説明

印刷性能を高めるために塗工された着色紙及び基材

塗工された基材が、シリカ又はヒュームド金属酸化物、例えば沈降シリカ、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ又はヒュームド金属酸化物を含有している塗膜で塗工された着色紙から製造されている。着色紙のL及びb値を改良する不透明塗膜が形成されている。この紙の上に印刷された画像は、改良された特性、例えばウイック又はブリードの減少又は改良された色域を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2006年2月28日に提出された米国仮特許出願整理番号No.60/777394で優先権を主張しており、ここで、その全内容が参照をもって開示されたものとする。
【0002】
発明の背景
改良された印刷特性を有する基材が、技術分野で所望されている。
【0003】
概要
1態様で本発明は、シリカを含有している塗膜で塗工された着色紙を有する塗工された基材を提供することができる。
【0004】
もう一つの態様で本発明は、ヒュームド金属酸化物で塗工された着色紙を有する塗工された基材を提供することができる。
【0005】
もう一つの態様で本発明は、着色紙に1組成物を適用することによって、塗工された基材を製造する方法を提供することができる。この組成物は、ヒュームド金属酸化物分散液又はシリカ分散液を含有することができる。
【0006】
図面の簡単な説明
図1A及びIBは、シリカを含有している種々の組成物で塗工されたクラフト紙のL及びb値を示している図表である。
【0007】
図2A及び2Bは、シリカを含有している種々の組成物で塗工されたクラフト紙上に印刷された黒又は着色インキの光学濃度を示している図表である。
【0008】
図3は、シリカを含有している種々の組成物で塗工された紙の種々の静的係数を示している図表である。
【0009】
図4A及び4Bは、シリカを含有している種々の組成物で塗工された紙の色域を示している図表である。
【0010】
詳細な説明
本発明を記載してる内容中(特に後記の請求項に記載の内容中の)の英語"a"及び"an"及び"the"及び類似関連用語の使用は、他に指示のない限り又は文脈に明らかな矛盾がない限り、単数又は複数の双方を包含すると解釈すべきである。英語"comprising"、"having"、"including"及び"containing"は、他に記載のない限り、開放端用語である(即ち、「包含するが、それに限定されない」ことを意味する)。ここでの値の範囲の詳述は、他に指示のない限り、その範囲内に入る各々の単独の値を短く記載する方法として使用することを意図しているだけであり、各々の単独の値がその中でそれが独立して引用されていたように記載中に入れられている。ここに記載の全ての方法は、ここで他の指示のない限り、かつ内容的に明らかな矛盾のないかぎり、任意の好適な順序で実施することができる。任意の及び全ての実施例の使用又はここに提供されている例示的用語(例えば、"such as(例えば)")は、この発明をより良好に説明することを意図しているだけであり、他の要求のない限り、この発明の範囲の限定を目的とするものではない。明細書中に記載されていないことは、本発明の実施のために重要である要素として請求されていないと解釈すべきである。
【0011】
ここで、本発明の好ましい実施態様は、この発明を実施するために発明者に公知の最良の方式を包含して記載されている。これらの好ましい実施態様の変異は、当業者にとっては、先の記載を読むことにより明らかになるであろう。本発明者は、当業者にそのような変異が適切であるとして使用できることを期待し、かつ本発明者は、この発明を、ここに詳細に記載されている以外にも実施できることを意図している。従って本発明には、適用可能な法律で許可されるようなこれに追加された請求項中に記載されている内容の全ての変更及び均等物が包含される。更に、他に指示のない限り又は内容的に明白な矛盾のない限り、前記の要素の可能な全ての変異の任意の組合わせが、本発明に包含される。
【0012】
1態様で本発明は、シリカを含有している塗料組成物(coating composition)で塗工された基材を提供する。シリカは、ヒュームドシリカ粒子、沈降シリカ粒子、ゲルシリカ粒子の少なくとも1種及びこれらの組み合わせ物を含有することができる。更にこの組成物は、粒子の分散媒体、例えば水、バインダ(binder)又はこれらの組み合わせ物を含有することができる。この組成物は、基材の印刷、例えばインキジェット印刷特性を高めるために基材を塗工するために使用することができる。
【0013】
ヒュームドシリカ粒子は、パイロジェニック法で製造することができ、化学組成SiOを有する。ヒュームドシリカ粒子は典型的に、小さい1次粒子の凝集体(aggragate)粒子であり、これは、この凝集体粒子が液媒体中に分散される場合に崩壊して1次粒子にならない程度に比較的強い凝集力(cohesive force)で結合されている。凝集体ヒュームドシリカは、比較的弱い凝集力で結合されている大きい集塊体粒子(agglomarate particle)を形成することができる。集塊体粒子は、液媒体中に分散される場合に崩壊して凝集体粒子になることができる。本発明で使用するために好適なヒュームドシリカ粒子は、少なくとも約50nm、より特別には少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも75、少なくとも約80、少なくとも約90又は少なくとも約95nmの凝集体粒子寸法を有する。この凝集体粒子寸法は、一般に約400を下回って、より好適には約350を下回って、約300を下回って、約275を下回って、約250を下回って、約225を下回って、約200を下回って又は約190nmを下回っている。
【0014】
塗料組成物は、ヒュームド金属酸化物、シリカ又はこれらを含有している分散液を有することができる。本発明で使用するために好適な市場で入手可能なヒュームドシリカには、限定的ではないが、AERODISP(登録商標)(Degussa)なる商品名で市販されているものが包含される。好適に、分散液中のヒュームド金属酸化物は、種々のヒュームド金属酸化物でドーピングされていてよく、例えばヒュームドシリカはヒュームドアルミナでドーピングされていてよい。好適な分散液には、限定的ではないが、次のものが包含される:AERODISP(登録商標)WK341(カチオン化されたシリカ分散液)、VP Disp WK7330(カチオン化されたヒュームド混合金属酸化物分散液−ヒュームドアルミナでドーピングされたヒュームドシリカ)、AERODISP(登録商標)WK7520、AERODISP(登録商標)G1220、AERODISP(登録商標)W1450、AERODISP(登録商標)W7215S、AERODISP(登録商標)W1226、AERODISP(登録商標)W1714、AERODISP(登録商標)W1824、AERODISP(登録商標)W1836、AERODISP(登録商標)W630、AERODISP(登録商標)W440、VP DISP W7330N、VP DISP W740X、VP DISP 2730、VP DISP 2550、AERODISP(登録商標)W7215S、AERODISP(登録商標)W7512S、AERODISP(登録商標)W7520、AERODISP(登録商標)W7520N、AERODISP(登録商標)W7520P、AERODISP(登録商標)W7622、AERODISP(登録商標)WK341及びVP DISP W340;Cabot Corporationから入手可能な市販品、例えばCAB−O−SPERSE(登録商標)PG022、CAB−O−SPERSE(登録商標)A2012、CAB−O−SPERSE(登録商標)2012A、CAB−O−SPERSE(登録商標)2020K、CAB−O−SPERSE(登録商標)A2017、CAB−O−SPERSE(登録商標)2017A、CAB−O−SPERSE(登録商標)1030K、CAB−O−SPERSE(登録商標)K2020、CAB−O−SPERSE(登録商標)2020K、CAB−O−SPERSE(登録商標)4012K、CAB−O−SPERSE(登録商標)PG002、CAB−O−SPERSE(登録商標)PG001、CAB−O−SPERSE(登録商標)1015A、CAB−O−SPERSE(登録商標)1020K、CAB−O−SPERSE(登録商標)GP32/12、CAB−O−SPERSE(登録商標)GP32/17、CAB−O−SPERSE(登録商標)GP50、CAB−O−SPERSE(登録商標)MT32/17、CAB−O−SPERSE(登録商標)A105、CAB−O−SPERSE(登録商標)A1095、CAB−O−SPERSE(登録商標)A205、CAB−O−SPERSE(登録商標)A1695、CAB−O−SPERSE(登録商標)A2095、CAB−O−SPERSE(登録商標)C1030K、CAB−O−SPERSE(登録商標)C1015A、CAB−O−SPERSE(登録商標)K4012、CAB−O−SPERSE(登録商標)P1010、CAB−O−SPERSE(登録商標)II、CAB−O−SPERSE(登録商標)A3875、CAB−O−SPERSE(登録商標)PG001、CAB−O−SPERSE(登録商標)PG002及びCAB−O−SPERSE(登録商標)CT302C及びWacker Chemie AGから入手可能な市販品、例えばHDK(登録商標)XK20030、HDK(登録商標)A2012、HDK(登録商標)1515B、HDK(登録商標)2012B、HDK(登録商標)A3017及びHDK(登録商標)A3017B及びこれらの組み合わせ物。
【0015】
好適な金属酸化物及びシリカ及びこれらを含有する分散液は、米国特許出願No.US2006154994、US20040106697、US2003095905、US2002041952、国際特許No.WO2006067131、WO2006067127、WO2005061385、WO2004050377、WO9722670、カナダ特許出願No.CA2285792及び米国特許No.7015270、6808769、6840992、6680109及び5827363中に記載されており、これらの各々はここで参照をもって充分に開示されたものとする。
【0016】
他の好適な金属酸化物及びシリカ及びこれらを含有する分散液には、限定的ではないが次のものが包含される:Akzo Nobel/EKA Chemicalsから入手可能なもの、例えばBINDZIL(登録商標)15/500、BINDZIL(登録商標)30/360、BINDZIL(登録商標)30/220、BINDZIL(登録商標)305、BINDZIL(登録商標)30NH2/220、BINDZIL(登録商標)40/220、BINDZIL(登録商標)40/170、BINDZIL(登録商標)30/80、BINDZIL(登録商標)CAT80、BINDZIL(登録商標)F45、BINDZIL(登録商標)50/80、NYACOL(登録商標)215、NYACOL(登録商標)830、NYACOL(登録商標)1430、NYACOL(登録商標)1440、NYACOL(登録商標)2034DI、NYACOL(登録商標)2040、NYACOL(登録商標)2040NH4及びNYACOL(登録商標)9950;H.C.Stark/Bayerから入手可能なもの、例えばLEVASIL(登録商標)500/15%、LEVASIL(登録商標)300/30%、LEVASIL(登録商標)300F/30%、LEVASIL(登録商標)200E/20%、LEVASIL(登録商標)200S/30%、LEVASIL(登録商標)200A/30%、LEVASIL(登録商標)200/30%、LEVASIL(登録商標)200N/30%、LEVASIL(登録商標)200/40%、LEVASIL(登録商標)100/45%、LEVASIL(登録商標)100S/30%、LEVASIL(登録商標)100/30%、LEVASIL(登録商標)50CK30、LEVASIL(登録商標)4063、LEVASIL(登録商標)100S/45%、LEVASIL(登録商標)50/50%;Grace Davisonから入手可能なもの、例えばLUDOX(登録商標)SM、LUDOX(登録商標)HS−30、LUDOX(登録商標)LS、LUDOX(登録商標)HS−40、LUDOX(登録商標)AM、LUDOX(登録商標)WP、LUDOX(登録商標)AS、LUDOX(登録商標)TM;Nalco Chemicalsから入手可能なもの、例えばNALCO(登録商標)1115、NALCO(登録商標)2326、NALCO(登録商標)6011、NALCO(登録商標)1130、NALCO(登録商標)1030、NALCO(登録商標)6010、NALCO(登録商標)1140、NALCO(登録商標)2325、NALCO(登録商標)2327、NALCO(登録商標)1060、NALCO(登録商標)1034、NALCO(登録商標)1129、NALCO(登録商標)1050、NALCO(登録商標)6009;Nissan Chemical Industries Ltd.から入手可能なもの、例えばSNOWTEX(登録商標)20、SNOWTEX(登録商標)30、SNOWTEX(登録商標)C、SNOWTEX(登録商標)N、SNOWTEX(登録商標)O;及びClariant/Rodelから入手可能なもの、例えばKLEBOSOL(登録商標)30N25、KLEBOSOL(登録商標)30H25、KLEBOSOL(登録商標)30N50PHN、KLEBOSOL(登録商標)30N50、KLEBOSOL(登録商標)30H50、KLEBOSOL(登録商標)1501−50、KLEBOSOL(登録商標)1508−50、KLEBOSOL(登録商標)1498−50。塗料組成物は、任意のこれら金属酸化物、金属酸化物を含有する分散液又はこれらの組み合わせ物を含有することができる。
【0017】
大抵の金属酸化物粒子の表面積は、S.Brunauer,P.H.Emmet,and I.Teller,J.Am. Chemical Society,60,309(1938)の方法(これは一般にBET法と称されている)によって測定することができる。本発明で使用するために好適であるヒュームドシリカ又はヒュームド金属酸化物粒子は、少なくとも約50又は少なくとも約70m/g及び約400を下回る、約350を下回る又は約325m/gを下回るBET表面積を有する。いくつかの態様においてヒュームドシリカ粒子は、約90m/g、約200m/g及び約300m/gのBET表面積を有する。
【0018】
ゲルシリカ及び沈降シリカは、「湿式化学的」方法により形成される。ヒュームドシリカと同様に、ゲルシリカ及び沈降シリカの双方は、粒子又は凝集体の3次元ネットワークを形成する。この3次元ネットワークにより提供される増加した表面積は、ゲルシリカ及び沈降シリカが、表面上に印刷されたインキ中の液体を不動態化する目的でそれらが表面をする塗布するため使用される場合に、鮮明な画像及び迅速なインキ乾燥時間を提供することを可能とする。従ってゲル及び沈降シリカは、塗料組成物中で使用するために好適である。
【0019】
コロイドシリカ粒子は、一般に「湿式化学」的方法により製造され、化学組成SiOを有する。典型的にコロイドシリカは、アルカリ金属珪酸塩溶液(例えば珪酸ナトリウム溶液)に酸を添加することによって製造されており、この際に、珪酸塩は重合を起こし、非晶質シリカの不連続粒子を形成する。コロイドシリカ粒子は典型的に、内部表面積を有しない、不連続の実質的に球形のシリカ粒子である。市販されているコロイドシリカには、限定的ではないが、LUDOX(登録商標)(Grace Davison)、BINDZIL(登録商標)(Akzo Nobel)及びNYACOL(商標)(Akzo Nobel)なる商品名で市販されているものが包含される。
【0020】
1態様において、シリカ又はヒュームド金属酸化物は、組成物を形成するためにバインダと一緒にされ、かつ/又は基材に適用される前に、水性分散液中に存在する。この水性分散液は、蒸留水又は脱イオン水を含有することができる。この組成物は、任意の数の、好適な水と混和しうる液体、例えば水と混和しうるアルコール(例えばメタノール、エタノール等)又はケトン(例えばアセトン)の1種以上を、水に加えて又は水の代わりに含有することもできる。
【0021】
ここで使用される用語「バインダ(binder)」は、基材へのシリカ又はヒュームド金属酸化物粒子の蜜着を促進する助けをする化合物である。好適なバインダは、親水性官能基、例えばヒドロキシル及び/又はアミンを有する水膨潤性ポリマーを含有する組成物中で使用することができる。好適に、このバインダは、セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエステル、セルロースエーテル)、カゼイン、ゼラチン、蛋白質、澱粉(例えば、酸化された、エステル化された又は他の変性されたタイプの澱粉)、ビニルポリマー(例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン及び誘導体)、アクリルポリマー(例えばポリメチルメタクリレート、アクリルポリマー、例えばアクリレートエステル、スチレン−アクリルエステルのラテックス)、ポリエステル、ポリカーボネートポリマー、ポリアミド、ポリイミド、エポキシポリマー、フェノール系ポリマー、ポリオレフィン、これらのポリウレタンコポリマーの少なくとも1種及びこれらの混合物を含有する。1実施態様で、このバインダは、ポリビニルアルコールである。
【0022】
組成物中のバインダの好適な量は、特別なバインダに依存し、かつ使用されているシリカ又はヒュームド金属酸化物のタイプに依存する。例えば、特別な適用のための組成物中のポリビニルアルコールの至適量は、その適用のための組成物中のポリビニルピロリジンの至適量とは異なることがありうる。
【0023】
この組成物中のシリカ又はヒュームド金属酸化物とバインダとの比は、適用及び所望の結果に依存して変えることもできる。好適に、シリカ又はヒュームド金属酸化物とバインダとの比は、少なくとも約0.25:1、少なくとも約1:1、少なくとも約3:1、少なくとも約5:1、少なくとも約5.5:1又は少なくとも約6:1であり、かつ約100:1を下回って、約50:1を下回って、約25:1を下回って、約15:1を下回って、約12:1を下回って、約10:1を下回って、約7.5:1を下回って又は約7:1を下回っている。
【0024】
一般にこの組成物は、それが、技術分野で公知の技術を用いる基材の表面上に沈殿可能であるかぎり、非常に低い〜非常に高い範囲の粘度を有することができる。この組成物の粘度を測定するために、技術分野で公知の任意の好適な技術を使用することができる。例えば、粘度はBrookfield LVT粘度計を用いて測定することができる。好適にこの粘度は、少なくとも約1、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約25、少なくとも約50又は少なくとも約100センチポアズであり、かつ約1000を下回る、約1500を下回る、約2000を下回る、約2500を下回る又は約3000センチポアズを下回ることができる。
【0025】
この組成物は、種々の方法を用いて製造することができる。1態様でこの組成物は、シリカ又はヒュームド金属酸化物の水性分散液(例えばヒュームドシリカ粒子及び水を含有している水性分散液)と少なくとも1種のバインダとを一緒にすることによって塗料組成物を形成させることによって製造される。分散液及びバインダは、例えば高速剪断ミキサーを用いる混合によって結合させることができる。この塗料組成物のpHは、その製造の間の任意の工程で所望のpHに調節することができる。しかしながらいくつかの態様では、pHの調節は必要でない。1態様で、高速剪断ミキサー処理を伴う場合には分散液上でpHが直接的に調節される。分散液がバインダと混合された後に(即ち塗料組成物の形成の後に)、このpHを調節することもできる。pHの調節は、この分散液が中性pH範囲(6.5〜7.5)に達するに伴い、通常は粘度の上昇を伴う。適当な方法を用いて、例えば酸(例えば無機酸、酸性カチオン交換樹脂等)又は塩基(例えばアルカリ金属水酸化物、塩基性アニオン交換樹脂等)の添加を介して、このpHを調節することができる。塗料組成物は、酸性又はアルカリ性であることができる。この塗料組成物のpHは、約2.5〜約10.5のpH範囲;例えば約2.5〜約5又は約8〜10.5のpH範囲内にあるのが好適である。
【0026】
この組成物は、更に次の添加剤1種以上を含有することができる:例えば界面活性剤(例えばカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、例えば長鎖アルキルベンゼンスルホネート塩及び長鎖の、好適には分枝鎖のアルキルスルホスクシネートエステル、非イオン界面活性剤、例えば長鎖の、好ましくは分枝鎖のアルキル基含有フェノールのポリアルキレンオキシドエーテル及び長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキシドエーテル及び弗素化された界面活性剤)、硬化剤(例えば活性ハロゲン化合物、ビニルスルホン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合物 等)、シックナー(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))、流動性改良剤、消泡剤(例えばオクチルアルコール、シリコン−ベースの消泡剤 等)、発泡抑制剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色料(例えば染料又は顔料)、顔料分散剤、光学明化剤、白色化剤(例えば蛍光白色化剤)、保存剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾエートエステル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物 等)、殺生剤、抗菌剤、黄変抑制剤(例えばヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 等)、紫外線吸収剤(例えば、2−位にヒドロキシジアルキルフェニル基を有するベンゾトリアゾール化合物)、酸化防止剤(例えば立体障害フェノール化合物)、帯電防止剤、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸、燐酸、クエン酸 等)、架橋剤、防水剤、湿潤強化剤、乾燥強化剤及び潤滑剤(ポリエチレンワックス、天然ワックス、例えばカルナウバワックス、ステアリン酸カルシウム、脂肪酸及び脂肪酸の塩、パラフィン)。
【0027】
これら添加剤に加えて、この塗料組成物は媒染剤(mordant)、例えば、組成物の耐水性(water-fastness)を高めることのできるカチオン性ポリマーを含有することができる。多くのポリマー及び塩のカチオン性第4級(NH)官能基は、インキジェットインキ中で一般に使用されるアニオン染料の結合を促進することができる。好適な媒染剤には、限定的ではないが、ポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリアミン、ポリDADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリエチレンイミン(PEI)及びこれらの混合物が包含される。
【0028】
加えて着色料、例えば、基材上に適用される場合に組成物の白色性を高めることができるような顔料又は染料を添加することができる。好適な顔料には、クレー(標準級、焼成級(calcined grade)、薄層化級(delaminated grade)、化学的構造化級(chemically structured grade)、複合/特別級(composites/specialty grade))、二酸化チタン(ルチル、アナタース)、炭酸カルシウム(粉砕、沈殿)、アルミナ3水和物及び珪酸ナトリウムが包含される。炭酸カルシウム、アルミナ3水和物及び珪酸ナトリウムは、基材上に塗工された場合の、組成物のインキジェット性能を高め、かつ滑り防止(anti-slip)特性を高めることもできる。組成物中のシリカ又はヒュームド金属酸化物、例えばヒュームドシリカの存在は、これらの付加的顔料の集塊化の量を有利に減少させることができる。
【0029】
更に本発明は、基材の少なくとも1部分に適用される、ここに記載されているような組成物(例えばバインダ及びヒュームドシリカ粒子及び水を含有している水性分散液を有する組成物)で塗工された基材を有する記録媒体を提供する。基材は、包装材料、例えば着色紙として使用できる紙が好適である。ここで用いられているような用語「紙」には、限定的ではないが、紙、板紙及びボール紙が包含される。ここで用いられている用語「着色紙」とは、無漂白セルロース繊維から製造されている紙又は漂白セルロース繊維から製造されているが、紙中又は紙上に着色料、例えば染料又は顔料を混入することによって加えられた色を有している紙を意味する。「漂白セルロース繊維」は、繊維に漂白剤、例えば塩素ベースの漂白剤(二酸化塩素、過塩素酸塩)及び/又は過酸化物を接触させることにより処理されているセルロース繊維である。一つの態様で、この紙は、非漂白セルロース繊維から製造されていてもよい。もう一つの態様で、この紙は漂白セルロース繊維から製造されており、着色料、例えば染料又は顔料を含有している。好適に、基材は包装材料、例えば箱、袋、バッグ及び類似物中で使用される紙であることができる。1態様でこの基材は、褐色クラフトライナー紙である。好適な紙には、約90%を下回る、約88%を下回る、約86%を下回る、約84%を下回る、約82%を下回る、約80%を下回る、約75%を下回る、約70%を下回る、約65%を下回る又は60%を下回るGE明度(GE Brightness)を有するもの及び少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%又は少なくとも約55%のGE明度を有するものが包含される。
【0030】
本発明者は、意外かつ予想外に、シリカ塗膜が写真紙に適用される場合に形成される透明又は半透明層とは対照的に、ここに記載の塗料組成物を着色紙に適用することが、紙をより白く、明るい表面を有する原因となったことを発見した。更に、この組成物は、基材の表面に適用される場合に均一な不透明層を形成させた。
【0031】
紙のような基材の白色度(whiteness)は、基材の表面での反射光の合計量の尺度であるL値を用いて評価することができる。高いL値は、増加した白色度と関連している。好適に、塗料組成物は、基材のL値を少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9又は少なくとも約10だけ向上させることができる。紙の青−黄味色相は、b値を用いて評価することができる。低いb値は、基材がより少ない黄味及びより多い青味色相を有することを示している。青は、目によって白により近く認識されので、低いb値が望ましい。この塗料組成物は、表面のb値を減少させることができる。好適に、この塗料組成物は、基材のb値を少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約11又は少なくとも約12だけ減少させることができる。
【0032】
ここに記載の記録媒体は次の工程からなる方法で製造することができる:(a)基材を準備する;(b)基材の少なくとも一部分を、ここに記載の組成物(例えば少なくとも1種のバインダ及びヒュームドシリカ又はヒュームド金属酸化物粒子を含有する水性分散液を有している組成物)で塗工して、塗工された基材を提供する;かつ(c)場合より、基材上の組成物を乾燥させる。更にこの組成物を基材に繰り返し適用して、所望の厚さの塗膜を有する記録媒体を製造することができる。
【0033】
基材の一部分を直接又は間接的にこの組成物で塗工するために、任意の好適な方法を使用することができる。好適な方法には、限定的ではないが、ロールコータ塗工、ブレードコータ塗工、エアナイフコータ塗工、ロッドコータ塗工(例えばMeyer rod又は類似物を用いる)、バーコータ塗工、キャストコータ塗工、ゲートロールコータ塗工、ワイアバーコータ塗工、ショート−ダウエル(short-dowel)コータ塗工、スライドホッパーコータ塗工、カーテンコータ塗工、フレキソグラフィックコータ塗工、グラビアコータ塗工、コンマ(Komma)コータ塗工、オン−又はオフ−マシン方式でのサイズプレスコータ塗工及びダイコータ塗工が包含される。急速で、廉価な方法、例えばロッドコータ塗工及びブレードコータ塗工(blade-coating)が特別に好適でありうる。基材に適用された塗膜は、任意の好適な厚さであることができる。好適に、この塗膜は、基材1m当たり少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7gのシリカ又はヒュームド金属酸化物を有し、かつ基材1m当たり約30を下回る、約25を下回る、約20を下回る、約15を下回る、約14を下回る、約13を下回る、約12を下回る、約11を下回る、約10を下回る、約9を下回る、約8を下回るシリカ又はヒュームド金属酸化物を有するように適用される。ここで、基材1m当たりのシリカ又はヒュームド金属酸化物の量を、「塗布質量」と称する。
【0034】
基材へのこの塗料組成物の適用の後に、塗工された基材を、任意の好適な方法又は方法の組み合わせを用いて乾燥させて、記録媒体を提供することができる。好適な乾燥法には、限定的ではないが、空気−又は対流乾燥(例えば、線状トンネル乾燥、アーチ乾燥、エア−ループ乾燥、サイン曲線エアフロート乾燥 等)、接触又は伝導乾燥(conduction drying)及び放射エネルギー乾燥(例えば赤外線乾燥及びマイクロ波乾燥)が包含される。
【0035】
グラビア(フレキソ、ロト)、オフセット平版、電子写真及び高速ディジタル(例えばXEIKON(商標)プリンター又はINDIGO(商標)プリンターを用いる)技術を包含する種々の印刷技術の1種以上を用いて、記録媒体上に画像を直接又は間接的に印刷することができる。この記録媒体は、インキジェットプリンターから画像を受信するために特別好適である。塗料組成物を有する記録媒体上にインキジェットプリンターを用いて形成された画像は、この塗料組成物で塗工されていない比較可能な基材と比べて、より明るく、より鮮明であり、かつより高い解像性を有する。例えば、ここに記載の塗料組成物で塗工された基材上にインキジェット印刷されたインキは、比較可能な非塗工基材上に印刷されたインキと比べて、ブリード(bleeding)の減少及び少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン、少なくとも約20ミクロン、少なくとも約25ミクロン又は少なくとも約30ミクロンのインキのウイッキング(wicking)を示すことができる。塗料組成物で塗工された基材上にインキ−ジェット印刷されたインキは、比較可能な非塗工基材上に印刷されたインキと比較して、塗工された表面上にインキ−ジェット印刷された線の不揃い性の改善、即ちこの線不揃い性(line raggedeness)の量が少なくとも約2ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン、少なくとも約20ミクロン又は少なくとも約25ミクロンも減少されている程度の改善を示すことができる。ここに記載の塗料組成物で塗工された基材上に印刷された画像の明度は、比較可能な非塗工基材に比べて改良することもできる。例えば塗料組成物で塗工された基材上に印刷されたインキの光学濃度は、比較可能な非塗工基材上に比較可能な方法で印刷されたインキと比べて、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.15、少なくとも約0.2又は少なくとも約0.25だけ高めることができる。
【0036】
この塗料組成物は、基材の色域(color gamut)を改良することもできる。基材の色域は、特定の条件設定下に精密に表現されうる色の数値である。この組成物は、基材の色域を、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約300%又は少なくとも約400%も改良することができる。
【0037】
1種以上のヒュームド金属酸化物又はシリカ、例えばヒュームドシリカを含有している塗料組成物は、基材の摩擦係数の増加によって基材の滑り防止特性を改良又は高めることもできる。ここで用いられている摩擦係数とは、静的摩擦係数(the static coefficient of friction)を意味する。この摩擦係数は、文献に公知の任意の技術で好適に測定することができる。例えば静的摩擦係数を測定するための文献に公知の技術は、TAPPIメソッドT815om−01である。好都合にこの塗料組成物は、基材の摩擦係数を、少なくとも約0.2、少なくとも約0.25、少なくとも約0.3、少なくとも約0.35、少なくとも約0.4、少なくとも約0.45又は少なくとも約0.5だけ増加させる。好都合にこの塗膜中のシリカ又はヒュームド金属酸化物は、シリカ又はヒュームド金属酸化物を含有していない類似の塗膜で塗工された同じ基材と比べて、少なくとも約0.2、少なくとも約0.25、少なくとも約0.3、少なくとも約0.35又は少なくとも約0.4だけ基材の摩擦係数を増加させる。
【0038】
次の実施例で本発明を更に説明するが、本発明はこの範囲内に限定されるものではない。
【0039】
例1
アルカリ性ヒュームドシリカ(粒径100nm)分散液を有する組成物
AERODISP(登録商標)W 7622(AEROSIL(登録商標)(粒径100nm及び表面積300m2/gを有するヒュームドシリカ)の低粘度で、僅かにアルカリ性の水性分散液)を、高速剪断羽根を有するDISPERMAT(登録商標)ミキサーを用い、1200/minの剪断速度で、CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)と結合させた。AERODISP(登録商標)とCELVOL(登録商標)523との割合を、この組成物中のヒュームドシリカとポリビニルアルコールとの質量比が6.67:1になるように選択した。
【0040】
例2
アルカリ性ヒュームドシリカ(粒径120nm)分散液を有する組成物
AERODISP(登録商標)W7520(AEROSIL(登録商標)(粒径120nm及び表面積200m2/gを有するヒュームドシリカ)の低粘度で、僅かにアルカリ性の水性分散液)を、高速剪断羽根を有するDISPERMAT(登録商標)ミキサーを用い、1200/minの剪断速度で、CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)と結合させた。AERODISP(登録商標)とCELVOL(登録商標)523との割合を、組成物中のヒュームドシリカとポリビニルアルコールとの質量比が6.67:1になるように選択した。
【0041】
例3
酸性ヒュームドシリカ(粒径180nm)分散液を有する組成物
AERODISP(登録商標)W7215S(AEROSIL(登録商標)(粒径180nm及び表面積90m2/gを有するヒュームドシリカ)の低粘度で、僅かに酸性の水性分散液)を、高速剪断羽根を有するDISPERMAT(登録商標)ミキサーを用い、1200/minの剪断速度で、CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)と結合させた。AERODISP(登録商標)とCELVOL(登録商標)523との割合を、組成物中のヒュームドシリカとポリビニルアルコールとの質量比が6.67:1になるように選択した。
【0042】
例4
コロイドシリカ分散液を有する組成物
CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)を、次の5種のコロイドシリカ分散液:IJ935(Akzo Nobelから得られる);NYACOL(商標)1430(Nyacol Nanotechnologies,Inc.から得られる);BINDZIL(商標)30/60(Akzo Nobelから得られる);LUDOX(商標)HS40(Grace Divisionから得られる);LUDOX(商標)SM30(Grace Devisionから得られる)の1種と結合させることにより、5種の異なる組成物を製造した。ポリビニルアルコールとコロイドシリカとの割合を、各組成物中のコロイドシリカとポリビニルアルコールとの質量比が6.67:1になるように選択した。コロイドシリカを、高速剪断羽根を有するDISPERMAT(登録商標)ミキサーを用い、1200/minの剪断速度で、ポリビニルアルコールと結合させた。
【0043】
例5
沈降シリカ分散液を有する組成物
SIPERNAT(登録商標)22S、高い液体吸収力を有する微細粒状沈降シリカを、高速剪断羽根を有するDISPERMAT(登録商標)ミキサーを用い、1200/minの剪断速度で、CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)と結合させた。SIPERNAT(登録商標)22SとCELVOL(登録商標)523との割合を、組成物中の沈降シリカとポリビニルアルコールとの質量比が6.67:1になるように選択した。
【0044】
例6
褐色クラフトライナー紙への例1の組成物の適用
紙の表面上に分散されたヒュームドシリカの量が8.6g/m又は13.3g/mになるように、#5又は#15ワイヤロッドを用いて褐色クラフトライナー紙(75#)を塗工するために、例1の組成物を使用した。第1表中に、非塗工紙と比較した、塗工された紙のL、a及びb値が存在する。非塗工紙のb値10.55及びL値61.94及びCELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)で塗工されているがシリカで塗工されていない紙のb値12.23及びL値56.68と比べて、13.3g/mでシリカ塗工された紙は、b値2.05及びL値68.71を有した。非塗工紙、ポリビニルアルコール(CELVOK(登録商標)523)で塗工されたがシリカで塗工されていない紙及び例1の組成物(W7622)13.3g/mで塗工された紙のL及びb値が、図1(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0045】
ヒュームドシリカで塗工された紙の低いb値は、シリカ塗膜がクラフト紙に、より低い黄味色相とより高い青味色相を与えたことを示している。塗工された紙は、非塗工紙よりも肉眼的に有意により白かった。塗工された紙のL、a及びb値(三重に測定)の結果が第1表中に示されている。
【0046】
第1表
【表1】

【0047】
例7
褐色クラフトライナー紙への例2の組成物の適用
紙の表面上に分散されたヒュームドシリカの量が8.0g/m又は11.7g/mになるように、#5又は#15ワイヤロッドを用いて褐色クラフトライナー紙を塗工するために、例2の組成物を使用した。非塗工紙と比較して、塗工された紙のL、a及びb値が第2表中に示されている。非塗工紙のb値10.55及びL値61.94及びCELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)で塗工されているがシリカで塗工されていない紙のb値2.23及びL値56.68と比べて、11.7g/mで塗工された紙は、b値2.22及びL値69.45を有した。非塗工紙、ポリビニルアルコール(CELVOL(登録商標)523)で塗工されたがシリカで塗工されていない紙及び例2の組成物(W7520)111.7g/mで塗工された紙のL及びb値が、図1(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0048】
ヒュームドシリカで塗工された紙の低いb値は、シリカ塗膜がクラフト紙に、より低い黄味色相及びより高い青味色相を与えたことを示していた。塗工された紙は、非塗工紙よりも肉眼的に有意により白かった。塗工された紙のL、a及びb値(三重に測定)の結果が第2表中に示されている。
【0049】
第2表
【表2】

【0050】
例8
褐色クラフトライナー紙への例3の組成物の適用
紙の表面上に分散されたヒュームドシリカの量が8.5g/m又は10.7g/mになるように、#5又は#15ワイヤロッドを用いて褐色クラフトライナー紙を塗工するために、例3の組成物を使用した。非塗工紙と比較して、塗工された紙のL、a及びb値が第3表中に示されている。非塗工紙のb値10.55及びL値61.94及びCELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)で塗工されているがシリカで塗工されていない紙のb値12.23及びL値56.68と比べて、10.7g/mで塗工された紙は、b値2.05及びL値68.71を有した。非塗工紙、ポリビニルアルコール(CELVOL(登録商標)523)で塗工されたがシリカで塗工されていない紙及び例3の組成物(W7215S)10.7g/mで塗工された紙のL及びb値が、図1(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0051】
ヒュームドシリカで塗工された紙の低いb値は、シリカ塗膜がクラフト紙により低い黄味色域及びより高い青味色域を与えたことを示している。塗工された紙は、非塗工紙よりも肉眼的に有意により白かった。第3表中に、塗工された紙のL、a及びb値(三重に測定)の結果が示されている。
【0052】
第3表
【表3】

【0053】
例9
褐色クラフトライナー紙への例4の組成物の適用
#5又は#15ワイヤロッドを用いて褐色クラフトライナー紙を塗工するために、例4の組成物を使用した。LUDOX(登録商標)HS40、LUDOX(登録商標)SM30又はNYACOL(登録商標)1450で塗工された紙からの値を平均した。CELVOLのb値12.23及びL値56.68及び非塗工紙のb値10.55及びL値61.94と比べて、これら3種の塗膜の平均塗布質量は9.4g/mであり、平均b値11.23及び平均L値61.36を有した。
【0054】
コロイドシリカ組成物は、塗工された紙のb値を有意に低下しなかった。コロイドシリカで塗工された紙は、非塗工紙又はCELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)で塗工されたがシリカで塗工されていない紙よりも肉眼的に有意に白くはなかった。
【0055】
IJ935(Akzo Nobelから入手);NYACOL(商標)1430(Nyacol Nanotech-nologies.Inc.から入手)、LUDOX(商標)HS40(Grace Divisionから入手);又はLUDOX(商標)SM30(Grace Divisionから入手)を含有している例4の組成物で塗工された紙のL、b*及びa値(三重に測定)の結果が第4表〜第7表中に示されている。
【0056】
第4表
【表4】

【0057】
第5表
【表5】

【0058】
第6表
【表6】

【0059】
第7表
【表7】

【0060】
非塗工紙、ポリビニルアルコールで塗工されているがシリカで塗工されていない紙(CELVOL(登録商標)23)及びコロイドシリカ9.4g/m(LUDOX(商標)HS40、LUDOX(登録商標)SM30及びNYACOL(登録商標)1450からの平均値)で塗工された紙のL及びb値が、図1(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0061】
例10
褐色クラフトライナー紙への例5の組成物の適用
紙の表面上に分散されたヒュームドシリカの量が11.1g/mになるように、#5ワイヤロッドを用いて褐色クラフトライナー紙を塗工するために、例5の組成物を使用した。非塗工紙と比比較された塗工された紙のL、a及びb値が、第8表中に示されている。非塗工紙のb値10.55及びL値61.94及びCELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)で塗工されているがシリカで塗工されていない紙のb値12.23及びL値56.68と比べて、11.1g/mで、塗工された紙は、b値0.95及びL値71.02を有した。非塗工紙、ポリビニルアルコール(CELVOL(登録商標)523)で塗工されたがシリカで塗工されていない紙及び例5の組成物(SIPERNAT(登録商標)22S)11.1g/mで塗工された紙のL及びb値が、図1(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0062】
沈降シリカで塗工された紙の低いb値は、シリカ塗膜がクラフト紙に、より低い黄味色相及びより高い青味色相を与えたことを示している。塗工された紙は、非塗工紙よりも肉眼的に有意により白かった。塗工された紙のL、a及びb値(三重に測定)の結果が第8表中に示されている。
【0063】
第8表
【表8】

【0064】
例11
非塗工クラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、かつ次の設定:Glossy Photo/Best Photo/Enhance/Unidirectionalを用いて、非塗工褐色クラフトライナー紙(75#)上にインキジェット印刷した。
【0065】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第9表中に示されている。
【0066】
第9表
【表9】

【0067】
非塗工紙(非塗工クラフトライナー)上に印刷されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインキの平均学濃度が、図2(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0068】
例12
ポリビニルアルコールで塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
褐色クラフトライナー紙(75#)を塗工するために、CELVOL(登録商標)523(ポリビニルアルコール)を用いた。CELVOL(登録商標)523で塗工された紙の上に、インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)をEpson Stylus Photo R200 プリンターを用い、かつ次の設定:Glossy /Photo/Best Photo/Enhance/Unidirectionalを用いて、インキジェット印刷した。
【0069】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第10表中に示されている。
【0070】
第10表
【表10】

【0071】
例13
例1の組成物で塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、紙1m当たりシリカ8.00又は11.71gの塗布質量で例1の組成物で塗工された褐色クラフトライナー紙(75#)上に、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、かつ次の設定:Glossy Photo/Best Photo/Enhance/Unidirectio-nalを用いてインキジェット印刷した。
【0072】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第11表及び第12表中に示されている。
【0073】
第11表
【表11】

【0074】
第12表
【表12】

【0075】
例1の組成物(W7622)13.3g/mで塗工された紙の上に印刷されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインキの平均光学濃度が、図2(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0076】
例14
例2の組成物で塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、紙1m当たりシリカ8.00g又は11.71gの塗布量で例2の組成物で塗工された褐色クラフトライナー紙(75#)上に、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、次の設定:Glossy Photo/Best Photo/Enhance/ Unidirectionalを用いてインキジェット印刷した。
【0077】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、かつ、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第13表及び第14表中に示されている。
【0078】
第13表
【表13】

【0079】
第14表
【表14】

【0080】
例2の組成物(W7520)11.7g/mで塗工された紙の上に印刷されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインキの平均光学濃度が、図2(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0081】
例15
例3の組成物で塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、紙1m当たりシリカ8.5又は10.7gの塗布量で、例3の組成物で塗工された褐色クラフトライナー紙(75#)上に、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、次の設定:Glossy Photo/Best Photo/Enhance/ Unidirectionalを用いてインキジェット印刷した。
【0082】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、かつ、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第15表及び第16表中に示されている。
【0083】
第15表
【表15】

【0084】
第16表
【表16】

【0085】
例3の組成物(W7215S)10.7g/mで塗工された紙の上に印刷されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインキの平均光学濃度が 図2(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0086】
例16
例4の組成物で塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、例4の組成物(IJ935、NYACOL(商標)1430、BINDZIL(商標)30/60、LUDOX(商標)HS40及びLUDOX(商標)SM30)で塗工された褐色クラフトライナー紙(75#)上に、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、次の設定:Glossy Photo/Best Photo/Enhance/Unidirectionalを用いてインキジェット印刷した。
【0087】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定し、かつ、レッド、グリーン及びブルーインキのL、a及びb値を三重に測定した。結果が第17表〜第21表中に示されている。
【0088】
第17表
【表17】

【0089】
第18表
【表18】

【0090】
第19表
【表19】

【0091】
第20表
【表20】

【0092】
第21表
【表21】

【0093】
コロイドシリカ9.4g/m(LUDOX(商標)HS40、NYACOL(商標)1430及びLUDOX(商標)SM30の平均値)(コロイド)で塗工された紙上に印刷されたブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインキの平均光学濃度が、図2(A及びB)中にもグラフで図示されている。
【0094】
例17
例5の組成物で塗工されたクラフトライナー紙上に印刷された画像
インキ(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、レッド、グリーン又はブルー)を、紙1m当たりシリカ11.1gの塗布質量で、例5の組成物で塗工された褐色クラフトライナー紙(75#)上に、Epson Stylus Photo R200プリンターを用い、次の設定:Glossy Photo/BestPhoto/Enhance/Unidirectionalを用いてインキジェット印刷した。
【0095】
シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック、レッド、グリーン及びブルーインキの光学濃度(OD)、L、a及びb値を三重に測定した。結果が第22表中に示されている。
【0096】
第22表
【表22】

【0097】
例18
例1〜5の組成物で塗工されたクラフト紙の色域
非塗工クラフトライナー、ポリビニルアルコールのみで塗工されたクラフトライナー及び例1〜5の組成物で塗工されたクラフトライナーについて、例6〜10に記載のように色域を測定した。第9表〜第22表中に、色域の値が示されている。これらの結果が、図4(A及びB)中に示されている。ヒュームドシリカ又は沈降シリカを含有している塗料組成物の各々は、非塗工クラフトライナー紙又はポリビニルアルコールで塗工されたクラフトライナー紙と比べた場合に、クラフトライナー紙の色域を本質的にほぼ4倍も増加させた(図4A)。対照的に、コロイドシリカを含有している塗料組成物は、クラフトライナー紙の色域を増加させなかったか又は非塗工クラフトライナー紙又はポリビニルアルコールで塗工されたクラフトライナー紙と比べた場合に、色域を僅かにのみ増加させた(図4B)。
【0098】
例19
ポリビニルアルコール及びシリカで塗工されたクラフト紙の摩擦係数
シリカを含有している組成物で塗工された褐色クラフト紙のピックアップ(pick-up:紙の規定面積上の乾燥された塗膜の量)及び摩擦係数を測定した。クラフトライナー紙(75#)(Ulineから入手)を、#5ワイヤ巻きロッドを用いて塗工した。シートを先ずブロー乾燥させ、次いで拘束下に乾燥させた。紙が完全に乾燥された場合に、ピック−アップを重量測定法により計算した。試料を摩擦係数テスター(TMI モデル32−25)上に載せ、TAPPIメソッドT815om−1で、2.5×2.5"の面積を有する200gスレッド(sled)を用いて試験した。
【0099】
3種の異なるタイプのポリビニルアルコール(CELVOL(登録商標)523、CELVOL(登録商標)603又はCELVOL(登録商標)08−125)の1種で塗工された紙のピック−アップ及び摩擦係数が第23表中に示されている。CELVOL(登録商標)523で、かつ次のヒュームドシリカ:W7330、W7520、W7622、W7215S、W1226;沈降シリカSIPERNAT(登録商標)22S(22S)の1種;又は次のコロイドシリカ:IJ935、N1430、BZ30/60、HS40、SM30の1種で塗工された紙のピック−アップ及び摩擦係数が第24表中に示されている。第23表中の括弧の中の数値は、各々の組成物中のシリカとポリビニルアルコールとの比を表している。各々5回測定された、3つの別々の試料の平均が第23表及び第24表中に示されている。各々の塗膜について、測定値の標準偏差は、摩擦係数に関しては0.02〜0.04であり(2d.p.)、ピック−アップに関しては0.06〜2.98(2d.p.)であった。
【0100】
第24表中に列挙されている組成物で塗工された紙の肉眼観察の結果は、不透明で均一な層を有する紙を塗工した各々のヒュームドシリカ又は沈降シリカ組成物は、紙をより白く、かつより明るくすることを示している。これとは対照的に、コロイドシリカの各々で塗工された紙は、本質的に半透明に留まり、ポリビニルアルコールのみで塗工された紙に匹敵した。
【0101】
第23表
【表23】

【0102】
第24表
【表24】

【0103】
ここに引用されている全ての特許、刊行物及び参考文献は、この際、参考として完全に考慮されている。本発明の明細書記載と考慮された特許、刊行物及び参考文献との間に矛盾がある場合には、本発明の記載を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1A及びIBは、シリカを含有している種々の組成物で塗工されたクラフト紙のL及びb値を示している図表である。
【図2】図2A及び2Bは、シリカを含有している種々の組成物で塗工されたクラフト紙上に印刷された黒又は着色インキの光学濃度を示している図表である。
【図3】図3は、シリカを含有している種々の組成物で塗工された紙の種々の静的係数を示している図表である。
【図4】図4A及び4Bは、シリカを含有している種々の組成物で塗工された紙の色域を示している図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカを含有している塗膜で塗工された着色紙を有している、塗工された基材。
【請求項2】
塗膜は不透明である、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項3】
塗膜は着色紙のL白色度を少なくとも約2だけ増加させる、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項4】
塗膜は着色紙のb値を少なくとも約2だけ減少させる、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項5】
塗膜は更にバインダを含有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項6】
塗膜はシリカとバインダとの比少なくとも約0.25:1を有している、請求項5に記載の塗工された基材。
【請求項7】
バインダはポリビニルアルコールを含有し、塗膜は更にポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を含有している、請求項5に記載の塗工された基材。
【請求項8】
着色紙はクラフト紙を有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項9】
着色紙は、約90%を下回るGE明度を有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項10】
着色紙は、非漂白セルロース繊維を有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項11】
シリカは、沈降シリカ又はヒュームドシリカを含有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項12】
塗膜は、基材1m当たりシリカ約15gを下回る塗布質量を有する、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項13】
塗膜は、基材の摩擦係数を少なくとも約0.2だけ増加させる、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項14】
塗工された基材が、箱、袋及びバッグから選択される包装材料中に混合されている、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項15】
更に、塗工された基材上に印刷された画像を有している、請求項1に記載の塗工された基材。
【請求項16】
画像が、インキジェットプリンターによって形成されている、請求項15に記載の塗工された基材。
【請求項17】
画像は、塗膜を有しない同じ着色紙上に印刷された同じ画像と比べて、少なくとも約5ミクロンのブリードの減少、少なくとも約5ミクロンのウイッキングの減少、少なくとも約2ミクロンの線不揃い性の減少、少なくとも約0.05の光学濃度の増加及びこれらの組み合わせを示す、請求項15に記載の塗工された基材。
【請求項18】
画像が、塗膜を有しない同じ着色紙上に印刷された同じ画像と比べて、少なくとも約50%の増加した色域を示す、請求項15に記載の塗工された基材。
【請求項19】
ヒュームド金属酸化物を含有している塗膜で塗工された着色紙を有している、塗工された基材。
【請求項20】
塗膜は不透明である、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項21】
塗膜は、着色紙のL白色度を少なくとも約2だけ増加させる、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項22】
塗膜は、着色紙のb値を少なくとも約2だけ減少させる、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項23】
着色紙は、クラフト紙又は非漂白セルロース繊維を含有している、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項24】
塗工された基材が、箱、袋及びバッグから選択される包装材料中に混合されている、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項25】
塗膜は、基材の摩擦係数を少なくとも約0.2だけ増加させる、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項26】
更に、塗工された基材上に印刷された画像を有している、請求項19に記載の塗工された基材。
【請求項27】
画像は、塗膜を有しない同じ着色紙上に印刷された同じ画像と比べて、少なくとも約5ミクロンのブリードの減少、少なくとも約5ミクロンのウイッキングの減少、少なくとも約2ミクロンの線不揃い性の減少、少なくとも約0.05の光学濃度の増加、少なくとも約50%の色域の増加から選択される1特性及びこれらの組み合わせを示す、請求項26に記載の塗工された基材。
【請求項28】
シリカ又はヒュームド金属酸化物を含有している分散液を有する組成物を、着色紙に適用することからなる、塗工された基材を製造する方法。
【請求項29】
組成物は更にバインダを含有している、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
組成物はヒュームドシリカの水性分散液を含有している、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
着色紙はクラフト紙である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
組成物は着色紙のL白色度を少なくとも約2だけ増加させる、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−528458(P2009−528458A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557465(P2008−557465)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/062888
【国際公開番号】WO2007/101203
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508260728)エボニック デグサ コーポレーション (4)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa Corporation
【住所又は居所原語表記】379 Interpace Parkway, P.O.Box 677, Parsippany, New Jersey 07054−0677, United States of America
【Fターム(参考)】