説明

印刷方法

【課題】成形時に延伸される部分において見た目が変化せず、高品質な外観を有する成形体とすることが可能な印刷物の印刷方法を提供する。
【解決手段】型押しすることで表面が加飾された成形体を形成するために用いる、成形体の装飾に対応した図柄が印刷された印刷物の印刷方法であって、成形体の立体形状を示す3次元データに基づいて、複数の高さ位置における、高さ方向に垂直な平面による成形体の断面形状の輪郭を抽出するステップと、3次元データで示される成形体における、高さ方向に平行な視野での複数の輪郭同士の重なりを検出し、輪郭同士の重なりに基づいて成形体の側壁の高さを算出するステップと、図柄において相対的に高い側壁に対応する部分ほど図柄の印刷に用いるインク量が多くなるように、図柄の印刷用データを作成するステップと、印刷用データに基づいて樹脂製の印刷物の基体に印刷するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法に関するものであり、詳しくは、型押しすることで表面が加飾された成形体を形成するために用いる、加飾された成形体に対応する図柄が印刷された印刷物の印刷方法である。
【背景技術】
【0002】
従来、図柄が印刷されたシート状の印刷物を変形させることで、表面が加飾された成形体を形成する技術が知られている。例えば、樹脂製の基体に図柄が印刷された印刷物を加熱して軟化させ、一対の金型で挟むプレス加工を行うことにより、金型の形状に沿った成形物を形成することができる。このような成形物の表面には、元の印刷物の図柄に基づいた加飾が成されている。他にも、特許文献1に示すように、射出成形時に金型の内部に印刷物を封入し、射出成形による立体物の成形と同時に立体物の表面に印刷物を貼り付け、成形物の表面を加飾する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−122976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平面的に図柄が印刷された印刷物を変形させるという形成方法では、印刷物の基体や、基体表面に塗布されたインクの塗膜が変形し延伸される。具体的には、印刷物から印刷物の法線方向に盛り上がって形成される成形物では、成形物の側壁は印刷物を該印刷物の法線方向に引き延ばして形成するため、塗膜が薄厚化される。
【0005】
成形物において塗膜が薄厚化された部分では、引き延ばす前と後で塗膜の見た目が変化してしまい、側壁において設計した色を再現しない場合がある。例えば、成形物の側壁と該側壁と連続する成形物の頂面とが同じ色となるように設計したとしても、塗膜が引き延ばされることによって見た目が変化すると、側壁と頂面との見た目が異なってしまい、所望の加飾を行うことができない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、型押しすることで表面が加飾された成形体を形成するために用いる印刷物について、例えば、成形体の側壁部分のような、成形時に延伸される部分において見た目が変化せず、高品質な外観を有する成形体とすることが可能な印刷物の印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の印刷方法は、型押しすることで表面が加飾された成形体を形成するために用いる、前記成形体の装飾に対応した図柄が印刷された印刷物の印刷方法であって、前記成形体の立体形状を示す3次元データに基づいて、高さ方向の複数の位置における、前記高さ方向に直交する平面による前記成形体の断面形状の輪郭を抽出するステップと、前記3次元データで示される前記成形体における、前記高さ方向に平行な視野での複数の前記輪郭同士の重なりを検出し、前記輪郭同士の重なりに基づいて前記成形体の側壁の高さを算出するステップと、印刷に用いるインクの塗膜の膜厚と前記塗膜の色との関係に基づいて、前記図柄において相対的に高い側壁に対応する部分ほど、前記図柄の印刷に用いるインク量が多くなるように、前記図柄の印刷用データを作成するステップと、前記印刷用データに基づいて樹脂製の前記印刷物の基体に印刷するステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、目的とする成形体の側壁の高さ情報を含む印刷用データを作成することで、印刷物において、成形体を形成する際の変形により延伸される部分に選択的に多くのインクを塗布して、塗膜を厚膜化しておくことができる。塗膜の膜厚は、印刷に用いるインクの塗膜の膜厚と前記塗膜の色との関係に基づいて規定されるため、成形体を形成した場合にも見た目が変化せず、高品質な外観を有する成形体とすることが可能な印刷物を印刷することができる。
【0009】
本発明においては、液滴吐出法によって印刷を行い、前記印刷用データは、印刷に用いるインクの吐出位置である画素および前記インクの吐出量を定めるビットマップデータであり、前記印刷用データを作成するステップは、前記ビットマップデータにおいて、前記側壁に対応する画素に隣り合う画素から、所定の画素数離れた画素までの範囲に含まれる画素に対し、前記側壁に対応する画素を除く前記範囲に含まれない画素に配置されるインク量よりも多く、且つ前記側壁に対応する画素に配置されるインク量よりも少なくなるように、前記範囲に含まれる画素に吐出するインク量を定めることが望ましい。
【0010】
成形体の形成時における印刷物の変形によって、最も延伸されるのは成形体の側壁に対応する部分であるが、側壁に対応する部分の周囲も多少の延伸を伴う。そのため、側壁に対応する部分の周縁においても塗布するインク量を増量させておくことで、側壁に隣接する部分での見た目の変化を抑制し、より高品質な外観を有する成形体とすることが可能な印刷物を印刷することができる。
【0011】
本発明においては、前記輪郭を抽出するステップでは、前記複数の位置同士の間隔が等間隔であることが望ましい。
この方法によれば、規則的な輪郭抽出処理によって、種々の立体形状の成形体を作成するための印刷用データの作成を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による印刷物を用いて成形体を成形する工程の説明する図である。
【図2】本発明の印刷方法における各処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の印刷方法における処理を説明する説明図である。
【図4】本発明の印刷方法における処理を説明する説明図である。
【図5】本発明の印刷方法における処理を説明する説明図である。
【図6】本発明の印刷方法における処理を説明する説明図である。
【図7】塗膜の膜厚と塗膜の色との関係を説明する説明図である。
【図8】本発明の印刷方法における処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る印刷方法について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
【0014】
本発明の印刷方法で印刷する印刷物は、具体的には、樹脂製の基体に塗料を塗布して図柄を印刷したものであり、代表的にはプレス成形により変形され、表面が加飾された成形体を形成するために用いる。以下の説明においては、まず図1において、本発明の印刷方法で印刷された印刷物を用いて成形体を得る成形加工について説明した後に、図2〜図6を用いて本発明の印刷方法について説明する。
【0015】
図1は、成形体を成形する工程について説明する図である。図に示すように、本発明の印刷方法により得られる印刷物1は、加熱により軟化され(図1(a))、凸型2と不図示の凹型とを有する一対の金型で、軟化された印刷物1を挟むプレス加工により変形され(図1(b))、不要な部分が除去(トリミング)されることにより、金型の形状が転写された成形体3となる(図1(c))。ここでは成形体3が、直方体の基台10の上面に、台形錘状の凸部11と、円柱状の凸部12と、が設けられた形状であることとする。
【0016】
このような成形を行う場合、図に示す成形体3における凸部11,12の側壁11x,12xは、元の印刷物1を印刷物1の法線方向に引き延ばして成形することとなる。そのため、印刷物1の表面の塗膜も引き延ばされ薄厚化される。その場合、側壁11x,12xの色が、印刷物1における対応箇所の色を再現せず、所望の加飾ができないおそれがある。
【0017】
そのため、以下に説明する本発明の印刷方法では、得られる印刷物において側壁に対応する部分の塗膜を厚くし、変形によって塗膜が薄厚化しても、見た目の変化が抑制されることとしている。
【0018】
図2は、本発明の印刷方法における各処理を示すフローチャートであり、図3〜図7は印刷方法の各処理の説明図である。以下の説明においては、図2のフローチャートの流れに従い、図3〜6を用いて本発明の印刷方法について説明する。
【0019】
まず、図1に示す成形体3の立体形状を示す3次元データを複数の高さ位置でスライス処理し、成形体3の高さ方向に垂直な平面による断面形状を求める(ステップS1)。
【0020】
成形体3の3次元データについては、成形体3のクレイモデルを非接触カメラ撮影式の3次元計測器や接触式3次元計測器などを用いて作成することができる。または、図1に示す凸型2を作成する際の元データを、成形体3の3次元データとして用いることとしても良い。
【0021】
このような3次元データに基づいて、3D−CADソフトなどを用い、複数の高さ位置でスライス処理を行い、成形体3の断面形状を抽出する。
【0022】
まず図3(a)に示すように、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向としたxyz直交座標系を設定する。そして、xy平面と平行な面である基準面RPに3次元データが示す成形体Dを配置した場合の、基準面RPの法線方向(z軸方向)を、3次元データが示す成形体Dの高さ方向とし、基準面RPと平行な面Pによる成形体Dの断面形状を求める。
【0023】
スライス処理をする高さ位置の数は、任意に設定することができる。例えば、3次元データが示す成形体の、底面から最頂部までの高さ位置において、等間隔で任意の回数スライス処理を行うこととすることができる。または、成形体の大きさに関わらず、例えば1mm間隔でスライス処理を行うというように、スライス処理の間隔を定めておくこともできる。このスライス処理の間隔は、等間隔でないこととすることもできる。
【0024】
3次元データが示す成形体Dがソリッドモデルである場合、図3(b)に示すように、複数の断面形状が求まる。図では、成形体Dのスライス処理を等間隔で6箇所行い、基台の断面10a、凸部11の断面11a〜11e、凸部12の断面12a〜12cを画像として求めた様子を示している。断面11aと断面12aは同じ高さであり、同一の平面による断面形状となっている。同様に、断面11bと断面12b、断面11cと断面12cも同じ高さである。
【0025】
次いで、図4に示すように、ステップS1で求めた断面形状の輪郭を求める(ステップS2)。図では、基台の断面の輪郭10s、凸部11の断面の輪郭11s〜11w、凸部12の断面の輪郭12s〜12uを画像として求めた様子を示している。求められた輪郭は、各スライス面とぶつかる成形体の側壁を示している。3次元データが示す成形体Dがサーフェスモデルである場合、ステップS1のスライス処理において輪郭形状が求まるため、ステップS1とステップS2とを併合することができる。
【0026】
次いで、3次元データにおける、高さ方向に平行な視野での複数の輪郭同士の重なりを検出し、輪郭同士の重なりに基づいて3次元データが示す成形体Dの側壁の高さを算出する(ステップS3)。
【0027】
すなわち、ステップS2で求めたスライス面における輪郭の画像(スライス画像)同士の画像処理により、連続するスライス面の輪郭同士の重なり合いを検出する。前述のように、輪郭は各スライス面とぶつかる成形体の側壁を示している。換言すれば、スライス面の高さ位置における成形体の側壁を示している。そのため、連続するスライス面の輪郭同士が重なる場合、成形体の側壁が高さ方向に平行に連続していることが推認される。
【0028】
図5(a)は、図4の輪郭11s,12sが含まれるスライス画像、輪郭11t,12tが含まれるスライス画像、輪郭11u,12uが含まれるスライス画像をAND処理により合成した画像の模式図である。輪郭11s〜11uについては、互いの重なり合いがないためAND処理によって消失し、輪郭12s〜12uについては、互いに重なり合うためAND処理の後も残存している。
【0029】
このような画像処理(AND処理)によって残存する輪郭と、AND処理で重ねた層の数(図5(a)では3層)とによって、複数の輪郭同士の重なり(積層数)を検出することができる。スライス処理をする高さ位置が既知であるため、輪郭同士の積層数から側壁の高さ情報を求めることができる。
【0030】
凸部12のように側壁が基準面RPに対して斜めになっている場合には、輪郭のAND処理を行うと消失してしまうため、輪郭同士が連続している情報を使用者が入力したり、3次元データから算出したりすることで補完することとする。
【0031】
図5(b)は、ステップS2で求めたスライス画像同士をOR処理により合成した画像の模式図である。このOR処理によって得られる画像から、成形体を高さ方向から見たときの成形体の側壁の位置を検出することができる。
【0032】
次いで、印刷する図柄の中で成形体の側壁に対応する部分において、相対的に低い側壁に対応する部分よりも高い側壁に対応する部分が、印刷に用いるインク量が多くなるように、図柄の印刷用データを作成する(ステップS4)。
【0033】
図6は、印刷する図柄のビットマップデータBDを示す模式図である。ビットマップデータを作成するにあたり、ステップS3で求められた側壁の高さ情報に基づいて、図柄における側壁に対応する部分に対応するインクの塗布量を増量する。例えば、側壁の単位高さに対するインクの単位増量分を規定しておき、図柄において側壁に対応する部分では、側壁の高さ情報に基づいてインクの塗布量を増量することができる。
【0034】
図では、凸部12の頂面や基台10の上面に対応する部分のような水平面に対応する部分の画素(符号Lで例示)よりも、インクの塗布量が増加している部分の画素(符号M,Nで例示)を網掛けで図示しており、網掛けが濃い部分ほど多くのインクが塗布されるべきデータとなっていることを示している。ステップS3で求められた高さ情報から、符号Nで示される輪郭12s〜12uに対応する部分の画素は、符号Mで示される輪郭10sや輪郭11s〜11wに対応する部分の画素よりも、多くのインクが塗布されるようにビットマップデータが作成される。
【0035】
この時設定されるインクの塗布量は、形成される塗膜の膜厚と塗膜の色との関係に基づいて設定する。図7は、塗膜の膜厚と塗膜の色との関係を示す概略図であり、図7(a)は塗膜の膜厚と塗膜の彩度との関係、図7(b)は塗膜の膜厚と塗膜の明度との関係を示す。
【0036】
図7に示すように、塗膜の膜厚と塗膜の色とは密接な関係があり、塗膜の膜厚が薄くなると、塗膜の見た目が変化する。しかし、塗膜の膜厚が一定以上の厚さ(図に示す膜厚A以上)となると、彩度・明度ともに変化が実質的になくなる。すなわち、図に示す膜厚A以上の厚さであれば、塗膜の膜厚が変化しても、印刷物と印刷物から得られる成形体とで見た目は変化しないことが分かる。
【0037】
したがって、印刷物に塗布された塗膜の膜厚が、少なくとも図7に示す膜厚A以上となるように設定し、更に、図柄において側壁に対応する部分では、延伸した後の塗膜の膜厚が、図7に示す膜厚A以上を維持するような膜厚となるように、インクの塗布量を設定する。
【0038】
延伸前後の塗膜の膜厚変化は、シミュレーションで求めても良く、試験片を用いて実測することとしても良い。更に、試験片を用いて塗膜の膜厚変化を実測する場合には、延伸前後の塗膜の彩度または色相の値を測定して求めることとしても良い。塗膜の彩度や色相は、通常知られた色彩輝度計を用いて測定することができる。もちろん、試験片に代えて、成形体3の試作を行うことで必要とする塗膜の膜厚を求めることとしても構わない。
【0039】
ここで、符号M,Nで示される網掛けされた画素に隣接する画素(図中、符号Xで例示)では、水平面に対応する部分の画素であってもインクを増量するような設定を行うと良い。具体的には、ビットマップデータにおいて、例えば画素Nに隣り合う画素から、所定の画素数離れた画素までの範囲に含まれる画素に対し、該範囲に含まれない画素に配置されるインク量よりも多く、且つ画素Nに配置されるインク量よりも少なくなるように、該範囲に含まれる画素に吐出するインク量を定める。このとき、画素N側から徐々に塗布されたインク量が減少するように、インク量を定める。
【0040】
これにより、画素Nと隣接する画素に塗布されるインク量が、画素Nと比べて急激に少なくなることなく、徐々に塗布されるインク量が変化することになる。図1で示した印刷物1の変形によって最も延伸されるのは成形体3の側壁に対応する部分であるが、側壁に対応する部分の周囲も多少の延伸を伴うため、側壁に対応する部分の周縁も塗布するインク量を増量させておくと良い。
【0041】
次いで、作成したビットマップデータに基づいて、樹脂製の基体4に図柄を印刷する(ステップS5)。
【0042】
図8は、印刷の様子を示す模式図である。図に示すように、液滴吐出ヘッドIJからビットマップデータに基づいて基体4にインクを吐出し目的の印刷物を印刷する。
以上のようにして、本発明の印刷方法により目的とする印刷物を得ることができる。
【0043】
以上のような構成の印刷方法によれば、印刷物1において、成形体3を形成する際の変形により延伸される部分に選択的に多くのインクを塗布して、塗膜を厚膜化しておくことができる。そのため、成形体3を形成した場合にも見た目が変化せず、高品質な外観を有する成形体3とすることが可能な印刷物1を印刷することができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、一対の金型でプレスすることにより中空の成形体3を形成することとしたが、これに限らず、凸型の代わりに凸形状を有する樹脂を用いることで、樹脂表面に成形体3を付着させ、表面が加飾された成形体とすることもできる。
【0045】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…印刷物、3…成形体、4…基体、10a,11a〜11e,12a〜12c…断面、10s,11s〜11w,12s〜12u…輪郭、BD…ビットマップデータ(印刷用データ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型押しすることで表面が加飾された成形体を形成するために用いる、前記成形体の装飾に対応した図柄が印刷された印刷物の印刷方法であって、
前記成形体の立体形状を示す3次元データに基づいて、高さ方向の複数の位置における、前記高さ方向に直交する平面による前記成形体の断面形状の輪郭を抽出するステップと、
前記3次元データで示される前記成形体における、前記高さ方向に平行な視野での複数の前記輪郭同士の重なりを検出し、前記輪郭同士の重なりに基づいて前記成形体の側壁の高さを算出するステップと、
印刷に用いるインクの塗膜の膜厚と前記塗膜の色との関係に基づいて、前記図柄において相対的に高い側壁に対応する部分ほど、前記図柄の印刷に用いるインク量が多くなるように、前記図柄の印刷用データを作成するステップと、
前記印刷用データに基づいて樹脂製の前記印刷物の基体に印刷するステップと、を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
液滴吐出法によって印刷を行い、
前記印刷用データは、印刷に用いるインクの吐出位置である画素および前記インクの吐出量を定めるビットマップデータであり、
前記印刷用データを作成するステップは、前記ビットマップデータにおいて、前記側壁に対応する画素に隣り合う画素から、所定の画素数離れた画素までの範囲に含まれる画素に対し、前記側壁に対応する画素を除く前記範囲に含まれない画素に配置されるインク量よりも多く、且つ前記側壁に対応する画素に配置されるインク量よりも少なくなるように、前記範囲に含まれる画素に吐出するインク量を定めることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
前記輪郭を抽出するステップでは、前記複数の位置同士の間隔が等間隔であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate