説明

印刷装置及び印刷方法

【課題】適切に調色された背景画像を得ること。
【解決手段】搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に上流側背景色ノズル列と上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、往路方向及び復路方向のいずれかの方向に下流側背景色ノズル列と下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、上流側背景色ノズル列と上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部であって、背景画像を形成する際に、往路方向及び復路方向のいずれかの方向への上流側背景色ノズル列と上流側カラーノズル列の同時の移動において、上流側背景色ノズル列と上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ背景画像を調色する制御部と、を備える印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に背景画像を形成し、さらに、この背景画像上にカラーの画像を形成するプリンタが開発されている。例えば、白色の背景画像を形成するとき、利用者が望む「白色」となるように少量のカラーインクを背景画像に混合し、背景画像の調色が行われることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−530229号公報
【特許文献2】特開平1−127357号公報
【特許文献3】特開2007−276279号公報
【特許文献4】特開2003−251916号公報
【特許文献5】特開平11−188897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、白色インクが着弾してから、所定の時間が経過した後にカラーインクを着弾させた場合、両者は混色せず、背景画像のドット粒状性が悪くなるという問題があった。また、より広い色再現域を得ることにより、適切に調色された背景画像を得ることが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、適切に調色された背景画像を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも前記下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列の同時の移動において、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置である。
【0006】
また、上記目的を達成するための他の主たる発明は、
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)少なくとも前記上流側カラーノズル列にカラー画像を形成させ、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列に背景画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列の同時の移動において、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】プリンター1の全体構成ブロック図である。
【図2】プリンター1の斜視図である。
【図3】ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。
【図4】本実施形態における印刷モードを説明する図である。
【図5】図5Aは、白色を調色する白調色の概念を示す説明図(その1)であり、図5Bは、白色を調色する白調色の概念を示す説明図(その2)である。
【図6】図6Aは、カラー画像及び背景画像の色再現域(ガマット)の一例を示す説明図(その1)であり、図6Aは、カラー画像及び背景画像の色再現域(ガマット)の一例を示す説明図(その2)である。
【図7】表刷りモードにおける印刷パターン1の説明図である。
【図8】裏刷りモードにおける印刷パターン1の説明図である。
【図9】表刷りモードにおける印刷パターン2の説明図である。
【図10】表刷りモードにおける印刷パターン3の説明図である。
【図11】表刷りモードにおける印刷パターン4の説明図である。
【図12】表刷りモードにおける印刷パターン5の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0010】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも前記下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列の同時の移動において、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、適切に調色された背景画像を得ることができる。
【0011】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)少なくとも前記上流側カラーノズル列にカラー画像を形成させ、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列に背景画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列の同時の移動において、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、適切に調色された背景画像を得ることができる。
【0012】
また、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列は前記交差方向に一体に移動し、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列は前記交差方向に一体に移動することが望ましい。
このようにすることによって、多くの時間差を要さずに、背景色ノズル列のインク滴とカラーノズル列のインク滴を噴射することができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記カラー画像と重ねて形成される背景画像を調色することが望ましい。
このようにすることで、カラー画像の背景に適切に調色された背景画像を形成することができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記カラー画像と重ねて形成されない背景画像を調色することとしてもよい。
このようにすることで、カラー画像が印刷されない領域に適切に調色された0背景画像を形成することができる。
【0015】
また、前記背景色インクは白色のインクであることが望ましい。
このようにすることで、白色をベースとした背景画像を形成することができる。
【0016】
また、前記背景色インクはメタリック調のインクであることとしてもよい。
このようにすることで、メタリックをベースとした背景画像を形成することができる。
【0017】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも前記下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部と、
を備える印刷装置における印刷方法であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列の同時の移動において、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する印刷方法。
このようにすることで、適切に調色された背景画像を得ることができる。
【0018】
===実施形態===
以下、印刷装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて実施形態を説明する。
【0019】
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図である。図2は、プリンター1の斜視図である。コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。なお、コンピューター60には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換するためのプログラム(プリンタードライバー)がインストールされている。プリンタードライバーは、CD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されていたり、インターネットを介してコンピューターにダウンロード可能であったりする。
【0020】
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
【0021】
搬送ユニット20は、媒体Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時には搬送方向に所定の搬送量で媒体Sを搬送させるものである。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を搬送方向と交差する移動方向に移動させるためのものであり、キャリッジ31を有する。
【0022】
ヘッドユニット40は、媒体Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41を有する。ヘッド41はキャリッジ31によって移動方向に移動する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設けられ、各ノズルには、インクが入ったインク室(不図示)が設けられている。
【0023】
図3は、ヘッド41の下面に設けられるノズルの配列を示す図である。なお、図はヘッド41の上面から仮想的にノズルを見た図である。ヘッド41の下面には、180個のノズルが搬送方向に所定の間隔(ノズルピッチD)で並んだノズル列が5列形成されている。図示するように、ブラックインクを噴射するブラックノズル列K・シアンインクを噴射するシアンノズル列C・マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列M・イエローインクを噴射するイエローノズル列Y・白インクを噴射するホワイトノズル列Wが、移動方向に並んでいる。なお、各ノズル列が有する180個のノズルに対して、搬送方向の下流側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。
【0024】
このようなプリンター1では、移動方向に沿って移動するヘッド41からインク滴を断続的に噴射させて媒体上にドットを形成するドット形成処理と、媒体をヘッド41に対して搬送方向に搬送する搬送処理とが繰り返される。そうすることで、先のドット形成処理により形成されたドットの位置とは異なる媒体上の位置に、後のドット形成処理にてドットを形成することができ、媒体上に2次元の画像を印刷することができる。なお、ヘッド41がインク滴を噴射しながら移動方向に1回移動する動作(1回のドット形成処理・噴射動作に相当)を「パス」と呼ぶ。
【0025】
図4は、本実施形態における印刷モードを説明する図である。プリンター1は、カラー画像を印刷面側から見るように印刷する「表刷りモード」と、カラー画像を媒体側(画像形成側の反対側)から見るように印刷する「裏刷りモード」のうちの、何れか一方のモードにて媒体上に画像を形成することができる。
【0026】
カラー画像と背景画像を重ねて印刷するため、表刷りモードでは媒体の所定領域に対して先に背景画像を印刷し、その背景画像上にカラー画像を印刷することになる。逆に、裏刷りモードでは媒体の所定領域に対して先にカラー画像を印刷し、そのカラー画像上に背景画像を印刷することになる。
【0027】
尚、ここでは、カラー画像と背景画像を重ねて印刷する印刷モードについて説明を行ったが、印刷する領域によっては、背景画像のみを印刷する場合や、カラー画像のみを印刷する場合もある。
【0028】
図5Aは、白色を調色する白調色の概念を示す説明図(その1)である。図5Aには、a−b平面におけるプリンター1の白インクの色の位置P1の一例を示している。図5Bは、白色を調色する白調色の概念を示す説明図(その2)である。図5Bには、さらに、ターゲットの白色の位置P2及びプリンター1の白インクにイエローインクを所定量混ぜた色の位置P3の一例を示している。図5Bに示すように、例えば、プリンター1の白インクにイエローインクを混ぜることにより、背景画像(調色白画像)の色をターゲットの白色に近づけることができる。また、仮に、ライトマゼンタのインクを噴射することができたとすると、さらにライトマゼンタ、イエローのインクを所定量混ぜることにより、背景画像の色をさらにターゲットの白色に近づけることができる。このように、背景画像の形成の際に、白色インクと白色以外の少なくとも1色のインクとを用いることにより、背景画像の色を所望の色とすることができる。
【0029】
図6Aは、カラー画像及び背景画像の色再現域(ガマット)の一例を示す説明図(その1)である。図6Aには、−b方向から見たカラー画像のガマットGcと背景画像のガマットGwとが示されている。図6Bは、カラー画像及び背景画像の色再現域(ガマット)の一例を示す説明図(その2)である。図6Bには、+a方向から見たカラー画像のガマットGcと背景画像のガマットGwとが示されている。
【0030】
本実施形態では、カラー画像の形成には、白色を除く4色のインクが用いられ、白色インクは使用されない。また、背景画像の形成には、白色とイエローとブラックとシアンとマゼンタとの5色のインクが用いられる。
【0031】
尚、ライトシアンやライトマゼンタのインクを有するプリンターの場合には、シアンとマゼンタの代わりに、ライトシアンとライトマゼンタを用いて調色を行うこととしてもよい。
【0032】
<印刷パターン1>
図7は、表刷りモードにおける印刷パターン1の説明図である。図8は、裏刷りモードにおける印刷パターン1の説明図である。図では説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズル数を14個に減らして描く。また、4色インク(YMCK)を各々噴射するノズル列をまとめて「カラーノズル列Co」と示す。図7および図8はバンド印刷を示す。バンド印刷とは、1回のパスで形成されるバンド画像が搬送方向に並ぶ印刷方法であり、あるパスで形成されたラスターライン(移動方向に沿うドット列)の間に他のパスにてラスターラインを形成しない印刷方法である。
【0033】
ところで、白インクのみを使用して背景画像を印刷すると、背景画像を印刷する白インクの色そのものの色が背景画像の色となる。しかし、同じように白インクと呼ばれるインクであっても、インクの材料などによって白色の色味が若干異なる。そのため、使用する白インクによってユーザーが所望する色とは異なる色の背景画像が印刷されてしまう場合がある。また、印刷物によっては、単純な白色ではなく、若干の有彩色を有する背景画像が所望されることもある。また、白い媒体を用いる場合、白い媒体においても、媒体の種類によって白色の色味が若干異なる。そのため、白い媒体に背景画像を印刷する際に、背景画像の白色と媒体の白色とが異なると、背景画像が目立ってしまう。
【0034】
そこで、本実施形態では、前述のように、白インクと共に、少量のカラーインク(YMCK)を適宜使用して、所望の白色の背景画像(調整された白色の背景画像)を印刷する。即ち、背景画像を印刷する際に、プリンター1が噴射可能なカラーインクの中の少なくとも1色のカラーインクを使用すればよく、例えば、4色のカラーインクを全て使用してもよいし、2色のカラーインクを使用してもよい。このように、白インクとカラーインクで背景画像を印刷することで、白インクが若干の色彩を有する場合に、その色彩を打ち消すインクと共に背景画像を印刷することで、背景画像を無彩色に近づけることもできる。
【0035】
なお、所望の白色の背景画像をプリンター1に印刷させるための印刷データは、プリンター1が予め記憶するようにしても良いし、プリンタードライバーが作成するようにしても良い。プリンター1のモニターやコンピューターの画面をユーザーが見るなどして、所望の背景画像の色の選択を行う場合には、選択された色に応じた背景画像の印刷データが生成されるようにするとよい。
【0036】
図7の表刷りモードでは、媒体の所定領域に対して先に背景画像を印刷し、その上にカラー画像を印刷する。そのため、ホワイトノズル列Wの搬送方向上流側の半分のノズル(#8〜#14(ノズル番号に記号無し)、以下、背景画像を形成するホワイトノズルをこのように示す)、及び、カラーノズル列の搬送方向上流側の半分のノズル(#8〜#14(三角形にてノズル番号が囲われている)、以下、調色に使用されるカラーノズルをこのように示す)を、背景画像を印刷するための使用ノズルとし、カラーノズル列Coの搬送方向下流側の半分のノズル(#1〜#7(円にてノズル番号が囲われている)、以下、カラー画像を形成するカラーノズルをこのように示す)を、カラー画像を印刷するための使用ノズルとする。なお、表刷りモードでは、ホワイトノズル列Wの搬送方向下流側の半分のノズル(#1〜#7(ノズル番号上に「×」が記されている)、以下、不使用のホワイトノズルをこのように示す)からはインクが噴射されない。また、図7はバンド印刷であるため、1回の媒体搬送量がノズル列の半分の長さ(7個のノズル分長さ)「7D」となる。
【0037】
つまり、表刷りモードでは、ホワイトノズル列Wの搬送方向上流側の使用ノズル及びカラーノズル列Coの搬送方向上流側の使用ノズルとカラーノズル列Coの搬送方向下流側の使用ノズルとで画像を形成する動作と、媒体を搬送量7Dだけ搬送する動作と、を繰り返す。その結果、媒体の所定領域はまずホワイトノズル列W及びカラーノズル列Coの搬送方向上流側の使用ノズル(#8〜#14)と対向し、媒体の所定領域には背景画像が印刷される。尚、このとき、図に示されたように噴射時移動方向に移動しながらインクが噴射されるため、若干ながらホワイトインクのほうが調色用のカラーインクよりも先に媒体に着弾することになる。
【0038】
その後、媒体が搬送方向下流側に搬送されることによって、媒体の所定領域はカラーノズル列Coの搬送方向下流側の使用ノズル(#1〜#7)と対向し、媒体の所定領域の背景画像上にカラー画像が印刷される。
【0039】
逆に、裏刷りモードでは、図8に示すように、ホワイトノズル列Wの搬送方向下流側の半分のノズル(#1〜#7(ノズル番号に記号無し))及びカラーノズル列Coの搬送方向下流側の半分のノズル(#1〜#7(三角形にてノズル番号が囲われている))を、背景画像を印刷する使用ノズルとし、カラーノズル列Coの搬送方向上流側の半分のノズル(#8〜#14(円にてノズル番号が囲われている))を、カラー画像を印刷する使用ノズルとする。なお、1回の媒体搬送量はノズル列の半分の長さ7Dである。その結果、媒体の所定領域はまずカラーノズル列Coの搬送方向上流側の使用ノズル(#8〜#14)と対向し、媒体の所定領域にはカラー画像が印刷される。その後、媒体が搬送方向下流側に搬送されることによって、媒体の所定領域はホワイトノズル列W及びカラーノズル列Coの搬送方向下流側の使用ノズル(#1〜#7)と対向し、媒体の所定領域のカラー画像上に背景画像が印刷される。
【0040】
このように、背景画像を印刷するホワイトノズル列Wのノズル(ノズル番号に記号無し)の搬送方向の位置と、同じく背景画像を印刷するカラーノズル列Coのノズル(三角形にてノズル番号が囲われている)の搬送方向の位置を、等しくする。そうすると、背景画像を印刷するために、媒体の所定領域に対して同じパスで白インクとカラーインクが噴射される。その結果、白インクとカラーインクが混ざり、背景画像の粒状感を低減することができる。
【0041】
また、背景画像を形成するときにおいて、白インクが噴射される画素には、同一のパスにおいて調色用のカラーインクが噴射される。このようにすることによって、調色を行う際、同一のパスにおいて、白インクと調色用のカラーインクがほぼ同じタイミング(実際には、カラーインクが白インクよりも若干遅れて)で同じ画素に着弾するので、適度に両者は混色し、広い色再現域を得ることができる。そして、高明度かつ高彩度の色を再現し、適度に調整された背景画像を形成することができる。
【0042】
また、背景画像を構成するカラーインクの割合は白インクの割合に比べて小さい。ただし、背景画像におけるカラーインクの粒状感を低減するため、カラーインクのドットをなるべく均一に分散することが好ましい。即ち、背景画像の単位領域あたりの白インク密度(ドット密度)に対して背景画像の単位領域あたりのカラーインク密度(ドット密度)を小さくする。そのため、背景画像を構成するカラーインクの割合は白インクの割合に比べて小さいものの、本実施形態では、背景画像を印刷するために使用するホワイトノズル列Wのノズル数とカラーノズル列Coのノズル数を等しくする。即ち、カラーノズル列Coに属する半分のノズルを用いて背景画像を印刷する。ただし、これに限らず、背景画像を印刷するために使用可能なカラーノズル列Coの半分のノズルのうち、数個置きのノズルを使用して背景画像を印刷してもよい。
【0043】
尚、上述の実施形態では、カラー画像と重ねて形成される背景画像を調色する場合について説明を行ったが、カラー画像と重ねて形成されない背景画像を調色する場合であっても、ほぼ同様の動作によって行うことができる。
【0044】
また、背景画像は白色をベースとするものとして説明を行ったが、ホワイトノズルWをメタリックインクを噴射するメタリックインクノズルとすることとし、背景画像をメタリック調をベースとするものとしてもよい。
【0045】
<印刷パターン2>
図9は、表刷りモードにおける印刷パターン2の説明図である。ここでも説明の簡略のため、1ノズル列に属するノズルを8個として描いている。尚、各ノズル番号に付された記号の意味は前述の印刷パターン1のものと同じである。
【0046】
図9に示すような印刷を行うことによっても、上述と同様に調色された背景画像とカラー画像を得ることができる。また、このような媒体の搬送とした場合、所謂インターレース印刷を構成するので、使用ノズルを分散してバンディングむらを軽減させることもできる。
【0047】
尚、印刷パターン2において裏刷りモードを行う場合、三角形にて示されている上流側カラーノズル列をカラー画像を印刷するためのノズル列として用い、記号が付されていない上流側ホワイトノズル列からはインクを噴射しないこととする。また、円の記号にて示されている下流側カラーノズル列を調色に使用されるカラーノズル列とし、「×」の記号にて示されている下流側ホワイトノズル列を背景画像を印刷するためのノズル列とする。このようにした上で、図9と同様の搬送を行うことで、裏刷りモードによる印刷を行うことができる。尚、裏刷りモードを行うとき、噴射時移動方向を、図9に示した方向とは反対の紙面左側とすることとしてもよい。
【0048】
<印刷パターン3>
図10は、表刷りモードにおける印刷パターン3の説明図である。ここでは、印刷パターン2と同様のノズル配列を用いるが、搬送量が異ならされている。そして、印刷開始位置以降に関する使用ノズルを参照すると、1つのラスターラインにカラー画像を形成するためのノズル(円で囲われている)が2回通過することが確認できる。つまり、このようにすることで、カラー画像に関しては、所謂オーバーラップ印刷を行うことができる。このようにすることによっても、上述と同様に調色された背景画像とカラー画像を得ることができる。
【0049】
尚、印刷パターン3において裏刷りモードを行う場合の使用ノズルの対応は、前述の印刷パターン2のときと同じように入れ替えられる。このようにすることによって、裏刷りモードも実現することができる。
【0050】
<印刷パターン4>
図11は、印刷パターン4の説明図である。前述の印刷パターン1〜3では、上流側のノズルの数と下流側のノズルの数とを等しくしていたが、印刷パターン4のように、上流側のノズルの数と下流側のノズルの数とを異ならせる構成とすることができる。
【0051】
このようにすることによっても、上述と同様に、適切に調色された背景画像とカラー画像を得ることができる。
【0052】
<印刷パターン5>
図12は、印刷パターン5の説明図である。印刷開始位置以降のノズルを参照すると、1つのラスターラインに、背景画像を形成するためのホワイトノズルと調色を行うためのカラーノズルが2回通過することが確認できる。つまりこのようにすることで、背景画像に関しても所謂オーバーラップ印刷を行うことができる。
【0053】
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、1つのヘッドにおける上流側のノズル列と下流側のノズル列を用いて説明したが、ヘットは1つに限られない。例えば、上流側に第1ヘッドを設け、下流側に第2ヘッドを設けることもできる。それぞれのヘッドは、カラーインクのノズル列と、ホワイトノズル列を備える。このようにすることによっても、第1ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を上流側のノズル列とすることができ、第2ヘッドのカラーインクのノズル列とホワイトノズル列を下流側のノズル列とすることができる。
【0054】
また、実施形態として次のような印刷方法であってもよい。
【0055】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)少なくとも前記上流側カラーノズル列にカラー画像を形成させ、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列に背景画像を形成させる制御部と、
を備える印刷装置における印刷方法であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列の同時の移動において、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する、印刷方法。
【0056】
また、上述の実施形態では、プリンター1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
【0057】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0058】
<白色について>
なお、本明細書において「白色」とは、可視光線のすべての波長を100%反射する物体の表面色である厳密な意味での白色に限らず、いわゆる「白っぽい色」のように、社会通念上、白色と呼ばれる色を含むものとする。「白色」とは、例えば、(1)x-rite社製の測色機eye-one Proを用いて測色モード:スポット測色、光源:D50、バッキング:Black、印刷媒体:透明フィルムで測色した場合に、Lab系での標記がa**平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(2)ミノルタ製の測色計CM2022を用いて測定モードD502°視野、SCFモード、白地バックで測色した場合に、Lab系での標記がa**平面上で半径20の円周及びその内側にあり、かつL*が70以上で表される色相範囲内の色か、(3)特開2004−306591号公報に記載されているように画像の背景として用いられるインクの色をいい、背景として用いられるのであれば純粋な白に限られない。
【0059】
<ヘッドについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 プリンター、10 コントローラー、
11 インターフェース、12 CPU、
13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも前記下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列の同時の移動において、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置。
【請求項2】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)少なくとも前記上流側カラーノズル列にカラー画像を形成させ、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列に背景画像を形成させる制御部であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列の同時の移動において、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する制御部と、
を備える印刷装置。
【請求項3】
前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列は前記交差方向に一体に移動し、前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列は前記交差方向に一体に移動する、請求項1又は2のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記カラー画像と重ねて形成される背景画像を調色する、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記カラー画像と重ねて形成されない背景画像を調色する、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
前記背景色インクは白色のインクである、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記背景色インクはメタリック調のインクである、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
(A)媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
(B)前記媒体に背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側背景色ノズル列と、
(C)前記媒体にカラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ上流側カラーノズル列であって、該上流側カラーノズル列の各ノズルが前記上流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる上流側カラーノズル列と、
(D)前記搬送方向について前記上流側背景色ノズル列よりも下流側に設けられる下流側背景色ノズル列であって、前記媒体に前記背景色インクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側背景色ノズル列と、
(E)前記媒体に前記カラーインクを噴射するノズルが前記搬送方向に沿って並ぶ下流側カラーノズル列であって、該下流側カラーノズル列の各ノズルが前記下流側背景色ノズル列の各ノズルと前記搬送方向について重なる下流側カラーノズル列と、
(F)前記搬送方向と交差する交差方向のうち往路方向及び復路方向のいずれかの方向に前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列とを同時に移動させ、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向に前記下流側背景色ノズル列と前記下流側カラーノズル列とを同時に移動させる移動部と、
(G)前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列に背景画像を形成させ、少なくとも前記下流側カラーノズル列にカラー画像を形成させる制御部と、
を備える印刷装置における印刷方法であって、
前記背景画像を形成する際に、前記往路方向及び前記復路方向のいずれかの方向への前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列の同時の移動において、前記上流側背景色ノズル列と前記上流側カラーノズル列からそれぞれのインクを噴射させ前記背景画像を調色する印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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