説明

収容体

【課題】収容空間からシートを容易に取り出すことができる技術を提供する。
【解決手段】蓋130は、本体110の開口112を開閉する開閉部130a、摘み部130b、ウェットティッシュ151と係合可能な係合体140を有している。ウェットティッシュ151は、折り返し部151e、151fで折り返された状態で本体110の収容空間110H内に積み重ねられている。最上部のウェットティッシュ151の先端部151Xの一部は、開口112に対向する箇所に配置される。最上部のウェットティッシュ151の先端部151Xより後端部151Y側の折り返し部151eは、開閉部130aによって開口112が閉じられている時に、開口112を挟んで摘み部130bと反対側に配置される。また、係合部140は、開閉部130aによって開口112が閉じられている時に、最上部のウェットティッシュ151の先端部151Xと折り返し部151eとの間の部分に対向する箇所に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを順次取り出し可能に収容する収容体に関し、特に、収容されているシートを容易に取り出すことができる収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚等に付着した汚れを落とすために、ウェットティッシュ等の種々のシートが用いられている。シートは、通常、収容体に収容されている。例えば、収容体は、本体と蓋により構成される。本体は、シートを積み重ねた状態で収容する収容空間と、収容空間からシート取り出すための開口を有している。蓋は、本体の開口を覆う大きさに形成され、本体の表面に剥離可能に接着される。このような収容体では、ユーザは、シートを使用する際に、最上部に積み重ねられているシートの、開口に対向する部分を摘み、開口から取り出す操作を行う必要がある。
そこで、シートを開口から取り出す際の操作性を改善するために、図18および図19に示されている収容体800が提案されている(特許文献1参照)。この収容体800は、本体810と蓋830により構成されている。本体810は、熱融着可能なフィルムを、縦シール部(図示省略)および横シール部811a,811bで加熱することによって形成される。本体810は、上壁810aと下壁810bにより形成される収容空間を有している。この収容空間には、シート851を積み重ねた積み重ね体850が収容されている。上壁810aには、開口縁端部812aと812bの間に開口縁812cが形成されているとともに、切断線833aが形成されている。この開口縁812cと切断線833aによって、孔833bを有する舌片833が形成される。また、舌片833が上壁810aから離れることによって、開口812が形成される。蓋830は、基材831と、基材831に塗布された接着剤832により構成され、開閉部830aと摘み部830bを有している。蓋830は、接着剤832によって、本体810の上壁810aの表面に剥離可能に接着される。この時、蓋830の接着剤832によって、舌片833が蓋830に接着される。これにより、舌片833は、蓋830と共に移動する。
シート851を使用する際には、図18に示されている状態(開口812が閉じている状態)で、ユーザは、蓋830の、孔833bに対応する箇所に、黒矢印の方向に力Fを加える。これにより、最上部に積み重ねられているシート851の、孔833bに対応する部分が、接着剤832によって蓋830に接着される。そして、蓋830の摘み部830bをユーザの指で摘み、図19に黒矢印で示されている方向に移動させると、蓋830(基材831)が、本体810の上壁810aの表面から剥離される。この時、基材831に接着されている舌片833も本体810の上壁810aから離されるため、開口812が開く。したがって、シート851の孔833bに対応する部分が、開口812から引き出される。そして、開口812から引き出されたシート851の部分をユーザの指で摘んで引っ張ることによって、シート851全体が開口812から引き出される。シート851を使用しない場合には、蓋830の摘み部830bをユーザの指で摘み、図19に黒矢印で示されている方向と反対方向に移動させる。これにより、蓋830が図18に示されている箇所に移動され、開口812が閉じる。
【特許文献1】特開20021−114357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されている収容体800では、ユーザの操作性が改善されている。しかしながら、シート851が収容空間内に単に積み重ねられているため、シート851の、舌片833の孔833bに対応する箇所を、開口812から引き出す際の抵抗力が大きい。このため、シート851の、舌片833の孔833bに対応する箇所を開口812から引き出すことができない場合がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、積み重ねられた状態で収容空間に収容されているシートを開口から容易に、確実に取り出すことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、本体と蓋を備えている。本体は、シートを収容する収容空間と、シートを収容空間から取り出すための開口を有している。本発明の収容体に収容されるシートは、繊維材料により形成され、柔らかい種々のシートを包む。典型的には、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等を含浸させたウェットティッシュが収容される。本体は、種々の材料によって形成される。例えば、ラミネートフィルム、典型的には、熱融着フィルムを含むラミネートフィルムによって形成される。蓋は、開閉部と、開閉部から延びる摘み部を有している。開閉部は、本体の開口を覆うことができる大きさを有している。そして、蓋は、一つの面に塗布された接着剤によって、本体の表面に接着される。接着剤としては、蓋を、本体の表面に繰り返し剥離可能に接着する接着剤(例えば、感圧接着剤)が用いられる。接着剤は、蓋の一つの面全体に塗布されてもよいし、一部(例えば、摘み部を除く部分)に塗布されてもよい。開口を開ける際には、通常、摘み部を引っ張り、開閉部を、本体の表面から、摘み部側から順に剥離する。
また、蓋は、1つの面の側(接着剤が塗布される側)に、シートと係合可能な係合部を有している。係合部として、収容されるシートが係脱自在に係合する係合部が用いられる。係合部は、蓋の開閉部によって本体の開口が閉じられた時に本体の開口と対向する箇所に配置される。
シートは、少なくとも1つの折り返し部で折り返される複数の片を有している。シートを構成する片の数や折り返し方法は適宜選択可能である。シートは、折り返された状態で積み重ねられ、本体の収容空間内に収容される。シートの積み重ね方向は、開口と交差する方向に設定される。開口と交差する方向は、開口の面に交差する方向を意味する。好適には、開口に略直交する方向に設定される。この時、シートは、端部のうち開口から最初に取り出される端部(本明細書では、「先端部」と呼んでいる)の一部が、開口に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。「シートの端部」は、シートの縁部あるいは折り返し部が対応する。「先端部の一部が開口に対向する箇所に配置される」態様は、開口側に積み重ねられているシートの先端部の一部を、開口を介して見ることができる態様が対応する。また、シートは、シートの先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部が、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで摘み部と反対側に配置されるように積み重ねられる。「先端部より開口と反対側」は、「先端部より、シートの積み重ね方向に沿って、開口と反対側」を意味する。
係合部は、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口側に積み重ねられているシートの先端部と、当該先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部との間の部分に対向する箇所に配置される。なお、本体が柔軟性を有する材料によって形成されている場合には、収容空間内でシートが移動しても、係合部が、必ず、シートの先端部と、当該先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部との間の部分に対向する箇所に配置されるように構成するのが好ましい。例えば、係合部の形状や大きさ、蓋に対する配設位置等を選択する。
本発明では、シートの端部のうち、開口から最初に取り出される端部(先端部)の一部が、開口に対応する箇所に配置されている。これにより、蓋に設けられている係合部を用いて、開口側に積み重ねられているシートの一部を開口から引き出す際の抵抗力を抑えることができる。また、開口側に積み重ねられているシートの先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部が、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで蓋の摘み部と反対側に配置されている。これにより、蓋に設けられている係合部を用いて、開口側に積み重ねられているシートの一部を開口から引き出す際の抵抗力をより抑えることができる。また、係合部は、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口側に積み重ねられているシートの先端部と、当該先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部の間の部分に対向する箇所に配置されている。これにより、開口側に積み重ねられているシートの先端部を開口から確実に引き出すことができる。したがって、シートを開口から容易、確実に取り出すことができる。
【0005】
本発明の一つの形態では、シートは、先端部の長さが、当該先端部と直交する方向(蓋の長手方向)の長さより長くなるように折り返されている。これにより、同じ面積で、先端部の長さが当該先端部と直交する方向の長さより短くなるように折り返した場合に比べて、係合部の、シートの先端部に沿った長さを長くすることができる。したがって、係合部を用いて、シートの一部を開口からより確実に取り出すことができる。
【0006】
本発明の他の形態では、隣接して積み重ねられるシートのうち、開口と反対側のシートの先端部が、開口側のシートの片の間に挟まれないように構成されている。例えば、シートの折り返し態様や積み重ね態様を適切に選択する。これにより、1つのシートを本体の開口から取り出した時、次に取り出されるシートの先端部が本体の開口から飛び出ることがない。本形態は、例えば、乾燥を防止する必要があるシート(例えば、ウェットティッシュ)を本体の収容空間に収容する場合に好適に用いることができる。
【0007】
本発明の更に他の形態では、シートの先端部として折り返し部が用いられている。これにより、係合部によって開口から取り出すシートの部分が二重になり、強度を高めることができる。また、収容空間に、より大きいシートを収容することができる。
【0008】
本発明の更に他の形態では、シートと蓋を剥離可能に接着する接着剤(例えば、感圧接着剤)あるいはメカニカルテープ(「面ファスナ」とも呼ばれる)によって構成される係合部を用いている。シートが不織布等によって構成されている場合には、メカニカルテープを用いるのが好ましい。接着剤によって係合部を構成する場合には、蓋の一つの面に塗布された接着剤によって係合部を構成することもできる。
【0009】
本発明の更に他の形態では、蓋は、本体の表面からの剥離を防止するための剥離防止部を有している。剥離防止部は、開口を開ける際に、蓋の全部が本体の表面から剥離されるのを防止する機能を有している。剥離防止部は、典型的には、蓋の摘み部を指で摘んで、摘み部側から順に本体の表面から剥離する際に、剥離防止部の箇所まで剥離された時に摘み部に作用する反力を変えるように構成される。例えば、接着シートに、一方の切断線端部と他方の切断線端部の間に、蓋の外周形状に沿って切断線が形成される場合には、切断線端部を結ぶ部分が剥離防止部として機能する。あるいは、蓋の開閉部を開口を覆う部分と固定部分に分割し、開口を覆う部分に第1の接着剤を塗布し、固定部分に、第1の接着剤より接着力が大きい第2の接着剤を塗布する場合には、第1の接着剤と第2の接着剤の境界部分が剥離防止部として機能する。あるいは、蓋の外周部の2箇所に切欠を形成する場合には、切欠を結ぶ部分が剥離防止部として機能する。そして、開口側に積み重ねられるシートの先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部が、剥離防止部と平行(略平行を含む)に配置される。
これにより、シートの一部を開口から取り出す際の抵抗力をより低減することができる。また、シートと蓋の配置関係を容易に調整することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、シートを折り返し部で折り返し、折り返したシートの端部のうち、開口から最初に取り出される端部(先端部)が本体の開口に対向する箇所に配置されている。また、係合部を用いて、シートの先端部を開口から取り出す際、シートの先端部を引っ張る力が、シートの先端部を、当該先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部を中心として回動させる力として作用する。このため、蓋の摘み部を指で摘んで、開口が開く方向に引っ張ることにより、シートの一部を開口から容易、確実に取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、ウェットティッシュ151を取り出し可能に収容する収容体100として構成した、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図6を参照して説明する。ここで、図1には、開口112を閉じた状態の収容体100の斜視図が示されている。図2には、開口112を開いた状態の収容体100の斜視図が示されている。図3には、図1のIII−III線断面図が示され、図4には、図2のIV−IV線断面図が示されている。図5には、本実施の形態で用いられるウェットティッシュ151の折り返し方法が示されている。図6には、開口112を閉じた状態の収容体100の平面図が示されている。
ウェットティッシュ151は、繊維材料をシート状に形成した基材(例えば、不織布、ガーゼ、コットンシート、ティッシュペーパー)に液体(例えば、アルコール、消毒液、化粧水)等を含浸させたものを意味する。
本実施の形態の収容体100は、本体110と蓋130により構成されている。本体110が本発明の「本体」に対応し、蓋130が本発明の「蓋」に対応し、ウェットティッシュ151が本発明の「シート」に対応し、収容体100が本発明の「収容体」に対応する。
【0012】
本体110は、上壁110aと下壁110bにより形成され、ウェットティッシュ151を収容する収容空間110Hを有している。また、本体110は、上壁110aに形成された開口112を有している。収容空間110Hに収容されているウェットティッシュ151は、この開口112から取り出される。収容空間110Hが本発明の「収容空間」に対応し、開口112が本発明の「シートを収容空間から取り出すための開口」に対応する。
本体110は、例えば、加熱することによって融着可能なフィルム(「熱融着フィルム」という)によって形成される。典型的には、本体110は、熱融着フィルムによってウェットティッシュ151(積み重ね体150)を包み、熱融着フィルムが重ねられている縦シール部(図示省略)および横シール部111a、111bを押圧および加熱し、縦シール部および横シール部111a、111bで熱融着フィルムを結合することによって形成される。縦シール部は、本体110の下部に、収容体100の製造時における熱融着フィルムの搬送方向に沿って形成される。また、横シール部111a、111bは、収容体100の製造時における熱融着フィルムの搬送方向に沿って離れた前後の箇所に、熱融着フィルムの搬送方向に直交する方向に沿って形成される。
本体110を形成する熱融着フィルムとしては、加熱することによって融着可能な種々のフィルムを用いることができる。なお、本実施の形態では、ウェットティッシュ151を収容するため、熱融着フィルムとしては、ウェットティッシュ151の湿潤状態(湿った状態)を保持可能、言い換えれば、乾燥を防止可能なフィルムを用いるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂により形成される保護層、アルミニウムにより形成される湿潤保持層(乾燥防止層)、二軸延伸ポリプロピレン樹脂により形成される熱融着層(ヒートシール層)が積層された積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。このような熱融着フィルムを用いて本体110を形成する場合には、縦シール部および横シール部において、熱融着層(二軸延伸ポリプロプレン樹脂層)が対向するように、熱融着フィルムを重ねる。なお、保護層は省略することができる。また、湿潤保持層(乾燥防止層)は、収容空間110Hに収容されているウェットティッシュ151の湿潤状態を維持する(乾燥を防止する)ことができればよく、アルミニウム層に限定されない。また、熱融着層は、加熱されることによって融着されればよく、二軸延伸ポリプロピレン樹脂層に限定されない。
【0013】
本体110の上壁110aは、開口縁112aに沿って切断され、開口112が形成されている。開口112(開口縁112a)は、ウェットティッシュ151を収容空間110Hから取り出すことができる種々の形状に形成することができる。例えば、長軸と短軸を有する楕円形状、円形形状、四角形状に形成することができる。本実施の形態では、楕円形状を有する開口112(開口縁112a)が形成されている。なお、開口112の楕円形状は、長軸が、本体110の長手方向(収容空間110Hに収容されたウェットティッシュ151の先端部151Xに平行な方向)を向き、短軸が、本体110の長手方向に直交する方向を向くように形成されている。
【0014】
ウェットティッシュ151は、折り返された状態で収容空間110H内に積み重ねられる。本実施の形態では、折り返したウェットティッシュ151を積み重ねて積み重ね体150を形成し、積み重ね体150を収容空間110H内に収容している。ウェットティッシュ151は、本体110の開口112に交差する方向に積み重ねられる。本実施の形態では、開口112に直交する方向(略直交する方向を含む)に積み重ねられている。なお、「開口に交差する方向」は、開口の面に交差する方向を意味する。
【0015】
本実施の形態で用いられているウェットティッシュ151が図5に示されている。ウェットティッシュ151は、長さL1の縁部(短辺)151a、151cと長さK1(K1>L1)の縁部(長辺)151b、151dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部(長辺)151b、151dを長さK2、K3、K4で分割した第1の片151A、第2の片151B、第3の片151Cが、折り返し部151e、151fで折り返されている。折り返し部151e、151fで折り返したウェットティッシュ151を横から見た図(折り返し部151e、151fの折り返し線に沿った一方側から見た図)が、図5の下部に示されている。本実施の形態では、第1の片151Aと第3の片151Cが、第2の片151B(基片)のそれぞれの面側に配置されるように折り返されている。すなわち、第1の片151Aと第3の片151Cが、第2の片(基片)に対して、折り返し部151e、151fで同じ方向に折り返されている。
このように折り返されたウェットティッシュ151が積み重ねられて積み重ね体150が形成される。本実施の形態では、同じ折り返し態様で折り返したウェットティッシュ151を、同じ向きに積み重ねて積み重ね体150を形成している。この時、図3および図4に示されているように、縁部151aが開口112側に配置されるように積み重ねられる。また、縁部151aの一部が開口112に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。例えば、本体110の形状、開口112の形状や配設位置、ウェットティッシュ151の形状(折り返し態様を含む)が適切に設定される。
【0016】
なお、本明細書では、シートの縁部および折り返し部を「シートの端部」と呼ぶ。また、シートの端部のうち、開口から最初に取り出される端部を「シートの先端部」と呼ぶ。
本実施の形態では、ウェットティッシュ151の縁部151aの一部が開口112に対向する箇所に配置されている。このため、ウェットティッシュ151の端部(縁部151b、151dと、略平行な縁部151a〜151cおよび折り返し部151e、151f)のうち、縁部151aが開口112から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ151の縁部151aが「先端部151X」に対応する。
【0017】
また、本実施の形態では、積み重ね方向に隣接する2つのウェットティッシュ151は、開口112と反対側(下方側)のウェットティッシュ151の先端部151Xが、開口112側(上方側)のウェットティッシュ151の片の間に挟まれないように積み重ねられている。これにより、上方側のウェットティッシュ151が開口112から取り出される時に、下方側のウェットティッシュ151の先端部151X側の一部が開口112から飛び出ることがない。すなわち、本実施の形態では、ウェットティッシュ151は、開口112を開ける毎に1枚ずつ開口112から取り出される。したがって、ウェットティッシュ151の部分が開口112から飛び出すことがなく、ウェットティッシュ151が乾燥するのを防止することができる。
【0018】
蓋130は、基材131と、基材131の1つの面に塗布された接着剤132により構成される。基材131は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂や二軸延伸ポリプロピレン(OPP)樹脂等によって形成される。蓋130は、開閉部130aと、開閉部130aから延びている摘み部130bを有している。開閉部130aは、本体110の開口112の面積より大きい面積を有している。そして、蓋130は、一つの面に塗布された接着剤132によって、本体110の上壁110aの表面に接着される。この時、開閉部130aは、開口112を覆う箇所に接着される。摘み部130bは、開閉部130aを操作する際の摘みとして用いられる。接着剤としては、少なくとも開閉部130aを繰り返し剥離可能に本体110の上壁110aの表面に接着する接着剤(例えば、感圧接着剤)が用いられる。
【0019】
本実施の形態では、蓋130は、接着シート120を用いて形成されている。接着シート120は、蓋130と同様の基材および接着剤により構成されている。この接着シート120は、接着剤によって、本体110の上壁110aの表面に接着される。接着シート120には、切断線端部120aと120bの間に、蓋130の外周形状に沿って切断線120cが形成されている。この切断線120cによって、開閉部130a、摘み部130bが形成される。
開口112を開ける時には、摘み部130bをユーザの指で摘んで引っ張り、本体110の上壁110aの表面に接着剤32によって接着されている蓋130を摘み部130b側から順に剥離する。蓋130が切断線端部120aと120bを結ぶ部分130cの箇所まで剥離されると、それ以上の剥離が防止される。切断線端部120aと120bを結ぶ部分130cが、本発明の「剥離防止部」に対応する。なお、切断線端部120aと120bを結ぶ線を「剥離防止線」と呼ぶこともできる。
蓋130が剥離防止部130cの箇所まで剥離された後も摘み部130cを引っ張ると、切断線端部120aおよび120bの箇所が破れる虞がある。そこで、本実施の形態では、切断線120cは、切断線端部120aおよび120bの近傍の箇所に、互いに対向する側に窪んでいる切欠120dおよび120eを有している。すなわち、蓋130の外周は、切断線端部120aおよび120bの近傍の箇所に、内側に窪んでいる切欠130dおよび130eを有している。蓋130が切欠130dおよび130eの箇所まで剥がれると、摘み部130bを摘んでいるユーザの指に作用する反力が減少する。これにより、ユーザは、蓋130が剥離防止部130cの近傍まで剥がれたことを判別し、摘み部130を引っ張る操作を停止することができる。
なお、本実施の形態では、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部151Xより、積み重ね方向(図3および図4では上下方向)に沿って、開口112と反対側に隣接する折り返し部151eは、蓋130の開閉部130aによって開口112が閉じられている時に、開口112を挟んで摘み部130bと反対側に配置される。好適には、折り返し部151eは、蓋130の剥離防止部130cに平行(略平行を含む)に配置される。
【0020】
また、蓋130は、一つの面の側(接着剤132が塗布されている側)に、ウェットティッシュ151と剥離可能に係合する係合体140を有している。係合体140が、本発明の「係合部」に対応する。
係合体140は、ウェットティッシュ151の材料等に応じて適宜選択される。例えば、ウェットティッシュ151が不織布で形成されている場合には、複数の鉤状のフック部を有するメカニカルテープ(「面ファスナー」とも呼ばれる)によって構成される係合体を用いるのが好ましい。この場合、ウェットティッシュ151がメカニカルテープのメス材として機能し、複数の鉤状のフック部を有するメカニカルテープによって構成される係合体がメカニカルテープのオス材として機能する。また、接着剤によって係合体151を構成することもできる。接着剤としては、ウェットティッシュ151に剥離可能に接着する接着剤が用いられる。この場合、蓋130の1つの面に塗布される接着剤132を用いることもできる。
係合体140は、蓋130の開閉部130aによって開口112が閉じられている時に、開口側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部151Xと、当該先端部151Xより開口112と反対側に隣接する折り返し部151eとの間の部分(本実施の形態では、第1の片151A)の一部に対向する箇所に配置される。例えば、係合体140の形状や配設位置、開口112の形状や配設位置、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)の形状等が適切に設定される。
【0021】
なお、図6の平面図に示されているように、本体110は、長手方向(ウェットティッシュ151の先端部151Xが延びている方向)の長さMと長手方向に直角な方向の幅Nを有し、積み重ね体150は、長手方向の長さL1と長手方向に直角な方向の幅K3を有している。また、開口112は、長手方向(ウェットティッシュ151の先端部151Xが延びている方向)の長さPと長手方向に直角な方向の幅Qを有し、係合体140は、長手方向(ウェットティッシュ151の先端部151Xが延びている方向)の長さSと長手方向に直角な方向の幅Tを有している。また、本体110(積み重ね体150)は、厚さHを有している(図8参照)。また、蓋130は、積み重ね体150の長手方向(ウェットティッシュ151の先端部151Xが延びている方向)に直角な方向に長く形成されている。
【0022】
次に、本実施の形態の収容体100に収容されているウェットティッシュ151を取り出す操作を説明する。
ウェットティッシュ151を使用しない時には、図1および図3に示されているように、蓋130の開閉部130aによって開口112が閉じられている。
ウェットティッシュ151を使用する時には、蓋130の摘み部130bをユーザの指で摘み、図2および図4に示されている黒矢印の方向に引っ張る。これにより、蓋130は、摘み部130b側から剥離防止部130c側に、本体110の上壁110aの表面から順次剥がれていく。
ここで、図1および図3に示されている状態において、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部151Xと、当該先端部151Xより開口112と反対側に隣接する折り返し部151eとの間の部分の一部に、蓋130の係合体140が係合している。このため、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュ151の、係合体140と係合している部分が、蓋130の開方向への移動と連動して、開口112から取り出される。
【0023】
この時、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部151Xの一部が開口112に対向する箇所に配置されている。これにより、係合体140と係合している部分(先端部151Xと折り返し部151eの間の部分の一部)を開口112から取り出す際の抵抗力が小さい。特に、本実施の形態では、先端部151Xの長さが先端部151Xと直交する方向の長さより長いため、係合体140の、先端部151Xが延びている方向の長さを長くすることができる。これにより、ウェットティッシュ151の部分を大きい力で引っ張ることができる。また、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部151Xより開口112と反対側に隣接する折り返し部151eが、開閉部130aによって開口112が閉じられている時に、開口112を挟んで摘み部130bと反対側(剥離防止部130c側)に配置されている。これにより、係合体140と係合しているウェットティッシュ151の部分を開口112から取り出す力が、折り返し部151eを中心として先端部151Xを回動させる力として作用するため、ウェットティッシュ151の部分を開口112から取り出す際の抵抗力が小さい。したがって、開口112側に積み重ねられているウェットティッシュの一部を、蓋130の開方向への移動に連動して容易、確実に開口112から取り出すことができる。
【0024】
そして、ユーザは、開口112から取り出されたウェットティッシュ151の一部を指で摘んで引っ張り、ウェットティッシュ151全体を開口112から取り出す。
なお、蓋130が切欠120dおよび120e(130dおよび130e)の箇所まで剥がれると、摘み部130bを摘んでいるユーザの指に作用する反力が低減する。これにより、ユーザは、蓋130が回動軸130ccの箇所まで剥がれたことを認識し、蓋130の操作を停止する。さらに、蓋130が剥離防止部130cの箇所まで剥がれると、剥離防止部130cによってそれ以上の剥離が防止される。
ウェットティッシュ151を使用しない時には、蓋130を図2および図4に示されている黒矢印と反対方向に移動させ、図1およびお図3に示されているように開口112を蓋130の開閉部130aによって閉じる。
【0025】
ところで、本体110が柔軟性を有する材料で形成されている場合、本体110の大きさ(長さM、幅N、厚さH)は、ウェットティッシュ151の残り枚数(積み重ね体150の厚さH)によって変化する。しかしながら、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)の長さL1と幅K3は変化しない。このため、ウェットティッシュ151の残り枚数(積み重ね体150の厚さH)が減少すると、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)の収容空間110H内の位置が移動する。ウェットティッシュ151の残り枚数(積み重ね体150の厚さH)とウェットティッシュ151(積み重ね体150)の収容空間110H内の位置の関係が図7および図8に示されている。
図7の破線および図8(1)は、ウェットティッシュ151の残り枚数が多い(積み重ね体150の高さH1)場合のウェットティッシュ151(積み重ね体150)の収容空間110H内の位置を示している。この場合、本体110は、厚さH1、幅N1である。
図7の一点鎖線および図8(2)は、ウェットティッシュ151の残り枚数が減少(積み重ね体150の厚さH2<H1)し、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)が収容空間110H内で幅方向の一方側(図7および図8の黒矢印の方向)に移動した状態が示されている。この場合、本体110は、厚さH2[H2<H1]、幅N2[N2>N1]である。
図7の二点鎖線および図8(3)は、ウェットティッシュ151の残り枚数が減少(積み重ね体150の厚さH2<H1)し、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)が収容空間110H内で幅方向の他方側(図7および図8の白矢印の方向)に移動した状態が示されている。この場合、本体110は、厚さH2[H2<H1]、幅N2[N2>N1]である。
ウェットティッシュ151(積み重ね体150)の収容空間110H内の位置が移動すると、ウェットティッシュ151の先端部151Xと開口112および係合体140との位置関係が変化する。
したがって、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)が収容空間110H内で移動した場合でも、ウェットティッシュ15の先端部151Xの一部が開口112に対向する箇所に配置され、ウェットティッシュ151の先端部151Xと、当該先端部151Xより開口112と反対側に隣接する折り返し部151eとの間の部分の一部が係合体140に対向する箇所に配置されるように設定するのが好ましい。例えば、本体110の開口112の形状や配設位置、蓋130の係合体140の形状や配設位置、ウェットティッシュ151の先端部151Xの位置を設定する。
なお、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)は、収容空間110H内を本体110の長手方向(図7の左右方向)にも移動する。しかしながら、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)が長手方向に移動した場合、ウェットティッシュ151の先端部151Xの、係合部130と対向する箇所が、先端部151Xに沿って移動するだけである。このため、ウェットティッシュ151(積み重ね体150)の幅方向への移動のみを考慮すればよい。
【0026】
収容体の収容空間に収容するウェットティッシュは、前述したウェットティッシュ151に限定されない。異なるウェットティッシュ251を収容する第2の実施の形態の収容体200が、図9〜図11に示されている。図9には、開口212が閉じている状態の収容体200の断面図が示されている。図10には、開口212が開いている状態の収容体200の断面図が示されている。図11には、収容体200に収容されるウェットティッシュ251の折り返し方法が示されている。
図9および図10に示されている収容体200は、ウェットティッシュ251を除いて、前述した収容体100と同じ構成である。図9および図10には、前述した収容体100の構成要素と同じ構成要素には、100の位の数字を除いて同じ参照符号が付されている。
【0027】
本実施の形態で用いられているウェットティッシュ251は、図11に示されているように、長さL11の縁部(短辺)251a、251cと長さK11(K11>L11)の縁部(長辺)251b、251dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部(長辺)251b、251dを長さK12、K13、K14、K15、K16で分割した第1の片251A、第2の片251B、第3の片251C、第4の片251D、第5の片251Eが、折り返し部251e、251f、251g、251hで折り返されている。折り返し部251e〜251hで折り返したウェットティッシュ251を横から見た図(折り返し部251e〜251hの折り返し線に沿った一方側から見た図)が、図11の下部に示されている。本実施の形態では、第1の片251Aと第2の片251Bが第3の片251C(基片)の一方の面側に配置され、第4の片251Dと第5の片251Eが第3の片251C(基片)の他方の面側に配置されるように折り返されている。すなわち、第2の片251Bと第4の片251Dが、第3の片(基片)に対して、折り返し部251f、25gで同じ方向に折り返されている。また、第1の片251Aが、第2の片251Bに対して、折り返し部251eで、折り返し部251fと同じ方向に折り返されている。また、第5の片251Eが、第4の片251Dに対して、折り返し部251hで、折り返し部251gと同じ方向に折り返されている。
【0028】
このように折り返されたウェットティッシュ251が積み重ねられて積み重ね体250が形成される。本実施の形態では、同じ折り返し態様で折り返したウェットティッシュ251を、同じ向きに積み重ねて積み重ね体250を形成している。この時、図9および図10に示されているように、縁部251aに隣接する折り返し部251eが開口212側に配置されるように積み重ねられる。また、折り返し部251eの一部が開口212に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。このため、本実施の形態では、端部(縁部251b、251dと、略平行な縁部251a、251cおよび折り返し分251e、251f、251g、251h)のうち、折り返し部251fが開口212から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ251の折り返し部251eが「先端部251X」に対応する。
また、本実施の形態では、開口212側に積み重ねられているウェットティッシュ151の先端部251X(251e)より、積み重ね方向(図9および図10では上下方向)に沿って、開口212と反対側に隣接する折り返し部251fは、蓋230の開閉部230aによって開口212が閉じられている時に、開口212を挟んで摘み部230bと反対側に配置される。好適には、折り返し部251fは、蓋230の剥離防止部230cに平行(略平行を含む)に配置される。
本実施の形態では、ウェットティッシュ251の先端部251Xとして、折り返し部251eが用いられている。このため、図10に示されているように、蓋230の係合体240と係合する部分(開口222から最初に取り出される部分)が、ウェットティッシュ251が折り返されて二重になり、十分な強度を有している。また、収容空間210Hに、前述したウェットティッシュ151より大きいウェットティッシュ251を収容することができる。あるいは、同じ大きさのウェットティッシュを、小さい本体に収容することができる。
【0029】
以上の実施の形態では、接着シートを切断線で切断した蓋を用いたが、これ以外の蓋を用いることができる。他の構成の蓋を用いた第3の実施の形態が図12および図13に示されている。図12には、開口312が閉じている状態の収容体300の断面図が示されている。図13には、開口312が開いている状態の収容体300の断面図が示されている。なお、図12および図13に示されている実施の形態では、図5に示されているウェットティッシュ151と同様のウェットティッシュ351が用いられている。
図12および図13に示されている収容体300は、蓋330を除いて、前述した収容体100と同じ構成である。図12および図13には、前述した収容体100の構成要素と同じ構成要素には、100の位の数字を除いて同じ参照符号が付されている。
蓋330は、基材331と、基材331の1つの面に塗布された接着剤により構成され、開閉部330aと摘み部330bを有している。本実施の形態では、開閉部330aは、開口312を覆う部分と固定部分に分割されている。そして、開口312を覆う部分に対応する箇所には、第1の接着剤332aが塗布され、固定部分に対応する箇所には、第1の接着剤332aより接着力が大きい第2の接着剤332bが塗布されている。基材313は、前述した材料によって形成される。また、第1の接着剤332aおよび第2の接着剤332bは、前述した接着剤が用いられる。330cは、第1の接着剤332aと第2の接着剤332bの境界部分である。第2の接着剤332bとしては、蓋330を本体310の表面に繰り返し剥離可能に接着する接着剤を用いてもよいし、蓋330を本体310の表面に剥離不能に接着する接着剤を用いてもよい。
開口312を開ける際には、前述した実施の形態と同様に、摘み部330bをユーザの指で摘んで引っ張る。ここで、蓋330が第1の接着剤332aと第2の接着剤332bの境界部分330cの箇所まで剥離されると、第1の接着剤332aの接着力より大きい第2の接着剤332bの接着力によって、蓋330のそれ以上の剥離が防止される。本実施の形態では、第1の接着剤332aと第2の接着剤332bの境界部分330cが、本発明の「剥離防止部」あるいは「剥離防止線」に対応する。
本実施の形態では、開口312側に積み重ねられているウェットティッシュ351の先端部351Xより開口312と反対側に隣接する折り返し部351aは、開閉部330aによって開口312が閉じられている時に、開口312を挟んで摘み部330bと反対側に配置される。好適には、剥離防止部330cと平行(略平行を含む)に配置される。
【0030】
なお、蓋330の基材の1つの面に第1の接着剤332aおよび第2の接着剤332bを塗布する方法を用いる代わりに、蓋330の外周に、対向する箇所に切欠330dおよび330eを形成する方法を用いることもできる。この場合には、蓋330が切欠330dおよび330eの箇所まで剥離されると、摘み部330bを摘んでいるユーザの指に作用する反力が減少する。これにより、ユーザは、蓋330が剥離防止部330cの近傍まで剥がれたことを判別し、摘み部330を引っ張る操作を停止する。本実施の形態では、切欠350dと350eを結ぶ部分330cが、本発明の「剥離防止部」あるいは「剥離防止線」に対応する。
勿論、蓋330の1つの面に第1の接着剤332aおよび第2の接着剤332bを塗布する方法と、蓋330の外周に一対の切欠330dおよび330eを形成する方法の両方を用いることもできる。
また、摘み部330を摘んでいるユーザの指に作用する反力を減少させる方法は、切欠を設ける方法に限定されず、傾斜部を設ける方法等の種々の方法を用いることができる。
【0031】
収容体の収容空間に異なるウェットティッシュを収容する第4の実施の形態を説明する。本実施の形態では、図14に示すウェットティッシュ451が収容される。
図14に示されているウェットティッシュ451は、長さL21の縁部(長辺)451a、451cと長さK21(K21<L21)の縁部(短辺)451b、451dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部451b、451dを長さK22、K23で分割した第1の片451A、第2の片451Bが、折り返し部451eで折り返されている。折り返し部451eで折り返したウェットティッシュ451を横から見た図(折り返し部451eの折り返し線に沿った一方側から見た図)が、図14の下部に示されている。本実施の形態では、第1の片451Aが第2の片451C(基片)の一方の面側に配置されるように折り返されている。
このように折り返されたウェットティッシュ451が積み重ねられて積み重ね体450が形成される。この時、縁部451aが開口側に配置されるように積み重ねられる。また、縁部451aの一部が開口に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。このため、本実施の形態では、端部(縁部451b、451dと、略平行な縁部451a、451cおよび折り返し部451e)のうち、縁部451aが開口から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ451の縁部451aが「先端部451X」に対応する。
また、本実施の形態では、開口側に積み重ねられているウェットティッシュ451の先端部451Xより、積み重ね方向に沿って、開口と反対側に隣接する折り返し部451eは、蓋の開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで摘み部と反対側に配置される。好適には、折り返し部451eは、蓋の剥離防止部に平行(略平行を含む)に配置される。
【0032】
収容体の収容空間に異なるウェットティッシュを収容する第5の実施の形態を説明する。本実施の形態では、図15に示すウェットティッシュ551が収容される。
図15に示されているウェットティッシュ551は、長さL31の縁部(短辺)551a、451cと長さK31(K31>L31)の縁部(長辺)551b、551dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部(長辺)551b、551dを長さK32、K33、K34で分割した第1の片551A、第2の片551B、第3の片551Cが、折り返し部551e、551fで折り返されている。折り返し部551e、55fで折り返したウェットティッシュ551を横から見た図(折り返し部551e、551fの折り返し線に沿った一方側から見た図)が、図15の下部に示されている。本実施の形態では、第1の片551Aと第3の片551Cが第2の片(基片)551Bの一方の面側に配置されるように折り返されている。すなわち、第1の片551Aと第3の片551Cが、第2の片(基片)に対して、折り返し部251e、251fで逆方向に折り返されている。また、本実施の形態では、第3の片551Bが第1の片551Aと2の片551Bの間に挟まれるように折り返される。なお、第3の片551第1の片551Aと第3の片551Cが重ならないように折り返される。
このように折り返されたウェットティッシュ551が積み重ねられて積み重ね体550が形成される。この時、縁部551aが開口側に配置されるように積み重ねられる。また、縁部551aの一部が開口に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。このため、本実施の形態では、端部(縁部551b、551dと、略平行な縁部551a、551cおよび折り返し部551e、551f)のうち、縁部551aが開口から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ551の縁部551aが「先端部551X」に対応する。
また、本実施の形態では、開口側に積み重ねられているウェットティッシュ551の先端部551Xより、積み重ね方向に沿って、開口と反対側に隣接する折り返し部551eは、蓋の開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで摘み部と反対側に配置される。好適には、折り返し部551eは、蓋の剥離防止部に平行(略平行を含む)に配置される。
【0033】
収容体の収容空間に異なるウェットティッシュを収容する第6の実施の形態を説明する。本実施の形態では、図16に示すウェットティッシュ651が収容される。
図16に示されているウェットティッシュ651は、長さL41の縁部(長辺)651a、651cと長さK41(K41<L41)の縁部(短辺)651b、651dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部651b、651dを長さK42、K43、K44で分割した第1の片651A、第2の片651B、第3の片651Cが、折り返し部651e、651fで折り返されている。この折り返し方法は、図5に示されているウェットティッシュ151と同様である。さらに、縁部651a、651cを分割した(例えば、等分に分割した)折り返し部651gで折り返され、第1の片651A、第2の片651B、第3の片651Cが、それぞれ、分割片651Aaと651Ab、651Baと651Bb、651Caと651Cbに分割されている。折り返し部651e、651f、651gで折り返したウェットティッシュ651を横から見た図が、図16の下部に示されている。
このように折り返されたウェットティッシュ651が積み重ねられて積み重ね体650が形成される。この時、折り返し部651gで折り返された一方側の部分(一方側の分割片651Aa、651Ba、651Ca)が開口側に配置されるように積み重ねられる。また、縁部651aのうち、第1の片の一方側の分割片651Aaに対応する部分の一部が開口に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。すなわち、本実施の形態では、端部(縁部651b、651dと、略平行な縁部651a、651cおよび折り返し部651e、651fと、折り返し部651g)のうち、縁部651aの、第1の片651Aの一方側の分割片651Aaに対応する部分が開口から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ551の縁部651aの、第1の片651Aの一方側の分割片651Aaに対応する部分が「先端部651X」に対応する。
また、本実施の形態では、開口側に積み重ねられているウェットティッシュ651の先端部651X(縁部651aの、一方側の分割片651Aaに対応する部分)より、積み重ね方向に沿って、開口と反対側に隣接する折り返し部651e(詳しくは、折り返し部651eの一方側の分割片651Aaに対応する部分)は、蓋の開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで摘み部と反対側に配置される。好適には、折り返し部651eは、蓋の剥離防止部に平行(略平行を含む)に配置される。
【0034】
収容体の収容空間に異なるウェットティッシュを収容する第7の実施の形態を説明する。本実施の形態では、図17に示すウェットティッシュ751が収容される。
図17に示されているウェットティッシュ751は、長さL51の縁部(長辺)751a、751cと長さK51(K51<L51)の縁部(短辺)751b、751dにより長方形に形成されたシート体により構成されている。そして、縁部751b、751dを長さK52、K53、K54、K55、K56分割した第1の片751A、第2の片751B、第3の片751C、第4の片751D、第5の片751Eが、折り返し部751e、751f、751g、751hで折り返されている。この折り返し方法は、図11に示されているウェットティッシュ251と同様である。さらに、縁部751a、751cを分割した(例えば、等分に分割した)折り返し部751iで折り返され、第1の片751A、第2の片751B、第3の片751C、第4の片751D、第5の片751Eが、それぞれ、分割片751Aaと751Ab、751Baと751Bb、751Caと751Cb、751Daと751Db、751Eaと751Ebに分割されている。折り返し部751e、751f、751g、751h、751iで折り返したウェットティッシュ751を横から見た図が、図17の下部に示されている。
このように折り返されたウェットティッシュ751が積み重ねられて積み重ね体750が形成される。この時、折り返し部751iで折り返された一方側の部分(一方側の分割片751Aa、751Ba、751Ca、751da、751Ea)が開口側に配置されるように積み重ねられる。また、縁部751aに隣接する折り返し部75eの、第1の片751Aの一方側の分割片751Aaに対応する部分の一部が、開口に対向する箇所に配置されるように積み重ねられる。すなわち、本実施の形態では、端部(縁部751b、751dと、略平行な縁部751a、751cおよび折り返し部751e、751f、751g、751hと、折り返し部751i)のうち、折り返し部751eの、第1の片751Aの一方側の分割片751Aaに対応する部分が、開口から最初に取り出される。したがって、本実施の形態では、ウェットティッシュ751の折り返し部751eの、第1の片751Aの一方側の分割片751Aaに対応する部分が「先端部751X」に対応する。
また、本実施の形態では、開口側に積み重ねられているウェットティッシュ751の先端部751X(折り返し部751eの、一方側の分割片751Aaに対応する部分)より、積み重ね方向に沿って、開口と反対側に隣接する折り返し部751f(詳しくは、折り返し部751fの一方側の分割片751Baに対応する部分)は、蓋の開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで摘み部と反対側に配置される。好適には、折り返し部751fは、蓋の剥離防止部に平行(略平行を含む)に配置される。
【0035】
以上のように、本発明の収容体では、開口側に積み重ねられるウェットティッシュの先端部の一部が開口に対向する箇所に配置されている。また、開口側に積み重ねられているウェットティッシュの先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部が、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口を挟んで蓋の摘み部と反対側に配置されている。好適には、蓋の剥離防止部に平行(略平行を含む)に配置される。また、係合体が、開閉部によって開口が閉じられている時に、開口側に積み重ねられているウェットティッシュの先端部と、当該先端部より開口と反対側に隣接する折り返し部との間の部分の一部に対向する箇所に配置されている。これにより、蓋の剥離操作に連動して、蓋の係合部と係合したウェットティッシュの部分が開口から容易、確実に取り出される。
【0036】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
本発明の収容体に収容するシートは、ウェットティッシュに限定されない。例えば、ティッシュペーパー等の種々のシートを収容することができる。
シート体の形状やシートの折り返し態様は、実施の形態で説明したシート体や折り返し態様に限定されない。
シートの積み重ね態様としては、種々の積み重ね態様を用いることができる。例えば、同じ折り返し方法で折り返したシートを積み重ねる態様や、異なる折り返し方法で折り返したシートを積み重ねる態様を用いることができる。
本体を形成する材料や本体の形状、シートを形成する材料やシートの形状、開口の形状や配設箇所は、適宜設定可能である。例えば、本体を樹脂や紙で形成することもできる。
係合部としては、シートに剥離可能に係合する種々の係合部を用いることができる。
剥離防止部は,摘み部を摘んでいるユーザの指に加わる反力を変えることができればよい。
実施の形態で説明した各構成は、単独で使用することもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる、
本体の表面に接着した接着シートの一部を蓋として用いたが、蓋は、種々の方法で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1の実施の形態の斜視図(開口が閉じられている状態)である。
【図2】第1の実施の形態の斜視図(開口が開いている状態)である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】第1の実施の形態のウェットティッシュの折り返し方法を説明する図である。
【図6】開口、ウェットティッシュおよび係合体の位置関係を説明する図である。
【図7】ウェットティッシュの位置がずれた場合の開口、ウェットティッシュおよび係合体の位置関係を説明する図である。
【図8】ウェットティッシュの位置がずれた場合の開口、ウェットティッシュおよび係合体の位置関係を説明する図である。
【図9】第2の実施の形態の断面図(開口が閉じられている状態)である。
【図10】第2の実施の形態の断面図(開口が開いている状態)である。
【図11】第2の実施の形態のウェットティッシュの折り返し方法を説明する図である。
【図12】第3の実施の形態の斜視図(開口が閉じている状態)である。
【図13】第3の実施の形態の斜視図(開口が開いている状態)である。
【図14】第4の実施の形態の断面図(開口が閉じられている状態)である。
【図15】第4の実施の形態の断面図(開口が閉じられている状態)である。
【図16】第5の実施の形態のウェットティッシュの折り返し方法を説明する図である。
【図17】第6の実施の形態のウェットティッシュの折り返し方法を説明する図である。
【図18】従来例の斜視図(開口が閉じている状態)である。
【図19】従来例の斜視図(開口が開いている状態)である。
【符号の説明】
【0038】
100、200、300、400、500、800 収容体
112、212、312、412、512 開口
112a、212a、312a、812c 開口縁
110、210、310、410、510、810 本体
110a、210a、310a、410a、510a、810a 上壁
110b、210b、310b、410b、510b、810b 下壁
110H、210H、410H、510H 収容空間
120、220、420、520 接着シート
120a、120b 切断線端部
120c、220c 切断線
120d、120e、130d、130e、330d、330e 切欠
130、230、330、430、530、830 蓋
130a、330a、830a 開閉部
130b、330b、830b 摘み部
130c、330c 剥離防止部
131、231、331、431、531、831 基材
132、232、432、832 接着剤
140、240、340、440、540 係合体(係合部)
150、250、350、450、550、650、750、850 積み重ね体
151、251、351、451、551 ウェットティッシュ
151a、151b、151c、151d、251a、251b、251c、251d、351a、451a、451c、551a、551c、651a、651b、651c、651d、751a、751b、751c、751d 縁部
151e、151f、251e、251f、251g、251h、351e、351f、451e、551e、551f、651e、651f、651g、751e、751f、751g、751h、751i 折り返し部
151A、151B、151C、251A、251B、251C、251D、251E、315A、351B、451A、451B、551A、551B、551C、651A、651B、651C、751A、751B、751C、751D、751E 片
651Aa、651Ab、651Ba、651Bb、651Ca、651Cb、751Aa、751Ab、751Ba、751Bb、751Ca、751Cb、751Da、751Db、751Ea、751Eb 分割片
151X、251X、351X、451X、551X、651X、751X 先端部
332a 第1の接着剤
332b 第2の接着剤
512a、512b 開口縁端部
833 舌片
833a 切断線
833b 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、蓋と、シートを備え、前記本体は、前記シートを収容する収容空間と、前記収容空間から前記シートを取り出すための開口を有しており、前記シートは、前記収容空間内に積み重ねられており、前記蓋は、前記本体の開口を開閉する開閉部と、当該開閉部から延びている摘み部を有するとともに、一つの面に塗布された接着剤によって、前記本体の表面に剥離可能に接着されている収容体であって、
前記蓋は、前記一つの面の側に、前記開閉部によって前記開口が閉じられている時に前記開口と対向する箇所に、前記シートと係合可能な係合部を有しており、
前記シートは、少なくとも1つの折り返し部で折り返される複数の片を有しており、
また、前記シートは、端部のうち前記開口から最初に取り出される端部の一部が、前記開口に対向する箇所に配置されるとともに、前記開口から最初に取り出される端部より前記開口と反対側に隣接する折り返し部が、前記開閉部によって前記開口が閉じられている時に、前記開口を挟んで前記摘み部と反対側に配置されるように積み重ねられており、
前記係合部は、前記開閉部によって前記開口が閉じられている時に、前記開口側に積み重ねられているシートの、前記開口から最初に取り出される端部と、当該端部より前記開口と反対側に隣接する折り返し部との間の部分に対向する箇所に配置されることを特徴とする収容体。
【請求項2】
請求項1に記載の収容体であって、前記シートは、積み重ね方向から見て、前記開口から最初に取り出される端部の長さが、当該端部と直交する方向の長さより長くなるように折り返されていることを特徴とする収容体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の収容体であって、隣接して積み重ねられているシートのうち前記開口と反対側のシートの前記開口から最初に取り出される端部は、前記開口側のシートの片の間に挟まれていないことを特徴とする収容体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の収容体であって、前記シートの前記開口から最初に取り出される端部は、折り返し部であることを特徴とする収容体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の収容体であって、前記係合部は、接着剤あるいはメカニカルテープによって構成されていることを特徴とする収容体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の収容体であって、
前記蓋は、前記本体の表面からの剥離を防止するための剥離防止部を有しており、
前記シートの、前記開口から最初に取り出される端部より前記開口と反対側に隣接する折り返し部は、前記蓋の剥離防止部と平行に配置されることを特徴とする収容体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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