説明

印刷装置、情報処理装置、印刷装置の制御方法、情報処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】印刷装置側の操作に応じて、可能な限り情報処理装置で生成された、印刷装置の状態または設定を印刷するためのデータを用いて印刷を行い、情報処理装置で生成されたデータを用いて印刷ができない場合でも、印刷装置自身で印刷装置の状態または設定を簡易的に印刷して、最低限の情報をユーザに提供すること。
【解決手段】プリンタ1500のCPU12は、ユーザからのステータス印刷指示を操作部1501から受け付けたと判断した場合、ホストコンピュータ3000と通信可能か否かを判断する。そして、ホストコンピュータ3000と通信可能と判断した場合、ステータス印刷のためのデータをホストコンピュータ3000に要求して、ホストコンピュータ3000からステータス印刷のためのデータを受信して正規のステータス印刷の処理を行う。一方、ホストコンピュータ3000と通信不可能と判断した場合、ステータス印刷のためのデータを生成して簡易的なステータス印刷の処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置の状態または設定の印刷を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レンダリング処理をホストコンピュータ側で行うことで、プリンタのコストを抑えたホストベースプリンタが普及している。
このようなホストベースプリンタでプリンタの設定を知るためにステータスプリントを行う場合、ユーザは、プリンタに接続されているホストコンピュータのユーティリティを操作する。
【0003】
他方、ユーザがプリンタの目の前にいて、プリンタの設定を確認するために、プリンタ側の操作でステータスプリントを実行したいというニーズがある。
【0004】
特許文献1では、ホストコンピュータに生成させたステータスプリント用の印刷データを、プリンタに保持させておき、ユーザからステータスプリントの指示があったときに、該保持しているステータスプリント用の印刷データを用いてステータスプリントを実行する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−41018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、プリンタに、ホストコンピュータ側で生成されたステータスプリント用の印刷データを常時保持しておくためのメモリが必要であり、プリンタのコストアップに繋がってしまう。
【0007】
また、上記従来技術では、ホストコンピュータにステータスプリント用の印刷データを生成させるため、ホストコンピュータが接続していない状態あるいはホストコンピュータと通信できない状態では印刷データの生成ができず、ステータスプリントを実行することができない。
【0008】
なお、ホストベースプリンタは、コストの制約上、使用できるフォントが少ない。このため、ホストベースプリンタ側だけでステータスプリントを実現しようとすると、限られた情報だけの簡易的なステータスプリントしか行うことができない。
【0009】
ホストベースプリンタで使用できるフォントの制約上、数字を含むわずかな種類の文字しか印刷できないため、簡易的なステータスプリントではIPアドレスやMacアドレスなどの英数字しか印刷できない場合がある。ユーザは正規のステータスプリントのように多くの項目についてプリンタの設定や状態を確認したい場合がある。しかし、簡易的なステータスプリントでは、ユーザが確認したい項目の情報が印刷されておらず、ユーザがプリンタの状態を十分に確認することが困難な場合がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、印刷装置側の操作に応じて、可能な限り情報処理装置で生成された、印刷装置の状態または設定を印刷するためのデータを用いて印刷を行い、情報処理装置で生成されたデータを用いて印刷ができない場合でも、印刷装置自身で印刷装置の状態または設定を簡易的に印刷して、最低限の情報をユーザに提供することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る印刷装置は、前記印刷装置の状態または設定の印刷指示をユーザから受け付ける受付手段と、情報処理装置と通信可能か否かを判断する判断手段と、前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求して、前記情報処理装置によって生成されたデータを前記情報処理装置から受信する通信手段と、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成手段と、前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記通信手段が受信したデータを用いて印刷処理を行い、前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信不可能と判断された場合、前記生成手段が生成したデータを用いて印刷処理を行う印刷処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷装置側の操作に応じて、可能な限り情報処理装置で生成された、印刷装置の状態または設定を印刷するためのデータを用いて印刷を行い、情報処理装置で生成されたデータを用いて印刷ができない場合でも、印刷装置自身で印刷装置の状態または設定を簡易的に印刷して、最低限の情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示す印刷装置と情報処理装置から構成される印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の印刷システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施例のホストコンピュータ3000側の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施例のプリンタ1500側の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】ステータスプリントの一例を示す図である。
【図6】簡易的なステータスプリントの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す印刷装置と情報処理装置から構成される印刷システムの構成の一例を示すブロック図である。図1は、ホストコンピュータ3000のハードウェアとプリンタ1500のハードウェアを示す。
図1において、プリンタ(印刷装置)1500は、ホストコンピュータ3000(情報処理装置)と通信可能に接続されている。プリンタ1500は、ホストコンピュータ3000側でレンダリング処理を行うことでプリンタのコストを抑えたホストベースプリンタである。なお、図1では、1台のホストコンピュータ3000がプリンタ1500に接続されているように示してあるが、複数のホストコンピュータ3000がプリンタ1500に接続されていてもよい。
【0015】
ホストコンピュータ3000は、CPU1を備える。CPU1は、ROM3のプログラム用ROM又は外部メモリ11に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス4に接続される各デバイスを総括的に制御する。また、CPU1は、外部メモリ11等に記憶された文書処理等のアプリケーションプログラムに基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行する。
【0016】
また、ROM3のフォント用ROM又は外部メモリ11は、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶する。また、ROM3のデータ用ROM又は外部メモリ11は、上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。
【0017】
RAM2は、CPU1の主メモリ、ワークエリアとして機能する。
キーボードコントローラ(KBC)5は、キーボード9や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。ディスプレイコントローラ(DSPC)6は、LCD等のディスプレイ10の表示を制御する。
【0018】
外部メモリコントローラ(DKC)7は、外部メモリ11とのアクセスを制御する。外部メモリ11は、例えば、ハードディスク(HD)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはフラッシュEEPROM等で構成される。外部メモリ11には、ブートプログラム、オペレーティングシステム、種々のアプリケーションプログラム、プリンタセレクタやネットワークプリンタドライバのプログラム等の各種プログラムや、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等の各種データ等が記憶されている。
【0019】
外部インタフェースコントローラ(外部I/F C)8は、所定の双方向インタフェース21を介してプリンタ1500に接続されて、プリンタ1500との通信制御処理を実行する。なお、双方向インタフェース21は、USB I/Fでも、Network I/Fでも、有線であっても、無線であっても、ホストコンピュータ3000とプリンタ1500を接続可能な双方向インタフェースであればその他のインタフェースであってもよい。
【0020】
なお、CPU1は、例えばRAM2上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、ディスプレイ10上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU1は、ディスプレイ10上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。
【0021】
次に、プリンタ1500について説明する。
CPU12は、ROM13のプログラム用ROM又はハードディスク23に記憶された制御プログラム等に基づいてシステムバス15に接続される各種のデバイスとのアクセスを総括的に制御し、印刷部インタフェース16を介して接続される印刷部(プリンタエンジン)17に出力情報としての画像信号を出力する。なお、印刷部17は、どのような印刷方式のものでもよい。例えば、インクジェット式でも、昇華型でも、電子写真方式であってもよい。
【0022】
ROM13のフォント用ROMには、上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等を記憶する。ROM13のデータ用ROMには、ハードディスク23等の外部記憶装置が備えられていないプリンタの場合には、ホストコンピュータ3000上で利用される各種特性情報等が記憶されている。
【0023】
CPU12は、外部インタフェースコントローラ(外部I/F C)18を介してホストコンピュータ3000との通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ3000に通知可能に構成されている。
【0024】
外部インタフェースコントローラ(外部I/F C)18は、所定の双方向インタフェース21を介してホストコンピュータ3000に接続されて、ホストコンピュータ3000との通信制御処理を実行する。
RAM19は、CPU12の主メモリ、ワークエリア等として機能する。RAM19は、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM19は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。なお、RAM19内のNVRAM領域(不揮発性の記憶領域)には、プリンタ1500のプリンタ情報(ステータスプリントにて印刷されるようなプリンタの設定や状態を示す情報を含む)が記憶されているものとする。
【0025】
ハードディスク(HD)23は、ディスクコントローラ(DKC)22によりアクセスを制御される。ハードディスク23は、ソリッドステートドライブ(SSD)等であってもよい。
【0026】
外部メモリ14は、ICカード等であり、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される。外部メモリ14は、オプションとしてプリンタ1500に接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。
【0027】
操作部(操作パネル)1501は、操作のためのスイッチおよびLED表示器等が配されている。また、操作部1501には、ユーザがステータスプリントの実行を指示するための(即ち、ユーザからのステータ印刷指示を受け付けるための)、ステータスプリント要求ボタン1502が設けられている。
【0028】
図2は、本発明の印刷システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
アプリケーション101は、作成したデータを印刷データ生成部102に渡す。アプリケーション101はCPU1によって実行される。印刷データ生成部102は、アプリケーション101から受け取ったデータから印刷データを生成して、印刷データ転送部103に渡す。CPU1が制御プログラムに従って、印刷データ生成部102として機能する。
【0029】
印刷データ転送部103は、定期的にプリンタ1500からプリンタステータスを取得し、該取得したステータスを見て、オンライン処理、オフライン処理、印刷データのプリンタ1500への転送を行う。また、印刷データ転送部103は、ステータスプリントの実行が確定すると、プリンタ1500からプリンタ情報を取得し、ステータスプリント生成部104に渡す。外部インタフェースコントローラ8が、印刷データ転送部103の有する機能のうち、ホストコンピュータ3000と通信する機能を担う。また、CPU1が制御プログラムに従って、印刷データ転送部103の一部として機能する。例えば、CPU1が、プリンタ1500に送信すべき印刷データやコマンドを生成し、外部インタフェースコントローラ8がその印刷データやコマンドをプリンタ1500に送信する。また、外部インタフェースコントローラ8がプリンタ1500から情報を受信し、CPU1がその情報を処理する。
【0030】
ステータスプリント生成部104は、印刷データ転送部103から取得したプリンタ情報から、ステータスプリント用の印刷データを生成し、印刷データ転送部103に渡す。印刷データ転送部103は、ステータスプリント生成部104から受け取ったステータスプリント用の印刷データをプリンタ1500へ転送する。CPU1が制御プログラムに従って、ステータスプリント生成部104として機能する。
【0031】
次に、プリンタ1500の機能構成について説明する。
通信部105は、ホストコンピュータ3000からのコマンド受信、プリンタステータスやプリンタ情報のホストコンピュータ3000への送信を行っている。外部インタフェースコントローラ18が通信部105として機能する。
【0032】
ステータスプリント種別決定部106は、操作部1501(図1)からステータスプリント要求ボタン1502が押下され、ホストコンピュータ3000と通信可能と判断すると、ホストコンピュータ3000からのステータス取得コマンドの受信に応じて、プリンタステータスに、ステータスプリント要求フラグをセットし、通信部105を経由して、ホストコンピュータ3000に通知する。CPU12が制御プログラムに従って、ステータスプリント種別決定部106として機能する。なお、上記ステータスプリント要求フラグは、ステータスプリント要求ボタン1502により、ユーザからのステータスプリントの指示を受け付けたことをホストコンピュータ3000に通知するためのフラグである。さらに、ステータスプリント種別決定部106は、ホストコンピュータ3000から受信するステータスプリント生成可能コマンドに応じて、ステータスプリントの種別を、正規のステータスプリントに決定する。
【0033】
また、ステータスプリント種別決定部106は、操作部1501(図1)からステータスプリント要求ボタン1502が押下され、ホストコンピュータ3000と通信不可能と判断すると、ステータスプリントの種別を、簡易的なステータスプリントに決定する。
【0034】
即ち、ステータスプリント種別決定部106は、ユーザからのステータス印刷要求を受け付けると、ホストコンピュータ3000と通信可能か不可能か等に応じて、ホストコンピュータ3000から受信するステータス印刷の印刷データを用いて正規のステータス印刷の処理を行う第1ステータス印刷処理か、ROM13のフォント用ROMから取得するフォントステータス印刷を行うためのフォントを用いて簡易的なステータス印刷の処理を行う第2ステータス印刷処理かを決定する。
【0035】
なお、ステータスプリント種別決定部106は、正規のステータスプリントを実行すると決定した場合、通信部105を経由してホストコンピュータ3000にステータスプリントの実行が確定したことを通知する。さらに、ステータスプリント種別決定部106は、ホストコンピュータ3000からのプリンタ情報取得コマンドに応じて、プリンタ情報をホストコンピュータ3000に送信する。このように、ステータスプリント種別決定部106は、ステータスプリント用の印刷データをホストコンピュータ3000に要求し、ホストコンピュータ3000からステータス印刷の印刷データを受信する(ステータス印刷用データ受信処理)。一方、ステータスプリント種別決定部106は、簡易ステータスプリントを実行すると決定した場合、簡易ステータスプリント生成部107に簡易ステータスプリント用の印刷データの生成を指示する。
【0036】
簡易ステータスプリント生成部107は、ステータスプリント種別決定部106の指示に従い、ROM13のフォント用ROMからフォントを取得し、またRAM19からプリンタ情報を取得し、これらを用いて簡易ステータスプリント用の印刷データを生成する。CPU12が制御プログラムに従って、簡易ステータスプリント生成部107として機能する。
印刷機構部108は、ホストコンピュータ3000又は簡易ステータスプリント生成部107から受け取った印刷データを印刷する。印刷機構部108が、印刷機構部108の有する機能のうち、印刷する機能を担う。また、CPU1が制御プログラムに従って、印刷データ転送部103の一部として機能する。例えば、CPU12が通信部105から印刷データを受信し、印刷部108がその印刷データに基づく印刷を実行する。
【0037】
なお、ユーザは、プリンタの目の前に居ながら、プリンタの状態を確認するために、ステータスプリントの実行を要求することがよくある。しかし、プリンタ1500のようなホストベースプリンタでは、正規のステータスプリントを行う場合、ホストコンピュータ3000が接続されている必要がある。即ち、ホストベースプリンタでは、ホストコンピュータ3000が接続されていないと、正規のステータスプリントを行うことができない。
【0038】
なお、プリンタに搭載されている最低限のフォントを用いてプリンタのみでステータスプリントを行うことが可能であるが、この場合、フォントが限られているため、項目などが限られた簡易的なステータスプリントしか行うことができない。簡易的なステータスプリントは、正規のステータスプリントと比較すると、印刷される項目が少ない(即ち、印刷されるデータ量が少ない)ものである。ユーザは正規のステータスプリントのように多くの項目についてプリンタの設定や状態を確認したい場合がある。しかし、簡易的なステータスプリントでは、ユーザが確認したい項目の情報が印刷されておらず、ユーザがプリンタの状態を十分に確認することが困難な場合がある。そのため、プリンタでは、ホストコンピュータが接続されているときは、正規のステータスプリントを実行することが望ましい。
【0039】
なお、外部メモリ14をオプション追加すること等により、フォントを追加することも可能であるが、コストアップとなってしまうため、コストを抑えたホストベースプリンタに外部メモリ14を標準で装備すること等は現実的ではない。
【0040】
本実施例では、プリンタ1500の本体パネル(操作部1501)より、ステータスプリント要求ボタン1502がユーザにより押下されると、プリンタ1500はネットワークやUSB等のインタフェース(I/F)が接続されているかどうかを確認する。そして、I/Fが接続されていない場合は、プリンタ1500は、簡易ステータスプリントのレポートを印刷する。
【0041】
一方、I/Fが接続されている場合は、プリンタ1500は、プリンタステータスに、ステータスプリント要求フラグを反映させる。そして、このプリンタステータスをプリンタ1500から取得したホストコンピュータ3000は、ステータスプリントの実行が可能であれば、可能であることをプリンタ1500に通知する。プリンタ1500は、ステータスプリントを実行可能な各ホストコンピュータ3000の中から、ステータスプリントを実行するホストコンピュータ3000を選択決定し、該決定したホストコンピュータ3000にステータスプリントの実行を依頼する。ステータスプリントの実行を依頼されたホストコンピュータ3000は、正規のステータスプリント用の印刷データを生成し、プリンタ1500に送信する。プリンタは、このステータスプリント用の印刷データを、プリンタ1500が受信して、ステータスプリント用の印刷データを印刷する。
【0042】
以上の処理により、プリンタ1500は、ホストコンピュータ3000と接続されていない場合は、簡易ステータスプリントのレポートを印刷し、ホストコンピュータ3000と接続されている場合は、正規のステータスプリントのレポートを印刷することが可能になる。
【0043】
なお、ホストコンピュータ3000において、アプリケーション101、印刷データ生成部102、印刷データ転送部103、ステータスプリント生成部104は、ホストコンピュータ3000のCPU1がROM3又は外部メモリ11にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することによりホストコンピュータ3000で実現される機能に対応する。
【0044】
なお、プリンタ1500において、通信部105、ステータスプリント種別決定部106、簡易ステータスプリント生成部107は、プリンタ1500のCPU12がROM13又はハードディスク23にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することによりプリンタ1500で実現される機能に対応する。また、印刷機構部108は、印刷部17等で構成される。
【0045】
[ホストコンピュータの動作]
以下、本実施例のホストコンピュータ3000側の詳細な処理について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
図3は、本実施例のホストコンピュータ3000側の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの各ステップ(S301〜S316)は、印刷データ転送部103とステータスプリント生成部104が処理するものである。このフローチャートに基づく処理は、ホストコンピュータ3000のCPU1がROM3又は外部メモリ11にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0047】
S301において、印刷データ転送部103は、プリンタ1500にステータス取得コマンドを送信することで、プリンタ1500から送信されるプリンタステータスを取得する(ポーリングにより問い合わせてプリンタステータスを取得する)。なお、プリンタステータスには、プリンタで発生しているエラー情報、印刷ジョブの状態、ステータスプリント要求フラグ、ステータスプリント実行確定フラグ等が含まれている。
【0048】
次に、S302において、印刷データ転送部103は、上記S301で取得したプリンタステータスにステータスプリント要求フラグが立っているかどうかを判定する。なお、ステータスプリント要求フラグは、ステータスプリント要求ボタン1502によりユーザからのステータスプリントの指示を受け付けたことをプリンタ1500からホストコンピュータ3000に通知するためのフラグである。
【0049】
そして、上記S301で取得したプリンタステータスにステータスプリント要求フラグが立っていないと判定した場合(S301でNo)、印刷データ転送部103は、S301に処理を戻す。
【0050】
一方、上記S301で取得したプリンタステータスにステータスプリント要求フラグが立っていると判定した場合(S301でYes)、印刷データ転送部103は、S303に処理を進める
S303では、印刷データ転送部103は、ステータスプリントが可能か否かを判定する。なお、ホストコンピュータ3000がメモリ容量やディスク容量が不足しているためにジョブ処理が出来ない状態の場合は、ステータスプリントが不可能と判定し、ジョブ処理が出来る状態の場合は、ステータスプリントが可能と判定する。
【0051】
そして、ステータスプリントが不可能と判定した場合(S303でNo)、印刷データ転送部103は、S301に処理を戻す。
一方、ステータスプリントが可能と判定した場合(S303でYes)、印刷データ転送部103は、S304において、ステータスプリント可能コマンドをプリンタ1500に送信する(可能情報送信処理)。なお、ステータスプリント可能コマンドは、ホストコンピュータ3000のスペック(CPU情報、メモリサイズ等のホストコンピュータ3000の性能に関する情報)、CPU使用率等のホストコンピュータ3000の処理状態に関する情報のいずれかを少なくとも含む。
【0052】
次に、S305において、印刷データ転送部103は、プリンタ1500にステータス取得コマンドを送信することで、プリンタ1500から送信されるプリンタステータスを取得する(ポーリングにより問い合わせてプリンタステータスを取得する)。
【0053】
次に、S306において、印刷データ転送部103は、上記S305で取得したプリンタステータスにステータスプリント実行確定フラグが立っているかどうか(ステータスプリントの実行が確定したかどうか)を判定する。なお、ステータスプリント実行確定フラグは、ステータス印刷のためのデータをプリンタ側からホストコンピュータに要求するためのフラグである。よって、印刷データ転送部103は、ステータス取得コマンドに応じてプリンタ1500から送信されるプリンタステータスに、ステータスプリント実行確定フラグがセットされている場合に、ステータスプリント用の印刷データの要求が確定したと認識する。
【0054】
そして、上記S305で取得したプリンタステータスにステータスプリント実行確定フラグが立っていないと判定した場合(ステータスプリントの実行が確定していないと判定した場合)(S306でNo)、印刷データ転送部103は、S301に処理を戻す。
【0055】
一方、上記S305で取得したプリンタステータスにステータスプリント実行確定フラグが立っていると判定した場合(ステータスプリントの実行が確定したと判定した場合)(S306でYes)、印刷データ転送部103は、S307に処理を進める。
【0056】
S307では、印刷データ転送部103は、プリンタ情報取得コマンドをプリンタ1500に送信することで、プリンタ1500からプリンタ情報を取得し、該取得したプリンタ情報をステータスプリント生成部104に渡す。なお、プリンタ情報には、ステータスプリントにて印刷されるプリンタの設定や状態を示す情報が含まれる。例えば、図5に示すような、オプションカセットの有無、ネットワークインタフェースの有無、Macアドレス、IPアドレス、スリープ設定、ファームウェアのバージョン等の情報が、プリンタ情報に含まれる。なお、プリンタ情報には、図5に示す情報に限定されるものではなく、プリンタの各種設定情報、例えば、拡張機能の設定、給紙の設定、レイアウトの設定、動作モードの設定、印字調整の設定、インタフェースの設定、各種状態情報、印刷剤(インクやトナー等)の残量、用紙の残量、印刷カウンタ値等の情報も含んでいてもよい。
【0057】
S308において、ステータスプリント生成部104は、印刷データ転送部103から取得したプリンタ情報と、ROM13のフォント用ROM又は外部メモリ11に記憶されたフォントとを用いて、ステータスプリント用の印刷データを生成し、印刷データ転送部103に渡す。ここでは、図5に示したような正規のステータスプリント用の印刷データが生成される。
【0058】
次に、S309において、印刷データ転送部103は、ステータスプリント生成部104から取得したステータスプリント用の印刷データをプリンタ1500に送信する(ステータス印刷用データ送信処理)。
【0059】
次に、S310において、印刷データ転送部103は、プリンタ1500にステータス取得コマンドを送信することで、プリンタ1500から送信されるプリンタステータスを取得する(ポーリングにより問い合わせてプリンタステータスを取得する)。
【0060】
次に、S311において、印刷データ転送部103は、上記S310で取得したプリンタステータスよりプリンタ1500がステータスプリントが完了しているかどうかを判定する。
【0061】
そして、プリンタ1500が既にステータスプリントが完了していると判定した場合(S311でYes)、印刷データ転送部103は、本フローチャートの処理を終了する。
【0062】
一方、プリンタ1500は未だステータスプリントが完了していないと判定した場合(S311でNo)、印刷データ転送部103は、S312に処理を進める。
S312では、印刷データ転送部103は、上記S310で取得したプリンタステータスよりプリンタ1500にエラーが発生しているかどうかを判定する。
そして、プリンタ1500にエラーが発生していないと判定した場合(S312でNo)、印刷データ転送部103は、S310に処理を戻す。
【0063】
一方、プリンタ1500にエラーが発生していると判定した場合(S312でYes)、印刷データ転送部103は、S313に処理を進める。
S313では、印刷データ転送部103は、プリンタ1500に発生したエラーが通信エラーかどうかを判定する。例えば、上記S309の印刷データの送信に失敗していると判断した場合や、上記S310でプリンタステータスを取得できなかったと判断した場合、通信エラーと判定する。
【0064】
そして、プリンタ1500に発生したエラーが通信エラーであると判定した場合(S313でYes)、プリンタ1500側での簡易ステータスプリントに切り替わるため、印刷データ転送部103は、本フローチャートの処理を終了するように制御する。
【0065】
一方、プリンタ1500に発生したエラーが通信エラーでないと判定した場合(S313でNo)、印刷データ転送部103は、S314に処理を進める。
S314では、印刷データ転送部103は、プリンタ1500に発生したエラーが解除されたかどうかを判定する。
そして、プリンタ1500に発生したエラーが解除されていないと判定した場合(S314でNo)、印刷データ転送部103は、S310に処理を戻す。
【0066】
一方、プリンタ1500に発生したエラーが解除されたと判定した場合(S314でYes)、印刷データ転送部103は、S315に処理を進める。
S315では、印刷データ転送部103は、ステータスプリント用の印刷データの再送が必要かどうかを判定する。ここで印刷データ転送部103は、エラーの種別により印刷データの再送が必要かどうかを判定する。例えば、ジャムエラー時は、ジャム発生時まで印刷されているので、印刷データがデバイスのバッファに残っていないため、印刷データの再送が必要であると判定する。一方、紙なしエラー時は、まだ実際の印刷が開始されていないため、デバイスはバッファに印刷データを保持したままではあるため、印刷データの再送は不要であると判定する。
【0067】
ステータスプリント用の印刷データの再送が必要ないと判定した場合(S315でNo)、印刷データ転送部103は、S310に処理を戻す。
一方、ステータスプリント用の印刷データの再送が必要と判定した場合(S315でYes)、印刷データ転送部103は、S316において、ステータスプリント用の印刷データをプリンタ1500に再送し、S310に処理を戻す。
【0068】
[プリンタの動作]
以下、本実施例のプリンタ1500側の詳細な処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0069】
図4は、本実施例のプリンタ1500側の処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの各ステップ(S401〜S426)は、通信部105、ステータスプリント種別決定部106、簡易ステータスプリント生成部107が処理するものである。このフローチャートに基づく処理は、プリンタ1500のCPU12がROM13等にコンピュータ読取可能に記録されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるものである。
【0070】
S401では、ステータスプリント種別決定部106は、操作部1501のステータスプリント要求ボタン1502がユーザによって押下された(ユーザからのステータス印刷指示を受付けた)かどうかを判定する。
【0071】
そして、操作部1501のステータスプリント要求ボタン1502が押下されていないと判定した場合(S401でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S401に処理を戻す。
【0072】
一方、操作部1501のステータスプリント要求ボタン1502が押下されたと判定した場合(S401でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S402に処理を進める。
【0073】
S402では、ステータスプリント種別決定部106は、双方向インタフェース21を介してホストコンピュータ3000と接続されているかどうか(ホストコンピュータ3000と通信可能か通信不可能か)を判定する。例えばUSB I/Fの接続については、ホストコンピュータと接続されると信号線が「High」になることで接続されていると判定する。また、Network I/Fの接続については、Linkアップされていることで接続されていると判定する。
【0074】
そして、双方向インタフェース21を介してホストコンピュータ3000と接続されていない(通信不可能)と判定した場合(S402でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S422に処理を進める。
一方、双方向インタフェース21を介してホストコンピュータ3000と接続されている(通信可能)と判定した場合(S402でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S403に処理を進める。
S403では、ステータスプリント種別決定部106は、通信部105を介してホストコンピュータ3000からステータス取得コマンドを受信すると(ポーリング受信)、S404に処理を進める。
【0075】
S404では、ステータスプリント種別決定部106は、プリンタステータスに、ステータスプリント要求フラグをセットし、S405に処理を進める。
S405では、ステータスプリント種別決定部106は、通信部105を介して、上記プリンタステータスを、上記ステータス取得コマンドの送信元のホストコンピュータ3000に送信する。
【0076】
なお、プリンタ1500が複数のホストコンピュータ3000と通信可能であり、複数のホストコンピュータ3000からステータス取得コマンドを受信した場合、ステータスプリント種別決定部106は、ステータス取得コマンドの送信元の全てのホストコンピュータ3000に上記プリンタステータスを送信するものとする。
【0077】
このように、ステータスプリント種別決定部106は、通信可能な各ホストコンピュータ3000に、ステータスプリント要求フラグによりステータスプリントの指示を受け付けた旨の通知を行い、ステータスプリント用の印刷データを生成可能なことを示す情報を各ホストコンピュータから受信する(可能情報受信処理)。
【0078】
次に、S406において、ステータスプリント種別決定部106は、通信部105を介してホストコンピュータ3000から、ステータスプリント可能コマンドを受信したかどうかを判定する。
そして、ステータスプリント可能コマンドを受信していないと判定した場合(S406でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S408に処理を進める。
【0079】
一方、ステータスプリント可能コマンドを受信したと判定した場合(S406でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S407に処理を進める。
S407では、ステータスプリント種別決定部106は、ステータスプリント可能コマンドを受信したことをホストコンピュータ3000ごとにRAM19内のワーク領域に記録する。なお、上記ワーク領域には、上記ステータスプリント可能コマンドに基づき、応答時間、ホストコンピュータのCPU使用率、ホストコンピュータのスペック(CPU情報、メモリサイズ)、ホストコンピュータと接続するのに使われているインタフェースの種別(USBかNetworkか等)が記録される。
【0080】
次に、S408において、ステータスプリント種別決定部106は、上記S405でステータス送信後、一定時間経過したかどうかを判定する。
そして、未だ一定時間経過していないと判定した場合(S408でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S406に処理を戻す。
【0081】
一方、一定時間経過したと判定した場合(S408でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S409に処理を進める。
S409では、ステータスプリント種別決定部106は、上述したワーク領域にステータスプリント可能コマンドの受信の記録があるかどうかを判定する。
そして、ステータスプリント可能コマンドの受信の記録がないと判定した場合(S409でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、簡易ステータスプリントを実行すると決定し、S422に処理を進める。
【0082】
一方、ステータスプリント可能コマンドの受信の記録があると判定した場合(S409でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、正規のステータスプリントを実行すると決定し、S410に処理を進める。
【0083】
S410では、ステータスプリント種別決定部106は、ステータスプリントを実行するホストコンピュータを決定する(ホスト決定処理)。ワーク領域に記録された情報から、一番CPU使用率の低いホストコンピュータを最適なホストコンピュータとして決定する。なお、最適なホストコンピュータの決定方法としては、一番早く応答したホストコンピュータ、一番スペックの高いホストコンピュータ、USB接続のホストコンピュータを優先するなど、その他の決定方法でもよい。
【0084】
次に、S411において、ステータスプリント種別決定部106は、通信部105を介してホストコンピュータ3000からステータス取得コマンドを受信すると(ポーリング受信)、S412に処理を進める。
【0085】
S412では、ステータスプリント種別決定部106は、上記S410のホスト決定処理の結果に基づいて、ステータスプリント実行確定フラグをプリンタステータスにセットする。S413では、通信部105は、上記プリンタステータスをホストコンピュータ3000に送信する。なお、ステータスプリントを実行するホストコンピュータに送信するプリンタステータス(プリンタのステータスを示す情報)には、ステータスプリント実行確定フラグ(ステータス印刷のためのデータをホストコンピュータに要求するフラグ)が含まれている。一方、ステータスプリントを実行しないホストコンピュータに送信するプリンタステータスには、ステータスプリント実行確定フラグは含まれない。
【0086】
なお、複数のホストコンピュータ3000からステータス取得コマンドを受信した場合、ステータスプリント種別決定部106は、ステータス取得コマンドの送信元の全てのホストコンピュータ3000に上記プリンタステータスを送信するものとする。
【0087】
次に、S427において、ステータスプリント種別決定部106は、通信部105を介してホストコンピュータ3000からプリンタ情報取得コマンドを受信すると、RAM19から、プリンタ情報を取得する。通信部105はそのプリンタ情報をホストコンピュータ3000に送信する。なお、プリンタ情報には、上述したように、ステータスプリントにて印刷されるプリンタの設定や状態を示す情報が含まれる。
【0088】
そして、S414において、通信部105は、ホストコンピュータ3000から送信されたステータスプリント用の印刷データを受信し、該受信したステータスプリント用の印刷データを印刷機構部108に渡す。これにより、印刷機構部108は、図5に示すようなレポートの印刷を開始する(S415)。図5は、正規のステータスプリントの一例を示す図である。なお、図示しないが、この後も、ステータスプリント種別決定部106は、ホストコンピュータ3000からステータス取得コマンドを受信すると、プリンタステータスをホストコンピュータ3000に送信する。
【0089】
次に、S416において、ステータスプリント種別決定部106は、上記S415で開始されたステータスプリントが完了したかどうかを判定する。
そして、ステータスプリントが完了したと判定した場合(S416でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、本フローチャートの処理を終了する。
【0090】
一方、未だステータスプリントの印刷が完了していないと判定した場合(S416でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S417に処理を進める。
S417では、ステータスプリント種別決定部106は、エラーが発生したかどうかを判定する。
そして、エラーが発生していないと判定した場合(S417でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S416に処理を戻す。
【0091】
一方、エラーが発生したと判定した場合(S417でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S418に処理を進める。
S418では、ステータスプリント種別決定部106は、エラーが通信エラーかどうかを判定する。
そして、エラーが通信エラーと判定した場合(S418でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S422に処理を進める。
【0092】
一方、エラーが通信エラーでないと判定した場合(S418でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S419に処理を進める。
S419では、ステータスプリント種別決定部106は、印刷機構部108から取得した情報からエラーが解除されたかどうかを判定する。
そして、未だエラーが解除されていないと判定した場合(S419でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、再度S419の処理を行う。
【0093】
一方、エラーが解除されたと判定した場合(S419でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S420に処理を進める。
S420では、ステータスプリント種別決定部106は、ステータスプリント用の印刷データの再送が必要かどうかを判定する。
そして、ステータスプリント用の印刷データの再送が必要ないと判定した場合(S420でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S416に処理を戻す。
【0094】
一方、ステータスプリント用の印刷データの再送が必要であると判定した場合(S420でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S421に処理を進める。
S421では、ステータスプリント種別決定部106は、ホストコンピュータ3000からステータスプリント用の印刷データを受信し、S415に処理を戻す。
【0095】
なお、S402でNo、S409でNo、又はS418でYesの場合、ステータスプリント種別決定部106は、S422において、簡易ステータスプリントの印刷データを生成するよう簡易ステータスプリント生成部107に指示する。この指示に応じて、簡易ステータスプリント生成部107は、RAM19からプリンタ情報を取得し、また、ROM13のフォント用ROMからフォントを取得し、これらを用いて簡易ステータスプリント用の印刷データを生成する。
【0096】
S423では、簡易ステータスプリント生成部107は、上記S422で生成した簡易ステータスプリント用の印刷データの印刷を、印刷機構部108に渡す。これにより、印刷機構部108は、図6に示すようなレポートの印刷を開始する。図6は、簡易的なステータスプリントの一例を示す図である。
上記の説明では、簡易ステータスプリント生成部107は、ステータスプリント種別決定部106から指示された後に、簡易ステータスプリント用の印刷データを生成する。しかしながら、簡易ステータスプリント生成部107は、RAM19に格納されているプリンタ情報が変更されるたびに、変更後のプリンタ情報に基づいて簡易ステータスプリント用の印刷データを生成して、RAM19に格納しておいてもよい。この場合、簡易ステータスプリント生成部107は、ステータスプリント種別決定部106からの指示に従って、簡易ステータスプリント用の印刷データをRAM19から取得し、印刷機構部108に渡す。
【0097】
次に、S424では、ステータスプリント種別決定部106は、簡易ステータスプリントが完了したかどうかを判定する。
そして、簡易ステータスプリントが完了したと判定した場合(S424でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、本フローチャートの処理を終了する。
【0098】
一方、未だ簡易ステータスプリントが完了していないと判定した場合(S424でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S425に処理を進める。
S425では、ステータスプリント種別決定部106は、エラーが発生したかどうかを判定する。
そして、エラーが発生していないと判定した場合(S425でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、S424に処理を戻す。
【0099】
一方、エラーが発生したと判定した場合(S425でYes)、場合は、ステータスプリント種別決定部106は、S426に処理を進める。
S426では、ステータスプリント種別決定部106は、エラーが解除されたかどうかを判定する。
そして、エラーが解除されていないと判定した場合(S426でNo)、ステータスプリント種別決定部106は、再度S426の処理を行う。
一方、エラーが解除されたと判定した場合(S426でYes)、ステータスプリント種別決定部106は、S424に処理を戻す。
【0100】
以上示したように、プリンタ側の操作で、可能な限り正規のステータスプリントを実行することができる。なお、プリンタに複数台ホストコンピュータがつながっている場合、最適なホストコンピュータにステータスプリントを実行させることができる。また、プリンタにホストコンピュータがつながっていない場合でも、プリンタ自身で簡易ステータスプリントを実行することで最低限の情報をユーザに提供することができる。
【0101】
なお、本実施例では、プリンタ1500は、ホストコンピュータ3000からの問い合わせ(ステータス取得コマンド)に応じて、ユーザからステータスプリントの指示があったことを通知するステータスプリント要求フラグや、ステータスプリント用の印刷データをホストコンピュータ3000に要求するステータスプリント実行確定フラグをセットしたプリンタステータスをホストコンピュータ3000に送信する構成を示した。しかし、プリンタ1500は、プリンタ1500から自発的に、ユーザからステータスプリントの指示があったことの通知や、ステータスプリント用の印刷データをホストコンピュータ3000に要求する通知を、ホストコンピュータ3000に送信するように構成してもよい。
【0102】
また、本実施例では、プリンタ1500は、ホストコンピュータ3000にステータスプリント用の印刷データ(印刷部17で印刷可能な印刷データ)を要求して受信する構成を示した。しかし、プリンタ1500は、ホストコンピュータ3000にステータスプリントを行うためのフォントデータを要求して受信し、該受信したフォントデータとRAM19に格納されているプリンタ情報を用いて、プリンタ1500側で正規のステータスプリント用の印刷データを生成するように構成してもよい。即ち、ホストコンピュータ3000は、プリンタ1500からの要求に応じて、ROM3のフォント用ROM又は外部メモリに記憶されるフォントデータ(特に、ステータスプリントに用いるフォントデータ)を取得して、プリンタ1500に送信するように構成してもよい。
【0103】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0104】
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0105】
図2の説明では、印刷データ生成部102、ステータスプリント生成部104は、CPU1によって実現されると説明した。しかしながら、印刷データ生成部102、ステータスプリント生成部104のそれぞれに対応する専用のハードウェアがCPU1以外に用意されていてもよい。
また、簡易ステータスプリント生成部107のそれぞれに対応する専用のハードウェアがCPU12以外に用意されていてもよい。
【0106】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0107】
102 印刷データ生成手段
103 印刷データ転送手段
104 ステータスプリント生成手段
105 通信手段
106 ステータス種別決定部
107 簡易ステータスプリント生成手段
108 印刷機構部
1500 プリンタ
3000 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置であって、
前記印刷装置の状態または設定の印刷指示をユーザから受け付ける受付手段と、
情報処理装置と通信可能か否かを判断する判断手段と、
前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求して、前記情報処理装置によって生成されたデータを前記情報処理装置から受信する通信手段と、
前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成手段と、
前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記通信手段が受信したデータを用いて印刷処理を行い、前記受付手段により前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断手段により情報処理装置と通信不可能と判断された場合、前記生成手段が生成したデータを用いて印刷処理を行う印刷処理手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記判断手段により情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記通信手段は、通信可能な各情報処理装置に、前記受付手段より前記印刷指示を受け付けた旨の通知を行い、各情報処理装置が前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成可能な場合に各情報処理装置から送信される可能情報を受信し、
前記印刷装置はさらに、
前記可能情報に基づいて、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを要求する情報処理装置を決定する決定手段、
を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記可能情報は、少なくとも、前記情報処理装置の性能に関する情報、前記情報処理装置の処理状態に関する情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記決定手段は、いずれの情報処理装置からも前記可能情報を受信しなかった場合、前記生成手段が生成したデータを用いて印刷処理を行うことを決定する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記通信手段は、前記情報処理装置からの状態の問い合わせに応じて、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記通信手段は、当該印刷装置の状態を示す情報に、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求するフラグをセットして前記情報処理装置に送信することにより、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求する、ことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷装置と通信可能な情報処理装置であって、
前記印刷装置で前記印刷装置の状態または設定の印刷指示がユーザから受け付けられた場合に前記印刷装置から送信される前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータの要求を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記要求を受信した場合、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成したデータを前記印刷装置に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記受信手段は、前記印刷装置に状態の問い合わせを行うことにより、前記印刷装置から、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータの要求を受信する、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受信手段は、前記問い合わせに応じて前記印刷装置から送信される前記印刷装置の状態を示す情報に、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを要求するフラグがセットされている場合に、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータの要求があったと認識する、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記印刷指示を受け付けた旨の通知を前記印刷装置から受けると、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成可能か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成可能であると判断した場合、前記情報処理装置が前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成可能であるに前記印刷装置に送信すべき可能情報を、前記印刷装置に送信する可能情報送信手段と、
を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記可能情報は、少なくとも、前記情報処理装置の性能に関する情報、前記情報処理装置の処理状態に関する情報のいずれかを含むことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
印刷装置の制御方法であって、
受付手段が、前記印刷装置の状態または設定の印刷指示をユーザから受け付ける受付ステップと、
判断手段が、情報処理装置と通信可能か否かを判断する判断ステップと、
通信手段が、前記受付ステップで前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断ステップで情報処理装置と通信可能と判断された場合、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記情報処理装置に要求して、前記情報処理装置によって生成されたデータを前記情報処理装置から受信する受信ステップと、
印刷処理手段が、前記受信ステップで受信したデータを用いて印刷処理を行う第1ステータス印刷処理ステップと、
生成手段が、印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成ステップと、
前記印刷処理手段が、前記受付ステップで前記印刷指示を受け付け、かつ前記判断ステップで情報処理装置と通信不可能と判断された場合、前記生成ステップで生成したデータを用いて印刷処理を行う第2ステータス印刷処理ステップと、
を有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項13】
印刷装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって、
受信手段が、前記印刷装置で前記印刷装置の状態または設定の印刷指示がユーザから受け付けられた場合に前記印刷装置から送信される前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータの要求を受信する受信ステップと、
生成手段が、前記受信ステップで前記要求を受信した場合、前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを生成する生成ステップと、
送信手段が、前記生成ステップで生成した前記印刷装置の状態または設定の印刷のためのデータを前記印刷装置に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載される印刷装置の手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項7乃至11のいずれか1項に記載される情報処理装置の手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−22879(P2013−22879A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161177(P2011−161177)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】