説明

取引処理装置

【課題】取引時間の短い取引を希望する顧客の待ち時間を短縮すると共に待ち行列の消化を促進する。
【解決手段】通信回線を介して他の取引処理装置と接続されると共に、取引装置に表示した複数の取引項目の内から利用者が選択した取引を処理する取引処理装置において、他の取引処理装置が処理した取引の履歴および自機の取引の履歴である取引履歴情報を取得して格納した取引履歴ファイル102および該ファイルから取引処理時間の長い特定取引を抽出して格納した特定取引登録ファイル103と、取引装置を前記特定取引のみを処理するモードに切り替える特定取引専用モード切り替え手段と、取引装置を利用する利用者の混雑度を判定する混雑度判定手段と、前記混雑度判定手段が判定した混雑度および自機の稼働順位に応じて自機の運用モードを特定取引専用モードに切り替えるか否かを判定する特定取引専用モード切り替え判定手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引処理装置に係り、特に複数の取引項目の中から利用者が選択した取引を実行することのできる取引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台の自動取引処理装置(ATM)が設置されている銀行あるいはコンビニのATMコーナーにおいては、自動取引処理装置は、混雑時間帯には稼動し続けているが、閑散時間帯においては、利用者が少ないため、電力を無駄に消費している場合が多い。
【0003】
この問題を解決するために、混雑時は自動取引処理装置を効率よく稼動させ、閑散時は必要最低限の自動取引処理装置だけを稼動させ、省エネ運転を実現することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、 順番待ち行列を撮影するカメラ装置の映像データに基づいて、順番待ち行列の利用者の待ち時間を求め、その求められた待ち時間に基づいてATMの稼働台数を決定することが示されている。
【0005】
また、特許文献2には、自動取引装置の取引終了から次の取引開始までの取引間隔によって稼働状況を把握し,ターミナル制御装置が有する稼働テーブルを参照して具体的に稼働する自動取引装置を決定する稼働台数制御システムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−267010号公報
【特許文献2】特開2006−92449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
取引処理装置が扱う取引には、出金取引のように取引時間が短い取引と振込取引のように取引時間が長い取引がある。
【0008】
前記従来技術では、取引時間の短い取引を希望する顧客および取引時間の長い取引を希望する顧客を、同じ待ち行列に並ばせることになる。このため、取引時間の短い取引を希望する顧客は、取引時間の長い取引を希望する顧客のために長時間待たされることになる。
【0009】
また、取引時間の短い取引を希望する顧客および取引時間の長い取引を希望する顧客を、同じ待ち行列に並ばせることは、待ち行列の消化が全体として非効率となる。
【0010】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、取引時間の短い取引を希望する顧客の待ち時間を短縮すると共に待ち行列の消化を促進することのできる取引処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0012】
通信回線を介して他の取引処理装置と接続されると共に、取引装置に表示した複数の取引項目の内から利用者が選択した取引を処理する取引処理装置において、 他の取引処理装置が処理した取引の履歴および自機の取引の履歴である取引履歴情報を取得して格納した取引履歴ファイルおよび該ファイルから取引処理時間の長い特定取引を抽出して格納した特定取引登録ファイルと、取引装置を前記特定取引のみを処理するモードに切り替える特定取引専用モード切り替え手段と、取引装置を利用する利用者の混雑度を判定する混雑度判定手段と、前記混雑度判定手段が判定した混雑度および自機の稼働順位に応じて自機の運用モードを特定取引専用モードに切り替えるか否かを判定する特定取引専用モード切り替え判定手段を備えた。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以上の構成を備えるため、取引時間の短い取引を希望する顧客の待ち時間を短縮すると共に待ち行列の消化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】取引処理装置(ATM)の概観図である。
【図2】ATMの構成を説明するブロック図である。
【図3】特定取引専用モード、稼働モード、省エネモードへの切替処理を説明する図である。
【図4】特定取引を取引履歴情報より抽出する処理を説明する図である。
【図5】ファイル構造を説明する図である。
【図6】セカンドディスプレイに表示する画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る取引処理装置(ATM)の概観図である。図1に示すように、銀行等のATMコーナーにはATM100が複数台設置されている。
【0016】
各ATMは、他のATMと相互に通信を行うために、ローカルネットワークを介して接続されている。又、前記ローカルネットワークには、ATMコーナーにおける混雑度を計測し、計測結果を各ATMに伝送するために外部カメラ200が接続されている。
【0017】
図2は、ATM100の構成を説明するブロック図である。ATM100は、顧客の操作によって入金、出金、振込等の取引を行う取引処理装置であり、回線接続部108及びローカルエリアネットワークを介して、他のATMと相互に接続されている。
【0018】
なお、前記他のATMは、ATMコーナーに設置されている他のATMであり、それぞれ記憶部101、顧客操作画面104、セカンドディスプレイ105、顧客検知部106、紙幣処理部107、回線接続部108、及びこれら各部を制御する本体制御部109を備える。
【0019】
記憶部101は、取引履歴ファイル102および特定取引登録ファイル103を備える。取引履歴ファイル102は、図5(a)に示すように、自身(自機)の取引履歴情報と、他のATM(他機)から受信した取引履歴情報を記憶する。特定取引登録ファイル103は、後述する特定取引を記憶する。顧客操作画面104は、タッチパネルを備え、該タッチパネルに必要な操作案内を表示し、顧客の入力を受け付ける。例えば、入金、出金、振込等の取引種別の入力や、暗証番号、金額の入力等の案内を表示し、顧客からの入力を受け付ける。セカンドディスプレイ105は、取引処理装置の稼動状態を顧客に報知したり、顧客を自機あるいは他機に誘導したりするためのディスプレイである。顧客検知部106は、センサを備え、該センサより定期的に該取引処理装置の前方に顧客がいるか、いないかの情報を取得する。
【0020】
紙幣処理部107は、利用者による預け入れ取引時に、入金された紙幣を識別し、枚数を計数し、格納する機能、および利用者による引き出し時に、利用者が指定した金額を出金する機能を有する。
【0021】
回線接続部108は、各ATMをローカルネットワークに接続するための接続部である。なお、回線接続部は他のATMの接続部と通信回線を介して接続されている。又、ローカルネットワークには、混雑度を計測するための手段である外部カメラ200が接続されている。
【0022】
次に、図3,4,5,6を用いて、6台のATMが設置されているATMコーナーにおける混雑度の解消がどのように行われるのかを説明する。ここでは1台のATMに着目して説明を行うが、これは説明をしやすくするためのものであり、実際にはこの1台のATMが行う処理は全てのATMで行われる。
【0023】
ここで、図3は特定取引専用モード(例えば、振り込み取引専用モード)、稼働モード、省エネモードへの切替処理を説明する図、図4は取引時間が長く混雑の原因となる特定取引を取引履歴情報より抽出する処理を説明する図、図5はファイル構造を説明する図、図6はセカンドディスプレイに表示する画面の例を示す図である。
【0024】
図3は、特定取引専用モード(振り込み取引専用モード)、稼働モード、省エネモードへの切替処理を説明する図であり、この処理は、例えば、取引終了時、あるいは取引が行われていない場合においては1分毎に繰り返し行なわれる。
【0025】
なお、ここでは、特定取引登録ファイル103(図5(b))に特定取引として振込取引が記憶されているケースについて説明を行う。
【0026】
まず、ATM100は、回線接続部108を通して、過去1月間の取引履歴情報を各ATM100に送信する(S101)。なお、ATM100が取引履歴情報を送信する代わりに、ATM100を監視する監視端末を設け、該監視端末が回線接続部108を通して、過去1月間の取引履歴情報を各ATM100に送信する仕組としても良い。
【0027】
この取引履歴情報は、各ATM100が処理した複数の取引の履歴からなり、取引が行われた日時、取引の種別、取引の結果、取引開始から完了までの時間が記憶されている。
【0028】
取引履歴情報は、図5(c)に示す構成を備え、取引日時は、過去1月間の取引履歴情報を検索するためのキーデータとなる。取引の種別は、後述する特定取引を抽出する際のキーデータとなる。取引の結果は、図3に示す各ステップS107、S113、S116、S123において、各ATMの取引成立件数、あるいは後述する特定取引の取引成立件数を求める際に使用する。取引開始から完了までの時間は、後述する特定取引を抽出する際に、平均取引時間として使用する。なお、取引の結果を、取引成立件数を求めるときに使用するのは「取引成立件数が多いATM=利用し易い(位置にある)ATM」と考えられるためである。
【0029】
続いて、ATM100は、回線接続部108を通して、他のATM100の1月間の取引履歴情報を取得し、取引履歴ファイル102に記憶する(S102)。次いで、回線接続部108を介して外部カメラ200からATMコーナー内のATM待ちをしている待ち行列の混雑度を、例えば混雑、普通、閑散の3段階の情報として取得し(S103)、S103にて取得した混雑度によって処理を分岐する(S104)。
【0030】
なお、S103〜S104において、外部カメラ200から取得した混雑度を基に、処理を分岐させる構成としたが、取引が終了してから次の顧客が取引を開始するまでの取引間隔時間を基に混雑度を判定することもできる。また、外部カメラなどからの待ち行列の長さなどの情報と前記取引間隔時間を基に混雑度を判定する構成とすることもできる。
【0031】
以下、混雑度に応じて6台のATMを下記のように振り分けて運用する例について説明する。
【0032】
(1)混雑:6台を稼動モード(省エネモード0台)2台を振込取引専用モード。
【0033】
(2)普通:4台を稼動モード(省エネモード2台)1台を振込取引専用モード。
【0034】
(3)閑散:2台を稼動モード(省エネモード4台)0台を振込取引専用モード。
【0035】
(1)混雑度:混雑
ステップS104において混雑度を「混雑」と判断した場合(S104:混雑)、ATM100は、自身の運用モードを[稼動モード]に切り替え(S105)、特定取引登録ファイル103(図5(b))より振込取引を抽出する。次いで、自身の取引履歴情報及び取引履歴ファイル102に記憶してある他のATMの取引履歴情報をもとに、過去1月間において6台のATMの中で自身が何番目に、特定取引登録ファイル103より抽出した振込取引の成立件数が多いATMかの順位を求め(S106)、自身の振込取引件数順位が1位ないし2位であるか否かを判断する(S107)。順位が1位または2位であった場合(S107:Y)、ATM100は、自身を[振込取引専用モード]に切り替え(S108)、セカンドディスプレイ105に自機が[振込取引専用モード]である旨を、例えば図6(b)のように表示することにより、自身が振込専用ATMであることを顧客に報知し(S109)、処理を終了する。
【0036】
なお、ここでは、S106〜S107において、取引履歴情報を元に該ATM100を振込取引専用モードに切り替えるか否かを判定することとしたが、ATM100を監視する監視端末を設け、監視端末から送信される優先順位情報、あるいは予め設定された優先順位情報に基づいて、振込取引専用モードに切り替えるか否かを判定することもできる。
【0037】
前記ステップS107において、順位が1または2位でなかった場合(S107:N)、ATMは、自身を[全取引可能モード]に切り替え(S110)、セカンドディスプレイ105に自身が[全取引可能モード]であることを図6(c)のように表示して自身が全取引が可能なATMであることを顧客に報知し(S111)、処理を終了する。
【0038】
(2)混雑度:普通
ステップS104において混雑度を「普通」と判断した場合(S104:普通)、ATM100は、自身の取引履歴情報及び取引履歴ファイル102に記憶してある他のATMの取引履歴情報をもとに、過去1月間において6台のATMの中で自身が何番目に稼働率が高いATMであるか否かを求め(S112)、S112で求めた自身の稼働率順位が1位ないし4位であるかを判断する(S113)。尚、この時、稼動が不可能なATMがある場合は、そのATMを除く自身の稼働率順位を求める。
【0039】
前記ステップS113において、順位が1位ないし4位であった場合(S113:Y)、自身の運用モードを[稼動モード]に切り替える(S114)。次いで、特定取引登録ファイル103(図5(b))を参照して、特定取引は振込取引であることを抽出し、自身の取引履歴情報及び取引履歴ファイル102に記憶してある他のATMの取引履歴情報から、過去1月間において稼働率順位が1位ないし4位である4台のATMの中で自身が何番目に、振込取引の成立件数が多いATMかを求め(S115)、自身の振込取引件数順位が1位であるか否かを判断する(S116)。ここで、S112〜S113において、取引履歴情報を元に該ATM100を稼動モードにするか否かを判定することとしたが、ATM100を監視する監視端末を設け、監視端末から送信される優先順位情報、または、予め設定された優先順位情報に基づいて、振込取引専用モードに切り替えるか否かを判定することもできる。
【0040】
前記ステップS116において、順位が1位であった場合(S116:Y)、ATM100は、自身を[振込取引専用モード]に切り替え(S117)、セカンドディスプレイ105に自身が[振込取引専用モード]であることを図6(b)のように表示することにより、自身が振込専用ATMであることを顧客に報知し(S118)、処理を終了する。
【0041】
前記ステップS116において、順位が1位でなかった場合(S116:N)、ATM100は、自身を[全取引可能モード]に切り替え(S119)、セカンドディスプレイ105に図6(c)を表示することにより、自身が全取引可能ATMであることを顧客に報知し(S120)、処理を終了する。
【0042】
前記ステップS113において、順位が1位ないし4位でなかった場合(S113:N)、ATM100は、自身の運用モードを[省エネモード]に切り替え(S121)、セカンドディスプレイ105に自身が[省エネモード]であることを図6(a)のように表示することにより、自身が省エネモード中であることを顧客に報知し(S122)、処理を終了する。
【0043】
(3)混雑度:閑散
ステップS104において混雑度を「閑散」と判断した場合(S104:閑散)、ATM100は、自身の取引履歴情報及び取引履歴ファイル102に記憶してある他のATMの取引履歴情報から、過去1月間において6台のATMの中で自身が何番目に稼働率が高いATMかを求め(S123)、S119で求めた自身の取引件数順位が1位ないし2位であるか否かを判定する(S124)。
【0044】
前記ステップS120において順位が1位ないし2位であった場合(S124:Y)、自身の運用モードを[稼動モード]に切り替え(S125)、さらに[全取引可能モード]に切り替え(S126)、セカンドディスプレイ105に自身が[全取引可能モード]であることを図6(c)のように表示することにより、自身が全取引可能ATMであることを顧客に報知し(S127)、処理を終了する。前記ステップS124において順位1位ないし2位でなかった場合(S124:N)、ATM100は、自身の運用モードを[省エネモード]に切り替え(S128)、セカンドディスプレイ105に、自身が[省エネモード]であることを図6(a)のように表示することにより、自身が省エネモード中であることを顧客に報知し(S129)、処理を終了する。
なお、ここでは、特定取引登録ファイル103に登録されている特定取引は、振込取引である例で説明したが、この取引は特定取引に記憶されていれば、どのような取引でもよく、例えばコンビニにおけるチケット販売取引とすることができる。
【0045】
また、[稼動モード]は、ATMが稼動状態にあることを示し、利用者がATMを使用できる状態であることを示している。また、[省エネモード]は、消費電力を必要最低限に抑え、運転している状態を指し、利用者は直ちにATMを使用することができない状態である。また、[振込取引専用モード]は、ソフトウェアにより、振込取引のみを取扱可能にした状態を指し、振込取引のみを行うことを前提にした処理に切り替えることにより、通常のATMより早く振込処理を行うことを可能にした状態である。このとき、振込取引利用者はこのATMを利用することにより、他のモードに設定されたATMを利用するより早く取引を完了させることが可能になる。このため、混雑の解消に貢献することができる。さらに、振込専用機とすることで、不要なユニット(例えば硬貨入手金部)の電源を遮断して省エネ運転を行うことができる。
【0046】
図4は、取引時間が長く混雑の原因となる特定取引を取引履歴情報より抽出する処理を説明する図である。
【0047】
ここで、特定取引とは、振り込み取引のように取引時間が長いため、待ち行列の消化を阻害している取引を指す。なお、図4に示す処理は、例えば、1週間に1回を目途に、繰り返し行う。
【0048】
まず、ATM100は、回線接続部108を通して、過去1月間の取引履歴情報を各ATM100に送信する(S201)。なお、各ATMが取引履歴情報を送信する代わりに、ATMを監視する監視端末を設け、該監視端末が回線接続部108を通して、過去1月間の取引履歴情報を各ATMに送信する仕組としても良い。
【0049】
次いで、ATM100は、回線接続部108を通して、各ATM100の過去1月間の取引履歴情報を取得し、取引履歴ファイル102に記憶する(S202)。続いて、自身の取引履歴情報及び取引履歴ファイル102に記憶してある他のATMの取引履歴情報から、例えば総取引件数が1000件以上かつ平均取引時間が5分以上の取引を抽出する(S203)。続いて、S203にて抽出した取引を特定取引登録ファイル103に記憶し(S204)、処理を完了する。なお、S202において抽出する取引の条件とした総取引件数、平均取引時間等の閾値は係員等が、例えば、図5(d)に示すファイル構造で設定し、保持する。
【0050】
以上の例では、特定取引登録ファイル103に記憶されている取引(特定取引)が、振込取引である例について説明したが、特定取引が、例えば、通帳繰越などの紙幣処理部107等の動作を不要とする取引であった場合、通帳繰越専用モード時に、これらのユニットへの給電を遮断することにより、不必要な電力消費を抑えることができる。
【0051】
また、特定取引が、振込取引とチケット販売取引といった2つ以上の取引である場合にはそれぞれの専用装置を用意することにより対応をすることができる。なお、この場合、特定取引の抽出時に、総取引件数、平均取引時間の閾値を複数設定し、それぞれの特定取引を取引履歴ファイルから抽出することができる。また、特定取引登録ファイル103の読み出し時に、重要度によってモード切替をさせる台数を変化させることもできる。また、重要度によって専用とする装置の台数を決定することにより、全ての取引処理装置が特定の取引の専用装置になることを防ぐことが可能である。
【0052】
また、以上の例では、取引時間が長い取引を抽出し、混雑時に、その取引のみを扱う専用モードへの切替を行っていたが、逆に、取引時間が長い取引を扱わない専用モードへの切替を行い、取引時間が長い取引を拒絶する取引処理装置に切り替えることもできる。
【0053】
特定取引の専用ATMは、一つの取引のみを専用に扱うATMとして、説明をしたが、例えば、振込取引とチケット販売取引の組合せといった2つ以上の取引を専用に扱うATMに切り替えるものであってもよい。
【0054】
また、以上の例では、運用モードを[稼動モード]と[省エネモード]の二つを例にあげて説明を行ったが、例えば、ATMを完全に電源断する[休止モード]や一部のユニットのみを稼動させて運用する[一部稼動モード]といった運用モードへ切替ることもできる。
【符号の説明】
【0055】
100 ATM
101 記憶部
102 取引履歴ファイル
103 特定取引登録ファイル
104 顧客操作画面
105 セカンドディスプレイ部
106 顧客検知部
107 紙幣処理部
108 回線接続部
109 本体制御部
200 外部カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して他の取引処理装置と接続されると共に、取引装置に表示した複数の取引項目の内から利用者が選択した取引を処理する取引処理装置において、
他の取引処理装置が処理した取引の履歴および自機の取引の履歴である取引履歴情報を取得して格納した取引履歴ファイルおよび該ファイルから取引処理時間の長い特定取引を抽出して格納した特定取引登録ファイルと、
取引装置を前記特定取引のみを処理するモードに切り替える特定取引専用モード切り替え手段と、
取引装置を利用する利用者の混雑度を判定する混雑度判定手段と、
前記混雑度判定手段が判定した混雑度および自機の稼働順位に応じて自機の運用モードを特定取引専用モードに切り替えるか否かを判定する特定取引専用モード切り替え判定手段を備えたことを特徴とする取引処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の取引処理装置において、
特定取引登録ファイルには、平均取引時間および取引件数がそれぞれ所定の値以上の取引のみを格納することを特徴とする取引処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の取引処理装置において、
取引処理装置は該取引処理装置を操作するためのディスプレイとは別にセカンドディスプレイを備え、該ディスプレイに処理可能な処理モードを表示することを特徴とする取引処理装置。
【請求項4】
請求項1記載の取引処理装置において、
前記特定取引専用モードに切り替えた取引処理装置は、前記特定取引に必要な部分のみに電源を供給することを特徴とする取引処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate