説明

厨房設備

【課題】加熱器の加熱によってキッチン台内に滞留した温気を有効利用することができる厨房設備を提供すること。
【解決手段】キッチン台2と、キッチン台2に設けられる加熱器5と、加熱器5の加熱により生じた調理廃ガスを排気可能な排気装置7と、を備える厨房設備1であって、加熱器5から放出される温気を吸入する吸入口12aを有し、温気を排気装置7に向けて排気するための通気路8a,9a,12がキッチン台2内より排気装置7まで設けられ、通気路8a,9a,12の少なくとも一部が、収納物11を収納するための収納庫8a,9aとして構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン台と、キッチン台に設けられる加熱器と、加熱器の加熱により生じた調理廃ガスを排気する排気装置と、収納物を収納するための収納庫と、を備える厨房設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キッチンカウンタ(キッチン台)に鍋等を加熱する調理部(加熱器)と、食器等の収納物を収納可能な引き出し(収納庫)及び食器等を洗浄するシンク部とを備えるとともに、調理部の上方に換気扇(排気装置)を設け、調理部での調理中に生じる調理廃ガスを換気扇から排気するようになっている厨房設備がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−334240号公報(第6頁、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の厨房設備にあっては、シンク部で洗浄した食器(収納物)を引き出し(収納庫)に収納するには、引き出し内の衛生面を維持するために、使用者が食器に付着した水滴を布巾等で拭き取ってから食器を引き出しに収納する必要があり、収納手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、収納手間をかけずとも収納庫内の衛生面を維持することができる厨房設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の厨房設備は、
キッチン台と、該キッチン台に設けられる加熱器と、前記加熱器の加熱により生じた調理廃ガスを排気可能な排気装置と、収納物を収納するための収納庫と、を備える厨房設備であって、
前記加熱器から放出される温気を吸入する吸入口を有し、該温気を前記排気装置に向けて排気するための通気路が前記キッチン台内より前記排気装置まで設けられ、前記収納庫の少なくとも一部が、前記通気路に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、加熱器が加熱することでキッチン台内に滞留する温気を排気装置によって通気路を介して排気する際に、排気される温気を利用して収納庫に収納されている収納物の乾燥が行われ、収納物の乾燥時間を短縮することができるため、収納物の水滴等を拭き取る必要が無いばかりか、加熱器で生じる熱エネルギーを有効に利用することができる。
【0007】
本発明の厨房設備は、
前記排気装置は、前記加熱器の上方に設けられるとともに、前記通気路は、前記キッチン台から略垂直方向に向けて立設された縦フレーム内に配設されており、前記縦フレーム内における前記通気路が縦型収納庫に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、縦型収納庫が垂直方向を向くため、上下方向に縦型収納庫内を移動する温気に収納物をむら無く当てることができ、収納物の乾燥時間をより短縮することができるばかりか、キッチン台を使用している使用者が、キッチン台を使用している姿勢のまま縦型収納庫で収納物を出納することができるので、使用者の身体にかかる負担を軽減させることができる。
【0008】
本発明の厨房設備は、
前記排気装置は、前記加熱器の直上方に配置されているとともに、前記縦フレームの上端部から前記排気装置まで水平方向に横フレームが延設されており、該横フレーム内における前記通気路が横型収納庫に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、加熱器の加熱で発生した調理廃ガスを排気装置まで導くダクト等を設けることなく排気することができるとともに、縦型収納庫に加えて横型収納庫が横フレーム内に形成されることで収納物の収納量を増加させることができる。
【0009】
本発明の厨房設備は、
前記通気路には、前記キッチン台を照らす照明装置が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置で生じる発熱によって収納物の乾燥時間を更に短縮することができる。
【0010】
本発明の厨房設備は、
前記排気装置は、前記調理廃ガスのみの排気と、該調理廃ガス及び前記温気の排気と、前記温気のみの排気と、のいずれかを選択可能な選択手段を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、選択手段を操作することにより排気の態様を適宜選択可能とし、排気装置の使用における自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例における厨房設備を示す斜視図である。
【図2】キッチン台とフレーム部材とレンジフードとを示す断面図である。
【図3】図2におけるキッチン台とフレーム部材とのA−A断面図である。
【図4】縦型収納庫と横型収納庫との開方状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る厨房設備を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0013】
実施例に係る厨房設備につき、図1から図4を参照して説明する。以下、図2の紙面手前側及び図3の紙面左側をキッチン台の正面側(前方側)とし、キッチン台の正面側と向かい使用者の左右側をキッチン台の左右側として説明する。
【0014】
図1の符号1は、本発明における厨房設備としてのシステムキッチンである。図1及び図2に示すように、このシステムキッチン1は、使用者が調理や食器の洗浄等を行うためのキッチン台2を備えている。
【0015】
このキッチン台2は、右端部を室内の壁面Wに当接して配置されている。このため、本実施例のシステムキッチン1は、キッチン台2が壁面Wから水平方向に突き出たペニンシュラ型に構成されている。
【0016】
キッチン台2の上部左側には、使用者が食器等を洗うのに使用するシンク部3が設けられており、上部中央はキッチン台2上での作業スペース4、上部右側は調理を行うための本発明における加熱器としてのコンロ部5が設けられている。また、キッチン台2の下部は内部が中空に形成され、食器や食材等を収納しておくための、本発明の収納庫を構成する収納部6が複数設けられている。
【0017】
キッチン台2のコンロ部5の直上方には、コンロ部5で鍋等を加熱した際に発生する調理廃ガスを屋外へ排気するための本発明における排気装置としてのレンジフード7が配置されている。このレンジフード7の右端部は壁面Wに当接支持されている。また、レンジフード7の内部には、コンロ部5の上方から調理廃ガスを排気するための排気ファン7aが設けられているとともに、この排気ファン7aによって吸気された調理廃ガスを屋外に排気するための図示しない排気ダクトが接続されている。
【0018】
尚、レンジフード7の下端部には、調理廃ガスに含まれる油脂等のレンジフード7内への侵入を防止するフィルター7bが取り付けられている。このため、排気ファン7aに調理廃ガスに含まれる油脂等が付着することによって排気ファン7aの吸気性能が低下してしまうことが防止されている。
【0019】
キッチン台2の左端部からは、縦フレーム8が垂直方向に向けて立設されている。更に、この縦フレームの上端部からは、レンジフード7に向けて床面と平行にフレーム部材の一部を構成する横フレーム9が延設されており、横フレーム9の先端部はレンジフード7に接続されている。また、横フレーム9には、キッチン台2を上方から照らす照明装置10が設けられている。この照明装置10は、内部に図示しない白色発光ダイオードを複数備えており、これら白色発光ダイオードの点灯回路10aは、後述する横フレーム9の横型収納庫9a内に収納配置されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、フレーム部材の一部を構成する縦フレーム8の内部は、調理具や食器等の収納物11を収容するために、上下方向に長寸の中空状である縦型収納庫8aに形成されている。この縦型収納庫8a内の下部にはメッシュ状の底板8bが設けられており、左内側面には、お玉等の比較的細長い形状の収納物11を吊持するためのフック8cが複数取り付けられている。また、縦型収納庫8a内には、布巾等の布状の収納物を吊持するための円筒材8dが前後方向にかけて渡設されている。
【0021】
尚、底板8b上には、収納物11から滴下する雫を受ける図示しない水受トレーを配置してもよい。この場合には、後述する温気が水受トレーの周囲を通過可能なように底板8bよりも小さいサイズの水受トレーを配置する。
【0022】
更に、縦フレーム8の右側部には、縦フレーム8の前後方向に向けてスライド移動するスライド扉8eが設けられており、使用者はこのスライド扉8eを前後動させることで縦型収納庫8aを開閉し、縦型収納庫8aから収納物11を出納することができるようになっている。尚、このスライド扉8eは、スライド移動することで縦型収納庫8aを開閉可能であればスライド方向は上下方向であってもよい。
【0023】
図2に示すように、縦フレーム8の下端部からは、キッチン台2内のコンロ部5の近傍に向けて吸気管12が延設されている。この吸気管12のコンロ部5側の先端部には、コンロ部5の加熱によって熱せられ、キッチン台2内に滞留する温気を吸気するための吸入口12aが形成されている。
【0024】
尚、本実施例におけるキッチン台2内は、全体で大きな1つの空間に形成されているが、特に図示しないが、キッチン台2内が収納部6毎に仕切板等で仕切られている場合には、これら仕切板に貫通孔を形成するとともに、貫通孔に吸気管12を挿通させ、吸入口12aをコンロ部5の近傍に配置してもよく、或いは、吸入口を縦型収納庫8aの下方に形成し、仕切板に形成された貫通孔を介して前記吸入口でコンロ部5の近傍から温気を吸気するようにしてもよい。
【0025】
横フレーム9の内部は、縦フレーム8と同様に、調理具や食器等の収納物11を収容するために左右方向に長寸の中空状である横型収納庫9aが形成されている。この横型収納庫9a内の下部における横型収納庫9aの底面の上方には、メッシュ状の底板9bが設けられており、この底板9b上に収納物11を載置可能となっている。
【0026】
尚、横型収納庫9aの底面上には、前述した照明装置10の点灯回路10aが配置されている。このため、点灯回路10aの発熱は、底板9bの上方まで放射されるようになっている。点灯回路10aは、銅やアルミニウム等の熱伝導率の高い材質で構成された箱体内に格納することで、底板9b上に載置された収納物11から落下する水滴の付着を防止しながら、効率よく点灯回路10aの発熱を放射するようにすることが望ましい。
【0027】
図3及び図4に示すように、横フレーム9の正面側には、横フレーム9の左右側端部で左右方向を向く枢軸によって枢支されたフラップ扉9cが設けられている。このフラップ扉9cの正面上部には、使用者が把持するための把手9dが取り付けられており、使用者がこの把手9dを把持した状態でフラップ扉9cを正面側に引き倒すことで横型収納庫9a内から収納物11を出納することができるようになっている。
【0028】
尚、本実施例では、このように横フレーム9の正面側に設けられたフラップ扉9cを開閉することで収納物11を横型収納庫9aから出納しているが、横型収納庫9aの底面を構成する板材を設け、この板材を横型収納庫9aの下方にスライド移動可能に吊持して上下動させることで横型収納庫9a内から収納物11を出納してもよい。
【0029】
横型収納庫9a内は、左下端部において縦型収納庫8a内と連通しているとともに、右端部において形成された連通口9eを介してレンジフード7内とも連通している。即ち、連通口9eと吸気口12aとは、縦型収納庫8aと横型収納庫9a及び吸気管12を介して連通している。
【0030】
図2に示すように、横型収納庫9a内と連通するレンジフード7側の連通口9eには、この連通口9eを電気駆動により開閉可能な本発明における選択手段としての開閉弁13が取り付けられている。この開閉弁13の開閉スイッチSは、図1に示すように、排気ファン7aの図示しない電源スイッチとともにレンジフード7の正面下部に配置されている。尚、特に図示しないが、横型収納庫9a側の連通孔9eをフィルター7bの下方周辺に配置し、レンジフード7に連通孔9eを形成する加工を施さずに済むようにしてもよい。
【0031】
前述のようにシステムキッチン1を構成することによって、図2に示すように、使用者が排気ファン7aが駆動されている状態で開閉スイッチSを操作して開閉弁13を開放すると、排気ファン7aによって吸入口12aからキッチン台2内に滞留している温気が吸気されるようになっている。吸気された温気は、吸気管12から縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内とを移動する際に、各収納庫8a,9aに収納されている収納物11に当たり、収納物11の乾燥時間を短縮する。つまり、本実施例における吸気管12と縦型収納庫8aと横型収納庫9aとは、本発明における通気路を構成している。
【0032】
特に、横型収納庫9a内においては、点灯回路10aの発熱によって温気の再加熱がなされ、吸気管12と縦型収納庫8a内とを通過したことで失った熱を補充できるようになっている。
【0033】
尚、特に図示しないが、レンジフード7の下部にフィルター7bを開閉する開閉弁を更に設け、この開閉弁を開閉スイッチSから操作可能に接続することで、連通孔9e側の開閉弁13を開放するとともに、フィルター7b側の開閉弁を閉塞し、温気による縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内に収納されている収納物11の乾燥のみを行うようにしてもよい。また、コンロ部5を使用していない場合であっても、通孔9e側の開閉弁13を開放するとともに、フィルター7b側の開閉弁を閉塞した状態で排気ファン7aを駆動することで、キッチン台2内の換気を行い、キッチン台2内の湿気を除去してもよい。
【0034】
このように、レンジフード7の下部にフィルター7bを開閉する開閉弁を更に設けることで、排気ファン7aの駆動によって調理廃ガスのみの排気と、調理廃ガス及び温気の排気と、温気のみの排気と、のいずれかを選択可能となるので、両開閉弁を操作することにより排気の態様を適宜選択可能とし、レンジフード7の使用における自由度を向上させることができる。
【0035】
以上、本実施例におけるシステムキッチン1にあっては、キッチン台2と、キッチン台2に設けられるコンロ部5と、コンロ部5の加熱により生じた調理廃ガスを排気可能なレンジフード7と、収納物11を収納するための収納庫と、を備えるシステムキッチン1であって、コンロ部5から放出される温気を吸入する吸入口12aを有し、温気をレンジフード7に向けて排気するための通気路がキッチン台2内よりレンジフード7まで設けられ、収納庫の少なくとも一部が、通気路に設けられているので、コンロ部5が加熱することでキッチン台2内に滞留する温気をレンジフード7によって通気路を介して排気する際に、排気される温気を利用して収納庫に収納されている収納物11の乾燥が行われ、収納物11の乾燥時間を短縮することができるため、収納物11の水滴等を拭き取る必要が無いばかりか、コンロ部5で生じる熱エネルギーを有効に利用することができる。
【0036】
また、レンジフード7は、コンロ部5の上方に設けられるとともに、通気路は、キッチン台2から略垂直方向に向けて立設された縦フレーム8内に配設されており、縦フレーム8内における通気路が縦型収納庫8aに構成されているので、縦型収納庫8aが垂直方向を向くため、上下方向に縦型収納庫8a内を移動する温気に収納物11をむら無く当てることができ、収納物11の乾燥時間をより短縮することができるばかりか、キッチン台2を使用している使用者が、キッチン台2を使用している姿勢のまま縦型収納庫8aで収納物11を出納することができるので、使用者の身体にかかる負担を軽減させることができる。
【0037】
また、レンジフード7は、コンロ部5の直上方に配置されているとともに、縦フレーム8の上端部からレンジフード7まで水平方向に横フレーム9が延設されており、横フレーム9内における通気路が横型収納庫9aに構成されているので、コンロ部5の加熱で発生した調理廃ガスをレンジフード7まで導くダクト等を設けることなく排気することができるとともに、縦型収納庫8aに加えて横型収納庫9aが横フレーム9内に形成されることで収納物11の収納量を増加させることができる。
【0038】
また、通気路には、キッチン台2を照らす照明装置10が設けられているので、照明装置10で生じる発熱によって収納物11の乾燥時間を更に短縮することができる。
【0039】
また、レンジフード7は、調理廃ガスのみの排気と、調理廃ガス及び温気の排気を選択可能な開閉弁13を備えているので、レンジフード7が調理廃ガスと温気との双方を排気することで生じるレンジフード7の排気能力の低下を防ぐことができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、厨房設備をペニンシュラ型のシステムキッチン1として説明したが、キッチン台2内に滞留した温気によって通気路に設けられた収納庫内の収納物11の乾燥時間を短縮することができれば、システムキッチン1の形態は特に問わない。
【0042】
また、前記実施例では、レンジフード7を壁面Wで支持させたが、レンジフード7の設置位置はコンロ部5からの調理廃ガスを排気可能であれば天井等から吊持するようにしてもよく、この場合には、実施例に挙げたペニンシュラ型の他、アイランド型のシステムキッチンにも本発明を適用することができる。
【0043】
また、前記実施例では、照明装置10として白色発光ダイオードを複数備え、これら白色発光ダイオードの点灯回路10aの発熱を底板9bの上方まで放射させたが、底板9bの上方まで照明装置10の発熱を放射することが可能であれば、照明装置10は白色電球や蛍光灯等を用いてもよい。
【0044】
また、前記実施例では、縦型収納庫8a内にフック8cによってお玉等を吊持させたが、俎板等の縦方向に長寸な収納物を縦型収納庫8a内に立て掛けて収納してもよい。このように収納物を縦型収納庫8a内に収納することで、横型収納庫9a内に収納物を寝かせて配置するよりも収納物と底板8bとの接触面積を小さくし、より収納物の乾燥時間を短縮するようにしてもよい。
【0045】
また、前記実施例では、縦型収納庫8a内にフック8cによってお玉等を吊持させたが、吸気管12における底板8bの直下にキッチン台2の外方に連通するドレン管を接続することで、収納物11から滴り落ちる水滴を効率よくドレン管からキッチン台2外に排水するようにしてもよい。
【0046】
また、前記実施例では、縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内とに収納物11を収納したが、シンク部3に給水をおこなうための給水管を縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内とに配管することで、システムキッチン1の外面視から給水管を隠蔽しつつ、縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内とで給水管の水と温気とに熱交換を行わせ、シンク部3における給水温度を若干上昇させるようにしてもよい。
【0047】
また、前記実施例では、レンジフード7内に排気ファン7aを設け、この排気ファン7aを駆動させることでキッチン台2内の温気で縦型収納庫8a内と横型収納庫9a内とに収納されている収納物11を乾燥させたが、排気ファンをレンジフード7から分離して横フレーム9の任意の位置の下部に設けるとともに、この排気ファンからレンジフード7内に向けて通気管を設ける構成にしてもよい。このような構成とすることで、排気ファンを駆動させることでコンロ部5で鍋等を加熱した際に発生する調理廃ガスを吸気し、通気管内の調理廃ガスと通気路である横型収納庫9a内の雰囲気とで熱交換を行わせ、調理廃ガスが有する熱で横型収納庫9a内に収納されている収納物11を乾燥させることができる。また、この場合、シンク部3で温水を使用した際に発生する温気を捕獲し横型収納庫9aに吸引可能な構造とすれば、シンク部3で発生する温気も横型収納庫9a内に収納されている収納物11を乾燥させるために使用することができ、かつシンク部3で発生した温気を排気することもできる。
【0048】
また、前記実施例では、コンロ部5の加熱によって熱せられ、キッチン台2内に滞留する温気を吸気することで横型収納庫9a内に収納された収納物11を乾燥させたが、シンク部3の上方である横フレーム9の下部に開口を設け、シンク部3で温水を使用した際に発生する温気を前記開口を介して横型収納庫9a内に導入し、横型収納庫9a内に収納されている収納物11を乾燥させるために使用してもよい。
【0049】
尚、前述の鍋等を過熱した際に発生する調理廃ガスや温水を使用した際に発生する温気を乾燥に使用する場合は、蒸気を含むため、該蒸気が収納物11と接触して湿潤させないように、熱交換させた温気で間接的に乾燥させることは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1 システムキッチン(厨房設備)
2 キッチン台
5 コンロ部(加熱部)
7 レンジフード(排気装置)
8 縦フレーム
8a 縦型収納庫(通気路)
9 横フレーム
9a 横型収納庫(通気路)
9b 底板
10 照明装置
10a 点灯回路
11 収納物
12 吸気管(通気路)
12a 吸入口
13 開閉弁(選択手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチン台と、該キッチン台に設けられる加熱器と、前記加熱器の加熱により生じた調理廃ガスを排気可能な排気装置と、収納物を収納するための収納庫と、を備える厨房設備であって、
前記加熱器から放出される温気を吸入する吸入口を有し、該温気を前記排気装置に向けて排気するための通気路が前記キッチン台内より前記排気装置まで設けられ、前記収納庫の少なくとも一部が、前記通気路に設けられていることを特徴とする厨房設備。
【請求項2】
前記排気装置は、前記加熱器の上方に設けられるとともに、前記通気路は、前記キッチン台から略垂直方向に向けて立設された縦フレーム内に配設されており、前記縦フレーム内における前記通気路が縦型収納庫に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の厨房設備。
【請求項3】
前記排気装置は、前記加熱器の直上方に配置されているとともに、前記縦フレームの上端部から前記排気装置まで水平方向に横フレームが延設されており、該横フレーム内における前記通気路が横型収納庫に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の厨房設備。
【請求項4】
前記通気路には、前記キッチン台を照らす照明装置が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の厨房設備。
【請求項5】
前記排気装置は、前記調理廃ガスのみの排気と、該調理廃ガス及び前記温気の排気と、前記温気のみの排気と、のいずれかを選択可能な選択手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の厨房設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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