説明

反応容器装置

【課題】1つの反応容器、又は1つの操作可能なユニットとして結合した複数の反応容器を含む自動分析器具で操作できる反応容器装置を提供する。
【解決手段】反応容器装置160は、化学又は生物学的物質を含む1つ又は複数の個別容器162に物質を出し入れする物質移動デバイスの管状要素と係合するよう配置されている。複数の容器162が反応容器装置の反対の側に沿って直線の肩165を形成する接続リブ構造によって互いに結合され、肩165は反応容器装置担持構造内で装置を支持する。接触制限要素170を保持する接触制限要素保持構造は動作可能な状態で物質移動デバイスの管状要素と係合できるよう、動作可能な方向で接触制限要素170を保持する。容器装置160操作構造166によって、反応容器装置はロボット操作デバイスで1つの位置から別の位置に移動することができ、情報パネル174が情報を配置できる表面を呈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学物質又は生物学的物質を入れるのに有用な反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
反応容器又は試験管は、内包空間で種々の分析を実行するため、化学及び生物学的技術で一般に使用されている。一般に反応容器で実行された1つ以上のステップを有する分析は、化学反応、免疫学的分析、及び核酸塩基分析などがある。このような反応及び分析の例は、現在入手できる文献に徹底的に記載され、当業者には周知である。反応容器は概ね個別ユニット又は試験管として製造され販売されているが、医者は複数の分析を同時に又は順次実行するため、一群の反応容器を都合よくまとめて組織する保持ラックを使用することが普通である。ある場合には、複数の反応容器が一体物として組み立てられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大抵の分析では、反応容器に溶液を配量するか、これから溶液を取り出すために物質移動装置が使用されている。最も一般的な物質移動装置は、流体を配量又は抜き取る1本又は複数の管状要素を含むピペット及び吸引器である。一群の独立した分析をほぼ同時に、又は互いに近接して実行する際に物質移動装置を使用する場合、常に、物質移動装置が偶発的に反応容器間で物質又は汚染物質を移動する媒介体として働くという懸念がある。もう一つの懸念は、医者が反応容器に誤って物質を加えたり、物質を除去したりすることである。相互汚染やピペット及び吸引器の操作エラーを最小限にするため、医者は、反応容器からピペットで物質を移したり、物質を吸引したりする場合は、物質の移動を注意深く監視し、ほぼ完全な正確さを発揮しなければならない。相互汚染及びピペット及び吸引器の操作エラーを回避することは、分析が診断の性質を有するか、長時間にわたる患者の疾病の進行に関する情報、又は治療養生法に関する情報を提供するよう意図されている場合、特に重要である。
【0004】
相互汚染の可能性を制限する一つの方法は、反応容器の内容物と接触する可能性がある物質移動装置の表面積の量を減少させることである。この目的は、ピペットチップなどの接触制限要素を使用することによって達成することができ、これは基本的に、ピペットの外表面と反応容器の内容物との間の障壁として働く。十分な長さと容量とのピペットチップを選択することにより、ピペットと反応容器の内容物との接触をほぼなくすことができる。これは、反応容器からの物質を、ピペットの下表面より下にあるピペットチップの部分に引き込むからである。言うまでもなく、大抵の場合、反応容器ごとに1つの専用のピペットチップを設けることも重要である。
【0005】
幾つかのピペットチップを使用して複数の分析を同時に、又は順次実行する場合、医者は通常、少なくとも1つのピペットで都合よくアクセスすることができる位置に、供給用ピペットチップを配置する必要がある。物質移動装置が自動化された(又は実際的に自動化された)分析器具内でロボットのように機能する場合、十分な量のピペットチップを設けることがさらに複雑になる。自動化されたフォーマットでは、ピペットでアクセス可能な場所に大量のピペットチップを備蓄する必要があるが、こうすると必要な全空間量が制限される。したがって、ピペットが複雑な移動に従事することや、かなりの距離を移動したりすることが必要なく、ロボットのようなピペットによって容易にアクセス可能なピペットチップが必要とされている。
【0006】
従来通りの反応容器で生じるもう一つの問題は、自動化した分析器具では操作しにくい個別の試験管として梱包されていることである。個別の反応容器であると、医者と器具とがそれぞれ反応容器を別個に扱わねばならないので、(一定期間内に処理される)原料量効率を妨げる。さらに、従来通りの反応容器には、自動器具で操作できるようにする構造が一切設けられていないので、反応容器は概して器具の中の一カ所に配置され、自動的に移動させることができない。このように移動できないと、器具を反応容器の配置に応じて設計しなければならないので、構造的に特定の制限が生じ、分析の効率が悪くなる。したがって、1つの反応容器、又は1つの操作可能なユニットとして結合した複数の反応容器を含む自動分析器具で操作できる反応容器装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した1つ以上の必要性に適合する反応容器装置を提供することが、本発明の目的である。したがって、本発明による反応容器装置は、化学又は生物学的分析の実行に使用することができ、このような分析の実行に使用する物質を含む少なくとも1つの反応容器を備えている。反応容器装置は、反応容器装置が複数の反応容器を含む場合、反応容器は操作可能な状態で互いに直接又は間接的に結合され、反応容器装置を構成する複数の反応容器の一部又は全てに物質を配量するか、物質を抜き取る物質移動装置と相互作用することができる。
【0008】
物質移動装置が安全かつ効率的に反応容器に物質を配量したり、そこから物質を抜き取ったりできるよう、本発明の一つの実施形態は、反応容器装置に関連する1つ以上の接触制限要素を提供する。この実施形態の接触制限要素は、動作可能な状態で物質移動装置と係合するよう構成され、配置されて、物質移動装置の少なくとも一部と、物質移動装置によって反応容器に配量されるか、そこから抜き取られ、汚染する可能性がある物質との、汚染する可能性がある接触を制限する。1つ以上の接触制限要素が、反応容器装置の1つ以上の反応容器それぞれと関連する。
【0009】
本発明が複数の接触制限要素を含む場合、反応容器装置には、1つ以上の接触制限要素保持体が設けられ、接触制限要素保持体はそれぞれ、異なる接触制限要素に関連することが好ましい。接触制限要素保持体はそれぞれ、(i)動作可能な状態で物質移動装置と係合できるよう、関連する容器の近傍に、動作方向で関連の接触制限要素を受けて、着脱式にこれを保持し、(ii)関連する接触制限要素が動作可能な状態で物質移動装置と係合している場合、関連する接触制限要素を関連の接触制限要素保持体から外すことができるように構成配置されている。
【0010】
反応容器装置のこの実施形態には、その接触制限要素が供給されているので、物質移動装置が複雑な動作を回避し、反応容器装置を器具の動作位置に移動させると、都合よく接触制限要素と係合するよう、自動分析器具を構成することができる。この実施形態の追加の利点は、器具を、大量の接触制限要素を受けるよう構成する必要がなく、分析を実行している間に、医者が器具の中の接触制限要素の量を監視する必要がないことである。
本発明のさらなる実施形態は、自動反応容器操作デバイスによって装置を操作することができる反応容器操作体を含む反応容器装置である。この実施形態によると、反応容器操作体は、自動反応容器操作デバイスと係合するよう構成配置され、したがって反応容器装置は自動器具内でロボットのごとく操作することができる。この実施形態の反応容器装置は、少なくとも1つの反応容器を含み、オプションとして、上述した接触制限要素及び接触制限要素保持体を含むことができる。
本発明は、さらに、以下の項目を提供する。
(項目1)
複数の容器装置の各容器で化学又は生物学的分析を同時に実行する方法であって、該方法が、
機器に複数の容器装置を提供する工程にして、各容器装置が、
1つ以上の物質を含む複数の容器にして、前記複数の容器が、前記複数の容器の1つ以上の容器に物質を配量する又はそこから物質を抜き取るよう構成されて、配置された物質移動装置と相互作用できる複数の容器と、
前記複数の容器を互いに固定状態で接続する容器接続体であって、前記複数の容器と一体成型されている容器接続体と、
前記1つ以上の容器のそれぞれに関連する1つ以上の接触制限要素にして、前記接触制限要素はそれぞれ、動作可能な状態で物質移動装置と係合し、物質移動装置の少なくとも一部と、物質移動装置によって1つ以上の容器に配量される又は容器から抜き取られる物質との接触を制限するよう構成されて、配置された1つ以上の接触制限要素と、
前記1つ以上の容器に関連し、それに対して固定された近傍にある1つ以上の接触制限要素保持体にして、前記接触制限要素保持体はそれぞれ、前記接触制限要素の1つと関連し、前記接触制限要素保持体の構成及び配置がそれぞれ、
(i)前記関連容器の近傍で、動作方向で前記関連接触制限要素を受けて、着脱式に保持し、前記接触制限要素が物質移動装置と動作可能に係合し、
(ii)前記関連接触制限要素が物質移動装置と動作可能に係合した時に、前記関連接触制限要素を前記関連接触制限要素保持体から外せるようになっている1つ以上の接触制限要素保持体と、
前記複数の容器に結合された容器装置操作体とを備えている、機器に複数の容器装置を提供する工程と、
各容器装置の容器装置操作体と係合する操作フックにして、回転移送キャリア内に並進可能に取り付けられた操作フックを有した回転移送キャリアを有する操作デバイスで、前記複数の容器装置を前記機器の異なる位置に動かす行程とを有している、
化学又は生物学的分析を同時に実行する方法。
(項目2)
項目1に記載の方法において、前記1つ以上の容器が、物質移動装置と同時に係合して、物質移動装置が前記1つ以上の容器のそれぞれに同時に物質を配量するか、そこから物質を抜き取れるよう配置されている、方法。
(項目3)
項目1又は2に記載の方法において、前記容器装置が5つの前記容器を備えている、方法。
(項目4)
項目1から3のいずれか一項に記載の方法において、前記複数の容器が縦方向に間隔をあけて列状に整列した容器である、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法において、前記容器接続体が前記複数の容器の外面に接続された接続リブ体であり、前記接続リブ体が前記外面から前記容器の列に沿って延在し、前記列状の容器の両側に沿って延在する概ね直線の縁表面と、前記複数の容器の下端に面した概ね平坦な肩とを形成している、方法。
(項目6)
項目5に記載の方法において、前記接続リブ体の一端が前記列状の容器の反対側に沿って上方向に曲がり、前記概ね直線の縁表面から延在する上に傾斜した縁表面を形成している、方法。
(項目7)
項目1から6のいずれか一項に記載の方法において、前記容器装置が前記複数の容器と結合し、人間及び/又は機械が読みとれる情報を添付するラベル受け面を提示するラベル受け体を備えている、方法。
(項目8)
項目5又は6に記載の方法において、前記複数の容器の少なくとも1つが反対側の外面から外側に延在するリブを有し、前記反対側の外面が前記列状の容器の前記反対側に対応している、方法。
(項目9)
項目1から8のいずれか一項に記載の方法において、前記複数の容器がそれぞれ円形の開放した上端及び閉じた下端を有する概ね円筒形の中空体を含んでいる、方法。
(項目10)
項目1から9のいずれか一項に記載の方法において、前記1つ以上の接触制限要素が保護チップレットであり、
該保護チップレットが、近位端及び遠位端及び前記近位端から前記遠位端まで内部に形成された内腔を有する管状本体と、前記管状本体の外周に配置された周辺フランジとを備え、
前記保護チップレットは、前記保護チップレットが物質移動装置の管状要素によって係合された時、該管状要素の自由端に摩擦で固定されるよう構成配置されている、方法。
(項目11)
項目10に記載の方法において、管状要素が前記内腔に挿入された時、前記内腔の一部が、前記内腔に挿入された管状要素の自由端を受けいれ、前記管状本体の内面と管状要素の自由端の外面との間に締り嵌めを提供するようなサイズである、方法。
(項目12)
項目10又は11に記載の方法において、前記管状本体が前記接触制限要素保持体に挿入された時、前記管状本体が、前記管状本体の外面と前記接触制限要素保持体の内面との間に締り嵌めを提供するようなサイズである、方法。
(項目13)
項目10から12のいずれか一項に記載の方法において、前記保護チップレットの前記管状本体及び前記内腔が概ね円筒形状である、方法。
(項目14)
項目10から13のいずれか一項に記載の方法において、前記遠位端に近い前記管状本体の一部が前記管状本体の縦軸に対して角度をつけて形成されている、方法。
(項目15)
項目10から14のいずれか一項に記載の方法において、前記保護チップレットが、前記周辺フランジから前記管状本体に沿って縦方向に延在し、前記管状本体の残りの部分の外径より大きい外径を形成する部分をさらに備えている、方法。
(項目16)
項目10から15のいずれか一項に記載の方法において、前記1つ以上の接触制限要素保持体がそれぞれ前記関連容器の外面に取り付けられたチップレット保持体であり、前記チップレット保持体が、内部に形成された細長い穴を有して、前記細長い穴に挿入された関連保護チップレットの管状本体を受けいれ、さらに前記細長い穴の軸に対して横断方向に配向されて前記細長い穴の端部を囲む周辺端面を有し、前記保護チップレットの前記管状本体が前記細長い穴に完全に挿入されると、前記保護チップレットの前記周辺フランジが、前記チップレット保持体の前記周辺端面と接触し、前記チップレット保持体が、前記細長い穴と前記細長い穴に挿入された前記関連保護チップレットの前記管状本体との間に摺動締り嵌めを提供するよう構成配置され、それによって前記関連保護チップレットが前記細長い穴内に摩擦固定されている、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法において、前記容器装置が、前記チップレット保持体内に形成され、前記細長い穴の側部に沿って延在するスロットをさらに備え、前記スロットが、前記保護チップレットを前記細長い穴に挿入すると、前記チップレット保持体の弾性拡張を可能にするよう構成配置されている、方法。
(項目18)
項目16に記載の方法において、前記保護チップレットの前記管状本体及び前記内腔が概ね円筒形状であり、前記細長い穴が概ね円筒形状であり、前記チップレット保持体が、前記細長い穴の内面に形成され、円周方向に間隔をあけて軸方向に延在する隆起リブをさらに備え、前記複数の隆起リブの頂部によって形成された内径が、前記細長い穴に挿入された前記関連保護チップレットの前記管状本体の部分の外径より小さく、前記複数の隆起リブの頂部と前記関連保護チップレットの前記管状本体との間に摺動締り嵌めを提供している、方法。
(項目19)
項目18に記載の方法において、前記保護チップレットの前記管状本体が、前記管状本体の範囲に沿って厚壁部分を含み、前記厚壁部分が、前記管状本体の残りの部分の外径より大きい外径を有し、前記複数の隆起リブの頂部によって形成された内径が、前記細長い穴に挿入された前記関連保護チップレットの前記管状本体の前記厚壁部分の外径より小さく、前記複数の隆起リブの頂部と前記関連保護チップレットの前記管状本体の前記厚壁部分との間に摺動締り嵌めを提供している、方法。
(項目20)
項目1から19のいずれか一項に記載の方法において、前記容器装置が、前記容器装置の一端に配置された遮蔽体と、前記遮蔽体に取り付けられた容器操作体とをさらに備え、前記容器操作体が、前記遮蔽体から延在する側板と、前記側板の前記遮蔽体とは反対側の端に取り付けられ、それに対して横断方向に延在する横断部片とを含み、前記容器操作体が、容器装置操作デバイスの操作フックを、前記遮蔽体と前記横断部片との間にある空間に配置して前記容器装置を操作することにより、容器装置操作デバイスと係合するよう構成配置されている、方法。
(項目21)
項目20に記載の方法において、前記遮蔽体及び前記横断部片が、前記遮蔽体と前記横断部片との間にある前記空間の両側に、互いに面する凸面を含んでいる、方法。
(項目22)
項目21に記載の方法において、前記容器装置が、前記互いに面する凸面のそれぞれに1つずつ配置された隆起尾根をさらに備え、各尾根が、前記凸面それぞれの湾曲に対して軸方向に延在し、前記凸面それぞれの概ね中央に配置されている、方法。
【0011】
本発明の他の特徴及び特性、さらに操作方法、構造の関連要素及び部品の組合せの機能、及び製造の経済性は、添付図面を参照しながら以下の記述及び請求の範囲を考察すると、さらに明らかになり、図面はすべて本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は種々の図で対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】反応容器装置、及び本発明の態様を実現するチップレットという形態の接触制限要素の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】接触制限チップレットの側面図である。
【図3】図1の矢印「III」で示す方向で切り取った図1の反応容器装置の部分下面図である。
【図4】本発明の反応容器装置の第1の代替実施形態の側面図である。
【図5】図4の反応容器装置の上面図である。
【図6】図4の「VI−VI」の方向の断面図である。
【図7】図4の「VII−VII」の方向の断面図である。
【図8】図4の「VIII−VIII」の方向の断面図である。
【図9】本発明による反応容器装置を操作する例証的な反応容器装置操作デバイスの斜視図である。
【図10】反応容器装置を中に入れた図9の操作デバイスの側面部分断面図である。
【図11】本発明による反応容器装置を処理する例証的な反応容器装置処理デバイスの側面部分断面図である。
【図12】本発明による反応容器装置、及び装置に振動を与える傾斜揺動板の部分側面図である。
【図13】処理デバイスの管状要素が、本発明の装置の接触制限要素保持体の中に配置された状態で、反応容器処理デバイス内の容器担持体によって担持された、本発明による反応容器装置を示す断面図である。
【図14】管状要素及び接触制限チップレットが装置に挿入された管状要素の先端上に配置された状態で、容器担持体内に配置された反応容器装置を示す断面図である。
【図15】本発明の反応容器装置の第2の代替実施形態の斜視図である。
【図16】本発明の反応容器装置の第3の代替実施形態の斜視図である。
【図17】物質移動装置の管状要素によって係合された接触制限チップレットの代替実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図3に示されるように、本発明による反応容器装置の好ましい実施形態が概ね参照文字160で示されている。図示のように、反応容器装置160は、複数の個別容器162を備えることが好ましい。図示の実施形態では、反応容器装置160は5つの個別容器162を含むが、本発明による反応容器装置は、所望に応じて任意の数の容器162を含んでもよい。10個の容器162が好ましく、5個の容器162が最も好ましい。個別容器162はそれぞれ、従来通りの試験管に類似した構造体、すなわち円形の開放口161及び丸まって閉じた底端163を有する円筒形本体を有することが好ましい。しかし、個別容器はそれぞれ、長方形、八角形などの他の形状を有することができ、上端に閉鎖可能な蓋などを装備してもよい。反応容器装置が複数の容器を含む場合、容器は同じ、又は異なった形状及びサイズを有することができる。容器162は、整列し、1列の容器162を備えた配置構成で配向することが好ましく、反応容器装置160の両側に沿って縦方向に延在する下向きの肩165を形成する接続リブ体164によって、互いに接続されている。容器162は異なる非線形の配置構成で配向できる、あるいは、1つの反応容器装置が2列以上の容器162を備えることができる。
【0014】
反応容器装置160は、射出成形したポリプロピレンで形成した一体物であることが好ましい。最も好ましいポリプロピレンは、デラウェア州WilmingtonのMontellPolyolefinsmが製品番号PD701NWで販売している。Montellの材料を使用するのは、容器に成形でき、反応容器装置で実行する好ましい生物学的分析に適合するからである。さらに、Montelの材料は静電放電事象の経験数が少なく、これは反応容器装置で実行する分析の結果が、分析の最後で装置の内容物が発する光を検出することによって判断される場合に重要である。静電放電事象は、光出力の正確な検出又は定量化を妨害することがある。
【0015】
反応容器装置160の一端に設けたアーチ形の遮蔽体185は、上部分169及び下部分173を含んでいる。反応容器操作デバイスと係合するようになっている反応容器操作体166が、遮蔽体の上部分169から延在している。反応容器操作体166は、横方向に延在する板168と、板168の反対端にある横断部片167を備えている。控え壁183が、遮蔽体の下部分173と横断部片167との間で板168から下方向に延在している。
【0016】
図3に示すように、遮蔽体の下部分173及び横断部片167は互いに面する凸面を有している。反応容器装置160は、以下で述べるように、操作デバイスの係合部材を横方向(「A」方向)に移動させ、遮蔽体の下部分173と横断部片167との間の空間50に入れることにより、操作デバイス及び他の構成要素と係合することが好ましい。遮蔽体の下部分173と横断部片167との凸面は、横方向に相対運動する係合部材が空間50に入る広めのポイントを提供する。横断部片167及び遮蔽体の下部分173の凸面の中央には、それぞれ垂直に延在する隆起アーチ形尾根171、172を設けてもよい。尾根171、172の目的は以下で述べる。
【0017】
反応容器操作体166の反対側で反応容器装置160の端部に設けたラベル受け体174は、上部分71及び下部分75を有することが好ましく、これは一緒になって平坦なラベル受け面175を呈する。ラベル受け体174は、さらに、上部分71にかすがいを提供するため、上部分71と最も端にある容器162との間に延在する垂直控え壁78を含んでいる。図4で最もよく分かるように、ラベル受け体174の控え壁80は、垂直に配向され、リブ体164に近い位置から下部分75の下端に向かって対角に延在し、下部分75にかすがいを提供している。機械走査可能なバー・コードなどのラベルをラベル受け面175に設け、反応容器装置160に関する識別及び指示情報を提供することができる。ラベルは、ラベル受け面175に印刷するか、接着剤でラベル受け面175にラベル・シートを付着させるなど、任意の適切な手段でラベル受け面175に適用することができる。
【0018】
物質は、分注装置又は吸引装置(以下ではまとめて「分注装置」又は「ピペット」と呼ぶ)などの物質移動装置によって、開放口161を通って容器162に配量されるか、そこから取り出される。分注装置は、細長い管状要素(例えば図11の管状要素220を参照)を含んでもよく、管状要素は開放口161を通して容器162に挿入され、容器162自体、容器162に含まれる物質及び/又は容易に配量される物質と接触することがある。分注装置は、物質を複数の個別容器162に配量するか、そこから物質を取り出す、あるいはその両方を実行するように使用される。したがって、個別容器162が相互汚染する可能性を低下させるには、物質又は容器162の壁と接触する分注装置の量を制限することが望ましい。したがって、使い捨ての保護チップ又はチップレットの形態をとることができる接触制限要素が、分注装置の管状要素の端を覆っている。分注装置が個別容器に係合して、物質を容器に配量するか、物質を取り出す間、1つの接触制限要素が使用されて管状要素の端を覆っている。分注装置が次の容器に移動する前に、その接触制限要素を廃棄するか、後にその容器で使用するために保存し、新しい接触制限要素が管状要素と係合される。
【0019】
図2に示すように、接触制限要素の好ましい実施形態はチップレット170である。好ましい実施形態では、チップレット170は管状本体179を備え、管状本体179は半径方向に延在することが好ましい周辺フランジ177と、周辺フランジ177に隣接し、チップレット170の管状本体の残りの部分より概ね大きい径を有する厚壁部分178とを有している。軸方向に延在する内腔180が、チップレット170を通っている。内腔180は外方向に漏斗状に開く端部181を含み、これは分注装置の管状要素の下自由端がチップレット170の内腔180に挿入されるのを容易にする。内腔180の内径は、管状要素の外径と締り嵌めを形成し、管状要素の下端が内腔180に押し込まれた時、チップレット170を管状要素に摩擦固定する。
【0020】
図示の実施形態では、管状本体179及び内腔180は形状が概ね円筒形で、分注装置又は吸引装置などの物質移動装置の管状要素の典型的な円筒形状と一致する。しかし、本発明は、円筒形である管状本体と内腔とを有する接触制限要素に制限されるものではない。というのは、接触制限要素の管状本体及び内腔は、物質移動装置の円筒形でない管状要素に一致する円筒形以外の形状を有してもよいからである。
【0021】
チップレット170の下端は、面取り部分182を含むことが好ましい。容器162から物質を吸引するために使用する分注装置の管状要素の底部にチップレット170を使用すると、面取り部分182がチップレット170の端部と容器162の底部163との間に真空が形成されるのを防止する。
【0022】
接触制限要素の代替実施形態は、図17の参照番号470で示されたチップレットである。チップレット470は、管状本体479を備え、管状本体479は半径方向に延在することが好ましい周辺フランジ477と、周辺フランジ477に隣接し、チップレット470の管状本体の残りの部分より概ね大きい径を有する厚壁部分478とを有する。軸方向に延在する内腔480が、チップレット470を通る。内腔480は面取りした端部481を含み、これは管状本体479の上端483の管状要素420の下自由端への挿入を容易にする。管状本体479の上端483の外径は、管状要素420の内径と締り嵌めを形成し、管状本体479の上端が管状要素420の下自由端に押し込まれた時、チップレット470を管状要素420に摩擦固定する。
【0023】
この場合も管状本体479及び内腔480は、図17で示すような概ね円筒形の形状である必要はなく、物質移動装置の円筒形でない管状要素に一致する円筒形以外の形状を有してもよい。
【0024】
チップレット470の下端は、面取り部分482を含むことが好ましい。容器162から物質を吸引するのに使用する分注装置の管状要素の底部にチップレット470を使用すると、面取り部分482がチップレット470の端部と容器162の底部163との間に真空が形成されるのを防止する。
【0025】
図1に示すように、反応容器装置160は、各反応容器162の開放口161に隣接するチップレット保持体176の形態で、接触制限要素保持体を含むことが好ましい。各チップレット保持体176は、細長い穴150を提供し、これは概ね円筒形状であることが好ましく、その中にチップレット170(470)を受け入れる。環状端面152が穴150の周囲に延在し、チップレット170(470)をチップレット保持体176に挿入すると、周辺フランジ177(477)がチップレット保持体176の端面152に接触し、チップレット170(470)を穴150に挿入できる深さを制限する。厚壁部分178(478)の外径は、穴150の内径よりわずかに大きい。あるいは、複数の小さく隆起したリブ154(図3参照)が、円周方向に離隔した異なる位置で、穴150の内壁に沿って縦方向に延在することが好ましい。隆起したリブ154の頂部が、厚壁部分178(478)の外径よりわずかに小さい内径を形成する。したがって、チップレット保持体176が厚壁部分178(478)と穴150の内径の間、又は厚壁部分178(478)とリブ154の頂部との間に摺動締り嵌めを提供する。したがって、チップレット170(470)が、チップレット保持体176の穴150内にしっかり保持され、したがって反応容器装置160を逆さまにしても、チップレット170(470)がチップレット保持体176から外れる可能性は低い。これに対して、チップレット170(470)をチップレット保持体176内に保持している間、チップレット170(470)が分注装置の管状要素と摩擦嵌合すると、チップレット170(470)と管状要素との間の摩擦が、チップレット170(470)とチップレット保持体176との間の摩擦保持力より大きい。したがって、管状要素をチップレット保持体176の穴150から軸方向に引き抜いた場合、チップレット170(470)は、管状要素の端部に固定されたままになるはずである。
【0026】
本明細書の残りを通して、チップレット170(図2に示す実施形態)のみに言及する。しかし、当業者には、以下の記述及び図はチップレット470(図17に示す実施形態)にも適用できることが理解される。
【0027】
代替チップレット保持体76を図4及び図5に示す。反応容器装置60は、図1の反応容器装置160のチップレット保持体176とは異なるチップレット保持体76を含んでいる。しかし、他の構成では、反応容器装置60は反応容器装置160と同じである。チップレット保持体76は、チップレット受け穴79を含み、端面77が穴79を囲み、部分環を形成している。スロット78が、チップレット保持体76の壁に沿って縦方向に延在する。チップレット70をチップレット保持体76に挿入する場合、スロット78によって、チップレット保持体76が拡張されることができ、反応容器装置60を形成する材料の弾性が、チップレット170とチップレット保持体76との間に摩擦嵌合を提供する。
【0028】
図1、図4及び図5に示すように、接続リブ体164は、反応容器装置160の両側に沿って延在し、下向きの肩165と反応容器装置160(60)の両側に沿った外縁192とを形成する。反応容器装置160(60)は、肩165によって診断器具などの中に動作可能な状態で支持され、肩は個別容器162の幅よりわずかに大きいが、縁192間のリブ体164の幅より小さい距離互いに離隔した平行で水平なフランジに載る。このようなフランジは、反応容器装置支持板の縁から延在するスロットで形成することができる。反応容器装置の内容物を処理する自動器具では、反応容器装置操作デバイスによって反応容器装置を支持板に挿入し、そこから取り出すことができる。
【0029】
リブ体164の反応容器操作体166と反対側の端部で上向きに傾斜した2つの部分が、反応容器装置160(60)の両側に上向き斜行肩84を提供する。上向き斜行肩84は、反応容器装置160(60)が支持板上に摺動するのを容易にする。
【0030】
反応容器装置160(60)を操作する例証的なデバイス20を、図9及び図10に示す。デバイス20は、本発明による反応容器装置の内容物を処理し、各反応容器装置160で1つ以上の分析を実行することができる器具の取付ブラケット又は取付板に取り付けられるベース体22を含む。操作デバイス20は、反応容器装置を器具内の1つの位置から別の位置へと移動させる。
【0031】
操作デバイス20は、さらに、ステッパ・モータ24によって軸25を中心に回転する回転移送キャリア28を含み、モータ24は駆動ベルト27を介して軸25に取り付けられたプーリ29を回転させる。軸25及びプーリ29は、プーリ筐体26で覆ってもよい。回転移送キャリア28は、筐体32に覆われたベース板30を含む。筐体32は、一端に開口36を含み、ベース板30にはスロット31が形成されている。操作フック34は、スロット31内で摺動並進するよう取り付けられ、ステッパ・モータ38によって起動されて操作フック34をスロット31内に拡張及び収縮させるねじ式駆動ねじ40に取り付けられている。
【0032】
反応容器装置160の反応容器装置操作体166と係合するため、操作フック34は、図9に示すように開口36から突き出した前位置まで延在する。操作フック34の横並進運動は、回転移送キャリア28を小さく回転することなどによって実行され、操作フック34を、アーチ形遮蔽体185の下部分173と反応容器操作体166の横断部片167との間にある空間50に配置する。操作体166が係合した状態で、ステッパ・モータ38が駆動ねじ40を引っ込め、操作フック34及び反応容器装置160を回転移送キャリア28内へ引き戻す。反応容器装置160の接続リブ体164によって形成された下向きの肩165は、スロット31の両側の縁42に沿ってベース板30によって支持され、したがって反応容器装置160を回転移送キャリア28内に支持する。反応容器装置160が回転移送キャリア28内に固定された状態で、キャリア28はステッパ・モータ24によって、ステッパ・モータ38が駆動ねじ40及び操作フック34を拡張できる別の位置まで回転させ、反応容器装置160を回転移送キャリア28から押し出し、器具内の別の位置にすることができる。
【0033】
例証的な反応容器処理デバイス200を図11に示す。処理デバイス200は、まとめて反応容器処理器具を構成する多くの同様の、又は関連したデバイスの一つを表している。
【0034】
処理デバイス200は、開口202が形成された筐体201を含む。反応容器装置160は、図9及び図10で示し、以下で述べる操作デバイス20のような操作デバイスによって、開口202を通って処理デバイス200に挿入され、202を通って取外されることができる。筐体201の内部で、反応容器装置は、ベース板204(図13及び図14も参照)を有する容器キャリア体206によって支持され、容器受けスロット(図示せず)が内部に形成され、したがって反応容器装置160の接続リブ体164を支持するスロットの両側の縁に沿って、反応容器装置160を板204の一部で支持することができる。
【0035】
処理デバイス200は、反応容器装置160の内容物を混合する混合デバイスでもよく、処理デバイス200は、物質を反応容器装置160の個別容器162にそれぞれ同時に配量する配量デバイスでもよく、あるいは処理デバイス200は、反応容器装置160の容器162それぞれから物質を同時に吸引するデバイスでもよい。あるいは、処理デバイス200は、上記の機能の2つ又はそれ以上の組合せを実行してもよい。
【0036】
混合デバイスとして、容器キャリア体206は軌道を描く混合組立体と結合することができ、混合組立体は、ステッパ・モータ208、偏心ピン212が延在する駆動ホィール210及び偏心ピン218を有し、ベルト214によって駆動ホィール210に結合されるアイドラー・ホィール216を備える。ステッパ・モータ208が駆動プーリ210を回転させ、これがアイドラー・プーリ216を回転させるにつれ、偏心ピン212及び218が容器キャリア体206と係合し、容器キャリア体と、これに担持された反応容器装置160とを軌道動作路で移動させる。振動数が十分に高い運動で、反応容器装置160を十分に攪拌し、その内容物を混合することができる。
【0037】
図1、図4及び図5に示すように、側面リブ190が接続リブ体164より上で、互いに対して半径方向の反対側の位置で容器162の外壁に沿って縦方向に延在する。側面リブ190の外縁は、概ね接続リブ体164の外縁192と同一平面にある。側面リブは、容器162の開放した口161に追加の強度及び剛性を与える。また、側面リブ190の外縁は、図13及び図14に示すような容器キャリア体206の側壁と係合し、反応容器装置160が容器キャリア体206内で横方向に傾斜できる程度を制限することができる。側面リブ190は、容器162それぞれに設けることが概ね好ましいが、側面リブ190が含まれる場合、これを全部の容器162には設けなくてもよい。
【0038】
反応容器装置160は、容器キャリア体206内にある場合、列状の管状要素220を備える配量及び/又は吸引システムと係合することができる。配量及び/又は吸引システムは、反応容器装置160の個別容器162の方向と一致するよう配向された5本の管状要素220を含むことが好ましい。管状要素220は、管状要素220の自由端に反応容器装置160に対して垂直運動を与え、管状要素220の端を個別容器162に出し入れし、物質を吸引及び/又は配量する手段と結合される。また、管状要素220は、管状要素220それぞれに流体を提供するか、管状要素220それぞれで吸引するため、流体ポンプ及び流体源又は真空ポンプなどの手段と結合される。
【0039】
しかし、上述したように、管状要素220を反応容器162に挿入する前に、チップレット170を各管状要素220の端に配置することが好ましい。したがって、管状要素220は最初に下降し、個別のチップレット保持体176内に担持されたチップレット170全部と同時に係合する。列状の管状要素220は管状要素220に横並進運動を与える手段と結合され、管状要素220をチップレット保持体176より上の位置に移動させる。あるいは、容器キャリア体206自体が横方向に移動させられ、チップレット保持体176を個別の管状要素220の下に配置することができる。容器キャリア体206を上述したように軌道を描く混合組立体と結合すると、ステッパ・モータ208が制限されたステップ数だけ組立体を移動させ、したがって容器キャリア体206及び反応容器装置160を一つの軌道路の一部に移動させ、チップレット保持体176を図13に示すような管状要素220より下に配置することができる。
【0040】
図1、図4及び図5に示すように、チップレット保持体176(76)はそれぞれ、隣接する容器162の間の位置に配置されることが好ましい。チップレット保持体176(76)を隣接する容器162間に配置することにより、反応容器装置160が管状要素220に対して移動すると、管状要素220が、チップレット保持体176(76)の軌道路に配置される。したがって、軌道混合器組立体を使用して、上述したように管状要素220に対してチップレット保持体176(76)を適切に配置することができる。また、チップレット保持体176(76)を隣接する容器162の間に配置すると、チップレット保持体176(76)を接続リブ体164の縁192に最も近い容器162の外部分に配置した場合より、反応容器装置160(60)の輪郭が狭くなる。
【0041】
処理デバイス200は、容器キャリア体206内に保持された反応容器装置160の容器162に物質を配量する列状の固定ノズル222も含むことができる。
【0042】
図12に示すように、代替振動混合デバイス230が、モータ(図示せず)によって駆動された軸234上に配置された斜行揺動板232を備えている。揺動板232がアーチ形遮蔽体185の下部分173と容器装置操作体166の横断部片167との間の空間50に入るまで、キャリア体(図示せず)に担持された反応容器装置160が、振動混合デバイス230に対して動くか、揺動混合デバイス230が反応容器装置160に対して動く。軸234が回転するにつれ、反応容器160と係合揺動板232の部分の位置が、線形に振動するように変化し、反応容器装置160に線形振動動作を与える。
【0043】
横断部片167及び下部分173の凸面の中央にそれぞれ設けた隆起尾根171、172は、揺動板232と凸面との表面接触を最小限にし、その間の摩擦を制限することができる。しかし、隆起した尾根171、172は操作デバイスの操作フックと容器装置操作体166との係合を妨害する可能性があると判断されている。したがって、隆起した尾根171、172は削除することが好ましい。
【0044】
本発明の反応容器装置の好ましい実施形態では、直線の列状の個別容器162が接続リブ体164によって互いに一体に結合されている。しかし、本発明の最も広い態様は、図15に示すような反応容器装置260を想定し、これは開放口261と、容器262に取り付けられたチップレット保持体276などの接続された接触制限要素保持体を有する。図15に図示した実施形態では、チップレット保持体276はチップレット受け穴279、縦スロット278及び環の一部を形成する端面277を含む。あるいは、接触制限要素保持体は、図1のチップレット保持体176の形態でもよく、それは縦スロットが形成されず、縦方向に延在する複数の隆起リブ154(図3参照)が穴150の内面に形成されている。
【0045】
本発明の反応容器装置のさらなる代替実施形態は、図16の参照番号360で概ね指示される。図に示すように、反応容器装置360の好ましい実施形態は、複数の個別容器362を含み、それぞれが容器開放口361を有する。反応容器装置360の最も好ましい実施形態は、5つの個別容器362を含む。個別容器362は、接続リブ体364によって互いに接続されている。
【0046】
反応容器装置360は、大部分の態様では上述し、図1、図4及び図5で図示した反応容器装置と同一であるが、反応容器装置360はそれぞれの個別容器362に関連した接触制限要素保持体176(76)を含まない。反応容器装置360は、それぞれの個別容器362に関連して、チップレット170などの接触制限要素も含まない。
【0047】
反応容器装置360は、平坦なラベル受け面376を形成するよう協力する上部分377及び下部分375を有するラベル受け体374も含むことが好ましい。垂直控え壁378が、ラベル受け体374の上部分377と最も端にある容器362の外壁との間に延在する。
【0048】
また、反応容器装置360は、上部分369及び下部分373を有するアーチ形遮蔽体385を含む。容器装置操作体366は、アーチ形遮蔽体385の上部分369と横断部片367との間に延在する板368及びアーチ形遮蔽体385の下部分373と容器装置操作体366の横断部片367との間に延在する控え壁383によって、アーチ形遮蔽体385に接続される。前述した実施形態と同様、横断部片367とアーチ形遮蔽体385の下部分373とは、互いに面した凸面を有することが好ましく、表面はそれぞれ、アーチ形の垂直尾根371及び372を含むことができる。容器装置操作体366及び反応容器装置360のアーチ形尾根371及び373は、上述した容器装置操作体166及び隆起したアーチ形尾根171及び172と同じ機能を果たす。
【0049】
反応容器装置360は、さらに、接続リブ体364より上で、隣接する容器362の間でその上部分に延在する接続壁380も含むことができる。又は、控え壁382を、最も端にある容器362とアーチ形遮蔽体385との間に設けてもよい。最後に、反応容器装置360は、さらに、容器362の上部分の半径方向で対向する位置に、外面に沿って垂直に延在する側面リブ390を含んでもよい。反応容器装置360の側面リブ390は、上述した側面リブ190と同じ機能を果たす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載される発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−156878(P2009−156878A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96523(P2009−96523)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【分割の表示】特願2008−112801(P2008−112801)の分割
【原出願日】平成10年5月1日(1998.5.1)
【出願人】(500506530)ジェン−プロウブ インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】