説明

厨房台

【課題】 存在感が希薄であるにもかかわらず十分な強度を有した状態で厨房台を支持可能な厨房台用架台と、これにより支持される厨房台を実現する。
【解決手段】 厨房台用架台100は、床面400上に設置される4本の脚部材101と、それら脚部材101を連結して一体化するための4本の連結フレーム部材103と、を備え、脚部材101と連結フレーム部材103とのいずれか一方に設けられた差込口103hに対し、他方に設けられた差込部112が差し込まれる形で双方が連結され、それら全ての脚部材101と連結フレーム部材103とが一体化された一体の構造体となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納ユニット等の厨房台本体を下側で支持するために床面上に設置される4本の脚部を有した支持部材をなす厨房台用架台、及びこれにより支持された厨房台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、厨房家具の一つである厨房台には、様々なデザインのものが登場しており、例えば特許文献1のような特異なデザインのものもある。また、特許文献1のようなデザインとは異なり、厨房台自体に重力・重厚感を感じさせない斬新なデザインのものについても開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−61634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、厨房台自体に重力・重厚感を感じさせないデザインの実現を目指す上で、その究極の目標とは、厨房台に対し「浮遊感」を付与することにある。
【0005】
しかしながら、厨房台に「浮遊感」を与えるためには、厨房台下側に配置される脚部等の支持部材の存在感を希薄にすることが重要となる。これを実現するためには、単純に脚部を細くし、その配置数をできる限り少なく、例えば四角形状の底面に対しその四隅のみに配置するようにすればよい。ところが、天板上に加熱機器やシンクなどの水回りを備える厨房台の場合、作業面側の間口が1800mm〜4000mm等のように長くなる場合があるため、厨房台本体の四角形状の底面四隅に脚部を配置するだけでは、その重さに耐えることができず、ハの字状に折れ曲がってしまう等、支持できなかった。このため従来の厨房台では、通常は4本の脚部ではなく、間口の中央部にも脚部が配置されているが、これだと厨房台自体に重力・重厚感を感じさせないデザインにはならない。
【0006】
本発明の課題は、存在感が希薄であるにもかかわらず十分な強度を有した状態で厨房台本体を支持可能な厨房台用架台を実現し、これによって支持された厨房台を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の厨房台は、
上面にワークトップを有し、底面が四角形状をなす厨房台本体を備える厨房台であって、
厨房台本体を底面側の四隅で支持するために床面上に設置される4本の脚部材と、
それら脚部材を連結して一体化するために各々が厨房台本体底面の外周に沿って配置される4本の連結フレーム部材と、
を備えるとともに、前記脚部材と前記連結フレーム部材とのいずれか一方に設けられた連結用の差込口に対し、他方に設けられた差込部が差し込まれる形で双方が嵌合する形で連結され、さらに締結部材によって双方が締結固定されることにより、それら全ての脚部材と連結フレーム部材とが一体化された一体構造体をなす厨房台用架台が形成され、さらに、
当該厨房台用架台の上に、前記厨房台本体が面接触する形で載置され、当該面接触部において一体に固定されることにより、全体(厨房台用架台と厨房台本体)が1つの構造体として一体化されていることを特徴とする。
【0008】
上記本発明の構成によれば、シンク及び加熱機器が間口方向に横並びするような間口の広い厨房台であっても、4本の細い脚を有する厨房台用架台によって十分に支持することが可能となる。具体的にいえば、本発明の厨房台用架台は、4本の脚部材が一体の構造体(塊)となって形成されていることにより、単独で脚が存在する場合よりもその強度が増しており、間口の広い厨房台本体の支持を可能としている。具体的に言えば、本発明の厨房台用架台は、全ての脚部材を連結フレーム部材によって一体に連結し、全体を一体の構造体(塊)としている。またその連結には、差込嵌合構造を利用しているため強度が高く、また、組み付けも差込嵌合するだけであるから容易で、作業者のスキルによって組み付け精度が変わるようなこともない。また、厨房台用架台が支持する厨房台本体も、厨房台用架台と一体化されて1つの構造体となっていることで、脚部材部分の強度は寄り一層増しており、より間口の広い厨房台本体であっても支持することが可能となっている。
【0009】
このように、本発明の厨房台は、厨房台本体を4本の(脚部材)によって支持する構造が実現されているので、脚部材を、存在ができるだけ希薄となるように細くすることが可能となり、厨房台が浮遊しているかのような従来にないイメージの厨房台が実現されている。
【0010】
本発明においては、厨房台本体は、奥行き幅の2倍以上の間口を有するものとすることができ、脚部材は、その下部に、少なくとも50mm以上の高さを有し、なおかつ水平断面が直径10mm以上30mm以下の外接円を有する形状をなすものとできる。従来、上記のような間口の広い厨房台本体の底面四隅に、上記のような4本の細い脚をそれぞれ配置するだけでは、脚がその重さに耐えきれず、折れ曲がってしまうため、このような厨房台は見られなかった。ところが、上記本発明の構造が採用されることにより、上記のような間口の広い厨房台本体を、上記のような4本の細い脚(脚部材)のみによって支持しても、脚が折れ曲がることなく十分な強度を有して支持することが可能となり、従来に無い浮遊感を有するような厨房台を実現することが可能となった。
【0011】
本発明において、連結フレーム部材は、厨房台本体の底面側の四隅にある脚部材のうち、該厨房台本体の底面外周に沿って互いに隣接するもの同士を互いに連結するよう直線状に延出する部材とすることができる。この構成により、シンプルな直線形状を有する連結フレーム部材によって、厨房台本体の底面外周に沿ったシンプルな環状の構造体が形成される。全体がシンプルな形状となることで各部材の数を削減することができる。
【0012】
本発明において、差込口は、前記差込部を差込方向回りにて取り囲む筒形状にて形成することができる。この構成によれば、差込部は、その外周を取り囲まれる形で安定的に差込口内に差し込まれるため、高い連結強度が得られる。
【0013】
具体的にいえば、差込部は、前記厨房台本体の底面外周方向に向けて水平に延出する四角柱状突出部として形成することができ、前記差込口は、当該四角柱状突出部が収容される四角形状の開口として形成することができる。この構成によれば、差込部である四角柱状突出部が、その外周を四方から取り囲まれる形で、四角形状の開口をなす差込部に対し安定的に差し込まれ、互いが嵌合状態となるため、高い連結強度が得られる。
【0014】
本発明において、連結フレーム部材は、各々が筒形状にて形成された角パイプであり、その端部の開口をそのまま前記差込口とすることができる。これにより、筒状に形成された連結フレーム部材の端部をそのまま差込口として利用することができるので、構造がよりシンプルなものとなる。
【0015】
本発明において、差込部は、先端に向けて先細りの形状とすることができる。この構成によれば、差込部を容易に差込口に差し込むことが可能となる。具体的に言えば、差込部は、その上面が差込テーパー面として先端に向けて下る傾斜面を有して形成される一方で、その下面は水平な平坦面として形成することができる。差込口に嵌合挿入される差込部は、差込口をなす部材に対し仮面がわからネジ固定されるので、差込口内部の下側の内面と、差込部の下面とが水平な平坦面であることにより、互いが面接触した安定した状態でネジの締め付けができる。また、例えば差込部は、その両側面が先端に向かうほど互いに接近する傾斜面を有して形成することができる。
【0016】
本発明において、差込部は、その付け根部分(根元部分)となる基端部において、上下面及び両側面がそれぞれ互いに平行な平坦面として水平に延出するよう構成できる。この構成によると、先端側に傾斜面を設けておくことで差込口への挿入が容易としつつも、最終的には、この基端部が差込口に挿入されることで、双方をより強固に連結した状態とすることができる。
【0017】
本発明において、連結フレーム部材は、上面が平坦面として形成される一方で、前記脚部材は、前記差込部が設けられる上端部の、該差込部を除く上端面が平坦面として形成されており、該差込部が前記連結フレーム部材の端部の差込口に差し込まれた際には、該連結フレーム部材の前記上面と前記脚部材の前記上端面とが面一でつながるよう構成できる。この構成によれば、連結フレーム部材と、脚部材とからなる構造体の最上面がすべて平坦となるため、この上に、例えば厨房台本体やスペーサ部材を配置しやすい。
【0018】
本発明において、差込口には、少なくともその下面を形成する下面部にネジ部材を挿通させる挿通孔を予め設け、前記差込部には、ネジ穴を予め設けておき、前記差込口に前記差込部が差し込まれた状態において、前記挿通孔を挿通する形で前記ネジ穴にネジ部材をねじ込むことにより、前記差込口に前記差込部を固定することを可能に構成できる。この構成によれば、差込部の差込口へのはめ込みだけでなく、ネジによってより強固に固定できる。具体的に言えば、前記差込部は、その基端部と先端部との双方に前記ネジ穴を設けることができる。差込部の長さ方向において2か所にネジ穴があれば、より安定的に固定できる。さらに、そのネジ穴は、基端部と先端部にそれぞれ複数ずつ存在する。これにより、より強固で安定的な固定が可能となる。例えば、それらネジ穴を、差込部の幅方向に例えば2個ずつ並んで設けることができる。
【0019】
例えば、本発明において、脚部材と連結フレーム部材の表面の見え方を同様にするとよい。これにより、脚部材と連結フレーム部材に一体感が生まれて、個別の存在感を消すことができ、脚部の印象を全体の中に埋没させることができる。例えば、連結フレーム部材をステンレス製とするならば、脚部材は、亜鉛ダイキャストにて形成し、その表面をステンレス色の鏡面クロームメッキ仕上げとすることで、双方の表面の見え方を同様とすることができる。連結フレーム部材をステンレスとすることはその存在感を増すことにつながるが、脚部材もステンレス色とすることでフレームになじんで一体感が増し、脚部材の存在を希薄にできる。また、脚部材がメッキ仕上げとされることで、脚部周囲の映り込みが生じるため、脚部材の存在感をより低減できる。
【0020】
本発明においては、差込部が前記差込口に差し込まれた状態において、連結された前記脚部材と前記連結フレーム部材の上に一体固定されるスペーサ部材を備えて構成できる。これにより、厨房台用架台の一体性を増し、その強度を高めることができ、ひいては脚部材の対荷重強度を増すことに寄与することができる。
【0021】
具体的にいえば、スペーサ部材は、連結された脚部材と連結フレーム部材のそれぞれの上面をまたがる形で載置され、それぞれに対し一体に固定される形で構成できる。これにより、スペーサ部材は、連結された脚部材と連結フレーム部材の抜け止めとして機能し、これによって全体の一体性・強度を増すことができる。
【0022】
また、差込部が差込口に差し込まれる形で連結された脚部材と連結フレーム部材は、それら上面を面一の平坦面として形成することができる。これにより、それら平坦な上面の上にスペーサ部材を安定して載置し、固定することができる。また、スペーサ部材の下面に対し、面一の平坦面をなす脚部材と連結フレーム部材の上面が、面接触する形で一体固定されれば、双方の一体性がより一層増すから、より高い強度の厨房台用架台とすることができる。
【0023】
本発明において、連結フレーム部材は、各々が、厨房台本体の底面側四隅に位置する脚部材をつなぐ形で連結し、全体が前記厨房台本体の底面外周に沿って環状に配置される一方、スペーサ部材は、前記厨房台本体の底面外周に沿った環状のフレーム部材として形成されており、前記連結フレーム部材の上面に対し環状の接触面を有する形で一体に固定、例えば溶接固定されるよう構成できる。この構成によれば、スペーサ部材は、強度にあまり貢献しないの中央部を省略した環状形状となるので、無駄な構造部分を省略した形状となる。また、環状形状をなすスペーサ部材は、角パイプを、溶接などで一体固定する形で容易に作成することができる。
【0024】
本発明において、スペーサ部材は、環状に形成された前記連結フレーム部材に対し内側に偏った位置に一体に固定される環状のフレーム部材であり、その外周面が、その上に設置される厨房台本体の外縁位置よりも内側に位置するように構成できる。これにより、厨房台本体が設置されたときに、スペーサ部材が内側に引っこんでいるため見えにくく、その存在感を消すことができる。
【0025】
本発明において、スペーサ部材は、その外周面が前記厨房台本体の底面外縁位置よりも内側に位置する一方で、前記連結フレーム部材は、その外周面が前記スペーサ部材の外周面よりも外側に位置し、前記厨房台本体の底面外縁位置と一致するよう構成できる。この構成によると、スペーサ部材上の厨房台本体と、スペーサ部材下の連結フレーム部材及び脚部材との外周位置が揃っているので、デザイン性を低下させることがない。
【0026】
また、本発明において、スペーサ部材の外周面と、厨房台本体の底部の外周面とが面位置となるよう構成され、双方の外周面にまたがる形で化粧薄板を取り付けてもよい。これにより、スペーサ部材と厨房台本体のつなぎ目を隠すことができ、デザイン性の低下を防ぐことができる。
【0027】
本発明において、脚部材は、下側が棒状の脚部として形成されており、当該脚部の水平断面の外縁形状は、第一側において、その先端からその逆の第二側に向かうに従い滑らかに幅が広がる湾曲形状をなし、第二側においても、その先端からその逆の第一側に向かうに従い滑らかに幅が広がる湾曲形状をなすとともに、第一側における先端の湾曲形状の内接円の半径が、第二側における先端の湾曲形状の内接円の半径よりも小となる形で形成することができる。この構成によると、脚部材の脚部は、普通の円柱状の脚部から、余計な肉を削ぎ落とした、より細い形状となるため、その存在感をより希薄なものとすることができる。
【0028】
本発明におけるスペーサ部材はスチール製とされ、該スペーサ部材上に前記厨房台本体を載置した状態で、金属用ビスを、該厨房台本体の底部を形成する底板に対し上方からスペーサ部材に到達させる形でねじ込むことにより、双方が一体に固定された一体構造体とされるよう構成することができる。これにより、金属用ビスによって厨房台本体と厨房台用架台とを容易にかつ強固に一体化することができる。
【0029】
本発明においては、スペーサ部材の環状の上面を平坦面とし、厨房台本体の底面も平坦面とすることで、それら双方の面をピッタリと密着した状態で固定することができる。これにより、スペーサ部材を有する厨房台用架台と、厨房台本体との一体性をより増した形で双方を固定することができるから、強度を増すことができる。
【0030】
また、本発明においては、環状の前記スペーサ部材の上面全面に対し、前記厨房台本体の底面が面接触する形で載置され、該厨房台本体の底板の、該スペーサ部材との面接触領域に対し前記金属用ビスをねじ込むことにより、該底板と前記スペーサ部材とを締結固定することができる。これにより、スペーサ部材を有する厨房台用架台と、厨房台本体との一体性をさらに増した形で双方を固定することができるから、強度をさらに増すことができる。
【0031】
本発明の厨房台は、スペーサ部材と連結フレーム部材と脚部材とが一体化された環状の厨房台用架台の最上面を形成する環状の前記スペーサ部材上に厨房台本体が載置され、当該厨房台本体の底部外周に沿って、金属用ビスで双方を固定していくことにより、双方が一体に固定された一体構造体とすることができる。
【0032】
また、本発明の厨房台において、前記連結フレーム部材は、当該厨房台本体の底面外周に沿った環状のフレーム部材として形成されており、その内側において、当該厨房台本体の底面に、その底面を支持するために床面上に設置される補助脚部材を固定することができる。この構成によれば、例えば間口が4000mmを超えるような厨房台の場合は、厨房台の底面側四隅に設けられた脚部材だけでは、支持できない可能性もある。この場合には、人の目線からは見えない位置に補助脚部材を設けることで、浮遊感を感じられるデザインを損ねることなく、厨房台本体を支持することが可能となる。
【0033】
また、厨房体本体が、間口方向に横並びする複数の収納部を固定して一体化された収納ユニットである場合には、補助脚部材は、それら隣接する収納部の端部間をまたがる形で配置することができる。これにより、間口方向に横並びする収納部を効率的に支持できる。この場合、補助脚部材は、そのうちの一方の収納部に対し上端部が固定される一方、他方の収納部に対しては非固定で当該上端部の上に載置された状態とすることができる。これにより、以下のようにして、収納部を厨房台用架台上に効率的に載置することができる。即ち、補助脚部材の上端部半分が固定された収納部を、その補助脚部材の上端部の残り半分が厨房台の間口方向に露出する形で、厨房台用架台上に載置し、次の収納部を、その露出した補助脚部材上端部の残り半分に載置する形で配置することで、双方の収納部を支持した状態とする。これ以外の方法としては、厨房台用架台上に載置した収納部の底面に対し補助脚部材を固定する方法や、隣接する収納部の双方に対し予め補助脚部をネジ等で固定し、固定された複数の収納部を厨房台用架台上に載置するという方法が考えられるが、前者は裏面からのネジのねじ込み作業が困難であるし、後者は、収納部の数が増えるほど重くなるから厨房台用架台上に載置する作業が困難となる。上記した本発明の方法であれば、補助脚部材の上端部半分が固定された収納部を、1つ1つ厨房台用架台上に載置していくだけでいいので、作業効率が非常によい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の厨房台の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1の厨房台の正面図及び側面図。
【図3】本発明の厨房台用架台の第一実施形態を示す正面図。
【図4】図3の厨房台用架台の側面図。
【図5】図3の厨房台用架台の平面図。
【図6】図3の厨房台用架台の底面図。
【図7】図3のA−A部分拡大図。
【図8】図5のB−B断面拡大図。
【図9】図7のC−C断面拡大図。
【図10】図3の厨房台用架台の分解図。
【図11】脚部材の平面図及びその部分拡大図。
【図12】脚部材の正面図及びその部分拡大図。
【図13】図11のF−F断面図及びその部分拡大図。
【図14】図2のD−D部分拡大図及びE−E部分拡大図。
【図15】本発明の厨房台の第二実施形態を示す底面図。
【図16】補助脚部材の正面図、断面図、及び斜視図。
【図17】図3の実施形態とは異なる実施形態の厨房台用架台の部分断面拡大図。
【図18】厨房台用架台と厨房台本体との一体固定状態を示す斜視図。
【図19】補助脚部材を設ける場合において、厨房台用架台と厨房台本体との組み付け方法を説明する図。
【図20】補助脚部材を設ける場合において、厨房台用架台と厨房台本体との一体固定状態を示す斜視図。
【図21】本発明の厨房台において、補助脚部材を設けた実施形態を示す斜視図。
【図22】図21の厨房台の正面図及び側面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の厨房台及び厨房台用架台の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態である厨房台の斜視図であり、図2はその正面図及び側面図である。また、図3は、図1の厨房台に使用している厨房台用架台の正面図、図4はその側面図、図5はその平面図、図6はその底面図である。
【0037】
図1及び図2に示す厨房台1は、厨房家具の一つである厨房台であって、その本体部(厨房台本体)の一つである収納ユニット(フロアキャビネット)2と、該収納ユニット2を下側(底側)で支持するために床面400上に設置される4本の比較的細い脚部を有した厨房台用架台(厨房台支持部材:ここでは収納ユニット支持部材といえる)100と、を備える。本体部をなす収納ユニット2には、上面にシンク202及び加熱機器201が間口方向に横並びし、底面が四角形状を有している。ここでは、シンク202と加熱機器201の間に作業スペース203も設けられており、間口の広い厨房台1となっている。
【0038】
本体部をなす収納ユニット2の間口(即ち、厨房台1の間口)は、奥行き幅に対する2倍以上の長さを有する。本実施形態においては、奥行き幅が650mm以上(本実施形態では650mmや750mmを規格として有するものとする)であり、間口lは1300以上とすることができるが、実際には奥行き幅dが650mmで間口lが1500mm以上を有して構成されている。さらには間口lが1800以上、さらに間口lが2400mm以上、さらには4000mmとして構成しても、後述する本発明の構造とすることで、4本の細い脚部材101を有する形で十分に支持可能であることを確認している。つまり、間口の広いサイズであっても4本の細い脚部に支持できることが本発明の最大の特徴であり、間口が長ければ長いほど効果的である。
【0039】
収納ユニット2には、ワークトップをなす天板上にガスコンロ等の加熱機器201やシンク202、作業スペース203、水洗204が設けられるとともに、正面側(作業面側)には引出し等の収納部200が設けられ、複数の収納部が形成されている。なお、符号2Aは、収納ユニット2を正面(又は背面でもよい)側から被覆する化粧パネル(ここでは引出しの前板:開き戸等の戸板でもよい)であり、符号2Bは、収納ユニット2を側面側から被う化粧パネル(サイドパネルともいう)である。
【0040】
図3は、厨房台1に設けられた厨房台用架台100の正面図(背面図ともいえる)であり、図4はその側面図(左右共通)、図5はその平面図、図6はその底面図である。
【0041】
厨房台用架台100は、収納ユニット2を下側で支持するために、床面400上に設置される4本の脚部材101と、それら脚部材101を連結して一体化するための複数の連結フレーム部材103と、を備える。そして、脚部材101と連結フレーム部材103とのいずれか一方に設けられた差込口103hに対し他方に設けられた差込部112が差し込まれ、双方が嵌合した形で連結されており、さらにはネジ等の締結部材114a,114b(図13参照)により締結固定されることにより、それら全ての脚部材101と連結フレーム部材103とが一体化された1つの支持用の構造体となっている。
【0042】
本実施形態においては、収納ユニット2の底面外周の四隅の位置を脚部材101が支持するよう構成されており、各連結フレーム部材103は、それら各支持位置にある脚部材101のうち、該収納ユニット2の底面外周に沿って(外周の周方向において)互いが隣接する脚部材101と連結している。これにより、収納ユニット2の底面外周に沿った環状の構造体が形成されている。ここでは、収納ユニット2の底面が四角形状をなしているから、当該構造体も、図5及び図6に示すように、中央を四角形状に取り囲む環状形状を有している。ここでは、形状が共通となる4つの脚部材101と、2つの第一の連結フレーム部材103a(103)と、それよりも短い2つの第二の連結フレーム部材103b(103)とを有して構成されている。
【0043】
脚部材101は、収納ユニット2の底面外周の四隅の位置を支持するものである。ここでは、収納ユニット2の底面が四角形状をなしており、脚部材101は、該底面の各角部に配置された、収納ユニット2を支持する脚として機能している。脚部材101は、図12及び図13に示すように、予め定められた複数の水平方向に向かって延出する差込部112が設けられる上端部111と、上端部111から下方に延出する棒状の脚部(脚部材101の下部)110と、を備える。
【0044】
脚部110は、図7及び図8に示すように、少なくとも50mm以上215mm以下(ここでは50mm以上165mm以下)の一定高さhを有し、かつ水平断面が10mm以上30mm以下の直径rの外接円を有する形状とされている。さらに、本実施形態の脚部110は、図9に示すように、水平断面の外接円110よりも断面面積が小となる形状とされており、高さhは、50mm以上165mm以下とされ、水平断面の外接円の直径rは15mm以上18.5mmとされている。なお、水平断面の外接円の直径rの下限を上記で10mmとしているのは、それ以下とすると設置面(床面400等)に突き刺さる可能性を考慮するからであって、設置面上に問題なく載置できるのであれば、10mm以下でもよい。
【0045】
本実施形態においては、図9に示すように、脚部110を、厨房台用架台100に対して一体に見せ、なおかつより細く見せるために、脚部110を厨房台用架台100として一体に見たときの4つの角部の外側の面(図9の符号110b側の外周面)を、アールを有する湾曲面として形成してから、脚部110を角柱とした場合よりも丸い印象を有し、より細く見える。さらに、当該アール部分以外の部分を丸く削ぎ落とした断面形状となっており、脚部101の太さが一層引き立てられるデザインとなっている。また、本実施形態の脚部110は、その水平断面の外縁形状が、第一側の先端110aからその逆の第二側に向かうに従い滑らかに幅が広がる第一側湾曲形状と、第二側の先端110bからその逆の第一側に向かうに従い滑らかに幅が広がる第二側湾曲形状とを有した形状をなす。そして、第一側湾曲形状の先端110aにおける内接円の半径が、第二側湾曲形状の先端110bにおける湾曲形状の内接円の半径よりも小となる形で、第一側が細くなる略卵型の形状をなす。従来の脚部であれば、円柱状(例えば符号110’参照)に形成されることが多いが、ここではその円柱状の脚部から、余計な肉を削ぎ落とした、より細い形状とされている。脚部110は、その外周壁面の内側(収納ユニット2の底面中央側の表面)が、上方となるに従い、水平方向に延出する差込部112側に向けて湾曲し(反り)、上端部111の下面111mに滑らかに繋がっている。
【0046】
また、本実施形態の脚部110は、収納ユニット2の底面角部に位置しており、その水平断面の第一側の先端110aは、図9に示すように、収納ユニット2の底面中央を向き、第二側の先端110bがそれとは逆で収納ユニット2の底面角部から外を向く形で取り付けられている。そして、脚部110の第二側(符号110b側)の面は、上端部111の第二側の面も含めて同一の湾曲形状をなし、平面視及び底面視において同一の曲線として表れている(図11(a)の左下角部(平面視)や図9左下の角部(底面視))。また、脚部110の第二側(符号110b側)の面は、平面視及び底面視において、上端部111の第二側先端110bから外側にむけて湾曲する形で離間していき、その両端110c,110cから第一側(符号110a側)の湾曲形状をなす面へと切り替わる。
【0047】
また、本実施形態の脚部110は、図13に示すように、脚部上部110Aと脚部下部110Bを有し、高さ方向における互いの固定位置を調整可能である。これにより、脚部110全体の高さを調整することができる。具体的に言えば、脚部110の上部110A及び下部110Bのいずれか一方から他方に向けて突出するネジ部(ここでは脚部下部110Bの下端部110B2の上端から上方に突出するネジ部)110B1を、他方に形成されたネジ穴(ここでは脚部上部110Aの下端にて上方に開口するネジ穴)110A1にねじ込む形で固定されており、そのねじ込み量に応じて、脚部110の高さを所定範囲内(50mm以上215mm以下:ここでは50mm以上165mm以下)で調整することができる。なお、脚部下部110Bの下端部110B2には、その下端にて下方に開口する開口部が形成されている。
【0048】
本実施形態の上端部111は、図7に示すように、予め定められた水平な複数の方向に向かって延出するとともに、その先からは内に狭幅となる段差部を介して当該延出方向に向かってさらに突出する差込部112を有する。ここでは、図11(a)に示すように、差込部112は、収納ユニット2の底面角部から、直角をなす2つの外周方向に向けて水平に延出する突出部として形成され、上面視L字状の形状をなしている。
【0049】
差込部112は、図12(a)に示すように、その基端部(上端部側端部)112rにおいて、上下面112r1,112r2及び両側面112r3,112r4がそれぞれ互いに平行な平坦面として水平に延出する。そして、基端部112rから先は、図12(b)に示すように、先端部112sに向けて先細りの形状となっている。具体的に言えば、差込部112の基端部112rから先の上面112p1が、先端部112sに向けて角度θp1だけ下る傾斜面を有して形成される。また、差込部112の基端部112rから先の両側面(左右側面)112p3,112p4は、図11(b)に示すように、先端部112sに向かうほど内向きに角度θp3,θp4だけ傾斜する形で互いに接近する傾斜面を有して形成される。また、それら両側面(左右側面)112p3,112p4の先は、面取り面112tが形成され、さらに狭幅となっている。一方で、差込部112の基端部112rから先の下面112p2は、水平な平坦面として形成されている。これにより、差込口103hへの挿入が容易となるだけでなく、基端部112rまで挿入された状態とすることで、その連結強度が増す。なお、θp1,θp3,θp4は0.5°以上3°以下であり、ここでは1°とされている。
【0050】
連結フレーム部材103は、図10に示すように、直線状に延出し、なおかつ図8に示すように、内部が空洞となる筒形状をなした中空フレーム部材として形成されており、図12及び図13に示すように、その端部103Aがそのまま差込口103hとして利用されている。差込口103hは、差込部112の外周を(差込方向回りの面)にて取り囲む筒形状にて形成されるものであり、ここでは、差込部112が、収納ユニット2の底面角部から、互いに直角をなす2つの外周方向に向けて水平に延出する四角柱状突出部として形成されている。また、連結フレーム部材103は、ここでは断面四角形状の角パイプとして形成されており、差込口103hは、当該角パイプの端部103Aに相当し、四角柱状突出部を収容する四角形状の開口とされている。つまり、四角柱状に開口した差込口103hに、該開口の開口幅よりもわずかに狭い略同形の四角柱状の差込部112が嵌め込まれ、嵌合状態となる。なお、本実施形態においては、内部が空洞となる筒形状の連結フレーム部材103に対し、脚部材101は内部が充填された構造体(ただし脚部下部110Bは除く)とされ、高い剛性を有している。
【0051】
また、連結フレーム部材103は、図7に示すように、上面103nが平坦面として形成される一方で、脚部材101は、差込部112が設けられる上端部111の、該差込部112を除く上端面111nが平坦面として形成されており、該差込部112が連結フレーム部材103の端部103Aの差込口103hに差し込まれた際には、該連結フレーム部材103の上面103nと脚部材101の上端面111nとが面一でつながる。同様に、連結フレーム部材103は、下面103mが平坦面として形成される一方で、脚部材101は、差込部112が設けられる上端部111の、該差込部112を除く下端面111mが、脚部110の内壁面から続くなめらかな湾曲面として形成されており、該差込部112が連結フレーム部材103の端部103Aの差込口103hに差し込まれた際には、該連結フレーム部材103の下面103mと脚部材101の下端面111mとが滑らかに連続する形でつながる。さらに、図9に示すように、上端部111の外側側面(収納ユニット2の中央側とは逆の隣接する側面)111lの差込部112側も平坦面として形成されており、該差込部112が差込口103hに差し込まれた際には、該連結フレーム部材103の外側側面103lと上端部111の外側側面111lの側面側とが面一でつながる。これらにより、連結フレーム部材103と、脚部材101とからなる構造体に、連続性・一体感が生まれる。なお、図9に示すように、差込部112が差込口103hに差し込まれた際には、連結フレーム部材103aと連結フレーム部材103bの内側(収納ユニット2の中央側)の先端同士により角(ここでは直角)103oが形成されている。
【0052】
なお、差込口103hとなる部分(ここでは連結フレーム部材103の端部103A)には、図13(a)に示すように、その上面103nを形成する上面部103N及びその下面103mを形成する下面部103M(いずれかでもよい)にネジ部材114を挿通させる挿通孔113a,113bが予め設けられ、差込部112には、ネジ穴112a,112bが予め設けられている。そして、差込口103hに差込部112が差し込まれた状態において、図13(b)に示すように、挿通孔113a,113bを挿通する形でネジ穴112a,112bにネジ部材114a,114bをねじ込むことにより、差込口103hに差込部112が固定されている。本実施形態においては、差込部112には、その長さ方向において2か所、具体的に言えば、基端部112rと先端部112sとの双方にネジ穴112a,112bが設けられている。さらに、ネジ穴112a,112bは、それぞれの箇所(基端部112rと先端部112s)において複数ずつ(ここでは2個ずつ)存在する。ここでは、それらネジ穴112a,112bを、差込部112の幅方向に例えば2個ずつ並んで設けられている。
【0053】
また、本実施形態においては、各連結フレーム部材103が各脚部材101をつなぐ形で連結して一体となった状態(全ての連結フレーム部材103と差込部112が差込口103hに差し込まれた状態)において、連結された脚部材101と連結フレーム部材103の上には、スペーサ部材102が一体固定される。連結フレーム部材103がステンレスでできているため、例えばスチール製のスペーサ部材102を介在させることにより、金属ビス等の締結部材99を用いて収納ユニット2から厨房台用架台100への固定が容易となる。
【0054】
つまり、図18に示すように、スペーサ部材102と連結フレーム103部材と脚部材101とが一体化された環状の厨房台用架台100の最上面として環状の平坦面102n(図7参照)を形成する環状のスペーサ部材102上に、収納ユニット(厨房台本体)2が面接触する形で載置され、その上で、締結部材99を、該収納ユニット(厨房台本体)2の底部を形成する底板2Dに対し上方からスペーサ部材102まで到達させることにより、双方が一体に固定される。ここでは、収納ユニット2の底部2Dを、その外周に沿って、締結部材99で固定していく。具体的にいえば、スチール製のスペーサ部材102上に収納ユニット(厨房台本体)2を載置した状態で、金属用ビス99を、該収納ユニット2の底部を形成する底板の、該スペーサ部材との面接触領域に対し、上方からスペーサ部材102まで到達するまでねじ込むことにより、双方が一体に固定された一体構造体となっている。これにより、厨房台用架台100と収納ユニット2も一体化されて双方の一体構造体が形成される。底板2Dの上方から金属用ビス等の締結部材99を固定していくだけであるから、固定作用としては比較的容易である。
【0055】
スペーサ部材102は、図10(a)に示すように、収納ユニット2の底面外周に沿った環状のフレーム部材であって、これを連結フレーム部材103の上面103nに対し一体に固定、例えば溶接固定することにより、それら3部材101,102,103の一体性を増すようにしている。本実施形態のスペーサ部材102は、中央を四角形状に取り囲む環状形状を有し、環状の上面102mが平坦面をなし、環状の下面102nも平坦面をなしている(図7及び図8参照)。ここでは、長辺をなす互いに平行な2つの第一のフレーム部102a(102)と、それよりも短辺をなす互いに平行な2つの第二のフレーム部102b(102)とが溶接等で一体固定されて形成されている。また、これら第一のフレーム部102a及び第二のフレーム部102bは、連結フレーム部材103と同様、直線状に延出し、なおかつ図8に示すように内部が空洞となる筒形状をなした中空フレーム部材(ここでは断面四角形状の角パイプ)にて形成されている。そして、この中空フレーム部材をなすスペーサ部材102は、同じく中空フレーム部材をなす連結フレーム部材103の上に一体固定されることで、厨房台用架台100は、中空フレーム部材の二段重ね構造を有した構造となり、その強度を増している。
【0056】
また、本実施形態のスペーサ部材102は、図5及び図8に示すように、環状に形成された連結フレーム部材103に対し内側に偏った位置に一体に固定される環状のフレーム部材であり、その外周面102kが、図14に示すように、その上に設置される収納ユニット2の外縁位置2a,2bよりも内側に位置するように構成できる。また、本実施形態のスペーサ部材102は、図14に示すように、その外周面102kが収納ユニット2の外縁位置2a,2bよりも内側に位置する一方で、連結フレーム部材103は、その外周面103kがスペーサ部材102の外周面102kよりも外側に位置し、収納ユニット2の外縁位置2a,2bと一致し、面一となっている。
【0057】
具体的に言えば、図14(a)に示すように、本実施形態の収納ユニット2の左右方向における外縁位置は、サイドパネル2Bの露出表面2bの位置であり、スペーサ部材102の外周面102kは、それよりも内側に引っこんだ、サイドパネル2Bの裏面(収納ユニット2の本体との固定面)の位置2jに存在し、収納ユニット2の本体底部2Dの底面外周を被覆する形で取り付けられる。また、図14(b)に示すように、本実施形態の収納ユニット2の前後方向における外縁位置は、正面又は背面を被覆する板部材(例えば収納部を手前側で被覆する引出しの前板や戸板)2Aの露出表面2aの位置であり、スペーサ部材102の外周面102kは、それよりも内側に引っこんだ、板部材2Aの裏面(収納ユニット2の本体との固定面)の位置2iに存在し、収納ユニット2の本体底部2Dの底面外周面を被覆する形で取り付けられる。他方、連結フレーム部材103と脚部材101の外周面103k,101kは、収納ユニット2の外周面となる露出面2b、2aに一致する位置にある。なお、収納ユニット2の底部2Dの外周面2Dkは、スペーサ部材102の外周面102kと同一の平面をなすように形成されるものの、両者の間には材質の違いから境界線が見えてしまうためデザイン性を損ねる可能性がある。このため、収納ユニット2の底部外周面2Dkとスペーサ部材102の外周面102kとにまたがる形で化粧薄板材105を貼り付けることにより、デザイン性の低下を防いでもよい。
【0058】
本実施形態においては、脚部材101と連結フレーム部材103の表面(露出面)の見え方が同様となるよう形成されており、これにより、脚部材101と連結フレーム部材103に一体感を生み出し、個別の存在感を希薄化している。ここでは、連結フレーム部材103がステンレス製とされる一方で、脚部材101は、亜鉛ダイキャストにて形成され、その表面(露出面)がステンレス色の鏡面クロームメッキ仕上げとされている。脚部材101がメッキ仕上げとされることで、脚部110への周囲の映り込みが生じている。
【0059】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0060】
例えば、収納ユニット2が左右方向に極端に長いような場合(例えば間口3640mm以上の場合)、左右の底面角部の脚部材101のみで収納ユニット2を支持するには、強度的に不足する場合がある。こうした場合は、例えば図15に示すように、収納ユニット2の底面中央部の位置に補助脚部材3を設けて、これが底面角部の脚部材101と共に収納ユニット2を支持するように構成してもよい。これにより、人が立った時に目線からは補助脚部材3は視認されない。
【0061】
図15では、収納ユニット2の底面外周に沿った環状のフレーム部材として形成された連結フレーム部材103の内側において、当該収納ユニット2の底面2Cに直接、その底面2Cを支持するために床面400上に設置される補助脚部材3A(3)が、例えばネジなどの締結部材により固定されている。
【0062】
なお、図16に示すように、補助脚部材3(3A,3B)も、脚部材101と同様、脚部上部32と脚部下部33を有し、高さ方向における互いの固定位置を調整可能である。具体的に言えば、脚部3の上部32及び下部33のいずれか一方から他方に向けて突出するネジ部(ここでは脚部下部33の上端部)331を、他方に形成されたネジ穴(ここでは脚部上部32の下端にて上方に開口するネジ穴)321にねじ込む形で固定されており、そのねじ込み量に応じて、脚部3の高さを調整することができる。なお、脚部下部33は、下端部332が筒状に形成されており、下端にも下方に開口する開口部を有する。脚部上部32における上端部31は、当該脚部上部32のねじ穴322に対し上方からネジ等の締結部材30により一体固定されており、収納ユニット2の底面2Cや内側フレーム部104に対し、ネジ等の締結部材3bにより、固定することができる。
【0063】
ここで、補助脚部材3を用いる場合に、厨房台本体をなす収納ユニット2と、厨房台用架台100とをどのように組み付けるかを説明する。図19に示すように、収納ユニット2は、複数の収納部200(図19及び図20の収納部200は引出し等が取り付けられてない未完成状態の収納部200’:図18も同様)を間口方向に横並びして配置され、最終的には、それらの側板同士をネジ等の締結部材98(図20参照:図18も同様)によって締結固定することにより一体化される。補助脚部材3を用いない場合は、それら収納部200’(200)をそれぞれ厨房台用架台100のスペーサ部材102上に、間口方向に横並びとなるよう順々に載置し、その上で、隣接する収納部200’(200)の側板同士を締結固定すればよい。
【0064】
ただし、補助脚部材3を用いる場合には、1つの収納部200’(200)の底面2Cの側方の端縁部中央に対し補助脚部材3の上端部31(図16参照)の上面3aの突出側(ねじ孔311側)を接触させ、残りの逆側の面を露出させる形で配置し、上端部31の底面2Cとの接触側にて、底部(底板)2Dに対し締結部材3bにより締結固定する。その上で、図19のように、収納部200’(200)を厨房台用架台100のスペーサ部材102上に配置する。さらに、同様にして補助脚部材3が一体固定された収納部200’(200)を、その一方の側方側底面2Cを、先に配置した収納部200’(200)に一体固定された補助脚部材3の、露出する上面3a上に載置する形で配置し、互いの側板同士を密着した形でネジ等の締結部材98(図20参照)によって締結固定する。そして、これを繰り返す形で収納部200’(200)を組み付けていき、最終的には図20のような形に仕上がる。そして、引出しや天板、サイドパネル等を設けることにより、図21及び図22に示すような形となる。このとき、補助脚部材3は、図21及び図22に示すよう人の目線からは見えない。また、補助脚部材3は、収納部200と収納部200にまたがって配置されるため、それら収納部をバランスよく支持することができる。
【0065】
また、上記実施形態においては、スペーサ部材102を用いて厨房台用架台100を形成しているが、スペーサ部材102を省略し、連結フレーム部材103及び脚部材の上面にまたがる形で厨房台本体2を一体固定してもよい。
【0066】
また、上記実施形態においては、脚部材101に差込部112が、連結フレーム部材103に差込口103hが形成されているが、図17に示すように、脚部材101に差込口212hが、連結フレーム部材203に差込部202が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 厨房台(厨房家具)
2 収納ユニット(厨房台本体)
200 収納部
400 床面
100 厨房台用架台(収納ユニット支持部材)
101 脚部材
103 連結フレーム部材
103h 差込口
112 差込部
111 上端部
110 脚部
102 スペーサ部材
3 補助脚部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にワークトップを有し、底面が四角形状をなす厨房台本体を備える厨房台であって、
厨房台本体を底面側の四隅で支持するために床面上に設置される4本の脚部材と、
それら脚部材を連結して一体化するために各々が厨房台本体底面の外周に沿って配置される4本の連結フレーム部材と、
を備えるとともに、前記脚部材と前記連結フレーム部材とのいずれか一方に設けられた連結用の差込口に対し、他方に設けられた差込部が差し込まれる形で双方が嵌合する形で連結され、さらに締結部材によって双方が締結固定されることにより、それら全ての脚部材と連結フレーム部材とが一体化された一体構造体をなす厨房台用架台が形成され、さらに、
当該厨房台用架台の上に、前記厨房台本体を面接触する形で載置され、当該面接触部において一体に固定されることにより、全体が1つの構造体として一体化されていることを特徴とする厨房台。
【請求項2】
前記厨房台本体は、奥行き幅の2倍以上の間口を有する一方で、
前記脚部材は、その下部に、少なくとも50mm以上の高さを有し、なおかつ水平断面が直径10mm以上30mm以下の外接円を有する形状をなす請求項1に記載の厨房台。
【請求項3】
前記連結フレーム部材は、前記厨房台本体の底面側の四隅にある脚部材のうち、該厨房台本体の底面外周に沿って互いに隣接するもの同士を互いに連結するよう直線状に延出する部材である請求項1又は請求項2に記載の厨房台。
【請求項4】
前記連結フレーム部材は、筒形状にて形成された中空フレーム部材であり、その端部の開口がそのまま前記差込口とされている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項5】
前記差込部は、前記厨房台本体の底面外周方向に向けて水平に延出する四角柱状突出部として形成され、前記差込口は、当該四角柱状突出部が収容される四角形状の開口として形成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項6】
前記差込部は、その先端部が先細りのテーパー形状を有する一方で、その逆側の基端部においては、上下面及び両側面がそれぞれ互いに平行な平坦面として水平に延出した直方体状をなしている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項7】
前記厨房台用架台は、連結された前記脚部材と前記連結フレーム部材のそれぞれの上面をまたがる形で載置され、それぞれに対し一体に固定されるスペーサ部材を備え、当該スペーサ部材と、全ての前記脚部材及び前記連結フレーム部材とが一体化された一体構造体となっている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項8】
前記連結フレーム部材は、各々が、前記厨房台本体の底面側四隅に位置する前記脚部材をつなぐ形で連結し、それら脚部材を含む全体が前記厨房台本体の底面外周に沿って環状に配置される一方、
前記スペーサ部材は、前記厨房台本体の底面外周に沿った1つの環状のフレーム部材として形成されており、前記連結フレーム部材及び前記脚部材の上面に対し環状の接触面を有する形で一体に固定される請求項7に記載の厨房台。
【請求項9】
前記スペーサ部材は、環状に形成された前記連結フレーム部材に対し内側に偏った位置に一体に固定される環状のフレーム部材であり、その外周面が、その上に設置される厨房台本体の外縁位置よりも内側に位置している請求項8に記載の厨房台。
【請求項10】
前記スペーサ部材は、その外周面が前記厨房台本体の外縁位置よりも内側に位置する一方で、前記連結フレーム部材は、その外周面が前記スペーサ部材の外周面よりも外側に位置し、前記厨房台本体の外縁位置と一致している請求項9に記載の厨房台。
【請求項11】
前記厨房台用架台上に、前記厨房台本体が載置され、締結部材により双方が一体に固定された一体構造体となっている請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項12】
前記連結フレーム部材は、ステンレス製であり、前記脚部材は、亜鉛ダイキャストにて形成され、表面をステンレス色とする仕上げが施されている請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項13】
前記脚部材は、前記下部が棒状の脚部として形成されており、当該脚部の水平断面の外縁形状は、第一側において、その先端からその逆の第二側に向かうに従い滑らかに幅が広がる湾曲形状をなし、第二側においても、その先端からその逆の第一側に向かうに従い滑らかに幅が広がる湾曲形状をなすとともに、第一側における先端の湾曲形状の内接円の半径が、第二側における先端の湾曲形状の内接円の半径よりも小となっている請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項14】
請求項8に記載の要件を備え、前記連結フレーム部材は、前記厨房台本体の底面外周に沿った環状のフレーム部材として形成されており、その内側において、当該厨房台本体の底面に、その底面を支持するために床面上に設置される補助脚部材が固定される請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の厨房台。
【請求項15】
前記厨房体本体は、間口方向に横並びする複数の収納部を固定して一体化された収納ユニットであり、前記補助脚部材は、それら隣接する収納部の端部間をまたがる形で配置され、そのうちの一方の収納部に対し上端部が固定される一方、他方の収納部に対しては非固定とされ、上端部の上に載置された状態となっている請求項14に記載の厨房台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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