説明

可動落下位置を有するコンベヤーシステム

【課題】
【解決手段】ソーセージひも状体を搬送するコンベヤーシステムであり、このコンベヤーシステムは、作業台に摺動可能に取り付けられるキャリッジを有し、前記キャリッジは端部旋回スプロケットを有し、前記ひも状体を燻煙棒の上に落下させ、前記キャリッジが移動して、前記ひも状体を前記燻煙棒の長さに沿って落下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーセージループを燻煙棒に搬送して、更に処理するコンベヤーシステムに関する。更に本発明は、可動落下位置を有するコンベヤーシステムにも関するにものである。
【背景技術】
【0002】
ソーセージループを搬送するコンベヤーシステムは、この技術分野では公知である。連鎖状ソーセージを調製する場合、普通、ソーセージケーシングを、燻煙棒を取り囲むようにループ状に巻く必要がある。通常、このケーシングは、コンベヤーチェーンに取り付けられるフックに、自動的にループ状に吊り下げられ、このコンベヤーチェーンで、このループを投入位置から遠ざかるように、そして繰り出し位置に向かうように搬送する。燻煙棒を、これらのループに挿通し、フックから離れるように持ち上げて、ループをフックから燻煙棒に移し替える。この移し替えは、手動で、または自動で行なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのループが燻煙棒を取り囲むようにするために、ループは、ソーセージが接触することがなく、一様な調理を実現することができるように、十分遠く離して配置する必要がある。また、燻煙棒を取り囲むループの数を最大にして、オーブン空間を効率的に使用するために、互いに十分近接して配置する必要もある。また、これらのケーシングは、ケーシング全体が、1本の燻煙棒を取り囲むように、ループ状にする必要がある。これらのループの間隔は、主として、ソーセージの直径によって変わる。この間隔を調整するために、複数のコンベヤーを、異なるフック間隔がソーセージの異なるサイズに対応するように利用する。ソーセージのサイズが変化すると、フック間隔も変える必要があるが、この操作は難しく、かつ長い時間を要する。また、現在のコンベヤーに関しては、ループで一杯になった燻煙棒を取り外し、そして空いている燻煙棒を配置して、更に処理するために時間が必要になる。燻煙棒を取り外し、そして取り替えるために時間が必要になるため、ソーセージの製造に時間が掛かることとなり、かつオーブンに詰め込むための時間が更に必要になる。従って、この技術分野では、これらの不具合を解決するコンベヤーシステムが要求されている。
【0004】
本発明の1つの目的は、可動落下位置を有するコンベヤーシステムを提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、燻煙棒を取り囲んで配置される複数のループの間隔を容易に調整しうるコンベヤーシステムを提供することにある。
【0006】
本発明の更に別の目的は、燻煙棒の取り外し、及び取り替えに要する時間を短縮しうるコンベヤーシステムを提供することにある。
【0007】
これらの目的、及びそれ以外の目的は、この技術分野の当業者であれば、図面、以下の説明、及び請求項から明らかになると思う。
【課題を解決するための手段】
【0008】
コンベヤーシステム/アセンブリは、フレームで支持される作業台を有する。可動キャリッジは、前記作業台の開口部内に摺動可能に取り付けられている。前記キャリッジは、スプロケット/プーリーと、前記スプロケット/プーリーに取り付けられる端部旋回スプロケット/プーリー、または落下位置スプロケット/プーリーとを有する。また、前記作業台に取り付けられるのは、複数の引張りスプロケット/プーリーである。前記チェーンに係留される複数のフックを有する連続搬送チェーンを、これらのスプロケット/プーリーの回りに掛け回す。これらのフックに、細長ソーセージひも状体を投入ステーションの位置で引っ掛け、そしてこれらのフックで、前記ひも状体を落下位置に、または繰り出しステーションに搬送する。一旦、前記ひも状体が前記繰り出しステーションに達すると、前記キャリッジは前記投入ステーションに向かって移動し、これによって、前記端部旋回スプロケット/プーリーは、前記投入ステーションに向かって移動する。前記端部旋回スプロケット/プーリーが前記投入ステーションに向かって移動するので、前記ソーセージひも状体が繰り出されて、隣接する前記燻煙棒を取り囲むようになる。一旦、前記燻煙棒への装着が行なわれると、前記キャリッジはスタート位置に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】コンベヤーシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
コンベヤーシステム10は、フレーム14によって支持される作業台12を有する。作業台12は通常、垂直に配置されるが、フレーム14によって水平に支持してもよい。スプロケット、プーリーなどのような複数の回転部材16を、台12の外周縁に隣接して取り付ける。連続搬送チェーンまたはベルト18を、スプロケット16に巻き掛ける。複数のフック20を、チェーン18にいずれかの従来の方法で引っ掛けて留める。これらのスプロケット16のうち、通常、投入位置40に位置する1つのスプロケットを、電動モータによって駆動して、チェーン18及びフック20が、投入位置40の傍を通って移動するようにする。台12の開口部22に摺動可能に取り付けられるのは、キャリッジ24である。キャリッジ24はプレート26を有し、このプレート26の上に、第1のスプロケット28が、回転可能に取り付けられている。第2の端部旋回部、または第2の(落下位置)スプロケット30が、更にプレート26に取り付けられている。ある実施形態では、ワイパー32を落下位置スプロケット30に、またはプレート26に取り付ける。燻煙棒34が、作業台12の近傍に取り外し可能に配置されている。
【0011】
作動状態では、連鎖状ソーセージの細長ひも状体36が、ソーセージ詰め/結束機のホーン38を介して供給され、その後、ひも状体36がフック20の経路に送り出される。これらのフックは、台12の端部42のループ形成位置、または投入ステーション40の傍を通って移動している。
【0012】
ひも状体36をフック20に引っ掛けた後、チェーン18により、ひも状体36を端部42から端部44へ搬送する。ひも状体36が落下位置スプロケット30に達すると、ひも状体36は重力により、および/またはワイパー32に引っ掛かって落下し、燻煙棒34を取り囲む。
【0013】
ひも状体36が落下位置スプロケット30に達すると、台12に取り付けられたセンサ46はひも状体36の存在を検出し、その信号を、コントローラ48に送信する。別の構成として、センサ46をプレート26に取り付ける。コントローラ48は、当該信号を処理し、アクチュエータ50を駆動するか、またはキャリッジ24に接続される他の機械装置、電気機械装置、または油圧装置を駆動する。一旦、駆動されると、アクチュエータ50によって、キャリッジ24は、端部44から端部42に向かって、作業台12の開口部22に沿って所定の速度で移動する。アクチュエータ50によって、キャリッジを移動させる速度は、チェーン18の駆動速度、及び燻煙棒の上の所望の間隔に応じて決まる。この所望の間隔は、コントローラ48に入力される。キャリッジ24が、端部44から端部42に向かって移動するので、落下位置が燻煙棒34の長さに沿って移動して、所望の間隔を燻煙棒34の上に形成する。別の構成として、スプロケット28を、電動モータ(図示せず)による方法のような従来の方法により駆動して、チェーン18がスプロケット16,28,及び30の回りを移動するようにする。所定の差が、投入位置40におけるチェーン18の相対速度と落下位置30におけるチェーン18の相対速度との間に生じることにより、キャリッジ24が台12の内部で移動するようになる。
【0014】
一旦、落下位置が燻煙棒34の端部に達し、燻煙棒34が、ソーセージループで一杯になると、コントローラ48は、アクチュエータ50を駆動して、キャリッジ24が端部44の当該キャリッジのスタート位置に戻るようにする。キャリッジ24がスタート位置に戻ると、ソーセージループで一杯になった燻煙棒34を取り外し、空いている燻煙棒34に取り替える。この動作が行なわれるので、連鎖状ソーセージをループ形成位置40のフック20に供給する動作を中断しなくても済む。
【0015】
このようにして、上述の目的の全てを最低限満たすことができるキャリッジアセンブリが提供される。
【符号の説明】
【0016】
10コンベヤーシステム
12作業台
14フレーム
16回転部材
18連続搬送チェーン、ベルト
20フック
22開口部
24キャリッジ
26プレート
28第1のスプロケット
30第2の端部旋回部、第2の(落下位置)スプロケット
32ワイパー
34燻煙棒
36ひも状体
38ホーン
40投入位置、投入ステーション
42,44端部
46センサ
48コントローラ
50アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連鎖状ソーセージひも状体用コンベヤーシステムであって、フレームで支持される作業台と、前記作業台に摺動可能に取り付けられるキャリッジと、前記作業台及び前記キャリッジに取り付けられる複数の回転部材と、前記回転部材に取り付けられる連続搬送チェーンと、そして前記チェーンに係留される複数のフックとを備えるコンベヤーシステム。
【請求項2】
第1の回転部材及び端部旋回部材が、前記キャリッジに取り付けられている、請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項3】
アクチュエータが、前記キャリッジに作動可能に接続されている、請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項4】
前記第1の回転部材は、モータにより駆動される、請求項2に記載のコンベヤーシステム。
【請求項5】
センサが前記台に取り付けられている、請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項6】
センサが、前記キャリッジに取り付けられている、請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項7】
ワイパーが、前記キャリッジに取り付けられている、請求項1に記載のコンベヤーシステム。
【請求項8】
連鎖状ソーセージひも状体を燻煙棒に装着する方法であって、連鎖状ソーセージひも状体を、コンベヤーシステムに取り付けられる複数のフックに投入ステーションの位置で供給するステップと、前記連鎖状ソーセージひも状体を、前記投入ステーションから繰り出しステーションに搬送するステップと、記連鎖状ソーセージひも状体を燻煙棒に繰り出すステップと、前記繰り出しステーションを、前記ひも状体を前記燻煙棒の長さに沿って前記投入ステーションの方に向かって繰り出しながら移動させるステップとを含む方法。
【請求項9】
前記ひも状体を、前記繰り出しステーションの位置で検出し、前記コントローラに通知するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記繰り出しステーションを所定の速度で移動させる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ひも状体を前記複数のフックに、前記繰り出しステーションを前記投入ステーションから離れるように移動させているときに引っ掛けるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記所定の速度は、前記連鎖状ソーセージひも状体を搬送して、前記ひも状体の所望の間隔を前記燻煙棒の上に形成するために使用されるコンベヤーシステムのチェーンの駆動速度に基づいて決定される、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−511747(P2011−511747A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546049(P2010−546049)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/033397
【国際公開番号】WO2009/100334
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(506148349)ストーク タウンゼント インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】