説明

印刷装置及び印刷方法

【課題】本発明は、処理効率を向上することが可能な印刷装置及び印刷方法を提供する。
【解決手段】印刷装置は、中間転写リボン28に所定情報を印刷する印刷部3と、印刷部
3により中間転写リボン28に印刷された所定情報を被転写媒体1に転写する転写部4と
、転写部4により被転写媒体1に所定情報を転写した後、中間転写リボン28と被転写媒
体1とを剥離する剥離部50と、を備え、印刷部3及び転写部4を並行動作させ、かつ印
刷部3及び剥離部50を並行動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば中間転写方式を用いてデータの印刷を行う印刷装置及び印刷方法に関
する。
【背景技術】
【0002】
近年、カード類や冊子類などの被転写媒体の表面状態になるべく影響を受けることなく
高画質な印刷を行う印刷装置が求められている。この印刷装置の一つとして、中間転写媒
体としての中間転写リボンを用いる中間転写方式の印刷装置が知られている。
【0003】
印刷装置の印刷部では、所定の印刷位置に配置されたサーマルヘッドが所定情報に応じ
て発熱してインクリボンのインクを溶融することにより、印刷位置に供給された中間転写
リボンの表面に文字やバーコードなどの所定情報が印刷される。
【0004】
印刷装置の転写部では、所定情報が印刷された中間転写リボンがヒートローラとバック
アップローラとの間に送り込まれる。この送り込みに対して、印刷頁が中間転写リボンに
対向するように配置された被転写媒体がヒートローラとバックアップローラとの間に送り
込まれる。この状態からヒートローラが回転されて中間転写リボン及び被転写媒体がバッ
クアップローラに押し付けられるとともに加熱されることにより、所定情報が被転写媒体
の表面に転写される。また印刷の動作の一部は転写の動作を並行に行われている(例えば
、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−74557号公報 (第14頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような中間転写方式の印刷装置では、中間転写リボン上へ所定情報を印刷する
印刷動作と、中間転写リボン上の所定情報を転写部へ搬送する搬送動作と、被転写媒体と
中間転写リボンを剥離する剥離動作とをそれぞれ異なる動作で実施する必要がある。
【0006】
印刷データに基づいた中間転写リボンへの印刷動作終了後に剥離動作を行うと、剥離動
作を行う為に送り出しが必要な距離に相当する「巻き戻しエリア」が発生してしまう。
【0007】
このように、従来の印刷装置では、1つの被転写媒体に対して所定情報を印刷するため
の処理時間は、剥離部での剥離動作と、中間転写リボンの巻き戻し動作とを足し合わせた
時間以上が必要となる。したがって、複数の被転写媒体に対して連続的に所定情報を転写
する場合、膨大な処理時間が必要となる。
【0008】
また巻き戻しを行うことにより中間転写リボンの使用前に中間転写リボンにストレスが
かかる、傷がつく、ゴミが付着する、ジャムを起こす等のおそれがあるといった課題があ
った。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、処理効率を向上することが可能な
印刷装置及び印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、印刷位置において中間転写媒体
に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離する剥離手段と、
前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストッ
クされた少なくとも1画面分の所定情報の前記転写手段による転写動作の少なくとも一部
と、を並行して行うよう制御し、かつ前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、
転写位置と剥離位置との間にストックされた少なくとも1画面分の前記剥離手段による剥
離動作の少なくとも一部とを並行して行なう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置が提供される。
【0011】
また、本発明の別の一態様によれば、印刷位置において中間転写媒体に所定情報を複数
色重ね合わせて印刷し、
前記印刷工程により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写し、
前記転写工程において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離し、
前記印刷工程による中間転写媒体に設けられた所定の画面への最後に行う印刷動作の少
なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた画面に対する前記転写工程
による転写動作の少なくとも一部とを並行して行うよう制御し、かつ前記印刷工程による
中間転写媒体に設けられた所定の画面への最初に行う印刷動作の少なくとも一部と転写位
置と剥離位置との間にストックされた画面に対する前記剥離工程による剥離動作の少なく
とも一部とを並行して行なうことを特徴とする印刷方法提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷、転写、剥離の各処理を一部並行して行うので、印刷処理の効率
を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の一実施の形態に係る印刷装置及び印刷方法について図面を参照して説
明する。この印刷装置は、カード類の他に、冊子類への所定情報の印刷と印刷面の保護膜
付与を並行して行う中間転写方式の印刷装置である。
【0014】
図1に示すように、印刷装置20は、印刷手段として機能する印刷部3と、搬送手段と
して機能する搬送機構30、転写手段として機能する転写部4と、剥離手段として機能す
る剥離部50と、を備えて構成されている。
【0015】
印刷部3は、中間転写媒体としての中間転写リボン28に対して所定情報、すなわち固
有の識別情報や顔画像情報などの所定情報を印刷する。この印刷部3は、サーマルヘッド
5と、このサーマルヘッド5に対向配置され正逆に自由回転するプラテンローラ6で構成
される。
【0016】
サーマルヘッド5とプラテンローラ6との間には、イエロー(以下、Y),マゼンタ(
以下、M),シアン(以下、C),ブラック(以下、K)の各色の溶融インクをダンダラ
状に有したインクリボン7及び中間転写リボン28が介在されている。この印刷部3では
、このようなインクリボン7を用いてカラー画像や黒色文字の印刷が可能である。
【0017】
このプラテンローラ6とサーマルヘッド5がインクリボン7を中間転写リボン28に押
し付け、かつサーマルヘッド5が所定情報に応じて発熱されインクリボン7を溶融するこ
とにより中間転写リボン28の表面上に画像が形成される。
【0018】
インクリボン7は、その一端部が送出軸8に巻き付けられ、その他端部が巻取軸9に巻
き付けられている。巻取軸9は正方向に駆動可能で、送出軸8には、送り出し回転方向に
ストリップトルクが与えられるようにトルクリミッタが接続されている。
【0019】
搬送機構30は、所定情報を有する中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する。
この搬送機構30は、第1軸31A及び第2軸31Bを有し、一方の軸から他方の軸に向
かって中間転写リボン28を搬送を行う。すなわち、中間転写リボン28は、その一端側
が印刷部3の上部側に設けられた第2軸31Bに巻き付けられ、その他端側が印刷部3の
下部側に設けられた第1軸31Aに巻き付けられている。
【0020】
第1軸31A及び第2軸31Bは、それぞれ駆動モータM1及びM2によって駆動され
、正逆両方向に独立に駆動可能である。また、これら第1軸31A及び第2軸31Bを駆
動する駆動モータM1及びM2は、後述するモータ制御回路107によって駆動制御され
、印刷部3における印刷位置及び転写部4における転写位置に向けて中間転写リボン28
を所定の搬送速度で搬送する。
【0021】
第1軸31Aが中間転写リボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第2軸31
Bが中間転写リボン28を送出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン2
8は、順方向Aに搬送される(以下、順搬送という)。また、第2軸31Bが中間転写リ
ボン28を巻き取る巻取軸として機能する場合、第1軸31Aが中間転写リボン28を送
出する送出軸として機能する。このとき、中間転写リボン28は、逆方向Bに搬送される
(以下、逆搬送という)。
【0022】
また、搬送機構30は、プラテンローラ6と転写部4との間に配置され、印刷部3にて
所定情報を印刷された中間転写リボン28を所定の搬送速度で搬送する搬送ローラ32を
備えている。搬送ローラ32は、正逆両方向に独立に駆動可能であり、中間転写リボン2
8を所定の搬送速度で搬送する。
【0023】
第2軸31B及び第1軸31Aとの間では、中間転写リボン28の中途部がガイドシャ
フト31a〜31cに掛け渡され、ほぼ一定のテンションに維持されている。
【0024】
テンション機構80は、搬送ローラ32と転写部4との間に配置される。このテンショ
ン機構80は、搬送機構30によって搬送される中間転写リボン28に対して所定のテン
ションを付与する。すなわち、テンション機構80は、搬送される中間転写リボン28に
たるみが生じても、中間転写リボン28に対して所定のテンションを付与して、たるみを
改善することができる。またテンション機構80は印刷動作と転写動作に必要な時間の差
分及び印刷動作と剥離動作に必要な時間の差分を調節することも可能である。
【0025】
転写部4は、ヒートローラ26、このヒートローラ26に対向配置されたバックアップ
ローラ27などを備えている。このヒートローラ26とバックアップローラ27との間に
は、中間転写リボン28が介在されている。
【0026】
ヒートローラ26は、回転軸に対して垂直な平面において、ほぼ半円形状の断面を有し
ている。ヒートローラ26は、その円弧部35Bの周方向に沿った長さが冊子1の転写エ
リアの長さと略同等もしくはそれ以上の長さになるように形成されている。
【0027】
また、ヒートローラ26は、印刷待機時においては、そのカット面35Aを冊子1を搬
送する搬送路11に対してほぼ並行に対向して配置されている。これにより、ヒートロー
ラ26とバックアップローラ27との間には、冊子1を配置可能な隙間が形成されている

【0028】
このヒートローラ26は、転写時にのみ回転し、中間転写リボン28に接触する。すな
わち、中間転写リボン28への印刷動作のみに伴っては、中間転写リボン28は、ヒート
ローラ26及びバックアップローラ27に接触することなく搬送される。転写時には、こ
れらヒートローラ26及びバックアップローラ27は、転写位置(ヒートローラ26とバ
ックアップローラ27とが接触している位置)において、中間転写リボン28と冊子1と
を冊子1の厚さによらず一定の圧力で圧着しつつ加熱することにより、中間転写リボン2
8の転写開始位置から中間転写リボン28上に印刷された所定情報を冊子1に転写する。
【0029】
なお、図2に示すように転写部4でヒートローラ26により熱圧着されながら中間転写
リボン28と冊子1は互いに張り付いた状態で搬送路上を送られる。冊子1への転写が終
了するとほぼ同時に転写の開始位置つまりガイドシャフト31cに冊子1綴じ目が到達し
ている状態となる。
【0030】
剥離部50は、転写部4で転写処理を行った中間転写リボン28と冊子1を剥離するた
めのガイドシャフト31cを備えている。ガイドシャフト31cは、第1軸31Aが設け
られた位置より転写部4に近い位置に設けられている。なお、ガイドシャフト31cは、
第1軸31Aが設けられた位置より転写部4に遠い位置に設けられてもよい。またガイド
シャフト31cの直径は太い方が好ましく、特に直径10mmが好ましい。
【0031】
ガイドシャフト31cは、中間転写リボン28がモータ制御回路により駆動制御された駆
動モータM1が順方向に第1軸31Aを回転させることによりに巻き取られる速度に合わ
せて回転する。剥離部50では、第1軸31Aが回転することにより、冊子の綴じ目から
圧着された中間転写リボン28を巻き上げる。この時、ガイドシャフト31cは中間転写
リボン28と冊子1が圧着している部分で、かつ薄利の開始時点である冊子の綴じ目の近
傍を搬送路11に一定の力で押し付ける。これにより冊子の圧着された部分のページが中
間転写リボン28と同時に巻き上がることを防ぐ。その状態で第2搬送ローラ対13Bが
冊子1を進行方向に直線的に搬送することによって、冊子1が中間転写リボン28と同時
に巻き込まれる事無く剥離を行う事が可能である。
【0032】
剥離部50では、冊子1を直線上に搬送すると同時に、第1軸31Aが中間転写リボン
28を巻き上げる。ガイドシャフト31cで中間転写リボン28のみをガイドシャフト3
1cから第1軸31Aの方向に斜め上に巻き上げることにより、中間転写リボン28と冊
子1が剥離される。使用済みの中間転写リボン28は第1軸31Aに巻き取られて回収さ
れ、転写が終了した冊子1のみが第3搬送ローラ対13Cの先に進むことができる構成と
なっている。
【0033】
また、冊子類搬送部2は、第1搬送ローラ対13A、第2搬送ローラ対13B、及び、
第3搬送ローラ対13Cを備えている。第1搬送ローラ対13Aは、転写部4より搬送方
向上流側に配置されている。第2搬送ローラ対13B及び第3搬送ローラ対13Cは、転
写部4より搬送方向下流側に配置されている。
【0034】
これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至13Cは、冊子1を搬送路11に沿って転
写部4の転写位置まで搬送する。すなわち、これら第1乃至第3搬送ローラ対13A乃至
13Cは、共に正方向に回転し、冊子1の印刷頁における転写開始位置がヒートローラ2
6による転写位置に整合するように冊子1を搬送する。また、これら第1乃至第3搬送ロ
ーラ対13A乃至13Cは、共に正方向に回転し、転写部4における転写動作が終了した
冊子1をさらに下流側に向けて冊子1から中間転写リボン28を剥離する。
【0035】
また、中間転写リボン28の供給路上には、第1センサS1及び第2センサS2が配置
されている。これら第1センサS1及び第2センサS2は、後述する中間転写リボン28
の有効領域の外側に配置されたバーマークを検知するための出力信号を出力する。また、
冊子1の搬送路11上には、第3センサS3及び第4センサS4が配置されている。これ
ら第3センサS3及び第4センサS4は、挿入された冊子1の有無を検知するための出力
信号を出力する。
【0036】
図3に示すように、印刷装置20は、装置全体を制御する制御手段として機能するCP
U100を備えている。
【0037】
このCPU100には、装置全体の駆動を制御するための制御プログラムなどを記憶し
たメモリ部101や、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷に必要な印刷データを
受信するインタフェース部102などが接続されている。インタフェース部102を介し
て受信した印刷データは、メモリ部101に一時的に記憶される。
【0038】
また、CPU100には、さらに、サーマルヘッド制御回路103、インクリボン搬送
制御回路104、ヒータ温度制御回路105、ヒートローラ回転制御回路106、モータ
制御回路107、媒体搬送制御回路108、センサ入力回路109などが接続されている

【0039】
サーマルヘッド制御回路103は、印刷データに基づいてサーマルヘッド5の印刷動作
を制御する。インクリボン搬送制御回路104は、印刷部3における搬送機構として機能
する送出軸8及び巻取軸9の駆動を制御する。ヒータ温度制御回路105は、ヒートロー
ラ26を所定の温度に維持するよう制御する。
【0040】
ヒートローラ回転制御回路106は、ヒートローラ26の回転駆動を制御する。ヒート
ローラ回転制御回路106は、冊子1の転写開始位置と、中間転写リボン28上に印刷さ
れた所定情報の転写位置とを整合させる。その状態で、ヒートローラ26のカット面35
Aのエッジ部を転写開始位置に当接させた後、所定方向にヒートローラ26を回転させる
ことにより、中間転写リボン28上の所定情報を冊子1に転写する。
【0041】
モータ制御回路107は、搬送機構30として機能する第1軸31A、第2軸31B、
及び、搬送ローラ32の駆動を制御する。媒体搬送制御回路108は、搬送ローラ対13
A、13B、13Cの駆動を制御して、挿入された冊子1を取り込み、所定の転写位置ま
で搬送し、転写と剥離が完了した冊子1を排出する。
【0042】
センサ入力回路109は、第1センサS1及び第2センサS2から出力信号に基づいて
中間転写リボン28のバーマークを検知する。また、センサ入力回路109は、第3セン
サS3及び第4センサS4から出力信号に基づいて冊子1の有無を検知する。
【0043】
また、CPU100は並行印刷を行うにあたり、上述した各制御回路の速度を決定する
。CPU100内の速度決定処理は後に説明する。
【0044】
上記印刷装置20では、中間転写リボン28を用いて印刷を行う。図4に示すように、
中間転写リボン28はホログラム層41を持つ。中間転写リボン28のホログラム層41
は、所定パターンの透明ホログラム層からなる第1領域41Aと、無地の透明な第2領域
41Bと、マージンに相当する第3領域41Cと、を備えている。これら第1領域41A
、第2領域41B、及び第3領域41Cは、中間転写リボン28の供給方向に沿って順に
配置され、単位パターンを構成している。
【0045】
また、中間転写リボン28のホログラム層41は、第1領域41A、第2領域41B、
及び第3領域41Cからなる単位パターンを規定するためのバーマーク41Dを有してい
る。このバーマーク41Dは、中間転写リボン28の有効領域28−1の外側の領域28
−2に配置されている。
【0046】
ホログラム層41の第1領域41Aは、所定の第1方向から入射した光を第2方向に回
折する回折効果を有する領域であり、パターンそのものは文字、絵柄、ロゴなど自由にデ
ザインできる。印刷された所定情報の偽造防止効果を考慮すると、なるべく全面にパター
ンが形成されていることが望ましい。
【0047】
第2領域41Bは、ホログラム層41内において可視光域及びその近傍の周波数帯域の
光を回折する効果はなく、目視でほぼ透明な領域である。第3領域41Cは、転写位置ズ
レなどを考慮したマージンに相当する領域であり、第2領域41Bと同様に回折効果はな
く、目視でほぼ透明な領域である。
【0048】
バーマーク41Dは、単位パターン毎に繰り返し配置され、回折効果を有する所定パタ
ーンを有している。このバーマーク41Dは、印刷装置の第1センサS1及び第2センサ
S2によって検知される。すなわち、印刷装置は、中間転写リボン28の外側領域28−
2にバーマークの回折角度に応じた角度になるようにして配置された第1センサS1及び
第2センサS2からの出力信号に基づいてバーマーク41Dを検知することにより、中間
転写リボン28の位置を検知することが可能となる。
【0049】
本発明では、処理効率を向上するために、印刷部3と転写部4、印刷部3と剥離部50
との各動作時間をできるだけ重ね合わせるように並行動作を行う。すなわち、印刷部3に
よる印刷動作の少なくとも一部は、印刷位置と転写位置との間にストックされた少なくと
も1画面分の所定情報の転写部4による転写動作の少なくとも一部とを並行して行う。ま
た上記転写動作と並行して行われた印刷動作の画面の次の1画面分の所定情報の印刷動作
の少なくとも一部と、印刷位置と剥離位置との間に転写された状態でストックされた1画
面分の所定情報の上記剥離手段による剥離動作の少なくとも一部とを並行して行う。
【0050】
印刷装置20では、印刷部3において印刷処理に要する時間を利用して転写部4におけ
る転写動作、剥離部50における剥離動作を重ね合わせている。このため、重ね合わせる
最後の色の印刷動作と同時に転写動作を行うことにより、印刷部4において中間転写リボ
ン28を逆搬送する必要がなく、転写部4を通過した中間転写リボン28が剥離されるま
での距離を余分に搬送することが可能になる。また、次に印刷する最初の色の印刷動作と
同時に剥離動作を行うことにより、印刷部4における印刷動作において中間転写リボン2
8を剥離の為のみに搬送する必要が無く、剥離することが可能である。
【0051】
以下、図5に示す冊子の印刷動作、転写動作、剥離動作について、CPU100内の処
理を示したフローを用いて説明する。なお、図5(a)のフローは印刷動作を、図5(b
)のフローは転写部4及び剥離部50の稼動状況を示したフロー、図5(c)はCPU1
00の(a)及び(b)に対応する制御処理を示したフローである。なお、各フローにお
いて、点線で描かれた四角で囲まれている部分に関しては、並行に稼動または処理してい
ることを指す。
【0052】
図1に示した印刷装置20では、印刷部3で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ
ー(Y)、黒色(K)のそれぞれに対応した印刷データに基づいて、中間転写リボン28
の表面にC、M、Y、Kの順序で所定情報が印刷される。
【0053】
はじめに印刷予定エリア2において、最初に印刷される色であるCが印刷される(S1
)。このC印刷動作中に、剥離動作が並行して行われる。つまり転写が完了して中間転写
リボンと圧着された状態で剥離開始位置つまりガイドシャフト31c直下に冊子の綴じ目
を位置していた冊子は、C印刷動作が開始されることにより、つまり第2軸31Bが順方
向に回転される速度とほぼ同一の速度で、冊子排出方向に搬送される。それと同時に中間
転写リボン28が冊子搬出方向より斜め上に持ち上げられる形で巻き取られ、ガイドシャ
フト31cより搬送方向先側では斜め上に巻き取られた中間転写リボン28は搬送方向に
向かう冊子から剥離される。また、剥離部50での画像ストック1の冊子類への剥離動作
完了に伴って、冊子類は、剥離部50より先に搬送される(S11)。
【0054】
次に、印刷予定エリアにおいて、Mが印刷される。このMの印刷は、印刷に最適とされ
る速度で印刷される(S2)。Mが印刷中は、転写部4及び剥離部50共に稼動していな
い(S22)。
【0055】
次に、印刷予定エリアにおいて、Yが印刷される。このYの印刷は、印刷に最適とされ
る速度で印刷される(S3)。Yが印刷中は、転写部4及び剥離部50共に稼動していな
い(S33)。
【0056】
次に、中間転写リボン28の印刷予定エリアに、最後に重ね合わせられる色すなわちK
の所定情報が印刷される(S4)。このK印刷動作時においては、中間転写リボン28が
順搬送されるが、この中間転写リボン28の搬送速度とほぼ等しい速度で転写部4におけ
るヒートローラ26を駆動する。これにより、K印刷動作中に、転写動作が並行して行わ
れる。つまり、画像ストック1と冊子とがヒートローラ26で加圧・加熱され、冊子1に
所定情報とともにホログラム層が転写される。転写位置を通過した中間転写リボン28は
、転写部4で転写完了の位置まで搬送される(S44)。なお、転写完了の位置は、剥離
開始の位置に相当する。
【0057】
Kの印刷動作完了に伴って、印刷予定エリアに印刷された所定情報は、画像ストック2
の位置に移動する。よって次の印刷動作は、中間転写リボン28上でKが印刷された画面
の次に設けられた新規の画面に印刷される。
【0058】
次に送られてきた画面に重ね合わせられる最初の色、すなわちCの印刷動作時(S1に
戻る)に、次に転写位置と剥離位置との間にストックされた画像ストック2を、2冊目の
冊子1を剥離する剥離動作とほぼ同時に行う(S11に戻る)。このように印刷動作が繰
り返される。
【0059】
上記動作を行うにあたり、CPU100は各制御回路の速度を決定する。
【0060】
(S1)及び(S11)の動作では、CPU100はインクリボン搬送制御回路104
及びモータ制御回路107の速度制御を行い、Kを印刷する。かつモータ制御回路107
及び媒体搬送制御回路108の速度制御を行う。つまり送られてくる中間転写リボン28
に対してその速度に合わせて冊子1を搬送し、剥離動作が行われる(S111)。なお、
剥離動作は冊子の綴じ目から圧着された中間転写リボン28を巻き上げる事で剥離される
。この時、冊子の圧着された部分のページが中間転写リボン28と同時に巻き上げられな
いように、ガイドシャフト31cによって一定の力で押さえつけられている。
【0061】
(S2)及び(S22)の動作では、CPU100はインクリボン搬送制御回路104
及びモータ制御回路107の速度制御を行い、Mを印刷する処理を行う。なお、Cが印刷
終了後には、CPU100はモータ制御回路107に対して、Yを印刷するのに必要な分
の中間転写リボン28を巻き戻すよう速度制御する(S222)。また、(S3)及び(
S33)の動作では、CPU100はインクリボン搬送制御回路104及びモータ制御回
路107の速度制御を行い、Yを印刷する処理を行う。なお、Yが印刷終了後には、CP
U100はモータ制御回路107に対して、Kを印刷するのに必要な分の中間転写リボン
28を巻き戻すよう速度制御する(S333)。
【0062】
(S4)及び(S44)の動作では、CPU100はインクリボン搬送制御回路104
及びモータ制御回路107の速度制御を行い、Cを印刷する処理を行う。かつその速度で
中間転写リボン28が送出されるのに合わせ、サーマルヘッド制御回路103及び媒体搬
送制御回路108の速度制御を行う。つまり、送られてくる中間転写リボン28に対して
その速度にあわせて冊子1を搬送し転写動作が行われる(S444)。
【0063】
次に、印刷装置20の印刷部3による中間転写リボン28への印刷動作((S1)乃至
(S4))について詳細な説明を行う。
【0064】
すなわち、印刷装置のCPU100は、印刷開始指示を受信したのに基づいて、モータ
制御回路107を速度制御して、搬送機構30としての第1軸31A及び31B、及び、
搬送ローラ32を駆動し、中間転写リボン28を送出する。そして、CPU100は、セ
ンサ入力回路109を介して第1センサS1からの出力信号に基づいて送出された中間転
写リボン28のバーマーク41Dを検知する。
【0065】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボ
ン28の送出量を算出する。すなわち、CPU100は、第1センサS1の位置でバーマ
ーク41Dを検知してから、ホログラム層41における所定の印刷開始位置がサーマルヘ
ッド5による印刷位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。そして
、CPU100は、算出した送出量に基づいてモータ制御回路107を速度制御して搬送
機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。
【0066】
続いて、CPU100は、インクリボン搬送制御回路104を制御して送出軸8及び巻
取軸9を駆動する。それとともに、メモリ部101に記憶した印刷データに基づいてサー
マルヘッド制御回路103を制御してサーマルヘッド5を駆動し、インクリボン7のイン
クを中間転写リボン28上に転写してカラーまたはKの所定情報を印刷する。サーマルヘ
ッド5は、中間転写リボン28が順方向Aに搬送されている間に印刷データに基づいて発
熱することにより、インクリボン7のインクが溶融されて中間転写リボン28の表面に転
写される。
【0067】
なお、転写部4及び剥離部50が稼動しない間、つまりMの印刷動作(S2)及びYの
動作(S3)では中間転写リボン28がサーマルヘッド5を往復することで行われる。つ
まり、中間転写リボン28へMの印刷動作が完了した後、中間転写リボン28を逆方向B
に搬送し、中間転写リボン28における印刷開始位置をサーマルヘッド5による印刷位置
に整合させ、中間転写リボン28へのYの印刷動作を行う。この往復動作は、転写部4及
び剥離部50のどちらとも稼動しない場合に行われる。使用する色の数に応じて、往復す
る回数が増減する。
【0068】
なお、図6及び図7に示したような中間転写リボン28では、第1領域41Aに顔画像
情報がカラー印刷された後、第1領域41A及び第2領域41Bに文字画像情報がKで印
刷される。
【0069】
上述したような印刷動作によって中間転写リボン28上に印刷された所定情報は、印刷
部3における印刷位置と転写部4における転写位置との間に少なくとも1画面分ストック
される。図1に示した例では、印刷予定エリアに所定情報を印刷する前の状態で、印刷位
置と転写位置との間にストックされた印刷済みの画像が2つある場合を示している。
【0070】
以下、図6を用いて転写部4での転写動作(S44)から剥離部50での剥離動作(S
11)までの詳細な様子を示す。本実施形態では、印刷部3で印刷された所定情報を有す
る中間転写リボン28の接着層42と冊子1の該当印刷頁とを重ね合わせて、所定情報と
ともに接着層42及びホログラム層41を冊子1上に転写する。転写した後に、中間転写
リボン28と冊子1を剥離する動作となる。
【0071】
まず、図6の(a)に示すように、印刷装置20のCPU100は、モータ制御回路1
07を制御して搬送機構30を駆動し、印刷部3において所定情報が印刷された中間転写
リボン28を順方向Aに向けて送出する。そして、CPU100は、センサ入力回路10
9を介して第2センサS2からの出力信号に基づいて送出された中間転写リボン28のバ
ーマーク41Dを検知する。
【0072】
また、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及
び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、印刷頁を開いた状態で取り込まれた冊子1を転写部
4における転写位置まで搬送する。
【0073】
続いて、CPU100は、バーマーク41Dを検知した位置を基準として中間転写リボ
ン28の送出量を算出する。CPU100は、第2センサS2の位置でバーマーク41D
を検知後、ホログラム層41における所定の転写開始位置がヒートローラ26による転写
位置に到達するまでの中間転写リボン28の送出量を算出する。CPU100は、算出し
た送出量に基づいてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リ
ボン28を所定の送出量だけ送出する。そして、CPU100は、算出した送出量に基づ
いてモータ制御回路107を制御して搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定
の送出量だけ送出する。
【0074】
続いて、図6の(b)に示すように、印刷装置のCPU100は、センサ入力回路10
9を介して第3センサS3からの出力信号に基づいて冊子1の後端部の通過を検知すると
、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13
Bの駆動を一端停止する。
【0075】
そして、CPU100は、冊子1上における転写開始位置と転写部4における転写位置
とを整合するよう媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬
送ローラ対13Bにより冊子1の位置を微調整する。冊子1は、ヒートローラ26が回転
した際に、ヒートローラ26におけるカット面35Aのエッジ部が冊子1の印刷頁の綴じ
目の近傍に当接されるよう位置決めされる。
【0076】
続いて、図6の(c)に示すように、CPU100は、ヒータ温度制御回路105を制
御して、ヒートローラ26を所定の温度に加熱する。そして、CPU100は、所定のタ
イミングでヒートローラ回転制御回路106を制御して、ヒートローラ26を回転させる

【0077】
互いに位置決めされた中間転写リボン28及び冊子1は、円周の一部が切り欠かれた形
状のカット面35Aを有するヒートローラ26の回転とともに重ね合わされる。このとき
、中間転写リボン28の供給方向に直交する幅方向に対して、冊子1の印刷頁の綴じ目部
が並行となるよう互いに重ね合わせて転写を開始する。
【0078】
これと同時に、搬送ローラ対13A及び13Bによる冊子1の搬送と、搬送機構30に
よる中間転写リボン28の搬送とが行われる。このとき、ヒートローラ26により、中間
転写リボン28及び冊子1は、加圧されながら加熱される。所定情報が印刷された接着層
42及びホログラム層41が冊子1の印刷頁に転写される。
【0079】
ここで、送出される送出量は約1画面分の長さの中間転写リボン28に相当する。搬送
機構30を駆動して約一画面分の中間転写リボンを送出する間に並行して、印刷部3にお
いて中間転写リボン28上にKの印刷を行う。
【0080】
続いて、図6の(d)に示すように、CPU100は、モータ制御回路107を制御し
て搬送機構30を駆動し、中間転写リボン28を所定の送出量だけ送出する。一方、CP
U100は、媒体搬送制御回路108を制御し、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ロ
ーラ対13Bを駆動し、冊子1を剥離部50における剥離終了位置まで搬送する。以上で
剥離動作が終了する。
【0081】
ここで、送出される中間転写リボン28の送出量は、約1画面分の長さに相当する。本
実施形態では、搬送機構30を駆動して約一画面分の中間転写リボンを送出する間に並行
して、印刷部3において中間転写リボン28上にCの印刷を行う。
【0082】
剥離動作と印刷動作を並行動作した後に、Cを印刷しかつ剥離動作を行うのに必要だっ
た中間転写リボン28の送出量をモータ制御回路107を制御して、第1軸31A及び第
2軸31Bを駆動し逆搬送を行い、巻き戻す。
【0083】
その間に、図6の(e)に示すように、CPU100は、媒体搬送制御回路108を制
御して、第1搬送ローラ対13A及び第2搬送ローラ対13Bを駆動し、転写が完了した
冊子1を印刷頁を開いた状態で排出させる。
【0084】
上述したような並行動作を行う際、印刷動作時における中間転写リボン28の搬送速度
と、転写動作時における中間転写リボン28の搬送速度とを、また印刷動作時における中
間転写リボン28の搬送速度と、剥離動作時における中間転写リボン28の搬送速度とを
ほぼ同一とすることが望ましい。これにより、可動範囲の狭いテンション機構80であっ
ても限られた速度変動を吸収することができ、各々の並行動作を可能とする。
【0085】
このような並行動作を可能とする制御により、機構を複雑化したり各部を複雑に調整し
たりすることなく、しかも、装置を大型化することなく、処理効率を向上することが可能
となる。このような制御は、特に複数の冊子類に対して連続的に所定情報を転写する場合
に有利である。
【0086】
印刷動作と転写動作を並行動作に加え、印刷動作と剥離動作を並行動作させることによ
り1冊子類当たりの処理時間を短縮することができる。
【0087】
さらに、冊子類に予め付与された固有の識別情報を読み取って、この識別情報の少なく
とも一部を冊子類に転写される所定情報に含ませることにより、冊子類のセキュリティ性
を向上することができる。
【0088】
また、識別情報は、最後に重ね合わせられる色で印刷することにより、固有の識別情報
の読取動作は、先に重ね合わせられる色の印刷動作中に行うことができる。この印刷動作
中においては、読取動作の他に、冊子類の取込動作やページめくり動作などを並行して行
うことができる。したがって、冊子類の作成時間を短縮することができる。
【0089】
また印刷部と剥離部が平行して動作する為、印刷装置全体の温度が上がった際には、剥
離動作及び印刷動作が同時に動作速度を落とすことから、全体の温度上昇を防ぐことが出
来る。
【0090】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な
限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による印刷装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明による印刷装置で転写された後の被転写媒体の停止位置の斜視図である。
【図3】本発明による印刷装置に適用される制御を示したブロック図である。
【図4】本発明による印刷装置で適用される中間転写リボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図5】(a)本発明による印刷装置での印刷動作を示したフローチャートである。(b)本発明による印刷装置で転写部4及び剥離部50の稼動状況を示したフローチャートである。(c)本発明による印刷装置でCPU100の(a)及び(b)に対応する制御処理を示したフローチャートである。
【図6】本発明による印刷装置の転写部による転写動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0092】
1 被転写媒体
2 印刷部
3 転写部
50 剥離部
100 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離する剥離手段と、
前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストッ
クされた少なくとも1画面分の所定情報の前記転写手段による転写動作の少なくとも一部
と、を並行して行うよう制御し、かつ前記印刷手段による印刷動作の少なくとも一部と、
転写位置と剥離位置との間にストックされた少なくとも1画面分の前記剥離手段による剥
離動作の少なくとも一部とを並行して行なう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を複数色重ね合わせて印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離する剥離手段と、
前記印刷手段による中間転写媒体に設けられた所定の画面への最後に行う印刷動作の少
なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた画面に対する前記転写手段
による転写動作の少なくとも一部とを並行して行うよう制御し、かつ前記印刷手段による
中間転写媒体に設けられた所定の画面への最初に行う印刷動作の少なくとも一部と転写位
置と剥離位置との間にストックされた画面に対する前記剥離手段による剥離動作の少なく
とも一部とを並行して行なう制御する制御手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記剥離手段は、転写動作の開始位置に配置され、前記中間転写媒体と前記被転写媒体
の圧着部を搬送路に押し付けるガイドシャフトと、前記中間転写媒体のみを巻き上げる中
間転写媒体搬送機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載された印刷装置。
【請求項4】
前記転写手段において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離する際に、前記被転写媒体の綴じ目の部位から剥離動作を開始することを特徴とした請
求項1乃至3のいずれか1項に記載された印刷装置。
【請求項5】
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を印刷し、
前記印刷工程により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写し、
前記転写工程において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離し、
前記印刷工程による印刷動作の少なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストッ
クされた少なくとも1画面分の所定情報の前記転写方法による転写動作の少なくとも一部
と、を並行して行うよう制御し、かつ前記印刷工程による印刷動作の少なくとも一部と、
転写位置と剥離位置との間にストックされた少なくとも1画面分の前記剥離工程による剥
離動作の少なくとも一部とを並行して行なうことを特徴とする印刷方法。
【請求項6】
印刷位置において中間転写媒体に所定情報を複数色重ね合わせて印刷し、
前記印刷工程により所定情報が印刷された前記中間転写媒体と被転写媒体とを転写位置
において圧着して前記中間転写媒体の所定情報を前記被転写媒体に転写し、
前記転写工程において所定情報を転写された前記被転写媒体から前記中間転写媒体を剥
離し、
前記印刷工程による中間転写媒体に設けられた所定の画面への最後に行う印刷動作の少
なくとも一部と、印刷位置と転写位置との間にストックされた画面に対する前記転写工程
による転写動作の少なくとも一部とを並行して行うよう制御し、かつ前記印刷工程による
中間転写媒体に設けられた所定の画面への最初に行う印刷動作の少なくとも一部と転写位
置と剥離位置との間にストックされた画面に対する前記剥離工程による剥離動作の少なく
とも一部とを並行して行なうことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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