説明

印刷システム

【課題】複数の給紙口を備えている印刷装置で給紙口設定を自動選択に設定し、印刷ジョブを印刷する場合、どの給紙口から、どの用紙の紙面上に、どのように印刷されるかを、印刷前にホスト装置で知らせることができる印刷システムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムであって、上記印刷装置が、給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を示す給紙口情報を上記ホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した給紙口情報に基づいて、給紙する給紙口を印刷プレビューで表示することを特徴とする印刷システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データを生成する情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体に係り、特に、給紙口が自動選択される設定で印刷ジョブを表示する印刷プレビューに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷前に印刷結果を確認する機能として、印刷プレビューが知られている。特に、大判プリンタでは、大きな用紙に印刷し、印刷失敗時に、用紙、インク、時間等のコストが高いので、印刷プレビューを確認することによる失敗防止は、非常に効果的である。
【0003】
より多機能な印刷プレビューを行なうアプリケーションが提案されている。たとえば、プリンタに設定されている情報と印刷設定情とに基づいて、ロール紙幅、出力ページサイズ、ページの配置等を、正確にプレビューする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−202112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来例では、印刷設定で、給紙口を自動選択した場合、給紙する給紙口をプリンタが判断するので、ユーザはどの給紙口から給紙されるのかを、印刷するまで知ることができないという問題がある。
【0006】
また、上記従来例では、給紙される用紙情報が分からないので、ユーザは、印刷データが紙面にどのように出力されるのかを、印刷する前に認識できないという問題がある。特に、複数のロール紙給紙段を具備する大判プリンタの印刷システムにおいて、ユーザは、プリンタが選択する適切なロール紙段から出力されることを望み、給紙口設定を自動選択するが、ユーザが意図しない給紙口から給紙され、印刷されるという問題がある。
【0007】
つまり、上記従来例では、複数の給紙口を備えている印刷装置で給紙口設定を自動選択に設定し、印刷ジョブを印刷する場合、どの給紙口から、どの用紙の紙面上に、どのように印刷されるかを、印刷前にホスト装置で知ることができないという問題がある。
【0008】
本発明は、複数の給紙口を備えている印刷装置で給紙口設定を自動選択に設定し、印刷ジョブを印刷する場合、どの給紙口から、どの用紙の紙面上に、どのように印刷されるかを、印刷前にホスト装置で知らせることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムであって、上記印刷装置が、給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を示す給紙口情報を上記ホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した給紙口情報に基づいて、給紙する給紙口を印刷プレビューで表示することを特徴とする印刷システムである。
【0010】
また、本発明は、複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムであって、上記印刷装置が、印刷ジョブを印刷する場合、各給紙口の用紙情報をホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した用紙情報と印刷ジョブの属性情報とに基づいて、上記印刷装置が給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を、印刷プレビュー表示することを特徴とする印刷システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の給紙口を備えている印刷装置で給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する場合、どの給紙口から、どの用紙の紙面上に、どのように印刷されるかを、印刷前にホスト装置で知らせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ホスト装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタドライバの設定を確認等するユーザインタフェースの図である。
【図4】印刷プレビューを表示するユーザインタフェースUI2の図である。
【図5】印刷装置2の給紙口選択処理を実行するフローチャートである。
【図6】実施例1におけるプレビュー処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】S205の給紙口判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】実施例2における印刷プレビューのUI画面を示す図である。
【図9】実施例2において、給紙口判別処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】実施例2における印刷プレビューのUI画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1である印刷システムPS1の概略構成を示すブロック図である。印刷システムPS1は、ホスト装置1と、A0、B0等の大きなサイズの記録媒体に記録を行う印刷装置2とによって構成されている。
【0015】
ホスト装置1は、パーソナルコンピュータ等であり、OS101と、印刷装置2を制御するソフトウェアであるプリンタドライバ103と、各種文書を作成するアプリケーション102とをインストールしている。
【0016】
ホスト装置1において、アプリケーション102によって作成される各種のドキュメントを印刷するために、OS101とプリンタドライバ103とが動作する。OS101は、オペレーティングシステムである。プリンタドライバ103は、ユーザインタフェース部104と、グラフィックス処理部105と、印刷プレビュー制御部106と、プリンタ情報取得部107とによって構成されている。
【0017】
ユーザインタフェース部104は、ユーザからの入力を受け付ける。グラフィックス処理部105は、印刷装置2に送信する印刷データを生成する。印刷プレビュー制御部106は、印刷レイアウト等を確認する印刷プレビューを制御する。プリンタ情報取得部107は、印刷装置2に装着されているロール紙幅情報や、現在の印刷装置2の状態等、各種プリンタ情報を取得する。
【0018】
実施例1の主要部分は、プリンタドライバ103の印刷プレビュー制御部106に含まれている。
【0019】
図2は、ホスト装置1の構成を示すブロック図である。ホスト装置1は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インタフェース204と、外部記憶装置205と、入力部206と、表示部207とを有する。
【0020】
CPU201は、ホスト装置1の全体の各種制御を行う。ROM202には、ホスト装置1の起動時に、CPU201が実行する初期化プログラムや各種データが格納されている。RAM203は、CPU201に対するメインメモリや作業領域として用いられる。
【0021】
外部記憶装置205は、たとえば、ハードディスク(HDD)等で構成され、各種プログラムが格納されている。後述するフローチャートで示す処理を実現するためのプログラムが、外部記憶装置205からロードされ、RAM203に格納される。外部記憶装置205は、HDDである。
【0022】
入力部206は、キーボードやマウス等で構成され、入力部206を介して、ユーザが各種指示を、CPU201に入力する。表示部207は、LCDやCRT等で構成され、CPU201の制御によって、各種表示を行う。通信インタフェース204を介して、印刷装置2等、周辺装置と通信する。
【0023】
印刷装置2は、ロール紙給紙ユニットを備え、プリンタドライバが許容する範囲内で、任意の長さの原稿を印刷することができる。また、カット紙用の給紙口を備えることによって、ロール紙のみならずカット紙に印刷することもできる。ここでは、2つのロール紙給紙口(ロール紙1及びロール紙2)を備えているものとする。
【0024】
次に、ユーザの操作に従う印刷プレビュー制御部106を利用した印刷プレビュー表示手順について説明する。初めに、ユーザは、アプリケーション102によって、任意のドキュメントを作成し、アプリケーション102の持つメニュー等から、印刷指示を行い、印刷ダイアログを起動する。アプリケーション102の持つ印刷ダイアログからは、プロパティボタン等を押下することによって、選択しているプリンタドライバの設定を、確認または変更することができる。
【0025】
図3は、プリンタドライバの設定を、確認、変更するユーザインタフェースUI1を示す図である。ユーザインタフェースUI1には、原稿サイズ設定部301と、用紙の種類設定部302と、給紙方法設定部303と、印刷プレビューを行う設定部304とが表示されている。また、ユーザインタフェースUI1には、“キャンセル”ボタン305と、“OK”ボタン306とが表示されている。
【0026】
原稿サイズ設定部301によって、ユーザは原稿のサイズを設定することができ、ここでは、原稿の大きさとしてA2を設定している。用紙の種類設定部302は用紙の種類を設定する。ここでは光沢紙を設定している。
【0027】
給紙方法設定部303は、印刷する際の給紙方法を設定する。ここでは、自動選択を設定している。印刷プレビューを行う設定部304は、印刷前に印刷プレビューを起動するか否かを設定する。ここで、設定をオンにすることによって、印刷前に印刷プレビュー処理が起動される。ここでは、設定をオンにしている。
【0028】
上記各設定がなされた状態で、“OK”ボタン306を押下することによって、設定が確定し、プリンタドライバのユーザインタフェースUI1の表示が終了する。なお、“キャンセル”ボタン305を押下すると、変更した設定が有効にならず、プリンタドライバの持つ初期設定、または、以前に設定した内容が用いられ、プリンタドライバのユーザインタフェースUI1の表示が終了する。
【0029】
プリンタドライバの設定を終了した後に、アプリケーションの印刷ダイアログから、印刷開始ボタン等のコントロールを押下することによって、プリンタドライバ103に、文書データが渡される。上記のように、現在、プリンタドライバ103の設定で、印刷プレビューを行う設定部304を、オンに設定したので、文書データは、印刷プレビュー制御部106に渡されて、印刷プレビューの起動処理が開始される。
【0030】
図4は、印刷プレビュー制御部106が印刷プレビューを表示するユーザインタフェースUI2の例を示す図である。ユーザインタフェースUI2には、印刷プレビューダイアログ401と、印刷プレビュー表示部402と、設定表示・変更部404とによって構成されている。
【0031】
印刷プレビュー表示部402には、用紙イメージ403が表示される。設定表示・変更部404は、給紙方法リストボックス405と、ロール紙幅リストボックス406と、用紙の種類リストボックス407と、印刷ボタン408と、キャンセルボタン409と、プリンタ情報更新ボタン410とによって構成されている。
【0032】
給紙方法リストボックス405で指定された給紙方法の用紙イメージが、用紙イメージ403に表示される。ロール紙幅リストボックス406で指定されたロール紙幅の用紙イメージが、用紙イメージ403に表示される。用紙の種類リストボックス407で指定された用紙の種類の印刷設定を行う。
【0033】
ユーザは、印刷プレビュー表示部402に表示される印刷イメージを確認し、この内容で印刷を行いたい場合、印刷ボタン408を押すことによって、印刷データを印刷装置2へ出力し印刷する。
【0034】
印刷プレビュー表示部402に表示されている印刷イメージを確認し、印刷しない場合、キャンセルボタン409を押すことによって、印刷プレビューダイアログ401を閉じる。また、プリンタ情報更新ボタン410を押すことによって、プリンタ情報取得部107が、印刷装置2から、現在印刷装置2に設定されている各給紙口の用紙情報を取得する。以下の説明において、印刷プレビュー制御部106が、印刷装置2との間で、情報を送受信する際は、プリンタ情報取得部107を介して、実行するものとする。
【0035】
図5は、印刷装置2の給紙口選択処理を実行するフローチャートである。印刷装置2は、受信した印刷ジョブの属性情報の給紙口設定が自動選択であれば、図5に示すフローチャートに基づいて、給紙する給紙口を決定する。
【0036】
S101で、印刷ジョブの用紙サイズ幅と用紙の種類とを取得する。次に、S102で、ロール紙1とロール紙2との各給紙口に現在設定されている用紙情報を取得する。ここで、上記用紙情報は、給紙口に設定しているロール紙の幅と用紙の種類とである。S103で、ロール紙1、ロール紙2のどちらか片方の給紙口のみ、用紙の種類が印刷ジョブの用紙の種類と一致するかどうかを判定する。一致すれば、S104へ進み、給紙する給紙口を、一致した給紙口に決定する。S103の条件に一致しなければ、S105へ進む。
【0037】
次に、S105で、ロール紙1またはロール紙2のどちらか片方の給紙口のみ、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅と一致するかどうかを判定する。一致すれば、S106へ進み、給紙する給紙口を一致した給紙口に決定する。S105の条件に一致しなければ、S107へ進む。次に、S107で、ロール紙1、ロール紙2の内で、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅に、より近い給紙口を、給紙する給紙口に決定する。
【0038】
次に、印刷システムPS1で、実行されるプレビュー処理の例について説明する。
【0039】
図6は、実施例1におけるプレビュー処理の概要を示すフローチャートである。まず、S201で、印刷プレビューダイアログ401を表示する。次に、S202で、ユーザインタフェース部104から、プリンタドライバ103の設定を取得する。ここでは、取得したプリンタドライバ103の設定が、原稿サイズがA2(幅:420.0mm、高さ:594.0mm)、用紙の種類が光沢紙、給紙方法が自動選択であったとする。
【0040】
次に、S203で、取得したプリンタドライバ103の給紙口設定が、自動選択であるかどうかを判定する。自動選択でなければ、S204へ進み、プリンタドライバ103で設定された給紙口の情報を、印刷装置2から取得する。ここで取得する給紙口の情報は、指定された給紙口の用紙サイズ(ロール紙幅)、用紙の種類である。ここでは、取得したプリンタドライバ103の設定の給紙口が自動選択であるので、S205へ進む。
【0041】
図7は、S205の給紙口判別処理の詳細を示すフローチャートである。まず、S301で、取得したプリンタドライバ設定の用紙サイズと用紙の種類とを印刷装置2に送信する。ここでは、原稿サイズの幅:420.0mm、高さ:594.0mmと用紙の種類:光沢紙の情報を印刷装置2に送信する。次に、S302で、図5に示す印刷装置2の給紙口選択処理を行う。S101で、印刷装置2は、印刷ジョブの用紙サイズ幅と用紙の種類を取得する。ここでは、取得した用紙サイズの幅と用紙の種類とは、用紙サイズの幅:420.0mmと用紙の種類:光沢紙とである。
【0042】
次に、S102で、ロール紙1及びロール紙2の用紙情報を取得する。ここでは、ロール紙1として、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙の情報を取得し、ロール紙2として、ロール紙の幅:A2(420.0mm)、用紙の種類:フォト光沢紙の情報を取得したとする。
【0043】
S103で、片方の給紙口のみ、用紙の種類が印刷ジョブの用紙の種類と一致するかどうかを判定する。ここでは、ロール紙1のみが、印刷ジョブの用紙の種類光沢紙と一致するので、S104へ進み、給紙する給紙口としてロール紙1に決定する。S103で条件に一致しないと判定されると、S105へ進み、片方の給紙口のみ、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅と一致するかどうかを判定し、一致すれば、S106へ進み、条件に一致した給紙口を、給紙する給紙口に決定する。
【0044】
S106の条件に一致しなければ、S107へ進み、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅に、より近い給紙口を、給紙する給紙口に決定する。
【0045】
S303では、S302で決定した給紙口の情報を、ホスト装置1に送信する。ここでは、S302で決定した給紙口の情報は、給紙口:ロール紙1、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙であり、この情報を、ホスト装置1に送信する。S304で、印刷装置2が送信した給紙口の情報を取得する。ここでは、取得した給紙口の情報は、給紙口:ロール紙1、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙である。
【0046】
S206では、S204またはS205で取得した給紙口の情報に基づいて、印刷プレビュー表示を行う。まず、給紙方法リストボックス405に、給紙を行う給紙口を設定する。ここでは、S205で決定した給紙口のロール紙1が設定されている。次に、ロール紙幅リストボックス406に、給紙方法リストボックス405で設定されている給紙口のロール紙幅を設定する。ここでは、S205で取得したロール紙1のロール紙幅:14インチ(355.6mm)が設定される。
【0047】
次に、用紙の種類リストボックス407に、給紙方法リストボックス405で設定されている給紙口の用紙の種類を設定する。ここでは、S205で取得したロール紙1の用紙の種類:光沢紙が設定される。給紙方法リストボックス405で設定された給紙方法と、ロール紙幅リストボックス406で設定されたロール紙幅とに基づいて、印刷プレビュー表示部402に、14インチ幅ロール紙の用紙イメージ403と、原稿イメージとの印刷プレビューを表示する。なお、14インチは、355.6mmである。
【0048】
図8は、実施例1における印刷プレビューのUI画面を示す図である。図8から、A2サイズの原稿を、プリンタドライバ103の給紙口設定で自動選択とした場合、ロール紙1から、14インチ(355.6mm)の幅で、用紙の種類が光沢紙であるロール紙が、給紙され、印刷されることを、ユーザが印刷前に認識できる。また、図8に示す原稿イメージ右側の斜線部は、原稿サイズの幅がロール紙幅に収まらずにはみ出して印刷されることを示している。
【0049】
ここで、現在表示されている内容で印刷する場合、印刷ボタン408を押すと、印刷ジョブを印刷装置2に送信する。現在表示されている内容で印刷を行わず、印刷プレビュー処理を終了する場合、キャンセルボタン409を押す。また、「プリンタ情報更新」ボタンを押すと、S203からの処理を行い、現在の給紙口情報を更新し、印刷プレビューの表示を更新する。
【0050】
プリンタドライバ103の給紙口設定を自動選択とした場合、従来は、印刷するまで、どの給紙口から給紙されるのかがわからなかったが、上記実施例では、印刷前にどの給紙口から紙面上にどのように印刷されるのかが分かる。つまり、上記実施例では、ユーザが意図しない給紙口から給紙されて印刷してしまうことを未然に防ぐことができる。また、図5のフローチャートに示す処理によって、印刷装置2が行う給紙口の判定処理は、印刷ジョブの用紙サイズ幅と用紙の種類と、印刷装置2の給紙口に設定されている用紙の幅と用紙の種類との組み合わせによる優先条件によって決定される。つまり、印刷ジョブの属性情報に基づいて、印刷装置2の給紙口に設定されている用紙の中で適切な用紙が給紙される。
【0051】
つまり、実施例1は、複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムである。実施例1は、上記印刷装置が、給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を示す給紙口情報を上記ホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した給紙口情報に基づいて、給紙する給紙口を印刷プレビューで表示する印刷システムである。
【0052】
この場合、上記ホスト装置が、印刷ジョブの属性情報を取得する印刷ジョブ属性情報取得手段を有し、上記印刷装置が、取得した上記印刷ジョブの属性情報に含まれている給紙口の設定を判別する給紙口判別手段を有する。また、上記ホスト装置が、上記印刷ジョブの属性情報を、ホスト装置から印刷装置に送信する印刷ジョブ属性情報送信手段を有し、上記印刷装置が、上記ホスト装置から送信した印刷ジョブの属性情報を受信する印刷ジョブ属性情報受信手段を有する。さらに、上記印刷装置が、各給紙口の用紙情報を取得する給紙口用紙情報取得手段を有し、上記印刷装置が、上記受信した印刷ジョブの属性情報と上記各給紙口の用紙情報とに基づいて、給紙する給紙口を判別する給紙口判別手段を有する。しかも、上記印刷装置が、上記判別した給紙口の情報をホスト装置に送信する給紙口情報送信手段を有し、上記ホスト装置が、上記印刷装置から送信した給紙口の情報を受信する給紙口情報受信手段を有する。そして、上記ホスト装置が、上記受信した給紙口の情報に基づいて、上記印刷ジョブが、給紙口の用紙上に印刷される状態を印刷プレビューで表示する表示制御手段を有する。
【0053】
また、上記給紙口判別手段は、上記印刷ジョブの属性情報と上記各給紙口の用紙情報との組み合わせによる優先条件に基づいて、判別する手段である。
【実施例2】
【0054】
本発明の実施例2は、実施例1において、S205で行う給紙口判別処理を、ホスト装置1側で実行する実施例である。なお、実施例2の構成は実施例1の構成と同様である。
【0055】
実施例2では、印刷プレビューの起動時に、図6に示すS201からS203までを実行し、S203で、取得したプリンタドライバ103の給紙口設定が、自動選択であるかどうかを判定する。自動選択でなければ、S204へ進み、印刷装置2からプリンタドライバ103で設定された給紙口の情報を取得し、自動選択であれば、S205へ進み、給紙口判別処理を行う。
【0056】
図9は、実施例2において、給紙口判別処理の詳細を示すフローチャートである。実施例2では、図9に示すフローチャートの処理に従って、給紙口を判別する。
【0057】
まず、S401で、印刷装置2に現在設定されている各給紙口の用紙情報を送信するように、ホスト装置1が、印刷装置2に要求する。S402で、印刷装置2は、各給紙口の用紙情報の要求を受けると、現在設定されている各給紙口の用紙情報を取得する。ここでは、ロール紙1の用紙情報は、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙であり、ロール紙2の用紙情報は、ロール紙の幅:17インチ(431.8mm)、用紙の種類:光沢紙である。
【0058】
次に、S403で、印刷装置2が取得した各給紙口の用紙情報を、ホスト装置1に送信する。ここでは、S402で取得した各給紙口の用紙情報を、ホスト装置1に送信する。つまり、給紙口:ロール紙1、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙と給紙口:ロール紙2、ロール紙の幅:17インチ(431.8mm)、用紙の種類:光沢紙を、ホスト装置1に送信する。
【0059】
次に、S404で、印刷装置2が送信した各給紙口の用紙情報を取得する。ここでは、S403で送信した各給紙口の情報は、給紙口:ロール紙1、ロール紙の幅:14インチ(355.6mm)、用紙の種類:光沢紙と、給紙口:ロール紙2、ロール紙の幅:17インチ(431.8mm)、用紙の種類:光沢紙である。
【0060】
次に、S405で、片方の給紙口のみ、用紙の種類が印刷ジョブの用紙の種類と一致するかどうかを判定する。ここでは、ロール紙1とロール紙2とがともに光沢紙であり、印刷ジョブの用紙の種類とともに一致するので、S407へ進む。
【0061】
片方の給紙口のみが印刷ジョブの用紙の種類と一致すれば、S406へ進み、一致する給紙口から給紙することを、決定する。
【0062】
S407で、片方の給紙口のみ、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅と一致するかどうかを判定する。ここでは、ロール紙1とロール紙2とのロール紙幅が、ともに印刷ジョブの用紙サイズ幅:A2(420.0mm)と一致しないので、S409へ進む。片方の給紙口のみ、ロール紙幅が印刷ジョブの用紙サイズ幅と一致すれば、S408へ進み、一致する給紙口から給紙することを決定する。
【0063】
次に、S409で、ロール紙1とロール紙2とのロール紙幅のうち、印刷ジョブの用紙サイズ幅に、より近い給紙口から、給紙することを決定する。ここでは、ロール紙1のロール紙の幅:14インチ(355.6mm)よりも、ロール紙2のロール紙の幅:17インチ(431.8mm)が、印刷ジョブの用紙サイズ幅:A2(420.0mm)に近いので、ロール紙2から給紙することを決定する。
【0064】
次に、図6で言及したフローチャートに示すS206を、実施例2でも実行するが、これらは、実施例1と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0065】
図10は、実施例2における印刷プレビューのUI画面を示す図である。図10から分かるように、A2サイズの原稿をプリンタドライバ103の給紙口設定で自動選択した場合、17インチ(431.8mm)の幅で、用紙の種類が光沢紙であるロール紙を、ロール紙2が給紙し、印刷することを、ユーザが印刷する前に認識できる。
【0066】
また、原稿サイズの幅がロール紙幅に収まり、はみ出さずに印刷されることも、ユーザが認識できる。また、図9のフローチャートに示すS405からS409は、図5のフローチャートに示すS103からS107と同じ条件である。すなわち、実施例2における給紙口判別処理は、印刷装置2が判定する給紙口選択処理と同じ条件で、判定されるので、印刷装置2が判定した給紙口と一致する。
【0067】
つまり、実施例2は、複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムである。また、実施例2において、上記印刷装置が、印刷ジョブを印刷する場合、各給紙口の用紙情報をホスト装置に送信する。さらに、実施例2において、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した用紙情報と印刷ジョブの属性情報とに基づいて、上記印刷装置が給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を、印刷プレビュー表示する。
【0068】
この場合、上記ホスト装置は、印刷ジョブの属性情報を取得する印刷ジョブ属性情報取得手段を有し、上記ホスト装置は、取得した上記印刷ジョブの属性情報に含まれている給紙口の設定を判別する給紙口判別手段を有する。上記ホスト装置は、各給紙口の用紙情報を、上記印刷装置に要求する給紙口用紙情報要求手段を有し、上記印刷装置は、上記ホスト装置から上記各給紙口の用紙情報の要求があれば上記印刷装置の各給紙口の用紙情報を取得する給紙口用紙情報取得手段を有する。また、上記印刷装置は、上記取得した各給紙口の用紙情報を、上記ホスト装置に送信する給紙口用紙情報送信手段を有し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から送信した各給紙口の用紙情報を受信する給紙口用紙情報受信手段を有する。さらに、上記ホスト装置は、上記印刷ジョブの属性情報と上記取得した各給紙口の用紙情報に基づいて、給紙される給紙口を判別する給紙口判別手段を有する。しかも、上記ホスト装置が、上記給紙口判別手段が判別した給紙口の用紙上に、上記印刷ジョブが印刷される状態を印刷プレビューで表示する。
【0069】
この場合、給紙する給紙口を、上記ホスト装置が判別する処理と同じ条件で、上記印刷装置が給紙口を判別する。
【符号の説明】
【0070】
PS1…印刷システム、
301…原稿サイズ設定部、
302…用紙の種類設定部、
303…給紙方法設定部、
304…印刷プレビューを行う設定部、
401…印刷プレビューダイアログ、
402…印刷プレビュー表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムであって、
上記印刷装置が、給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を示す給紙口情報を上記ホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した給紙口情報に基づいて、給紙する給紙口を印刷プレビューで表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
請求項1であって、
上記ホスト装置が、印刷ジョブの属性情報を取得する印刷ジョブ属性情報取得手段を有し、
上記印刷装置が、取得した上記印刷ジョブの属性情報に含まれている給紙口の設定を判別する給紙口判別手段を有し、
上記ホスト装置が、上記印刷ジョブの属性情報を、ホスト装置から印刷装置に送信する印刷ジョブ属性情報送信手段を有し、
上記印刷装置が、上記ホスト装置から送信した印刷ジョブの属性情報を受信する印刷ジョブ属性情報受信手段を有し、
上記印刷装置が、各給紙口の用紙情報を取得する給紙口用紙情報取得手段を有し、
上記印刷装置が、上記受信した印刷ジョブの属性情報と上記各給紙口の用紙情報とに基づいて、給紙する給紙口を判別する給紙口判別手段を有し、
上記印刷装置が、上記判別した給紙口の情報をホスト装置に送信する給紙口情報送信手段を有し、
上記ホスト装置が、上記印刷装置から送信した給紙口の情報を受信する給紙口情報受信手段を有し、
上記ホスト装置が、上記受信した給紙口の情報に基づいて、上記印刷ジョブが、給紙口の用紙上に印刷される状態を印刷プレビューで表示する表示制御手段を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
請求項2であって、
上記給紙口判別手段は、上記印刷ジョブの属性情報と上記各給紙口の用紙情報との組み合わせによる優先条件に基づいて、判別する手段であることを特徴とする印刷システム。
【請求項4】
複数の給紙手段を備え、給紙口設定を自動選択に設定した印刷ジョブを印刷する印刷装置と、印刷プレビューを表示するホスト装置とを具備する印刷システムであって、
上記印刷装置が、印刷ジョブを印刷する場合、各給紙口の用紙情報をホスト装置に送信し、上記ホスト装置は、上記印刷装置から受信した用紙情報と印刷ジョブの属性情報とに基づいて、上記印刷装置が給紙する給紙口を判別し、この判別した給紙口を、印刷プレビュー表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
請求項4であって、
上記ホスト装置は、印刷ジョブの属性情報を取得する印刷ジョブ属性情報取得手段を有し、
上記ホスト装置は、取得した上記印刷ジョブの属性情報に含まれている給紙口の設定を判別する給紙口判別手段を有し、
上記ホスト装置は、各給紙口の用紙情報を、上記印刷装置に要求する給紙口用紙情報要求手段を有し、
上記印刷装置は、上記ホスト装置から上記各給紙口の用紙情報の要求があった場合、上記印刷装置の各給紙口の用紙情報を取得する給紙口用紙情報取得手段を有し、
上記印刷装置は、上記取得した各給紙口の用紙情報を、上記ホスト装置に送信する給紙口用紙情報送信手段を有し、
上記ホスト装置は、上記印刷装置から送信した各給紙口の用紙情報を受信する給紙口用紙情報受信手段を有し、
上記ホスト装置は、上記印刷ジョブの属性情報と上記取得した各給紙口の用紙情報に基づいて、給紙される給紙口を判別する給紙口判別手段を有し、
上記ホスト装置が、上記給紙口判別手段が判別した給紙口の用紙上に、上記印刷ジョブが印刷される状態を印刷プレビューで表示することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
請求項5であって、
給紙する給紙口を、上記ホスト装置が判別する処理と同じ条件で、上記印刷装置が給紙口を判別することを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−198497(P2010−198497A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44730(P2009−44730)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】