説明

印刷プログラム及び情報処理装置

【課題】セキュリティの安全性を保持しつつ、印刷装置を遠隔操作して印刷を実行する印刷プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】印刷サーバ1は、印刷情報112及び利用者識別情報を受け付ける印刷情報受付手段100と、受け付けた印刷情報112を利用者識別情報に関連付けて記憶部11に登録する印刷情報登録手段102と、電話機能を有する複合機において電話の発信があった場合、発信先の番号及び複合機の識別情報に基づいて遠隔操作識別情報114を生成する遠隔操作識別情報生成手段106と、利用者情報111に基づいて電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、メールで遠隔操作識別情報114を送信する遠隔操作識別情報送信手段107と、複合機の遠隔操作の要求があった場合、要求元で入力された遠隔操作の識別情報に基づいて遠隔操作の実行が可能か否か判定する遠隔操作実行可否判定手段108とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、通話中の相手からの遠隔操作に応じる音声端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された通信システムは、通話相手が操作する管理端末と、利用者が操作する音声端末と、管理端末による音声端末の遠隔操作を管理する通信装置と、管理端末と音声端末とを通信可能に接続するISDN網とを有する。この通信システムにおいて、通信装置は、音声端末が通話中で、かつ、通話相手の電話番号が管理端末から送られたアウトバンド上のメッセージに含まれる番号と一致した場合に、音声端末が管理端末の遠隔操作に応じるようにするため、音声端末は特定の相手の遠隔操作にのみ応答し、セキュリティの安全性が保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−196770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、セキュリティの安全性を保持しつつ、印刷装置を遠隔操作して印刷を実行する印刷プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の印刷プログラム及び情報処理装置を提供する。
【0007】
[1]コンピュータを、
印刷情報及び利用者識別情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記印刷情報を前記利用者識別情報に関連付けて記憶装置に登録する登録手段と、
電話機能を有する印刷装置において電話の発信があった場合、当該電話の発信先の番号及び当該印刷装置の識別情報を取得し、当該発信先の番号と当該印刷装置の識別情報とに基づいて遠隔操作の識別情報を生成する生成手段と、
前記記憶装置に記憶された前記利用者識別情報と利用者の電話番号とメールアドレスとを関連付ける利用者情報に基づいて前記電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、前記生成手段が生成した前記遠隔操作の識別情報を前記特定したメールアドレスに送信する送信手段と、
印刷装置の遠隔操作の要求があった場合、要求元の利用者識別情報と当該要求元で入力された遠隔操作の識別情報を取得し、当該要求元の利用者識別情報に関連付けられた電話番号を取得して、当該電話番号及び遠隔操作の要求のあった当該印刷装置の識別情報が当該遠隔操作の識別情報の元となる電話番号及び印刷装置の識別情報とそれぞれ一致する場合、当該印刷装置の遠隔操作の実行が可能と判定する判定手段として機能させるための印刷プログラム。
【0008】
[2]前記判定手段が前記印刷装置の遠隔操作の実行を可能と判断した場合に、前記要求元の遠隔操作の内容を前記印刷装置に送信する遠隔操作手段をさらに有する前記[1]に記載の印刷プログラム。
【0009】
[3]印刷情報及び利用者識別情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記印刷情報を前記利用者識別情報に関連付けて記憶装置に登録する登録手段と、
電話機能を有する印刷装置において電話の発信があった場合、当該電話の発信先の番号及び当該印刷装置の識別情報を取得し、当該発信先の番号と当該印刷装置の識別情報とに基づいて遠隔操作の識別情報を生成する生成手段と、
前記記憶装置に記憶された前記利用者識別情報と利用者の電話番号とメールアドレスとを関連付ける利用者情報に基づいて前記電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、前記生成手段が生成した前記遠隔操作の識別情報を前記特定したメールアドレスに送信する送信手段と、
印刷装置の遠隔操作の要求があった場合、要求元の利用者識別情報と当該要求元で入力された遠隔操作の識別情報を取得し、当該要求元の利用者識別情報に関連付けられた電話番号を取得して、当該電話番号及び遠隔操作の要求のあった当該印刷装置の識別情報が当該遠隔操作の識別情報の元となる電話番号及び印刷装置の識別情報とそれぞれ一致する場合、当該印刷装置の遠隔操作の実行が可能と判定する判定手段とを有する情報処理装置。
【発明の効果】
【0010】
請求項1又は3に係る発明によれば、セキュリティの安全性を保持しつつ、遠隔操作により印刷を実行することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、判定手段が遠隔操作の実行を可能と判断した場合に、要求元の遠隔操作の内容を印刷装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの構成の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る印刷サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、利用者情報の構成の一例を示す概略図である。
【図4】図4は、印刷関連情報の構成の一例を示す概略図である。
【図5】図5は、遠隔操作識別情報の構成の一例を示す概略図である。
【図6】図6は、印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施の形態]
(印刷システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷システムの構成の一例を示す概略図である。
【0014】
印刷システム6は、印刷サーバ1、端末装置2、複合機3、携帯電話4等の装置を有し、これらの装置をネットワーク5で互いに通信可能に接続する。また、本実施の形態において、遠隔操作者7aと依頼者7bとが印刷システム6の利用者として各装置を操作等する。遠隔操作者7aは、端末装置2を用いて印刷情報200を印刷サーバ1に登録し、複合機3を依頼者7bに代わって遠隔操作する。依頼者7bは、複合機3において遠隔操作者7aが登録した印刷情報200の印刷を所望する者であり、複合機3の操作に不慣れな者を想定する。
【0015】
印刷サーバ1は、情報を処理するための機能を備えたCPU(Central Processing Unit)や記憶部等の電子部品を備える情報処理装置であり、端末装置2から画像や文書等の印刷情報200を受信して利用者情報に関連付けて保存する。また、印刷サーバ1は、複合機3の要求に応じて利用者情報の認証後、利用者情報に関連付けられた印刷情報200を複合機3に送信する。また、印刷サーバ1は、端末装置2による複合機3の遠隔操作の可否を予め定めた条件に基づいて制御する。
【0016】
端末装置2は、操作入力用のキーボード、マウス、タッチパッド等の操作部と、液晶ディスプレイ等の表示部と、CPUや記憶部等の電子部品を有する制御部とを備える。端末装置2は、印刷サーバ1に利用者の操作に応じた要求を送信し、その要求に対する応答を受信して、受信した内容を制御部で処理した結果を表示部に表示する。
【0017】
なお、端末装置2は、例えば、パーソナルコンピュータであり、その他にPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機等を用いることもできる。また、端末装置2は、同図では1台を図示するが、複数台でもよい。
【0018】
複合機3は、印刷サーバ1から受信する印刷情報に基づいて印刷を実行し、印刷物を出力する印刷機能及び電話機能を少なくとも有し、紙面等を光学走査するスキャナ機能等をさらに有してもよい。また、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部30、タッチパッド又は複数の操作キーからなる操作部31、依頼者7bを撮影するカメラ32及び電話機能の一例として電話を発着信する通信部33を有する。また、複合機3は、異なる地点に複数台設置されるものとし、同図では代表する1台を図示する。
【0019】
携帯電話4は、図示しない無線通信網を介して外部と通信する通話機能を有するものである。また、携帯電話4は、端末装置2の機能を実行可能なスマートフォン等であってもよい。
【0020】
ネットワーク5は、インターネット、LAN(Local Area Network)等の通信網であり、有線、無線は問わない。
【0021】
(印刷サーバの構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る印刷サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
この印刷サーバ1は、CPU等から構成され各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体から構成され情報を記憶する記憶部11と、ネットワーク5を介して外部と通信する通信部12とを備える。
【0023】
制御部10は、後述する印刷プログラム110を実行することで、印刷情報受付手段100、予約番号発行手段101、印刷情報登録手段102、印刷情報特定手段103、複合機特定手段104、印刷情報送信手段105、遠隔操作識別子生成手段106、遠隔操作識別子送信手段107、遠隔操作実行可否判定手段108及び遠隔操作手段109等として機能する。
【0024】
印刷情報受付手段100は、端末装置2等から印刷情報200及び端末装置2を利用する利用者を識別する利用者識別情報を受け付ける。
【0025】
予約番号発行手段101は、印刷情報受付手段100が受け付けた印刷情報200に対して付与される予約番号を発行する。予約番号は、例えば、複数の数字や文字列からなり、印刷情報登録手段102によって印刷情報200に関連付けられる。その後、利用者によって予約番号が複合機3に入力されることで複合機3が印刷サーバ1に予約番号に関連付けられた印刷情報の送信を要求し、印刷サーバ1から複合機3に関連付けられた印刷情報が送信される。
【0026】
印刷情報登録手段102は、印刷情報受付手段100が受け付けた印刷情報200を記憶部11に印刷情報112として登録し、印刷情報112と利用者識別情報と予約番号との関連付けの情報を記憶部11に印刷関連情報113として登録する。
【0027】
印刷情報特定手段103は、複合機3において予約番号を入力されると、印刷関連情報113に基づいて予約番号に関連付けられた印刷情報112を特定する。
【0028】
複合機特定手段104は、予約番号が入力された複合機3を印刷情報112を送信すべき複合機として特定する。
【0029】
印刷情報送信手段105は、印刷情報特定手段103が特定した印刷情報112を、複合機特定手段104が特定した複合機に送信する。
【0030】
遠隔操作識別子生成手段106は、複合機3において通信部33を用いて電話の発信があった場合、当該電話の発信先の番号及び複合機3の識別情報を取得し、当該発信先の番号と当該複合機3の識別情報とに基づいて遠隔操作識別情報を生成する。
【0031】
遠隔操作識別子送信手段107は、利用者情報111に基づいて電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、遠隔操作識別情報を特定したメールアドレスに送信する。
【0032】
遠隔操作実行可否判定手段108は、遠隔操作識別情報114に基づいて端末装置2から複合機3の遠隔操作の実行の可否を判定する。
【0033】
遠隔操作手段109は、遠隔操作実行可否判定手段108が遠隔操作の実行を可能と判定した場合に、端末装置2の操作に基づいて複合機3を遠隔操作する。
【0034】
記憶部11は、印刷プログラム110、利用者情報111、印刷情報112、印刷関連情報113及び遠隔操作識別情報114等を格納する。
【0035】
印刷プログラム110は、制御部10を上記した各手段100〜108として動作させるプログラムである。
【0036】
利用者情報111は、利用者識別情報及び電話番号等をそれぞれ関連付けた情報である。
【0037】
印刷情報112は、印刷情報受付手段100が受け付けた印刷情報である。
【0038】
印刷関連情報113は、印刷情報112と利用者識別情報の一例としての利用者IDと予約番号とを関連付ける情報である。
【0039】
遠隔操作識別情報114は、遠隔操作者7aの電話番号と遠隔操作の対象となる複合機3の識別情報とを関連付けた情報である。
【0040】
図3は、利用者情報111の構成の一例を示す概略図である。
【0041】
利用者情報111は、利用者の詳細を示す情報であり、利用者IDと、利用者IDに対して予め定められたパスワードと、利用者のメールアドレスと、利用者の電話番号とを有する。
【0042】
図4は、印刷関連情報113の構成の一例を示す概略図である。
【0043】
印刷関連情報113は、利用者識別情報を示す利用者IDと、利用者IDと関連付けられる印刷情報と、予約番号発行手段101によって印刷情報に割り振られた予約番号とを有する。
【0044】
図5は、遠隔操作識別情報114の構成の一例を示す概略図である。
【0045】
遠隔操作識別情報114は、複合機と電話番号との組み合わせにより作成される遠隔操作識別子の一例としての遠隔操作IDと、複合機の識別情報の一例としての複合機IDと、複合機から発信した電話番号とを有する。
【0046】
(印刷システムの動作)
次に、本実施の形態の作用を、(1)印刷情報の受付動作、(2)遠隔操作依頼動作、(3)遠隔操作実行動作、(4)印刷情報の送信動作、(5)印刷動作に分けて説明する。
【0047】
(1)印刷情報の受付動作
まず、遠隔操作者7aは、端末装置2を操作して印刷を所望する印刷情報200を印刷サーバ1に登録すべく、印刷サーバ1と通信する。通信の際、遠隔操作者7aは、最初に利用者識別情報としての利用者IDとパスワードを入力し、印刷サーバ1に認証を要求する。なお、利用者IDとパスワードは印刷サーバ1に予め登録されているものとする。
【0048】
印刷サーバ1は、認証要求とともに利用者IDとパスワードを受信し、利用者情報111を参照して認証する。登録された利用者である場合、すなわち受信した利用者IDとパスワードがそれぞれ一致するものが利用者情報111に存在すれば認証が成功したと判断し、印刷情報200の登録が可能になった旨を端末装置2に通知する。
【0049】
次に、遠隔操作者7aは印刷情報200を印刷サーバ1に登録すべく端末装置2を操作する。端末装置2は、登録要求とともに印刷情報200を印刷サーバ1に送信する。
【0050】
印刷サーバ1は、登録要求とともに印刷情報200を受信し、印刷情報112として記憶部11に格納し、認証された利用者ID及び発行される予約番号と格納した印刷情報112を関連付けるために印刷関連情報113を登録する。その際、発行された予約番号を端末装置2に送信する。
【0051】
端末装置2は、予約番号を受信し、表示部に表示して遠隔操作者7aに提示する。遠隔操作者7aが印刷を実行する場合は、予約番号をメモに書き留める等して、印刷を実行するために複合機3へ移動する。
【0052】
また、依頼者7bが印刷を実行する場合、従来は、複合機3の操作部を操作して遠隔操作者7aから知得した予約番号を入力し、複合機3は入力された予約番号を印刷サーバ1に送信することで印刷サーバ1から印刷情報112を受信し、印刷情報112の印刷を実行していた。本発明の実施の形態においては、依頼者7bは予約番号を入力せず、通信部33から遠隔操作者7aに電話をかけることで遠隔操作者7aに複合機3に対する上記した一連の操作を遠隔操作により代行してもらう。以下、遠隔操作により印刷を実行するための動作を説明する。
【0053】
(2)遠隔操作依頼動作
図6は、印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、依頼者7bは、遠隔操作者7aから印刷情報が登録された旨の連絡を受けると、複合機3において印刷サービスを起動する(S31)。複合機3は印刷サービスが起動されると、印刷サーバ1と通信を開始する。
【0055】
次に、依頼者7bは、遠隔操作を依頼するため、複合機3の通信部33を用いて遠隔操作者7aの携帯電話4に電話をかける(S32)。依頼者7bと遠隔操作者7aは、以降の動作において通話を維持しながら操作を続ける。
【0056】
次に、複合機3は、自己の複合機IDと、依頼者が通信部33からかけた電話番号を印刷サーバ1に送信する(S33)。
【0057】
印刷サーバ1は、複合機3から複合機IDと電話番号とを受信すると(S11)、印刷サーバ1の遠隔操作識別子生成手段106は、受信した複合機IDと電話番号とから遠隔操作識別子としての遠隔操作IDを生成し、遠隔操作識別情報114に登録する(S12)。
【0058】
次に、印刷サーバ1の遠隔操作識別子送信手段107は、利用者情報111を参照し、電話番号に関連付けられた利用者(遠隔操作者7a)のメールアドレスに、遠隔操作IDを送信する(S13)。
【0059】
次に、遠隔操作者7aの利用する端末装置2は、遠隔操作IDを受信する(S21)。
【0060】
(3)遠隔操作実行動作
まず、遠隔操作者7aは、最初に利用者識別情報とパスワードを入力し、印刷サーバ1に認証を要求する。認証されると、遠隔操作者7aは、遠隔操作を実行するために端末装置2を操作し、端末装置2から印刷サーバ1に遠隔操作要求を遠隔操作を所望する複合機IDとともに送信する(S22)。
【0061】
印刷サーバ1は、端末装置2から遠隔操作要求を受信すると(S14)、遠隔操作実行可否判定手段108を起動する(S15)。
【0062】
次に、遠隔操作者7aがステップS21で受信した遠隔操作IDを端末装置2に入力すると、端末装置2は遠隔操作IDを印刷サーバ1に送信する(S23)。
【0063】
印刷サーバ1は、端末装置2から遠隔操作IDを受信し(S16)、遠隔操作の実行の可否を判断する(S17)。具体的には、まず、利用者情報111を参照して利用者IDに関連付けられた電話番号を取得し、次に、遠隔操作識別情報114を参照し、遠隔操作ID、電話番号及び複合機IDがそれぞれ一致する場合に遠隔操作の実行が可能と判断する。
【0064】
次に、遠隔操作者7aが端末装置2において遠隔操作を実行すると、端末装置2は遠隔操作の信号を印刷サーバ1に送信する(S24)。また、印刷サーバ1は、端末装置2から遠隔操作の信号を受信し、ステップS17で判断の対象とした複合機IDに該当する複合機に転送する(S25)。複合機3は、転送された遠隔操作の信号を受信し、遠隔操作の信号に基づいて動作する(S34)。
【0065】
なお、複合機3は、遠隔操作の信号に基づいて動作する際、カメラ32で撮影された画像及び複合機3の表示部30に表示された画像を端末装置2に送信し、端末装置2は表示部に両画像を表示する。遠隔操作者7aは、端末装置2の表示部に表示された画像を確認しながら、さらにステップS32でかけた電話により依頼者7bと会話しながら遠隔操作を実行する。
【0066】
遠隔操作者7aは、複合機3の表示部30に表示された画像に対する遠隔操作の内容として、印刷するために必要な予約番号を入力する。複合機3は遠隔操作により入力された予約番号を印刷サーバ1に送信する。
【0067】
(4)印刷情報の送信動作
印刷情報特定手段103は、複合機3から予約番号を受信し、記憶部11に記憶された印刷関連情報113に基づいて当該予約番号に関連付けられた印刷情報112を特定する。図4に示すように、予約番号が「aaa」である場合、印刷情報は「A」である。
【0068】
次に、複合機特定手段104は、遠隔操作の対象となっている複合機を印刷情報112を送信すべき複合機と特定する。
【0069】
次に、印刷情報送信手段105は、印刷情報特定手段103が特定した印刷情報112(印刷情報「A」)を、複合機特定手段104が特定した複合機3に送信する。
【0070】
(5)印刷動作
次に、複合機3は、印刷サーバ1から印刷情報112を受信し、印刷準備が完了した旨及び印刷実行のためのボタン表示を表示部に表示する。
【0071】
遠隔操作者7aは、印刷を実行させるべく複合機3を遠隔操作し、複合機3は操作に応じて印刷を実行する。依頼者7bは、複合機3によって印刷された印刷物を受け取る。
【0072】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、依頼者7bの電話の発信があった場合、印刷サーバ1は、当該電話の発信先の番号及び当該印刷装置の識別情報から遠隔操作識別情報を生成し、生成した遠隔操作識別情報を遠隔操作者7aに送信するとともに、遠隔操作者7aから複合機3の遠隔操作の要求があった場合、遠隔操作識別情報に基づいて、遠隔操作の実行が可能か否かを判定するようにしたため、セキュリティの安全性を保持しつつ、複合機3を遠隔操作して印刷を実行することができる。
【0073】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。
【0074】
上記実施の形態では制御部10内の各手段100〜108の機能をプログラムで実現したが、各手段100〜108の全て又は一部をASIC等のハードウエアによって実現してもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD−ROM等の記録媒体に記憶して提供することもできる。また、上記実施の形態で説明した上記ステップの入れ替え、削除、追加等は本発明の要旨を変更しない範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 印刷サーバ
2 端末装置
3 複合機
4 携帯電話
5 ネットワーク
6 印刷システム
7a 遠隔操作者
7b 依頼者
10 制御部
11 記憶部
12 通信部
30 表示部
31 操作部
32 カメラ
33 通信部
100 印刷情報受付手段
101 印刷情報登録手段
102 印刷情報特定手段
103 複合機特定手段
104 印刷情報送信手段
105 遠隔操作識別子生成手段
106 遠隔操作識別子送信手段
107 遠隔操作実行可否判定手段
108 遠隔操作手段
110 印刷プログラム
111 利用者情報
112 印刷情報
113 印刷関連情報
114 遠隔操作識別情報
200 印刷情報


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
印刷情報及び利用者識別情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記印刷情報を前記利用者識別情報に関連付けて記憶装置に登録する登録手段と、
電話機能を有する印刷装置において電話の発信があった場合、当該電話の発信先の番号及び当該印刷装置の識別情報を取得し、当該発信先の番号と当該印刷装置の識別情報とに基づいて遠隔操作の識別情報を生成する生成手段と、
前記記憶装置に記憶された前記利用者識別情報と利用者の電話番号とメールアドレスとを関連付ける利用者情報に基づいて前記電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、前記生成手段が生成した前記遠隔操作の識別情報を前記特定したメールアドレスに送信する送信手段と、
印刷装置の遠隔操作の要求があった場合、要求元の利用者識別情報と当該要求元で入力された遠隔操作の識別情報を取得し、当該要求元の利用者識別情報に関連付けられた電話番号を取得して、当該電話番号及び遠隔操作の要求のあった当該印刷装置の識別情報が当該遠隔操作の識別情報の元となる電話番号及び印刷装置の識別情報とそれぞれ一致する場合、当該印刷装置の遠隔操作の実行が可能と判定する判定手段として機能させるための印刷プログラム。
【請求項2】
前記判定手段が前記印刷装置の遠隔操作の実行を可能と判断した場合に、前記要求元の遠隔操作の内容を前記印刷装置に送信する遠隔操作手段をさらに有する請求項1に記載の印刷プログラム。
【請求項3】
印刷情報及び利用者識別情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記印刷情報を前記利用者識別情報に関連付けて記憶装置に登録する登録手段と、
電話機能を有する印刷装置において電話の発信があった場合、当該電話の発信先の番号及び当該印刷装置の識別情報を取得し、当該発信先の番号と当該印刷装置の識別情報とに基づいて遠隔操作の識別情報を生成する生成手段と、
前記記憶装置に記憶された前記利用者識別情報と利用者の電話番号とメールアドレスとを関連付ける利用者情報に基づいて前記電話の発信先の番号に対応したメールアドレスを特定し、前記生成手段が生成した前記遠隔操作の識別情報を前記特定したメールアドレスに送信する送信手段と、
印刷装置の遠隔操作の要求があった場合、要求元の利用者識別情報と当該要求元で入力された遠隔操作の識別情報を取得し、当該要求元の利用者識別情報に関連付けられた電話番号を取得して、当該電話番号及び遠隔操作の要求のあった当該印刷装置の識別情報が当該遠隔操作の識別情報の元となる電話番号及び印刷装置の識別情報とそれぞれ一致する場合、当該印刷装置の遠隔操作の実行が可能と判定する判定手段とを有する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−65264(P2013−65264A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204879(P2011−204879)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】