説明

可変印刷情報管理システム及びプログラム

【課題】可変印刷において出力された印刷物のうち所望の配布先に対応する印刷物の内容を表示する情報を選択的に生成し提供する。
【解決手段】管理サーバ10は、印刷文書の雛形を表す雛形情報と、当該雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報を含む可変情報群とを取得し、雛形情報と、可変情報群と、可変情報群に含まれる複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付け、ユーザ端末30から受け付けた情報により特定した配布先の情報に関連付けられた雛形情報と可変情報群とを特定し、特定された可変情報群に含まれる複数の可変情報のうち、特定した配布先の情報に対応する可変情報を雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成し、生成した表示情報をユーザ端末30に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変印刷情報管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
出力された印刷物の内容を示す印刷用データとともに、印刷物の内容を表示する表示用データを保存して、利用者の要求に応じて保存した表示用データに基づいて印刷物の内容を閲覧可能としたシステムがある(例えば、下記の特許文献1を参照)。
【0003】
これに対して、印刷文書の雛形に複数の可変情報(バリアブルデータ)を順に埋め込んで印刷する可変印刷(バリアブル印刷)を行う場合には、印刷した全ての印刷物の各々に対して表示用データを予め生成し保存しておくこととすると、必要な記憶容量が膨大となり、記憶装置やバックアップ装置等の運用や管理に負担を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−221338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、可変印刷において出力された印刷物のうち所望の配布先に対応する印刷物の内容を表示する情報を選択的に生成し提供できる可変印刷情報管理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、印刷文書の雛形を表す雛形情報と、当該雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報を含む可変情報群とを取得する取得手段と、前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付ける手段と、情報端末から受け付けた情報により特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群とを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した表示情報を前記情報端末に提供する提供手段と、を含むことを特徴とする可変印刷情報管理システムである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ暗号化して格納手段に格納する手段と、前記暗号化された前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ復号化する復号化手段と、をさらに含み、前記関連付ける手段は、前記暗号化された前記雛形情報の格納先と、前記暗号化された前記可変情報群の格納先と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付け、前記特定手段は、前記特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報の格納先と、前記可変情報群の格納先とを特定し、前記復号化手段は、前記特定手段により特定された前記雛形情報の格納先と、前記可変情報群の格納先とに基づいて前記格納手段から取得した、前記暗号化された前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ復号化し、前記生成手段は、前記復号化された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を、前記復号化された前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の可変印刷情報管理システムである。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記雛形情報と前記可変情報群のハッシュ値を算出する算出手段をさらに含み、前記関連付ける手段は、前記雛形情報と当該雛形情報のハッシュ値、及び前記可変情報群と当該可変情報群のハッシュ値を関連付けて記憶手段に記憶し、前記格納する手段は、前記算出手段により算出されたハッシュ値が前記記憶手段に記憶されていない場合には当該ハッシュ値が算出された前記雛形情報又は前記可変情報群を前記格納手段に格納せず、前記算出手段により算出されたハッシュ値が前記記憶手段に記憶されている場合には当該ハッシュ値が算出された前記雛形情報又は前記可変情報群を前記格納手段に格納することを特徴とする請求項2に記載の可変印刷情報管理システムである。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記関連付ける手段は、前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報と、前記雛形情報と前記可変情報群に基づいて印刷処理が行われた処理日時の情報とを関連付け、前記情報端末から受け付けた情報には、配布先の情報と処理日時の情報とを含み、前記特定手段は、前記情報端末から受け付けた前記配布先の情報が関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群のうち、前記情報端末から受け付けた処理日時の情報と最も近い処理日時の前記雛形情報と前記可変情報群を特定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可変印刷情報管理システムである。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、印刷文書の雛形を表す雛形情報と、当該雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報を含む可変情報群とを取得する取得手段と、前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付ける手段と、情報端末から受け付けた情報により特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群とを特定する特定手段と、前記特定手段により特定された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した表示情報を前記情報端末に提供する提供手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び5に記載の発明によれば、可変印刷において出力された印刷物のうち所望の配布先に対応する印刷物の内容を表示する情報を選択的に生成し提供できる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、雛形情報と可変情報群を暗号化して保存しない場合に比べて、雛形情報と可変情報群の管理時のセキュリティを高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、格納する雛形情報と可変情報群に重複がないようにできる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、印刷物の配布先と処理日時とに基づいて、所望の雛形情報と可変情報を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係るバリアブル印刷システムのシステム構成図である。
【図2】可変印刷処理及び可変印刷処理に係るデータの管理処理の第1の実施例に係るシーケンス図である。
【図3】雛形画像の一例を示す図である。
【図4】バリアブルデータの一例を示す図である。
【図5】印刷画像の一例を示す図である。
【図6】ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【図7】リンク情報の一例を示す図である。
【図8】印刷ログテーブルの一例を示す図である。
【図9】ユーザ端末から受け付けた印刷物の閲覧要求の処理のシーケンス図である。
【図10】可変印刷処理及び可変印刷処理に係るデータの管理処理の第2の実施例に係るシーケンス図である。
【図11】第2の実施例において記録される印刷ログテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係るバリアブル印刷システム1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、バリアブル印刷システム1は、管理サーバ10、印刷装置20、及びユーザ端末30を含み、管理サーバ10、印刷装置20、及びユーザ端末30はネットワーク40を介して相互にデータ通信可能に接続される。
【0018】
管理サーバ10は、印刷文書の雛形(テンプレート)を示す雛形情報(テンプレートデータ)と、印刷文書の雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報(バリアブルレコード)を含む可変情報群(バリアブルデータ)とに基づいて印刷ジョブを生成し、印刷ジョブを印刷装置20に出力して印刷処理を実行させるとともに、印刷処理に係る雛形情報と可変情報群とを記憶し管理するコンピュータである。
【0019】
また、管理サーバ10は、CPU等の制御手段、メモリや磁気ディスク装置等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信手段等を備えたコンピュータにより実現されることとしてよく、管理サーバ10はコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで、上記の処理を実現することとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によって管理サーバ10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0020】
印刷装置20は、管理サーバ10から入力された印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する画像形成装置である。印刷装置20は、ハードウェア構成として、CPU等の制御手段、メモリや磁気ディスク装置等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信手段、及び画像を形成する画像形成手段等を備える。
【0021】
ユーザ端末30は、管理サーバ10に印刷装置20で印刷された印刷物の内容を表示する表示用データを要求し、管理サーバ10で生成された表示用データを取得し表示するコンピュータである。ユーザ端末30は、ハードウェア構成として、CPU等の制御手段、メモリや磁気ディスク装置等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する通信手段、液晶ディスプレイ等の表示手段等を備える。
【0022】
以下、図2に示した第1の実施例に係るシーケンス図を参照しながら、バリアブル印刷システム1における可変印刷処理及び可変印刷処理に係るデータの管理処理の一例を説明する。
【0023】
図2に示されるように、管理サーバ10は、内部又は図示しない外部のデータベースから、印刷処理に係る雛形情報(テンプレートデータ)及び可変情報群(バリアブルデータ)を取得する(S101)。
【0024】
図3には、テンプレートデータに基づいて出力される雛形画像の一例を示した。図3に示される雛形画像は、請求書のフォームを示しており、請求書の内容(氏名、住所、請求明細等)については空欄となっている。
【0025】
図4には、バリアブルデータの一例を示した。図4に示されるバリアブルデータは、複数のレコードを含み、各レコードには、テンプレートデータの空欄部分に埋め込むデータ(氏名、住所、請求明細等)が格納される。
【0026】
図5には、テンプレートデータと、バリアブルデータに含まれる1レコード(例えばユーザID=U0001に対応するレコード)に基づいて出力される印刷画像の一例を示した。図5に示される印刷画像は、雛形画像の空欄に、バリアブルデータのユーザID=U0001のレコードに格納された各情報を埋め込んで生成されるものである。
【0027】
次に、管理サーバ10は、S101で取得したバリアブルデータ内のユーザ情報を参照し、ユーザ情報に各ユーザを識別するユーザIDが含まれているか否かを判断し(S102)、ユーザIDが含まれていない場合には(S102:N)、ユーザ名及び住所の組が一意となるようにユーザIDを付与した上で(S103)、ユーザIDに、ユーザ名及び住所を関連付けてユーザ情報テーブル(図6参照)に記録する(S104)。そして、S102でユーザIDが含まれている場合には(S102:Y)、そのユーザIDに、ユーザ名及び住所を関連付けてユーザ情報テーブルに記録する(S104)。
【0028】
図6には、ユーザ情報テーブルの一例を示した。図6に示されるユーザ情報テーブルは、ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、ユーザ名及び住所(配布先情報)が記憶される。
【0029】
次に、管理サーバ10は、テンプレートデータとバリアブルデータのそれぞれのハッシュ値を算出し(S105)、算出されたハッシュ値が既に管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じか否かを判断する(S106)。S106で、S105で算出されたハッシュ値が管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じでないと判断される場合には(S106:Y)、管理サーバ10は、S101で取得されたテンプレートデータとバリアブルデータのそれぞれを非対称鍵によって暗号化して(S107)、暗号化された各データを格納する(S108)。
【0030】
管理サーバ10は、S108の後、及び、S106で、S105で算出されたハッシュ値が管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じであると判断された場合に(S106:Y)、テンプレートデータとバリアブルデータとの対応関係を示すリンク情報(図7参照)を更新する(S109)。
【0031】
図7には、リンク情報の一例を示した。図7に示されるリンク情報には、テンプレートデータとバリアブルデータとの組をそれぞれ識別するリンクID、テンプレートデータのハッシュ値、テンプレートデータの格納先(パス)、バリアブルデータのハッシュ値、バリアブルデータの格納先(パス)がそれぞれ関連付けて記憶される。
【0032】
なお、S106において、S105で算出されたハッシュ値が管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じか否かは、リンク情報の中にS105で算出されたハッシュ値が含まれるか否かにより判断することとしてよい。
【0033】
次に、管理サーバ10は、S101で取得したテンプレートデータとバリアブルデータに基づいて、印刷ジョブを生成し(S110)、生成した印刷ジョブを印刷装置20に送信する(S111)。ここで、管理サーバ10では、印刷ジョブを識別するジョブID、テンプレートデータとバリアブルデータの組を識別するリンクID、バリアブルデータに含まれる各レコードが対応するユーザを識別するユーザIDのリストを関連付けて記憶しておくこととしてよい。
【0034】
印刷装置20は、管理サーバ10から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷処理を実行し(S112)、印刷処理の結果を示す出力情報を管理サーバ10に送信する(S113)。出力情報には、印刷ジョブを識別するジョブID、処理結果、処理日時等が含まれることとしてよい。
【0035】
管理サーバ10は、印刷装置20から受信した出力情報に基づいて、印刷履歴を印刷ログテーブル(図8参照)に記録し(S114)、処理を終了する。
【0036】
図8には、印刷ログテーブルの一例を示した。図8に示される印刷ログテーブルは、印刷ジョブを識別するジョブID、リンクID、ユーザIDのリスト、処理日時が関連付けて記憶される。
【0037】
次に、図9に示した第1の実施例に係るシーケンス図を参照しながら、バリアブル印刷システム1においてユーザ端末30から受け付けた印刷物の閲覧要求の処理の一例を説明する。
【0038】
図9に示されるように、ユーザ端末30ではユーザから入力された情報に基づいて、ユーザ情報(ユーザID又は/及びユーザ名、住所を含む)と処理日時を含む検索クエリを生成し(S201)、検索クエリを管理サーバ10に送信する(S202)。
【0039】
管理サーバ10は、ユーザ端末30から受信した検索クエリに含まれるユーザ情報に基づいてユーザIDを特定する(S203)。例えば、ユーザ情報にユーザIDが含まれていない場合には、ユーザ名及び住所に基づいてユーザ情報テーブルから対応するユーザIDを特定することとしてよい。
【0040】
管理サーバ10は、S203で特定したユーザIDと検索クエリに含まれる処理日時をキーとして、印刷ログテーブルの中からリンクIDを特定する(S204)、例えば、管理サーバ10は、印刷ログテーブルにおいてS203で特定したユーザIDを含むレコードのうち、検索クエリに含まれる処理日時に最も近いレコードに含まれるリンクIDを特定することとしてよい。また、検索クエリに処理日時が含まれない場合には、印刷ログテーブルにおいてS203で特定したユーザIDを含むレコードを全て特定することとしてもよい。
【0041】
管理サーバ10は、S204で特定したリンクIDをキーとしてリンク情報の中から、テンプレートデータとバリアブルデータのそれぞれの格納先を特定し(S205)、それぞれの格納先に格納されたテンプレートデータとバリアブルデータを復号化する(S206)。
【0042】
管理サーバ10は、S206で復号化されたバリアブルデータの中からS203で特定したユーザID(又はユーザ名及び住所)を含む可変情報(レコード)を抽出し(S207)、復号化されたテンプレートデータに、S207で抽出された可変情報(レコード)を埋め込んで印刷画像を表示する表示用データを生成する(S208)。管理サーバ10は、S208で生成した表示用データをユーザ端末30に送信する(S209)。
【0043】
ユーザ端末30は、管理サーバ10から受信した表示用データに基づいて印刷画像を表示して(S210)、処理を終了する。
【0044】
次に、図10に示したシーケンス図を参照しながら、バリアブル印刷システム1における可変印刷処理及び可変印刷処理に係るデータの管理処理の第2の実施例について説明する。なお、第2の実施例では、印刷ジョブを識別するジョブIDがバリアブルデータに含まれる1レコードごとに付与される点で第1の実施例と異なる。
【0045】
図10に示されるように、管理サーバ10は、内部又は外部のデータベースから、印刷処理に係る雛形情報(テンプレートデータ)及び可変情報群(バリアブルデータ)を取得する(S301)。
【0046】
次に、管理サーバ10は、取得したバリアブルデータ内のユーザ情報を参照し、ユーザ情報に各ユーザを識別するユーザIDが含まれているか否かを判断し(S302)、ユーザIDが含まれていない場合には(S302:N)、ユーザ名及び住所の組が一意となるようにユーザIDを付与した上で(S303)、ユーザIDに、ユーザ名及び住所を関連付けてユーザ情報テーブルに記録する(S304)。そして、S302でユーザIDが含まれている場合には(S302:Y)、そのユーザIDに、ユーザ名及び住所を関連付けてユーザ情報テーブルに記録する(S304)。
【0047】
次に、管理サーバ10は、テンプレートデータとバリアブルデータのそれぞれのハッシュ値を算出し(S305)、算出されたハッシュ値が既に管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じか否かを判断する(S306)。S306で、S305で算出されたハッシュ値が管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じでないと判断される場合には(S306:Y)、管理サーバ10は、S301で取得されたテンプレートデータとバリアブルデータのそれぞれを非対称鍵によって暗号化して(S307)、暗号化された各データを格納する(S308)。
【0048】
管理サーバ10は、S308の後、及び、S306で、S305で算出されたハッシュ値が管理サーバ10に記憶されているテンプレートデータ又はバリアブルデータのハッシュ値と同じであると判断された場合に(S306:Y)、テンプレートデータとバリアブルデータとの対応関係を示すリンク情報を更新する(S309)。
【0049】
次に、管理サーバ10は、S301で取得したバリアブルデータのうち未処理のレコード(レコードi、i=1〜N、iの初期値=1とする)を1つ選択し(S310)、選択したレコードiとS301で取得したテンプレートデータとに基づいて、印刷ジョブを生成し(S311)、生成した印刷ジョブを印刷装置20に送信する(S312)。ここで、管理サーバ10では、印刷ジョブを識別するジョブID、テンプレートデータとバリアブルデータの組を識別するリンクID、レコードiに対応するユーザを識別するユーザIDを関連付けて記憶しておくこととしてよい。
【0050】
印刷装置20は、管理サーバ10から受信した印刷ジョブに基づいて、印刷処理を実行し(S313)、印刷処理の結果を示す出力情報を管理サーバ10に送信する(S314)。出力情報には、印刷ジョブを識別するジョブID、処理結果、処理日時等が含まれることとしてよい。
【0051】
管理サーバ10は、印刷装置20から受信した出力情報に基づいて、印刷履歴を印刷ログテーブルに記録する(S315)。
【0052】
図11には、第2の実施例において記録される印刷ログテーブルの一例を示した。図11に示される印刷ログテーブルは、印刷ジョブを識別するジョブID、リンクID、ユーザID、処理日時が関連付けて記憶される。第2の実施例におけるジョブIDとユーザIDとは一対一で対応している点で第1の実施例と異なっている。
【0053】
管理サーバ10は、未処理のレコードが残っている(すなわちi=N)場合には(S316:Y)、iをインクリメントして(S317)、S311に戻り、未処理のレコードが残っていない場合には(S316:N)、処理を終了する。
【0054】
第2の実施例により記録されたデータに基づいてユーザ端末30から受け付けた印刷物の閲覧要求を処理するシーケンスは、図9で示したシーケンスを同様であるため説明を省略する。
【0055】
以上説明した、本実施形態に係るバリアブル印刷システム1では、ユーザ端末30からの閲覧要求に係る印刷物についての表示用データを、当該閲覧要求を受け付けてから生成しユーザ端末30に提供している。これにより、バリアブル印刷に用いるテンプレートデータと、バリアブルデータとに基づき印刷される複数の印刷物の各々について予め表示用データを生成しておく必要が無くなるため、表示用データを格納するデータ領域や、不要な表示用データを生成する処理負荷が不要となる。
【0056】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、テンプレートデータ、バリアブルデータ、リンク情報を記憶するデータベースを管理サーバ10の外部に設けることとしてもよい。また、テンプレートデータとバリアブルデータに加えて、リンク情報をさらに暗号化するようにしても構わない。
【符号の説明】
【0057】
1 バリアブル印刷システム、10 管理サーバ、20 印刷装置、30 ユーザ端末、40 ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷文書の雛形を表す雛形情報と、当該雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報を含む可変情報群とを取得する取得手段と、
前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付ける手段と、
情報端末から受け付けた情報により特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群とを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した表示情報を前記情報端末に提供する提供手段と、を含む
ことを特徴とする可変印刷情報管理システム。
【請求項2】
前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ暗号化して格納手段に格納する手段と、
前記暗号化された前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ復号化する復号化手段と、をさらに含み、
前記関連付ける手段は、前記暗号化された前記雛形情報の格納先と、前記暗号化された前記可変情報群の格納先と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付け、
前記特定手段は、前記特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報の格納先と、前記可変情報群の格納先とを特定し、
前記復号化手段は、前記特定手段により特定された前記雛形情報の格納先と、前記可変情報群の格納先とに基づいて前記格納手段から取得した、前記暗号化された前記雛形情報と前記可変情報群とをそれぞれ復号化し、
前記生成手段は、前記復号化された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を、前記復号化された前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の可変印刷情報管理システム。
【請求項3】
前記雛形情報と前記可変情報群のハッシュ値を算出する算出手段をさらに含み、
前記関連付ける手段は、前記雛形情報と当該雛形情報のハッシュ値、及び前記可変情報群と当該可変情報群のハッシュ値を関連付けて記憶手段に記憶し、
前記格納する手段は、前記算出手段により算出されたハッシュ値が前記記憶手段に記憶されていない場合には当該ハッシュ値が算出された前記雛形情報又は前記可変情報群を前記格納手段に格納せず、前記算出手段により算出されたハッシュ値が前記記憶手段に記憶されている場合には当該ハッシュ値が算出された前記雛形情報又は前記可変情報群を前記格納手段に格納する
ことを特徴とする請求項2に記載の可変印刷情報管理システム。
【請求項4】
前記関連付ける手段は、前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報と、前記雛形情報と前記可変情報群に基づいて印刷処理が行われた処理日時の情報とを関連付け、
前記情報端末から受け付けた情報には、配布先の情報と処理日時の情報とを含み、
前記特定手段は、前記情報端末から受け付けた前記配布先の情報が関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群のうち、前記情報端末から受け付けた処理日時の情報と最も近い処理日時の前記雛形情報と前記可変情報群を特定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の可変印刷情報管理システム。
【請求項5】
印刷文書の雛形を表す雛形情報と、当該雛形にそれぞれ埋め込んで印刷する複数の可変情報を含む可変情報群とを取得する取得手段と、
前記雛形情報と、前記可変情報群と、前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のそれぞれが対応する配布先の情報とを関連付ける手段と、
情報端末から受け付けた情報により特定した配布先の情報に関連付けられた前記雛形情報と前記可変情報群とを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記可変情報群に含まれる前記複数の可変情報のうち、前記特定した配布先の情報に対応する可変情報を前記雛形情報に埋め込んで表示する表示情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した表示情報を前記情報端末に提供する提供手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−101453(P2013−101453A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244257(P2011−244257)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】