説明

印刷制御プログラム、印刷制御装置及び印刷システム

【課題】断裁する前の用紙に、断裁以外の後処理を行わせない印刷制御プログラム、印刷制御装置及び印刷システムを提供することを課題とする。
【解決手段】コンピュータ22を、プリンタ装置24に装着されている用紙サイズ及び作業者が印刷出力物を生成するために指定した用紙サイズが合致しない印刷に際し、装着されている用紙の断裁によって指定した用紙サイズを生成可能か判定し、装着されている用紙の断裁によって指定した用紙サイズを生成可能と判定したとき、プリンタ装置24の断裁以外の後処理機能を禁則とする禁則判断手段、装着されている用紙に、指定した用紙サイズに適したレイアウトで印刷出力物の描画データを配置し、プリンタ装置24に印刷を行わせ、印刷後にレイアウトに沿った断裁を断裁機25に行わせたあと、印刷出力物に断裁以外の後処理をデバイス装置25に行わせる作業工程のワークフローを生成するワークフロー生成手段として機能させる印刷制御プログラムにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御プログラム、印刷制御装置及び印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商業印刷業界にはPOD(Print On Demand )と呼ばれる、比較的小ロットの印刷物を短納期で顧客に納品するといったPOD市場が出現している。POD市場では複数の顧客からの受注が発生することが多い。結果としてPOD市場では印刷業者に入稿される印刷物や、印刷出力物の印刷条件などが多岐にわたることが多い。このような印刷条件などが多岐にわたる状況下で利益を産み出す為には、業務効率の向上が必要である。
【0003】
業務効率の向上に繋がる1つ目の施策としては、印刷工程におけるダウンタイムの低減がある。ダウンタイムの一例としては以下のものがある。印刷業者は顧客の要望に従ってプリプレス作業を実施し、印刷処理を行う。しかし、プリプレス作業で指定した印刷条件と実際にプリンタ装置に設定されている諸条件が合致しない場合は、印刷ジョブを投入してもエラーが発生し、印刷できない。この場合、印刷業者はプリプレス作業で指定した印刷条件、もしくはプリンタ装置に設定されている条件のいずれかを変更し、両者を一致させることでエラー状態を解除し、印刷処理を行うことができる。
【0004】
このようにエラーが発生すると、プリプレス作業で指定した印刷条件、もしくはプリンタ装置に設定されている条件のいずれかの条件を変更しない限り印刷処理が中断しているので、印刷現場ではダウンタイムが発生する。更に言えば、エラー発生を作業者が認識しない程、ダウンタイムは長くなる。
【0005】
ダウンタイムが発生するケースの具体例としては、例えば顧客がA4サイズの印刷物を要望し、作業者がA4サイズの印刷物をプリプレス作業で指定し、プリンタ装置に装着されている用紙サイズがA3サイズである場合に、用紙サイズが合致せず、印刷処理が中断する。
【0006】
更に、作業者が一人であり、且つプリプレス作業の現場とプリンタ装置の設置場所とが離れている場合、作業者は用紙サイズが合致していないことに事前に気付かず、エラー通知が行われて初めて用紙サイズが合致していないことに気付くので、ダウンタイムが更に長くなる。
【0007】
上記ケースではプリンタ装置に装着されている用紙サイズをA3サイズからA4サイズに変更し、用紙サイズを合致させて印刷処理を再開させるのが一般的であるが、プリプレス作業の現場とプリンタ装置の設置場所とが離れていると、移動時間が長くなり、プリンタ装置の用紙交換作業に時間が掛かる。また、交換すべきA4サイズの用紙が印刷現場に無い場合はA4サイズの用紙を発注しない限り、印刷処理を行えない。
【0008】
上記ケースでは、顧客が要望するA4サイズの印刷データの2ページ分を、A3サイズの用紙1枚に印刷した後、A3サイズの用紙の中央部分で断裁することにより、A4サイズの印刷物を生成できる。
【0009】
印刷処理に着目して見ると、上記ケースでは、プリプレス作業においてA4サイズの2ページ分の印刷データをA3サイズの用紙1枚に2Upでレイアウトし、A3サイズの用紙への印刷設定を行い、更に印刷後の用紙の中央部分で断裁を行う設定をして印刷ジョブを生成し、プリンタ装置へ送信する。
【0010】
また、上記ケースでは、プリンタ装置にA3サイズの用紙が装着されている状態であるため、A3サイズの用紙への印刷設定がなされている印刷ジョブを受信しても、用紙サイズが合致しているので、エラーが発生することなく印刷処理を行うことができる。
【0011】
上記ケースでは、A3サイズの用紙に印刷した後、プリンタ装置に接続されている断裁機により用紙の中央部分で断裁し、A4サイズの用紙2枚分の印刷物を生成することができる。このような連続作業により、顧客が要望するA4サイズの印刷物はダウンタイムが発生することなく生成される。
【0012】
なお、異なる原稿を同一用紙上に複数枚面付けして印刷する多面印刷という印刷方法が存在し、同一用紙上に異なる原稿を面付けして印刷後、断裁機によって断裁して印刷物を生成することは、既に知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、同一用紙上に異なる原稿を面付けして印刷後、断裁機によって断裁して印刷物を生成する場合は、パンチやステープルといった断裁以外の後処理がプリンタ装置の後処理機能としてあるときに、断裁機によって断裁する前の用紙サイズに合わせた位置でプリンタ装置の後処理機能が断裁以外の後処理を行ってしまう可能性があるという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、断裁する前の用紙に、断裁以外の後処理を行わせない印刷制御プログラム、印刷制御装置及び印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した課題を解決するために、本発明は、コンピュータを、プリンタ装置に装着されている用紙サイズ、及び、作業者が印刷出力物を生成するために指定した用紙サイズが合致しない印刷に際し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能か判定し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能と判定したとき、前記プリンタ装置の断裁以外の後処理機能を禁則とする禁則判断手段、前記装着されている用紙に、前記指定した用紙サイズに適したレイアウトで前記印刷出力物の描画データを配置し、前記プリンタ装置に印刷を行わせ、印刷後に前記レイアウトに沿った断裁を断裁機に行わせたあと、前記印刷出力物に断裁以外の後処理を前記断裁機以外のデバイス装置に行わせる作業工程のワークフローを生成するワークフロー生成手段として機能させる印刷制御プログラムであることを特徴とする。
【0016】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、断裁する前の用紙に、断裁以外の後処理を行わせない印刷制御プログラム、印刷制御装置及び印刷システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例の印刷システムを含むシステムの一例の構成図である。
【図2】PCの一例のハードウェア構成図である。
【図3】印刷制御システムの一例について説明する為の処理ブロック図である。
【図4】プリンタ装置に装着されているサイズの用紙を裁断して使用するときの作業工程の一例を示すフローチャートである。
【図5】断裁生成可能となる用紙サイズの組合せの一例を表したテーブルである。
【図6】印刷出力物の形状の変化について説明する為の一例のイメージ図である。
【図7】所望する用紙サイズが断裁生成可能か否か判定する処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。
【0020】
(概要)
本実施例の印刷システムはプリンタ装置に装着されている用紙サイズと、作業者が印刷物の生成の為に指定した用紙サイズとが合致しない印刷ジョブによる印刷に際して、以下の特徴を有する。
【0021】
本実施例の印刷システムは、プリンタ装置に装着している用紙の断裁によって作業者が印刷物の生成の為に指定した用紙サイズを生成できる場合、プリンタ装置に装着している用紙に、画像データのサイズに適したレイアウト及び印刷を行い、印刷後に断裁機でレイアウトに沿った断裁を行う。
【0022】
言い換えれば、本実施例の印刷システムは、プリンタ装置に装着している用紙の断裁によって生成できる用紙サイズを、プリンタ装置に装着している用紙として取り扱うことができる。なお、本実施例の印刷システムはパンチやステープル、折りといった断裁以外の後処理を行う場合、プリンタ装置に断裁以外の後処理機能があったとしても禁則とすることで、断裁が行われる前に、断裁以外の後処理を行うワークフローを作成できないようにしている。
【0023】
本実施例の印刷システムは上記特徴により、断裁する前の用紙に、断裁以外の後処理を行わせないように、禁則を考慮したワークフローを生成できる。
【0024】
(印刷システムの全体構成)
図1は本実施例の印刷システムを含むシステムの一例の構成図である。図1のシステム1は顧客PC10と印刷システム20とがインターネット等のネットワーク30を介して接続されている。顧客PC10は顧客が利用する装置である。印刷システム20は印刷業者などの作業者が利用するシステムである。
【0025】
また、印刷システム20は管理サーバ21、印刷制御システム搭載サーバ22、クライアントPC23、プリンタ装置24、デバイス装置25、LANなどのネットワーク26を有する。
【0026】
管理サーバ21、印刷制御システム搭載サーバ22、クライアントPC23、プリンタ装置24、デバイス装置25は、ネットワーク26を介して接続されている。デバイス装置25はプリンタ装置24と接続されていてもよい。なお、デバイス装置25は必ずしもネットワーク26に接続されていなくてもよい。
【0027】
管理サーバ21は、顧客からの印刷物の入稿管理や印刷条件を定義したジョブチケットとも呼ばれるJDF(Job Definition Format )の生成を行う。なお、管理サーバ21はMIS(Management Information System )と呼ばれるサーバと同等の機能を有していてもよい。
【0028】
印刷制御システム搭載サーバ22は印刷制御システムを搭載する。また、クライアントPC23は作業者が印刷制御システムの持つ機能を操作して、印刷作業を行う為の装置である。プリンタ装置24は印刷ジョブを印刷し、印刷出力物を生成する装置である。プリンタ装置24はネットワーク26に1つ以上、接続することができる。プリンタ装置24は断裁以外の後処理機能の一例としてステープル機能を有している。図1のデバイス装置25は後処理で必要となる後処理装置である。デバイス装置25は後処理装置の一例としての断裁機とステープル装置とを表している。
【0029】
顧客は顧客PC10を操作し、ネットワーク30を介して、印刷物の印刷データ及び印刷条件を入稿データとして管理サーバ21に送信し、印刷依頼を行う。管理サーバ21は顧客PC10からの印刷依頼を受けて、入稿データの管理、印刷作業の見積り、印刷出力物の発注納期の管理、印刷出力物の納品処理といった管理業務を行う。また、管理サーバ21はJDF生成アプリケーション等を利用して、顧客が印刷依頼した印刷出力物を生成する為に必要となる印刷条件からJDFの生成を行う。
【0030】
作業者は印刷制御システムの持つ機能を操作し、印刷制御システム搭載サーバ22に管理サーバ21からJDF、印刷データを取得させる。印刷制御システム搭載サーバ22は取得したJDF、印刷データに基づいて、各工程における作業をワークフローとして組み立て、印刷ジョブを生成する。印刷制御システム搭載サーバ22は印刷ジョブを印刷するようにプリンタ装置24の制御を行い、プリンタ装置24に印刷を行わせる。
【0031】
印刷制御システム搭載サーバ22はプリンタ装置24が有するステープル機能を利用して印刷出力物にステープルを行わせることもできる。また、印刷制御システム搭載サーバ22はデバイス装置25の一例としての断裁機又はステープル装置を利用して、印刷出力物に後処理の一例としての断裁又はステープルを行わせることもできる。
【0032】
(印刷制御システム搭載サーバ22のハードウェア構成)
印刷制御システム搭載サーバ22は例えば図2に示すようなハードウェア構成のPCにより実現される。図2はPCの一例のハードウェア構成図である。PC40はバス49で相互に接続されている入力装置41、出力装置42、記録媒体読取装置43、補助記憶装置44、主記憶装置45、演算処理装置46及びインタフェース装置47を含む。
【0033】
入力装置41はキーボードやマウス等である。入力装置41は各種信号を入力するために用いられる。出力装置42はディスプレイ装置等である。出力装置42は各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。インタフェース装置47は、モデム,LANカード等である。インタフェース装置47は、ネットワーク26に接続するために用いられる。
【0034】
印刷制御システム搭載サーバ22に搭載される印刷制御プログラムは、PC40を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。印刷制御プログラムは例えば記録媒体48の配布やネットワーク26等からのダウンロードなどによって提供される。
【0035】
記録媒体48はCD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0036】
印刷制御プログラムを記録した記録媒体48が記録媒体読取装置43にセットされることにより、印刷制御プログラムは記録媒体48から記録媒体読取装置43を介して補助記憶装置44にインストールされる。ネットワーク26等からダウンロードされた印刷制御プログラムはインタフェース装置47を介して補助記憶装置44にインストールされる。
【0037】
補助記憶装置44は印刷制御プログラム、必要なファイル、データ等を格納する。主記憶装置45は印刷制御プログラムの起動時に、補助記憶装置44から印刷制御プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置46は主記憶装置45に格納された印刷制御プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0038】
(機能構成)
図1に示すような印刷システム20の場合、印刷制御システム搭載サーバ22は例えば図3に示す処理ブロックで実現される。図3は印刷制御システムの一例について説明する為の処理ブロック図である。なお、図3の処理ブロック図は本実施例の説明に不要な部分を適宜省略している。
【0039】
印刷制御システム搭載サーバ22は印刷制御プログラムが搭載されている。印刷制御システム搭載サーバ22は印刷制御プログラムを実行することで、図3に示すようなデバイス機能情報収集部51、印刷物情報取得部52、ワークフロー生成部53、禁則判断部54を実現する。
【0040】
デバイス機能情報収集部51は、プリンタ装置24やデバイス装置25のデバイスの能力等をデバイス機能情報として収集する。印刷物情報取得部52は、生成する印刷出力物についての情報を印刷物情報として取得する。
【0041】
ワークフロー生成部53は、JDFに定義されている内容に基づいて、印刷物の入稿から印刷出力物の生成までの作業工程を連結し、ワークフローを生成する。禁則判断部54は禁則を後述のように判断する。
【0042】
デバイス機能情報収集部51は印刷システム20にあるプリンタ装置24やデバイス装置25等のデバイス、そのデバイスの能力、装着されている用紙サイズなどをデバイス機能情報として収集する。印刷物情報取得部52は最終的に生成する印刷生成物についての情報、例えば用紙サイズやステープル有無などを印刷物情報として取得する。
【0043】
ワークフロー生成部53は、例えばデバイス機能情報収集部51が収集したデバイス機能情報と、印刷物情報取得部52が取得した印刷物情報と、禁則判断部54が判断した禁則とに基づき、ワークフローを生成する。禁則判断部54は例えば各デバイスから取得された能力(機能)の各デバイス間の組合せに関する禁則や順序性に関する禁則を表した禁則情報に基づき、選択できない機能を判断する。なお、禁則判断部54は例えば顧客がA4サイズの印刷物を要望したとき、プリンタ装置24にA4サイズの用紙が装着されているときと、断裁によりA4サイズの用紙を生成できるときとで、異なった禁則情報に基づいて、選択できない機能を判断する。
【0044】
言い換えれば、禁則判断部54はプリンタ装置24に装着されているサイズの用紙をそのまま使用するときと、プリンタ装置24に装着されているサイズの用紙を裁断して使用するときとで、異なった禁則を掛けるように判断する。
【0045】
(処理の流れ)
顧客の所望するサイズの用紙がプリンタ装置24に装着されておらず、プリンタ装置24に装着されているサイズの用紙を裁断して使用するとき、印刷制御システムは図4のフローチャートに示すような作業工程のワークフローを生成し、ワークフローに従って作業を行う。以下では、顧客の所望するサイズの用紙がA4サイズ、裁断により顧客の所望するサイズの用紙を生成できるサイズの用紙がA3サイズの例を説明する。
【0046】
図4はプリンタ装置に装着されているサイズの用紙を裁断して使用するときの作業工程の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、プリンタ装置24は顧客の所望するサイズ(A4サイズ)の用紙が装着されておらず、且つ、裁断によりA4サイズの用紙を生成できるサイズ(A3サイズ)の用紙が装着されているため、A3サイズの用紙1枚にA4サイズの2ページ分の印刷データを2Upで印刷する。
【0047】
なお、印刷制御システムは例えば図5に示すようなテーブルを用いて断裁生成可能となる用紙サイズを判定する。図5は断裁生成可能となる用紙サイズの組合せの一例を表したテーブルである。
【0048】
図5のテーブルは断裁前の用紙サイズと、断裁により生成できる用紙サイズとを対応付けている。図5のテーブルは例えばプリンタ装置24に装着されているA3サイズの用紙から断裁によりA4サイズ又はA5サイズの用紙を生成できることを表している。印刷制御システムは図5のテーブルを利用し、A3サイズの用紙を断裁することによりA4サイズの用紙を生成できることを判定できる。
【0049】
言い換えれば、印刷制御システムは図5のテーブルを参照することで、現在、プリンタ装置24に装着されているA3サイズの用紙を断裁することにより、顧客の所望するA4サイズの用紙を生成可能であると判定できる。
【0050】
ステップS2において、断裁機であるデバイス装置25はA4サイズの2ページ分の印刷データを2Upで印刷後のA3サイズの用紙を断裁し、A4サイズの用紙2枚分の印刷物を生成する。ステップS3において、ステープル装置であるデバイス装置25は裁断以外の後処理の一例としてのパンチやステープル、折りといった後処理(製本作業)を行うことで印刷出力物を生成できる。
【0051】
なお、図4のフローチャートでは、裁断により顧客の所望するA4サイズの用紙を生成しているため、断裁機であるデバイス装置25による断裁が行われる前に、断裁以外の後処理を行えない禁則が掛けられている。例えば図1の印刷システム20の場合はプリンタ装置24にあるステープル機能が禁則により使用されず、断裁機であるデバイス装置25の断裁の後で、ステープル装置であるデバイス装置25によりステープルが行われる。
【0052】
図6は印刷出力物の形状の変化について説明する為の一例のイメージ図である。図6は顧客の所望するサイズの用紙がプリンタ装置24に装着されておらず、プリンタ装置24に装着されているサイズの用紙を裁断して使用するときのプリンタ装置24、断裁機であるデバイス装置25(以下、単に断裁機という)及びステープル装置であるデバイス装置25(以下、単にステープル装置という)から出力される印刷出力物のイメージを表している。
【0053】
図6(A)は、プリンタ装置24から出力される印刷出力物のイメージである。例えば図6(A)はA4サイズの1ページ分の印刷データを1UpでA3サイズの用紙に印刷した印刷出力物である。図6(A)ではA4サイズの1ページ分の印刷データを印刷した部分を斜線で表している。
【0054】
図6(B)は、断裁機から出力される印刷出力物のイメージ図である。図6(B)は印刷したA4サイズの部分(斜線で表した部分)を残すように断裁機で断裁された印刷出力物である。また、図6(C)はステープル装置から出力される印刷出力物のイメージ図である。例えば図6(C)は断裁機で断裁された印刷出力物にステープルを施された印刷出力物である。
【0055】
図6に示すように、本実施例の印刷制御システムでは、禁則により、プリンタ装置24にあるステープル機能が使用されず、断裁機による断裁の後で、ステープル装置によりステープルを施すという順序で印刷出力物を生成する。
【0056】
印刷制御システムは例えば図7に示すフローチャートの処理により顧客の所望する用紙サイズを、断裁生成可能か否かを判定してもよい。図7は所望する用紙サイズが断裁生成可能か否か判定する処理の一例のフローチャートである。図7のフローチャートの処理は所望するサイズの用紙がプリンタ装置24に装着されていないときに実行される。
【0057】
ステップS11において、印刷制御システムは顧客の所望するサイズより大きいサイズの用紙がプリンタ装置24に装着されているか否かを判定する。例えば印刷制御システムはA4サイズより大きいA3サイズ以上の用紙がプリンタ装置24に装着されているか否かを判定する。
【0058】
顧客の所望するサイズ(例えばA4サイズ)より大きいサイズ(例えばA3サイズ)の用紙がプリンタ装置24に装着されていると判定すると、印刷制御システムはステップS12において、印刷システム20に断裁機があるか否かを判定する。印刷システム20に断裁機があると判定すると、印刷制御システムはステップS13において、印刷システム20に断裁機以外の後処理装置があるか否かを判定する。
【0059】
印刷システム20に断裁機以外の後処理装置があると判定すると、印刷制御システムはステップS14において、顧客の所望するサイズでの印刷出力物の生成が可能であると判定する。そして、ステップS15において、印刷制御システムはプリンタ装置24の後処理機能の一例であるステープル機能を禁則とすることで、断裁機による断裁が行われる前に断裁以外の後処理を行わせないようにすることができる。
【0060】
なお、ステップS11において顧客の所望するサイズより大きいサイズの用紙がプリンタ装置24に装着されていないと判定したとき、又は、ステップS12において印刷システム20に断裁機がないと判定したとき、又は、ステップS13において印刷システム20に断裁機以外の後処理装置がないと判定したとき、印刷制御システムはステップS16において、プリンタ装置24に装着されている用紙のサイズを変更しなければ顧客の所望するサイズでの印刷出力物の生成が不可能であると判定する。
【0061】
本実施例によれば、プリンタ装置24に装着している用紙を単体の断裁機で断裁することによって作業者が印刷物の生成の為に指定した用紙サイズを生成できる場合に、プリンタ装置24に断裁以外の後処理機能があったとしても禁則とすることで、断裁が行われる前に、プリンタ装置24の後処理機能で断裁以外の後処理を行わせないようにすることができる。
【0062】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。なお、本実施例におけるプリンタ装置24に装着されている用紙とは、プリンタ装置24の内部に装着されている用紙に限るものではなく、例えばプリンタ装置24に接続され、用紙をプリンタ装置24に給紙する給紙装置に装着されている用紙も含む表現である。
【符号の説明】
【0063】
1 システム
10 顧客PC
20 印刷システム
21 管理サーバ
22 印刷制御システム搭載サーバ
23 クライアントPC
24 プリンタ装置
25 デバイス装置
26、30 ネットワーク
40 PC
41 入力装置
42 出力装置
43 記録媒体読取装置
44 補助記憶装置
45 主記憶装置
46 演算処理装置
47 インタフェース装置
48 記録媒体
49 バス
51 デバイス機能情報収集部
52 印刷物情報取得部
53 ワークフロー生成部
54 禁則判断部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2009−134440号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プリンタ装置に装着されている用紙サイズ、及び、作業者が印刷出力物を生成するために指定した用紙サイズが合致しない印刷に際し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能か判定し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能と判定したとき、前記プリンタ装置の断裁以外の後処理機能を禁則とする禁則判断手段、
前記装着されている用紙に、前記指定した用紙サイズに適したレイアウトで前記印刷出力物の描画データを配置し、前記プリンタ装置に印刷を行わせ、印刷後に前記レイアウトに沿った断裁を断裁機に行わせたあと、前記印刷出力物に断裁以外の後処理を前記断裁機以外のデバイス装置に行わせる作業工程のワークフローを生成するワークフロー生成手段
として機能させる印刷制御プログラム。
【請求項2】
前記禁則判断手段は、断裁前の用紙サイズと、断裁により生成できる用紙サイズとを対応付けたテーブルを利用し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能か判定する
ことを特徴とする請求項1記載の印刷制御プログラム。
【請求項3】
前記禁則判断手段は、前記装着されている用紙サイズが前記指定した用紙サイズより大きく、且つ、使用できる断裁機があり、且つ、前記印刷出力物に断裁以外の後処理を行う前記断裁機以外のデバイス装置があるとき、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能と判定する
ことを特徴とする請求項1記載の印刷制御プログラム。
【請求項4】
プリンタ装置に装着されている用紙サイズ、及び、作業者が印刷出力物を生成するために指定した用紙サイズが合致しない印刷に際し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能か判定し、前記装着されている用紙の断裁によって前記指定した用紙サイズを生成可能と判定したとき、前記プリンタ装置の断裁以外の後処理機能を禁則とする禁則判断手段と、
前記装着されている用紙に、前記指定した用紙サイズに適したレイアウトで前記印刷出力物の描画データを配置し、前記プリンタ装置に印刷を行わせ、印刷後に前記レイアウトに沿った断裁を断裁機に行わせたあと、前記印刷出力物に断裁以外の後処理を前記断裁機以外のデバイス装置に行わせる作業工程のワークフローを生成するワークフロー生成手段と
を有することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項5】
コンピュータにより実行可能な請求項1に記載の印刷制御プログラムと、画像形成装置とを有することを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−252647(P2012−252647A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126598(P2011−126598)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】