説明

印刷システム、情報処理装置、プログラム及び印刷方法

【課題】ユーザが印刷物を回収可能なタイミングで複数の印刷ジョブをまとめて実行する。
【解決手段】印刷システムは、情報処理装置と、この情報処理装置と通信可能に接続される印刷装置とで構成される。情報処理装置は、即時に実行しない印刷ジョブを予約印刷ジョブとして生成し、その予約印刷ジョブを印刷装置に対して出力する。また、情報処理装置は、操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを表示手段に報知させ、入力する操作指示に基づき、印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる。一方、印刷装置は、入力する予約印刷ジョブを記憶装置に記憶する。また、印刷装置は、情報処理装置からの指示に基づき記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、情報処理装置、プログラム及び印刷方法に関し、特に、複数の印刷ジョブをまとめて実行して印刷出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の印刷ジョブをまとめて印刷出力する技術がある。例えば、特許文献1に開示された画像形成装置は、一括的な印刷処理の対象となる印刷ジョブを入力すると、その印刷ジョブを印刷ジョブ蓄積部に蓄積する。また、画像形成装置は、一括的な印刷処理の対象となる印刷ジョブの印刷実行時刻を記憶する。そして、画像形成装置は、その印刷実行時刻が到来すると、それまでに蓄積される複数の印刷ジョブを一括して実行するようになっている。
【0003】
このような構成によれば、間隔を開けて受付けた複数の印刷ジョブをまとめて印刷出力することができるので、印刷ジョブを受付ける度に印刷出力を実行する場合に比べて消費電力が低減されるというメリットがある。また、上記画像形成装置は、印刷実行時刻が到来することで印刷処理が実行されるので、ユーザは、そのタイミングに合わせて印刷物を回収することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−244232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の画像形成装置は、以下のような問題がある。例えば、ユーザが印刷実行時刻を設定した後、その印刷実行時刻を忘れてしまったり、ユーザの予定が変更されたりすることで、ユーザが印刷実行時刻に印刷物を回収できないこともある。従来の画像形成装置は、一括的な印刷ジョブの実行タイミングが印刷実行時刻に依存しているため、そのようなユーザの都合に関わらず印刷実行時刻が到来することで一括的な印刷ジョブを実行してしまう。この場合、印刷出力される印刷物は、ユーザに回収されるまで長時間放置される可能性がある。仮に印刷物が長時間放置されると、その放置された印刷物が第三者によって見られてしまう可能性があり、セキュリティ上好ましいとは言えない。このように従来の画像形成装置は、複数の印刷ジョブをまとめて実行するタイミングがその印刷ジョブの実行時におけるユーザの都合に対応できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが印刷物を回収可能なタイミングで複数の印刷ジョブをまとめて実行することのできる印刷システム、情報処理装置、プログラム及び印刷方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、情報処理装置と、この情報処理装置から出力される印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置と、を備える印刷システムであって、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、前記操作手段に入力される操作指示に基づき、即時に実行しない印刷ジョブを予約印刷ジョブとして生成する印刷ジョブ生成手段と、生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段と、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、前記操作手段に入力される指示操作に基づき、前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段と、を備え、前記印刷装置は、印刷処理を実行する印刷処理手段と、入力する予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、前記出力制御手段からの指示に基づき前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷処理手段に実行させる印刷制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0008】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行させることが可能である。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷システムにおいて、前記表示制御手段は、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知すると共にその予約印刷ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を前記表示制御手段に表示させるものであり、前記印刷指示手段は、前記選択画面に対する選択結果に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させることを特徴とする構成である。
【0010】
このような構成によれば、予約印刷ジョブを実行するか否かを選択するための選択画面が表示されるので、ユーザは、自己の都合に応じて予約印刷ジョブを実行するか否かを選択することが可能である。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の印刷システムにおいて、前記印刷ジョブ生成手段は、複数の前記イベントのうち少なくとも1つのイベントに関する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを生成するものであり、前記出力制御手段は、予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷装置に出力するものであり、前記印刷ジョブ記憶装置は、予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを記憶するものであり、前記印刷指示手段は、発生したイベントに関する発生イベント情報を前記印刷装置に出力するものであり、前記印刷制御手段は、入力する発生イベント情報に対応する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置から読出して、その予約印刷ジョブを前記印刷処理手段に実行させることを特徴とする構成である。
【0012】
このような構成によれば、発生イベント情報に基づき予約印刷ジョブを実行するようになっているので、例えば複数の予約印刷ジョブの実行タイミングをイベント毎に異ならせることが可能になる。
【0013】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の印刷システムにおいて、前記表示制御手段は、前記イベントを設定するための設定画面を前記表示手段に表示させるものであり、前記情報処理装置は、更に、前記設定画面への設定結果に基づき前記予約イベント情報を生成する予約イベント情報生成手段を備えることを特徴とする構成である。
【0014】
このような構成によれば、ユーザが自己の都合に応じてイベントを設定できる。
【0015】
請求項5にかかる発明は、即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段と、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、前記操作手段に入力される操作指示に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0016】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行することが可能である。
【0017】
請求項6にかかる発明は、即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する記憶装置を備える印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、を備え、前記プログラムは、前記情報処理装置を、前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段、前記操作手段に入力される操作指示に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0018】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行することが可能である。
【0019】
請求項7にかかる発明は、印刷ジョブを実行する印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、前記操作手段に対して入力される操作指示に基づき、即時に実行しない印刷ジョブを予約印刷ジョブとして生成する印刷ジョブ生成手段と、生成される予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、前記操作手段に入力される操作指示に基づき、前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする構成である。
【0020】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行することが可能である。また、上記構成によれば、予約印刷ジョブを情報処理装置に記憶するようになっているので、印刷装置が予約印刷ジョブを記憶するための十分な記憶領域を有さない場合であってもこの印刷システムを実現することが可能である。
【0021】
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記表示制御手段は、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知すると共にその予約印刷ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を前記表示制御手段に表示させるものであり、前記出力制御手段は、前記選択画面に対する選択結果に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させることを特徴とする構成である。
【0022】
このような構成によれば、選択画面が表示されるので、ユーザは、自己の都合に応じて予約印刷ジョブを実行するか否かを選択することが可能である。
【0023】
請求項9にかかる発明は、請求項7又は8に記載の情報処理装置において、前記印刷ジョブ生成手段は、複数の前記イベントのうち少なくとも1つのイベントに関する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを生成するものであり、前記出力制御手段は、前記予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置に記憶させると共に、前記予約イベント情報に関するイベントが発生した場合に、そのイベントに対応する予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置から読出して、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させることを特徴とする構成である。
【0024】
このような構成によれば、前記予約イベント情報に関するイベントが発生した場合に、そのイベントに対応する予約印刷ジョブを実行するようになっているので、例えば複数の予約印刷ジョブの実行タイミングをイベント毎に異ならせることが可能になる。
【0025】
請求項10にかかる発明は、請求項9に記載の情報処理装置において、前記表示制御手段は、前記イベントを設定するための設定画面を前記表示手段に表示させるものであり、前記情報処理装置は、更に、前記設定画面への設定結果に基づき前記予約イベント情報を生成する予約イベント情報生成手段を備えることを特徴とする構成である。
【0026】
このような構成によれば、ユーザが自己の都合に応じてイベントを設定できる。
【0027】
請求項11にかかる発明は、情報処理装置によって実行されるプログラムであって、前記情報処理装置は、各種情報を表示する表示手段と、ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、を備え、前記プログラムは、前記情報処理装置を、前記操作手段に対して入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、生成される予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置に記憶させる記憶制御手段、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段、前記操作手段に入力される操作指示に基づき、前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させる出力制御手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0028】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行することが可能である。
【0029】
請求項12にかかる発明は、所定の操作指示を入力する操作手段を備える情報処理装置と、この情報処理装置から出力される印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置と、を備える印刷システムによって実行される印刷方法であって、前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、生成される予約印刷ジョブを記憶する記憶ステップと、前記操作手段に入力される操作指示が所定の操作に伴うイベントであった場合に、予約印刷ジョブが実行可能であること報知する報知ステップと、前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを実行する印刷処理ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0030】
このような構成によれば、情報処理装置は、ユーザが操作手段に対して所定の操作指示を入力している状態のときに、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知するので、その報知内容をユーザに知覚させることができる。これにより、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブを実行することが可能である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ユーザが印刷物を回収可能なタイミングで複数の印刷ジョブをまとめて実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】印刷システムの一構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図3】印刷装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図4】印刷システムにおいて実行される処理の概略を示した図である。
【図5】印刷システムにおいて実行される処理の概略を示した図である。
【図6】情報処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】印刷装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】情報処理装置によって表示される設定画面の一例を示す図である。
【図9】予約イベント情報の一例を示す図である。
【図10】情報処理装置によって表示される選択画面の一例を示す図である。
【図11】発生イベント情報の一例を示す図である。
【図12】印刷装置において記憶される予約印刷ジョブと予約イベント情報とを一例として示す図である。
【図13】印刷システムによって実行される全体的な処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】情報処理装置によって実行される印刷ジョブ出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】印刷装置によって実行される印刷ジョブ入力処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】情報処理装置によって実行される発生イベント情報出力処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】印刷装置によって実行される予約印刷ジョブ実行処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施形態における情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図19】第2の実施形態において、印刷システムによって実行される処理を模式的に示す図である。
【図20】第2の実施形態において、印刷システムによって実行される全体的な処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】第2の実施形態において、情報処理装置によって実行される印刷ジョブ出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における印刷システム1の一構成例を示す図である。印刷システム1は、印刷ジョブを実行する印刷装置2と、この印刷装置2とネットワーク9を介して通信可能に接続される情報処理装置6とで構成される。
【0035】
印刷装置2は、ユーザによる操作を入力するための操作パネル3と、印刷処理を実行した後、印刷出力された印刷物を排出するための排出口4と、排出された印刷物を保持しておくための排出トレイ5とを備えている。操作パネル3は、例えば、いわゆるタッチパネルで構成され、情報を表示するための表示部と各種操作指示を入力する操作入力部とが一体的に設けられている。
【0036】
印刷装置2は、情報処理装置6によって出力される印刷ジョブを、ネットワーク9を介して入力することで印刷処理を実行するように構成される。そして、印刷出力される印刷物は、排出口4から排出され排出トレイ5に保持される。これにより印刷物が回収可能な状態になる。なお、印刷装置2は、いわゆる複合機やFAX装置など、印刷処理を実行する他の装置に組み込まれるものであっても良い。
【0037】
情報処理装置6は、例えば一般的なパーソナルコンピュータなどである。情報処理装置6は、ネットワーク9を介して印刷装置2と接続されており、印刷装置2と通信可能になっている。また、情報処理装置6は、ユーザに情報を表示する表示部7と、ユーザからの操作を受付ける操作入力部8とを有している。表示部7は、例えば、液晶ディスプレイであり、また、操作入力部8は、例えば、キーボードや図示しないマウスなどで構成される。また、情報処理装置6は、ユーザを個別に特定するためのユーザ識別情報に基づきユーザのログインを許可することが可能になっている。これにより、情報処理装置6は、ログインしているユーザを特定可能である。
【0038】
情報処理装置6には、プリンタードライバーがインストールされている。これにより、情報処理装置6は、印刷ジョブを生成して印刷装置2に実行させることが可能である。尚、図例では、情報処理装置6は、1つのみ示しているが、複数あっても良い。そして、複数の情報処理装置6のそれぞれがネットワーク9を介して印刷装置2と通信可能に接続されていても良い。
【0039】
図2は、情報処理装置6のハードウエア構成の一例を示す図である。図例に示すように、情報処理装置6は、この情報処理装置6の動作を制御する制御部15と、外部機器と接続するためのネットワークインタフェース18と、各種情報を記憶する記憶装置25と、表示部7と、操作入力部8と、を備え、それぞれがバス19を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0040】
制御部15は、CPU16とメモリ17とを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU16は、記憶装置25に記憶される基本プログラム26及び印刷管理プログラム27を読み出して実行する。ここで、基本プログラム26は、印刷装置2に電源が投入されることに伴って、CPU16によって実行される基本的なプログラムである。印刷管理プログラム27は、例えば、プリンタードライバーであり、制御部15を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。すなわち、CPU16は、基本プログラム26を実行している状態でさらに印刷実行プログラム42を実行することにより、制御部15を各種処理部として機能させる。メモリ17は、CPU16がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0041】
ネットワークインタフェース18は、情報処理装置6をネットワーク9に接続するためのものである。制御部15は、このネットワークインタフェース18を介して印刷装置2と通信可能に接続される。
【0042】
図3は、印刷装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。図例に示すように、印刷装置2は、この印刷装置2の動作を制御する制御部31と、外部機器と接続するためのネットワークインタフェース34と、ユーザに各種操作を行わせる操作パネル3と、印刷ジョブを実行する印刷処理部37と、各種情報を記憶する記憶装置40と、を備え、それぞれがバス45を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。また、操作パネル3には、各種情報を表示する表示部35と、ユーザによる操作指示を入力する操作入力部36とが含まれている。
【0043】
制御部31は、CPU32とメモリ33とを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU32は、記憶装置40に記憶される基本プログラム41及び印刷実行プログラム42を読み出して実行する。ここで、基本プログラム41は、印刷装置2に電源が投入されることに伴って、CPU32によって実行される基本的なプログラムである。印刷実行プログラム42は、制御部31を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。すなわち、CPU32は、基本プログラム41を実行している状態でさらに印刷実行プログラム42を実行することにより、制御部31を各種処理部として機能させる。メモリ33は、CPU32がプログラムを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
【0044】
ネットワークインタフェース34は、印刷装置2をネットワーク9に接続するためのものである。制御部31は、このネットワークインタフェース34を介して情報処理装置6と通信可能に接続される。
【0045】
印刷処理部37は、入力する印刷ジョブを実行して印刷出力を行なう処理部である。例えば、印刷処理部37は、図示しないが、用紙をストックする給紙カセットから用紙を1枚ずつ給紙する給紙部、給紙部から給紙された用紙に対して、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき画像形成を行う画像形成部、画像形成部によって形成されるトナー像(画像)を用紙に転写させる転写部、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部、印刷された印刷物を排出口4まで搬送する印刷物搬送部、画像形成部にトナーを補充するトナーボトルなどを備えている。これにより、印刷処理部37は、入力する印刷ジョブを実行することが可能である。
【0046】
図4,図5は、印刷システム1によって実行される処理の概略を示したものである。情報処理装置6は、ユーザXからの印刷指示を入力すると、ユーザXに対してその印刷ジョブを即時に実行させるか否かを設定させる設定画面を表示部7に表示させる。印刷ジョブを即時に実行させるべき設定結果を受付けた場合、図4(a)に示すように、情報処理装置6は、その即時に実行させるべき印刷ジョブ(以下「即時印刷ジョブ」と称する)44を印刷装置2に出力する。印刷装置2は、即時印刷ジョブ44を受付けると、その即時印刷ジョブ44を実行する。これにより、印刷装置2において印刷物D1が排出口4から排出される。
【0047】
一方、印刷ジョブを即時に実行させない設定結果を受付けた場合、情報処理装置6は、予約印刷ジョブ43を生成する。予約印刷ジョブ43は、印刷ジョブをまとめて実行させるタイミングに関する予約イベント情報20が関連づけられる印刷ジョブである。予約イベント情報20には、情報処理装置6においてユーザXが操作入力部8を操作することに伴うイベントに関する情報が少なくとも1つ含まれている。そのイベントは、例えば、情報処理装置6の電源のシャットダウンなどユーザによる操作に基づいて発生するイベントである。図4(b)に示すように、情報処理装置6は、予約印刷ジョブ43を生成すると、その予約印刷ジョブ43を予約イベント情報20と共に印刷装置2に出力する。
【0048】
印刷装置2は、予約印刷ジョブ43を入力すると、その予約印刷ジョブ43と、その予約印刷ジョブ43に関連づけられている予約イベント情報20とを記憶装置40に記憶する。このようにして印刷装置2の記憶装置40には、予約印刷ジョブ43と、その予約印刷ジョブ43に関連づけられる予約イベント情報20とが記憶される。
【0049】
情報処理装置6は、予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力すると、その後は、予め設定されたイベントが発生する否かを監視する。そして、図5に示すように、ユーザXによって情報処理装置6に対して入力される操作が予め設定されたイベントであることを検知すると、情報処理装置6は、予約印刷ジョブ43を実行するか否かをユーザXに選択させる選択画面を表示部7に表示する。このときユーザXは、そのイベントに対応する操作を行なっているので、その操作と同時に表示部7を視認している状態である。すなわち、情報処理装置6は、ユーザXが表示部7を視認している状態のときに選択画面を表示するので、ユーザXに選択画面を確認させることが可能になっている。
【0050】
情報処理装置6は、予約印刷ジョブ43を実行すべき選択結果を受付けると、発生したイベントに関する発生イベント情報21を生成して印刷装置2に出力する。この場合、例えば、図5に示すように、印刷装置2にユーザXに関する印刷ジョブとして、予約印刷ジョブA〜Cが記憶されているとする。そして、各予約印刷ジョブA〜Cのそれぞれには、予約イベント情報a〜cが関連づけられているとする。
【0051】
そのような状態において、印刷装置2は、発生イベント情報21を受付けると、その発生イベント情報21に対応する予約イベント情報20が記憶装置40に記憶されているか否かを検知する。そして、印刷装置2は、発生イベント情報21に対応する予約イベント情報20が記憶装置40に記憶されている場合に、その予約イベント情報20に関連づけられているユーザXの予約印刷ジョブ43を記憶装置40から読出して実行する。
【0052】
例えば、記憶装置40に記憶されている予約印刷ジョブA〜Cのうち発生イベント情報21に対応する予約イベント情報20が予約イベント情報a,bであるとすると、印刷装置2は、まず、それら予約イベント情報a,bを特定する。そして、印刷装置2は、それら予約イベント情報a,bに関連づけられている予約印刷ジョブA,Bを記憶装置40から読出して実行する。これにより、印刷装置2において、予約印刷ジョブAを実行することにより印刷物D2が印刷出力され、また、予約印刷ジョブBを実行することにより印刷物D3が印刷出力される。
【0053】
このように、情報処理装置6は、ユーザXが操作入力部8に対して所定の操作指示を入力している状態のときに選択画面を表示するので、ユーザXが選択画面を確認することができるタイミングでその選択画面が表示されることになる。従って、ユーザXは、表示部7に表示される選択画面をリアルタイムで確認することができる。これにより、ユーザXは、選択画面を確認することによって、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブ43を実行させることが可能である。
【0054】
次に、上記のような印刷システム1の具体的な構成について説明する。以下の説明では、まず図6を参照して情報処理装置6の制御部15について説明し、次に図7を参照して印刷装置2の制御部31について説明する。なお、以下の説明では、即時印刷ジョブと予約印刷ジョブとを特に区別する必要が無い場合には、単に「印刷ジョブ」と称する。
【0055】
図6は、情報処理装置6の制御部15の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部15は、図2において説明したCPU16が印刷管理プログラム27を実行することにより、指示解析部51、ジョブ管理部52、印刷ジョブ生成部54、出力制御部55及び表示制御部56として機能する。また、ジョブ管理部52は、指示部53を含んでいる。
【0056】
指示解析部51は、操作入力部8に対して行なわれる指示操作を入力することで機能する。指示解析部51は、操作入力部8を介して入力する操作指示を受付けて解析し、その解析結果に基づき各処理部に各種情報を出力する処理部である。指示解析部51は、受付けた操作指示が印刷指示である場合に、表示制御部56に対して設定画面を生成するように指示する。
【0057】
表示制御部56は、各種表示画面を生成して表示部7に表示させる処理部である。表示制御部56は、指示解析部51から指示を受付けることで機能し、その指示に従って設定画面を生成して表示部7に表示させる。
【0058】
図8は、表示制御部56によって作成される設定画面65の一例を示す図である。図例に示すように、設定画面65は、印刷ジョブを即時に実行するか又はまとめて実行するかをユーザが選択して設定できるようになっている。また、設定画面65は、「まとめて印刷」が設定される場合、更に、まとめて印刷を行なうタイミングとしてユーザの操作指示に伴って発生するイベントを予め設定できるようになっている。設定画面65において設定可能なイベントは、操作入力部8への操作を伴うものである。これにより、ユーザが操作入力部8を操作している状態を検知することが可能になる。図例では、イベントとして「シャットダウン」、「ログイン」及び「スリープ状態から復帰」の3つが示されている。
【0059】
但し、設定画面65において設定可能なイベントは、操作入力部8への操作に伴うものであれば図例に示すものに限られず適宜設計が可能である。例えば、「スクリーンセーバからの復帰」などがイベントに含まれても良い。また、図例では、イベントとして「シャットダウン」のみが選択されている状態を示しているが、複数のイベントが選択されるように構成しても良い。また、ユーザは、予約印刷ジョブ43毎に異なるイベントを設定することも可能である。これにより、予約印刷ジョブ43毎に対応するイベントが異なるので、印刷システム1は、予約印刷ジョブ43の実行タイミングを予約印刷ジョブ毎に異ならせることが可能である。
【0060】
設定画面65には、ユーザによって設定された内容を決定するための決定ボタン65aが設けられる。また、図例に示すように、設定画面65には、印刷を中止させるための印刷中止ボタン65bなどが設けられても良い。決定ボタン65aが押下されると、その設定結果に関する設定情報は指示解析部51によって受付けられる。
【0061】
指示解析部51は、設定情報を受付けると、以下のように処理を行なう。まず、即時に印刷ジョブを行なうべき設定情報を受付けると、指示解析部51は、図6に示す印刷ジョブ生成部54に対して即時印刷ジョブを生成するように指示する。
【0062】
印刷ジョブ生成部54は、印刷ジョブを生成する処理部である。印刷ジョブ生成部54は、例えば、そのとき表示部7に表示されている画像データや各種印刷設定などに基づき即時印刷ジョブを生成する。印刷ジョブ生成部54は、即時印刷ジョブを生成すると、その即時印刷ジョブを出力制御部55に出力する。
【0063】
出力制御部55は、印刷ジョブを印刷装置2に対して出力する処理部である。出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から印刷ジョブを受け取ることで機能し、その印刷ジョブを印刷装置2に対して出力する。これにより印刷装置2において印刷ジョブが受信される。
【0064】
次に、図8に示した設定画面65において「まとめて印刷」が設定される場合について説明する。指示解析部51は、まとめて印刷すべきことを示す設定情報を受付けると、図6に示すジョブ管理部52に対してその設定情報を出力すると共に、予約イベント情報20を生成するように指示する。
【0065】
ジョブ管理部52は、指示解析部51から指示を受け取ることで機能する。ジョブ管理部52は、予約イベント情報20及び発生イベント情報21を生成し、それら予約イベント情報20及び発生イベント情報21を管理する処理部である。ジョブ管理部52は、指示解析部51から予約イベント情報20を作成すべき指示と設定情報とを受け取ると、以下に説明するように、その設定情報に基づき予約イベント情報20を生成する。このときジョブ管理部52は、予約イベント情報生成部として機能する。
【0066】
図9は、ジョブ管理部52によって生成される予約イベント情報20の一例を示す図である。予約イベント情報20には、ユーザIDと予約イベントとが記録される。ユーザIDは、情報処理装置6にログインしているユーザのユーザ識別情報である。また、予約イベントは、設定画面65において「まとめて印刷」が設定される場合の設定情報に含まれるイベントである。すなわち、予約イベントは、ユーザの操作に伴うイベントを示す情報であり、予約印刷ジョブ43を実行させるための条件となる。
【0067】
ジョブ管理部52は、指示解析部51から指示を受け取ると、指示解析部51から受け取った設定情報に含まれるイベントを特定する。また、ジョブ管理部52は、情報処理装置6にログインしているユーザのユーザIDを特定する。そして、ジョブ管理部52は、特定されるユーザIDと、設定情報に含まれるイベントとを予約イベント情報20に記録する。このようにしてジョブ管理部52は、予約イベント情報20を生成する。
【0068】
また、ジョブ管理部52は、指示解析部51から設定情報を受け取ると、予約イベント情報20を生成した後、その設定情報に含まれるイベントの発生を監視する処理を開始する。例えば、ジョブ管理部52は、指示解析部51から受け取る設定情報に基づき監視すべきイベントが記録される監視イベント情報を生成し、その監視イベント情報を記憶装置25の図示しない記憶領域に記憶させる。そして、ジョブ管理部52は、その監視イベント情報に基づき操作入力部8に入力される指示操作を監視することで、イベントが発生するか否かを判断する。
【0069】
ところで、実際には、過去に他の予約印刷ジョブ43が生成されたことに伴って、既に所定のイベントが監視対象になっている場合もある。そこで、ジョブ管理部52は、指示解析部51から設定情報を受け取ると、その設定情報に含まれるイベントが既に監視対象になっているか否かを判断し、その設定情報に含まれるイベントが未だ監視対象になっていない場合に、その設定情報に含まれるイベントを監視するように処理しても良い。
【0070】
図6に戻って、ジョブ管理部52は、予約イベント情報20を生成すると、その予約イベント情報20を印刷ジョブ生成部54に出力する。印刷ジョブ生成部54は、ジョブ管理部52から予約イベント情報20を受け取ると、上述した即時印刷ジョブと同様に、そのとき表示部7に表示されている画像データや各種印刷設定などに基づき印刷ジョブを生成する。そして、印刷ジョブ生成部54は、生成される印刷ジョブに、ジョブ管理部52から受け取った予約イベント情報20を関連づけて予約印刷ジョブ43として生成する。印刷ジョブ生成部54は、予約印刷ジョブ43を生成すると、その予約印刷ジョブ43を出力制御部55に出力する。
【0071】
出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から予約印刷ジョブ43を受け取ると、その予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力する。
【0072】
次に、予め設定されたイベントが発生する場合の処理について説明する。上記のようにして、予約印刷ジョブ43が発行された後、ユーザによって操作入力部8に対する操作が行われると、ジョブ管理部52は、その操作に基づいて発生するイベントが、監視イベント情報に記録されているイベントであるか否かを判断する。例えば、電源のシャットダウンが監視イベント情報に記録されているとすると、ジョブ管理部52は、電源をシャットダウンすべき操作指示が指示解析部51に入力されたことを検知した場合に、予め設定されたイベントが発生したと判断する。
【0073】
ここで、制御部15は、予め設定されたイベントが電源のシャットダウンなど、そのイベントが発生することによって情報処理装置6の動作が停止するような場合には、その停止動作に割り込ませて予約印刷ジョブ43を実行させるための処理を行なう。例えば、予め設定されたイベントが、電源のシャットダウンであって、そのイベントが発生した場合、制御部15は、電源をシャットダウンする動作に割り込ませて予約印刷ジョブ43を実行させるための処理を行なう。これにより、情報処理装置6の動作が停止される前に予約印刷ジョブ43を実行させることが可能である。
【0074】
情報処理装置6において予め設定されたイベントが発生すると、ジョブ管理部52は、以下の動作を開始する。まず、ジョブ管理部52は、表示制御部56に対して選択画面を生成するように指示する。表示制御部56は、ジョブ管理部52による指示を受付けることで機能し、選択画面を生成して表示部7に表示させる。図10は、表示制御部56によって生成される選択画面66の一例を示す図である。図例に示すように、選択画面66は、予約印刷ジョブ43が実行可能であることを報知するメッセージが表示されると共に、予約印刷ジョブ43をまとめて実行するか否かをユーザが選択できるようになっている。また、選択画面66には、ユーザによって選択された内容を決定するための実行ボタン66aが設けられている。
【0075】
実行ボタン66aが押下されると、ユーザによる選択結果に関する選択情報は、図6に示す指示解析部51によって受付けられる。指示解析部51は、予約印刷ジョブ43の実行が選択されたことを示す選択情報を受付けた場合には、ジョブ管理部52に対して発生イベント情報21を生成するように指示する。一方、指示解析部51は、予約印刷ジョブ43の実行が選択されなかったことを示す選択情報を受付けた場合には、予め設定されたイベントが再び発生するまで待機する。但し、指示解析部51は、他の印刷ジョブに関する操作指示が入力される場合には、その印刷ジョブに関する処理を行なう。
【0076】
ジョブ管理部52は、指示解析部51からの指示に従って発生イベント情報21を生成する。図11は、発生イベント情報21の一例を示す図である。発生イベント情報21には、ユーザIDと発生イベントが記録される。ユーザIDは、予約イベント情報20と同様に、情報処理装置6にログインしているユーザのユーザ識別情報である。また、発生イベントは、ジョブ管理部52によって検知されたイベントを示す情報である。ジョブ管理部52は、予め設定されたイベントが発生すると、情報処理装置6にログインしているユーザのIDと、検知したイベントに基づき発生内容を記録する。このようにしてジョブ管理部52は、発生イベント情報21を生成する。
【0077】
再び図6に戻って、発生イベント情報21が生成されると、ジョブ管理部52に含まれる指示部53が機能する。指示部53は、発生イベント情報21を出力する処理部である。指示部53は、ジョブ管理部52によって発生イベント情報21が生成されると、その発生イベント情報21を印刷装置2に対して出力する。ジョブ管理部52は、発生イベント情報21を印刷装置2に対して出力すると、既に発生したイベントに対する監視を終了する。以上のようにして情報処理装置6において実行される処理は終了する。
【0078】
次に、印刷装置2によって実行される処理について説明する。図7は、印刷装置2の制御部31における機能構成の一例を示すブロック図である。制御部15は、図3において説明したCPU32が印刷実行プログラム42を実行することにより、指示入力部61、判別部62及び印刷制御部63として機能する。以下においては、まず、印刷装置2が印刷ジョブを入力した場合の処理について説明し、次に、印刷装置2が発生イベント情報21を入力した場合の処理について説明する。
【0079】
指示入力部61は、情報処理装置6から出力される各種情報を入力して受付ける処理部である。また、この指示入力部61は、入力する各種情報を解析して、その情報を各処理部に振分けて出力する。指示入力部61は、情報処理装置6から印刷ジョブを入力すると、その印刷ジョブを判別部62に出力する。
【0080】
判別部62は、指示入力部61から印刷ジョブを入力することで機能する。判別部62は、指示入力部61から受け取った印刷ジョブが予約印刷ジョブ43であるか又は即時印刷ジョブであるかを判別する処理部である。判別部62は、指示入力部61から印刷ジョブを入力すると、その印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられているか否かに基づき判別を行なう。すなわち、判別部62は、受け取る印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられている場合に、その印刷ジョブを予約印刷ジョブ43として判断する。一方、判別部62は、受け取る印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられていない場合に、その印刷ジョブを即時印刷ジョブであると判断する。
【0081】
判別部62は、判別結果に基づき印刷ジョブの出力先を決定する。すなわち、判別部62は、受け取る印刷ジョブが予約印刷ジョブ43である場合には、その予約印刷ジョブ43を記憶装置40に記憶させる。一方、判別部62は、受け取る印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合には、その即時印刷ジョブを印刷制御部63に出力する。
【0082】
印刷制御部63は、印刷処理部37に印刷処理を実行させる処理部である。印刷制御部63は、判別部62から即時印刷ジョブを受け取ると、その即時印刷ジョブを印刷処理部37に出力する。これにより印刷処理部37によって即時印刷ジョブが実行され、排出口4から印刷物が排出される。また、印刷制御部63は、複数の印刷ジョブを実行する場合、印刷待ちとなる印刷ジョブを一旦待機させ、順次、印刷処理部37に出力するように構成されても良い。
【0083】
次に、印刷装置2が発生イベント情報21を入力する場合の処理について説明する。指示入力部61は、情報処理装置6から出力される発生イベント情報21を受け取ると、その発生イベント情報21を印刷制御部63に出力する。
【0084】
印刷制御部63は、指示入力部61から発生イベント情報21を受け取ると、その発生イベント情報21に基づいて、情報処理装置6において発生したイベントを特定する。例えば、図11に示した例では、印刷制御部63は、ユーザIDが「X」のユーザについて「シャットダウン」というイベントが発生したことを特定する。
【0085】
次に、印刷制御部63は、記憶装置40に記憶されている予約印刷ジョブ43のうち、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43があるか否かを以下のようにして判断する。
【0086】
図12は、印刷装置2の記憶装置40に記憶されている予約印刷ジョブ43の一例を示す図である。図例に示すように、記憶装置40には、予約印刷ジョブA〜Cが記憶されている。また、それら予約印刷ジョブA〜Cのそれぞれには、予約イベント情報20a〜20cが関連づけられている。
【0087】
印刷制御部63は、上述したようなイベントの発生を特定すると、予約印刷ジョブA〜Cのうち、ユーザIDが「X」であり、且つ予約イベントが「シャットダウン」である予約イベント情報20を特定する。図例では、予約イベント情報20a,20bが、ユーザIDが「X」であり、且つ予約イベントが「シャットダウン」である。この場合、印刷制御部63は、発生イベント情報21に対応する予約イベント情報20として予約イベント情報20a,20bを特定する。そして、印刷制御部63は、更に、それら予約イベント情報20a,20bに対応する予約印刷ジョブA,Bを特定する。このようにして印刷制御部63は、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43を特定する。
【0088】
一方、予約印刷ジョブCは、この予約印刷ジョブCに関連づけられている予約イベント情報20cに記録されるユーザIDが「Y」であるので、印刷対象から除外される。このように印刷システム1は、予約印刷ジョブ43を発行したユーザにも対応して予約印刷ジョブ43を実行することが可能な構成である。また、ユーザID以外にも、例えば、情報処理装置6を特定するための端末識別情報などに対応して予約印刷ジョブ43が実行されるように構成しても良い。
【0089】
印刷制御部63は、予約印刷ジョブ43を特定すると、その予約印刷ジョブ43を記憶装置40から読出した後、印刷処理部37に出力する。図12の例では、印刷制御部63は、予約印刷ジョブA,Bのそれぞれを記憶装置40から読出した後、印刷処理部37に出力する。これにより、例えば、図5に示したように、印刷装置2において、予約印刷ジョブAを実行することにより印刷物D2が印刷出力され、また、予約印刷ジョブBを実行することにより印刷物D3が印刷出力される。
【0090】
図13〜図17は、上記のように構成される印刷システム1において実行される処理手順を示したフローチャートである。以下、各図を参照しつつ印刷システム1によって実行される処理について説明する。
【0091】
図13は、印刷システム1によって実行される全体的な処理手順を示すフローチャートである。図例に示すように、情報処理装置6の制御部15は、指示解析部51によって印刷指示が受付けられると(ステップS1のYES)、印刷ジョブ出力処理を実行する(ステップS2)。印刷ジョブ出力処理が終了すると、情報処理装置6の制御部15は、予め設定されたイベントが発生するまで待機する(ステップS4のNO)。情報処理装置6の制御部15は、予め設定されたイベントが発生すると(ステップS4のYES)、発生イベント情報出力処理を実行する(ステップS5)。以上により情報処理装置6において実行される処理は終了する。
【0092】
一方、印刷装置2の制御部31は、情報処理装置6による印刷ジョブ出力処理の実行に伴って印刷ジョブ入力処理を実行する(ステップS3)。また、印刷装置2の制御部31は、情報処理装置6による発生イベント情報出力処理の実行に伴って予約印刷ジョブ実行処理を実行する(ステップS6)。以上により印刷装置2において実行される処理は終了する。以上のようにして、印刷システム1において実行される全体的な処理は終了する。
【0093】
図14は、情報処理装置6において実行される印刷ジョブ出力処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理が開始されると、情報処理装置6の制御部15において、表示制御部56は、設定画面65を表示部7に表示させる(ステップS11)。設定画面65において「まとめて印刷」が設定されると(ステップS12のYES)、ジョブ管理部52は、設定情報に基づき、予め設定されたイベントが発生するか否かの監視を開始する(ステップS13)。また、ジョブ管理部52は、設定情報に基づき予約イベント情報20を生成する(ステップS14)。
【0094】
次に、印刷ジョブ生成部54は、ジョブ管理部52から予約イベント情報20を受け取ると、その予約イベント情報20を印刷ジョブに関連づけて予約印刷ジョブ43として生成する(ステップS15)。出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から予約印刷ジョブ43を受け取ると、その予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力する(ステップS16)。一方、設定画面65において、「まとめて印刷」が設定されない場合には(ステップS12のNO)、印刷ジョブ生成部54は、即時印刷ジョブを生成する(ステップS17)。出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から即時印刷ジョブを受け取ると、その即時印刷ジョブを印刷装置2に出力する(ステップS18)。以上のようにして、印刷ジョブ出力処理は終了する。
【0095】
図15は、印刷装置2の制御部31によって実行される印刷ジョブ入力処理の処理手順を示すフローチャートである。制御部31の指示入力部61を介して印刷ジョブが入力されると(ステップS21のYES)、判別部62は、その印刷ジョブが予約印刷ジョブ43であるか又は即時印刷ジョブであるかを判別する(ステップS22)。判別部62は、入力する印刷ジョブが予約印刷ジョブ43である場合には(ステップS23のYES)、その予約印刷ジョブ43を記憶装置40に記憶させる(ステップS24)。
【0096】
一方、判別部62は、入力する印刷ジョブが即時印刷ジョブである場合には(ステップS23のNO)、その即時印刷ジョブを印刷制御部63に出力する(ステップS25)。印刷制御部63は、判別部62から即時印刷ジョブを受け取ると、その即時印刷ジョブを印刷処理部37に実行させる(ステップS26)。これにより、印刷処理部37によって即時印刷ジョブが実行されるので印刷物が排出口4から排出される。以上により、印刷ジョブ入力処理は終了する。
【0097】
図16は、情報処理装置6の制御部15によって実行される発生イベント情報出力処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、ジョブ管理部52が予め設定されたイベントの発生を検知することによって開始される(図13のステップS4でYES)。この処理が開始されると、表示制御部56は、表示部7に選択画面66を表示させる(ステップS31)。選択画面66に対して予約印刷ジョブ43をまとめて実行すべき選択情報が入力されると(ステップS32のYES)、ジョブ管理部52は、発生イベント情報21を生成する(ステップS33)。そして、指示部53は、その発生イベント情報21を印刷装置2に出力する(ステップS34)。ジョブ管理部52は、発生イベント情報21を印刷装置2に出力すると、既に発生したイベントに対する監視を終了する(ステップS35)。一方、選択画面66に対して予約印刷ジョブ43をまとめて実行すべき選択情報が入力されない場合(ステップS32のNO)、指示解析部51は、予め設定されたイベントが再び発生するまで待機する(図13のステップS4まで戻る)。以上のようにして、発生イベント情報出力処理は終了する。
【0098】
図17は、印刷装置2の制御部31によって実行される予約印刷ジョブ実行処理の処理手順を示すフローチャートである。印刷制御部63は、指示入力部61を介して発生イベント情報21が入力されると(ステップS41のYES)、その発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43が記憶装置40に記憶されているか否かを検知する(ステップS42)。印刷制御部63は、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43が記憶装置40に記憶されている場合には(ステップS42のYES)、その予約印刷ジョブ43を記憶装置40から読み出す(ステップS43)。そして、印刷制御部63は、その予約印刷ジョブ43を印刷処理部37に実行させる(ステップS44)。一方、印刷制御部63は、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43が記憶装置40に記憶されていない場合には(ステップS42のNO)、ステップS43,S44をスキップする。以上のようにして、予約印刷ジョブ実行処理は終了する。
【0099】
以上のように、本実施形態では、情報処理装置6の表示制御部56は、操作入力部8に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に選択画面66を表示部7に表示することによって、予約印刷ジョブ43が実行可能になっていることをユーザに報知する構成である。このような構成によれば、ユーザに選択画面66を確認させることができるので、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブ43を実行することが可能である。
【0100】
また、本実施形態では、印刷システム1は、予約印刷ジョブ43が印刷装置2によって記憶される構成である。そして、印刷システム1は、予め設定されたイベントが発生すると、情報処理装置6が発生イベント情報21を印刷装置2に出力することで予約印刷ジョブ43が実行されるように構成される。すなわち、イベントが発生するとき、予約印刷ジョブ43は、既に印刷装置2に記憶されている。そのため、印刷システム1は、情報処理装置6から発生イベント情報21を印刷装置2に出力するのみで予約印刷ジョブ43を実行することが可能である。これにより、印刷システム1は、例えば、イベントが発生してから印刷ジョブを生成して印刷装置2に出力する場合に比べてイベント発生後の処理効率が良いというメリットがある。
【0101】
また、本実施形態では、印刷システム1は、予約印刷ジョブ43を実行するか否かを選択するための選択画面66を表示部7に表示するように構成されている。これにより、ユーザは、自己の都合に応じて、予約印刷ジョブ43を実行するか否かを選択することが可能である。
【0102】
また、本実施形態では、予約イベント情報20には、設定画面65において設定可能な複数のイベントのうち少なくとも1つのイベントに関する情報が予約イベントとして記録されるようになっている。そして、ジョブ管理部52は、予め設定されたイベントが発生した場合に発生イベント情報21を生成して印刷装置2に出力する。印刷装置2は、受け取る発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43を実行する。
【0103】
このような構成によれば、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43が実行されるので、例えば複数の予約印刷ジョブ43に異なる予約イベント情報20を関連づけておくことによって、各予約印刷ジョブ43の実行タイミングを異ならせることが可能である。
【0104】
また、本実施形態では、表示制御部56は、設定画面65を表示部7に表示させるようになっている。そして、ジョブ管理部52は、設定画面65に対する設定結果に基づき予約イベント情報20を生成する。このような構成によれば、ユーザが自己の都合に応じてイベントを設定できる。
【0105】
尚、上記においては、印刷管理プログラム27がプリンタードライバーによって構成され、制御部15のCPU16がその印刷管理プログラム27を実行することにより、図6に示した指示解析部51、ジョブ管理部52、印刷ジョブ生成部54、出力制御部55および表示制御部56としての各機能を実現する場合を例示した。そのため、このような構成の場合は、情報処理装置6から予約印刷ジョブ43が印刷装置2に送信された後にも、プリンタードライバーによって構成される印刷管理プログラム27が情報処理装置6に常駐することになる。
【0106】
これに対し、情報処理装置6から予約印刷ジョブ43が印刷装置2に送信された後には、プリンタードライバーを情報処理装置6に常駐させないように構成することもできる。例えば、情報処理装置6が予約印刷ジョブ43を印刷装置2に送信した後、上述したジョブ管理部52が、その後の処理を行うためのスクリプトを生成し、CPU16にそのスクリプトを実行させることにより、図13におけるステップS4及びS5の処理を行うように構成することもできる。この場合、スクリプトは、ユーザによって設定されるイベントに応じた処理を行うプログラムとして生成される。これにより、予約印刷ジョブ43を印刷装置2に送信した後には、プリンタードライバーの実行を終了させ、その後の処理はスクリプトを実行することによって行うことができるようになる。したがって、予約印刷ジョブの送信後に、プリンタードライバーを常駐させる必要がなくなると共に、スクリプトによって予め設定されたイベントの発生を検知することができるため、効率的な処理が可能となる。このようなプログラム構成とする場合、印刷管理プログラム27は、プリンタードライバーと、スクリプトとによって構成されることとなり、上述した指示解析部51、ジョブ管理部52、印刷ジョブ生成部54、出力制御部55および表示制御部56としての各機能は、プリンタードライバーとスクリプトとによって実現される。
【0107】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、予約印刷ジョブ43を記憶する記憶装置は、印刷装置2に設けられている。これに対して本実施形態では、記憶装置は、情報処理装置6に設けられており、その情報処理装置6の記憶装置が予約印刷ジョブ43を記憶するようになっている。このような構成によれば、印刷装置2に予約印刷ジョブ43を記憶するための記憶領域が十分にない場合などであっても印刷システム1を実現することが可能である。以下においては、本実施形態に関する構成について詳細に説明し、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略する。
【0108】
図18は、第2の実施形態において、情報処理装置6における制御部15の機能構成の一例を示すブロック図である。また、図19は、本実施形態において印刷システム1によって実行される処理を模式的に示す図である。
【0109】
図18に示すように、制御部15は、上記と同様に、指示解析部51、ジョブ管理部52、印刷ジョブ生成部54、出力制御部55及び表示制御部56として機能する。
【0110】
指示解析部51を介して印刷指示が入力されると、表示制御部56は、上記と同様にして設定画面65を表示部7に表示させる。設定画面65において「まとめて印刷」が設定されると、ジョブ管理部52は、その設定画面65に対して設定されたイベントが発生するか否かの監視を開始する。また、ジョブ管理部52は、設定情報に基づき予約イベント情報20を生成する。予約イベント情報20が生成されると、ジョブ管理部52は、その予約イベント情報20を印刷ジョブ生成部54に出力する。
【0111】
印刷ジョブ生成部54は、ジョブ管理部52から予約イベント情報20を受け取ると、予約印刷ジョブ43を生成する。すなわち、印刷ジョブ生成部54は、例えば表示部7に表示されている画像データや各種印刷設定などに基づき印刷ジョブを生成した後、その印刷ジョブに、ジョブ管理部52から受け取った予約イベント情報20を関連づけることで予約印刷ジョブ43を生成する。印刷ジョブ生成部54は、予約印刷ジョブ43を生成すると、その予約印刷ジョブ43を予約イベント情報20と共に出力制御部55に出力する。
【0112】
一方、設定画面65において「まとめて印刷」が設定されない場合には、上記と同様にして、印刷ジョブ生成部54は、指示解析部51からの指示に従って即時印刷ジョブを生成する。そして、印刷ジョブ生成部54は、その即時印刷ジョブを出力制御部55に出力する。
【0113】
出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から印刷ジョブを受け取ると、その印刷ジョブが予約印刷ジョブ43であるか又は即時印刷ジョブであるかを判断し、その判断結果に応じて、印刷ジョブの出力先を出力制御部55又は記憶装置25に振分けて出力する。すなわち、出力制御部55は、印刷ジョブを受け取ると、その印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられているか否かを判断する。そして、出力制御部55は、印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられている場合には、その印刷ジョブを予約印刷ジョブ43であると判断し、その予約印刷ジョブ43を予約イベント情報20と共に記憶装置25に記憶させる。すなわちこのとき出力制御部55は、記憶制御部として機能する。このようにして、記憶装置25には、予約印刷ジョブ43と、その予約印刷ジョブ43に関連づけられている予約イベント情報20とが記憶される。
【0114】
一方、出力制御部55は、印刷ジョブに予約イベント情報20が関連づけられていない場合には、その印刷ジョブを即時印刷ジョブであると判断し、その即時印刷ジョブを印刷装置2に出力する。これにより印刷装置2において即時印刷ジョブが実行される。
【0115】
次に、予め設定されたイベントが発生する場合について説明する。ジョブ管理部52は、例えば図19に示すユーザXによる操作に伴って予め設定されたイベントが発生したことを検知すると、表示制御部56に対して選択画面66を生成するように指示する。表示制御部56は、ジョブ管理部52による指示に従って選択画面66を生成して表示部7に表示させる。
【0116】
図18に示す指示解析部51は、予約印刷ジョブ43の実行が選択されたことを示す選択情報を受付けた場合には、その選択情報をジョブ管理部52に出力する。ジョブ管理部52は、指示解析部51から選択情報を受け取ると、その選択情報に基づいて発生イベント情報21を生成して出力制御部55に出力する。出力制御部55は、ジョブ管理部52から発生イベント情報21を受け取ると、その発生イベント情報21に基づき記憶装置25を検索し、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43を特定する。そして、出力制御部55は、特定した予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力する。例えば、図19に示すように、出力制御部55は、予約印刷ジョブA,Bを印刷装置2に出力する。ジョブ管理部52は、発生したイベントに対応する予約印刷ジョブ43が印刷装置2に出力されると、そのイベントに対する監視を終了する。
【0117】
一方、指示解析部51は、予約印刷ジョブ43の実行が選択されなかったことを示す選択情報を受付けた場合には、予め設定されたイベントが再び発生するまで待機する。尚、指示解析部51は、他の印刷ジョブに関する操作入力部8から所定の操作指示を入力する場合には、当該他の印刷ジョブに関する処理を行なう。
【0118】
印刷装置2は、情報処理装置6から受け取る予約印刷ジョブ43を実行する。例えば、図19に示すように、印刷装置2は、予約印刷ジョブAを実行することにより印刷物D6を印刷出力し、また、予約印刷ジョブBを実行することにより印刷物D7を印刷出力する。これにより、各印刷物D6,D7のそれぞれが排出口4から排出されるので、ユーザXは各印刷物D6,D7を回収することが可能である。
【0119】
図20,図21は、上記のように構成される情報処理装置6において実行される処理手順を示すフローチャートである。図20は、全体的な処理手順を示すフローチャートであり、また、図21は、情報処理装置6によって実行される印刷ジョブ出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0120】
図20に示すように、指示解析部51によって印刷指示が受付けられると(ステップS51のYES)、情報処理装置6の制御部15は、印刷ジョブ出力処理を実行する(ステップS52)。印刷ジョブ出力処理を終了すると、ジョブ管理部52は、予め設定されたイベントが発生するまで待機する(ステップS53のNO)。
【0121】
ジョブ管理部52によって、予め設定されたイベントが発生したことが検知されると(ステップS53のYES)、表示制御部56は、選択画面66を表示部7に表示させる(ステップS54)。そして、予約印刷ジョブ43をまとめて実行すべき選択情報が指示解析部51によって受付けられると(ステップS55のYES)、ジョブ管理部52は、発生イベント情報21を生成して出力制御部55に出力する。出力制御部55は、その発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43を記憶装置25から読出し、その予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力する(ステップS56)。ジョブ管理部52は、予約印刷ジョブ43を印刷装置2に出力すると、既に発生したイベントに対する監視を終了する(ステップS57)。
【0122】
印刷装置2は、情報処理装置6から予約印刷ジョブ43を受け取ると、その予約印刷ジョブ43を実行する(ステップS58)。これにより、印刷物が排出口4から排出されるので、ユーザは、その印刷物を回収可能になる。
【0123】
図21は、情報処理装置6において実行される印刷ジョブ出力処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理が開始されると、表示制御部56は、設定画面65を表示部7に表示させる(ステップS61)。設定画面65において「まとめて印刷」が設定される場合(ステップS62のYES)、ジョブ管理部52は、その設定画面65に対して設定されるイベントが発生するか否かの監視を開始する(ステップS63)。また、ジョブ管理部52は、設定情報に基づき予約イベント情報20を生成する(ステップS64)。
【0124】
印刷ジョブ生成部54は、ジョブ管理部52から予約イベント情報20を受け取ると、画像データなどに基づき生成される印刷ジョブに、ジョブ管理部52から受け取った予約イベント情報20を関連づけて予約印刷ジョブ43として生成する(ステップS65)。印刷ジョブ生成部54は、予約印刷ジョブ43と、その予約印刷ジョブ43に関連づけられている予約イベント情報20とを出力制御部55に出力する。そして出力制御部55は、印刷ジョブ生成部54から受け取った予約印刷ジョブ43と予約イベント情報20とを記憶装置25に記憶させる(ステップS66)。
【0125】
一方、設定画面65において「まとめて印刷」が設定されない場合(ステップS62のNO)、印刷ジョブ生成部54は、即時印刷ジョブを生成する(ステップS67)。印刷ジョブ生成部54は、即時印刷ジョブを生成すると、その即時印刷ジョブを出力制御部55に出力する。出力制御部55は、受け取った即時印刷ジョブを印刷装置2に出力する(ステップS68)。これにより印刷装置2によって即時印刷ジョブが実行されるので、印刷物が排出口4から排出される。以上により、印刷ジョブ出力処理は終了する。
【0126】
以上のように、本実施形態では、情報処理装置6の表示制御部56は、操作入力部8に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に選択画面66を表示部7に表示することによって、予約印刷ジョブ43が実行可能になっていることをユーザに報知する構成である。また、本実施形態では、情報処理装置6によって予約印刷ジョブ43が記憶される構成である。
【0127】
このような構成によれば、ユーザに選択画面66を確認させることができるので、ユーザは、印刷物を回収可能なタイミングで予約印刷ジョブ43を実行することが可能である。また、本実施形態では、予約印刷ジョブ43を情報処理装置6が記憶するようになっているので、印刷装置2が予約印刷ジョブ43を記憶するための十分な記憶領域を有さない場合であっても印刷システム1を実現することが可能である。
【0128】
また、本実施形態では、印刷システム1は、予約印刷ジョブ43を実行するか否かを選択するための選択画面66を表示部7に表示するように構成されている。これにより、ユーザは、自己の都合に応じて、予約印刷ジョブ43を実行するか否かを選択することが可能である。
【0129】
また、本実施形態では、予約イベント情報20には、設定画面65において設定可能な複数のイベントのうち少なくとも1つのイベントが予約イベントとして記録されるようになっている。そして、予め設定されたイベントが発生した場合、出力制御部55は、その予約に対応する予約印刷ジョブ43を記憶装置25から読出して印刷装置2に実行させる。
【0130】
このような構成によれば、発生イベント情報21に対応する予約印刷ジョブ43が実行されるので、例えば複数の予約印刷ジョブ43に異なる予約イベント情報20を関連づけておくことによって、各予約印刷ジョブ43の実行タイミングを異ならせることが可能である。
【0131】
また、本実施形態では、表示制御部56は、設定画面65を表示部7に表示させるようになっている。そして、ジョブ管理部52は、設定情報に基づき予約イベント情報20を生成する。このような構成によれば、ユーザが自己の都合に応じてイベントを設定できる。
【0132】
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0133】
更に、例えば、ユーザの予定が変更となり、予約印刷ジョブ43を即時に印刷する必要が生じる場合もある。このような場合に備えて予約印刷ジョブ43を強制的に実行させるための強制実行ボタンを作成して表示部7に常に表示させても良い。これにより、ユーザは、自己の都合に応じていつでも予約印刷ジョブ43を実行させることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 印刷システム
2 印刷装置
6 情報処理装置
7 表示部(表示手段)
8 操作入力部(操作手段)
20 予約イベント情報
21 発生イベント情報
25 記憶装置(印刷ジョブ記憶装置)
37 印刷処理部(印刷処理手段)
40 記憶装置(印刷ジョブ記憶装置)
43 予約印刷ジョブ
52 ジョブ管理部(予約イベント情報生成手段)
53 指示部(印刷指示手段)
54 印刷ジョブ生成部(印刷ジョブ生成手段)
55 出力制御部(出力制御手段,記憶制御手段)
56 表示制御部(表示制御手段)
63 印刷制御部(印刷制御手段)
65 設定画面
66 選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、この情報処理装置から出力される印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置と、を備える印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき、即時に実行しない印刷ジョブを予約印刷ジョブとして生成する印刷ジョブ生成手段と、
生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段と、
前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、
前記操作手段に入力される指示操作に基づき、前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段と、
を備え、
前記印刷装置は、
印刷処理を実行する印刷処理手段と、
入力する予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、
前記出力制御手段からの指示に基づき前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷処理手段に実行させる印刷制御手段と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知すると共にその予約印刷ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させるものであり、
前記印刷指示手段は、前記選択画面に対する選択結果に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷ジョブ生成手段は、複数の前記イベントのうち少なくとも1つのイベントに関する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを生成するものであり、
前記出力制御手段は、予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷装置に出力するものであり、
前記印刷ジョブ記憶装置は、予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを記憶するものであり、
前記印刷指示手段は、発生したイベントに関する発生イベント情報を前記印刷装置に出力するものであり、
前記印刷制御手段は、入力する発生イベント情報に対応する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置から読出して、その予約印刷ジョブを前記印刷処理手段に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記イベントを設定するための設定画面を前記表示手段に表示させるものであり、
前記情報処理装置は、更に、前記設定画面への設定結果に基づき前記予約イベント情報を生成する予約イベント情報生成手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段と、
生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段と、
前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する記憶装置を備える印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、
を備え、
前記プログラムは、前記情報処理装置を、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、
生成される予約印刷ジョブを前記印刷装置に対して出力する出力制御手段、
前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させる印刷指示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
印刷ジョブを実行する印刷装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、
前記操作手段に対して入力される操作指示に基づき、即時に実行しない印刷ジョブを予約印刷ジョブとして生成する印刷ジョブ生成手段と、
生成される予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、
前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段と、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき、前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させる出力制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを報知すると共にその予約印刷ジョブを実行するか否かをユーザに選択させるための選択画面を前記表示手段に表示させるものであり、
前記出力制御手段は、前記選択画面に対する選択結果に基づき前記印刷装置に予約印刷ジョブを実行させることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記印刷ジョブ生成手段は、複数の前記イベントのうち少なくとも1つのイベントに関する予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを生成するものであり、
前記出力制御手段は、前記予約イベント情報が関連づけられた予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置に記憶させると共に、前記予約イベント情報に関するイベントが発生した場合に、そのイベントに対応する予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置から読出して、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記イベントを設定するための設定画面を前記表示手段に表示させるものであり、
前記情報処理装置は、更に、前記設定画面への設定結果に基づき前記予約イベント情報を生成する予約イベント情報生成手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置は、
各種情報を表示する表示手段と、
ユーザによる操作指示を入力する操作手段と、
即時に実行しない予約印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶装置と、
を備え、
前記プログラムは、前記情報処理装置を、
前記操作手段に対して入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成手段、
生成される予約印刷ジョブを前記印刷ジョブ記憶装置に記憶させる記憶制御手段、
前記操作手段に対する所定の操作に伴うイベントが発生した場合に、予約印刷ジョブが実行可能であることを前記表示手段に報知させる表示制御手段、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき、前記印刷ジョブ記憶装置から予約印刷ジョブを読出し、その予約印刷ジョブを前記印刷装置に実行させる出力制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
所定の操作指示を入力する操作手段を備える情報処理装置と、この情報処理装置から出力される印刷ジョブを受け付けて実行する印刷装置と、を備える印刷システムによって実行される印刷方法であって、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき即時に実行しない予約印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成ステップと、
生成される予約印刷ジョブを記憶する記憶ステップと、
前記操作手段に入力される操作指示が所定の操作に伴うイベントであった場合に、予約印刷ジョブが実行可能であること報知する報知ステップと、
前記操作手段に入力される操作指示に基づき予約印刷ジョブを実行する印刷処理ステップと、
を有することを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−243250(P2012−243250A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115856(P2011−115856)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】