説明

可変長積分時間サンプリングを用いるダイナミックレンジ拡張のためのシステムおよび方法

光検出器122によって生成された信号125は、ロング信号およびショート信号を含むサンプルセット192として測定される。ショート信号は、ロング信号が、光検出器122に関連したダイナミックレンジ131を超えるとき、ロング信号の値までスケーリングされる。1つの実施形態において、ショート信号は、ショートおよびロング時間間隔が、共通の中央時間値をシェアするように、ロング時間間隔のほぼ中央であるショート時間間隔中に取得される。このような対称性を考えると、ほぼ線形的な信号190は、ロングおよびショート信号との間の比例パラメータをもたらし、これによって、ショート信号がスケーリングされ得る。比例パラメータは、スケーリングの前に測定されたロングおよびショート信号から除去されるべき光検出器信号の積分独立コンポーネントの決定を容易にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本教示は、概して信号処理に対して有用な方法、ソフトウェアおよび装置に関し、さまざまな実施形態において、電荷結合素子によって生成される信号を分析するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(従来技術)
電荷結合素子(CCD)といった多くの光検出器は、発光を検出し、観察された光度を定量化するために分析され得る信号を生成するように設計されている。一般的に、従来のCCDは、わずか2、3個の光電子を検出するために十分感応であり得る1つ以上の光検出エレメントを含む。CCDデバイスが、検出さえ得る光電子の数に関して数個のオーダの大きさに広がるダイナミックレンジの検出を有することがしばしば所望される。ダイナミックレンジを増加させることに対する従来の解決は、CCDに関連したアナログ―デジタル変換器(ADC)のビットの数を増加させることを含み得る。ビットの数におけるこの増加は、しかしながら、またCCDの製造のコストおよび処理時間を増加させる。ダイナミックレンジを拡張する別の方法は、選択されたエレメントから信号をハードウェアによって分析される複数の信号に分離することを伴い得る。各信号は、さらに、異なる利得を提供されて、これによって、分離された信号が、単一の信号のダイナミックレンジより広いダイナミックレンジを集合的にカバーすることを可能にする。ダイナミックレンジエンハンスメントのためのこのようなハードウェアの適合は、しばしば機器の費用のかかる、後からの取り付けを必要し、現存のデバイスともにインプリメントすることは実用的ではないかもしれない。先述から、CCDまたは他の光検出器デバイスのダイナミックレンジが改善され得る代替の方法の必要性があることが理解される。さらに、著しいハードウェアの変更の必要なしに現存のシステムとともに用いられるために適合され得るダイナミックレンジ拡張手法の必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要旨)
さまざまな実施形態において、本教示は、可変長積分時間サンプリングアプローチを用いてCCDによって生成される信号のための検出のダイナミックレンジを改善するシステムおよび方法を開示する。1つの局面において、所定のサンプリングパターンを有する存在する信号は、追加的な専用のハードウェアの必要性なしに、より広いダイナミックレンジ信号に再構成される。1つ以上の構成が利用され得、各構成は、特定のサンプリングインプリメンテーションに対して性能上の利点を提供し得る。各構成は、さらに、核酸シーケンス分析システムのいくつかとともに用いられるといったシャッター付きの、またはシャッターなしのCCDデバイスのいずれかとともに用いられるために適合され得る。
【0004】
さまざまな実施形態において、ダイナミックレンジの検出を改善する構成は、フレームごとの分析アプローチを用いて信号コンポーネントにアクセスする。各フレームは、部分的には、入射光から信号が生成される時間の持続期間によって決定されるロングおよび/またはショートサンプリングを含み得る。スケーリングの特性に基づいて、信号の積分独立(integration―independent)コンポーネント(オフセット)は、信号のサケーリングを容易にするために除去され得る。
【0005】
1つの局面において、本発明は、光検出器によって取得された信号の処理中のダイナミックレンジ拡張のための方法を含む。方法は、光検出器から第1の信号コンポーネントおよび第2の信号コンポーネントを取得することであって、第1の信号コンポーネントは、第1の時間間隔中に光検出器信号の積分を含み、第2の信号コンポーネントおよび第1の信号コンポーネントは、第1および第2の時間間隔によって区分された選択された期間中に光検出器信号の取得された値を表すように第2の信号コンポーネントは、第2の時間間隔中に光検出器信号の積分を含み、第2の時間間隔は、第1の間隔に一時的に近接し、かつ、該第1の時間間隔より短い、ことと、第2の信号コンポーネントと第1の信号コンポーネントとの間のスケーリングファクターを決定することと、第1の信号コンポーネントが選択されたダイナミックレンジを超えるかどうかを決定し、従って、第1の信号コンポーネントがダイナミックレンジを超えるとき、スケーリングファクターによって第2の信号コンポーネントをスケーリングすることにより、第1の信号コンポーネントに近似させることと、その後、スケーリングされた第2の信号コンポーネントを用いることにより、選択された期間中の信号の値を表すこととを包含する。
【0006】
別の局面において、本発明は、光検出器信号プロセッサによって生成される信号をスケーリングする方法を含む。方法は、サンプルセットに対して第1の信号値Lおよび第2の信号値Sを決定することであって、第1の信号値は、第1の間隔中に取得された信号に対応し、第2の信号値は、第2の間隔中に取得された信号に対応し、第2の信号値は、第1の信号値より小さく、該第1の信号は、特定されたレンジを超える、ことと、第1の信号値と第2の信号値との間の比例パラメータKを決定することと、第2の信号値をスケーリングすることにより、第1の信号値が特定されたレンジを超えている分近似させることとを包含する。
【0007】
さらなる別の局面において、本発明は、光検出器信号の一連の積分を実行することであって、該一連は、交互するロングおよびショート積分間隔を包含する、ことと、
複数のオーバーラップするサンプルセットを形成することであって、各サンプルセットは、第1の信号値を産出する少なくとも1つの間隔中に、および第2の信号値産出するに少なくとも1つのショート間隔中に実行される積分を包含し、各サンプルセットは、該ロングまたはショート間隔の少なくとも1つ分、その隣接するサンプルセットとオーバーラップする、こととを包含する。
【0008】
さらなる別の局面において、本発明は、電気信号に変換されるラベル付けされたサンプル信号を検出する光検出器と、電気信号に関連した1つ以上のサンプルセットを取得する電気信号プロセッサとを備え、各サンプルセットは、第1の信号値Lと、第2の信号値Sとを含み、第1の信号値は、第1の間隔中に取得された積分された光検出器信号に対応し、第2の信号値は、第1の間隔より小さい第2の間隔中に取得された積分された光検出器信号に対応し、信号プロセッサは、第2の信号値が、第1の信号値までスケーリングされるように、第1の信号値と第2の信号値との間の比例パラメータKを決定するために構成されており、プロセッサは、第1および第2の信号値に基づいて該サンプルセットを表す処理された信号を出力する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本教示のこれらの、および他の局面、利点、新規性のある特徴は、下記の詳細な記載を読むことにより、また添付の図面を参照することより明らかになる。図面において、同様のエレメントは、同様の参照番号を有する。
【0010】
図1は、核酸サンプルのためのシーケンス決定またはフラグメント分析が可能であるアナライザ90に対する例示的な概略図を示す。さまざまな実施形態において、アナライザ90は、自動シーケンス分析を実行することによるサンプルのラベル付けおよび識別のために用いられる1つの以上のコンポーネントまたはデバイスを含み得る。アナライザ90のさまざまなコンポーネントは、下記に詳述されるが、別々のコンポーネントまたは単一の一体化システムを含み得る。本教示は、さらに、自動および半自動シーケンス分析システムの両方に適用されるとともに自動および半自動シーケンス分析方法に適用される。シーケンス分析オペレーションのいくつかは手動で実行される。
【0011】
ダイナミックレンジエンハンスメント方法は、多くの異なるタイプの光および信号検出方法に適用され得、かつ、CCD信号検出および分析に必ずしも限定されないことがされに理解される。追加的に、本教示は、シンケーンス分析との文脈で、さまざまな実施形態において記載されるが、これらの方法は、他のデバイス/機器に直ちに適合され得、シーケンス分析以外の目的のために用いられ得る。例えば、本教示は、これらの機器のダイナミックレンジおよび信号雑音比(SNR)を改善するCCDといった光検出デバイスを利用する電子望遠鏡および顕微鏡に適用され得る。
【0012】
ダイナミックレンジエンハンスト方法は、さまざまな用途のための光検出器に一般的に適用され得ることがまた理解される。用途のいくつかは、上記に例として記載される。一般的に、光検出器は、入射光子を電気信号に変換し、例えば、CCD、光電子増倍管、またはフォトダイオードといった半導体ベースのデバイスを含み得る。
【0013】
シーケンス分析の文脈において、例示的なシーケンスアナライザ90は、反応コンポーネント92を含み得る。サンプルのPCR増幅またはサイクルシーケンスが実行される。これらの増幅技術を用いて、蛍光性または、放射性のジデオキシ―ヌクレオチドといったラベルがサンプルに導入されて、可変長シーケンスの多くのフラグメントが製造される結果になる。
【0014】
この分野で、既知であるように、1つ以上のラベルまたはダイ(dye)は、増幅ステップ中に用いられて、その後に続いて識別されるべき各ベースに対して識別可能なフラグメントの集合体を生成し得る。増幅後に、フラグメントは、それから、分離コンポーネント94を用いる分離オペレーションを受ける。1つの局面において、分離コンポーネント94は、フラグメントを識別可能な集合体に分離するジェルベースの、またはキャピラリー電気泳動法装置を含む。このアプローチを用いて、電流は、分離マトリックス(例えば、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲル)にロードされた増幅したサンプルフラグメントを通過され得る。電流の適用は、マトリックス中にわたるサンプルを移送する結果になる。サンプルの移送が進行するにつれて、ラベル付けされたフラグメントは、分離され、検出器96を介して通過される。ラベル付けされたフラグメントの分析が実行される。
【0015】
1の局面において、検出器96は、取り込まれたラベルの存在に基づいてフラグメントに対してさまざまなサイズまたは異なる組成を識別し得る。1つの例示的に実施形態において、フラグメント検出が、ラベルの吸収波長にチューニングされたレーザによって励起される蛍光性ラベルによって生成される、検出され得る信号の生成によって実行され得る。ラベルによって吸収されるエネルギーは、各フラグメントに対して測定された信号に対応する蛍光発光の結果を招く。フラグメントに取り込まれるラベルのタイプとともに蛍光信号の発生の順序の記録を取っておくことにより、サンプルのシーケンスは識別され得る。シーケンシン処理のより詳細な説明が、「Method and System for Velocity―Normalized Position―Based Scanning」と題目された同一出願による米国特許第6,040,586号に提供される。
【0016】
図1Bは、さらに、複数のラベル付けされたフラグメント100に関連した信号を取得するために用いられ得る検出器96に対する例示的なコンポーネントを示す。上述されるように、ラベル付けされたフラグメント100は、そのフラグメント100が、適切な波長およびエネルギー(例えば、チューニングされたレーザ)の励起ソース114を受けるとき生成される蛍光または放射エネルギーの品質を測定することよって分析され得る。フラグメント100に関連したラベル116によって生成されるエネルギー放射120は、フラグメント100が、検出ウインドウ123を通過するとき、電荷結合素子(CCD)122を用いて検出され得る。検出ウインドウ123で、複数のエネルギー検出エレメント124は、ラベル116から放射されたエネルギーの少なくともいくつかを獲得し得る。1つの局面において、電気信号125は、エネルギー獲得時に検出ウインドウ123を通過するフラグメント100の相対存在量におよそ比例しているCCD122によって生成され、フラグメント100が検出ウインドウ123に現れる順序は、お互いに対してそれぞれの相対的な長さを示し得る。
【0017】
信号プロセッサ126は、フラグメント100に応答してCCD122によって生成される電気信号を取得するために信号サンプリングオペレーションを実行するようにさらに構成される。さまざまな実施形態において、信号プロセッサ126は、選択された間隔にわたる信号取得による所定の態様でこれらのサンプリングオペレーションを実行するために構成される。多くの従来の信号プロセッサにおいて、信号取得のパターンまたはタイミングは、信号の分析における柔軟性を制限するソフトウェアおよび/またはハードウェアが課した制限によって限定される。このことは、さらに、信号取得のダイナミックレンジの制限する結果になる。以下にさらに詳細に記載されるように、この教示は、いくつかのサンプリングの制限を克服することを助け、信号分析における増加した柔軟性を提供し得る。本教示のさまざまな実施形態によって提供される1つの所望される特徴は、システムのダイナミックレンジを改善するための態様で現存の信号情報を利用する能力であり、これによってその機能性を潜在的に増加させる。
【0018】
さまざまな実施形態において、CCD122によって出力される信号125は、サンプルフラグメント100との間で著しく変化し得る。これは、相補測定が取られない場合には、信号125が、CCD122に関連した信号プロセッサ126のダイナミックレンジを超えるので、従来のシステムにおいて潜在的な問題を呈する。図1Cに示される簡略化された電気フェログラム129に示されるように、信号125は、1つ以上の信号強度「ピーク」を含む信号分配を形成して取得され得る。各ピークは、さらに、検出されたフラグメント100を示し得る。電気フェログラム127は、さらに、理論的な、または実験的なダイナミックレンジリミット131を含み得る。この限界131を超えるピーク強度は、定量化において減少した正確さを被る。この概念は、ダイナミックレンジリミット131を超える、示される例示的なピーク133によって示される。1つの局面において、このような発生が軽減されずに残されるとき、ピーク133から起こる定量化およびシーケンス分析情報は損なわれ得る。さまざまな実施形態において、本教示は、標準的な信号プロセッサの許容範囲を超え得、利用可能な信号情報とともに実行されるべき、より正確な計算を可能にする新しいダイナミックレンジを確立し得るピーク強度の分析を容易にする。
【0019】
さまざまな実施形態において、信号分析およびピーク識別を介して決定され得る情報のいくつかは、各フラグメントの集合体の相対存在量または品質の決定を含み得る。信号の評価は、さらに、さまざまな既知のベースシーケンス分析技術を用いてサンプルのシーケンスまたは組成を決定するために用いられ得る。さらに、例示された信号分配は、各フラグメントの相対存在量が、部分的には、各ピークに関連した相対領域の決定に基づいて決定され得る1つ以上の核酸フラグメントを表し得ることが当業者には理解される。本教示は、従って、ピーク評価およびシーケンス分析に一般的に関連したその後に続く積分オペレーションを容易にするために、現存の分析アプローチに統合され得る。
【0020】
さまざまな実施形態において、電気フェログラム127の分析は、信号プロセッサ126によって有利に実行され得る。信号プロセッサ126は、さらに、1つ以上のプロセッサ上で実行するように構成され得る。信号プロセッサのコンポーネントは、これに限定されないが、ソフトウェアまたはハードウェアコンポーネントと、ソフトウェアモジュールといったモジュールと、オブジェクト指向のソフトウェアコンポーネントと、クラスコンポーントと、タスクコンポーネントと、処理方法と、機能と、属性と、処理手順と、サブルーチンと、プログラムコードのセグメントと、ドライバと、ファームウェアと、マイクロコードと、回路データと、データと、データベースと、データ構造と、テーブルと、アレイと、変数とを含み得る。さらに、信号プロセッサ126は、処理された信号または分析結果をさらなる処理が起こり得る他のデバイスまたは機器に出力し得る。
【0021】
図2は、図1A―Cを参照して上述される信号プロセッサ126によってインプリメントされ得る信号処理の1つの局面を示す。さまざまな実施形態において、ソフトウェア制御のサンプリング方法は、一連の交互するロングサンプル134とショートサンプル136とを含む。これらのサンプル134は、CCD122から情報が活発に取得される期間を反映する。一般的に、アイドル時間間隔(また、「デット時間」と称される時間間隔)が、近接したサンプリング間隔間に存在する。図2に示されるサンプリング例において、アイドル間隔は、ロングおよびショート間隔との間に一次的に位置し得る。さまざまな実施形態において、アイドル間隔は、ショートまたはロングサンプリング間隔と比較されたとき、実質的にごくわずかである。他の実施形態において、アイドル間隔は、十分であり得、サンプリング時間のかなりの量を考慮し得る。下記により詳細に記載されるように、信号処理オペレーションを実行するとき、信号サンプリング間のアイドル時間考慮することが所望され得る。1つの局面において、アイドル時間の識別は、ダイナミックレンジの信号検出を改善することにおいて有用であり得る。
【0022】
さまざまな実施形態において、ロングサンプル134は、Tの時間間隔中の信号125の積分を表し得る。CCD122からの信号125のこのような積分は、実際の信号Aおよび積分独立コンポーネントC(オフセット)を含む信号Lが測定される結果になる。積分独立コンポーネントCは、これに限定されないが、オンチップ増幅器バイアスおよびCCD122に関連した偽(spurious)電荷を含む。同様に、ショートサンプル136は、Tの時間間隔中の信号125の積分を表し得る。CCD122からの信号125のこのような積分は、実際の信号AおよびオフセットCを含む信号Sが測定される結果になる。従って、測定された信号LおよびSは以下のように表され得る。
【0023】
L=A+C (1)
S=A+C (2)
さらに、実際の信号AとA間の関係は、以下のように表され得る。
【0024】
【数1】

【0025】
ここで、Kは、それぞれの積分間隔T、T中の実際の信号A、Aの性質に依存する比例パラメータである。
【0026】
1つの局面において、測定された信号L、SそれぞれからオフセットCを減算することにより実際の信号A、Aを決定することが所望される。オフセットCは、以下の等式をもたらすために等式1〜3組み合わせることによって決定され得る。
【0027】
【数2】

【0028】
従って、LおよびSの所定値に対して、信号の独立比例パラメータKを決定することによって、オフセットCは、等式4を用いて決定され得る。それから、結果生じたオフセットCは、実際の信号A、Aそれぞれをもたらすために測定された信号LおよびSから減算され得る。実際の信号A、Aが決定されると、それらは、下記の詳細な様態で、直接的に分析、またはスケーリングされ得る。
【0029】
1つの局面において、サンプルセットは、少なくとも1つのロングサンプル134と、少なくとも1つのロングサンプル134に一時的に近接した1つのショートサンプル136とを含む。下記に詳細に記載されるように、ロングサンプルとショートサンプルのさまざまな組み合わせが、このようなサンプルセットを取得するために形成され得る。
【0030】
1つの実施形態において、測定された信号L、Sは、CCD信号125を電荷積分ADCに方向付けされ、T、Tを積分することによって取得され得る。1つの局面において、積分された信号は、CCD122によって生成される光電子(N)の数に依存し得る。ここで、Nはポアソン統計に従う。理解されるように、ポアソン統計に関連した相対固有誤差(intrinsic error)は、
【0031】
【数3】

【0032】
として表され得る。この関係は、ADCのダイナミックレンジの内の可能な限り大きく積分された信号に対して通常好まれることを示す。このようにして、1つの局面において、サンプルセットを作るロングおよびショート測定は、選択的にスケーリングされ得る。一般的に、CCD信号125が比較的強くない所定のサンプルセットに対して、ロング測定は、通常、より高い信号雑音比を有する信号を産出するので、ロング信号LがADCのダイナミックレンジの内であるとき、信号分析に対して用いられることが好まれる。所定のサンプルセットに対するロング信号Lが、ダイナミックレンジを超えるとき、ショート信号Sは、ロング信号L値がなんであるかを推定または近似するために、下記に記載される態様で、スケーリングされ得る。この例において、ショート信号Sのスケーリングされた値は、それから、その後に続く分析に対して用いられる。
【0033】
図3は、上述の選択的スケーリングアプローチをインプリメントするために用いられ得る信号スケーリング処理140を示す。処理は、下記に記載されるスタート状態142で始まり、ループ148に入る。1つの局面において、ループ148は、サンプルのCCD分析中に所得されたLおよびSに対する値とともにロードされたアレイまたはデータ構造を循環する。あるいは、ループ148は分析が起こるとき、リアルタイムで進行し得る。ループ148の状態144において、サンプルセットのLおよびSの測定された積分値が決定される。その後に続く決定状態146は、Lの値がオフスケールかまたは計測器のダイナミックレンジを超えるかどうかを決定するために用いられ得る。ダイナミックレンジが超えられない例において、Lは、上述されるように、この後に続く分析のために用いられ得る。このようにして、状態150において、オフセットCの値は、比例パラメータKの信号特定値とともに、LおよびSの測定された値から、(等式4に従って)決定され得る。この後に続く状態152において、オフセットCは、Lの測定された値から減算され得て、実際の信号Aを産出する。この後に続く状態154において、その後に続く分析のために用いられるべきスケーリングされた信号値は、実際の信号Aのスケーリングされていない値を割り与えられ得る。処理140は、それから、決定状態156で、ループ148が継続するべきかどうかを決定する。ループ148が継続するとき、処理は、状態144に戻って、別の循環を開始する。ループ148が完了するとき、処理は、ストップ状態160で、終了する。
【0034】
状態146において、測定された信号Lがスケーリングリミットを超えるとされる決定がなされるとき、測定された信号Lの有用性が潜在的に限定されることが観測され得、測定された信号Sは、実際のロング信号Aが、どこに存在するかに関して推定するために処理され、スケーリングされる。この推定処理を開始するとき、測定された信号Sそれ自身がダイナミックレンジを超えるかどうかを決定する別の決定状態162に入り得る。1つの局面において、測定された信号がダイナミックレンジ内のとき、それは、下記の様態で処理され、スケーリングされ得る。
【0035】
状態164において、オフセットCに対する値が決定される。1つの局面において、測定された信号Lは、等式4を用いて決定されるCの値は、オフスケールの結果を生成し得るので、現在のサンプルセットために用いられ得ない。従って、処理の1つのインプリメンテーションにおいて、Cの値は、以前の、または最近のサンプルから所得され得る。このようにして、オフセット決定は、多くのCCDシステムにおいて、オフセットCは実質的に変動しないので、所望される。このことは、温度といった動作条件が、制御されるとき一般的に当てはまる。このようにして、状態164における概算方法は、Cの値を決定する1つの方法である。この後に続く状態166において、オフセットCは、測定された信号Sから減算され得て、実際の信号Aを生成する。続く状態170において、実際の信号Aは、K分スケーリングされ、この後に続く分析に用いられるべきスケーリングされた信号値として割り与えられ得る。パラメータKを決定する1つの方法が記載される。処理140は、それから、ループ148が継続すべきかどうかを決定する上述された決定状態156に進む。
【0036】
状態162において、信号Sがオフスケールとであると決定されるとき、測定された信号LおよびSはともに、ダイナミックレンジに対してオフスケールと考えられ得る。この例において、処理は、現在のサンプルセットに対して制限された有用性を有する各信号を識別し得る。処理の1つのインプリメンテーションにおいて、このようなオフスケールの測定された信号は、状態172において、この後に続く分析中に、容易に認識できるように選択された値によって「キャプ」され得、つまりフラグが立てられ得る。1つの例示的な実施形態において、「実際」のショート信号Aは、Mの値を割り与えられ得る。ここで、Mは、ダイナミックレンジの上限値(例えば、13ビットADCは、0―8191のダイナミックレンジ有し、M=8192)である。このようにして、キャップされた信号値は、スケール内(within―scale)で測定された信号から導出されたスケーリングされた信号より、大きくなり得る。オフスケール信号のこのような容易な識別は、この後に続く分析中に、適切態様で処理される。
【0037】
1つの局面において、サンプルセットは、交互するショートおよびロングのサンプルの異なる組み合わせを含み得る。図4〜6は、サンプルセットおよび信号分配特性のさまざまな実施形態を示す。下記に記載されるサンプルセットのそれぞれにおいて、測定された信号L、Sは、サンプリングの特性に依存するサンプルセット特定の態様で取得され得る。さらに、各サンプルセットは、下記に記載されるように特定の信号タイプ分析に対して適し得る。このようにして、比例パラメータKは、選択されたサンプルセットに関連付けられて、信号情報を処理することにおいて動作的に有用な値を産出し得る。1つの局面において、サンプルセット特定のL、S、Kの決定は、図3を参照して一般化された処理において上述されるスケーリングされた信号値の決定を可能にする。
【0038】
図4に示されているように、サンプルセット182の1つの実施形態は、ロングサンプルと近接したショートサンプルとの組み合わせを含む。あるいは、サンプルセット186は、ロングサンプルが後に続くショートサンプルを含み得る。サンプルセット182、186は、信号180、184それぞれが、概して平坦であるか、サンプルセットに関連した時間間隔中に比較的遅く変化するとき、用いられ得る。このような信号に対して、実際の信号A、Aの積分された値は、それらのそれぞれの積分時間TおよびTに正比例する。従って、T/T=A/Aである。ここで、A/A比は、比例パラメータK(等式3)の定義である。積分時間間隔は、Tは、n倍分だけTより大きいように選択され得、以下の等式をもたらす。
【0039】
K=n (5a)
【0040】
【数4】

【0041】
従って、オフセットCは、等式5bに従って決定され得、これによって、スケーリングされた信号値は上述の態様で決定されることが可能である。
【0042】
図5に示されているように、サンプルセット192の別の実施形態は、対応する測定された信号A、A、Aを有するロング―ショート―ロングサンプリング時間間隔T、T、Tシーケンスを含む。ショートサンプルは、時間間隔T=T中にされた測定を含む。ロングサンプルは、時間間隔T=T+T+T中になされた測定を含む。このようにして、図5に示されるように、測定された信号LおよびSを決定する処理200は、時間間隔T、T、T中にA、A、Aを決定することと、測定された信号L=A+A+Aおよび測定された信号S=Aと決定することを含む。
【0043】
さまざまな実施形態において、サンプル192は、T-=T、T/T=T/T=nのように構成され得る。ここで、nは、定数値である。このような構成が与えられており、サンプルセット192で覆われている信号190の一部分が、図5に示されているように線形的であるとき、共通の中央値194は、ショートおよびロングサンプルの両方によって一時的に、また信号値の点でシェアされる。このような対照性から、以下のことが実証される。
【0044】
【数5】

【0045】
【数6】

【0046】
従って、オフセットCは、等式6bに従って決定され得、これによって、スケーリングされた信号値は、上記の態様で決定されることが可能である。図5に示されるサンプル192は、CCD信号がサンプルセットに囲まれている間隔中に少なくとも、ほぼ線形的であるとき、用いられ得ることが理解される。CCD信号が実質的に線形的でないとき、体系的分散が生成され得るが、この分散は、所定の測定および分析の受容され得るレンジ内であり得る。
【0047】
さまざまな実施形態において、ロング間隔T、Tのそれぞれは、「標準」的な非セグメント化された積分時間のほぼ半分であるように選択される。ショート間隔Tは、一般的に、TまたはTより実質的に小さく、下記に開示される方法によって、所望のダイナミックレンジを達成するために選択される。ロングおよびショート間隔の持続時間が、シーケンス分析システムに用いられる現存のハードウェアによって決定され得ることが理解される。これらの持続時間は、用いられる機器のタイプに依存して、変更、または固定され得る。本教示の1つの利点は、開示された方法がダイナミックレンジを改善するためにハードウェアの修正を必要なしに未加工の形で大半の従来のシステムによって生成される信号情報に適用され得ることである。
【0048】
図6は、アイドル時間間隔を考慮する別のサンプルセット212を示す。いくつかの局面において、サンプル212は、アイドル時間間隔が2つの近接したサンプリング間隔との間に挿入されることを除いて、図5のサンプルセット192と同様である。従って、サンプルセット212は、時間間隔(T1〜T5)のシーケンスを含む。T1は、測定された信号A1を有する第1のロングサンプルに対応し、T2は、第1のアイドル時間間隔に対応し、T3は、測定された信号A3を有するショートサンプルに対応し、T4は、第2のアイドル時間間隔に対応し、T5は、測定された信号A5を有する第2のロングサンプルに対応する。さまざまな実施形態において、サンプルセット212によって覆われる信号210の一部分が図6に示されるように線形的であるとき、T=T、T=Tである。従って、共通の中央値214は、ショートおよびロングサンプルの両方によって一時的に、および/または信号値の点でシェアされ得る。このような対照性を用いて、それは、A/A=(T+T+T)/T比で示され得る。
【0049】
1つのインプリメンテーションにおいて、サンプルセット212は、T/T=T/T=nであるように構成され得る。ここで、nは定数値である。従って、
【0050】
【数7】

【0051】
【数8】

【0052】
従って、オフセットCは、等式7bに従って決定され得、これによって、スケーリングされた信号値は、上記の態様で決定されることが可能になる。図6に示されるサンプルセット212は、CCD信号125がサンプルセットに覆われている間隔中に少なくとも、ほぼ線形的であるとき、用いられ得ることが理解される。CCD信号125が実質的に線形的でないとき、これによって体系的分散を生成するが、この分散は、所定の測定および分析の受容され得るレンジ内であり得る。
【0053】
第1および第2のアイドルの時間間隔T、Tは、ロングおよびショートサンプルの対照性を保存するために所望されるように同様であり、従って、共有の中央値214を確立することを容易にすることが理解される。1つの実施形態において、アイドルの間隔は、CCD122およびほぼ1〜10ミリ秒のレンジを有するその関連した信号処理デバイスの関数であり得る。1つの局面において、アイドル間隔T、Tは、カメラのハードウェアおよび/または制御ファームウェアによって、通常、制限されることによってできるだけ短く選択される。ロング間隔T1、T5およびそれらの間のショート間隔Tは、図5を参照して上述される同様な態様で選択され得る。
【0054】
上述されるCCD信号スケーリング処理のさまざまなインプリメンテーションは、一般的に、所定のサンプルに対するフラグメント100の測定中に複数のサンプルセットに対して繰り返される。1つの局面において、サンプリング方法は、下記に記載される態様でサンプルセットのオーバーラップを含み得る。図7は、ロングおよびショート積分間隔との間に挿入されるアイドル間隔を有する一連の交互するロングおよびショート積分間隔を示す。図7のサンプリング方法が、アイドル間隔を有するという文脈で記載されている一方で、サンプリング方法はアイドル間隔が比較的小さい、または実質的にわずかであるいずれかの状況に同等に適用されることが理解される。
【0055】
さまざまな実施形態において、オーバーラップサンプリング方法240は、各サンプルセットが、2つのロング間隔の間に挿入されるショート間隔を有する複数のサンプルセットを含む。このようなサンプルセットは、図6を参照して上述される。CCD信号サンプリングの例示的なセグメントは、ロング間隔242と、ショート間隔244と、ロング間隔246と、ショート間隔250と、ロング間隔252と、ショート間隔254とのシーケンスを含む。
【0056】
第1の例示的なサンプルセット260は、ショート間隔244中に積分することによって取得される測定されたショート信号S1と、間隔(242、244、246)中に積分することによって取得される測定されたロング信号L1とを含む。第2の例示的なサンプルセット262は、ショート間隔250中に積分することによって取得される測定されたショート信号S2と、間隔(246、250、252)中に積分することによって取得される測定されたロング信号L2とを含む。従って、第1および第2のサンプルセット260および262は、ロング間隔246においてオーバーラップする。このようなオーバーラップは、サンプルセット(データポイント)の数が、所定の測定パスに対して増加することを可能にする。測定パスが、N個のオーバーラップしないシーケンシャルサンプルセットを有する総時間間隔を含むとき、オーバーラップは、サンプルセットの数が、ほぼ2N個にまで増加することを可能にする。
【0057】
1つの局面において、図5〜図7を参照して上述にされるさまざまなロング―ショート―ロング積分方法は、CCDカメラに関連したノイズの作用を減少させ(これによって、信号雑音比を増加させ)るために適合され得る。図5〜図7において、ショート積分時間間隔は、2つのロング積分時間間隔との間に挿入され、測定されたロング信号は、ロング―ショート―ロング間隔(lsl方法)中に積分された値の合計である。下記により詳細に記載されるように、ロング信号が代わりに、2つのロング積分時間間隔を含み、ショート間隔(ll方法)を除外するとき、測定の信号雑音比(SNR)は増加し得る。
【0058】
図5を参照して、このような図式は、上述と同様の態様で、L=A1+A3、S=A2、K=2n、C=S−(L−S)/(2n−1)をもたらす。図6に示される構成に適用されるとき、この図式は、L=A1+A5、S=A3、K=2n、C=S−(L−S)/(2n−1)をもたらす。
【0059】
ロング信号Lにおけるサンプリングの数を減少する(3個の代わり2個)ことによって達成される1つの利点は、CDDに関連したノイズσに関する。一般的に理解されるように、ノイズσは、CCD上の信号を定量化する処理中に導入される固有不確実性を引用し、多くの場合には、その主なコンポーネント(リードノイズσおよびショットノイズσ)の求積法の平方根として推定され得る。SNRにおける増加は特に有用である弱い信号を含むオンスケール(on―scale)の信号に対して、SNRは、以下のように表され得る。
【0060】
【数9】

【0061】
ここでAは、実際の信号を表し、σは、測定中の全体のノイズを表す。ショットノイズσは、ポワソン統計に従うので以下のとおりになる。
【0062】
【数10】

【0063】
図5〜図7に示されるlslおよびll方法に対して、2つのロング間隔のそれぞれは、ショート間隔よりほぼn倍長い。従って、
【0064】
【数11】

【0065】
ここで、Alslは、lsl方法に対する実際の信号であり、Allは、ll方法に対する実際の信号である。さらに、lsl方法は、3つの別々の時間間隔中に積分する。従って、個々の間隔ノイズは、求積法で増加し、
【0066】
【数12】

【0067】
をもたらす。同様に、ll方法は、2つの別々の時間間隔中に積分し、
【0068】
【数13】

【0069】
をもたらす。このようにして、llおよびlsl構成に対するSNRの比は、以下のように表され得る。
【0070】
【数14】

【0071】
n=20、All=8000個の電子、σ=80電子実効値(rms値)である一般的な動作構成に対して、SNRll/SNRlsl比=1.12であり、信号雑音比においておよそ12%の増加を示す。図9に示されるように、SNRll/SNRls比は、異なる値n、A、σ、またはそれらの組み合わせを選択することによってさらに増加され得る。
【0072】
本発明の上記に開示される実施形態が、その上記に開示される実施形態に適用されるもととして本発明の基本的な新規性のある特徴を示し、記載し、かつ、指摘しているが、示されるデバイス、システムおよび/または方法の詳細な形でさまざまな省略、代用、変更が、本発明の範囲から逸脱することなく当業者には理解されるべきである。従って、本発明の範囲は、先述の記載に限定されるべきではなく、添付の請求項によって定義されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】CCDラベル検出コンポーネントを含む例示的なシーケンス分析システム示す。
【図2】一連のロングおよびショート間隔を含む信号のソフトウェアサンプリングのための例示的な方法を示す。
【図3】サンプルセットからのロングおよびショート間隔を利用する一般化された信号スケーリング処理を示す。
【図4】近接したロングおよびショート間隔を含むサンプルセットの分析の実施形態を示す。
【図5】ショート信号がショート間隔から取得され、ロング信号がロング―ショート―ロング間隔から取得されるようにロング間隔との間に挿入されるショート間隔を含むサンプルセットの分析の別の実施形態を示す。
【図6】積分間隔間に挿入されるアイドル間隔を含むサンプルセットの別の実施形態を示す。
【図7】隣接するサンプルセットの部分が、サンプルセットの数を増加するようにオーバーラップする、オーバーラップしているサンプリング方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出器よって取得された信号の処理中のダイナミックレンジ拡張のための方法であって、
光検出器から第1の信号コンポーネントと、第2の信号コンポーネントとを取得することであって、該第1の信号コンポーネントは、第1の時間間隔中に該光検出器信号の積分を含み、該第2の信号コンポーネントは、第2の時間間隔中に該光検出器信号の積分を含み、該第2の信号コンポーネントおよび該第1の信号コンポーネントは、該第1および第2の時間間隔によって区分された、選択された期間中に該光検出器信号の該取得された値を表すように該第2の時間間隔は、該第1の時間間隔に一時的に近接し、かつ、該第1の時間間隔より短い、ことと、
該第2の信号コンポーネントと該第1の信号コンポーネントとの間のスケーリングファクターを決定することと、
該第1の信号コンポーネントが選択されたダイナミックレンジを超えるかどうかを決定することと、
該第1の信号コンポーネントが該ダイナミックレンジを超えるとき、該スケーリングファクターによって該第2の信号コンポーネントをスケーリングすることにより、該第1の信号コンポーネントに近似させることと、
該スケーリングされた第2の信号コンポーネントを用いることにより、該選択された期間中の該信号の該値を表すことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記第2の信号をスケーリングすることは、前記スケーリングファクターによるスケーリングの前に前記第2の信号コンポーネントから積分独立オフセットコンポーネントを減算することさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された期間は、前記第1の時間間隔に近接して実質的に存在する前記第2の時間間隔を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記期間は、一連のロング―ショート―ロング積分時間を包含し、ショート積分時間は、2つのロング積分時間との間に挿入され、前記第1の時間間隔は、少なくとも2つのロング積分時間を包含し、前記ショートおよびロング時間間隔は、時間において共通の中央値をシェアし、これによって時間においてほぼ線形的に変化する信号のスケーリングを可能にする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記選択された期間は、前記第2の時間間隔が後に続く前記第1の時間間隔を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
中間の時間間隔は、前記第1および前記第2の時間間隔との間に存在する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記選択された期間は、前記第1の時間間隔を実質的に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の時間間隔は、前記第1の時間間隔内に存在する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記選択された時間間隔は、前記第1の時間間隔と前記第2の時間間隔とを包含し、それぞれは、お互いに近接して実質的に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記光検出器は、CCD、光電子増倍管、または半導体ベースのデバイスを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
光検出器信号プロセッサによって生成される信号をスケーリングする方法であって、
サンプルセットに対して第1の信号値Lと、第2の信号値Sとを決定することであって、該第1の信号値は、第1の間隔中に取得された信号に対応し、該第2の信号値は、第2の間隔中に取得された信号に対応し、該第2の信号値は、該第1の信号値より小さく、該第1の信号は、特定されたレンジを超える、ことと、
該第1の信号値と該第2の信号値との間の比例パラメータKを決定することと、
該第2の信号値をスケーリングすることにより、該第1の信号値が該特定されたレンジを超えている分を近似することと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記特定されたレンジは、前記光検出器信号プロセッサのコンポーネントのダイナミックを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光検出器信号プロセッサの前記コンポーエントは、アナログ―デジタル変換器を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記サンプルセットに対してオフセットコンポーネントを決定することと、
前記第1と、第2の信号値とを調整することにより、該オフセットコンポーネントを考慮すること
をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の信号値に基づいて前記サンプルセットに対してスケーリングされた信号値を割り当てることをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記オフセットコンポーネントは、前記第1および第2の信号値から減算される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記オフセットコンポーネントは、積分独立信号Cを包含する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記オフセットCは、等式C=S−(L−S)/(K−1)に従って決定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記サンプルセットに対して前記スケーリングされた信号値を割り当てることは、
前記第1の信号値が前記特定されたレンジ内であるとき、オフセット調整済の第1の信号値を該スケーリングされた信号値であるように選択することと、
該第1の信号値が、該特定されたレンジを超え、前記スケーリングされていない第2信号値が該特定されたレンジ内であるとき、該オフセット調整済の第2の信号値を該第1の信号までスケーリングし、該スケーリングされオフセット調整済の第2の信号値を該サンプルセットに対して該スケーリングされた信号値であるように割り当てることと、
該第1および第2の信号値が該特定された範囲を超えるとき、デフォルト値を該サンプルセットに対して該スケーリングされた信号値に割り当てることと
を包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記スケーリングされた第2の信号値は、前記比例パラメータKで前記オフセットC調整済の第2の信号値を乗算することにより取得される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の間隔は、ロング間隔を包含し、前記第2の間隔は、該ロング間隔に実質的に近接したショート間隔を包含する、請求項18の方法。
【請求項22】
遅く変化する信号に対して、前記比例パラメータKが、nにほぼ同等であり、かつ、オフセットCが、等式C=S−(L−S)/(n−1)に従って決定されるように、ロング間隔は、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の間隔は、ロング―ショート―ロングコンポーネントシーケンスを包含し、前記第2の間隔は、該第1および第2の間隔が前記ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアするように該第1の間隔のロング―ショート―ロングコンポーネントシーケンスの前記ショートコンポーネントを包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ほぼ線形的な信号に対して、前記比例パラメータKは、2n+1にほぼ等しく、オフセットCは、等式C=S−(L−S)/(2n)に従って決定されるように、前記ロング間隔は、ほぼn倍分だけ前記ショート間隔より長い、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の間隔は、ロング―アイドル―ショート―アイドル―ロングコンポーネントシーケンスを包含し、前記第2の間隔は、該第1の間隔の該ロング―アイドル―ショート―アイドル―ロングコンポーネントシーケンスの前記ショート間隔を包含し、前記アイドルコンポーネントは、デット時間に対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第1および第2の間隔は、前記ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ほぼ線形的な信号に対して、前記比例パラメータKが、2n+1にほぼ同等であり、かつ、オフセットが、等式C=S−(L−S)/(2n)に従って決定されるように、前記ロング間隔は、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の間隔は、ロング―ロングコンポーネントシーケンスを包含し、前記信号は、前記2つのロングコンポーネント間に挿入されるショートコンポーネントを排除し、前記第2の間隔は、該第1および第2の間隔が前記ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアするように前記ショートコンポーネントを包含する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
ほぼ線形的な信号に対して、前記比例パラメータKが、2nにほぼ同等であり、かつ、オフセットCが、等式C=S−(L−S)/(2n−1)に従って決定されるように、前記ロング間隔は、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の信号の信号雑音比は、前記ショートコンポーネント中に前記光検出器に関連したノイズを除外することにより改善され、該ノイズは、ショットノイズと、リードノイズとを包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
複数のサンプルセットをさらに包含し、各サンプルセットは、前記第1または第2の間隔の少なくとも1つ分、隣接するサンプルセットにオーバーラップする、請求項11に記載の方法。
【請求項32】
前記光検出器は、CCD、光電子増倍管、または半導体ベースのデバイスを包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項33】
光検出器信号をサンプリングする方法であって、
該光検出器信号の一連の積分を実行することであって、該一連は、交互するロングおよびショート積分間隔を包含する、ことと、
複数のオーバーラップするサンプルセットを形成することであって、各サンプルセットは、第1の信号値を産出する少なくとも1つの間隔中に、および第2の信号値産出する少なくとも1つのショート間隔中に実行される積分を包含し、各サンプルセットは、該ロングまたはショート間隔の少なくとも1つ分、その隣接するサンプルセットとオーバーラップする、ことと
を包含する、方法。
【請求項34】
前記サンプルセットは、前記ロング間隔の少なくとも1つ分、その隣接するサンプルセットとオーバーラップするようにロング―ショート―ロング時間間隔のシーケンス中に実行される積分を包含し、それによって、前記一連の積分から取得されるサンプルセットの数を増加させる、請求項33の方法。
【請求項35】
前記サンプルセットは、ロング―アイドル―ショート―アイドル―ロング―間隔のシーケンスを産出するためにアイドル間隔をさらに包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の信号値は、前期ロング―ショート―ロング間隔中に実行される前記光検出器信号の積分の合計を包含し、前記第2の信号値は、該第1および第2の信号値が、共通の中央時間値をシェアするように前記ショート間隔中に実行される該光検出器の該積分を包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
ほぼ線形的な光検出器信号に対して、前記第1および第2の信号値の前記共通の中央時間値は、該第1の信号値が、特定されたダイナミックレンジを超えるとき、該第2の信号が該第1の信号値までスケーリングされることを可能にする、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の信号値は、前記2つのロング間隔中に実行される前記光検出器信号の積分の合計を含み、一方で、前記ショート間隔を除外し、前記第2の信号値は、該第1および第2の信号値は、共通の中央時間値をシェアするように該ショート間隔中に実行される該光検出器信号の前記積分を包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の信号の信号雑音比は、前記ショートコンポーネント中に前記光検出器に関連したノイズを除外することにより改善され、該ノイズは、ショットノイズと、リードノイズとを包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記光検出器信号は、CCD、光電子増倍管、または半導体ベースのデバイスを包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
シーケンス装置に関連した光検出器を処理するシステムであって、
電気信号に変換されるラベル付けされたサンプル信号を検出する光検出器と、
該電気信号に関連した1つ以上のサンプルセットを取得する電気信号プロセッサと
を備え、
各サンプルセットは、第1の信号値Lと、第2の信号値Sとを含み、該第1の信号値は、第1の間隔中に取得された積分された光検出器信号に対応し、該第2の信号値は、該第1の間隔より小さい第2の間隔中に取得された積分された光検出器信号に対応し、
前記信号プロセッサは、該第2の信号値は、該第1の信号値までスケーリングされるように、該第1の信号値と該第2の信号値との間の比例パラメータKを決定するために構成されており、該プロセッサは、該第1および第2の信号値に基づいて該サンプルセットを表す処理された信号を出力する、システム。
【請求項42】
前記信号プロセッサは、識別されたオフセットを明らかにするために前記第1および第2の信号値をさらに調整する、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
識別されたオフセットは、前記第1および第2の信号値から減算される、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記オフセットは、等式C=S−(L−S)/(K−1)によって決定される積分独立信号コンポーエントCを備えた、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記処理された信号は、
前記第1の信号値が、該光検出器に関連したダイナミックレンジ内にあるときの前記オフセット調整済の第1の信号値と、
該第1の信号値が、該ダイナミックレンジを超え、かつ、前記第2の信号値が該ダイナミックレンジ内にあるときのスケーリングされた第2の信号値と、
該第1および第2の信号がともに、該ダイナミックレンジを超えるときの特定された値と、
を備えた、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記スケーリングされた第2の信号値は、前記比例パラメータKで乗算される前記オフセット調整済の第2の信号値を備えた、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1の間隔は、ロング間隔を備え、前記第2の間隔は、該ロング間隔実質的に近接するショート間隔を備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項48】
遅く変化する光検出器信号に対して、前記比例パラメータKが、nにほぼ同等であり、かつ、オフセットが、等式C=S−(L−S)/(n−1)によって与えられるように、前記ロング間隔は、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1の間隔は、ロング―ショート―ロングコンポーネントシーケンスを包含し、前記第2の間隔は、該第1および第2の間隔が前記ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアするように該第1の間隔のロング―ショート―ロングコンポーネントシーケンスの前記ショートコンポーネントを包含する、請求項41に記載のシステム。
【請求項50】
ほぼ線形的な光検出器信号に対して、前記比例パラメータKが、2n+1に近似され、かつ、前記オフセットが、等式C=S−(L−S)/(2n)に従って決定されるように、前記ロング間隔のそれぞれは、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項46に記載のシステム。
【請求項51】
前記第1の間隔は、ロング―アイドル―ショート―アイドル―ロングコンポーネントシーケンスを備え、前記第2の間隔は、該第1の間隔の該ロング―アイドル―ショート―アイドル―ロングコンポーネントシーケンスの前記ショート間隔を備え、前記アイドルコンポーネントは、前記光検出器に関連したデット時間に対応し、該第1および第2の間隔は、該ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアする、請求項41に記載のシステム。
【請求項52】
ほぼ線形的な光検出器信号に対して、前記比例パラメータKが、2n+1に近似され、かつ、前記オフセットが、等式C=S−(L−S)/(2n)に従って決定されるように、前記ロング間隔のそれぞれは、前記ショート間隔のほぼn倍分だけ該ショート間隔より長い、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1の間隔は、ロング―ロングコンポーネントシーケンスを包含し、前記第1の信号は、前記2つのロングコンポーネントとの間に挿入されるショートコンポーネント中に取得されず、前記第2の間隔は、該第1のおよび第2の間隔は、前記ショート間隔のほぼ中央に位置する共通の中央時間値をシェアするように前記ショートコンポーネントを備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項54】
ほぼ線形的な信号に対して、前記比例パラメータKは、2nにほぼ等しく、オフセットCは、等式C=S−(L−S)/(2n−1)に従って決定されるように、前記ロング間隔は、前記ショート間隔のほぼn倍だけ該ショート間隔より長い、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記第1の信号の信号雑音比は、前記ショートコンポーネント中に前記光検出器に関連したノイズを除外することにより改善され、該ノイズは、ショットノイズと、リードノイズとを備えた、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記光検出器は、CCD、光電子増倍管、または半導体ベースのデバイスを備えた、請求項41に記載のシステム。
【請求項57】
前記信号プロセッサは、複数のサンプルセットを取得し、各サンプルセットは、前記第1または第2の間隔の少なくとも1つ分、隣接するサンプルセットにオーバーラップする、請求項41に記載のシステム。

【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−503288(P2006−503288A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−544835(P2004−544835)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/032081
【国際公開番号】WO2004/036196
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(500069057)アプレラ コーポレイション (120)
【住所又は居所原語表記】850 Lincoln Centre Drive Foster City CALIFORNIA 94404 U.S.A.
【Fターム(参考)】