説明

可変容積のじゃばら式ボトル

本発明は、PETから作製された可変容積のボトルに関し、このボトルは、弾性の変更可能な塑性変形に耐えるじゃばら構造を有しており、これにより周辺部の環状のひだが折りたたまれる度合いに応じてボトルの容積を調節することができる。本発明は、周辺部の環状のひだがない、識別ラベル用に使用することが意図された1つまたは複数の領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の概念はボトル、すなわち大型のボトルまたは大型の缶および/または任意の他の種類のじゃばら形の容器の製作で構成されている。このような形状により中に含まれたガス流体の圧力の損失が補償され、それが消費される際に形成される空気室が小さくなる、あるいはなくなる。
【0002】
また本発明の目的は、中身を消費する際にじゃばら式容器を残りの液体の容積に適合させることで、その中に一定の体積の空気が生じるのを防ぐことであり、この空気は中に含まれる製品の官能特性に影響を及ぼす恐れがある。
【背景技術】
【0003】
本発明の特定の用途の範囲内において再生可能な材料から形成されたボトルタイプの容器の場合、この種のボトルには極めて多様な設計ラインに従って構築された多様な種類があることが知られており、これらは根本的な問題としてその中身が消費された後もこれらのボトルにはかなり大きな容積の占有空間があり、該容器を収容するのにかなり大きな空間が必要になるためリサイクルするのに費用がかかる。
【0004】
これらの問題を回避するための試みとして、この種のボトルが、容器の中身を消費した後でこの容器をつぶすことができるような不規則な形状の周辺部の一連のぎざぎざを採用することが知られているが、このようにうまく容器をつぶすことは高齢者や力の弱い者には簡単ではない。
【0005】
現行のボトルはいったん開封されると、液体中に含まれるガスが一定量失われるが、その量はボトルが有する開口の数とその中に残っている空気室によって決まる。このような空気室は、圧力を相殺するまで液体の中のガスをその気室へと移動させるものである。もし空気室がなかったら、ボトルを閉める毎に液体から生じるガスはどこにも移動することができない。PET(ポリエチレンテレフタレート)はこの機能を完璧に満たすものであり、そのために作り出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明によって提案される可変容積のじゃばら式ボトル容器は、考察された態様の全てまたは各々において先に露呈した問題を十分に満足できる方法で解決する。それはまた環境に対するその他の利点も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、およびより具体的に、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVCならびに/あるいはプラスチック産業、石油派生物または分解可能な糖類からの任意の他の製品、ならびに/あるいはじゃばら形に変形された金属またはそれに適した合金、ならびに接着などで金属とプラスチックを組み合わせたものから公布されるボトルが形成される。
【0008】
容器の形状
立方晶系の円筒形、円錐三角形または任意の多角形形態ならびに/あるいは湾曲したまたは角度の付いた縁部の立方晶系の円筒形の多角形。
【0009】
方式
対称のじゃばら、対称または非対称の薄片、らせん状のじゃばらおよび/または決められた用途の規格に合う任意の他の種類のじゃばら。
【0010】
じゃばら面の形状
円形、楕円形、三角形、矩形、または湾曲したまたは角度の付いた縁部を有する任意の規則的または不規則な多角形形態、ならびに円錐の断面または回転する外形から生じるもの、および対極的な機能または数式から形成されたものならびに/あるいは上記に記載したものの中から2つ以上を組み合わせたもの。これらの面の間には、張筋としての機能を満たす筋状の突起またはリブがある。
【0011】
実施される記載を捕捉するために、および本発明の特徴をよりよく理解するのを助けようとする目的により、本発明の実際の実施形態の好ましい1つの実施例に従って該記載に不可欠なものとして1セットの図面が添付されているが、これは例示であって特徴を限定するものではなく、以下のことが描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の目的によって形成された可変容積の容器の側部立面図であり、ここではこの容器は作動状況で、すなわち最大容積で描かれている。
【図2】図1と同様の図であるが、容器が折りたたまれ、最小の容積の占有空間の構成で描かれている図である。
【図3】先の図面の仕組みの平面図である。
【図4】図4は、製品および/または設計の種類に対して変えることができる42.5mmのラベルを割り出している。
【図5】ボトルの正面図である。
【図6】図6は、一部が空になり基準面Nを有し、NからNの高さの空気室CAが形成されたボトルを示している。
【図7】図7は、ネックの円錐Pの帯状の面に手によってわずかな圧力が加えられたボトルを示す。
【図8】ボトルがその標準的なねじ込み式の蓋Tによって締められ、これにより図1の最初の状態に戻る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
機能
開封した瞬間から製品を全て消費するまでに容器を開閉する複数のサイクルを経ることで、製品は液体に含まれるガスの圧力が失われることになるが、これは、製品が消費される際に容器内に形成される空気室の圧力を均一にしようとするためである。圧力差は開口のところで平均して6気圧であり、開閉の回数ならびに経過時間または閉じる度に形成される空気室の容積に応じて0.5/1気圧低下する。
【0014】
じゃばら式容器によって、それが使用される際に容器の全体の容積を縮小することによって形成される空気室を除去することができる。空気室がない限り液体に含まれるガスが広がることはなく、それがガスの内部張力を打ち消すことは不可能である。液体が開封時の圧力においてガスを含まない限り、それが製品を廃棄しなければならないような低いレベルに達することはない。
【0015】
用途
それは、あらかじめガス化されたまたは元々ガス化されているアルコールまたはノンアルコールのソフトドリンク、ならびに化学薬品、農薬の製造または一般的な産業で使用することを目的とした全ての種類のガス化されたまたはガス化されていない液体のための容器として使用される。
【0016】
機能の実用性
典型的な2000立方センチメートルの容器は使用された後もその形状および/またはその容積が変わらないため、結果として晴天時下水量および廃棄物輸送におけるコストが高くなる。じゃばら式容器は、2000立方センチメートルから500立方センチメートルまで容積が縮小するため、結果として元のサイズの75パーセントを削減できる。
【0017】
図4は、製品および/または設計の種類に対して変えることができる42.5mmのラベルを割り出している。このラベルの全長の面が1mmの正弦形のうねりを有することで剛性が大きくなるが、仮にそれが平坦であったならばガスの圧力に対してもっと脆くなっていたであろう。
【0018】
図5
5.1 1−4ミリメートル(図面では1ミリメートル)の半径の湾曲した縁部Bを有する直径が110mmの各じゃばらの大きな方の面A
5.2 0.5mmの半径の反対向きの湾曲した縁部Dを有する直径が60mmの各じゃばらの小さな方の面C
5.3 じゃばら同士の25mmの接合面E(斜辺)でありその傾斜角Fは21°30’(これは1−4mmの角度の付いた縁部Bの半径によって変わる)である。
5.4 他の3つの部分は以下のように区別される。ねじ込み式の蓋のための先端G、基部H(共に標準的である)およびラベルのための領域I。
5.5 ボトルは新たに開封され、最大の充填基準面Nを有する。
【0019】
図6は、一部が空になり基準面Nを有し、NからNの高さの空気室CAが形成されたボトルを示している。我々がこのボトルを締めようとするならば恐らく標準的な作用順序に従うことになり、このとき5から6気圧である液体中に溶解したガスが液体から1気圧で成り立っている空気室へと漏れ出し、圧力を均一にしようとする。
【0020】
空気室が容積の25パーセントであると仮定すると、液体中のガスの圧力は4気圧まで下がる。
【0021】
さらに次の25パーセントが空になると液体の圧力は2.5気圧になる。
【0022】
さらにその次の25パーセントが空になると液体の圧力は1.2気圧になり、その結果既にガスがなくなっている残りの液体が注がれることになる。
【0023】
図7は、ネックの円錐Pの帯状の面に手によってわずかな圧力が加えられたボトルを示す。じゃばらは、空気室CAがなくなり最初の基準面Nに戻るまでつぶされる。
【0024】
図8−ボトルがその標準的なねじ込み式の蓋Tによって締められ、これにより図1の最初の状態に戻る。
【0025】
上記に記載した図面を考慮すると、管状の本体(図1)から本発明の容器またはボトルがどのようにして形成されるのかを見ることができ、これは任意の標準的なボトルとして閉鎖された底部を有する一方で(図1.2)、その上端部は最終的には口金(図1.4)になるネックまたは細くなった部分を有しており(図1.3)、これは外側のねじ山(図1.5)を備え、その上に図5および図8に描かれるように対応する閉鎖用の栓(T)が適合される。
【0026】
このような標準的な構造から本発明は、管状本体(図5)が、該本体の管状構造にじゃばら式の弾性の変形可能な形状を与える周辺部の複数の環状のひだ(図5および図6)によって概ね影響を受けるという点にその特徴を集中させており、この管状本体はそれが変形する際にいずれの種類の塑性変形も受けないことから、容器が構造的な影響を受けずに、その中に含まれる液体の容積に応じてそれを図1の位置から図2の位置に、ならびに任意の中間的な位置に進めることが可能である。
【0027】
最後に図1および図2に見ることができるように、ボトルは環状のひだ(6)によって影響を受けない1つまたは複数の領域(7)を有することができ、その結果それらは、中に含まれる製品に対応するラベルをその領域で受けるための正式かつ寸法が適切な面を構成する。
【符号の説明】
【0028】
1 環状の本体
2 底部
3 ネック
4 口金
5 ねじ山
6 ひだ
7 ラベル用の領域
A じゃばらの大きな方の面
B、D 湾曲した縁部
C じゃばらの小さな方の面
E じゃばらの接合面
F 傾斜角
G 蓋のための先端
H 基部
I ラベルのための領域
CA 空気室
最大の充填基準面
基準面
T ねじ込み式の蓋
P 圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばPETなどのプラスチックまたは食品を摂取するのに適した同様の特徴の任意の他の材料から形成される種類であり、管状の本体(1)で構成されており、その底部(2)が閉鎖される一方で、その上端部によって最終的に口金(4)になるネックまたは細くなった部分(3)を有しており、その上に対応する閉鎖用の栓が適合される可変容積の容器であって、上記の管状の本体(1)が、前記面にじゃばら式で弾性があり変形可能でかつ塑性変形に耐える形状を与える周辺部の複数の環状のひだ(6)によって概ね影響を受け、これにより前記周辺部の環状のひだ(6)が折りたたまれる度合いに応じて前記容器の容積を調節することができることを特徴とする容積が可変の容器。
【請求項2】
前記管状の本体(1)が、前記周辺部の環状のひだ(6)によって影響を受けない1つまたは複数の領域(7)を有し、この領域が、中に含まれる製品に対応する識別ラベルをその領域で受けるための正式かつ寸法が適切な面を構成することを特徴とする、請求項1に記載の容積が可変の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−503082(P2013−503082A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526089(P2012−526089)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/ES2010/000151
【国際公開番号】WO2011/023833
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512012643)
【Fターム(参考)】