説明

収納ユニット

【課題】 収納庫と引出の間に形成される隙間から収納ユニット内部に虫やホコリ等の異物が侵入することを防止し、かつ軽微な力で引出を引き出すことが可能な収納ユニットを提供することを目的としている。
【解決手段】 引出132と、引出132をスライド自在に収納可能な収納庫と、収納庫の壁板304の前面を覆うように引出の側板よりも張り出した前板302と、引出が所定の収納完了位置より収納方向へさらに押し込まれることによって引出を反収納方向へ押し出す押出機構とを備える収納ユニットにおいて、さらにパッキン320を備え、パッキンは、壁板の前面もしくは前板の裏面のいずれか一方に設置される設置面320aと、他方に当接する当接面320bを有し、2つの面は一部分のみが接合され、当接面は、引出を収納完了位置よりさらに押し込むとき、押し込む際に加えられた力を接合された部分と反対方向に逃がすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防虫および防塵機構を備えた収納ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被収納物を収納する手段としては、戸棚や押し入れといった、固定された棚に被収納物自体を動かして収納する手段と、タンスやキッチンといった、引出をスライドして被収納物を載置し引出ごと収納する手段とがある。
【0003】
後者の、引出を用いる収納手段では、被収納物を上方から容易に収納でき、複数の引出を水平および垂直方向に並行して設けることで高い空間効率を得ることができる。例えば、キッチンにおける引出には、碗、皿、カップ等の食器類、鍋、フライパン等の調理器具、塩、胡椒等の調味料など、大小様々な被収納物を上方から容易に収納することができる。
【0004】
特に収納ユニットがキッチンである場合には、収納庫と引出の間の隙間から虫やホコリ等の異物が収納庫内部に侵入すると、当該収納ユニットに収納されている食器類、調理器具、調味料等を汚染し不衛生になってしまうおそれがある。そこで、収納庫と引出の隙間を塞ぐためのパッキンを設けた構成が多く採用されている。
【0005】
一方、昨今の付加価値の増大や高機能化に伴い、上記収納ユニットのさらなる使い勝手の良さや便利さ等を求める要望もある。そこで、引出の前板の前面を少しだけ奥に押すだけで自動的に引出を引き出す、いわゆるプッシュオープン式の収納ユニットが提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−154322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような収納ユニットの高機能化は、キッチンに対しても適用可能であるかのように考えられる。そして、キッチンの引出をプッシュオープン式とすることにより、使い勝手を向上させることができると考えられる。
【0007】
しかし、収納ユニットの引出を引き出すためには、引出の前板の前面を押し込む必要がある。一方、キッチンには収納庫と引出との間にパッキンが設けられており、パッキンは弾力をもって引出を反発している。
【0008】
このため、収納ユニットの引出を引き出すためには、引出の前板の前面を強い力で押し込み、パッキンを押しつぶさなくてはならない。この力が強いと、容易には引出を開くことができなくなり、使い勝手がよいとは言いにくい。
【0009】
そこで本発明は、収納庫と引出の間に形成される隙間から収納ユニット内部に虫やホコリ等の異物が侵入することを防止し、かつ軽微な力で引出を引き出すことが可能な収納ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、引出と、引出をスライド自在に収納可能な収納庫と、収納庫の壁板の前面を覆うように引出の側板よりも張り出した引出の前板と、引出が所定の収納完了位置より収納方向へさらに押し込まれることによって引出を反収納方向へ押し出す押出機構とを備える収納ユニットにおいて、さらに収納庫の壁板の前面と、引出の前板の裏面との間に配置され、引出が収納庫に完全に収納されているとき押し込み方向に変形することにより収納庫の壁板の前面と引出の前板の裏面との間に形成される隙間を封止するパッキンを備え、パッキンは、壁板の前面もしくは前板の裏面のいずれか一方に設置される設置面と、他方に当接する当接面を有し、2つの面は一部分のみが接合され、当接面は、引出を収納完了位置よりさらに押し込むとき、押し込む際に加えられた力を接合された部分と反対方向に逃がすことを特徴とする。
【0011】
上記構成および動作により、プッシュオープン式の収納ユニットにおいて、パッキンによって収納庫と引出の間に形成される隙間を塞ぐことが可能となる。これにより、上記隙間から、虫やホコリが侵入するのを防止することができる。さらにパッキンは押し込む際に加えられた力を容易に逃がすことができるため、引出を軽微な力で押し込むことができる可能となる。
【0012】
また、パッキンは、ABS樹脂で作成されていてもよい。これにより、安価かつ大量に生産することが可能となる。
【0013】
また、押出機構は、引出の収納庫内における収納完了位置を認識し、引出の収納完了位置からの押し込みを当該引出の移動距離によって検知してもよい。
【0014】
すなわち、押出機構は、引出の収納庫内における収納完了位置から移動距離によって、引出の押し込みを検知することとなる。これにより、収納完了位置から予め規定された移動距離まで押し込まなければ、引出が引き出されることがなくなる。したがって、不意に引出を押してしまっても、予め定められた移動距離に達しなければ、引出が引き出されることはないため、誤作動を防ぐことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明の収納ユニットによれば、軽微な力で引出を引き出すことが可能であり、かつ、収納ユニット内を衛生的に保つことの可能な収納ユニットを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明にかかる収納ユニットの実施形態について、図を用いて説明する。なお、以下の実施形態に示す、寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
本実施形態では、押し込む操作を通じて引出を引き出す収納ユニットにおいて、パッキンを備えることにより防虫効果を得、さらにパッキンの形状および/または材質を工夫することにより、容易かつ確実に引出を操作することを目的としている。ここでは、収納ユニットとしてシステムキッチンを例に用いて説明する。また、本実施形態の理解を容易にするため、最初にシステムキッチンの全体構成につい説明し、その後本実施形態の特徴を詳述する。
【0018】
(全体構成)
図1は収納ユニットの例としてのシステムキッチンの全体構成を説明する図である。キッチン100は、いわゆる対面式のオープンシステムキッチンであり、その天板110(ワークトップとも称される。)はステンレス材を用いて形成され、システムキッチンの全体の上面を覆っている。なお、天板110は合成樹脂素材を使用して形成されていてもよい。
【0019】
天板110の上面には、組み込みで取り付けられたコンロ112、調理スペース114、一体に形成されたシンク116、および準備スペース118が設けられる。調理スペース114と準備スペース118とは同様に平坦なテーブル面であるが、シンク116とコンロ112の間に位置する調理スペース114は主に調理を行う場所と想定し、シンク116より外側に位置する準備スペース118は一時的に食材や調理器具を置くための補助的な場所と想定している。
【0020】
天板110の下は、コンロ112が設置されているコンロキャビネット120と、調理スペース114を備えるベースキャビネット130、シンク116が設置されているシンクキャビネット140、準備スペース118を備える補助キャビネット150で構成している。各キャビネットは収納庫として機能し、キャビネット内の空きスペースには、コンロ112への配線や、シンク116および水栓への給排水管などが収容されている。
【0021】
このように、天板110は、システムキッチン100全体に亘って連続しているにも拘らず、天板110の下では、天板110の上のシンク116やコンロ112といった各構成に対応したキャビネットが複数設けられている。
【0022】
これによりシステムキッチン100の構成を異ならせたときにも、キャビネット単位で引出や前板などの部品を準備すればよく、生産効率を向上させることができる。ここでいうシステムキッチンの構成とは、例えば調理スペース114やシンク116の幅、準備スペース118の有無などである。
【0023】
各キャビネットは、本実施形態においては収納として様々な大きさの引出を設けている。例えばコンロキャビネット120は、上部にコンロ112のグリル112aおよび操作パネル112bを備え、その両脇には調味料などの小物を収納するための小さな引出であるスパイスボックス122が配置されている。コンロキャビネット120の中央部、すなわちグリル112aの下には幅の広い大きな引出124が配置され、鍋やボウルなどの比較的大きな調理器具を収納することが可能となっている。またコンロキャビネット120の下部の床近傍には、引出式の足下収納庫126が配置されている。
【0024】
同様に、ベースキャビネット130には複数の比較的小さな引出132および足下収納庫136が備え付けられ、シンクキャビネット140には足下収納庫146からシンクの膜板142に到る高い前板を備えた引出144が備え付けられている。補助キャビネット150には足下収納庫156から天板110に到る高い前板を備えた引出152が備えられ、その内部に独立して出し入れ可能な中引出154が備えられている。
【0025】
(押出機構)
図2はキャビネットの内部構成を説明する図である。図に示すように、各キャビネットの壁板202には引出を案内するためのレール204が左右対称となるように備えられている。そして、それぞれの引出の収納位置(収納完了位置)の背面側には、引出を押し出す押出機構の例としてのドライブユニット210が備えられている。
【0026】
図3はドライブユニットを説明する図であって、図3(a)はドライブユニットの概略斜視図、図3(b)はドライブユニットの動作を説明する平面図である。
【0027】
図3(a)に示すように、ドライブユニット210は、駆動部212と、駆動部212から片持ちで突出したアーム214とを備えている。駆動部212は電力によって動作し、アーム214を回動させるモータのほか、アーム214の回動量を検知するエンコーダ、およびこれらを制御する制御部を備えている。
【0028】
図3(b)に示すように、引出124が引き出されているときには、ドライブユニット210のアーム214は、引出に向かって突出した状態となっている。図3(c)に示すように引出124を収容すると、アーム214は引出124の背面に押されて回動する。このとき駆動部212では、アーム214の回動をエンコーダによって検知する。引出124が収納完了位置(完全に収容される位置)にて静止すると、駆動部212内の制御部はエンコーダの単位時間あたりの変化量から、収納完了位置を認識する。そして、図3(d)に示すように引出を収納完了位置よりさらに押し込むことにより、制御部はエンコーダによってこれを検知し、駆動部212内のモータを動作させてアーム214を回動させる。これにより図3(e)に示すように、引出124を押し出す。
【0029】
上記構成および動作により、使用者にしてみれば、引出をわずかに押し込むことによって自動的に引出が出てくることになる。したがって引出の開閉が極めて簡便になり、また自動化による高級感を得ることができる。これにより、調理中等であっても、迅速かつ簡便に引出に収納された収納物を出し入れすることが可能となる。なお押し込む量は任意に設定することができるが、例えば1mm以上に設定することができる。
【0030】
(防虫機構)
上記した引出124、132、144、152は、軽い力で収納庫から引き出すことが可能となるが、収納庫の壁板の前面と引出の前板の裏面との間に隙間が形成されるため、当該隙間から虫やホコリが収納ユニット内部に侵入し不衛生となる可能性がある。以下では、特に防虫機構の構成を述べる。
【0031】
図4は、収納ユニットの例としてのベースキャビネット130とベースキャビネット130に収納可能な引出132の一部の拡大図である。図4に示すように、ベースキャビネット130の両側面は2枚の壁板304で構成されており、壁板304の前面にはパッキン320が設置され、壁板304の内側にパッキン320と並設されてダンパ330が設けられている。引出132は、側縁が壁板304の前面を覆うように張り出した前板302と、2枚の側板と、底板とで構成されている。
【0032】
図5は、パッキン320周辺の水平方向の断面図である。図5に示すように、上記パッキン320は、壁板304の前面に接着剤等で固定され、設置されている。パッキン320は、壁板304の前面に設置される設置面320aと前板302の裏面に当接する当接面320bの2つの面を有している。さらに、2つの面は、長手方向片側のみ接合されている。
【0033】
本実施形態において、パッキン320は壁板304の前面に設置されているが、これに限定されるものではなく、壁板304の前面と引出の前板302の裏面との間に形成される隙間を封止することができればよく、例えば、前板302の裏面に設置されてもよい。
【0034】
図6は本実施形態のパッキンが加えられた力を逃がす作用を説明する説明図である。詳しくは、図6(a)に本実施形態のパッキン320を示し、図6(b)に従来用いられていた断面が略台形形状のパッキン420を示す。
【0035】
収納ユニットに設置されるパッキンが防虫効果を発揮するためには、密封性と耐久性が必要となる。一方、本実施形態のような一旦押し込んで引出を引き出す種類の収納ユニットに設置されるパッキンは、軽微な力で引出の前板を押し込むことができるようにするためには、低弾力性が必要となる。しかし、低弾力性を有するパッキンを本実施形態の収納ユニットに設置すると、復元力が乏しいため、密封性に劣り、本来必要とされている防虫性に支障をきたしかねない。また、軽微な力で押し込むことができるという点に着目すると、モヘア状パッキンの設置も考えられる。しかしながら、収納ユニットにモヘア状パッキンを設置したとしても、封止方向が合わないため、密封性に劣り、防虫効果を発揮しない。また、ウレタンスポンジ等発泡形状を有するパッキンでは、耐久性に欠ける。
【0036】
そこで、図6(a)に示すように、低弾力とするために設置面320aと当接面320bとを断面において一方端で接合した片持ち構造とし、当接面320bを曲面のみからなる屈曲部のない形状とし、接合部から当接面320bが全体に亘ってたわむ形状とした。
【0037】
図6(a)に示すように、パッキン320は、引出132の前板302を押し込む方向(図6中白抜き矢印)の力が加えられたとき、接合していない一方端が、接合部と反対方向(図6(a)中黒矢印)に移動し、押し込む方向(図6中白抜き矢印)の力を接合部と反対方向(図6(a)中黒矢印方向)に逃がすことができる。
【0038】
これに対し図6(b)に示すのは、従来用いられていた断面が略台形形状のパッキン420であり、接合部は一方端のみであるが、断面形状において3つの略直線と2つの屈曲部とを備えている。そして図に示すように、引出132の前板302を押し込む方向(図6中白抜き矢印)の力が加えられたとき、従来の断面が略台形形状のパッキン420は、押し込む方向と両垂直方向(図6(b)中黒矢印)に力を分散させる。
【0039】
上記2つのパッキン320、420における力の分散を比較すると、図6(a)に示した本実施形態のパッキン320の押し込み方向の形状変化量は、屈曲部が接合部のみであるために当接面320bがほとんど設置面320aに沿うように変形するため、従来の断面が略台形形状のパッキン420と比較して大きくなる。つまり、押し出し機構を働かせるために必要な押し込み方向の距離を軽微な力で稼ぐことが可能となる。図6(b)に示した従来の略台形形状のパッキン420は、材質や厚みが同じであっても、屈曲部が多いために押し込み方向の形状変化量は小さい。すなわち、押し出し機構を働かせるために必要な押し込み方向の距離を稼ぐためには、ある程度の力が必要となる。
【0040】
上記説明したように、図6(a)に示すような、パッキン320を引出132に備えることにより、引出132の前板302の前面を軽微な力で押し込むだけで、引出132をベースキャビネット130から引き出すことができる。
【0041】
本実施形態において、パッキン320は、発泡形状を有するパッキンでは得られない耐久性を有する樹脂で作成されている。また本実施形態のパッキン320は、ABS樹脂で作成されているが、これに限定されるものではなく、可撓性を有していれば足りる。これにより、安価かつ大量に生産することが可能となる。
【0042】
図7はダンパ330の拡大図である。ダンパ330は、平坦な移動子332と、平坦なホルダ334と、付勢部336とで構成されている。
【0043】
上記移動子332は、後述する付勢部336によって、引出132の引出方向に付勢され、引出132の収納完了位置を規定する。さらに移動子332は、収納完了位置からさらに引出132を押し込み可能である。
【0044】
壁板304の内側と引出132の側板の外側との間に、ダンパ330を備えるだけで、引出132の引出方向に付勢されたダンパ330の移動子332が収納完了位置を簡単に認識することができる。
【0045】
上記ホルダ334は、移動子332の両側縁を摺動するようにガイドする。本実施形態のホルダ334は、約4mmの厚さである。
【0046】
上記付勢部336は、バネで構成されており、移動子332をホルダ334から押し出す方向に付勢する。
【0047】
平坦な移動子332と、平坦なホルダ334からなるダンパ330により、壁板304の内側と引出132の側板の外側との間に形成される、わずかな隙間にダンパ330を設置することができる。したがって、引出132の収納量を減少させることなく、ダンパ330を設置することができ、引出132の収納完了位置を確実に認識させることが可能となる。
【0048】
図8は、引出132の開閉時におけるパッキン320およびダンパ330の形状の変化を説明するための図である。図8において、図8(a)は引出132のベースキャビネット130への収納前を、図8(b)は収納完了時を、図8(c)は、引出132が上記押出機構によって押し出されるための、押し込み時を示す。
【0049】
図8(a)に示すように、引出132をベースキャビネット130に収納する前すなわち引出132が引き出された状態では、パッキン320の形状は全く変化せず、移動子332は、付勢部336によって、引出132の引出方向に完全に押し出されている。
【0050】
図8(b)に示すように、収納時には、パッキン320の当接面320bは、前板302の裏面と撓んで当接し、移動子332は、前板302の裏面に当接している。移動子332は、収納時すなわち収納完了位置にあるとき、さらに押し込み可能である。
【0051】
図8(c)に示すように、押し込み時には、パッキン320の当接面320bは、長手方向片側の接合部を軸として、当接面320bを回転させることとなり、移動子332は、収納完了位置からさらに押し込んだ状態となっている。
【0052】
パッキン320が、前板302の裏面に撓んで当接する構成により、パッキン320を前板302の裏面に確実に密着させることが可能となり、壁板304の前面と引出132の前板302の裏面との間に形成される隙間を確実に封止することができる。また、パッキン320は、設置面320aと当接面320bが、長手方向片側のみ接合されているため、軽微な力で引出132を押し込むことが可能となる。したがって、収納庫と引出の間に形成される隙間から収納ユニット内部に虫やホコリ等の異物が侵入することを防止し、かつ軽微な力で引出を引き出すことが可能となる。
【0053】
上記ダンパ330は、引出132を収納する際の衝撃を吸収する効果も備えている。これにより、引出132を強く収納したとしても、収納物に与える衝撃を軽減することができる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】
上述した実施形態においては、引出およびその収納庫としてのシステムキッチンのキャビネットを例に挙げて説明したが、かかる場合に限られず、戸棚や洗面台等、引出を利用する様々な収納ユニットに本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、防虫および防塵機構を備えた収納ユニットに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】収納ユニットの例としてのシステムキッチンの全体構成を説明する図である。
【図2】キャビネットの内部構成を説明する図である。
【図3】ドライブユニットを説明する図である。
【図4】収納ユニットの例としてのベースキャビネットとベースキャビネットに収納可能な引出の一部の拡大図である。
【図5】パッキン周辺の水平方向の断面図である。
【図6】本実施形態のパッキンが加えられた力を逃がす作用を説明する説明図である。
【図7】ダンパの拡大図である。
【図8】引出の開閉時におけるパッキンおよびダンパの形状の変化を説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
100 …キッチン、110 …天板、112 …コンロ、112a …グリル、112b …操作パネル、114 …調理スペース、116 …シンク、118 …準備スペース、120 …コンロキャビネット、122 …スパイスボックス、124 …幅の広い大きな引出、126、146、156 …足下収納庫、130 …ベースキャビネット、132 …引出、140 …シンクキャビネット、142 …シンクの膜板、144 …高い前板を備えた引出、150 …補助キャビネット、152 …高い前板を備えた引出、154 …中引出、202 …壁板、204 …レール、210 …ドライブユニット、212 …駆動部、214 …アーム、302 …前板、304 …壁板、320 …パッキン、320a …設置面、320b …当接面、330 …ダンパ、332 …移動子、334 …ホルダ、336 …付勢部、420 …略台形形状のパッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出と、
前記引出をスライド自在に収納可能な収納庫と、
前記収納庫の壁板の前面を覆うように前記引出の側板よりも張り出した該引出の前板と、
前記引出が所定の収納完了位置より収納方向へさらに押し込まれることによって該引出を反収納方向へ押し出す押出機構とを備える収納ユニットにおいて、
さらに前記収納庫の壁板の前面と、前記引出の前板の裏面との間に配置され、前記引出が前記収納庫に完全に収納されているとき押し込み方向に変形することにより該収納庫の壁板の前面と該引出の前板の裏面との間に形成される隙間を封止するパッキンを備え、
前記パッキンは、前記壁板の前面もしくは前記前板の裏面のいずれか一方に設置される設置面と、他方に当接する当接面を有し、前記2つの面は一部分のみが接合され、前記当接面は、前記引出を収納完了位置よりさらに押し込むとき、前記押し込む際に加えられた力を前記接合された部分と反対方向に逃がすことを特徴とする収納ユニット。
【請求項2】
前記パッキンは、ABS樹脂で作成されていることを特徴とする、請求項1に記載の収納ユニット。
【請求項3】
前記押出機構は、前記引出の前記収納庫内における収納完了位置を認識し、前記引出の収納完了位置からの押し込みを該引出の移動距離によって検知することを特徴とする、請求項1に記載の収納ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−50333(P2009−50333A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217687(P2007−217687)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】