説明

古紙パルプ生産設備における粕取り装置

【課題】 脱墨パルプの生成に先立って古紙原料から異物を除去する際に、粗選工程で除去すべき異物等の粕が機器装置を閉塞することがないよう原料スラリー中の粕を捕捉する粕取り装置を提供する。
【解決手段】 原料スラリーが流通する給送管15に粕取りバー21を、流れ方向と直交する方向を長手方向として配設する。粕取りバー21は帯状板により形成され、その幅方向を流れ方向と平行とし、前端部に適宜な間隔で凹状の切欠部21aが形成されている。複数の粕取りバー21はその下端部を台座板23に固定させ、上端部には蓋板22を固定し、給送管15に突設させた取付管16に挿抜自在として給送管15に着脱自在とする。配設時には粕取りバー21が給送管15の内部に位置付くようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、古紙パルプを生産する設備において、搬入された原料古紙に随伴された製紙原料として不適な不純物や異物等である粕を除去する粕取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞紙や段ボール、雑誌、上質紙等の古紙を回収して、脱墨パルプを生成し、新聞紙やトイレットペーパー、段ボール原紙等に再生することは、資源面や環境面、経済面等にとって好ましく、特に近年では回収率や利用効率の向上が積極的に図られている。回収された古紙は、古紙処理プラント等で脱墨パルプに生成されることになる。
【0003】
古紙処理プラントでは、回収された古紙がパルパーに供されて離解され、脱墨パルプを生成する際には、再生紙の原料とならない、例えば古紙を縛っていたポリプロピレンやビニール等の荷造り紐や化学繊維等の異物が除去される。このような大きな異物等の粕の除去は、脱墨処理を行う前の粗選工程で行われ、主として粗選スクリーンが利用されている。
【0004】
パルパーで離解された原料古紙のパルプスラリーは、粗選工程に給送される際には、粗選スクリーンでの分離を円滑に行えるように、ダンプチェストに供給されたアジテータによって攪拌される。その後、スラリー給送ポンプによって粗選スクリーンに給送されて、異物等の粕が除去される。
【0005】
図6は前記粗選工程の一例の概略構成を説明する図であり、パルパー等で離解された繊維化されたパルプスラリーは、ダンプチェスト1に供給される。ダンプチェスト1には回転プロペラ式によるアジテータ1aが設けられており、供給されたパルプスラリーが攪拌される。攪拌されたパルプスラリーは給送ポンプ1bによって粗選1次スクリーン2に供給される。この粗選1次スクリーン2では、パルプスラリー中の大きな異物が原料スラリーから粗選され、異物が分離された原料スラリーは、第2クッションタンク4に供給され、除去された異物が混在している原料スラリーは第1クッションタンク3に供給される。第1クッションタンク3に供給された原料スラリーは給送ポンプ3aによって粗選2次スクリーン5に給送される。粗選2次スクリーン5で分離された異物は比較的大きなものであって、該粗選2次スクリーン5から粗選工程の系外へ排出される。異物が分離された原料スラリーは、前記第2クッションタンク4に供給される。
【0006】
前記第2クッションタンク4に貯留された原料スラリーには細かな異物が混在してるから、さらにこの細かな異物を除去するために、給送ポンプ4aによって終段2次スクリーン6へ給送される。この終段2次スクリーン6によって異物が分離された原料スラリーは供給路6aから後続する脱墨工程へ供給される。分離された異物を含む原料スラリーは第3クッションタンク7に供給される。第3クッションタンク7に貯留された原料スラリーには異物が混在しているから、給送ポンプ7aによって終段1次スクリーン8へ給送される。この終段1次スクリーン8によって異物が分離された原料スラリーは前記供給路6aに合流させて、脱墨工程へ供給される。
【0007】
前記終段1次スクリーン8によって分離された異物が混在している原料スラリーは、第4クッションタンク9へ供給される。この第4クッションタンク9に貯留された原料スラリーには異物が混在しているため、給送ポンプ9aによって粗選3次第1スクリーン10へ給送される。この粗選3次第1スクリーン10によって異物が分離された原料スラリーは前記第3クッションタンク7に給送され、前記終段1次スクリーン8に供給される。また、粗選3次第1スクリーン10によって分離された異物が混在している原料スラリーは第5クッションタンク11へ供給される。この第5クッションタンク11に貯留された原料スラリーには異物が混在しているから、給送ポンプ11aによって粗選3次第2スクリーン12へ給送される。この粗選3次第2スクリーン12によって分離された異物は、粗選工程の系外へ排出される。また、粗選3次第2スクリーン12によって異物が分離された原料スラリーは、前記第4クッションタンク9に供給され、前記粗選3次第1スクリーン10に給送されることになる。すなわち、原料スラリーは、前記終段1次スクリーン8から粗選3次第2スクリーン12までの間を、粗選3次第2スクリーン12から異物を排出しながら循環され、異物が除去された原料スラリーが前記終段1次スクリーン8から次工程の脱墨工程へ供給される。
【0008】
ところで、パルパーで離解された原料スラリーには、例えば荷造り紐等の異物が随伴されているが、荷造り紐等は長尺ものであるため、前記ダンプチェスト1に設けられたアジテータ1aのプロペラに巻き付いてしまい、アジテータ1aを停止させてしまうおそれがある。また、前記給送ポンプ1b、3a、4a、7a、9a、11aによって給送される原料スラリーには異物が混在しているため、これら給送ポンプ1b、3a、4a、7a、9a、11aに異物が詰まってしまい、給送ポンプ1b、3a、4a、7a、9a、11aを停止してしまうおそれがある。
【0009】
前記アジテータ1aや給送ポンプ1b、3a、4a、7a、9a、11aが停止してしまうと、巻き付いたり詰まった異物を除去しなければならないから、ダンプチェスト1を空にしたりポンプ等を分解したりするため、除去作業が煩雑となり、作業時間が長くなって再生紙の製造効率を低下してしまうことになる。
【0010】
このため、古紙を用いた再生紙の製造ラインにおいて原料スラリー中のポリ紐等の異物を除去するスクリーン装置が提案されている(特許文献1参照)。このスクリーン装置は、周面に孔径1mm〜4mmの通過孔が設けられている円筒型の第1のスクリーンと、第1のスクリーンの内側に第1のスクリーンと同軸に設けられた回転体とを備えており、第1のスクリーンの内周面上に、回転体の回転方向と交わる角度で延びる凸条が設けられて構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−283209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記スクリーン装置は、前記円筒型の第1のスクリーンと前記回転体との二重構造とされたもので、これらがハウジングに収容されて、ハウジングに配設された原料入口から前記第1のスクリーンの周方向へ原料が供給され、同じくハウジングに配設された処理物出口から異物が分離された原料がスクリーンの周方向へ吐出され、分離された異物は同じくハウジングに配設された異物出口からスクリーンの周方向へ排出させるようにしてある。このため、原料スラリーを給送する配管に比べて大型の装置となってしまい、新設の古紙再生設備に配設することは容易であるが、既設の粗選工程に取り付けることは難しい。
【0013】
また、前述したように、異物等の粕は、アジテータのプロペラに巻き付いたり、給送ポンプ1b、3a、4a、7a、9a、11aに詰まったりするため、複数の箇所に粕詰まりが生じ、これらの箇所の全てに前記スクリーン装置を取り付けることは設置スペースの確保が難しく、設備コストを上昇させてしまい、再生紙の製造コストを上昇させてしまうことになる。
【0014】
そこで、この発明の目的は、簡単な構造であって、既設の設備に設置することが容易であり、確実に異物等の粕を除去することができるようにした古紙パルプ生産設備における粕取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、パルパーによって離解されて生成された古紙再生による再生紙用の原料スラリーから、該原料スラリーに随伴される異物等の粕を除去する古紙パルプ生産設備における粕取り装置において、前記原料スラリーの給送路を構成する給送管の内部に該給送管に着脱自在に、原料スラリーの流れ方向に対して交差する方向に、長手方向を配した棒状の粕取りバーからなることを特徴としている。
【0016】
前記給送管を流れる原料スラリーに随伴された荷造り紐等の異物等の粕は、その中央部が前記粕取りバーに衝突すると、該粕取りバーに捕捉され下流へ流れることが阻止される。これにより、原料スラリー中の異物等が除去される。適時、粕取りバーを給送管から抜去して捕捉された粕を除去することにより、ダンプチェストや給送ポンプへ随伴される異物等の粕が減じられる。
【0017】
また、請求項2の発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、前記粕取りバーはその長手方向を、原料スラリーの流れ方向に対して直交する方向に配したことを特徴としている。
【0018】
粕取りバーは原料スラリーの流れ方向に対して、鈍角側に傾いた方向でも、鋭角側に傾いた方向でも、交差する方向に配設されていれば随伴される粕を捕捉することができる。しかし、粕取りバーの給送管との着脱を容易に行えるようにするには、流れ方向に直交する方向に配設し、粕取りバーの長手方向で給送管に挿抜することで着脱できる構造とすることが簡便な構造となる。
【0019】
また、請求項3の発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、前記粕取りバーは、複数本を配したことを特徴としている。
【0020】
粗選工程における原料スラリーの給送管は、給送径路に応じて呼び径が異なっているから、呼び径に応じて粕取りバーの設置本数を変更する。すなわち、大径の給送管では複数本の粕取りバーを、小径の給送管では単数の粕取りバーを配設する。なお、複数本の粕取りバーを設置する場合には、原料スラリーの流れを不要に阻害することがない数とする。
【0021】
また、請求項4の発明係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、前記複数本の粕取りバーは平行に配してあることを特徴としている。
【0022】
複数本の粕取りバーを配設する場合、これらの粕取りバーの長手方向を揃えずに、例えば交差するように配設することもできるが、簡易な着脱構造とすることができるように平行に配したものである。
【0023】
また、請求項5の発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、前記粕取りバーは帯状板であり、その幅方向を原料スラリーの流れ方向に平行としてあることを特徴としている。
【0024】
粕取りバーは丸棒であっても構わないが、原料スラリーの流れによる圧力に確実に対抗することができるように、帯状板としたものである。捕捉された粕が多量になって流速によって曲げ力が加えられることになっても、十分に対抗することができる。
【0025】
また、請求項6の発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置は、前記原料スラリーの流れ方向の上流側を指向した前記粕取りバーの前端部に、適宜個数の切欠部を形成してあることを特徴としている。
【0026】
例えば、荷造り紐などの長尺な異物が捕捉された場合、原料スラリーの流れに応じて粕取りバーの前面を滑って昇降しながら徐々に解かれてしまい、粕取りバーから離脱してしまうおそれがある。このため、前記切欠部で異物の昇降を阻止して、粕取りバーからの離脱しないようにしたものである。なお、適宜個数とは、異物の性質や原料スラリーが流通する給送管の内径寸法等によって定められる。
【発明の効果】
【0027】
この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置によれば、給送管に挿入口等の形成し、この挿入口から挿抜自在とすることにより棒状の粕取りバーを給送管に着脱自在に配設することができるから、既設の粗選設備に設置することができる。
【0028】
しかも、棒状の粕取りバーを配設することによるから、簡単な構造であり、複数の箇所の給送管に粕取り装置を設けても、設備コストを上昇させることが殆どない。このため、必要な箇所に配設することで確実に異物等の粕を除去することができ、古紙原料による再生紙の製造効率を向上させることができると共に、再生紙の品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置の概略の斜視図であり、給送管に配設した状態を示している。
【図2】図1に示す粕取り装置を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図3】この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置の他の実施例を示す概略の斜視図であり、給送管に配設した状態を示している。
【図4】図3に示す粕取り装置の主体部を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図5】図3に示す粕取り装置の台座部を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図6】粗選工程を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置を具体的に説明する。
【0031】
図1及び図2は、大きな呼び径の給送管15に配設するのに適した粕取り装置20を示しており、この粕取り装置20は粕取りバー21を主体として構成されている。この実施形態では、3本の粕取りバー21のそれぞれの上端部が円形状の蓋板22に支持され、下端部が台座板23に支持させてある。この台座板23は図1及び図2(b)に示すように、中央部を下側に凸となるように湾曲させてある。また、前記蓋板22の中央部には把持部22aが取り付けられている。
【0032】
前記粕取りバー21は帯状板で形成されており、図1に示すように、3本の粕取りバー21は幅方向が平行な方向となるように配されており、該幅方向が給送管15の軸方向、すなわち流れ方向と平行となるようにしてある。また、長手方向を給送管15の径方向としてある。給送管15内を原料スラリーが図1に矢標Rで示す方向に流れるとした場合、この粕取りバー21の前端部、すなわち、給送管15内の原料スラリーの流れ方向の上流側を指向する側の端部には、適宜間隔で前端から適宜な深さまで凹状に切り欠いた複数個の切欠部21aが形成されている。なお、この間隔は原料スラリーに随伴される粕の種類や給送管15の内径等に応じて定めればよい。
【0033】
他方、給送管15には、図1に示すように、粕取りバー21の取付用の取付管16が設けられている。この取付管16の上端部には取付フランジ16aが固着され、前記蓋板22がこの取付フランジ16と、図1に示すように、環状の固定フランジ17とにより挟持され、取付フランジ16aと固定フランジ17とを蓋板22の外側位置でボルト・ナット等の着脱手段を締付ること等によって、粕取りバー21が取付管16に着脱自在とされている。この蓋板22を取付フランジ16aと固定フランジ17とで挟持させた状態で、前記台座板23の中央部が給送管15の内壁に臨み、粕取りバー21が給送管15の内部に突出した状態となるようにしてある。また、粕取りバー21の前記切欠部21aが給送管15の上流側を指向するように、前記蓋板22の取付フランジ16に対する取付位置を調整する。
【0034】
以上により構成された粕取り装置20の作用を、以下に説明する。
【0035】
図1及び図2に示す実施形態に係る粕取り装置20では3本の粕取りバー21を備えているから、例えば、図示しないパルパーによって離解された原料スラリーを前記ダンプチェスト1に供給するするための給送管のように、大きな呼び径の給送管15に配設することが好ましい。前記粕取りバー21を取付管16に挿入して蓋板22を取付フランジ16に重畳させる。この蓋板22に環状の前記固定フランジ17を被せて、該固定フランジ17と取付フランジ16aとをボルト・ナットで固定する。これにより、粕取りバー21が供給管15の内部に挿入されて配設される。このとき、粕取りバー21の切欠部21aが供給管15内で上流側を指向するようにする。
【0036】
前記供給管15を原料スラリーが流通すると、該原料スラリーに随伴された異物等の粕が粕取りバー21に衝突する。このとき、荷造り紐等の長尺の異物は粕取りバー21に絡みついて捕捉される。この異物が粕取りバー21の切欠部21aに落ち込むと、該異物が粕取りバー21の長手方向に移動することが阻止され、このため、該切欠部21aで捕捉された状態が維持される。
【0037】
そして、前記固定フランジ17と取付フランジ16aとの締付状態を解除すれば、粕取りバー21を取付管16から抜去することができ、該粕取りバー21に捕捉された異物等の粕を除去することができる。
【0038】
なお、前記粕取り装置20を配設した給送管15と並行させてバイパス管を配してあれば、粗選工程を停止させることなく、粕を除去することができる。
【0039】
図3〜図5は、粕取り装置の他の実施形態を示しており、小径の給送管18に設置するのに適したものを示している。
【0040】
この粕取り装置30は、単一の粕取りバー31が主体として構成されている。この粕取りバー31の上端部は蓋板32に固定されており、下端部には台座環33が取り付けられている。この粕取りバー31が設置される給送管18には取付管19が設けられ、上端部に取付フランジ19aが取り付けられており、この取付フランジ19aと前記蓋板32とが着脱自在とされている。なお、蓋板32には把持部32aが取り付けられている。
【0041】
そして、粕取りバー31を取付管19から挿入すると、粕取りバー31が給送管18内に配され、前記台座環33が給送管18の内壁に臨むようにしてある。この粕取りバー31は帯状板で形成されており、その幅方向を、図上矢票Rで示す給送管18内の流れ方向と平行としてあり、長手方向が流れ方向Rと直交するようにしてある。
【0042】
前記台座環33は、図5に示すように帯状板を環状に形成し、一部に粕取りバー31を収容する切欠部33aが形成され、粕取りバー31の下端部をこの切欠部33aに収容させてこれらを溶接等によって接合させてある。
【0043】
この実施形態に係る粕取り装置30は呼び径の小さい給送管18に設置する場合に適しており、例えば給送ポンプの吸込側の管路の給送管18に配設することが好ましい。給送管18を流れる原料スラリー中の異物等の粕は粕取りバー31に絡みついて捕捉される。そして、粕取りバー31を取付管19から抜去することにより、捕捉された粕を排出する。
【0044】
なお、粕取りバー31の前端部に、図1及び図2に示す実施形態に係る粕取りバー21に形成された切欠部21aと同様な切欠部を形成したものとすることもできる。
【0045】
以上説明した実施形態に係る粕取りバー21と粕取りバー31とは、それぞれの長手方向が給送管15、18の流れ方向と直交するように配設したものとして説明したが、これら粕取りバー21、31は流れ方向に対して鈍角側あるいは鋭角側のいずれかに傾いたものであっても構わない。粕取りバー21が流れ方向に対して傾いていれば、粕が粕取りバー21の前端面を滑って、前記切欠部21aに荷造り紐等の粕が効率よく落ち込むことを期待できて好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明に係る古紙パルプ生産設備における粕取り装置によれば、簡単な構造で確実に原料スラリー中の粕を捕捉できるから、アジテータやポンプ等の粕詰まりを確実に防止でき、しかも、既存の設備にも簡単に設置することができるので、粗選工程の運転効率の向上に寄与する。
【符号の説明】
【0047】
1 ダンプチェスト
1a アジテータ
1b 給送ポンプ
3a 給送ポンプ
7a 給送ポンプ
11a 給送ポンプ
15 給送管
16 取付管
18 給送管
19 取付管
20 粕取り装置
21 粕取りバー
21a 切欠部
22 蓋板
23台座板
30 粕取り装置
31 粕取りバー
32 蓋板
33 台座環

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルパーによって離解されて生成された古紙再生による再生紙用の原料スラリーから、該原料スラリーに随伴される異物等の粕を除去する古紙パルプ生産設備における粕取り装置において、
前記原料スラリーの給送路を構成する給送管の内部に該給送管に着脱自在に、原料スラリーの流れ方向に対して交差する方向に、長手方向を配した棒状の粕取りバーからなることを特徴とする古紙パルプ生産設備における粕取り装置。
【請求項2】
前記粕取りバーはその長手方向を、原料スラリーの流れ方向に対して直交する方向に配したことを特徴とする請求項1に記載の古紙パルプ生産設備における粕取り装置。
【請求項3】
前記粕取りバーは、複数本を配したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の古紙パルプ生産設備における粕取り装置。
【請求項4】
前記複数本の粕取りバーは平行に配してあることを特徴とする請求項3に記載の古紙パルプ生産設備における粕取り装置。
【請求項5】
前記粕取りバーは帯状板であり、その幅方向を原料スラリーの流れ方向に平行としてあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の古紙パルプ生産設備における粕取り装置。
【請求項6】
前記原料スラリーの流れ方向の上流側を指向した前記粕取りバーの前端部に、適宜個数の切欠部を形成してあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の古紙パルプ生産設備における粕取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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