が6週分に相当する上下6段に設けられている。そして、最下段の日数字が配置されない空白領域に広告73が印刷されている。12箇月分の12枚の月表の上端を綴じた卓上カレンダーにおいては、日数字を配置するスペースを節減するために、年に希にしか生じない、第6段の日数字については、第5段に重ねて表示するのが通例であった。例えば、第6段に30(日曜日)、31(月曜日)が現れる月には、第5段の23(日曜日)、24(月曜日)と重ねて、23/30(日曜日)、24/31(月曜日)のように表示されていた。そうして、カレンダーをユーザに配布するスポンサーの営業を目的とした広告を各月表に表示するときには、第5段より下方にスペースを設けて、このスペースに広告を配置する、という形態のものが通例となっていた。このため、カレンダーの配布を受けた顧客が、日数字の現れることのない第5段より下方の部分を切り捨てて、カレンダーを使用する、ということがしばしば見られていた。この場合、スポンサーにとっては、無償でカレンダーを配布した意味が無に帰することとなる。
【0079】
図12に例示する月表62では、第5段に日数字を重ねることなく、6段に日数字が順に配置されている。このため、年に希に生じる第6段の日数字の存在のために、リーフ印刷物65の配布を受けたユーザは、第5段より下方の広告が印刷されている部分を切り捨てて使用に供する、ということができなくなる。このため、リーフ印刷物65の配布によるスポンサーの営業の効果を有効ならしめることができる。
【0080】
図12に示す月表62では、さらに、下辺に沿って広告73と並んで月数字71が印刷されている。月数字71の存在のために、リーフ印刷物65の配布を受けたユーザは、第5段より下方の広告73が印刷されている部分を切り捨てて使用に供する、ということができなくなる。このため、リーフ印刷物65の配布によるスポンサーの営業の効果を有効ならしめることができる。従来の月表のように、日数字を5段に配置した場合においても、下辺に沿って広告73と並んで月数字71が印刷されておれば、月数字71の存在のために、リーフ印刷物65の配布を受けたユーザは、第5段より下方の広告が印刷されている部分を切り捨てて使用に供する、ということができなくなる。
【0081】
図13は、飾り罫線64の様々な例を示す平面図である。図13(a)〜(h)に飾り罫線64A〜64Hとして、それぞれ例示するように、飾り罫線64は、中心線63の側に適度なピッチで段差が繰り返し現れる模様であれば足りる。また、これらの例が示すように、飾り罫線64は中心線63に接していても良いし、中心線63から僅かに離れていても良い。
【0082】
図14は、カレンダーの月表62を製造する過程で生成される別のリーフ印刷物の例を示す斜視図である。このリーフ印刷物65Aは、ミシン目が形成された中心線63により二分して得られる2枚の半面の一方にのみ月表62が印刷され、他方半面には広告66が印刷されている。また、リーフ印刷物65Aの裏面には、双方の半面に広告66が印刷されている。一方半面の表裏双方に月表62を印刷し、他方半面の表裏双方に広告66を印刷しても良い。
【0083】
リーフ印刷物65Aには広告66が印刷されているので、カレンダーを印刷したリーフ印刷物65Aを、二分することなくそのままで、営業媒体としてユーザに提供するスポンサーは、営業媒体による宣伝効果をさらに高めることができる。ユーザは、リーフ印刷物65Aをミシン目に沿って二分した後に、月表62が印刷された半面とは異なる半面に印刷された広告66を、不要なものとして遺棄することもあり得る。しかしユーザは、二分する前には、広告66に目を触れることとなる。二分する前のリーフ印刷物65Aがユーザに届けられたときには、広告66は月表62と一体のままになっているのであって、月表63とは別体の広告66が、月表62と重ねてユーザに届けられる訳ではない。これは新聞広告に喩えれば、新聞紙上に掲載された広告と同等であって、新聞紙に挟み込まれ新聞紙とは別体の折り込み広告とは異なるものである。従って、月表62が印刷された半面とは異なる半面に印刷された広告66であっても、相応に高い宣伝効果を発揮し得る。
【0084】
図15は、カレンダーの月表62を製造する過程で生成される更に別のリーフ印刷物の例を示す平面図である。このリーフ印刷物65Bは、表裏のうちの表面においては、ミシン目が形成された中心線63により二分して得られる2枚の半面の双方に、中心線63を上辺とするように月表62が印刷されている。裏面においては、2枚の半面の双方に広告67が印刷されている。図示を略するが、当該広告67は、中心線63を跨いで2枚の半面に一体的に印刷されている。例えば、自動車の広告であれば、自動者の車体の写真が、中心線63を跨いで印刷されている。
【0085】
リーフ印刷物65Bには広告67が印刷されているので、リーフ印刷物65Aと同様に、カレンダーを印刷したリーフ印刷物65Bを、二分することなくそのままで、営業媒体としてユーザに提供するスポンサーは、営業媒体による宣伝効果をさらに高めることができる。特に、月表62が印刷された表面の反対面である裏面に、中心線63を跨いで一体的に広告が印刷されているので、ユーザの注意を喚起することができ、広告効果を高めることができる。ミシン目を有する中心線63に沿ってリーフ印刷物65Bを二分した後には、広告は67は分断されるので意味をなさない場合もあり得るが、ユーザは二分する前に広告67に目を触れることとなる。従って、リーフ印刷物65Aについて説明したところと同じ理由により、相応に高い宣伝効果を発揮し得る。
【0086】
(その他の実施の形態)
(1) 卓上リーフベース101では、底板部54は正面壁41を有し、正面からリーフベース本体50へ装着された。これに対し、図16に示すように、底板部54を背面からリーフベース本体50へ装着するように、リーフベース本体50を構成しても良い。この場合に、底板部54の正面壁41は背面側に位置し、背面壁として機能する。この場合には、リーフベース本体50の背面側に設けられる貫通孔11は、正面側に位置することとなる。また、背面寄りに設けられるスリット9は、正面寄りに設けられることとなる。
【0087】
(2) 卓上リーフベース101では、リーフベース本体50の正面開口部15は、正面壁の左右全幅にわたって形成され、左右開口部16は、左右壁の前後全幅に渡って形成された。これに対して、正面開口部15は、正面壁の左右全幅のうちのある範囲に限って形成することも可能である。例えば、正面開口部15は、左右両端部を残して形成されても良い。また、左右開口部16は、左右壁の前後全幅のうちのある範囲に渡って形成することも可能である。例えば、左右開口部16は、背面側をある程度残して形成されても良い。このような形態を採ることにより、リーフベース本体50を一層堅牢なものとすることができる。一般に、正面開口部15及び左右開口部16は、リーフベース本体50の下部に形成される容器への収容物70の投入、取り出しが可能な形態であれば足りる。
【0088】
(3) 別の卓上リーフベース101を、リーフベース本体50の底部から内部に挿入することを容易にするために、図2に示した背面壁7の左右端面、上部左右壁4の外側表面、及び下部左右壁6の内側表面がなす平面は、直立した平面に代えて、下部から上部へ至るほど内側に向かうように、僅かに傾斜したものであっても良い。そうすることにより、リーフベース本体50を一体成型するときに、成型後の金型の引き抜きが容易になるという利点も得られる。また、挿入を容易なものとするために、背面壁7の左右端面、及び上部左右壁4の外側表面は、下部左右壁6の内側表面よりもさらに内側に後退していても良い。
【0089】
(4) 卓上リーフベース101は、正面視略長方形となるように形成されていた。これに対し、図17の正面図に例示するように、本発明の卓上リーフベースは、正面視略台形となるように形成しても良い。そのように構成された卓上リーフベース102では、下部左右壁6を左右方向外方に張り出すように形成しなくても、別の卓上リーフベース102をリーフベース本体50の底部から内部に挿入することが可能となる。
【0090】
(5) ファイルバインダ52の構造として、図5及び図6に示すものを例示した。しかし、本発明の卓上リーフベースに使用されるファイルバインダは、図5及び図6に例示されるものに限定されるものではない。開閉可能な複数のリングを有し、これら複数のリングが一旦閉じられると、閉じた状態を保持する保持機構を有するものであれば、本発明の卓上リーフベースが備えるファイルバインダとして実施可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 天面壁
2 上部正面壁
3 下部正面壁
4 上部左右壁
6 下部左右壁
7 背面壁
8 案内溝
12、13 スリット
14 補強リブ(板部材)
15 正面開口部
16 左右開口部
17 底面開口部
18 貫通孔
21 リング
22 支持部
41 正面壁
42 底面壁
50 リーフベース本体
52 ファイルバインダ
54 底板部
61 綴じ孔
62 月表
63 中心線
64、64A〜64H 飾り罫線
65、65A、65B リーフ印刷物
66、67 広告
69 下敷き
101、102 卓上リーフベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形のシート状であり、全体を二分する中心線に沿って切り取り用のミシン目が形成されており、前記中心線に沿った複数部位の付近であって前記中心線に対して対称となる位置に、それぞれ綴じ孔が形成され、前記中心線の両側には前記中心線を上辺とするよう印刷が施されているリーフ印刷物。
【請求項2】
前記中心線の側に段差が繰り返し現れる模様の飾り罫線が、前記中心線の付近かつ両側に、前記中心線に沿って印刷されている、請求項1に記載のリーフ印刷物。
【請求項3】
前記中心線により二分された一方半面及び他方半面の少なくとも一方の表裏の一方又は双方に、前記中心線を上辺とするカレンダーが印刷されている、請求項1又は2に記載のリーフ印刷物。
【請求項4】
前記カレンダーが、前記一方半面の表裏の一方又は双方に印刷されており、前記一方半面及び他方半面のうちの残る表裏の面に広告が印刷されている、請求項3に記載のリーフ印刷物。
【請求項5】
前記カレンダーが、表裏の一方面の、前記中心線により二分された一方半面及び他方半面の双方に、前記中心線を上辺とするように印刷されており、表裏の他方面には前記中心線を跨いで一体的に広告が印刷されている、請求項3に記載のリーフ印刷物。
【請求項6】
前記カレンダーが月表であり、当該月表は、日数字を配置する枠が6週分に相当する上下6段に設けられ、最下段の日数字が配置されない空白領域に広告が印刷されている、請求項3ないし5の何れかに記載のリーフ印刷物。
【請求項7】
前記カレンダーが月表であり、当該月表は、下辺に沿って月数字と広告とが印刷されている、請求項3ないし6の何れかに記載のリーフ印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−25150(P2012−25150A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85394(P2011−85394)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【分割の表示】特願2010−166497(P2010−166497)の分割
【原出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(506229028)株式会社カレンダー広告 (8)