印字ヘッド
【課題】印字ワイヤを打ち出した後の戻りを早くし、リボンに引っ掛かることを防止する。
【解決手段】印字ワイヤを打ち出さない程度に、当該印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにした。
【解決手段】印字ワイヤを打ち出さない程度に、当該印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアルプリンタにおけるワイヤドット印字ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリアルプリンタにおけるワイヤドット印字ヘッドにおいて、ワイヤはアーマチュアを介して板バネに支持され、アーマチュアは永久磁石によって磁気回路部に発生する磁束により板バネに抗してコアに吸着されており、印字の際には、コアに巻かれたコイルに駆動電流を通電しアーマチュアを吸着している磁束を打ち消すことで、アーマチュア及び板バネを開放し、ワイヤを打ち出す技術があった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−285230
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、ワイヤの打ち出し力を上げるために、単純にコイルに通電する時間を長くすると、ワイヤを打ち出した後、ワイヤの戻りが遅くなり、その結果、リボンにワイヤが引っ掛かってしまうため、簡単に打ち出し力を上げることができないという問題があった。
【0004】
また、罫線などの印字パターンによっては、同じワイヤを連続で打ち出す必要があるため、ワイヤの戻りが遅くなり、リボンにワイヤが引っ掛かってしまうために、印字速度を下げなければならないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するために次の手段を採用する。コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたので、リボンにワイヤを引っ掛けることがなくなり、ワイヤの打ち出し力を上げることができ、また、罫線などの印字パターンの際に印字速度を下げる必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0008】
(構成)
図2は実施例1における印字ヘッドの構成図である。a1、a2、a3は、ワイヤ、アーマチュア、板バネで構成されるものであるが、以下、単にワイヤと言う。b1、b2、b3はコア、c1、c2、c3はコイルである。また、ワイヤa1、コアb1、コイルc1は今ワイヤを打ち出そうとするものであり、ワイヤa2、コアb2、コイルc2及びワイヤa3、コアb3、コイルc3はその両隣に配置されている。磁束φ1、磁束φ2、磁束φ3は、それぞれ永久磁石によって、コアb1、コアb2、コアb3内に発生している磁束であり、それぞれワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3を吸引している。
【0009】
図3は、実施例1におけるコイルに通電するための構成図である。制御部1は主電源回路2に接続され、主電源回路2はコイルcに接続されている。また、主電源回路2は制御部1から発信された指令信号12の電流をコイルcに通電することができる回路となっている。これはコイル1つの構成であり、図2のコイルc1、コイルc2、コイルc3の全てがこの構成となっている。
【0010】
コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電される電流をそれぞれ電流i1、電流i2、電流i3とし、コイルc1によって発生する磁束で、コアb1に作用する磁束を磁束ψ1、コアb2への漏れ磁束を磁束η12、コアb3への漏れ磁束を磁束η13とし、コイルc2によって発生する磁束で、コアb2に作用する磁束を磁束ψ2、コアb1への漏れ磁束を磁束η21とし、コイルc3によって発生する磁束で、コアb3に作用する磁束を磁束ψ3、b1への漏れ磁束を磁束η31とする。
【0011】
図2の状態は、電流i1=0、電流i2=0、電流i3=0であり、コアb1、コアb2、コアb3の磁束φ1、磁束φ2、磁束φ3で、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3を吸引している。従って、例えば、ワイヤa1を打ち出す場合には、コイルc1に電流i1を通電し、磁束φ1を打ち消すことで可能となる。
【0012】
図6は、実施例1における制御ブロック図である。制御部1から指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが、それぞれ主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cに発信されると、主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cは、それぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ電流i1、電流i2、電流i3を通電する構成になっている。制御部1によって、指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが発信されるタイミングが制御されている。
【0013】
(動作)
以上の構成により実施例1の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図1、図4、図5及び図7を用いて、以下詳細に説明する。
【0014】
図7は、実施例1におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。図7に示すように、時間DT1はコイルc1に通電する時間であり、時間t0は電流i1が0に戻る時間である。また、時間t2はコイルc1に電流i1の通電を開始してから、電流i2、電流i3の通電を開始するまでの時間であり、これは、コイルc1に通電を開始してから、時間DT1後に通電を切り、ワイヤa1を打ち出した後、ワイヤa1が戻り始めるまでの時間と同じである。なお、時間t0及び時間t2は、予め算出されているものとする。
【0015】
ここで、時間Tについて、図5を用いて説明する。図5は、コイルに通電する電流とワイヤ吸引力との関係図である。図5に示すように、コイルに通電するとワイヤ吸引力は減少し、通電開始後、ある時間Tのときワイヤ吸引力は板バネ力より小さくなる。このときにワイヤはコアから離れ始める。すなわち、時間Tだけコイルに通電するということは、ワイヤがコアから離れない程度にコイルに通電することを意味する。
【0016】
図1は実施例1におけるフローチャートを示す図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0017】
S1:まず、ワイヤa1を打ち出すために、コイルc1に通電を開始する。
S2:通電を開始してから、時間t>DT1となるまで通電を続ける。
S3:時間t>DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S4:時間t>t2となるまで待つ。時間t=t2のとき、ワイヤa1は図4(a)のように打ち出された後、戻り始める状態である。
S5:時間t>t2となったら、コイルc2、コイルc3に通電を開始する。
S6:時間t>t2+Tとなるまで通電し続ける。このとき、コイルc2、コイルc3に通電していても、ワイヤa2及びワイヤa3は打ち出されない。また、コイルc2、コイルc3に通電することによって発生する漏れ磁束である磁束η21、磁束η31は、図4(b)のように、磁束φ1を補助する方向の磁束となる。
S7:時間t>t2+Tとなったら、コイルc2、コイルc3の通電を切る。
【0018】
(実施例1の効果)
以上のように、実施例1の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたので、図8に示すように、従来に比べて、ワイヤ変位の戻りが早くなり、ワイヤの打ち出し力を上げるために、コイルに通電する時間を長くしても、リボンにワイヤを引っ掛けることがなくなり、また、罫線などの印字パターンの際に印字速度を下げる必要もなくなる。
【実施例2】
【0019】
(構成)
図9は実施例2におけるコイルに通電するための構成図である。図9は、図3の構成図におけるコイルc1、コイルc2、コイルc3に対して、補助電源回路3を設けており、主電源回路2と補助電源回路3のいずれかを制御部1によって選択することによって、コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電する電流i1、電流i2、電流i3を正方向又は負方向にすることができる。ここで、主電源回路2によって通電される電流の方向を正方向とし、補助電源回路3によって通電される電流の方向を負方向とする。
【0020】
従って、主電源回路2又は補助電源回路3によって、コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電する電流i1、電流i2、電流i3を正方向又は負方向にすることができるので、コイルc1、コイルc2、コイルc3によって発生する磁束ψ1、磁束ψ2、磁束ψ3、磁束η21、磁束η31の方向を変えることができる。
【0021】
図12は、実施例2における制御ブロック図である。図12に示すように、制御部1から、指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが、それぞれ主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cに発信されると、主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cは、それぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ正方向の電流i1、電流i2、電流i3を通電する構成になっている。
【0022】
また、制御部1から、指令信号13a、指令信号13b、指令信号13cが、それぞれ補助電源回路3a、補助電源回路3b、補助電源回路3cに発信されると、補助電源回路3a、補助電源回路3b、補助電源回路3cはそれぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ負方向の電流−i1、電流−i2、電流−i3を通電する構成になっている。
【0023】
また、制御部1によって、指令信号12a又は指令信号13aの選択、指令信号12b又は指令信号13bの選択、及び指令信号12c又は指令信号13cの選択と、それぞれの指令信号が発信されるタイミングとが制御されている。
【0024】
また、制御部1には外部から印字モードを選択できる操作パネル4が設けられている。
【0025】
(動作)
以上の構成により実施例2の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図10、図11、及び図13を用いて、以下詳細に説明する。
【0026】
図11は、実施例2におけるコイル電流波形を示す図である。ここで、図11の時間DT1及び時間t2は図7と同様である。
【0027】
図13は、実施例2におけるフローチャートを示した図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0028】
開始時は、図10(a)に示す状態であり、図2と同様の状態であって、ワイヤの打ち出し前の状態である。
S1:まず、操作パネルにより高インパクトモードが選択されると、制御部1によって、2pass印字の1pass目の主電源回路2a、補助電源回路3b、補助電源回路3cが選択される。
S2:そして、コイルc1、コイルc2、コイルc3に電流i1、電流−i2、電流−i3の通電を開始する。
S3:時間t>DT1となるまで通電を続ける。ここで、時間DT1は実施例1で説明した時間DT1と同一である。また、図10(b)に示すように、コイルc2、コイルc3に通電されているときに発生する漏れ磁束である磁束η21、磁束η31の方向は、磁束ψ1を補助する方向の磁束となる。
S4:時間t>DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S5:時間t>t2となるまで、コイルc2、コイルc3の通電を続ける。ここで、t2は実施例1で説明したt2と同一である。
S6:時間t>t2となったら、コイルc2、コイルc3の通電を切る。
【0029】
次に、1pass目で選択された主電源回路2と補助電源回路3を入れ替えて、上述の手順にて、2pass目の印字を行う。
【0030】
(実施例2の効果)
以上のように、実施例2の印字ヘッドによれば、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量及び発生磁束方向を制御するコイル通電制御手段を設け、前記第1の印字ワイヤを打ち出すときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに、前記第1の印字ワイヤに対応したコイルの通電方向と逆方向に通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの打ち出し力を増すようにしたようにしたので、コイルに通電する時間を長くすることなく、図14に示すように、従来に比べて、ワイヤの打ち出し力を一層高めることができる。
【実施例3】
【0031】
(構成)
図15は、実施例3におけるワイヤの構成図であって、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3のワイヤ配列を示している。距離L12、距離L13は、ワイヤa1が戻り始める時間t2と、印字速度vによって決定される値であって、L12=L13=t2×vで与えられる。
【0032】
実施例3における制御ブロック図は、図6と同様であるが、制御部1によって発信される指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cのタイミングが、図15のワイヤ配列で印字を行うタイミングとなっている。
【0033】
その他の構成は、実施例1と同様の構成である。
【0034】
(動作)
以上の構成により実施例3の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図16〜18、図20を用いて、以下詳細に説明する。
【0035】
図16は、実施例3におけるワイヤの打ち出しタイミング図であって、図16の印字パターンを印字する場合に、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3が打ち出すタイミングを示している。
【0036】
図17は、実施例3におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。図17に示すように、図16の印字パターンを印字した場合に、コイルc3に通電を開始した後、コイルc1に通電を開始するタイミングは、時間t2だけずれ、コイルc2に通電を開始するタイミングは、さらに、時間t2だけずれる。
【0037】
図18は、実施例3におけるフローチャートを示した図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0038】
S1:ワイヤa3を打ち出すために、コイルc3に通電する。
S2:次に、時間t>DT1となるまで通電を続ける。ここで、時間DT1は実施例1で説明したDT1と同一である。
S3:時間t>DT1を満たしたら、コイルc3の通電を切る。
S4:時間t>t2となるまで待つ。ここで、時間t2は実施例1で説明したt2と同一である。
S5:時間t>t2となったら、ワイヤa1を打ち出すため、コイルc1に通電を開始する。
S6:時間t>t2+DT1となるまで通電を続ける。
S7:時間t>t2+DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S8:時間t>2×t2となるまで待つ。
S9:時間t>2×t2となったら、ワイヤa2を打ち出すため、コイルc2に通電を開始する。
S10:時間t>2×t2+DT1となるまで通電を続ける。
S11:時間t>2×t2+DT1となったら、コイルc2の通電を切る。
【0039】
(実施例3の効果)
以上のように、実施例3の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記コイルの発生磁束量及び磁束発生タイミングを制御するコイル通電制御手段を設け、前記印字ワイヤを印字方向にずらして隣接配設し、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接した第2の印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第2の印字ワイヤを打ち出すとともに、前記第2の印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたようにしたので、実施例1の効果に加えて、時間DT1より以前の時間で両隣から発生する図20の漏れ磁束によって、ワイヤ打ち出し力が低下することを防止でき、図19に示すように、第1の実施例に比べて、ワイヤ打ち出し力を改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上述べたように、本発明は、シリアルプリンタの印字ヘッドに広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1におけるフローチャートを示す図である。
【図2】実施例1における印字ヘッドの構成図である。
【図3】実施例1におけるコイルに通電するための構成図である。
【図4】(a)は、ワイヤa1が打ち出された後、戻り始める状態を示す図で、(b)は、両隣からの漏れ磁束が、磁束φ1を補助する状態を示す図である。
【図5】コイルに通電する電流とワイヤ吸引力との関係図である。
【図6】実施例1における制御ブロック図である。
【図7】実施例1におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。
【図8】従来と実施例1とのワイヤ変位の比較図である。
【図9】実施例2におけるコイルに通電するための構成図である。
【図10】(a)は、ワイヤa1の打ち出し前の状態を示す図で、(b)は、両隣からの漏れ磁束が、磁束φ1を補助する状態を示す図である。
【図11】実施例2におけるコイル電流波形を示す図である。
【図12】実施例2における制御ブロック図である。
【図13】実施例2におけるフローチャートを示す図である。
【図14】従来と実施例2とのワイヤ打ち出し力の比較図である。
【図15】実施例3におけるワイヤの構成図である。
【図16】実施例3におけるワイヤの打ち出しタイミングを示す図である。
【図17】実施例3におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。
【図18】実施例3におけるフローチャートを示す図である。
【図19】実施例1と実施例3とのワイヤ打ち出し力の比較図である。
【図20】ワイヤ同時打ち出しの場合に発生する漏れ磁束を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 制御部
2、2a〜2c 主電源回路
3、3a〜3c 補助電源回路
12、12a〜12c、13a〜13c 指令信号
a1〜a3 ワイヤ
b1〜b3 コア
c、c1〜c3 コイル
i1〜i3 電流
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアルプリンタにおけるワイヤドット印字ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリアルプリンタにおけるワイヤドット印字ヘッドにおいて、ワイヤはアーマチュアを介して板バネに支持され、アーマチュアは永久磁石によって磁気回路部に発生する磁束により板バネに抗してコアに吸着されており、印字の際には、コアに巻かれたコイルに駆動電流を通電しアーマチュアを吸着している磁束を打ち消すことで、アーマチュア及び板バネを開放し、ワイヤを打ち出す技術があった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平07−285230
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術では、ワイヤの打ち出し力を上げるために、単純にコイルに通電する時間を長くすると、ワイヤを打ち出した後、ワイヤの戻りが遅くなり、その結果、リボンにワイヤが引っ掛かってしまうため、簡単に打ち出し力を上げることができないという問題があった。
【0004】
また、罫線などの印字パターンによっては、同じワイヤを連続で打ち出す必要があるため、ワイヤの戻りが遅くなり、リボンにワイヤが引っ掛かってしまうために、印字速度を下げなければならないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題を解決するために次の手段を採用する。コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたので、リボンにワイヤを引っ掛けることがなくなり、ワイヤの打ち出し力を上げることができ、また、罫線などの印字パターンの際に印字速度を下げる必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0008】
(構成)
図2は実施例1における印字ヘッドの構成図である。a1、a2、a3は、ワイヤ、アーマチュア、板バネで構成されるものであるが、以下、単にワイヤと言う。b1、b2、b3はコア、c1、c2、c3はコイルである。また、ワイヤa1、コアb1、コイルc1は今ワイヤを打ち出そうとするものであり、ワイヤa2、コアb2、コイルc2及びワイヤa3、コアb3、コイルc3はその両隣に配置されている。磁束φ1、磁束φ2、磁束φ3は、それぞれ永久磁石によって、コアb1、コアb2、コアb3内に発生している磁束であり、それぞれワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3を吸引している。
【0009】
図3は、実施例1におけるコイルに通電するための構成図である。制御部1は主電源回路2に接続され、主電源回路2はコイルcに接続されている。また、主電源回路2は制御部1から発信された指令信号12の電流をコイルcに通電することができる回路となっている。これはコイル1つの構成であり、図2のコイルc1、コイルc2、コイルc3の全てがこの構成となっている。
【0010】
コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電される電流をそれぞれ電流i1、電流i2、電流i3とし、コイルc1によって発生する磁束で、コアb1に作用する磁束を磁束ψ1、コアb2への漏れ磁束を磁束η12、コアb3への漏れ磁束を磁束η13とし、コイルc2によって発生する磁束で、コアb2に作用する磁束を磁束ψ2、コアb1への漏れ磁束を磁束η21とし、コイルc3によって発生する磁束で、コアb3に作用する磁束を磁束ψ3、b1への漏れ磁束を磁束η31とする。
【0011】
図2の状態は、電流i1=0、電流i2=0、電流i3=0であり、コアb1、コアb2、コアb3の磁束φ1、磁束φ2、磁束φ3で、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3を吸引している。従って、例えば、ワイヤa1を打ち出す場合には、コイルc1に電流i1を通電し、磁束φ1を打ち消すことで可能となる。
【0012】
図6は、実施例1における制御ブロック図である。制御部1から指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが、それぞれ主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cに発信されると、主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cは、それぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ電流i1、電流i2、電流i3を通電する構成になっている。制御部1によって、指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが発信されるタイミングが制御されている。
【0013】
(動作)
以上の構成により実施例1の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図1、図4、図5及び図7を用いて、以下詳細に説明する。
【0014】
図7は、実施例1におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。図7に示すように、時間DT1はコイルc1に通電する時間であり、時間t0は電流i1が0に戻る時間である。また、時間t2はコイルc1に電流i1の通電を開始してから、電流i2、電流i3の通電を開始するまでの時間であり、これは、コイルc1に通電を開始してから、時間DT1後に通電を切り、ワイヤa1を打ち出した後、ワイヤa1が戻り始めるまでの時間と同じである。なお、時間t0及び時間t2は、予め算出されているものとする。
【0015】
ここで、時間Tについて、図5を用いて説明する。図5は、コイルに通電する電流とワイヤ吸引力との関係図である。図5に示すように、コイルに通電するとワイヤ吸引力は減少し、通電開始後、ある時間Tのときワイヤ吸引力は板バネ力より小さくなる。このときにワイヤはコアから離れ始める。すなわち、時間Tだけコイルに通電するということは、ワイヤがコアから離れない程度にコイルに通電することを意味する。
【0016】
図1は実施例1におけるフローチャートを示す図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0017】
S1:まず、ワイヤa1を打ち出すために、コイルc1に通電を開始する。
S2:通電を開始してから、時間t>DT1となるまで通電を続ける。
S3:時間t>DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S4:時間t>t2となるまで待つ。時間t=t2のとき、ワイヤa1は図4(a)のように打ち出された後、戻り始める状態である。
S5:時間t>t2となったら、コイルc2、コイルc3に通電を開始する。
S6:時間t>t2+Tとなるまで通電し続ける。このとき、コイルc2、コイルc3に通電していても、ワイヤa2及びワイヤa3は打ち出されない。また、コイルc2、コイルc3に通電することによって発生する漏れ磁束である磁束η21、磁束η31は、図4(b)のように、磁束φ1を補助する方向の磁束となる。
S7:時間t>t2+Tとなったら、コイルc2、コイルc3の通電を切る。
【0018】
(実施例1の効果)
以上のように、実施例1の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたので、図8に示すように、従来に比べて、ワイヤ変位の戻りが早くなり、ワイヤの打ち出し力を上げるために、コイルに通電する時間を長くしても、リボンにワイヤを引っ掛けることがなくなり、また、罫線などの印字パターンの際に印字速度を下げる必要もなくなる。
【実施例2】
【0019】
(構成)
図9は実施例2におけるコイルに通電するための構成図である。図9は、図3の構成図におけるコイルc1、コイルc2、コイルc3に対して、補助電源回路3を設けており、主電源回路2と補助電源回路3のいずれかを制御部1によって選択することによって、コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電する電流i1、電流i2、電流i3を正方向又は負方向にすることができる。ここで、主電源回路2によって通電される電流の方向を正方向とし、補助電源回路3によって通電される電流の方向を負方向とする。
【0020】
従って、主電源回路2又は補助電源回路3によって、コイルc1、コイルc2、コイルc3に通電する電流i1、電流i2、電流i3を正方向又は負方向にすることができるので、コイルc1、コイルc2、コイルc3によって発生する磁束ψ1、磁束ψ2、磁束ψ3、磁束η21、磁束η31の方向を変えることができる。
【0021】
図12は、実施例2における制御ブロック図である。図12に示すように、制御部1から、指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cが、それぞれ主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cに発信されると、主電源回路2a、主電源回路2b、主電源回路2cは、それぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ正方向の電流i1、電流i2、電流i3を通電する構成になっている。
【0022】
また、制御部1から、指令信号13a、指令信号13b、指令信号13cが、それぞれ補助電源回路3a、補助電源回路3b、補助電源回路3cに発信されると、補助電源回路3a、補助電源回路3b、補助電源回路3cはそれぞれコイルc1、コイルc2、コイルc3へ負方向の電流−i1、電流−i2、電流−i3を通電する構成になっている。
【0023】
また、制御部1によって、指令信号12a又は指令信号13aの選択、指令信号12b又は指令信号13bの選択、及び指令信号12c又は指令信号13cの選択と、それぞれの指令信号が発信されるタイミングとが制御されている。
【0024】
また、制御部1には外部から印字モードを選択できる操作パネル4が設けられている。
【0025】
(動作)
以上の構成により実施例2の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図10、図11、及び図13を用いて、以下詳細に説明する。
【0026】
図11は、実施例2におけるコイル電流波形を示す図である。ここで、図11の時間DT1及び時間t2は図7と同様である。
【0027】
図13は、実施例2におけるフローチャートを示した図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0028】
開始時は、図10(a)に示す状態であり、図2と同様の状態であって、ワイヤの打ち出し前の状態である。
S1:まず、操作パネルにより高インパクトモードが選択されると、制御部1によって、2pass印字の1pass目の主電源回路2a、補助電源回路3b、補助電源回路3cが選択される。
S2:そして、コイルc1、コイルc2、コイルc3に電流i1、電流−i2、電流−i3の通電を開始する。
S3:時間t>DT1となるまで通電を続ける。ここで、時間DT1は実施例1で説明した時間DT1と同一である。また、図10(b)に示すように、コイルc2、コイルc3に通電されているときに発生する漏れ磁束である磁束η21、磁束η31の方向は、磁束ψ1を補助する方向の磁束となる。
S4:時間t>DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S5:時間t>t2となるまで、コイルc2、コイルc3の通電を続ける。ここで、t2は実施例1で説明したt2と同一である。
S6:時間t>t2となったら、コイルc2、コイルc3の通電を切る。
【0029】
次に、1pass目で選択された主電源回路2と補助電源回路3を入れ替えて、上述の手順にて、2pass目の印字を行う。
【0030】
(実施例2の効果)
以上のように、実施例2の印字ヘッドによれば、前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量及び発生磁束方向を制御するコイル通電制御手段を設け、前記第1の印字ワイヤを打ち出すときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルに、前記第1の印字ワイヤに対応したコイルの通電方向と逆方向に通電し、前記第1の印字ワイヤに両隣する印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの打ち出し力を増すようにしたようにしたので、コイルに通電する時間を長くすることなく、図14に示すように、従来に比べて、ワイヤの打ち出し力を一層高めることができる。
【実施例3】
【0031】
(構成)
図15は、実施例3におけるワイヤの構成図であって、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3のワイヤ配列を示している。距離L12、距離L13は、ワイヤa1が戻り始める時間t2と、印字速度vによって決定される値であって、L12=L13=t2×vで与えられる。
【0032】
実施例3における制御ブロック図は、図6と同様であるが、制御部1によって発信される指令信号12a、指令信号12b、指令信号12cのタイミングが、図15のワイヤ配列で印字を行うタイミングとなっている。
【0033】
その他の構成は、実施例1と同様の構成である。
【0034】
(動作)
以上の構成により実施例3の印字ヘッドは、以下のように動作する。この動作を図16〜18、図20を用いて、以下詳細に説明する。
【0035】
図16は、実施例3におけるワイヤの打ち出しタイミング図であって、図16の印字パターンを印字する場合に、ワイヤa1、ワイヤa2、ワイヤa3が打ち出すタイミングを示している。
【0036】
図17は、実施例3におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。図17に示すように、図16の印字パターンを印字した場合に、コイルc3に通電を開始した後、コイルc1に通電を開始するタイミングは、時間t2だけずれ、コイルc2に通電を開始するタイミングは、さらに、時間t2だけずれる。
【0037】
図18は、実施例3におけるフローチャートを示した図である。ステップごとの動作を以下に説明する。
【0038】
S1:ワイヤa3を打ち出すために、コイルc3に通電する。
S2:次に、時間t>DT1となるまで通電を続ける。ここで、時間DT1は実施例1で説明したDT1と同一である。
S3:時間t>DT1を満たしたら、コイルc3の通電を切る。
S4:時間t>t2となるまで待つ。ここで、時間t2は実施例1で説明したt2と同一である。
S5:時間t>t2となったら、ワイヤa1を打ち出すため、コイルc1に通電を開始する。
S6:時間t>t2+DT1となるまで通電を続ける。
S7:時間t>t2+DT1となったら、コイルc1の通電を切る。
S8:時間t>2×t2となるまで待つ。
S9:時間t>2×t2となったら、ワイヤa2を打ち出すため、コイルc2に通電を開始する。
S10:時間t>2×t2+DT1となるまで通電を続ける。
S11:時間t>2×t2+DT1となったら、コイルc2の通電を切る。
【0039】
(実施例3の効果)
以上のように、実施例3の印字ヘッドによれば、コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、前記コイルの発生磁束量及び磁束発生タイミングを制御するコイル通電制御手段を設け、前記印字ワイヤを印字方向にずらして隣接配設し、第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接した第2の印字ワイヤに対応したコイルに通電し、前記第2の印字ワイヤを打ち出すとともに、前記第2の印字ワイヤに対応したコイルから発生する漏れ磁束によって、前記第1の印字ワイヤの所定位置への戻りを早くするようにしたようにしたので、実施例1の効果に加えて、時間DT1より以前の時間で両隣から発生する図20の漏れ磁束によって、ワイヤ打ち出し力が低下することを防止でき、図19に示すように、第1の実施例に比べて、ワイヤ打ち出し力を改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上述べたように、本発明は、シリアルプリンタの印字ヘッドに広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例1におけるフローチャートを示す図である。
【図2】実施例1における印字ヘッドの構成図である。
【図3】実施例1におけるコイルに通電するための構成図である。
【図4】(a)は、ワイヤa1が打ち出された後、戻り始める状態を示す図で、(b)は、両隣からの漏れ磁束が、磁束φ1を補助する状態を示す図である。
【図5】コイルに通電する電流とワイヤ吸引力との関係図である。
【図6】実施例1における制御ブロック図である。
【図7】実施例1におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。
【図8】従来と実施例1とのワイヤ変位の比較図である。
【図9】実施例2におけるコイルに通電するための構成図である。
【図10】(a)は、ワイヤa1の打ち出し前の状態を示す図で、(b)は、両隣からの漏れ磁束が、磁束φ1を補助する状態を示す図である。
【図11】実施例2におけるコイル電流波形を示す図である。
【図12】実施例2における制御ブロック図である。
【図13】実施例2におけるフローチャートを示す図である。
【図14】従来と実施例2とのワイヤ打ち出し力の比較図である。
【図15】実施例3におけるワイヤの構成図である。
【図16】実施例3におけるワイヤの打ち出しタイミングを示す図である。
【図17】実施例3におけるコイル電流波形とワイヤ変位を示す図である。
【図18】実施例3におけるフローチャートを示す図である。
【図19】実施例1と実施例3とのワイヤ打ち出し力の比較図である。
【図20】ワイヤ同時打ち出しの場合に発生する漏れ磁束を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 制御部
2、2a〜2c 主電源回路
3、3a〜3c 補助電源回路
12、12a〜12c、13a〜13c 指令信号
a1〜a3 ワイヤ
b1〜b3 コア
c、c1〜c3 コイル
i1〜i3 電流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、
前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、
第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電することを特徴とする印字ヘッド。
【請求項2】
前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量及び発生磁束方向を制御するコイル通電制御手段を設け、
前記第1の印字ワイヤを打ち出すときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに、前記第1の印字ワイヤに対応したコイルの通電方向と逆方向に通電することを特徴とする請求項1記載の印字ヘッド。
【請求項3】
コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、
前記コイルの発生磁束量及び磁束発生タイミングを制御するコイル通電制御手段を設け、
前記印字ワイヤを印字方向にずらして隣接配設し、
第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接した第2の印字ワイヤに対応したコイルに通電することを特徴とする印字ヘッド。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の印字ヘッドを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、
前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量を制御するコイル通電制御手段を設け、
第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに通電することを特徴とする印字ヘッド。
【請求項2】
前記印字ワイヤを打ち出さない程度に、前記印字ワイヤに対応したコイルの発生磁束量及び発生磁束方向を制御するコイル通電制御手段を設け、
前記第1の印字ワイヤを打ち出すときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接する印字ワイヤに対応したコイルに、前記第1の印字ワイヤに対応したコイルの通電方向と逆方向に通電することを特徴とする請求項1記載の印字ヘッド。
【請求項3】
コイルへの通電により永久磁石の磁気吸引力を消磁し、印字ワイヤを打ち出す印字ヘッドであって、
前記コイルの発生磁束量及び磁束発生タイミングを制御するコイル通電制御手段を設け、
前記印字ワイヤを印字方向にずらして隣接配設し、
第1の印字ワイヤを打ち出して所定位置へ戻り始めるときに、前記コイル通電制御手段にて、前記第1の印字ワイヤに隣接した第2の印字ワイヤに対応したコイルに通電することを特徴とする印字ヘッド。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の印字ヘッドを有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−286034(P2009−286034A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142190(P2008−142190)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】
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