古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置
【課題】 再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去し、かつメンテナンス性に優れた古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置を提供する。
【解決手段】 貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有するようにした。
【解決手段】 貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、文書細断屑をトイレットペーパーロールに再生するための古紙再生装置に用いられる古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、文書細断屑のリサイクルが充分に図られていないことに鑑み、文書細断屑をトイレットペーパー程度の比較的低い品質の再生紙にリサイクルするのであれば、古紙再生工程の省略化及び装置の小型化・簡略化によって、文書細断屑の再生を企業、官庁、組合、団地或いは地方公共団体等の各組織単位で文書細断屑のリサイクルを可能とし、省資源・省エネルギー化、古紙回収にかかる時間短縮や労力軽減を図るべく、特許文献１に示すような文書細断屑の古紙再生方法が提案されている。
【０００３】
また、本出願人は、上記提案を実用化する上での種々の問題点を解決すべく、特許文献２に示すような文書細断屑用古紙再生装置を提案した。さらに、本出願人は、特願２０１０−２１２０５５に示すような文書細断屑用古紙再生装置も提案している。
【０００４】
上記した文書細断屑用古紙再生装置の場合、ホッパーから供給された文書細断屑に紙以外の異物が入っていた場合には、離解されずに底に溜まってしまったり、後の工程で目詰まりの原因となったりするという問題があった。
【０００５】
そこで、本出願人は、上記問題点を解決すべく、特許文献３に示すような揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置を提案した。
【０００６】
しかしながら、特許文献３に示すような揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である網籠に異物が溜まって目詰まりすると、揺動濾過装置自体を外してメンテナンスしなければならず、メンテナンス作業が大変であった。
【０００７】
また、上記した揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である円筒状の網籠を揺動させるため、電力消費が大きいという問題もあった。
【０００８】
さらに、上記した揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である円筒状の網籠を浸水させながら揺動するため、水の抵抗を受け易く、それだけ余分な力が要るという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平１０−３１７２９０
【特許文献２】特開２００６−１６９７１０
【特許文献３】特開２００８−１３３５６４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去し、かつメンテナンス性に優れた古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題を解決するために、本発明の古紙再生装置用異物除去タンクは、
古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有し、前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板によって異物が除去されるようにしてなることを特徴とする。
【００１２】
このように、前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられるので、特許文献３に示されるような円筒状の濾過手段自体を振動させる必要がなく省電力となる。また、スクリーン容器を外して洗浄などすれば済むため、メンテナンス性に優れる。
【００１３】
前記スクリーン板としては、異物を除去する濾過機能を有したスクリーン板であればよいものであり、多孔質板、網板又は篩板であるのが好ましい。
【００１４】
前記可撓性底面は、スクリーン容器の底面として防水性と密閉性を有し、かつ可撓性を有すればよいもので、例えば、ゴム又は可撓性プラスチックからなるのが好適である。
【００１５】
また、前記スクリーン容器が天蓋を備え、前記天蓋に前記液供給パイプが取り付けられ、前記スクリーン容器のスクリーン板と可撓性底面との間に前記液排出パイプが取り付けられる構成とするのが好ましい。このようにすれば、スクリーン板によって濾過され、異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へと排出することができる。
【００１６】
前記スクリーン容器のスクリーン板が、取り外し式スクリーン板であり、前記取り外し式スクリーン板が、スクリーン板本体と、前記スクリーン板本体が取り付けられたスクリーン板枠体と、前記スクリーン板枠体に設けられた取っ手部材と、を備え、前記スクリーン容器に着脱自在に取り付けられてなるように構成してもよい。このように、スクリーン板が容易に取り外し可能とすることで、洗浄などのメンテナンス性がさらに向上する利点がある。
【００１７】
さらに、前記スクリーン容器の上端部近傍にオーバーフローパイプを設け、前記液供給パイプから供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出されるように構成するのが好適である。このようにすれば、前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになった再生パルプ懸濁液が前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出される。なお、このオーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出される再生パルプ懸濁液は、スクリーン板で濾過されていないことになるが、オーバーフローする再生パルプ懸濁液は微量であり、また、スクリーン容器に溜まった再生パルプ懸濁液のうち、上澄み部分となるので、特別問題はない。
【００１８】
さらに、前記オーバーフローパイプを通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段を設け、オーバーフローを検知できるようにするのがさらに好適である。
【００１９】
貯留容器が攪拌ロッドを備え、前記振動枠部材の振動と、前記攪拌ロッドの攪拌とが、同一の駆動モータによって行われるようにするのが好適である。同一の駆動モータによって前記振動枠部材の振動と前記攪拌ロッドの攪拌とを行うことで、省電力、省スペース、及び軽量化となる利点がある。
【００２０】
本発明の文書細断屑用古紙再生装置は、上記した古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れたことを特徴とする。このように、古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れることで、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去することができ、かつメンテナンス性に優れるという利点がある。
【発明の効果】
【００２１】
本発明の古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた古紙再生装置によれば、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去し、かつメンテナンス性に優れるという著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示し、スクリーン容器の天蓋を外した状態を示す要部概略斜視図である。
【図２】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す正面図である。
【図３】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す側面図である。
【図４】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す平面図である。
【図５】スクリーン板の一つの実施の形態を示す平面図である。
【図６】振動枠部材の凸部の底板部分の拡大図を示し、（ａ）が平面図（ｂ）が側面図である。
【図７】振動枠部材が振動してスクリーン容器の可撓性底面を凸部が押圧する状態を示す概略断面側面図であり、（ａ）が押圧前（ｂ）が押圧中を示す。
【図８】取り外し式スクリーン板の一つの実施の形態を示す斜視図である。
【図９】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けるところを示す斜視図である。
【図１０】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けたところを示す斜視図である。
【図１１】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けて天蓋を取り付けたところを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【００２４】
図において、符号１０は本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す。
【００２５】
古紙再生装置用異物除去タンク１０は、図１〜４によく示される如く、古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、貯留容器１２と、前記貯留容器１２の上方に設けられたスクリーン装置１４と、前記スクリーン装置１４に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプ１６と、前記スクリーン装置１４によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器１２へ排出するための液排出パイプ１８と、を含み、前記スクリーン装置１４が、可撓性底面２０を有するスクリーン容器２２と、前記スクリーン容器２２の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板２４と、前記スクリーン容器２２の外側に取り付けられ、前記可撓性底面２０を押圧するための凸部２６を有する振動枠部材２８と、前記振動枠部材２８を振動させるための駆動手段３０と、を有し、前記振動枠部材２８が振動して前記スクリーン容器２２の可撓性底面２０を前記凸部２６が押圧することにより、前記スクリーン容器２２に供給された前記液供給パイプ１６からの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板２４によって異物が除去されるように構成されている。
【００２６】
図示例では、前記スクリーン容器２２は天蓋３２（図１では省略）を備え、前記天蓋３２に前記液供給パイプ１６が取り付けられ、前記貯留容器１２と接続されている。前記スクリーン容器２２のスクリーン板２４と可撓性底面２０との間に前記液排出パイプ１８が取り付けられており、前記貯留容器１２と接続されている。なお、天蓋３２には、濃度調整用の水供給パイプ４６も取り付けられており、必要に応じて水を供給することで濃度調整ができるようにされている。
【００２７】
また、前記スクリーン容器２２の上端部近傍にはオーバーフローパイプ３４が設けられており、前記液供給パイプ１８から供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器２２からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプ３４を通って前記貯留容器１２へ排出されるように構成されている。
【００２８】
図示の例では、前記オーバーフローパイプ３４を通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段３６が設けられており、レーザセンサ３８と受信機４０とで、前記オーバーフローパイプ３４を通る再生パルプ懸濁液を検知する。したがって、前記スクリーン容器２２内に供給した再生パルプ懸濁液が溢れそうになったことを、前記センサー手段３６によって知ることができるので、ユーザーは、天蓋３２を開けて溜まってきた異物を除去したり、メンテナンスをすることができる。
【００２９】
また、貯留容器１２は攪拌ロッド４２を備え、前記振動枠部材２８の振動と、前記攪拌ロッド４２の攪拌とが、同一の駆動モータである駆動手段３０によって行われる。すなわち、駆動手段３０は、歯車機構４４の働きにより、振動枠部材２８を上下に小刻みに動かして振動させる作用と、攪拌ロッド４２を回転させて攪拌する作用の両方を行う。
【００３０】
図示例では、スクリーン板２４として、図５に示すような多孔質板を使用した。図５に示すように、スクリーン板２４には多数の孔４８が開穿されている。スクリーン板２４は例えばアルミニウム合金やステンレス鋼などの金属板が使用できる。
【００３１】
また、図示例では、可撓性底面２０としては、ゴムの例を示した。かかるゴム製の可撓性底面２０を押圧するための凸部２６を有する振動枠部材２８の底板部分５０の拡大図を図６（ａ）及び図６（ｂ）に示した。
【００３２】
次に、振動枠部材２８が振動してスクリーン容器２２の可撓性底面２０を図６（ａ）及び図６（ｂ）に示した凸部２６が押圧する状態を図７に示す。図７（ａ）に示すように、押圧前は、可撓性底面２０は水平となっているが、凸部２６によって突き上げられるように押圧されると、図７（ｂ）に示すように、可撓性底面２０が中央が盛り上がった形となる。これにより、スクリーン容器２２内の再生パルプ懸濁液５２が振動せしめられ、再生パルプ懸濁液５２中の異物５４（例えば、ホッチキス、クリップやプラスチックなど）が効率的に濾過されて除去される。スクリーン板２４についてはスクリーン容器２２の内側に固定して取り付けられており振動することはない。
【００３３】
このように、振動枠部材２８が振動して前記スクリーン容器２２の可撓性底面２０を前記凸部２６が押圧することにより、前記スクリーン容器２２に供給された前記液供給パイプ１６からの再生パルプ懸濁液５２が振動せしめられるので、従来のように濾過手段自体を振動させる必要がないため、省電力となる。また、スクリーン容器２２を外して洗浄などすれば済むため、メンテナンス性にも優れる。
【００３４】
次に、本発明の古紙再生装置用異物除去タンクにおいて、スクリーン容器のスクリーン板を、取り外し式とした例を図８〜図１１に示す。
【００３５】
図８〜図１０において、符号５６は、取り外し式スクリーン板を示す。取り外し式スクリーン板５６は、図８及び図９によく示される如く、前記スクリーン板２４と同様に、多数の孔６０が開穿されたスクリーン板本体５８と、前記スクリーン板本体５８が取り付けられたスクリーン板枠体６２と、前記スクリーン板枠体６２に設けられた取っ手部材６４と、を備え、スクリーン容器６６に着脱自在に取り付けられる。なお、符号６８は、スクリーン板枠体６２の下面に設けられた突起部材である。
【００３６】
取り外し式スクリーン板５６をスクリーン容器６６に取り付けると図１０のようになる。そして、図１０の状態から、取っ手部材６４を掴んで取り外し式スクリーン板５６を引き上げれば、図９のように取り外すことができる。このように、スクリーン板が容易に取り外し可能とすることで、洗浄などのメンテナンス性がさらに向上する利点がある。
【００３７】
また、図１１によく示される如く、スクリーン容器６６には、スクリーン容器２２と同様に、天蓋７０を取り付けることができる。天蓋７０には、液供給パイプ７２と水供給パイプ７４が取り付けられている。
【００３８】
本発明の古紙再生装置用異物除去タンクは、特許文献２に開示された文書細断屑用古紙再生装置にも適用できるし、特願２０１０−２１２０５５に示された文書細断屑用古紙再生装置にも適用が可能である。
【００３９】
特許文献２に開示された文書細断屑用古紙再生装置に適用する場合には、特許文献２に開示されたパルパー装置と抄紙機の間に取り付けたり、第１パルパーと第２パルパーの間に取り付けたりすることができる。また、特願２０１０−２１２０５５に示された文書細断屑用古紙再生装置に適用する場合には、特願２０１０−２１２０５５に示された摩砕機又は濃度調整タンクと抄紙機の間に取り付けたりすることができる。
【００４０】
このように、これらの装置に組み込むことで、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去することができ、かつメンテナンス性に優れた文書細断屑用古紙再生装置となる。
【符号の説明】
【００４１】
１０：古紙再生装置用異物除去タンク、１２：貯留容器、１４：スクリーン装置、１６，７２：液供給パイプ、１８：液排出パイプ、２０：可撓性底面、２２，６６：スクリーン容器、２４：スクリーン板、２６：凸部、２８：振動枠部材、３０：駆動手段、３２，７０：天蓋、３４：オーバーフローパイプ、３６：センサー手段、３８：レーザセンサ、４０：受信機、４２：攪拌ロッド、４４：歯車機構、４６，７４：水供給パイプ、４８，６０：孔、５０：底板部分、５２：再生パルプ懸濁液、５４：異物、５６：取り外し式スクリーン板、５８：スクリーン板本体、６２：スクリーン板枠体、６４：取っ手部材、６８：突起部材。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、文書細断屑をトイレットペーパーロールに再生するための古紙再生装置に用いられる古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、文書細断屑のリサイクルが充分に図られていないことに鑑み、文書細断屑をトイレットペーパー程度の比較的低い品質の再生紙にリサイクルするのであれば、古紙再生工程の省略化及び装置の小型化・簡略化によって、文書細断屑の再生を企業、官庁、組合、団地或いは地方公共団体等の各組織単位で文書細断屑のリサイクルを可能とし、省資源・省エネルギー化、古紙回収にかかる時間短縮や労力軽減を図るべく、特許文献１に示すような文書細断屑の古紙再生方法が提案されている。
【０００３】
また、本出願人は、上記提案を実用化する上での種々の問題点を解決すべく、特許文献２に示すような文書細断屑用古紙再生装置を提案した。さらに、本出願人は、特願２０１０−２１２０５５に示すような文書細断屑用古紙再生装置も提案している。
【０００４】
上記した文書細断屑用古紙再生装置の場合、ホッパーから供給された文書細断屑に紙以外の異物が入っていた場合には、離解されずに底に溜まってしまったり、後の工程で目詰まりの原因となったりするという問題があった。
【０００５】
そこで、本出願人は、上記問題点を解決すべく、特許文献３に示すような揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置を提案した。
【０００６】
しかしながら、特許文献３に示すような揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である網籠に異物が溜まって目詰まりすると、揺動濾過装置自体を外してメンテナンスしなければならず、メンテナンス作業が大変であった。
【０００７】
また、上記した揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である円筒状の網籠を揺動させるため、電力消費が大きいという問題もあった。
【０００８】
さらに、上記した揺動濾過装置を備えた文書細断屑用古紙再生装置の場合、濾過手段である円筒状の網籠を浸水させながら揺動するため、水の抵抗を受け易く、それだけ余分な力が要るという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特開平１０−３１７２９０
【特許文献２】特開２００６−１６９７１０
【特許文献３】特開２００８−１３３５６４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去し、かつメンテナンス性に優れた古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた文書細断屑用古紙再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
上記課題を解決するために、本発明の古紙再生装置用異物除去タンクは、
古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有し、前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板によって異物が除去されるようにしてなることを特徴とする。
【００１２】
このように、前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられるので、特許文献３に示されるような円筒状の濾過手段自体を振動させる必要がなく省電力となる。また、スクリーン容器を外して洗浄などすれば済むため、メンテナンス性に優れる。
【００１３】
前記スクリーン板としては、異物を除去する濾過機能を有したスクリーン板であればよいものであり、多孔質板、網板又は篩板であるのが好ましい。
【００１４】
前記可撓性底面は、スクリーン容器の底面として防水性と密閉性を有し、かつ可撓性を有すればよいもので、例えば、ゴム又は可撓性プラスチックからなるのが好適である。
【００１５】
また、前記スクリーン容器が天蓋を備え、前記天蓋に前記液供給パイプが取り付けられ、前記スクリーン容器のスクリーン板と可撓性底面との間に前記液排出パイプが取り付けられる構成とするのが好ましい。このようにすれば、スクリーン板によって濾過され、異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へと排出することができる。
【００１６】
前記スクリーン容器のスクリーン板が、取り外し式スクリーン板であり、前記取り外し式スクリーン板が、スクリーン板本体と、前記スクリーン板本体が取り付けられたスクリーン板枠体と、前記スクリーン板枠体に設けられた取っ手部材と、を備え、前記スクリーン容器に着脱自在に取り付けられてなるように構成してもよい。このように、スクリーン板が容易に取り外し可能とすることで、洗浄などのメンテナンス性がさらに向上する利点がある。
【００１７】
さらに、前記スクリーン容器の上端部近傍にオーバーフローパイプを設け、前記液供給パイプから供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出されるように構成するのが好適である。このようにすれば、前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになった再生パルプ懸濁液が前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出される。なお、このオーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出される再生パルプ懸濁液は、スクリーン板で濾過されていないことになるが、オーバーフローする再生パルプ懸濁液は微量であり、また、スクリーン容器に溜まった再生パルプ懸濁液のうち、上澄み部分となるので、特別問題はない。
【００１８】
さらに、前記オーバーフローパイプを通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段を設け、オーバーフローを検知できるようにするのがさらに好適である。
【００１９】
貯留容器が攪拌ロッドを備え、前記振動枠部材の振動と、前記攪拌ロッドの攪拌とが、同一の駆動モータによって行われるようにするのが好適である。同一の駆動モータによって前記振動枠部材の振動と前記攪拌ロッドの攪拌とを行うことで、省電力、省スペース、及び軽量化となる利点がある。
【００２０】
本発明の文書細断屑用古紙再生装置は、上記した古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れたことを特徴とする。このように、古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れることで、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去することができ、かつメンテナンス性に優れるという利点がある。
【発明の効果】
【００２１】
本発明の古紙再生装置用異物除去タンク及びそれを用いた古紙再生装置によれば、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去し、かつメンテナンス性に優れるという著大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示し、スクリーン容器の天蓋を外した状態を示す要部概略斜視図である。
【図２】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す正面図である。
【図３】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す側面図である。
【図４】本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す平面図である。
【図５】スクリーン板の一つの実施の形態を示す平面図である。
【図６】振動枠部材の凸部の底板部分の拡大図を示し、（ａ）が平面図（ｂ）が側面図である。
【図７】振動枠部材が振動してスクリーン容器の可撓性底面を凸部が押圧する状態を示す概略断面側面図であり、（ａ）が押圧前（ｂ）が押圧中を示す。
【図８】取り外し式スクリーン板の一つの実施の形態を示す斜視図である。
【図９】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けるところを示す斜視図である。
【図１０】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けたところを示す斜視図である。
【図１１】取り外し式スクリーン板をスクリーン容器に取り付けて天蓋を取り付けたところを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００２３】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【００２４】
図において、符号１０は本発明の古紙再生装置用異物除去タンクの一つの実施の形態を示す。
【００２５】
古紙再生装置用異物除去タンク１０は、図１〜４によく示される如く、古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、貯留容器１２と、前記貯留容器１２の上方に設けられたスクリーン装置１４と、前記スクリーン装置１４に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプ１６と、前記スクリーン装置１４によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器１２へ排出するための液排出パイプ１８と、を含み、前記スクリーン装置１４が、可撓性底面２０を有するスクリーン容器２２と、前記スクリーン容器２２の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板２４と、前記スクリーン容器２２の外側に取り付けられ、前記可撓性底面２０を押圧するための凸部２６を有する振動枠部材２８と、前記振動枠部材２８を振動させるための駆動手段３０と、を有し、前記振動枠部材２８が振動して前記スクリーン容器２２の可撓性底面２０を前記凸部２６が押圧することにより、前記スクリーン容器２２に供給された前記液供給パイプ１６からの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板２４によって異物が除去されるように構成されている。
【００２６】
図示例では、前記スクリーン容器２２は天蓋３２（図１では省略）を備え、前記天蓋３２に前記液供給パイプ１６が取り付けられ、前記貯留容器１２と接続されている。前記スクリーン容器２２のスクリーン板２４と可撓性底面２０との間に前記液排出パイプ１８が取り付けられており、前記貯留容器１２と接続されている。なお、天蓋３２には、濃度調整用の水供給パイプ４６も取り付けられており、必要に応じて水を供給することで濃度調整ができるようにされている。
【００２７】
また、前記スクリーン容器２２の上端部近傍にはオーバーフローパイプ３４が設けられており、前記液供給パイプ１８から供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器２２からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプ３４を通って前記貯留容器１２へ排出されるように構成されている。
【００２８】
図示の例では、前記オーバーフローパイプ３４を通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段３６が設けられており、レーザセンサ３８と受信機４０とで、前記オーバーフローパイプ３４を通る再生パルプ懸濁液を検知する。したがって、前記スクリーン容器２２内に供給した再生パルプ懸濁液が溢れそうになったことを、前記センサー手段３６によって知ることができるので、ユーザーは、天蓋３２を開けて溜まってきた異物を除去したり、メンテナンスをすることができる。
【００２９】
また、貯留容器１２は攪拌ロッド４２を備え、前記振動枠部材２８の振動と、前記攪拌ロッド４２の攪拌とが、同一の駆動モータである駆動手段３０によって行われる。すなわち、駆動手段３０は、歯車機構４４の働きにより、振動枠部材２８を上下に小刻みに動かして振動させる作用と、攪拌ロッド４２を回転させて攪拌する作用の両方を行う。
【００３０】
図示例では、スクリーン板２４として、図５に示すような多孔質板を使用した。図５に示すように、スクリーン板２４には多数の孔４８が開穿されている。スクリーン板２４は例えばアルミニウム合金やステンレス鋼などの金属板が使用できる。
【００３１】
また、図示例では、可撓性底面２０としては、ゴムの例を示した。かかるゴム製の可撓性底面２０を押圧するための凸部２６を有する振動枠部材２８の底板部分５０の拡大図を図６（ａ）及び図６（ｂ）に示した。
【００３２】
次に、振動枠部材２８が振動してスクリーン容器２２の可撓性底面２０を図６（ａ）及び図６（ｂ）に示した凸部２６が押圧する状態を図７に示す。図７（ａ）に示すように、押圧前は、可撓性底面２０は水平となっているが、凸部２６によって突き上げられるように押圧されると、図７（ｂ）に示すように、可撓性底面２０が中央が盛り上がった形となる。これにより、スクリーン容器２２内の再生パルプ懸濁液５２が振動せしめられ、再生パルプ懸濁液５２中の異物５４（例えば、ホッチキス、クリップやプラスチックなど）が効率的に濾過されて除去される。スクリーン板２４についてはスクリーン容器２２の内側に固定して取り付けられており振動することはない。
【００３３】
このように、振動枠部材２８が振動して前記スクリーン容器２２の可撓性底面２０を前記凸部２６が押圧することにより、前記スクリーン容器２２に供給された前記液供給パイプ１６からの再生パルプ懸濁液５２が振動せしめられるので、従来のように濾過手段自体を振動させる必要がないため、省電力となる。また、スクリーン容器２２を外して洗浄などすれば済むため、メンテナンス性にも優れる。
【００３４】
次に、本発明の古紙再生装置用異物除去タンクにおいて、スクリーン容器のスクリーン板を、取り外し式とした例を図８〜図１１に示す。
【００３５】
図８〜図１０において、符号５６は、取り外し式スクリーン板を示す。取り外し式スクリーン板５６は、図８及び図９によく示される如く、前記スクリーン板２４と同様に、多数の孔６０が開穿されたスクリーン板本体５８と、前記スクリーン板本体５８が取り付けられたスクリーン板枠体６２と、前記スクリーン板枠体６２に設けられた取っ手部材６４と、を備え、スクリーン容器６６に着脱自在に取り付けられる。なお、符号６８は、スクリーン板枠体６２の下面に設けられた突起部材である。
【００３６】
取り外し式スクリーン板５６をスクリーン容器６６に取り付けると図１０のようになる。そして、図１０の状態から、取っ手部材６４を掴んで取り外し式スクリーン板５６を引き上げれば、図９のように取り外すことができる。このように、スクリーン板が容易に取り外し可能とすることで、洗浄などのメンテナンス性がさらに向上する利点がある。
【００３７】
また、図１１によく示される如く、スクリーン容器６６には、スクリーン容器２２と同様に、天蓋７０を取り付けることができる。天蓋７０には、液供給パイプ７２と水供給パイプ７４が取り付けられている。
【００３８】
本発明の古紙再生装置用異物除去タンクは、特許文献２に開示された文書細断屑用古紙再生装置にも適用できるし、特願２０１０−２１２０５５に示された文書細断屑用古紙再生装置にも適用が可能である。
【００３９】
特許文献２に開示された文書細断屑用古紙再生装置に適用する場合には、特許文献２に開示されたパルパー装置と抄紙機の間に取り付けたり、第１パルパーと第２パルパーの間に取り付けたりすることができる。また、特願２０１０−２１２０５５に示された文書細断屑用古紙再生装置に適用する場合には、特願２０１０−２１２０５５に示された摩砕機又は濃度調整タンクと抄紙機の間に取り付けたりすることができる。
【００４０】
このように、これらの装置に組み込むことで、再生パルプ懸濁液中の異物を効率的に除去することができ、かつメンテナンス性に優れた文書細断屑用古紙再生装置となる。
【符号の説明】
【００４１】
１０：古紙再生装置用異物除去タンク、１２：貯留容器、１４：スクリーン装置、１６，７２：液供給パイプ、１８：液排出パイプ、２０：可撓性底面、２２，６６：スクリーン容器、２４：スクリーン板、２６：凸部、２８：振動枠部材、３０：駆動手段、３２，７０：天蓋、３４：オーバーフローパイプ、３６：センサー手段、３８：レーザセンサ、４０：受信機、４２：攪拌ロッド、４４：歯車機構、４６，７４：水供給パイプ、４８，６０：孔、５０：底板部分、５２：再生パルプ懸濁液、５４：異物、５６：取り外し式スクリーン板、５８：スクリーン板本体、６２：スクリーン板枠体、６４：取っ手部材、６８：突起部材。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、
貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、
前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有し、
前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板によって異物が除去されるようにしてなることを特徴とする古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項２】
前記スクリーン板が、多孔質板、網板又は篩板であることを特徴とする請求項１記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項３】
前記可撓性底面がゴム又は可撓性プラスチックからなることを特徴とする請求項１又は２記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項４】
前記スクリーン容器が天蓋を備え、前記天蓋に前記液供給パイプが取り付けられ、前記スクリーン容器のスクリーン板と可撓性底面との間に前記液排出パイプが取り付けられてなることを特徴とする請求項１〜３いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項５】
前記スクリーン容器のスクリーン板が、取り外し式スクリーン板であり、前記取り外し式スクリーン板が、スクリーン板本体と、前記スクリーン板本体が取り付けられたスクリーン板枠体と、前記スクリーン板枠体に設けられた取っ手部材と、を備え、前記スクリーン容器に着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項１〜４いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項６】
前記スクリーン容器の上端部近傍にオーバーフローパイプを設け、前記液供給パイプから供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出されるようにしたことを特徴とする請求項１〜５いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項７】
前記オーバーフローパイプを通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段を設け、オーバーフローを検知できるようにしたことを特徴とする請求項６記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項８】
前記貯留容器が攪拌ロッドを備え、前記振動枠部材の振動と、前記攪拌ロッドの攪拌とが、同一の駆動モータによって行われるようにしたことを特徴とする請求項１〜７いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項９】
請求項１〜８いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れたことを特徴とする文書細断屑用古紙再生装置。
【請求項１】
古紙を離解して再生パルプ懸濁液とし、前記再生パルプ懸濁液から再生紙を抄造する文書細断屑用古紙再生装置において用いられ、再生パルプ懸濁液中の異物を除去するための古紙再生装置用異物除去タンクであって、
貯留容器と、前記貯留容器の上方に設けられたスクリーン装置と、前記スクリーン装置に再生パルプ懸濁液を供給するための液供給パイプと、前記スクリーン装置によって異物が除去された再生パルプ懸濁液を前記貯留容器へ排出するための液排出パイプと、を含み、
前記スクリーン装置が、可撓性底面を有するスクリーン容器と、前記スクリーン容器の上端部と下端部の間の内側に取り付けられ、異物を除去するためのスクリーン板と、前記スクリーン容器の外側に取り付けられ、前記可撓性底面を押圧するための凸部を有する振動枠部材と、前記振動枠部材を振動させるための駆動手段と、を有し、
前記振動枠部材が振動して前記スクリーン容器の可撓性底面を前記凸部が押圧することにより、前記スクリーン容器に供給された前記液供給パイプからの再生パルプ懸濁液が振動せしめられ、前記スクリーン板によって異物が除去されるようにしてなることを特徴とする古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項２】
前記スクリーン板が、多孔質板、網板又は篩板であることを特徴とする請求項１記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項３】
前記可撓性底面がゴム又は可撓性プラスチックからなることを特徴とする請求項１又は２記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項４】
前記スクリーン容器が天蓋を備え、前記天蓋に前記液供給パイプが取り付けられ、前記スクリーン容器のスクリーン板と可撓性底面との間に前記液排出パイプが取り付けられてなることを特徴とする請求項１〜３いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項５】
前記スクリーン容器のスクリーン板が、取り外し式スクリーン板であり、前記取り外し式スクリーン板が、スクリーン板本体と、前記スクリーン板本体が取り付けられたスクリーン板枠体と、前記スクリーン板枠体に設けられた取っ手部材と、を備え、前記スクリーン容器に着脱自在に取り付けられてなることを特徴とする請求項１〜４いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項６】
前記スクリーン容器の上端部近傍にオーバーフローパイプを設け、前記液供給パイプから供給された再生パルプ懸濁液が前記スクリーン容器からオーバーフローしそうになると、前記オーバーフローパイプを通って前記貯留容器へ排出されるようにしたことを特徴とする請求項１〜５いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項７】
前記オーバーフローパイプを通る再生パルプ懸濁液を検知するためのセンサー手段を設け、オーバーフローを検知できるようにしたことを特徴とする請求項６記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項８】
前記貯留容器が攪拌ロッドを備え、前記振動枠部材の振動と、前記攪拌ロッドの攪拌とが、同一の駆動モータによって行われるようにしたことを特徴とする請求項１〜７いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンク。
【請求項９】
請求項１〜８いずれか１項記載の古紙再生装置用異物除去タンクを組み入れたことを特徴とする文書細断屑用古紙再生装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１３−９６０３２（Ｐ２０１３−９６０３２Ａ）
【公開日】平成２５年５月２０日（２０１３．５．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２４０１８８（Ｐ２０１１−２４０１８８）
【出願日】平成２３年１１月１日（２０１１．１１．１）
【出願人】（０００１７０３４７）合資会社オリエンタル (21)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月２０日（２０１３．５．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月１日（２０１１．１１．１）
【出願人】（０００１７０３４７）合資会社オリエンタル (21)
【Ｆターム（参考）】
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