説明

原子炉を運転し原子炉内出力レベルを決定する方法および装置

【課題】2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、およびアナライザーを備えることができる装置を実現すること。
【解決手段】1つまたは複数の信号デバイスは、1つまたは複数の信号を2つまたはそれ以上の導電体に印加し、2つまたはそれ以上の導電体から1つまたは複数の信号を受け取るように適合されうる。アナライザーは、印加された信号のうちの少なくとも1つの信号および受け取った信号のうちの少なくとも1つの信号を使用して原子炉内の出力レベルを決定するように適合されうる。原子炉内の出力レベルを決定する方法は、原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定すること、および測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することを含むことができる。原子炉を運転する方法は、インピーダンス値を測定することと、測定されたインピーダンス値を使用して原子炉のパラメータを決定することとを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、原子炉を運転するための方法および装置、ならびに原子炉内の出力レベルを決定するための方法および装置に関する。また、例示的な実施形態は、原子炉を運転するための方法および装置、ならびに2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、および/またはアナライザーを備えうる原子炉内の出力レベルを決定するための方法および装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術の沸騰水型原子炉(「BWR」)内の原子炉圧力容器(「RPV」)100の、部品が切り取られている、断面図である。BWRの運転中に、RPV 100内で循環している冷却水は、炉心102内で発生する核分裂によって加熱される。給水は、給水入口104および給水スパージャー106(RPV 100の内側で給水を周方向に分配するための開口を備えるリング状パイプ)を介してRPV 100内に導かれる。給水スパージャー106からの給水は、下降管円環108(RPV 100と炉心シュラウド110との間の円環領域)を通って下方に流れる。
【0003】
炉心シュラウド110は、炉心102を囲むステンレス鋼製シリンダーである。炉心102は、多数の燃料バンドル集合体112を備える(例えば、2×2のアレイが図1に示されている)。燃料バンドル集合体112のそれぞれのアレイは、頂部ガイド114によってその頂部のところで、またはその頂部の近くで、および炉心板116によってその底部のところで、またはその底部の近くで支持される。頂部ガイド114は、燃料バンドル集合体112の頂部用の横方向支持材を備え、制御棒の挿入を行えるように正しい燃料チャネル間隔を維持する。
【0004】
冷却水は、下降管円環108を通り下方に流れて炉心下部プレナム118内に入る。炉心下部プレナム118内の冷却水は、次に、炉心102を通って上方に流れる。冷却水は、燃料集合体112内に入り、そこで、沸騰境界層が確立される。水と蒸気の混合物が、炉心102から出て、シュラウドヘッド122の下の炉心上部プレナム120内に入る。炉心上部プレナム120は、蒸気水混合物が炉心102を出て、スタンドパイプ124に入るまでの間にスタンドオフを形成する。スタンドパイプ124は、シュラウドヘッド122の上に配置され、炉心上部プレナム120と流体的に連通する。
【0005】
蒸気水混合物は、スタンドパイプ124内を貫流して、汽水分離器126(例えば、軸流遠心分離型であってよい)内に入る。汽水分離器126は、蒸気水混合物を液体水と蒸気とに実質的に分離する。分離された液体水は、混合プレナム128内で給水と混合する。次いで、この混合物は、下降管円環108を介して炉心102に戻る。分離された蒸気は、蒸気乾燥器130を通り、蒸気ドーム132内に入る。乾燥させた蒸気は、タービンおよび他の機器(図に示されていない)で使用するために蒸気出口134を介してRPV 100から回収される。
【0006】
BWRは、必要な出力密度を達成するために必要な炉心102を通る強制複合対流を供給する冷却材再循環システムも備える。水の一部は、再循環水出口136を介して下降管円環108の下端から吸引され、遠心力再循環ポンプ(図に示されていない)によって再循環水入口140を介して複数の噴流ポンプ集合体138(1つだけが図に示されている)内に強制的に送り込まれる。ジェットポンプ集合体138は、炉心シュラウド110の周囲上に分配され、必要な炉心流を形成する。
【0007】
図1に示されているように、従来技術のジェットポンプ集合体138は、一対の入口混合機142を備える。従来技術のBWRは、16から24台の入口混合機142を備える。それぞれの入口混合機142には、入口上昇管146を介して再循環ポンプ(図に示されていない)から水を受け入れるエルボー144が溶接されている。例示的な入口混合機142は、入口混合機142の軸を中心として等しい角度で周上に分散配置されている5本のノズルを一組として備える。それぞれのノズルは、その出口のところで半径方向内向きに先細となっている。ジェットポンプ集合体138は、これらの先細ノズルによるエネルギーを受ける。5つの二次入口開口部は、ノズル出口の外側に放射状に並ぶ。したがって、水噴流がノズルから出ると、下降管円環108からの水は、二次入口開口部を介して入口混合機142内に引き込まれ、そこで再循環ポンプからの冷却水と混合される。次いで、冷却水が、ジェットポンプ集合体138内に流入する。
【0008】
図2は、従来技術の炉心200の平面図である。炉心200は、燃料バンドル202、周囲燃料バンドル204、および/または制御棒206を備えることができる。複数の燃料バンドル202のうちの2つまたはそれ以上の燃料バンドルを燃料バンドル集合体208内に含めることができる。炉心200は、例えば、数百もしくは数千の燃料バンドル202および/または数十もしくは数百の周囲燃料バンドル204を備えることができる。図2に示されているように、例えば、炉心200は、約1028個の燃料バンドル202、約104個の周囲燃料バンドル204、および/または約269本の制御棒206を備えることができる。
【0009】
炉心200内の燃料バンドル202、周囲燃料バンドル204、および/または制御棒206の分散配置は、対称的であってもなくてもよい。それに加えて、対称が存在する場合、これは、鏡像対称、対角線対称、回転対称、並進対称、四分円対称、および八分円対称のうちの1つまたは複数の対称を含みうる。図2に示されているように、例えば、1つまたは複数の制御棒206は、炉心200の幾何学中心内に、またはその近くに配置することができる。
【0010】
炉心200は、1つまたは複数の種類の中性子モニターを備えることもできる。これらのモニターとしては、例えば、1つまたは複数の中性子源領域モニター、1つまたは複数の中間領域モニター、および/または1つまたは複数の出力領域モニターが挙げられる。従来技術のBWRでは、1つまたは複数の中性子源領域モニターは、固定型または可動式とすることができる。同様に、従来技術のBWRでは、1つまたは複数の中間領域モニターは、固定型または可動式とすることができる。
【0011】
従来技術の中性子源領域モニターおよび/または従来技術の中間領域モニターの範囲全体のうちの少なくとも一部は、起動領域中性子モニター(「SRNM」)またはワイドレンジ中性子モニター(「WRNM」)によってカバーすることができる。同様に、従来技術の中間領域モニターおよび/または従来技術の出力領域モニターの範囲全体のうちの少なくとも一部は、局所出力領域モニター(「LPRM」)によってカバーすることができる。従来技術のBWRでは、SRNMおよび/またはLPRMは、固定型とすることができる。
【0012】
炉心200は、例えば、数十個のSRNM検出器および/または数十もしくは数百個のLPRM検出器を備えることができる。図2に示されていないけれども、炉心200は、例えば、約12個のSRNM検出器を備えることができる。図2に示されているように、例えば、炉心200は、約64台のLPRM集合体210内に約256個のLPRM検出器を備えることができる。例えば、1つまたは複数のLPRM集合体210は、4つのLPRM検出器を備えることができる(つまり、それぞれのLPRM集合体210は、4つのLPRM検出器を備えることができる)。
【0013】
図3は、従来技術のLPRM集合体300の側面図である。図3に示されているように、LPRM集合体300の案内管302は、炉心板304を貫通し、これにより、LPRM集合体300は炉心306に接近できる。LPRM被覆管310の1つまたは複数の案内リング308は、LPRM集合体300が案内管302内に挿入されるように誘導することができる。案内管302は、グランドシール312および/またはフランジ314によって封止できる。
【0014】
LPRM集合体300は、例えば、4つのLPRM検出器(図に示されていない)および/または6つのコネクターを備えることができる。第1のコネクター316は、第1のLPRM検出器に接続し、第2のコネクター318は、第2のLPRM検出器に接続し、第3のコネクター320は、第3のLPRM検出器に接続し、および/または第4のコネクター322は、第4のLPRM検出器に接続することができる。第1のコネクター316、第2のコネクター318、第3のコネクター320、および第4のコネクター322のうちの1つまたは複数のコネクターは、スイスを本拠地とするLEMO社が製造する、LEMOプラグまたはLEMOレセプタクルと呼ばれるコネクターであるものとしてよい。例えば、第1のコネクター316、第2のコネクター318、第3のコネクター320、および第4のコネクター322のうちの1つまたは複数のコネクターは、サイズ1のLEMOレセプタクルとしてよい。
【0015】
第5のコネクター324は、LPRM集合体300のガンマサーモメーター(図に示されていない)に接続することができる。第5のコネクター324は、例えば、サイズ3のLEMOプラグであってよい。第6のコネクター326は、例えば、横断する炉心内プローブ(「TIP」)(図に示されていない)に付随する較正管とすることができる。
【0016】
TIPは、炉心内に完全に挿入し、次いで測定しつつ引き抜いて炉心内の軸方向高度でガンマ線または中性子束を測定することができるガンマ線または中性子有感デバイスである。TIPの読み取り値は連続的であるが、典型的には設定間隔(例えば1”)で2値化され、次いで、組み合わされてあるノード(例えば、6”セグメント)における電力を表す1つの値にまとめられる。スペーサーなどの炉心内構造は、局所ガンマ線または中性子束に影響を及ぼす可能性があるため、電力の低下はデータの適切な調整を高める知られている局所スペーサー位置と相関しうる。TIPセットの始めのところで、すべてのTIP(典型的には3から5)を共通の炉心半径方向配置に通し、異なるTIPを互いに合わせて正規化することができる。次いで、炉心の周りのそれぞれの半径方向配置から収集されたデータを正規化することができる。これは、通常「炉心の適応」と呼ばれ、一般的には使用されなくなっている。その代わりに、炉心物理コンピュータプログラムが、炉心半径方向出力分布を計算し、TIPの読み取り値を用いて、それぞれの配置において出力を軸方向に割り当てることができる。このプロセスは、一般に「形状の適応」と呼ばれる。このプロセスに関して、それぞれのTIPがそれぞれの配置で頂部から底部へ一貫して読み取られる必要がある場合があるが、一方の半径方向位置から他方の半径方向位置へ必ず一貫して読み取られる必要はない。言い換えると、計装の相互較正は、形状の適応には必要でないことがあるということである。
【0017】
従来技術のLPRM集合体300では、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器は、実質的に縦方向の配列構成となるように配置されうる。実質的に縦方向の配列構成には、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器の間の間隔が含まれていてもよい。間隔は、同じサイズ、あるいは2つまたはそれ以上の異なるサイズを有していてもよい。実質的に縦方向配列構成は、例えば、それぞれのLPRM集合体300内ではおおよそ同じであればよい。実質的に縦方向の配列構成では、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器により炉心306内の4つの異なる高さ(または配置)で中性子束(典型的には、熱中性子束)を監視することができるものとしてよい。この4つの異なる高さ(または配置)は、例えば、それぞれのLPRM集合体300内ではおおよそ同じであればよい。
【0018】
当業者(「PHOSITA」)に知られているように、LPRM検出器は、典型的には、陰極上に核分裂性物質がコートされている陰極を備える。核分裂性物質は、U234とU235との混合物であってよい。U235は、熱中性子束に比例する信号を発生するために使用される。しかし、原子炉心内の熱中性子束が極端に高いため、U235は、バーンアウト現象に曝され、これのせいで、一定の熱中性子束に対応するLPRM検出器の読み取り値が時間の経過とともに徐々に減少する可能性がある。U234は、熱中性子を吸収して、U235となり、LPRM検出器を延命させうる。しかし、最終的に、一定の熱中性子束に対応するLPRM検出器の読み取り値は、それでも、時間の経過とともに徐々に減少することになる。
【0019】
ガンマサーモメーターは、付随するLPRM検出器を較正する機能を備えていてもよい。定常状態運転では、ガンマ線束は、典型的には、熱中性子束に比例する。したがって、PHOSITAに知られているように、ガンマサーモメーター−付随するLPRM検出器の付近に配置されている−は、定常状態熱収支において局所ガンマ線束を測定することができる。局所ガンマ線束は、比例する熱中性子束に関係しているとしてよく、付随するLPRM検出器は、関係する比例する熱中性子束に基づいて較正できる。しかし、今のところ、ガンマサーモメーター技術は高価であり、および/または炉心306の高さの上では温度補償測定を比較的限られた数しか行えない。
【0020】
ガンマサーモメーターよりも古い技術であるけれども、TIPは、LPRM検出器を較正するための代替えおよび/または補助的手段となりうる。PHOSITAに知られているように、TIPは、本質的に、較正すべきLPRM検出器の近くに一時的に配置できる移動式熱中性子検出器を備えるシステムである。例えば、定常状態の熱収支において、移動式熱中性子検出器の読み取り値に合わせてLPRM検出器を較正することができる。TIPは移動式であるため、動かして炉心内の極端に高い熱中性子束から出すことができる。したがって、TIPは、通常、LPRM検出器のバーンアウト問題の影響を受けない。しかし、TIPは、機械的および電気的な不具合の影響を受けやすい、頻繁な保守および修理を必要とし、多くの放射線曝露および汚染問題を引き起こす複雑なシステムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
原子炉内の出力レベルを決定する問題に対してさまざまな解決策が提案されているが、例えば、米国特許第4,614,635号(「’635号特許」)、米国特許第4,725,399号(「’399号特許」)、米国特許第4,915,508号(「’508号特許」)、および米国特許第5,015,434号(「’434号特許」)において説明されているとおりである。’635号特許および’434号特許の開示は、参照により本出願に組み込まれている。しかし、これらのさまざまな解決策は、LPRM検出器の補償が、低いコストで、および/または炉心の高さの上で比較的多数の補償測定を行うことで、単純に実行されうる、原子炉を運転するための方法および装置、ならびに原子炉内の出力レベルを決定するための方法および装置を含んでいない。
【課題を解決するための手段】
【0022】
例示的な実施形態は、原子炉を運転するための方法および装置ならびに原子炉内の出力レベルを決定するための方法および装置に関するものとしてよい。また、例示的な実施形態は、原子炉を運転するための方法および装置、ならびに2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、および/またはアナライザーを備えうる原子炉内の出力レベルを決定するための方法および装置にも関する。それに加えて、原子炉内の出力レベルは、2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、および/またはアナライザーを使用して測定することができる。
【0023】
例示的な一実施形態では、装置は、2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、および/またはアナライザーを備えることができる。原子炉内に、2つまたはそれ以上の導電体を配置することが可能である。1つまたは複数の信号デバイスは、1つまたは複数の入射信号を2つまたはそれ以上の導電体に印加するように適合されうる。1つまたは複数の信号デバイスは、1つまたは複数の反射信号を2つまたはそれ以上の導電体から受け取るように適合されうる。アナライザーは、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号および/または1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を使用して原子炉内の出力レベルを決定するように適合されうる。
【0024】
他の例示的な実施形態では、原子炉内の出力レベルを決定する方法は、原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定すること、および/または測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することを含むことができる。
【0025】
さらに他の例示的な実施形態では、原子炉を運転する方法は、原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定すること、および/または測定されたインピーダンス値を使用して原子炉のパラメータを決定することを含むことができる。
【0026】
上記および/または他の態様および利点は、付属の図面と併せて例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むと明確になり、また理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来技術のBWR内のRPVの、部品が切り取られている、断面図である。
【図2】従来技術の原子炉心の平面図である。
【図3】従来技術のLPRM集合体の側面図である。
【図4】例示的な実施形態による同軸ケーブルの斜視図である。
【図5】例示的な実施形態によるLPRM集合体の側面図である。
【図6】例示的な実施形態によるステップ波形信号を示すグラフである。
【図7】例示的な実施形態によるインパルス波形信号を示すグラフである。
【図8】例示的な実施形態による分析システムのブロック図である。
【図9A】約92%の出力で稼動している原子炉における、時間に対する反射信号の電圧振幅のグラフである。
【図9B】約92%の出力で稼動している原子炉における、時間に対する反射信号の電圧振幅のグラフである。
【図9C】100℃未満の温度で、停止状態にある図9Aおよび9Bの原子炉における、時間に対する反射信号の電圧振幅のグラフである。
【図9D】100℃未満の温度で、停止状態にある図9Aおよび9Bの原子炉における、時間に対する反射信号の電圧振幅のグラフである。
【図10】炉心監視パッケージに付随するプロセスコンピュータを使用して得た垂直高さ計算結果に対する相対的原子炉出力の結果を一覧にした表である。
【図11】図10のデータを示すグラフである。
【図12】例示的な実施形態に基づく原子炉の垂直高さ計算結果に対する相対的原子炉出力の結果を一覧にした表である。
【図13】垂直方向出力プロファイルを比較する、一緒にプロットされた図10および12のデータを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、付属の図面を参照しつつ、例示的な実施形態についてより詳しく説明する。しかし、実施形態は、多くの異なる形態で具現化することができるため、本明細書で述べられている例示的な実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が詳細で完全なものとなるように、また当業者に範囲が全部伝わるように用意されたものである。
【0029】
コンポーネントが、他のコンポーネント「の上にある」、他のコンポーネント「に接続されている」、他のコンポーネント「に結合されている」、または他のコンポーネント「に固定されている」と言う場合、これらのコンポーネントは、直接的に、他のコンポーネントの上にあるか、他のコンポーネントに接続されるか、他のコンポーネントに結合されるか、または他のコンポーネントに固定されうるか、あるいは介在するコンポーネントが存在しうると理解される。対照的に、コンポーネントが、他のコンポーネントの「上に直接ある」、他のコンポーネント「に直接接続されている」、他のコンポーネント「に直接結合されている」、または他のコンポーネント「に直接固定されている」と言う場合、介在するコンポーネントは存在しない。本明細書で使用されているように、「および/または」は、関連する列挙されている品目のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0030】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では、さまざまな要素、コンポーネント、領域、層、および/またはセクションを記述するために使用される場合があるけれども、これらの要素、コンポーネント、領域、層、および/またはセクションは、その用語によって限定されるものではないことは理解されるであろう。これらの用語は、一方の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションを他方の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションから区別するためにのみ使用される。したがって、後述の第1の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく第2の要素、コンポーネント、領域、層、またはセクションと称することが可能である。
【0031】
「真下」、「下」、「下側」、「上」、「上側」、および同様の語などの空間的相対語は、本明細書では、図面に例示されているように、一方のコンポーネントおよび/または特徴の他方のコンポーネントおよび/または特徴、または他の(複数の)コンポーネントおよび/または(複数の)特徴に対する関係を記述する際に説明しやすくするために使用することができる。これらの空間的相対語は、図中に示されている配向に加えて使用中の、または動作中のデバイスの異なる配向をも包含することが意図されていると理解される。
【0032】
本明細書で使用されている用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明することを目的としており、範囲を制限することは意図されていない。本明細書で使用されているように、「1つの(または使わない場合もある)」および「その(使わない場合もある)」(英語原文の単数形の冠詞「a」、「an」、および「the」)は、文脈上明らかにそうでないことを示していない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「備える」、「備えること」、「含む」、および/または「含むこと」という言い回しは、本明細書で使用されている場合、記載されている特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を意味し、1つまたは複数の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在もしくは追加を除外しないことも理解されるであろう。
【0033】
断りのない限り、本明細書で使用されるすべての(技術および科学用語を含む)用語は、例示的な実施形態が属しているPHOSITAによって通常理解される意味と同じ意味を有する。さらに、よく使われる辞書で定義されているような用語は、従来技術の背景状況における意味と矛盾しない意味を持つものと解釈すべきであり、本明細書で明確に定められていない限り、理想化されたまたは過度に正式の意味で解釈されないことは理解されるであろう。
【0034】
そこで、全体を通して類似の参照番号が類似のコンポーネントを指している、付属の図面において例示されている、例示的な実施形態を参照することにする。
【0035】
上述のように、例示的な実施形態は、BWRに関して説明されているけれども、PHOSITAは、例示的な実施形態が、例えば、他の水冷型および/または水減速原子炉[例えば、加圧水型原子炉(「PWR」)、プール型原子炉、および重水炉]、ガス冷却式原子炉(「GCR」)[例えば、改良型ガス冷却炉(「AGR」)]、液体金属冷却型原子炉、および溶融塩原子炉(「MSR」)などの他の種類の原子炉にも応用されることを理解すべきである。
【0036】
例示的な実施形態では、原子炉内の出力レベルを決定するための装置は、2つまたはそれ以上の導電体、1つまたは複数の信号デバイス、および/またはアナライザーを備えることができる。2つまたはそれ以上の導電体は、例えば、伝送路の導電体であってよい。装置は、例えば、可動部分を有していなくてもよい。装置は、例えば、100%電子回路の機器を使用することもできる。
【0037】
例示的な実施形態では、2つまたはそれ以上の導電体を、原子炉内に部分的に、または完全に配置することが可能である。例えば、2つまたはそれ以上の導電体を、原子炉心内に、またはその付近に、部分的に、または完全に配置することが可能である。
【0038】
例示的な実施形態では、2つまたはそれ以上の導電体は、同軸ケーブルの導電体とすることができる(このような同軸ケーブルは、例えば、伝送路と称されることもある)。同軸ケーブルは、内部導電体(このような内部導電体は、例えば、中心導電体と称されることもあり、また内部導電体は、例えば、実質的に円筒状の形状を有するものとしてよい)、外部導電体(このような外部導電体は、例えば、シールド導電体と称されることもあり、また外部導電体は、例えば、実質的に円筒状の形状を有するものとしてよい)、内部導電体と外部導電体との間の絶縁誘電体材料、および/または充填ガスを備えることができる。内部導電体および外部導電体は、同じ軸を共有してもよい。同軸ケーブルは、柔軟性を有する(例えば編組の鞘を有する)か、または実質的に柔軟性がなく堅い(例えば、ソリッドな鞘を有する)ものとしてよい。このような実質的に柔軟性がなく堅いケーブルは、PHOSITAによって「剛性」および/または「ハードライン」ケーブルと称されうる。
【0039】
例示的な実施形態では、同軸ケーブルは、例えば、外部導電体の内側の1つまたは複数の層および/または外部導電体の外側の1つまたは複数の層(一番外側の層−多くの場合、絶縁性および/または損傷耐性のある層−は「ジャケット」とも称される)などの他の1つまたは複数のコンポーネントを備えることができる。
【0040】
図4は、例示的な実施形態による同軸ケーブル400の斜視図である。同軸ケーブル400は、内部導電体402、外部導電体404、内部導電体402と外部導電体404との間の隙間406、隙間406内に配置されている絶縁誘電体408、および/または充填ガス410を備えることができる。
【0041】
内部導電体402は、例えば、適切な長さの導電体(例えば、実質的に丸い断面または他の何らかの形の断面を持つ電線)とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、内部導電体402は、実質的に丸い断面を有することができる。内部導電体402は、例えば、中空導電体(例えば、管)、または実質的にソリッドな導電体とすることができる。内部導電体402は、例えば、1つまたは複数の金属、1つまたは複数の合金、および/または1つまたは複数の金属組成物で作製できる。本明細書で定義されているように、「金属」という用語は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、炭素、ケイ素、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、トリウム、およびウランからなる群から選択された元素を意味する。本明細書で定義されているように、「合金」という用語は、固定された化学量論的関係にない複数の金属の組み合わせを意味する。例としては、チタン662(約6重量%のアルミニウム、約6重量%のバナジウム、および約2重量%のスズを含むチタン)およびチタン64(約6重量%のアルミニウムおよび約4重量%のバナジウムを含むチタン)が挙げられる。本明細書で定義されているように、「金属組成物」という用語は、金属化合物または金属間化合物を意味する。本明細書で定義されているように、「金属化合物」という用語は、固定された化学量論的関係にある複数の金属の組み合わせを意味する。例としては、ランタン3−ニッケル(LaNi)、ランタンニッケル5(LaNi)、トリウムコバルト(ThCo)、トリウム鉄(ThFe)、トリウムマンガン(ThMn23)、トリウムニッケル(ThNi17)、およびチタン鉄(TiFe)が挙げられる。本明細書で定義されているように、「金属間化合物」という用語は、固定された化学量論的関係にある1つまたは複数の金属と1つまたは複数の非金属との組み合わせを意味する。例としては、チタン酸バリウム(BaTiO)および重水素化アルミニウムリチウム(LiAlD)が挙げられる。
【0042】
例示的な実施形態では、内部導電体402は、直径約0.6mmの実質的に丸い断面を有する純銅またはステンレス鋼導体としてよい。例えば、内部導電体402は、直径を0.022+0.002インチとすることができる。
【0043】
同様に、外部導電体404は、例えば、適切な長さの中空導電体(例えば、管)とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、外部導電体404は、実質的に丸い断面を有することができる。外部導電体404は、例えば、実質的にソリッドな、または編組設計の中空鞘とすることができる。外部導電体404は、例えば、1つまたは複数の金属、1つまたは複数の合金、および/または1つまたは複数の金属組成物で作製できる。
【0044】
例示的な実施形態では、外部導電体404は、内径が内部導電体402に関して適切な間隔をとる、および/またはインピーダンス要件を満たすのに必要なサイズである実質的に丸い断面を有するソリッドな、または編組のアルミニウム、銅、銀、またはステンレス鋼の中空鞘とすることができる(例えば、内径を約3mm、および/または外径を約4mmとすることができる)。例示的な実施形態では、外部導電体404は、内径が約2.7mm、外径が約4.3mmである中空鞘とすることができる。例えば、外部導電体404の公称内径を0.106インチとし、および/または外部導電体404の公称外径を0.170+0.001インチとすることができる。
【0045】
例示的な実施形態では、外部導電体404は、内部鞘と外部鞘を備えることができる。例えば、内部鞘は、内部導電体402に関して適切な間隔をとるような、および/またはインピーダンス要件を満たすのに必要なサイズの内径を有するものとしてよい(例えば、0.106インチの公称内径)。例えば、外部鞘は、設計要件を満たすのに必要なサイズの外径を有するものとすることができる(例えば、0.170+0.001インチの公称外径)。
【0046】
例示的な実施形態では、内部導電体402は、外部導電体404の内部鞘と同心であるものとしてよい。例えば、内部導電体402は、0.015インチの範囲内で内部鞘と同心であるものとすることができる。同心性は、例えば、製造ロットからサンプルを抽出してX線画像を撮ることによって検証できる。
【0047】
例示的な実施形態では、内部および外部の鞘は、互いに密に接触するように形成されうる。例えば、内部鞘は、外部鞘に冶金法によって接着することができる。他の実施例では、内部鞘は、内部鞘の外面の全体または実質的に全体にわたって外部鞘と接触することができる。さらに他の実施例では、外部鞘は、外部鞘の内面の全体または実質的に全体にわたって内部鞘と接触することができる。
【0048】
隙間406は、内部導電体402と外部導電体404との間の物理的分離である。例示的な実施形態では、隙間406の幅は、実質的に一定であるものとしてよい。例えば、内部導電体402は、約0.6mmの直径を有し、外部導電体404は、約2.7mmの内径を有し、隙間406は、約1.05mmの幅を有するものとすることができる。他の実施例では、内部導電体402は、0.022インチの直径を有するが、外部導電体404は、0.106インチの公称内径を有することができ、したがって、隙間406は、約0.042インチの幅を有することができる。
【0049】
例示的な実施形態では、隙間406内に配置されている絶縁誘電体408は、内部導電体402と外部導電体404との間の物理的分離を維持することができる。隙間406内に配置されている絶縁誘電体408の性質および量は、隙間406の充填度に影響を及ぼしうる。その結果少なくとも部分的には、絶縁誘電体408は、剛性などの同軸ケーブル400のさまざまな物理的特性に影響を及ぼしうる。絶縁誘電体408として、例えば、単一の絶縁誘電体、複数の絶縁誘電体、または1つまたは複数の複合絶縁誘電体が挙げられる。
【0050】
例示的な実施形態では、絶縁誘電体408は、原子炉の炉心内に見られる温度などの高温に耐えられる材料を含みうる。絶縁誘電体408は、高い電気抵抗を有することができる(例えば、25℃で約1014Ω−cmの体積抵抗率)。絶縁誘電体408は、特性インピーダンスおよび減衰率などの、同軸ケーブル400のさまざまな電気特性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、絶縁誘電体408は、無機材料で構成することができる。例えば、絶縁誘電体408として、1つまたは複数のさまざまな形態のセラミック、1つまたは複数のさまざまな形態のガラス、1つまたは複数のさまざまな形態のステアタイト、1つまたは複数の形態の磁器、1つまたは複数の金属酸化物、および/または1つまたは複数のガスが挙げられる。例えば、絶縁誘電体408は、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、および二酸化ケイ素(SiO)のうちの1つまたは複数を含むことができる。例えば、絶縁誘電体408は、二酸化ケイ素の粉末を含むことができる。
【0051】
同軸ケーブル400などの同軸ケーブルが、PHOSITAに知られている。
【0052】
例示的な実施形態では、絶縁誘電体408は、固体、場合によっては同軸ケーブル400の柔軟性を促す形態とすることができる。例えば、絶縁誘電体408は、ビーズまたは粉末の形態としてよい。例示的な実施形態では、絶縁誘電体408としては、セラミックビーズ、酸化アルミニウム(場合によっては粉末形態)、酸化マグネシウム(場合によっては粉末形態)、および/または二酸化ケイ素(場合によっては粉末形態)が挙げられる。
【0053】
例示的な実施形態では、絶縁誘電体408は、同軸ケーブル400の柔軟性を促し、および/または充填ガス410の分散を促すように緩く詰め込むことができる。
【0054】
例示的な実施形態では、充填ガス410は、希ガスを含んでいてもよい。例えば、充填ガス410は、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、およびラドン(Rn)のうちの1つまたは複数の気体を含みうる。同軸ケーブル400内の充填ガス410の圧力(室温での)は、約5気圧(「atm」)以上、約10atm以上、および/または約12.5atm以上とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、同軸ケーブル400内の充填ガス410の圧力(室温での)は、約25atm以下、約20atm以下、および/または約17.5atm以下とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、同軸ケーブル400内の充填ガス410の圧力(室温での)は、例えば、約5atm以上かつ約25atm以下、約10atm以下かつ約20atm以下、および/または約12.5atm以上かつ約17.5atm以下とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400内の充填ガス410の圧力(室温での)は、約15atmとすることができる。
【0055】
例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、さまざまな要因のうちとりわけ、同軸ケーブル400の幾何学的形状、内部導電体402および/または外部導電体404の物理的寸法、隙間406のサイズ、絶縁誘電体408のさまざまな特性、絶縁誘電体408の量、充填ガス410の種類、および充填ガス410の圧力の影響を受ける可能性がある。
【0056】
同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、約25Ω以上、約30Ω以上、約35Ω以上、約40Ω以上、約45Ω以上、約50Ω以上、約55Ω以上、約60Ω以上、約65Ω以上、および/または約70Ω以上とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、約100Ω以下、約95Ω以下、約90Ω以下、約85Ω以下、約80Ω以下、約75Ω以下、約70Ω以下、約65Ω以下、約60Ω以下、および/または約55Ω以下とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、例えば、約25Ω以上かつ約75Ω以下、約40Ω以下かつ約60Ω以下、および/または約45Ω以上かつ約55Ω以下とすることができる。それに加えて、またはその代わりに、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、例えば、約50Ω以上かつ約100Ω以下、約65Ω以下かつ約85Ω以下、および/または約70Ω以上かつ約80Ω以下とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、約30Ω、50Ω、52Ω、60Ω、73Ω、75Ω、77Ω、または93Ωとすることができる。例えば、同軸ケーブル400の特性インピーダンスは、70Ω以上かつ78Ω以下とすることができる。
【0057】
例えば、同軸ケーブル400内の1つまたは複数の信号(このような信号は、例えば、波形および/または波形信号と称されることもある)の伝搬は、単位長当たりの分布インダクタンス内の1つまたは複数の信号の磁界に蓄積されるエネルギーおよび単位長当たりの分布キャパシタンス内の1つまたは複数の信号の電界に蓄積されるエネルギーに付随しうる。同軸ケーブル400の特性インピーダンスZは、例えば、同軸ケーブル400の長さ全体にわたって一様に分布する、単位長当たりの分布インダクタンスLおよび単位長当たりの分布キャパシタンスCの値によって決定されうる。
【0058】
同軸ケーブルの単位長当たりの分布インダクタンスおよび/または単位長当たりの分布キャパシタンスは、幾何学的形状、導電体の物理的寸法、導電体の間の距離、導電体の間の絶縁誘電体の種類、導電体の間の絶縁誘電体の量、および/または他の因子に応じて変わりうる。同軸ケーブル400の特性インピーダンスZは、以下の式1により単位長当たりの分布インダクタンスLおよび単位長当たりの分布キャパシタンスCに関して表すことができる(Zの単位はΩ、Lの単位はヘンリー/メートル、およびCの単位はファラッド/メートルである)。
【0059】
=√(L/C) (1)
例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の特性インピーダンスZは、内部導電体402の物理的寸法、外部導電体404の物理的寸法、および/または同軸ケーブル400の隙間406のサイズが変化しない場合には、変化することはありえない。しかし、内部導電体402と外部導電体404との間の絶縁誘電体408の誘電定数が変化すると、単位長当たりの分布キャパシタンスCが変化しうるが、単位長当たりの分布インダクタンスLは変化せず同じである。絶縁誘電体408の誘電定数が変化すると、単位長当たりの分布キャパシタンスCが変化し、これにより、上記の式1により特性インピーダンスZも変化しうる。
【0060】
電気信号は、入力端から対向端まで2つの導電体の間の絶縁誘電体を有するケーブルまたは伝送路を伝搬するのに有限の時間を要する(同じことが、対向端から入力端に戻る信号伝搬についても言える)。単位長当たりの伝搬速度は、2つの導電体の間の絶縁誘電定数に依存し、これにより、伝送路の単位長当たりのキャパシタンスが決定されうる。
【0061】
例示的な実施形態では、絶縁誘電体408によって、1つまたは複数の信号(例えば、1つまたは複数のステップ波形信号および/または1つまたは複数のインパルス波形信号)が同軸ケーブル400内を(例えば、同軸ケーブル400の入力端から同軸ケーブル400の対向端まで)伝搬する1つまたは複数の速度が決定されうる。単位長当たりの伝搬速度vは、以下の式2により単位長当たりの分布インダクタンスLおよび単位長当たりの分布キャパシタンスCに関して表すことができる(vの単位はメートル/秒、Lの単位はヘンリー/メートル、およびCの単位はファラッド/メートルである)。
【0062】
v=1/√(L*C) (2)
単位長当たりの伝搬速度vは、特性インピーダンスZおよび伝送路の単位長当たりの分布キャパシタンスCに関して表すこともできる。式1と2を組み合わせると、以下の式3が得られる(vの単位はメートル/秒、Zの単位はΩ、Cの単位はファラッド/メートルである)。
【0063】
v=1/(Z*C) (3)
キャパシタは、例えば、絶縁誘電体(例えば、固形物および/またはガス)で隔てられた2本の電極によって定めることができる。絶縁誘電体には、2本の電極の間に電位が印加されたときに発生する電界の影響下で分極を生じうる(例えば、その結果、正の電極と負の電極になる)。絶縁誘電体に分極が生じると、絶縁誘電体内で互いに関して正と負の電荷が再分布し、これにより、絶縁誘電体内の負の電荷は正の電極に向かって変位し、絶縁誘電体内の正の電荷は負の電極に向かって変位する。2本の電極の間の絶縁誘電体の分極により、さらに多くの電気力線が結合され、2本の電極の間の単位面積当たりの電束密度が増大し、これにより、キャパシタに蓄電された電荷が増え、その結果、キャパシタンスが増大しうる。絶縁誘電体の分極の程度が大きければ大きいほど、絶縁誘電体の誘電定数の値が高くなり、その結果、2本の電極の間の単位面積当たりの電束密度が増え、キャパシタンスが増大する。
【0064】
例示的な実施形態では、原子炉心から出るガンマ線束は、充填ガス410と直接的に、および/または間接的に相互作用できる。この相互作用は、以下のメカニズムに似た(複数の)メカニズムを使用して発生するものとしてよい。ガンマ線束は、例えば、外部導電体404と相互作用しうる。このようなガンマ線は、光電吸収、コンプトン散乱、対生成相互作用、および/または他のプロセスを介してエネルギーを持った二次電子を放出することができる。
【0065】
エネルギーを持った二次電子を生成して放出する、外部導電体404の内壁面に十分近いところで発生するガンマ線相互作用により、放出されたエネルギーを持った二次電子の一部が隙間406内に入るようにできる。これらの放出されたエネルギーを持った二次電子の多くは、充填ガス410の原子から電子を完全に取り去って解放することによって充填ガス410の1つまたは複数の原子と相互作用することができる。充填ガス410の原子から電子を取り去って解放するとその結果、自由電子(陰イオン)と電子が完全に取り去られた充填ガス410の原子(陽イオン)とを含むイオン対を生成し、これにより充填ガス410の原子が電離する。
【0066】
充填ガス410の原子との単一の相互作用からイオン対を生成して放出されたエネルギーを持った二次電子が失うエネルギーは、放出されたエネルギーを持った二次電子の全エネルギーのうちのごくわずかの部分であると考えられる。結果として、放出されたエネルギーを持った二次電子は、充填ガス410の原子とのその後の相互作用を通してさらにエネルギーを失い、その結果、充填ガス410の多くの原子との多数の相互作用から多数のイオン対が生成され、また内部導電体402と外部導電体404との間に電離空間電荷が形成されうる。内部導電体402と外部導電体404との間に印加電位が存在することで、内部導電体402と外部導電体404との間に電界が発生し、これにより、充填ガス410内で電離空間電荷が分極しうる。
【0067】
充填ガス410内の電離空間電荷の分極は、反対荷電を持つ電極に向かって引き付けられ、移動する電離空間電荷内の可動陽イオンと可動陰イオンが変位し、分離することで引き起こされうる。陰イオン(自由電子)は小さければ小さいほど、正電極に向かってかなり高速に移動し、いっそう大きな、また移動速度の遅い陽イオン(電子が完全に取り去られた充填ガス410の原子)を後に残す。陰イオンの移動速度がかなり速ければ速いほど、移動速度のさらに遅くなる陽イオンが負電極の付近に取り残されるのに対して、負電極の付近の充填ガス410の領域内では陰イオンがなおいっそう減少することなりうる。同様に、陰イオンの移動速度がかなり速ければ速いほど、正電極の付近に陰イオンをなおいっそう多く蓄積し存在量を増やすことができる。その結果、反対荷電を持つ電極の付近に蓄積する陽イオンおよび陰イオンが変位し、分離することで、空間電荷イオンの分極分布により充填ガス410内に電離空間電荷の分極が効果的に発生しうる。
【0068】
正電極と負電極との間の充填ガス410内の電離空間電荷の分極分布は、より多くの電気力線を結合し、内部導電体402と外部導電体404との間の単位面積当たりの電束密度を増大する累積的効果を持ちうる。内部導電体402と外部導電体404との間の電束密度を増やすと、内部導電体402と外部導電体404との間の充填ガス410の誘電定数が効果的に増大し、その結果、充填ガス410の誘電定数が大きくなり、結果として得られる同軸ケーブル400の単位長当たりの分布キャパシタンスCが増大しうる。充填ガス410の誘電定数の増大による単位長当たりの分布キャパシタンスCの増大には、同軸ケーブル400の特性インピーダンスZを減少させるという正味の効果がありえる。ガンマ線束レベルが大きければ大きいほど、同軸ケーブル400の特性インピーダンスZの減少は大きくなる。ガンマ線束レベルは、特に定常状態条件で、またはほぼ定常状態条件で、原子炉の出力レベルに比例するものとしてよい。したがって、ガンマ線束レベルが増大すると、その結果、同軸ケーブル400の長さに沿って特性インピーダンスZを減少させる程度が大きくなり、ガンマ線束レベルが減少すると、その結果、同軸ケーブル400の長さに沿って特性インピーダンスZを減少させる程度が小さくなるものとしてよい。
【0069】
ここで出願人は、絶縁誘電体408が分離および/または分極に関わりうることを注意しておく。このような関わり合いは、同軸ケーブル400内の充填ガス410の正味の効果を補う傾向がある。
【0070】
上述のように、原子炉の出力運転中、出力レベルは、典型的には、熱中性子束を測定することによって決定される。上述のように、定常状態運転では、ガンマ線束は、典型的には、熱中性子束に比例する。また、原子炉出力レベルが時間の経過とともにゆっくりと変化する非定常状態運転では、ガンマ線束は、典型的には、熱中性子束に実質的に比例する(例えば、ある程度の時間遅延を伴って熱中性子束に一般的に比例する)。
【0071】
例示的な実施形態の装置は、例えば、局所ガンマ線束、相当する局所中性子束、局所原子炉出力レベル、および/またはガンマ線束、相当する中性子束、および/または原子炉出力レベルをより一般的に測定する機能を備えることができる。
【0072】
例示的な実施形態の装置は、追加機能を備えることもできる。例えば、装置は、原子炉スクラムなどの原子炉の出力レベルの急変の後の類似の制御棒形状に対する制御棒の臨界高さを予測することができる。他の実施例では、装置は、異常な(複数の)蒸気隔離弁位置、(複数の)タービン停止弁の高速閉鎖、および/または(複数の)タービン制御弁の高速閉鎖などの、原子炉の出力レベルの急変の後の類似の制御棒形状に対する出力レベルを予測できる。このような予測の精度は、原子炉心内の出力分布に依存しうる。
【0073】
上記の説明から、実質的に垂直な配向で原子炉心内に配置されている、同軸ケーブル400のインピーダンスは、一般的に、原子炉の出力運転時に、(a)原子炉心の真下では、特性インピーダンスに等しい固有インピーダンス、(b)原子炉心の底部では、特性インピーダンスよりいくぶん低い固有インピーダンス、(c)原子炉心の底部から中間炉心の近くに向かって、特性インピーダンスより低く、実質的に連続的に、一般的には減少する固有インピーダンス、(d)中間炉心の近くでは、特性インピーダンスより低く、一般的に最小値に到達する固有インピーダンス、(e)中間炉心の近くから原子炉心の最上部に向かって、特性インピーダンスより低く、実質的に連続的に、一般的には増大する固有インピーダンス、(f)原子炉心の最上部では、特性インピーダンスよりいくぶん低い固有インピーダンス、および(g)原子炉心の真上では、特性インピーダンスに等しい固有インピーダンス、という傾向に一般的に従う。
【0074】
例示的な実施形態では、内部導電体402はステンレス鋼を含むことができる。例示的な実施形態では、外部導電体404は、2つの層、内部鞘、および外部鞘を備えることができる。例示的な実施形態では、内部鞘は銅を含むことができる。例示的な実施形態では、外部鞘はステンレス鋼を含むことができる。
【0075】
例示的な実施形態では、絶縁誘電体408は、粉末形態の二酸化ケイ素を含むことができる。
【0076】
例示的な実施形態では、充填ガス410は、アルゴンガスであってもよい。例示的な実施形態では、充填ガス410の純度は、99%を超えるものとしてよい。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400を、充填ガス410で約1,000センチメートル水銀柱(室温)に加圧することができる。
【0077】
例示的な実施形態では、単位長当たり分布キャパシタンスは、50Ωの特性インピーダンスに対して約30pF/mとすることができる。例示的な実施形態では、単位長当たり分布キャパシタンスは、75Ωの特性インピーダンスに対して約20pF/mとすることができる。例えば、単位長当たり分布キャパシタンスは、1kHzで27pF/ft以下としてよい。
【0078】
例示的な実施形態では、単位長当たり分布インダクタンスは、150nH/ft以下としてよい。
【0079】
例示的な実施形態では、2つまたはそれ以上の導電体のうちの少なくとも1つは、同軸ケーブル以外のケーブルの導電体とすることができる。例えば、これら2つまたはそれ以上の導電体は、固有インピーダンスの変化をガンマ線束に関して測定できるという条件の下で、撚線ペア、非撚線ペア、ツインリード、レッヘル線、平衡線、不平衡線、多導体線、スロット線、共振線、非共振線、偏心線、ラダー線、ストリップ線、開回路線、短絡回路線、擬似線路、テーパー線、遅延線、スタブ線、平行線、および/または同軸ケーブル以外の追加ケーブルの導電体とすることができる。2つまたはそれ以上の導電体は、例えば、伝送路の導電体であってよい。例示的な実施形態は、上述のように、充填ガスを含む伝送路の2つまたはそれ以上の導電体を含み、そのため、ガンマ線束は、充填ガスと相互作用し、伝送路の固有特性インピーダンスを変化させることができる。
【0080】
例示的な実施形態では、2つまたはそれ以上の導電体を使用することで、出力レベルを本質的に連続的に測定することができる。それに加えて、またはその代わりに、2つまたはそれ以上の導電体は、約1〜2インチのオーダーの分解能を持つことができる(つまり、2つまたはそれ以上の導電体の固有インピーダンスの独立した測定を、2つまたはそれ以上の導電体に沿った長さの約1〜2インチおきに効果的に行うことができる)。
【0081】
例示的な実施形態では、2つまたはそれ以上の導電体のうちの少なくとも1つは、1つまたは複数のガンマサーモメーターおよび/またはTIPを補完し、および/または置き換えることができる。したがって、原子炉内に多くの改善を加えることができる、例えば、LPRM較正の信頼度を向上させる、原子炉の複雑さを軽減する、原子炉の信頼度を向上させる、原子炉容器内の貫通部の数を低減する、原子炉格納建造物内の貫通部の数を低減する、原子炉の設計および/または建設を簡素化する、原子炉の管理、運転、および/または保守を簡素化する、および/または原子炉の設計、建設、運転、および/または保守費用を削減する、といったことが可能になる。
【0082】
図5は、例示的な実施形態によるLPRM集合体500の側面図である。例えば図5に示されているように、TIPに付随する較正管を取り外し、および/またはガンマサーモメーターを例示的な実施形態の装置で置き換えることができる。図5に示されているように、LPRM集合体500の案内管502は、炉心板504を貫通し、これにより、LPRM集合体500は炉心506に接近できる。LPRM被覆管510の1つまたは複数の案内リング508は、LPRM集合体500が案内管502内に挿入されるように誘導することができる。案内管502は、グランドシール512および/またはフランジ514によって封止できる。
【0083】
LPRM集合体500は、例えば、4つのLPRM検出器(図に示されていない)および/または5つのコネクターを備えることができる。第1のコネクター516は、第1のLPRM検出器に接続し、第2のコネクター518は、第2のLPRM検出器に接続し、第3のコネクター520は、第3のLPRM検出器に接続し、および/または第4のコネクター522は、第4のLPRM検出器に接続することができる。第1のコネクター516、第2のコネクター518、第3のコネクター520、および第4のコネクター522のうちの1つまたは複数のコネクターは、スイスを本拠地とするLEMO社が製造する、LEMOプラグまたはLEMOレセプタクルと呼ばれるコネクターであるものとしてよい。例えば、第1のコネクター516、第2のコネクター518、第3のコネクター520、および第4のコネクター522のうちの1つまたは複数のコネクターは、サイズ1のLEMOレセプタクルとしてよい。
【0084】
第5のコネクター524は、LPRM集合体500の例示的な実施形態の装置に接続することができる。例えば、第5のコネクター524は、同軸ケーブルなどの導電性ケーブル(図に示されていない)に接続することができる。第5のコネクター524は、例えば、サイズ1もしくは3のLEMOレセプタクルとすることができる。
【0085】
LPRM集合体500では、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器は、実質的に縦方向の配列構成となるように配置されうる。実質的に縦方向の配列構成には、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器の間の間隔が含まれていてもよい。間隔は、同じサイズ、あるいは2つまたはそれ以上の異なるサイズを有していてもよい。実質的に縦方向配列構成は、例えば、それぞれのLPRM集合体500内ではおおよそ同じであればよい。実質的に縦方向の配列構成では、第1、第2、第3、および第4のLPRM検出器により炉心506内の4つの異なる高さ(または配置)で中性子束(典型的には、熱中性子束)を監視することができるものとしてよい。この4つの異なる高さ(または配置)は、例えば、それぞれのLPRM集合体500内ではおおよそ同じであればよい。
【0086】
例示的な実施形態では、TIPに付随する1つまたは複数の較正管を取り外し、および/または1つまたは複数のガンマサーモメーターを上述の装置のうちの1つまたは複数の装置で置き換えることができる。較正管をすべて取り外すと、TIPデバイス全体を取り外すことができ、これにより、一次格納容器および/または原子炉容器の貫通部を減らし、原子炉の運転を簡素化し、保守および/または修理費用を低減し、被曝および汚染問題を軽減することができる。同様に、すべてのガンマサーモメーターを取り外すことで、原子炉の運転を簡素化し、保守および/または修理費用を削減し、被曝および汚染問題を軽減することができる。
【0087】
それに加えて、またはその代わりに、上述の装置のうちの1つまたは複数の装置は、TIPに付随する1つまたは複数の較正管を補完することができる。それに加えて、またはその代わりに、上述の装置のうちの1つまたは複数の装置は、1つまたは複数のガンマサーモメーターを補完することができる。
【0088】
原子炉の一次格納容器の外部に、1つまたは複数の信号デバイスを配置することが可能である。例えば、1つまたは複数の信号デバイスを、原子炉建屋内の一次格納容器の内部または外部に少なくとも部分的に配置することができる。
【0089】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の信号デバイスのうちの少なくとも1つのデバイスは、1つまたは複数の信号(例えば、入射信号)を発生し、および/または2つのまたはそれ以上の導電体に印加するように適合されうるか、または1つまたは複数の信号(例えば、反射信号)を2つまたはそれ以上の導電体から受け取るように適合されるか、または1つまたは複数の信号(例えば、入射信号)を2つまたはそれ以上の導電体に印加し、1つまたは複数の信号(例えば、反射信号)を2つまたはそれ以上の導電体から受け取るように適合されうる(例えば、信号デバイスは、入射信号を発生して2つの導電体の入力に印加するように適合され、また2つの反射信号を2つの導電体から受け取るように適合されうる)。したがって、1つまたは複数の信号デバイスは、例えば、1つまたは複数の信号発生器として機能することができる。それに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の信号デバイスは、例えば、1つまたは複数の信号受信器として機能することができる。
【0090】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の信号デバイスのうちの少なくとも1つのデバイスは、時間領域反射計(「TDR」)を備えることができる。TDRは、例えば、高速なリーディングエッジ(つまり、高速な立ち上がり時間)を持つ入射信号を発生し、および/または調査中の伝送路の入力端に印加する信号発生器(例えば、波形信号発生器)を使用することができる。TDRは、閉ループレーダーシステムに似た配列構成の広帯域オシロスコープを使用して(複数の)入射信号と(複数の)反射信号との間の時間に関して(複数の)入射信号と(複数の)反射信号(例えば、1つまたは複数のエコー)を監視することができる。例えば、TDRは、1つの入射信号を発生し、および/または印加し、および/またはその1つの入射信号に関係する2つまたはそれ以上の反射信号を受け取ることが可能である(例えば、TDRは、入射信号を発生して、2つの導電体の入力に印加し、2つの導電体からその入射信号に関係する2つまたはそれ以上の反射信号を受け取ることができる)。TDRの調査では、入射する高速なリーディングエッジ信号と反射信号(例えば、エコー)との間の信号電圧振幅およびタイミングの必要な分解能を高め、達成するために、高速なリーディングエッジ−非常に高い周波数成分からなるリーディングエッジ−を持つ入射信号および広帯域オシロスコープが必要時になることがある。伝送路の入力端に印加された入射高速リーディングエッジ信号は、伝送路の伝搬速度で伝送路の長さに沿って伝わるものとしてよい。伝送路の特性インピーダンスは、無限の長さを持つ伝送路の入力端に現れるインピーダンスであり、伝送路の全長にわたって一定であるものとすることができる。
【0091】
伝送路の長さに沿って存在する伝送路特性インピーダンスの変化は、インピーダンス不整合状態であるとしてよい。インピーダンス不整合状態により、入射信号のエネルギーの一部が伝送路の伝搬速度で伝送路の入力端に向かって戻ってゆく反射信号(例えば、インピーダンス不整合反射信号)としてインピーダンス不整合状態の位置から逆方向に反射されて戻る可能性がある。伝送路の入力端に戻ってゆく全反射信号の電圧振幅は、入射信号電圧振幅と伝送路の長さに沿って存在するインピーダンス不整合状態の位置からの反射信号電圧振幅との代数和である。インピーダンスがインピーダンス不整合状態の結果として伝送路の初期特性インピーダンスより高くなると、入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーの一部によって、反射されて伝送路の入力端に戻る入射信号の振幅に関して正の極性の振幅を持つ反射信号が発生しうる。同様に、インピーダンスがインピーダンス不整合状態の結果として伝送路の初期特性インピーダンスより低くなると、入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーの一部によって、反射されて伝送路の入力端に戻る入射信号の振幅に関して負の極性の振幅を持つ反射信号が発生しうる。反射信号の振幅および極性は、伝送路の長さに沿った位置に存在する(複数の)インピーダンス不整合状態の値を決定するために使用できる。反射信号の形状および極性は、伝送路の長さに沿って存在する(複数の)インピーダンス不整合状態の種類を診断するために使用できる。伝送路の入力端に入射信号を印加してから伝送路の入力端に戻る反射信号を受け取るまでの時間を用いて、伝送路の長さに沿って存在するインピーダンス不整合状態の物理的位置を確定することができる。
【0092】
例示的な実施形態では、TDRは、約40Ω以上かつ約120Ω以下のインピーダンスを有するものとすることができる。例えば、TDRは、約50Ωのインピーダンスを持つことができる。
【0093】
TDRは、例えば、伝送路の入力端に入射高速リーディングエッジ信号を印加して、伝送路の対向端に向けて伝搬させることができる。伝送路が、その伝送路の全長にわたって一様な特性インピーダンスを持つ場合、入射高速リーディングエッジ信号は、伝送路の全長に沿って伝搬することができ、入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーはどれも、反射して伝送路の入力端に戻るということはありえない。伝送路の対向端は終端できず、これにより、伝送路の対向端に開回路不整合状態が生じ、したがって、到来する入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーの実質的にすべてが反射されて伝送路の入力端に戻りうる。しかし、原子炉の出力運転中に、原子炉出力レベルに比例して変動するガンマ線束レベルの影響を受ける原子炉心内の伝送路は、元の一様な特性インピーダンスを持ちえない。変動するガンマ線束レベルは、伝送路に沿って比例するインピーダンス不整合状態を引き起こし、その結果、変動するガンマ線束レベルに比例して特性インピーダンスが減少しうる。変動し減少する特性インピーダンス変化が伝送路に沿って生じることは、変動するガンマ線束レベルの対応する位置における入射高速リーディングエッジ信号の変動する比例部分を反映するものとしてよい。
【0094】
例示的な実施形態では、原子炉心内で変動するガンマ線束レベルの影響を受ける同軸ケーブル400は、それに比例して変動するインピーダンス不整合状態を生じうる。変動するインピーダンス不整合状態が生じる結果、同軸ケーブル400の固有特性インピーダンスが比例して変動しうるが、この特性は同軸ケーブル400の元の特性インピーダンスに比べて小さくなる傾向を有することがある。その結果、反射されて同軸ケーブル400の入力端に戻るエネルギー信号を発生した入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーの変動する部分は、ガンマ線束レベルに比例し、および/または入射信号の振幅に関して負の極性を持ちうる。
【0095】
例示的な実施形態において、同軸ケーブル400の固有特性インピーダンスを確定するために、(1)同軸ケーブル400の入力端に印加された入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅(V)、(2)全反射信号の電圧振幅(VTR、つまり、入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅と反射信号の電圧振幅との代数和である、全反射信号の電圧振幅)、および(3)同軸ケーブル400の入力端に入射高速リーディングエッジ信号が印加されたときから、全反射信号が同軸ケーブル400の入力端に戻ったときまでの時間差に関する測定を行った。
【0096】
=入射信号の電圧振幅 (4)
TR=全反射信号の電圧振幅 (5)
入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅Vを、全反射信号の電圧振幅VTRから引いて、反射信号の電圧振幅Vを確定することができる。
【0097】
=(全反射信号の電圧振幅)−(入射信号の電圧振幅) (6)
=VTR−V (7)
=反射信号の電圧振幅 (8)
それに加えて、伝送路上の不整合状態のある位置における固有特性インピーダンスZ(Ω)は、以下の式10に従って、伝送路の元の特性インピーダンスZ(Ω)、入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅V、および反射信号の電圧振幅Vの関数として計算することができる。
【0098】
=元の特性インピーダンス(Ω) (9)
=(Z)*[(V+V)/(V−V)] (10)
=固有特性インピーダンス(Ω) (11)
同軸ケーブル400の入力端に入射高速リーディングエッジ信号が印加された時点tから、全反射信号が同軸ケーブル400の入力端に戻った時点tまでの時間差(ナノ秒、ns)によって、同軸ケーブル400の長さ上のインピーダンス不整合状態の位置からの信号伝搬に対する時間間隔を求めることができる。
【0099】
それに加えて、同軸ケーブル400の入力端に関する同軸ケーブル400の長さ上のインピーダンス不整合状態の位置は、時間差(ナノ秒)に同軸ケーブル400の伝搬速度(メートル/秒)を掛けて、2で割って求めることができる。2で割る必要があるのは、同軸ケーブル400の長さに沿って位置するインピーダンス不整合状態によって反射されて戻される入射高速リーディングエッジ信号のエネルギーの部分が、同軸ケーブル400の入力端からインピーダンス不整合状態の位置へ伝わり、次いで同軸ケーブル400の入力端に再び戻る往復動作をするからである。
【0100】
同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、同軸ケーブル400の対向端に向かって単位長さの距離だけ伝搬するのに有限の時間を要する。しかし、ガンマ線束レベルに曝露されることによって同軸ケーブル400の2つの導電体の間にキャパシタンスがさらに生じることによって、同軸ケーブル400の単位長当たりの分布キャパシタンスが増大しうる。単位長当たりの同軸ケーブル400の分布キャパシタンスが増大すると、元の特性インピーダンスZが減少するだけでなく、入射高速リーディングエッジ信号とインピーダンス不整合状態によって生じる反射信号の両方の単位長当たりの伝搬速度v(式2)も減少しうる。単位長当たりの伝搬速度vが減少すると、同軸ケーブル400は同軸ケーブル400の実際の物理的長さに比較して電子的に長くなったように見える可能性がある。したがって、インピーダンス不整合状態の電子的配置は、インピーダンス不整合状態の実際の物理的位置を確定するために同軸ケーブル400に沿って存在するすべての発生しているすべてのインピーダンス不整合状態に対し両方向に漸次累積される信号伝搬遅延の総量について補正されなければならない。
【0101】
例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、同軸ケーブル400の長さに沿ってインピーダンス不整合位置の十分な分解能が得られるように約1ナノ秒の立ち上がり時間を有しているとよい。入射高速リーディングエッジ信号は、例えば、ステップ波形信号を含むことができる。このようなステップ波形信号は、例えば、一定期間にわたって実質的に一定の電圧振幅を維持することができる。ステップ波形信号は、例えば、方形波としてよい。図6は、例示的な実施形態によるステップ波形信号600を示すグラフである。例えば図6に示されているように、ステップ波形信号600は、ピークツーピーク電圧振幅cおよび/または立ち上がり時間b−aを有することができる(つまり、時刻bと時刻aとの間の、または時刻bから時刻aを引いた時間差)。ピークツーピーク電圧振幅cは、例えば、電圧を単位として指定することができる。立ち上がり時間b−aは、例えば、ナノ秒を単位として指定することができる。図6は、ステップ波形信号600の理想化された近似を示しているものとすることができる。
【0102】
同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号のピークツーピーク電圧振幅cは、約0.25ボルト以上、約0.5ボルト以上、約1ボルト以上、約2ボルト以上、約3ボルト以上、約4ボルト以上、約5ボルト以上、約7.5ボルト以上、および/または約10ボルト以上とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、約0.25ボルトのピークツーピーク電圧振幅cを有するものとすることができる。
【0103】
同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号の立ち上がり時間b−aは、約0.1ナノ秒以上、約0.2ナノ秒以上、約0.3ナノ秒以上、約0.4ナノ秒以上、約0.5ナノ秒以上、約0.75ナノ秒以上、および/または約1ナノ秒以上とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、約1ナノ秒の立ち上がり時間b−aを有するものとすることができる。
【0104】
入射高速リーディングエッジ信号は、例えば、インパルス波形信号を含むことができる。図7は、例示的な実施形態によるインパルス波形信号700を示すグラフである。例えば図7に示されているように、インパルス波形信号700は、ピークツーピーク電圧振幅fおよび/またはパルス幅e−dを有することができる(つまり、時刻eと時刻dとの間の、または時刻eから時刻dを引いた時間差)。ピークツーピーク電圧振幅fは、例えば、電圧を単位として指定することができる。パルス幅e−dは、例えば、ナノ秒を単位として指定することができる。図7は、インパルス波形信号700の理想化された近似を示しているものとすることができる。
【0105】
同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号のピークツーピーク電圧振幅fは、約0.25ボルト以上、約0.5ボルト以上、約1ボルト以上、約2ボルト以上、約3ボルト以上、約4ボルト以上、約5ボルト以上、約7.5ボルト以上、および/または約10ボルト以上とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、約0.25ボルトのピークツーピーク電圧振幅fを有するものとすることができる。
【0106】
同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号のパルス幅e−dは、約0.1ナノ秒以上、約0.2ナノ秒以上、約0.3ナノ秒以上、約0.4ナノ秒以上、約0.5ナノ秒以上、約0.75ナノ秒以上、および/または約1ナノ秒以上とすることができる。例示的な実施形態では、同軸ケーブル400の入力端に印加される入射高速リーディングエッジ信号は、約1ナノ秒のパルス幅e−dを有するものとすることができる。
【0107】
ステップ波形信号600からのデータを使用して、相対的原子炉出力分布を計算することができる。それに加えて、インパルス波形信号700からのデータを使用して相対的原子炉出力分布を計算することも可能であると思われる。
【0108】
原子炉の一次格納容器の外部に、アナライザーを配置することが可能である。例えば、アナライザーを、一次格納容器の外部に、ただし原子炉建屋内に、少なくとも部分的に配置することができる。他の実施例では、アナライザーの少なくとも一部は、一次格納容器の内部に配置できる。
【0109】
例示的な実施形態において、アナライザーは、同軸ケーブル400の入力端に印加された1つまたは複数の入射高速リーディングエッジ信号のうちの少なくとも1つの信号および1つまたは複数の受け取った信号のうちの少なくとも1つの信号を使用して原子炉内の出力レベルを決定するように適合されうる。
【0110】
図8は、例示的な実施形態による分析システム800のブロック図である。分析システム800は、例えば、タイミング制御デバイス802、抽出および/または第1の計算デバイス804、第2の計算デバイス806、第3の計算デバイス808、第4の計算デバイス810、第5の計算デバイス812、第6の計算デバイス814、第7の計算デバイス816、選択および/または制御デバイス818、スイッチ820、信号発生器822(例えば、波形信号発生器)、信号増幅器824、インピーダンスマッチング回路網826、(複数の)伝送路828、および/またはコンピュータ830を備えることができる。
【0111】
図8に示されている他のコンポーネントとしては、例えば、一次格納容器貫通部832、2つまたはそれ以上の導電体834、炉心836、および第2の一次格納容器貫通部838が挙げられる。図8において、第1の一次格納容器貫通部832および第2の一次格納容器貫通部838は、一次格納容器壁842を貫通するものとして示されている。
【0112】
図8は、矢印A〜Eも示している。第1の矢印Aは、例えば、入射高速リーディングエッジ信号の方向を示すことができる。第2の矢印Bは、例えば、入射高速リーディングエッジ信号の方向を示すことができる。第3の矢印Cは、例えば、入射高速リーディングエッジ信号および反射信号の方向を示すことができる。第4の矢印Dは、例えば、入射高速リーディングエッジ信号および反射信号の方向を示すことができる。第5の矢印Eは、例えば、入射高速リーディングエッジ信号および反射信号の方向を示すことができる。
【0113】
アナライザー840は、例えば、タイミング制御デバイス802、抽出および/または第1の計算デバイス804、第2の計算デバイス806、第3の計算デバイス808、第4の計算デバイス810、第5の計算デバイス812、第6の計算デバイス814、第7の計算デバイス816、選択および/または制御デバイス818、および/またはコンピュータ830のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0114】
タイミング制御デバイス802は、抽出および/または第1の計算デバイス804、第2の計算デバイス806、第3の計算デバイス808、第4の計算デバイス810、第5の計算デバイス812、第6の計算デバイス814、第7の計算デバイス816、選択および/または制御デバイス818などの、分析システム800のさまざまなコンポーネントに信号SIG1を送ることができる。信号SIG1は、信号SIG2、信号SIG3、信号SIG4、信号SIG5、信号SIG6、信号SIG7、信号SIG8、および/または信号SIG9などの、1つまたは複数のサブ信号を含みうる。信号SIG1のサブ信号のうちの1つまたは複数は、信号SIG1と同じであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、信号SIG1のサブ信号のうちの1つまたは複数は、互いに同じであってもよい。例示的な実施形態では、信号SIG1は、「開始時刻および/または増分タイミング制御信号SIG1」と称してもよい。
【0115】
選択および/または制御デバイス818は、タイミング制御デバイス802から信号SIG2を受け取ることができる。信号SIG2を受け取ると、選択および/または制御デバイス818は、スイッチ820、信号発生器822、および/または信号増幅器824などの、分析システム800のさまざまなコンポーネントに信号SIG10を送ることができる。信号SIG10は、信号SIG11、信号SIG12、および/または信号SIG13などの、1つまたは複数のサブ信号を含みうる。信号SIG10のサブ信号のうちの1つまたは複数は、信号SIG10と同じであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、信号SIG10のサブ信号のうちの1つまたは複数は、互いに同じであってもよい。例示的な実施形態では、信号SIG10は、「検出器選択および/または開始信号SIG10」と称してもよい。
【0116】
スイッチ820は、第1の一次格納容器貫通部832を介して選択および/または制御デバイス818から信号SIG11を受け取ることができる。信号SIG11を受け取ると、信号820は炉心836内に少なくとも部分的に配置されている2つまたはそれ以上の導電体834を選択できる。
【0117】
信号発生器822は、第1の一次格納容器貫通部832を介して選択および/または制御デバイス818から信号SIG12を受け取ることができる。信号SIG12を受け取ると、信号発生器822は、1つまたは複数のステップ波形信号および/または1つまたは複数のインパルス波形信号などの、1つまたは複数の入射高速リーディングエッジ信号(図に示されていない)を発生することができる。
【0118】
信号増幅器824は、後述のように、選択および/または制御デバイス818から信号SIG13を受け取ることができる。
【0119】
信号発生器822は、インピーダンスマッチング回路網826、スイッチ820、および/または(複数の)伝送路828を介して1つまたは複数の入射高速リーディングエッジ信号を2つまたはそれ以上の導電体834に送ることができる(例えば、信号発生器822は、インピーダンスマッチング回路網826、スイッチ820、および/または(複数の)伝送路828を介して入射高速リーディングエッジ信号を2つの導電体834の入力に送ることができる)。1つまたは複数の反射信号は、(複数の)伝送路828および/またはスイッチ820を経由してインピーダンスマッチング回路網826に戻ることができる(例えば、入射高速リーディングエッジ信号に関係する2つまたはそれ以上の反射信号は、(複数の)伝送路828および/またはスイッチ820を経由してインピーダンスマッチング回路網826に戻ることができる)。1つまたは複数の入射高速リーディングエッジ信号および/または反射信号は、インピーダンスマッチング回路網826から第2の一次格納容器貫通部838を介して信号増幅器824に伝達されうる(例えば、入射高速リーディングエッジ信号および入射高速リーディングエッジ信号に関係する2つまたはそれ以上の反射信号は、インピーダンスマッチング回路網826から第2の一次格納容器貫通部838を介して信号増幅器824に伝達されうる)。信号増幅器824は、1つまたは複数の入射高速リーディングエッジ信号および/または反射信号の増幅および/または格納を行うことができる(例えば、信号増幅器824は、入射高速リーディングエッジ信号および2つまたはそれ以上の反射信号の増幅および格納を行うことができる)。
【0120】
選択および/または制御デバイス818からの信号SIG13との可能な連携において、信号増幅器824は、信号SIG14を、抽出および/または第1の計算デバイス804および/またはタイミング制御デバイス802などの、分析システム800のさまざまなコンポーネントに送ることができる。信号SIG14は、信号SIG15および/または信号SIG16などの、1つまたは複数のサブ信号を含みうる。信号SIG14のサブ信号のうちの一方または両方が、信号SIG14と同じであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、信号SIG14のサブ信号は、互いに同じであってもよい。例示的な実施形態では、信号SIG16は、「TDR信号SIG16」と称してもよい。
【0121】
タイミング制御デバイス802は、信号増幅器824から信号SIG15を受け取ることができる。例示的な実施形態では、信号SIG15は、分析システム800の一部の動作に関するフィードバックをタイミング制御デバイス802に供給する信号であるものとしてよい。
【0122】
抽出および/または第1の計算デバイス804は、信号増幅器824から信号SIG16を受け取ることができる。例示的な実施形態では、抽出および/または第1の計算デバイス804は、信号SIG16から入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅Vを抽出することができ、および/または信号SIG16に基づき反射信号の電圧振幅Vを計算することができる。例示的な実施形態では、抽出および/または計算は、上述のように実行されうる。
【0123】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG7との可能な連携において、抽出および/または第1の計算デバイス804は、信号SIG17(入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅Vを表す)および/または信号SIG18(反射信号の電圧振幅Vを表す)を第2の計算デバイス806に送ることができる。第2の計算デバイス806は、元の特性インピーダンスZ、入射高速リーディングエッジ信号Vの電圧振幅、および/または反射信号の電圧振幅Vに基づいて、炉心836内に少なくとも部分的に配置されている同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上導電体834の長さに上のさまざまな位置について固有特性インピーダンスZを計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第2の計算デバイス806は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、固有特性インピーダンスZを決定することができる。例示的な実施形態では、計算は、上述のように実行されうる。
【0124】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG8との可能な連携において、第2の計算デバイス806は、信号SIG19(固有特性インピーダンスZを表す)を、第3の計算デバイス808、第4の計算デバイス810、および/または第5の計算デバイス812などの、分析システム800のさまざまなコンポーネントに送ることができる。信号SIG19は、信号SIG20、信号SIG21、および/または信号SIG22などの、1つまたは複数のサブ信号を含みうる。信号SIG19のサブ信号のうちの1つまたは複数は、信号SIG19と同じであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、信号SIG19のサブ信号のうちの1つまたは複数は、互いに同じであってもよい。
【0125】
第3の計算デバイス808は、第2の計算デバイス806から信号SIG20(固有特性インピーダンスZを表す)を受け取ることができる。タイミング制御デバイス802からの信号SIG9との可能な連携において、第3の計算デバイス808は、信号SIG20を使用することで、炉心836内に少なくとも部分的に配置されている同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上の導電体834の長さに沿ったさまざまな位置について固有原子炉出力レベルを計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第3の計算デバイス808は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、固有原子炉出力レベル(例えば、局所ガンマ線レベル)を決定することができる。
【0126】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG9との可能な連携において、第3の計算デバイス808は、信号SIG23(炉心836内に少なくとも部分的に配置されている同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上の導電体834の長さに沿ったさまざまな位置に対する固有原子炉出力レベルを表す)をコンピュータ830に送ることができる。
【0127】
第4の計算デバイス810は、第2の計算デバイス806から信号SIG21(固有特性インピーダンスZを表す)を受け取ることができる。タイミング制御デバイス802からの信号SIG6との可能な連携において、第4の計算デバイス810は、信号SIG21を使用することで、同軸ケーブル400の単位長当たりの固有分布キャパシタンスCを計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第4の計算デバイス810は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、同軸ケーブル400の単位長当たりの固有分布キャパシタンスCを決定することができる。例示的な実施形態では、計算は、上述のように実行されうる。
【0128】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG6との可能な連携において、第4の計算デバイス810は、信号SIG24(単位長当たりの固有分布キャパシタンスCを表す)を、第5の計算デバイス812および/または第6の計算デバイス814などの、分析システム800のさまざまなコンポーネントに送ることができる。信号SIG24は、信号SIG25および/または信号SIG26などの、1つまたは複数のサブ信号を含みうる。信号SIG24のサブ信号のうちの一方または両方が、信号SIG24と同じであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、信号SIG24のサブ信号は、互いに同じであってもよい。
【0129】
第5の計算デバイス812は、第2の計算デバイス806から信号SIG22(固有特性インピーダンスZを表す)を受け取り、および/または第4の計算デバイス810から信号SIG25(単位長当たりの固有分布キャパシタンスCを表す)を受け取ることができる。タイミング制御デバイス802からの信号SIG5との可能な連携において、第5の計算デバイス812は、信号SIG22および/またはSIG25を使用することで、単位長当たりの固有伝搬速度係数vを計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第5の計算デバイス812は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、単位長当たりの固有伝搬速度係数vを決定することができる。例示的な実施形態では、計算は、上述のように実行されうる。
【0130】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG5との可能な連携において、第5の計算デバイス812は、信号SIG27(単位長当たりの固有伝搬速度係数vを表す)を第6の計算デバイス814に送ることができる。
【0131】
第6の計算デバイス814は、第4の計算デバイス810から信号SIG26(単位長当たりの固有分布キャパシタンスCを表す)を受け取り、および/または第5の計算デバイス812から信号SIG27(単位長当たりの固有伝搬速度係数vを表す)を受け取ることができる。
【0132】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG4との可能な連携において、第6の計算デバイス814は、信号SIG26および/またはSIG27を使用することで、固有増分時間補正Δtを計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第6の計算デバイス814は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、固有増分時間補正Δtを伴う時間を決定することができる。例示的な実施形態では、計算は、上述のように実行されうる。
【0133】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG4との可能な連携において、第6の計算デバイス814は、信号SIG28(固有増分時間補正Δtを伴う時間を表す)を第7の計算デバイス816に送ることができる。
【0134】
第7の計算デバイス816は、第6の計算デバイス814から信号SIG28(固有増分時間補正Δtを伴う時間を表す)を受け取ることができる。タイミング制御デバイス802からの信号SIG3との可能な連携において、第7の計算デバイス816は、信号SIG28を使用することで、炉心836内に少なくとも部分的に配置されている同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上の導電体834の長さに沿った固有位置を計算することができる。それに加えて、またはその代わりに、第7の計算デバイス816は、例えば、ルックアップテーブルを使用して、炉心836内に少なくとも部分的に配置されている同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上の導電体834の長さに沿った固有位置を決定することができる。例示的な実施形態では、計算は、上述のように実行されうる。
【0135】
タイミング制御デバイス802からの信号SIG3との可能な連携において、第7の計算デバイス816は、信号SIG29(固有炉心位置を表す)をコンピュータ830に送ることができる。
【0136】
選択および/または制御デバイス818は、信号SIG30(同軸ケーブル400の2つまたはそれ以上の導電体834を表す)をコンピュータ830に送ることができる。
【0137】
一部分において、コンピュータ830は、原子炉を運転し、原子炉内の出力レベルを決定するために、分析システム800のさまざまなコンポーネントを協調させ、および/または本出願で説明されている計算を実行することができる。コンピュータ830はデータを処理して、例えば、分配出力結果を得ることができる。コンピュータ830は、データを記録し、データを後処理し、および/またはデータを表示することもできる。
【0138】
第1の一次格納容器貫通部832および第2の一次格納容器貫通部838を組み合わせて1つの貫通部にすることができる。
【0139】
一部は、一次格納容器内の実質的にすべてのコンポーネントおよび材料は、温度、中性子束、および/またはガンマ線束の結果生じる経年変化により少なくともある程度の劣化を生じうるため、スイッチ820、信号発生器822、およびインピーダンスマッチング回路網826のうちの1つまたは複数は、一次格納容器の外部に配置するとよい。このような状況では、感度および/または分解能のある程度の喪失が結果として生じうる(つまり、分解能は約1〜3インチのオーダーとなりうる)。
【0140】
スイッチ820は、例えば、PHOSITAに知られているように、電子式スイッチおよび/または機械式スイッチとすることができる。それに加えて、またはその代わりに、スイッチ820は、例えば、PHOSITAに知られているように、同軸スイッチとすることができる。
【0141】
信号発生器822、信号増幅器824、およびインピーダンスマッチング回路網826のうちの1つまたは複数をTDR(図に示されていない)内に含めることが可能である。
【0142】
例示的な実施形態では、入射高速リーディングエッジ信号を同軸ケーブル400の入力端に印加して、(1)入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅V、および(2)インピーダンス不整合状態からの全反射信号の電圧振幅VTRを得ることができる。
【0143】
まず最初に上記の信号の電圧振幅を式7に直接適用して、入射高速リーディングエッジ信号の電圧振幅Vに関する反射信号の電圧振幅Vを求めた。次いで、その結果得られた電圧振幅を式10に直接適用して、固有特性インピーダンスZを元の特性インピーダンスZの関数として求めた。
【0144】
代替えアプローチとして、非常に短い持続時間(0.2nsから2nsまでの持続時間)のインパルス波形信号を同軸ケーブル400の入力端に印加し、入射高速リーディングエッジ信号とインピーダンス不整合状態からの反射信号との電圧測定を行う方法がある。複合反射信号電圧振幅および形状は、インピーダンス不整合状態の変化率に関係する一次導関数である入射信号電圧の時間導関数(d/dt)に依存しうる。原子炉出力プロファイルを決定するこのような代替えアプローチは、可能であるが、必要な信号処理および計算の量が増大する可能性がある。原子炉出力プロファイルを求める作業は、入射高速リーディングエッジ信号を使用するとより簡単になり、および/または複雑さも低減されうる。
【0145】
例示的な実施形態では、原子炉内で測定された出力レベルは、定常状態出力レベルおよび/または非定常状態出力レベルを含むことができる。定常状態出力レベルおよび/または非定常状態出力レベルは、1つまたは複数の推定出力レベルを含みうる。非定常状態出力レベルは、例えば、過渡的出力レベルであってもよい。
【0146】
例示的な実施形態では、複数の配向方位のどれかにおける原子炉心の1つまたは複数の一部または全部の寸法に対し出力レベルを決定することができる。例示的な実施形態では、原子炉心の1つまたは複数の一部または全部の幅に対し出力レベルを決定することができる。例示的な実施形態では、原子炉心の1つまたは複数のセクションに対し出力レベルを決定することができる。
【0147】
例示的な実施形態では、原子炉心内の出力レベルの1つまたは複数の一次元プロファイルを作成することができる。1つまたは複数の一次元プロファイルとしては、例えば、出力レベルの1つまたは複数の垂直方向プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の水平方向プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の半径方向プロファイル、および/または出力レベルの1つまたは複数の対角方向プロファイルが挙げられる。
【0148】
例示的な実施形態では、原子炉心内の出力レベルの1つまたは複数の二次元プロファイルを作成することができる。1つまたは複数の二次元プロファイルとしては、例えば、出力レベルの1つまたは複数の垂直方向対水平方向プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の垂直方向対半径方向プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の垂直方向断面プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の水平方向断面プロファイル、出力レベルの1つまたは複数の半径方向断面プロファイル、および/または出力レベルの1つまたは複数の対角方向断面プロファイルが挙げられる。
【0149】
例示的な実施形態では、原子炉心内の出力レベルの1つまたは複数の二次元または三次元プロファイルを作成することができる。1つまたは複数の二次元または三次元プロファイルとしては、例えば、出力レベルの垂直方向プロファイル、出力レベルの水平方向プロファイル、出力レベルの半径方向プロファイル、および/または出力レベルの対角方向プロファイルが挙げられる。例えば、二次元プロファイルは、LPRM検出器および/またはLPRM集合体500の1つの行または対角線に沿って場合によっては切り取った、半径方向断面の形態の原子炉内の出力レベルの半径方向プロファイルを含みうる。他の実施例では、二次元プロファイルは、LPRM検出器および/またはLPRM集合体500の1つの行または対角線に沿って場合によっては切り取った、垂直方向断面の形態の原子炉内の出力レベルの垂直方向プロファイルおよび水平方向プロファイルを含みうる。
【0150】
例示的な実施形態では、多数のLPRM検出器(例えば、256)および装置の分解能(例えば、約1〜2インチのオーダー)によって、原子炉内の出力レベルを多くの異なる方法で決定することができる。
【0151】
図9Aは、約92%(測定された原子炉出力レベルは92.4%と報告された)の出力で運転している原子炉における時間(単位はナノ秒)に対する反射信号の電圧振幅V(単位はミリボルト)を示すグラフである。図9Aには、1日目に、時間値に対する電圧振幅を特定の炉心位置で測定した結果が示されている。入射高速リーディングエッジ信号は、ステップ波形信号であり、ピークツーピーク電圧振幅は0.25ボルトに等しいか、または約0.25ボルトであり、立ち上がり時間は1ナノ秒に等しいか、または約1ナノ秒であった。参照文字902は、例えば、ケーブルが原子炉容器の底部に入る接続部を示すものとしてよい。参照文字904は、例えば、導電体の材料を銅からステンレス鋼に変えた接合部をおおよそ示すものとしてよい(図9Aからわかるように、導電体の接合部は、(複数の)反射信号に対し比較的長い時間にわたって影響を及ぼしうるため、ケーブルが原子炉心に入る地点および/またはケーブルがWRNM検出器に接続する地点を計算しなければならない場合がある)。接合部は、例えば、原子炉心の底部より約2フィート下に配置することができる。接合部は、本質的に容量性を有し、一時的にインピーダンスを乱す可能性があり、および/または接合部の物理的配置を超えておよび/または上へ短い距離にわたって電気的影響が伝わりうる大振幅インピーダンス不整合反射信号を発生する可能性がある。接合部によって引き起こされるこのような一時的なインピーダンスの乱れは、原子炉心の底部から約0.2mの高さのところで接合部インピーダンス不整合反射信号が無視できるくらい小さな値にまで徐々に減少する前に原子炉心内に発生する実際のインピーダンス不整合反射信号に干渉する可能性がある。参照文字906は、例えば、ケーブルが原子炉心内に入るおおよその場所を示すものとしてよい。参照文字908は、例えば、ケーブルがWRNM検出器に接続するおおよその場所を示すものとしてよい。
【0152】
図9Bは、約92%(測定された原子炉出力レベルは92.4%と報告された)の出力で運転している原子炉における時間(単位はナノ秒)に対する反射信号の電圧振幅V(単位はミリボルト)を示すグラフである。図9Bには、さらに1日目に、時間値に対する電圧振幅を特定の炉心位置で測定した結果が示されている。高速立ち上がり時間信号は、インパルス波形信号であり、ピークツーピーク電圧振幅は0.25ボルトに等しいか、または約0.25ボルトであり、立ち上がり時間は1ナノ秒に等しいか、または約1ナノ秒であった。参照文字912は、例えば、ケーブルが原子炉容器の底部に入る接続部を示すものとしてよい。参照文字914は、例えば、導電体の材料を銅からステンレス鋼に変えた接合部を示すものとしてよい(図9Bからわかるように、導電体の接合部は、反射信号に対し比較的長い時間にわたって影響を及ぼしうるため、ケーブルが原子炉心に入る地点および/またはケーブルがWRNM検出器に接続する地点を計算しなければならない場合がある)。接合部は、例えば、原子炉心の底部より約2フィート下に配置することができる。接合部は、本質的に容量性を有し、一時的にインピーダンスを乱す可能性があり、および/または接合部の物理的配置を超えておよび/または上へ短い距離にわたって電気的影響が伝わりうる大振幅インピーダンス不整合反射信号を発生する可能性がある。接合部によって引き起こされるこのような一時的なインピーダンスの乱れは、原子炉心の底部から約0.2mの高さのところで接合部インピーダンス不整合反射信号が無視できるくらい小さな値にまで徐々に減少する前に原子炉心内に発生する実際のインピーダンス不整合反射信号に干渉する可能性がある。参照文字916は、例えば、ケーブルが原子炉心内に入る場所を示すものとしてよい。参照文字918は、例えば、ケーブルがWRNM検出器に接続する場所を示すものとしてよい。
【0153】
図9Cは、100℃未満の停止状態にある原子炉における時間(単位はナノ秒)に対する反射信号の電圧振幅V(単位はミリボルト)を示すグラフである。図9Cには、2日目に、時間値に対する電圧振幅を特定の炉心位置で測定した結果が示されている。高速立ち上がり時間信号は、ステップ波形信号であり、ピークツーピーク電圧振幅は0.25ボルトに等しいか、または約0.25ボルトであり、立ち上がり時間は1ナノ秒に等しいか、または約1ナノ秒であった。参照文字922は、例えば、ケーブルが原子炉容器の底部に入る接続部を示すものとしてよい。参照文字924は、例えば、導電体の材料を銅からステンレス鋼に変えた接合部を示すものとしてよい(図9Cからわかるように、導電体の接合部は、反射信号に対し比較的長い時間にわたって影響を及ぼしうるため、ケーブルが原子炉心に入る地点および/またはケーブルがWRNM検出器に接続する地点を計算しなければならない場合がある)。接合部は、例えば、原子炉心の底部より約2フィート下に配置することができる。接合部は、本質的に容量性を有し、一時的にインピーダンスを乱す可能性があり、および/または接合部の物理的配置を超えておよび/または上へ短い距離にわたって電気的影響が伝わりうる大振幅インピーダンス不整合反射信号を発生する可能性がある。接合部によって引き起こされるこのような一時的なインピーダンスの乱れは、原子炉心の底部から約0.2mの高さのところで接合部インピーダンス不整合反射信号が無視できるくらい小さな値にまで徐々に減少する前に原子炉心内に発生する実際のインピーダンス不整合反射信号に干渉する可能性がある。参照文字926は、例えば、ケーブルが原子炉心内に入る場所を示すものとしてよい。参照文字928は、例えば、ケーブルがWRNM検出器に接続する場所を示すものとしてよい。
【0154】
図9Dは、100℃未満の停止状態にある原子炉における時間(単位はナノ秒)に対する反射信号の電圧振幅V(単位はミリボルト)を示すグラフである。図9Dには、さらに2日目に、時間値に対する電圧振幅を特定の炉心位置で測定した結果が示されている。高速立ち上がり時間信号は、インパルス波形信号であり、ピークツーピーク電圧振幅は0.25ボルトに等しいか、または約0.25ボルトであり、立ち上がり時間は1ナノ秒に等しいか、または約1ナノ秒であった。参照文字932は、例えば、ケーブルが原子炉容器の底部に入る接続部を示すものとしてよい。参照文字934は、例えば、導電体の材料を銅からステンレス鋼に変えた接合部を示すものとしてよい(図9Dからわかるように、導電体の接合部は、反射信号に対し比較的長い時間にわたって影響を及ぼしうるため、ケーブルが原子炉心に入る地点および/またはケーブルがWRNM検出器に接続する地点を計算しなければならない場合がある)。接合部は、例えば、原子炉心の底部より約2フィート下に配置することができる。接合部は、本質的に容量性を有し、一時的にインピーダンスを乱す可能性があり、および/または接合部の物理的配置を超えておよび/または上へ短い距離にわたって電気的影響が伝わりうる大振幅インピーダンス不整合反射信号を発生する可能性がある。接合部によって引き起こされるこのような一時的なインピーダンスの乱れは、原子炉心の底部から約0.2mの高さのところで接合部インピーダンス不整合反射信号が無視できるくらい小さな値にまで徐々に減少する前に原子炉心内に発生する実際のインピーダンス不整合反射信号に干渉する可能性がある。参照文字936は、例えば、ケーブルが原子炉心内に入る場所を示すものとしてよい。参照文字938は、例えば、ケーブルがWRNM検出器に接続する場所を示すものとしてよい。
【0155】
図9A〜9Dの水平軸は、オシロスコープ上のTDR特徴の分解能を高めるための時間オフセットおよび/または電圧オフセットを示す。熱膨張を許容するように、螺旋コイル(随伴するインダクタンスを持つ)を、例えば、ケーブルとWRNM検出器との間に配置することができる。WRNM検出器は、複合パルス/電離箱であり、したがって、これは、容量性インピーダンス不整合状態として作用しうる。観察されうることだが、TDR特徴に対するWRNM検出器の容量効果は、停止したときに比べて、約92%の原子炉出力において有意である。
【0156】
図9Aおよび9Bのデータは、約92%の原子炉出力において取られ、図9Cおよび9Dのデータは、100℃未満の停止状態において取られたけれども、この技術(例えば、インピーダンス不整合技術)は、原子炉出力レベルでスケーラブルである正確な結果を出すと確信されている。また、図9A〜9Dのデータは、WRNMケーブルについて取られたけれども、この技術は、LPRMケーブルおよび他のケーブルについても同様に適用可能であるべきである。
【0157】
図10は、約92%の出力で運転している原子炉に対する相対的出力計算の結果を一覧にした表であり、相対的原子炉出力のノード値(単位は任意)は1日目の特定の炉心位置の付近において計算された(例えば、計算が行われた原子炉では、TIP位置およびWRNMケーブル位置は同一でなかった)。ノードは、原子炉心の底部から上へ数えてゆく。それぞれのノードは、約14.72センチメートルの高さを有する。WRNM検出器は、21番目のノードに対応するレベルあたりに配置され、その中心線は原子炉心の底部から約3.0175メートル上にある。約92%の原子炉出力で原子炉心の底部から約1.0304m上の位置に対応する、正規化係数である566を適用し、これにより炉心監視パッケージに付随するプロセスコンピュータを使用して相対的原子炉出力の計算されたノード値(単位は任意)を求めた。例示的な実施形態によるインピーダンス測定(例えば、インピーダンス不整合測定)により、例えばそのような相対的原子炉垂直方向出力分布と比較できるデータを生成することができる。
【0158】
図11は、図10のデータを表示するグラフである。
【0159】
図12は、例示的な実施形態に基づく同じ原子炉の相対的垂直方向出力計算の結果を一覧にした表である。式10を実行する際に、ZおよびVは、知られている値であってもよい。VTRは、図9Aおよび9Cから求めることができる(既存の永久的インピーダンス不整合状態などの、ガンマ線束によらない効果を取り除くために、原子炉心の底部から所定の位置における図9C−停止状態にある原子炉−の電圧値を逐一原子炉心の底部からの対応する位置における図9A−約92%の出力で運転中の原子炉−の電圧値から差し引くとよい)。次いで、式7を使用してVを計算することができる(代数的減算でVTRからVを引く)。Zは、式10に従って、Z、V、およびVの値を使用して計算できる。
【0160】
図12の列2は、この方法で計算されたZの値を示している。図12の列3は、原子炉心の底部から開始する位置でZに関して計算されたΔZの値を示している。図12の列4は、原子炉心の底部から約1.0mのところの位置で566に正規化された相対的原子炉出力の調整された値(単位は任意)を示している。図12の列4内の相対的原子炉出力の他の調整された値(単位は任意)については、以下の式12に従って、所定の位置におけるΔZと1.0mの位置におけるΔZとの比に566を掛けて計算した。
【0161】
調整された値=566×[(ΔZ/(ΔZ1.0m] (12)
図13は、垂直方向出力プロファイルを比較し、ピークおよび/または勾配変化の比較のために原子炉心の底部から約1mのところで正規化された、一緒にプロットされた図10および12のデータを表示するグラフである。観察されうることだが、図12の相対的原子炉出力分布は、図11の相対的原子炉垂直方向出力分布の軌跡を正確にたどり、一致する。
【0162】
図12および13の相対的原子炉出力の調整された値(単位は任意)を決定するために、他の種類の補間を使用することができる。例えば、積分を使用して、図13の調整された値の曲線の下の総面積(例えば、総相対的原子炉出力)を求めることができ、総相対的原子炉出力を所望の値に合わせて正規化することができ、および/またはこの正規化に基づいて相対的原子炉出力の調整された値(単位は任意)を決定することができる。このような積分法に基づいて決定された相対的原子炉出力の調整された値(単位は任意)の精度は、積分が基づくデータサンプルの数および/または分布(例えば、データが利用可能である原子炉心の底部からの位置の数および/または分布)に依存しうる。
【0163】
原子炉心の底部付近に接合部がなく、原子炉心の頂部より上の位置へ連続的に伸びる十分な長さを持つ専用ケーブルまたは伝送路によって、他の信号からの干渉を受けることなく原子炉心の高さ全体にわたってインピーダンス不整合反射信号を発生させることが可能である。
【0164】
原子炉心出力データはTIPで測定することができ、その際に、データを原子炉心物理モデル(例えば、多数の因子に基づいて原子炉心の運転をモデル化する1つまたは複数のソフトウェアプログラム)によって計算される原子炉垂直方向出力分布と比較し、測定された出力分布をこのモデルからの垂直方向出力分布と一致するように調整する。直接的な測定は、同軸ケーブルの位置(例えば、正確な半径方向位置)では利用できない場合があるため、炉心物理モデルを使用して、この位置について予測される局所ガンマ線TIPおよび中性子TIPの測定値を計算するとよい。同軸ケーブルの付近の垂直出力分布は、上述のように計算できる。炉心物理モデルからの、また同軸ケーブルからの垂直方向出力分布は、ある高さ、例えば、有効燃料の底部から上に1.0メートルの高さのところで、同じ任意の値に正規化されうる。
【0165】
例示的な実施形態では、原子炉内の出力レベルを決定する方法は、原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定すること、および測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することを含むことができる。出力レベルは、例えば、定常状態出力レベルとすることができる。例えば、出力レベルは、1つまたは複数の局所出力レベルおよび/または出力分布を含みうる。
【0166】
例示的な実施形態では、インピーダンス値は、特性インピーダンス、入力インピーダンス、およびケーブルまたは伝送路の2つまたはそれ以上導電体の入力端とケーブルまたは伝送路の2つまたはそれ以上の導電体の対向端との間のインピーダンスの変化のうちの1つまたは複数を含みうる。
【0167】
例示的な実施形態では、インピーダンス値を測定することは、1つまたは複数の入射信号をケーブルまたは伝送路の2つまたはそれ以上の導電体に印加すること、ケーブルまたは伝送路の2つまたはそれ以上の導電体から1つまたは複数の反射信号を受け取ること、ならびにインピーダンス値を測定するために1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号および1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を分析することのうちの1つまたは複数を含むことができる。1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号は、例えば、ステップ波形信号を含むことができる。1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号は、例えば、インパルス波形信号を含むことができる。
【0168】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号および1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を分析することは、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号を印加する時間を測定すること、1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を受け取る時間を測定すること、および1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号を印加した時刻から1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を受け取った時刻までの差を測定することのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0169】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号および1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を分析することは、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅を測定すること、1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅を測定すること、および1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅と1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅との差を測定することのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0170】
例示的な実施形態では、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号および1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号を分析することは、1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅の変化率を測定すること、1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅の変化率を測定すること、および1つまたは複数の印加された入射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅の変化率と1つまたは複数の受け取った反射信号のうちの少なくとも1つの信号の電圧振幅の変化率との差を測定することのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0171】
例示的な実施形態では、測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することは、出力レベルの一次元プロファイルを作成することを含むことができる。一次元プロファイルは、例えば、出力レベルの垂直方向プロファイル、出力レベルの水平方向プロファイル、または出力レベルの半径方向プロファイルを含むことができる。
【0172】
例示的な実施形態では、測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することは、出力レベルの二次元プロファイルを作成することを含むことができる。二次元プロファイルは、例えば、出力レベルの垂直方向プロファイル、出力レベルの水平方向プロファイル、および/または出力レベルの半径方向プロファイルを含むことができる。
【0173】
例示的な実施形態では、測定されたインピーダンス値を使用して出力レベルを決定することは、出力レベルの三次元プロファイルを作成することを含むことができる。三次元プロファイルは、例えば、出力レベルの垂直方向プロファイル、出力レベルの水平方向プロファイル、および/または出力レベルの半径方向プロファイルを含むことができる。
【0174】
上述の装置は、原子炉の運転に使用できる。例えば、これらの装置は、原子炉の他の計装類を較正すること、始動からの経過時間および/または停止までの時間を計算すること、燃料使用量を計算すること、燃料移動および/または燃料装荷の計画を立てることに使用されうる。
【0175】
それに加えて、またはその代わりに、これらの装置は、入口温度、供給流体温度、ホウ素濃度、制御棒高さ、制御棒パターン、運転停止能力、流量調節弁、バイパス流量、外部再循環流量、および再循環ポンプの速度のうちの1つまたは複数を制御するために使用されうる。
【0176】
それに加えて、またはその代わりに、これらの装置は、原子炉出力分布を整形するために使用できる。
【0177】
それに加えて、またはその代わりに、これらの装置は、入力をより一般的に原子炉保護システムおよび/または棒制御システムに供給するために使用されうる。
【0178】
例示的な実施形態では、原子炉内の出力レベルを決定するためのシステムは、上述の装置のうちの1つまたは複数の装置を備えることができる。このようなシステムでは、例えば、ケーブルまたは伝送路の2つまたはそれ以上の導電体のうちの少なくとも1つは、原子炉の炉心内に配置できる。これらのシステムは、原子炉の他の計装類を較正するために使用できる。
【0179】
例示的な実施形態では、原子炉は、上述の装置のうちの1つまたは複数の装置を備えることができる。例示的な実施形態では、原子炉は、上述のシステムのうちの1つまたは複数のシステムを備えることができる。
【0180】
例示的な実施形態では、決定された出力レベルを原子炉の運転に使用することができる。例えば、決定された出力レベルは、LPRM検出器などの原子炉の他の計装類を較正するために使用できる。
【0181】
上述のように、LPRM検出器は、原子炉心の高放射線環境への曝露に付随するバーンアウト現象が存在するため定期的に較正を行う必要がある。LPRM検出器を較正することに加えて、本出願の装置および方法は、決定された出力レベルを使用して原子炉の他の計装類を直接的にまたは間接的に較正するために使用できる。
【0182】
例示的な実施形態では、原子炉を運転する方法は、原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定すること、および測定されたインピーダンス値を使用して原子炉のパラメータを決定することを含むことができる。これらのパラメータとしては、例えば、電離粒子の局所的なフルエンス、局所的な燃料バンドル出力、全体的な燃料バンドル出力、燃料棒のピーク線出力密度(PLHGR)、燃料バンドルのPLHGR、燃料バンドルの限界出力比(CPR)、および燃料バンドルの核沸騰限界(DNB)のマージンのうちの1つまたは複数が挙げられる。それに加えて、またはその代わりに、これらのパラメータには、例えば、1つまたは複数の原子炉保護システムトリップセット値、1つまたは複数の原子炉保護システム警報セット値、および1つまたは複数の原子炉保護システム警告セット値のうちの1つまたは複数の値を含むことができる。それに加えて、またはその代わりに、これらのパラメータは、例えば、運転エンベロープ、制御棒プログラミング、反応度制御プログラミング、および炉心流量プログラミングのうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。
【0183】
例示的な実施形態が特に示され、説明されたが、以下の請求項において定められているように本発明の精神および範囲から逸脱することなく例示的な実施形態において形態および詳細にさまざまな変更を加えることができることは、PHOSITAにとっては理解しやすいであろう。
【符号の説明】
【0184】
100 ポンプ
102 原子炉容器
104 格納容器
106 炉心
108 タービン
110 発電機
112 復水器
114 燃料バンドル
116 外部チャネル
118 燃料棒
120 上部タイプレート
122 下部タイプレート
124 スペーサー
126 ウォーターロッド
128 制御ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つまたはそれ以上の導電体と、
1つまたは複数の信号デバイスと、
アナライザーとを備え、
前記2つまたはそれ以上の導電体は、原子炉内に配置され、
前記1つまたは複数の信号デバイスは、1つまたは複数の信号を前記2つまたはそれ以上の導電体に印加するように適合され、
前記1つまたは複数の信号デバイスは、前記2つまたはそれ以上の導電体から1つまたは複数の信号を受け取るように適合され、
前記アナライザーは、前記1つまたは複数の印加された信号のうちの少なくとも1つの信号および前記1つまたは複数の受け取った信号のうちの少なくとも1つの信号を使用して前記原子炉内の出力レベルを決定するように適合される
装置。
【請求項2】
前記2つまたはそれ以上の導電体は、同軸ケーブルの一部である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数の信号デバイスのうちの少なくとも1つのデバイスは、時間領域反射計(「TDR」)を備える請求項1記載の装置。
【請求項4】
原子炉内の出力レベルを決定するためのシステムであって、
請求項1記載の前記装置を備え、
前記2つまたはそれ以上の導電体は、原子炉心内に部分的に、または完全に配置されるシステム。
【請求項5】
請求項1記載の装置を備える原子炉。
【請求項6】
請求項4記載のシステムを備える原子炉。
【請求項7】
原子炉内の出力レベルを決定する方法であって、
前記原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定することと、
前記測定されたインピーダンス値を使用して前記出力レベルを決定することとを含む方法。
【請求項8】
前記測定されたインピーダンス値を使用して前記出力レベルを決定することは、
前記出力レベルの一次元プロファイルを作成することを含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記測定されたインピーダンス値を使用して前記出力レベルを決定することは、
前記出力レベルの三次元プロファイルを作成することを含む請求項7記載の方法。
【請求項10】
原子炉を運転する方法であって、
前記原子炉内に配置されている2つまたはそれ以上の導電体のインピーダンス値を測定することと、
前記測定されたインピーダンス値を使用して前記原子炉のパラメータを決定することとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−243475(P2010−243475A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−17527(P2010−17527)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
【Fターム(参考)】