原稿搬送装置
【課題】装置の小型化を実現しつつ、正逆両方向に回転する搬送ローラの読み取り動作への悪影響を防止することのできる原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】 モータ90側の側面からその反対側の側面に達するヒンジ軸81を有し、モータ90の回転を、ヒンジ軸81を介して反対側の側面に存在する正逆転機構に伝達する。正逆転機構に含まれる一のギアである正逆転ローラギア347は、このギアと嵌合する正逆転ローラ軸346を介して、正逆両方向に回転可能な搬送ローラである正逆転ローラ34に回転を伝達する。ヒンジ軸81は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸である構成である。
【解決手段】 モータ90側の側面からその反対側の側面に達するヒンジ軸81を有し、モータ90の回転を、ヒンジ軸81を介して反対側の側面に存在する正逆転機構に伝達する。正逆転機構に含まれる一のギアである正逆転ローラギア347は、このギアと嵌合する正逆転ローラ軸346を介して、正逆両方向に回転可能な搬送ローラである正逆転ローラ34に回転を伝達する。ヒンジ軸81は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸である構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状原稿の表裏両面を読み取り可能にするための原稿搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記の原稿搬送装置として、ラインセンサー等を有する原稿読取部に向けてシート状原稿を自動搬送する原稿搬送装置(いわゆるADF)が挙げられる。このような原稿搬送装置は、複写機や、複写機の機能に加えてスキャナー機能やファクシミリ機能を備えたデジタル複合機に設けられている。
【0003】
かかる複写機やデジタル複合機には、シート状原稿の表裏両面を読み取る機能を備えたものがある。原稿読取部を1つだけ設ける構成の場合は、シート状原稿を搬送するための搬送経路や搬送機構に工夫が必要である。
【0004】
例えば、給紙部から送り出された原稿をその表面が読み取られるように読取位置に搬送するための搬送経路と、読取位置から原稿の裏面を読み取らせるために、表裏反転させた原稿を読取位置に搬送するためのループ状の搬送経路と、裏面が読み取られた原稿を排紙部へ搬送するための搬送経路とを備えた原稿搬送装置がある。
【0005】
ところで、上記の構成においては、複数の搬送用のローラ、ローラを回転駆動するためのモータ、モータの回転をローラに伝達するための複数のギアが必要となる。これらのモータ及びギアを全て装置の一方の側面に設けた場合、設置に必要なスペースが増大し、装置が大型化するという問題があった。このため、モータの設置側のみならず、装置内のモータとは反対側にもギアを配置することで、一方の側面に配置するギアの数を減らして省スペース化を実現することが考えられる。
【0006】
下記特許文献1には、駆動ユニット(モータに相当)の反対側にギアを設けることで、搬送ユニットの幅寸法を縮小した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−169066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
シート状原稿の表裏両面を読み取りが可能な原稿搬送装置においては、搬送経路上の所定領域内において、読み取り対象となる原稿を順方向及び逆方向に搬送可能に構成されることが必要である。このとき、正逆両方向に回転可能な搬送ローラの設置が必要となる。
【0009】
この搬送ローラによって用紙が搬送される際、用紙の通過前、通過開始時、通過中、通過完了時、通過後の各時点において、搬送ローラに対する負荷変動が生じ、この結果搬送ローラの回転速度が変動するおそれがある。特に、正逆両方向に回転する搬送ローラにおいては、当該搬送ローラを介して用紙が搬送される頻度が高くなると共に、正方向と逆方向に用紙を搬送する際にも生じる負荷に差が生まれるおそれがある。つまり、かかる搬送ローラにおいては、負荷変動に伴う回転速度への影響を受けやすいということがいえる。
【0010】
モータから搬送ローラに対しては、ギアやシャフトを介して回転が伝達される。ここで、伝達先である搬送ローラにおいて負荷変動に伴う回転速度の変動が生じた場合、この搬送ローラにモータの回転を伝達しているギアやシャフトの回転速度にも影響が及ぶ。例えば、読み取りのための用紙を搬送するために設けられている別の搬送ローラが、前記正逆両方向に回転する搬送ローラと同じギアやシャフトを通じてモータからの回転が伝達されていた場合を想定する。この場合、負荷変動による影響によって読み取り用の搬送ローラの回転速度が変動し、この結果、読み取り画像に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0011】
また、搬送ローラの中には、ローラを止めた状態で紙を送り込み、斜行補正をしてからローラを動かして紙を送り出すというレジスト補正用のローラを兼ねているものもある。このとき、次の原稿が送り込まれると一旦ローラが停止するため、このローラの軸を使ってモータの回転を伝達させていた場合には、軸の先への回転はやはり停止してしまう。このような事態を受容しつつ、スムーズに紙を搬送させるためには、搬送時の制御内容に工夫を施す必要があり、結果的に搬送制御が非常に複雑化してしまうという問題がある。
【0012】
上記特許文献1においては、省スペース化のためにモータと反対側にモータの回転を伝達することは記載されているが、両面読み取り可能な原稿搬送装置に特有の上記の問題点についての解決手段については示されていない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑み、装置の小型化を実現しつつ、正逆両方向に回転する搬送ローラの読み取り動作への悪影響を防止することのできる原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成すべく、本発明の原稿搬送装置は、
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、
前記第2の側面に存在し、前記ヒンジ軸を介して回転が伝達される、複数のギアを含む正逆転機構と、
前記正逆転機構に含まれる正逆転ローラギアと、
前記搬送経路上に設けられ、正逆転可能に構成されることで前記原稿を第1の方向とその反対の第2の方向に搬送可能な搬送ローラである正逆転ローラと、
前記正逆転ローラギア及び前記正逆転ローラと嵌合し、前記正逆転ローラギアの回転を前記正逆転ローラに伝達する正逆転ローラ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、負荷変動が生じ得る他の搬送ローラの軸とは独立して、ヒンジ軸81を使ってモータの回転が正逆転ローラに伝達される。このため、正逆転ローラ以外の搬送ローラが停止等をして負荷変動が生じても、正逆転ローラへの回転伝達に影響が及ぶことはない。逆に、正逆転ローラが正方向と逆方向の間で回転方向が変化することで生じる負荷変動が、他の搬送ローラに伝達することもない。これにより、伝達先の負荷変動に伴う搬送原稿への影響を低減させることが可能となる。
【0016】
また、既にカバー開閉の際の支軸として存在しているヒンジ軸に、モータ側(第1の側面)からその反対側(第2の側面)に対する回転伝達の機能を兼ねさせることにより、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0017】
また、上記構成に加えて、本発明の原稿搬送装置は、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第2のギアを有し、
前記第2のギアは、当該ギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の搬送ローラに回転を伝達する構成であり、
前記第1の側面において、前記第1のギアと前記第2のギアの間に前記モータが配置される位置関係となっていることを別の特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、第2のギアの伝達先における負荷変動が生じてもモータにおいて吸収されるため、この負荷変動が第1のギアに伝達するのをより解消することができる。
【0019】
また、上記構成に加えて、本発明の原稿搬送装置は、
前記第1の側面に配置された第3のギア及び第4のギアを有し、
前記第3のギアは、前記ヒンジ軸が軸支すると共に、前記モータの回転が伝達される一方で、前記ヒンジ軸には回転を伝達しない構成であり、
前記第4のギアは、前記第3のギアの回転が伝達されると共に、当該第4のギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の一の搬送ローラに回転を伝達することを別の特徴とする。
【0020】
このように構成することで、他の独立した軸を新たに設けず、且つ、ヒンジ軸への負荷変動の影響を生じさせることなく、正逆転ローラ以外の搬送ローラに対する回転伝達を行うことが可能となる。
【0021】
また、本発明の原稿搬送装置は、
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、装置の小型化を実現しつつ、正逆両方向に回転する搬送ローラの読み取り動作への悪影響を防止することのできる原稿搬送装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る原稿搬送装置を含む複合機の外観を示す概略斜視図である。
【図2】原稿読取装置の内部構成を示す概略正面断面図である。
【図3】第1原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図4】第2原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図5】第3原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図6】第4原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図7】原稿搬送装置の内側ガイドを持ち上げた態様を示す模式図である。
【図8】原稿搬送装置のモータ側から見た概略断面斜視図である。
【図9】原稿搬送装置のモータ側から見た概略断面斜視図である。
【図10】原稿搬送装置のモータ側における概略水平断面図である。
【図11】原稿搬送装置のモータとは反対側から見た概略断面斜視図である
【図12】原稿搬送装置を上から見た概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の原稿搬送装置の実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0025】
[全体構成]
図1は、本発明に係る原稿搬送装置を含む複合機の外観を示す概略斜視図である。複合機1は、コピー機能及びファクシミリ機能を備えており、原稿読取装置11を複合機1の上部に備えている。また、複合機1は、コピー部数、ファクシミリ送信先及び原稿読み取り等を指示するための操作パネル12を備えている。
【0026】
複合機1は、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等を内蔵した複合機本体13、用紙を順次供給する給紙カセット14を備えており、複合機本体13は、通信回線を介して画像情報を伝送するための送受信部等(不図示)を備えている。
【0027】
原稿読取装置11は原稿台カバー21を備え、この原稿台カバー21には原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダー、ADFとも称する)24が備えられている。原稿搬送装置24は、原稿台カバー21の上部に設けられた給紙トレイ(給紙部に相当する)52と、この給紙トレイ52の下方に設けられた排紙トレイ(排紙部に相当する)53とを備える。
【0028】
図2は、原稿読取装置11の構成を示す概略正面断面図である。なお、本実施形態における正面図は、搬送されるシート状原稿の幅方向から見た図に相当する。
【0029】
図2に示すように、原稿読取装置11は、プラテンガラス22及びコンタクトガラス23の下方に、原稿Pの画像情報を読み取るためのスキャナーユニット25を備えている。また、原稿搬送装置24の内部には、給紙トレイ52と排紙トレイ53をと連結する原稿搬送経路R1、R2、R3が形成されている。第1、第2、第3原稿搬送経路R1,R2,R3のそれぞれを図3、図4、図5に示す。
【0030】
ユーザが図1に示す操作パネル12(表示部に相当)を操作して、原稿読取装置11をオートドキュメントフィードスキャナとして使用するように指示すれば、給紙トレイ52に重ねてセットされた原稿Pが、第1原稿搬送経路R1に沿って1枚ずつ搬送される(図3参照)。そして、第1原稿搬送経路R1に沿って搬送される原稿Pがコンタクトガラス23のガラス面(読取位置)を通過するときに、この原稿Pの第1面の画像情報がスキャナーユニット25によって読み取られる。その後、原稿Pは、第2原稿搬送経路R2に沿って搬送されて、再び読取位置に戻り、原稿の第2面が読み取られる(図4参照)。その後、原稿Pは、第3原稿搬送経路R3に沿って搬送されて排紙トレイ53へ排出される(図5参照)。
【0031】
なお、ここでは原稿の両面を読み取る場合について説明したが、片面のみを読み取る場合には、第1原稿搬送経路R1の後、図6に示す第4原稿搬送経路R4に沿って原稿が排出される。
【0032】
一方、原稿読取装置11をブックスキャナとして使用する場合は、読み取るべき原稿をユーザがプラテンガラス22上に載置する。そして、原稿搬送装置24の下部に配置されたプラテンシート51によって、原稿を上側から押圧して、動かないように固定する。この状態で、スキャナーユニット25が読み取りを行うことで、原稿の画像情報が読み取られる。
【0033】
[原稿搬送装置の内部構成]
次に、原稿搬送装置24の内部の構成を詳細に説明する。なお、以下の説明において、正面視で給紙トレイ52がある側を単に「右側」と称し、正面視におけるその反対側を単に「左側」と称することがある。
【0034】
各原稿搬送経路に配置される搬送ローラ部について説明する。第1原稿搬送経路R1には、上流側から順に、ピックアップローラ30と、分離ローラ31と、三連ローラ33と、搬送ローラ34とが配置されている。ピックアップローラ30は、分離ローラ31の回転軸を中心にして回動可能に構成されており、原稿搬送装置24の非動作時においては、図2の紙面上側にピックアップローラ30が保持されている。一方、原稿Pを繰り込む際はピックアップローラ30が下方に回動し、給紙トレイ52に重ねてセットされている原稿Pのうち、最上層にある原稿Pの端部に接触する。この状態でピックアップローラ30が回転することによって、給紙トレイ52の最上層の原稿Pが分離ローラ31へ搬送される。
【0035】
ピックアップローラ30の駆動によって分離ローラ31へ送られた原稿Pは、回転駆動する分離ローラ31によって1枚ずつ分離された後に、下流側に配置された三連ローラ33へ搬送される。分離ローラ31は、それと対向する分離パッド311によって原稿を1枚ずつ分離できる機構である。
【0036】
三連ローラ33は、中央に配置される駆動ローラ331と、この駆動ローラ331を挟持するように上下に配置される従動ローラ332及び333で構成されている。原稿Pは、駆動ローラ331とその上方に配置される従動ローラ332の間を通過して左斜め下方へ搬送される。三連ローラ33を通過した原稿Pは、下流側に配置された搬送ローラ34へ搬送される。なお、駆動ローラ331の下方に配置される従動ローラ333は、従動ローラ332と回転方向が逆となっており、駆動ローラ331と従動ローラ333との間を通過する原稿Pを右側へ搬送することができる(第3原稿搬送経路R3)。
【0037】
搬送ローラ34は、対向する従動ローラ341と共に原稿Pをニップして回転することで、この原稿Pを右斜め下側(読取位置)へ搬送する。そして、原稿Pが読取位置を通過するときに、スキャナーユニット25によって第1面(表面)の画像情報が読み取られる。なお、この搬送ローラ34は、回転方向を切り換え可能(正逆両方向に回転可能)に構成されており、逆方向に回転することで、原稿Pを左斜め上方向(三連ローラ33側)へ搬送することができる(第3原稿搬送経路R3)。
【0038】
原稿Pの両面を読み取る際においては、まず原稿Pが第1原稿搬送経路R1に沿って読取位置まで搬送され、原稿Pの第1面の画像情報がスキャナーユニット25によって読み取られる。原稿Pは、第1原稿搬送経路R1に沿って読取位置まで搬送された後に、図4に示す第2原稿搬送経路R2に沿って搬送されるように構成されている。
【0039】
第2原稿搬送経路R2には、上流側から順に、三連ローラ35、搬送ローラ36、三連ローラ38、そして再び三連ローラ35が配置される。まず原稿Pは、駆動ローラ351とその上方に配置される従動ローラ352(プレスローラに相当する。)の間を通過して右斜め上方へ搬送される。そして、原稿Pは、搬送ローラ36および従動ローラ361によって、右方向へ搬送されてループ状の反転経路へ搬送される。この反転経路は、右側に膨らんだ(右側に凸となるように湾曲した)経路となっている。この反転経路に沿って搬送されることで、原稿Pの表裏が反転する。次いで、原稿Pは、三連ローラ38の駆動ローラ381とその上方に配置される従動ローラ382の間を通過して左斜め下方へ搬送される。さらに、原稿Pは、三連ローラ35の駆動ローラ351とその下方に配置される従動ローラ353の間を通過して、読取位置を通過する。
【0040】
次いで、第2面(裏面)の画像情報が読み取られた原稿Pは、図5に示す両面用排出経路R3へ搬送される。両面用排出経路R3に沿って搬送される原稿Pは、読取位置を左側へ通過した後に、搬送ローラ34および従動ローラ341によって左斜め上側へ搬送される。このとき、搬送ローラ34は第1面読み取り時とは反対方向に回転する。
【0041】
そして、原稿Pは、三連ローラ33の駆動ローラ331と、その下方に配置される従動ローラ333との間を通過して右方向へ搬送される。この際、搬送ローラ34は、回転方向を切り換え可能であり、更に、従動ローラ332と従動ローラ333の回転方向が互いに逆方向となるため、上記の双方向搬送に対応している。なお、読取位置から三連ローラ33までの両面用排出経路R3は、左側に膨らんだ(左側に凸になるように湾曲した)経路となっている。
【0042】
そして、三連ローラ33を通過した原稿Pは、右方向に搬送され、搬送ローラ36および従動ローラ361を経由した後に、右斜め下方へ搬送される。そして、原稿Pは、三連ローラ38の駆動ローラ381とその下方に配置される従動ローラ383との間を通過して右側の排紙トレイ53へ排出される。
【0043】
[搬送ローラの駆動機構]
上述したように、搬送ローラ34は、原稿Pが第1原稿搬送経路R1に沿って搬送されるときは一方向に回転(正転)し、原稿Pが第3原稿搬送経路R3に沿って搬送されるときは、他方向に回転(逆転)するように構成されている。すなわち、搬送ローラ34とその従動ローラ341は、正逆転ローラ部340を構成し、片面読み取りのときは、搬送ローラ34は正転駆動に回転され、両面読み取りのときは、正転及び逆転駆動に回転される。
【0044】
本発明の原稿搬送装置24は、搬送ローラ34に軸(搬送ローラ軸)を介して回転を伝達するための正逆転機構を、モータとは反対側に設置している。より具体的には、モータが発生した回転力を、ヒンジ軸81を介してモータとは反対側に位置する正逆転機構に伝達し、正逆転機構から搬送ローラ軸を介して搬送ローラ34に回転を伝達する。この構成について図面を参照して詳細に説明する。なお、搬送ローラ34は、正方向及び逆方向に回転可能に構成されたローラであることを明記するために、以下において適宜「正逆転ローラ34」と称することがある。また、正逆転ローラ34に対して回転を伝達する軸を「正逆転ローラ軸」と称することがある。
【0045】
また、ここでは、内側ガイド80(「開閉カバー」に相当)の開閉中心となるヒンジ軸81を、モータからその裏側の正逆転機構への回転伝達軸として利用しているが、他のヒンジ軸を利用するものとしても構わない。ヒンジ軸81を支軸として内側ガイド80を開けた一態様を図7に示す。
【0046】
図8及び図9は、原稿搬送装置24のモータ側(「第1の側面」に対応)から見た断面斜視図である。図9では、図8におけるモータ90の図示を省略して、モータ90に隠れたギアとモータ90の位置関係を明確にしている。
【0047】
モータ90が回転すると、その運動はモータ90のギア91を介してギア111に伝達し、このギア111より更に隣接するギア112,113,114,115,116へと伝達する。ギア112,115,116にはそれぞれ軸が通っており、この軸を介して例えばローラ36,381,351に回転が伝達される構成である。
【0048】
一方、モータ90に対してギア111とは反対側にギア82及び83が設けられており、これらのギア82及び83にはヒンジ軸81が通っている。モータ90が回転すると、その運動はモータ90のギア91を介してギア82及び83に伝達される。なお、ヒンジ軸81には、搬送ローラは設けられていない。ここで、ギア83はヒンジ軸81に設けられた穴に嵌合するピン84と噛み合う構成となっており(図10参照)、このピン84を介してギア83の回転がヒンジ軸81に伝達する構成である。なお、ギア82にもヒンジ軸81が通っているが、ギア82の回転はヒンジ軸81には伝達しない構成となっている。なお、ここではギア82とギア83は同じ歯数のギアであるとしている。ギア83は、「第1のギア」に対応している。
【0049】
ギア82が回転すると、その回転は隣接するギア101,102,103に伝達される。ギア102,103にはそれぞれ軸が通っており、この軸を介して例えばローラ331,31に回転が伝達される構成である。
【0050】
このとき、ヒンジ軸81は、ギア111,112,113,114,115,116の回転速度の変動や、ギア101,102,103の回転速度の変動の影響を受けずに、独立してギア83を介してモータ90の回転が伝達される。これにより、ヒンジ軸81は、ギア111〜116の伝達先、及びギア101〜103の伝達先における負荷変動の影響を受けずに回転することが可能である。ギア112,115,116は「第2のギア」に対応する。
【0051】
図11は、原稿搬送装置24のモータ90とは反対側(「第2の側面」に対応)から見た断面斜視図である。前述のようにヒンジ軸81はモータ90からその反対側に介して走っており、ヒンジ軸81はモータ90の反対側にも現れている。モータ90の反対側には、ヒンジ軸81を軸心とするギア95と、このギア95に隣接するギア96,このギア96に隣接するギア97、及び正逆転ローラギア347が配置されている。正逆転ローラギア347には、正逆転ローラ軸346が設けられており、この軸346を介して正逆転ローラ34に回転が伝達される構成である。
【0052】
正逆転ローラギア347は、揺動ブラケット92の位置の変化により、ギア96への接触とギア97への接触が切換可能に構成されている。揺動ブラケット92は、ヒンジ軸81を中心に回転可能に構成されており、ギア96,97はこの揺動ブラケット92に取り付けられている。揺動ブラケット92が回転移動(揺動)することにより、これに伴ってギア95,96,97もそれぞれの相対関係を維持したままで回転する。一方、正逆転ローラギア347は、揺動ブラケット92には取り付けられていない。揺動ブラケット92が回転移動することにより、正逆転ローラギア347に接触するギアをギア96とギア97で切り換えることができる構成である。なお、揺動ブラケット92は、切替制御ソレノイド94により移動制御される。正逆転機構は、揺動ブラケット92,ギア95,96,97,及び正逆転ローラギア347を含む構成である。
【0053】
正逆転ローラギア347がギア96に接触している場合には、ヒンジ軸81を介してギア95に伝えられた回転が、ギア96を介して正逆転ローラギア347に伝えられる。一方、正逆転ローラギア347がギア97に接触している場合には、ヒンジ軸81を介してギア95に伝えられた回転が、ギア96、ギア97を順に介して正逆転ローラギア347に伝えられる。これにより、ギア95から正逆転ローラギア347までの伝達ギア枚数が変化するため、回転方向を正方向及び逆方向に変化させることができる。この正逆転ローラギア347の回転は、正逆転ローラ軸346を介して正逆転ローラ34に伝達される。これにより、正逆転ローラ34(搬送ローラ34)は、正方向及び逆方向に回転可能となる。
【0054】
図12は、原稿搬送装置24を図11の紙面上の左(正逆転ローラ34側)から見た概略図である。モータ90の回転はヒンジ軸81によってモータ90と反対側に伝えられた後、正逆転ローラギア347に回転が伝えられる。そして、この正逆転ローラギア347の回転が、正逆転ローラ軸346を介して正逆転ローラ34に伝えられる。
【0055】
以上説明したように、本装置によれば、負荷変動が生じ得る他の搬送ローラの軸とは独立して、ヒンジ軸81を使ってモータ90の回転を正逆転ローラ34に伝達する構成である。このため、正逆転ローラ34以外の搬送ローラが停止等をして負荷変動が生じても、正逆転ローラ34への回転伝達に影響が及ぶことはない。逆に、正逆転ローラ34が正方向と逆方向の間で回転方向が変化することで生じる負荷変動が、他の搬送ローラに伝達することもない。
【0056】
これにより、伝達先の負荷変動に伴う搬送原稿への影響を低減させることが可能となる。
【0057】
また、ヒンジ軸81に2枚のギア82及び83を重ね、一方のギア83はヒンジ軸81に回転を伝達するが、他方のギア82(「第3のギア」に対応)はヒンジ軸81に回転を伝達しない構成とすることで、ギア102及び103(「第4のギア」に対応)の伝達先における負荷変動と、ヒンジ軸81の伝達先(すなわち正逆転ローラ34)における負荷変動とが相互に影響し合わないような構成とすることができる。なお、ヒンジ軸81に2枚のギアを重ねずに、ギア102及び103に伝達するためのギアを別の軸に噛ませることも可能であるが、この場合には更に別の軸を設ける必要があり、その分のスペースを確保する必要が生じる。本構成とすることで、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0058】
更にいえば、搬送ローラの軸を使うことなくモータ90の回転をその反対側に伝達するためには、別途新たな軸を利用することも可能であるが、同様の理由により、やはりその分のスペースを確保する必要が生じる。本発明の構成のように、既にカバー開閉の際の支軸として存在しているヒンジ軸81に回転伝達の機能を兼ねさせることにより、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0059】
なお、上記実施形態においては、原稿読取装置11は複合機1の一部として備えられているが、この構成に代えて、単体のイメージスキャナ装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 : 複合機
11 : 原稿読取装置
12 : 操作パネル
13 : 複合機本体
14 : 給紙カセット
21 : 原稿台カバー
22 : プラテンガラス
23 : コンタクトガラス
24 : 原稿搬送装置
25 : スキャナーユニット
30 : ピックアップローラ
31 : 分離ローラ
33 : 三連ローラ
34 : 搬送ローラ(正逆転ローラ)
35 : 三連ローラ
36 : 搬送ローラ
38 : 三連ローラ
51 : プラテンシート
52 : 給紙トレイ
53 : 排紙トレイ
81 : ヒンジ軸
82,83 : ギア
84 : ピン
90 : モータ
91 : ギア
92 : 揺動ブラケット
94 : 切替制御ソレノイド
95,96,97 : ギア
111,112,113,114,115,116 : ギア
311 : 分離パッド
331 : 駆動ローラ
332 : 従動ローラ
333 : 従動ローラ
340 : 正逆転ローラ部
341 : 従動ローラ
346 : 正逆転ローラ軸
347 : 正逆転ローラギア
351 : 駆動ローラ
352 : 従動ローラ
353 : 従動ローラ
361 : 従動ローラ
941 : 切替制御ソレノイドのピン
P : 原稿
R1: 第1原稿搬送経路
R2: 第2原稿搬送経路
R3: 第3原稿搬送経路
R4: 第4原稿搬送経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状原稿の表裏両面を読み取り可能にするための原稿搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記の原稿搬送装置として、ラインセンサー等を有する原稿読取部に向けてシート状原稿を自動搬送する原稿搬送装置(いわゆるADF)が挙げられる。このような原稿搬送装置は、複写機や、複写機の機能に加えてスキャナー機能やファクシミリ機能を備えたデジタル複合機に設けられている。
【0003】
かかる複写機やデジタル複合機には、シート状原稿の表裏両面を読み取る機能を備えたものがある。原稿読取部を1つだけ設ける構成の場合は、シート状原稿を搬送するための搬送経路や搬送機構に工夫が必要である。
【0004】
例えば、給紙部から送り出された原稿をその表面が読み取られるように読取位置に搬送するための搬送経路と、読取位置から原稿の裏面を読み取らせるために、表裏反転させた原稿を読取位置に搬送するためのループ状の搬送経路と、裏面が読み取られた原稿を排紙部へ搬送するための搬送経路とを備えた原稿搬送装置がある。
【0005】
ところで、上記の構成においては、複数の搬送用のローラ、ローラを回転駆動するためのモータ、モータの回転をローラに伝達するための複数のギアが必要となる。これらのモータ及びギアを全て装置の一方の側面に設けた場合、設置に必要なスペースが増大し、装置が大型化するという問題があった。このため、モータの設置側のみならず、装置内のモータとは反対側にもギアを配置することで、一方の側面に配置するギアの数を減らして省スペース化を実現することが考えられる。
【0006】
下記特許文献1には、駆動ユニット(モータに相当)の反対側にギアを設けることで、搬送ユニットの幅寸法を縮小した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−169066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
シート状原稿の表裏両面を読み取りが可能な原稿搬送装置においては、搬送経路上の所定領域内において、読み取り対象となる原稿を順方向及び逆方向に搬送可能に構成されることが必要である。このとき、正逆両方向に回転可能な搬送ローラの設置が必要となる。
【0009】
この搬送ローラによって用紙が搬送される際、用紙の通過前、通過開始時、通過中、通過完了時、通過後の各時点において、搬送ローラに対する負荷変動が生じ、この結果搬送ローラの回転速度が変動するおそれがある。特に、正逆両方向に回転する搬送ローラにおいては、当該搬送ローラを介して用紙が搬送される頻度が高くなると共に、正方向と逆方向に用紙を搬送する際にも生じる負荷に差が生まれるおそれがある。つまり、かかる搬送ローラにおいては、負荷変動に伴う回転速度への影響を受けやすいということがいえる。
【0010】
モータから搬送ローラに対しては、ギアやシャフトを介して回転が伝達される。ここで、伝達先である搬送ローラにおいて負荷変動に伴う回転速度の変動が生じた場合、この搬送ローラにモータの回転を伝達しているギアやシャフトの回転速度にも影響が及ぶ。例えば、読み取りのための用紙を搬送するために設けられている別の搬送ローラが、前記正逆両方向に回転する搬送ローラと同じギアやシャフトを通じてモータからの回転が伝達されていた場合を想定する。この場合、負荷変動による影響によって読み取り用の搬送ローラの回転速度が変動し、この結果、読み取り画像に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0011】
また、搬送ローラの中には、ローラを止めた状態で紙を送り込み、斜行補正をしてからローラを動かして紙を送り出すというレジスト補正用のローラを兼ねているものもある。このとき、次の原稿が送り込まれると一旦ローラが停止するため、このローラの軸を使ってモータの回転を伝達させていた場合には、軸の先への回転はやはり停止してしまう。このような事態を受容しつつ、スムーズに紙を搬送させるためには、搬送時の制御内容に工夫を施す必要があり、結果的に搬送制御が非常に複雑化してしまうという問題がある。
【0012】
上記特許文献1においては、省スペース化のためにモータと反対側にモータの回転を伝達することは記載されているが、両面読み取り可能な原稿搬送装置に特有の上記の問題点についての解決手段については示されていない。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑み、装置の小型化を実現しつつ、正逆両方向に回転する搬送ローラの読み取り動作への悪影響を防止することのできる原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成すべく、本発明の原稿搬送装置は、
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、
前記第2の側面に存在し、前記ヒンジ軸を介して回転が伝達される、複数のギアを含む正逆転機構と、
前記正逆転機構に含まれる正逆転ローラギアと、
前記搬送経路上に設けられ、正逆転可能に構成されることで前記原稿を第1の方向とその反対の第2の方向に搬送可能な搬送ローラである正逆転ローラと、
前記正逆転ローラギア及び前記正逆転ローラと嵌合し、前記正逆転ローラギアの回転を前記正逆転ローラに伝達する正逆転ローラ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、負荷変動が生じ得る他の搬送ローラの軸とは独立して、ヒンジ軸81を使ってモータの回転が正逆転ローラに伝達される。このため、正逆転ローラ以外の搬送ローラが停止等をして負荷変動が生じても、正逆転ローラへの回転伝達に影響が及ぶことはない。逆に、正逆転ローラが正方向と逆方向の間で回転方向が変化することで生じる負荷変動が、他の搬送ローラに伝達することもない。これにより、伝達先の負荷変動に伴う搬送原稿への影響を低減させることが可能となる。
【0016】
また、既にカバー開閉の際の支軸として存在しているヒンジ軸に、モータ側(第1の側面)からその反対側(第2の側面)に対する回転伝達の機能を兼ねさせることにより、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0017】
また、上記構成に加えて、本発明の原稿搬送装置は、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第2のギアを有し、
前記第2のギアは、当該ギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の搬送ローラに回転を伝達する構成であり、
前記第1の側面において、前記第1のギアと前記第2のギアの間に前記モータが配置される位置関係となっていることを別の特徴とする。
【0018】
このような構成とすることで、第2のギアの伝達先における負荷変動が生じてもモータにおいて吸収されるため、この負荷変動が第1のギアに伝達するのをより解消することができる。
【0019】
また、上記構成に加えて、本発明の原稿搬送装置は、
前記第1の側面に配置された第3のギア及び第4のギアを有し、
前記第3のギアは、前記ヒンジ軸が軸支すると共に、前記モータの回転が伝達される一方で、前記ヒンジ軸には回転を伝達しない構成であり、
前記第4のギアは、前記第3のギアの回転が伝達されると共に、当該第4のギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の一の搬送ローラに回転を伝達することを別の特徴とする。
【0020】
このように構成することで、他の独立した軸を新たに設けず、且つ、ヒンジ軸への負荷変動の影響を生じさせることなく、正逆転ローラ以外の搬送ローラに対する回転伝達を行うことが可能となる。
【0021】
また、本発明の原稿搬送装置は、
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、装置の小型化を実現しつつ、正逆両方向に回転する搬送ローラの読み取り動作への悪影響を防止することのできる原稿搬送装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る原稿搬送装置を含む複合機の外観を示す概略斜視図である。
【図2】原稿読取装置の内部構成を示す概略正面断面図である。
【図3】第1原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図4】第2原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図5】第3原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図6】第4原稿搬送経路を説明する模式図である。
【図7】原稿搬送装置の内側ガイドを持ち上げた態様を示す模式図である。
【図8】原稿搬送装置のモータ側から見た概略断面斜視図である。
【図9】原稿搬送装置のモータ側から見た概略断面斜視図である。
【図10】原稿搬送装置のモータ側における概略水平断面図である。
【図11】原稿搬送装置のモータとは反対側から見た概略断面斜視図である
【図12】原稿搬送装置を上から見た概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の原稿搬送装置の実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0025】
[全体構成]
図1は、本発明に係る原稿搬送装置を含む複合機の外観を示す概略斜視図である。複合機1は、コピー機能及びファクシミリ機能を備えており、原稿読取装置11を複合機1の上部に備えている。また、複合機1は、コピー部数、ファクシミリ送信先及び原稿読み取り等を指示するための操作パネル12を備えている。
【0026】
複合機1は、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等を内蔵した複合機本体13、用紙を順次供給する給紙カセット14を備えており、複合機本体13は、通信回線を介して画像情報を伝送するための送受信部等(不図示)を備えている。
【0027】
原稿読取装置11は原稿台カバー21を備え、この原稿台カバー21には原稿搬送装置(オートドキュメントフィーダー、ADFとも称する)24が備えられている。原稿搬送装置24は、原稿台カバー21の上部に設けられた給紙トレイ(給紙部に相当する)52と、この給紙トレイ52の下方に設けられた排紙トレイ(排紙部に相当する)53とを備える。
【0028】
図2は、原稿読取装置11の構成を示す概略正面断面図である。なお、本実施形態における正面図は、搬送されるシート状原稿の幅方向から見た図に相当する。
【0029】
図2に示すように、原稿読取装置11は、プラテンガラス22及びコンタクトガラス23の下方に、原稿Pの画像情報を読み取るためのスキャナーユニット25を備えている。また、原稿搬送装置24の内部には、給紙トレイ52と排紙トレイ53をと連結する原稿搬送経路R1、R2、R3が形成されている。第1、第2、第3原稿搬送経路R1,R2,R3のそれぞれを図3、図4、図5に示す。
【0030】
ユーザが図1に示す操作パネル12(表示部に相当)を操作して、原稿読取装置11をオートドキュメントフィードスキャナとして使用するように指示すれば、給紙トレイ52に重ねてセットされた原稿Pが、第1原稿搬送経路R1に沿って1枚ずつ搬送される(図3参照)。そして、第1原稿搬送経路R1に沿って搬送される原稿Pがコンタクトガラス23のガラス面(読取位置)を通過するときに、この原稿Pの第1面の画像情報がスキャナーユニット25によって読み取られる。その後、原稿Pは、第2原稿搬送経路R2に沿って搬送されて、再び読取位置に戻り、原稿の第2面が読み取られる(図4参照)。その後、原稿Pは、第3原稿搬送経路R3に沿って搬送されて排紙トレイ53へ排出される(図5参照)。
【0031】
なお、ここでは原稿の両面を読み取る場合について説明したが、片面のみを読み取る場合には、第1原稿搬送経路R1の後、図6に示す第4原稿搬送経路R4に沿って原稿が排出される。
【0032】
一方、原稿読取装置11をブックスキャナとして使用する場合は、読み取るべき原稿をユーザがプラテンガラス22上に載置する。そして、原稿搬送装置24の下部に配置されたプラテンシート51によって、原稿を上側から押圧して、動かないように固定する。この状態で、スキャナーユニット25が読み取りを行うことで、原稿の画像情報が読み取られる。
【0033】
[原稿搬送装置の内部構成]
次に、原稿搬送装置24の内部の構成を詳細に説明する。なお、以下の説明において、正面視で給紙トレイ52がある側を単に「右側」と称し、正面視におけるその反対側を単に「左側」と称することがある。
【0034】
各原稿搬送経路に配置される搬送ローラ部について説明する。第1原稿搬送経路R1には、上流側から順に、ピックアップローラ30と、分離ローラ31と、三連ローラ33と、搬送ローラ34とが配置されている。ピックアップローラ30は、分離ローラ31の回転軸を中心にして回動可能に構成されており、原稿搬送装置24の非動作時においては、図2の紙面上側にピックアップローラ30が保持されている。一方、原稿Pを繰り込む際はピックアップローラ30が下方に回動し、給紙トレイ52に重ねてセットされている原稿Pのうち、最上層にある原稿Pの端部に接触する。この状態でピックアップローラ30が回転することによって、給紙トレイ52の最上層の原稿Pが分離ローラ31へ搬送される。
【0035】
ピックアップローラ30の駆動によって分離ローラ31へ送られた原稿Pは、回転駆動する分離ローラ31によって1枚ずつ分離された後に、下流側に配置された三連ローラ33へ搬送される。分離ローラ31は、それと対向する分離パッド311によって原稿を1枚ずつ分離できる機構である。
【0036】
三連ローラ33は、中央に配置される駆動ローラ331と、この駆動ローラ331を挟持するように上下に配置される従動ローラ332及び333で構成されている。原稿Pは、駆動ローラ331とその上方に配置される従動ローラ332の間を通過して左斜め下方へ搬送される。三連ローラ33を通過した原稿Pは、下流側に配置された搬送ローラ34へ搬送される。なお、駆動ローラ331の下方に配置される従動ローラ333は、従動ローラ332と回転方向が逆となっており、駆動ローラ331と従動ローラ333との間を通過する原稿Pを右側へ搬送することができる(第3原稿搬送経路R3)。
【0037】
搬送ローラ34は、対向する従動ローラ341と共に原稿Pをニップして回転することで、この原稿Pを右斜め下側(読取位置)へ搬送する。そして、原稿Pが読取位置を通過するときに、スキャナーユニット25によって第1面(表面)の画像情報が読み取られる。なお、この搬送ローラ34は、回転方向を切り換え可能(正逆両方向に回転可能)に構成されており、逆方向に回転することで、原稿Pを左斜め上方向(三連ローラ33側)へ搬送することができる(第3原稿搬送経路R3)。
【0038】
原稿Pの両面を読み取る際においては、まず原稿Pが第1原稿搬送経路R1に沿って読取位置まで搬送され、原稿Pの第1面の画像情報がスキャナーユニット25によって読み取られる。原稿Pは、第1原稿搬送経路R1に沿って読取位置まで搬送された後に、図4に示す第2原稿搬送経路R2に沿って搬送されるように構成されている。
【0039】
第2原稿搬送経路R2には、上流側から順に、三連ローラ35、搬送ローラ36、三連ローラ38、そして再び三連ローラ35が配置される。まず原稿Pは、駆動ローラ351とその上方に配置される従動ローラ352(プレスローラに相当する。)の間を通過して右斜め上方へ搬送される。そして、原稿Pは、搬送ローラ36および従動ローラ361によって、右方向へ搬送されてループ状の反転経路へ搬送される。この反転経路は、右側に膨らんだ(右側に凸となるように湾曲した)経路となっている。この反転経路に沿って搬送されることで、原稿Pの表裏が反転する。次いで、原稿Pは、三連ローラ38の駆動ローラ381とその上方に配置される従動ローラ382の間を通過して左斜め下方へ搬送される。さらに、原稿Pは、三連ローラ35の駆動ローラ351とその下方に配置される従動ローラ353の間を通過して、読取位置を通過する。
【0040】
次いで、第2面(裏面)の画像情報が読み取られた原稿Pは、図5に示す両面用排出経路R3へ搬送される。両面用排出経路R3に沿って搬送される原稿Pは、読取位置を左側へ通過した後に、搬送ローラ34および従動ローラ341によって左斜め上側へ搬送される。このとき、搬送ローラ34は第1面読み取り時とは反対方向に回転する。
【0041】
そして、原稿Pは、三連ローラ33の駆動ローラ331と、その下方に配置される従動ローラ333との間を通過して右方向へ搬送される。この際、搬送ローラ34は、回転方向を切り換え可能であり、更に、従動ローラ332と従動ローラ333の回転方向が互いに逆方向となるため、上記の双方向搬送に対応している。なお、読取位置から三連ローラ33までの両面用排出経路R3は、左側に膨らんだ(左側に凸になるように湾曲した)経路となっている。
【0042】
そして、三連ローラ33を通過した原稿Pは、右方向に搬送され、搬送ローラ36および従動ローラ361を経由した後に、右斜め下方へ搬送される。そして、原稿Pは、三連ローラ38の駆動ローラ381とその下方に配置される従動ローラ383との間を通過して右側の排紙トレイ53へ排出される。
【0043】
[搬送ローラの駆動機構]
上述したように、搬送ローラ34は、原稿Pが第1原稿搬送経路R1に沿って搬送されるときは一方向に回転(正転)し、原稿Pが第3原稿搬送経路R3に沿って搬送されるときは、他方向に回転(逆転)するように構成されている。すなわち、搬送ローラ34とその従動ローラ341は、正逆転ローラ部340を構成し、片面読み取りのときは、搬送ローラ34は正転駆動に回転され、両面読み取りのときは、正転及び逆転駆動に回転される。
【0044】
本発明の原稿搬送装置24は、搬送ローラ34に軸(搬送ローラ軸)を介して回転を伝達するための正逆転機構を、モータとは反対側に設置している。より具体的には、モータが発生した回転力を、ヒンジ軸81を介してモータとは反対側に位置する正逆転機構に伝達し、正逆転機構から搬送ローラ軸を介して搬送ローラ34に回転を伝達する。この構成について図面を参照して詳細に説明する。なお、搬送ローラ34は、正方向及び逆方向に回転可能に構成されたローラであることを明記するために、以下において適宜「正逆転ローラ34」と称することがある。また、正逆転ローラ34に対して回転を伝達する軸を「正逆転ローラ軸」と称することがある。
【0045】
また、ここでは、内側ガイド80(「開閉カバー」に相当)の開閉中心となるヒンジ軸81を、モータからその裏側の正逆転機構への回転伝達軸として利用しているが、他のヒンジ軸を利用するものとしても構わない。ヒンジ軸81を支軸として内側ガイド80を開けた一態様を図7に示す。
【0046】
図8及び図9は、原稿搬送装置24のモータ側(「第1の側面」に対応)から見た断面斜視図である。図9では、図8におけるモータ90の図示を省略して、モータ90に隠れたギアとモータ90の位置関係を明確にしている。
【0047】
モータ90が回転すると、その運動はモータ90のギア91を介してギア111に伝達し、このギア111より更に隣接するギア112,113,114,115,116へと伝達する。ギア112,115,116にはそれぞれ軸が通っており、この軸を介して例えばローラ36,381,351に回転が伝達される構成である。
【0048】
一方、モータ90に対してギア111とは反対側にギア82及び83が設けられており、これらのギア82及び83にはヒンジ軸81が通っている。モータ90が回転すると、その運動はモータ90のギア91を介してギア82及び83に伝達される。なお、ヒンジ軸81には、搬送ローラは設けられていない。ここで、ギア83はヒンジ軸81に設けられた穴に嵌合するピン84と噛み合う構成となっており(図10参照)、このピン84を介してギア83の回転がヒンジ軸81に伝達する構成である。なお、ギア82にもヒンジ軸81が通っているが、ギア82の回転はヒンジ軸81には伝達しない構成となっている。なお、ここではギア82とギア83は同じ歯数のギアであるとしている。ギア83は、「第1のギア」に対応している。
【0049】
ギア82が回転すると、その回転は隣接するギア101,102,103に伝達される。ギア102,103にはそれぞれ軸が通っており、この軸を介して例えばローラ331,31に回転が伝達される構成である。
【0050】
このとき、ヒンジ軸81は、ギア111,112,113,114,115,116の回転速度の変動や、ギア101,102,103の回転速度の変動の影響を受けずに、独立してギア83を介してモータ90の回転が伝達される。これにより、ヒンジ軸81は、ギア111〜116の伝達先、及びギア101〜103の伝達先における負荷変動の影響を受けずに回転することが可能である。ギア112,115,116は「第2のギア」に対応する。
【0051】
図11は、原稿搬送装置24のモータ90とは反対側(「第2の側面」に対応)から見た断面斜視図である。前述のようにヒンジ軸81はモータ90からその反対側に介して走っており、ヒンジ軸81はモータ90の反対側にも現れている。モータ90の反対側には、ヒンジ軸81を軸心とするギア95と、このギア95に隣接するギア96,このギア96に隣接するギア97、及び正逆転ローラギア347が配置されている。正逆転ローラギア347には、正逆転ローラ軸346が設けられており、この軸346を介して正逆転ローラ34に回転が伝達される構成である。
【0052】
正逆転ローラギア347は、揺動ブラケット92の位置の変化により、ギア96への接触とギア97への接触が切換可能に構成されている。揺動ブラケット92は、ヒンジ軸81を中心に回転可能に構成されており、ギア96,97はこの揺動ブラケット92に取り付けられている。揺動ブラケット92が回転移動(揺動)することにより、これに伴ってギア95,96,97もそれぞれの相対関係を維持したままで回転する。一方、正逆転ローラギア347は、揺動ブラケット92には取り付けられていない。揺動ブラケット92が回転移動することにより、正逆転ローラギア347に接触するギアをギア96とギア97で切り換えることができる構成である。なお、揺動ブラケット92は、切替制御ソレノイド94により移動制御される。正逆転機構は、揺動ブラケット92,ギア95,96,97,及び正逆転ローラギア347を含む構成である。
【0053】
正逆転ローラギア347がギア96に接触している場合には、ヒンジ軸81を介してギア95に伝えられた回転が、ギア96を介して正逆転ローラギア347に伝えられる。一方、正逆転ローラギア347がギア97に接触している場合には、ヒンジ軸81を介してギア95に伝えられた回転が、ギア96、ギア97を順に介して正逆転ローラギア347に伝えられる。これにより、ギア95から正逆転ローラギア347までの伝達ギア枚数が変化するため、回転方向を正方向及び逆方向に変化させることができる。この正逆転ローラギア347の回転は、正逆転ローラ軸346を介して正逆転ローラ34に伝達される。これにより、正逆転ローラ34(搬送ローラ34)は、正方向及び逆方向に回転可能となる。
【0054】
図12は、原稿搬送装置24を図11の紙面上の左(正逆転ローラ34側)から見た概略図である。モータ90の回転はヒンジ軸81によってモータ90と反対側に伝えられた後、正逆転ローラギア347に回転が伝えられる。そして、この正逆転ローラギア347の回転が、正逆転ローラ軸346を介して正逆転ローラ34に伝えられる。
【0055】
以上説明したように、本装置によれば、負荷変動が生じ得る他の搬送ローラの軸とは独立して、ヒンジ軸81を使ってモータ90の回転を正逆転ローラ34に伝達する構成である。このため、正逆転ローラ34以外の搬送ローラが停止等をして負荷変動が生じても、正逆転ローラ34への回転伝達に影響が及ぶことはない。逆に、正逆転ローラ34が正方向と逆方向の間で回転方向が変化することで生じる負荷変動が、他の搬送ローラに伝達することもない。
【0056】
これにより、伝達先の負荷変動に伴う搬送原稿への影響を低減させることが可能となる。
【0057】
また、ヒンジ軸81に2枚のギア82及び83を重ね、一方のギア83はヒンジ軸81に回転を伝達するが、他方のギア82(「第3のギア」に対応)はヒンジ軸81に回転を伝達しない構成とすることで、ギア102及び103(「第4のギア」に対応)の伝達先における負荷変動と、ヒンジ軸81の伝達先(すなわち正逆転ローラ34)における負荷変動とが相互に影響し合わないような構成とすることができる。なお、ヒンジ軸81に2枚のギアを重ねずに、ギア102及び103に伝達するためのギアを別の軸に噛ませることも可能であるが、この場合には更に別の軸を設ける必要があり、その分のスペースを確保する必要が生じる。本構成とすることで、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0058】
更にいえば、搬送ローラの軸を使うことなくモータ90の回転をその反対側に伝達するためには、別途新たな軸を利用することも可能であるが、同様の理由により、やはりその分のスペースを確保する必要が生じる。本発明の構成のように、既にカバー開閉の際の支軸として存在しているヒンジ軸81に回転伝達の機能を兼ねさせることにより、省スペースを維持しながら、伝達先の負荷変動の影響を排除することが可能となる。
【0059】
なお、上記実施形態においては、原稿読取装置11は複合機1の一部として備えられているが、この構成に代えて、単体のイメージスキャナ装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 : 複合機
11 : 原稿読取装置
12 : 操作パネル
13 : 複合機本体
14 : 給紙カセット
21 : 原稿台カバー
22 : プラテンガラス
23 : コンタクトガラス
24 : 原稿搬送装置
25 : スキャナーユニット
30 : ピックアップローラ
31 : 分離ローラ
33 : 三連ローラ
34 : 搬送ローラ(正逆転ローラ)
35 : 三連ローラ
36 : 搬送ローラ
38 : 三連ローラ
51 : プラテンシート
52 : 給紙トレイ
53 : 排紙トレイ
81 : ヒンジ軸
82,83 : ギア
84 : ピン
90 : モータ
91 : ギア
92 : 揺動ブラケット
94 : 切替制御ソレノイド
95,96,97 : ギア
111,112,113,114,115,116 : ギア
311 : 分離パッド
331 : 駆動ローラ
332 : 従動ローラ
333 : 従動ローラ
340 : 正逆転ローラ部
341 : 従動ローラ
346 : 正逆転ローラ軸
347 : 正逆転ローラギア
351 : 駆動ローラ
352 : 従動ローラ
353 : 従動ローラ
361 : 従動ローラ
941 : 切替制御ソレノイドのピン
P : 原稿
R1: 第1原稿搬送経路
R2: 第2原稿搬送経路
R3: 第3原稿搬送経路
R4: 第4原稿搬送経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、
前記第2の側面に存在し、前記ヒンジ軸を介して回転が伝達される、複数のギアを含む正逆転機構と、
前記正逆転機構に含まれる正逆転ローラギアと、
前記搬送経路上に設けられ、正逆転可能に構成されることで前記原稿を第1の方向とその反対の第2の方向に搬送可能な搬送ローラである正逆転ローラと、
前記正逆転ローラギア及び前記正逆転ローラと嵌合し、前記正逆転ローラギアの回転を前記正逆転ローラに伝達する正逆転ローラ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第2のギアを有し、
前記第2のギアは、当該ギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の搬送ローラに回転を伝達する構成であり、
前記第1の側面において、前記第1のギアと前記第2のギアの間に前記モータが配置される位置関係となっていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記第1の側面に配置された第3のギア及び第4のギアを有し、
前記第3のギアは、前記ヒンジ軸が軸支すると共に、前記モータの回転が伝達される一方で、前記ヒンジ軸には回転を伝達しない構成であり、
前記第4のギアは、前記第3のギアの回転が伝達されると共に、当該第4のギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の一の搬送ローラに回転を伝達することを特徴とする請求項1又は2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項1】
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、
前記第2の側面に存在し、前記ヒンジ軸を介して回転が伝達される、複数のギアを含む正逆転機構と、
前記正逆転機構に含まれる正逆転ローラギアと、
前記搬送経路上に設けられ、正逆転可能に構成されることで前記原稿を第1の方向とその反対の第2の方向に搬送可能な搬送ローラである正逆転ローラと、
前記正逆転ローラギア及び前記正逆転ローラと嵌合し、前記正逆転ローラギアの回転を前記正逆転ローラに伝達する正逆転ローラ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第2のギアを有し、
前記第2のギアは、当該ギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の搬送ローラに回転を伝達する構成であり、
前記第1の側面において、前記第1のギアと前記第2のギアの間に前記モータが配置される位置関係となっていることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記第1の側面に配置された第3のギア及び第4のギアを有し、
前記第3のギアは、前記ヒンジ軸が軸支すると共に、前記モータの回転が伝達される一方で、前記ヒンジ軸には回転を伝達しない構成であり、
前記第4のギアは、前記第3のギアの回転が伝達されると共に、当該第4のギアと嵌合する軸を介して、一方向にのみ回転可能に構成された、前記正逆転ローラ以外の一の搬送ローラに回転を伝達することを特徴とする請求項1又は2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置であって、第1の側面と、当該第1の側面に向かい合う第2の側面との間に前記原稿を搬送するための搬送経路が設けられており、
前記第1の側面に配置された、回転運動が可能なモータと、
前記第1の側面に存在し、前記モータの回転が伝達される第1のギアと、
前記第1の側面から前記第2の側面に達すると共に、前記第1のギアと嵌合して前記第1のギアの回転が伝達されるヒンジ軸と、を備え、
前記ヒンジ軸は、装置内部を開閉するための開閉カバーの支軸であることを特徴とする原稿搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−56511(P2013−56511A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197304(P2011−197304)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
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