説明

反射器を有する硬化ライト

本発明は、歯科用の光硬化性合成材料を硬化させるために適した硬化ライト装置に関する。該装置は、実質的に中空の内部、末端部、基端部を有し、前記末端部の方の部分がハンドルとして機能する。前記ハウジング内の所望の場所にライトモジュールが収納され、少なくとも1つの光源と、該光源からの光の方向を決めおよび/または集光する少なくとも1つの反射器と、光源からの熱を散らすために光源近くに配置する少なくとも1つのヒートシンクとを有する。前記反射器、および反射器が取り付けられるハウジングの部分は、実質的に同じ熱膨張率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光活性合成材料を硬化させるための硬化ライトに関する。特に、本発明は、反射器を有する硬化ライトに関する。
【背景技術】
【0002】
歯の修復および修理の分野で、歯の空洞はしばしば可視光およびまたは紫外光に感光性のある化合物で充填および/またはシールされる。一般的に光硬化性化合物として知られるこれらの化合物は、空洞化の下処理内部または歯の表面上に置かれ、歯科用の硬化ライトからの光に露光されると硬化する。
【0003】
光源からの光を患者の口の中に向かわせるために、多くの光硬化装置が反射器を伴って構成され、作られてきた。光源は、ランプ、ハロゲン球、または発光ダイオード(LED)である。
【0004】
使用される反射器は通常殆どが金属で作られる。典型的には、反射器を取り付けまたは保持する硬化ライトのハウジングのある部分は重合体材料で作られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、使用中の熱膨張問題を含む、従来の装置のいくつかの問題を解決する硬化ライト装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の硬化ライトは、歯科用の光硬化性合成材料を硬化させるのに適している。本装置は、実質的に中空の内部を有するハウジングを含む。本ハウジングは末端部と基端部を有する。末端部のほうに位置するハウジングの部分はハンドルとして機能する。ライトモジュールがハウジング内部の所望の位置に収められる。ライトモジュールは、光源からの光をターゲットの方に向け、かつ/または集光する少なくとも1つの反射器を有し、光源から熱を伝導して遠ざけるために、光源の近くに配置する少なくとも1つのヒートシンクを有する。ヒートシンクは、従来の金属製ブロックよりも熱消散効率の良い相変化材料を有しても良い。
【0007】
ハウジングの基端部には、発光端部を有する。ハウジングの基端部は、さらに延伸部分を有し、それは、患者の口のような所望の作用表面部分に光を伝達するための光ガイド、光伝達モジュール、レンズキャップ等である。
【0008】
他の実施例において、反射器は実質的に円筒状の形状をしており、中空の内部、基端部、末端部、内面、および外面を有する。反射器は、ハウジング内部に配置されるか、またはハウジングの延伸部としてハウジングの基端部との一体部分を形成する。反射器の内表面は、反射面を有する。ある態様において、反射面は金属の薄い被膜を有する。
【0009】
他の実施例において、反射面は凹面であり、光源からの光を、患者の口のような所望の場所の方に向け、および/または集光させることに適応している。
さらに本発明の他の実施例において、反射器および反射器が取り付けられるハウジングの部分は、同じ材料または同様の熱膨張率を有する異なった材料で形成されている。
【0010】
本発明の更なる実施例において、硬化ライトは、重合体でできたハウジングと、内面に反射被膜を有する、重合体の成形された反射器とを含んでいる。一態様において、その被膜は真空蒸着を含むあらゆるコーティング法で形成される金属被膜である。
【0011】
さらに本発明の他の実施例において、反射器および少なくとも反射器に近いハウジング部分が一緒に一体成形される。
さらに本発明の他の実施例において、反射器はハウジングに取り付けられる。取り付けは、接着剤、および/または合わせ面の片面または両面に存在する溝またはねじ山によって行われる。取り付けは、恒久的もしくは一時的(すなわち、取り外しや交換可能)である。
【0012】
さらに本発明の他の実施例において、ハウジングは延伸部を有し、光伝達装置またはライトガイドを有する。この実施例において、反射器は延伸部に取り付けられる。延伸部と反射器も一緒に一体成形されるか、または一緒に組みつけられる。取り付けは恒久的かまたは取り外し可能である。この態様において、反射器は反射被膜を有しても良い。
【0013】
さらに本発明の他の実施例において、延伸部はレンズキャップを有する。反射器はレンズキャップおよびハウジングの基端部に結合するようになっている。レンズキャップ、反射器および反射器が取り付けられるハウジング基端部の部分は、同じ材料または実質的に同様の熱膨張率を持った材料で作られる。
【0014】
ここで述べる種々の反射被膜は非常に薄いが、良い反射表面を形成するためには充分な厚みおよび/または実質的均一性を有する。そのような被膜面を形成するいかなる材料も適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に述べる詳細な説明は、本発明の態様に沿って用意された現在のところ好ましい装置の説明を意図しており、本発明が準備され、用いられる唯一の形態を表わすよう意図したものではない。むしろ、同じまたは均等な機能は、本発明の精神および範囲に含まれるような異なった実施例によっても達成されると理解されたい。
【0016】
他に定義されないかぎり、ここで使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されると同じ意味を持つ。本発明の実行またはテストのために、ここに述べるのと同様なまたは均等な方法、装置および物質が使用可能ではあるが、好ましい方法、装置および物質を述べる。
【0017】
ここに述べるすべての刊行物は、例えばここに述べる発明に関して用いられるかもしれない刊行物に記載された構造や方法を記述および開示する目的で参照することによって、ここに含まれる。上記にリストされまたは述べた刊行物、および以下に、および本書類を通してリストされまたは述べる刊行物は、本願の出願日より以前にその開示のためだけに用意されたものである。本書類のいかなるものも、先行発明の効力によって、発明者にはそのような開示の日付を早める権利がない、ということの承認と解釈されるものではない。
【0018】
光活性材料を硬化または活性化させるのに有用な硬化ライト装置を開示する。本発明は、1つまたは複数の光開始剤(photoinitiator)を含む光活性材料が用いられる、医用および歯科用を含むがこれに限定されない種々の分野で応用される。例として、光開始剤は、特定の波長を吸収して、モノマーからポリマーへの重合化を開始させる。
【0019】
典型的な実施例は、図1aおよび1bに示すように、各々手持ちの硬化ライト10の斜視図および側面図のようである。硬化ライト10は、実質的に中空の末端部および基端部を有する細長いハウジングを有する。本例において、ハウジングは、図に示すように末端部のほうにハンドル部12と、基端部の方に前部14の2つの部分を有する。しかし、1部品のハウジングも本発明の1部として予測可能である。前部14は、特に一体のハウジングである場合は、ハウジングの延伸部でもあり得る。
【0020】
部分12および14の各々も末端部および基端部を有する。部分12および14は、ハンドル部12の基端部と前部14の末端部を接した状態で、いかなる取り付け手段によって一緒に結合されてもよい。適切な取り付けの形態は、これに限定するものではないが、摩擦嵌合、噛み合いバヨネット構造、突起と溝タイプの構造、入れ子式(internesting)ピンとピンホール構造、ラッチ、および他の相互連結構造を含む。例えばLoc−Tite(登録商標)またはSuper Glue(登録商標)のようなシアノアクリル系物質を含む建築用接着剤、1液性または2液性のエポキシ接着剤、1液性または2液性のポリウレタン接着剤、または泡沫入り接着剤のような他の建築用接着剤のような接着剤。泡沫入り接着剤は、また、衝撃吸収に役立つ。接着剤は、単に他の取り付け手段の代わりに用いられるのではなく、他の取り付け手段に加えても使用される。図示実施例では、摩擦嵌合の態様を例示した。
【0021】
ハンドル部12および前部14を含むハウジングは、アモルファス熱可塑性ポリエーテルイミドであるULTEM(登録商標)、またはポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの合成物であるXenoy(登録商標)樹脂、またはポリカーボネートとイソフタレート・テレフタレート・レゾリシノール樹脂の共重合体であるLexan(登録商標)プラスチック(以上はすべてGE Plastics社から入手可能)のような高温ポリマーまたは合成物、または他の適切ないかなる樹脂プラスチックまたは合成物の中から作られる。同時に、高圧縮ポリスチレン、いくつかのポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、およびポリプロピレンも適切であるかもしれない。
【0022】
エンジニアリングプレプレッグまたは合成物のような重合体合成物もハウジングの構成物として適している。合成物は、装置の熱消散に役立つように、金属粒子または伝導性ポリマーのような伝導性粒子を充填した充填合成物でも良い。
【0023】
図1aに示すように、本発明の硬化ライトのハウジングの延伸部または前部14は、ネック部15を有し、このネック部は、図1cに示すように、放射端16が光源20の取り付け床、面、台または部品の終端部と実質的に同じ位置となるように構成される。
【0024】
オンオフボタンまたはスイッチを、硬化ライトを手動でオンオフするために、ハンドル部12上であって、ハンドル部と前部14の間の接合部の近くに配置することができる。ボタンは、上述したようにハウジングの他の部分に用いられる高温可塑材または高温ポリマーのようなポリマーから作られる成形部品である。それはハウジングと同じか異なった色をしている。異なった色は、また、その存在を目立たせ、また、発見するのを容易にする。
【0025】
ある実施例において、例えば図1cに示すように、ハウジングの前部14は、(図中に詳細には描いていないが)ハウジング前部14の内部の所望の位置にライトモジュールを含む。ライトモジュールは、少なくとも1つの光源20と、光源からの光を集光および/またはある方向に向かわせる反射面46bを有する少なくとも1つの反射器46と、光源からの熱を伝達して遠ざけるためにライトモジュール内に位置する少なくとも1つのヒートシンク60とを有する。ライトモジュールは、さらに、光源20を覆い、かつ発した光をさらに集光するよう機能する半球状の覆いを有するプラスチックレンズ35を有する。
【0026】
他の実施例において、硬化ライト装置は、例示するように少なくとも1つのレンズキャップ47を有し、光源20からの光の出力開口を作ったり、また、硬化ライトの光放射端16を閉じたりする。
【0027】
また、本発明の実施例には、硬化ライト10の末端部の方のハウジング部分12,14内部に配置される電気的な制御ユニットを含む。硬化ライト10は、バッテリー駆動か、電源またはトランスに繋がれる。バッテリー駆動の硬化ライトは、より可搬性が良い。
【0028】
バッテリー70は、バッテリー接点70aおよびピンコネクター40を介して、光源20を作動させる電力を供給する。ある実施例において、硬化ライト10に加電するためにリチウムイオン電池のような単一の再充電可能なバッテリーが使用される。オンオフボタン18は、ユーザーが、プリント基板50との仲介をする軸または柱17を通じて入力信号を与えることによって硬化ライトを手動で作動するように機能する。オンオフボタン18は、ハンドル部12の内部に配置され、例えばバッテリー70の近くに取り付けられる。ある実施例において、プリント基板50はバッテリー寿命、LED温度、またはシステム機能をモニターする装置(マイクロプロセッサーは含むかまたは含まない)を有する。
【0029】
ヒートシンク60は、他の形態が可能であるがここでは細長いヒートシンクとして例示しており、前部14の内部にあって、光源からの熱を伝達または消散するために光源のすぐ近くに位置するように示されている。もし光源がハンドル部12または延伸部14に配置されるときは、ヒートシンクもそれに相応して配置される。
【0030】
他の実施例において、ヒートシンクは、ヒートシンクの対流冷却のためにより大きな表面積をもたらすために、フィン、コアルゲーション(coarrugation)、または他の適合する形態上の構造を有するように構成される。さらに他の実施例において、硬化ライト装置は、ファンまたはタービンに機械的に繋がった電気モーターを含むことができる。ファンまたはタービンは、ヒートシンクを冷却するために、ヒートシンクの表面を横切る周辺空気を引き抜く、または急がせるように適合させられる。
【0031】
ヒートシンクは、上述したように熱伝導または熱消散に効果的ないかなる適切な材料で作られていても良く、単一体のヒートシンクでも良いし、組み合わせ体のヒートシンクでも良い。組み合わせ体のヒートシンクは、しばしば2つの異なった種類の材料の組み合わせであり、第1の材料は低熱膨張率のもので、第2の材料は高熱膨張率のものである。単一体のヒートシンクは、1つの材料で作られる。ここで述べる硬化ライトに使用されるいくつかのヒートシンク材の例は、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム、スチール、シリコンカーバイド、ホウ素ニトリル、タングステン、モリブデン、コバルト、クローム、Si、SiU2、SiC、AlSi、AlSiC、天然ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド圧縮体(compacts)、化学蒸着で蒸着されたダイヤモンドおよび物理蒸着で蒸着されたダイヤモンド、およびそれらの合成物または化合物、である。上述したように、充分な熱伝導性および/または消散特性を有するいかなる材料も使用可能である。望むならば、ヒートシンク120もまた、表面積を増すためおよび熱消散を拡大するために、フィンまたは他の変更表面または表面構造を有しても良い。
【0032】
ヒートシンク60は、光源すなわち熱発生源から熱をより効率的に拡散させるために、相変化材(phase change material)を含むことができる。このことは、同時に出願され
る“改良ヒートシンクを有する歯科用ライト装置”と題する、同時係属中の特許出願 10/XXX,XXX、および2004年7月2日出願の“相変化材を有する歯科用ライト装置”と題する米国仮特許出願第60/585,224号に開示されており、参照によっ
てここに含まれる。
【0033】
相変化材を持つヒートシンクは、金属のような熱伝導性材料の固体ブロックから作られるヒートシンクと比べて、所定の重さのヒートシンク材料でより効果的に光源からの熱を取り除きまたは拡散させることができる。そのようなヒートシンクは、材料の重量を減らした時でも、硬化ライト装置からの熱をより効果的に取り除きまたは拡散させることができる。従来の固体金属のヒートシンクの代わりに、金属のような中空の熱伝導材の内部に封入した相変化材を使用することによって、硬化ライトの重さを減らし、硬化ライト業界で言うところの“遮断(shut off)”温度に達する時間を増すことができる。遮断温度に達するまでの間を“可動時間(run time)”と呼ぶ。“可動時間”すなわちライトが灯いている時間が増すと、歯科医が硬化あるいは漂白処置を行うことが出来る時間が増える。
【0034】
ある実施例において、少なくとも1つの相変化材を含む再充電可能な歯科用硬化ライトが開示されている。他の実施例において、少なくとも1つの相変化材を含む歯科用漂白ライトが開示されている。ヒートシンクは、相変化材で少なくとも部分的に満たされた孔または空のスペースを有する金属のような熱伝導性材料のブロックを有する。
【0035】
ヒートシンクは、金属のような熱伝導性の材料を中空化して作られ、少なくとも1つの相変化材を少なくとも部分的にその空間を満たし、相変化材を確実に内部に封入するようにフタ閉めし、少なくとも1つの相変化材が、従来のヒートシンク製造に通常使用されるような金属のような熱伝導性材料によって実質的に収納され、または囲まれるようにする。
【0036】
あるいは、ヒートシンクは、金属のような熱伝導性の材料で鋳造または機械加工され、穴または空間を取り囲む壁を作る。穴または空間は、少なくとも1つの相変化材で部分的に満たされ、その材料が確実に内部に留まるように蓋閉めする。
【0037】
ある実施例において、この発明性のあるヒートシンクは、単独で使用される。他の実施例においては、ファンに加えて使用され、または従来の金属ブロックヒートシンクと共に使用され、またはそれらの組み合わせで使用される。
【0038】
この発明性のあるヒートシンクは、歯科用硬化ライト、撮像光源、または白化光源に従来の金属ブロックヒートシンクが組み込まれるのと同じ方法で組み込まれ、例えば、熱発生源、すなわち上述したいずれかの光源またはそれらの組み合わせを含む光源に取り付けるか、あるいは他のヒートシンクに取り付ける。
【0039】
適切な相変化材は、有機物、非有機物、およびそれらの組み合わせを含む。これらの材料は、基本的に可逆的な相変化を行うことが出来、典型的には、恒久的でないにせよ、その効果を失うことなく多くの回数行うことができる。有機物の相変化材は、パラフィンワックス、2,2−ジメチル−n−ドコサン(C2450)、トリミリスチン((C1327COO))、1,3−メチル ペンタコサン(C2654)を含む。リン酸水素ナトリウム・12水和物(NaHPO・12HO)、硫酸ナトリウム・10水和物(NaSO−10HO)、塩化鉄・6水和物(FeCl−6HO)、TH29(融点29℃を有する水和塩でオーストラリア、ワンガラのTEAP Energy社から入手可能)、を含む水和塩のような非有機材料、またはOstalloy
117またはUM47(Umicore Electro−Optic Materials社から入手可能)などの金属合金も考慮される。典型的な材料としては、周囲温度で固体であって、例えば融点が約30℃と50℃の間、さらに例示すれば、約35℃から
45℃の間である材料である。また、典型的な材料は、それらが周囲温度下にあるときは、例えば少なくとも約1.7、さらに例示すれば少なくとも約1.9の高い比熱を有する。さらに、それらが上昇した温度下にあるときは、少なくとも1.5、さらに例示すれば1.6の比熱を有する。
【0040】
ある相変化材は、また、非常に多くの熱エネルギー量を蓄積する高レベルの溶融潜熱を有する。溶融潜熱は、例えば少なくとも約30kJ/kgであり、さらに例示すれば少なくとも約200kJ/kgである。
【0041】
材料の熱伝導度は、熱伝導性のハウジングから相変化材へ、およびその逆への熱伝達率を決めるための1つのファクターである。例えば、相変化材の熱伝導度は、周囲温度下の状態で少なくとも約0.5W/m℃であり、上昇した温度下の状態では少なくとも約0.45W/m℃である。
【0042】
ハンドル部12の後部斜視図および前部斜視図が図2および図3に各々示されている。ハンドルの末端部は端部キャップ30であり、一実施例によれば、硬化ライトがバッテリー駆動である場合は、硬化ライトがバッテリー70を再充電するための充電台(図5に示す)に設置されるように、キャップは電気接点31,32,33を有する。端部キャップおよび充電台(図5に示すような)も、使用後に硬化ライトから熱を拡散して逃がすための手段を有するように構成される。
【0043】
端部キャップ30は、円筒状の形をしており、ハンドル部12の末端部に取り付けられる。それは、ハンドル部12の一部分として成形することが出来る。それはまた、他の手段、例えば接着材による固着、熱固着、またはねじ止めによって取り付けることもできる。
【0044】
一実施例において、ハンドル部12の基端部は、図2,3に示すようにわずかにテーパーを有する。前部14の末端部の内径は、図示のように少し広げられており、ハンドル部12のテーパー端が(図4に示すような)前部14の受け入れ領域34に摩擦嵌合によって嵌合する。
【0045】
一実施例において、ハンドル部12および延伸チューブ部分14は、図4、3に各々示すように、ピンコネクター40および受容器90を介して機械的かつ電気的に結合される。上述したように他のコネクターも使用可能である。
【0046】
本発明の一実施例において、図5に示すように充電台は、ファンまたはタービンに機械的に繋がっている電気モーターを含む。ファンまたはタービンは、ヒートシンク60を冷やすために、ヒートシンク60の表面を横切る空気を引き抜くまたは急がせるよう適応させられる。一実施例において、この冷却は、硬化ライトが休止中または再充電中に起こる。他の実施例においては、冷却手段は硬化ライトを再充電するための充電台または架台200内部に存在する。他の実施例において、充電台または架台は、ファン201または冷却手段を持たず、その代わり、または追加的に、多くはバッテリーの状態を表示するディスプレーパネル(図示せず)を有する。
【0047】
再び図1aを参照すると、ハウジング前部または延伸部14の末端部の方にネック部15があり、発光端16で終わる。(図1cにおいて)LEDとして示す光源20は、ネック部15の近く、例えば区域16内の延伸部14の末端近くに収められる。典型的な実施例において、光源20が発した光を作業面、例えば患者の口の所望の位置に反射するように、図1cに示すように反射器46が区域16内に取り付けられる。
【0048】
反射器46は、図6、6a、7に示すように円筒状の形状である。一実施例において、反射器46は、(図1cに示すように)光源20をネック部15の発光端16内に留めるために使用される。
【0049】
図6、6aに示す本実施例において、反射器46は、ねじ部46a、反射面46bおよびLED開口46cを有し、ネック部15に挿入することによって硬化ライト10に装着される。取り付けは、ネック部15および反射器46の双方にある、例えば、ねじ山、溝、切り込み(channel)、凹み、突起等の固定構造によって容易に行うことができ、例え
ば、反射器46またはネック部15のどちらかに突起がある場合は、どちらかに対応する溝がある。反射器はまた、摩擦嵌合で硬化ライトに嵌合するか、または、反射器は、1液性または2液性のエポキシ接着剤、1液性または2液性のポリウレタン接着剤、シアノアクリレート系の接着剤、または泡沫入り接着剤のような建築用接着剤で固定される。泡沫入り接着剤は、また、衝撃吸収に役立つ。
【0050】
反射器46は、上述したようにねじ止めされるか、さもなければネック部15に嵌合する以外に、区域15の端部に成形され区域16内部に収納されても良い。
一実施例において、反射器46は前部14の基端部またはその延伸部に恒久的に取り付けられる。他の実施例において、反射器46は取り外し可能に作られる。もし延伸部16がある場合は、延伸部は恒久的に取り付けられた、または一体的に成形された反射器を有し、ハウジングの基端部から1部分として取り外し可能に作られる。
【0051】
典型的な実施例において、反射器46は、反射面を生成するように内面46bが金属処理される。金属被膜の厚みによって反射する量は異なる。例えば、高度な反射性が望ましい。
【0052】
反射面は、また、光源20から発する光の形を作り、また集光させる。いくつかの実施例において、集光レンズも使用される。反射光の向きは、反射面46bの形または曲面に拠る。例えば、凹面の表面が用いられ、または、個別にまたは全体的に反射光の向きに影響を与えるように表面のある程度の湾曲が設計される。このように、反射面の形と湾曲が、所望の方向に向けた光の形状と集光を助ける。
【0053】
図6aに示すように、反射器46のねじ部46bは、LED開口46cを取り囲む末端部48の方にある。ねじ部46bは、図8に例示するように反射器46にねじ込むための対応する溝を有するレンズキャップ47を受け入れるようになっている。レンズキャップ47は、硬化ライト10の発光端16を密閉するように機能し、また、光源20(図1c参照)からの光を集光するように働く。
【0054】
反射器46は、例えば、ハウジング101を作るために用いられたようなポリマーで成形または鋳造される。他の実施例において、反射器46は、例えば型を使って射出成形される。これは反射器46の高度な再生産性を生み出す。述べたように、ポリマーも、成形、鋳造、およびコーティング可能なものである。
【0055】
一実施例において、反射面は、例えば金属性で、コーティングによって形成される。薄膜被膜を形成する、いずれか1つあるいはそれ以上のコーティング技術が利用可能である。そのような技術は、気相コーティング技術のような重合体表面を金属化するあらゆる方法を含む。これらの技術は、一般的に物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、およびプラズマ蒸着として知られる。これらの技術は、共通的に基材表面上に凝縮するか、基材表面と反応する気相コーティング材料を生成することを含んでいる。種々の気相蒸着法が
“Thin Films: Film Formation Techniques,”Encyclopedia of Chemical Technology、
第4版、vol.23(New York,1997), pp1040-76 に述べられており、参照によってここに組
み込まれる。
【0056】
PVDは、真空プロセスであって、コーティング材料が、蒸発によって、または昇華によって、またはプラズマからのエネルギー豊富なイオンとの衝突(スパッタリング)によって、蒸気化する。蒸発した材料は基材の上に凝集して固体のフィルムを形成する。蒸着される材料は一般的に、現存する金属またはセラミックである(上述した Encyclopedia of Chemical Technology 参照)。
【0057】
CVDプロセスは、表面上に固体金属および/またはセラミック被膜を形成するために、2つ以上の気相の種(前駆体)の反応を含む(上述した Encyclopedia of Chemical Technology 参照)。高温CVD法では、反応は300℃から1000℃以上に熱せられた
面上で起こり、したがって基材の材質は比較的高い温度に耐えられるものに限定される。同時に、プラズマ促進CVD法ではプラズマによって反応が活性化され、したがって基材温度は非常に低くても良く、反射器の製造にポリスチレンやポリエステルのようなポリマーも使用できる。
【0058】
プラズマ重合としても知られるプラズマ蒸着は、前駆体物質および蒸着された被膜が典型的には本質的に有機物質であること以外は、プラズマ促進CVDに似通っている。プラズマは、著しく前駆体分子を壊して分子片や原子をばらまき、それらがランダムに再結合して表面上に固体の被膜を形成する(上述した Encyclopedia of Chemical Technology
参照)。プラズマ蒸着による被膜の特徴は、前駆体分子に含まれていない多くの種類の官能基を含む広範囲の官能基が存在することであって、したがって、本発明での使用にはあまり適さない。
【0059】
本発明の他の実施例は、陽極酸化されたアルミニウムを有する反射面と、金属層上に誘電体層を蒸着して形成した反射面を有する。例えば、基礎反射層として陽極酸化面上に金属層が蒸着され、次に低屈折率層、次に高屈折率層が蒸着される。そのような材料には英国 Alannod,Ltd. 社から入手可能なものや、コレステリック液晶ポリマー(cholesteric liquid crystal polymer)が含まれる。
【0060】
コレステリック液晶ポリマーは、光のエネルギーを、伝達することよりも反射することが出来、表面の被膜層としてか、あるいは反射器の主成分として用いられる。このことは、例えば USP No.4,293,435, 5,332,522, 6,043,861, 6,046,791, 6,573,963, 6,836,314
に述べられており、その内容は参照によってここに含まれる。本発明には同様の特性を
有する他の材料も採用可能である。
【0061】
本発明で使用されるコーティング方法には、例えば、重合体表面に薄くて実質的に連続する層を生成するために、より低い温度で行われる方法を含む。そのような方法は、重合体材料および金属被膜の双方に、材料の選択に融通性と柔軟性を与える。いくつかの金属被膜は薄い被膜の時だけ反射性を有する。これらも低温度ポリマー同様に使用可能である。
【0062】
比較的薄いフィルムとしてコーティングされ反射面を生成するのが容易なあらゆる金属が使用可能である。いくつかの例としては、アルミニウム、インジウム/錫酸化物、銀、金、およびそれらの混合物がある。アルミニウムは、また、陽極酸化アルミニウムの形態でもよい。
【0063】
一実施例において、反射器46、および延伸部または前部14、または少なくとも前部14のいくつかの部分は、例えば、同じ材料、似た材料、または熱膨張率の差がほとんど
無いか、全く無い材料で作られる。金属で作られた反射器46とプラスチックの延伸部の場合に見られるように、異なる熱膨張率が存在する場合は、反射器が延伸部よりも大きな割合で伸びるために、結果的に反射器からハウジングにリング状の応力を受けることになる。そのようなリング状の応力は、ユニットが早期に故障することに繋がる。そのような故障は、本発明のここに示す実施例によって最小化し、または排除することが出来る。
【0064】
例えば、成形または鋳造されたポリマー、またはもし硬化ライトの前部が金属で作られているときは、上述したように、金属または金属合金が使用される。適切なポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエステル、アクリルポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ULTEM(登録商標)のようなポリエーテルイミド;またはポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの合成物であるXenoy(登録商標)樹脂のような重合体合金(polymeric alloy)、またはポリカーボ
ネートとイソフタレート・テレフタレート・レゾリシノール樹脂の共重合体であるLexan(登録商標)プラスチック(以上はすべてGE Plastics社から入手可能);芳香族ポリエステルのような液晶ポリマー、または1成分として芳香族ポリエステルアミドを含む液晶ポリマー;芳香族ヒドロキシカルボン酸(例えばヒドロキシ安息香酸(硬質モノマー)、ヒドロキシナフトエート(軟質モノマー)、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンを含むグループから選択される少なくとも1つの化合物(USP No. 6,242,063, 6,274,242, 6,643,552, 6,797,198 に例示されており、その内容は参照によってここ
に含まれる);終端の無水物基(terminal anhydride group)または側部の無水物(lateral anhydride)を含むポリエステルイミド無水物(USP No. 6,730,377 に例示されてお
り、その内容は参照によってここに含まれる);またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0065】
さらに、顔料、カーボン粒子、シリカ、グラスファイバー、金属粒子または伝導性ポリマーのような伝導性粒子、またはそれらの混合物を充填したポリマーであるエンジニアリングプレプレッグまたは合成物のような、あらゆる重合体合成物も使用可能である。例えば、ポリカーボネートとABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)の混合物がハウジング101aに使用される。
【0066】
一般的に、ハウジング101に使用可能な材料は、例えば、高耐熱性の重合体の材料か合成物である。
光エネルギーを伝達するよりも反射することが可能な、液晶ポリマーまたはコレステリック液晶ポリマーは、本発明のさまざまな実施例において使用可能である。例えば、液晶ポリマーまたはコレステリック液晶ポリマーは、光源で発生した光エネルギーの無駄を最小化するために、照明モジュールハウジング101の内部表面101上への被膜として使用される(例えば、USP No.4,293,435, 5,332,522, 6,043,861, 6,046,791, 6,573,963, 6,836,314 に述べられており、その内容は参照によってここに含まれる)。
【0067】
一般的に、プラスチックのハウジングが硬化ライト装置のハウジングに使用される。したがって、プラスチックの反射器が選択される。加えて、本発明のさまざまな実施例において、プラスチック成形による反射器46は耐衝撃性の増大をもたらす。もし反射器46が延伸ハウジングと同じ材料で成形されていれば、システムとして一緒にされたときに、金属の反射器がプラスチックの延伸部に固着されたときよりも、落下テストでずっと衝撃に強い構造を形成する。理論的検討を持つまでも無く、金属の反射器を有するシステムの落下テストにおいて、より多くの付加が直接延伸部に伝わり、延伸部が高い応力レベルになり、延伸部が壊れる可能性が増すことが推測される。さらに、金属の反射器は、通常、ハウジングに接着剤を用いて固着される。金属の反射器は衝撃を吸収しないので、硬化ライトを落としたときにその接着固定が壊れて延伸部から単純に分離してしまう。
【0068】
上述したように、反射器46は、例えば、成形プロセスが高度に繰り返し性のあるように成形される。モールド型が作られ、成形の最中反射器内部の光学的寸法は、各部が実質的に不変に維持される。このことは金属反射器の作成に含まれる製造工程に比べて有利に比較される。特に、金属の反射器を個々に機械加工することは、寸法および表面の反射率が高度にばらつく可能性を生じる。このばらつきは、反射器同士のばらつきだけでなく、1枚の反射器表面上でも明らかである。このばらつきは、照明効率を落とすことに繋がる。
【0069】
プラスチックの反射器では、鏡のような仕上げ面を生成するために、真空金属処理を用いることが出来、照明システムに高い(非常に高い)レベルの効率を生じさせる。このことは、機械加工された金属部品の研磨面と比べると特に正しく、何故ならば、研磨剤や用いられる方法によっては、金属表面上に窪みや不均一さを生じてしまうからである。
【0070】
成形工程は大量生産に適しており、金属処理されたプラスチック成形部品の使用は、機械加工された金属部品に比べて、所定の価格でより効率的な照明システムを作り出すことができる。
【0071】
加えて、プラスチックの反射器は、どんな色ででも作ることに対応できるという特別有利な点を有している。実験では、白色のプラスチックで成形した反射器は、より良い反射率を生じることが判った。
【0072】
一実施例において、反射層の厚さは、ベースとなる重合体の熱膨張や、反射器の機械特性に実質的に影響を与えない程に十分に薄い。
図7は、反射器46を光源20上に配置する方法をさらに示す。光源は、限定はされないが、単一のLEDデバイス、単一のLEDデバイスアレイ、複数のLEDアレイ、単一のレーザーダイオードデバイス、レーザーダイオードデバイスアレイ、垂直キャビティー面発光レーザー(VCSEL)デバイスまたはデバイスアレイ、または1つ以上のLEDまたはレーザーモジュール、を含むあらゆる適切な光源である。光源から発する光の波長は、硬化される光活性材料に含まれる光開始剤の特性によって選択される、あらゆる所望の波長または異なった波長の組み合わせである。ここに述べられたいかなる半導体とヒートシンクの構成も、所望の歯科用硬化ライト装置の製造に使用可能である。
【0073】
典型的な実施例において、単一の LumiLeds(登録商標)型のLED光源20が前部1
4の発光端16に取り付けられる。光源は、Luxeon V Star(登録商標)光源で、1つの
補助取り付け台上に最多で4個までのLEDを有し、1個のレンズで封入されている。そのような光源は、LumiLeds Lighting社, San Jose, California に委譲されている Harrah 他の USP No. 6,498,355 および Carey 他の USP No. 6,274,924 に開示されており、
そのすべての内容は参照によってここに含まれる。Luxeon V Star(登録商標)光源は、
ランバート放射パターンの青色のものが入手可能で、約525mW/cmを出力する。他の波長も可能である。
【0074】
図7に示すように、光源20は、円盤36、補助取り付け台37、その上に取り付けられた最多で4個のLED38、リードフレーム39、リードフレームを通って延伸するリード41、のいずれか、またはすべてを含む。
【0075】
一実施例において、硬化ライトはさらに光伝達、光管、ライトガイド等の構造の延伸部を有し、患者の口のような作業面の所望の場所に光を向けさせる。ライトモジュールは延伸部にも配置することができるが、一般的にはハウジング内に配置する。
【0076】
銅製または真鍮製の細長い取り付け部材(図示せず)を(図7に示すような)光源20を取り付けるために使用しても良い。取り付け部材は、細長い基部と、取り付け台を有する取り付け部とを含む。光源20は取り付け部に取り付けられ、取り付け部材は前部14内の直ぐ横に位置するように構成される。
【0077】
述べたように、延伸部はライトガイドまたは上述したいずれかの構造をしており、光を作業面に向けさせる。一実施例において、光源と反射器は、硬化ライトから熱を消散する場所が比較的患者から遠くなるように、発光端16から離して配置される。
【0078】
図9、10は、各々ハウジングの部分12および14の展開図を示す。図9において、プリント基板またはマイクロプロセッサー(PCB)50が、端末キャップ50aと、ケーブル組立体70aの端でプラグ受け70bに差し込まれるピン51とに繋がっている。ケーブル組立体の他端、端末キャップ50および端末キャップ30は、リング状の留め具30bで一緒に組み立てられている。発泡材の挿入具50cが、例えば用いられ、プラグ受け70bおよび端末キャップ30を緩衝するために使用される。発泡材の挿入具の製造には、スチレン・ブタジエンゴムまたはスチレン・イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン・モノマー(EPDM)ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン(ニトリル)ゴム、ラテックスゴム等のような、Kraton Polymers社から入手可能な種々の共重合体また
はブロック共重合体(Kratons(登録商標))を含むいかなる弾性物質も使用可能である
。発泡材は閉鎖セルでも開放セルの形態でも良く、限定はされないが、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、およびポリブチレン発泡体のようなポリオレフィン発泡体;ポリウレタン発泡体;上述したいかなる弾性材またはゴム材から作られる発泡体;あらゆる生物分解性物質、またはポリ乳酸樹脂(L乳酸およびD乳酸を含む)およびポリグリコール酸のようなバイオ合成ポリエステル;ポリヒドロキシバレレート/ヒドロキシブチレート樹脂(PHBV)(3−ヒドロキシブチル酸と3−ヒドロキシペンタン酸(3−ヒドロキシ吉草酸)とポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の共重合体);ポリエステル/ウレタン樹脂を含む。
【0079】
例示した実施例において、プリント基板組立体50は、光活性材料を硬化させるために1分から2分またはそれ位の間の時間サイクルを与えるように構成される。そのサイクルの終了時には硬化ライトは手動に戻る。プリント基板組立体は、また、高温時に遮断するように構成され、いかなるサイクルの途中でも硬化ライトを自動的に切る。
【0080】
図10において、ピンコネクター40は、電流を光源に行き来させるために電力中継材19a、19bとつながり、電力中継材はネック部15に通過させるためにヒートシンク60の外部溝62に適合挿入される。また、ピンコネクター40は、ヒートシンク60の近くに配置され、例えばナット21aによってヒートシンクに取り付けられるサーミスター21とも繋がる。サーミスター21は、ヒートシンク60の温度を監視するためにも使用され、この情報を、例えばピンコネクター40を介してプリント基板組立体に中継する。この交信によってプリント基板組立体50は、ヒートシンクが一旦その“遮断”温度に達した時に硬化ライトを遮断する信号を発することができる。
【0081】
好ましい実施例によって本発明を述べてきたが、本発明は先に述べた請求項によってさらに具体化される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1a】図1aは、本発明の硬化ライトの斜視図を示す。
【図1b】図1bは、本発明の硬化ライトの側面図を示す。
【図1c】図1cは、本発明の典型的な実施例における反射器を描写した、本発明の硬化ライトの断面側面図を示す。
【図2】図2は、本発明の反射器の実施例の後方斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の硬化ライトのハンドルの前方斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明の硬化ライトの延伸部の後方斜視図を示す。
【図5】図5は、本発明の充電部の実施例の断面側面図を示す。
【図6】図6は、本発明の反射器の実施例の断面図を示す。
【図6a】図6aは、本発明の反射器の実施例の斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の、光源を有する反射器の実施例の断面側面図を示す。
【図8】図8は、本発明の、レンズキャップを有する反射器の断面側面図を示す。
【図9】図9は、本発明の硬化ライトのハウジングのハンドル部分の展開斜視図を示す。
【図10】図10は、本発明の硬化ライトの基部の展開斜視図を示す。
【図1A】

【図1B】

【図1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用の光硬化性合成材料を硬化させるのに適した硬化ライトであって、
実質的に中空の内部と、末端部と、基端部とを有する実質的に円筒状のハウジングと、
少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの反射器と、前記光源の傍に配置された少なくとも1つのヒートシンクとを有し、前記ハウジング内の前記基端部のほうに収納されたライトモジュールとを含み、
前記反射器は、前記ハウジングの前記末端部の材料と実質同様の熱膨張率を有する材料を含む、硬化ライト。
【請求項2】
前記反射器は、中空の内部と、基端部と、末端部と、内面および外面とを有する、実質的に円筒状の形状を備え、前記反射器は、前記ハウジングの前記基端部の一体部分を形成する、請求項1記載の硬化ライト。
【請求項3】
前記ハウジングの前記基端部および前記反射器が一体的に成形されている、請求項2または3記載の硬化ライト。
【請求項4】
前記ハウジングは、摩擦嵌合によって結合される2つの分離した部分を含む、請求項1,2または3記載の硬化ライト。
【請求項5】
前記ハウジングの基端部は、作業面の所望の位置に光を運ぶライトガイド、ライトパイプ、または光伝達モジュールを含む延伸部を含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項6】
前記反射器の前記内面は、反射面を有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項7】
前記反射面は、薄い金属被膜を有する、請求項6記載の硬化ライト。
【請求項8】
前記反射面は、前記光源からの光を集光するために凹面である、請求項6または7記載の硬化ライト。
【請求項9】
前記反射器および前記延伸部は、前記ハウジングの取り外し可能な部分を形成する、請求項5記載の硬化ライト。
【請求項10】
前記反射被膜は、該被膜を含む材料の膨張特性に実質的に影響を与えない厚みである、請求項6,7,8または9記載の硬化ライト。
【請求項11】
前記反射被膜は、効果的な反射面を形成するために充分な厚みであって実質的に均一である、請求項6,7,8,9または10記載の硬化ライト。
【請求項12】
前記反射被膜は、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、インジウム/錫酸化物、銀、金、およびそれらの混合物からなるグループから選択される材料で形成される、請求項10または11記載の硬化ライト。
【請求項13】
歯科用の光硬化性合成材料を硬化させるのに適した可搬型硬化ライトであって、
実質的に中空の内部と、末端部と、基端部とを有するハウジングと、
前記ハウジングの前記内部の長手方向で前記基端部のほうに延伸する細長いヒートシンクに取り付けられた少なくとも1つの光源と、
実質的に円筒状の本体を有して前記ハウジングの前記基端部の一部を形成する反射器と
を有し、
前記反射器は、前記ハウジングの前記基端部を構成する材料と実質的に同様の熱膨張率を持つ材料を有する、硬化ライト。
【請求項14】
前記ハウジングの前記基端部および前記反射器が一体的に成形されている、請求項13記載の硬化ライト。
【請求項15】
前記ハウジングの前記基端部は、作業面の所望の位置に光を運ぶライトガイド、ライトパイプ、光伝達モジュール、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される延伸部を含む、請求項13または14記載の硬化ライト。
【請求項16】
前記反射器の前記内面は、反射面を有する、請求項13,14、または15記載の硬化ライト。
【請求項17】
前記反射面は、前記光源からの光を集光するために凹面である、請求項16記載の硬化ライト。
【請求項18】
前記反射面は、金属被膜を有する、請求項16または17記載の硬化ライト。
【請求項19】
前記反射被膜は、該被膜を含む材料の膨張特性に実質的に影響を与えない厚みである、請求項16,17,または18記載の硬化ライト。
【請求項20】
前記反射器および前記延伸部は、前記ハウジングの取り外し可能な部分を形成する、請求項16,17,18または19記載の硬化ライト。
【請求項21】
前記反射被膜は、効果的な反射面を形成するために充分な厚みであって実質的に均一である、請求項6,7,8,9または10記載の硬化ライト。
【請求項22】
前記反射被膜は、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、インジウム/錫酸化物、銀、金、およびそれらの混合物からなるグループから選択される材料で形成される、請求項16,17,18,19,20または21記載の硬化ライト。
【請求項23】
歯科用の光硬化性合成材料を硬化させるのに適した可搬型硬化ライトであって、
実質的に中空の内部と、末端部と、基端部とを有するハウジングと、
前記ハウジング内部に設置され、前記硬化ライトに電力を与えるバッテリーと、
前記ハウジングの前記基端部のほうに位置するヒートシンク上に取り付けられた少なくとも1つの光源と、
実質的に円筒状の本体を有し、前記ハウジングの前記基端部の一部を形成する成形された反射器とを有し、
前記反射器および前記基端部のほうの前記ハウジングの少なくとも一部分は同じ重合材料を有する、硬化ライト。
【請求項24】
前記反射器および前記基端部のほうの前記ハウジングの少なくとも一部分が一緒に一体成形されている、請求項23記載の硬化ライト。
【請求項25】
前記反射器の前記内面は、反射面を有する、請求項23または24記載の硬化ライト。
【請求項26】
前記反射面は、前記光源からの光を集光するために凹面である、請求項25記載の硬化ライト。
【請求項27】
前記反射被膜は、該被膜を含む材料の膨張特性に実質的に影響を与えない厚みである、請求項25または26記載の硬化ライト。
【請求項28】
前記反射被膜は、効果的な反射面を形成するために充分な厚みであって実質的に均一である、請求項25,26または27記載の硬化ライト。
【請求項29】
前記反射被膜は、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、インジウム/錫酸化物、銀、金、およびそれらの混合物からなるグループから選択される材料で形成される、請求項25,26,27または28記載の硬化ライト。
【請求項30】
前記反射器は、接着剤、前記ハウジングおよび前記反射器の少なくとも1つの合わせ面にある溝またはねじ山のかみ合い、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される取り付け手段を用いて前記ハウジングに取り付けられる、先行する請求項のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項31】
前記取り付けは、取り外し可能な取り付けである、請求項30記載の硬化ライト。
【請求項32】
前記反射器および前記反射器に近い前記ハウジングの前記基端部の少なくとも一部分は同じ材料を有する、先行する請求項のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項33】
前記反射器を構成する材料は、アモルファス熱可塑性ポリエーテルイミド、ポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの合成物、ポリカーボネートとイソフタレート・テレフタレート・レゾルシノール樹脂の共重合体、高圧縮ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、液晶ポリマー、重合体合成物、およびそれらの混合物からなるグループから選択される、先行する請求項のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項34】
前記光源は、複数波長の光を発する、先行する請求項のいずれかに記載の硬化ライト。
【請求項35】
前記ヒートシンクは、熱電気型のヒートシンク、相変化材を含むヒートシンク、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択されるタイプのヒートシンクである、先行する請求項のいずれかに記載の硬化ライト。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−505454(P2008−505454A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519493(P2007−519493)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/023601
【国際公開番号】WO2006/014369
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(300057780)ディスカス デンタル インプレッションズ インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】