収納袋
【課題】区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行える収納袋を提供する。
【解決手段】収納袋10は、ラミネートフィルムS11及びS12の一部から成る2つの操作片13a及び13bを区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように有しており、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って区画シール部11cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部11cを局部的に剥離させて該剥離箇所15を通じて収納室12a及び12b相互を連通できる。
【解決手段】収納袋10は、ラミネートフィルムS11及びS12の一部から成る2つの操作片13a及び13bを区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように有しており、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って区画シール部11cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部11cを局部的に剥離させて該剥離箇所15を通じて収納室12a及び12b相互を連通できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの収納室が区画シール部を介して連設された収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮接着部により区画された2室を備えた収納袋が開示されている。この収納袋における仮接着部は剥離強度が異なる2つの部分を有しており、2室に収納された別種の内容物に外部から圧力を加えることによって、該内容物により仮接着部の低剥離強度部分を剥離させて両内容物の混合を行うようにしている。因みに、特許文献1の段落0009には「…仮接着部5の部分を手に持って両側に引っ張る…」ことによって仮接着部の低剥離強度部分を剥離させる旨が記載されているが、同記載の意味及び具体的な剥離方法は不明である。
【0003】
前記収納袋では、例えば、一方の室に収納された液状物によって仮接着部の低剥離強度部分を剥離させるには、該室に外部から加えた圧力が直接的に該低剥離強度部分に付与されるように室内における液状物の流動をコントロールする必要がある。しかしながら、このようなコントロールは熟練者であっても難しい作業であるため、非熟練者にあっては、仮接着部の低剥離強度部分を的確に剥離させることは実際上難しいし、必要以上の力を収納袋に付加してしまうことによって他のシール部や収納袋自体を破損させる恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−221150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行える収納袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、イージーピールフィルムを有するラミネートフィルムから構成されていて、少なくとも2つの収納室が該ラミネートフィルムのイージーピールフィルム同士をシールして形成された区画シール部を介して連設された収納袋であって、前記ラミネートフィルムの一部から成る2つの操作片が前記区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられており、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通できるように構成されている、ことをその特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ラミネートフィルム一部から成る2つの操作片が区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させ、該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させることができる。要するに、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行える収納袋を提供することができる。
【0009】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明を適用した収納袋(第1実施形態)の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図3】図3(A)は、図1に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図3(B)は、図1に示した収納袋の要部側面図;図3(C)は、図3(B)のC11線、C12線及びC13線に沿う断面図;図3(D)は、図3(B)のD11線及びD12線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図1に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、図1に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図6】図6は、図1に示した収納袋の各収納室それぞれに収納された内容物を混合させる様子を示す図である。
【図7】図7は、図1に示した収納袋の部分変形例を示す収納袋の斜視図である。
【図8】図8は、図1に示した収納袋の他の部分変形例を示す収納袋の斜視図である。
【図9】図9は、本発明を適用した収納袋(第2実施形態)の斜視図である。
【図10】図10は、本発明を適用した収納袋(第3実施形態)の斜視図である。
【図11】図11は、図10に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図12】図12(A)は、図10に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図12(B)は、図10に示した収納袋の要部側面図;図12(C)は、図12(B)のC31線、C32線及びC33線に沿う断面図;図12(D)は、図12(B)のD31線及びD32線に沿う断面図である。
【図13】図13は、図10に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、図10に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図15】図15は、本発明を適用した収納袋(第4実施形態)の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図17】図17(A)は、図15に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図17(B)は、図15に示した収納袋の要部側面図;図17(C)は、図17(B)のC41線、C42線及びC43線に沿う断面図;図17(D)は、図17(B)のD41線及びD42線に沿う断面図である。
【図18】図18は、図15に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、図15に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図20】図20は、本発明を適用した収納袋(第5実施形態)の斜視図である。
【図21】図21は、図20に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図22】図22(A)は、図20に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図22(B)は、図20に示した収納袋の要部側面図;図22(C)は、図22(B)のC51線、C52線及びC53線に沿う断面図;図22(D)は、図22(B)のD51線及びD52線に沿う断面図である。
【図23】図23は、図20に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図24】図24(A)及び図24(B)は、図20に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1〜図6は、本発明を適用した収納袋10(第1実施形態)を示す。この収納袋10は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS11及びS12(図2を参照)から構成されている。図1に示したように、収納袋10の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部11a及び11bが設けられている。また、収納袋10の下辺部分には、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部11dが設けられている。さらに、収納袋10には、2つの収納室12a及び12bが、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部11cを介して横方向に連設されている。
【0012】
ラミネートフィルムS11は、図2に示したように、縦寸法がD11aで横寸法がD11bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD11cの第1帯状部分S11aと、該第1帯状部分S11aの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第2帯状部分S11bと、該第2帯状部分S11bの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第3帯状部分S11cと、該第3帯状部分S11cの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第4帯状部分S11dと、該第4帯状部分S11dの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第5帯状部分S11eとを有している。このラミネートフィルムS11の本体部分は、ラミネートフィルムS12と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0013】
ラミネートフィルムS12は、図2に示したように、縦寸法がD12a(=D11a)で横寸法がD12b(=D11b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD12c(=D11c)の第1帯状部分S12aとを有している。このラミネートフィルムS12の本体部分は、ラミネートフィルムS11と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0014】
両ラミネートフィルムS11及びS12には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0015】
図1に示した横方向シール部11dは、図3(A)に示したように、ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0016】
また、図1に示した2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cは、図3(B)及び図3(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS11の本体部分(第1帯状部分S11aを除く)のイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の本体部分(第1帯状部分S12aを除く)のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S11bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(3)ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S11dのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0017】
図3(C)及び図3(D)から分かるように、図1に示した収納袋10において2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS11の本体部分(第1帯状部分S11aを除く)のイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の本体部分(第1帯状部分S12aを除く)のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S11bのイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(3)ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S11dのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0018】
即ち、図1に示した収納袋10にあっては、縦方向シール部11aと区画シール部11cと横方向シール部11dとによって囲まれた上縁開口(12a1)の内部空間が収納室12aとなっており、縦方向シール部11bと区画シール部11cと横方向シール部11dとによって囲まれた上縁開口(12b1)の内部空間が収納室12bとなっている。
【0019】
また、図1に示した収納袋10にあっては、該収納袋10の下辺部分に、(1)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aと第2帯状部分S11bとによって構成された帯状の操作片13aが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eとラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aとによって構成された帯状の操作片13bが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片13a及び13bの間に、ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dとによって構成された剥離制限片14が区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片13a及び13bは2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cの一部を含んでおり、また、剥離制限片14は2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cの一部を含んでいる。
【0020】
図1に示した収納袋10は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図4を参照)を2つの収納室12a及び12bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0021】
収納室12aに内容物Xを収納し、且つ、収納室12bに内容物Yを収納した後は、図4に示したように、該両収納室12a及び12bの開口12a1及び12b1を閉じるための横方向シール部11eを収納袋10に形成する。
【0022】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図5(A)に示したように、2つの操作片13a及び13bを指先で把持できるように広げてから、図5(B)に示したように、該2つの操作片13a及び13bの好ましくは区画シール部11cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部11cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部11cが局部的に剥離し、該剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部11cの剥離制限片14よりも上側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片14に存する区画シール部11cの一部が剥離して、前記剥離箇所15が形成される。
【0023】
剥離制限片14はラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dとによって構成されているため、該剥離制限片14に存する区画シール部11cの一部の剥離は、該剥離制限片14自らの剥離限界、つまり、第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片14は前記剥離箇所15の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片13a及び13bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所15を適正な大きさとすることができる。
【0024】
剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bが相互に連通した後は、図6に示したように、収納袋10を傾けることによって収納室12aに収納されていた内容物Xを剥離箇所15を通じて収納室12bに入り込ませるか、或いは、収納室12bに収納されていた内容物Yを剥離箇所15を通じて収納室12aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0025】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室12a及び12bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室12a及び12bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室12a及び12bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋10に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室12a及び12bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から的確に取り出すことができる。
【0026】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部11cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部11cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部11cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0027】
このように、前記収納袋10によれば、2枚のラミネートフィルムS11及びS12の一部から成る2つの操作片13a及び13bが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って区画シール部11cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部11cを局部的に剥離させ、該剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部11cを局部的に剥離させて該剥離箇所15を通じて収納室12a及び12b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0028】
また、前記収納袋10によれば、2つの操作片13a及び13bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片13a及び13bが収納袋10の下辺部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片13a及び13bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片13a及び13bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0029】
さらに、前記収納袋10によれば、2つの操作片13a及び13bの間に、区画シール部11cの一部を含む剥離制限片14が該2つの操作片13a及び13bと連続するように設けられているため、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って該区画シール部11cに局部的に剥離箇所15を形成するときに、該剥離制限片14自らの剥離限界によって該剥離箇所15の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片14は剥離箇所15の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片13a及び13bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所15の大きさを適当な大きさとすることができ、これにより収納室12a及び12b相互の連通を安定に行うことができる。
【0030】
尚、図1には2つの収納室12a及び12bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したように、区画シール部11cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室12a及び12bを備えた収納袋10-1を得ることができる。
【0031】
また、図1には2つの収納室12a及び12bが区画シール部11cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したように、区画シール部11cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室12a〜12cが区画シール部11cを介して横方向に連設された収納袋10-2を得ることができる。この収納袋10-2によれば、2つの操作片13a及び13bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部11cに選択的に剥離箇所15を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室12a及び12b、或いは、収納室12b及び12cのみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部11cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部11cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0032】
[第2実施形態]
図9は、本発明を適用した収納袋20(第2実施形態)を示すものであり、該収納袋20が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの縦方向シール部11a及び11bの代わりに、2つ目の横方向シール部21eが 収納袋20の上辺部分に設けられている点
・区画シール部21cと2つの横方向シール部21d及び21eとによって囲まれた側縁 開口(22a1及び23b1)の内部空間が2つの収納室22a及び22bとなってい る点
にある。図9には2つの操作片を符号23a及び23bで示し、剥離制御片を符号24で示してあるが、これらを含む他の前記収納袋10(第1実施形態)と同じであるため、その説明を省略する。
【0033】
この収納袋20にあっては、収納室22aに内容物Xを収納し、且つ、収納室12bに内容物Yを収納した後に、該両収納室22a及び22bの開口22a1及び22b1を閉じるための2つの縦方向シール部(図示省略)が形成される。
【0034】
このように、前記収納袋20によれば、両収納室22a及び22bの開口向きが異なるものの、前記収納袋10(第1実施形態)と同様の効果を得ることができる。
【0035】
[第3実施形態]
図10〜図14は、本発明を適用した収納袋30(第3実施形態)を示すものであり、該収納袋30が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの操作片13a及び13bと剥離制限片14に相当する2つの操作片33a及び3 3bと剥離制限片34が、収納袋30の一側面に設けられている点
にある。
【0036】
この収納袋30は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS31及びS32(図11を参照)から構成されている。図10に示したように、収納袋30の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部31a及び31bが設けられている。また、収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分には、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部31dが設けられている。さらに、収納袋30には、2つの収納室32a及び32bが、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部31cを介して横方向に連設されている。
【0037】
ラミネートフィルムS31は、図11に示したように、縦寸法がD31aで横寸法がD31bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた矩形状の延長部分S31’と、該延長部分S31’の上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第1帯状部分S31aと、該第1帯状部分S31aの前縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第2帯状部分S31bと、該第2帯状部分S31bの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第3帯状部分S31cと、該第3帯状部分S31cの前縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第4帯状部分S31dと、該第4帯状部分S31dの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第5帯状部分S31eとを有している。このラミネートフィルムS31の本体部分は、ラミネートフィルムS32と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0038】
ラミネートフィルムS32は、図11に示したように、縦寸法がD32a(≒D31a−延長部分S31’の縦寸法)で横寸法がD32b(=D31b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD32c(=D31c)の第1帯状部分S32aとを有している。このラミネートフィルムS32の本体部分は、ラミネートフィルムS31と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0039】
両ラミネートフィルムS31及びS32には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0040】
図10に示した横方向シール部31dは、図12(A)に示したように、ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0041】
また、図10に示した2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cは、図12(B)及び図12(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S31’のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールすると共に、ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS32の本体部分のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S31bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(3)ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S31dのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0042】
図12(C)及び図12(D)から分かるように、図10に示した収納袋30において2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S31’のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、且つ、ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS32の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S31bのイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(3)ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S31dのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0043】
即ち、図10に示した収納袋30にあっては、縦方向シール部31aと区画シール部31cとによって囲まれた上縁開口(32a1)の内部空間が収納室32aとなっており、縦方向シール部31bと区画シール部31cとによって囲まれた上縁開口(32b1)の内部空間が収納室32bとなっている。
【0044】
また、図10に示した収納袋30にあっては、該収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分に、(1)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aと第2帯状部分S31bとによって構成された帯状の操作片33aが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eとラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aとによって構成された帯状の操作片13bが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片33a及び33bの間に、ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dとによって構成された剥離制限片34が区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片33a及び33bは2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cの一部を含んでおり、また、剥離制限片34は2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部11cの一部を含んでいる。
【0045】
図10に示した収納袋30は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図13を参照)を2つの収納室32a及び32bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0046】
収納室32aに内容物Xを収納し、且つ、収納室32bに内容物Yを収納した後は、図13に示したように、該両収納室32a及び32bの開口32a1及び32b1を閉じるための横方向シール部31eを収納袋30に形成する。
【0047】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図14(A)に示したように、2つの操作片33a及び33bを指先で把持できるように広げてから、図14(B)に示したように、該2つの操作片33a及び33bの好ましくは区画シール部31cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部31cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部31cが局部的に剥離し、該剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部31cの各操作片33a及び33bよりも上側部分と下側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片34に存する区画シール部31cの一部が剥離して、前記剥離箇所35が形成される。
【0048】
剥離制限片34はラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dとによって構成されているため、該剥離制限片34に存する区画シール部31cの一部の剥離は、該剥離制限片34自らの剥離限界、つまり、第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片34は前記剥離箇所35の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片33a及び33bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所35を適当な大きさとすることができる。
【0049】
剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bが相互に連通した後は、収納袋30を傾けることによって収納室32aに収納されていた内容物Xを剥離箇所35を通じて収納室32bに入り込ませるか、或いは、収納室32bに収納されていた内容物Yを剥離箇所35を通じて収納室32aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0050】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室32a及び32bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室32a及び32bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室32a及び32bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋30に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室32a及び32bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室32a及び32bの一方から的確に取り出すことができる。
【0051】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部31cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部31cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0052】
このように、前記収納袋30によれば、2枚のラミネートフィルムS31及びS32の一部から成る2つの操作片33a及び33bが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片33a及び33bを異なる方向に引っ張って区画シール部31cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部31cを局部的に剥離させ、該剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部31cを局部的に剥離させて該剥離箇所35を通じて収納室32a及び32b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0053】
また、前記収納袋30によれば、2つの操作片33a及び33bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片33a及び33bが収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片33a及び33bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片33a及び33bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0054】
さらに、前記収納袋30によれば、2つの操作片33a及び33bの間に、区画シール部31cの一部を含む剥離制限片34が該2つの操作片33a及び33bと連続するように設けられているため、該2つの操作片33a及び33bを異なる方向に引っ張って該区画シール部31cに局部的に剥離箇所35を形成するときに、該剥離制限片34自らの剥離限界によって該剥離箇所35の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片34は剥離箇所35の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片33a及び33bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所35を適当なの大きさとすることができ、これにより収納室32a及び32b相互の連通を安定に行うことができる。
【0055】
尚、図10には2つの収納室32a及び32bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部31cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室32a及び32bを備えた収納袋を得ることができる。
【0056】
また、図10には2つの収納室32a及び32bが区画シール部31cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部31cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部31cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片33a及び33bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部31cに選択的に剥離箇所35を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部31cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部31cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0057】
[第4実施形態]
図15〜図19は、本発明を適用した収納袋40(第4実施形態)を示すものであり、該収納袋40が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの操作片43a及び43bのうち、一方の操作片43aが収納袋40の一側面に設 けられ、他方の操作片43bが該収納袋の他側面に設けられている点
にある。
【0058】
この収納袋40は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS41及びS42(図16を参照)から構成されている。図15に示したように、収納袋40の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部41a及び41bが設けられている。また、収納袋40の一側面の高さ方向の略中央部分には、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部41dが設けられている。さらに、収納袋40には、2つの収納室42a及び42bが、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部41cを介して横方向に連設されている。
【0059】
ラミネートフィルムS41は、図16に示したように、縦寸法がD41aで横寸法がD41bの矩形状の第1本体部分と、該第1本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第1帯状部分S41aと、該第1帯状部分S41aの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第2帯状部分S41bと、第2帯状部分S41bの前縁から鋭角的に折り曲げられた縦寸法がD41aで横寸法がD41bの矩形状の第2本体部分と、該第2本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた矩形状の延長部分S41’と、該延長部分S41’の上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第3帯状部分S41aとを有している。このラミネートフィルムS41の第1本体部分及び第2本体部分は、ラミネートフィルムS42と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0060】
ラミネートフィルムS42は、図16に示したように、縦寸法がD42a(≒D41a)で横寸法がD42b(=D41b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD42c(=D41c)の第1帯状部分S42aとを有している。このラミネートフィルムS42の本体部分は、ラミネートフィルムS31と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0061】
両ラミネートフィルムS41及びS42には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0062】
図15に示した横方向シール部41dは、図17(A)に示したように、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0063】
また、図15に示した2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cは、図17(B)及び図17(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS41の第2本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S41’のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールすると共に、ラミネートフィルムS41の第1本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS42の本体部分のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S41bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0064】
図17(C)及び図17(D)から分かるように、図15に示した収納袋40において2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS41の第2本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S41’のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、且つ、ラミネートフィルムS41の第1本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS42の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S41bのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0065】
即ち、図15に示した収納袋40にあっては、縦方向シール部41aと区画シール部41cとによって囲まれた上縁開口(42a1)の内部空間が収納室42aとなっており、縦方向シール部41bと区画シール部41cとによって囲まれた上縁開口(42b1)の内部空間が収納室42bとなっている。
【0066】
また、図15に示した収納袋40にあっては、(1)該収納袋40の一側面の高さ方向の略中央部分に、ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aと第2帯状部分S41bとによって構成された帯状の操作片43aが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)該収納袋40の他側面の高さ方向の略中央部分に、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cとラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aとによって構成された帯状の操作片43bが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片43a及び43bは2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cの一部を含んでいる。
【0067】
図15に示した収納袋40は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図18を参照)を2つの収納室42a及び42bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0068】
収納室42aに内容物Xを収納し、且つ、収納室42bに内容物Yを収納した後は、図18に示したように、該両収納室42a及び42bの開口42a1及び42b1を閉じるための横方向シール部41eを収納袋40に形成する。
【0069】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図19(A)に示したように、2つの操作片43a及び43bを指先で把持できるように広げてから、図19(B)に示したように、該2つの操作片43a及び43bの好ましくは区画シール部41cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部41cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部41cが局部的に剥離し、該剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部41cの各操作片43a及び43bよりも上側部分と下側部分が剥離して、前記剥離箇所45が形成される。
【0070】
剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bが相互に連通した後は、収納袋40を傾けることによって収納室42aに収納されていた内容物Xを剥離箇所45を通じて収納室42bに入り込ませるか、或いは、収納室42bに収納されていた内容物Yを剥離箇所45を通じて収納室32aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0071】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室42a及び42bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室42a及び42bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋30に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室42a及び42bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から的確に取り出すことができる。
【0072】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部41cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部41cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0073】
このように、前記収納袋40によれば、2枚のラミネートフィルムS41及びS42の一部から成る2つの操作片43a及び43bが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片43a及び43bを異なる方向に引っ張って区画シール部41cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部41cを局部的に剥離させ、該剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部41cを局部的に剥離させて該剥離箇所45を通じて収納室42a及び42b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0074】
また、前記収納袋40によれば、2つの操作片43a及び43bが外側に向けて突出するように、しかも、操作片43aが収納袋40の一側面に設けられ、且つ、操作片43bが該収納袋40の他側面に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片43a及び43bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片43a及び43bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0075】
尚、図15には2つの収納室42a及び42bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部41cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室42a及び42bを備えた収納袋を得ることができる。
【0076】
また、図15には2つの収納室42a及び42bが区画シール部41cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部41cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部41cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片43a及び43bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部41cに選択的に剥離箇所45を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部41cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部41cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0077】
[第5実施形態]
図20〜図24は、本発明を適用した収納袋50(第5実施形態)を示すものであり、該収納袋50が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・収納袋50が3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS52(図21を参照)か ら構成されている点
にある。
【0078】
この収納袋50は、イージーピールフィルムを有する3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS53(図21を参照)から構成されている。図20に示したように、収納袋50の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部51a及び51bが設けられている。また、収納袋50の下辺部分には、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの横方向シール部51dが設けられている。さらに、収納袋50には、2つの収納室52a及び52bが、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部51cを介して横方向に連設されている。
【0079】
ラミネートフィルムS51は、図21に示したように、縦寸法がD51aで横寸法がD51bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD51cの第1帯状部分S51aとを有している。このラミネートフィルムS51の本体部分は、ラミネートフィルムS52と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0080】
ラミネートフィルムS52は、図21に示したように、縦寸法がD52a(=D51a)で横寸法がD52b(=D51b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD52c(=D51c)の第1帯状部分S52aとを有している。このラミネートフィルムS52の本体部分は、ラミネートフィルムS51と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0081】
ラミネートフィルムS53は、図21に示したように、幅寸法がD53(=D51c、D52c)cの第1帯状部分S53aと、該第1帯状部分S53aの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53の第2帯状部分S53bと、該第2帯状部分S53bの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53の第3帯状部分S53cと、該第3帯状部分S53cの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53cの第4帯状部分S53dとを有している。このラミネートフィルムS53は、上面側にイージーピールフィルムを有している。
【0082】
各ラミネートフィルムS51、S52及びS53には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0083】
図20に示した2つの横方向シール部51dは、図22(A)に示したように、(1)ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0084】
また、図20に示した2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cは、図22(B)及び図22(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS51の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS52の本体部分のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bのイージーピールフィルム側の面と第3帯状部分S53cのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0085】
図22(C)及び図22(D)から分かるように、図20に示した収納袋50において2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS51の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS52の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bのイージーピールフィルム側の面と第3帯状部分S53cのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0086】
即ち、図20に示した収納袋50にあっては、縦方向シール部51aと区画シール部51cと2つの横方向シール部51dとによって囲まれた上縁開口(52a1)の内部空間が収納室52aとなっており、縦方向シール部51bと区画シール部51cと2つの横方向シール部51dとによって囲まれた上縁開口(52b1)の内部空間が収納室52bとなっている。
【0087】
また、図20に示した収納袋50にあっては、該収納袋50の下辺部分に、(1)ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aとラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aとによって構成された帯状の操作片53aが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aとラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dとによって構成された帯状の操作片53bが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片53a及び53bの間に、ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cとによって構成された剥離制限片54が区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片53a及び53bは2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cの一部を含んでおり、また、剥離制限片54は2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cの一部を含んでいる。
【0088】
図20に示した収納袋50は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図23を参照)を2つの収納室52a及び52bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0089】
収納室52aに内容物Xを収納し、且つ、収納室52bに内容物Yを収納した後は、図23に示したように、該両収納室52a及び52bの開口52a1及び52b1を閉じるための横方向シール部51eを収納袋50に形成する。
【0090】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図24(A)に示したように、2つの操作片53a及び53bを指先で把持できるように広げてから、図22(B)に示したように、該2つの操作片53a及び53bの好ましくは区画シール部51cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部51cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部51cが局部的に剥離し、該剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部51cの剥離制限片54よりも上側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片54に存する区画シール部51cの一部が剥離して、前記剥離箇所55が形成される。
【0091】
剥離制限片54はラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cとによって構成されているため、該剥離制限片54に存する区画シール部51cの一部の剥離は、該剥離制限片54自らの剥離限界、つまり、第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片54は前記剥離箇所55の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片53a及び53bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所55を適当な大きさとすることができる。
【0092】
剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bが相互に連通した後は、収納袋50を傾けることによって収納室52aに収納されていた内容物Xを剥離箇所55を通じて収納室52bに入り込ませるか、或いは、収納室52bに収納されていた内容物Yを剥離箇所55を通じて収納室52aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0093】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室52a及び52bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室52a及び52bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室52a及び52bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋50に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室52a及び52bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室52a及び52bの一方から的確に取り出すことができる。
【0094】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部51cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部51cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0095】
このように、前記収納袋50によれば、2枚のラミネートフィルムS51及びS52の一部から成る2つの操作片53a及び53bが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片53a及び53bを異なる方向に引っ張って区画シール部51cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部51cを局部的に剥離させ、該剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部51cを局部的に剥離させて該剥離箇所55を通じて収納室52a及び52b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0096】
また、前記収納袋50によれば、2つの操作片53a及び53bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片53a及び53bが収納袋50の下辺部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片53a及び53bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片53a及び53bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0097】
さらに、前記収納袋50によれば、2つの操作片53a及び53bの間に、区画シール部51cの一部を含む剥離制限片54が該2つの操作片53a及び53bと連続するように設けられているため、該2つの操作片53a及び53bを異なる方向に引っ張って該区画シール部51cに局部的に剥離箇所55を形成するときに、該剥離制限片54自らの剥離限界によって該剥離箇所55の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片54は剥離箇所55の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片53a及び53bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所55を適当なの大きさとすることができ、これにより収納室52a及び52b相互の連通を安定に行うことができる。
【0098】
尚、図20には2つの収納室52a及び52bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部51cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室52a及び52bを備えた収納袋を得ることができる。
【0099】
また、図20には2つの収納室52a及び52bが区画シール部51cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部51cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部51cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片53a及び53bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部51cに選択的に剥離箇所55を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部51cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部51cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0100】
[他の実施形態]
(1)前記収納袋10、20、30及び40として2枚のラミネートフィルム(S11及びS12、S31及びS32、S41及びS42)から構成されたものを示し、前記収納袋50として3枚のラミネートフィルム(S51、S52及びS53)から構成されたものを示したが、該各収納袋10、20、30、40及び50は1枚のラミネートフィルムから構成することもできる。
【0101】
例えば、前記収納袋10及び20にあっては、ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eの下縁とラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aの下縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS11及びS12を接続するための横方向シール部11dを必ずしも設ける必要はない。
【0102】
また、前記収納袋30にあっては、ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eの前縁とラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aの前縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS31及びS32を接続するための横方向シール部31dを必ずしも設ける必要はない。
【0103】
さらに、前記収納袋40にあっては、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cの前縁とラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aの前縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS41及びS42を接続するための横方向シール部41dを必ずしも設ける必要はない。
【0104】
さらに、前記収納袋50にあっては、ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aの下縁とラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aの下縁とが連続し、且つ、ラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dの下縁とラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aの下縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS53を接続するための2つの横方向シール部51dを必ずしも設ける必要はない。
【0105】
(2)前記収納袋10、20、30、40及び50として輪郭が矩形を成すものを示したが、特許請求の範囲の各請求項の記載に包含されるものであれば、各収納袋10、20、30、40及び50の輪郭は円形や楕円形や多角形等の他の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0106】
10,10-1,10-2,20,30,40,50…収納袋、S11,S12,S31,S32,S41,S42,S51,S52,S52…ラミネートフィルム、11c,21c,31c,41c,51c…区画シール部、12a,12b,12c,22a,22b,32a,32b,42a,42b,52a,52b…収納室、13a,13b,23a,23b,33a,33b,43a,43b,53a,53b…操作片、14,24,34,54…剥離制限片、15,35,45,55…剥離箇所。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの収納室が区画シール部を介して連設された収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮接着部により区画された2室を備えた収納袋が開示されている。この収納袋における仮接着部は剥離強度が異なる2つの部分を有しており、2室に収納された別種の内容物に外部から圧力を加えることによって、該内容物により仮接着部の低剥離強度部分を剥離させて両内容物の混合を行うようにしている。因みに、特許文献1の段落0009には「…仮接着部5の部分を手に持って両側に引っ張る…」ことによって仮接着部の低剥離強度部分を剥離させる旨が記載されているが、同記載の意味及び具体的な剥離方法は不明である。
【0003】
前記収納袋では、例えば、一方の室に収納された液状物によって仮接着部の低剥離強度部分を剥離させるには、該室に外部から加えた圧力が直接的に該低剥離強度部分に付与されるように室内における液状物の流動をコントロールする必要がある。しかしながら、このようなコントロールは熟練者であっても難しい作業であるため、非熟練者にあっては、仮接着部の低剥離強度部分を的確に剥離させることは実際上難しいし、必要以上の力を収納袋に付加してしまうことによって他のシール部や収納袋自体を破損させる恐れもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−221150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行える収納袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、イージーピールフィルムを有するラミネートフィルムから構成されていて、少なくとも2つの収納室が該ラミネートフィルムのイージーピールフィルム同士をシールして形成された区画シール部を介して連設された収納袋であって、前記ラミネートフィルムの一部から成る2つの操作片が前記区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられており、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通できるように構成されている、ことをその特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ラミネートフィルム一部から成る2つの操作片が区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させ、該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させることができる。要するに、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行える収納袋を提供することができる。
【0009】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明を適用した収納袋(第1実施形態)の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図3】図3(A)は、図1に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図3(B)は、図1に示した収納袋の要部側面図;図3(C)は、図3(B)のC11線、C12線及びC13線に沿う断面図;図3(D)は、図3(B)のD11線及びD12線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図1に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、図1に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図6】図6は、図1に示した収納袋の各収納室それぞれに収納された内容物を混合させる様子を示す図である。
【図7】図7は、図1に示した収納袋の部分変形例を示す収納袋の斜視図である。
【図8】図8は、図1に示した収納袋の他の部分変形例を示す収納袋の斜視図である。
【図9】図9は、本発明を適用した収納袋(第2実施形態)の斜視図である。
【図10】図10は、本発明を適用した収納袋(第3実施形態)の斜視図である。
【図11】図11は、図10に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図12】図12(A)は、図10に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図12(B)は、図10に示した収納袋の要部側面図;図12(C)は、図12(B)のC31線、C32線及びC33線に沿う断面図;図12(D)は、図12(B)のD31線及びD32線に沿う断面図である。
【図13】図13は、図10に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図14】図14(A)及び図14(B)は、図10に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図15】図15は、本発明を適用した収納袋(第4実施形態)の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図17】図17(A)は、図15に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図17(B)は、図15に示した収納袋の要部側面図;図17(C)は、図17(B)のC41線、C42線及びC43線に沿う断面図;図17(D)は、図17(B)のD41線及びD42線に沿う断面図である。
【図18】図18は、図15に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、図15に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【図20】図20は、本発明を適用した収納袋(第5実施形態)の斜視図である。
【図21】図21は、図20に示した収納袋を構成する2枚のラミネートフィルムの斜視図である。
【図22】図22(A)は、図20に示した収納袋の横方向シール部の説明図;図22(B)は、図20に示した収納袋の要部側面図;図22(C)は、図22(B)のC51線、C52線及びC53線に沿う断面図;図22(D)は、図22(B)のD51線及びD52線に沿う断面図である。
【図23】図23は、図20に示した収納袋の各収納室それぞれに内容物を収納した状態を示す図である。
【図24】図24(A)及び図24(B)は、図20に示した収納袋の区画シール部を局部的に剥離させる操作手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1〜図6は、本発明を適用した収納袋10(第1実施形態)を示す。この収納袋10は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS11及びS12(図2を参照)から構成されている。図1に示したように、収納袋10の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部11a及び11bが設けられている。また、収納袋10の下辺部分には、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部11dが設けられている。さらに、収納袋10には、2つの収納室12a及び12bが、前記ラミネートフィルムS11及びS12のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部11cを介して横方向に連設されている。
【0012】
ラミネートフィルムS11は、図2に示したように、縦寸法がD11aで横寸法がD11bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD11cの第1帯状部分S11aと、該第1帯状部分S11aの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第2帯状部分S11bと、該第2帯状部分S11bの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第3帯状部分S11cと、該第3帯状部分S11cの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第4帯状部分S11dと、該第4帯状部分S11dの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD11cの第5帯状部分S11eとを有している。このラミネートフィルムS11の本体部分は、ラミネートフィルムS12と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0013】
ラミネートフィルムS12は、図2に示したように、縦寸法がD12a(=D11a)で横寸法がD12b(=D11b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD12c(=D11c)の第1帯状部分S12aとを有している。このラミネートフィルムS12の本体部分は、ラミネートフィルムS11と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0014】
両ラミネートフィルムS11及びS12には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0015】
図1に示した横方向シール部11dは、図3(A)に示したように、ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0016】
また、図1に示した2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cは、図3(B)及び図3(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS11の本体部分(第1帯状部分S11aを除く)のイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の本体部分(第1帯状部分S12aを除く)のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S11bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(3)ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S11dのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0017】
図3(C)及び図3(D)から分かるように、図1に示した収納袋10において2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS11の本体部分(第1帯状部分S11aを除く)のイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS12の本体部分(第1帯状部分S12aを除く)のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S11bのイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(3)ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S11dのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0018】
即ち、図1に示した収納袋10にあっては、縦方向シール部11aと区画シール部11cと横方向シール部11dとによって囲まれた上縁開口(12a1)の内部空間が収納室12aとなっており、縦方向シール部11bと区画シール部11cと横方向シール部11dとによって囲まれた上縁開口(12b1)の内部空間が収納室12bとなっている。
【0019】
また、図1に示した収納袋10にあっては、該収納袋10の下辺部分に、(1)ラミネートフィルムS11の第1帯状部分S11aと第2帯状部分S11bとによって構成された帯状の操作片13aが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eとラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aとによって構成された帯状の操作片13bが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片13a及び13bの間に、ラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dとによって構成された剥離制限片14が区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片13a及び13bは2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cの一部を含んでおり、また、剥離制限片14は2つの縦方向シール部11a及び11bと区画シール部11cの一部を含んでいる。
【0020】
図1に示した収納袋10は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図4を参照)を2つの収納室12a及び12bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0021】
収納室12aに内容物Xを収納し、且つ、収納室12bに内容物Yを収納した後は、図4に示したように、該両収納室12a及び12bの開口12a1及び12b1を閉じるための横方向シール部11eを収納袋10に形成する。
【0022】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図5(A)に示したように、2つの操作片13a及び13bを指先で把持できるように広げてから、図5(B)に示したように、該2つの操作片13a及び13bの好ましくは区画シール部11cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部11cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部11cが局部的に剥離し、該剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部11cの剥離制限片14よりも上側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片14に存する区画シール部11cの一部が剥離して、前記剥離箇所15が形成される。
【0023】
剥離制限片14はラミネートフィルムS11の第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dとによって構成されているため、該剥離制限片14に存する区画シール部11cの一部の剥離は、該剥離制限片14自らの剥離限界、つまり、第3帯状部分S11cと第4帯状部分S11dが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片14は前記剥離箇所15の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片13a及び13bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所15を適正な大きさとすることができる。
【0024】
剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bが相互に連通した後は、図6に示したように、収納袋10を傾けることによって収納室12aに収納されていた内容物Xを剥離箇所15を通じて収納室12bに入り込ませるか、或いは、収納室12bに収納されていた内容物Yを剥離箇所15を通じて収納室12aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0025】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室12a及び12bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室12a及び12bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室12a及び12bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋10に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室12a及び12bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から的確に取り出すことができる。
【0026】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部11cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部11cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部11cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0027】
このように、前記収納袋10によれば、2枚のラミネートフィルムS11及びS12の一部から成る2つの操作片13a及び13bが区画シール部11cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って区画シール部11cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部11cを局部的に剥離させ、該剥離箇所15を通じて両収納室12a及び12bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部11cを局部的に剥離させて該剥離箇所15を通じて収納室12a及び12b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0028】
また、前記収納袋10によれば、2つの操作片13a及び13bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片13a及び13bが収納袋10の下辺部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片13a及び13bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片13a及び13bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0029】
さらに、前記収納袋10によれば、2つの操作片13a及び13bの間に、区画シール部11cの一部を含む剥離制限片14が該2つの操作片13a及び13bと連続するように設けられているため、該2つの操作片13a及び13bを異なる方向に引っ張って該区画シール部11cに局部的に剥離箇所15を形成するときに、該剥離制限片14自らの剥離限界によって該剥離箇所15の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片14は剥離箇所15の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片13a及び13bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所15の大きさを適当な大きさとすることができ、これにより収納室12a及び12b相互の連通を安定に行うことができる。
【0030】
尚、図1には2つの収納室12a及び12bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したように、区画シール部11cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室12a及び12bを備えた収納袋10-1を得ることができる。
【0031】
また、図1には2つの収納室12a及び12bが区画シール部11cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したように、区画シール部11cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室12a〜12cが区画シール部11cを介して横方向に連設された収納袋10-2を得ることができる。この収納袋10-2によれば、2つの操作片13a及び13bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部11cに選択的に剥離箇所15を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室12a及び12b、或いは、収納室12b及び12cのみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部11cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部11cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0032】
[第2実施形態]
図9は、本発明を適用した収納袋20(第2実施形態)を示すものであり、該収納袋20が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの縦方向シール部11a及び11bの代わりに、2つ目の横方向シール部21eが 収納袋20の上辺部分に設けられている点
・区画シール部21cと2つの横方向シール部21d及び21eとによって囲まれた側縁 開口(22a1及び23b1)の内部空間が2つの収納室22a及び22bとなってい る点
にある。図9には2つの操作片を符号23a及び23bで示し、剥離制御片を符号24で示してあるが、これらを含む他の前記収納袋10(第1実施形態)と同じであるため、その説明を省略する。
【0033】
この収納袋20にあっては、収納室22aに内容物Xを収納し、且つ、収納室12bに内容物Yを収納した後に、該両収納室22a及び22bの開口22a1及び22b1を閉じるための2つの縦方向シール部(図示省略)が形成される。
【0034】
このように、前記収納袋20によれば、両収納室22a及び22bの開口向きが異なるものの、前記収納袋10(第1実施形態)と同様の効果を得ることができる。
【0035】
[第3実施形態]
図10〜図14は、本発明を適用した収納袋30(第3実施形態)を示すものであり、該収納袋30が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの操作片13a及び13bと剥離制限片14に相当する2つの操作片33a及び3 3bと剥離制限片34が、収納袋30の一側面に設けられている点
にある。
【0036】
この収納袋30は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS31及びS32(図11を参照)から構成されている。図10に示したように、収納袋30の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部31a及び31bが設けられている。また、収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分には、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部31dが設けられている。さらに、収納袋30には、2つの収納室32a及び32bが、前記ラミネートフィルムS31及びS32のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部31cを介して横方向に連設されている。
【0037】
ラミネートフィルムS31は、図11に示したように、縦寸法がD31aで横寸法がD31bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた矩形状の延長部分S31’と、該延長部分S31’の上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第1帯状部分S31aと、該第1帯状部分S31aの前縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第2帯状部分S31bと、該第2帯状部分S31bの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第3帯状部分S31cと、該第3帯状部分S31cの前縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第4帯状部分S31dと、該第4帯状部分S31dの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD31cの第5帯状部分S31eとを有している。このラミネートフィルムS31の本体部分は、ラミネートフィルムS32と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0038】
ラミネートフィルムS32は、図11に示したように、縦寸法がD32a(≒D31a−延長部分S31’の縦寸法)で横寸法がD32b(=D31b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD32c(=D31c)の第1帯状部分S32aとを有している。このラミネートフィルムS32の本体部分は、ラミネートフィルムS31と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0039】
両ラミネートフィルムS31及びS32には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0040】
図10に示した横方向シール部31dは、図12(A)に示したように、ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0041】
また、図10に示した2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cは、図12(B)及び図12(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S31’のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールすると共に、ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS32の本体部分のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S31bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(3)ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S31dのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0042】
図12(C)及び図12(D)から分かるように、図10に示した収納袋30において2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S31’のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、且つ、ラミネートフィルムS31の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS32の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S31bのイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(3)ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cのイージーピールフィルム側の面と第4帯状部分S31dのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0043】
即ち、図10に示した収納袋30にあっては、縦方向シール部31aと区画シール部31cとによって囲まれた上縁開口(32a1)の内部空間が収納室32aとなっており、縦方向シール部31bと区画シール部31cとによって囲まれた上縁開口(32b1)の内部空間が収納室32bとなっている。
【0044】
また、図10に示した収納袋30にあっては、該収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分に、(1)ラミネートフィルムS31の第1帯状部分S31aと第2帯状部分S31bとによって構成された帯状の操作片33aが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eとラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aとによって構成された帯状の操作片13bが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片33a及び33bの間に、ラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dとによって構成された剥離制限片34が区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片33a及び33bは2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部31cの一部を含んでおり、また、剥離制限片34は2つの縦方向シール部31a及び31bと区画シール部11cの一部を含んでいる。
【0045】
図10に示した収納袋30は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図13を参照)を2つの収納室32a及び32bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0046】
収納室32aに内容物Xを収納し、且つ、収納室32bに内容物Yを収納した後は、図13に示したように、該両収納室32a及び32bの開口32a1及び32b1を閉じるための横方向シール部31eを収納袋30に形成する。
【0047】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図14(A)に示したように、2つの操作片33a及び33bを指先で把持できるように広げてから、図14(B)に示したように、該2つの操作片33a及び33bの好ましくは区画シール部31cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部31cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部31cが局部的に剥離し、該剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部31cの各操作片33a及び33bよりも上側部分と下側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片34に存する区画シール部31cの一部が剥離して、前記剥離箇所35が形成される。
【0048】
剥離制限片34はラミネートフィルムS31の第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dとによって構成されているため、該剥離制限片34に存する区画シール部31cの一部の剥離は、該剥離制限片34自らの剥離限界、つまり、第3帯状部分S31cと第4帯状部分S31dが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片34は前記剥離箇所35の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片33a及び33bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所35を適当な大きさとすることができる。
【0049】
剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bが相互に連通した後は、収納袋30を傾けることによって収納室32aに収納されていた内容物Xを剥離箇所35を通じて収納室32bに入り込ませるか、或いは、収納室32bに収納されていた内容物Yを剥離箇所35を通じて収納室32aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0050】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室32a及び32bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室32a及び32bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室32a及び32bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋30に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室32a及び32bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室32a及び32bの一方から的確に取り出すことができる。
【0051】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部31cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部31cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0052】
このように、前記収納袋30によれば、2枚のラミネートフィルムS31及びS32の一部から成る2つの操作片33a及び33bが区画シール部31cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片33a及び33bを異なる方向に引っ張って区画シール部31cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部31cを局部的に剥離させ、該剥離箇所35を通じて両収納室32a及び32bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部31cを局部的に剥離させて該剥離箇所35を通じて収納室32a及び32b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0053】
また、前記収納袋30によれば、2つの操作片33a及び33bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片33a及び33bが収納袋30の一側面の高さ方向の略中央部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片33a及び33bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片33a及び33bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0054】
さらに、前記収納袋30によれば、2つの操作片33a及び33bの間に、区画シール部31cの一部を含む剥離制限片34が該2つの操作片33a及び33bと連続するように設けられているため、該2つの操作片33a及び33bを異なる方向に引っ張って該区画シール部31cに局部的に剥離箇所35を形成するときに、該剥離制限片34自らの剥離限界によって該剥離箇所35の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片34は剥離箇所35の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片33a及び33bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所35を適当なの大きさとすることができ、これにより収納室32a及び32b相互の連通を安定に行うことができる。
【0055】
尚、図10には2つの収納室32a及び32bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部31cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室32a及び32bを備えた収納袋を得ることができる。
【0056】
また、図10には2つの収納室32a及び32bが区画シール部31cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部31cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部31cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片33a及び33bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部31cに選択的に剥離箇所35を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部31cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部31cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0057】
[第4実施形態]
図15〜図19は、本発明を適用した収納袋40(第4実施形態)を示すものであり、該収納袋40が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・2つの操作片43a及び43bのうち、一方の操作片43aが収納袋40の一側面に設 けられ、他方の操作片43bが該収納袋の他側面に設けられている点
にある。
【0058】
この収納袋40は、イージーピールフィルムを有する2枚のラミネートフィルムS41及びS42(図16を参照)から構成されている。図15に示したように、収納袋40の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部41a及び41bが設けられている。また、収納袋40の一側面の高さ方向の略中央部分には、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された1つの横方向シール部41dが設けられている。さらに、収納袋40には、2つの収納室42a及び42bが、前記ラミネートフィルムS41及びS42のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部41cを介して横方向に連設されている。
【0059】
ラミネートフィルムS41は、図16に示したように、縦寸法がD41aで横寸法がD41bの矩形状の第1本体部分と、該第1本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第1帯状部分S41aと、該第1帯状部分S41aの後縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第2帯状部分S41bと、第2帯状部分S41bの前縁から鋭角的に折り曲げられた縦寸法がD41aで横寸法がD41bの矩形状の第2本体部分と、該第2本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた矩形状の延長部分S41’と、該延長部分S41’の上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD41cの第3帯状部分S41aとを有している。このラミネートフィルムS41の第1本体部分及び第2本体部分は、ラミネートフィルムS42と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0060】
ラミネートフィルムS42は、図16に示したように、縦寸法がD42a(≒D41a)で横寸法がD42b(=D41b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD42c(=D41c)の第1帯状部分S42aとを有している。このラミネートフィルムS42の本体部分は、ラミネートフィルムS31と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0061】
両ラミネートフィルムS41及びS42には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0062】
図15に示した横方向シール部41dは、図17(A)に示したように、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0063】
また、図15に示した2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cは、図17(B)及び図17(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS41の第2本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S41’のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールすると共に、ラミネートフィルムS41の第1本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS42の本体部分のイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S41bのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0064】
図17(C)及び図17(D)から分かるように、図15に示した収納袋40において2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS41の第2本体部分のイージーピールフィルム側の面と延長部分S41’のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、且つ、ラミネートフィルムS41の第1本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS42の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aのイージーピールフィルム側の面と第2帯状部分S41bのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0065】
即ち、図15に示した収納袋40にあっては、縦方向シール部41aと区画シール部41cとによって囲まれた上縁開口(42a1)の内部空間が収納室42aとなっており、縦方向シール部41bと区画シール部41cとによって囲まれた上縁開口(42b1)の内部空間が収納室42bとなっている。
【0066】
また、図15に示した収納袋40にあっては、(1)該収納袋40の一側面の高さ方向の略中央部分に、ラミネートフィルムS41の第1帯状部分S41aと第2帯状部分S41bとによって構成された帯状の操作片43aが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)該収納袋40の他側面の高さ方向の略中央部分に、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cとラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aとによって構成された帯状の操作片43bが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片43a及び43bは2つの縦方向シール部41a及び41bと区画シール部41cの一部を含んでいる。
【0067】
図15に示した収納袋40は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図18を参照)を2つの収納室42a及び42bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0068】
収納室42aに内容物Xを収納し、且つ、収納室42bに内容物Yを収納した後は、図18に示したように、該両収納室42a及び42bの開口42a1及び42b1を閉じるための横方向シール部41eを収納袋40に形成する。
【0069】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図19(A)に示したように、2つの操作片43a及び43bを指先で把持できるように広げてから、図19(B)に示したように、該2つの操作片43a及び43bの好ましくは区画シール部41cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部41cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部41cが局部的に剥離し、該剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部41cの各操作片43a及び43bよりも上側部分と下側部分が剥離して、前記剥離箇所45が形成される。
【0070】
剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bが相互に連通した後は、収納袋40を傾けることによって収納室42aに収納されていた内容物Xを剥離箇所45を通じて収納室42bに入り込ませるか、或いは、収納室42bに収納されていた内容物Yを剥離箇所45を通じて収納室32aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0071】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室42a及び42bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室42a及び42bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋30に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室42a及び42bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室42a及び42bの一方から的確に取り出すことができる。
【0072】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部41cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部41cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0073】
このように、前記収納袋40によれば、2枚のラミネートフィルムS41及びS42の一部から成る2つの操作片43a及び43bが区画シール部41cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片43a及び43bを異なる方向に引っ張って区画シール部41cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部41cを局部的に剥離させ、該剥離箇所45を通じて両収納室42a及び42bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部41cを局部的に剥離させて該剥離箇所45を通じて収納室42a及び42b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0074】
また、前記収納袋40によれば、2つの操作片43a及び43bが外側に向けて突出するように、しかも、操作片43aが収納袋40の一側面に設けられ、且つ、操作片43bが該収納袋40の他側面に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片43a及び43bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片43a及び43bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0075】
尚、図15には2つの収納室42a及び42bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部41cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室42a及び42bを備えた収納袋を得ることができる。
【0076】
また、図15には2つの収納室42a及び42bが区画シール部41cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部41cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部41cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片43a及び43bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部41cに選択的に剥離箇所45を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部41cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部41cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0077】
[第5実施形態]
図20〜図24は、本発明を適用した収納袋50(第5実施形態)を示すものであり、該収納袋50が前記収納袋10(第1実施形態)と異なるところは、
・収納袋50が3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS52(図21を参照)か ら構成されている点
にある。
【0078】
この収納袋50は、イージーピールフィルムを有する3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS53(図21を参照)から構成されている。図20に示したように、収納袋50の左辺部分と右辺部分には、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの縦方向シール部51a及び51bが設けられている。また、収納袋50の下辺部分には、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された2つの横方向シール部51dが設けられている。さらに、収納袋50には、2つの収納室52a及び52bが、前記ラミネートフィルムS51、S52及びS53のイージーピールフィルム同士をヒートシールして形成された縦方向の区画シール部51cを介して横方向に連設されている。
【0079】
ラミネートフィルムS51は、図21に示したように、縦寸法がD51aで横寸法がD51bの矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD51cの第1帯状部分S51aとを有している。このラミネートフィルムS51の本体部分は、ラミネートフィルムS52と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0080】
ラミネートフィルムS52は、図21に示したように、縦寸法がD52a(=D51a)で横寸法がD52b(=D51b)の矩形状の本体部分と、該本体部分の下部から成る幅寸法がD52c(=D51c)の第1帯状部分S52aとを有している。このラミネートフィルムS52の本体部分は、ラミネートフィルムS51と向き合う側にイージーピールフィルムを有している。
【0081】
ラミネートフィルムS53は、図21に示したように、幅寸法がD53(=D51c、D52c)cの第1帯状部分S53aと、該第1帯状部分S53aの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53の第2帯状部分S53bと、該第2帯状部分S53bの下縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53の第3帯状部分S53cと、該第3帯状部分S53cの上縁から鋭角的に折り曲げられた幅寸法がD53cの第4帯状部分S53dとを有している。このラミネートフィルムS53は、上面側にイージーピールフィルムを有している。
【0082】
各ラミネートフィルムS51、S52及びS53には、一面側に公知のイージーピールフィルムを有する公知のラミネートフィルム、例えば、(1)他面側から一面側に向けて、透明蒸着二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルムや、(2)他面側から一面側に向けて、二軸延伸ポリエステルフィルムと、接着剤層と、アルミニウム箔と、接着剤層と、二軸延伸ナイロンフィルムと、接着剤層と、イージーピールフィルムとが並ぶラミネートフィルム、等を適宜使用することができる。
【0083】
図20に示した2つの横方向シール部51dは、図22(A)に示したように、(1)ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aのイージーピールフィルム側の面と、ラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dのイージーピールフィルム側の面とを帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0084】
また、図20に示した2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cは、図22(B)及び図22(C)に示したように、(1)ラミネートフィルムS51の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS52の本体部分のイージーピールフィルム側の面を部分的に帯状にヒートシールし、(2)ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bのイージーピールフィルム側の面と第3帯状部分S53cのイージーピールフィルム側の面とを部分的に帯状にヒートシールすること、によって形成されている。
【0085】
図22(C)及び図22(D)から分かるように、図20に示した収納袋50において2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cが形成されていない部分にあっては、(1)ラミネートフィルムS51の本体部分のイージーピールフィルム側の面とラミネートフィルムS52の本体部分のイージーピールフィルム側の面とは接合しておらず、(2)ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bのイージーピールフィルム側の面と第3帯状部分S53cのイージーピールフィルム側の面とは接合していない。
【0086】
即ち、図20に示した収納袋50にあっては、縦方向シール部51aと区画シール部51cと2つの横方向シール部51dとによって囲まれた上縁開口(52a1)の内部空間が収納室52aとなっており、縦方向シール部51bと区画シール部51cと2つの横方向シール部51dとによって囲まれた上縁開口(52b1)の内部空間が収納室52bとなっている。
【0087】
また、図20に示した収納袋50にあっては、該収納袋50の下辺部分に、(1)ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aとラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aとによって構成された帯状の操作片53aが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(2)ラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aとラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dとによって構成された帯状の操作片53bが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在し、(3)2つの操作片53a及び53bの間に、ラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cとによって構成された剥離制限片54が区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように存在している。先に述べたように、両操作片53a及び53bは2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cの一部を含んでおり、また、剥離制限片54は2つの縦方向シール部51a及び51bと区画シール部51cの一部を含んでいる。
【0088】
図20に示した収納袋50は、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足する2種類の内容物X及びY(図23を参照)を2つの収納室52a及び52bに個別に収納する用途に適している。両内容物X及びYとしては、例えば、(1)化粧水とこれを染み込ませるためのパフや、(2)2液混合タイプの毛染め剤の2液や、(3)2液混合タイプのエポキシ系接着剤等の接着剤の2液、等を挙げることができるが、「非利用時は混合を要せず、且つ、利用時に混合を要する」といった条件を満足するものであれば両内容物X及びYに特段の制限はない。
【0089】
収納室52aに内容物Xを収納し、且つ、収納室52bに内容物Yを収納した後は、図23に示したように、該両収納室52a及び52bの開口52a1及び52b1を閉じるための横方向シール部51eを収納袋50に形成する。
【0090】
利用時に両内容物X及びYを混合するときには、図24(A)に示したように、2つの操作片53a及び53bを指先で把持できるように広げてから、図22(B)に示したように、該2つの操作片53a及び53bの好ましくは区画シール部51cに近い部分を指先で把持してこれらを異なる方向に引っ張る。この引っ張りによって区画シール部51cに剥離力が付与され、該剥離力に基づき該区画シール部51cが局部的に剥離し、該剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bが相互に連通する。具体的には、前記引っ張りによって区画シール部51cの剥離制限片54よりも上側部分が剥離し、且つ、該剥離制限片54に存する区画シール部51cの一部が剥離して、前記剥離箇所55が形成される。
【0091】
剥離制限片54はラミネートフィルムS53の第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cとによって構成されているため、該剥離制限片54に存する区画シール部51cの一部の剥離は、該剥離制限片54自らの剥離限界、つまり、第2帯状部分S53bと第3帯状部分S53cが直線状になることによって制限される。要するに、剥離制限片54は前記剥離箇所55の大きさを制限する役目を果たすことになるため、前記2つの操作片53a及び53bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所55を適当な大きさとすることができる。
【0092】
剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bが相互に連通した後は、収納袋50を傾けることによって収納室52aに収納されていた内容物Xを剥離箇所55を通じて収納室52bに入り込ませるか、或いは、収納室52bに収納されていた内容物Yを剥離箇所55を通じて収納室52aに入り込ませることによって、両内容物X及びYを混合させることができる。
【0093】
両内容物X及びYを混合させた後は、各収納室52a及び52bを選択的に開封することによって、混合後の両内容物X及びYを収納室52a及び52bの一方から取り出すことができる。例えば、各収納室52a及び52bに対応した2つのノッチ(図示省略)を収納袋50に予め設けておけば、該ノッチを利用して各収納室52a及び52bの選択的な開封を容易に行えると共に、混合後の両内容物X及びYを収納室52a及び52bの一方から的確に取り出すことができる。
【0094】
因みに、利用時には前記引っ張り操作によって区画シール部51cを局部的に剥離できるようにし、しかも、非利用時には外部から圧力が付加されても区画シール部51cが局部的に剥離することを防止できるようにするには、両内容物X及びYの種類や利用者の年齢層を考慮の上で、区画シール部31cの剥離強度を2.5〜19.6N/15mm、好ましくは4.9〜8.8N/15mmに設定すると良い。
【0095】
このように、前記収納袋50によれば、2枚のラミネートフィルムS51及びS52の一部から成る2つの操作片53a及び53bが区画シール部51cを横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられているため、該2つの操作片53a及び53bを異なる方向に引っ張って区画シール部51cに剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部51cを局部的に剥離させ、該剥離箇所55を通じて両収納室52a及び52bを相互を連通させることができる。要するに、区画シール部51cを局部的に剥離させて該剥離箇所55を通じて収納室52a及び52b相互を連通させる操作を簡単、且つ、確実に行うことができる。
【0096】
また、前記収納袋50によれば、2つの操作片53a及び53bが外側に向けて突出するように、しかも、該2つの操作片53a及び53bが収納袋50の下辺部分に設けられているので、前記操作を行うに際して該2つの操作片53a及び53bを簡単に見付けることができると共に、該2つの操作片53a及び53bを引っ張る操作をも容易に行うことができる。
【0097】
さらに、前記収納袋50によれば、2つの操作片53a及び53bの間に、区画シール部51cの一部を含む剥離制限片54が該2つの操作片53a及び53bと連続するように設けられているため、該2つの操作片53a及び53bを異なる方向に引っ張って該区画シール部51cに局部的に剥離箇所55を形成するときに、該剥離制限片54自らの剥離限界によって該剥離箇所55の大きさを制限することができる。要するに、剥離制限片54は剥離箇所55の大きさを制限する役目を果たすことになるため、2つの操作片53a及び53bの引っ張り方に拘わらず、該剥離箇所55を適当なの大きさとすることができ、これにより収納室52a及び52b相互の連通を安定に行うことができる。
【0098】
尚、図20には2つの収納室52a及び52bの大きさ(容積)を略同じにしたものを示したが、図7に示したものと同様に、区画シール部51cの形成位置を横方向にずらせば、大きさ(容積)が異なる2つの収納室52a及び52bを備えた収納袋を得ることができる。
【0099】
また、図20には2つの収納室52a及び52bが区画シール部51cを介して横方向に連設されたものを示したが、図8に示したものと同様に、区画シール部51cの数を1から2に増加すれば、3つの収納室が区画シール部51cを介して横方向に連設された収納袋を得ることができる。この収納袋によれば、2つの操作片53a及び53bの引っ張り位置を変えることによって2つの区画シール部51cに選択的に剥離箇所55を形成することが可能であるため、隣接する2つの収納室のみを相互連通させることも可能である。勿論、区画シール部51cの数を3以上として、4以上の収納室が該区画シール部51cを介して横方向に連設された収納袋を得るようにしても良い。
【0100】
[他の実施形態]
(1)前記収納袋10、20、30及び40として2枚のラミネートフィルム(S11及びS12、S31及びS32、S41及びS42)から構成されたものを示し、前記収納袋50として3枚のラミネートフィルム(S51、S52及びS53)から構成されたものを示したが、該各収納袋10、20、30、40及び50は1枚のラミネートフィルムから構成することもできる。
【0101】
例えば、前記収納袋10及び20にあっては、ラミネートフィルムS11の第5帯状部分S11eの下縁とラミネートフィルムS12の第1帯状部分S12aの下縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS11及びS12を接続するための横方向シール部11dを必ずしも設ける必要はない。
【0102】
また、前記収納袋30にあっては、ラミネートフィルムS31の第5帯状部分S31eの前縁とラミネートフィルムS32の第1帯状部分S32aの前縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS31及びS32を接続するための横方向シール部31dを必ずしも設ける必要はない。
【0103】
さらに、前記収納袋40にあっては、ラミネートフィルムS41の第3帯状部分S41cの前縁とラミネートフィルムS42の第1帯状部分S42aの前縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、2枚のラミネートフィルムS41及びS42を接続するための横方向シール部41dを必ずしも設ける必要はない。
【0104】
さらに、前記収納袋50にあっては、ラミネートフィルムS51の第1帯状部分S51aの下縁とラミネートフィルムS53の第1帯状部分S53aの下縁とが連続し、且つ、ラミネートフィルムS53の第4帯状部分S53dの下縁とラミネートフィルムS52の第1帯状部分S52aの下縁とが連続したような1枚のラミネートフィルムを用意すれば、同様の収納袋を構成することができる。この場合、3枚のラミネートフィルムS51、S52及びS53を接続するための2つの横方向シール部51dを必ずしも設ける必要はない。
【0105】
(2)前記収納袋10、20、30、40及び50として輪郭が矩形を成すものを示したが、特許請求の範囲の各請求項の記載に包含されるものであれば、各収納袋10、20、30、40及び50の輪郭は円形や楕円形や多角形等の他の形状であっても良い。
【符号の説明】
【0106】
10,10-1,10-2,20,30,40,50…収納袋、S11,S12,S31,S32,S41,S42,S51,S52,S52…ラミネートフィルム、11c,21c,31c,41c,51c…区画シール部、12a,12b,12c,22a,22b,32a,32b,42a,42b,52a,52b…収納室、13a,13b,23a,23b,33a,33b,43a,43b,53a,53b…操作片、14,24,34,54…剥離制限片、15,35,45,55…剥離箇所。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イージーピールフィルムを有するラミネートフィルムから構成されていて、少なくとも2つの収納室が該ラミネートフィルムのイージーピールフィルム同士をシールして形成された区画シール部を介して連設された収納袋であって、
前記ラミネートフィルムの一部から成る2つの操作片が前記区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられており、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通できるように構成されている、
ことを特徴とする収納袋。
【請求項2】
前記2つの操作片は、前記収納袋の下辺部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項3】
前記2つの操作片は、前記収納袋の一側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項4】
前記2つの操作片のうち、操作片は前記収納袋の一側面に設けられ、操作片は前記収納袋の他側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項5】
前記2つの操作片の間には、前記区画シール部の一部を含む剥離制限片が該2つの操作片と連続して設けられており、該剥離制限片は前記2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に局部的に剥離箇所を形成するときに自らの剥離限界によって該剥離箇所の大きさを制限するように構成されている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の収納袋。
【請求項1】
イージーピールフィルムを有するラミネートフィルムから構成されていて、少なくとも2つの収納室が該ラミネートフィルムのイージーピールフィルム同士をシールして形成された区画シール部を介して連設された収納袋であって、
前記ラミネートフィルムの一部から成る2つの操作片が前記区画シール部を横切るように、且つ、外側に向けて突出するように設けられており、該2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に剥離力を付与することによって、該剥離力に基づき該区画シール部を局部的に剥離させて該剥離箇所を通じて収納室相互を連通できるように構成されている、
ことを特徴とする収納袋。
【請求項2】
前記2つの操作片は、前記収納袋の下辺部分に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項3】
前記2つの操作片は、前記収納袋の一側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項4】
前記2つの操作片のうち、操作片は前記収納袋の一側面に設けられ、操作片は前記収納袋の他側面に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の収納袋。
【請求項5】
前記2つの操作片の間には、前記区画シール部の一部を含む剥離制限片が該2つの操作片と連続して設けられており、該剥離制限片は前記2つの操作片を異なる方向に引っ張って前記区画シール部に局部的に剥離箇所を形成するときに自らの剥離限界によって該剥離箇所の大きさを制限するように構成されている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の収納袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−71839(P2012−71839A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−215792(P2010−215792)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000208226)大和グラビヤ株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(000208226)大和グラビヤ株式会社 (48)
【Fターム(参考)】
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