収納テーブルユニット及びこれを組み込んだデッキ
【課題】テーブルの移動を不要にする。
【解決手段】収納テーブルユニット1は、デッキ部9a下の空間3に設置され、内側にテーブル収納空間4を有する枠体5と、テーブル収納空間4内に収納可能な天板6と、枠体5の内側に設けられ、天板6を支持し、伸長時には天板6をテーブル収納空間4の上方に持ち上げ、縮退時には天板6をテーブル収納空間4内に収納させる伸縮可能な脚部7と、天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げた状態で脚部7を保持する高さ固定手段を備えている。また、ウッドデッキ9は、デッキ部9aに開口10を設けてデッキ材2下の空間3に収納テーブルユニット1を設置すると共に、開口10を開閉する蓋11を備えている。
【解決手段】収納テーブルユニット1は、デッキ部9a下の空間3に設置され、内側にテーブル収納空間4を有する枠体5と、テーブル収納空間4内に収納可能な天板6と、枠体5の内側に設けられ、天板6を支持し、伸長時には天板6をテーブル収納空間4の上方に持ち上げ、縮退時には天板6をテーブル収納空間4内に収納させる伸縮可能な脚部7と、天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げた状態で脚部7を保持する高さ固定手段を備えている。また、ウッドデッキ9は、デッキ部9aに開口10を設けてデッキ材2下の空間3に収納テーブルユニット1を設置すると共に、開口10を開閉する蓋11を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納テーブルユニット及びこれを組み込んだデッキに関する。なお、本明細書では一般的な名称としてウッドデッキと称するが、木製のものに限られない。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置されるウッドデッキは高床式の構造物であり、地面に立てられた複数の束柱に根太を渡し、その上にデッキ材を並べて形成される(例えば、特許文献1参照)。ウッドデッキはアウトドア的な活動等で多目的に利用される。例えば、屋外での食事等に利用する場合には、デッキ上にテーブルや椅子が並べられる。また、屋外の趣味スペース等として利用する場合には、テーブルや椅子を片付けてデッキ上に趣味に使う道具等が広げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−75348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように多目的に使用されるウッドデッキには必要に応じてテーブルを設置し、また、使わない場合や邪魔になる場合にはテーブルを片付ける必要があり、その度毎にテーブルを別の場所から又は別の場所に移動させる必要がある。そのため、テーブルの使用が大変煩わしいものとなる。
【0005】
本発明は、ウッドデッキで使用するテーブルの移動が不要な収納テーブルユニット、及びこれを組み込んだウッドデッキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために請求項1記載の収納テーブルユニットは、デッキ部下の空間に設置され、内側にテーブル収納空間を有する枠体と、テーブル収納空間内に収納可能な天板と、枠体の内側に設けられ、天板を支持し、伸長時には天板をテーブル収納空間の上に持ち上げ、縮退時には天板をテーブル収納空間内に収納させる伸縮可能な脚部と、天板をテーブル収納空間の上に持ち上げた状態で脚部を保持する高さ固定手段を備えるものである。また、請求項3記載のデッキは、デッキ部に開口を設けてデッキ材下の空間に請求項1記載の収納テーブルユニットを設置すると共に、開口を開閉する蓋を備えるものである。
【0007】
したがって、収納されているテーブルを使用する場合には、デッキ部の開口を塞ぐ蓋を開き、露出した天板をテーブル収納空間から持ち上げる。天板の上昇に伴い脚部が伸びる。所定の高さまで天板を持ち上げた後、高さ固定手段によって脚部を枠体に係止することで天板の高さが固定され、テーブルとして使用可能になる。
【0008】
一方、テーブルを収納する場合には、天板を支えながら高さ固定手段の係止を解除し、脚部を縮めながら天板をテーブル収納空間内に降ろす。そして、天板をテーブル収納空間内に収納した後、蓋を閉めて開口を塞ぐ。これにより、テーブル収納空間の上を通常のデッキ部として使用可能になる。
【0009】
また、請求項2記載の収納テーブルユニットは、脚部を伸長させる方向に付勢する付勢手段を備えるものである。したがって、付勢手段が発揮する付勢力が天板を持ち上げる際の補助力として作用する。
【0010】
一方、請求項4記載のデッキは、蓋はデッキ部を形成するデッキ材と同種のデッキ材を同列に組んで形成され、各デッキ材の間の隙間はシール材によって塞がれているものである。したがって、蓋とその周囲のデッキ部分とでデッキ材が連続しているように見えるようになり、蓋が目立たなくなる。蓋を形成するデッキ材の間の隙間はシール部材によって塞がれているので、収納されている天板に雨が直接かかることはない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の収納テーブルユニットでは、枠体内に脚部と天板を収納し、必要に応じて天板を持ち上げてテーブルとして使用可能にしているので、デッキに組み付けることで収納テーブル付きのデッキを造ることができる。また、天板,脚部,枠体が一体化されているので、組み付け前の状態でも取り扱い易くて便利であり、デッキへの組み付けも容易である。
【0012】
また、請求項2記載の収納テーブルユニットでは、付勢手段の付勢力が天板を持ち上げる際の補助力として作用するので、天板を軽い力で持ち上げることができ、使い勝手をより良くすることができる。
【0013】
また、請求項3記載のデッキでは、請求項1記載の収納テーブルユニットが組み込まれているので、設置や片付けの為にテーブルをわざわざ別の場所から又は別の場所に移動させる必要がなくなり、大変便利である。
【0014】
さらに、請求項4記載のデッキでは、蓋を目立たなくすることができるので、見栄えの悪化を抑えることができる。また、シール材によってデッキ材の間の隙間を塞いでいるので、テーブル収納空間内に雨が直接降り込むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のウッドデッキの実施形態の一例を示し、側方からみた概略構成図である。
【図2】本発明の収納テーブルユニットを示し、天板を取り外した状態の斜視図である。
【図3】天板を示す平面図である。
【図4】脚部を構成する第1の脚体の上端を示す断面図である。
【図5】脚部を構成する第1の脚体の下端に設けられた付勢手段を示す正面図である。
【図6】脚部を構成する第2の脚体の上端を示す断面図である。
【図7】脚部を構成する第2の脚体の下端に設けられたロックピンユニットを示し、その係止状態のす断面図である。
【図8】ロックピンユニットによる係止を解除した状態を示す断面図である。
【図9】高さ固定手段の操作レバーユニットを示す分解斜視図である。
【図10】収納テーブルユニットの蓋を示す分解図である。
【図11】収納テーブルユニットの蓋を示す断面図である。
【図12】揺動式蓋を裏側から見た分解斜視図である。
【図13】嵌め込み蓋を裏側から見た分解斜視図である。
【図14】本発明のウッドデッキのデッキ面を示す平面図である。
【図15】付勢手段の他の実施形態を示す斜視図である。
【図16】同付勢手段の分解斜視図である。
【図17】同付勢手段のばねケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図14に、本発明のデッキ用の収納テーブルユニット及びこれを組み込んだデッキの実施形態の一例を示す。収納テーブルユニット1は、ウッドデッキ9のデッキ部9a下の空間3に設置され、内側にテーブル収納空間4を有する枠体5と、テーブル収納空間4内に収納可能な天板6と、枠体5の内側に設けられ、天板6を支持し、伸長時には天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げ、縮退時には天板6をテーブル収納空間4内に収納させる伸縮可能な脚部7と、天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げた状態で脚部7を枠体5に係止する高さ固定手段を備えるものである。また、ウッドデッキ9は、デッキ部9aに開口10を設けてデッキ材2下の空間3に収納テーブルユニット1を設置すると共に、開口10を開閉する蓋11を備えるものである。
【0017】
ウッドデッキ9のデッキ部9aは、根太71の上に複数のデッキ材2を並べて形成されている。デッキ部9aに形成された開口10は、天板6が通過できる大きさ及び形状を成している。本実施形態の開口10は天板6よりも若干大きな矩形状を成している。
【0018】
デッキ部9aの開口10を塞ぐ蓋11として、本実施形態では観音開き状に開閉される左右の揺動式の蓋12,13と、左右の揺動式蓋12,13を閉じることで間に形成される窓14を塞ぐ1枚の嵌め込み式の蓋15を備えている(図10,図11)。揺動式蓋12,13は角パイプ16aで組んだ枠16にデッキ材17を並べて取り付けたもので、平面視の全体形状が略矩形状を成し、内側の辺(2枚の揺動式蓋12,13を突き合わせる辺)12a,13aの中央に矩形状の切り欠き18が設けられている。切り欠き18には角パイプ16aが露出している。左右の揺動式蓋12,13を閉めると、左右の切り欠き18,18がつながり窓14となる。窓14は天板6を持ち上げた状態で脚部7の各支柱パイプ36c,37cが通り抜けることができる大きさ・形状となっている。揺動式蓋12,13の各デッキ材17の間には例えばシーリングパッキン等のシール材19が設けられている(図12)。一方の揺動式蓋12の底面の内側辺12aには、他方の揺動式蓋13を支える板材20が設けられている。左右の揺動式蓋12,13は蝶番21によってウッドデッキ9のデッキ材2に開閉可能に取り付けられている。揺動式蓋12,13とウッドデッキ9の間の隙間はカバー材22によって塞がれている(図5)。
【0019】
嵌め込み蓋15は、平行に並べた2本の角パイプ23にデッキ材24を並べて取り付けたものであり、平面視の形状が矩形状を成している。嵌め込み蓋15には、例えば2つの回転取手25が設けられている。回転取手25は図11に実線で示すようにデッキ材24内に収納されており、回転させることで図11に二点鎖線で示すように取り出すことができる。嵌め込み蓋15の周囲と各デッキ材24の間の隙間には例えばシーリングパッキン等のシール材19が設けられている(図13)。嵌め込み蓋15は左右の揺動式蓋12,13によって形成された窓14に嵌め込まれ、角パイプ16a上に載せられる(図11)。
【0020】
揺動式蓋12,13のデッキ材17と嵌め込み蓋15のデッキ材24は、ウッドデッキ9のデッキ部9aを形成するデッキ材2と同種のものであり、デッキ部9aのデッキ材2と同列に組まれている。したがって、揺動式蓋12,13及び嵌め込み蓋15を閉じるとデッキ部9a全体が長尺の連続したデッキ材で形成されているように見え、各蓋12,13,15が目立たなくなる。
【0021】
本実施形態では、蓋11を3枚の蓋12,13,15によって構成することで蓋1枚を小型化している。これにより、蓋1枚の重さが軽くなり、開閉操作が容易になる。
【0022】
枠体5は、内側のテーブル収納空間4内に天板6及び脚部7を収納可能な大きさに形成されている。本実施形態の枠体5は、例えば図2に示すように、四隅に設けた垂直フレーム26と、隣り合う垂直フレーム26を連結する例えば上下3段の水平フレーム27,28,29と、底を塞ぐ底板72を備えており、上段の水平フレーム27は垂直フレーム26の上端を、中段の水平フレーム28は垂直フレーム26の中央部を、下段の水平フレーム29は垂直フレーム26の下端をそれぞれ連結している。また、各水平フレーム27,28,29の途中は補強フレーム30によって連結されている。本実施形態の枠体5は、左右の辺5a,5aが長く、前後の辺5b,5bが短く形成されており、長辺(左右の辺)5a,5aの水平フレーム27,28,29は途中の2箇所で、短辺(前後の辺)5b,5bの水平フレーム27,28,29は途中の1箇所で補強フレーム30によって連結され補強されている。このように本実施形態の枠体5の側面になる部分は線状部材(フレーム)を組み付けることで形成されており、内側のテーブル収納空間4は枠体5の外に対して開放されているが、線状部材間を塞いでテーブル収納空間4を閉じるようにしても良い。
【0023】
また、枠体5の長辺5a,5aには、中段の水平フレーム28の第1の脚体36の下端取付位置を補強する脚取付フレーム31が取り付けられている。脚取付フレーム31は左右の長辺5a,5aにそれぞれ設けられている。脚取付フレーム31は垂直フレーム26と当該垂直フレーム26に隣り合う補強フレーム30との間に設けられ、補強フレーム30と同様に上下3段の水平フレーム27,28,29を連結している。
【0024】
また、枠体5の長辺5a,5aには、第2の脚体37の下端を前後にスライドさせる下側ガイドレール32が取り付けられている。下側ガイドレール32は左右の長辺5a,5aにそれぞれ設けられている。下側ガイドレール32は各水平フレーム27,28,29とほぼ同じ長さに形成され、両端がそれぞれ垂直フレーム26に連結され、途中の3箇所で補強フレーム30,30及び脚取付フレーム31に連結されている。下側ガイドレール32は中段の水平フレーム28に載せるように配置されている。下側ガイドレール32の横断面形状は例えばコ字形状を成している。下側ガイドレール32は、脚部7の伸縮に伴って第2の脚体37の下端がスライドするのに十分な長さを有している。
【0025】
また、枠体5の長辺5a,5aには収納状態の天板6を支える支持板59が設けられている。支持板59は左右の長辺5a,5aに設けられた補強フレーム30に取り付けられている。支持板59の先端には弾性体が設けられている。
【0026】
上段の水平フレーム27の上縁にはウッドデッキ9に取り付けるための延出部27aが形成されている。ウッドデッキ9の根太71の段部71a(図5)に延出部27aを載せて例えばボルト等で固定することで枠体5を地面34から浮かせた状態でウッドデッキ9に組み込むことができる。
【0027】
天板6は平面視の形状が例えば矩形状を成しており、その底面には左右一対の上側ガイドレール35,35が取り付けられている(図3)。各上側ガイドレール35は長辺(左右の辺)6aよりも内側の位置に、当該長辺6aに沿うように設けられている。上側ガイドレール35の横断面形状は例えばコ字形状を成している。上側ガイドレール35は、脚部7の伸縮に伴って第1の脚体36の上端がスライドするのに十分な長さを有している。
【0028】
脚部7は第1の脚体36と第2の脚体37より構成されている。第1の脚体36は上端となる上側水平パイプ36aの中央と下端となる下側水平外パイプ36bの中央を2本の支柱パイプ36c,36cで連結し、下側水平外パイプ36b内に下側水平内パイプ36dを通した構成となっている。上側水平パイプ36aは左右の上側ガイドレール35の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端には上側ガイドレール35に沿って転動するローラ38が回転自在に取り付けられている(図4)。また、下側水平内パイプ36dは左右の下側ガイドレール32の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端は下側ガイドレール32内に設けられた軸受けボックス39に揺動自在に支持されている(図5)。軸受けボックス39は下側ガイドレール32内の脚取付フレーム31による補強部分に配置され、この補強部分に例えばねじ等によって固定されている。即ち、第1の脚体36の下端は枠体5に揺動自在に連結され、上端は天板6の上側ガイドレール35に沿ってスライド可能になっている。
【0029】
第2の脚体37は上端となる上側水平パイプ37aの中央と下端となる下側水平パイプ37bの中央を1本の支柱パイプ37cで連結した構成となっている。上側水平パイプ37aは左右の上側ガイドレール35の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端は上側ガイドレール35に揺動自在に取り付けられている(図6)。また、下側水平パイプ37bは左右の下側ガイドレール32の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端には下側ガイドレール32に沿って転動するローラ40が回転自在に取り付けられる(図7)。即ち、第2の脚体37の上端は天板6に揺動自在に連結され、下端は枠体5の下側ガイドレール32に沿ってスライド可能になっている。
【0030】
第1の脚体36と第2の脚体37は折り畳み可能に組み付けられている。即ち、第2の脚体37の支柱パイプ37cを第1の脚体36の支柱パイプ36c,36c間に通し、各支柱パイプ36c,37c,36cの中央部をシャフト41によって回転自在に連結することで、第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θ(図1に示す上側又は下側の交差角度)が変化して折り畳み可能となり、脚部7全体として伸縮可能となっている。なお、例えば先に第2の脚体37の支柱パイプ37cを第1の脚体36の支柱パイプ36c,36c間に通し、その後で他のパイプを連結することで、各脚体36,37を組み付けることができる。
【0031】
脚部7が縮んでいる状態では、第1の脚体36と第2の脚体37は水平近くまで倒れており、両者の交差角度θは最大になっている(図1の実線位置)。この状態から天板6を持ち上げると、第1の脚体36は上端を上側ガイドレール35に沿って移動させながら下端を中心に揺動して起き上がり、第2の脚体37は下端を下側ガイドレール32に沿って移動させながら上端を中心に揺動して立ち上がる(図1の二点鎖線位置)。即ち、天板6の上昇に伴って第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θが減少し、脚部7全体として伸長する。
【0032】
この状態から天板を降ろすと、第1の脚体36は上端を上側ガイドレール35に沿って移動させながら下端を中心に揺動して倒れ、第2の脚体37は下端を下側ガイドレール32に沿って移動させながら上端を中心に揺動して倒れる。即ち、天板6の下降に伴って第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θが増加して折り畳まれ、脚部7全体が縮む。
【0033】
交差角度θの変化に伴い脚部7全体としての奥行き寸法(枠体5の長辺5a方向の寸法)が変化するが、第1の脚体36の下端と第2の脚体37の上端の天板6に対する位置は変化しないので、天板6は垂直に移動する
【0034】
高さ固定手段は、操作レバーユニット42と、ロックピンユニット43と、これらを連結する操作ワイヤ44と、下側ガイドレール32に設けられた高さ調節孔45より構成されている。
【0035】
操作レバーユニット42は、天板6の底面の操作しやすい位置に設けられている。本実施形態では、操作ワイヤ44を第2の脚体37内に通しているので、操作レバーユニット42を第2の脚体37の上端が連結される位置に近い方の短辺6b近傍に設けている(図3)。ただし、操作レバーユニット42を設ける位置はこの位置に限るものではない。操作レバーユニット42は、図9に示すように、天板6に固定されているアングル材46に固定されるレバー取付板47と、レバー取付板47に取り付けられたカラー48と、カラー48に案内されて摺動するレバーシャフト49と、レバーシャフト49の先端に取り付けられた操作レバー50と、レバーシャフト49の後端に取り付けられた連結板51と、連結板51とカラー48との間に設けられ、一体化された連結板51,レバーシャフト49,操作レバー50を引き戻す方向に常時付勢するレバーばね52と、アングル材46に固定され、連結板51の外れを防止する枠板53を備えている。連結板51にはスリット51aが設けられており、当該スリット51aには操作ワイヤ44の基端の玉44a(図2)が引っ掛けられて接続されている。本実施形態では、ロックピンユニット43を左右に設けており、操作ワイヤ44を2本有しているので、連結板51には2本のスリット51a,51aが設けられており、2本の操作ワイヤ44,44が連結されている。したがって、2本の操作ワイヤ44,44を同時に同量だけ操作できる。
【0036】
操作レバー50が操作されていない状態では、操作レバー50はレバーばね52によって天板6の奥側に引き込まれている。この状態から操作レバー50を引っ張り操作すると、連結板51がレバーばね52を押し縮めながら移動し、操作ワイヤ44を引き出す。そして、操作レバー50の引っ張り操作を止めると、押し縮められていたレバーばね52のばね力によって連結板51及び操作レバー50が元の位置に戻される。即ち、操作レバー50を操作している場合にだけ操作ワイヤ44が引き出される。
【0037】
操作ワイヤ44は、両端を除きチューブ44b内に収容されている。操作ワイヤ44は第2の脚体37の支柱パイプ37cと下側水平パイプ37b内を通り、下側水平パイプ37bの両端に設けられているロックピンユニット43に接続されている(図7)。本実施形態ではロックピンユニット43を下側水平パイプ37bの左右両端に設けているので、操作ワイヤ44も2本設けられている。
【0038】
ロックピンユニット43は第2の脚体37を枠体5に係止するものであり、第2の脚体37の下端に設けられている。本実施形態では、ロックピンユニット43を下側水平パイプ37bの左右両端に設けている。ただし、必ずしも下側水平パイプ37bの左右両端に設ける必要はなく、いずれか一方にのみ設けるようにしても良い。
【0039】
ロックピンユニット43は、例えば図7に示すように、下側水平パイプ37bの先端を塞ぐように設けられた取付板54と、取付板54から下側水平パイプ37bの軸方向に突出するロックピンガイド55と、ロックピンガイド55に案内されて当該ロックピンガイド55から先端を突出可能なロックピン56と、取付板54とロックピン56との間に設けられ、ロックピン56を突出させる方向に常時付勢するロックピンばね57と、ロックピン56の後端に取り付けられた連結板58を備えている。連結板58にはスリット58aが設けられており、このスリット58aには操作ワイヤ44の先端の玉44cが引っ掛けられて接続されている。ロックピンガイド55にはローラ40が回転自在に取り付けられている。
【0040】
高さ調節孔45は第2の脚体37の下端の係止位置を決定するもので、下側ガイドレール32に設けられている。高さ調節孔45は、テーブル使用時の天板6の高さに合わせて設けられている。即ち、第2の脚体37の下端のスライド位置によって第1の脚体36と第2の脚体37との交差角度θが決まり、脚部7全体の伸縮量即ち天板6の高さが決まるので、高さ調節孔45は天板6を合わせたい高さに対応する位置に形成されている。本実施形態では、使用時の天板6の高さを2段階調節するために2箇所に高さ調節孔45を設けている。ただし、高さ調節孔45の数即ち高さ調節の段数は2段に限るものではなく、1段でも良く、あるいは3段以上としても良い。
【0041】
ロックピンユニット43のロックピン56はロックピンばね57によって常時突出方向に付勢されており、操作レバー50が引っ張り操作されていない状態でロックピン56が下側ガイドレール32に設けられている高さ調節孔45に対向すると、ロックピン56が高さ調節孔45内に突出する(図7)。これにより、第2の脚体37の下端が枠体5に係止され、下側ガイドレール32に沿って移動できなくなる。
【0042】
一方、操作レバー50が操作されてロックピンユニット43の連結板58が操作ワイヤ44によって引っ張られると、ロックピン56が高さ調節孔45から引き抜かれてロックピンガイド55内に引き込まれる(図8)。これにより、第2の脚体37の下端の係止が解除され、第2の脚体37の下端が下側ガイドレール32に沿って移動可能になる。なお、ロックピン56の位置と高さ調節孔45の位置があっていない場合には、第2の脚体37の下端はロックピン56を下側ガイドレール32に摺動させながら移動する。
【0043】
なお、本実施形態では天板6を収納している場合にも第2の脚体37の下端を係止にするために、天板6を各支持板59上に降ろしたときの天板6の高さに対応する位置にも高さ調節孔45を設けている。天板6を各支持板59上に降ろしたときにも第2の脚体37を係止できるようにすることで、天板6収納時のがたつき発生を防止することができる。ただし、天板6収納時のがたつきが問題にならない場合等にはこの位置の高さ調節孔45を省略しても良い。
【0044】
本実施形態では、脚部7を伸長させる方向に付勢する付勢手段60を備えている。ただし、天板6の持ち上げにさほど大きな力を要しない場合等には付勢手段60を省略しても良い。また、本実施形態では付勢手段60を第1の脚体36に設けているが、第2の脚体37に設けても良く、あるいは第1の脚体36と第2の脚体37の両方に設けても良い。さらに、本実施形態では付勢手段60を第1の脚体36の下端に設けているが、上端に設けても良く、あるいは上端と下端の両方に設けても良い(第2の脚体37に設ける場合も同様)。また、本実施形態では、付勢手段60を左右それぞれに設けているが、左と右のいずれか一方のみに付勢手段60を設けるようにしても良い。
【0045】
付勢手段60を図5に示す。付勢手段60は例えばコイルスプリングである。ただし、コイルスプリングに限るものではなく、脚部7を伸長させる方向にばね力を発揮するものであれば他のスプリングも使用可能である。付勢手段60は第1の脚体36の下側水平内パイプ36dの外側に同軸状に配置され、下側ガイドレール32に固着されたカバー73で覆われている。付勢手段60の内側端は下側水平外パイプ36bに固着された第1のスプリング係止板61に係止され、外側端は枠体5の脚取付フレーム31に固着された第2のスプリング係止板62に係止されている。付勢手段60には、第1の脚体36が起きている状態(図1に二点鎖線で示すように脚部7が伸長した状態)でも当該第1の脚体36を起こす方向に予荷重が掛けられている。そして、第1の脚体36が倒されると、付勢手段60が更に捻られてばね力が貯えられる。付勢手段60に貯えられるばね力は、そのばね力のみで脚部7を伸ばして天板6を持ち上げてしまう程の大きさにはならない。即ち、付勢手段60のばね力(付勢力)のみで収納時の天板6が持ち上げられることはなく、使用者が天板6を持ち上げる場合の補助力として作用する。
【0046】
天板6がテーブル収納空間4に収納され、揺動式蓋12,13及び嵌め込み蓋15が閉じられている状態では、ウッドデッキ9を通常のものと同様に広く使うことができる。揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15との間、揺動式蓋12,13の各デッキ材17間、嵌め込み蓋15の各デッキ材24間はシール材19でシールされているため、収納している天板6に雨や日光が直接かかることはない。
【0047】
テーブルを使用する場合には、まず最初に嵌め込み蓋15を外して窓14を開ける。嵌め込み蓋15の回転取手25を回転させて突出させ、これを掴んで持ち上げることで嵌め込み蓋15を外すことができる。外した嵌め込み蓋15は邪魔にならない場所等に置いておく。
【0048】
次に、揺動式蓋12,13を開く。既に嵌め込み蓋15が外され、窓14が開いているので、この窓14の縁を掴んで揺動式蓋12,13を1枚ずつ開ける。片方の揺動式蓋12には板材20が設けられているので、まず最初に板材20が設けられていない方の揺動式蓋13を開けた後、板材20が設けられている方の揺動式蓋12を開ける。これによりテーブルの天板6が露出する。
【0049】
次に、枠体5と天板6の間に手を差し込み、操作レバー50を引いて第2の脚体37の係止を解除し、天板6を持ち上げる。付勢手段60の補助力(付勢力)によって天板6を軽く持ち上げることができる。なお、天板6を少し持ち上げて高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45の正面からずれた後は、レバー操作を止めても良い。天板6の上昇に伴い脚部7が伸びる。
【0050】
天板6の高さが1段目の高さ又は2段目の高さに合うと、高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45に入り込み、第2の脚体37が枠体5に係止される。これにより脚部7が伸縮できなくなり、天板6の高さが固定される。
【0051】
この状態でテーブルの使用が可能になるが、本実施形態ではデッキ部9aの開口10を塞ぐために左右の揺動式蓋12,13を閉じる。板材20が設けられている方の揺動式蓋12を先に閉じ、次に板材20が設けられていない方の揺動式蓋13を閉じる。脚部7の各支柱パイプ36c,37cは窓14内を通過するので、左右の揺動式蓋12,13と脚部7が干渉することはない。左右の揺動式蓋12,13を閉じることで、天板6の下の部分が塞がれ、使用者の足下をデッキ部9aとして使用することができる。以上によってテーブルの使用が可能となる。
【0052】
天板6の高さ調節は、操作レバー50を操作して第2の脚体37の枠体5への係止を解除することで行われる。即ち、左右の揺動式蓋12,13を閉じた状態でも、天板6の高さを1段目→2段目又は2段目→1段目へと調節することができる。
【0053】
なお、天板6の収納は、上述の手順と逆の手順で行われる。左右の揺動式蓋12,13を一旦開けた後、天板6を一番下まで下げて支持板59に載せると、高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45内に突出し、脚部7が枠体5に係止される。その後、各蓋を揺動式蓋12→揺動式蓋13→嵌め込み蓋15の順番で閉める。これにより、使わなくなったテーブルがテーブル収納空間4に収納され、その上をデッキ部9aとして使用可能となる。
【0054】
本発明では、テーブル(天板6,脚部7)を枠体5を含めてユニット化しているので、ウッドデッキ9を施工する場合の組み付けが容易である。また、既に施工してあるウッドデッキ9への後付も容易である。
【0055】
また、テーブルをデッキ部9a下の空間に収納できるので、テーブルを持ち運ぶ必要がなくなり、設置・収納が簡単になり、大変便利である。
【0056】
本実施形態では、蓋11として揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15の2種類を備えているので、テーブル使用時にも窓14を残して開口10を閉じることができ、使用者の足下をデッキ部9aとして使用することができる。
【0057】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0058】
例えば、上述の説明では、付勢手段60としてコイルスプリングを使用していたが、必ずしもコイルスプリングに限るものではない。付勢手段60として、例えば渦巻きばねを使用しても良い。付勢手段60として渦巻きばねを使用する場合の例を図15〜図17に示す。この付勢手段(渦巻きばね)60も上述の付勢手段(コイルスプリング)60と同様に、第1の脚体36の左右に設けられている。
【0059】
なお、上記実施形態の第1の脚体36は下側水平外パイプ36bの中に下側水平内パイプ36dを通していたが、本実施例の第1の脚体36は下側水平内パイプ36dを備えておらず、下側水平外パイプ36bが後述する内側のばねケース63に連結されている。
【0060】
本実施例では、付勢手段60を2段設けている。各段の付勢手段60はそれぞれ別のばねケース63,64に収容されている。2つのばねケース63,64は、枠体5に固定された第1のブラケット65を挟むように配置されている。第1のブラケット65には連結シャフト66が固定されており、連結シャフト66の両端はそれぞればねケース63,64内に挿入されている。付勢手段(渦巻きばね)60の中心側端はばねケース63,64内において連結シャフト66に係止されている。また、各ばねケース63,64内には付勢手段60の外側端を係止する係止シャフト67が設けられている。また、各ばねケース63,64の回転中心から離れた位置には連結パイプ68を挿入するためのパイプ孔69が形成されている。
【0061】
2つのばねケース63,64のうち内側に配置されるばねケース63には第2のブラケット70が取り付けられており、この第2のブラケット70には連結シャフト66と同軸になるように第1の脚体36の下側水平外パイプ36bが連結されている。また、第2のブラケット70の回転中心から離れた位置には連結パイプ68を挿入するためのパイプ孔70aが形成されている。連結パイプ68は左右の付勢手段60を連結するものであり、第2のブラケット70のパイプ孔70aと各ばねケース63,64のパイプ孔69,69に挿入され固定されている。
【0062】
したがって、第1の脚体36が揺動すると、この揺動は回転運動として下側水平外パイプ36b→第2のブラケット70→内側のばねケース63→内側のばねケース63内の係止シャフト67→内側のばねケース63内の渦巻きばね(付勢手段60)の外側端へと伝達される。また、内側のばねケース63の回転は、内側のばねケース63→連結パイプ68→外側のばねケース64→外側のばねケース64内の係止シャフト67→外側のばねケース64内の渦巻きばね(付勢手段60)の内側端へと伝達される。即ち、第1の脚体36の揺動によって2段の付勢手段60が同時に同量だけ変形され、逆に、2段の付勢手段60のばね力は第1の脚体36に同時に伝達される。連結パイプ68によって連結されている左右のばねケース63,64即ち4つのばねケースは同様に回転する。
【0063】
2段の付勢手段60には、第1の脚体36が起きている状態(図1に二点鎖線で示すように脚部7が伸長した状態)でも当該第1の脚体36を起こす方向に予荷重が掛けられている。第1の脚体36が倒されると、付勢手段60が更に捻られてばね力(付勢力)が貯えられる。付勢手段60に貯えられるばね力は、そのばね力のみで脚部7を伸ばして天板6を持ち上げてしまう程の大きさにはならない。即ち、付勢手段60のばね力のみで収納時の天板6が持ち上げられることはなく、使用者が天板6を持ち上げる場合の補助力として作用する。
【0064】
このように、付勢手段60として渦巻きばねを使用する場合にも、コイルスプリングを使用する場合と同様に天板6を軽い力で上げ下げできるようになる。また、渦巻きばねを使用する場合には、コイルスプリングを使用する場合に比べて小型化できるので、多段にするのが容易である。
【0065】
なお、上記実施例では、付勢手段60を2段設けていたが、必ずしも2段に限るものではなく、1段でも良く、あるいは3段以上でも良い。
【0066】
また、上述の説明では、脚部7を第1の脚体36と第2の脚体37とによって構成し、第1の脚体36と第2の脚体37との交差角度θを変化させることで脚部7を伸縮させるようにしていたが、脚部7を伸縮させる手段としてはこれに限るものではなく、その他の手段によって脚部7を伸縮させるようにしても良い。
【0067】
また、上述の説明では、高さ固定手段のロックピンユニット43によって第2の脚体37を枠体5に係止していたが、第1の脚体36を枠体5に係止するようにしても良く、あるいは第1の脚体36と第2の脚体37の両方を枠体5に係止するようにしても良い。また、上述の説明では、第2の脚体37を枠体5に係止していたが、係止相手は枠体5に限るものではなく、例えば天板6に係止するようにしても良い。
【0068】
また、上述の説明では、開口10を塞ぐ蓋11として2種類のもの(揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15)を設けて開口10の大きさを2段階に変化させることを可能にし、テーブル使用時に使用者の足下を塞ぐようにしていたが、必ずしも2種類のものを設ける必要はなく、例えば1種類の蓋、例えば左右の揺動式蓋,1枚の揺動式蓋,1枚の嵌め込み蓋等によって開口10を塞ぐようにしても良い。
【0069】
また、上述の説明では天板6の平面視の形状を矩形にしていたが、天板6の形状はこれに限るものではなく、例えば円形,楕円形等でも良く、その他の形状でも良い。なお、天板6の形状に合わせて開口10、蓋11の形状を決定することが好ましい。
【0070】
また、揺動式蓋12,13を開ける力を補助する付勢手段を設けても良い。例えば、揺動式蓋12,13とデッキ部9aとの連結部分に図示しないトーションスプリングを設け、揺動式蓋12,13を閉じた場合にトーションスプリングを捻るようにし、この捻り力を利用して揺動式蓋12,13を開ける場合の補助力を発揮させるようにしても良い。
【0071】
また、枠体5及び天板6に対して枠体5を大きめに形成し、テーブル収納空間4の空いている場所に折り畳み椅子等を収納するようにしても良い。この場合には、椅子の移動も不要になり、より一層便利である。
【符号の説明】
【0072】
1 収納テーブルユニット
2,17,24 デッキ材
3 デッキ材下の空間
4 テーブル収納空間
5 枠体
6 天板
7 伸縮可能な脚部
8 高さ固定手段
9a デッキ部
10 デッキ部の開口
11 蓋
19シール材
42 操作レバーユニット(高さ固定手段)
43 ロックピンユニット(高さ固定手段)
44 操作ワイヤ(高さ固定手段)
60 付勢手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納テーブルユニット及びこれを組み込んだデッキに関する。なお、本明細書では一般的な名称としてウッドデッキと称するが、木製のものに限られない。
【背景技術】
【0002】
屋外に設置されるウッドデッキは高床式の構造物であり、地面に立てられた複数の束柱に根太を渡し、その上にデッキ材を並べて形成される(例えば、特許文献1参照)。ウッドデッキはアウトドア的な活動等で多目的に利用される。例えば、屋外での食事等に利用する場合には、デッキ上にテーブルや椅子が並べられる。また、屋外の趣味スペース等として利用する場合には、テーブルや椅子を片付けてデッキ上に趣味に使う道具等が広げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−75348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように多目的に使用されるウッドデッキには必要に応じてテーブルを設置し、また、使わない場合や邪魔になる場合にはテーブルを片付ける必要があり、その度毎にテーブルを別の場所から又は別の場所に移動させる必要がある。そのため、テーブルの使用が大変煩わしいものとなる。
【0005】
本発明は、ウッドデッキで使用するテーブルの移動が不要な収納テーブルユニット、及びこれを組み込んだウッドデッキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために請求項1記載の収納テーブルユニットは、デッキ部下の空間に設置され、内側にテーブル収納空間を有する枠体と、テーブル収納空間内に収納可能な天板と、枠体の内側に設けられ、天板を支持し、伸長時には天板をテーブル収納空間の上に持ち上げ、縮退時には天板をテーブル収納空間内に収納させる伸縮可能な脚部と、天板をテーブル収納空間の上に持ち上げた状態で脚部を保持する高さ固定手段を備えるものである。また、請求項3記載のデッキは、デッキ部に開口を設けてデッキ材下の空間に請求項1記載の収納テーブルユニットを設置すると共に、開口を開閉する蓋を備えるものである。
【0007】
したがって、収納されているテーブルを使用する場合には、デッキ部の開口を塞ぐ蓋を開き、露出した天板をテーブル収納空間から持ち上げる。天板の上昇に伴い脚部が伸びる。所定の高さまで天板を持ち上げた後、高さ固定手段によって脚部を枠体に係止することで天板の高さが固定され、テーブルとして使用可能になる。
【0008】
一方、テーブルを収納する場合には、天板を支えながら高さ固定手段の係止を解除し、脚部を縮めながら天板をテーブル収納空間内に降ろす。そして、天板をテーブル収納空間内に収納した後、蓋を閉めて開口を塞ぐ。これにより、テーブル収納空間の上を通常のデッキ部として使用可能になる。
【0009】
また、請求項2記載の収納テーブルユニットは、脚部を伸長させる方向に付勢する付勢手段を備えるものである。したがって、付勢手段が発揮する付勢力が天板を持ち上げる際の補助力として作用する。
【0010】
一方、請求項4記載のデッキは、蓋はデッキ部を形成するデッキ材と同種のデッキ材を同列に組んで形成され、各デッキ材の間の隙間はシール材によって塞がれているものである。したがって、蓋とその周囲のデッキ部分とでデッキ材が連続しているように見えるようになり、蓋が目立たなくなる。蓋を形成するデッキ材の間の隙間はシール部材によって塞がれているので、収納されている天板に雨が直接かかることはない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の収納テーブルユニットでは、枠体内に脚部と天板を収納し、必要に応じて天板を持ち上げてテーブルとして使用可能にしているので、デッキに組み付けることで収納テーブル付きのデッキを造ることができる。また、天板,脚部,枠体が一体化されているので、組み付け前の状態でも取り扱い易くて便利であり、デッキへの組み付けも容易である。
【0012】
また、請求項2記載の収納テーブルユニットでは、付勢手段の付勢力が天板を持ち上げる際の補助力として作用するので、天板を軽い力で持ち上げることができ、使い勝手をより良くすることができる。
【0013】
また、請求項3記載のデッキでは、請求項1記載の収納テーブルユニットが組み込まれているので、設置や片付けの為にテーブルをわざわざ別の場所から又は別の場所に移動させる必要がなくなり、大変便利である。
【0014】
さらに、請求項4記載のデッキでは、蓋を目立たなくすることができるので、見栄えの悪化を抑えることができる。また、シール材によってデッキ材の間の隙間を塞いでいるので、テーブル収納空間内に雨が直接降り込むのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のウッドデッキの実施形態の一例を示し、側方からみた概略構成図である。
【図2】本発明の収納テーブルユニットを示し、天板を取り外した状態の斜視図である。
【図3】天板を示す平面図である。
【図4】脚部を構成する第1の脚体の上端を示す断面図である。
【図5】脚部を構成する第1の脚体の下端に設けられた付勢手段を示す正面図である。
【図6】脚部を構成する第2の脚体の上端を示す断面図である。
【図7】脚部を構成する第2の脚体の下端に設けられたロックピンユニットを示し、その係止状態のす断面図である。
【図8】ロックピンユニットによる係止を解除した状態を示す断面図である。
【図9】高さ固定手段の操作レバーユニットを示す分解斜視図である。
【図10】収納テーブルユニットの蓋を示す分解図である。
【図11】収納テーブルユニットの蓋を示す断面図である。
【図12】揺動式蓋を裏側から見た分解斜視図である。
【図13】嵌め込み蓋を裏側から見た分解斜視図である。
【図14】本発明のウッドデッキのデッキ面を示す平面図である。
【図15】付勢手段の他の実施形態を示す斜視図である。
【図16】同付勢手段の分解斜視図である。
【図17】同付勢手段のばねケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の構成を図面に示す形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図14に、本発明のデッキ用の収納テーブルユニット及びこれを組み込んだデッキの実施形態の一例を示す。収納テーブルユニット1は、ウッドデッキ9のデッキ部9a下の空間3に設置され、内側にテーブル収納空間4を有する枠体5と、テーブル収納空間4内に収納可能な天板6と、枠体5の内側に設けられ、天板6を支持し、伸長時には天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げ、縮退時には天板6をテーブル収納空間4内に収納させる伸縮可能な脚部7と、天板6をテーブル収納空間4の上に持ち上げた状態で脚部7を枠体5に係止する高さ固定手段を備えるものである。また、ウッドデッキ9は、デッキ部9aに開口10を設けてデッキ材2下の空間3に収納テーブルユニット1を設置すると共に、開口10を開閉する蓋11を備えるものである。
【0017】
ウッドデッキ9のデッキ部9aは、根太71の上に複数のデッキ材2を並べて形成されている。デッキ部9aに形成された開口10は、天板6が通過できる大きさ及び形状を成している。本実施形態の開口10は天板6よりも若干大きな矩形状を成している。
【0018】
デッキ部9aの開口10を塞ぐ蓋11として、本実施形態では観音開き状に開閉される左右の揺動式の蓋12,13と、左右の揺動式蓋12,13を閉じることで間に形成される窓14を塞ぐ1枚の嵌め込み式の蓋15を備えている(図10,図11)。揺動式蓋12,13は角パイプ16aで組んだ枠16にデッキ材17を並べて取り付けたもので、平面視の全体形状が略矩形状を成し、内側の辺(2枚の揺動式蓋12,13を突き合わせる辺)12a,13aの中央に矩形状の切り欠き18が設けられている。切り欠き18には角パイプ16aが露出している。左右の揺動式蓋12,13を閉めると、左右の切り欠き18,18がつながり窓14となる。窓14は天板6を持ち上げた状態で脚部7の各支柱パイプ36c,37cが通り抜けることができる大きさ・形状となっている。揺動式蓋12,13の各デッキ材17の間には例えばシーリングパッキン等のシール材19が設けられている(図12)。一方の揺動式蓋12の底面の内側辺12aには、他方の揺動式蓋13を支える板材20が設けられている。左右の揺動式蓋12,13は蝶番21によってウッドデッキ9のデッキ材2に開閉可能に取り付けられている。揺動式蓋12,13とウッドデッキ9の間の隙間はカバー材22によって塞がれている(図5)。
【0019】
嵌め込み蓋15は、平行に並べた2本の角パイプ23にデッキ材24を並べて取り付けたものであり、平面視の形状が矩形状を成している。嵌め込み蓋15には、例えば2つの回転取手25が設けられている。回転取手25は図11に実線で示すようにデッキ材24内に収納されており、回転させることで図11に二点鎖線で示すように取り出すことができる。嵌め込み蓋15の周囲と各デッキ材24の間の隙間には例えばシーリングパッキン等のシール材19が設けられている(図13)。嵌め込み蓋15は左右の揺動式蓋12,13によって形成された窓14に嵌め込まれ、角パイプ16a上に載せられる(図11)。
【0020】
揺動式蓋12,13のデッキ材17と嵌め込み蓋15のデッキ材24は、ウッドデッキ9のデッキ部9aを形成するデッキ材2と同種のものであり、デッキ部9aのデッキ材2と同列に組まれている。したがって、揺動式蓋12,13及び嵌め込み蓋15を閉じるとデッキ部9a全体が長尺の連続したデッキ材で形成されているように見え、各蓋12,13,15が目立たなくなる。
【0021】
本実施形態では、蓋11を3枚の蓋12,13,15によって構成することで蓋1枚を小型化している。これにより、蓋1枚の重さが軽くなり、開閉操作が容易になる。
【0022】
枠体5は、内側のテーブル収納空間4内に天板6及び脚部7を収納可能な大きさに形成されている。本実施形態の枠体5は、例えば図2に示すように、四隅に設けた垂直フレーム26と、隣り合う垂直フレーム26を連結する例えば上下3段の水平フレーム27,28,29と、底を塞ぐ底板72を備えており、上段の水平フレーム27は垂直フレーム26の上端を、中段の水平フレーム28は垂直フレーム26の中央部を、下段の水平フレーム29は垂直フレーム26の下端をそれぞれ連結している。また、各水平フレーム27,28,29の途中は補強フレーム30によって連結されている。本実施形態の枠体5は、左右の辺5a,5aが長く、前後の辺5b,5bが短く形成されており、長辺(左右の辺)5a,5aの水平フレーム27,28,29は途中の2箇所で、短辺(前後の辺)5b,5bの水平フレーム27,28,29は途中の1箇所で補強フレーム30によって連結され補強されている。このように本実施形態の枠体5の側面になる部分は線状部材(フレーム)を組み付けることで形成されており、内側のテーブル収納空間4は枠体5の外に対して開放されているが、線状部材間を塞いでテーブル収納空間4を閉じるようにしても良い。
【0023】
また、枠体5の長辺5a,5aには、中段の水平フレーム28の第1の脚体36の下端取付位置を補強する脚取付フレーム31が取り付けられている。脚取付フレーム31は左右の長辺5a,5aにそれぞれ設けられている。脚取付フレーム31は垂直フレーム26と当該垂直フレーム26に隣り合う補強フレーム30との間に設けられ、補強フレーム30と同様に上下3段の水平フレーム27,28,29を連結している。
【0024】
また、枠体5の長辺5a,5aには、第2の脚体37の下端を前後にスライドさせる下側ガイドレール32が取り付けられている。下側ガイドレール32は左右の長辺5a,5aにそれぞれ設けられている。下側ガイドレール32は各水平フレーム27,28,29とほぼ同じ長さに形成され、両端がそれぞれ垂直フレーム26に連結され、途中の3箇所で補強フレーム30,30及び脚取付フレーム31に連結されている。下側ガイドレール32は中段の水平フレーム28に載せるように配置されている。下側ガイドレール32の横断面形状は例えばコ字形状を成している。下側ガイドレール32は、脚部7の伸縮に伴って第2の脚体37の下端がスライドするのに十分な長さを有している。
【0025】
また、枠体5の長辺5a,5aには収納状態の天板6を支える支持板59が設けられている。支持板59は左右の長辺5a,5aに設けられた補強フレーム30に取り付けられている。支持板59の先端には弾性体が設けられている。
【0026】
上段の水平フレーム27の上縁にはウッドデッキ9に取り付けるための延出部27aが形成されている。ウッドデッキ9の根太71の段部71a(図5)に延出部27aを載せて例えばボルト等で固定することで枠体5を地面34から浮かせた状態でウッドデッキ9に組み込むことができる。
【0027】
天板6は平面視の形状が例えば矩形状を成しており、その底面には左右一対の上側ガイドレール35,35が取り付けられている(図3)。各上側ガイドレール35は長辺(左右の辺)6aよりも内側の位置に、当該長辺6aに沿うように設けられている。上側ガイドレール35の横断面形状は例えばコ字形状を成している。上側ガイドレール35は、脚部7の伸縮に伴って第1の脚体36の上端がスライドするのに十分な長さを有している。
【0028】
脚部7は第1の脚体36と第2の脚体37より構成されている。第1の脚体36は上端となる上側水平パイプ36aの中央と下端となる下側水平外パイプ36bの中央を2本の支柱パイプ36c,36cで連結し、下側水平外パイプ36b内に下側水平内パイプ36dを通した構成となっている。上側水平パイプ36aは左右の上側ガイドレール35の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端には上側ガイドレール35に沿って転動するローラ38が回転自在に取り付けられている(図4)。また、下側水平内パイプ36dは左右の下側ガイドレール32の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端は下側ガイドレール32内に設けられた軸受けボックス39に揺動自在に支持されている(図5)。軸受けボックス39は下側ガイドレール32内の脚取付フレーム31による補強部分に配置され、この補強部分に例えばねじ等によって固定されている。即ち、第1の脚体36の下端は枠体5に揺動自在に連結され、上端は天板6の上側ガイドレール35に沿ってスライド可能になっている。
【0029】
第2の脚体37は上端となる上側水平パイプ37aの中央と下端となる下側水平パイプ37bの中央を1本の支柱パイプ37cで連結した構成となっている。上側水平パイプ37aは左右の上側ガイドレール35の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端は上側ガイドレール35に揺動自在に取り付けられている(図6)。また、下側水平パイプ37bは左右の下側ガイドレール32の間隔とほぼ同じ長さを有しており、その左右両端には下側ガイドレール32に沿って転動するローラ40が回転自在に取り付けられる(図7)。即ち、第2の脚体37の上端は天板6に揺動自在に連結され、下端は枠体5の下側ガイドレール32に沿ってスライド可能になっている。
【0030】
第1の脚体36と第2の脚体37は折り畳み可能に組み付けられている。即ち、第2の脚体37の支柱パイプ37cを第1の脚体36の支柱パイプ36c,36c間に通し、各支柱パイプ36c,37c,36cの中央部をシャフト41によって回転自在に連結することで、第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θ(図1に示す上側又は下側の交差角度)が変化して折り畳み可能となり、脚部7全体として伸縮可能となっている。なお、例えば先に第2の脚体37の支柱パイプ37cを第1の脚体36の支柱パイプ36c,36c間に通し、その後で他のパイプを連結することで、各脚体36,37を組み付けることができる。
【0031】
脚部7が縮んでいる状態では、第1の脚体36と第2の脚体37は水平近くまで倒れており、両者の交差角度θは最大になっている(図1の実線位置)。この状態から天板6を持ち上げると、第1の脚体36は上端を上側ガイドレール35に沿って移動させながら下端を中心に揺動して起き上がり、第2の脚体37は下端を下側ガイドレール32に沿って移動させながら上端を中心に揺動して立ち上がる(図1の二点鎖線位置)。即ち、天板6の上昇に伴って第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θが減少し、脚部7全体として伸長する。
【0032】
この状態から天板を降ろすと、第1の脚体36は上端を上側ガイドレール35に沿って移動させながら下端を中心に揺動して倒れ、第2の脚体37は下端を下側ガイドレール32に沿って移動させながら上端を中心に揺動して倒れる。即ち、天板6の下降に伴って第1の脚体36と第2の脚体37の交差角度θが増加して折り畳まれ、脚部7全体が縮む。
【0033】
交差角度θの変化に伴い脚部7全体としての奥行き寸法(枠体5の長辺5a方向の寸法)が変化するが、第1の脚体36の下端と第2の脚体37の上端の天板6に対する位置は変化しないので、天板6は垂直に移動する
【0034】
高さ固定手段は、操作レバーユニット42と、ロックピンユニット43と、これらを連結する操作ワイヤ44と、下側ガイドレール32に設けられた高さ調節孔45より構成されている。
【0035】
操作レバーユニット42は、天板6の底面の操作しやすい位置に設けられている。本実施形態では、操作ワイヤ44を第2の脚体37内に通しているので、操作レバーユニット42を第2の脚体37の上端が連結される位置に近い方の短辺6b近傍に設けている(図3)。ただし、操作レバーユニット42を設ける位置はこの位置に限るものではない。操作レバーユニット42は、図9に示すように、天板6に固定されているアングル材46に固定されるレバー取付板47と、レバー取付板47に取り付けられたカラー48と、カラー48に案内されて摺動するレバーシャフト49と、レバーシャフト49の先端に取り付けられた操作レバー50と、レバーシャフト49の後端に取り付けられた連結板51と、連結板51とカラー48との間に設けられ、一体化された連結板51,レバーシャフト49,操作レバー50を引き戻す方向に常時付勢するレバーばね52と、アングル材46に固定され、連結板51の外れを防止する枠板53を備えている。連結板51にはスリット51aが設けられており、当該スリット51aには操作ワイヤ44の基端の玉44a(図2)が引っ掛けられて接続されている。本実施形態では、ロックピンユニット43を左右に設けており、操作ワイヤ44を2本有しているので、連結板51には2本のスリット51a,51aが設けられており、2本の操作ワイヤ44,44が連結されている。したがって、2本の操作ワイヤ44,44を同時に同量だけ操作できる。
【0036】
操作レバー50が操作されていない状態では、操作レバー50はレバーばね52によって天板6の奥側に引き込まれている。この状態から操作レバー50を引っ張り操作すると、連結板51がレバーばね52を押し縮めながら移動し、操作ワイヤ44を引き出す。そして、操作レバー50の引っ張り操作を止めると、押し縮められていたレバーばね52のばね力によって連結板51及び操作レバー50が元の位置に戻される。即ち、操作レバー50を操作している場合にだけ操作ワイヤ44が引き出される。
【0037】
操作ワイヤ44は、両端を除きチューブ44b内に収容されている。操作ワイヤ44は第2の脚体37の支柱パイプ37cと下側水平パイプ37b内を通り、下側水平パイプ37bの両端に設けられているロックピンユニット43に接続されている(図7)。本実施形態ではロックピンユニット43を下側水平パイプ37bの左右両端に設けているので、操作ワイヤ44も2本設けられている。
【0038】
ロックピンユニット43は第2の脚体37を枠体5に係止するものであり、第2の脚体37の下端に設けられている。本実施形態では、ロックピンユニット43を下側水平パイプ37bの左右両端に設けている。ただし、必ずしも下側水平パイプ37bの左右両端に設ける必要はなく、いずれか一方にのみ設けるようにしても良い。
【0039】
ロックピンユニット43は、例えば図7に示すように、下側水平パイプ37bの先端を塞ぐように設けられた取付板54と、取付板54から下側水平パイプ37bの軸方向に突出するロックピンガイド55と、ロックピンガイド55に案内されて当該ロックピンガイド55から先端を突出可能なロックピン56と、取付板54とロックピン56との間に設けられ、ロックピン56を突出させる方向に常時付勢するロックピンばね57と、ロックピン56の後端に取り付けられた連結板58を備えている。連結板58にはスリット58aが設けられており、このスリット58aには操作ワイヤ44の先端の玉44cが引っ掛けられて接続されている。ロックピンガイド55にはローラ40が回転自在に取り付けられている。
【0040】
高さ調節孔45は第2の脚体37の下端の係止位置を決定するもので、下側ガイドレール32に設けられている。高さ調節孔45は、テーブル使用時の天板6の高さに合わせて設けられている。即ち、第2の脚体37の下端のスライド位置によって第1の脚体36と第2の脚体37との交差角度θが決まり、脚部7全体の伸縮量即ち天板6の高さが決まるので、高さ調節孔45は天板6を合わせたい高さに対応する位置に形成されている。本実施形態では、使用時の天板6の高さを2段階調節するために2箇所に高さ調節孔45を設けている。ただし、高さ調節孔45の数即ち高さ調節の段数は2段に限るものではなく、1段でも良く、あるいは3段以上としても良い。
【0041】
ロックピンユニット43のロックピン56はロックピンばね57によって常時突出方向に付勢されており、操作レバー50が引っ張り操作されていない状態でロックピン56が下側ガイドレール32に設けられている高さ調節孔45に対向すると、ロックピン56が高さ調節孔45内に突出する(図7)。これにより、第2の脚体37の下端が枠体5に係止され、下側ガイドレール32に沿って移動できなくなる。
【0042】
一方、操作レバー50が操作されてロックピンユニット43の連結板58が操作ワイヤ44によって引っ張られると、ロックピン56が高さ調節孔45から引き抜かれてロックピンガイド55内に引き込まれる(図8)。これにより、第2の脚体37の下端の係止が解除され、第2の脚体37の下端が下側ガイドレール32に沿って移動可能になる。なお、ロックピン56の位置と高さ調節孔45の位置があっていない場合には、第2の脚体37の下端はロックピン56を下側ガイドレール32に摺動させながら移動する。
【0043】
なお、本実施形態では天板6を収納している場合にも第2の脚体37の下端を係止にするために、天板6を各支持板59上に降ろしたときの天板6の高さに対応する位置にも高さ調節孔45を設けている。天板6を各支持板59上に降ろしたときにも第2の脚体37を係止できるようにすることで、天板6収納時のがたつき発生を防止することができる。ただし、天板6収納時のがたつきが問題にならない場合等にはこの位置の高さ調節孔45を省略しても良い。
【0044】
本実施形態では、脚部7を伸長させる方向に付勢する付勢手段60を備えている。ただし、天板6の持ち上げにさほど大きな力を要しない場合等には付勢手段60を省略しても良い。また、本実施形態では付勢手段60を第1の脚体36に設けているが、第2の脚体37に設けても良く、あるいは第1の脚体36と第2の脚体37の両方に設けても良い。さらに、本実施形態では付勢手段60を第1の脚体36の下端に設けているが、上端に設けても良く、あるいは上端と下端の両方に設けても良い(第2の脚体37に設ける場合も同様)。また、本実施形態では、付勢手段60を左右それぞれに設けているが、左と右のいずれか一方のみに付勢手段60を設けるようにしても良い。
【0045】
付勢手段60を図5に示す。付勢手段60は例えばコイルスプリングである。ただし、コイルスプリングに限るものではなく、脚部7を伸長させる方向にばね力を発揮するものであれば他のスプリングも使用可能である。付勢手段60は第1の脚体36の下側水平内パイプ36dの外側に同軸状に配置され、下側ガイドレール32に固着されたカバー73で覆われている。付勢手段60の内側端は下側水平外パイプ36bに固着された第1のスプリング係止板61に係止され、外側端は枠体5の脚取付フレーム31に固着された第2のスプリング係止板62に係止されている。付勢手段60には、第1の脚体36が起きている状態(図1に二点鎖線で示すように脚部7が伸長した状態)でも当該第1の脚体36を起こす方向に予荷重が掛けられている。そして、第1の脚体36が倒されると、付勢手段60が更に捻られてばね力が貯えられる。付勢手段60に貯えられるばね力は、そのばね力のみで脚部7を伸ばして天板6を持ち上げてしまう程の大きさにはならない。即ち、付勢手段60のばね力(付勢力)のみで収納時の天板6が持ち上げられることはなく、使用者が天板6を持ち上げる場合の補助力として作用する。
【0046】
天板6がテーブル収納空間4に収納され、揺動式蓋12,13及び嵌め込み蓋15が閉じられている状態では、ウッドデッキ9を通常のものと同様に広く使うことができる。揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15との間、揺動式蓋12,13の各デッキ材17間、嵌め込み蓋15の各デッキ材24間はシール材19でシールされているため、収納している天板6に雨や日光が直接かかることはない。
【0047】
テーブルを使用する場合には、まず最初に嵌め込み蓋15を外して窓14を開ける。嵌め込み蓋15の回転取手25を回転させて突出させ、これを掴んで持ち上げることで嵌め込み蓋15を外すことができる。外した嵌め込み蓋15は邪魔にならない場所等に置いておく。
【0048】
次に、揺動式蓋12,13を開く。既に嵌め込み蓋15が外され、窓14が開いているので、この窓14の縁を掴んで揺動式蓋12,13を1枚ずつ開ける。片方の揺動式蓋12には板材20が設けられているので、まず最初に板材20が設けられていない方の揺動式蓋13を開けた後、板材20が設けられている方の揺動式蓋12を開ける。これによりテーブルの天板6が露出する。
【0049】
次に、枠体5と天板6の間に手を差し込み、操作レバー50を引いて第2の脚体37の係止を解除し、天板6を持ち上げる。付勢手段60の補助力(付勢力)によって天板6を軽く持ち上げることができる。なお、天板6を少し持ち上げて高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45の正面からずれた後は、レバー操作を止めても良い。天板6の上昇に伴い脚部7が伸びる。
【0050】
天板6の高さが1段目の高さ又は2段目の高さに合うと、高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45に入り込み、第2の脚体37が枠体5に係止される。これにより脚部7が伸縮できなくなり、天板6の高さが固定される。
【0051】
この状態でテーブルの使用が可能になるが、本実施形態ではデッキ部9aの開口10を塞ぐために左右の揺動式蓋12,13を閉じる。板材20が設けられている方の揺動式蓋12を先に閉じ、次に板材20が設けられていない方の揺動式蓋13を閉じる。脚部7の各支柱パイプ36c,37cは窓14内を通過するので、左右の揺動式蓋12,13と脚部7が干渉することはない。左右の揺動式蓋12,13を閉じることで、天板6の下の部分が塞がれ、使用者の足下をデッキ部9aとして使用することができる。以上によってテーブルの使用が可能となる。
【0052】
天板6の高さ調節は、操作レバー50を操作して第2の脚体37の枠体5への係止を解除することで行われる。即ち、左右の揺動式蓋12,13を閉じた状態でも、天板6の高さを1段目→2段目又は2段目→1段目へと調節することができる。
【0053】
なお、天板6の収納は、上述の手順と逆の手順で行われる。左右の揺動式蓋12,13を一旦開けた後、天板6を一番下まで下げて支持板59に載せると、高さ固定手段のロックピン56が高さ調節孔45内に突出し、脚部7が枠体5に係止される。その後、各蓋を揺動式蓋12→揺動式蓋13→嵌め込み蓋15の順番で閉める。これにより、使わなくなったテーブルがテーブル収納空間4に収納され、その上をデッキ部9aとして使用可能となる。
【0054】
本発明では、テーブル(天板6,脚部7)を枠体5を含めてユニット化しているので、ウッドデッキ9を施工する場合の組み付けが容易である。また、既に施工してあるウッドデッキ9への後付も容易である。
【0055】
また、テーブルをデッキ部9a下の空間に収納できるので、テーブルを持ち運ぶ必要がなくなり、設置・収納が簡単になり、大変便利である。
【0056】
本実施形態では、蓋11として揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15の2種類を備えているので、テーブル使用時にも窓14を残して開口10を閉じることができ、使用者の足下をデッキ部9aとして使用することができる。
【0057】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0058】
例えば、上述の説明では、付勢手段60としてコイルスプリングを使用していたが、必ずしもコイルスプリングに限るものではない。付勢手段60として、例えば渦巻きばねを使用しても良い。付勢手段60として渦巻きばねを使用する場合の例を図15〜図17に示す。この付勢手段(渦巻きばね)60も上述の付勢手段(コイルスプリング)60と同様に、第1の脚体36の左右に設けられている。
【0059】
なお、上記実施形態の第1の脚体36は下側水平外パイプ36bの中に下側水平内パイプ36dを通していたが、本実施例の第1の脚体36は下側水平内パイプ36dを備えておらず、下側水平外パイプ36bが後述する内側のばねケース63に連結されている。
【0060】
本実施例では、付勢手段60を2段設けている。各段の付勢手段60はそれぞれ別のばねケース63,64に収容されている。2つのばねケース63,64は、枠体5に固定された第1のブラケット65を挟むように配置されている。第1のブラケット65には連結シャフト66が固定されており、連結シャフト66の両端はそれぞればねケース63,64内に挿入されている。付勢手段(渦巻きばね)60の中心側端はばねケース63,64内において連結シャフト66に係止されている。また、各ばねケース63,64内には付勢手段60の外側端を係止する係止シャフト67が設けられている。また、各ばねケース63,64の回転中心から離れた位置には連結パイプ68を挿入するためのパイプ孔69が形成されている。
【0061】
2つのばねケース63,64のうち内側に配置されるばねケース63には第2のブラケット70が取り付けられており、この第2のブラケット70には連結シャフト66と同軸になるように第1の脚体36の下側水平外パイプ36bが連結されている。また、第2のブラケット70の回転中心から離れた位置には連結パイプ68を挿入するためのパイプ孔70aが形成されている。連結パイプ68は左右の付勢手段60を連結するものであり、第2のブラケット70のパイプ孔70aと各ばねケース63,64のパイプ孔69,69に挿入され固定されている。
【0062】
したがって、第1の脚体36が揺動すると、この揺動は回転運動として下側水平外パイプ36b→第2のブラケット70→内側のばねケース63→内側のばねケース63内の係止シャフト67→内側のばねケース63内の渦巻きばね(付勢手段60)の外側端へと伝達される。また、内側のばねケース63の回転は、内側のばねケース63→連結パイプ68→外側のばねケース64→外側のばねケース64内の係止シャフト67→外側のばねケース64内の渦巻きばね(付勢手段60)の内側端へと伝達される。即ち、第1の脚体36の揺動によって2段の付勢手段60が同時に同量だけ変形され、逆に、2段の付勢手段60のばね力は第1の脚体36に同時に伝達される。連結パイプ68によって連結されている左右のばねケース63,64即ち4つのばねケースは同様に回転する。
【0063】
2段の付勢手段60には、第1の脚体36が起きている状態(図1に二点鎖線で示すように脚部7が伸長した状態)でも当該第1の脚体36を起こす方向に予荷重が掛けられている。第1の脚体36が倒されると、付勢手段60が更に捻られてばね力(付勢力)が貯えられる。付勢手段60に貯えられるばね力は、そのばね力のみで脚部7を伸ばして天板6を持ち上げてしまう程の大きさにはならない。即ち、付勢手段60のばね力のみで収納時の天板6が持ち上げられることはなく、使用者が天板6を持ち上げる場合の補助力として作用する。
【0064】
このように、付勢手段60として渦巻きばねを使用する場合にも、コイルスプリングを使用する場合と同様に天板6を軽い力で上げ下げできるようになる。また、渦巻きばねを使用する場合には、コイルスプリングを使用する場合に比べて小型化できるので、多段にするのが容易である。
【0065】
なお、上記実施例では、付勢手段60を2段設けていたが、必ずしも2段に限るものではなく、1段でも良く、あるいは3段以上でも良い。
【0066】
また、上述の説明では、脚部7を第1の脚体36と第2の脚体37とによって構成し、第1の脚体36と第2の脚体37との交差角度θを変化させることで脚部7を伸縮させるようにしていたが、脚部7を伸縮させる手段としてはこれに限るものではなく、その他の手段によって脚部7を伸縮させるようにしても良い。
【0067】
また、上述の説明では、高さ固定手段のロックピンユニット43によって第2の脚体37を枠体5に係止していたが、第1の脚体36を枠体5に係止するようにしても良く、あるいは第1の脚体36と第2の脚体37の両方を枠体5に係止するようにしても良い。また、上述の説明では、第2の脚体37を枠体5に係止していたが、係止相手は枠体5に限るものではなく、例えば天板6に係止するようにしても良い。
【0068】
また、上述の説明では、開口10を塞ぐ蓋11として2種類のもの(揺動式蓋12,13と嵌め込み蓋15)を設けて開口10の大きさを2段階に変化させることを可能にし、テーブル使用時に使用者の足下を塞ぐようにしていたが、必ずしも2種類のものを設ける必要はなく、例えば1種類の蓋、例えば左右の揺動式蓋,1枚の揺動式蓋,1枚の嵌め込み蓋等によって開口10を塞ぐようにしても良い。
【0069】
また、上述の説明では天板6の平面視の形状を矩形にしていたが、天板6の形状はこれに限るものではなく、例えば円形,楕円形等でも良く、その他の形状でも良い。なお、天板6の形状に合わせて開口10、蓋11の形状を決定することが好ましい。
【0070】
また、揺動式蓋12,13を開ける力を補助する付勢手段を設けても良い。例えば、揺動式蓋12,13とデッキ部9aとの連結部分に図示しないトーションスプリングを設け、揺動式蓋12,13を閉じた場合にトーションスプリングを捻るようにし、この捻り力を利用して揺動式蓋12,13を開ける場合の補助力を発揮させるようにしても良い。
【0071】
また、枠体5及び天板6に対して枠体5を大きめに形成し、テーブル収納空間4の空いている場所に折り畳み椅子等を収納するようにしても良い。この場合には、椅子の移動も不要になり、より一層便利である。
【符号の説明】
【0072】
1 収納テーブルユニット
2,17,24 デッキ材
3 デッキ材下の空間
4 テーブル収納空間
5 枠体
6 天板
7 伸縮可能な脚部
8 高さ固定手段
9a デッキ部
10 デッキ部の開口
11 蓋
19シール材
42 操作レバーユニット(高さ固定手段)
43 ロックピンユニット(高さ固定手段)
44 操作ワイヤ(高さ固定手段)
60 付勢手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキ部下の空間に設置され、内側にテーブル収納空間を有する枠体と、前記テーブル収納空間内に収納可能な天板と、前記枠体の内側に設けられ、前記天板を支持し、伸長時には前記天板を前記テーブル収納空間の上に持ち上げ、縮退時には前記天板を前記テーブル収納空間内に収納させる伸縮可能な脚部と、前記天板を前記テーブル収納空間の上に持ち上げた状態で前記脚部を保持する高さ固定手段を備えることを特徴とする収納テーブルユニット。
【請求項2】
前記脚部を伸長させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1記載の収納テーブルユニット。
【請求項3】
デッキ部に開口を設けてデッキ材下の空間に請求項1記載の収納テーブルユニットを設置すると共に、前記開口を開閉する蓋を備えることを特徴とするデッキ。
【請求項4】
前記蓋は前記デッキ部を形成するデッキ材と同種のデッキ材を同列に組んで形成され、各デッキ材の間の隙間はシール材によって塞がれていることを特徴とする請求項3記載のデッキ。
【請求項1】
デッキ部下の空間に設置され、内側にテーブル収納空間を有する枠体と、前記テーブル収納空間内に収納可能な天板と、前記枠体の内側に設けられ、前記天板を支持し、伸長時には前記天板を前記テーブル収納空間の上に持ち上げ、縮退時には前記天板を前記テーブル収納空間内に収納させる伸縮可能な脚部と、前記天板を前記テーブル収納空間の上に持ち上げた状態で前記脚部を保持する高さ固定手段を備えることを特徴とする収納テーブルユニット。
【請求項2】
前記脚部を伸長させる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1記載の収納テーブルユニット。
【請求項3】
デッキ部に開口を設けてデッキ材下の空間に請求項1記載の収納テーブルユニットを設置すると共に、前記開口を開閉する蓋を備えることを特徴とするデッキ。
【請求項4】
前記蓋は前記デッキ部を形成するデッキ材と同種のデッキ材を同列に組んで形成され、各デッキ材の間の隙間はシール材によって塞がれていることを特徴とする請求項3記載のデッキ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図10】
【公開番号】特開2011−226075(P2011−226075A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94188(P2010−94188)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】
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