説明

卓上切断機収納用ケース及び該ケースと卓上切断機との組合せ

【課題】 卓上切断機を保管、収納するケースを、別の用途で利用することができる、卓上切断機用収納ケース及び該ケースと卓上切断機の組合せを提供する。
【解決手段】 ケース26の収納物となる卓上切断機1の形状に合わせて、ケース26内側に収納用凹部30を形成する。下ケース26bは上ケース26aに対し回動可能に設けられ、上ケース26a上面に卓上切断機1の底面となるベース2の形状に合わせた凹部29を設け、卓上切断機1を凹部29に合わせてケース26の上ケース26a上面に配置できる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は卓上切断機に関し、特に、卓上切断機を収納及び運搬可能なケース及び卓上切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の卓上切断機には、卓上切断機を収納し運搬するための卓上切断機用収納ケースは無かった。従って、卓上切断機を運搬する場合には、卓上切断機に設けられている運搬用ハンドル等を把持して目的の場所まで運ばなければならず、運搬時の作業性が悪かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
卓上切断機は、その形状が複雑で重量が重いため、運搬する場合には上記したように運搬用ハンドル等を把持して運搬するため運搬性が悪かった。また、運搬用ハンドルがない場合には、被加工材を載置するベース部等を持って運ばなければならず更に運搬性を悪いものであった。
【0004】
また、卓上切断機は形状や機構が複雑なため、卓上切断機を使用しない場合には、卓上切断機上へは物が置けないため保管場所に困っていた。さらに、卓上切断機を収納し運搬するだけのケースを設けただけでは、卓上切断機を使用しない場合に作業箇所等の場所のスペースを要するため邪魔になってしまう問題や、卓上切断機を使用する場合にケース自体が作業の邪魔になってしまう問題が考えられる。
【0005】
本発明の目的は、上記した欠点をなくした卓上切断機用収納ケース及び該ケースと卓上切断機の組合せを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、丸鋸刃を駆動して被加工材を切断する卓上切断機を載置可能な上ケースと、該上ケースと共に前記卓上切断機を収納する収納部を形成する下ケースとを備えたケースと、前記上ケースの上面に形成され、前記卓上切断機の底面形状に沿った形状を有する凹部と、を備え、該凹部に前記卓上切断機の底面を載置可能に構成されることを特徴としている。
【0007】
このような構成にすることにより、卓上切断機を使用する場合には作業台としてケースを使用でき、卓上切断機を使用しない場合には卓上切断機の保管、収納及び運搬するためのケースとして使用することができる。
【0008】
また、前記凹部には、前記凹部の形状に合わせた形状のカバーを着脱可能に設けるようにしても良い。
【0009】
このような構成にすることにより、カバーによって上ケース上面の凹部を無くすことができケース上面を平面とすることで、卓上切断機を収納又は保管する際に、ケース上面に荷物を安定して置くことができる。
【0010】
また、前記卓上切断機は、前記被加工材を載置可能なベース部と、該ベース部に取り付けられ、前記被加工材を前記ベース部と共に前記ベース部に固定するためのバイス装置とを備え、前記ケースは、前記バイス装置を取り付け可能な取付部を有し、前記バイス装置を該取付部に取り付けることによって前記ケース上面に前記被加工材を固定可能にしても良い。
【0011】
このような構成にすることにより、ケースを被加工材の載置台として利用する場合、卓上切断機付属のバイス装置を利用して被加工材等を固定することができ、卓上切断機以外の切断工具を使用した際に安定した切断作業が可能となる。
【0012】
また、前記上ケースと前記下ケースは開閉可能に構成されると共に、前記下ケースにはキャスターが着脱可能に設け、前記上ケースと前記下ケースとが開放状態にある際に、前記キャスターを前記卓上切断機の前記被加工材用の補助ローラとして使用可能にしてもよい。
【0013】
このような構成にすることにより、補助ローラを利用して被加工材のスライド作業を容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0014】
また、前記ケースはキャスターを取り付けるための複数の取付部を有し、該取付部は記ケースの第1面と該第1面とは異なる第2面に設けられており、前記キャスターは前記取付部に着脱可能にしても良い。
【0015】
このような構成にすることにより、ケースの使用目的に合わせて適した位置にキャスターを取り付けることができる。
【0016】
更に、本発明は、被加工材を載置可能なベース部と、電動機を収納し該電動機の駆動により回転する丸鋸刃を回転可能に支持する丸鋸部と、前記丸鋸刃を揺動軸を中心に揺動可能に支持する支持部と、前記ベース部に着脱可能であり前記被加工材を前記ベース部と共に挟持するためのバイス装置とを備えた卓上切断機と、該卓上切断機を載置可能な上ケースと、該上ケースと共に前記卓上切断機を収納する収納部を形成する下ケースとを備えたケースと、前記上ケースの上面に形成され、前記卓上切断機の前記ベース部底面形状に沿った形状を有する凹部と、を備え、該凹部に前記ベース部底面を載置可能に構成されたケースと、を備えたことを特徴としている。
【0017】
このような構成にすることにより、卓上切断機を使用する場合には作業台としてケースを使用でき、卓上切断機を使用しない場合には卓上切断機の保管、収納及び運搬するためのケースとして使用することができる。
【0018】
また、前記凹部には、前記凹部の形状に合わせた形状のカバーを着脱可能に設けるようにしても良い。
このような構成にすることにより、カバーによって上ケース上面の凹部を無くすことができケース上面を平面とすることで、卓上切断機を収納又は保管する際に、ケース上面に荷物を安定して置くことができる。
【0019】
また、前記ケースは、前記バイス装置を取り付け可能な取付部を有し、前記バイス装置を該取付部に取り付けることによって前記ケース上面に前記被加工材を固定可能にしても良い。
このような構成にすることにより、ケースを被加工材の載置台として利用する場合、卓上切断機付属のバイス装置を利用して被加工材等を固定することができ、卓上切断機以外の切断工具を使用した際に安定した切断作業が可能となる。。
【0020】
また、前記上ケースと前記下ケースは開閉可能に構成されると共に、前記下ケースにはキャスターが着脱可能に設けられ、前記上ケースと前記下ケースとが開放状態にある際に、前記キャスターを前記卓上切断機の前記被加工材用の補助ローラとして使用可能としても良い。
【0021】
このような構成にすることにより、補助ローラを利用して被加工材のスライド作業を容易に行うことができ、作業性を向上することができる。
【0022】
また、前記ケースはキャスターを取り付けるための複数の取付部を有し、該取付部は記ケースの第1面と該第1面とは異なる第2面に設けられており、前記キャスターは前記取付部に着脱可能にしても良い。
【0023】
このような構成にすることにより、ケースの使用目的に合わせて適した位置にキャスターを取り付けることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、卓上切断機を保管、収納又は運搬を容易にすることができる。また、ケース上面に卓上切断機を安定して載置することができ、安定した作業台として利用することができる。まら、卓上切断機付属のバイス装置を使用して被加工材を固定でき別途バイス装置を用意する必要がない。また、キャスターを設けることによって卓上切断機の補助ローラとして使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の一実施形態を図1乃至図9を用いて説明する。まず、図1及び図2を用いて本発明の卓上切断機(以下、卓上丸鋸と称す)の構成について説明する。
【0026】
卓上丸鋸1は、被加工材を載置可能なベース部2、3と、電動機である不図示のモータを収納しモータの駆動により回転する丸鋸刃4を回転可能に支持する丸鋸部5と、丸鋸刃4の軸方向と略平行な揺動軸6により丸鋸部5を揺動可能に支持する支持部7とを有し、ベース部2、3上面に対する丸鋸刃4側面の角度を変更可能な構成をしている。
【0027】
ベース部は、床面や後述する本願発明ケースに載置可能なベース2と、ベース2に埋設されベース2上面と略面一となる上面を有し、上面に直交する不図示の回動軸を介して回動可能にベース2と連結されたターンテーブル3とを有する構成をしている。作業時には、ベース2及びターンテーブル3に被加工材が載置可能となっている。
【0028】
ベース2には、上面と略直交する押さえ面8aを有する一対のフェンス8が設けられており、被加工材を切断加工する際にはフェンス8の押さえ面8aに被切断材の面を当接させた状態で切断作業を行うことにより、安定した切断作業を行うことができるようになっている。また、ターンテーブル3をベース2に対してハンドル3aを把持して回動軸を中心に回動させると、ターンテーブル3と連結された支持部7、ホルダ9、ガイド部10及び丸鋸部5のフェンス8(押さえ面8a)に対する位置が変化し、押さえ面8aと丸鋸刃4側面との角度が変化することとなり、ベース部上に載置されフェンス8に当接された被加工材を様々な角度で切断加工を行うことができる。
【0029】
ターンテーブル3の後方側(反ハンドル3a側)端部付近には、ターンテーブル3上面から上方に立設するホルダ9が、丸鋸刃4側面及びターンテーブル3上面と略平行に延びた傾動軸11を介して接続されている。傾動軸11を支点としてホルダ9はターンテーブル3に対して傾動可能となっている。すなわち、ターンテーブル3上面に対する切断角度を変更可能に構成されている。
【0030】
また、ターンテーブル3の後方側端部には、突出部3bが設けられており、突出部3bにホルダ9に設けられたクランプレバー12を締め付けることで、ターンテーブル3に対するホルダ9の傾動が固定される。すなわち、クランプレバー12の操作によってホルダ9とターンテーブル3との傾動の固定及び固定解除が可能となっている。
【0031】
ホルダ9には、ガイド部10を構成するガイドバーが、丸鋸刃4の側面及びベース部の上面に略平行に上下に2本取付られている。ガイドバー10の前方(ターンテーブル3のハンドル3a側)には、ガイドバー10の回転を防止するためのサポート13が固定して取付けられている。
【0032】
ガイドバー10上であって、ホルダ9とサポート13との間には、丸鋸部5の揺動軸6を支持する支持部7が設けられている。支持部7には、2本のガイドバー10を貫通するための穴が形成されており、支持部7がガイドバー10上を摺動可能になっている。なお、支持部7は、ガイドバー10上の所定の位置で固定ができるようになっている。
【0033】
ホルダ9及びサポート13との間に支持部7を設けることによって、支持部7はホルダ9に当接することで丸鋸部5のホルダ9側への摺動が規制され、サポート13と当接することでホルダ9から離れる方向への摺動が規制される構成となっており、容易に支持部7及び丸鋸部5の抜け止め及び摺動規制を行うことができるようになっている。
【0034】
支持部7には、ガイドバー10の軸方向と直交する方向に延びる揺動軸6が固定されており、揺動軸6を介して丸鋸部5が連結されている。通常時に丸鋸部5は、図1及び図2に示すように反ベース部側に最も上方に揺動した位置(上方位置)になっており、切断加工時には、丸鋸部5のハンドル14を把持して揺動軸6を支点に下方に丸鋸部5をベース部側(下方位置)に揺動することに被加工材の切断作業が可能となっている。
【0035】
丸鋸部5を下方位置に揺動させると、丸鋸刃4は図示しないターンテーブル3に設けられた溝部内に侵入し、所定量侵入した状態で丸鋸部5に設けられたストッパ15が支持部7に設けられたストッパ受部16に当接することによって、丸鋸部5の下方への揺動が規制される。なお、このストッパ15及びストッパ受部16によって、丸鋸刃4のターンテーブル3の溝への侵入量を調整することができるようになっている。
【0036】
丸鋸部5は、モータが収納されるモータハウジング17と、モータハウジング17と連結され、モータの回転を丸鋸刃4に減速して伝達するための減速機構を収納するギヤケース18と、ギヤケース18と連結され、丸鋸刃4の略上半分を覆うソーカバー19と、ソーカバー19の一部に形成され、切断加工時に発生する被加工材の切粉を排出し、集塵バッグ等が接続可能なダクト20とを備えている。また、通常時には丸鋸刃4略下半分を覆い、切断加工時には丸鋸刃4の回転軸22を中心にしてソーカバー19内に回動する保護カバー21が設けられている。なお、卓上丸鋸1には、運搬時等に使用する運搬用ハンドル23が設けられている。また、モータハウジング17には丸鋸部5を揺動するためのハンドル14が一体的に設けられており、モータの起動を制御する不図示のスイッチが設けられている。
【0037】
フェンス8は、ベース部の幅方向(図1の左右方向)に摺動可能に設けられており、被加工材の寸法に応じて被加工材に対するフェンス8の当接面積を変更可能になっている。フェンス8の反押さえ面8a側には、フェンス8の摺動を固定するためのノブ24が設けられている。
【0038】
また、ベース部(ベース2)の上面には、被加工材をベース部上に載置した際に被加工材をベース部との間で押さえるためのバイス装置25が設けられている。バイス装置25は、ベース部と略平行に延びるバイスホルダ25aと、バイスホルダ25aに連結され、被加工材と当接するバイスプレート25b及びバイスプレート25bの上下位置を調整するノブ25dを有し、被加工材をベース部との間に挟むためのプレート支持部25cとから構成される。また、バイス装置25はノブ24によってベース部に固定されている。
【0039】
次に、卓上丸鋸1の動作について説明する。まず、ベース部に被加工材を載置し、バイス機構25によって被加工材をベース部上に固定する。プレート支持部25cのバイスプレート25bをノブ25dによって調整し、被加工材をベース部とバイスプレート25bによって挟持して固定する。また、フェンス8の被加工材との当接位置を調整しノブ24を締め付けてフェンス8を調整する。
【0040】
この状態で、ハンドル14を把持して不図示のスイッチをオンすることによって、モータの回転が丸鋸刃4に伝達される。図1及び図2に示す上方位置から、ハンドル14を把持した状態で揺動軸11を支点として丸鋸部5を下方に揺動させると、揺動に連動して保護カバー21がソーカバー19内に回動し丸鋸刃4が露出することになり、ベース部上に載置された被加工材を切断することができる。切断下方位置での被加工材の切断深さの調整は、ストッパ15とストッパ受部16との当接位置すなわちストッパ15の下端のストッパ支持部15aからの突出量を調整することにより行うことができる。
【0041】
また、被加工材の幅(図2の左右方向)が大きい場合には、ハンドル14を把持し丸鋸部5を下方位置にした状態で丸鋸部5(支持部7)をスライドバー10上で摺動することによって(図2の状態から右方向に摺動)切断幅を変更できるため、被加工材の幅が大きい場合であっても確実に切断作業を行うことができる。
【0042】
また、図1の直角切断の状態から、丸鋸部5を傾斜して傾斜切断をする場合には、図2のクランプレバー12を緩めて、ターンテーブル3の突出部3bとホルダ9との固定を解除し、丸鋸部5を所定の傾斜角度に設定した後でクランプレバー12を固定すれば、所望の傾斜角度での傾斜切断が可能となる。一方、図1の直角切断の状態から、ベース2に対してターンテーブル3を所望の位置に回動させた回動切断を行う場合には、ターンテーブル3のハンドル3aを緩めてターンテーブル3を不図示の回動軸を中心に回動させた後、ハンドル3aを締め付けることにターンテーブル3を固定すれば、所望の回動角度での回動切断が可能となる。
【0043】
次に本発明の卓上丸鋸用収納ケースの第1の実施形態について図1乃至図5を用いて説明する。卓上丸鋸用収納ケース26(以下、ケースと称す)は、卓上丸鋸1を収納可能に構成されている。ケース26は、モールド樹脂で、上ケース26aと下ケース26bとにより構成されている。ケース26の内部には、卓上丸鋸1の形状に合わせた卓上丸鋸収納部30が形成されており、卓上丸鋸1を収納可能になっている。上ケース26aと下ケース26bは、下ケース26bに対して上ケース26aが回動可能なように、ピン27aを有する軸部27を支点に開閉可能になっている。軸部27の反対側の部分には、運搬時に使用できるハンドル28が設けられており、ハンドル28は、上ケース26aと下ケース26bの一部28a、28bによって形成され、ケース26が閉じた状態で形成されるようになっている。ハンドル28には図示せぬラッチが下ケース26bに取付けられており、上ケース26aと係合可能となっている。上ケース26aを閉じた状態でラッチを上ケース26aに係合させることでケース26が開かないようにロックすることができる。また、ケース26のハンドル28部分には、ハンドル28を把持できるように凹部28cによって空間部28dが形成されている。
【0044】
図3に示すように、ケース26の上ケース26a上面には、卓上丸鋸1のベース2の底面形状に合わせた凹部29が形成されており、図1及び図2に示すように、ケース26内に収納されている卓上丸鋸1のベース2を凹部29に合わせて載置することで、卓上丸鋸1を上ケース26a上面に安定させて設置することができ、ケース26を卓上丸鋸1の作業台として使用することができる。
【0045】
また、図3に示すように卓上丸鋸1をケース26に収納した場合には、図4に示すように上ケース26aの凹部29を覆うためのカバー31が取付可能に設けられている。凹部29をカバー31によって覆うことによって、上ケース26a上面を平面とすることができるため、凹部29へのゴミ等の進入を防止でき、作業台としての使用や荷物等をがたつくことなく安定させて置くことができる。
【0046】
さらに、図4乃至図6に示すように、上ケース26aには、卓上丸鋸1に付属されているバイス装置25が取付けられるように取付穴32が4箇所に設けられている。取付穴32に対し直角方向にネジが切ってあり、卓上丸鋸1のバイス装置25の固定に使用しているノブ24(図2)がネジ嵌合によって取付け可能に成形されている。取付け穴32にバイス装置25のバイスシャフト25eを挿入し、ノブ24でバイスシャフト25eを固着する。バイスシャフト25eの上方には、バイスホルダ25aがノブ24によってバイスシャフト25eに固着されている。また、バイスホルダ25a先端には、バイスプレート25bを有したプレート支持部25cがノブ25dによってネジ嵌合されている。ノブ25dを回転させることにより、バイスプレート25bがバイスシャフト25eと同軸方向に上下し、上ケース26aの上面に置かれた被加工材33を押付けて固定することができる。
【0047】
バイス装置25を用いて被加工材33を固定することで、卓上丸鋸1以外の切断機、例えば携帯用丸鋸、ジグソー、携帯用かんな、ルータ等による被加工材33の切断加工が可能である。すなわち、卓上丸鋸1で使用するバイス装置25を、卓上丸鋸1の未使用時に用いることによって別途バイス機構を設ける必要がなく、安価なバイス装置付ケースを提供することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上ケース26aに取付穴32を4箇所設けたが、複数の取付穴を設けることで、使用目的にあった位置でバイス装置25の使用が可能である。また、バイス装置25を複数使用することで、被加工材33をより確実にケース26に固定することができる。
【0049】
次に本発明の卓上丸鋸用収納ケースの第2の実施形態について図6乃至図9を用いて説明する。図6の下ケース26bの底面の四隅には、ケースの運搬や移動の際に便利なキャスター34がそれぞれ設けられている。図6に示すケース26は、図1と同様に軸部27によって下ケース26bに対して上ケース26aを回動するように構成しても良いが、上ケース26aと下ケース26bは、上下方向の2つに分離可能なケース26を例にして説明する。
【0050】
図7に示すように、分離した上ケース26aの上面に卓上丸鋸1を設置し、キャスター34付き下ケース26bは、上ケース26aと分離して反転させ、上ケース26aの側面に並べて置くことができるように構成されている。下ケース26bのキャスター34を、卓上丸鋸1の被加工材33を支える補助ローラとして使用することが可能になる。従って、卓上丸鋸1で被加工材33を切断する際に被加工材33を容易にスライドすることができ、作業性を向上することができる。
【0051】
さらに、図8に示すように、下ケース26bにキャスター用取付穴35を設け、取付穴35にキャスター34のキャスタ支持部34aの挿入部34bを挿入することでキャスター34を着脱可能に設けることができ、取付穴35を複数個設けることで、使用状況に応じてキャスター34の配置を容易に換えることを可能にすることもできる。
【0052】
また、図9に示すように、キャスター34の取付穴35を下ケース26bの底面だけではなく、上ケース26aと下ケース26bを合わせたケース26の複数の面に設けることで、ハンドル28を上にした状態や、ケース26の運搬、移動の状況に応じて、適した位置にキャスター34を取付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明となる卓上切断機収納用ケースの上面に卓上切断機を設置した状態を示す正面図である。
【図2】図1の状態を示す側面図である。
【図3】本発明の卓上切断機収納用ケースに卓上切断機を収納した状態を示すケース上面の一部断面図である。
【図4】本発明の卓上切断機収納用ケースに卓上切断機のバイス装置を用いた状態を示す上面図である。
【図5】図4のA-A断面図である。
【図6】本発明のとなる卓上切断機収納用ケースの第2の実施形態を示す正面図である。
【図7】図6のケースを上ケースと下ケースに分解してキャスターを補助ローラとして使用した状態を示す正面図である。
【図8】キャスターを取り付ける前の状態を示す図7のB-B断面図である。
【図9】キャスターを複数面に複数個所に取付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1は卓上切断機、2はベース、3はターンテーブル、4は丸鋸刃、5は丸鋸部、6は揺動軸、7は支持部、8はフェンス、9はホルダ、10はガイド部、11は傾動軸、12はクランプレバー、13はサポート、14はハンドル、15はストッパ、16はストッパ受部、17はモータハウジング、18はギヤケース、19はソーカバー、20はダクト、21は保護カバー、22は回転軸、23は運搬用ハンドル、24はノブ、25はバイス装置、26は卓丸収納用ケース、27は軸部、28はハンドル、29は卓上丸鋸載置用凹部、30は卓上丸鋸収納部、31は卓上丸鋸載置用凹部用カバー、32はバイス装置取付穴、33は被加工材、34はキャスター、35はキャスター取付穴である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸鋸刃を駆動して被加工材を切断する卓上切断機を載置可能な上ケースと、該上ケースと共に前記卓上切断機を収納する収納部を形成する下ケースとを備えたケースと、
前記上ケースの上面に形成され、前記卓上切断機の底面形状に沿った形状を有する凹部と、を備え、
該凹部に前記卓上切断機の底面を載置可能に構成されることを特徴とする卓上切断機用収納ケース。
【請求項2】
前記凹部には、前記凹部の形状に合わせた形状のカバーを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の卓上切断機用収納ケース。
【請求項3】
前記卓上切断機は、前記被加工材を載置可能なベース部と、該ベース部に取り付けられ、前記被加工材を前記ベース部と共に前記ベース部に固定するためのバイス装置とを備え、
前記ケースは、前記バイス装置を取り付け可能な取付部を有し、
前記バイス装置を該取付部に取り付けることによって前記ケース上面に前記被加工材を固定可能なことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の卓上切断機用収納ケース。
【請求項4】
前記上ケースと前記下ケースは開閉可能に構成されると共に、前記下ケースにはキャスターが着脱可能に設けられ、
前記上ケースと前記下ケースとが開放状態にある際に、前記キャスターを前記卓上切断機の前記被加工材用の補助ローラとして使用可能としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の卓上切断機用収納ケース。
【請求項5】
前記ケースはキャスターを取り付けるための複数の取付部を有し、該取付部は記ケースの第1面と該第1面とは異なる第2面に設けられており、前記キャスターは前記取付部に着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の卓上切断機用収納ケース。
【請求項6】
被加工材を載置可能なベース部と、電動機を収納し該電動機の駆動により回転する丸鋸刃を回転可能に支持する丸鋸部と、前記丸鋸刃を揺動軸を中心に揺動可能に支持する支持部と、前記ベース部に着脱可能であり前記被加工材を前記ベース部と共に挟持するためのバイス装置とを備えた卓上切断機と、
該卓上切断機を載置可能な上ケースと、該上ケースと共に前記卓上切断機を収納する収納部を形成する下ケースとを備えたケースと、前記上ケースの上面に形成され、前記卓上切断機の前記ベース部底面形状に沿った形状を有する凹部と、を備え、該凹部に前記ベース部底面を載置可能に構成されたケースと、を備えた卓上切断機と卓上切断機用収納ケースとの組合せ。
【請求項7】
前記凹部には、前記凹部の形状に合わせた形状のカバーを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項6記載の卓上切断機と卓上切断機用収納ケースとの組合せ。
【請求項8】
前記ケースは、前記バイス装置を取り付け可能な取付部を有し、
前記バイス装置を該取付部に取り付けることによって前記ケース上面に前記被加工材を固定可能なことを特徴とする請求項6又は請求項7記載の卓上切断機と卓上切断機用収納ケースとの組合せ。
【請求項9】
前記上ケースと前記下ケースは開閉可能に構成されると共に、前記下ケースにはキャスターが着脱可能に設けられ、
前記上ケースと前記下ケースとが開放状態にある際に、前記キャスターを前記卓上切断機の前記被加工材用の補助ローラとして使用可能としたことを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の卓上切断機と卓上切断機用収納ケースとの組合せ。
【請求項10】
前記ケースはキャスターを取り付けるための複数の取付部を有し、該取付部は記ケースの第1面と該第1面とは異なる第2面に設けられており、前記キャスターは前記取付部に着脱可能であることを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の卓上切断機と卓上切断機用収納ケースとの組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−5748(P2010−5748A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168756(P2008−168756)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】