印刷システム、中継サーバ、印刷システムの制御方法、およびコンピュータプログラム
【課題】印刷サービス(330)で一括設定を登録できず、複合設定に含まれるすべての印刷項目が表示できない場合でも印刷サービスの能力に応じて一括設定機能を実現させる印刷システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置(110,120)は、印刷サービス装置(330)へ印刷設定を含むプリンタ情報を送信するとともに、プリンタ情報を印刷サービス装置(330)へ登録させ、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を印刷サービス装置(330)で実現する要求をユーザ装置(140)から受け付け、要求を受け付けた場合、該プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、該プリンタ情報の他にも登録する。
【解決手段】情報処理装置(110,120)は、印刷サービス装置(330)へ印刷設定を含むプリンタ情報を送信するとともに、プリンタ情報を印刷サービス装置(330)へ登録させ、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を印刷サービス装置(330)で実現する要求をユーザ装置(140)から受け付け、要求を受け付けた場合、該プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、該プリンタ情報の他にも登録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、中継サーバ、印刷システムの制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントからサーバに対して印刷指示を送信し、印刷指示を受信したサーバが印刷対象のコンテンツを印刷データに変換するコンテンツ印刷システムが提案されている。注目されているクラウドコンピューティングも、サーバがクライアントにサービスを提供するシステム形態の一つである。
【0003】
クラウドコンピューティングは、多くのコンピューティング・リソースを用いてデータ変換やデータ処理を分散実行し、多くのクライアントからの要求を同時に処理することが主な特徴である。現在、このクラウドコンピューティングを実現するクラウドコンピューティング環境上(以下、クラウド上と記述)にウェブサービスを実装し、多種多様なサービスを提供するベンダーが乱立しつつある。
【0004】
クラウドコンピューティング環境上でサービスを提供するベンダーの中で注目すべきベンダーはGoogle(登録商標)である。Google(登録商標)は、大規模なデータセンターを多数設立する他、デバイスと連携させて提供し、デバイスとサービス間のデータ通信の仕組みを開発している。例えば、Google(登録商標)は画像形成装置と連携してサービスを提供するためのデータ通信の仕組みを開発し、Google(登録商標)が用意したクラウドコンピューティング環境とデータ通信を画像形成装置が行うためのインターフェースを公開した。このシステムでは、画像形成装置はサービスから印刷要求を受信し、印刷を実行する。そして印刷状態の変化は、Webアプリケーションがサービスに対してポーリングすることにより取得される。
【0005】
特許文献1は、サーバが印刷データを生成するサービスにおいて、クライアントから印刷指示と印刷を制御するための情報とを受信し、印刷を制御するための情報を基にサーバが印刷データを生成する方法を開示している。この方法により、クライアントであるユーザは、プリンタドライバをインストールしなくても、画像形成装置に適した印刷データを送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−196054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、サーバ、例えば印刷サービスが適切な印刷設定を提供することが困難な場合がある。印刷システムは一般的に、XML形式等で表現される画像形成装置の能力情報(後述するケーパビリティーズなど)を基に、印刷設定用画面を生成する。すなわち、画像形成装置の能力情報から、印刷設定としてユーザに提供できる機能を読み取り、それを汎用的な画面で表現する。そのため、多機能な能力を有する画像形成装置のため印刷設定項目が多い場合は、印刷サービスがユーザに提供する印刷設定画面上には、設定項目の階層表示やグループ表示がなされない。従って、ユーザは画面の判読および設定に手間がかかる。また、印刷サービスで印刷設定の禁則処理を実行できない場合には、ユーザ自身がコンフリクトを生じない設定項目の組合せを考えて選択する必要があり、ユーザにとって負担となる。
【0008】
上述した印刷設定をする際におけるユーザの手間や負担を解消するために、一括設定機能を用いて印刷設定をする方法が考えられる。一括設定機能を用いた印刷設定方法では、印刷サービスが、予め作成しておいた複合設定を一括設定機能用の印刷項目として印刷設定画面上に表示する。つまり、印刷サービスは、一括設定の画面を表示する。ユーザが、一括設定の画面上で所望する一括設定機能用の印刷項目を選択すると、印刷サービスが当該印刷項目の設定を一括変更する。
【0009】
しかし、印刷サービスが一括設定機能に対応していない場合には、印刷サービスは一括設定の画面をユーザに提供することができない。本発明は、印刷サービスが一括設定機能に対応していない場合でも、印刷サービスの能力に応じて、印刷項目の一括設定を可能とする印刷システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の印刷システムは、ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムである。前記情報処理装置は、印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する。また、前記印刷サービス装置は、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する生成手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の印刷システムによれば、予め画像形成装置または印刷中継サーバで作成した複合設定を、ユーザが印刷サービスで一括設定機能として指定可能にすることで、ベンダーが提供する詳細設定が利用可能となる。この一括設定機能を、印刷サービスの表示能力やUI処理能力に応じた登録手段を用いて登録することで、想定される様々な形態の印刷サービスに対して一括設定機能を実現することが可能となる。
【0012】
またこれにより、複数の印刷サービスと連携する場合や、特定の印刷サービスに仕様変更があった場合でも、予め作成した複合設定を、画像形成装置またはその仮想装置の実装を変えずに利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の印刷システム構成例を示す図である。
【図2】印刷システムを構成する各装置、および各サーバ群のハードウェア構成を示す図である。
【図3】印刷システムを構成する各装置、および各サーバ群のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】印刷制御部の機能ブロック図の例である。
【図5】中継仮想プリンタ管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図6】中継仮想プリンタの機能ブロック図の例である。
【図7】メイン処理管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図8】連携処理管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図9】印刷サービス用プロキシの機能ブロック図の例である。
【図10】印刷サービスの機能ブロック図の例である。
【図11】Webブラウザに表示されるUIの例を示す図である。
【図12】各装置が格納する情報を示す図である。
【図13】各装置が格納する情報を示す図である。
【図14】各装置が通知する通知情報の例を示す図である。
【図15】各装置が通知する別の通知情報の例を示す図である。
【図16】複合設定のUIと、印刷設定のUIを示す図である。
【図17】実施例1および実施例2の一括設定登録のフロー図である。
【図18】画像形成装置を印刷中継サーバに登録する事前登録系処理を示す。
【図19】中継仮想プリンタを印刷サービスに登録する本登録系処理を示す。
【図20】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図21】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図22】複合設定を印刷サービスに登録する一括設定登録処理を示す。
【図23】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図24】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
図1は、印刷システム1000の構成を示す。印刷システム1000は、クライアント140プリンタおよび画像形成装置110を含む。クライアント140と画像形成装置110はユーザ環境に配置された装置であり、ネットワーク100を介して通信可能に互いに接続されている。ネットワーク100はインターネット101に接続されている。
【0015】
また、印刷システム1000は、Webアプリケーションサーバ群150および印刷サーバ群130を含む。両サーバ群は、同じベンダーから提供されたサーバ群であってもよい。その場合は、両サーバ群はネットワーク100を介して接続されていてもよい。また、印刷システム1000は、印刷中継サーバ120も備える。印刷中継サーバ120はネットワーク100に接続されており、ネットワーク100はインターネット101に接続されている。なお、本実施例では、画像形成装置110および印刷中継サーバ120は、印刷ジョブの印刷に関する印刷関連処理を実行する情報処理装置として機能する。印刷システム1000を構成する各装置および各サーバ群は、インターネット101を介して接続可能であり、互いにデータ通信することができる。なお、各装置は1台のみであるが複数台あっても良い。また、各サーバ群は複数台で構成されているが1台であっても良い。
【0016】
図2は、印刷システム1000を構成する各装置、および各サーバ群のハードウェア構成を示す。各装置201は、印刷システム1000を構成する。CPU(Central Processing Unit)202は、各種プログラムを実行し、様々な機能を実現するユニットである。
【0017】
ROM(Read Only Memory)203は、各種プログラムを記憶するユニットである。RAM(Random Access Memory)204は、CPU202の一時的な作業記憶領域として機能する記憶手段である。CPU202は、ROM203に記憶されているプログラムをRAM204にロードしプログラムを実行する。Input/Outputインターフェース205は、各装置、および各サーバ群に接続されているディスプレイ(不図示)にデータを送信する。
【0018】
また、Input/Outputインターフェース205は、ポインティングデバイス(不図示)からデータを受信する。NIC(Network Interface Card)206は、印刷システム1000を構成する各装置をネットワーク100に接続する。各ユニットは、バス207を介してデータの送受信を行うことが可能である
【0019】
また、画像形成装置110は、印刷ユニット(不図示)を搭載しており、印刷ユニットは、バス207を介して各ユニットとデータを送受信することが可能である。なお、印刷ユニットは、ラスターイメージを記録媒体に印刷することが可能である。
【0020】
各装置および各サーバが有する機能について説明する。図3は、印刷システム1000を構成する各装置のソフトウェア構成例を示す。図3に示す各ソフトウェアの機能を実現するプログラムは、各装置および各サーバのROM203に記憶されている。CPU202は、RAM204にプログラムをロードし実行することで、これらの機能を実現する。
【0021】
以下、各装置、および各サーバ群が実現する機能を説明する。機能は大きく前半部と後半部の2つの部分に分けられる。まず前半部で説明する機能は、各装置と各サーバ群が有する3系統からなる基本機能である。次に後半部で説明する機能は、3系統からなる基本機能に基づいて、一括設定機能を実現するための本発明特有の発展機能について説明する。
【0022】
前半部で説明する基本機能の特徴は、印刷設定規定値を持つ画像形成装置を印刷サービスに登録し、ユーザは必要な印刷設定変更を機能ごとに行って印刷を実行することである。後半部で説明する発展機能の特徴は、予め作成しておいた複合設定を、一括設定機能の選択肢となるように印刷サービスに登録し、ユーザはその一括設定を選択して印刷を実行することである。
【0023】
まず前半部の3系統の基本機能について説明する。一つ目の系に分類される機能は、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する、事前登録系に分類される機能である。
【0024】
二つ目の系に分類される機能は、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330(印刷サービス装置)に登録する本登録系に分類される機能である。
【0025】
三つ目の系に分類される機能は、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、印刷データを画像形成装置110に印刷させる印刷系に分類される機能である。
【0026】
一つ目の系である事前登録系の機能について説明する。はじめに、画像形成装置110が有する事前登録系に分類される機能について説明する。画像形成装置110は、印刷制御部310を有する。印刷制御部310は、ユーザの画面操作により、ユーザが操作している画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録する。
【0027】
図4に示す印刷制御部310は、表示部401、登録要求送信部402、印刷ジョブ取得部411、印刷通知受信部412、および印刷実行部を備える。また、印刷制御部310は、通信モジュールCy410を備える。表示部401は、各種画面を表示する。事前登録において、表示部401は、まず図11(A)に例示するUI(User Interface)を表示する。ユーザはUIを通して画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録する指示を行うことができる。図11(A)に示すUIは、入力画面としてユーザID1101およびパスワード1102を表示しているが、印刷中継サーバ120のURLやIPアドレスが入力できるようになっていても良い。入力可能であれば任意の印刷中継サーバに登録することができる。実施例1では、URLやIPアドレスは内部的に記録されている値を使うものとする。
【0028】
登録要求送信部402は、印刷中継サーバ120に対し登録の実行を指示する。ユーザが、印刷中継サーバ120にログインするためにユーザID1101とパスワード1102を入力し、登録実行ボタン1103を押下すると、登録要求送信部402は、表示部401から入力情報を受信する。登録要求送信部402は、受信した入力情報を使ってまず印刷中継サーバ120にログインを行う。登録要求送信部402は、ログインが成功すると、印刷中継サーバ120に対して画像形成装置110の登録情報を送信する。なお、登録指示は、画像形成装置110からではなく、後述するように印刷中継サーバ120からでも良い。印刷制御部310のその他の機能については後述する。
【0029】
次に、登録情報について説明する。登録情報は、画像形成装置110に割り当てられた固有の識別情報であるRPID(Real Printer ID)を含む。画像形成装置110は、夫々固有の識別情報が割り当てられており、印刷中継サーバ120は、この識別情報に基づいて各画像形成装置を特定する。実施例1では、RPIDを特定することでプリンタの配置場所を特定できる。
【0030】
また、登録情報は、画像形成装置110のプリンタネームが含まれている。プリンタネームとは、画像形成装置110に割り当てられた名前であり、画像形成装置110を呼称するときに用いるものである。なお、プリンタネームは識別情報と異なり、各画像形成装置110のプリンタネームが同一である場合もある。
【0031】
また、登録情報にはケーパビリティーズが含まれている。ケーパビリティーズは、画像形成装置110の能力を示す情報である。ケーパビリティーズは、例えば、画像形成装置110が両面印刷可能であるか否かを示す情報、カラー印刷可能であるか否かを示す情報、および出力可能ペーパサイズ等を示す情報を含む。ケーパビリティーズは、図14(A)に示すようにXML形式で表現が可能である。図14(A)に示す<Item>が、画像形成装置110の能力を示している。この例では、画像形成装置110は、両面印刷可能であり、カラー出力可能であり、B5サイズ、A4サイズ、およびA3サイズの紙を出力可能であることが示されている。また、この例では、レイアウト(通常、2ページ/枚、製本印刷)やステイプル(なし、左上、中綴じ)の選択も可能であることも示されている。
【0032】
また、登録情報は印刷設定初期値を含む。図14(B)に示すようにXML形式で表現することができ、図14(A)のサブセットとなっている。つまり、ケーパビリティーズが含む情報のうちどの<Item>が選ばれているかを示す。図14(B)の例では、片面出力、カラー出力、A4サイズ、通常レイアウト、ステイプルなし、が設定されていることを意味する。
【0033】
次に、印刷中継サーバ120が有する事前登録系に分類される機能について説明する。図3に示すように、印刷中継サーバ120は、メイン処理管理サービス321、中継仮想プリンタ管理サービス322、中継仮想プリンタ323、連携処理管理サービス324、および印刷サービス用プロキシ325を備える。
【0034】
図5を参照し、中継仮想プリンタ管理サービス322の機能の説明を行う。中継仮想プリンタ管理サービス322は、登録要求受信部501、制御部502、仮想プリンタ生成部503、プリンタ情報格納部505、およびプリンタ情報要求受信部510を備える。
【0035】
登録要求受信部501は、画像形成装置110の登録要求送信部402が送信した登録情報を受信する。制御部502は、登録要求受信部501が受信した登録情報を取得し、該登録情報を解釈する。制御部502は、中継仮想プリンタ323を生成するように仮想プリンタ生成部503に指示を出す。
【0036】
仮想プリンタ生成部503は、対象となる画像形成装置110との通信方式に準拠した図6に示す通信モジュールCx610を有する。通信モジュールCx610は、画像形成装置110と通信を行うためのインターフェースであり、前述した画像形成装置110が有する通信モジュールCy410と通信を行うことが可能である。
【0037】
仮想プリンタ生成部503は、この通信モジュールをロードしたプロセス(スレッド)を実現する。このプロセスが、図6に示す各機能を実現する中継仮想プリンタ323に相当する。中継仮想プリンタ323は通信モジュールの他に、印刷通知を受け付けて印刷データを取得する機能、およびそのデータから印刷ジョブを生成する機能を有する。各機能の詳細は後述する。
【0038】
仮想プリンタ生成部503は、中継仮想プリンタ323を実現した際に、実現した中継仮想プリンタ323を識別するための識別情報であるVPID(Virtual Printer ID)を発行する。仮想プリンタ生成部503は、発行したVPIDを制御部502に送る。なお、仮想プリンタ生成部503は、画像形成装置110から登録情報が送られるごとに中継仮想プリンタ323を実現し、実現した夫々の中継仮想プリンタ323には固有の識別子であるVPIDを割り当てる。実施例1では、制御部502は、VPIDを特定することで中継仮想プリンタ323を特定することが可能となる。
【0039】
プリンタ情報格納部505は、各種情報を関連づけて格納する。仮想プリンタ生成部503からVPIDを取得した制御部502は、プリンタ情報格納部505にVPIDを格納するよう指示を出す。そしてプリンタ情報格納部505は、VPID、および登録情報を図12(A)に示すように管理テーブルに関連付けて格納する。図12(A)に示す管理テーブルは、プリンタVPID1201、RPID1202、プリンタネーム1203、ケーパビリティーズ1204、および印刷設定初期値1205を格納している。
【0040】
以上、説明してきた機能が、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する事前登録系に分類される機能である。
【0041】
続いて、二つ目の系である本登録系に分類される機能について説明する。はじめに、印刷中継サーバ120が有する本登録系に分類される機能について説明する。印刷中継サーバ120が備えるメイン処理管理サービス321は、印刷サービス330に依存しないWebブラウザ340との共通処理部である。メイン処理管理サービス321は、ユーザの指示に従って中継仮想プリンタ323を印刷サービスに登録するための前処理を行う。
【0042】
図7を用いてメイン処理管理サービス321の機能を示す。メイン処理管理サービス321は、ログイン受付部701、操作部702、ユーザ情報格納部703、プリンタ情報要求送信部704、および連携処理要求送信部710を備える。
【0043】
ログイン受付部701は、クライアント140がWebブラウザ340を通して行うログインを受け付ける。ユーザ認証が完了すると、ログインしたユーザアカウントに応じた処理を行う。操作部702は、図11(B)に例示するようにユーザ操作を受け付ける画面を生成し、Webブラウザ340に表示させる。操作部702は、ユーザ毎に設定されている情報に基づいて画面を生成する。図11(B)に示す画面には、該当ユーザが利用可能な画像形成装置として機能するプリンタ1111の一覧が表示されており、夫々のプリンタに対して印刷設定変更ボタン1112が配置されている。また、該当ユーザが利用できるプリンタを管理するための追加/削除ボタン1113が配置されている。また、印刷サービスベンダ一覧1114が表示されており、夫々の印刷サービスと連携するための連携ボタン1115も表示されている。
【0044】
ユーザが追加/削除ボタン1113を押下すると、操作部702は、図11(D)に例示するプリンタの追加/削除画面を表示させる。図11(D)には、ユーザにとって既に利用可能となっているプリンタ一覧1131と、プリンタを削除するための削除ボタン1132が表示される。また、印刷中継サーバ120で利用可能でありユーザが利用要求を出すことが可能なプリンタ一覧1133と、追加要求を行うための追加ボタン1134が表示される。新たに印刷中継サーバ120にプリンタを登録するための情報入力欄1135と登録実行ボタン1136も表示されている。情報入力欄1135と登録実行ボタン1136は、前述した画像形成装置110の登録要求送信部402で行う処理と同等の処理をサーバの操作画面上で行うものである。
【0045】
ユーザが利用可能となるプリンタを決定すると、操作部702はユーザ情報格納部703に指示し、図12(B)に示す管理テーブルのように、ユーザIDと利用可能なプリンタを識別するVPID、および夫々の印刷設定を関連付けて格納する。格納する情報は、ユーザID1211、VPID1212、各VPIDの印刷設定規定値1213である。ユーザがプリンタの追加や削除を行うと、ユーザID1211に紐付くVPID1212が増減する。印刷設定規定値1213は、アプリケーションからプリンタを選択して印刷設定を行う際の規定値となる。
【0046】
また、印刷設定規定値1213の初期値は、図12(A)に格納されている印刷設定初期値1205となる。この情報取得は以下の流れとなる。まず、操作部702は、中継仮想プリンタ管理サービス322にプリンタ情報を要求するようにプリンタ情報要求送信部704に指示しを出す。このとき、情報を必要とする画像形成装置110のVPIDを渡す。中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510はプリンタ情報要求送信部704から要求を受信する。プリンタ情報要求受信部510は受信したVPIDに関連付いた図12(A)に示す画像形成装置110の情報を、プリンタ情報格納部505から取得する。つまり、プリンタ情報要求受信部510は印刷設定初期値1205を取得する。プリンタ情報要求受信部510は取得した印刷設定初期値1205をプリンタ情報要求送信部704に返送し、プリンタ情報要求送信部704は取得した情報を操作部702に渡す。上述した処理により、印刷設定初期値1213が取得される。
【0047】
図11(D)に示す画面にて、ユーザがOKボタン1137を押下することで利用可能なプリンタが確定し、図11(B)の画面に戻る。この画面では、利用可能なプリンタの表示が更新されることになる。上述した処理により、メイン処理管理サービス321は、ユーザ毎に利用可能なプリンタを管理することができる。
【0048】
ユーザが、図11(B)のUIに表示された印刷設定変更ボタン1112を押下すると、操作部702はプリンタ情報要求送信部704に指示し、中継仮想プリンタ管理サービス322にプリンタ情報を要求する。渡す。中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510は、プリンタ情報を必要とするプリンタのVPIDを含む要求を受信する。プリンタ情報要求受信部510は、受信したVPIDに関連付いた図12(A)に示すプリンタ情報を、プリンタ情報格納部505を通して取得する。つまり、プリンタ情報要求受信部510はケーパビリティーズ1204を取得する。プリンタ情報要求受信部510は取得した情報をプリンタ情報要求送信部704に返送し、プリンタ情報要求送信部704は取得した情報を操作部702に返送する。
【0049】
また、操作部702はユーザ情報格納部703に対し、プリンタのVPIDを渡してプリンタ情報を要求する。ここでは、ユーザ情報格納部703を通して、図12(B)で管理されている印刷設定規定値1213を取得するものとする。以上により、選択したプリンタのケーパビリティーズ1204と印刷設定規定値1213を取得する。
【0050】
次に操作部702は、図11(C)に例示する印刷設定画面生成し、Webブラウザ340に表示させる。ここで、操作部702は、設定項目とその選択肢は、取得したケーパビリティーズを元に生成する。またその初期設定は、取得した印刷設定規定値が適用される。
【0051】
ユーザがUI画面を通して印刷設定を変更すると、その設定値は図14(C)のようにXML形式で保持される。図14(C)に例示するXMLによれば、両面出力、モノクロ出力、およびA4サイズが設定されている。なお、図11(C)に図示されていないレイアウトとステイプルの設定値は、ここでは初期値がそのまま保存されるものとする。ユーザがOKボタン1124を押下すると設定が確定し、操作部702は印刷設定を保持するXMLと該当プリンタのVPIDをユーザ情報格納部703に送る。ユーザ情報格納部703は該当ユーザの該当プリンタの印刷設定規定値1213を受け取った設定値へと更新する。以上により、メイン処理管理サービス321は、ユーザ毎に、プリンタ毎の印刷設定を管理し、同じプリンタでもユーザ毎に異なる規定値を持つことが可能となる。
【0052】
ユーザが、図11(B)のUIで表示された連携ボタン1115を押下すると、操作部702は連携処理要求送信部710に連携処理を指示する。連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、選択された印刷サービスと連携するための連携処理要求を送信する。このとき、ユーザIDと、ユーザが利用可能なプリンタに対応するVPID一覧、および各VPIDに関連付けられているプリンタ情報を送る。すなわち、ここで送られるVPIDに関連付けられている情報とは、プリンタ情報格納部505で管理されているプリンタネーム1203、ケーパビリティーズ1204、およびユーザ情報格納部703で管理されている印刷設定規定値1213である。ユーザがOKボタン1116を押下すると、処理が終了し、前の画面に戻ることができる。なお、図11(B)の複合設定の追加/削除ボタン1117に関しては、後述する。
【0053】
次に、印刷中継サーバ120が有する連携処理管理サービス324の本登録系に分類される機能について説明する。図8に示す連携処理管理サービス324は、連携処理要求受信部801、制御部802、ユーザ情報格納部803、およびプリンタ情報格納部804を備える。また、連携処理管理サービス324は、印刷サービス認証部810、プロキシ作成部811、プロキシ要求送信部812、およびプリンタ情報要求受信部820を備える。連携処理管理サービス324は、印刷サービス毎にひとつ存在し、印刷サービスとの通信方式に対応したインターフェースを持つプロセスを作成する。本実施例では該プロセスとして印刷サービス用プロキシ325を生成する。また連携処理管理サービス324は、通信や印刷実行に必要な情報を管理する。
【0054】
連携処理要求受信部801は、連携処理要求送信部710から連携処理要求を受信する。連携処理要求受信部801は、ここでは連携処理要求に含まれる情報として、プリンタネーム、ケーパビリティーズ、印刷設定を受け取る。連携処理要求受信部801は、受け取った情報を制御部802に送る。制御部802は、受け取った情報を解釈する。制御部802は、ユーザ情報格納部803に指示し、ユーザ情報格納部803が管理する情報に該当するユーザIDがあるかを確認する。なお、ユーザ情報格納部803が管理する情報の詳細については後述する。
【0055】
ユーザIDがなかった場合、このユーザは初めてこの印刷サービスを利用したことを意味するので、対象の印刷サーバ群130の印刷サービス330に対してユーザ認証を行う。ここでは、制御部802が印刷サービス認証部810に指示し、印刷サービス認証部810は印刷サーバ群130へのログインを行う。ここでは、ユーザが、印刷サービス330がWebブラウザ340に表示させたログイン画面に、印刷サービスへアクセスするためのユーザアカウント(IDやパスワード)を入力する。ユーザ認証が成功すると、印刷サービス認証部810は印刷サーバ群130から認証トークンを受け取るので、それを制御部802に渡す。なお、ユーザ認証に失敗した場合は、ユーザは印刷サービスを利用できないことを意味するため、連携処理要求受信部801から失敗というステータスをメイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710に返す。
【0056】
次に、プロキシ作成部811は、制御部802から指示を受け印刷サービス用プロキシ325を作成する。印刷サービス用プロキシ325は、図9に示す各機能を実現する。プロキシ作成部811は、対象となる印刷サービスとの通信方式に準拠した通信モジュールAy910を有する。通信モジュールAy910は、印刷サーバ群130と通信を行うためのインターフェースであり、後述する印刷サービス330が有する通信モジュールAx1010と通信を行うことが可能である。プロキシ作成部811は、この通信モジュールをロードしたプロセス(スレッド)を実現する。このプロセスが、印刷サービス用プロキシ325に相当する。印刷サービス用プロキシ325は、通信モジュールの他に、印刷サービスにプリンタを登録する機能、印刷サービスから取得した印刷データや印刷設定を別のモジュールに引き渡す機能を有する。印刷サービス用プロキシ325の各機能の詳細は後述する。
【0057】
プロキシ作成部811は、印刷サービス用プロキシ325を実現した際に、実現した印刷サービス用プロキシ325を識別するための識別情報であるプロキシIDを発行する。プロキシ作成部811は、発行したプロキシIDを制御部802に送る。尚、印刷サービス用プロキシ325は、ユーザIDごとに実現されるものであり、実現された夫々の印刷サービス用プロキシには固有の識別情報であるプロキシIDが割り当てられる。本実施例では、プロキシIDから印刷サービス用プロキシ325を特定することができる。なお、プロキシIDは印刷サービス330が発行する場合もある。このときは、印刷サービス330から受信したプロキシIDを管理する。
【0058】
印刷サービス用プロキシ325が作成された後、制御部802は、プロキシ要求送信部812に指示し、プリンタの登録要求を行う。プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325に対し、印刷サービス330への画像形成装置110の登録を要求する。このとき、ユーザの認証トークン、プロキシID、VPID一覧とその関連情報を送信する。後述するように、印刷サービス用プロキシ325は、プリンタの登録処理を行うと、第1プリンタ識別情報として各VPIDに対応するSPID(Service Printer ID)を生成し、返信する。本実施例では、印刷サービス用プロキシ325は、サポート情報もこの時に送る。SPID、サポート情報についての詳細は後述する。SPID一覧を受け取ったプロキシ要求送信部812は、その情報を制御部802に返信する。
【0059】
上述したように、プロキシ作成部811とプロキシ要求送信部812が処理を終えると、制御部802は生成された印刷サービス用プロキシ325のプロキシIDと、印刷サービス330に登録されたVPIDに対応するSPID一覧を取得する。ユーザ情報格納部803は、制御部802から指示を受け、印刷中継サーバ120で管理されているユーザIDと印刷サービス330へのプロキシID、および関連情報を、図12(C)に示す管理テーブルのように関連付けて格納する。図12(C)に示す管理テーブルは、ユーザID1221、プロキシID1222、本ユーザが利用可能なVPID一覧1223を含む。また、プリンタ情報格納部804は、制御部802から指示を受け、SPIDとVPID、および関連情報を、図12(D)に示す管理テーブルのように関連付けて格納する。すなわち、プリンタ情報格納部804は、印刷設定とプリンタ情報とを関連づけて格納する格納手段として機能する。図12(D)に示す管理テーブルは第1プリンタ情報として管理され、SPID1231、VPID1232、プリンタネーム1233、ケーパビリティーズ1234、および印刷設定規定値1235を含む。
【0060】
次に、印刷中継サーバ120が有する印刷サービス用プロキシ325の本登録系に分類される機能について説明する。印刷サービス用プロキシ325は、要求受信部901、印刷サービスプリンタ生成部902、印刷データ取得部911、印刷設定取得部912、および印刷通知受信部を備える。また、印刷サービス用プロキシ325は、制御部915、プリンタ情報要求送信部916、印刷データ格納部921、印刷設定格納部922、印刷通知送信部923を備える。
【0061】
印刷サービス用プロキシ325は、印刷サービス330との通信方式に対応した通信インターフェースを持つプロセスである。印刷サービス用プロキシ325は、印刷サービスごとに存在する連携処理管理サービス324のプロキシ作成部により、夫々の印刷サービスに対して、ユーザアカウントごとに生成される。そして、生成された各印刷サービス用プロキシ325が、夫々個別に印刷サービス330と接続されることにより、すべてのユーザが、すべての印刷サービスに対して、同時に接続されている形態となる。ここでは印刷サービス330に対してプリンタを登録する処理を行う。以下、図9を用いて印刷サービス用プロキシ325の機能を説明する。
【0062】
要求受信部901は、プロキシ要求送信部812からプリンタの登録要求、およびユーザの認証トークン、プロキシID、VPID一覧とその関連情報を受け取る。要求受信部901は、印刷サービスプリンタ生成部902に登録処理を指示する。印刷サービスプリンタ生成部902は、受信した認証トークンを用いて印刷サービス330に接続し、以後接続を続ける。次に印刷サービスプリンタ生成部902は、受信した情報を元に印刷サービス330に対してプリンタの登録要求を行う。図15(D)は、印刷サービス330に対するプリンタ登録要求情報の一例であり、XMLで記載された情報は、プリンタネーム1341、プロキシID1342、ケーパビリティーズ1343、印刷設定1344を含む。ここでは一台分のプリンタ情報が記載されているが、一度の要求で複数台分をまとめて記載してもよい。すなわち、印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330へ印刷設定を含むプリンタ情報を送信するとともに、プリンタ情報を印刷サービス装置へ登録する登録手段として機能する。
【0063】
印刷サービスプリンタ生成部902は、登録要求の応答として、印刷サービス330からSPIDを受け取る。図15(E)はその応答一例であり、XMLで記載されており、各プリンタに対応するSPID1351が割り当てられている。ここでは一台分の応答情報が記載されているが、一度の返信で複数台分をまとめて応答してもよい。また、この時に、印刷サービス330は、Java(登録商標)scriptの動作環境、印刷設定、一括設定などを含む自身のサービス能力に関する情報であるサポート情報を印刷サービス用プロキシ325に渡してもよい。印刷サービスプリンタ生成部902は受け取ったSPIDまたはサポート情報を要求受信部901に返信し、要求受信部901は該情報をプロキシ要求送信部812に返信する。なお、本実施例では、印刷サービスのサポート情報はメイン処理管理サービス321のユーザ情報格納部703に格納されるものとする。その他の機能については後述する。
【0064】
次に、印刷サーバ群130の有する本登録系に分類される機能について説明する。印刷サーバ群130は、印刷サービス330を有する。印刷サーバ群130は、複数台のサーバを仮想化して1台のサーバとみなし、その1台のサーバで印刷サービス330の機能を実現している。なお、印刷サーバ群130は、その1台のサーバ内に複数のヴァーチャルマシンを起動し、夫々のヴァーチャルマシンに対して印刷サービス330の機能を実現させている。図3に示す印刷サービス330は、その内の1台を示したものである。
【0065】
印刷サービス330は、プリンタの登録を受け付け、アプリケーションから選択可能なサービスプリンタを作成する。以下、図10を用いて印刷サービス330の機能を説明する。印刷サービス330は、プリンタ情報登録部1001、プリンタ情報格納部1002、プリンタ情報提示部1003、印刷指示受付部1004、印刷データ情報取得部1005、および制御部1006を備える。また、印刷サービス330は、印刷データ格納部1011、印刷設定格納部1012、および印刷通知送信部1013を備える。
【0066】
プリンタ情報登録部1001は、プリンタ登録要求と上述したその関連情報を印刷サービスプリンタ生成部902から受信する。プリンタ情報登録部1001は、受信した情報を元に登録要求のあった各画像形成装置110に対応するサービスプリンタを作成し、夫々のサービスプリンタに対するSPIDを発行する。
【0067】
SPID(Service Printer ID)とは、印刷サービス330が、プリンタ登録要求を受けた際に、そのプリンタを識別するために発行する識別情報である。印刷時に印刷サービス330のプリンタが選択されると、印刷サービス330は選択されたプリンタに対応するSPIDでプリンタを識別する。プリンタ情報登録部1001は、プリンタ情報格納部1002、および印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902に発行したSPIDを送信する。
【0068】
プリンタ情報格納部1002は、印刷サービス330におけるユーザIDと、SPID、プリンタネーム、プロキシID、ケーパビリティーズ、および印刷設定を関連付けて格納する。図12(E)は、プリンタ情報格納部1002が格納している情報を示す図である。図12(E)に示す管理テーブルは、ユーザID1241、SPID1242、プリンタネーム1243、プロキシID1244、ケーパビリティーズ1245、および印刷設定規定値1246を含む。図12(E)で例示するUserB@xxx.comで管理する情報のように、異なるプロキシIDを持つインターフェースからプリンタ登録を行った場合は、どの画像形成装置110がどの印刷サービス用プロキシ325から登録されたか判るように管理される。以上、説明してきた機能が、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330に登録する本登録系に分類される機能である。
【0069】
次に、印刷系に分類される機能について説明する。始めに、クライアント140が有する機能について説明する。クライアント140は、Webブラウザ340を有する。Webブラウザ340は、Webアプリケーションサーバ群150に保存されているコンテンツの印刷指示を、Webアプリケーションサーバ群150に送信する。また、Webブラウザ340は、Webアプリケーションサーバ群150から印刷サーバ群130へのアクセス命令、即ち、リダイレクトの指示を受信し、受信したリダイレクトの指示に従い印刷サーバ群130へアクセスする。また、Webブラウザ340は、そのWebブラウザ340を利用しているユーザが印刷可能なプリンタの一覧リストを、アクセスした印刷サーバ群130から取得し一覧リストを表示する。また、Webブラウザ340は、その一覧リストからユーザが選択したプリンタに対応する印刷設定画面を、印刷サーバ群130から取得しその印刷設定画面を表示する。図11(C)は、Webブラウザ340が表示するユーザが選択したプリンタに対応する印刷設定画面の一例である。また、Webブラウザ340は、その印刷設定画面でユーザが設定した印刷設定値を印刷サーバ群130へ送信する。
【0070】
次に、Webアプリケーションサーバ群150が有する機能について説明する。Webアプリケーションサーバ群150は、Webアプリケーション350を有する。Webアプリケーションサーバ群150は、複数台のサーバを仮想化して1台のサーバとみなし、その1台のサーバでWebアプリケーション350の機能を実現している。なお、Webアプリケーションサーバ群150はその1台のサーバ内に複数のヴァーチャルマシンを起動し、夫々のヴァーチャルマシンに対してWebアプリケーション350の機能を実現させている。
【0071】
Webアプリケーション350は、文書作成サービスを提供する。ユーザは、例えば、会社の会議で資料を配布したい場合に、その資料を作成するため文書作成サービスを利用する。クライアント140がWebアプリケーション350を利用する場合は、クライアント140にそのアプリケーションをインストールする必要はなく、Webブラウザ340を有していれば良い。Webアプリケーション350は、その資料を作成するための画面情報を、Webブラウザ340に送信する。
【0072】
なお、Webアプリケーション350は、Webブラウザ340を介してユーザが入力したユーザID、およびパスワードを含むユーザ情報を基に認証を行い、認証が成功したことに応じて資料を作成するための画面情報を送る。その画面情報を受信したWebブラウザ340は、その画面情報を基に文書を作成するための作成画面を表示し、ユーザはその作成画面を用いて会議で配布する資料を作成する。Webアプリケーション350は、ユーザがその作成画面を用いて作成した資料の情報を受信し、受信した情報を基にコンテンツを作成し、Webアプリケーションサーバ群150の不図示の記憶装置に作成したコンテンツを記憶させる。なお、Webアプリケーション350は、文書作成サービスに限らずメールサービス、スケジュールサービスも提供している。
【0073】
文書作成サービスを利用し作成したコンテンツを印刷したいユーザは、その作成画面に表示されている印刷ボタンを押す(不図示)。Webアプリケーション350は、その印刷ボタンが押されたという情報を受信し、印刷サーバ群130へのアクセス命令、即ち、リダイレクトの指示をWebブラウザ340へ送信する。なお、リダイレクト指示は、上述したWebブラウザ340を利用しているユーザに対応する一覧リストを取得するための要求、ユーザが印刷を指示したコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報、およびユーザ情報を含む。また、Webアプリケーション350は、印刷サーバ群130からコンテンツの取得要求があった場合に、その取得要求と共に送られたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を基に、対象のコンテンツを印刷サーバ群130へ送信する。
【0074】
次に、印刷サーバ群130の有する印刷系に分類される機能について説明する。印刷サーバ群130は、印刷サービス330を有する。印刷サービス330は、Webアプリケーション350から印刷データを取得し、プリンタ、またはそれに準拠するインターフェースを持つモジュールに対して印刷データを送信し、印刷を遂行する。以下、図10を用いて印刷サービス330の印刷機能を説明する。
【0075】
プリンタ情報提示部1003は、Webブラウザ340から一覧リスト取得要求を受信する。プリンタ情報提示部1003は、ユーザ情報であるUser ID1241を基にプリンタ情報格納部1002が格納しているSPID、プリンタネームを特定する。そして、プリンタ情報提示部1003は、SPID、プリンタネームを基に、そのユーザが利用可能な画像形成装置110の一覧リストを生成し、該一覧リストをWebブラウザに送信する。
【0076】
ユーザが一覧リストから画像形成装置110を選択すると、プリンタ情報提示部1003は、一覧リストからユーザが選択した画像形成装置110のSPIDを受信する。プリンタ情報提示部1003は、受信したSPIDを基にプリンタ情報格納部1002が格納しているケーパビリティーズを特定し、印刷設定画面を生成し、生成した印刷設定画面をWebブラウザ340へ送信する。また、受信したSPIDを基にプリンタ情報格納部1002が格納している印刷設定規定値を特定し、設定の初期値とする。
【0077】
プリンタ情報格納部1002は、図12(E)に示すケーパビリティーズの情報から図11(C)に示す印刷設定画面を生成する。図11(C)に示すように、プリンタ情報格納部1002は、ケーパビリティーズに記載された印刷設定しか選択できないように印刷設定画面を生成する。
【0078】
印刷指示受付部1004は、ユーザが印刷設定画面を介して設定した印刷設定と、SPIDをWebブラウザ340から受信する。また、印刷指示受付部1004は、Webブラウザ340がリダイレクトの指示に基づいてアクセスしてきた際に、ユーザが印刷を指示したコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を受信する。
【0079】
印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からコンテンツ識別情報を受信し、受信したコンテンツ識別情報を基にWebアプリケーション350から印刷対象となるコンテンツを取得する。また、印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からユーザが入力した印刷設定、およびユーザが選択したプリンタに対応するSPIDを受信する。なお、印刷データ情報取得部1005は、Webアプリケーション350から取得したコンテンツと印刷設定を基に、必要に応じてコンテンツを印刷データに変換する場合もある。
【0080】
制御部1006は、印刷データ情報取得部1005から印刷データ、印刷設定、SPIDを取得する。印刷設定は、図14(C)のようにXML形式で記載されている。図14(C)によれば、ユーザは両面設定、およびモノクロ設定、および用紙サイズA4を設定したことが分かる。
【0081】
通信モジュールAx1010は、通信モジュールAy910を有する装置と通信を行うことが可能であり、2者間のデータ通信のインターフェースである。通信モジュールAx1010は印刷データ格納部1011、印刷設定格納部1012、印刷通知送信部1013を有する。印刷データ格納部1011は、制御部1006から印刷データを受信し格納する。印刷設定格納部1012は、制御部1006から印刷設定を受信し格納する。制御部1006は、印刷データ格納部1011、および印刷設定格納部1012から格納が終了した旨を受信したことに応じて、印刷通知送信部1013に通知情報を送るように指示をする。
【0082】
印刷通知送信部1013は、制御部1006から通知情報を送るように指示されたことに応じて、印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を制御部1006から取得し、通知情報Aを生成する。通知情報Aは、図15(F)に示すXMLで表されており、SPID1361、印刷データの格納場所1362、印刷設定の格納場所1363を含む。また、印刷通知送信部1013は、SPIDを制御部1006から取得し、プリンタ情報格納部1002が格納している情報を基にプロキシIDを特定する。印刷通知送信部1013は、特定したプロキシIDを持つインターフェースに対して、そのプロキシが管理するSPIDに対する印刷データの準備ができたことを通知するため通知情報Aを送信する。
【0083】
次に、印刷中継サーバ120の印刷系に分類される機能について説明する。図9を参照し、印刷サービス用プロキシ325の印刷系に分類される機能について説明する。印刷サービス用プロキシ325は、通信モジュールAy910を有する。通信モジュールAy910の印刷通知受信部913は、印刷通知送信部1013から送信される通知情報Aを受信する。印刷サービス330には、印刷サービス用プロキシ325を通して中継仮想プリンタ323が登録されているため、通知情報Aは印刷サービス用プロキシ325の通信モジュールAy910に送信される。この通信モジュールAyは通信モジュールAxと対をなすモジュールであるため、印刷通知受信部913は、通知情報Aを解釈することが可能である。
【0084】
印刷通知受信部913は、制御部915に指示し、出力するプリンタを確定する。制御部915は、まず印刷通知情報Aから図15(F)に示すサービスプリンタのSPID1361を取得する。次に制御部915は、プリンタ情報要求送信部916へ、SPIDに対応するVPID値を要求する。プリンタ情報要求送信部916は、連携処理管理サービス324のプリンタ情報要求受信部820へ、SPIDに対応するプリンタ情報を要求する。プリンタ情報要求受信部820は要求を受信すると、プリンタ情報格納部804から、指定されたSPIDに関連付けられたVPIDを含むプリンタ情報を取得し、プリンタ情報要求受信部820へ返信する。プリンタ情報要求受信部820は、該情報をプリンタ情報要求送信部916へ返信する。プリンタ情報要求送信部916は、取得した情報の中からVPID値を取得し、制御部915に送信する。制御部915は取得したVPIDを印刷通知送信部923へ送信する。印刷通知送信部923は、取得したVPIDから、データを送信すべき中継仮想プリンタ323を特定する。
【0085】
また、印刷通知受信部913は、通知情報Aに記載されている印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を確認し、夫々の情報を印刷データ取得部911、印刷設定取得部912に通知する。印刷データ取得部911は、通知された印刷データの格納場所を基に、印刷データ格納部1011から印刷データを取得し、印刷データ格納部921に指示して格納する。印刷データを格納した印刷データ格納部921は、格納場所を印刷通知送信部923に通知する。また印刷設定取得部912は、通知された印刷設定の格納場所を基に、印刷設定格納部1012から印刷設定を取得し、印刷設定格納部922に指示して格納する。印刷設定を格納した印刷設定格納部922は、格納場所を印刷通知送信部923に通知する。
【0086】
印刷通知送信部923は、印刷データ格納部921、および印刷設定格納部922から格納が終了した旨を受信したことに応じて、通知情報Bを生成する。通知情報Bは図15(G)に示すXML形式で表現することができる。通知情報Bは、印刷データの格納場所1371、印刷設定の格納場所1372を含む。印刷通知送信部923は、制御部915が特定した中継仮想プリンタ323の印刷通知受信部603へ、通知情報Bを送信する。この通知情報Bは第2の仕様に相当し、印刷サービス用プロキシ325と中継仮想プリンタ323の間の通信で用いられる。印刷サービス用プロキシ325と中継仮想プリンタ323は印刷中継サーバ120内に存在し、任意の組み合わせで通信が可能となる。ここで、第2の仕様は、印刷中継サーバ120の内部フォーマットではあるが、印刷サービス用プロキシ325の実装や扱うデータフォーマットは印刷サービス330に大きく依存するため、汎用性の高いフォーマットとなる。そして、印刷通知送信部923および印刷通知受信部603が、第2の通信手段に相当する。
【0087】
図6に戻り中継仮想プリンタ323の印刷系に分類される機能について説明する。印刷通知受信部603は、印刷通知送信部923から通知情報Bを受け取る。印刷通知受信部603は、通知情報Bに記載されている印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を確認し、夫々の情報を印刷データ取得部601、印刷設定取得部602に通知する。
【0088】
印刷データ取得部601は、通知された印刷データの格納場所を基に、印刷データ格納部921から印刷データを取得する。印刷設定取得部602は、通知された印刷設定の格納場所を基に、印刷設定格納部922から印刷設定を取得する。
【0089】
印刷ジョブ生成部604は、印刷データ取得部601から印刷データを、また印刷設定取得部602から印刷設定を夫々受け取り、画像形成装置110の能力と印刷設定に応じた印刷ジョブを生成する。ここで言う画像形成装置110の能力とは、画像形成装置110が解釈可能な印刷データのフォーマットや、画像形成装置110自身が指定場所からデータをダウンロードすることが可能かどうか、という情報を含む。これは、中継仮想プリンタ管理サービス322が管理するプリンタ情報の中のケーパビリティーズ1204に記載されている。従って、画像形成装置110が、印刷データ取得部601が受信した印刷データを解釈可能であれば、それを変換せずに印刷ジョブとしてもよい。
【0090】
印刷ジョブ生成部604は、生成した印刷ジョブを印刷ジョブ格納部611に格納し、印刷通知送信部612に格納場所を通知する。印刷通知送信部612は、格納場所を含む通知情報Cを生成し、画像形成装置110に通知情報Cを送信する。通信モジュールCx610に対応する通信モジュールCy410は、画像形成装置110に実装されている。
【0091】
図4に戻り、画像形成装置110の印刷系に分類される機能について説明する。画像形成装置110の印刷制御部310は、中継仮想プリンタ323から印刷データを受信し、印刷を実行する。印刷制御部310は、通信モジュールCy410を有している。通信モジュールCy410の印刷通知受信部412は、印刷通知送信部612から送信されてくる通知情報Cを受信する。この通信モジュールCyは、通信モジュールCxと対を成すモジュールであるため、通知情報Cを解釈することが可能である。なお、中継仮想プリンタ323と画像形成装置110がデータ通信を行うためにデバイスベンダーが規定した仕様は、第3の仕様に相当し、デバイスベンダーがハンドリング可能な仕様である。通信モジュールCx、および通信モジュールCyのインターフェースは、第3の仕様に準じて作成されるインターフェースである。そして、印刷通知送信部612が第3の通信手段に相当する。
【0092】
印刷通知受信部412は、通知情報Cに記載されている印刷ジョブの格納場所を確認し、その情報を印刷ジョブ取得部411に通知する。印刷ジョブ取得部411は、通知された印刷ジョブの格納場所を基に、印刷ジョブ格納部611から印刷ジョブを取得する。印刷通知受信部412は、印刷ジョブ取得部411が取得した印刷ジョブを印刷実行部413に送信し、印刷の実行を指示する。指示を受けた印刷実行部413は、受け取った印刷ジョブを出力するよう印刷ユニットに指示を出す。以上が、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、印刷データを画像形成装置110に印刷させる印刷系の説明である。
【0093】
ここからは、事前登録系に分類される処理、本登録系に分類される処理、印刷系に分類される処理について、夫々図18、図19、図20、図21のシーケンス図を用いて説明する。一つ目として、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する処理について、図18を用いて説明する。
【0094】
S1601において、ユーザは画像形成装置110の表示部401から中継仮想プリンタ管理サービス322への登録操作を行う。S1602において、印刷制御部310の登録要求送信部402は、中継仮想プリンタ管理サービス322の登録要求受信部501にプリンタの登録を要求する。S1603において、仮想プリンタ生成部503は、制御部502を介して登録要求受信部501からプリンタの登録要求を受け取り、該登録要求に含まれる登録情報を基に中継仮想プリンタ323を実現する。
【0095】
S1604において、中継仮想プリンタ323は、作成成功の応答を中継仮想プリンタ管理サービス322へ送信する。S1605において、中継仮想プリンタ管理サービス322の仮想プリンタ生成部503は、作成した中継仮想プリンタ323を識別するためのVPIDを発行する。S1606において、プリンタ情報格納部505は、制御部を介してVPIDとそれに関連付けられたプリンタ登録情報を管理テーブルとして格納する。これが図12(A)に示すテーブルに相当し、プリンタ情報格納部505は、VPIDをRPIDやその名称、能力等と関連づけて管理する。S1607において、中継仮想プリンタ管理サービス322の登録要求受信部501は、プリンタの登録が完了した旨を印刷制御部310の登録要求送信部402に通知する。S1608において、登録要求送信部402は、画像形成装置110の表示部401にプリンタの登録が完了した旨を表示するよう指示を出す。以上が一つ目の事前登録処理の説明となる。
【0096】
続いて、二つ目として、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330に登録する処理について、図19を用いて説明する。S1701において、ユーザはWebブラウザ340を介して、印刷中継サーバ120のメイン処理管理サービス321にログインする。S1702において、メイン処理管理サービス321のログイン受付部701は、作成したUIを通してユーザの操作を受け付け、印刷サービス330への印刷設定などを含むプリンタ情報と、プリンタ登録の要求を受け取る。S1703において、連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報を送る。
【0097】
S1704において、連携処理管理サービス324の印刷サービス認証部810は、印刷サービス330に対してユーザ認証を行う。ここでは、ユーザが、印刷サービス330がWebブラウザ340に表示させたログイン画面に、印刷サービスへアクセスするためのユーザアカウント(IDやパスワード)を入力する。S1705において、印刷サービス330は、ユーザ認証が成功すると、認証成功応答と認証トークンを返送する。返送された認証トークンは、印刷サービス認証部810が受け取る。本認証トークンは、以後印刷サービス330と通信を行うために利用可能となる。本実施例では、印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902が印刷サービス330と通信を行う際に用いられる。本認証トークンは印刷サービス用プロキシ325に渡れば良いので図示していないが、図12(C)に示す管理テーブルに追加して連携処理管理サービス324が管理してもよい。
【0098】
S1706において、連携処理管理サービス324のプロキシ作成部811は、印刷サービス用プロキシ325を本ユーザアカウント用に実現する。S1707において、印刷サービス用プロキシ325は、作成成功の応答をプロキシ作成部811へ送信する。S1708において、プロキシ作成部811は、作成した印刷サービス用プロキシ325を識別するためのプロキシIDを発行する。S1709において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330への認証トークン、プリンタの登録要求、およびプリンタ情報を送る。
【0099】
S1710において、印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902は、前述した認証トークンを用いて印刷サービス330と接続を行う。次に印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して、プリンタの登録要求とプリンタ情報を送る。S1711において、プリンタ情報登録部1001は、登録要求のあった画像形成装置110をサービスプリンタとして登録し、サービスプリンタに対して個別に識別するためのSPIDを発行する。その際、プリンタ情報登録部1001は、図12(E)に示す管理テーブルを作成し、発行したSPIDとプリンタ情報とを関連付けてプリンタ情報格納部1002に格納する。
【0100】
S1712において、プリンタ情報登録部1001は、印刷サービスプリンタ生成部902に対して、作成成功の応答とSPIDを返信する。S1713において、要求受信部901は、印刷サービスプリンタ生成部902から作成成功応答とSPIDを受け取り、プロキシ要求送信部812に渡す。
【0101】
S1714において、連携処理管理サービス324の制御部802は、ユーザIDとそれに関連付けられたプロキシIDなどの情報を、ユーザ情報としてユーザ情報格納部803に格納する。これが図12(C)に示す管理テーブルに相当する。S1715において、プリンタ情報格納部804は、SPIDとそれに関連付けられたVPIDなどの情報を、プリンタ情報として格納する。これが図12(D)に示す管理テーブルに相当する。
【0102】
S1716において、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801は、印刷サービス330へのプリンタの登録が完了した旨をメイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710に通知する。S1717において、ログイン受付部701は、操作部702から指示を受け、プリンタの登録が完了した旨をWebブラウザ340に表示させる。以上が、二つ目の本登録処理の説明となる。
【0103】
三つ目の処理として、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、画像形成装置110に印刷させる処理について、図20および図21を用いて説明する。S1801において、Webブラウザ340は、ユーザが編集を行いたいコンテンツの表示を、Webアプリケーション350に要求する。S1802において、Webアプリケーション350は、要求されたコンテンツに対応するコンテンツの画面をWebブラウザ340に送信する。S1803において、Webブラウザ340は、ユーザがコンテンツの画面を介して印刷を指示したことに応じて、印刷サービス330に登録されているサービスプリンタの一覧画面を要求する。
【0104】
S1804において、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、対応するサービスプリンタの一覧画面を生成し、Webブラウザ340に送信する。プリンタ情報提示部1003は、プリンタ情報格納部1002が格納する図12(E)の管理テーブルを参照し、該当するユーザIDに紐付いたプリンタネーム一覧を取得することで一覧画面を作成することができる。S1805において、ユーザはサービスプリンタを選択する。S1806において、Webブラウザ340は、ユーザが選択したサービスプリンタに対応する印刷設定画面を要求する。S1807において、プリンタ情報提示部1003は、印刷設定画面をWebブラウザ340に送信する。S1808において、Webブラウザ340は、ユーザが印刷設定画面を介して入力した印刷設定を印刷サービス330の印刷指示受付部1004に送信する。
【0105】
S1811において、印刷指示受付部1004は、ユーザが印刷を指示した印刷データのコンテンツ識別情報を印刷データ情報取得部1005に渡す。印刷データ情報取得部1005は、受信したコンテンツ識別情報を基にWebアプリケーション350から印刷対象となるコンテンツを取得する取得する。また、印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からユーザが入力した印刷設定、およびユーザが選択したプリンタに対応するSPIDを受信する。印刷データ情報取得部1005は、印刷データを取得または生成する。また制御部1006は、印刷データ情報取得部1005から印刷設定、SPIDを取得する。次に、印刷データ格納部1011は、制御部1006から印刷データを受信し格納する。印刷設定格納部1012は、制御部1006から印刷設定を受信し格納する。さらに制御部1006は、ダウンロード可能な状態に整える。
【0106】
S1812において、制御部1006は、プリンタ情報格納部1002が格納する図12(E)に示す管理テーブルを参照し、指定されたプリンタネームと関連付けされているSPIDとプロキシIDから印刷サービス用プロキシ325を特定する。S1813において、印刷通知送信部1013は、特定した印刷サービス用プロキシ325の印刷通知受信部913に対して、SPIDで指定されたサービスプリンタ用の印刷データが生成されたことを通知する。S1814において、印刷サービス用プロキシ325の印刷データ取得部911は、印刷サービス330の印刷データ格納部1011に印刷データの取得を要求する。S1815において、印刷データ取得部911は、印刷データ格納部1011から印刷データを取得する。S1816において、印刷サービス用プロキシ325の印刷設定取得部912は、印刷サービス330の印刷設定格納部1012に印刷設定の取得を要求する。S1817において、印刷設定取得部912は、印刷設定格納部1012から印刷設定を取得する。
【0107】
S1821において、印刷サービス用プロキシ325のプリンタ情報要求送信部916は、中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510に、SPIDに対応するVPID値を問い合わせる。S1822において、プリンタ情報要求受信部510は、プリンタ情報格納部が格納する図12(D)に示す管理テーブルを参照し、指定されたSPIDに対応するVPIDを取得し、そのVPID値をプリンタ情報要求送信部916に返信する。S1823において、制御部915は、プリンタ情報要求送信部916から取得したVPIDで識別される中継仮想プリンタ323のプロセスを特定する。
【0108】
S1824において、印刷通知送信部923は、は、中継仮想プリンタ323の印刷通知受信部603に対し、印刷データおよび印刷設定の準備ができたことを通知する。S1825において、中継仮想プリンタ323の印刷データ取得部601は、印刷サービス用プロキシ325の印刷データ格納部921に印刷データの取得を要求する。S1826において、印刷データ取得部601は、印刷データ格納部921から印刷データを取得する。S1827において、中継仮想プリンタ323の印刷設定取得部602は、印刷サービス用プロキシ325の印刷設定格納部922に印刷設定の取得を要求する。S1828において、印刷設定取得部602は、印刷設定格納部922から印刷設定を取得する。
【0109】
S1831において、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ生成部604は、印刷データ取得部601および印刷設定取得部602からそれぞれ印刷データおよび印刷設定を取得する。印刷ジョブ生成部604は、取得した印刷設定および印刷データから印刷ジョブ(PDLデータやラスターイメージ)を生成する。S1832において、印刷通知送信部612は、対応する印刷制御部310の印刷通知受信部に印刷ジョブを生成したことを通知する。ここで、対応する画像形成装置110、すなわち、VPIDで識別可能な中継仮想プリンタ323に関連付けられているRPIDで識別可能な実際の画像形成装置110は、図12(A)の管理テーブルより取得可能である。なお、本実施例のように、中継仮想プリンタ323を実現する際に、対応する画像形成装置110と接続関係を結んでおいてもよい。S1833において、印刷制御部310の印刷ジョブ取得部411は、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ格納部611に印刷ジョブの取得を要求する。S1834において、印刷ジョブ取得部411は、印刷ジョブ格納部611から印刷ジョブを取得する。S1835において、印刷実行部413は、取得した印刷ジョブを出力するよう印刷ユニットに指示を出す。
【0110】
S1840において、印刷通知受信部412は、印刷実行結果のステータスを中継仮想プリンタ323の印刷通知送信部612に送る。S1841において、印刷通知送信部612は、印刷実行結果のステータスを印刷サービス用プロキシ325の印刷通知送信部923に送る。S1842において、印刷通知送信部923は印刷実行結果のステータスを印刷サービス330の印刷通知送信部1013に送る。以上が、三つ目の印刷処理の説明となる。
【0111】
以上示した通り、Webブラウザ340を通してユーザが行った印刷指示は、指定したSPIDを持つ印刷サービス用プロキシに通知され、SPIDに対応するVPIDが特定され、VPIDに対応するRPIDが特定される。そしてRPIDに対応するプリンタに印刷される。また、印刷サービス用プロキシ325が、印刷サービス330ごとに、かつユーザID毎に存在するため、いずれのユーザのいずれの印刷サービスからの印刷も常時プッシュプリントが可能になる。
【0112】
実施例1の前半部分の説明は以上である。以後の後半部分では、前半部分で説明した3系統の基本機能を発展させ、一括設定機能を実現するための発展機能について説明する。前半で説明した3系統の基本機能は、1.事前登録、2.本登録、3.印刷からなり、ユーザがこの順でシステムを利用・操作することを前提にしている。しかしながら、その前提が成立しないケースがしばしば存在する。印刷開始時にはまずユーザがアプリケーションからプリンタを選択し、そのプリンタの能力に応じた印刷設定を行うが、該印刷設定を適切に行えない場合がある。
【0113】
たとえば、階層表示やグループ表示ができなければ、ユーザは多機能な設定項目の中から効率よく所望する印刷設定を行うことは難しい。また、設定項目間の禁則処理が働かなければ、不適切な組み合わせの印刷設定が残り印刷を実行できない可能性がある。また、特定の設定項目のみ表示され、他の任意の設定項目が表示されなければ、ユーザは詳細な印刷設定を行うことができない。これらの問題を解消するためのひとつの方法として、一括設定機能がある。これは予め所望する印刷設定を登録しておき、それを選択することで詳細設定まで一括して変更する手法である。所望する印刷設定(複合設定)をあらかじめ印刷サービスまたは印刷中継サーバ側で作成しておくことにより、詳細設定も禁則解除も必要に応じて実現することができる。
【0114】
しかしながら、各印刷サービスは、プリンタの能力情報を元にUI構築と動作制御を行うため、どのような処理が可能であるかは印刷サービスの仕様に依存する。一括設定を選ぶことで現在の印刷設定を一括変更できる印刷サービスが存在する一方で、印刷設定を一括変更できず、一括設定の画面を表示できない印刷サービスもある。本実施例の発展機能によれば、以下に説明する一括設定登録機能によって、印刷サービスの能力に応じて、いくつかの登録方法から適切な方法を選んで一括設定登録を実行する。これにより、ユーザは、いかなる印刷サービスにおいても一括選択、すなわち詳細項目を設定可することができる。
【0115】
はじめに、一括設定機能の概要を明らかにする。ユーザは、印刷中継サーバ120を介して、予め所望する複合設定を作成し、名前をつけて保存しておく。次にユーザは、作成済の複合設定の中から所望する設定を選択し、所望する印刷サービスに対して、一括設定機能の選択肢として登録する。このとき、印刷中継サーバ120は、印刷サービス330またはSPID発行時に印刷サービス用プロキシ325からユーザが選択している印刷サービスの能力を取得し、印刷サービスで一括設定機能を利用できると判断したら登録方法1を実施する。また、印刷中継サーバ120は、印刷サービスで一括印刷設定機能を利用することはできないが任意の設定項目を表示対象として表示することができると判断したら登録方法2を、いずれも実施できないと判断したら登録方法3を選択する。そして、印刷中継サーバ120は、それぞれの方法に従って登録を実施する。ユーザは、アプリケーションから印刷する際に登録された一括設定を選択することができる。そのあと、印刷中継サーバ120は、選択された一括設定に含まれる印刷設定に基づいて印刷ジョブを生成し、画像形成装置110に印刷を実行させる。以上が一括設定機能の概要となる。
【0116】
また、ここで言葉の定義を明確にしておく。「印刷設定」とは、印刷に関わる設定そのものである。「印刷設定」は、各機能の設定値を指す場合もあるし、印刷実行時に使われる全機能の設定の集合の場合もある。「複合設定」とは、複数の印刷設定の集合体を指し、本実施例では特に、ユーザが、印刷サービスに登録する前に事前に作成した印刷設定群を指す。「一括設定」とは、同じく複数の印刷設定の集合体を指し、本実施例では特に、ユーザが印刷サービスのUI画面上で選択できる設定を指す。「一括設定」は、事前作成された「複合設定」が印刷サービスに登録されたものとなる。また「一括設定機能」とは、各「一括設定」を選択可能にし、選択された一括設定に紐付く印刷設定を用いて印刷するための機能である。
【0117】
図22のシーケンス図を用いて一括設定の登録方法を説明する。S1901にて、ユーザは、予め複合設定を作成する。これはユーザが一括設定を印刷サービスへ登録する前準備として、ユーザが印刷中継サーバ120介して行う。つまり、ユーザは予め所望する複合設定を作成し、名前をつけて印刷中継サーバ120に保存する。
【0118】
メイン処理管理サービス321の操作部702は、図11(B)に示す複合設定の追加/削除ボタン1117の押下により、図16(A)に示すUI設定画面をWebブラウザ340に表示する。ここでは、Webブラウザ340には、作成済の複合設定1401があれば列挙される。ユーザは、削除ボタン1402を押下することにより複合設定を削除することができる。各設定項目1403では、ユーザによる任意の設定を受け付ける。ユーザが登録ボタン1405を押下すると、操作部702の指示により、ユーザ情報格納部703は名称1404に入力された名称と共に印刷設定を保存する。
【0119】
たとえば、図16(A)での設定が、両面印刷とモノクロ設定がなされ、それ以外は初期値のまま(A4サイズ、通常レイアウト、ステイプルなし)であり、その名称として“Duplex+Mono”がつけられたとする。その場合、図13(B1)に、ProfileName1214として前記名称が、ProfilePT1215として図14(B1)に示す印刷設定が、それぞれ格納される。また別の例で、ユーザが初期値からの変更で、レイアウトで「製本印刷」を、ステイプルで「サドルステッチ(中綴じ)」を選び、”Booklet+Saddle”と名付けた場合を想定する。この場合、操作部702は、図14(B2)のProfilePTを作成し、図13(B1)に示すようにユーザ情報格納部703に格納させる。ユーザがOKボタン1406を押下すると、印刷設定の処理が終了し、前の画面に戻る。
【0120】
次に、S1902にて、メイン処理管理サービス321のログイン受付部701は受付手段として機能し、ユーザが作成した複合設定を印刷サービスに登録するためのログインを受け付ける。ユーザが、図11(B)の「印刷サービスを利用」として表示された連携ボタン1115を押下すると、図16(B)に例示するUIが表示される。ユーザは対象とするプリンタ1411を選択し、ユーザが所望する複合設定1412を選択し、登録ボタン1413を押下する。ログイン受付部701は、ボタン1413の押下に起因して、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を印刷サービス330で実現する要求を受け付ける。そして以下の登録フローが開始される。
【0121】
まず、登録対象とする印刷サービスに応じて、どの登録方法を適用するか判断する。その判断を図17(A)のフローチャートを用いて説明する。S1501にて、印刷中継サーバ120は、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるか判断し、利用できる場合はS1502にて「登録方法1」の手法を用いて登録する。一括設定機能が利用できるか否かの判断方法は後述する。また「登録方法1」の詳細は後述する。
【0122】
S1501において、印刷中継サーバ120が、印刷サービス330で一括設定機能を利用できない(すなわちNo)と判断した場合、S1503にて、印刷サービス330で、複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示できるか判断する。印刷中継サーバ120が表示可能と判断した場合は、S1504にて「登録方法2」の手法を用いて登録する。印刷サービスで複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示可能であるかの判定方法は後述する。また「登録方法2」の詳細は後述する。S1503において、印刷中継サーバ120が、印刷サービス330でユーザが所望する複合画面を表示できないと判断した場合、S1505にて「登録方法3」の手法を用いて登録する。「登録方法3」の詳細は後述する。なお、S1501、及びS1503における処理は、印刷サービス毎の能力情報を予め作成して保存しておき、必要に応じて参照しても良いが、一括設定の登録時に対象とする印刷サービス330から情報を取得して判断しても良い。
【0123】
印刷中継サーバ120が、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるか否かを判断する方法について説明する。一括設定機能を利用できるとは、ユーザが、印刷サービスが提供するUIで何れかの一括設定を選択した際、そこに紐付けられた印刷設定を現在の印刷設定に反映させることができることを言う。すなわち、ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を印刷サービス330が印刷ジョブに反映できることを言う。これを実現するためには、印刷サービス330自体が一括設定機能をサポートしていることが必要である。例えば、印刷サービス330が一括設定用のプリンタ情報に含まれる一括設定名と対応付けて一括設定を登録できることが挙げられる。また、複合設定を反映するためのJava(登録商標)scriptが動作すること、印刷サービス330がベンダーへの問い合わせを実施すること、またはこれらに準拠する動作や機能をサポートしていることが必要となる。
【0124】
本実施例では、メイン処理管理サービス321の操作部702は、ユーザ情報格納部703を参照し、印刷サービス330のサービス能力について、サポート情報を取得する。そして、操作部702は印刷サービス330のサービス能力の動作を判定し、印刷サービス用プロキシ325を介して判断結果を印刷サービス330に送信する。すなわち、操作部702は取得したサポート情報を基に、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるかを判断する判断手段として機能する。プリンタ情報提示部1003がすべてのItemを表示する場合は、S1501の判定がYesとなる。
【0125】
S1501における判定がYesの場合は、印刷サービス自体が一括設定機能をサポートし、印刷サービスに複合設定を登録することで一括設定機能が利用可能となるフローを代表例として説明する。ただし、Java(登録商標)script等を使った実装でも実現可能であることは言うまでもない。
【0126】
「登録方法1」の登録手順について、シーケンス図22(S1911からS1918)を参照して説明する。S1911において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、印刷サービス330へ一括設定を追加するための要求と、一括設定の情報を送る。ここでは、図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214とProfilePT1215が必要な情報となる。
【0127】
S1912において、連携処理管理サービス324の制御部802は、プリンタ情報格納部804が格納する図12(D)に示す管理テーブルを参照し、受け取ったVPIDに関連づけられたSPIDを取得する。S1913において、制御部802は、プロキシ要求送信部812を介し、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330への一括設定を追加する要求と一括設定の情報を送る。ここでは要求受信部901は、SPID、ProfileName、ProfilePTを受け取る。
【0128】
S1914において、印刷サービスプリンタ生成部902は、まずSPIDから対象プリンタを特定し、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して一括設定を追加する要求と一括設定の情報を送る。ここでは、プリンタ情報登録部1001はProfileNameとProfilePTを受け取る。S1915において、プリンタ情報登録部1001は、一括設定を受け付けると、管理テーブルを図12(E)から図13(E1)のように更新する。すなわち、プリンタ情報登録部1001はSPID1242で指定されたプリンタに対して、ProfileName1247、ProfilePT1248をプリンタ情報格納部1002に追加する。登録が完了すると、S1916、S1917、S1918では、各処理部が一括設定を追加する要求を行った処理部に対し、それぞれ追加登録が成功したことを示す応答を返す。以上が、「登録方法1」の場合の登録手順となる。
【0129】
次に、「登録方法2」の登録手順について、シーケンス図22(S1921からS1929)を参照して説明する。先述した、印刷サービス330で複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示可能であるか判断する方法について説明する。印刷サービス330は、印刷中継サーバ120が提供したケーパビリティーズを基にUIを構築する。しかし、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、該ケーパビリティーズに記載されているすべてのItemをUIに表示するとは限らない。プリンタ情報提示部1003は、一般に定義されているパブリックItemのみを表示するか、または独自の基準で限定させた表示項目を表示する場合がある。その場合、印刷中継サーバ120が独自の機能をItemとして記載しても、すべてのItemがプリンタ情報提示部1003が提供するUIに表示されない場合がある。一方で、ケーパビリティーズに記載のItemをすべてUI表示する印刷サービスもある。操作部702は印刷サービス330のサービス能力の動作を判定し、印刷サービス用プロキシ325を介して判断結果を印刷サービス330に送信する。すなわち、プリンタ情報提示部1003が、一括設定名と対応付けて一括設定を登録できないが、すべてのItemを表示する場合は、S1501の判定がYesとなる。
【0130】
S1921において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、一括設定名をケーパビリティーズに追加するための要求と、その関連情報を送る。ここでは、連携処理要求送信部710は図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214を送る。
【0131】
S1922において、連携処理要求受信部801は、受け取ったProfileNameを制御部802に渡し、制御部802は、プリンタ情報格納部804のケーパビリティーズにProfileアイテムを追加する。図14(A1)は、ケーパビリティーズにPfofileが追加された状態を示す。またこの追加されたProfileアイテムはProfileNameでもある。またこれに伴い、印刷設定の規定値にもProfileアイテムが追加され、図14(B3)の1391ようになる。なお、”Default”は初期値を意味する。制御部802はこれらのケーパビリティーズと印刷設定の規定値を図12(D)の管理テーブルに反映させ、VPIDで指定されたプリンタの、それぞれケーパビリティーズ1234と印刷設定規定値1235を更新する。S1923において、連携処理管理サービス324は、図12(D)のテーブルを参照し、受け取ったVPIDと関連づけられたSPIDを取得する。
【0132】
S1924において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330へのケーパビリティーズの更新要求とその関連情報を送る。ここでは要求受信部901はSPID、ケーパビリティーズ、印刷設定規定値を受け取る。
【0133】
S1925において、印刷サービスプリンタ生成部902は、受け取ったSPIDから対象プリンタを特定し情報更新要求とケーパビリティーズ、印刷設定規定値とを印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に送る。S1926において、プリンタ情報登録部1001は、更新要求のあったケーパビリティーズを受け取り、管理テーブル図12(E)を更新する。ここで、プリンタ情報登録部1001はプリンタ情報格納部1002の管理テーブルで管理するSPID1242で指定されたプリンタに対して、ケーパビリティーズ1245、及び印刷設定規定値1246を更新する。更新が完了すると、S1927、S1928、S1929では、それぞれ更新成功応答を返す。
以上が、「登録方法2」の場合の登録手順となる。
【0134】
次に、「登録方法3」の登録手順について、シーケンス図22(S1931からS1939)を使って説明する。S1931において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報(第2プリンタ情報)を送る。ここでは、連携処理要求送信部710は、図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214とProfilePT1215、また図12(A)に示すケーパビリティーズ1204を送る。
【0135】
S1932において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報を送る。S1933において、印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して、プリンタを登録するための要求と一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を送る。プリンタネームには、例えば、元のプリンタネームとProfileNameを組み合わせたものを使用する。本例では“Printer1<Duplex+Mono>”のようになる。
【0136】
S1934において、プリンタ情報登録部1001は、登録要求のあったプリンタをサービスプリンタとして登録し、プリンタ情報格納部1002に格納する。プリンタ情報登録部1001は、登録処理を行った後にサービスプリンタに対して個別に識別するためのSPID(第2プリンタ識別情報)を発行する。その際、プリンタ情報格納部1002は、管理テーブルを図12(E)から図13(E2)のように更新する。図13(E2)に示すように、オリジナルプリンタと異なるSPID1242、プリンタネーム1243、印刷設定規定値1246を持つプリンタが追加されていることが判る。なお、オリジナルSPIDに関しては、後述する。
【0137】
S1935、S1936において、プリンタ情報登録部1001は印刷サービスプリンタ生成部902に、要求受信部901はプロキシ要求送信部812に、それぞれ作成成功応答とプリンタ情報登録部1001が新しく発行したSPIDを返信する。S1937において、連携処理管理サービス324のプリンタ情報格納部804は、SPIDとそれに関連付けられたVPIDなどの情報を、プリンタ情報として格納する。これが図13(D1)に示す管理テーブルに相当する。
【0138】
S1938において、連携処理管理サービス324は、プリンタの登録が完了した旨をメイン処理管理サービス321に通知する。これにより、印刷サービス330が一括設定機能に対応しておらず、プリンタ情報提示部1003がケーパビリティーズに記載されているすべてのItemを表示しないサービスでも、ユーザに一括設定機能を提供することができる。プリンタ情報提示部1003は、プリンタ名称に一括設定の内容を含めて表示することで、ユーザは設定内容を理解して一括設定の選択を行うことができる。また、印刷サービスに対しては、プリンタの印刷設定の規定値として、一括設定に応じた複合設定を登録しているため、複雑な機構を導入せずに通常印刷のしくみで一括設定の反映が可能となる。すなわち、プリンタ情報提示部1003は、印刷設定内容に対応したプリンタ選択画面を生成する生成手段として機能し、ユーザは、印刷設定と一括設定の両方に対応するプリンタを選択することができる。以上が、「登録方法3」の場合の登録手順となる。
【0139】
なお、以上の登録作業は印刷中継サーバ120で行う例を示したが、プリンタパネル上で行っても良い。また、印刷中継サーバ120のメイン処理管理サービス321、連携処理管理サービス324、および印刷サービス用プロキシ325に相当する機能が本体側に搭載されているシステムも想定される。この場合、画像形成装置110単体で印刷中継サーバ120が介在しないシステムを適用することができる。すなわち、印刷中継サーバ120または画像形成装置110は、登録処理を実行する処理装置として機能する。
【0140】
ここからは、一括設定が選択された場合の印刷方法について、図23および図24のシーケンス図を用いて説明する。なお、図20および図21の基本機能と同じ処理には、同じ番号を付けている。まず「登録方法1」の印刷手順について説明する。S1801からS1807までは、基本機能と同じである。
【0141】
登録方法1の場合、S1807において、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に例示するUIを表示する。詳細には、プリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に示すUIに、プリンタ名の検索機能1421、プリンタ名1422、詳細設定表示切り替えボタン1423、一括設定1424を表示する。一括設定1424には、規定値を示す“Default”と、図13(E1)に示すProfileName1247に保存されている名前が列挙される。本実施例では、”Default”、”Duplex+Mono”、”Booklet+Saddle”の3つが列挙されることになる。
【0142】
ユーザが一括設定1424から何れかの選択肢を選択した場合、S2001において、印刷サービス330の制御部1006はプリンタ情報格納部1002に格納された図13(E1)を参照する。制御部1006は、ユーザが選択したProfileNameに対応するProfilePT1248を取得し、現在の印刷設定に反映させる。本例では、ユーザが”Duplex+Mono”を選択したとすると、図14(C)に示す印刷設定となる。また、印刷設定画面も現在の設定を反映するように更新する。なお、この状態からさらにユーザによる詳細設定変更があった場合には、その変更を受けつけても良い。次に、確定した印刷設定を用いて印刷を開始するが、そのフローは基本機能S1808からS1842と同じである。以上が、「登録方法1」の場合の印刷手順となる。
【0143】
次に「登録方法2」の印刷手順について説明する。S1801からS1807までは、基本機能と同じである。登録方法2の場合、S1807において、プリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に例示するUIを表示する。一括設定1424には、図12(E)のケーパビリティーズ1245に含まれるアイテム、すなわち、図14(A1)のアイテム1381が列挙される。本実施例では、”Default”、”Duplex+Mono”、”Booklet+Saddle”の3つが列挙されることになる。ユーザが一括設定1424から何れかの選択肢を選択した場合、S2002にて、選択したProfileNameが現在の印刷設定に格納される。本例では、ユーザが”Duplex+Mono”を選択したとすると、図14(C1)に示す印刷設定になる。
【0144】
次に、確定した印刷設定を用いて印刷を開始するが、そのフローは基本機能S1808からS1828までは同じとなる。登録方法2では、次に、印刷設定を用いて印刷ジョブを生成する前に、先述した一括設定を印刷設定に反映する処理が必要である。
【0145】
S2003において、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ生成部604は、印刷設定取得部602に指示し、メイン処理管理サービス321に対して、一括設定のProfileNameに対応した印刷設定を要求する。S2004において、メイン処理管理サービス321の操作部702は、ユーザ情報格納部703が格納する図13(B1)に示す管理テーブルを参照する。そして操作部702は、受け取ったProfileName1214に対応するProfilePT1215を特定し、プリンタ情報要求送信部704を介して印刷設定取得部602に返信する。本実施例では、ProfilePT、すなわち印刷設定として、図14(B1)が得られる。印刷ジョブ生成部604は取得した印刷設定を用いて印刷ジョブを生成するが、印刷のフローに関しては、基本機能のS1831からS1842と同じである。
【0146】
なお、S1831において、中継仮想プリンタ323は印刷設定として基本設定と図14(C1)に示す一括設定アイテムとを保有している。本実施例では、印刷ジョブ生成部604はS2004で得られた複合設定を優先した。しかし、印刷ジョブ生成部604は基本設定を有効するモードを有しても良い。すなわち、一括設定を優先する、基本設定を優先する、“Default“の場合だけ基本設定を使うなど、どちらを優先するかUIスイッチを設ける機能を導入しても良い。以上が、「登録方法2」の場合の印刷手順となる。
【0147】
次に「登録方法3」の印刷手順について説明する。本方法では新たにプリンタが追加されるため、すべてのフロー、すなわちS1801からS1842までのフローは、基本機能と同じである。登録方法3の場合、S1807では登録方法1及び登録方法2と異なり、図1(C2)に例示するUIを表示する。図16(C1)との相違点は、一括設定1424がなく、代わりに印刷設定の規定値が変更されたプリンタ1432が列挙されている点である。特に明示しないUI機能については、図16(C1)と同等とする。
【0148】
プリンタ1431は標準の印刷設定が紐付いたオリジナルのプリンタである。ユーザが一括設定用プリンタ1432を選択した場合、印刷サービス330の印刷指示受付部1004はプリンタ1432のSPIDを制御部1006に渡す。制御部1006は受け取ったSPIDを基に管理テーブル図13(E2)を参照し、選択されたプリンタネーム1243に対応する印刷設定規定値1246を取得し、現在の印刷設定とする。本実施例では、ユーザが”Printer1<Duplex+Mono>”を選択したので、図14(C)に示す印刷設定になる。S1808以降の処理では、前記の印刷設定が用いられる。以上が、「登録方法3」の場合の印刷手順となる。
【0149】
以上説明したように、印刷サービスの能力に応じて登録方法を使い分けることで、どのような印刷サービスであっても一括設定機能を利用することが可能となる。その結果、ベンダー側で事前作成した、整合のとれた詳細な印刷設定を、いかなる印刷サービス上でも利用することが可能となる。
【0150】
また、印刷サービスの仕様が変わった場合や、他の印刷サービスを利用することになった場合でも、ユーザ情報格納部703が図13(B1)に示す管理テーブルを保持しているため、作成済の複合設定を無駄にせず利用することが可能である。また、図13(B1)に示すProfileName1214、ProfilePT1215を異なるユーザや異なるプリンタでも利用できるようにしても良く、それにより作成済の複合設定の再利用を促すことができる。
【0151】
(実施例2)
実施例1では、S1501でYesの場合、すなわち印刷サービスで一括設定機能を利用できる場合はS1502の登録方法1が適用された。そして、S2001で一括設定が選択されることで、整合のとれた一括設定の持つ印刷設定が現在の印刷設定に反映された。しかし、ユーザは、一括設定が反映されたあとに更に個別の詳細設定を変更することも可能である。その際、ユーザがある印刷設定項目を変更した結果、印刷サービスのUI処理において禁則処理が実施され、整合が取られるとは限らない。禁則処理が行われなければ、不整合が残った印刷設定がなされる可能性がある。
【0152】
そこで本実施例では、印刷サービスのUI処理において禁則処理が行われない場合に、別の登録方法を適用する方法について、図17(A)を使って説明する。図14(A)で示したケーパビリティーズには、アイテムの他にアイテム間の禁則関係(不図示)を記載することができ、印刷サービス330はその情報を基に禁則処理を行うことができる。ただし、処理をするかどうかは印刷サービス330によって異なる。
【0153】
そこで、S1501の前に、メイン処理管理サービス321の操作部702は、対象とする印刷サービス330が禁則処理を行うかどうかをサポート情報に基づいて判断し、Noと判断した場合は、S1505の登録方法3を適用する。または、S1501にて、操作部702は、対象とする印刷サービスが一括設定機能を有するかの判断に加えて、禁則処理を行うかの判断を行っても良い。その場合は、操作部702は、サポート情報に基づいて登録方法2または登録方法3を適用する。
【0154】
以上説明したように、印刷サービス330がUIの禁則処理能力を持たない場合は、操作部702は登録方法3を選択する。これにより、たとえ印刷サービス330が禁則処理能力を持っていなくても、禁則事項を含む印刷設定はWebブラウザ340に表示されず、結果、不整合の起きない印刷処理を実現することができる。
【0155】
(実施例3)
実施例1では、印刷中継サーバ120は、いかなるケースでも一括設定を実現し、それにより詳細な設定変更を可能とする例を説明した。しかし、オフィスユースでは、管理者がユーザ毎の権限を設定し、自由な設定変更をさせたくないケースもある。そこで上記のケースに対応し、登録方法3を発展させ、複合設定登録に機能を制限させたケーパビリティーズも含めることで一括設定後の詳細設定変更を抑止する方法を示す。本実施例では、管理者が複合設定を作成するケースを想定する。
【0156】
まず、複合設定の作成について説明する。管理者は、複合設定の作成時、または複合設定について予めユーザ毎の権限、つまり、ユーザ毎に選択できる一括設定を制限し、当該制限情報をメイン処理管理サービス321に登録させておく。実施例1では、操作部702は、図16(A)に示すUIを用いて図14(B1)に示す印刷設定を作成したが、実施例3では図14(A2)に示すケーパビリティーズも同時に作成する。操作部702は、図14(A2)のケーパビリティーズに、プリンタ機能情報として複合設定と同じアイテムのみ記載する。この制限付きケーパビリティーズを機能限定指示として印刷サービス330に登録することで、印刷サービス330がケーパビリティーズをベースに生成するUIには他の選択肢が列挙されず、よって設定変更ができなくなることを意味する。なお、PaperSizeのように、変更可能なアイテムを残してもよい。図13(B2)は、図13(B1)に前記ケーパビリティーズとしてProfilePC1216を加えた管理テーブルである。
【0157】
複合設定の登録について詳細に説明する。なお、図17(A)に示す処理と同じ処理には同じ番号を付している。まず図17(B)に示すように、メイン処理管理サービス321の操作部702は、いずれの登録方法を用いるか条件判定を行う。S1510にて、操作部702は図13(B2)に示す管理テーブルを参照し、管理者がユーザによる詳細設定変更を禁止しているか判断する。本実施例では、ProfilePC1216が存在するので、操作部702はYesと判断し、S1511において、登録方法3を発展させた手法で機能制限付きプリンタを登録する。S1510において、操作部702がNoと判断した場合、以後、実施例1と同じ処理を行う。
【0158】
S1511では、印刷設定に加えてケーパビリティーズも印刷サービスに登録する。すなわち、図22のS1931からS1933において、印刷中継サーバ120の連携処理要求送信部710、プロキシ要求送信部812、および印刷サービスプリンタ生成部902は、以下の処理を実行する。連携処理要求送信部710、プロキシ要求送信部812、および印刷サービスプリンタ生成部902は、図13(B2)に示すProfilePC1216のケーパビリティーズも送信する。S1934にて、印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は、図12(E3)に示す管理テーブルを作成する。図12(E3)に示すケーパビリティーズは、図13(E2)に示すケーパビリティーズと比べ、オリジナルプリンタのケーパビリティーズと異なる設定が保存されていることが判る。以上により、印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は制限付きケーパビリティーズを登録する。
【0159】
次に、一括設定を用いた印刷について説明する。印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は、印刷設定UIが要求された際に図16(C2)に示すUIを表示し、これは実施例1の登録方法3と同じである。実施例1では、ユーザは詳細設定表示切り替えボタン1423により詳細設定を表示し、変更することが可能であった。しかし、本実施例ではプリンタ機能に制限があり、他の選択肢が含まれないため、詳細設定の変更はできない。ユーザは、図16(C2)に示すプリンタのいずれかを選んで印刷を実行する。印刷実行時のフローは、実施例1と同じである。
【0160】
なお、設定の規定値を持つオリジナルプリンタに関しても、制限付きケーパビリティーズを紐付けてもよい。またオリジナルプリンタは登録せず、特定の印刷設定を持ったプリンタだけを登録するフローにしてもよい。以上説明したように、管理者が、ユーザ毎の権限に応じて印刷設定を制限したい場合でも、あらかじめ機能制限付きのケーパビリティーズを作成し、それを印刷サービスに登録することで実現することが可能となる。
【0161】
(実施例4)
実施例1では、複合設定をメイン処理管理サービス321で予め作成し、そこから印刷サービス330に登録するフローを説明した。しかし、実際にはユーザが印刷実行時に複合設定を登録したい場合も多く、前述した実施例ではユーザの利便性に乏しい。そこで、実施例4では印刷実行時に登録を可能とする方法を説明する。
【0162】
印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、印刷実行時に図16(C1)または図16(C2)のUI画面を表示するが、この設定を保存する1425をONにした場合、現在の印刷設定を各登録方法の手法に応じて一括設定として保存する。登録方法1の場合、印刷実行後に、印刷指示受付部1004が複合設定を受付け、制御部1006が図13(E1)に示すプリンタ情報格納部1002の管理テーブルに追加する。プリンタ情報格納部1002は、印刷実行時の印刷設定をProfilePT1248に保存する。また、プリンタ情報格納部1002は、ユーザの入力(不図示)、または自動命名により作成した名称をProfileName1247に保存する。以後、ユーザは印刷実行時に本一括設定を利用可能となる。なお、自動命名では、連番を使用してもよいし、印刷設定から抽出した特徴を反映させてもよい。
【0163】
登録方法2の場合、現在の印刷設定に「この設定を保存する=ON」を保存し、印刷を開始する。印刷実行時、図24のS2003のタイミングで、複合設定を取得する代わりに、印刷実行時の印刷設定を複合設定として登録する。メイン処理管理サービス321の操作部702は、図13(B1)に示すように、本印刷設定をProfilePT1215に追加保存する。また、操作部702は、ユーザの入力、または自動命名により作成された名称をProfileName1214に保存する。その後、登録方法2の登録手順に則り、本複合設定を印刷サービスへ登録する。以後、ユーザは印刷実行時に本一括設定を利用可能となる。
【0164】
登録方法3の場合、印刷サービス330の制御部1006が、図13(E2)に示すように新プリンタとしてプリンタ情報格納部1002に追加する。プリンタ情報格納部1002は、印刷実行時の印刷設定を印刷設定規定値1246に保存する。また、プリンタ情報格納部1002はユーザの入力、または自動命名により作成された名称をプリンタネーム1243に保存する。SPID1242は、プリンタ情報登録部1001がプリンタ作成時に発行する。ケーパビリティーズ等の他の設定はオリジナルプリンタと同じものを使用する。このとき、オリジナルプリンタを示すSPID1249も保存しておく。以後、ユーザは印刷実行時に本プリンタを利用可能となる。ただし、印刷サービス330は印刷実行時に、オリジナルSPID1249が存在する場合は、SPID1242ではなくオリジナルSPID1249を使用する。これは、SPIDを受け取る印刷中継サーバ120が新しく発行されたSPIDを知らないためであり、また出力プリンタはオリジナルSPIDで特定できるためである。
【0165】
また、登録方法3の場合、印刷実行時ではなく、印刷サービス330が提供するプリンタ管理画面(不図示)で追加作業を行ってもよい。この場合は、ユーザはプリンタ一覧の中からプリンタを選択し、プリンタのコピーと印刷設定の変更を行うことで実現可能となる。それ以外の内部処理は前述した印刷実行時と同じで、印刷サービス330が図13(E2)にプリンタの追加と印刷設定の保存を行う。
【0166】
また印刷実行時の追加登録では、登録方法1と登録方法3においても登録方法2と同様に、現在の設定を印刷中継サーバ120が認識し、当該設定を連携処理管理サービス324のプリンタ情報格納部804に渡す。プリンタ情報格納部804は、格納してある管理テーブルを更新し、その後、印刷サービス用プロキシ325を介し印刷サービス330に対して登録を行う手法を用いてもよい。以上説明したように、複合設定を予め準備しておかなくても、印刷実行の一連のフローの中で一括設定を追加登録することが可能となる。
【0167】
(実施例5)
前述した実施例では、複合設定作成時に、ユーザが図16(A)の複合設定の名称1404で名称を付けることを示したが、ユーザが毎回入力するのは面倒である。そこで、本実施例では自動命名を可能とする方法について説明する。ここでは、メイン処理管理サービス321の操作部702は、変更手段として機能し、印刷設定から抽出した特徴をもとに自動的に命名を行う。たとえば、規定値からの変更で両面印刷とモノクロ印刷が設定されていた場合、操作部702は”Duplex+Mono”と命名する。また、変更機能が多いと名称も長くなり、見にくくなったり、表示が切られて見えなかったりする場合がある。そこで機能に応じた短縮名を予め設定しておいてもよい。例えば操作部702は、両面印刷の場合は”dup”といった短縮名を設定しておく。なお、本自動命名を仮名称として保存しておき、さらにユーザが編集可能としてもよい。
【0168】
これらの設定名をルール化することで、名称による検索も可能となる。たとえば、登録方法3で登録したプリンタを図16(C2)で選択する場合、プリンタ名の検索機能1421で設定名(たとえば”dup”)を入力することで、ユーザは、その印刷設定を持つプリンタを容易に絞り込むことが可能となる。検索機能には、あらかじめ予約されている設定名称を列挙し、ユーザがそれを選ぶことで簡単にプリンタを絞り込む機能を含んでいてもよい。また本検索機能は、複数の設定名称を同時に、または段階的に選べるようにしてもよく、それにより、複数のキーワードによる絞り込みが可能となる。
【0169】
また、前述した実施例の中で、印刷実行時に一括設定を追加登録する際の自動命名について言及したが、印刷サービス330の制御部1006が、その際の命名則に適用してもよい。また印刷設定の特徴情報は、プリンタ名称に限らず、ケーパビリティーズや印刷設定、その他のメタデータとしてプリンタに紐付けてプリンタ情報格納部1002に保存し、検索対象としてもよい。以上説明したように、自動命名機能により、ユーザは名称入力の煩わしさから解放され、かつ名称を見れば印刷設定内容を知ることが可能となる。また、検索によってプリンタの絞り込みを行うことも可能となる。
【0170】
(実施例6)
前述した実施例では、登録方法3においてプリンタ名称から一括機能を判断したが、特に名称が長くて表示しきれない場合やプリンタ数が多くなった場合に、視覚的に選択することが困難であり得る。そこで、実施例6ではプリンタ情報提示部1003がプリンタマークに反映された印刷設定を表示する。これにより、ユーザは視覚的にプリンタを選ぶことを可能にする方法について説明する。
【0171】
本実施例では、操作部702が、図16(C2)に示すプリンタマーク1433に、印刷設定から抽出した特徴を反映する。たとえば、片面/両面印刷、Nページ設定、カラー/モノクロ設定、ステイプルの有無、などをアイコンに変更する。操作部702は、図22のS1901で複合設定を作成した際に、その設定を反映したアイコンを作成、またはアイコンリストの中から選択する。S1933で、メイン処理管理サービス321は、印刷サービス330にプリンタを登録する際に、アイコンのロケーション情報(URLなど)を印刷サービス用プロキシ325を介して送信する。アイコンのロケーション情報は、直接やり取りしてもよいし、ケーパビリティーズや印刷設定の中に含めてもよい。アイコンはあらかじめパブリックなロケーションに置いておくか、または、例えば印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002に登録しておく。
【0172】
なお、プリンタアイコンは、利用可能な機能から抽出した特徴を反映してもよい。たとえば両面可能、カラー印刷可能、ステイプル可能、などの情報を表現してもよい。また、目的に応じて、機能や能力の特徴を反映する場合と、印刷設定の特徴を反映する場合とを使い分けてもよい。たとえば、オリジナルプリンタは機能表示を、一括設定プリンタは印刷設定表示を、それぞれ行ってもよい。以上説明したように、プリンタに付与されるアイコンに、紐付けられた設定の特徴を反映させることで、ユーザはより直感的にプリンタを選択することが可能となる。なお、印刷サービス330の制御部1006が印刷設定をアイコンに反映させ、プリンタ情報提示部1003を介してWebブラウザ340に表示させてもよい。
【0173】
(実施例7)
前述した実施例では、一括設定で利用したい複合設定を最初に作成した。しかし、毎回作成するのは面倒である。そこで、毎回複合設定を作る労力を軽減するための方法について説明する。
【0174】
本実施例では、一般的に利用頻度の高い複合設定は、あらかじめプリセットとして利用可能にしておく。たとえば、印刷設定の規定値をベースに両面設定をONにしたもの、モノクロ印刷をONにしたもの、スタンプをONにしたもの、などが考えられる。そこで、印刷サービス330にプリンタを登録し、プリンタ情報格納部1002が図12(B)に示す管理テーブルに格納する際に、メイン処理管理サービス321の操作部702は、これらの設定をプリセットとして追加する。これらは図13(B1)に示すProfileName1214、ProfilePT1215のようにユーザ情報格納部703に保存される。メイン処理管理サービス321の操作部702は、複合設定を登録する際に表示される図16(B)に示す画面の複合設定1412にこれらのプリセットを列挙する。ユーザは、必要な複合設定をONにして登録するだけで利用可能となる。
【0175】
また、作成済の複合設定を、他の機種や、他のユーザで利用可能としてもよい。その場合は、管理テーブル図13(B1)の中の作成済のProfileName1214、ProfilePT1215を、他機種や他ユーザにコピーする。以上説明したように、あらかじめ複合設定のプリセットを用意することで、毎回複合設定を作成する労力を軽減できる。またはあるユーザがある機種用に作成した複合設定を他のユーザや機種にコピーすることで、作成済の複合設定の再利用を促進することが可能となる。
【0176】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そしてそのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0177】
310 印刷制御部
321 メイン処理管理サービス
322 中継仮想プリンタ管理サービス
323 中継仮想プリンタ
324 連携処理管理サービス
325 印刷サービス用プロキシ
330 印刷サービス
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、中継サーバ、印刷システムの制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クライアントからサーバに対して印刷指示を送信し、印刷指示を受信したサーバが印刷対象のコンテンツを印刷データに変換するコンテンツ印刷システムが提案されている。注目されているクラウドコンピューティングも、サーバがクライアントにサービスを提供するシステム形態の一つである。
【0003】
クラウドコンピューティングは、多くのコンピューティング・リソースを用いてデータ変換やデータ処理を分散実行し、多くのクライアントからの要求を同時に処理することが主な特徴である。現在、このクラウドコンピューティングを実現するクラウドコンピューティング環境上(以下、クラウド上と記述)にウェブサービスを実装し、多種多様なサービスを提供するベンダーが乱立しつつある。
【0004】
クラウドコンピューティング環境上でサービスを提供するベンダーの中で注目すべきベンダーはGoogle(登録商標)である。Google(登録商標)は、大規模なデータセンターを多数設立する他、デバイスと連携させて提供し、デバイスとサービス間のデータ通信の仕組みを開発している。例えば、Google(登録商標)は画像形成装置と連携してサービスを提供するためのデータ通信の仕組みを開発し、Google(登録商標)が用意したクラウドコンピューティング環境とデータ通信を画像形成装置が行うためのインターフェースを公開した。このシステムでは、画像形成装置はサービスから印刷要求を受信し、印刷を実行する。そして印刷状態の変化は、Webアプリケーションがサービスに対してポーリングすることにより取得される。
【0005】
特許文献1は、サーバが印刷データを生成するサービスにおいて、クライアントから印刷指示と印刷を制御するための情報とを受信し、印刷を制御するための情報を基にサーバが印刷データを生成する方法を開示している。この方法により、クライアントであるユーザは、プリンタドライバをインストールしなくても、画像形成装置に適した印刷データを送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−196054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、サーバ、例えば印刷サービスが適切な印刷設定を提供することが困難な場合がある。印刷システムは一般的に、XML形式等で表現される画像形成装置の能力情報(後述するケーパビリティーズなど)を基に、印刷設定用画面を生成する。すなわち、画像形成装置の能力情報から、印刷設定としてユーザに提供できる機能を読み取り、それを汎用的な画面で表現する。そのため、多機能な能力を有する画像形成装置のため印刷設定項目が多い場合は、印刷サービスがユーザに提供する印刷設定画面上には、設定項目の階層表示やグループ表示がなされない。従って、ユーザは画面の判読および設定に手間がかかる。また、印刷サービスで印刷設定の禁則処理を実行できない場合には、ユーザ自身がコンフリクトを生じない設定項目の組合せを考えて選択する必要があり、ユーザにとって負担となる。
【0008】
上述した印刷設定をする際におけるユーザの手間や負担を解消するために、一括設定機能を用いて印刷設定をする方法が考えられる。一括設定機能を用いた印刷設定方法では、印刷サービスが、予め作成しておいた複合設定を一括設定機能用の印刷項目として印刷設定画面上に表示する。つまり、印刷サービスは、一括設定の画面を表示する。ユーザが、一括設定の画面上で所望する一括設定機能用の印刷項目を選択すると、印刷サービスが当該印刷項目の設定を一括変更する。
【0009】
しかし、印刷サービスが一括設定機能に対応していない場合には、印刷サービスは一括設定の画面をユーザに提供することができない。本発明は、印刷サービスが一括設定機能に対応していない場合でも、印刷サービスの能力に応じて、印刷項目の一括設定を可能とする印刷システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態の印刷システムは、ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムである。前記情報処理装置は、印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する。また、前記印刷サービス装置は、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する生成手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の印刷システムによれば、予め画像形成装置または印刷中継サーバで作成した複合設定を、ユーザが印刷サービスで一括設定機能として指定可能にすることで、ベンダーが提供する詳細設定が利用可能となる。この一括設定機能を、印刷サービスの表示能力やUI処理能力に応じた登録手段を用いて登録することで、想定される様々な形態の印刷サービスに対して一括設定機能を実現することが可能となる。
【0012】
またこれにより、複数の印刷サービスと連携する場合や、特定の印刷サービスに仕様変更があった場合でも、予め作成した複合設定を、画像形成装置またはその仮想装置の実装を変えずに利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1の印刷システム構成例を示す図である。
【図2】印刷システムを構成する各装置、および各サーバ群のハードウェア構成を示す図である。
【図3】印刷システムを構成する各装置、および各サーバ群のソフトウェア構成を示す図である。
【図4】印刷制御部の機能ブロック図の例である。
【図5】中継仮想プリンタ管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図6】中継仮想プリンタの機能ブロック図の例である。
【図7】メイン処理管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図8】連携処理管理サービスの機能ブロック図の例である。
【図9】印刷サービス用プロキシの機能ブロック図の例である。
【図10】印刷サービスの機能ブロック図の例である。
【図11】Webブラウザに表示されるUIの例を示す図である。
【図12】各装置が格納する情報を示す図である。
【図13】各装置が格納する情報を示す図である。
【図14】各装置が通知する通知情報の例を示す図である。
【図15】各装置が通知する別の通知情報の例を示す図である。
【図16】複合設定のUIと、印刷設定のUIを示す図である。
【図17】実施例1および実施例2の一括設定登録のフロー図である。
【図18】画像形成装置を印刷中継サーバに登録する事前登録系処理を示す。
【図19】中継仮想プリンタを印刷サービスに登録する本登録系処理を示す。
【図20】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図21】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図22】複合設定を印刷サービスに登録する一括設定登録処理を示す。
【図23】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【図24】印刷データを画像形成装置に印刷させる印刷系処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
図1は、印刷システム1000の構成を示す。印刷システム1000は、クライアント140プリンタおよび画像形成装置110を含む。クライアント140と画像形成装置110はユーザ環境に配置された装置であり、ネットワーク100を介して通信可能に互いに接続されている。ネットワーク100はインターネット101に接続されている。
【0015】
また、印刷システム1000は、Webアプリケーションサーバ群150および印刷サーバ群130を含む。両サーバ群は、同じベンダーから提供されたサーバ群であってもよい。その場合は、両サーバ群はネットワーク100を介して接続されていてもよい。また、印刷システム1000は、印刷中継サーバ120も備える。印刷中継サーバ120はネットワーク100に接続されており、ネットワーク100はインターネット101に接続されている。なお、本実施例では、画像形成装置110および印刷中継サーバ120は、印刷ジョブの印刷に関する印刷関連処理を実行する情報処理装置として機能する。印刷システム1000を構成する各装置および各サーバ群は、インターネット101を介して接続可能であり、互いにデータ通信することができる。なお、各装置は1台のみであるが複数台あっても良い。また、各サーバ群は複数台で構成されているが1台であっても良い。
【0016】
図2は、印刷システム1000を構成する各装置、および各サーバ群のハードウェア構成を示す。各装置201は、印刷システム1000を構成する。CPU(Central Processing Unit)202は、各種プログラムを実行し、様々な機能を実現するユニットである。
【0017】
ROM(Read Only Memory)203は、各種プログラムを記憶するユニットである。RAM(Random Access Memory)204は、CPU202の一時的な作業記憶領域として機能する記憶手段である。CPU202は、ROM203に記憶されているプログラムをRAM204にロードしプログラムを実行する。Input/Outputインターフェース205は、各装置、および各サーバ群に接続されているディスプレイ(不図示)にデータを送信する。
【0018】
また、Input/Outputインターフェース205は、ポインティングデバイス(不図示)からデータを受信する。NIC(Network Interface Card)206は、印刷システム1000を構成する各装置をネットワーク100に接続する。各ユニットは、バス207を介してデータの送受信を行うことが可能である
【0019】
また、画像形成装置110は、印刷ユニット(不図示)を搭載しており、印刷ユニットは、バス207を介して各ユニットとデータを送受信することが可能である。なお、印刷ユニットは、ラスターイメージを記録媒体に印刷することが可能である。
【0020】
各装置および各サーバが有する機能について説明する。図3は、印刷システム1000を構成する各装置のソフトウェア構成例を示す。図3に示す各ソフトウェアの機能を実現するプログラムは、各装置および各サーバのROM203に記憶されている。CPU202は、RAM204にプログラムをロードし実行することで、これらの機能を実現する。
【0021】
以下、各装置、および各サーバ群が実現する機能を説明する。機能は大きく前半部と後半部の2つの部分に分けられる。まず前半部で説明する機能は、各装置と各サーバ群が有する3系統からなる基本機能である。次に後半部で説明する機能は、3系統からなる基本機能に基づいて、一括設定機能を実現するための本発明特有の発展機能について説明する。
【0022】
前半部で説明する基本機能の特徴は、印刷設定規定値を持つ画像形成装置を印刷サービスに登録し、ユーザは必要な印刷設定変更を機能ごとに行って印刷を実行することである。後半部で説明する発展機能の特徴は、予め作成しておいた複合設定を、一括設定機能の選択肢となるように印刷サービスに登録し、ユーザはその一括設定を選択して印刷を実行することである。
【0023】
まず前半部の3系統の基本機能について説明する。一つ目の系に分類される機能は、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する、事前登録系に分類される機能である。
【0024】
二つ目の系に分類される機能は、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330(印刷サービス装置)に登録する本登録系に分類される機能である。
【0025】
三つ目の系に分類される機能は、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、印刷データを画像形成装置110に印刷させる印刷系に分類される機能である。
【0026】
一つ目の系である事前登録系の機能について説明する。はじめに、画像形成装置110が有する事前登録系に分類される機能について説明する。画像形成装置110は、印刷制御部310を有する。印刷制御部310は、ユーザの画面操作により、ユーザが操作している画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録する。
【0027】
図4に示す印刷制御部310は、表示部401、登録要求送信部402、印刷ジョブ取得部411、印刷通知受信部412、および印刷実行部を備える。また、印刷制御部310は、通信モジュールCy410を備える。表示部401は、各種画面を表示する。事前登録において、表示部401は、まず図11(A)に例示するUI(User Interface)を表示する。ユーザはUIを通して画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録する指示を行うことができる。図11(A)に示すUIは、入力画面としてユーザID1101およびパスワード1102を表示しているが、印刷中継サーバ120のURLやIPアドレスが入力できるようになっていても良い。入力可能であれば任意の印刷中継サーバに登録することができる。実施例1では、URLやIPアドレスは内部的に記録されている値を使うものとする。
【0028】
登録要求送信部402は、印刷中継サーバ120に対し登録の実行を指示する。ユーザが、印刷中継サーバ120にログインするためにユーザID1101とパスワード1102を入力し、登録実行ボタン1103を押下すると、登録要求送信部402は、表示部401から入力情報を受信する。登録要求送信部402は、受信した入力情報を使ってまず印刷中継サーバ120にログインを行う。登録要求送信部402は、ログインが成功すると、印刷中継サーバ120に対して画像形成装置110の登録情報を送信する。なお、登録指示は、画像形成装置110からではなく、後述するように印刷中継サーバ120からでも良い。印刷制御部310のその他の機能については後述する。
【0029】
次に、登録情報について説明する。登録情報は、画像形成装置110に割り当てられた固有の識別情報であるRPID(Real Printer ID)を含む。画像形成装置110は、夫々固有の識別情報が割り当てられており、印刷中継サーバ120は、この識別情報に基づいて各画像形成装置を特定する。実施例1では、RPIDを特定することでプリンタの配置場所を特定できる。
【0030】
また、登録情報は、画像形成装置110のプリンタネームが含まれている。プリンタネームとは、画像形成装置110に割り当てられた名前であり、画像形成装置110を呼称するときに用いるものである。なお、プリンタネームは識別情報と異なり、各画像形成装置110のプリンタネームが同一である場合もある。
【0031】
また、登録情報にはケーパビリティーズが含まれている。ケーパビリティーズは、画像形成装置110の能力を示す情報である。ケーパビリティーズは、例えば、画像形成装置110が両面印刷可能であるか否かを示す情報、カラー印刷可能であるか否かを示す情報、および出力可能ペーパサイズ等を示す情報を含む。ケーパビリティーズは、図14(A)に示すようにXML形式で表現が可能である。図14(A)に示す<Item>が、画像形成装置110の能力を示している。この例では、画像形成装置110は、両面印刷可能であり、カラー出力可能であり、B5サイズ、A4サイズ、およびA3サイズの紙を出力可能であることが示されている。また、この例では、レイアウト(通常、2ページ/枚、製本印刷)やステイプル(なし、左上、中綴じ)の選択も可能であることも示されている。
【0032】
また、登録情報は印刷設定初期値を含む。図14(B)に示すようにXML形式で表現することができ、図14(A)のサブセットとなっている。つまり、ケーパビリティーズが含む情報のうちどの<Item>が選ばれているかを示す。図14(B)の例では、片面出力、カラー出力、A4サイズ、通常レイアウト、ステイプルなし、が設定されていることを意味する。
【0033】
次に、印刷中継サーバ120が有する事前登録系に分類される機能について説明する。図3に示すように、印刷中継サーバ120は、メイン処理管理サービス321、中継仮想プリンタ管理サービス322、中継仮想プリンタ323、連携処理管理サービス324、および印刷サービス用プロキシ325を備える。
【0034】
図5を参照し、中継仮想プリンタ管理サービス322の機能の説明を行う。中継仮想プリンタ管理サービス322は、登録要求受信部501、制御部502、仮想プリンタ生成部503、プリンタ情報格納部505、およびプリンタ情報要求受信部510を備える。
【0035】
登録要求受信部501は、画像形成装置110の登録要求送信部402が送信した登録情報を受信する。制御部502は、登録要求受信部501が受信した登録情報を取得し、該登録情報を解釈する。制御部502は、中継仮想プリンタ323を生成するように仮想プリンタ生成部503に指示を出す。
【0036】
仮想プリンタ生成部503は、対象となる画像形成装置110との通信方式に準拠した図6に示す通信モジュールCx610を有する。通信モジュールCx610は、画像形成装置110と通信を行うためのインターフェースであり、前述した画像形成装置110が有する通信モジュールCy410と通信を行うことが可能である。
【0037】
仮想プリンタ生成部503は、この通信モジュールをロードしたプロセス(スレッド)を実現する。このプロセスが、図6に示す各機能を実現する中継仮想プリンタ323に相当する。中継仮想プリンタ323は通信モジュールの他に、印刷通知を受け付けて印刷データを取得する機能、およびそのデータから印刷ジョブを生成する機能を有する。各機能の詳細は後述する。
【0038】
仮想プリンタ生成部503は、中継仮想プリンタ323を実現した際に、実現した中継仮想プリンタ323を識別するための識別情報であるVPID(Virtual Printer ID)を発行する。仮想プリンタ生成部503は、発行したVPIDを制御部502に送る。なお、仮想プリンタ生成部503は、画像形成装置110から登録情報が送られるごとに中継仮想プリンタ323を実現し、実現した夫々の中継仮想プリンタ323には固有の識別子であるVPIDを割り当てる。実施例1では、制御部502は、VPIDを特定することで中継仮想プリンタ323を特定することが可能となる。
【0039】
プリンタ情報格納部505は、各種情報を関連づけて格納する。仮想プリンタ生成部503からVPIDを取得した制御部502は、プリンタ情報格納部505にVPIDを格納するよう指示を出す。そしてプリンタ情報格納部505は、VPID、および登録情報を図12(A)に示すように管理テーブルに関連付けて格納する。図12(A)に示す管理テーブルは、プリンタVPID1201、RPID1202、プリンタネーム1203、ケーパビリティーズ1204、および印刷設定初期値1205を格納している。
【0040】
以上、説明してきた機能が、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する事前登録系に分類される機能である。
【0041】
続いて、二つ目の系である本登録系に分類される機能について説明する。はじめに、印刷中継サーバ120が有する本登録系に分類される機能について説明する。印刷中継サーバ120が備えるメイン処理管理サービス321は、印刷サービス330に依存しないWebブラウザ340との共通処理部である。メイン処理管理サービス321は、ユーザの指示に従って中継仮想プリンタ323を印刷サービスに登録するための前処理を行う。
【0042】
図7を用いてメイン処理管理サービス321の機能を示す。メイン処理管理サービス321は、ログイン受付部701、操作部702、ユーザ情報格納部703、プリンタ情報要求送信部704、および連携処理要求送信部710を備える。
【0043】
ログイン受付部701は、クライアント140がWebブラウザ340を通して行うログインを受け付ける。ユーザ認証が完了すると、ログインしたユーザアカウントに応じた処理を行う。操作部702は、図11(B)に例示するようにユーザ操作を受け付ける画面を生成し、Webブラウザ340に表示させる。操作部702は、ユーザ毎に設定されている情報に基づいて画面を生成する。図11(B)に示す画面には、該当ユーザが利用可能な画像形成装置として機能するプリンタ1111の一覧が表示されており、夫々のプリンタに対して印刷設定変更ボタン1112が配置されている。また、該当ユーザが利用できるプリンタを管理するための追加/削除ボタン1113が配置されている。また、印刷サービスベンダ一覧1114が表示されており、夫々の印刷サービスと連携するための連携ボタン1115も表示されている。
【0044】
ユーザが追加/削除ボタン1113を押下すると、操作部702は、図11(D)に例示するプリンタの追加/削除画面を表示させる。図11(D)には、ユーザにとって既に利用可能となっているプリンタ一覧1131と、プリンタを削除するための削除ボタン1132が表示される。また、印刷中継サーバ120で利用可能でありユーザが利用要求を出すことが可能なプリンタ一覧1133と、追加要求を行うための追加ボタン1134が表示される。新たに印刷中継サーバ120にプリンタを登録するための情報入力欄1135と登録実行ボタン1136も表示されている。情報入力欄1135と登録実行ボタン1136は、前述した画像形成装置110の登録要求送信部402で行う処理と同等の処理をサーバの操作画面上で行うものである。
【0045】
ユーザが利用可能となるプリンタを決定すると、操作部702はユーザ情報格納部703に指示し、図12(B)に示す管理テーブルのように、ユーザIDと利用可能なプリンタを識別するVPID、および夫々の印刷設定を関連付けて格納する。格納する情報は、ユーザID1211、VPID1212、各VPIDの印刷設定規定値1213である。ユーザがプリンタの追加や削除を行うと、ユーザID1211に紐付くVPID1212が増減する。印刷設定規定値1213は、アプリケーションからプリンタを選択して印刷設定を行う際の規定値となる。
【0046】
また、印刷設定規定値1213の初期値は、図12(A)に格納されている印刷設定初期値1205となる。この情報取得は以下の流れとなる。まず、操作部702は、中継仮想プリンタ管理サービス322にプリンタ情報を要求するようにプリンタ情報要求送信部704に指示しを出す。このとき、情報を必要とする画像形成装置110のVPIDを渡す。中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510はプリンタ情報要求送信部704から要求を受信する。プリンタ情報要求受信部510は受信したVPIDに関連付いた図12(A)に示す画像形成装置110の情報を、プリンタ情報格納部505から取得する。つまり、プリンタ情報要求受信部510は印刷設定初期値1205を取得する。プリンタ情報要求受信部510は取得した印刷設定初期値1205をプリンタ情報要求送信部704に返送し、プリンタ情報要求送信部704は取得した情報を操作部702に渡す。上述した処理により、印刷設定初期値1213が取得される。
【0047】
図11(D)に示す画面にて、ユーザがOKボタン1137を押下することで利用可能なプリンタが確定し、図11(B)の画面に戻る。この画面では、利用可能なプリンタの表示が更新されることになる。上述した処理により、メイン処理管理サービス321は、ユーザ毎に利用可能なプリンタを管理することができる。
【0048】
ユーザが、図11(B)のUIに表示された印刷設定変更ボタン1112を押下すると、操作部702はプリンタ情報要求送信部704に指示し、中継仮想プリンタ管理サービス322にプリンタ情報を要求する。渡す。中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510は、プリンタ情報を必要とするプリンタのVPIDを含む要求を受信する。プリンタ情報要求受信部510は、受信したVPIDに関連付いた図12(A)に示すプリンタ情報を、プリンタ情報格納部505を通して取得する。つまり、プリンタ情報要求受信部510はケーパビリティーズ1204を取得する。プリンタ情報要求受信部510は取得した情報をプリンタ情報要求送信部704に返送し、プリンタ情報要求送信部704は取得した情報を操作部702に返送する。
【0049】
また、操作部702はユーザ情報格納部703に対し、プリンタのVPIDを渡してプリンタ情報を要求する。ここでは、ユーザ情報格納部703を通して、図12(B)で管理されている印刷設定規定値1213を取得するものとする。以上により、選択したプリンタのケーパビリティーズ1204と印刷設定規定値1213を取得する。
【0050】
次に操作部702は、図11(C)に例示する印刷設定画面生成し、Webブラウザ340に表示させる。ここで、操作部702は、設定項目とその選択肢は、取得したケーパビリティーズを元に生成する。またその初期設定は、取得した印刷設定規定値が適用される。
【0051】
ユーザがUI画面を通して印刷設定を変更すると、その設定値は図14(C)のようにXML形式で保持される。図14(C)に例示するXMLによれば、両面出力、モノクロ出力、およびA4サイズが設定されている。なお、図11(C)に図示されていないレイアウトとステイプルの設定値は、ここでは初期値がそのまま保存されるものとする。ユーザがOKボタン1124を押下すると設定が確定し、操作部702は印刷設定を保持するXMLと該当プリンタのVPIDをユーザ情報格納部703に送る。ユーザ情報格納部703は該当ユーザの該当プリンタの印刷設定規定値1213を受け取った設定値へと更新する。以上により、メイン処理管理サービス321は、ユーザ毎に、プリンタ毎の印刷設定を管理し、同じプリンタでもユーザ毎に異なる規定値を持つことが可能となる。
【0052】
ユーザが、図11(B)のUIで表示された連携ボタン1115を押下すると、操作部702は連携処理要求送信部710に連携処理を指示する。連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、選択された印刷サービスと連携するための連携処理要求を送信する。このとき、ユーザIDと、ユーザが利用可能なプリンタに対応するVPID一覧、および各VPIDに関連付けられているプリンタ情報を送る。すなわち、ここで送られるVPIDに関連付けられている情報とは、プリンタ情報格納部505で管理されているプリンタネーム1203、ケーパビリティーズ1204、およびユーザ情報格納部703で管理されている印刷設定規定値1213である。ユーザがOKボタン1116を押下すると、処理が終了し、前の画面に戻ることができる。なお、図11(B)の複合設定の追加/削除ボタン1117に関しては、後述する。
【0053】
次に、印刷中継サーバ120が有する連携処理管理サービス324の本登録系に分類される機能について説明する。図8に示す連携処理管理サービス324は、連携処理要求受信部801、制御部802、ユーザ情報格納部803、およびプリンタ情報格納部804を備える。また、連携処理管理サービス324は、印刷サービス認証部810、プロキシ作成部811、プロキシ要求送信部812、およびプリンタ情報要求受信部820を備える。連携処理管理サービス324は、印刷サービス毎にひとつ存在し、印刷サービスとの通信方式に対応したインターフェースを持つプロセスを作成する。本実施例では該プロセスとして印刷サービス用プロキシ325を生成する。また連携処理管理サービス324は、通信や印刷実行に必要な情報を管理する。
【0054】
連携処理要求受信部801は、連携処理要求送信部710から連携処理要求を受信する。連携処理要求受信部801は、ここでは連携処理要求に含まれる情報として、プリンタネーム、ケーパビリティーズ、印刷設定を受け取る。連携処理要求受信部801は、受け取った情報を制御部802に送る。制御部802は、受け取った情報を解釈する。制御部802は、ユーザ情報格納部803に指示し、ユーザ情報格納部803が管理する情報に該当するユーザIDがあるかを確認する。なお、ユーザ情報格納部803が管理する情報の詳細については後述する。
【0055】
ユーザIDがなかった場合、このユーザは初めてこの印刷サービスを利用したことを意味するので、対象の印刷サーバ群130の印刷サービス330に対してユーザ認証を行う。ここでは、制御部802が印刷サービス認証部810に指示し、印刷サービス認証部810は印刷サーバ群130へのログインを行う。ここでは、ユーザが、印刷サービス330がWebブラウザ340に表示させたログイン画面に、印刷サービスへアクセスするためのユーザアカウント(IDやパスワード)を入力する。ユーザ認証が成功すると、印刷サービス認証部810は印刷サーバ群130から認証トークンを受け取るので、それを制御部802に渡す。なお、ユーザ認証に失敗した場合は、ユーザは印刷サービスを利用できないことを意味するため、連携処理要求受信部801から失敗というステータスをメイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710に返す。
【0056】
次に、プロキシ作成部811は、制御部802から指示を受け印刷サービス用プロキシ325を作成する。印刷サービス用プロキシ325は、図9に示す各機能を実現する。プロキシ作成部811は、対象となる印刷サービスとの通信方式に準拠した通信モジュールAy910を有する。通信モジュールAy910は、印刷サーバ群130と通信を行うためのインターフェースであり、後述する印刷サービス330が有する通信モジュールAx1010と通信を行うことが可能である。プロキシ作成部811は、この通信モジュールをロードしたプロセス(スレッド)を実現する。このプロセスが、印刷サービス用プロキシ325に相当する。印刷サービス用プロキシ325は、通信モジュールの他に、印刷サービスにプリンタを登録する機能、印刷サービスから取得した印刷データや印刷設定を別のモジュールに引き渡す機能を有する。印刷サービス用プロキシ325の各機能の詳細は後述する。
【0057】
プロキシ作成部811は、印刷サービス用プロキシ325を実現した際に、実現した印刷サービス用プロキシ325を識別するための識別情報であるプロキシIDを発行する。プロキシ作成部811は、発行したプロキシIDを制御部802に送る。尚、印刷サービス用プロキシ325は、ユーザIDごとに実現されるものであり、実現された夫々の印刷サービス用プロキシには固有の識別情報であるプロキシIDが割り当てられる。本実施例では、プロキシIDから印刷サービス用プロキシ325を特定することができる。なお、プロキシIDは印刷サービス330が発行する場合もある。このときは、印刷サービス330から受信したプロキシIDを管理する。
【0058】
印刷サービス用プロキシ325が作成された後、制御部802は、プロキシ要求送信部812に指示し、プリンタの登録要求を行う。プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325に対し、印刷サービス330への画像形成装置110の登録を要求する。このとき、ユーザの認証トークン、プロキシID、VPID一覧とその関連情報を送信する。後述するように、印刷サービス用プロキシ325は、プリンタの登録処理を行うと、第1プリンタ識別情報として各VPIDに対応するSPID(Service Printer ID)を生成し、返信する。本実施例では、印刷サービス用プロキシ325は、サポート情報もこの時に送る。SPID、サポート情報についての詳細は後述する。SPID一覧を受け取ったプロキシ要求送信部812は、その情報を制御部802に返信する。
【0059】
上述したように、プロキシ作成部811とプロキシ要求送信部812が処理を終えると、制御部802は生成された印刷サービス用プロキシ325のプロキシIDと、印刷サービス330に登録されたVPIDに対応するSPID一覧を取得する。ユーザ情報格納部803は、制御部802から指示を受け、印刷中継サーバ120で管理されているユーザIDと印刷サービス330へのプロキシID、および関連情報を、図12(C)に示す管理テーブルのように関連付けて格納する。図12(C)に示す管理テーブルは、ユーザID1221、プロキシID1222、本ユーザが利用可能なVPID一覧1223を含む。また、プリンタ情報格納部804は、制御部802から指示を受け、SPIDとVPID、および関連情報を、図12(D)に示す管理テーブルのように関連付けて格納する。すなわち、プリンタ情報格納部804は、印刷設定とプリンタ情報とを関連づけて格納する格納手段として機能する。図12(D)に示す管理テーブルは第1プリンタ情報として管理され、SPID1231、VPID1232、プリンタネーム1233、ケーパビリティーズ1234、および印刷設定規定値1235を含む。
【0060】
次に、印刷中継サーバ120が有する印刷サービス用プロキシ325の本登録系に分類される機能について説明する。印刷サービス用プロキシ325は、要求受信部901、印刷サービスプリンタ生成部902、印刷データ取得部911、印刷設定取得部912、および印刷通知受信部を備える。また、印刷サービス用プロキシ325は、制御部915、プリンタ情報要求送信部916、印刷データ格納部921、印刷設定格納部922、印刷通知送信部923を備える。
【0061】
印刷サービス用プロキシ325は、印刷サービス330との通信方式に対応した通信インターフェースを持つプロセスである。印刷サービス用プロキシ325は、印刷サービスごとに存在する連携処理管理サービス324のプロキシ作成部により、夫々の印刷サービスに対して、ユーザアカウントごとに生成される。そして、生成された各印刷サービス用プロキシ325が、夫々個別に印刷サービス330と接続されることにより、すべてのユーザが、すべての印刷サービスに対して、同時に接続されている形態となる。ここでは印刷サービス330に対してプリンタを登録する処理を行う。以下、図9を用いて印刷サービス用プロキシ325の機能を説明する。
【0062】
要求受信部901は、プロキシ要求送信部812からプリンタの登録要求、およびユーザの認証トークン、プロキシID、VPID一覧とその関連情報を受け取る。要求受信部901は、印刷サービスプリンタ生成部902に登録処理を指示する。印刷サービスプリンタ生成部902は、受信した認証トークンを用いて印刷サービス330に接続し、以後接続を続ける。次に印刷サービスプリンタ生成部902は、受信した情報を元に印刷サービス330に対してプリンタの登録要求を行う。図15(D)は、印刷サービス330に対するプリンタ登録要求情報の一例であり、XMLで記載された情報は、プリンタネーム1341、プロキシID1342、ケーパビリティーズ1343、印刷設定1344を含む。ここでは一台分のプリンタ情報が記載されているが、一度の要求で複数台分をまとめて記載してもよい。すなわち、印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330へ印刷設定を含むプリンタ情報を送信するとともに、プリンタ情報を印刷サービス装置へ登録する登録手段として機能する。
【0063】
印刷サービスプリンタ生成部902は、登録要求の応答として、印刷サービス330からSPIDを受け取る。図15(E)はその応答一例であり、XMLで記載されており、各プリンタに対応するSPID1351が割り当てられている。ここでは一台分の応答情報が記載されているが、一度の返信で複数台分をまとめて応答してもよい。また、この時に、印刷サービス330は、Java(登録商標)scriptの動作環境、印刷設定、一括設定などを含む自身のサービス能力に関する情報であるサポート情報を印刷サービス用プロキシ325に渡してもよい。印刷サービスプリンタ生成部902は受け取ったSPIDまたはサポート情報を要求受信部901に返信し、要求受信部901は該情報をプロキシ要求送信部812に返信する。なお、本実施例では、印刷サービスのサポート情報はメイン処理管理サービス321のユーザ情報格納部703に格納されるものとする。その他の機能については後述する。
【0064】
次に、印刷サーバ群130の有する本登録系に分類される機能について説明する。印刷サーバ群130は、印刷サービス330を有する。印刷サーバ群130は、複数台のサーバを仮想化して1台のサーバとみなし、その1台のサーバで印刷サービス330の機能を実現している。なお、印刷サーバ群130は、その1台のサーバ内に複数のヴァーチャルマシンを起動し、夫々のヴァーチャルマシンに対して印刷サービス330の機能を実現させている。図3に示す印刷サービス330は、その内の1台を示したものである。
【0065】
印刷サービス330は、プリンタの登録を受け付け、アプリケーションから選択可能なサービスプリンタを作成する。以下、図10を用いて印刷サービス330の機能を説明する。印刷サービス330は、プリンタ情報登録部1001、プリンタ情報格納部1002、プリンタ情報提示部1003、印刷指示受付部1004、印刷データ情報取得部1005、および制御部1006を備える。また、印刷サービス330は、印刷データ格納部1011、印刷設定格納部1012、および印刷通知送信部1013を備える。
【0066】
プリンタ情報登録部1001は、プリンタ登録要求と上述したその関連情報を印刷サービスプリンタ生成部902から受信する。プリンタ情報登録部1001は、受信した情報を元に登録要求のあった各画像形成装置110に対応するサービスプリンタを作成し、夫々のサービスプリンタに対するSPIDを発行する。
【0067】
SPID(Service Printer ID)とは、印刷サービス330が、プリンタ登録要求を受けた際に、そのプリンタを識別するために発行する識別情報である。印刷時に印刷サービス330のプリンタが選択されると、印刷サービス330は選択されたプリンタに対応するSPIDでプリンタを識別する。プリンタ情報登録部1001は、プリンタ情報格納部1002、および印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902に発行したSPIDを送信する。
【0068】
プリンタ情報格納部1002は、印刷サービス330におけるユーザIDと、SPID、プリンタネーム、プロキシID、ケーパビリティーズ、および印刷設定を関連付けて格納する。図12(E)は、プリンタ情報格納部1002が格納している情報を示す図である。図12(E)に示す管理テーブルは、ユーザID1241、SPID1242、プリンタネーム1243、プロキシID1244、ケーパビリティーズ1245、および印刷設定規定値1246を含む。図12(E)で例示するUserB@xxx.comで管理する情報のように、異なるプロキシIDを持つインターフェースからプリンタ登録を行った場合は、どの画像形成装置110がどの印刷サービス用プロキシ325から登録されたか判るように管理される。以上、説明してきた機能が、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330に登録する本登録系に分類される機能である。
【0069】
次に、印刷系に分類される機能について説明する。始めに、クライアント140が有する機能について説明する。クライアント140は、Webブラウザ340を有する。Webブラウザ340は、Webアプリケーションサーバ群150に保存されているコンテンツの印刷指示を、Webアプリケーションサーバ群150に送信する。また、Webブラウザ340は、Webアプリケーションサーバ群150から印刷サーバ群130へのアクセス命令、即ち、リダイレクトの指示を受信し、受信したリダイレクトの指示に従い印刷サーバ群130へアクセスする。また、Webブラウザ340は、そのWebブラウザ340を利用しているユーザが印刷可能なプリンタの一覧リストを、アクセスした印刷サーバ群130から取得し一覧リストを表示する。また、Webブラウザ340は、その一覧リストからユーザが選択したプリンタに対応する印刷設定画面を、印刷サーバ群130から取得しその印刷設定画面を表示する。図11(C)は、Webブラウザ340が表示するユーザが選択したプリンタに対応する印刷設定画面の一例である。また、Webブラウザ340は、その印刷設定画面でユーザが設定した印刷設定値を印刷サーバ群130へ送信する。
【0070】
次に、Webアプリケーションサーバ群150が有する機能について説明する。Webアプリケーションサーバ群150は、Webアプリケーション350を有する。Webアプリケーションサーバ群150は、複数台のサーバを仮想化して1台のサーバとみなし、その1台のサーバでWebアプリケーション350の機能を実現している。なお、Webアプリケーションサーバ群150はその1台のサーバ内に複数のヴァーチャルマシンを起動し、夫々のヴァーチャルマシンに対してWebアプリケーション350の機能を実現させている。
【0071】
Webアプリケーション350は、文書作成サービスを提供する。ユーザは、例えば、会社の会議で資料を配布したい場合に、その資料を作成するため文書作成サービスを利用する。クライアント140がWebアプリケーション350を利用する場合は、クライアント140にそのアプリケーションをインストールする必要はなく、Webブラウザ340を有していれば良い。Webアプリケーション350は、その資料を作成するための画面情報を、Webブラウザ340に送信する。
【0072】
なお、Webアプリケーション350は、Webブラウザ340を介してユーザが入力したユーザID、およびパスワードを含むユーザ情報を基に認証を行い、認証が成功したことに応じて資料を作成するための画面情報を送る。その画面情報を受信したWebブラウザ340は、その画面情報を基に文書を作成するための作成画面を表示し、ユーザはその作成画面を用いて会議で配布する資料を作成する。Webアプリケーション350は、ユーザがその作成画面を用いて作成した資料の情報を受信し、受信した情報を基にコンテンツを作成し、Webアプリケーションサーバ群150の不図示の記憶装置に作成したコンテンツを記憶させる。なお、Webアプリケーション350は、文書作成サービスに限らずメールサービス、スケジュールサービスも提供している。
【0073】
文書作成サービスを利用し作成したコンテンツを印刷したいユーザは、その作成画面に表示されている印刷ボタンを押す(不図示)。Webアプリケーション350は、その印刷ボタンが押されたという情報を受信し、印刷サーバ群130へのアクセス命令、即ち、リダイレクトの指示をWebブラウザ340へ送信する。なお、リダイレクト指示は、上述したWebブラウザ340を利用しているユーザに対応する一覧リストを取得するための要求、ユーザが印刷を指示したコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報、およびユーザ情報を含む。また、Webアプリケーション350は、印刷サーバ群130からコンテンツの取得要求があった場合に、その取得要求と共に送られたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を基に、対象のコンテンツを印刷サーバ群130へ送信する。
【0074】
次に、印刷サーバ群130の有する印刷系に分類される機能について説明する。印刷サーバ群130は、印刷サービス330を有する。印刷サービス330は、Webアプリケーション350から印刷データを取得し、プリンタ、またはそれに準拠するインターフェースを持つモジュールに対して印刷データを送信し、印刷を遂行する。以下、図10を用いて印刷サービス330の印刷機能を説明する。
【0075】
プリンタ情報提示部1003は、Webブラウザ340から一覧リスト取得要求を受信する。プリンタ情報提示部1003は、ユーザ情報であるUser ID1241を基にプリンタ情報格納部1002が格納しているSPID、プリンタネームを特定する。そして、プリンタ情報提示部1003は、SPID、プリンタネームを基に、そのユーザが利用可能な画像形成装置110の一覧リストを生成し、該一覧リストをWebブラウザに送信する。
【0076】
ユーザが一覧リストから画像形成装置110を選択すると、プリンタ情報提示部1003は、一覧リストからユーザが選択した画像形成装置110のSPIDを受信する。プリンタ情報提示部1003は、受信したSPIDを基にプリンタ情報格納部1002が格納しているケーパビリティーズを特定し、印刷設定画面を生成し、生成した印刷設定画面をWebブラウザ340へ送信する。また、受信したSPIDを基にプリンタ情報格納部1002が格納している印刷設定規定値を特定し、設定の初期値とする。
【0077】
プリンタ情報格納部1002は、図12(E)に示すケーパビリティーズの情報から図11(C)に示す印刷設定画面を生成する。図11(C)に示すように、プリンタ情報格納部1002は、ケーパビリティーズに記載された印刷設定しか選択できないように印刷設定画面を生成する。
【0078】
印刷指示受付部1004は、ユーザが印刷設定画面を介して設定した印刷設定と、SPIDをWebブラウザ340から受信する。また、印刷指示受付部1004は、Webブラウザ340がリダイレクトの指示に基づいてアクセスしてきた際に、ユーザが印刷を指示したコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を受信する。
【0079】
印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からコンテンツ識別情報を受信し、受信したコンテンツ識別情報を基にWebアプリケーション350から印刷対象となるコンテンツを取得する。また、印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からユーザが入力した印刷設定、およびユーザが選択したプリンタに対応するSPIDを受信する。なお、印刷データ情報取得部1005は、Webアプリケーション350から取得したコンテンツと印刷設定を基に、必要に応じてコンテンツを印刷データに変換する場合もある。
【0080】
制御部1006は、印刷データ情報取得部1005から印刷データ、印刷設定、SPIDを取得する。印刷設定は、図14(C)のようにXML形式で記載されている。図14(C)によれば、ユーザは両面設定、およびモノクロ設定、および用紙サイズA4を設定したことが分かる。
【0081】
通信モジュールAx1010は、通信モジュールAy910を有する装置と通信を行うことが可能であり、2者間のデータ通信のインターフェースである。通信モジュールAx1010は印刷データ格納部1011、印刷設定格納部1012、印刷通知送信部1013を有する。印刷データ格納部1011は、制御部1006から印刷データを受信し格納する。印刷設定格納部1012は、制御部1006から印刷設定を受信し格納する。制御部1006は、印刷データ格納部1011、および印刷設定格納部1012から格納が終了した旨を受信したことに応じて、印刷通知送信部1013に通知情報を送るように指示をする。
【0082】
印刷通知送信部1013は、制御部1006から通知情報を送るように指示されたことに応じて、印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を制御部1006から取得し、通知情報Aを生成する。通知情報Aは、図15(F)に示すXMLで表されており、SPID1361、印刷データの格納場所1362、印刷設定の格納場所1363を含む。また、印刷通知送信部1013は、SPIDを制御部1006から取得し、プリンタ情報格納部1002が格納している情報を基にプロキシIDを特定する。印刷通知送信部1013は、特定したプロキシIDを持つインターフェースに対して、そのプロキシが管理するSPIDに対する印刷データの準備ができたことを通知するため通知情報Aを送信する。
【0083】
次に、印刷中継サーバ120の印刷系に分類される機能について説明する。図9を参照し、印刷サービス用プロキシ325の印刷系に分類される機能について説明する。印刷サービス用プロキシ325は、通信モジュールAy910を有する。通信モジュールAy910の印刷通知受信部913は、印刷通知送信部1013から送信される通知情報Aを受信する。印刷サービス330には、印刷サービス用プロキシ325を通して中継仮想プリンタ323が登録されているため、通知情報Aは印刷サービス用プロキシ325の通信モジュールAy910に送信される。この通信モジュールAyは通信モジュールAxと対をなすモジュールであるため、印刷通知受信部913は、通知情報Aを解釈することが可能である。
【0084】
印刷通知受信部913は、制御部915に指示し、出力するプリンタを確定する。制御部915は、まず印刷通知情報Aから図15(F)に示すサービスプリンタのSPID1361を取得する。次に制御部915は、プリンタ情報要求送信部916へ、SPIDに対応するVPID値を要求する。プリンタ情報要求送信部916は、連携処理管理サービス324のプリンタ情報要求受信部820へ、SPIDに対応するプリンタ情報を要求する。プリンタ情報要求受信部820は要求を受信すると、プリンタ情報格納部804から、指定されたSPIDに関連付けられたVPIDを含むプリンタ情報を取得し、プリンタ情報要求受信部820へ返信する。プリンタ情報要求受信部820は、該情報をプリンタ情報要求送信部916へ返信する。プリンタ情報要求送信部916は、取得した情報の中からVPID値を取得し、制御部915に送信する。制御部915は取得したVPIDを印刷通知送信部923へ送信する。印刷通知送信部923は、取得したVPIDから、データを送信すべき中継仮想プリンタ323を特定する。
【0085】
また、印刷通知受信部913は、通知情報Aに記載されている印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を確認し、夫々の情報を印刷データ取得部911、印刷設定取得部912に通知する。印刷データ取得部911は、通知された印刷データの格納場所を基に、印刷データ格納部1011から印刷データを取得し、印刷データ格納部921に指示して格納する。印刷データを格納した印刷データ格納部921は、格納場所を印刷通知送信部923に通知する。また印刷設定取得部912は、通知された印刷設定の格納場所を基に、印刷設定格納部1012から印刷設定を取得し、印刷設定格納部922に指示して格納する。印刷設定を格納した印刷設定格納部922は、格納場所を印刷通知送信部923に通知する。
【0086】
印刷通知送信部923は、印刷データ格納部921、および印刷設定格納部922から格納が終了した旨を受信したことに応じて、通知情報Bを生成する。通知情報Bは図15(G)に示すXML形式で表現することができる。通知情報Bは、印刷データの格納場所1371、印刷設定の格納場所1372を含む。印刷通知送信部923は、制御部915が特定した中継仮想プリンタ323の印刷通知受信部603へ、通知情報Bを送信する。この通知情報Bは第2の仕様に相当し、印刷サービス用プロキシ325と中継仮想プリンタ323の間の通信で用いられる。印刷サービス用プロキシ325と中継仮想プリンタ323は印刷中継サーバ120内に存在し、任意の組み合わせで通信が可能となる。ここで、第2の仕様は、印刷中継サーバ120の内部フォーマットではあるが、印刷サービス用プロキシ325の実装や扱うデータフォーマットは印刷サービス330に大きく依存するため、汎用性の高いフォーマットとなる。そして、印刷通知送信部923および印刷通知受信部603が、第2の通信手段に相当する。
【0087】
図6に戻り中継仮想プリンタ323の印刷系に分類される機能について説明する。印刷通知受信部603は、印刷通知送信部923から通知情報Bを受け取る。印刷通知受信部603は、通知情報Bに記載されている印刷データの格納場所、および印刷設定の格納場所を確認し、夫々の情報を印刷データ取得部601、印刷設定取得部602に通知する。
【0088】
印刷データ取得部601は、通知された印刷データの格納場所を基に、印刷データ格納部921から印刷データを取得する。印刷設定取得部602は、通知された印刷設定の格納場所を基に、印刷設定格納部922から印刷設定を取得する。
【0089】
印刷ジョブ生成部604は、印刷データ取得部601から印刷データを、また印刷設定取得部602から印刷設定を夫々受け取り、画像形成装置110の能力と印刷設定に応じた印刷ジョブを生成する。ここで言う画像形成装置110の能力とは、画像形成装置110が解釈可能な印刷データのフォーマットや、画像形成装置110自身が指定場所からデータをダウンロードすることが可能かどうか、という情報を含む。これは、中継仮想プリンタ管理サービス322が管理するプリンタ情報の中のケーパビリティーズ1204に記載されている。従って、画像形成装置110が、印刷データ取得部601が受信した印刷データを解釈可能であれば、それを変換せずに印刷ジョブとしてもよい。
【0090】
印刷ジョブ生成部604は、生成した印刷ジョブを印刷ジョブ格納部611に格納し、印刷通知送信部612に格納場所を通知する。印刷通知送信部612は、格納場所を含む通知情報Cを生成し、画像形成装置110に通知情報Cを送信する。通信モジュールCx610に対応する通信モジュールCy410は、画像形成装置110に実装されている。
【0091】
図4に戻り、画像形成装置110の印刷系に分類される機能について説明する。画像形成装置110の印刷制御部310は、中継仮想プリンタ323から印刷データを受信し、印刷を実行する。印刷制御部310は、通信モジュールCy410を有している。通信モジュールCy410の印刷通知受信部412は、印刷通知送信部612から送信されてくる通知情報Cを受信する。この通信モジュールCyは、通信モジュールCxと対を成すモジュールであるため、通知情報Cを解釈することが可能である。なお、中継仮想プリンタ323と画像形成装置110がデータ通信を行うためにデバイスベンダーが規定した仕様は、第3の仕様に相当し、デバイスベンダーがハンドリング可能な仕様である。通信モジュールCx、および通信モジュールCyのインターフェースは、第3の仕様に準じて作成されるインターフェースである。そして、印刷通知送信部612が第3の通信手段に相当する。
【0092】
印刷通知受信部412は、通知情報Cに記載されている印刷ジョブの格納場所を確認し、その情報を印刷ジョブ取得部411に通知する。印刷ジョブ取得部411は、通知された印刷ジョブの格納場所を基に、印刷ジョブ格納部611から印刷ジョブを取得する。印刷通知受信部412は、印刷ジョブ取得部411が取得した印刷ジョブを印刷実行部413に送信し、印刷の実行を指示する。指示を受けた印刷実行部413は、受け取った印刷ジョブを出力するよう印刷ユニットに指示を出す。以上が、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、印刷データを画像形成装置110に印刷させる印刷系の説明である。
【0093】
ここからは、事前登録系に分類される処理、本登録系に分類される処理、印刷系に分類される処理について、夫々図18、図19、図20、図21のシーケンス図を用いて説明する。一つ目として、画像形成装置110を印刷中継サーバ120に登録し、印刷中継サーバ120内に中継仮想プリンタ323を実現する処理について、図18を用いて説明する。
【0094】
S1601において、ユーザは画像形成装置110の表示部401から中継仮想プリンタ管理サービス322への登録操作を行う。S1602において、印刷制御部310の登録要求送信部402は、中継仮想プリンタ管理サービス322の登録要求受信部501にプリンタの登録を要求する。S1603において、仮想プリンタ生成部503は、制御部502を介して登録要求受信部501からプリンタの登録要求を受け取り、該登録要求に含まれる登録情報を基に中継仮想プリンタ323を実現する。
【0095】
S1604において、中継仮想プリンタ323は、作成成功の応答を中継仮想プリンタ管理サービス322へ送信する。S1605において、中継仮想プリンタ管理サービス322の仮想プリンタ生成部503は、作成した中継仮想プリンタ323を識別するためのVPIDを発行する。S1606において、プリンタ情報格納部505は、制御部を介してVPIDとそれに関連付けられたプリンタ登録情報を管理テーブルとして格納する。これが図12(A)に示すテーブルに相当し、プリンタ情報格納部505は、VPIDをRPIDやその名称、能力等と関連づけて管理する。S1607において、中継仮想プリンタ管理サービス322の登録要求受信部501は、プリンタの登録が完了した旨を印刷制御部310の登録要求送信部402に通知する。S1608において、登録要求送信部402は、画像形成装置110の表示部401にプリンタの登録が完了した旨を表示するよう指示を出す。以上が一つ目の事前登録処理の説明となる。
【0096】
続いて、二つ目として、印刷中継サーバ120で管理される中継仮想プリンタ323を、印刷サービス用プロキシ325を通して印刷サービス330に登録する処理について、図19を用いて説明する。S1701において、ユーザはWebブラウザ340を介して、印刷中継サーバ120のメイン処理管理サービス321にログインする。S1702において、メイン処理管理サービス321のログイン受付部701は、作成したUIを通してユーザの操作を受け付け、印刷サービス330への印刷設定などを含むプリンタ情報と、プリンタ登録の要求を受け取る。S1703において、連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報を送る。
【0097】
S1704において、連携処理管理サービス324の印刷サービス認証部810は、印刷サービス330に対してユーザ認証を行う。ここでは、ユーザが、印刷サービス330がWebブラウザ340に表示させたログイン画面に、印刷サービスへアクセスするためのユーザアカウント(IDやパスワード)を入力する。S1705において、印刷サービス330は、ユーザ認証が成功すると、認証成功応答と認証トークンを返送する。返送された認証トークンは、印刷サービス認証部810が受け取る。本認証トークンは、以後印刷サービス330と通信を行うために利用可能となる。本実施例では、印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902が印刷サービス330と通信を行う際に用いられる。本認証トークンは印刷サービス用プロキシ325に渡れば良いので図示していないが、図12(C)に示す管理テーブルに追加して連携処理管理サービス324が管理してもよい。
【0098】
S1706において、連携処理管理サービス324のプロキシ作成部811は、印刷サービス用プロキシ325を本ユーザアカウント用に実現する。S1707において、印刷サービス用プロキシ325は、作成成功の応答をプロキシ作成部811へ送信する。S1708において、プロキシ作成部811は、作成した印刷サービス用プロキシ325を識別するためのプロキシIDを発行する。S1709において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330への認証トークン、プリンタの登録要求、およびプリンタ情報を送る。
【0099】
S1710において、印刷サービス用プロキシ325の印刷サービスプリンタ生成部902は、前述した認証トークンを用いて印刷サービス330と接続を行う。次に印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して、プリンタの登録要求とプリンタ情報を送る。S1711において、プリンタ情報登録部1001は、登録要求のあった画像形成装置110をサービスプリンタとして登録し、サービスプリンタに対して個別に識別するためのSPIDを発行する。その際、プリンタ情報登録部1001は、図12(E)に示す管理テーブルを作成し、発行したSPIDとプリンタ情報とを関連付けてプリンタ情報格納部1002に格納する。
【0100】
S1712において、プリンタ情報登録部1001は、印刷サービスプリンタ生成部902に対して、作成成功の応答とSPIDを返信する。S1713において、要求受信部901は、印刷サービスプリンタ生成部902から作成成功応答とSPIDを受け取り、プロキシ要求送信部812に渡す。
【0101】
S1714において、連携処理管理サービス324の制御部802は、ユーザIDとそれに関連付けられたプロキシIDなどの情報を、ユーザ情報としてユーザ情報格納部803に格納する。これが図12(C)に示す管理テーブルに相当する。S1715において、プリンタ情報格納部804は、SPIDとそれに関連付けられたVPIDなどの情報を、プリンタ情報として格納する。これが図12(D)に示す管理テーブルに相当する。
【0102】
S1716において、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801は、印刷サービス330へのプリンタの登録が完了した旨をメイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710に通知する。S1717において、ログイン受付部701は、操作部702から指示を受け、プリンタの登録が完了した旨をWebブラウザ340に表示させる。以上が、二つ目の本登録処理の説明となる。
【0103】
三つ目の処理として、印刷サーバ群130が生成した印刷データを、印刷中継サーバ120を経由して、画像形成装置110に印刷させる処理について、図20および図21を用いて説明する。S1801において、Webブラウザ340は、ユーザが編集を行いたいコンテンツの表示を、Webアプリケーション350に要求する。S1802において、Webアプリケーション350は、要求されたコンテンツに対応するコンテンツの画面をWebブラウザ340に送信する。S1803において、Webブラウザ340は、ユーザがコンテンツの画面を介して印刷を指示したことに応じて、印刷サービス330に登録されているサービスプリンタの一覧画面を要求する。
【0104】
S1804において、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、対応するサービスプリンタの一覧画面を生成し、Webブラウザ340に送信する。プリンタ情報提示部1003は、プリンタ情報格納部1002が格納する図12(E)の管理テーブルを参照し、該当するユーザIDに紐付いたプリンタネーム一覧を取得することで一覧画面を作成することができる。S1805において、ユーザはサービスプリンタを選択する。S1806において、Webブラウザ340は、ユーザが選択したサービスプリンタに対応する印刷設定画面を要求する。S1807において、プリンタ情報提示部1003は、印刷設定画面をWebブラウザ340に送信する。S1808において、Webブラウザ340は、ユーザが印刷設定画面を介して入力した印刷設定を印刷サービス330の印刷指示受付部1004に送信する。
【0105】
S1811において、印刷指示受付部1004は、ユーザが印刷を指示した印刷データのコンテンツ識別情報を印刷データ情報取得部1005に渡す。印刷データ情報取得部1005は、受信したコンテンツ識別情報を基にWebアプリケーション350から印刷対象となるコンテンツを取得する取得する。また、印刷データ情報取得部1005は、印刷指示受付部1004からユーザが入力した印刷設定、およびユーザが選択したプリンタに対応するSPIDを受信する。印刷データ情報取得部1005は、印刷データを取得または生成する。また制御部1006は、印刷データ情報取得部1005から印刷設定、SPIDを取得する。次に、印刷データ格納部1011は、制御部1006から印刷データを受信し格納する。印刷設定格納部1012は、制御部1006から印刷設定を受信し格納する。さらに制御部1006は、ダウンロード可能な状態に整える。
【0106】
S1812において、制御部1006は、プリンタ情報格納部1002が格納する図12(E)に示す管理テーブルを参照し、指定されたプリンタネームと関連付けされているSPIDとプロキシIDから印刷サービス用プロキシ325を特定する。S1813において、印刷通知送信部1013は、特定した印刷サービス用プロキシ325の印刷通知受信部913に対して、SPIDで指定されたサービスプリンタ用の印刷データが生成されたことを通知する。S1814において、印刷サービス用プロキシ325の印刷データ取得部911は、印刷サービス330の印刷データ格納部1011に印刷データの取得を要求する。S1815において、印刷データ取得部911は、印刷データ格納部1011から印刷データを取得する。S1816において、印刷サービス用プロキシ325の印刷設定取得部912は、印刷サービス330の印刷設定格納部1012に印刷設定の取得を要求する。S1817において、印刷設定取得部912は、印刷設定格納部1012から印刷設定を取得する。
【0107】
S1821において、印刷サービス用プロキシ325のプリンタ情報要求送信部916は、中継仮想プリンタ管理サービス322のプリンタ情報要求受信部510に、SPIDに対応するVPID値を問い合わせる。S1822において、プリンタ情報要求受信部510は、プリンタ情報格納部が格納する図12(D)に示す管理テーブルを参照し、指定されたSPIDに対応するVPIDを取得し、そのVPID値をプリンタ情報要求送信部916に返信する。S1823において、制御部915は、プリンタ情報要求送信部916から取得したVPIDで識別される中継仮想プリンタ323のプロセスを特定する。
【0108】
S1824において、印刷通知送信部923は、は、中継仮想プリンタ323の印刷通知受信部603に対し、印刷データおよび印刷設定の準備ができたことを通知する。S1825において、中継仮想プリンタ323の印刷データ取得部601は、印刷サービス用プロキシ325の印刷データ格納部921に印刷データの取得を要求する。S1826において、印刷データ取得部601は、印刷データ格納部921から印刷データを取得する。S1827において、中継仮想プリンタ323の印刷設定取得部602は、印刷サービス用プロキシ325の印刷設定格納部922に印刷設定の取得を要求する。S1828において、印刷設定取得部602は、印刷設定格納部922から印刷設定を取得する。
【0109】
S1831において、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ生成部604は、印刷データ取得部601および印刷設定取得部602からそれぞれ印刷データおよび印刷設定を取得する。印刷ジョブ生成部604は、取得した印刷設定および印刷データから印刷ジョブ(PDLデータやラスターイメージ)を生成する。S1832において、印刷通知送信部612は、対応する印刷制御部310の印刷通知受信部に印刷ジョブを生成したことを通知する。ここで、対応する画像形成装置110、すなわち、VPIDで識別可能な中継仮想プリンタ323に関連付けられているRPIDで識別可能な実際の画像形成装置110は、図12(A)の管理テーブルより取得可能である。なお、本実施例のように、中継仮想プリンタ323を実現する際に、対応する画像形成装置110と接続関係を結んでおいてもよい。S1833において、印刷制御部310の印刷ジョブ取得部411は、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ格納部611に印刷ジョブの取得を要求する。S1834において、印刷ジョブ取得部411は、印刷ジョブ格納部611から印刷ジョブを取得する。S1835において、印刷実行部413は、取得した印刷ジョブを出力するよう印刷ユニットに指示を出す。
【0110】
S1840において、印刷通知受信部412は、印刷実行結果のステータスを中継仮想プリンタ323の印刷通知送信部612に送る。S1841において、印刷通知送信部612は、印刷実行結果のステータスを印刷サービス用プロキシ325の印刷通知送信部923に送る。S1842において、印刷通知送信部923は印刷実行結果のステータスを印刷サービス330の印刷通知送信部1013に送る。以上が、三つ目の印刷処理の説明となる。
【0111】
以上示した通り、Webブラウザ340を通してユーザが行った印刷指示は、指定したSPIDを持つ印刷サービス用プロキシに通知され、SPIDに対応するVPIDが特定され、VPIDに対応するRPIDが特定される。そしてRPIDに対応するプリンタに印刷される。また、印刷サービス用プロキシ325が、印刷サービス330ごとに、かつユーザID毎に存在するため、いずれのユーザのいずれの印刷サービスからの印刷も常時プッシュプリントが可能になる。
【0112】
実施例1の前半部分の説明は以上である。以後の後半部分では、前半部分で説明した3系統の基本機能を発展させ、一括設定機能を実現するための発展機能について説明する。前半で説明した3系統の基本機能は、1.事前登録、2.本登録、3.印刷からなり、ユーザがこの順でシステムを利用・操作することを前提にしている。しかしながら、その前提が成立しないケースがしばしば存在する。印刷開始時にはまずユーザがアプリケーションからプリンタを選択し、そのプリンタの能力に応じた印刷設定を行うが、該印刷設定を適切に行えない場合がある。
【0113】
たとえば、階層表示やグループ表示ができなければ、ユーザは多機能な設定項目の中から効率よく所望する印刷設定を行うことは難しい。また、設定項目間の禁則処理が働かなければ、不適切な組み合わせの印刷設定が残り印刷を実行できない可能性がある。また、特定の設定項目のみ表示され、他の任意の設定項目が表示されなければ、ユーザは詳細な印刷設定を行うことができない。これらの問題を解消するためのひとつの方法として、一括設定機能がある。これは予め所望する印刷設定を登録しておき、それを選択することで詳細設定まで一括して変更する手法である。所望する印刷設定(複合設定)をあらかじめ印刷サービスまたは印刷中継サーバ側で作成しておくことにより、詳細設定も禁則解除も必要に応じて実現することができる。
【0114】
しかしながら、各印刷サービスは、プリンタの能力情報を元にUI構築と動作制御を行うため、どのような処理が可能であるかは印刷サービスの仕様に依存する。一括設定を選ぶことで現在の印刷設定を一括変更できる印刷サービスが存在する一方で、印刷設定を一括変更できず、一括設定の画面を表示できない印刷サービスもある。本実施例の発展機能によれば、以下に説明する一括設定登録機能によって、印刷サービスの能力に応じて、いくつかの登録方法から適切な方法を選んで一括設定登録を実行する。これにより、ユーザは、いかなる印刷サービスにおいても一括選択、すなわち詳細項目を設定可することができる。
【0115】
はじめに、一括設定機能の概要を明らかにする。ユーザは、印刷中継サーバ120を介して、予め所望する複合設定を作成し、名前をつけて保存しておく。次にユーザは、作成済の複合設定の中から所望する設定を選択し、所望する印刷サービスに対して、一括設定機能の選択肢として登録する。このとき、印刷中継サーバ120は、印刷サービス330またはSPID発行時に印刷サービス用プロキシ325からユーザが選択している印刷サービスの能力を取得し、印刷サービスで一括設定機能を利用できると判断したら登録方法1を実施する。また、印刷中継サーバ120は、印刷サービスで一括印刷設定機能を利用することはできないが任意の設定項目を表示対象として表示することができると判断したら登録方法2を、いずれも実施できないと判断したら登録方法3を選択する。そして、印刷中継サーバ120は、それぞれの方法に従って登録を実施する。ユーザは、アプリケーションから印刷する際に登録された一括設定を選択することができる。そのあと、印刷中継サーバ120は、選択された一括設定に含まれる印刷設定に基づいて印刷ジョブを生成し、画像形成装置110に印刷を実行させる。以上が一括設定機能の概要となる。
【0116】
また、ここで言葉の定義を明確にしておく。「印刷設定」とは、印刷に関わる設定そのものである。「印刷設定」は、各機能の設定値を指す場合もあるし、印刷実行時に使われる全機能の設定の集合の場合もある。「複合設定」とは、複数の印刷設定の集合体を指し、本実施例では特に、ユーザが、印刷サービスに登録する前に事前に作成した印刷設定群を指す。「一括設定」とは、同じく複数の印刷設定の集合体を指し、本実施例では特に、ユーザが印刷サービスのUI画面上で選択できる設定を指す。「一括設定」は、事前作成された「複合設定」が印刷サービスに登録されたものとなる。また「一括設定機能」とは、各「一括設定」を選択可能にし、選択された一括設定に紐付く印刷設定を用いて印刷するための機能である。
【0117】
図22のシーケンス図を用いて一括設定の登録方法を説明する。S1901にて、ユーザは、予め複合設定を作成する。これはユーザが一括設定を印刷サービスへ登録する前準備として、ユーザが印刷中継サーバ120介して行う。つまり、ユーザは予め所望する複合設定を作成し、名前をつけて印刷中継サーバ120に保存する。
【0118】
メイン処理管理サービス321の操作部702は、図11(B)に示す複合設定の追加/削除ボタン1117の押下により、図16(A)に示すUI設定画面をWebブラウザ340に表示する。ここでは、Webブラウザ340には、作成済の複合設定1401があれば列挙される。ユーザは、削除ボタン1402を押下することにより複合設定を削除することができる。各設定項目1403では、ユーザによる任意の設定を受け付ける。ユーザが登録ボタン1405を押下すると、操作部702の指示により、ユーザ情報格納部703は名称1404に入力された名称と共に印刷設定を保存する。
【0119】
たとえば、図16(A)での設定が、両面印刷とモノクロ設定がなされ、それ以外は初期値のまま(A4サイズ、通常レイアウト、ステイプルなし)であり、その名称として“Duplex+Mono”がつけられたとする。その場合、図13(B1)に、ProfileName1214として前記名称が、ProfilePT1215として図14(B1)に示す印刷設定が、それぞれ格納される。また別の例で、ユーザが初期値からの変更で、レイアウトで「製本印刷」を、ステイプルで「サドルステッチ(中綴じ)」を選び、”Booklet+Saddle”と名付けた場合を想定する。この場合、操作部702は、図14(B2)のProfilePTを作成し、図13(B1)に示すようにユーザ情報格納部703に格納させる。ユーザがOKボタン1406を押下すると、印刷設定の処理が終了し、前の画面に戻る。
【0120】
次に、S1902にて、メイン処理管理サービス321のログイン受付部701は受付手段として機能し、ユーザが作成した複合設定を印刷サービスに登録するためのログインを受け付ける。ユーザが、図11(B)の「印刷サービスを利用」として表示された連携ボタン1115を押下すると、図16(B)に例示するUIが表示される。ユーザは対象とするプリンタ1411を選択し、ユーザが所望する複合設定1412を選択し、登録ボタン1413を押下する。ログイン受付部701は、ボタン1413の押下に起因して、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を印刷サービス330で実現する要求を受け付ける。そして以下の登録フローが開始される。
【0121】
まず、登録対象とする印刷サービスに応じて、どの登録方法を適用するか判断する。その判断を図17(A)のフローチャートを用いて説明する。S1501にて、印刷中継サーバ120は、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるか判断し、利用できる場合はS1502にて「登録方法1」の手法を用いて登録する。一括設定機能が利用できるか否かの判断方法は後述する。また「登録方法1」の詳細は後述する。
【0122】
S1501において、印刷中継サーバ120が、印刷サービス330で一括設定機能を利用できない(すなわちNo)と判断した場合、S1503にて、印刷サービス330で、複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示できるか判断する。印刷中継サーバ120が表示可能と判断した場合は、S1504にて「登録方法2」の手法を用いて登録する。印刷サービスで複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示可能であるかの判定方法は後述する。また「登録方法2」の詳細は後述する。S1503において、印刷中継サーバ120が、印刷サービス330でユーザが所望する複合画面を表示できないと判断した場合、S1505にて「登録方法3」の手法を用いて登録する。「登録方法3」の詳細は後述する。なお、S1501、及びS1503における処理は、印刷サービス毎の能力情報を予め作成して保存しておき、必要に応じて参照しても良いが、一括設定の登録時に対象とする印刷サービス330から情報を取得して判断しても良い。
【0123】
印刷中継サーバ120が、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるか否かを判断する方法について説明する。一括設定機能を利用できるとは、ユーザが、印刷サービスが提供するUIで何れかの一括設定を選択した際、そこに紐付けられた印刷設定を現在の印刷設定に反映させることができることを言う。すなわち、ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を印刷サービス330が印刷ジョブに反映できることを言う。これを実現するためには、印刷サービス330自体が一括設定機能をサポートしていることが必要である。例えば、印刷サービス330が一括設定用のプリンタ情報に含まれる一括設定名と対応付けて一括設定を登録できることが挙げられる。また、複合設定を反映するためのJava(登録商標)scriptが動作すること、印刷サービス330がベンダーへの問い合わせを実施すること、またはこれらに準拠する動作や機能をサポートしていることが必要となる。
【0124】
本実施例では、メイン処理管理サービス321の操作部702は、ユーザ情報格納部703を参照し、印刷サービス330のサービス能力について、サポート情報を取得する。そして、操作部702は印刷サービス330のサービス能力の動作を判定し、印刷サービス用プロキシ325を介して判断結果を印刷サービス330に送信する。すなわち、操作部702は取得したサポート情報を基に、印刷サービス330で一括設定機能を利用できるかを判断する判断手段として機能する。プリンタ情報提示部1003がすべてのItemを表示する場合は、S1501の判定がYesとなる。
【0125】
S1501における判定がYesの場合は、印刷サービス自体が一括設定機能をサポートし、印刷サービスに複合設定を登録することで一括設定機能が利用可能となるフローを代表例として説明する。ただし、Java(登録商標)script等を使った実装でも実現可能であることは言うまでもない。
【0126】
「登録方法1」の登録手順について、シーケンス図22(S1911からS1918)を参照して説明する。S1911において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、印刷サービス330へ一括設定を追加するための要求と、一括設定の情報を送る。ここでは、図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214とProfilePT1215が必要な情報となる。
【0127】
S1912において、連携処理管理サービス324の制御部802は、プリンタ情報格納部804が格納する図12(D)に示す管理テーブルを参照し、受け取ったVPIDに関連づけられたSPIDを取得する。S1913において、制御部802は、プロキシ要求送信部812を介し、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330への一括設定を追加する要求と一括設定の情報を送る。ここでは要求受信部901は、SPID、ProfileName、ProfilePTを受け取る。
【0128】
S1914において、印刷サービスプリンタ生成部902は、まずSPIDから対象プリンタを特定し、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して一括設定を追加する要求と一括設定の情報を送る。ここでは、プリンタ情報登録部1001はProfileNameとProfilePTを受け取る。S1915において、プリンタ情報登録部1001は、一括設定を受け付けると、管理テーブルを図12(E)から図13(E1)のように更新する。すなわち、プリンタ情報登録部1001はSPID1242で指定されたプリンタに対して、ProfileName1247、ProfilePT1248をプリンタ情報格納部1002に追加する。登録が完了すると、S1916、S1917、S1918では、各処理部が一括設定を追加する要求を行った処理部に対し、それぞれ追加登録が成功したことを示す応答を返す。以上が、「登録方法1」の場合の登録手順となる。
【0129】
次に、「登録方法2」の登録手順について、シーケンス図22(S1921からS1929)を参照して説明する。先述した、印刷サービス330で複合設定に含まれるすべての印刷項目を表示可能であるか判断する方法について説明する。印刷サービス330は、印刷中継サーバ120が提供したケーパビリティーズを基にUIを構築する。しかし、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、該ケーパビリティーズに記載されているすべてのItemをUIに表示するとは限らない。プリンタ情報提示部1003は、一般に定義されているパブリックItemのみを表示するか、または独自の基準で限定させた表示項目を表示する場合がある。その場合、印刷中継サーバ120が独自の機能をItemとして記載しても、すべてのItemがプリンタ情報提示部1003が提供するUIに表示されない場合がある。一方で、ケーパビリティーズに記載のItemをすべてUI表示する印刷サービスもある。操作部702は印刷サービス330のサービス能力の動作を判定し、印刷サービス用プロキシ325を介して判断結果を印刷サービス330に送信する。すなわち、プリンタ情報提示部1003が、一括設定名と対応付けて一括設定を登録できないが、すべてのItemを表示する場合は、S1501の判定がYesとなる。
【0130】
S1921において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、一括設定名をケーパビリティーズに追加するための要求と、その関連情報を送る。ここでは、連携処理要求送信部710は図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214を送る。
【0131】
S1922において、連携処理要求受信部801は、受け取ったProfileNameを制御部802に渡し、制御部802は、プリンタ情報格納部804のケーパビリティーズにProfileアイテムを追加する。図14(A1)は、ケーパビリティーズにPfofileが追加された状態を示す。またこの追加されたProfileアイテムはProfileNameでもある。またこれに伴い、印刷設定の規定値にもProfileアイテムが追加され、図14(B3)の1391ようになる。なお、”Default”は初期値を意味する。制御部802はこれらのケーパビリティーズと印刷設定の規定値を図12(D)の管理テーブルに反映させ、VPIDで指定されたプリンタの、それぞれケーパビリティーズ1234と印刷設定規定値1235を更新する。S1923において、連携処理管理サービス324は、図12(D)のテーブルを参照し、受け取ったVPIDと関連づけられたSPIDを取得する。
【0132】
S1924において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330へのケーパビリティーズの更新要求とその関連情報を送る。ここでは要求受信部901はSPID、ケーパビリティーズ、印刷設定規定値を受け取る。
【0133】
S1925において、印刷サービスプリンタ生成部902は、受け取ったSPIDから対象プリンタを特定し情報更新要求とケーパビリティーズ、印刷設定規定値とを印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に送る。S1926において、プリンタ情報登録部1001は、更新要求のあったケーパビリティーズを受け取り、管理テーブル図12(E)を更新する。ここで、プリンタ情報登録部1001はプリンタ情報格納部1002の管理テーブルで管理するSPID1242で指定されたプリンタに対して、ケーパビリティーズ1245、及び印刷設定規定値1246を更新する。更新が完了すると、S1927、S1928、S1929では、それぞれ更新成功応答を返す。
以上が、「登録方法2」の場合の登録手順となる。
【0134】
次に、「登録方法3」の登録手順について、シーケンス図22(S1931からS1939)を使って説明する。S1931において、メイン処理管理サービス321の連携処理要求送信部710は、連携処理管理サービス324の連携処理要求受信部801に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報(第2プリンタ情報)を送る。ここでは、連携処理要求送信部710は、図13(B1)に示す対象プリンタのVPID1212、登録対象となる複合設定のProfileName1214とProfilePT1215、また図12(A)に示すケーパビリティーズ1204を送る。
【0135】
S1932において、プロキシ要求送信部812は、印刷サービス用プロキシ325の要求受信部901に対して、印刷サービス330へプリンタを登録するための要求とプリンタ情報を送る。S1933において、印刷サービスプリンタ生成部902は、印刷サービス330のプリンタ情報登録部1001に対して、プリンタを登録するための要求と一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を送る。プリンタネームには、例えば、元のプリンタネームとProfileNameを組み合わせたものを使用する。本例では“Printer1<Duplex+Mono>”のようになる。
【0136】
S1934において、プリンタ情報登録部1001は、登録要求のあったプリンタをサービスプリンタとして登録し、プリンタ情報格納部1002に格納する。プリンタ情報登録部1001は、登録処理を行った後にサービスプリンタに対して個別に識別するためのSPID(第2プリンタ識別情報)を発行する。その際、プリンタ情報格納部1002は、管理テーブルを図12(E)から図13(E2)のように更新する。図13(E2)に示すように、オリジナルプリンタと異なるSPID1242、プリンタネーム1243、印刷設定規定値1246を持つプリンタが追加されていることが判る。なお、オリジナルSPIDに関しては、後述する。
【0137】
S1935、S1936において、プリンタ情報登録部1001は印刷サービスプリンタ生成部902に、要求受信部901はプロキシ要求送信部812に、それぞれ作成成功応答とプリンタ情報登録部1001が新しく発行したSPIDを返信する。S1937において、連携処理管理サービス324のプリンタ情報格納部804は、SPIDとそれに関連付けられたVPIDなどの情報を、プリンタ情報として格納する。これが図13(D1)に示す管理テーブルに相当する。
【0138】
S1938において、連携処理管理サービス324は、プリンタの登録が完了した旨をメイン処理管理サービス321に通知する。これにより、印刷サービス330が一括設定機能に対応しておらず、プリンタ情報提示部1003がケーパビリティーズに記載されているすべてのItemを表示しないサービスでも、ユーザに一括設定機能を提供することができる。プリンタ情報提示部1003は、プリンタ名称に一括設定の内容を含めて表示することで、ユーザは設定内容を理解して一括設定の選択を行うことができる。また、印刷サービスに対しては、プリンタの印刷設定の規定値として、一括設定に応じた複合設定を登録しているため、複雑な機構を導入せずに通常印刷のしくみで一括設定の反映が可能となる。すなわち、プリンタ情報提示部1003は、印刷設定内容に対応したプリンタ選択画面を生成する生成手段として機能し、ユーザは、印刷設定と一括設定の両方に対応するプリンタを選択することができる。以上が、「登録方法3」の場合の登録手順となる。
【0139】
なお、以上の登録作業は印刷中継サーバ120で行う例を示したが、プリンタパネル上で行っても良い。また、印刷中継サーバ120のメイン処理管理サービス321、連携処理管理サービス324、および印刷サービス用プロキシ325に相当する機能が本体側に搭載されているシステムも想定される。この場合、画像形成装置110単体で印刷中継サーバ120が介在しないシステムを適用することができる。すなわち、印刷中継サーバ120または画像形成装置110は、登録処理を実行する処理装置として機能する。
【0140】
ここからは、一括設定が選択された場合の印刷方法について、図23および図24のシーケンス図を用いて説明する。なお、図20および図21の基本機能と同じ処理には、同じ番号を付けている。まず「登録方法1」の印刷手順について説明する。S1801からS1807までは、基本機能と同じである。
【0141】
登録方法1の場合、S1807において、印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に例示するUIを表示する。詳細には、プリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に示すUIに、プリンタ名の検索機能1421、プリンタ名1422、詳細設定表示切り替えボタン1423、一括設定1424を表示する。一括設定1424には、規定値を示す“Default”と、図13(E1)に示すProfileName1247に保存されている名前が列挙される。本実施例では、”Default”、”Duplex+Mono”、”Booklet+Saddle”の3つが列挙されることになる。
【0142】
ユーザが一括設定1424から何れかの選択肢を選択した場合、S2001において、印刷サービス330の制御部1006はプリンタ情報格納部1002に格納された図13(E1)を参照する。制御部1006は、ユーザが選択したProfileNameに対応するProfilePT1248を取得し、現在の印刷設定に反映させる。本例では、ユーザが”Duplex+Mono”を選択したとすると、図14(C)に示す印刷設定となる。また、印刷設定画面も現在の設定を反映するように更新する。なお、この状態からさらにユーザによる詳細設定変更があった場合には、その変更を受けつけても良い。次に、確定した印刷設定を用いて印刷を開始するが、そのフローは基本機能S1808からS1842と同じである。以上が、「登録方法1」の場合の印刷手順となる。
【0143】
次に「登録方法2」の印刷手順について説明する。S1801からS1807までは、基本機能と同じである。登録方法2の場合、S1807において、プリンタ情報提示部1003は、図16(C1)に例示するUIを表示する。一括設定1424には、図12(E)のケーパビリティーズ1245に含まれるアイテム、すなわち、図14(A1)のアイテム1381が列挙される。本実施例では、”Default”、”Duplex+Mono”、”Booklet+Saddle”の3つが列挙されることになる。ユーザが一括設定1424から何れかの選択肢を選択した場合、S2002にて、選択したProfileNameが現在の印刷設定に格納される。本例では、ユーザが”Duplex+Mono”を選択したとすると、図14(C1)に示す印刷設定になる。
【0144】
次に、確定した印刷設定を用いて印刷を開始するが、そのフローは基本機能S1808からS1828までは同じとなる。登録方法2では、次に、印刷設定を用いて印刷ジョブを生成する前に、先述した一括設定を印刷設定に反映する処理が必要である。
【0145】
S2003において、中継仮想プリンタ323の印刷ジョブ生成部604は、印刷設定取得部602に指示し、メイン処理管理サービス321に対して、一括設定のProfileNameに対応した印刷設定を要求する。S2004において、メイン処理管理サービス321の操作部702は、ユーザ情報格納部703が格納する図13(B1)に示す管理テーブルを参照する。そして操作部702は、受け取ったProfileName1214に対応するProfilePT1215を特定し、プリンタ情報要求送信部704を介して印刷設定取得部602に返信する。本実施例では、ProfilePT、すなわち印刷設定として、図14(B1)が得られる。印刷ジョブ生成部604は取得した印刷設定を用いて印刷ジョブを生成するが、印刷のフローに関しては、基本機能のS1831からS1842と同じである。
【0146】
なお、S1831において、中継仮想プリンタ323は印刷設定として基本設定と図14(C1)に示す一括設定アイテムとを保有している。本実施例では、印刷ジョブ生成部604はS2004で得られた複合設定を優先した。しかし、印刷ジョブ生成部604は基本設定を有効するモードを有しても良い。すなわち、一括設定を優先する、基本設定を優先する、“Default“の場合だけ基本設定を使うなど、どちらを優先するかUIスイッチを設ける機能を導入しても良い。以上が、「登録方法2」の場合の印刷手順となる。
【0147】
次に「登録方法3」の印刷手順について説明する。本方法では新たにプリンタが追加されるため、すべてのフロー、すなわちS1801からS1842までのフローは、基本機能と同じである。登録方法3の場合、S1807では登録方法1及び登録方法2と異なり、図1(C2)に例示するUIを表示する。図16(C1)との相違点は、一括設定1424がなく、代わりに印刷設定の規定値が変更されたプリンタ1432が列挙されている点である。特に明示しないUI機能については、図16(C1)と同等とする。
【0148】
プリンタ1431は標準の印刷設定が紐付いたオリジナルのプリンタである。ユーザが一括設定用プリンタ1432を選択した場合、印刷サービス330の印刷指示受付部1004はプリンタ1432のSPIDを制御部1006に渡す。制御部1006は受け取ったSPIDを基に管理テーブル図13(E2)を参照し、選択されたプリンタネーム1243に対応する印刷設定規定値1246を取得し、現在の印刷設定とする。本実施例では、ユーザが”Printer1<Duplex+Mono>”を選択したので、図14(C)に示す印刷設定になる。S1808以降の処理では、前記の印刷設定が用いられる。以上が、「登録方法3」の場合の印刷手順となる。
【0149】
以上説明したように、印刷サービスの能力に応じて登録方法を使い分けることで、どのような印刷サービスであっても一括設定機能を利用することが可能となる。その結果、ベンダー側で事前作成した、整合のとれた詳細な印刷設定を、いかなる印刷サービス上でも利用することが可能となる。
【0150】
また、印刷サービスの仕様が変わった場合や、他の印刷サービスを利用することになった場合でも、ユーザ情報格納部703が図13(B1)に示す管理テーブルを保持しているため、作成済の複合設定を無駄にせず利用することが可能である。また、図13(B1)に示すProfileName1214、ProfilePT1215を異なるユーザや異なるプリンタでも利用できるようにしても良く、それにより作成済の複合設定の再利用を促すことができる。
【0151】
(実施例2)
実施例1では、S1501でYesの場合、すなわち印刷サービスで一括設定機能を利用できる場合はS1502の登録方法1が適用された。そして、S2001で一括設定が選択されることで、整合のとれた一括設定の持つ印刷設定が現在の印刷設定に反映された。しかし、ユーザは、一括設定が反映されたあとに更に個別の詳細設定を変更することも可能である。その際、ユーザがある印刷設定項目を変更した結果、印刷サービスのUI処理において禁則処理が実施され、整合が取られるとは限らない。禁則処理が行われなければ、不整合が残った印刷設定がなされる可能性がある。
【0152】
そこで本実施例では、印刷サービスのUI処理において禁則処理が行われない場合に、別の登録方法を適用する方法について、図17(A)を使って説明する。図14(A)で示したケーパビリティーズには、アイテムの他にアイテム間の禁則関係(不図示)を記載することができ、印刷サービス330はその情報を基に禁則処理を行うことができる。ただし、処理をするかどうかは印刷サービス330によって異なる。
【0153】
そこで、S1501の前に、メイン処理管理サービス321の操作部702は、対象とする印刷サービス330が禁則処理を行うかどうかをサポート情報に基づいて判断し、Noと判断した場合は、S1505の登録方法3を適用する。または、S1501にて、操作部702は、対象とする印刷サービスが一括設定機能を有するかの判断に加えて、禁則処理を行うかの判断を行っても良い。その場合は、操作部702は、サポート情報に基づいて登録方法2または登録方法3を適用する。
【0154】
以上説明したように、印刷サービス330がUIの禁則処理能力を持たない場合は、操作部702は登録方法3を選択する。これにより、たとえ印刷サービス330が禁則処理能力を持っていなくても、禁則事項を含む印刷設定はWebブラウザ340に表示されず、結果、不整合の起きない印刷処理を実現することができる。
【0155】
(実施例3)
実施例1では、印刷中継サーバ120は、いかなるケースでも一括設定を実現し、それにより詳細な設定変更を可能とする例を説明した。しかし、オフィスユースでは、管理者がユーザ毎の権限を設定し、自由な設定変更をさせたくないケースもある。そこで上記のケースに対応し、登録方法3を発展させ、複合設定登録に機能を制限させたケーパビリティーズも含めることで一括設定後の詳細設定変更を抑止する方法を示す。本実施例では、管理者が複合設定を作成するケースを想定する。
【0156】
まず、複合設定の作成について説明する。管理者は、複合設定の作成時、または複合設定について予めユーザ毎の権限、つまり、ユーザ毎に選択できる一括設定を制限し、当該制限情報をメイン処理管理サービス321に登録させておく。実施例1では、操作部702は、図16(A)に示すUIを用いて図14(B1)に示す印刷設定を作成したが、実施例3では図14(A2)に示すケーパビリティーズも同時に作成する。操作部702は、図14(A2)のケーパビリティーズに、プリンタ機能情報として複合設定と同じアイテムのみ記載する。この制限付きケーパビリティーズを機能限定指示として印刷サービス330に登録することで、印刷サービス330がケーパビリティーズをベースに生成するUIには他の選択肢が列挙されず、よって設定変更ができなくなることを意味する。なお、PaperSizeのように、変更可能なアイテムを残してもよい。図13(B2)は、図13(B1)に前記ケーパビリティーズとしてProfilePC1216を加えた管理テーブルである。
【0157】
複合設定の登録について詳細に説明する。なお、図17(A)に示す処理と同じ処理には同じ番号を付している。まず図17(B)に示すように、メイン処理管理サービス321の操作部702は、いずれの登録方法を用いるか条件判定を行う。S1510にて、操作部702は図13(B2)に示す管理テーブルを参照し、管理者がユーザによる詳細設定変更を禁止しているか判断する。本実施例では、ProfilePC1216が存在するので、操作部702はYesと判断し、S1511において、登録方法3を発展させた手法で機能制限付きプリンタを登録する。S1510において、操作部702がNoと判断した場合、以後、実施例1と同じ処理を行う。
【0158】
S1511では、印刷設定に加えてケーパビリティーズも印刷サービスに登録する。すなわち、図22のS1931からS1933において、印刷中継サーバ120の連携処理要求送信部710、プロキシ要求送信部812、および印刷サービスプリンタ生成部902は、以下の処理を実行する。連携処理要求送信部710、プロキシ要求送信部812、および印刷サービスプリンタ生成部902は、図13(B2)に示すProfilePC1216のケーパビリティーズも送信する。S1934にて、印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は、図12(E3)に示す管理テーブルを作成する。図12(E3)に示すケーパビリティーズは、図13(E2)に示すケーパビリティーズと比べ、オリジナルプリンタのケーパビリティーズと異なる設定が保存されていることが判る。以上により、印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は制限付きケーパビリティーズを登録する。
【0159】
次に、一括設定を用いた印刷について説明する。印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002は、印刷設定UIが要求された際に図16(C2)に示すUIを表示し、これは実施例1の登録方法3と同じである。実施例1では、ユーザは詳細設定表示切り替えボタン1423により詳細設定を表示し、変更することが可能であった。しかし、本実施例ではプリンタ機能に制限があり、他の選択肢が含まれないため、詳細設定の変更はできない。ユーザは、図16(C2)に示すプリンタのいずれかを選んで印刷を実行する。印刷実行時のフローは、実施例1と同じである。
【0160】
なお、設定の規定値を持つオリジナルプリンタに関しても、制限付きケーパビリティーズを紐付けてもよい。またオリジナルプリンタは登録せず、特定の印刷設定を持ったプリンタだけを登録するフローにしてもよい。以上説明したように、管理者が、ユーザ毎の権限に応じて印刷設定を制限したい場合でも、あらかじめ機能制限付きのケーパビリティーズを作成し、それを印刷サービスに登録することで実現することが可能となる。
【0161】
(実施例4)
実施例1では、複合設定をメイン処理管理サービス321で予め作成し、そこから印刷サービス330に登録するフローを説明した。しかし、実際にはユーザが印刷実行時に複合設定を登録したい場合も多く、前述した実施例ではユーザの利便性に乏しい。そこで、実施例4では印刷実行時に登録を可能とする方法を説明する。
【0162】
印刷サービス330のプリンタ情報提示部1003は、印刷実行時に図16(C1)または図16(C2)のUI画面を表示するが、この設定を保存する1425をONにした場合、現在の印刷設定を各登録方法の手法に応じて一括設定として保存する。登録方法1の場合、印刷実行後に、印刷指示受付部1004が複合設定を受付け、制御部1006が図13(E1)に示すプリンタ情報格納部1002の管理テーブルに追加する。プリンタ情報格納部1002は、印刷実行時の印刷設定をProfilePT1248に保存する。また、プリンタ情報格納部1002は、ユーザの入力(不図示)、または自動命名により作成した名称をProfileName1247に保存する。以後、ユーザは印刷実行時に本一括設定を利用可能となる。なお、自動命名では、連番を使用してもよいし、印刷設定から抽出した特徴を反映させてもよい。
【0163】
登録方法2の場合、現在の印刷設定に「この設定を保存する=ON」を保存し、印刷を開始する。印刷実行時、図24のS2003のタイミングで、複合設定を取得する代わりに、印刷実行時の印刷設定を複合設定として登録する。メイン処理管理サービス321の操作部702は、図13(B1)に示すように、本印刷設定をProfilePT1215に追加保存する。また、操作部702は、ユーザの入力、または自動命名により作成された名称をProfileName1214に保存する。その後、登録方法2の登録手順に則り、本複合設定を印刷サービスへ登録する。以後、ユーザは印刷実行時に本一括設定を利用可能となる。
【0164】
登録方法3の場合、印刷サービス330の制御部1006が、図13(E2)に示すように新プリンタとしてプリンタ情報格納部1002に追加する。プリンタ情報格納部1002は、印刷実行時の印刷設定を印刷設定規定値1246に保存する。また、プリンタ情報格納部1002はユーザの入力、または自動命名により作成された名称をプリンタネーム1243に保存する。SPID1242は、プリンタ情報登録部1001がプリンタ作成時に発行する。ケーパビリティーズ等の他の設定はオリジナルプリンタと同じものを使用する。このとき、オリジナルプリンタを示すSPID1249も保存しておく。以後、ユーザは印刷実行時に本プリンタを利用可能となる。ただし、印刷サービス330は印刷実行時に、オリジナルSPID1249が存在する場合は、SPID1242ではなくオリジナルSPID1249を使用する。これは、SPIDを受け取る印刷中継サーバ120が新しく発行されたSPIDを知らないためであり、また出力プリンタはオリジナルSPIDで特定できるためである。
【0165】
また、登録方法3の場合、印刷実行時ではなく、印刷サービス330が提供するプリンタ管理画面(不図示)で追加作業を行ってもよい。この場合は、ユーザはプリンタ一覧の中からプリンタを選択し、プリンタのコピーと印刷設定の変更を行うことで実現可能となる。それ以外の内部処理は前述した印刷実行時と同じで、印刷サービス330が図13(E2)にプリンタの追加と印刷設定の保存を行う。
【0166】
また印刷実行時の追加登録では、登録方法1と登録方法3においても登録方法2と同様に、現在の設定を印刷中継サーバ120が認識し、当該設定を連携処理管理サービス324のプリンタ情報格納部804に渡す。プリンタ情報格納部804は、格納してある管理テーブルを更新し、その後、印刷サービス用プロキシ325を介し印刷サービス330に対して登録を行う手法を用いてもよい。以上説明したように、複合設定を予め準備しておかなくても、印刷実行の一連のフローの中で一括設定を追加登録することが可能となる。
【0167】
(実施例5)
前述した実施例では、複合設定作成時に、ユーザが図16(A)の複合設定の名称1404で名称を付けることを示したが、ユーザが毎回入力するのは面倒である。そこで、本実施例では自動命名を可能とする方法について説明する。ここでは、メイン処理管理サービス321の操作部702は、変更手段として機能し、印刷設定から抽出した特徴をもとに自動的に命名を行う。たとえば、規定値からの変更で両面印刷とモノクロ印刷が設定されていた場合、操作部702は”Duplex+Mono”と命名する。また、変更機能が多いと名称も長くなり、見にくくなったり、表示が切られて見えなかったりする場合がある。そこで機能に応じた短縮名を予め設定しておいてもよい。例えば操作部702は、両面印刷の場合は”dup”といった短縮名を設定しておく。なお、本自動命名を仮名称として保存しておき、さらにユーザが編集可能としてもよい。
【0168】
これらの設定名をルール化することで、名称による検索も可能となる。たとえば、登録方法3で登録したプリンタを図16(C2)で選択する場合、プリンタ名の検索機能1421で設定名(たとえば”dup”)を入力することで、ユーザは、その印刷設定を持つプリンタを容易に絞り込むことが可能となる。検索機能には、あらかじめ予約されている設定名称を列挙し、ユーザがそれを選ぶことで簡単にプリンタを絞り込む機能を含んでいてもよい。また本検索機能は、複数の設定名称を同時に、または段階的に選べるようにしてもよく、それにより、複数のキーワードによる絞り込みが可能となる。
【0169】
また、前述した実施例の中で、印刷実行時に一括設定を追加登録する際の自動命名について言及したが、印刷サービス330の制御部1006が、その際の命名則に適用してもよい。また印刷設定の特徴情報は、プリンタ名称に限らず、ケーパビリティーズや印刷設定、その他のメタデータとしてプリンタに紐付けてプリンタ情報格納部1002に保存し、検索対象としてもよい。以上説明したように、自動命名機能により、ユーザは名称入力の煩わしさから解放され、かつ名称を見れば印刷設定内容を知ることが可能となる。また、検索によってプリンタの絞り込みを行うことも可能となる。
【0170】
(実施例6)
前述した実施例では、登録方法3においてプリンタ名称から一括機能を判断したが、特に名称が長くて表示しきれない場合やプリンタ数が多くなった場合に、視覚的に選択することが困難であり得る。そこで、実施例6ではプリンタ情報提示部1003がプリンタマークに反映された印刷設定を表示する。これにより、ユーザは視覚的にプリンタを選ぶことを可能にする方法について説明する。
【0171】
本実施例では、操作部702が、図16(C2)に示すプリンタマーク1433に、印刷設定から抽出した特徴を反映する。たとえば、片面/両面印刷、Nページ設定、カラー/モノクロ設定、ステイプルの有無、などをアイコンに変更する。操作部702は、図22のS1901で複合設定を作成した際に、その設定を反映したアイコンを作成、またはアイコンリストの中から選択する。S1933で、メイン処理管理サービス321は、印刷サービス330にプリンタを登録する際に、アイコンのロケーション情報(URLなど)を印刷サービス用プロキシ325を介して送信する。アイコンのロケーション情報は、直接やり取りしてもよいし、ケーパビリティーズや印刷設定の中に含めてもよい。アイコンはあらかじめパブリックなロケーションに置いておくか、または、例えば印刷サービス330のプリンタ情報格納部1002に登録しておく。
【0172】
なお、プリンタアイコンは、利用可能な機能から抽出した特徴を反映してもよい。たとえば両面可能、カラー印刷可能、ステイプル可能、などの情報を表現してもよい。また、目的に応じて、機能や能力の特徴を反映する場合と、印刷設定の特徴を反映する場合とを使い分けてもよい。たとえば、オリジナルプリンタは機能表示を、一括設定プリンタは印刷設定表示を、それぞれ行ってもよい。以上説明したように、プリンタに付与されるアイコンに、紐付けられた設定の特徴を反映させることで、ユーザはより直感的にプリンタを選択することが可能となる。なお、印刷サービス330の制御部1006が印刷設定をアイコンに反映させ、プリンタ情報提示部1003を介してWebブラウザ340に表示させてもよい。
【0173】
(実施例7)
前述した実施例では、一括設定で利用したい複合設定を最初に作成した。しかし、毎回作成するのは面倒である。そこで、毎回複合設定を作る労力を軽減するための方法について説明する。
【0174】
本実施例では、一般的に利用頻度の高い複合設定は、あらかじめプリセットとして利用可能にしておく。たとえば、印刷設定の規定値をベースに両面設定をONにしたもの、モノクロ印刷をONにしたもの、スタンプをONにしたもの、などが考えられる。そこで、印刷サービス330にプリンタを登録し、プリンタ情報格納部1002が図12(B)に示す管理テーブルに格納する際に、メイン処理管理サービス321の操作部702は、これらの設定をプリセットとして追加する。これらは図13(B1)に示すProfileName1214、ProfilePT1215のようにユーザ情報格納部703に保存される。メイン処理管理サービス321の操作部702は、複合設定を登録する際に表示される図16(B)に示す画面の複合設定1412にこれらのプリセットを列挙する。ユーザは、必要な複合設定をONにして登録するだけで利用可能となる。
【0175】
また、作成済の複合設定を、他の機種や、他のユーザで利用可能としてもよい。その場合は、管理テーブル図13(B1)の中の作成済のProfileName1214、ProfilePT1215を、他機種や他ユーザにコピーする。以上説明したように、あらかじめ複合設定のプリセットを用意することで、毎回複合設定を作成する労力を軽減できる。またはあるユーザがある機種用に作成した複合設定を他のユーザや機種にコピーすることで、作成済の複合設定の再利用を促進することが可能となる。
【0176】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そしてそのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0177】
310 印刷制御部
321 メイン処理管理サービス
322 中継仮想プリンタ管理サービス
323 中継仮想プリンタ
324 連携処理管理サービス
325 印刷サービス用プロキシ
330 印刷サービス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を前記プリンタ情報の他にも登録し、
前記印刷サービス装置は、
前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する生成手段を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記登録手段は、前記印刷サービス装置からサポート情報を取得し、
前記情報処理装置は、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができるか否かを前記サポート情報に基づいて判断する判断手段を備え、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映できると判断した場合は、前記一括設定名と前記一括設定を前記印刷サービス装置へ登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができないが、前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができると前記サポート情報に基づいて判断した場合は、前記一括設定を表示対象として前記印刷サービス装置へ登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映できず、かつ前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができないと前記サポート情報に基づいて判断した場合は、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができると判断した判断結果を受信した場合、または前記判断手段から前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができないが、前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができると判断した判断結果を受信した場合は、前記一括設定名を表示させるプリンタ選択画面を生成し、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができず、かつ前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができないと判断した判断結果を受信した場合は、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記判断手段は、前記ユーザ装置から一括設定の登録要求を受付けた場合に、前記印刷サービス装置で禁則処理を行うか否かを前記サポート情報に基づいて判断し、
前記登録手段は、前記判断手段が前記印刷サービス装置で前記禁則処理を行わないと判断した場合は、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が前記印刷サービス装置で前記禁則処理を行うと判断した場合は、前記印刷サービス装置で前記一括設定名と対応づけて前記一括設定を登録できるか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記プリンタ情報は、各印刷項目に関する少なくとも1つのプリンタ機能情報を含み、
前記登録手段は、前記受付手段が前記ユーザ装置からさらに機能限定指示を含む要求を受付けた場合に、前記プリンタ情報に含まれる前記プリンタ機能情報に対応するプリンタ機能を、前記限定指示に応じて限定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記印刷設定を含むプリンタ情報を第1プリンタ情報として格納し、
前記第1プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を第2プリンタ情報として格納する格納手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に印刷システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記一括設定名を自動的に命名するか、または短縮名に選択可能に変更し、変更した名称をユーザ装置で表示させる変更手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記一括設定名をアイコンに選択可能に変更し、前記アイコンをユーザ装置で表示させる変更手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項9】
ユーザ装置へ印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な中継サーバであって、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録し、前記印刷サービス装置に前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成させる
ことを特徴とする中継サーバ。
【請求項10】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムを制御する方法であって、
前記情報処理装置が、印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録工程と、
前記情報処理装置が、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付工程と
前記印刷サービス装置が、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるようなプリンタ選択画面を生成する生成工程とを含み、
前記登録工程では、前記情報処理装置が、前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な処理装置であって、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を前記プリンタ情報の他にも登録することで、前記印刷サービス装置に前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報の両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を表示させることを特徴とする処理装置。
【請求項1】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を前記プリンタ情報の他にも登録し、
前記印刷サービス装置は、
前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する生成手段を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記登録手段は、前記印刷サービス装置からサポート情報を取得し、
前記情報処理装置は、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができるか否かを前記サポート情報に基づいて判断する判断手段を備え、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映できると判断した場合は、前記一括設定名と前記一括設定を前記印刷サービス装置へ登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができないが、前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができると前記サポート情報に基づいて判断した場合は、前記一括設定を表示対象として前記印刷サービス装置へ登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映できず、かつ前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができないと前記サポート情報に基づいて判断した場合は、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができると判断した判断結果を受信した場合、または前記判断手段から前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができないが、前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができると判断した判断結果を受信した場合は、前記一括設定名を表示させるプリンタ選択画面を生成し、前記ユーザが印刷指示の際に選択する一括設定に対応づけられた印刷設定を前記印刷サービス装置で前記印刷ジョブに反映させることができず、かつ前記一括設定名を前記ユーザ装置で表示させることができないと判断した判断結果を受信した場合は、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記判断手段は、前記ユーザ装置から一括設定の登録要求を受付けた場合に、前記印刷サービス装置で禁則処理を行うか否かを前記サポート情報に基づいて判断し、
前記登録手段は、前記判断手段が前記印刷サービス装置で前記禁則処理を行わないと判断した場合は、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録し、
前記登録手段は、前記判断手段が前記印刷サービス装置で前記禁則処理を行うと判断した場合は、前記印刷サービス装置で前記一括設定名と対応づけて前記一括設定を登録できるか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記プリンタ情報は、各印刷項目に関する少なくとも1つのプリンタ機能情報を含み、
前記登録手段は、前記受付手段が前記ユーザ装置からさらに機能限定指示を含む要求を受付けた場合に、前記プリンタ情報に含まれる前記プリンタ機能情報に対応するプリンタ機能を、前記限定指示に応じて限定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記印刷設定を含むプリンタ情報を第1プリンタ情報として格納し、
前記第1プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を第2プリンタ情報として格納する格納手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に印刷システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記一括設定名を自動的に命名するか、または短縮名に選択可能に変更し、変更した名称をユーザ装置で表示させる変更手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記一括設定名をアイコンに選択可能に変更し、前記アイコンをユーザ装置で表示させる変更手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項9】
ユーザ装置へ印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な中継サーバであって、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録し、前記印刷サービス装置に前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を生成させる
ことを特徴とする中継サーバ。
【請求項10】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な情報処理装置を備える印刷システムを制御する方法であって、
前記情報処理装置が、印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録工程と、
前記情報処理装置が、複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付工程と
前記印刷サービス装置が、前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報とが登録されたことに応じて、両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるようなプリンタ選択画面を生成する生成工程とを含み、
前記登録工程では、前記情報処理装置が、前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、実現したい一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を、前記プリンタ情報の他にも登録する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
ユーザ装置に印刷設定画面を提供し、提供された印刷設定画面を介してユーザが設定した印刷設定を受信し、受信した印刷設定を基に印刷ジョブを生成する印刷サービス装置と通信可能な処理装置であって、
印刷設定を含むプリンタ情報を前記印刷サービス装置へ送信するとともに、前記プリンタ情報を前記印刷サービス装置へ登録する登録手段と、
複数の印刷設定を一括して設定することが可能な一括設定を前記印刷サービス装置で実現する要求を受け付ける受付手段と、を備え、
前記登録手段は、前記受付手段が前記要求を受け付けた場合、前記プリンタ情報に対応するプリンタと同じプリンタのプリンタ情報であって、前記一括設定の設定内容に対応した一括設定用のプリンタ情報を前記プリンタ情報の他にも登録することで、前記印刷サービス装置に前記プリンタ情報と、前記一括設定用のプリンタ情報の両方のプリンタ情報の夫々に対応したプリンタが選択できるプリンタ選択画面を表示させることを特徴とする処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−114438(P2013−114438A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259715(P2011−259715)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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