説明

収納袋

【課題】ダートコース外へ砂が飛散することを防止する防砂設備を、簡単な施工で実現することができる収納袋を提供すること。
【解決手段】正面側体2に施された網目は、背面側体3に施された網目よりも細かい。この正面側体2に施された網目により、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁Wと同程度の砂の飛散防止を実現することができる。これにより、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁Wを不要とすることができる。従って、収納袋1によれば、砂利Sを収納した状態で開口部11を閉じ、ダートコースに敷き詰められた砂Sに面して正面側体2を配置するという簡単な施工で、ダートコース外への砂Sの飛散を防止する防砂設備を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納袋に関し、特に、ダートコース外へ砂が飛散することを防止する防砂設備を、簡単な施工で実現することができる収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
競馬場や競走馬をトレーニングするトレーニングセンタに造成されたダートコースに敷き詰められる砂は、宅地の庭等に敷き詰められる砂と比較して、一般的に高価である。そこで、競馬場やトレーニングセンタでは、ダートコースに敷き詰められた砂がダートコース外へ飛散することを防止するために、ダートコースの周縁に防砂設備を設置している。
【0003】
ここで、図4を参照して、従来の防砂設備について説明する。図4は、競馬場やトレーニングセンタに造成されたダートコースの周縁に配置された従来の防砂設備を模式的に示した図である。図4に示すように、従来の防砂設備は、ダートコースに敷き詰められた砂Sの飛散を防止する均一の網目を有する防砂壁Wと、防砂壁Wから所定間隔離れた位置に配置され、均一の網目を有すると共に砂利BLを収納する収納袋100とから主に構成されている。なお、ダートコースの周縁には、更に、競走馬がダートコース外へ離脱することを防止する柵Fが立設されると共に、収納袋100内部へ浸入した雨水等を流す水路Hが形成されている。
【0004】
ここで、収納袋100は、防砂壁Wよりも高く積み上げられており、防砂壁Wを飛び越えた砂Sの飛散を防止するために配置されている。これは、防砂壁Wは、競走馬が衝突した場合に破壊されることを防止する観点から、比較的柔らかい材質で形成されているので、曲がり易く、あまり高く立設することができない。このため、ダートコース外へ砂Sが飛散することを確実に防止するために、防砂壁Wの立設に加えて、収納袋100を配置しているのである。
【0005】
このように、競馬場やトレーニングセンタでは、防砂壁Wと収納袋100とから主に構成される防砂設備をダートコース周縁に設置することで、ダートコースに敷き詰められた砂Sがダートコース外へ飛散することを防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の防砂設備では、ダートコース外へ砂Sが飛散することを確実に防止するためには、前述の通り、防砂壁Wと収納袋100との両方が必須である。よって、従来の防砂設備では、施工が煩雑になるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ダートコース外へ砂が飛散することを防止する防砂設備を、簡単な施工で実現することができる収納袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために請求項1記載の収納袋は、内部に収納する固形物の出入り口となる開口部を有し、前記固形物を内部に収納した状態で前記開口部が閉じられて、競馬場や競走馬をトレーニングするトレーニングセンタに造成されたダートコースの周縁に配置されるものであり、前記ダートコースの周縁に配置された場合に、そのダートコースに敷き詰められた砂に面する一枚状且つ網目が施された化学繊維からなる第1の織布と、その第1の織布に対応して織り上げられた一枚状且つ網目が施された化学繊維からなる第2の織布と、前記第1の織布および第2の織布を重ねた状態で、それらの端同士を前記開口部となる部分を除いて縫合することで、前記第1の織布と第2の織布との間に前記固形物を収納する空間を形成する糸状の縫合部材とを備え、前記第1の織布に施された網目は、前記第2の織布に施された網目よりも細かいものである。
【0009】
請求項2記載の収納袋は、請求項1記載の収納袋において、前記縫合部材は、前記第1の織布および第2の織布に使用された材質と同一の材質で構成されている。
【0010】
請求項3記載の収納袋は、請求項1または2に記載の収納袋において、前記縫合部材による前記端同士の縫合は、少なくとも二回行われるものであり、前記縫合の各々は、互いが離間している。
【0011】
請求項4記載の収納袋は、請求項1から3のいずれかに記載の収納袋において、前記第1の織布に施された網目および第2の織布に施された網目は、矩形状であり、前記第1の織布に施された網目は、前記第2の織布に施された1の網目内に所定の整数個存在する。
【0012】
請求項5記載の収納袋は、請求項1から4のいずれかに記載の収納袋において、前記第1の織布に施された網目は、1mm×1mmから4mm×9mmまでの間の大きさであり、前記第2の織布に施された網目は、4mm×4mmから9mm×9mmまでの間の大きさである。なお、例えば1mm×1mmは、「縦×横」を示しており、縦とは、収納袋の開口部における開口面と直交する方向を示しており、横とは、収納袋の開口部における開口面に平行な方向を示している。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の収納袋によれば、ダートコースの周縁に配置された場合にそのダートコースに敷き詰められた砂に面する第1の織布には、第2の織布に施された網目よりも細かい網目が施されている。この第1の織布に施された網目により、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁と同程度の砂の飛散防止を実現することができる。これにより、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁を不要とすることができる。従って、請求項1記載の収納袋によれば、固形物を収納した状態で開口部を閉じ、ダートコースに敷き詰められた砂に面して第1の織布を配置するという簡単な施工で、ダートコース外への砂の飛散を防止する防砂設備を実現することができるという効果がある。
【0014】
なお、ダートコース外へ砂が飛散することを防止する防砂設備を、簡単な施工で実現するという課題を解決するためには、第1の織布の網目を収納袋全体に施すことも考えられるが、この場合には、収納袋内部に浸入した雨水等の排水が困難となる(内部に雨水等が溜まり、不衛生となる)。これを解消すべく、第1の織布に対応して織り上げられた第2の織布には、第1の織布に施された網目よりも大きい網目が施されている。この第2の織布に施された網目により、収納袋内部に浸入した雨水等の円滑な排水を可能としている。よって、請求項1の収納袋によれば、上述した効果に加えて更に、内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することができるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の収納袋によれば、請求項1記載の収納袋の奏する効果に加え、縫合部材は、第1の織布および第2の織布に使用された材質と同一の材質で構成されている。よって、縫合部材と第1の織布とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗、または、縫合部材と第2の織布とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗を、第1の織布と第2の織布とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗と同程度にすることができる。従って、縫合部材により縫合された部分が、縫合されていない部分と比較して、摩擦により著しく劣化することを防止することができるという効果がある。
【0016】
請求項3記載の収納袋によれば、請求項1または2に記載の収納袋の奏する効果に加え、縫合部材による端同士の縫合は、少なくとも二回行われ、縫合の各々は、互いが離間している。よって、縫合部材による端同士の縫合が一回の場合、或いは、縫合部材による端同士の縫合が同じ位置に少なくとも二回行われる場合と比較して、縫合部材による端同士の縫合の強度を高くすることができる。よって、収納袋の耐久性を高めることができるという効果がある。
【0017】
請求項4記載の収納袋によれば、請求項1から3のいずれかに記載の収納袋の奏する効果に加え、第1の織布に施された網目は、第2の織布に施された1の網目内に、所定の整数個存在する。この事実を利用することで、第1の織布、または第2の織布に施された網目の使用等による破損を、一目で確認することができるという効果がある。即ち、第1の織布に施された網目が第2の織布に施された1の網目内に、所定の整数個存在していない場合には、第1の織布、または第2の織布に施された網目が、使用等により破損していることが分かる。従って、第1の織布、または第2の織布に施された網目の使用等による破損を一目で確認することができるのである。
【0018】
請求項5記載の収納袋によれば、請求項1から4のいずれかに記載の収納袋の奏する効果に加え、第1の織布に施された網目は、1mm×1mmから4mm×9mmまでの間の大きさである。この大きさにすることで、ダートコース外への砂の飛散を防止することができるという効果に加え、更には、飛散した砂による網目の詰まり発生を抑制することができるという効果がある。また、第2の織布に施された網目は、4mm×4mmから9mm×9mmまでの間の大きさである。この大きさにすることで、収納袋内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の収納袋が、防砂設備として、競馬場やトレーニングセンタのダートコースの周縁に配置された状態を示した模式図である。
【図2】(a)は、収納袋の斜視図であり、(b)は、IIb線で囲んだ領域における収納袋の部分拡大図である。
【図3】(a)は、収納袋の開口部を開いた状態で収納袋の内部を視た内部図であり、図3(b)は、IIIb線で囲んだ領域における収納袋内部の部分拡大図である。
【図4】競馬場やトレーニングセンタに造成されたダートコースの周縁に配置された従来の防砂設備を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の収納袋1が、防砂設備として、競馬場や競走馬をトレーニングするトレーニングセンタのダートコースの周縁に配置された状態を示した模式図である。収納袋1は、内部に収納する砂利BLの出入り口となる開口部(図2,3参照)を有し、砂利BLを内部に収納した状態で開口部が閉じられて、競馬場やトレーニングセンタに造成されたダートコースの周縁に配置される。
【0021】
収納袋1は、ポリエチレン製の化学繊維を編み上げることで製作される。収納袋1は、所定サイズの網目が形成される部分と、その所定サイズの網目よりも細かい網目である細網目が形成される部分との2つの部分から主に構成されている。
【0022】
収納袋1内部には、所定サイズの網目よりも大きい砂利BLが収納される。砂利BLを収納した収納袋1は、ダートコースに敷き詰められた砂Sがなくなる位置、具体的には、柵Fが立設された位置であるダートコースの周縁に配置される。
【0023】
このとき、収納袋1は、細網目が形成された部分をダートコースへ向けて配置される。この収納袋1の配置により、収納袋1は、敷き詰められた砂Sのダートコース外への飛散を防止するのであるが、詳細は、図2および図3で後述する。
【0024】
次に、図2および図3を参照して、収納袋1の詳細について説明する。図2(a)は、収納袋1の斜視図であり、図2(b)は、IIb線で囲んだ領域における収納袋1の部分拡大図である。なお、図2(b)に示された上方向および下方向を一組とする矢印は、上方向の矢印と下方向の矢印とで挟まれた縦線部分が、縫合部材5によって縫合されていることを示している。
【0025】
また、図3(a)は、収納袋1の開口部11を開いた状態で収納袋1の内部を視た内部図であり、図3(b)は、IIIb線で囲んだ領域における収納袋1内部の部分拡大図である。
【0026】
図2および図3に示すように、収納袋1は、正面側体2と、その正面側体2と対向する背面側体3と、紐4と、縫合部材5とを有している。正面側体2、背面側体3、紐4および縫合部材5は、何れも、ポリエチレン製の化学繊維を編み上げることで製作されている。
【0027】
図2および図3に示すように、正面側体2および背面側体3は、収納袋1の側面を形成する部材であり、正面側体2および背面側体3には、それぞれ、矩形状の網目が形成されている。正面側体2は、収納袋1がダートコースの周縁に配置された場合に、そのダートコースに敷き詰められた砂Sに面する一枚状且つ網目が施された織布である。また、背面側体3は、正面側体2に対応して織り上げられた一枚状且つ網目が施された織布である。なお、正面側体2が、図1で説明した細網目を形成する部分に該当し、背面側体3が、図1で説明した所定サイズの網目を形成する部分に該当する。
【0028】
図2および図3に示すように、紐4は、開口部11を絞った状態に維持する部材である。縫合部材5は、正面側体2および背面側体3を重ねた状態で、それらの端同士を開口部11となる部分を除いて縫合することで、正面側体2と背面側体3との間に砂利BLを収納する空間を形成する糸状の部材である。
【0029】
なお、本実施形態では、収納袋1は、正面側体2および背面側体3を編み上げつつ、正面側体2および背面側体3の端同士を縫合するダブルラッセル方式で作成されている。よって、本実施形態では、縫合部材5は、正面側体2や背面側体3とは別に存在する部材ではなく、正面側体2および背面側体3の一部から構成され、正面側体2および背面側体3を縫合した部分となる。
【0030】
よって、縫合に使用する縫合部材5は、正面側体2および背面側体3に使用された材質と同一の材質であるポリエチレン製の化学繊維で構成されることとなる。これにより、縫合部材5と正面側体2とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗、または、縫合部材5と背面側体3とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗を、正面側体2と背面側体3とが摩擦する際に発生する摩擦抵抗と同程度にすることができる。従って、縫合部材5により縫合された部分が、縫合されていない部分と比較して、摩擦により著しく劣化することを防止することができる。
【0031】
また、図2(b)の左右二組の矢印で示すように、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合は、二回行われており、各縫合は、互いが離間している。よって、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合が一回の場合、或いは、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合が同じ位置に二回行われる場合と比較して、縫合部材5による端同士の縫合の強度を高くすることができる。よって、収納袋1の耐久性を高めることができる。
【0032】
図2および図3に示すように、開口縁部12は、開口部11の縁部分を補強する部分である。開口縁部12は、正面側体2および背面側体3が縫合部材5で縫合された後、その正面側体2および背面側体3の未縫合部分(開口部11となる部分)を外側に折り返し、その折り返し部分をポリエチレン製の化学繊維でミシン縫合することで形成されている。紐挿通部13は、折り返し部分が縫合されることで形成された筒状の部分であり、紐4が挿通される部分である。
【0033】
ここで、図3(b)に示すように、正面側体2に施された網目および背面側体3に施された網目は、何れも矩形状である。そして、正面側体2に施された網目の大きさは、本実施形態では、縦cが2.0mmであり、横dが2.0mmである(2.0mm×2.0mm(=縦c×横d))。また、背面側体3に施された網目の大きさは、本実施形態では、縦aが6.0mmであり、横bが6.0mmである(6.0mm×6.0mm(=縦a×横b))。即ち、正面側体2に施された網目は、背面側体3に施された網目よりも細かい。この正面側体2に施された網目により、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁Wと同程度の砂の飛散防止を実現することができる。これにより、従来において防砂設備の一部として用いられていた防砂壁Wを不要とすることができる。従って、収納袋1によれば、砂利Sを収納した状態で開口部11を閉じ、ダートコースに敷き詰められた砂Sに面して正面側体2を配置するという簡単な施工で、ダートコース外への砂Sの飛散を防止する防砂設備を実現することができる。なお、縦a,cとは、収納袋1の開口部11における開口面(或いは、収納袋1の底部分)と直交する方向を示しており、横b,dとは、収納袋1の開口部11における開口面(或いは、収納袋1の底部分)に平行な方向を示している。
【0034】
なお、ダートコース外へ砂Sが飛散することを防止する防砂設備を、簡単な施工で実現するという課題を解決するためには、正面側体2の網目を収納袋1全体に施すことも考えられるが、この場合には、収納袋1内部に浸入した雨水等の排水が困難となる(内部に雨水等が溜まり、不衛生となる)。これを解消すべく、正面側体2に対応して織り上げられた背面側体3には、正面側体2に施された網目よりも大きい網目が施されている。この背面側体3に施された網目により、収納袋1内部に浸入した雨水等の円滑な排水を可能としている。よって、収納袋1によれば、内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することもできる。
【0035】
また、図3(b)に示すように、正面側体2に施された網目は、背面側体3に施された1の網目内に、9個存在する。この事実を利用することで、収納袋1では、正面側体2、または背面側体3に施された網目の使用等による破損を、一目で確認することができる。即ち、正面側体2に施された網目が背面側体3に施された1の網目内に、9個存在していない場合には、正面側体2、または背面側体3に施された網目が、使用等により破損していることが分かる。従って、収納袋1によれば、正面側体2、または背面側体3に施された網目の使用等による破損を一目で確認することができるのである。
【0036】
以上、本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0037】
上述した実施形態では、正面側体2に施された網目を、背面側体3に施された1の網目内に、9個存在させたが、これに限られるものではない。即ち、正面側体2に施された網目を、背面側体3に施された1の網目内に、9.5個存在させても良いし、或いは8.5個存在させても良い。即ち、正面側体2に施された網目を、背面側体3に施された2の網目内に、19個存在させても良いし、或いは17個存在させても良い。このような網目の大きさであっても、ダートコース外への砂Sの飛散を防止することができると共に、収納袋内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することができる。
【0038】
また、上述した実施形態では、正面側体2および背面側体3に施された網目を矩形状としたが、これに限られるものではない。即ち、正面側体2または背面側体3に施す網目を、三角状にしても良い。また、正面側体2または背面側体3に施す網目を、三角状と矩形状とが例えば交互に形成される形状としても良い。このような網目の形状であっても、ダートコース外への砂Sの飛散を防止することができると共に、収納袋内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することができる。
【0039】
また、上述した実施形態では、正面側体2に施された網目の大きさは、2.0mm×2.0mm(=縦c×横d)であり、背面側体3に施された網目の大きさは、6.0mm×6.0mm(=縦a×横b)であったが、これに限られるものではない。即ち、正面側体2に施された網目の大きさを、1.0mm×1.0mmから4.0mm×9.0mmまでの間の大きさ(=縦c×横d)としても良い。この大きさにすることで、ダートコース外への砂Sの飛散を防止することができることに加え、更には、飛散した砂Sによる網目の詰まり発生を抑制することができる。また、背面側体3に施された網目の大きさを、4.0mm×4.0mmから9.0mm×9.0mmまでの間の大きさ(=縦a×横b)としても良い。この大きさにすることで、収納袋内部に浸入した雨水等を滞りなく排水することができる。
【0040】
また、上述した実施形態では、収納袋1の内部に砂利BLを収納したが、これに限られるものではない。即ち、収納袋1の内部に収納する対象を、立体状のプラスチックやゴム状弾性体としても良い。即ち、収納袋1の内部に収納する対象は、雨風に耐性のある固形物であれば良い。
【0041】
また、上述した実施形態では、ダブルラッセル方式で収納袋1を作成したが、収納袋1の作成方式は、これに限られるものではない。即ち、正面側体2および背面側体3を予め作成し、その予め作成した正面側体2および背面側体3の端同士を、正面側体2や背面側体3とは別に存在する縫合部材5を用いてミシン縫合し、収納袋1を作成しても良い。
【0042】
また、上述した実施形態では、開口縁部12は、折り返し部分をポリエチレン製の化学繊維でミシン縫合することで形成したが、これに限られるものではない。即ち、折り返し部分をミシン縫合する素材を、ナイロン、ポリエステル、ビニロン或いはポリプロピレンに代表される化学合成繊維としても良い。なお、前述した化学合成繊維を使用して、正面側体2、背面側体3、紐4および縫合部材5を製作しても良い。
【0043】
また、上述した実施形態では、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合を二回行ったが、これに限られるものではない。即ち、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合の強度を確保できるのであれば、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合を一回としても良い。また、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合の強度をより高めたい場合には、正面側体2および背面側体3の端同士の縫合部材5による縫合を三回以上としても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 収納袋
2 正面側体(第1の織布)
3 背面側体(第2の織布)
5 縫合部材
11 開口部
BL 固形物
S 砂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納する固形物の出入り口となる開口部を有し、前記固形物を内部に収納した状態で前記開口部が閉じられて、競馬場や競走馬をトレーニングするトレーニングセンタに造成されたダートコースの周縁に配置される収納袋であって、
前記ダートコースの周縁に配置された場合に、そのダートコースに敷き詰められた砂に面する一枚状且つ網目が施された化学繊維からなる第1の織布と、
その第1の織布に対応して織り上げられた一枚状且つ網目が施された化学繊維からなる第2の織布と、
前記第1の織布および第2の織布を重ねた状態で、それらの端同士を前記開口部となる部分を除いて縫合することで、前記第1の織布と第2の織布との間に前記固形物を収納する空間を形成する糸状の縫合部材とを備え、
前記第1の織布に施された網目は、前記第2の織布に施された網目よりも細かいことを特徴とする収納袋。
【請求項2】
前記縫合部材は、前記第1の織布および第2の織布に使用された材質と同一の材質で構成されていることを特徴とする請求項1記載の収納袋
【請求項3】
前記縫合部材による前記端同士の縫合は、少なくとも二回行われるものであり、
前記縫合の各々は、互いが離間していることを特徴とする請求項1または2に記載の収納袋。
【請求項4】
前記第1の織布に施された網目および第2の織布に施された網目は、矩形状であり、
前記第1の織布に施された網目は、前記第2の織布に施された1の網目内に所定の整数個存在することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の収納袋。
【請求項5】
前記第1の織布に施された網目は、1mm×1mmから4mm×9mmまでの間の大きさであり、
前記第2の織布に施された網目は、4mm×4mmから9mm×9mmまでの間の大きさであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の収納袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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