卓上型照明機能付き煙草脱臭装置及びプリーツ加工フィルター
【課題】喫煙を好む者がデスクワークをする際の使用に適し、照明機能と煙草臭の脱臭機能とを併せ持つコンパクトな卓上型照明機能付き煙草脱臭装置を提供すること。
【解決手段】基台部10と、基台部10から上方に延設された支柱部2と、支柱部2の先端に配設された笠部3と、笠部3内に空気を流入させるためのファン4とを有する。笠部3は、筒状の外筒部30と、外筒部30の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域35と、ランプ収容領域35の内周側に配置されたフィルター部5と、ランプ収容領域35内に配置されたランプ6とを有する。フィルター部5は、少なくとも、フィルター部5を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルター51と、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。
【解決手段】基台部10と、基台部10から上方に延設された支柱部2と、支柱部2の先端に配設された笠部3と、笠部3内に空気を流入させるためのファン4とを有する。笠部3は、筒状の外筒部30と、外筒部30の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域35と、ランプ収容領域35の内周側に配置されたフィルター部5と、ランプ収容領域35内に配置されたランプ6とを有する。フィルター部5は、少なくとも、フィルター部5を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルター51と、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置及びプリーツ加工フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気清浄機能と照明機能とを併せ持つ装置がいくつか提案されている(特許文献1〜3参照)。これらの装置は、照明機能を主体とした配置を採用したものが多く、比較的大型で複雑な構造を有している。
一方、いわゆるデスクワークを喫煙しながら行う場合に好適な装置、つまり、照明機能付きであって煙草臭の脱臭が可能な装置の開発が望まれている。しかしながら、現在のところは、卓上に載置できるコンパクトな形態で上記の要求を満たす装置は見あたらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−28206号公報
【特許文献2】特開2000−315420号公報
【特許文献3】特開平11−306854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、喫煙を好む者がデスクワークをする際の使用に適し、照明機能と煙草臭の脱臭機能とを併せ持つコンパクトな卓上型照明機能付き煙草脱臭装置を提供しようとするものである。また、この卓上型照明機能付き煙草脱臭装置に好適に適用可能なプリーツ加工フィルターを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態は、卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、
基台部と、該基台部から上方に延設された支柱部と、該支柱部の先端に配設された笠部と、該笠部内に空気を流入させるためのファンとを有し、
該笠部は、筒状の外筒部と、該外筒部の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域と、該ランプ収容領域の内周側に配置されたフィルター部と、上記ランプ収容領域内に配置されたランプとを有し、
上記フィルター部は、少なくとも、該フィルター部を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルターと、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルターとを備えていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置にある(請求項1)。
【0006】
本発明の第2の形態は、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定して、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有することを特徴とするプリーツ加工フィルターにある(請求項7)。
【発明の効果】
【0007】
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置は、上記基台部を卓上(机上)に載置することによってその全体を容易に卓上に設置することができる。また、上記基台部から延設された支柱部の先端に上記笠部が設けられているため、自ずと笠部の下方開口部が机の上方の空間に対面した配置となる。そのため、机上において生じた煙草の煙を効率よく笠部内に吸引することが可能となる。
【0008】
また、上記笠部は、上記ランプ収容領域の内部に上記フィルター部を有している。そのため、上記フィルター部と上記ランプ収容領域に配置するランプの配置を径方向にずらすことができ、笠部の厚み寸法を比較的小さな寸法に抑えることができる。また、照明機能としてのランプと上記フィルター部とが空気の流通方向において重なり合っていないため、スムーズな空気吸引を実現することができる。
【0009】
また、上記フィルター部は、異物を除去するための上記プレフィルターと、臭い成分を吸着する上記メインフィルターとを備えている。そのため、机上において生じた煙草の煙を含む空気は、フィルター部に吸引されることにより、それぞれのフィルターの作用が相俟って、効率よく脱臭効果を発揮することができる。
【0010】
また、上記笠部に配設された上記ランプによって、机上を明るく照らすことができるので、別途照明器具を準備して配置する必要がない。それ故、上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置は、机上のスペースの有効利用にも適している。
【0011】
次に、上記プリーツ加工フィルターは、四角形状の上記フィルター素材を折り曲げ加工した後、上記のごとく加工することにより、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するものとなる。これにより、上記プリーツ加工フィルターは、軸方向寸法が比較的小さく、かつ、上記山部と谷部を含むプリーツ加工形状による表面積の増大により、異物の捕獲性能の向上と通気抵抗の低減を図ることができる。
【0012】
また、従来においては、全体形状が四角形のプリーツ加工フィルターは存在していたが、円形状のものは開発されていなかった。上記の円形のプリーツ加工フィルターの開発により、上述した卓上型照明機能付き煙草脱臭装置をはじめ、種々の空気清浄機や脱臭装置において円形状の通気部を容易に採用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例1における、フィルター部を除去した状態の笠部を下方から見た構成を示す説明図。
【図3】実施例1における、ランプユニットの構成を示す説明図。
【図4】実施例1における、プレフィルターの作製方法を示す説明図。
【図5】実施例1における、プレフィルターを示す平面図。
【図6】実施例1における、プレフィルターの断面図(図5のA−A線矢視断面図)。
【図7】実施例1における、プレフィルターの外周キャップの構造を示す軸方向から見た説明図。
【図8】実施例1における、プレフィルターの外周キャップの構造を示す径方向外方から見た説明図。
【図9】実施例1における、メインフィルターを示す平面図。
【図10】実施例2における、フィルター部の構成を変更した例を示す説明図。
【図11】実施例3における、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置における上記ファンは、上記笠部におけるフィルター部の上方側を負圧にするような空気の流れを引き起こす位置であれば、種々の位置に配置することが可能である。
例えば、上記外筒部の上方には、上記フィルター部に対面する排気口を備えると共に該排気口に空気を送るように上記ファンを配置した蓋部が配設されており、上記笠部の下方から吸引された空気が上記フィルター部、上記ファン及び上記排気口を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されていてもよい(請求項2)。
【0015】
この場合には、フィルター部を通過した空気をその直後に上方に排気させることができるため、圧損が生じにくく、スムーズな空気の流れを実現することができる。また、上記のごとく空気の流れが下方から上方へ向けた一方向であるため、フィルター部を通過した清浄な空気が再度笠部の下方に回り込むことを抑制することができ、効率のよい煙草脱臭効果を得ることができる。
【0016】
また、ファン設置位置を変更した別の構成としては、上記外筒部の上方には、該外筒部の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部が配設されており、上記外筒部の外周側面には、上記支柱部内に設けられた排気流路に連通する連通口が設けられており、上記基台部には、上記支柱部の上記排気流路内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファンが配設されている構成をとることもできる(請求項3)。
この場合には、上記笠部内にファンを配置する必要がなく、笠部の軽量化を図ることができる。また、この場合の上記基台部上の上記ファンからの排気方向は、上方向ではなく、水平方向に設定することが好ましい。これにより、フィルター部を通過した清浄な空気が再度笠部の下方に回り込むことを抑制することができる。
【0017】
また、上記外筒部及び上記フィルター部は、その外形が円形状であり、上記プレフィルターは、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するプリーツ加工フィルターよりなることが好ましい(請求項4)。
【0018】
この場合には、上記外筒部及び上記フィルター部の外形が円形状であるので、円環状の上記ランプ収容領域を設定することにより該ランプ収容領域と上記フィルター部の重なり合いを回避する構成を容易に採用することができる。
また、円形状のフィルター部を構成する上記プレフィルターとしては、表面積が大きく圧損が生じにくいものであって、比較的安価なものが好ましい。これに対し、上記プリーツ加工フィルターの採用は非常に有効である。
【0019】
また、上記ランプは、LEDランプにより構成されていることが好ましい(請求項6)。LEDランプは、エネルギー効率が高く、また自由な形状や配置を選択し易い。そのため、例えば、上記ランプ収容領域のうち、上記笠部に接続されている上記支柱部から最も離れた端部側の光量を他の部位よりも高めるなどの対応を容易に実現することができる。
【0020】
また、上記外筒部の内周面は、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲にある構成をとることが好ましい(請求項7)。この場合には、上記外筒部内に流入した空気をよりスムーズに上記フィルター部に導くことができる。上記傾き角度が40度未満及び70度を超える場合には、このような効果が生じにくい。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の実施例について、図1〜図9を用いて説明する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、図1に示すごとく、卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、基台部10と、該基台部10から上方に延設された支柱部2と、該支柱部2の先端に配設された笠部3と、該笠部3内に空気を流入させるためのファン4とを有する。
笠部3は、筒状の外筒部30と、該外筒部30の内周面31に沿って環状に設けられたランプ収容領域35と、該ランプ収容領域35の内周側に配置されたフィルター部5と、上記ランプ収容領域35内に配置されたランプ6とを有する。
フィルター部5は、少なくとも、該フィルター部5を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルター51と、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。
【0022】
以下、さらに詳説する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、同図に示すごとく、板状の基台部10の上に電源ボックス15を備えると共に、該電源ボックス15を貫通して基台部10の一端から上方へ伸びるように設けた支柱部2を有する。支柱部2は、下方から上方にいくにつれて、基台部10から外方へ曲がった後に基台部10に近づくように曲がった略S字状の形状を有している。
【0023】
上記電源ボックス15内には、後述するファン4及びランプ6への電力を供給するための電源装置(図示略)が収容されており、電源ボックス15の上面には、ファン4及びランプ6を操作するための操作ボタン16、17が配設されている。そして、電源ボックス15内の電源装置から延設された電線類は、上記支柱部2内を通って笠部3内まで到達し、後述する蓋部7内に配設されたファン4及びランプ収容領域35内に配設されたランプユニット62に連結されている。
【0024】
上記支柱部2の先端には、上述したごとく笠部3が連結されている。笠部3は、該笠部3の外周面に配設された連結片部39を介して支柱部2に回動可能に連結されており、ノブ38を回転させるにより固定状態及び可動状態を変更できるように構成されている。
【0025】
図1、図2に示すごとく、笠部3における外筒部30及びフィルター部5は、その外形形状が円形状である。そして、外筒部30は、その外周面及び内周面31が、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲、具体的には58°に設定してある。
【0026】
笠部3は、図1に示すごとく、テーパ状の外筒部30の内側に円筒状の隔壁部32を有しており、隔壁部32と外筒部30との間の断面三角形状の環状空間が上記ランプ収容領域35として設けられている。
隔壁部32の下端部には、内方に突出した受け部321が設けられており、該受け部321によりプレフィルター51及びメインフィルター52を支持している。
【0027】
ランプ収容領域35内の上方には、ランプ設置台61が全周にわたって配設されており、該ランプ設置台61の下端面に、複数のランプユニット62が搭載されている。図2に示すごとく、周方向4箇所にそれぞれLEDランプにより構成されたランプ6を備えたランプユニット62が配置されている。図3に示すごとく、各ランプユニット62は、それぞれ9組のLEDランプを備えた長方形状のものである。
【0028】
ランプユニット62の配置としては、図2に示すごとく、環状のランプ収容領域35における支柱部2から最も離れた端部側の光量を他の部位よりも高めるよう周方向において偏った配置を採用している。
また、図1、図2に示すごとく、環状のランプ収容領域35の下方の開口部分は、その全面が、透光性能を備えた透光板69により覆われており、各ランプ6及びランプ収容領域35内が異物により汚染されることを防止する構成が採用されている。
【0029】
また、笠部3の外筒部30の上方には、フィルター部5に対面する排気口71を備えると共に排気口71に空気を送るようにファン4を配置した蓋部7が配設されている。蓋部7は、一端に設けられた支点部79において外筒部30に対して回動可能に連結されており、フィルター交換時等に外筒部30の上方開口部を開放できるように構成されている。
【0030】
また、上記笠部3に収容されたフィルター部5は、それぞれ外形形状が円形状を呈するプレフィルター51とメインフィルター52とから構成されている。本例では、プレフィルター素材として、ポリエステルニードルパンチ不織布(前田工繊株式会社製 NLT10095CB)を採用した。なお、フィルター素材は、適宜公知の他のものに変更可能である。
【0031】
プレフィルター51は、図4(a)(b)に示すごとく、四角形状のフィルター素材510を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線511、512上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、図4(c)(d)に示すごとく、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成されたものである。すなわち、プレフィルター51は、全体形状が円形状で中心から放射状に山部513及び谷部514を有するいわゆるプリーツ加工フィルターである。山部513は、上記折り曲げ線511を頂点とした部分であり、谷部514は、上記折り曲げ線512を頂点とした部分である。図4(b)〜(d)及び図5においては、わかりやすくするため谷部514(折り曲げ線512)の記載は省略してある。
【0032】
また、図5〜図8に示すごとく、プレフィルター51の外周部には、外周キャップ53が両面から被せられる。各外周キャップ53は、プレフィルター51の山部513に対応するキャップ谷部533と、プレフィルター51の谷部514に対応するキャップ山部534とを周方向全周に交互に連ねてなる。各キャップ山部534の外周側面および内周側面には、三角形状の閉塞面535、336が設けられており、軸方向の表側となる端面は、図7に示すごとく、各キャップ山部534の裏側の谷となった部分534bと、各キャップ谷部533の裏側の山となった部分533bとが周方向全周に交互に連なった形状となる。
【0033】
この外周キャップ53をプレフィルター51の両面から被せることにより、両者のキャップ山部534とキャップ谷部433とによってプレフィルター51の両面を挟持した状態が得られ、プレフィルター51のプリーツ加工形状を安定化させることができる。
【0034】
また、メインフィルター52は、図9に示すごとく、2枚の網目状プラスチックシート521の間に、吸着剤522を挟んだ構造のものを用いた。網目状プラスチックシートは、材質がポリエステルで、網目の大きさが1mm×1mmのものを採用した。また、吸着剤522は、平均粒径が約2mmの粒状の活性炭を用いた。活性炭の一部には、ホルムアルデヒドを分解可能な薬品およびアンモニアを分解可能な薬品を吸着させてある。なお、本例のメインフィルター52は、フタムラ化学株式会社製のものである。
【0035】
次に、本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1の作用効果について説明する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、基台部10を卓上(机上)に載置することによってその全体を容易に卓上に設置することができる。また、基台部10から延設された支柱部2の先端に笠部3が設けられているため、自ずと笠部3の下方開口部が机の上方の空間に対面した配置となる。そのため、机上において生じた煙草の煙を効率よく笠部3内に吸引することが可能となる。
【0036】
また、笠部3は、ランプ収容領域35の内部にフィルター部5を有している。そのため、フィルター部5とランプ収容領域35に配置するランプ6の配置を径方向にずらすことができ、笠部3の厚み寸法を比較的小さな寸法に抑えることができる。また、照明機能としてのランプ6とフィルター部5とが空気の流通方向において重なり合っていないため、スムーズな空気吸引を実現することができる。
【0037】
特に、本例においては、上記排気口71とファン4を配置した蓋部7が笠部3の上方、つまりフィルター部5の上方に配置されており、笠部3の下方から吸引された空気がフィルター部5、ファン4及び排気口71を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されている。これにより、フィルター部5を通過した空気をその直後に上方に排気させることができるため、圧損が生じにくく、スムーズな空気の流れを実現することができる。また、上記のごとく空気の流れが下方から上方へ向けた一方向であるため、フィルター部5を通過した清浄な空気が再度笠部3の下方に回り込むことを抑制することができ、効率のよい煙草脱臭効果を得ることができる。
【0038】
また、フィルター部5は、異物を除去するためのプレフィルター51と、臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。そのため、机上において生じた煙草の煙を含む空気は、フィルター部5に吸引されることにより、それぞれのフィルターの作用が相俟って、効率よく脱臭効果を発揮することができる。
【0039】
また、プレフィルター51は、上記の構造のプリーツ加工フィルターからなる。これは、四角形状のフィルター素材を折り曲げ加工した後、上記のごとく加工することにより、全体形状が円形状で中心から放射状に山部513及び谷部514を有するものとなる。これにより、プレフィルター51は、軸方向寸法が比較的小さく、かつ、山部513と谷部514を含むプリーツ加工形状による表面積の増大により、異物の捕獲性能の向上と通気抵抗の低減を図ることができる。
【0040】
そして、本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、笠部3に配設されたランプ6によって、机上を明るく照らすことができるので、別途照明器具を準備して配置する必要がない。それ故、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、デスク上のスペースの有効利用にも適している。
【0041】
このように、本例によれば、喫煙を好む者がデスクワークをする際の使用に適し、照明機能と煙草臭の脱臭機能とを併せ持つコンパクトな卓上型照明機能付き煙草脱臭装置を提供することができる。
【0042】
(実施例2)
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置102は、図10に示すごとく、フィルター部5の構成を、プレフィルター51の上にメインフィルター52を2枚重ねて3層構成とした例である。その他は、実施例1と同様である。
この場合には、メインフィルター52を増やした分だけ煙草臭の除去効果をさらに高めることができる。その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0043】
(実施例3)
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置103は、図11に示すごとく、実施例1の構造を基本として、空気の流れを根本的に変更したものである。すなわち、外筒部30の上方には、外筒部30の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部8を配設されており、外筒部30の外周側面には、支柱部2内に設けられた排気流路27に連通する連通口37が設けられている。基台部10には、支柱部2の排気流路27内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファン4が配設されている。ファン4は、実施例1における電源ボックス内に収容されており、排気口47は、電源ボックス15の両側面に開口している。
【0044】
この場合には、笠部3内にファン4を配置する必要がなく、笠部3の軽量化を図ることができる。また、この場合の基台部10上のファン4からの排気方向は、上方向ではなく、水平方向に設定されているので、フィルター部5を通過した清浄な空気が再度笠部3の下方に回り込むことを抑制することができる。
その他、実施例1と共通する構成部分からは上記と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0045】
1、102、103 卓上型照明機能付き煙草脱臭装置
10 基台部
2 支柱部
3 笠部
30 外筒部
35 ランプ収容領域
4 ファン
5 フィルター部
51 プレフィルター
52 メインフィルター
6 ランプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置及びプリーツ加工フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気清浄機能と照明機能とを併せ持つ装置がいくつか提案されている(特許文献1〜3参照)。これらの装置は、照明機能を主体とした配置を採用したものが多く、比較的大型で複雑な構造を有している。
一方、いわゆるデスクワークを喫煙しながら行う場合に好適な装置、つまり、照明機能付きであって煙草臭の脱臭が可能な装置の開発が望まれている。しかしながら、現在のところは、卓上に載置できるコンパクトな形態で上記の要求を満たす装置は見あたらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−28206号公報
【特許文献2】特開2000−315420号公報
【特許文献3】特開平11−306854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、喫煙を好む者がデスクワークをする際の使用に適し、照明機能と煙草臭の脱臭機能とを併せ持つコンパクトな卓上型照明機能付き煙草脱臭装置を提供しようとするものである。また、この卓上型照明機能付き煙草脱臭装置に好適に適用可能なプリーツ加工フィルターを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態は、卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、
基台部と、該基台部から上方に延設された支柱部と、該支柱部の先端に配設された笠部と、該笠部内に空気を流入させるためのファンとを有し、
該笠部は、筒状の外筒部と、該外筒部の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域と、該ランプ収容領域の内周側に配置されたフィルター部と、上記ランプ収容領域内に配置されたランプとを有し、
上記フィルター部は、少なくとも、該フィルター部を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルターと、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルターとを備えていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置にある(請求項1)。
【0006】
本発明の第2の形態は、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定して、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有することを特徴とするプリーツ加工フィルターにある(請求項7)。
【発明の効果】
【0007】
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置は、上記基台部を卓上(机上)に載置することによってその全体を容易に卓上に設置することができる。また、上記基台部から延設された支柱部の先端に上記笠部が設けられているため、自ずと笠部の下方開口部が机の上方の空間に対面した配置となる。そのため、机上において生じた煙草の煙を効率よく笠部内に吸引することが可能となる。
【0008】
また、上記笠部は、上記ランプ収容領域の内部に上記フィルター部を有している。そのため、上記フィルター部と上記ランプ収容領域に配置するランプの配置を径方向にずらすことができ、笠部の厚み寸法を比較的小さな寸法に抑えることができる。また、照明機能としてのランプと上記フィルター部とが空気の流通方向において重なり合っていないため、スムーズな空気吸引を実現することができる。
【0009】
また、上記フィルター部は、異物を除去するための上記プレフィルターと、臭い成分を吸着する上記メインフィルターとを備えている。そのため、机上において生じた煙草の煙を含む空気は、フィルター部に吸引されることにより、それぞれのフィルターの作用が相俟って、効率よく脱臭効果を発揮することができる。
【0010】
また、上記笠部に配設された上記ランプによって、机上を明るく照らすことができるので、別途照明器具を準備して配置する必要がない。それ故、上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置は、机上のスペースの有効利用にも適している。
【0011】
次に、上記プリーツ加工フィルターは、四角形状の上記フィルター素材を折り曲げ加工した後、上記のごとく加工することにより、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するものとなる。これにより、上記プリーツ加工フィルターは、軸方向寸法が比較的小さく、かつ、上記山部と谷部を含むプリーツ加工形状による表面積の増大により、異物の捕獲性能の向上と通気抵抗の低減を図ることができる。
【0012】
また、従来においては、全体形状が四角形のプリーツ加工フィルターは存在していたが、円形状のものは開発されていなかった。上記の円形のプリーツ加工フィルターの開発により、上述した卓上型照明機能付き煙草脱臭装置をはじめ、種々の空気清浄機や脱臭装置において円形状の通気部を容易に採用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1における、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の構成を示す説明図。
【図2】実施例1における、フィルター部を除去した状態の笠部を下方から見た構成を示す説明図。
【図3】実施例1における、ランプユニットの構成を示す説明図。
【図4】実施例1における、プレフィルターの作製方法を示す説明図。
【図5】実施例1における、プレフィルターを示す平面図。
【図6】実施例1における、プレフィルターの断面図(図5のA−A線矢視断面図)。
【図7】実施例1における、プレフィルターの外周キャップの構造を示す軸方向から見た説明図。
【図8】実施例1における、プレフィルターの外周キャップの構造を示す径方向外方から見た説明図。
【図9】実施例1における、メインフィルターを示す平面図。
【図10】実施例2における、フィルター部の構成を変更した例を示す説明図。
【図11】実施例3における、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置における上記ファンは、上記笠部におけるフィルター部の上方側を負圧にするような空気の流れを引き起こす位置であれば、種々の位置に配置することが可能である。
例えば、上記外筒部の上方には、上記フィルター部に対面する排気口を備えると共に該排気口に空気を送るように上記ファンを配置した蓋部が配設されており、上記笠部の下方から吸引された空気が上記フィルター部、上記ファン及び上記排気口を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されていてもよい(請求項2)。
【0015】
この場合には、フィルター部を通過した空気をその直後に上方に排気させることができるため、圧損が生じにくく、スムーズな空気の流れを実現することができる。また、上記のごとく空気の流れが下方から上方へ向けた一方向であるため、フィルター部を通過した清浄な空気が再度笠部の下方に回り込むことを抑制することができ、効率のよい煙草脱臭効果を得ることができる。
【0016】
また、ファン設置位置を変更した別の構成としては、上記外筒部の上方には、該外筒部の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部が配設されており、上記外筒部の外周側面には、上記支柱部内に設けられた排気流路に連通する連通口が設けられており、上記基台部には、上記支柱部の上記排気流路内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファンが配設されている構成をとることもできる(請求項3)。
この場合には、上記笠部内にファンを配置する必要がなく、笠部の軽量化を図ることができる。また、この場合の上記基台部上の上記ファンからの排気方向は、上方向ではなく、水平方向に設定することが好ましい。これにより、フィルター部を通過した清浄な空気が再度笠部の下方に回り込むことを抑制することができる。
【0017】
また、上記外筒部及び上記フィルター部は、その外形が円形状であり、上記プレフィルターは、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するプリーツ加工フィルターよりなることが好ましい(請求項4)。
【0018】
この場合には、上記外筒部及び上記フィルター部の外形が円形状であるので、円環状の上記ランプ収容領域を設定することにより該ランプ収容領域と上記フィルター部の重なり合いを回避する構成を容易に採用することができる。
また、円形状のフィルター部を構成する上記プレフィルターとしては、表面積が大きく圧損が生じにくいものであって、比較的安価なものが好ましい。これに対し、上記プリーツ加工フィルターの採用は非常に有効である。
【0019】
また、上記ランプは、LEDランプにより構成されていることが好ましい(請求項6)。LEDランプは、エネルギー効率が高く、また自由な形状や配置を選択し易い。そのため、例えば、上記ランプ収容領域のうち、上記笠部に接続されている上記支柱部から最も離れた端部側の光量を他の部位よりも高めるなどの対応を容易に実現することができる。
【0020】
また、上記外筒部の内周面は、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲にある構成をとることが好ましい(請求項7)。この場合には、上記外筒部内に流入した空気をよりスムーズに上記フィルター部に導くことができる。上記傾き角度が40度未満及び70度を超える場合には、このような効果が生じにくい。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
上記卓上型照明機能付き煙草脱臭装置の実施例について、図1〜図9を用いて説明する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、図1に示すごとく、卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、基台部10と、該基台部10から上方に延設された支柱部2と、該支柱部2の先端に配設された笠部3と、該笠部3内に空気を流入させるためのファン4とを有する。
笠部3は、筒状の外筒部30と、該外筒部30の内周面31に沿って環状に設けられたランプ収容領域35と、該ランプ収容領域35の内周側に配置されたフィルター部5と、上記ランプ収容領域35内に配置されたランプ6とを有する。
フィルター部5は、少なくとも、該フィルター部5を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルター51と、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。
【0022】
以下、さらに詳説する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、同図に示すごとく、板状の基台部10の上に電源ボックス15を備えると共に、該電源ボックス15を貫通して基台部10の一端から上方へ伸びるように設けた支柱部2を有する。支柱部2は、下方から上方にいくにつれて、基台部10から外方へ曲がった後に基台部10に近づくように曲がった略S字状の形状を有している。
【0023】
上記電源ボックス15内には、後述するファン4及びランプ6への電力を供給するための電源装置(図示略)が収容されており、電源ボックス15の上面には、ファン4及びランプ6を操作するための操作ボタン16、17が配設されている。そして、電源ボックス15内の電源装置から延設された電線類は、上記支柱部2内を通って笠部3内まで到達し、後述する蓋部7内に配設されたファン4及びランプ収容領域35内に配設されたランプユニット62に連結されている。
【0024】
上記支柱部2の先端には、上述したごとく笠部3が連結されている。笠部3は、該笠部3の外周面に配設された連結片部39を介して支柱部2に回動可能に連結されており、ノブ38を回転させるにより固定状態及び可動状態を変更できるように構成されている。
【0025】
図1、図2に示すごとく、笠部3における外筒部30及びフィルター部5は、その外形形状が円形状である。そして、外筒部30は、その外周面及び内周面31が、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲、具体的には58°に設定してある。
【0026】
笠部3は、図1に示すごとく、テーパ状の外筒部30の内側に円筒状の隔壁部32を有しており、隔壁部32と外筒部30との間の断面三角形状の環状空間が上記ランプ収容領域35として設けられている。
隔壁部32の下端部には、内方に突出した受け部321が設けられており、該受け部321によりプレフィルター51及びメインフィルター52を支持している。
【0027】
ランプ収容領域35内の上方には、ランプ設置台61が全周にわたって配設されており、該ランプ設置台61の下端面に、複数のランプユニット62が搭載されている。図2に示すごとく、周方向4箇所にそれぞれLEDランプにより構成されたランプ6を備えたランプユニット62が配置されている。図3に示すごとく、各ランプユニット62は、それぞれ9組のLEDランプを備えた長方形状のものである。
【0028】
ランプユニット62の配置としては、図2に示すごとく、環状のランプ収容領域35における支柱部2から最も離れた端部側の光量を他の部位よりも高めるよう周方向において偏った配置を採用している。
また、図1、図2に示すごとく、環状のランプ収容領域35の下方の開口部分は、その全面が、透光性能を備えた透光板69により覆われており、各ランプ6及びランプ収容領域35内が異物により汚染されることを防止する構成が採用されている。
【0029】
また、笠部3の外筒部30の上方には、フィルター部5に対面する排気口71を備えると共に排気口71に空気を送るようにファン4を配置した蓋部7が配設されている。蓋部7は、一端に設けられた支点部79において外筒部30に対して回動可能に連結されており、フィルター交換時等に外筒部30の上方開口部を開放できるように構成されている。
【0030】
また、上記笠部3に収容されたフィルター部5は、それぞれ外形形状が円形状を呈するプレフィルター51とメインフィルター52とから構成されている。本例では、プレフィルター素材として、ポリエステルニードルパンチ不織布(前田工繊株式会社製 NLT10095CB)を採用した。なお、フィルター素材は、適宜公知の他のものに変更可能である。
【0031】
プレフィルター51は、図4(a)(b)に示すごとく、四角形状のフィルター素材510を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線511、512上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、図4(c)(d)に示すごとく、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成されたものである。すなわち、プレフィルター51は、全体形状が円形状で中心から放射状に山部513及び谷部514を有するいわゆるプリーツ加工フィルターである。山部513は、上記折り曲げ線511を頂点とした部分であり、谷部514は、上記折り曲げ線512を頂点とした部分である。図4(b)〜(d)及び図5においては、わかりやすくするため谷部514(折り曲げ線512)の記載は省略してある。
【0032】
また、図5〜図8に示すごとく、プレフィルター51の外周部には、外周キャップ53が両面から被せられる。各外周キャップ53は、プレフィルター51の山部513に対応するキャップ谷部533と、プレフィルター51の谷部514に対応するキャップ山部534とを周方向全周に交互に連ねてなる。各キャップ山部534の外周側面および内周側面には、三角形状の閉塞面535、336が設けられており、軸方向の表側となる端面は、図7に示すごとく、各キャップ山部534の裏側の谷となった部分534bと、各キャップ谷部533の裏側の山となった部分533bとが周方向全周に交互に連なった形状となる。
【0033】
この外周キャップ53をプレフィルター51の両面から被せることにより、両者のキャップ山部534とキャップ谷部433とによってプレフィルター51の両面を挟持した状態が得られ、プレフィルター51のプリーツ加工形状を安定化させることができる。
【0034】
また、メインフィルター52は、図9に示すごとく、2枚の網目状プラスチックシート521の間に、吸着剤522を挟んだ構造のものを用いた。網目状プラスチックシートは、材質がポリエステルで、網目の大きさが1mm×1mmのものを採用した。また、吸着剤522は、平均粒径が約2mmの粒状の活性炭を用いた。活性炭の一部には、ホルムアルデヒドを分解可能な薬品およびアンモニアを分解可能な薬品を吸着させてある。なお、本例のメインフィルター52は、フタムラ化学株式会社製のものである。
【0035】
次に、本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1の作用効果について説明する。
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、基台部10を卓上(机上)に載置することによってその全体を容易に卓上に設置することができる。また、基台部10から延設された支柱部2の先端に笠部3が設けられているため、自ずと笠部3の下方開口部が机の上方の空間に対面した配置となる。そのため、机上において生じた煙草の煙を効率よく笠部3内に吸引することが可能となる。
【0036】
また、笠部3は、ランプ収容領域35の内部にフィルター部5を有している。そのため、フィルター部5とランプ収容領域35に配置するランプ6の配置を径方向にずらすことができ、笠部3の厚み寸法を比較的小さな寸法に抑えることができる。また、照明機能としてのランプ6とフィルター部5とが空気の流通方向において重なり合っていないため、スムーズな空気吸引を実現することができる。
【0037】
特に、本例においては、上記排気口71とファン4を配置した蓋部7が笠部3の上方、つまりフィルター部5の上方に配置されており、笠部3の下方から吸引された空気がフィルター部5、ファン4及び排気口71を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されている。これにより、フィルター部5を通過した空気をその直後に上方に排気させることができるため、圧損が生じにくく、スムーズな空気の流れを実現することができる。また、上記のごとく空気の流れが下方から上方へ向けた一方向であるため、フィルター部5を通過した清浄な空気が再度笠部3の下方に回り込むことを抑制することができ、効率のよい煙草脱臭効果を得ることができる。
【0038】
また、フィルター部5は、異物を除去するためのプレフィルター51と、臭い成分を吸着するメインフィルター52とを備えている。そのため、机上において生じた煙草の煙を含む空気は、フィルター部5に吸引されることにより、それぞれのフィルターの作用が相俟って、効率よく脱臭効果を発揮することができる。
【0039】
また、プレフィルター51は、上記の構造のプリーツ加工フィルターからなる。これは、四角形状のフィルター素材を折り曲げ加工した後、上記のごとく加工することにより、全体形状が円形状で中心から放射状に山部513及び谷部514を有するものとなる。これにより、プレフィルター51は、軸方向寸法が比較的小さく、かつ、山部513と谷部514を含むプリーツ加工形状による表面積の増大により、異物の捕獲性能の向上と通気抵抗の低減を図ることができる。
【0040】
そして、本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、笠部3に配設されたランプ6によって、机上を明るく照らすことができるので、別途照明器具を準備して配置する必要がない。それ故、卓上型照明機能付き煙草脱臭装置1は、デスク上のスペースの有効利用にも適している。
【0041】
このように、本例によれば、喫煙を好む者がデスクワークをする際の使用に適し、照明機能と煙草臭の脱臭機能とを併せ持つコンパクトな卓上型照明機能付き煙草脱臭装置を提供することができる。
【0042】
(実施例2)
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置102は、図10に示すごとく、フィルター部5の構成を、プレフィルター51の上にメインフィルター52を2枚重ねて3層構成とした例である。その他は、実施例1と同様である。
この場合には、メインフィルター52を増やした分だけ煙草臭の除去効果をさらに高めることができる。その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0043】
(実施例3)
本例の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置103は、図11に示すごとく、実施例1の構造を基本として、空気の流れを根本的に変更したものである。すなわち、外筒部30の上方には、外筒部30の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部8を配設されており、外筒部30の外周側面には、支柱部2内に設けられた排気流路27に連通する連通口37が設けられている。基台部10には、支柱部2の排気流路27内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファン4が配設されている。ファン4は、実施例1における電源ボックス内に収容されており、排気口47は、電源ボックス15の両側面に開口している。
【0044】
この場合には、笠部3内にファン4を配置する必要がなく、笠部3の軽量化を図ることができる。また、この場合の基台部10上のファン4からの排気方向は、上方向ではなく、水平方向に設定されているので、フィルター部5を通過した清浄な空気が再度笠部3の下方に回り込むことを抑制することができる。
その他、実施例1と共通する構成部分からは上記と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0045】
1、102、103 卓上型照明機能付き煙草脱臭装置
10 基台部
2 支柱部
3 笠部
30 外筒部
35 ランプ収容領域
4 ファン
5 フィルター部
51 プレフィルター
52 メインフィルター
6 ランプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、
基台部と、該基台部から上方に延設された支柱部と、該支柱部の先端に配設された笠部と、該笠部内に空気を流入させるためのファンとを有し、
該笠部は、筒状の外筒部と、該外筒部の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域と、該ランプ収容領域の内周側に配置されたフィルター部と、上記ランプ収容領域内に配置されたランプとを有し、
上記フィルター部は、少なくとも、該フィルター部を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルターと、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルターとを備えていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の上方には、上記フィルター部に対面する排気口を備えると共に該排気口に空気を送るように上記ファンを配置した蓋部が配設されており、
上記笠部の下方から吸引された空気が上記フィルター部、上記ファン及び上記排気口を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項3】
請求項1に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の上方には、該外筒部の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部が配設されており、
上記外筒部の外周側面には、上記支柱部内に設けられた排気流路に連通する連通口が設けられており、
上記基台部には、上記支柱部の上記排気流路内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファンが配設されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部及び上記フィルター部は、その外形が円形状であり、上記プレフィルターは、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するプリーツ加工フィルターよりなることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記ランプは、LEDランプにより構成されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の内周面は、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲にあることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項7】
四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有することを特徴とするプリーツ加工フィルター。
【請求項1】
卓上に載置可能な卓上型照明機能付き煙草脱臭装置であって、
基台部と、該基台部から上方に延設された支柱部と、該支柱部の先端に配設された笠部と、該笠部内に空気を流入させるためのファンとを有し、
該笠部は、筒状の外筒部と、該外筒部の内周面に沿って環状に設けられたランプ収容領域と、該ランプ収容領域の内周側に配置されたフィルター部と、上記ランプ収容領域内に配置されたランプとを有し、
上記フィルター部は、少なくとも、該フィルター部を通過する空気中の異物を除去するためのプレフィルターと、当該空気中の臭い成分を吸着するメインフィルターとを備えていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の上方には、上記フィルター部に対面する排気口を備えると共に該排気口に空気を送るように上記ファンを配置した蓋部が配設されており、
上記笠部の下方から吸引された空気が上記フィルター部、上記ファン及び上記排気口を通過して下方から上方に向けて流動するよう構成されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項3】
請求項1に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の上方には、該外筒部の上方開口部を閉塞する閉塞蓋部が配設されており、
上記外筒部の外周側面には、上記支柱部内に設けられた排気流路に連通する連通口が設けられており、
上記基台部には、上記支柱部の上記排気流路内の空気を吸引して外部に排気するよう上記ファンが配設されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部及び上記フィルター部は、その外形が円形状であり、上記プレフィルターは、四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有するプリーツ加工フィルターよりなることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記ランプは、LEDランプにより構成されていることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の卓上型照明機能付き煙草脱臭装置において、
上記外筒部の内周面は、下方に行くにつれて拡開するテーパ形状を呈しており、その傾き角度は、軸線に対して40〜70度の範囲にあることを特徴とする卓上型照明機能付き煙草脱臭装置。
【請求項7】
四角形状のフィルター素材を、等間隔で設けられた平行な折り曲げ線上において山折り及び谷折りを交互に実施して重ね合わせた後、長手方向中央部を固定した状態で、両端を円弧状に広げて当接部を接合することにより形成された、全体形状が円形状で中心から放射状に山部及び谷部を有することを特徴とするプリーツ加工フィルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−85878(P2013−85878A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231697(P2011−231697)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(511255960)古川電機製作株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(511255960)古川電機製作株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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