説明

印字装置

【課題】 印字装置の印字デバイスを確実に装着するための大きな結合力を、簡単な構成で且つ確実に着脱できる印字装置の提供。
【解決手段】 印字デバイスを交換する使用者が確実に力を入れられる方向に対して着脱方向を定め、特に装着操作を補助する機構を外装の一部に設置し、複数の印字デバイスを搭載している場合は、装着操作を補助する機構は各々の印字デバイスに対して位置関係が同じになるように独立に配置されるようにしたことを特徴とする印字装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印字装置の印字デバイスを使用者が交換時、交換を補助する機構を備える印字装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字装置に搭載される印字デバイス(印字ヘッド、インクタンク、印字ヘッド一体のインクタンク、等)を交換する時、交換を補助する形状、例えば指を掛ける為の突起や補助レバー等は、前記印字デバイスや印字デバイスを搭載するキャリアに備えられていた。
【0003】
印字デバイスに補助形状が備わる例として、特許文献1の開示がある。
【0004】
この引例ではインクタンクを固定する為のラッチとそれを解除するレバーがインクタンクに備えられているが、ラッチを外す為の方向とインクタンクを外す方向が90度の開きがあるため、大きな操作力を加え難い場合があった。
【0005】
また、印字デバイスを搭載するキャリアに補助形状が備わる例として、特許文献2の開示がある。
【0006】
この引例では分離した印字ヘッドとインクタンクを結合する為に双方を搭載するキャリアにレバーとリンクを設け、レバーを倒す事によってインクタンクを印字ヘッドに押し付ける構造となっている。レバーとリンクによって印字ヘッドとインクタンクが大きな結合力を持っていても確実に操作できるが、構成部品が多くコスト高になる恐れがあった。
【特許文献1】特開2002−255358号公報
【特許文献2】特開平05−162299号公報
【特許文献3】特開平07−132619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の従来例を鑑み、印字デバイスを確実に装着する為の大きな結合力を、簡単な構成で且つ確実に着脱できる構成が必要となっている。
【0008】
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、低コストで、大きな力を受け止められ、また、印字デバイスの装着感を最適に揃えることが可能な印字装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記を解決する手段として、上記印字デバイスを交換する使用者が確実に力を入れられる方向に対して着脱方向を定め、特に装着操作を補助する機構を外装の一部に設置し、複数の印字デバイスを搭載している場合は、装着操作を補助する機構は各々の印字デバイスに対して位置関係が同じになるように独立に配置されるようにした。
【0010】
すなわち、本発明の技術内容は以下の構成を備えることにより前記課題を解決できた。
【0011】
(1)印字装置は、複数の印字デバイスを搭載するキャリア部があり、前記印字デバイス部分は前記キャリアに交換可能に搭載され、印字装置は印字メディアを搬送し、前記印字デバイスにより印字され、印字装置の外装は前記印字デバイスを交換時開閉するカバーを持ち、前記カバーを開けた内側の外装の一部には前記印字デバイスの交換時、補助する突起があり、前記突起は前記複数の印字デバイスに対して同じ位置関係にあることを特徴とする印字装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、装着動作を補助する為の機構は、外装の一部に配置したので低コストである。また、外装の一部に配置したのは、大きな力を受け止められるからである。また各々の印字デバイスに対して位置関係が同じになるように独立に配置したのは、印字デバイスの装着感を最適に揃えるためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
図2は本発明の印字装置の模式的外観図である。
【0015】
101は印字装置である。印字メディア104は給紙口102から供給され、図示しない駆動装置によって排紙口103から矢印A方向に排紙される。105は印字デバイスを交換する時に開閉するカバーである。カバー105を開けると内側にはリブ109、110がある。107、108は印字デバイスでキャリア106に搭載される。
【0016】
カバー105を開けると図示しないスイッチによって検知し、図示しない駆動装置によってキャリア106はカバー105開口部に移動する。本例の場合はキャリアには印字デバイスを2個(107、108)搭載する。印字デバイス107、108は例えばひとつがカラーデバイス、ひとつがブラックデバイスである。本実施例では以降印字デバイスはインクジェットとして説明するが、印字方式については制約は無い。
【0017】
図3は印字デバイス及びキャリア搭載時の模式的外観図である。
【0018】
本実施例では印字デバイス107、108の外形は同じである。201a、201b、201c、201dは印字デバイス107、108をキャリア106に装着する為のボス、202は印字装置101本体より信号を受け取る電気接点、203はインクを吐出する吐出口である。204は印字デバイスの着脱時に手がかりとなるリブである。
【0019】
印字デバイス107、108の吐出口は紙送り方向(矢印)に対して直角方向にL3のずれをもってキャリア106に装着される。このずれに対して、特許文献3の開示がある。
【0020】
特性の異なるインクの吐出をずらす事で優れた色再現性を実現できる機構で、本実施例でも実施される。
【0021】
図1は本実施例の印字装置101の外装とキャリア106に搭載された印字デバイス107、108の位置関係を示した模式的外観図である。
【0022】
外装に形成されたリブ109、110は、対応する印字デバイス107、108の手がかりリブ204とL1、L2の距離をもって設置され、L1とL2は概略同じ距離である。
【0023】
図4は本実施例で印字デバイスを取り外す時の操作を示した模式的外観図である。
【0024】
使用者は指301で印字デバイスの手がかりリブ204を矢印B方向に押すと印字デバイス107はキャリア106から外れ、リブ111突き当たって止まる。力のかける方向が印字装置101の設置方向なので、十分に力を掛けても印字装置101が動いたりする不具合はは無い。操作は印字デバイス107で示したが、印字デバイス108も同様に外す事が出来る。
【0025】
図5は本実施例で印字デバイスを装着する時の操作を示した模式的外観図である。
【0026】
使用者は指302で外装のリブ109と印字デバイスの手がかりリブ204を挟んで矢印C方向に力を加えると前記ボス201a、201b、201c、201dがキャリア106と結合し、印字デバイス107はキャリア106に装着される。指302の片側は外装で受ける為、大きな力が掛けられる。操作は印字デバイス107で示したが、印字デバイス108も同様に取り付けが出来る。
【0027】
また、前記したように、各印字デバイス107、108の手がかりリブ204と外装のリブ109、110は同様な位置関係となっているため、各々の印字デバイスの装着感を最適にそろえることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施状態を示す模式的外観図である。
【図2】本発明の実施状態を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の印字デバイスの模式的斜視図である。
【図4】本発明の実施例における印字デバイス取り外しの模式的動作図である。
【図5】本発明の実施例における印字デバイス取り付けの模式的動作図である。
【符号の説明】
【0029】
101 印字装置
102 給紙口
103 排紙口
104 印字メディア
105 カバー
106 キャリア
107 印字デバイス
108 印字デバイス
109 リブ
110 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字装置は、複数の印字デバイスを搭載するキャリア部があり、前記印字デバイス部分は前記キャリアに交換可能に搭載され、印字装置は印字メディアを搬送し、前記印字デバイスにより印字され、印字装置の外装は前記印字デバイスを交換時開閉するカバーを持ち、前記カバーを開けた内側の外装の一部には前記印字デバイスの交換時、補助する突起があり、前記突起は前記複数の印字デバイスに対して同じ位置関係にあることを特徴とする印字装置。
【請求項2】
前記印字装置の印字デバイスは、インクジェット印字システムであることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
前記印字装置の印字デバイスは、印字ヘッド、インクタンク、印字ヘッド一体のインクタンク、の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
【請求項4】
前記印字装置外装の複数の突起は、各々対応する印字デバイスがあり、対応する突起と印字デバイスの位置関係は、複数の組み合わせで概略同じになっており、具体的には、前記印字メディア搬送方向に対して複数の印字デバイス間でずれがあり、対応する前記突起も同様に印字メディアの搬送方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の印字装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−326911(P2006−326911A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150878(P2005−150878)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】