印刷システム
【課題】印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて、印刷されることを防止することのできる印刷システムを提供することを目的とする。
【解決手段】第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報にも続いて、認証を行うので、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて、印刷されることを防止することができる。
【解決手段】第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報にも続いて、認証を行うので、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて、印刷されることを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置を利用した印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子メールによる印刷指示を受け付けることのできる印刷システムが知られている。このような、印刷システムによれば、利用者は、所定のメールアドレスに、印刷を指示する電子メールを送信することで、所望の印刷装置に印刷を実行させることができる。特許文献1に、電子メールによる印刷指示を受け付けることのできる印刷システムの一例が開示されている。しかし、このような印刷システムでは、印刷装置に割り当てられたメールアドレスが第三者に漏洩することが考えられる。メールアドレスが漏洩することにより、正当な権限を有さない第三者により印刷が行われてしまうおそれがある。この問題を解決するため、特許文献1に記載の印刷システムによれば、印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−341581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者が用いるメールアドレスは、利用者の都合により変更される。特許文献1のように印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定する必要がある印刷システムによれば、利用者のメールアドレスが変わる度に、新しいメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして設定し直す必要がある。また、印刷装置を用いる利用者が変わる場合も考えられる。この場合も、新たな利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして設定し直す必要がある。また、複数の利用者が印刷装置を共用で使う場合には、印刷装置を利用する利用者が増える度に、増加した利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして追加する必要がある。また、利用者が印刷装置を利用しなくなった場合においても、その利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスのリストから削除する必要がある。
【0005】
このように、特許文献1のように印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定する必要がある印刷システムでは、利用者のメールアドレスの変更、利用者の変更、利用者の増減にともなって、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定を変更しなければならい。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて印刷されることを防止することのできる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子メールの添付ファイルであって、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルの印刷を実行可能な印刷装置を備えた印刷システムであって、第1認証情報を記憶する第1認証情報記憶手段と、前記第1添付ファイルが添付された第1電子メールを受信する第1電子メール受信手段と、前記第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、に基づいて認証を行う第1認証手段と、前記第1認証手段による認証が成功した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させ、前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させない印刷制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記認証手段による認証が失敗した場合に、前記第1電子メールの送信元に対してリトライメールの送信を依頼するリトライ依頼メールを送信するリトライ依頼メール送信手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷システムであって、前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、新たなリトライIDと、前記第1添付ファイルとを対応付けてリトライ記憶手段に記憶させるリトライ記憶制御手段と、前記リトライ依頼メール送信手段は、正しい第2認証情報の付された返信メールを依頼するメッセージを本文に含み、且つ、前記リトライIDが付与されたリトライ依頼メールを送信し、前記リトライ依頼メールの返信メールである前記リトライメールを受信する第2電子メール受信手段と、前記リトライメールに添付された第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、にもとづいて認証を行う第2認証手段と、を備え、前記印刷制御手段は、前記第2認証手段による認証が成功した場合に、前記リトライメールに付与されたリトライIDに対応づけて記憶された前記第1添付ファイルの印刷を、前記印刷装置に実行させ、前記第2認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置による印刷を実行させないことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記印刷制御手段は、前記認証手段による認証が失敗した場合、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、印刷可能な時間帯を制限する条件であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、印刷可能な枚数を制限する条件であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、モノクロ印刷のみを可能とする条件であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて印刷されることを防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記リトライ依頼メール送信手段がリトライ依頼メールを送信するため、利用者は、リトライ依頼メールにより認証が失敗したこと確認することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明が有する効果に加え、利用者は、リトライ依頼メールの返信メールであるリトライメールを送信するだけで、再度認証を行うことができる。尚、利用者は、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルをリトライメールに再度添付する必要はなく、リトライメールに正しい第2認証情報を付与するのみで印刷を実行させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、利用者は、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されている印刷可能な時間帯であれば、印刷を実行させることができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されている印刷可能な枚数であれば、印刷を実行させることができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されているモノクロ印刷であれば、印刷を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】印刷システム10のネットワーク構成を示したネットワーク構成図である。
【図2】印刷システム10のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】記憶部130の記憶領域の構成を示した構成図である。
【図4】記憶部230の記憶領域の構成を示した構成図である。
【図5】メールアドレス管理テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図6】認証情報テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図7】詳細設定テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図8】リトライ用一時テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図9】利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図10】利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図11】認証のためにキーファイルを用いる場合の第1電子メールの一例である。
【図12】認証のためにキーワードを用いる場合の第1電子メールの一例である。
【図13】リトライ依頼メールの一例である。
【図14】キーファイルを利用する場合のリトライメールの一例である。
【図15】利用者がプリンタ100の初期登録を行う際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図16】利用者が各種の設定を行う際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図17】ログインページの一例である。
【図18】認証情報登録ページの一例である。
【図19】詳細設定ページの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具現化した実施形態について、図面を参照して説明する。尚、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、単なる説明例である。本発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
<印刷システム10の概略>
図1を参照して、本発明を具現化した第1実施形態である印刷システム10の概略について説明する。印刷システム10は、複数のプリンタ100とサーバ200とを備える。図1に示す例では、印刷システム10のプリンタ100として、プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cの3つのプリンタ100を備えている。プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cは、いずれも同じ構成である。尚、本実施形態の説明において、プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cのいずれかについて説明する場合、単にプリンタ100と称して説明する。
【0023】
印刷システム10は、インターネット回線400を介して、PC500と接続されている。PC500は、利用者が所有するいわゆるパーソナルコンピュータである。PC500には、周知のウェブブラウザー、および、メールソフトがインストールされている。
【0024】
プリンタ100は、印刷機能を備えている。プリンタ100は、サーバ200から印刷データを取得して、プリンタ100の印刷機能により印刷することが出来る。
【0025】
サーバ200は周知のサーバ機能を持った装置であればよい。サーバ200は、プリンタ100のメーカーが自前で用意しても良いが、周知のレンタルサーバや、AmazonのEC2に代表されるようなヴァーチャルマシンを利用することも考えられる。サーバ200は、物理的に単一のひとつの装置で構成されてもよいが、互いにネットワークで接続された複数の装置から構成されてもよい。尚、本実施形態においては、物理的に単一のひとつの装置であるものとして説明する。
<印刷システム10のハードウェア構成>
図2を参照して、印刷システム10のハードウェア構成について説明する。プリンタ100と、サーバ200と、PC500とは、互いに、インターネット回線400を介して接続されている。プリンタ100と、サーバ200と、PC500とは互いに、TCP/IPのプロトコルに従ってデータの送受信を行う。
【0026】
プリンタ100のハードウェア構成について説明する。プリンタ100は、インターネット通信部110と、制御部120と、記憶部130と、表示部150と、印刷部160と、操作部180とを備えている。
【0027】
インターネット通信部110は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部110としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0028】
制御部120は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、プリンタ100の動作を制御する。ROMには、サーバ200とインターネット回線400を介して各種のデータの送受信を行うためのプログラム等が記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0029】
記憶部130は、NAND型フラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置である。図3に示すように、記憶部130は、プリンタ識別子記憶領域131を備える。
【0030】
プリンタ識別子記憶領域131は、プリンタ識別子が記憶される領域である。プリンタ識別子は、プリンターメーカが自社製品を管理するために割り当てた通し番号である。
【0031】
表示部150は、周知のLCD等のディスプレイを備えた表示装置である。表示部150は、制御部120からの指示に従って、各種の情報を表示出力する。
【0032】
印刷部160は、制御部120の指示に従って、画像の印刷を行う装置である。
【0033】
操作部180は、利用者により操作される複数の操作ボタンを備え、利用者の押下操作に応じた信号を制御部120へ送信する装置である。利用者は、操作部180を操作することにより所望の操作を入力することが出来る。
【0034】
サーバ200についてのハードウェア構成について説明する。本実施形態の説明では、サーバ200は、物理的に存在する一つのサーバであるものとして説明するが、上述したようにサーバ200は、複数の物理的な装置が協働して一つのサーバとして機能するEC2のようなヴァーチャルマシンであっても良い。
【0035】
サーバ200は、インターネット通信部210、制御部220、記憶部230を備える。
【0036】
インターネット通信部210は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部210としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0037】
制御部220は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROM及び記憶部230に記憶されたプログラムにしたがって、サーバ200の動作を制御する。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0038】
記憶部230は、ハードディスクドライブのような不揮発性の記憶装置である。図4に示すように、記憶部230は、メールアドレス管理テーブル記憶領域231と、認証情報テーブル記憶領域232と、詳細設定テーブル記憶領域233と、リトライ用一時テーブル記憶領域234、印刷用一時データ記憶領域235と、キーファイル記憶領域236とを備える。
【0039】
メールアドレス管理テーブル記憶領域231は、メールアドレス管理テーブルが記憶される領域である。メールアドレス管理テーブルの一例を図5に示す。図5に示すように、メールアドレス管理テーブルは、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを対応付けて記憶するテーブルである。メールアドレス管理テーブルに記憶されるメールアドレスと、パスワードとは、新規にプリンタ100を印刷システム10に追加する際に、サーバ200がプリンタ100に割り当てた、メールアドレスとパスワードである。
【0040】
認証情報テーブル記憶領域232は、認証情報テーブルが記憶される領域である。認証情報テーブルの一例を図6に示す。図6に示すように、認証情報テーブルは、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーファイルアドレスと、キーワードとを対応付けて記憶する領域である。認証方式情報は、キーファイルによる認証、または、キーワードによる認証のいずれ方式で認証を行うかを示す情報である。キーファイルによる認証を行うプリンタ100に対しては、キーファイルアドレスの欄に、キーファイルアドレスが記憶され、キーワードの欄には、情報は記憶されない。キーワードによる認証を行うプリンタ100に対しては、キーワードの欄にキーワードが記憶され、キーファイルアドレスの欄には、情報は記憶されない。キーファイルアドレスは、キーファイル記憶領域236に記憶されたキーファイルの所在を示すアドレスである。
【0041】
詳細設定テーブル記憶領域233は、詳細設定テーブルが記憶される領域である。詳細設定テーブルの一例を図7に示す。図7に示すように、詳細設定テーブルは、プリンタ識別子と、リトライ設定情報と、利用制限設定情報と、各種の制限情報と、を対応付けて記憶するテーブルである。本実施形態で利用される制限情報には、最大枚数情報と、モノクロ印刷情報と、利用可能時間情報と、が含まれる。リトライ設定情報は、リトライ依頼メールを送信するか否かを示す情報である。リトライ依頼メールを送信する場合には、リトライ設定情報として“ON”という情報が記憶される。リトライ依頼メールを送信しない場合には、リトライ設定情報として“OFF”という情報が記憶される。利用制限設定情報は、認証が失敗した場合に、一定の制限条件の下、印刷を実行させるか否かを示す情報である。一定の制限条件で印刷を許可する場合には、利用制限設定情報として“ON”という情報が記憶される。認証が失敗した場合に印刷を完全に許可しない場合には、利用制限設定情報として“OFF”という情報が記憶される。最大枚数情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、印刷できる最大枚数を示す情報である。尚、印刷できる最大枚数が制限条件として設定されない場合、最大枚数情報はNULL値である。また、モノクロ印刷情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、モノクロ印刷を実行するか否かを情報である。モノクロ印刷を行う場合には、モノクロ印刷情報として“モノクロ印刷”という情報が記憶される。モノクロ印刷が制限条件として設定されない場合、モノクロ印刷情報はNULL値である。利用可能時間情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、印刷が可能な時間帯を示す情報である。利用可能時間が制限条件として設定されない場合、利用可能時間情報はNULL値である。
【0042】
リトライ用一時テーブル記憶領域234は、リトライ用一時テーブルを記憶する領域である。リトライ用一時テーブルの一例を図8に示す。図8に示すように、リトライ用一時テーブルは、リトライIDと、印刷用一時データのアドレスとを対応付けて記憶するテーブルである。印刷用一時データのアドレスは、印刷用一時データ記憶領域235に記憶された印刷用一時データの所在を示すアドレスである。
【0043】
印刷用一時データ記憶領域235は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷用一時データとして一時的に記憶する領域である。サーバ200は、リトライ依頼メールを送信する際に、印刷用一時データを印刷用一時データ記憶領域235に記憶する。
【0044】
キーファイル記憶領域236は、キーファイルを記憶する領域である。サーバ200は、プリンタ100ごとに対応する複数のキーファイルをキーファイル記憶領域236に記憶する。
【0045】
次に、PC500についてのハードウェア構成について説明する。PC500は、ウェブブラウザー、及び、メールソフトがインストールされた周知のパーソナルコンピュータであればよい。本実施形態では、利用者がPC500で、印刷システム10を利用するものとして説明するが、スマートフォンや、タブレット端末等の周知の端末で、印刷システム10を利用してもよい。
【0046】
PC500は、インターネット通信部510、制御部520、記憶部530、表示部550、操作部580を備える。
【0047】
インターネット通信部510は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部510としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0048】
制御部520は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROM及び記憶部530に記憶されたプログラムにしたがって、PC500の動作を制御する。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0049】
記憶部530は、ハードディスクドライブのような不揮発性の記憶装置である。記憶部530は、ウェブブラウザー、メールソフト等のアプリケーションプログラムなどを記憶している。なお、利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用する代わりに、ウェブメールサービスを利用しても良い。
【0050】
表示部550は、周知のLCD等のディスプレイを備えた表示装置である。表示部550は、制御部520からの指示に従って、各種の情報を表示出力する。
【0051】
操作部580は、利用者により操作される複数の操作ボタンを備え、利用者の押下操作に応じた信号を制御部520へ送信する装置である。利用者は、操作部580を操作することにより所望の指示を入力することが出来る。
<印刷システム10の動作>
次に、図9から図16を参照して印刷システム10の動作について説明する。以下に説明するプリンタ100の動作は、ROMに記憶されたプログラムを制御部120が実行し、プリンタ100のハードウェアを制御することにより実行される。また、サーバ200の動作は、ROM、または、記憶部230に記憶されたプログラムを制御部220が実行し、サーバ200のハードウェアを制御することにより実行される。また、PC500の動作は、ROM及び記憶部530に記憶されたプログラムを制御部520が実行し、PC500のハードウェアを制御することにより実行される。
<印刷実行時の動作>
図9、図10を参照して利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を説明する。
【0052】
先ず、PC500は、利用者の入力操作に基づいて新規メールの作成を行う(S100)。利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用して、プリンタ100に印刷を実行させるための新規メールを作成できる。尚、以下の説明において、このとき利用者が作成する新規メールを第1電子メールと称す。図11に、第1電子メールの一例を示す。第1電子メールの宛先には、利用者が利用したいプリンタ100に割り当てられたメールアドレスが入力される。また、添付ファイルとして、印刷したい電子ファイルと、認証のために利用される電子ファイルであるキーファイルとが添付される。図11に示す第1電子メールは、認証のためにキーファイルを用いる場合の第1電子メールの一例である。図11に示す例では、印刷したい画像の電子ファイルとして、“印刷用.pdf”が添付されている。また、認証のためのキーファイルとして“認証用2.key”という電子ファイルが添付されている。また、印刷システム10は、認証のために、キーファイルを用いる代わりに、キーワードを用いることもできる。図12に、認証のためにキーワードを用いる場合の第1電子メールの一例を示す。図12に示すように、第1電子メールの宛先には、プリンタ100に割り当てられたメールアドレスが入力される。また、第1電子メールのタイトルには、上述のキーワードである“147258369”が入力されている。また、印刷する電子ファイルとして“印刷用.pdf”が添付されている。
【0053】
利用者が、図11、又は、図12に示すような第1電子メールの作成を行い、電子メールの送信を指示すると、PC500は、S100で作成された第1電子メールを送信する(S101)。
【0054】
PC500により送信された電子メールは、サーバ200が受信する(S102)。
【0055】
サーバ200は、受信した電子メールがリトライメールであるか否かを判断する(S103)。リトライメールは、新規の印刷指示である第1電子メールによる認証が失敗した場合に、利用者により再度送信される電子メールである。リトライメールの詳細は後述するが、リトライメールのタイトルには、サーバ200が後述の処理で付与したリトライIDが含まれている。サーバ200が付与したリトライIDは、リトライ用一時テーブルに記憶されている。サーバ200は、リトライ用一時テーブルに記憶されたリトライIDが、受信した電子メールのタイトルに含まれるか否かに基づいて、受信した電子メールがリトライメールであるか否かを判断することができる。
【0056】
リトライメールである場合は(S103:YES)、サーバ200は、後述のリトライメール処理を行う(S150)。
【0057】
リトライメールでない場合(S103:NO)、すなわち、新規メールである場合は、サーバ200は、認証を行う(S104)。サーバ200は、認証情報テーブル記憶領域232に記憶された認証情報と、受信した第1電子メールに付与された認証情報とに基づいて、認証を行う。認証を行うために、サーバ200は、メールアドレス管理テーブルに基づいて、受信した第1電子メールの宛先に対応するプリンタ識別子を特定する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて、特定したプリンタ識別子に対応する認証情報を特定する。サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて特定した認証情報と、第1電子メールに付与された認証情報とに基づいて認証を行う。両者の認証情報が一致する場合は、認証が成功したと判断する。尚、認証情報としては、上述のキーファイル、又は、キーワードが用いられる。
【0058】
認証が成功した場合(S104:YES)、サーバ200は、後述のS116を行う。S116以降の処理は後述する。
【0059】
認証が失敗した場合(S104:NO)、サーバ200は、リトライ設定がされているか否かを判断する(S105)。リトライ設定がされているか否かは、詳細設定管理テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定管理テーブルに基づいて判断される。S104において特定されたプリンタ識別子に対応するリトライ設定情報が“ON”である場合は、サーバ200は、リトライ設定がされていると判断する。また、プリンタ識別子に対応するリトライ設定情報が“OFF”である場合は、サーバ200は、リトライ設定がされていないと判断する。
【0060】
リトライ設定がされている場合は(S105:YES)、サーバ200は、印刷用一時データを記憶部230に保存し、リトライ用一時テーブルを更新する(S106)。サーバ200は、電子メールに印刷する画像の電子ファイルとして添付された添付ファイルを、印刷用一時データ記憶領域235に記憶する。そして、リトライ用一時テーブルを更新する。具体的には、サーバ200は、新規のリトライIDを発行する。そして、上述のS104で特定したプリンタ識別子と、新規のリトライIDと、印刷用一時データ記憶領域235に記憶した電子ファイルのアドレスとを対応付けて、リトライ用一時テーブルに記憶する。
【0061】
印刷用一時データを記憶し、リトライ用一時テーブルを更新した後、サーバ200は、リトライ依頼メールを送信する(S107)。リトライ依頼メールは、正しい認証情報を付したメールの返信を、利用者に依頼する電子メールである。リトライ依頼メールは、上述のS102で受信した第1電子メールの送信元に対して送信される。図13にリトライ依頼メールの一例を示す。図13に示すように、リトライ依頼メールの宛先は、上述の新規メールの送信元のメールアドレスである“xxx.yyy@brother.co.jp”である。また、リトライ依頼メールのタイトルには、サーバ200が割り当てたリトライIDが含まれる。図13に示す例では、タイトルは、“再送依頼{{aisdhfan23}}”である。“{{”と“}}”とにはさまれた位置にリトライIDが配置されている。そして、リトライ依頼メールの本文には、“認証情報に誤りがあります。正しい認証情報を付与した上で、本メールに返信してください。”とのリトライメールの送信を依頼するメッセージが設定されている。利用者は、正しい認証情報を付与して、リトライ依頼メールに返信するだけで、再度の印刷指示を行うことができる。このとき利用者が返信するリトライメールには、印刷したい画像の電子ファイルを添付しなおす必要はない。
【0062】
サーバ200がリトライ依頼メールを送信すると、PC500は、リトライ依頼メールを受信する(S108)。
【0063】
リトライ依頼メールを受信したPC500は、利用者の入力操作に基づいてリトライメールを作成し、作成したリトライメールを返信する(S109)。利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用してリトライメールを作成する。具体的には、利用者は、リトライ依頼メールを受信すると、メールソフトの返信ボタンを押下して、リトライ依頼メールに対する返信メール(リトライメール)を作成する。そして、このリトライメールに認証情報を付与する操作を行う。具体的には、キーファイルによる認証を行う場合は、リトライメールにキーファイルを添付する操作を行う。図14に、キーファイルを利用する場合のリトライメールの一例を示す。図14に示す例では、添付ファイルとして“認証用.key”というキーファイルが添付されている。また、図示しないが、キーワードによる認証を行う場合には、タイトルにキーワードを追加することで、認証情報を付与する。具体的には、リトライ依頼メールに対する返信メールの作成を指示したときに、メールソフトにより作成されるリトライメールのタイトルの末尾に、キーワードを入力する。具体的には、“再送依頼{{aisdhfan23}}”とのタイトルの電子メールへの返信を利用者が指示したとき、メールソフトは返信メールのタイトルとして“Re:再送依頼{{aisdhfan23}}”とのタイトルを作成する。利用者は、メールソフトが作成したこのタイトルの末尾に所定のキーワードを付与する。たとえば、“Re:再送依頼{{aisdhfan23}}147258369”とのタイトルを作成する。このタイトルに含まれる“147258369”が、利用者が付与したキーワードである。
【0064】
このように利用者がリトライメールを作成した後、リトライメールの送信を指示すると、PC500はリトライメールを送信する(S109)。PC500が送信したリトライメールは、上述のS102の処理によりサーバ200で受信される。
【0065】
上述のS105においてリトライ設定がされていないと判断した場合は(S105:NO)、サーバ200は、利用制限設定がされているか否かを判断する(S110)。サーバ200は、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定テーブルに基づいて、利用制限設定がされているか否かを判断する。サーバ200は、S104で特定したプリンタ識別子に対応する利用制限設定情報が“ON”である場合は、利用制限設定がされていると判断する。また、S104で特定したプリンタ識別子に対応する利用制限設定情報が“OFF”である場合は、利用制限設定がされていないと判断する。
【0066】
利用制限設定がされていないと判断した場合(S110:NO)、サーバ200は、エラーメールを送信する(S111)。エラーメールは、印刷が行えない旨のメッセージを利用者に伝えるためのメールである。サーバ200は、S102で受信した第1電子メールの送信元に対して、エラーメールを送信する。
【0067】
サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S112)。PC500の利用者は、PC500のメールソフトでエラーメールを確認することで、印刷が失敗したことを確認することができる。
【0068】
利用制限設定がされていると判断した場合(S110:YES)、サーバ200は、制限情報を、詳細設定テーブルからRAMに取得する(S113)。サーバ200は、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶されている詳細設定テーブルから制限情報を取得する。具体的には、上述のS104で特定したプリンタ識別子に対応する制限情報を、詳細設定テーブルから取得する。サーバ200は、印刷最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用時間帯情報などの制限情報を取得する。
【0069】
S113で制限情報を取得した後、サーバ200は、利用可能時間か否かを判断する(S114)。サーバ200は、S102で受信した電子メールの送信時刻と、S113で取得した利用時間帯情報とを比較して、利用可能時間であるか否かを判断する。具体的には、たとえば、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合に、サーバ200は、利用可能時間であると判断する。S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内でない場合に、サーバ200は、利用可能時間でないと判断する。また、S113で取得した利用可能時間情報が、NULL値である場合は、利用可能時間であると判断する。
【0070】
利用可能時間でないと判断した場合(S114:NO)、サーバ200は、上述のS111と同様のエラーメールを送信する(S115)。尚、サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S112)。
【0071】
利用可能時間であると判断した場合(S114:YES)、又は、S104で認証が成功したと判断した場合、サーバ200は、印刷データを作成する(S116)。尚、ここでいう印刷データとは、プリンタ100が印刷可能な形式のデータをいう。プリンタ100が印刷できる形式であれば、いかなる形式のデータであってもかまわない。たとえば、プリンタ100が所定のプリンタ言語で記載されたデータでしか印刷できない場合は、サーバ200は、添付された電子ファイルに基づいてプリンタ100が理解可能なプリンタ言語の印刷データを作成する。このため、サーバ200は、各種のプリンタに対応するプリンタドライバを備えている。また、プリンタ100がPDF形式などの所定のファイル形式のデータから印刷を実行できる機能を有している場合、サーバ装置200は、画像の電子ファイルに基づいてPDF形式の電子ファイルを印刷データとして作成してもよい。もちろん、この場合、添付ファイルが元々PDF形式の電子ファイルであればサーバ200は、新たなPDF形式の電子ファイルは作成しなくてもよい。
【0072】
尚、S110で利用制限設定がされていると判断された後、S116を行う場合は、S113で取得した制限情報に応じて印刷データを作成する。たとえば、S113において、印刷最大枚数情報として“5枚”との情報を取得した場合は、プリンタ100において印刷される枚数が5枚以下となるような印刷データを作成する。具体的には、添付ファイルが10ページ分の文章のファイルであっても、サーバ200は、最初の5ページ分の印刷データしか作成しない。また、S113において、モノクロ印刷情報として“モノクロ印刷”との情報を取得した場合は、プリンタ100においてモノクロ印刷が実行されるような印刷データを作成する。また、S113において、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合にのみ、印刷データを作成する。尚、電子メールの送信時刻が10:00から16:00の範囲外である場合は、印刷データの作成は行わない。サーバ200は、利用可能時間外であるため印刷データの作成を行わない場合は、PC500に対してエラーメールを送信する(S115参照)。
【0073】
上述のように印刷データを作成したあと、サーバ200は、作成した印刷データをプリンタ100に送信する(S117)。
【0074】
サーバ200が送信した印刷データは、プリンタ100が受信する(S118)。
【0075】
印刷データを受信したプリンタ100は、印刷を実行する(S119)。プリンタ100は、受信した印刷データに基づいて、印刷部160により印刷を行う。
【0076】
サーバ200は、印刷データを送信した後、印刷データを削除する(S120)。
【0077】
印刷データを削除した後、サーバ200は、完了メールをPC500に送信する(S121)。完了メールは、利用者に印刷が完了したことを通知するための電子メールである。完了メールには、印刷が完了したことを示すメッセージが含まれる。サーバ200は、S102で受信した第1電子メールの送信元に対して、完了メールを送信する。
【0078】
サーバ200が送信した完了メールは、PC500が受信する(S122)。利用者は、PC500のメールソフトを利用して、完了メールを確認することで、印刷されたことを確認することができる。
【0079】
次に、図10を参照してリトライメール処理について説明する。リトライメール処理を開始すると、先ず、サーバ200が、認証を行う(S130)。サーバ200は、認証情報テーブル記憶領域232に記憶された認証情報と、受信したリトライメールに付与された認証情報とに基づいて、認証を行う。認証を行うために、サーバ200は、メールアドレス管理テーブルに基づいて、受信した電子メールの宛先に対応するプリンタ識別子を特定する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて、特定したプリンタ識別子に対応する認証情報を特定する。サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて特定した認証情報と、電子メールに付与された認証情報とに基づいて認証を行う。両者の認証情報が一致する場合は、認証が成功したと判断する。尚、認証情報としては、上述のキーファイル、又は、キーワードが用いられる。
【0080】
認証が成功した場合(S130:YES)、サーバ200は、後述のS137を行う。S137以降の処理は、後述する。
【0081】
認証が失敗した場合(S130:NO)、サーバ200は利用制限設定がされているか否かを判断する(S131)。サーバ200は、上述のS110と同様に、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定テーブルに基づいて利用制限設定がされているか否かを判断する。
【0082】
利用制限設定がされていないと判断した場合(S131:NO)、サーバ200はエラーメールを送信する(S132)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信元のメールアドレスに対して、エラーメールを送信する。
【0083】
サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S133)。利用者は、PC500のメールソフトでエラーメールを確認することで、印刷が失敗したことを確認することができる。
【0084】
利用制限設定がされていると判断した場合(S131:YES)、サーバ200は、制限情報をRAMに取得する(S134)。サーバ200は、上述のS113と同様に、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶されている詳細設定テーブルから、制限情報を取得する。
【0085】
S134で制限情報を取得した後、サーバ200は、利用可能時間か否かを判断する(S135)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信時刻と、S134で取得した利用時間帯情報とを比較して、利用可能時間であるか否かを判断する。具体的には、たとえば、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信したリトライメールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合に、サーバ200は、利用可能時間であると判断する。S102で受信したリトライメールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内でない場合に、サーバ200は、利用可能時間でないと判断する。また、S134で取得した利用可能時間情報が、NULL値である場合は、利用可能時間であると判断する。
【0086】
利用可能時間でないと判断した場合(S135:NO)、サーバ200は、上述のS132と同様のエラーメールを送信する(S136)。尚、サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S133)。
【0087】
利用可能時間であると判断した場合(S135:YES)、又は、S130で認証が成功したと判断した場合、サーバ200は、印刷用一時データに基づいて印刷データを作成する(S137)。サーバ200は、受信したリトライメールに含まれるリトライIDに対応する印刷用一時データに基づいて、印刷データを作成する。具体的には、サーバ200は、リトライ用一時テーブルから、受信したリトライIDに対応する印刷用一時データのアドレスを取得する。そして、取得したアドレスに記憶されている印刷用一時データを、印刷用一時データ記憶領域235から取得し、取得した印刷用一時データに基づいて印刷データを作成する。サーバ200は、上述の114と同様に、印刷データを作成する。尚、S131で利用制限設定がされていると判断された後、S137を行う場合は、上述のS116と同様に、S134で取得した制限情報に応じて印刷データを作成する。
【0088】
サーバ200は、印刷データを作成した後、作成した印刷データをプリンタ100に送信する(S138)。
【0089】
サーバ200が送信した印刷データは、プリンタ100が受信する(S139)。
【0090】
印刷データを受信したプリンタ100は、印刷を実行する(S140)。プリンタ100は、受信した印刷データに基づいて、印刷部160により印刷を行う。
【0091】
サーバ200は、印刷データを送信した後、印刷データを削除する(S141)。
【0092】
印刷データを削除した後、サーバ200は、完了メールをPC500に送信する(S142)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信元に対して、完了メールを送信する。
【0093】
サーバ200が送信した完了メールは、PC500が受信する(S143)。利用者は、PC500のメールソフトを利用して、完了メールを確認することで、印刷されたことを確認することができる。
<プリンタ初期登録時の動作>
次に、図15を参照して利用者がプリンタ100の初期登録を行う際の印刷システム10の動作を説明する。利用者はプリンタ100の操作部180を操作して、プリンタ100を印刷システム10に追加することができる。
【0094】
先ず、プリンタ100は、利用者が設定メニューを選択する操作を受け付ける(S200)。プリンタ100の電源がオンされ、プリンタ100が起動された状態において、プリンタ100は、表示部150にメニュー選択画面を表示する。メニュー選択画面は、設定メニューを含む複数のメニュー項目を表示する画面である。利用者は、プリンタ100の操作部180を操作して、複数のメニュー項目の中から、所望のメニューを選択することができる。設定メニューは、利用者が、各種の設定を行う際に選択するメニュー項目である。利用者が複数のメニュー項目の中から、設定メニューを選択する操作を行うと、プリンタ100は、設定メニュー一覧画面を表示する。設定メニュー一覧画面は、メール印刷初期登録メニューを含む、複数の設定メニューの項目が表示される画面である。
【0095】
設定メニュー一覧画面を表示したプリンタ100は、利用者がメール印刷初期登録メニューを選択する操作を受け付ける(S201)。利用者は、操作部180を操作して、設定メニュー一覧画面に表示された複数の設定メニューの中から、所望の設定メニューを選択することができる。複数の設定メニューの中から、利用者がメール印刷初期登録メニューを選択したことを検知すると、プリンタ100は、プリンタ識別子をサーバ200に送信する(S202)。プリンタ100は、プリンタ識別子記憶領域131に記憶されたプリンタ識別子をサーバ200に送信する。プリンタ識別子は、プリンタ100のメーカーが自社製品を一意に特定するために割り当てた識別子である。
【0096】
プリンタ100が送信したプリンタ識別子は、サーバ200が受信する(S203)。
【0097】
プリンタ100からプリンタ識別子を受信すると、サーバ200は、認証情報設定用のパスワードと、プリンタ100に対するメールアドレスを発行する(S204)。認証情報設定用のパスワードは、ユーザが認証情報を設定する際に用いるパスワードである。メールアドレスは、ユーザがこのプリンタ100で印刷を実行させるときに、第1電子メールの送信先として指定するメールアドレスである。
【0098】
パスワードと、メールアドレスとを発行したサーバ200は、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを登録する(S205)。具体的には、サーバ200は、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを対応付けて、メールアドレス管理テーブルに記憶する。サーバ200は、上述のS203で受信したプリンタ識別子と、S204で発行したメールアドレスと、パスワードとを対応付けてメールアドレス管理テーブルに登録する。
【0099】
これらの情報を記憶したサーバ200は、S204で発行したメールアドレスと、パスワードとをプリンタ100に送信する(S206)。
【0100】
サーバ200が送信したメールアドレスと、パスワードとはプリンタ100が受信する(S207)。
【0101】
プリンタ100は、受信したメールアドレスと、パスワードとを表示する(S208)。
【0102】
利用者は、プリンタ100に表示されたメールアドレスと、パスワードを用いて認証情報、リトライ設定、または、利用制限などの各種の設定を行うことができる。
<設定時の動作>
次に、図16を参照して利用者が各種の設定を行う際の印刷システム10の動作を説明する。利用者はPC500のウェブブラウザーを利用して、各種の設定を行うことができる。
【0103】
まず、PC100は、ログインページへのアクセス操作を受け付け、ログインページ送信要求を送信する(S300)。利用者は、PC500のウェブブラウザーを利用して、ログインページを表示させるためのアクセス操作を行うことができる。このときユーザが行うアクセス操作は、たとえば、ログインページのURL等をウェブブラウザーに入力する操作等である。利用者のアクセス操作を受け付けたPC100は、サーバ200に対してログインページ送信要求を送信する。
【0104】
ログインページの送信要求を受信したサーバ200は、ログインページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S301)。
【0105】
ログインページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、ログインページを表示する(S302)。図17にログインページの一例を示す。図17に示すように、ログインページには、メールアドレスの入力ボックスと、パスワードの入力ボックスと、ログインボタンが表示される。利用者は、メールアドレスの入力ボックスに、上述のS208で表示されたメールアドレスを入力することができる。また、利用者は、上述のS208で表示されたパスワードを入力することができる。
【0106】
ログインページを表示した後、PC500は、メールアドレスと、パスワードの入力操作を受け付け、利用者に入力されたメールアドレスとパスワードとを送信する(S303)。具体的には、利用者によりメールアドレスの入力と、パスワードの入力が行われ、ログインボタンの押下が行われると、PC500は入力されたメールアドレスとパスワードとを、サーバ200に送信する。
【0107】
PC500が送信したメールアドレスとパスワードとは、サーバ200が受信する(S304)。
【0108】
サーバ200は、受信したメールアドレスとパスワードとに基づいて、認証を行う(S305)。サーバ200は、受信したメールアドレスとパスワードの組み合わせに一致するものが、メールアドレス管理テーブルに記憶されている場合、認証が成功したと判断する。受信したメールアドレスとパスワードの組み合わせが、メールアドレス管理テーブルから検出できない場合は、サーバ200は、認証が失敗したと判断する。
【0109】
認証が失敗した場合(S305:NO)、サーバ200は、エラーページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S306)。エラーページは、利用者に認証が失敗したことを報知するメッセージが表示されるページである。
【0110】
エラーページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、エラーページを表示する(S307)。これにより、利用者は認証が失敗したことを確認することができる。
【0111】
認証が成功した場合(S305:YES)、サーバ200は、認証情報登録ページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S308)。
【0112】
認証情報登録ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、認証情報登録ページを表示する(S309)。認証情報登録ページの一例を図18に示す。図18に示すように、認証情報登録ページには、キーファイルによる認証を行うか、又は、キーワードによる認証を行うかを選択するためのチェックボックスと、キーファイルによる認証が選択された場合にキーファイルを登録するための参照ボタンと、キーワードによる認証が選択された場合にキーワードを入力するための入力ボックスと、登録ボタンとが表示される。
【0113】
利用者は、上述のチェックボックスにチェックを入力することで、キーファイルによる認証を行うか、又は、キーワードによる認証を行うかを選択することができる。また、利用者は参照ボタンを押下して、PC500がアクセス可能な記憶媒体(たとえば、記憶部530)に予めに記憶されている電子ファイルの中から所望の電子ファイルを選択することで、選択した電子ファイルをキーファイルとして登録することができる。尚、このとき選択するキーファイルについては、メーカーが、プリンタ100の購入時に付属されている記録メディアなどに予め格納しておき、利用者に記録メディアに記憶されたキーファイルを選択させるようにしてもよい。また、ユーザは、キーワードの入力ボックスに、認証情報として利用したい所望の文字列を入力することができる。
【0114】
PC500は、認証情報登録ページで認証情報の入力操作を受け付け、利用者により登録ボタンが押下されたことを検知すると、認証方式情報と認証情報とをサーバ200に送信する(S310)。認証方式情報は、キーファイルによる認証方式とキーワードによる認証方式とのいずれの認証方式が利用者により選択されたかを示す情報である。
【0115】
PC500が送信した認証方式情報と認証情報とは、サーバ200が受信する(S311)。
【0116】
サーバ200は、受信した認証方式情報と認証情報に基づいて、認証情報テーブルを更新する(S312)。具体的には、上述のS304で受信したメールアドレスとパスワードとに基づいて、メールアドレス管理テーブルから特定されるプリンタ識別子と、S311で受信した認証方式情報と、認証情報とを対応付けて、認証情報テーブルに記憶する。尚、認証情報としてキーファイルを受信した場合、サーバ200は、受信したキーファイルをキーファイル記憶領域236に記憶する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーファイルのアドレスとを対応付けて記憶する。キーファイルのアドレスは、キーファイル記憶領域236に記憶されたキーファイルの格納位置を示す情報である。また、認証情報としてキーワードを受信した場合、サーバ200は、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーワードとを対応付けて、認証情報テーブルに記憶する。
【0117】
認証情報テーブルを更新したサーバ200は、詳細設定ページのHTMLドキュメントを、PC500に送信する(S313)。
【0118】
詳細設定ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、詳細設定ページを表示する(S314)。詳細設定ページの一例を、図19に示す。図19に示すように、詳細設定ページには、リトライメールを送信するか否かを選択するためのチェックボックスと、利用制限設定を行うか否かを選択するためのチェックボックスと、利用制限設定の項目を選択するためのチェックボックスと、利用制限設定の各項目に対応する詳細条件を入力するための入力ボックスと、登録ボタンと、が表示される。
【0119】
利用者は、リトライメールを送信するか否かを選択するチェックボックスにチェックを入力することで、リトライメールを送信するか否かを選択することができる。また、利用制限設定を行うか否かを選択するためのチェックボックスにチェックを入力することで、認証が失敗した場合に、制限付きで印刷を許可するか、印刷を完全に許可しないかを選択することができる。また、利用制限設定の各項目のチェックボックスにチェックを入力することで、どのような制限条件での印刷を許可するかを選択することができる。利用制限設定の各項目に対応する詳細条件の入力ボックスに、項目毎の詳細条件を入力することができる。具体的には、最大枚数の項目に対応する入力ボックスには、印刷を許可する枚数を入力することができる。また、利用可能時間の項目に対応する入力ボックスには、印刷を許可する時間帯を入力することができる。
【0120】
PC500は、詳細設定ページでの入力操作を受け付け、利用者の入力に応じた各種の設定情報をサーバ200に送信する(S315)。ここで、送信される設定情報には、リトライ設定情報、利用制限設定情報、最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用可能時間情報などが含まれる。尚、詳細設定ページにおいて、利用制限設定を行わないことが選択されている場合、最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用可能時間情報は、NULL値である。
【0121】
サーバ200は、PC500が送信した各種の設定情報を受信する(S316)。
【0122】
各種の設定情報を受信したサーバ200は、受信した各種の設定情報に基づいて、詳細設定テーブルを更新する(S317)。具体的には、サーバ200は、S304で受信したメールアドレスに対応するプリンタ100のプリンタ識別子と、受信した設定情報とを対応付けて詳細設定テーブルに記憶する。
【0123】
詳細設定テーブルを更新したサーバ200は、完了ページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S318)。完了ページは、詳細設定が完了したことを示すページである。
【0124】
完了ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、完了ページを表示する(S319)。利用者は、完了ページにより詳細設定が完了したことを確認できる。
<特許請求に範囲に記載の構成要素との対応関係>
上述の実施形態における各構成要素と特許請求の範囲に記載の各構成要素との対応関係は次のとおりである。プリンタ100が、印刷装置に相当する。印刷システム10が、印刷システムに相当する。認証情報テーブル記憶領域232を有する記憶部230が、第1認証情報記憶手段に相当する。S102を行う制御部220が、第1電子メール受信手段に相当する。S104を行う制御部200が、第1認証手段に相当する。S104において認証が成功した場合にS117において印刷データの送信を行い、S104において認証が失敗した場合にS107においてリトライ依頼メール、または、S111においてエラーメールを送信するサーバ200の制御部220が、印刷制御手段に相当する。S107を行う制御部220が、リトライ依頼メール送信手段に相当する。S106を行う制御部220が、リトライ記憶制御手段に相当する。S102を行う制御部220が、第2電子メール受信手段に相当する。S130を行う制御部220が、第2認証手段に相当する。
<変形例>
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0125】
上述の実施形態においては、リトライメールは、リトライ依頼メールの返信メールであるものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、リトライ依頼メールを受信した利用者は、そのリトライ依頼メールへの返信メールを作成するのではなく、新規に作成した電子メールを、リトライメールとしてサーバ200に送信するようにしてもよい。この場合、利用者はメールソフトを利用して新規メールを作成する操作を行う。具体的には、利用者は、この新規作成するリトライメールの送信先には、リトライ依頼メールの送信元のメールアドレスを設定する。また、利用者は、タイトルにリトライ依頼メールに付されていたリトライIDを入力する。また、利用者は、認証情報として、キーファイルまたはキーワードをリトライメールに付加して、作成した電子メールを送信する。このように作成されたリトライメールを受信したサーバ200は、上述の実施形態同様に、受信した電子メールのタイトルにリトライIDが付与されているか否かに基づいて、受信した電子メールがリトライIDであるか否かを判断することができる。
【0126】
また、上述の実施形態においては、リトライIDは、電子メールのタイトルに付与されるものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、電子メールの本文に付与するようにしてもよい。
【0127】
また、上述の実施形態においては、リトライIDは、サーバ200が発行したIDを利用するものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、受信した電子メールのヘッダーに含まれる「Message−ID」ヘッダーの値を、リトライIDとして利用しても良い。この場合、サーバ200は、受信した電子メールのヘッダーの「In−Reply−To」ヘッダー、または、「reference」ヘッダーに、リトライIDとして記憶した値が含まれているか否かに基づいて、リトライ依頼メールに対する返信メールであるリトライメールであるか否かを判断することができる。
【0128】
また、上述の実施形態においては、リトライメールには印刷するための電子ファイルを添付しないものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、サーバ200は、第1電子メールに添付された添付ファイルは記憶しないように設計した場合は、サーバ200は、利用者がリトライメールに添付した電子ファイルに基づいて印刷データを作成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0129】
100 プリンタ
110 インターネット通信部
120 制御部
130 記憶部
150 表示部
160 印刷部
180 操作部
200 サーバ
210 インターネット通信部
220 制御部
230 記憶部
500 PC
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置を利用した印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子メールによる印刷指示を受け付けることのできる印刷システムが知られている。このような、印刷システムによれば、利用者は、所定のメールアドレスに、印刷を指示する電子メールを送信することで、所望の印刷装置に印刷を実行させることができる。特許文献1に、電子メールによる印刷指示を受け付けることのできる印刷システムの一例が開示されている。しかし、このような印刷システムでは、印刷装置に割り当てられたメールアドレスが第三者に漏洩することが考えられる。メールアドレスが漏洩することにより、正当な権限を有さない第三者により印刷が行われてしまうおそれがある。この問題を解決するため、特許文献1に記載の印刷システムによれば、印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−341581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者が用いるメールアドレスは、利用者の都合により変更される。特許文献1のように印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定する必要がある印刷システムによれば、利用者のメールアドレスが変わる度に、新しいメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして設定し直す必要がある。また、印刷装置を用いる利用者が変わる場合も考えられる。この場合も、新たな利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして設定し直す必要がある。また、複数の利用者が印刷装置を共用で使う場合には、印刷装置を利用する利用者が増える度に、増加した利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスとして追加する必要がある。また、利用者が印刷装置を利用しなくなった場合においても、その利用者のメールアドレスを、印刷指示を受け入れるメールアドレスのリストから削除する必要がある。
【0005】
このように、特許文献1のように印刷指示を受け入れるメールアドレスを設定する必要がある印刷システムでは、利用者のメールアドレスの変更、利用者の変更、利用者の増減にともなって、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定を変更しなければならい。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて印刷されることを防止することのできる印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子メールの添付ファイルであって、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルの印刷を実行可能な印刷装置を備えた印刷システムであって、第1認証情報を記憶する第1認証情報記憶手段と、前記第1添付ファイルが添付された第1電子メールを受信する第1電子メール受信手段と、前記第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、に基づいて認証を行う第1認証手段と、前記第1認証手段による認証が成功した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させ、前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させない印刷制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記認証手段による認証が失敗した場合に、前記第1電子メールの送信元に対してリトライメールの送信を依頼するリトライ依頼メールを送信するリトライ依頼メール送信手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷システムであって、前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、新たなリトライIDと、前記第1添付ファイルとを対応付けてリトライ記憶手段に記憶させるリトライ記憶制御手段と、前記リトライ依頼メール送信手段は、正しい第2認証情報の付された返信メールを依頼するメッセージを本文に含み、且つ、前記リトライIDが付与されたリトライ依頼メールを送信し、前記リトライ依頼メールの返信メールである前記リトライメールを受信する第2電子メール受信手段と、前記リトライメールに添付された第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、にもとづいて認証を行う第2認証手段と、を備え、前記印刷制御手段は、前記第2認証手段による認証が成功した場合に、前記リトライメールに付与されたリトライIDに対応づけて記憶された前記第1添付ファイルの印刷を、前記印刷装置に実行させ、前記第2認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置による印刷を実行させないことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記印刷制御手段は、前記認証手段による認証が失敗した場合、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、印刷可能な時間帯を制限する条件であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、印刷可能な枚数を制限する条件であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の印刷システムであって、前記所定の制限条件は、モノクロ印刷のみを可能とする条件であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、印刷指示を受け入れるメールアドレスの設定をしなくても、不当な第三者からの電子メールに基づいて印刷されることを防止することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記リトライ依頼メール送信手段がリトライ依頼メールを送信するため、利用者は、リトライ依頼メールにより認証が失敗したこと確認することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明が有する効果に加え、利用者は、リトライ依頼メールの返信メールであるリトライメールを送信するだけで、再度認証を行うことができる。尚、利用者は、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルをリトライメールに再度添付する必要はなく、リトライメールに正しい第2認証情報を付与するのみで印刷を実行させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、利用者は、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されている印刷可能な時間帯であれば、印刷を実行させることができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されている印刷可能な枚数であれば、印刷を実行させることができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明が有する効果に加え、前記認証手段による認証が失敗した場合であっても、予め条件として設定されているモノクロ印刷であれば、印刷を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】印刷システム10のネットワーク構成を示したネットワーク構成図である。
【図2】印刷システム10のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】記憶部130の記憶領域の構成を示した構成図である。
【図4】記憶部230の記憶領域の構成を示した構成図である。
【図5】メールアドレス管理テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図6】認証情報テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図7】詳細設定テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図8】リトライ用一時テーブルの構成の一例を示す概念図である。
【図9】利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図10】利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図11】認証のためにキーファイルを用いる場合の第1電子メールの一例である。
【図12】認証のためにキーワードを用いる場合の第1電子メールの一例である。
【図13】リトライ依頼メールの一例である。
【図14】キーファイルを利用する場合のリトライメールの一例である。
【図15】利用者がプリンタ100の初期登録を行う際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図16】利用者が各種の設定を行う際の印刷システム10の動作を示すフローチャートである。
【図17】ログインページの一例である。
【図18】認証情報登録ページの一例である。
【図19】詳細設定ページの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具現化した実施形態について、図面を参照して説明する。尚、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、単なる説明例である。本発明をそれのみに限定する趣旨ではない。
<印刷システム10の概略>
図1を参照して、本発明を具現化した第1実施形態である印刷システム10の概略について説明する。印刷システム10は、複数のプリンタ100とサーバ200とを備える。図1に示す例では、印刷システム10のプリンタ100として、プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cの3つのプリンタ100を備えている。プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cは、いずれも同じ構成である。尚、本実施形態の説明において、プリンタ100A、プリンタ100B、プリンタ100Cのいずれかについて説明する場合、単にプリンタ100と称して説明する。
【0023】
印刷システム10は、インターネット回線400を介して、PC500と接続されている。PC500は、利用者が所有するいわゆるパーソナルコンピュータである。PC500には、周知のウェブブラウザー、および、メールソフトがインストールされている。
【0024】
プリンタ100は、印刷機能を備えている。プリンタ100は、サーバ200から印刷データを取得して、プリンタ100の印刷機能により印刷することが出来る。
【0025】
サーバ200は周知のサーバ機能を持った装置であればよい。サーバ200は、プリンタ100のメーカーが自前で用意しても良いが、周知のレンタルサーバや、AmazonのEC2に代表されるようなヴァーチャルマシンを利用することも考えられる。サーバ200は、物理的に単一のひとつの装置で構成されてもよいが、互いにネットワークで接続された複数の装置から構成されてもよい。尚、本実施形態においては、物理的に単一のひとつの装置であるものとして説明する。
<印刷システム10のハードウェア構成>
図2を参照して、印刷システム10のハードウェア構成について説明する。プリンタ100と、サーバ200と、PC500とは、互いに、インターネット回線400を介して接続されている。プリンタ100と、サーバ200と、PC500とは互いに、TCP/IPのプロトコルに従ってデータの送受信を行う。
【0026】
プリンタ100のハードウェア構成について説明する。プリンタ100は、インターネット通信部110と、制御部120と、記憶部130と、表示部150と、印刷部160と、操作部180とを備えている。
【0027】
インターネット通信部110は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部110としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0028】
制御部120は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、プリンタ100の動作を制御する。ROMには、サーバ200とインターネット回線400を介して各種のデータの送受信を行うためのプログラム等が記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0029】
記憶部130は、NAND型フラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置である。図3に示すように、記憶部130は、プリンタ識別子記憶領域131を備える。
【0030】
プリンタ識別子記憶領域131は、プリンタ識別子が記憶される領域である。プリンタ識別子は、プリンターメーカが自社製品を管理するために割り当てた通し番号である。
【0031】
表示部150は、周知のLCD等のディスプレイを備えた表示装置である。表示部150は、制御部120からの指示に従って、各種の情報を表示出力する。
【0032】
印刷部160は、制御部120の指示に従って、画像の印刷を行う装置である。
【0033】
操作部180は、利用者により操作される複数の操作ボタンを備え、利用者の押下操作に応じた信号を制御部120へ送信する装置である。利用者は、操作部180を操作することにより所望の操作を入力することが出来る。
【0034】
サーバ200についてのハードウェア構成について説明する。本実施形態の説明では、サーバ200は、物理的に存在する一つのサーバであるものとして説明するが、上述したようにサーバ200は、複数の物理的な装置が協働して一つのサーバとして機能するEC2のようなヴァーチャルマシンであっても良い。
【0035】
サーバ200は、インターネット通信部210、制御部220、記憶部230を備える。
【0036】
インターネット通信部210は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部210としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0037】
制御部220は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROM及び記憶部230に記憶されたプログラムにしたがって、サーバ200の動作を制御する。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0038】
記憶部230は、ハードディスクドライブのような不揮発性の記憶装置である。図4に示すように、記憶部230は、メールアドレス管理テーブル記憶領域231と、認証情報テーブル記憶領域232と、詳細設定テーブル記憶領域233と、リトライ用一時テーブル記憶領域234、印刷用一時データ記憶領域235と、キーファイル記憶領域236とを備える。
【0039】
メールアドレス管理テーブル記憶領域231は、メールアドレス管理テーブルが記憶される領域である。メールアドレス管理テーブルの一例を図5に示す。図5に示すように、メールアドレス管理テーブルは、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを対応付けて記憶するテーブルである。メールアドレス管理テーブルに記憶されるメールアドレスと、パスワードとは、新規にプリンタ100を印刷システム10に追加する際に、サーバ200がプリンタ100に割り当てた、メールアドレスとパスワードである。
【0040】
認証情報テーブル記憶領域232は、認証情報テーブルが記憶される領域である。認証情報テーブルの一例を図6に示す。図6に示すように、認証情報テーブルは、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーファイルアドレスと、キーワードとを対応付けて記憶する領域である。認証方式情報は、キーファイルによる認証、または、キーワードによる認証のいずれ方式で認証を行うかを示す情報である。キーファイルによる認証を行うプリンタ100に対しては、キーファイルアドレスの欄に、キーファイルアドレスが記憶され、キーワードの欄には、情報は記憶されない。キーワードによる認証を行うプリンタ100に対しては、キーワードの欄にキーワードが記憶され、キーファイルアドレスの欄には、情報は記憶されない。キーファイルアドレスは、キーファイル記憶領域236に記憶されたキーファイルの所在を示すアドレスである。
【0041】
詳細設定テーブル記憶領域233は、詳細設定テーブルが記憶される領域である。詳細設定テーブルの一例を図7に示す。図7に示すように、詳細設定テーブルは、プリンタ識別子と、リトライ設定情報と、利用制限設定情報と、各種の制限情報と、を対応付けて記憶するテーブルである。本実施形態で利用される制限情報には、最大枚数情報と、モノクロ印刷情報と、利用可能時間情報と、が含まれる。リトライ設定情報は、リトライ依頼メールを送信するか否かを示す情報である。リトライ依頼メールを送信する場合には、リトライ設定情報として“ON”という情報が記憶される。リトライ依頼メールを送信しない場合には、リトライ設定情報として“OFF”という情報が記憶される。利用制限設定情報は、認証が失敗した場合に、一定の制限条件の下、印刷を実行させるか否かを示す情報である。一定の制限条件で印刷を許可する場合には、利用制限設定情報として“ON”という情報が記憶される。認証が失敗した場合に印刷を完全に許可しない場合には、利用制限設定情報として“OFF”という情報が記憶される。最大枚数情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、印刷できる最大枚数を示す情報である。尚、印刷できる最大枚数が制限条件として設定されない場合、最大枚数情報はNULL値である。また、モノクロ印刷情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、モノクロ印刷を実行するか否かを情報である。モノクロ印刷を行う場合には、モノクロ印刷情報として“モノクロ印刷”という情報が記憶される。モノクロ印刷が制限条件として設定されない場合、モノクロ印刷情報はNULL値である。利用可能時間情報は、一定の制限条件で印刷を行う場合に、印刷が可能な時間帯を示す情報である。利用可能時間が制限条件として設定されない場合、利用可能時間情報はNULL値である。
【0042】
リトライ用一時テーブル記憶領域234は、リトライ用一時テーブルを記憶する領域である。リトライ用一時テーブルの一例を図8に示す。図8に示すように、リトライ用一時テーブルは、リトライIDと、印刷用一時データのアドレスとを対応付けて記憶するテーブルである。印刷用一時データのアドレスは、印刷用一時データ記憶領域235に記憶された印刷用一時データの所在を示すアドレスである。
【0043】
印刷用一時データ記憶領域235は、受信した電子メールの添付ファイルを印刷用一時データとして一時的に記憶する領域である。サーバ200は、リトライ依頼メールを送信する際に、印刷用一時データを印刷用一時データ記憶領域235に記憶する。
【0044】
キーファイル記憶領域236は、キーファイルを記憶する領域である。サーバ200は、プリンタ100ごとに対応する複数のキーファイルをキーファイル記憶領域236に記憶する。
【0045】
次に、PC500についてのハードウェア構成について説明する。PC500は、ウェブブラウザー、及び、メールソフトがインストールされた周知のパーソナルコンピュータであればよい。本実施形態では、利用者がPC500で、印刷システム10を利用するものとして説明するが、スマートフォンや、タブレット端末等の周知の端末で、印刷システム10を利用してもよい。
【0046】
PC500は、インターネット通信部510、制御部520、記憶部530、表示部550、操作部580を備える。
【0047】
インターネット通信部510は、ネットワークに接続された他の装置と通信を行うための機器である。インターネット通信部510としては、周知のネットワークカードを採用することが出来る。
【0048】
制御部520は、図示しないCPUと、CPUに接続されたROM及びRAMを備えている。CPUは、ROM及び記憶部530に記憶されたプログラムにしたがって、PC500の動作を制御する。RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
【0049】
記憶部530は、ハードディスクドライブのような不揮発性の記憶装置である。記憶部530は、ウェブブラウザー、メールソフト等のアプリケーションプログラムなどを記憶している。なお、利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用する代わりに、ウェブメールサービスを利用しても良い。
【0050】
表示部550は、周知のLCD等のディスプレイを備えた表示装置である。表示部550は、制御部520からの指示に従って、各種の情報を表示出力する。
【0051】
操作部580は、利用者により操作される複数の操作ボタンを備え、利用者の押下操作に応じた信号を制御部520へ送信する装置である。利用者は、操作部580を操作することにより所望の指示を入力することが出来る。
<印刷システム10の動作>
次に、図9から図16を参照して印刷システム10の動作について説明する。以下に説明するプリンタ100の動作は、ROMに記憶されたプログラムを制御部120が実行し、プリンタ100のハードウェアを制御することにより実行される。また、サーバ200の動作は、ROM、または、記憶部230に記憶されたプログラムを制御部220が実行し、サーバ200のハードウェアを制御することにより実行される。また、PC500の動作は、ROM及び記憶部530に記憶されたプログラムを制御部520が実行し、PC500のハードウェアを制御することにより実行される。
<印刷実行時の動作>
図9、図10を参照して利用者が電子メールを送信してプリンタ100に印刷を実行させる際の印刷システム10の動作を説明する。
【0052】
先ず、PC500は、利用者の入力操作に基づいて新規メールの作成を行う(S100)。利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用して、プリンタ100に印刷を実行させるための新規メールを作成できる。尚、以下の説明において、このとき利用者が作成する新規メールを第1電子メールと称す。図11に、第1電子メールの一例を示す。第1電子メールの宛先には、利用者が利用したいプリンタ100に割り当てられたメールアドレスが入力される。また、添付ファイルとして、印刷したい電子ファイルと、認証のために利用される電子ファイルであるキーファイルとが添付される。図11に示す第1電子メールは、認証のためにキーファイルを用いる場合の第1電子メールの一例である。図11に示す例では、印刷したい画像の電子ファイルとして、“印刷用.pdf”が添付されている。また、認証のためのキーファイルとして“認証用2.key”という電子ファイルが添付されている。また、印刷システム10は、認証のために、キーファイルを用いる代わりに、キーワードを用いることもできる。図12に、認証のためにキーワードを用いる場合の第1電子メールの一例を示す。図12に示すように、第1電子メールの宛先には、プリンタ100に割り当てられたメールアドレスが入力される。また、第1電子メールのタイトルには、上述のキーワードである“147258369”が入力されている。また、印刷する電子ファイルとして“印刷用.pdf”が添付されている。
【0053】
利用者が、図11、又は、図12に示すような第1電子メールの作成を行い、電子メールの送信を指示すると、PC500は、S100で作成された第1電子メールを送信する(S101)。
【0054】
PC500により送信された電子メールは、サーバ200が受信する(S102)。
【0055】
サーバ200は、受信した電子メールがリトライメールであるか否かを判断する(S103)。リトライメールは、新規の印刷指示である第1電子メールによる認証が失敗した場合に、利用者により再度送信される電子メールである。リトライメールの詳細は後述するが、リトライメールのタイトルには、サーバ200が後述の処理で付与したリトライIDが含まれている。サーバ200が付与したリトライIDは、リトライ用一時テーブルに記憶されている。サーバ200は、リトライ用一時テーブルに記憶されたリトライIDが、受信した電子メールのタイトルに含まれるか否かに基づいて、受信した電子メールがリトライメールであるか否かを判断することができる。
【0056】
リトライメールである場合は(S103:YES)、サーバ200は、後述のリトライメール処理を行う(S150)。
【0057】
リトライメールでない場合(S103:NO)、すなわち、新規メールである場合は、サーバ200は、認証を行う(S104)。サーバ200は、認証情報テーブル記憶領域232に記憶された認証情報と、受信した第1電子メールに付与された認証情報とに基づいて、認証を行う。認証を行うために、サーバ200は、メールアドレス管理テーブルに基づいて、受信した第1電子メールの宛先に対応するプリンタ識別子を特定する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて、特定したプリンタ識別子に対応する認証情報を特定する。サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて特定した認証情報と、第1電子メールに付与された認証情報とに基づいて認証を行う。両者の認証情報が一致する場合は、認証が成功したと判断する。尚、認証情報としては、上述のキーファイル、又は、キーワードが用いられる。
【0058】
認証が成功した場合(S104:YES)、サーバ200は、後述のS116を行う。S116以降の処理は後述する。
【0059】
認証が失敗した場合(S104:NO)、サーバ200は、リトライ設定がされているか否かを判断する(S105)。リトライ設定がされているか否かは、詳細設定管理テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定管理テーブルに基づいて判断される。S104において特定されたプリンタ識別子に対応するリトライ設定情報が“ON”である場合は、サーバ200は、リトライ設定がされていると判断する。また、プリンタ識別子に対応するリトライ設定情報が“OFF”である場合は、サーバ200は、リトライ設定がされていないと判断する。
【0060】
リトライ設定がされている場合は(S105:YES)、サーバ200は、印刷用一時データを記憶部230に保存し、リトライ用一時テーブルを更新する(S106)。サーバ200は、電子メールに印刷する画像の電子ファイルとして添付された添付ファイルを、印刷用一時データ記憶領域235に記憶する。そして、リトライ用一時テーブルを更新する。具体的には、サーバ200は、新規のリトライIDを発行する。そして、上述のS104で特定したプリンタ識別子と、新規のリトライIDと、印刷用一時データ記憶領域235に記憶した電子ファイルのアドレスとを対応付けて、リトライ用一時テーブルに記憶する。
【0061】
印刷用一時データを記憶し、リトライ用一時テーブルを更新した後、サーバ200は、リトライ依頼メールを送信する(S107)。リトライ依頼メールは、正しい認証情報を付したメールの返信を、利用者に依頼する電子メールである。リトライ依頼メールは、上述のS102で受信した第1電子メールの送信元に対して送信される。図13にリトライ依頼メールの一例を示す。図13に示すように、リトライ依頼メールの宛先は、上述の新規メールの送信元のメールアドレスである“xxx.yyy@brother.co.jp”である。また、リトライ依頼メールのタイトルには、サーバ200が割り当てたリトライIDが含まれる。図13に示す例では、タイトルは、“再送依頼{{aisdhfan23}}”である。“{{”と“}}”とにはさまれた位置にリトライIDが配置されている。そして、リトライ依頼メールの本文には、“認証情報に誤りがあります。正しい認証情報を付与した上で、本メールに返信してください。”とのリトライメールの送信を依頼するメッセージが設定されている。利用者は、正しい認証情報を付与して、リトライ依頼メールに返信するだけで、再度の印刷指示を行うことができる。このとき利用者が返信するリトライメールには、印刷したい画像の電子ファイルを添付しなおす必要はない。
【0062】
サーバ200がリトライ依頼メールを送信すると、PC500は、リトライ依頼メールを受信する(S108)。
【0063】
リトライ依頼メールを受信したPC500は、利用者の入力操作に基づいてリトライメールを作成し、作成したリトライメールを返信する(S109)。利用者は、PC500にインストールされたメールソフトを利用してリトライメールを作成する。具体的には、利用者は、リトライ依頼メールを受信すると、メールソフトの返信ボタンを押下して、リトライ依頼メールに対する返信メール(リトライメール)を作成する。そして、このリトライメールに認証情報を付与する操作を行う。具体的には、キーファイルによる認証を行う場合は、リトライメールにキーファイルを添付する操作を行う。図14に、キーファイルを利用する場合のリトライメールの一例を示す。図14に示す例では、添付ファイルとして“認証用.key”というキーファイルが添付されている。また、図示しないが、キーワードによる認証を行う場合には、タイトルにキーワードを追加することで、認証情報を付与する。具体的には、リトライ依頼メールに対する返信メールの作成を指示したときに、メールソフトにより作成されるリトライメールのタイトルの末尾に、キーワードを入力する。具体的には、“再送依頼{{aisdhfan23}}”とのタイトルの電子メールへの返信を利用者が指示したとき、メールソフトは返信メールのタイトルとして“Re:再送依頼{{aisdhfan23}}”とのタイトルを作成する。利用者は、メールソフトが作成したこのタイトルの末尾に所定のキーワードを付与する。たとえば、“Re:再送依頼{{aisdhfan23}}147258369”とのタイトルを作成する。このタイトルに含まれる“147258369”が、利用者が付与したキーワードである。
【0064】
このように利用者がリトライメールを作成した後、リトライメールの送信を指示すると、PC500はリトライメールを送信する(S109)。PC500が送信したリトライメールは、上述のS102の処理によりサーバ200で受信される。
【0065】
上述のS105においてリトライ設定がされていないと判断した場合は(S105:NO)、サーバ200は、利用制限設定がされているか否かを判断する(S110)。サーバ200は、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定テーブルに基づいて、利用制限設定がされているか否かを判断する。サーバ200は、S104で特定したプリンタ識別子に対応する利用制限設定情報が“ON”である場合は、利用制限設定がされていると判断する。また、S104で特定したプリンタ識別子に対応する利用制限設定情報が“OFF”である場合は、利用制限設定がされていないと判断する。
【0066】
利用制限設定がされていないと判断した場合(S110:NO)、サーバ200は、エラーメールを送信する(S111)。エラーメールは、印刷が行えない旨のメッセージを利用者に伝えるためのメールである。サーバ200は、S102で受信した第1電子メールの送信元に対して、エラーメールを送信する。
【0067】
サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S112)。PC500の利用者は、PC500のメールソフトでエラーメールを確認することで、印刷が失敗したことを確認することができる。
【0068】
利用制限設定がされていると判断した場合(S110:YES)、サーバ200は、制限情報を、詳細設定テーブルからRAMに取得する(S113)。サーバ200は、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶されている詳細設定テーブルから制限情報を取得する。具体的には、上述のS104で特定したプリンタ識別子に対応する制限情報を、詳細設定テーブルから取得する。サーバ200は、印刷最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用時間帯情報などの制限情報を取得する。
【0069】
S113で制限情報を取得した後、サーバ200は、利用可能時間か否かを判断する(S114)。サーバ200は、S102で受信した電子メールの送信時刻と、S113で取得した利用時間帯情報とを比較して、利用可能時間であるか否かを判断する。具体的には、たとえば、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合に、サーバ200は、利用可能時間であると判断する。S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内でない場合に、サーバ200は、利用可能時間でないと判断する。また、S113で取得した利用可能時間情報が、NULL値である場合は、利用可能時間であると判断する。
【0070】
利用可能時間でないと判断した場合(S114:NO)、サーバ200は、上述のS111と同様のエラーメールを送信する(S115)。尚、サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S112)。
【0071】
利用可能時間であると判断した場合(S114:YES)、又は、S104で認証が成功したと判断した場合、サーバ200は、印刷データを作成する(S116)。尚、ここでいう印刷データとは、プリンタ100が印刷可能な形式のデータをいう。プリンタ100が印刷できる形式であれば、いかなる形式のデータであってもかまわない。たとえば、プリンタ100が所定のプリンタ言語で記載されたデータでしか印刷できない場合は、サーバ200は、添付された電子ファイルに基づいてプリンタ100が理解可能なプリンタ言語の印刷データを作成する。このため、サーバ200は、各種のプリンタに対応するプリンタドライバを備えている。また、プリンタ100がPDF形式などの所定のファイル形式のデータから印刷を実行できる機能を有している場合、サーバ装置200は、画像の電子ファイルに基づいてPDF形式の電子ファイルを印刷データとして作成してもよい。もちろん、この場合、添付ファイルが元々PDF形式の電子ファイルであればサーバ200は、新たなPDF形式の電子ファイルは作成しなくてもよい。
【0072】
尚、S110で利用制限設定がされていると判断された後、S116を行う場合は、S113で取得した制限情報に応じて印刷データを作成する。たとえば、S113において、印刷最大枚数情報として“5枚”との情報を取得した場合は、プリンタ100において印刷される枚数が5枚以下となるような印刷データを作成する。具体的には、添付ファイルが10ページ分の文章のファイルであっても、サーバ200は、最初の5ページ分の印刷データしか作成しない。また、S113において、モノクロ印刷情報として“モノクロ印刷”との情報を取得した場合は、プリンタ100においてモノクロ印刷が実行されるような印刷データを作成する。また、S113において、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信した電子メールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合にのみ、印刷データを作成する。尚、電子メールの送信時刻が10:00から16:00の範囲外である場合は、印刷データの作成は行わない。サーバ200は、利用可能時間外であるため印刷データの作成を行わない場合は、PC500に対してエラーメールを送信する(S115参照)。
【0073】
上述のように印刷データを作成したあと、サーバ200は、作成した印刷データをプリンタ100に送信する(S117)。
【0074】
サーバ200が送信した印刷データは、プリンタ100が受信する(S118)。
【0075】
印刷データを受信したプリンタ100は、印刷を実行する(S119)。プリンタ100は、受信した印刷データに基づいて、印刷部160により印刷を行う。
【0076】
サーバ200は、印刷データを送信した後、印刷データを削除する(S120)。
【0077】
印刷データを削除した後、サーバ200は、完了メールをPC500に送信する(S121)。完了メールは、利用者に印刷が完了したことを通知するための電子メールである。完了メールには、印刷が完了したことを示すメッセージが含まれる。サーバ200は、S102で受信した第1電子メールの送信元に対して、完了メールを送信する。
【0078】
サーバ200が送信した完了メールは、PC500が受信する(S122)。利用者は、PC500のメールソフトを利用して、完了メールを確認することで、印刷されたことを確認することができる。
【0079】
次に、図10を参照してリトライメール処理について説明する。リトライメール処理を開始すると、先ず、サーバ200が、認証を行う(S130)。サーバ200は、認証情報テーブル記憶領域232に記憶された認証情報と、受信したリトライメールに付与された認証情報とに基づいて、認証を行う。認証を行うために、サーバ200は、メールアドレス管理テーブルに基づいて、受信した電子メールの宛先に対応するプリンタ識別子を特定する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて、特定したプリンタ識別子に対応する認証情報を特定する。サーバ200は、認証情報テーブルに基づいて特定した認証情報と、電子メールに付与された認証情報とに基づいて認証を行う。両者の認証情報が一致する場合は、認証が成功したと判断する。尚、認証情報としては、上述のキーファイル、又は、キーワードが用いられる。
【0080】
認証が成功した場合(S130:YES)、サーバ200は、後述のS137を行う。S137以降の処理は、後述する。
【0081】
認証が失敗した場合(S130:NO)、サーバ200は利用制限設定がされているか否かを判断する(S131)。サーバ200は、上述のS110と同様に、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶された詳細設定テーブルに基づいて利用制限設定がされているか否かを判断する。
【0082】
利用制限設定がされていないと判断した場合(S131:NO)、サーバ200はエラーメールを送信する(S132)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信元のメールアドレスに対して、エラーメールを送信する。
【0083】
サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S133)。利用者は、PC500のメールソフトでエラーメールを確認することで、印刷が失敗したことを確認することができる。
【0084】
利用制限設定がされていると判断した場合(S131:YES)、サーバ200は、制限情報をRAMに取得する(S134)。サーバ200は、上述のS113と同様に、詳細設定テーブル記憶領域233に記憶されている詳細設定テーブルから、制限情報を取得する。
【0085】
S134で制限情報を取得した後、サーバ200は、利用可能時間か否かを判断する(S135)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信時刻と、S134で取得した利用時間帯情報とを比較して、利用可能時間であるか否かを判断する。具体的には、たとえば、利用可能時間情報として“10:00−16:00”との情報を取得した場合は、S102で受信したリトライメールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内である場合に、サーバ200は、利用可能時間であると判断する。S102で受信したリトライメールの送信時刻が、10:00から16:00の範囲内でない場合に、サーバ200は、利用可能時間でないと判断する。また、S134で取得した利用可能時間情報が、NULL値である場合は、利用可能時間であると判断する。
【0086】
利用可能時間でないと判断した場合(S135:NO)、サーバ200は、上述のS132と同様のエラーメールを送信する(S136)。尚、サーバ200が送信したエラーメールは、PC500が受信する(S133)。
【0087】
利用可能時間であると判断した場合(S135:YES)、又は、S130で認証が成功したと判断した場合、サーバ200は、印刷用一時データに基づいて印刷データを作成する(S137)。サーバ200は、受信したリトライメールに含まれるリトライIDに対応する印刷用一時データに基づいて、印刷データを作成する。具体的には、サーバ200は、リトライ用一時テーブルから、受信したリトライIDに対応する印刷用一時データのアドレスを取得する。そして、取得したアドレスに記憶されている印刷用一時データを、印刷用一時データ記憶領域235から取得し、取得した印刷用一時データに基づいて印刷データを作成する。サーバ200は、上述の114と同様に、印刷データを作成する。尚、S131で利用制限設定がされていると判断された後、S137を行う場合は、上述のS116と同様に、S134で取得した制限情報に応じて印刷データを作成する。
【0088】
サーバ200は、印刷データを作成した後、作成した印刷データをプリンタ100に送信する(S138)。
【0089】
サーバ200が送信した印刷データは、プリンタ100が受信する(S139)。
【0090】
印刷データを受信したプリンタ100は、印刷を実行する(S140)。プリンタ100は、受信した印刷データに基づいて、印刷部160により印刷を行う。
【0091】
サーバ200は、印刷データを送信した後、印刷データを削除する(S141)。
【0092】
印刷データを削除した後、サーバ200は、完了メールをPC500に送信する(S142)。サーバ200は、S102で受信したリトライメールの送信元に対して、完了メールを送信する。
【0093】
サーバ200が送信した完了メールは、PC500が受信する(S143)。利用者は、PC500のメールソフトを利用して、完了メールを確認することで、印刷されたことを確認することができる。
<プリンタ初期登録時の動作>
次に、図15を参照して利用者がプリンタ100の初期登録を行う際の印刷システム10の動作を説明する。利用者はプリンタ100の操作部180を操作して、プリンタ100を印刷システム10に追加することができる。
【0094】
先ず、プリンタ100は、利用者が設定メニューを選択する操作を受け付ける(S200)。プリンタ100の電源がオンされ、プリンタ100が起動された状態において、プリンタ100は、表示部150にメニュー選択画面を表示する。メニュー選択画面は、設定メニューを含む複数のメニュー項目を表示する画面である。利用者は、プリンタ100の操作部180を操作して、複数のメニュー項目の中から、所望のメニューを選択することができる。設定メニューは、利用者が、各種の設定を行う際に選択するメニュー項目である。利用者が複数のメニュー項目の中から、設定メニューを選択する操作を行うと、プリンタ100は、設定メニュー一覧画面を表示する。設定メニュー一覧画面は、メール印刷初期登録メニューを含む、複数の設定メニューの項目が表示される画面である。
【0095】
設定メニュー一覧画面を表示したプリンタ100は、利用者がメール印刷初期登録メニューを選択する操作を受け付ける(S201)。利用者は、操作部180を操作して、設定メニュー一覧画面に表示された複数の設定メニューの中から、所望の設定メニューを選択することができる。複数の設定メニューの中から、利用者がメール印刷初期登録メニューを選択したことを検知すると、プリンタ100は、プリンタ識別子をサーバ200に送信する(S202)。プリンタ100は、プリンタ識別子記憶領域131に記憶されたプリンタ識別子をサーバ200に送信する。プリンタ識別子は、プリンタ100のメーカーが自社製品を一意に特定するために割り当てた識別子である。
【0096】
プリンタ100が送信したプリンタ識別子は、サーバ200が受信する(S203)。
【0097】
プリンタ100からプリンタ識別子を受信すると、サーバ200は、認証情報設定用のパスワードと、プリンタ100に対するメールアドレスを発行する(S204)。認証情報設定用のパスワードは、ユーザが認証情報を設定する際に用いるパスワードである。メールアドレスは、ユーザがこのプリンタ100で印刷を実行させるときに、第1電子メールの送信先として指定するメールアドレスである。
【0098】
パスワードと、メールアドレスとを発行したサーバ200は、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを登録する(S205)。具体的には、サーバ200は、プリンタ識別子と、メールアドレスと、パスワードとを対応付けて、メールアドレス管理テーブルに記憶する。サーバ200は、上述のS203で受信したプリンタ識別子と、S204で発行したメールアドレスと、パスワードとを対応付けてメールアドレス管理テーブルに登録する。
【0099】
これらの情報を記憶したサーバ200は、S204で発行したメールアドレスと、パスワードとをプリンタ100に送信する(S206)。
【0100】
サーバ200が送信したメールアドレスと、パスワードとはプリンタ100が受信する(S207)。
【0101】
プリンタ100は、受信したメールアドレスと、パスワードとを表示する(S208)。
【0102】
利用者は、プリンタ100に表示されたメールアドレスと、パスワードを用いて認証情報、リトライ設定、または、利用制限などの各種の設定を行うことができる。
<設定時の動作>
次に、図16を参照して利用者が各種の設定を行う際の印刷システム10の動作を説明する。利用者はPC500のウェブブラウザーを利用して、各種の設定を行うことができる。
【0103】
まず、PC100は、ログインページへのアクセス操作を受け付け、ログインページ送信要求を送信する(S300)。利用者は、PC500のウェブブラウザーを利用して、ログインページを表示させるためのアクセス操作を行うことができる。このときユーザが行うアクセス操作は、たとえば、ログインページのURL等をウェブブラウザーに入力する操作等である。利用者のアクセス操作を受け付けたPC100は、サーバ200に対してログインページ送信要求を送信する。
【0104】
ログインページの送信要求を受信したサーバ200は、ログインページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S301)。
【0105】
ログインページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、ログインページを表示する(S302)。図17にログインページの一例を示す。図17に示すように、ログインページには、メールアドレスの入力ボックスと、パスワードの入力ボックスと、ログインボタンが表示される。利用者は、メールアドレスの入力ボックスに、上述のS208で表示されたメールアドレスを入力することができる。また、利用者は、上述のS208で表示されたパスワードを入力することができる。
【0106】
ログインページを表示した後、PC500は、メールアドレスと、パスワードの入力操作を受け付け、利用者に入力されたメールアドレスとパスワードとを送信する(S303)。具体的には、利用者によりメールアドレスの入力と、パスワードの入力が行われ、ログインボタンの押下が行われると、PC500は入力されたメールアドレスとパスワードとを、サーバ200に送信する。
【0107】
PC500が送信したメールアドレスとパスワードとは、サーバ200が受信する(S304)。
【0108】
サーバ200は、受信したメールアドレスとパスワードとに基づいて、認証を行う(S305)。サーバ200は、受信したメールアドレスとパスワードの組み合わせに一致するものが、メールアドレス管理テーブルに記憶されている場合、認証が成功したと判断する。受信したメールアドレスとパスワードの組み合わせが、メールアドレス管理テーブルから検出できない場合は、サーバ200は、認証が失敗したと判断する。
【0109】
認証が失敗した場合(S305:NO)、サーバ200は、エラーページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S306)。エラーページは、利用者に認証が失敗したことを報知するメッセージが表示されるページである。
【0110】
エラーページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、エラーページを表示する(S307)。これにより、利用者は認証が失敗したことを確認することができる。
【0111】
認証が成功した場合(S305:YES)、サーバ200は、認証情報登録ページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S308)。
【0112】
認証情報登録ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、認証情報登録ページを表示する(S309)。認証情報登録ページの一例を図18に示す。図18に示すように、認証情報登録ページには、キーファイルによる認証を行うか、又は、キーワードによる認証を行うかを選択するためのチェックボックスと、キーファイルによる認証が選択された場合にキーファイルを登録するための参照ボタンと、キーワードによる認証が選択された場合にキーワードを入力するための入力ボックスと、登録ボタンとが表示される。
【0113】
利用者は、上述のチェックボックスにチェックを入力することで、キーファイルによる認証を行うか、又は、キーワードによる認証を行うかを選択することができる。また、利用者は参照ボタンを押下して、PC500がアクセス可能な記憶媒体(たとえば、記憶部530)に予めに記憶されている電子ファイルの中から所望の電子ファイルを選択することで、選択した電子ファイルをキーファイルとして登録することができる。尚、このとき選択するキーファイルについては、メーカーが、プリンタ100の購入時に付属されている記録メディアなどに予め格納しておき、利用者に記録メディアに記憶されたキーファイルを選択させるようにしてもよい。また、ユーザは、キーワードの入力ボックスに、認証情報として利用したい所望の文字列を入力することができる。
【0114】
PC500は、認証情報登録ページで認証情報の入力操作を受け付け、利用者により登録ボタンが押下されたことを検知すると、認証方式情報と認証情報とをサーバ200に送信する(S310)。認証方式情報は、キーファイルによる認証方式とキーワードによる認証方式とのいずれの認証方式が利用者により選択されたかを示す情報である。
【0115】
PC500が送信した認証方式情報と認証情報とは、サーバ200が受信する(S311)。
【0116】
サーバ200は、受信した認証方式情報と認証情報に基づいて、認証情報テーブルを更新する(S312)。具体的には、上述のS304で受信したメールアドレスとパスワードとに基づいて、メールアドレス管理テーブルから特定されるプリンタ識別子と、S311で受信した認証方式情報と、認証情報とを対応付けて、認証情報テーブルに記憶する。尚、認証情報としてキーファイルを受信した場合、サーバ200は、受信したキーファイルをキーファイル記憶領域236に記憶する。そして、サーバ200は、認証情報テーブルに、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーファイルのアドレスとを対応付けて記憶する。キーファイルのアドレスは、キーファイル記憶領域236に記憶されたキーファイルの格納位置を示す情報である。また、認証情報としてキーワードを受信した場合、サーバ200は、プリンタ識別子と、認証方式情報と、キーワードとを対応付けて、認証情報テーブルに記憶する。
【0117】
認証情報テーブルを更新したサーバ200は、詳細設定ページのHTMLドキュメントを、PC500に送信する(S313)。
【0118】
詳細設定ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、詳細設定ページを表示する(S314)。詳細設定ページの一例を、図19に示す。図19に示すように、詳細設定ページには、リトライメールを送信するか否かを選択するためのチェックボックスと、利用制限設定を行うか否かを選択するためのチェックボックスと、利用制限設定の項目を選択するためのチェックボックスと、利用制限設定の各項目に対応する詳細条件を入力するための入力ボックスと、登録ボタンと、が表示される。
【0119】
利用者は、リトライメールを送信するか否かを選択するチェックボックスにチェックを入力することで、リトライメールを送信するか否かを選択することができる。また、利用制限設定を行うか否かを選択するためのチェックボックスにチェックを入力することで、認証が失敗した場合に、制限付きで印刷を許可するか、印刷を完全に許可しないかを選択することができる。また、利用制限設定の各項目のチェックボックスにチェックを入力することで、どのような制限条件での印刷を許可するかを選択することができる。利用制限設定の各項目に対応する詳細条件の入力ボックスに、項目毎の詳細条件を入力することができる。具体的には、最大枚数の項目に対応する入力ボックスには、印刷を許可する枚数を入力することができる。また、利用可能時間の項目に対応する入力ボックスには、印刷を許可する時間帯を入力することができる。
【0120】
PC500は、詳細設定ページでの入力操作を受け付け、利用者の入力に応じた各種の設定情報をサーバ200に送信する(S315)。ここで、送信される設定情報には、リトライ設定情報、利用制限設定情報、最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用可能時間情報などが含まれる。尚、詳細設定ページにおいて、利用制限設定を行わないことが選択されている場合、最大枚数情報、モノクロ印刷情報、利用可能時間情報は、NULL値である。
【0121】
サーバ200は、PC500が送信した各種の設定情報を受信する(S316)。
【0122】
各種の設定情報を受信したサーバ200は、受信した各種の設定情報に基づいて、詳細設定テーブルを更新する(S317)。具体的には、サーバ200は、S304で受信したメールアドレスに対応するプリンタ100のプリンタ識別子と、受信した設定情報とを対応付けて詳細設定テーブルに記憶する。
【0123】
詳細設定テーブルを更新したサーバ200は、完了ページのHTMLドキュメントをPC500に送信する(S318)。完了ページは、詳細設定が完了したことを示すページである。
【0124】
完了ページのHTMLドキュメントを受信したPC500は、完了ページを表示する(S319)。利用者は、完了ページにより詳細設定が完了したことを確認できる。
<特許請求に範囲に記載の構成要素との対応関係>
上述の実施形態における各構成要素と特許請求の範囲に記載の各構成要素との対応関係は次のとおりである。プリンタ100が、印刷装置に相当する。印刷システム10が、印刷システムに相当する。認証情報テーブル記憶領域232を有する記憶部230が、第1認証情報記憶手段に相当する。S102を行う制御部220が、第1電子メール受信手段に相当する。S104を行う制御部200が、第1認証手段に相当する。S104において認証が成功した場合にS117において印刷データの送信を行い、S104において認証が失敗した場合にS107においてリトライ依頼メール、または、S111においてエラーメールを送信するサーバ200の制御部220が、印刷制御手段に相当する。S107を行う制御部220が、リトライ依頼メール送信手段に相当する。S106を行う制御部220が、リトライ記憶制御手段に相当する。S102を行う制御部220が、第2電子メール受信手段に相当する。S130を行う制御部220が、第2認証手段に相当する。
<変形例>
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0125】
上述の実施形態においては、リトライメールは、リトライ依頼メールの返信メールであるものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、リトライ依頼メールを受信した利用者は、そのリトライ依頼メールへの返信メールを作成するのではなく、新規に作成した電子メールを、リトライメールとしてサーバ200に送信するようにしてもよい。この場合、利用者はメールソフトを利用して新規メールを作成する操作を行う。具体的には、利用者は、この新規作成するリトライメールの送信先には、リトライ依頼メールの送信元のメールアドレスを設定する。また、利用者は、タイトルにリトライ依頼メールに付されていたリトライIDを入力する。また、利用者は、認証情報として、キーファイルまたはキーワードをリトライメールに付加して、作成した電子メールを送信する。このように作成されたリトライメールを受信したサーバ200は、上述の実施形態同様に、受信した電子メールのタイトルにリトライIDが付与されているか否かに基づいて、受信した電子メールがリトライIDであるか否かを判断することができる。
【0126】
また、上述の実施形態においては、リトライIDは、電子メールのタイトルに付与されるものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、電子メールの本文に付与するようにしてもよい。
【0127】
また、上述の実施形態においては、リトライIDは、サーバ200が発行したIDを利用するものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、受信した電子メールのヘッダーに含まれる「Message−ID」ヘッダーの値を、リトライIDとして利用しても良い。この場合、サーバ200は、受信した電子メールのヘッダーの「In−Reply−To」ヘッダー、または、「reference」ヘッダーに、リトライIDとして記憶した値が含まれているか否かに基づいて、リトライ依頼メールに対する返信メールであるリトライメールであるか否かを判断することができる。
【0128】
また、上述の実施形態においては、リトライメールには印刷するための電子ファイルを添付しないものとして説明したが、本発明はこれに限るものではない。たとえば、サーバ200は、第1電子メールに添付された添付ファイルは記憶しないように設計した場合は、サーバ200は、利用者がリトライメールに添付した電子ファイルに基づいて印刷データを作成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0129】
100 プリンタ
110 インターネット通信部
120 制御部
130 記憶部
150 表示部
160 印刷部
180 操作部
200 サーバ
210 インターネット通信部
220 制御部
230 記憶部
500 PC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールの添付ファイルであって、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルの印刷を実行可能な印刷装置を備えた印刷システムであって、
第1認証情報を記憶する第1認証情報記憶手段と、
前記第1添付ファイルが添付された第1電子メールを受信する第1電子メール受信手段と、
前記第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、に基づいて認証を行う第1認証手段と、
前記第1認証手段による認証が成功した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させ、前記認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させない印刷制御手段と、を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、前記第1電子メールの送信元に対してリトライメールの送信を依頼するリトライ依頼メールを送信するリトライ依頼メール送信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、新たなリトライIDと、前記第1添付ファイルとを対応付けてリトライ記憶手段に記憶させるリトライ記憶制御手段と、
前記リトライ依頼メール送信手段は、正しい第2認証情報の付された返信メールを依頼するメッセージを本文に含み、且つ、前記リトライIDが付与されたリトライ依頼メールを送信し、
前記リトライ依頼メールの返信メールである前記リトライメールを受信する第2電子メール受信手段と、
前記リトライメールに添付された第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、にもとづいて認証を行う第2認証手段と、を備え、
前記印刷制御手段は、前記第2認証手段による認証が成功した場合に、前記リトライメールに付与されたリトライIDに対応づけて記憶された前記第1添付ファイルの印刷を、前記印刷装置に実行させ、前記第2認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置による印刷を実行させないことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記認証手段による認証が失敗した場合、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記所定の制限条件は、印刷可能な時間帯を制限する条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記所定の制限条件は、印刷可能な枚数を制限する条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記所定の制限条件は、モノクロ印刷のみを可能とする条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項1】
電子メールの添付ファイルであって、印刷対象となる電子ファイルである第1添付ファイルの印刷を実行可能な印刷装置を備えた印刷システムであって、
第1認証情報を記憶する第1認証情報記憶手段と、
前記第1添付ファイルが添付された第1電子メールを受信する第1電子メール受信手段と、
前記第1電子メールに付与された認証情報である第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、に基づいて認証を行う第1認証手段と、
前記第1認証手段による認証が成功した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させ、前記認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置に前記第1添付ファイルの印刷を実行させない印刷制御手段と、を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、前記第1電子メールの送信元に対してリトライメールの送信を依頼するリトライ依頼メールを送信するリトライ依頼メール送信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記第1認証手段による認証が失敗した場合に、新たなリトライIDと、前記第1添付ファイルとを対応付けてリトライ記憶手段に記憶させるリトライ記憶制御手段と、
前記リトライ依頼メール送信手段は、正しい第2認証情報の付された返信メールを依頼するメッセージを本文に含み、且つ、前記リトライIDが付与されたリトライ依頼メールを送信し、
前記リトライ依頼メールの返信メールである前記リトライメールを受信する第2電子メール受信手段と、
前記リトライメールに添付された第2認証情報と、前記第1認証情報記憶手段に記憶された前記第1認証情報と、にもとづいて認証を行う第2認証手段と、を備え、
前記印刷制御手段は、前記第2認証手段による認証が成功した場合に、前記リトライメールに付与されたリトライIDに対応づけて記憶された前記第1添付ファイルの印刷を、前記印刷装置に実行させ、前記第2認証手段による認証が失敗した場合に、前記印刷装置による印刷を実行させないことを特徴とする請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷制御手段は、前記認証手段による認証が失敗した場合、前記第1添付ファイルの印刷を、所定の制限条件で実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記所定の制限条件は、印刷可能な時間帯を制限する条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記所定の制限条件は、印刷可能な枚数を制限する条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記所定の制限条件は、モノクロ印刷のみを可能とする条件であることを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−247893(P2012−247893A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117668(P2011−117668)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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